説明

発光装置、およびプロジェクター

【課題】出射光を反射させる反射部の位置合わせを、高精度で行うことができる発光装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る発光装置1000は、ベース140と、ベース140の表面141に支持され、互いに反対方向に進行する第1出射光L1および第2出射光L2を出射する発光素子100と、ベース140に形成された第1凹部142の第1内面143に支持され、第1出射光L1を反射させる第1反射部170と、ベース140に形成された第2凹部145の第2内面146に支持され、第2出射光L2を反射させる第2反射部174と、を含み、第1反射部170は、第1内面143に接続する第1開口部142の第3内面144に接し、第2反射部174は、第2内面146に接続する第2開口部145の第4内面147に接し、第1反射部170によって反射される第1反射光L1と、第2反射部174によって反射される第2反射光L2とは、同じ方向に進行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置、およびプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
チップの両端面から光を出射する発光素子の場合、例えば、両端からの光を同じ方向に向けるためにミラーで跳ね上げることがある。このような跳ね上げミラーを用いて光の方向を変える例として、光ファイバーなどの受発光素子を用いた送受信可能な光通信モジュールがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−7353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、出射光を反射させる反射部の位置合わせを、高精度で行うことができる発光装置を提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、上記発光装置を有するプロジェクターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る発光装置は、
ベースと、
前記ベースの表面に支持され、互いに反対方向に進行する第1出射光および第2出射光を出射する発光素子と、
前記ベースに形成された第1凹部の第1内面に支持され、前記第1出射光を反射させる第1反射部と、
前記ベースに形成された第2凹部の第2内面に支持され、前記第2出射光を反射させる第2反射部と、
を含み、
前記第1反射部は、前記第1内面に接続する前記第1開口部の第3内面に接し、
前記第2反射部は、前記第2内面に接続する前記第2開口部の第4内面に接し、
前記第1反射部によって反射される第1反射光と、前記第2反射部によって反射される第2反射光とは、同じ方向に進行する。
【0006】
このような発光装置によれば、前記第1反射部および前記第2反射部は、その一部を前記第3内面および前記第4内面に押し当てるようにして、前記ベースに載置されることができる。つまり、前記第3内面および前記第4内面は、前記第1反射部および前記第2反射部の位置決めの役割を担うことができる。したがって、第1反射部および第2反射部の位置合わせを、容易かつ高精度で行なうことができる。
【0007】
本発明に係る発光装置において、
前記ベースの前記表面は、前記第1出射光および前記第2出射光の進行方向と平行であり、
前記第1反射部は、第1反射面において、前記第1出射光を反射させ、
前記第2反射部は、第2反射面において、前記第2出射光を反射させ、
前記第1反射面および前記第2反射面は、前記ベースの前記表面に対して、45度傾いていることができる。
【0008】
このような発光装置によれば、前記第1出射光の進行方向と、前記第1反射光の進行方向とは、直角をなすことができ、前記第2出射光の進行方向と、前記第2反射光の進行方向とは、直角をなすことができる。
【0009】
本発明に係る発光装置において、
前記第1反射部は、第1反射面において、前記第1出射光を反射させ、
前記第2反射部は、第2反射面において、前記第2出射光を反射させ、
前記第1反射面および前記第2反射面は、凹面形状であることができる。
【0010】
このような発光装置によれば、前記第1出射光および前記第2出射光の放射角が大きい場合においても、前記第1出射光および前記第2出射光を反射させることができる。
【0011】
本発明に係る発光装置において、
前記第1反射面および前記第2反射面は、放物面形状であり、
前記第1出射光を出射する前記発光素子の第1出射面は、前記第1反射面の焦点に位置し、
前記第2出射光を出射する前記発光素子の第2出射面は、前記第2反射面の焦点に位置していることができる。
【0012】
このような発光装置によれば、前記第1出射光および前記第2出射光を平行光に変換することができるため、光の利用効率を向上させることができる。
【0013】
本発明に係る発光装置において、
前記第3内面は、前記ベースの前記表面の垂線方向から見て、前記第1出射光と交差する面であり、
前記第4内面は、前記ベースの前記表面の垂線方向から見て、前記第2出射光と交差する面であり、
前記第1内面と前記第3内面とは、鈍角をなして接続され、
前記第2内面と前記第4内面とは、鈍角をなして接続されていることができる。
【0014】
このような発光装置によれば、前記第1出射光および前記第2出射光が前記ベースの前記表面によって遮られ、前記第1出射光および前記第2出射光の形状が歪んでしまう可能性を小さくすることができ、より良好な形状(断面形状)の出射光を得ることができる。
【0015】
本発明に係る発光装置において、
前記発光素子は、スーパールミネッセントダイオードであることができる。
【0016】
このような発光装置によれば、端面反射による共振器の形成を抑えることにより、レーザー発振を防止することができるため、スペックルノイズを低減することができる。
【0017】
本発明に係る発光装置において、
前記第3内面は、前記ベースの前記表面の垂線方向から見て、前記第1出射光と交差する面であり、
前記第4内面は、前記ベースの前記表面の垂線方向から見て、前記第2出射光と交差する面であり、
前記第3内面と、前記第1出射光を出射する前記発光素子の第1出射面とは、同一平面にあり、
前記第4内面と、前記第2出射光を出射する前記発光素子の第2出射面とは、同一平面にあることができる。
【0018】
このような発光装置によれば、前記第1出射光および前記第2出射光が前記ベースの前記表面によって遮られ、前記第1出射光および前記第2出射光の形状が歪んでしまうという問題を回避することができ、より良好な形状(断面形状)の出射光を得ることができる。
【0019】
本発明に係るプロジェクターは、
本発明に係る発光装置と、
前記発光装置から出射された光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、
前記光変調装置によって形成された画像を投射する投射装置と、
を含む。
【0020】
このようなプロジェクターによれば、本発明に係る発光装置を光源として用いることができるため、高い信頼性を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本実施形態に係る発光装置を模式的に示す平面図。
【図2】本実施形態に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図3】本実施形態に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図4】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
【図5】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
【図6】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
【図7】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
【図8】本実施形態の第1変形例に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図9】本実施形態の第2変形例に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図10】本実施形態の第3変形例に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図11】本実施形態の第4変形例に係る発光装置を模式的に示す平面図。
【図12】本実施形態の第4変形例に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図13】本実施形態の第5変形例に係る発光装置を模式的に示す平面図。
【図14】本実施形態の第5変形例に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図15】本実施形態の第6変形例に係る発光装置を模式的に示す平面図。
【図16】本実施形態の第6変形例に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図17】本実施形態に係るプロジェクターを模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0023】
1. 発光装置
まず、本実施形態に係る発光装置1000について、図面を参照しながら説明する。図1は、発光装置1000を模式的に示す平面図である。図2は、発光装置1000を模式的に示す図1のII−II線断面図である。図3は、発光装置1000を模式的に示す図1のIII−III線断面図である。なお、図1および図3では、便宜上、リッド180の図示を省略している。また、図2では、便宜上、発光素子100を簡略化して図示している。
【0024】
発光装置1000は、図1〜図3に示すように、パッケージ190と、発光素子100と、第1反射部170と、第2反射部174と、サブマウント150と、絶縁部材136と、端子134と、接続部材132と、を含むことができる。なお、ここでは、発光素子100がInGaAlP系(赤色)のスーパールミネッセントダイオード(Super Luminescent Diode、以下「SLD」ともいう)である場合について説明する。SLDは、半導体レーザーと異なり、端面反射による共振器の形成を抑えることにより、レーザー発振を防止することができる。そのため、スペックルノイズを低減することができる。
【0025】
発光素子100は、サブマウント150を介して、パッケージ190のベース140上に支持されている。図示はしないが、発光素子100は、サブマウント150を介さず、直接ベース140に支持されていてもよい。発光素子100は、ベース140に実装されているともいえる。発光素子100は、図1〜図3に示すように、クラッド層(以下「第1クラッド層」という)108と、その上に形成された活性層106と、その上に形成されたクラッド層(以下「第2クラッド層」という)104と、を有する。発光素子100は、さらに、例えば、基板102と、コンタクト層110と、電極(以下「第1電極」という)114と、電極(以下「第2電極」という)112と、絶縁部116と、を有することができる。
【0026】
基板102としては、例えば、第1導電型(例えばn型)のGaAs基板などを用いることができる。
【0027】
第2クラッド層104は、基板102下に形成されている。第2クラッド層104としては、例えば、n型のAlGaInP層などを用いることができる。なお、図示はしないが、基板102と第2クラッド層104との間に、バッファー層が形成されていてもよい。バッファー層としては、例えば、n型のGaAs層、InGaP層などを用いることができる。
【0028】
活性層106は、第2クラッド層104下に形成されている。活性層106は、例えば、発光素子100においてベース140側に設けられている。すなわち、活性層106は、例えば、発光素子100のうち、厚さ方向の中間よりも下側(基板102側とは反対側)に設けられている。活性層106は、第2クラッド層104と第1クラッド層108とに挟まれている。活性層106は、例えば、InGaPウェル層とInGaAlPバリア層とから構成される量子井戸構造を3つ重ねた多重量子井戸(MQW)構造を有する。
【0029】
活性層106の形状は、例えば直方体(立方体である場合を含む)などである。活性層106は、図1に示すように、第1側面105および第2側面107を有する。第1側面105と第2側面107とは、互いに対向しており、例えば平行である。第1クラッド層108と第2クラッド層104とで挟まれた活性層106は、例えば、積層構造体を構成している。第1側面105および第2側面107は、活性層106の面のうち第1クラッド層108または第2クラッド層104に接していない面であり、積層構造体において、露出している面ともいえる。積層構造体は、さらに、基板102と、コンタクト層110と、を有していてもよい。
【0030】
活性層106の一部は、活性層106の電流経路となる利得領域160を構成している。利得領域160には、光を生じさせることができ、この光は、利得領域160内で利得を受けることができる。利得領域160の平面形状は、例えば、平行四辺形である。利得領域160は、図1に示すように、活性層106の積層方向からみて(平面視において)、第1側面105から第2側面107まで、第1側面105の垂線Pに対して傾いた方向に向かって設けられている。これにより、利得領域160に生じる光のレーザー発振を抑制または防止することができる。なお、利得領域160が、ある方向に向かって設けられている場合とは、当該方向が、平面視において、利得領域160の第1側面105側の第1端面162の中心と、第2側面107側の第2端面164の中心とを結ぶ方向に一致する場合をいう。利得領域160は、図示の例では、1つ設けられているが、その数は特に限定されず、複数設けられていてもよい。
【0031】
第1クラッド層108は、図3に示すように、活性層106下に形成されている。第1クラッド層108としては、例えば、第2導電型(例えばp型)のAlGaInP層などを用いることができる。
【0032】
例えば、p型の第1クラッド層108、不純物がドーピングされていない活性層106、およびn型の第2クラッド層104により、pinダイオードが構成される。第1クラッド層108および第2クラッド層104の各々は、活性層106よりも禁制帯幅が大きく、屈折率が小さい層である。活性層106は、光を増幅する機能を有する。第1クラッド層108および第2クラッド層104は、活性層106を挟んで、注入キャリア(電子および正孔)並びに光を閉じ込める機能を有する。
【0033】
コンタクト層110は、第1クラッド層108下に形成されている。コンタクト層110としては、第1電極114とオーミックコンタクトする層を用いることができる。コンタクト層110は、例えば第2導電型の半導体からなる。コンタクト層110としては、例えばp型GaAs層などを用いることができる。
【0034】
絶縁部116は、利得領域160の下方以外のコンタクト層110下に形成されている。すなわち、絶縁部116は利得領域160の下方に開口を有し、該開口ではコンタクト層110の表面が露出している。絶縁部116としては、例えば、SiN層、SiO層、ポリイミド層などを用いることができる。
【0035】
第1電極114は、露出しているコンタクト層110下および絶縁部116下に形成されている。第1電極114は、コンタクト層110を介して、第1クラッド層108と電気的に接続されている。第1電極114は、発光素子100を駆動するための一方の電極である。第1電極114としては、例えば、コンタクト層110側からCr層、AuZn層、Au層の順序で積層したものなどを用いることができる。第1電極114とコンタクト層110との接触面は、例えば、利得領域160と同じ平面形状を有している。図示の例では、第1電極114とコンタクト層110との接触面の平面形状によって、電極112,114間の電流経路が決定され、その結果、利得領域160の平面形状が決定されることができる。
【0036】
第2電極112は、基板102の上の全面に形成されている。第2電極112は、該第2電極112とオーミックコンタクトする層(図示の例では基板102)と接していることができる。第2電極112は、基板102を介して、第2クラッド層104と電気的に接続されている。第2電極112は、発光素子100を駆動するための他方の電極である。第2電極112としては、例えば、基板102側からCr層、AuGe層、Ni層、Au層の順序で積層したものなどを用いることができる。なお、第2クラッド層104と基板102との間に、第2コンタクト層(図示せず)を設け、ドライエッチングなどにより該第2コンタクト層の第2クラッド層104側を露出させ、第2電極112を第2コンタクト層下に設けることもできる。これにより、片面電極構造を得ることができる。第2コンタクト層としては、例えばn型GaAs層などを用いることができる。
【0037】
発光素子100では、第1電極114と第2電極112との間に、pinダイオードの順バイアス電圧を印加すると、活性層106の利得領域160において電子と正孔との再結合が起こる。この再結合により発光が生じる。この生じた光を起点として、連鎖的に誘導放出が起こり、利得領域160内を光が進行し、その間に光強度が増幅され、第1端面(第1出射面)170から第1出射光L1として出射され、第2端面(第2出射面)172から第2出射光L2として出射されることができる。第1出射光L1および第2出射光L2は、例えば、光の屈折により、第1側面107の垂線Pに対する利得領域160の傾きよりも、さらに傾いた方向に出射されることができる。第1出射光L1および第2出射光L2は、例えば、活性層106の上面と平行な方向(ベース140の表面141と平行な方向)に進行することができる。第1出射光L1の進む向きと第2出射光L2の進む向きとは、互いに逆方向である。
【0038】
パッケージ190は、ベース140と、リッド180と、を有することができる。ベース140の表面141は、サブマウント150を介して、間接的に発光素子100を支持することができる。ベース140の材質としては、例えば、Cu、Al、Mo、W、Si、C、Be、Auや、これらの化合物(例えば、AlN、BeOなど)や合金(例えばCuMoなど)などを挙げることができる。また、これらの例示を組み合わせたもの、例えば銅(Cu)層とモリブデン(Mo)層の多層構造などから、ベース140を構成することもできる。ベース140としては、例えば、板状(直方体形状)の部材に開口部149を設けたものを用いることができる。ベース140の表面141は、開口部149の底面であるともいえる。ベース140の表面141側には、第1凹部142および第2凹部145が形成されている。
【0039】
第1凹部142は、図2に示すように、少なくとも第1内面143および第3内面144を有している。少なくとも第1内面143および第3内面144は、第1凹部142を区画しているともいえる。第1内面143は、第1凹部142の底面をなす面ともいえる。第3内面144は、第1内面143に接続されている。図示の例では、第1内面143と第3内面144とは、直角をなして接続されている。第3内面144は、第1凹部142の側面をなす面ともいえる。第1凹部142の平面形状は、図1に示す例では矩形だが、特に限定されない。
【0040】
第2凹部145は、少なくとも第2内面146および第4内面147を有している。少なくとも第2内面146および第4内面147は、第2凹部145を区画しているともいえる。第2内面146は、第2凹部145の底面をなす面ともいえる。第4内面147は、第2内面146に接続されている。図示の例では、第2内面146と第4内面147とは、直角をなして接続されている。第4内面147は、第2凹部145の側面をなす面ともいえる。第2凹部145の平面形状は、図1に示す例では矩形だが、特に限定されない。
【0041】
第1反射部170は、第1凹部142の第1内面143に支持されている。図示の例では、第1反射部170は、第1内面143に接している。第1反射部170は、さらに第3内面144に接している。すなわち、第1反射部170は、第1凹部142の側面をなす面のうち、少なくとも1つの面(第3内面144)に接している。第1反射部170は、第1内面143および第3内面144によって固定されているともいえる。図示の例では、第1反射部170が接する第3内面144は、第1凹部142の側面をなす面のうち、発光素子100側の面であるが、第3内面144は、第1凹部142の側面をなす、いずれの面であってもよい。第1反射部170は、図1に示すように、第1凹部142の側面をなす面のうち、全ての面にも接していてもよい。すなわち、第1反射部170の平面形状と、第1凹部142の平面形状とは、同じであってもよい。
【0042】
第1反射部170は、図1および図2に示すように、第1反射面172において、第1出射光L1を反射させることができる。第1反射面172は、第1反射部170の表面のうち、第1出射光L1が入射する面であるともいえる。第1反射面172は、図2に示すように、第1出射光L1を、発光素子100の上側に向けて反射させることができる。第1出射光L1は、第1反射面172により反射され、第1反射光L3として、例えば、活性層106の上面に対して垂直上向き(図1のZ方向)に進むことができる。第1反射面172は、ベース140の表面141に対して傾いており、図示の例では45度傾いている。これにより、第1出射光L1の進む向きと、第1反射光L3の進む向きとは、直角をなすことができる。第1反射面172の第1出射光L1に対する反射率は、50%より高く、100%以下であることが好ましい。第1反射部170の材質としては、例えば、Al、Ag、Auなどが挙げられる。例えば、第1反射部170の表面の材質のみを、上記材質(例えば、Al、Ag、Au)とすることにより、第1反射部170の表面を第1反射面172としてもよい。
【0043】
第2反射部174は、第2凹部145の第2内面146に支持されている。図示の例では、第2反射部174は、第2内面146に接している。第2反射部174は、さらに第4内面147に接している。すなわち、第2反射部174は、第2凹部145の側面をなす面のうち、少なくとも1つの面(第4内面147)に接している。第2反射部174は、第2内面146および第4内面147によって固定されているともいえる。図示の例では、第2反射部174が接する第4内面147は、第2凹部145の側面をなす面のうち、発光素子100側の面であるが、第4内面147は、第2凹部145の側面をなす、いずれの面であってもよい。第2反射部174は、図1に示すように、第2凹部145の側面をなす面のうち、全ての面にも接していてもよい。すなわち、第2反射部174の平面形状と、第2凹部145の平面形状とは、同じであってもよい。
【0044】
第2反射部174は、図1および図2に示すように、第2反射面176において、第2出射光L2を反射させることができる。第2反射面176は、第2反射部174の表面のうち、第2出射光L2が入射する面であるともいえる。第2反射面176は、図2に示すように、第2出射光L2を、発光素子100の上側に向けて反射させることができる。第2出射光L2は、第2反射面176により反射され、第2反射光L4として、例えば、活性層106の上面に対して垂直上向き(図1のZ方向)に進むことができる。第2反射面176は、ベース140の表面141に対して傾いており、図示の例では45度傾いている。これにより、第2出射光L2の進む向きと、第2反射光L4の進む向きとは、直角をなすことができる。第2反射面176の第2出射光L2に対する反射率は、50%より高く、100%以下であることが好ましい。第2反射部174の材質としては、例えば、Al、Ag、Auなどが挙げられる。例えば、第2反射部174の表面の材質のみを、上記材質(例えば、Al、Ag、Au)とすることにより、第2反射部174の表面を第2反射面176としてもよい。
【0045】
第1出射光L1の進む向きは、図1に示すように、活性層106の上面に平行な面(X−Y平面)と第1反射面172との交線Vに対して直角をなしている。同様に、第2出射光L2の進む向きは、活性層106の上面に平行な面と第2反射面176との交線Wに対して直角をなしている。これにより、第1反射面172による第1反射光L3の進む向きと、第2反射面176による第2反射光L4の進む向きとを、同じにすることができる。
【0046】
サブマウント150は、ベース140の表面141に支持されている。サブマウント150としては、例えば、板状の部材を用いることができる。サブマウント150は、直接的に発光素子100を支持することができる。サブマウント150の熱伝導率は、例えば、発光素子100の熱伝導率よりも大きく、ベース140の熱伝導率よりも小さい。ベース140およびサブマウント150の各々の熱伝導率は、例えば、140W/mK以上である。サブマウント150の材質としては、例えば、AlN、CuW、SiC、BeO、CuMo、CuとMoを積層したCMCなどを挙げることができる。サブマウント150は、ベース140と発光素子100との熱膨張率の差により生じる発光素子100の反りなどを防止することができる。
【0047】
ベース140には、図1および図3に示すように、例えば円柱状の貫通孔137が形成されている。この貫通孔137内には、例えば、絶縁部材136に側面を覆われた円柱状の端子134が設けられている。絶縁部材136は、例えば、樹脂、セラミックス(例えばAlN等)などからなる。端子134は、例えば銅(Cu)などからなる。
【0048】
端子134は、例えば、ワイヤーボンディング等の接続部材132により、発光素子100の第2電極112と接続されている。接続部材132は、出射光L1,L2の光路を遮らないように設けられている。また、発光素子100の第1電極114は、例えば、めっきバンプ等(図示せず)により、サブマウント150と接続されている。サブマウント150は、例えば半田や銀ペーストなどにより、ベース140と接続されている。端子134とベース140とに異なる電位を与えることにより、第1電極114と第2電極112との間に電圧を印加することができる。
【0049】
リッド180は、図2に示すように、ベース140上に設けられている。リッド180は、ベース140の凹部149を密閉して、該凹部149内に設けられた発光素子100を封止することができる。リッド180は、反射光L3,L4の波長に対して透過性のある材質である。これにより、第1反射光L3のうちの少なくとも一部は、リッド180を透過することができ、第2反射光L4のうちの少なくとも一部は、リッド180を透過することができる。リッド180は、例えば、石英、ガラス、水晶、プラスチックなどからなることができる。これらは、反射光L3,L4の波長に応じて適宜選択されることができる。これにより、光の吸収損失を低減することができる。
【0050】
発光装置1000の一例として、発光素子100がInGaAlP系の場合について説明したが、発光素子100は、発光利得領域が形成可能なあらゆる材料系を用いることができる。半導体材料であれば、例えば、AlGaN系、InGaN系、GaAs系、InGaAs系、GaInNAs系、ZnCdSe系などの半導体材料を用いることができる。
【0051】
発光装置1000は、例えば、以下の特徴を有する。
【0052】
発光装置1000によれば、第1反射部170は、第1凹部142の第1内面143に支持され、かつ第3内面144に接していることができる。同様に、第2反射部174は、第2凹部145の第2内面146に支持され、かつ第4内面147に接していることができる。すなわち、反射部170,174は、その一部を内面144,147に押し当てるようにして、ベース140に載置される。つまり、内面144,147は、反射部170,174の位置決めの役割を担うことができる。したがって、発光装置1000では、反射部170,174の位置合わせを、容易かつ高精度で行なうことができる。
【0053】
発光装置1000によれば、第1反射部170は、第1凹部142の内面の全てに接しており、第2反射部172は、第2凹部145の内面の全てに接していることができる。すなわち、第1反射部170の平面形状と第1凹部142の平面形状とは、同じであり、第2反射部174の平面形状と第2凹部145の平面形状とは、同じであることができる。これにより、発光装置100では、安定して、反射部170,174を支持することができる。発光装置100では、例えば、発光装置100に外部から衝撃が加わった場合でも、反射部170,174の位置がずれることを防止することができる。
【0054】
発光装置1000によれば、2つの出射光L1,L2を同じ向きに向けて反射させることができる。すなわち、第1反射部170による第1反射光L3の進む向きと、第2反射部174による第2反射光L4の進む向きと、を同じにすることができる。これにより、例えば、発光装置1000をプロジェクターの光源として用いる場合、プロジェクターの光学系の構成を簡素化することができ、プロジェクターにおいて光軸合わせを容易化することができる。
【0055】
発光装置1000によれば、発光素子100は、SLDであることができる。そのため、利得領域160に生じる光のレーザー発振を抑制または防止することができる。したがって、スペックルノイズを低減させることができる。
【0056】
発光装置1000によれば、活性層106は、発光素子100においてベース140側に設けられていることができる。すなわち、活性層106は、発光素子100のうち、厚さ方向の中間よりも下側(基板102側とは反対側)に設けられている。また、ベース140の熱伝導率は、発光素子100の熱伝導率よりも大きい。したがって、発光素子100の放熱性を高めることができる。
【0057】
2. 発光装置の製造方法
次に、本実施形態に係る発光装置1000の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図4〜図7は、発光装置1000の製造工程を模式的に示す断面図である。
【0058】
図4に示すように、基板102上に、第2クラッド層104、活性層106、第1クラッド層108、およびコンタクト層110を、この順でエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などを用いることができる。
【0059】
図5に示すように、コンタクト層110上に、開口部を有する絶縁部116を形成する。絶縁部116は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などにより形成される。開口部は、例えば、絶縁部をフォトリソグラフィー技術およびエッチング技術によりパターニングし、コンタクト層110が露出するように形成される。
【0060】
次に、露出したコンタクト層110および絶縁部116上に第1電極114を形成する。次に、基板102の下面下に第2電極112を形成する。第1電極114および第2電極112は、例えば、真空蒸着法により形成される。なお、第1電極114および第2電極112の形成順序は、特に限定されない。以上の工程により、発光素子100を得ることができる。
【0061】
図6に示すように、例えば切削加工などにより、第1凹部142および第2凹部145を有するベース140を作製する。
【0062】
図7に示すように、公知の方法によりベース140に貫通孔137を設ける。次に、貫通孔137の内側の側面を覆うように絶縁部材136を形成する。絶縁部材136は、貫通孔137を塞がないように形成される。絶縁部材136は、例えばCVD法などにより成膜される。次に、絶縁部材136の内側に棒状の端子134を挿入する。なお、棒状の端子134の周囲に絶縁部材136を形成したものを、貫通孔137に挿入する方法を用いることもできる。
【0063】
図3に示すように、発光素子100が実装されたサブマウント150をベース140に実装する。サブマウント150の実装は、例えば、半田によって行われる。なお、先にサブマウント150のみをベース140に実装し、次に発光素子100をサブマウント150に実装してもよい。発光素子100は、活性層106側をベース140側に向けて(ジャンクションダウン)、実装されている。すなわち、発光素子100をフリップチップ実装することができる。
【0064】
図1および図2に示すように、第1反射部170を、第3内面144に押し当てるようにして、第1内面143に載置させる。同様に、第2反射部174を、第4内面147に押し当てるようにして、第3内面146に載置させる。反射部170,174は、接着剤を介して、凹部内142,145に固定されていてもよい。反射部170,174は、例えば、蒸着法などにより、表面が反射面172,176となるように形成されていてもよい。
【0065】
図3に示すように、端子134と、発光素子100の第2電極112と、を接続部材132により接続する。本工程は、例えばワイヤーボンディングなどにより行われる。なお、端子134と第2電極112とを接続する工程と、反射部170,174を載置する工程とは、その先後を問わない。
【0066】
図2に示すように、リッド180を、例えば窒素雰囲気中でベース140に接着または溶接する。これにより、発光素子100を封止することができる。
【0067】
以上の工程により、発光装置1000を製造することができる。
【0068】
発光装置1000の製造方法によれば、反射部170,174の位置合わせを、容易かつ高精度で行うことができる。
【0069】
3. 発光装置の変形例
次に、本実施形態の変形例に係る発光装置2000,3000,4000,5000,6000,7000について、図面を参照しながら説明する。以下、本実施形態の変形例に係る発光装置2000,3000,4000,5000,6000,7000において、本実施形態に係る発光装置1000の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0070】
(1)第1変形例に係る発光装置
まず、本実施形態の第1変形例に係る発光装置2000について、図面を参照しながら説明する。図8は、発光装置2000を模式的に示す断面図であり、図2に対応している。なお、図8では、便宜上、発光素子100を簡略化して図示している。
【0071】
発光装置1000の例では、図2に示すように、第1反射面172および第2反射面176が、ベース140の表面141に対して、45度傾いていた。これに対し、発光装置2000では、第1反射面172および第2反射面176が凹面形状であることができる。すなわち、第1反射面172および第2反射面176は、凹面ミラーであることができる。発光装置2000によれば、出射光L1,L2の放射角が大きい場合においても、出射光L1,L2を共に発光素子100の上側に向けて反射させることができる。
【0072】
さらに、図示の例では、第1反射面172および第2反射面176は、放物面形状である。すなわち、第1反射面172および第2反射面176は、放物面ミラーであることができる。発光素子100の第1端面162(第1出射面)は、例えば、第1反射面172の焦点に位置するように配置され、発光素子100の第2端面164(第2出射面)は、例えば、第2反射176の焦点に位置するように配置されている。これにより、発光素子100からベース140の表面141と平行な方向に出射された2つの出射光L1,L2を同じ向きに向けて反射させることができ、かつ平行光に変換することができる。このように、発光装置2000によれば、さらに出射光L1,L2を平行光に変換することができるため、光の利用効率を向上させることができる。
【0073】
(2)第2変形例に係る発光装置
次に、本実施形態の第2変形例に係る発光装置3000について、図面を参照しながら説明する。図9は、発光装置3000を模式的に示す断面図であり、図3に対応している。なお、図9では、便宜上、リッド180の図示を省略している。
【0074】
発光装置1000の例では、図3に示すように、活性層106は、発光素子100においてベース140側に設けられていた。これに対し、発光装置3000では、図9に示すように、活性層106は、発光素子100においてベース140とは反対側に設けられている。すなわち、活性層106は、発光素子100のうち、厚さ方向の中間よりも上側に設けられている。発光装置3000では、活性層106とベース140との間に基板102が設けられている。第2電極112は、例えば、接続部材(図示せず)により、サブマウント150と接続されている。また、第1電極114は、例えば、接続部材132により、端子134と接続されている。
【0075】
発光装置3000によれば、活性層106とベース140との間に基板102が設けられているため、発光装置1000の例に比べて、少なくとも基板102の厚み分、活性層106はベース140から離れた位置に設けられている。そのため、より良好な形状(断面形状)の出射光を得ることができる。例えば、利得領域160からの出射光L1,L2の放射角が大きいと、出射光L1,L2がベース140(表面141)によって遮られ、出射光L1,L2の形状が歪んでしまう場合がある。発光装置3000では、このような問題を回避することができる。
【0076】
(3)第3変形例に係る発光装置
次に、本実施形態の第3変形例に係る発光装置4000について、図面を参照しながら説明する。図10は、発光装置4000を模式的に示す断面図であり、図3に対応している。なお、図10では、便宜上、リッド180の図示を省略している。
【0077】
発光装置1000の例では、いわゆる利得導波型について説明した。これに対し、発光装置4000は、いわゆる屈折率導波型であることができる。
【0078】
すなわち、発光装置4000では、図10に示すように、コンタクト層110と、第1クラッド層108の一部とは、柱状部111を構成することができる。柱状部111の平面形状は、利得領域160と同じである。例えば、柱状部111の平面形状によって、電極112,114間の電流経路が決定され、その結果、利得領域160の平面形状が決定される。なお、図示はしないが、柱状部111は、例えば、コンタクト層110、第1クラッド層108、および活性層106から構成されていてもよいし、さらに、第2クラッド層104をも含んで構成されていてもよい。また、柱状部111の側面を傾斜させることもできる。
【0079】
柱状部111の側方には、絶縁部116が設けられている。絶縁部116は、柱状部111の側面に接していることができる。電極112,114間の電流は、絶縁部116を避けて、該絶縁部116に挟まれた柱状部111を流れることができる。絶縁部116は、活性層106の屈折率よりも小さい屈折率を有することができる。これにより、平面方向(活性層106の上面と平行な方向)において、利得領域160内に効率良く光を閉じ込めることができる。
【0080】
(4)第4変形例に係る発光装置
次に、本実施形態の第4変形例に係る発光装置5000について、図面を参照しながら説明する。図11は、発光装置5000を模式的に示す平面図である。図12は、発光装置5000を模式的に示す図11のXII−XII線断面図である。なお、図11では、便宜上、リッド180の図示を省略している。また、図12では、便宜上、発光素子100を簡略化して図示している。
【0081】
発光装置1000の例では、図2に示すように、第1内面143と第3内面144とは、直角をなして接続され、第2内面146と第4内面147とは、直角をなして接続されていた。これに対して、発光装置5000では、図12に示すように、第1内面143と第3内面144とは、鈍角θ1をなして接続されている。同様に、第2内面146と第4内面147とは、鈍角θ2をなして接続されている。図示の例では、鈍角θ1,θ2は、135度である。
【0082】
発光装置5000では、第3内面144は、図11に示すようにベース140の表面141の垂線方向から見て(平面視において)、第1出射光L1と交差する面である。例えば、第3内面144は、第1凹部142の側面をなす面のうち、発光素子100側の面であるといえる。同様に、第4内面147は、平面視において、第2出射光L2と交差する面である。例えば、第4内面147は、第2凹部145の側面をなす面のうち、発光素子100側の面であるといえる。
【0083】
発光装置5000によれば、第1内面143と第3内面144とは、鈍角θ1をなして接続され、第2内面146と第4内面147とは、鈍角θ2をなして接続されている。そのため、例えば発光装置1000の例に比べて、出射光L1,L2が表面141によって遮られ、出射光L1,L2の形状が歪んでしまう可能性を小さくすることができ、より良好な形状(断面形状)の出射光を得ることができる。
【0084】
(5)第5変形例に係る発光装置
次に、本実施形態の第5変形例に係る発光装置6000について、図面を参照しながら説明する。図13は、発光装置6000を模式的に示す平面図である。図14は、発光装置6000を模式的に示す図13のXIV−XIV線断面図である。なお、図13では、便宜上、リッド180の図示を省略している。また、図14では、便宜上、発光素子100を簡略化して図示している。
【0085】
発光装置1000の例では、図1および図2に示すように、発光素子100は、パッケージ190内に、1つ設けられていた。これに対し、発光装置6000では、図13および図14に示すように、発光素子100は、パッケージ190内に複数設けられていることができる。図示の例では、発光素子100は2つ設けられているが、その数は特に限定されない。
【0086】
図示の例では、隣り合う発光素子100(100a,100b)において、一方の発光素子100aの第2反射部174と、他方の発光素子100bの第1反射部170と、を共通の部材として用いることができる。すなわち、該共通の反射部は、一方の発光素子100aの出射光L2を反射させる第2反射面176と、他方の発光素子100bの出射光L1を反射させる第1反射面172と、を有することができる。同様に、一方の発光素子100aの第2凹部145と、他方の発光素子100bの第1凹部142と、を共通の凹部として用いることができる。これにより、その分、発光装置の小型化を図ることができる。
【0087】
発光装置6000によれば、例えば発光装置1000の例に比べて、発光装置全体の高出力化を図ることができる。
【0088】
(6)第6変形例に係る発光装置
次に、本実施形態の第6変形例に係る発光装置7000について、図面を参照しながら説明する。図15は、発光装置7000を模式的に示す平面図である。図16は、発光装置7000を模式的に示す図15のXVI−XVI線断面図である。なお、図15では、便宜上、リッド180の図示を省略している。また、図16では、便宜上、発光素子100を簡略化して図示している。
【0089】
発光装置1000の例では、発光素子100がSLDである場合について説明した。これに対し、発光装置7000では、発光素子100は半導体レーザーであることができる。
【0090】
すなわち、発光装置7000では、図15に示すように、発光素子100の利得領域160は、第1側面105および第2側面107に対して、直交して設けられている。つまり、利得領域160は、第1側面105の垂線Pと平行な方向に向かって設けられている。そのため、第1端面162と第2端面164との間で共振器を形成することができる。また、出射光L1,L2は、側面105,107に対して直交する方向に進行することができる。
【0091】
発光装置7000では、第3内面144は、図15に示すように平面視において、第1出射光L1と交差する面である。例えば、第3内面144は、第1凹部142の側面をなす面のうち、発光素子100側の面であるといえる。同様に、第4内面147は、平面視において、第2出射光L2と交差する面である。例えば、第4内面147は、第2凹部145の側面をなす面のうち、発光素子100側の面であるといえる。
【0092】
発光装置7000では、図15および図16に示すように、第1端面162と、サブマウント150の第1端面162側の第3側面152と、第3内面144は、同一平面にある。同様に、第2端面164と、サブマウント150の第2端面164側の第4側面154と、第4内面147とは、同一平面にある。すなわち、発光装置7000では、平面視において、発光素子100と第1反射部170とは接しており、発光素子100と第1反射部170との間に、ベース140の表面が露出されていない。同様に、発光素子100と第2反射部174とは接しており、発光素子100と第2反射部174との間に、ベース140の表面が露出されていない。これにより、発光装置7000では、より良好な形状(断面形状)の出射光を得ることができる。例えば、利得領域160からの出射光の放射角が大きいと、出射光がベース140によって遮られ、出射光の形状が歪んでしまう場合がある。発光装置7000では、このような問題を回避することができる。
【0093】
4. プロジェクター
次に、本実施形態に係るプロジェクター8000について、図面を参照しながら説明する。図17は、プロジェクター8000を模式的に示す図である。なお、図17では、便宜上、プロジェクター8000を構成する筐体は省略している。
【0094】
プロジェクター8000において、赤色光、緑色光、青色光を出射する赤色光源(発光装置)1000R,緑色光源(発光装置)1000G、青色光源(発光装置)1000Bは、本発明に係る発光装置(例えば発光装置1000)である。
【0095】
プロジェクター8000は、光源1000R,1000G,1000Bから出射された光をそれぞれ画像情報に応じて変調する透過型の液晶ライトバルブ(光変調装置)804R,804G,804Bと、液晶ライトバルブ804R,804G,804Bによって形成された像を拡大してスクリーン(表示面)810に投射する投射レンズ(投射装置)808と、を備えている。また、プロジェクター8000は、液晶ライトバルブ804R,804G,804Bから出射された光を合成して投写レンズ808に導くクロスダイクロイックプリズム(色光合成手段)806を備えていることができる。
【0096】
さらに、プロジェクター8000は、光源1000R,1000G,1000Bから出射された光の照度分布を均一化させるため、各光源1000R,1000G,1000Bよりも光路下流側に、均一化光学系802R,802G,802Bを設けており、これらによって照度分布が均一化された光によって、液晶ライトバルブ804R,804G,804Bを照明している。均一化光学系802R,802G、802Bは、例えば、ホログラム802aおよびフィールドレンズ802bによって構成される。
【0097】
各液晶ライトバルブ804R,804G,804Bによって変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム806に入射する。このプリズムは4つの直角プリズムを貼り合わせて形成され、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に配置されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成され、カラー画像を表す光が形成される。そして、合成された光は投写光学系である投射レンズ806によりスクリーン810上に投写され、拡大された画像が表示される。
【0098】
プロジェクター8000によれば、上述のように、反射部170,174の位置合わせを、高精度で行うことができる発光装置1000を光源として用いることができる。そのため、プロジェクター8000は、高い信頼性を有することができる。
【0099】
なお、上述の例では、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブを用いたが、液晶以外のライトバルブを用いてもよいし、反射型のライトバルブを用いてもよい。このようなライトバルブとしては、例えば、反射型の液晶ライトバルブや、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micromirror Device)が挙げられる。また、投射光学系の構成は、使用されるライトバルブの種類によって適宜変更される。
【0100】
また、発光装置1000を、発光装置1000からの光をスクリーン上で走査させることにより、表示面に所望の大きさの画像を表示させる画像形成装置である走査手段を有するような走査型の画像表示装置(プロジェクター)の光源装置にも適用することが可能である。
【0101】
なお、上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【0102】
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できよう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0103】
100 発光素子、102 基板、104 第2クラッド層、105 第1側面、
106 活性層、107 第2側面、108 第1クラッド層、110 コンタクト層、
111 柱状部、112 第2電極、114 第1電極、116 絶縁部、
132 接続部材、134 端子、136 絶縁部材、137 貫通孔、
140 ベース、141 表面、142 第1凹部、143 第1内面、
144 第3内面、145 第2凹部、146 第2内面、147 第4内面、
149 開口部、150 サブマウント、152 第3側面、154 第4側面、
160 利得領域、162 第1端面、164 第2端面、170 第1反射部、
172 第1反射面、174 第2反射部、176 第2反射面、180 リッド、
190 パッケージ、802 均一化光学系、802a ホログラム、
802b フィールドレンズ、804 液晶ライトバルブ、
806 クロスダイクロイックプリズム、808 投写レンズ、810 スクリーン、
1000〜7000 発光装置、8000 プロジェクター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、
前記ベースの表面に支持され、互いに反対方向に進行する第1出射光および第2出射光を出射する発光素子と、
前記ベースに形成された第1凹部の第1内面に支持され、前記第1出射光を反射させる第1反射部と、
前記ベースに形成された第2凹部の第2内面に支持され、前記第2出射光を反射させる第2反射部と、
を含み、
前記第1反射部は、前記第1内面に接続する前記第1開口部の第3内面に接し、
前記第2反射部は、前記第2内面に接続する前記第2開口部の第4内面に接し、
前記第1反射部によって反射される第1反射光と、前記第2反射部によって反射される第2反射光とは、同じ方向に進行する、発光装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記ベースの前記表面は、前記第1出射光および前記第2出射光の進行方向と平行であり、
前記第1反射部は、第1反射面において、前記第1出射光を反射させ、
前記第2反射部は、第2反射面において、前記第2出射光を反射させ、
前記第1反射面および前記第2反射面は、前記ベースの前記表面に対して、45度傾いている、発光装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記第1反射部は、第1反射面において、前記第1出射光を反射させ、
前記第2反射部は、第2反射面において、前記第2出射光を反射させ、
前記第1反射面および前記第2反射面は、凹面形状である、発光装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記第1反射面および前記第2反射面は、放物面形状であり、
前記第1出射光を出射する前記発光素子の第1出射面は、前記第1反射面の焦点に位置し、
前記第2出射光を出射する前記発光素子の第2出射面は、前記第2反射面の焦点に位置している、発光装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、
前記第3内面は、前記ベースの前記表面の垂線方向から見て、前記第1出射光と交差する面であり、
前記第4内面は、前記ベースの前記表面の垂線方向から見て、前記第2出射光と交差する面であり、
前記第1内面と前記第3内面とは、鈍角をなして接続され、
前記第2内面と前記第4内面とは、鈍角をなして接続されている、発光装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項において、
前記発光素子は、スーパールミネッセントダイオードである、発光装置。
【請求項7】
請求項1ないし4のいずれか1項において、
前記第3内面は、前記ベースの前記表面の垂線方向から見て、前記第1出射光と交差する面であり、
前記第4内面は、前記ベースの前記表面の垂線方向から見て、前記第2出射光と交差する面であり、
前記第3内面と、前記第1出射光を出射する前記発光素子の第1出射面とは、同一平面にあり、
前記第4内面と、前記第2出射光を出射する前記発光素子の第2出射面とは、同一平面にある、発光装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の発光装置と、
前記発光装置から出射された光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、
前記光変調装置によって形成された画像を投射する投射装置と、
を含む、プロジェクター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−114116(P2011−114116A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268444(P2009−268444)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】