説明

発振周波数制御回路、その発振周波数制御回路を有するDC−DCコンバータ及び半導体装置

【課題】マイコン等の特別な制御回路が不要で、しかも無線送受信回路で使用する周波数に関係なく、スイッチングノイズの影響を無視できるレベルまでスイッチングノイズを軽減することができる発振周波数制御回路、その発振周波数制御回路を有するDC−DCコンバータ及び半導体装置を得る。
【解決手段】アップ/ダウン制御回路11は、第1クロック信号CLKAと第1分周クロック信号CLKB1との周波数を比較する第1周波数比較回路12と、第1クロック信号CLKAと第2分周クロック信号CLKB2との周波数を比較する第2周波数比較回路13の各出力信号UP及びDOWNに応じて、第2クロック信号CLKB2の周波数が所定の下限値から所定の上限値の間を連続的に変化しながら往復するように、発振回路2に対して、第2クロック信号CLKBの周波数制御を行うようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発振回路の発振周波数制御回路に関し、特に無線用送受信回路と同一半導体装置に搭載されるDC−DCコンバータの発振回路の発振周波数制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の省電力化を進めるため、電源回路には高効率化が図れるスイッチングレギュレータが使用されるようになった。しかし、スイッチングレギュレータはスイッチング素子をオン/オフする際に大きなスイッチングノイズが発生し、該ノイズは、スイッチング周波数だけではなく、該スイッチング周波数の整数倍の周波数である高調波にも発生していた。このようなことから、スイッチングレギュレータと無線用送受信回路とを同一半導体に集積すると、スイッチングレギュレータのスイッチングノイズが無線用送受信回路で使用する周波数に対して悪影響を与えるという問題が発生していた。
【0003】
図6〜図8は、従来のDC−DCコンバータにおけるスイッチングトランジスタ駆動用クロック信号生成回路の構成例を示した図である(例えば、特許文献1及び2参照。)。
まず、図6の動作について説明する。
基準発振回路155には発振子156が接続され、基準発振回路155は発振子156に基づいて一定周波数の発振信号FTを生成する。分周器157は発振信号FTを分周して信号CCを生成し、位相比較器158に出力する。位相比較器158は、信号CCと、分周部164から出力される分周信号CDの位相を比較し、周波数誤差信号EFCを生成する。周波数誤差信号EFCは、低域フィルタ159を介してNPN型トランジスタ160のベースに供給されている。
【0004】
発振部161は、CR発振回路で構成され、発振信号Fsを出力する。発振信号Fsの周波数は、抵抗器162とコンデンサ163によって設定され、抵抗器162にはトランジスタ160が並列に接続されており、トランジスタ160によって抵抗器162の端子間の抵抗値を変化させ、発振信号Fsの周波数を変化させるようにしている。発振信号Fsは、分周部164、及び図示しないDC−DCコンバータにおけるスイッチングトランジスタの動作制御を行うDC−DC制御回路に供給される。分周部164は、発振信号Fsを所定の分周比で分周し、該所定の分周比は、図示しないラジオ放送を受信するチューナ部の選局用マイコンから出力される分周制御信号BCによって設定される。
【0005】
今、分周器157は、発振信号FTを分周して5kHzの信号CCを生成する。また、分周部164は、発振信号Fsを1/20に分周して分周信号CDを生成し出力する。位相比較器158は、信号CCと分周信号CDを比較し、該各信号が同じ周波数になるように周波数誤差信号EFCを生成してトランジスタ160に供給することから、発振部161で生成される発振信号Fsの周波数は100kHzとなる。前記DC−DC制御回路では、発振信号Fsに基づいてスイッチングトランジスタをスイッチングするため、100kHzとその整数倍の高調波にノイズ成分が発生する。
【0006】
ここで、図示しないチューナ部を動作させて、例えば999kHzの放送電波を受信する場合、分周制御信号BCによって、分周部164の分周比を21に設定する。このようにすると、発振信号Fsは、1/21に分周されて分周信号CDは約4.76kHzになる。位相比較器158は分周信号CDが5kHzになるように、発振信号Fsの周波数を高くする周波数誤差信号EFCを出力する。すなわち、1/21の分周で5kHzの分周信号CDが得られるように、発振信号Fsの周波数は105kHzまで上昇する。前記スイッチングトランジスタは、105kHzの発振信号Fsに基づいて駆動されるため、スイッチングノイズは、受信する放送電波の受信帯域や中間周波数信号の周波数とは異なり、受信障害を防止することができる。
【0007】
次に、図7の動作について説明する。
位相比較器165には、図示しないチューナ部で生成された所定の周波数の基準信号CBと、分周部164から出力される分周信号CDが入力されている。位相比較器165は、基準信号CBと分周信号CDを比較して周波数誤差信号EFEを生成し、低域フィルタ159を介してトランジスタ160に供給している。 ここで、分周部164の分周比を12に設定し、チューナ部で受信される放送電波の局間周波数を9kHzとすると、該9kHzを基準信号CBの周波数として位相比較器165に入力する。
【0008】
位相比較器165は、基準信号CBと分周信号CDの周波数が一致するように周波数誤差信号EFEを生成するため、発振部161で生成される発振信号Fsの周波数は108kHzになる。このとき、1080kHzの放送電波を受信しようとすると、発振信号Fsの周波数108kHzの10倍の周波数を有するスイッチングノイズの高調波成分と受信する放送電波の周波数が等しくなるため、スイッチングノイズの影響を受けてしまう。そこで、分周制御信号BCによって、分周部164の分周比を13に変更する。このようにすると、発振信号Fsの周波数は117kHzに変更されるため、スイッチングノイズの高調波成分は受信する放送電波の受信帯域から外れ、受信障害の発生を防止することができる。
【0009】
次に、図8の動作について簡単に説明する。
発振回路166には発振子167が接続されている。発振回路166は、該発振子167に基づいて、一定の周波数の発振信号Fuを生成し分周器168に出力する。分周器168は発振信号Fuを分周して発振信号Fsを生成し出力する。発振信号Fsは、図示しない前記DC−DC制御回路に供給されスイッチングトランジスタを駆動するために使用される。
また、分周器168には分周制御部169が接続されており、分周制御部169は、分周器168の分周比を所定時間間隔で連続して切り換えたり、非連続的に切り換えたりするための分周制御信号BDを生成する。
【0010】
分周器168は分周制御信号BDにより、分周比が所定時間間隔で連続的に、又は非連続的に切り換えられることから、発振信号Fsの周波数も所定時間間隔で切り換えられることになる。
このように、スイッチング信号である発振信号Fsの周波数が連続的、あるいは非連続的に可変されるため、スイッチングよって生じるノイズの基本周波数成分及び高調波周波数成分が分散される。このため、所定の周波数における単位時間当たりのノイズ量を軽減することができ、発生するノイズの影響を実用上問題のないレベルに軽減することができる。
【特許文献1】特開平9−266425号公報
【特許文献2】特開平9−266426号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、図6及び図7では、分周部164の分周比を設定するためにマイコン等の特別な制御回路が必要であり、このような制御回路を持たないシステムでは利用することができないという問題があった。
また、図8の場合は、発振信号Fuを、所定の時間ごとに分周比を変化させた分周器168で分周した発振信号Fsをスイッチング信号として使用しているため、発振信号Fsの周波数は離散的な周波数となってしまう。また、発振信号Fsの周波数は、所定の時間に同じ周波数を維持することになる。このため、チューナ部の周波数が発振信号Fsの周波数の基本周波数もしく高調波周波数と一致した場合は、所定の時間ノイズの影響を受けるという問題があった。
【0012】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、マイコン等の特別な制御回路が不要で、しかも無線送受信回路で使用する周波数に関係なく、スイッチングノイズの影響を無視できるレベルまでスイッチングノイズを軽減することができる発振周波数制御回路、その発振周波数制御回路を有するDC−DCコンバータ及び半導体装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明に係る発振周波数制御回路は、入力された制御信号に応じた周波数の第2クロック信号を生成して出力する発振回路に対して、該周波数の制御を行う発振周波数制御回路において、
外部から入力された所定の第1クロック信号の周波数と前記第2クロック信号の周波数との差の検出を行い、該検出結果を示す信号を生成して出力する周波数差検出回路部と、
該周波数差検出回路部の出力信号に応じて、前記第2クロック信号の周波数が所定の下限値から所定の上限値の間を連続的に変化しながら往復するように、前記発振回路に対して、前記第2クロック信号の周波数制御を行う周波数制御回路部と、
を備えるものである。
【0014】
具体的には、前記周波数差検出回路部は、
前記第2クロック信号を、設定された第1分周比で分周して第1分周クロック信号を生成し出力する第1分周回路と、
前記第2クロック信号を、設定された第2分周比で分周して第2分周クロック信号を生成し出力する第2分周回路と、
前記第1クロック信号と前記第1分周クロック信号との周波数を比較し、該比較結果を示す信号を生成して出力する第1周波数比較回路と、
前記第1クロック信号と前記第2分周クロック信号との周波数を比較し、該比較結果を示す信号を生成して出力する第2周波数比較回路と、
を備え、
前記周波数制御回路部は、前記第1周波数比較回路と前記第2周波数比較回路の各出力信号に応じて、前記第2クロック信号の周波数が所定の下限値から所定の上限値の間を連続的に変化しながら往復するように、前記発振回路に対して、前記第2クロック信号の周波数制御を行うようにした。
【0015】
この場合、前記周波数制御回路部は、前記発振回路に対して、前記第1周波数比較回路の出力信号が、前記第1分周クロック信号の周波数が前記第1クロック信号の周波数未満であることを示すと、前記第2周波数比較回路の出力信号が、前記第2分周クロック信号の周波数が前記第1クロック信号の周波数よりも高いことを示すまで前記第2クロック信号の周波数を上昇させ、前記第2周波数比較回路の出力信号が、前記第2分周クロック信号の周波数が前記第1クロック信号の周波数よりも高いことを示すと、前記第1周波数比較回路の出力信号が、前記第1分周クロック信号の周波数が前記第1クロック信号の周波数未満であることを示すまで前記第2クロック信号の周波数を低下させるようにした。
【0016】
また、前記周波数制御回路部は、
セット入力端に前記第1周波数比較回路の出力信号が入力され、リセット入力端に前記第2周波数比較回路の出力信号が入力された第1ラッチ回路と、
セット入力端に前記第2周波数比較回路の出力信号が入力され、リセット入力端に前記第1周波数比較回路の出力信号が入力された第2ラッチ回路と、
を備え、
前記第1ラッチ回路及び第2ラッチ回路は、各出力信号を前記発振回路にそれぞれ出力し、前記発振回路に対して、前記第2クロック信号の周波数制御を行うようにした。
【0017】
また、前記第1分周クロック信号の周波数は、前記第2クロック信号の下限周波数を示し、前記第2分周クロック信号の周波数は、前記第2クロック信号の上限周波数を示すものである。
【0018】
また、前記第1分周回路及び第2分周回路は、対応して入力された信号が示す分周比で分周を行うようにしてもよい。
【0019】
また、前記周波数差検出回路部は、
前記第2周波数比較回路の出力信号に応じて、所定の範囲の各数値からランダムに1つの数値を選択して出力する乱数生成回路と、
該乱数生成回路から出力された数値と所定の第1数値を加算して前記第1分周回路に出力する第1加算回路と、
前記乱数生成回路から出力された数値と所定の第2数値を加算して前記第2分周回路に出力する第2加算回路と、
を備え、
前記第1分周回路は、前記第1加算回路から入力された数値に応じた分周比で分周を行うと共に、前記第2分周回路は、前記第2加算回路から入力された数値に応じた分周比で分周を行うようにした。
【0020】
この場合、前記乱数生成回路は、前記第2周波数比較回路からの出力信号が、第2分周クロック信号の周波数が前記第1クロック信号の周波数よりも高いことを示すと、所定の範囲の各数値からランダムに1つの数値を選択して出力するようにした。
【0021】
また、前記周波数差検出回路部は、
前記第1周波数比較回路の出力信号に応じて、所定の範囲の各数値からランダムに1つの数値を選択して出力する乱数生成回路と、
該乱数生成回路から出力された数値と所定の第1数値を加算して前記第1分周回路に出力する第1加算回路と、
前記乱数生成回路から出力された数値と所定の第2数値を加算して前記第2分周回路に出力する第2加算回路と、
を備え、
前記第1分周回路は、前記第1加算回路から入力された数値に応じた分周比で分周を行うと共に、前記第2分周回路は、前記第2加算回路から入力された数値に応じた分周比で分周を行うようにしてもよい。
【0022】
この場合、前記乱数生成回路は、前記第1周波数比較回路からの出力信号が、前記第1分周クロック信号の周波数が前記第1クロック信号の周波数未満であることを示すと、所定の範囲の各数値からランダムに1つの数値を選択して出力するようにした。
【0023】
また、前記第1数値及び第2数値は、前記第1分周クロック信号と第2分周クロック信号との周波数差が一定になるような数値にそれぞれ設定されるようにしてもよい。
【0024】
また、前記周波数差検出回路部は、少なくとも通電時においては常時前記第1クロック信号が入力されるようにした。
【0025】
また、この発明に係るDC−DCコンバータは、スイッチング電源回路からなるDC−DCコンバータにおいて、
入力された制御信号に応じた周波数の第2クロック信号を生成して出力する発振回路と、
該発振回路からの第2クロック信号に基づいて、前記スイッチング電源回路におけるスイッチ素子に対してスイッチング制御を行い、入力された電圧を所定の定電圧に変換して出力する制御回路と、
前記発振回路に対して、前記第2クロック信号の周波数制御を行う前記請求項1から13のいずれかに記載の発振周波数制御回路と、
を備えるものである。
【0026】
具体的には、前記スイッチング電源回路は、無線用送信回路、無線用受信回路又は無線用送受信回路に電源供給を行うようにした。
【0027】
また、この発明に係る半導体装置は、無線用送信回路、無線用受信回路又は無線用送受信回路と、前記請求項14又は15記載のスイッチング電源回路からなるDC−DCコンバータとを備えたものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明の発振周波数制御回路、その発振周波数制御回路を有するDC−DCコンバータ及び半導体装置によれば、DC−DCコンバータのスイッチング周波数を、所定の下限周波数から所定の上限周波数までを往復させ、しかも周波数を連続してスイープするようにしたことから、スイッチングノイズを広い周波数範囲に連続的に分散させることができる。このため、マイコン等の特別な制御回路を使用することなく、スイッチング周波数が無線送受信回路で使用される特定の周波数に影響を与える周波数になっている時間を瞬時にすることができ、スイッチングノイズを実用上問題のないレベルまで大幅に軽減させることができる。
【0029】
また、前記下限周波数と前記上限周波数との差を一定に保ちながら、スイープする周波数範囲をランダムに変更するようにしたことから、ノイズのピークエネルギーも分散させることができ、更に前記スイッチングノイズを軽減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
次に、図面に示す実施の形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
第1の実施の形態.
図1は、本発明の第1の実施の形態における発振周波数制御回路を使用したDC−DCコンバータの例を示したブロック図である。
図1において、スイッチングレギュレータ等のDC−DCコンバータ1は、入力された入力電圧Vinを所定の定電圧に変換して電源電圧Vddとして出力するものであり、第2クロック信号CLKBを生成する発振回路2と、第2クロック信号CLKBが入力される制御回路3と、発振回路2の発振周波数を制御する発振周波数制御回路4とを備えている。
発振周波数制御回路4には、基準クロック信号をなす所定の第1クロック信号CLKAが外部から入力され、発振回路2から出力された第2クロック信号CLKBは、制御回路3に入力され、制御回路3内の図示しないスイッチ素子のオン/オフ制御に使用され、制御回路3は、入力された第2クロック信号CLKBを用いて、入力電圧Vinを所定の定電圧に変換して電源電圧Vddを生成する。
【0031】
図2は、本発明の第1の実施の形態における発振周波数制御回路の回路構成例を示したブロック図であり、図1の発振周波数制御回路4の構成例を示したブロック図である。
図2において、発振周波数制御回路4は、アップ/ダウン制御回路11、第1周波数比較回路12、第2周波数比較回路13、第1分周回路14及び第2分周回路15で構成されている。なお、アップ/ダウン制御回路11は周波数制御回路部を、第1周波数比較回路12、第2周波数比較回路13、第1分周回路14及び第2分周回路15は周波数差検出回路部をそれぞれなす。
【0032】
第1分周回路14には第2クロック信号CLKBが入力されており、第1分周回路14は、入力された第2クロック信号CLKBを1/46に分周して第1分周クロック信号CLKB1を生成して出力する。また、第2分周回路15には第2クロック信号CLKBが入力されており、第2分周回路15は、入力された第2クロック信号CLKBを1/76に分周して第2分周クロック信号CLKB2を生成して出力する。第1周波数比較回路12には、第1クロック信号CLKAと第1分周クロック信号CLKB1がそれぞれ入力されており、第1周波数比較回路12は、第1クロック信号CLKAと第1分周クロック信号CLKB1の周波数の比較を行い、該比較結果を示すアップ信号UPを生成してアップ/ダウン制御回路11に出力する。例えば、第1周波数比較回路12は、入力端Bに入力されている第1分周クロック信号CLKB1の周波数が入力端Aに入力されている第1クロック信号CLKAの周波数よりも低い場合、ハイレベルのアップ信号UPを出力し、第1分周クロック信号CLKB1の周波数が第1クロック信号CLKAの周波数以上である場合は、ローレベルのアップ信号UPを出力する。
【0033】
また、第2周波数比較回路13には、第1クロック信号CLKAと第2分周クロック信号CLKB2がそれぞれ入力されており、第2周波数比較回路13は、第1クロック信号CLKAと第2分周クロック信号CLKB2の周波数の比較を行い、該比較結果を示すダウン信号DOWNを生成してアップ/ダウン制御回路11に出力する。例えば、第2周波数比較回路13は、入力端Bに入力されている第2分周クロック信号CLKB2の周波数が入力端Aに入力されている第1クロック信号CLKAの周波数よりも高い場合、ハイレベルのダウン信号DOWNを出力し、第2分周クロック信号CLKB2の周波数が第1クロック信号CLKAの周波数以下である場合は、ローレベルのダウン信号DOWNを出力する。
【0034】
アップ/ダウン制御回路11は、第1ラッチ回路21と第2ラッチ回路22で構成され、第1ラッチ回路21のセット入力端Sにはアップ信号UPが入力され、リセット入力端Rにはダウン信号DOWNが入力されている。また、第1ラッチ回路21の出力端からはアップ制御信号UPcが発振回路2の入力端UPiに出力されている。また、第2ラッチ回路22のセット入力端Sにはダウン信号DOWNが入力され、リセット入力端Rにはアップ信号UPが入力されている。また、第2ラッチ回路22の出力端からはダウン制御信号DOWNcが発振回路2の入力端DOWNiに出力されている。
【0035】
第1ラッチ回路21と第2ラッチ回路22の動作は同じであり、第1ラッチ回路21及び第2ラッチ回路22において、セット入力端Sがハイレベルになるとハイレベルの信号を出力し、セット入力端Sがローレベルに戻ってもハイレベルの信号を出力する。また、第1ラッチ回路21及び第2ラッチ回路22において、リセット入力端Rがハイレベルになるとローレベルの信号を出力し、リセット入力端Rがローレベルに戻ってもローレベルの信号を出力する。
発振回路2は、アップ制御信号UPcがハイレベルである間は、現在出力している第2クロック信号CLKBの周波数を上げるように動作し、ダウン制御信号DOWNcがハイレベルである間は、現在出力している第2クロック信号CLKBの周波数を下げるように動作する。
【0036】
このように、アップ/ダウン制御回路11は、発振回路2に対して、アップ信号UPがハイレベルになると、ダウン信号DOWNがハイレベルになるまで第2クロック信号CLKBの周波数を上昇させ、ダウン信号DOWNがハイレベルになると、アップ信号UPがハイレベルになるまで第2クロック信号CLKBの周波数を低下させる。すなわち、アップ/ダウン制御回路11は、発振回路2に対して、アップ信号UPが、第1分周クロック信号CLKB1の周波数が第1クロック信号CLKAの周波数未満であることを示すと、ダウン信号DOWNが、第2分周クロック信号CLKB2の周波数が第1クロック信号CLKAの周波数よりも高いことを示すまで第2クロック信号CLKBの周波数を上昇させ、ダウン信号DOWNが、第2分周クロック信号CLKBの周波数が第1クロック信号CLKAの周波数よりも高いことを示すと、アップ信号UPが、第1分周クロック信号CLKB1の周波数が第1クロック信号CLKAの周波数未満であることを示すまで第2クロック信号CLKBの周波数を低下させる。
【0037】
図3は、図2におけるアップ信号UPとダウン信号DOWNの例を示した図であり、図3では、第1クロック信号CLKAの周波数が32.768kHzである場合を例にして示している。
第1分周回路14の分周比が1/46であることから、第1分周クロック信号CLKB1が第1クロック信号CLKAの周波数(32.768kHz)と等しくなる第2クロック信号CLKBの周波数は約1.5MHzである。すなわちアップ信号UPは、例えば第2クロック信号CLKBの周波数が1.5MHz未満のときにハイレベルになり、1.5MHz以上のときにローレベルになる。
【0038】
同様に、第2分周回路15の分周比が1/76であることから、第2分周クロック信号CLKB2が第1クロック信号CLKAの周波数(32.768kHz)と等しくなる第2クロック信号CLKBの周波数は約2.5MHzである。すなわちダウン信号DOWNは、例えば第2クロック信号CLKBの周波数が2.5MHz以下のときにローレベルになり、2.5MHzを超えるとハイレベルになる。
このような構成において、第2クロック信号CLKBの周波数が1.5MHzより低いとする。前記のように、この状態ではアップ信号UPはハイレベルであり、ダウン信号DOWNはローレベルであることから、第1ラッチ回路21はセットされアップ制御信号UPcはハイレベルになる。また、第2ラッチ回路22はリセットされ、ダウン制御信号DOWNcはローレベルになる。
【0039】
アップ制御信号UPcがハイレベルであることから、発振回路2から出力される第2クロック信号CLKBの周波数は上昇する。該周波数が1.5MHzを超えると、アップ信号UPはローレベルになるが、ダウン信号DOWNがハイレベルになるまでは第1ラッチ回路21はリセットされないため、アップ制御信号UPcはハイレベルを維持する。この結果、第2クロック信号CLKBの周波数は更に上昇する。
第2クロック信号CLKBの周波数が2.5MHzを超えると、ダウン信号DOWNがハイレベルになるため、第1ラッチ回路21はリセットされてアップ制御信号UPcがローレベルになると共に、第2ラッチ回路22はセットされてダウン制御信号DOWNcがハイレベルになり、第2クロック信号CLKBの周波数は上昇から下降に転じる。第2クロック信号CLKBの周波数が2.5MHz以下になっても、第2ラッチ回路22から出力されるダウン制御信号DOWNcはハイレベルを維持するため、第2クロック信号CLKBの周波数は低下し続ける。
【0040】
第2クロック信号CLKBの周波数が再び1.5MHz未満になると、アップ信号UPはハイレベルになるため、第1ラッチ回路21はセットされてアップ制御信号UPcはハイレベルになると共に、第2ラッチ回路22はリセットされてダウン制御信号DOWNcはローレベルになるため、第2クロック信号CLKBの周波数は再び上昇する。
このような動作を繰り返すことにより、第2クロック信号CLKBの周波数は1.5MHzから2.5MHzの間を連続的に往復するようになることから、スイッチングレギュレータのスイッチング周波数によって生ずるスイッチングノイズは広い周波数範囲に連続的に分散される。このため、DC−DCコンバータ1で使用する第2クロック信号CLKBの周波数が無線送受信回路で使用される特定の周波数に影響を与える周波数になっている時間は瞬時であり、前記スイッチングノイズを実用上問題のないレベルまで大幅に低減させることができる。
【0041】
なお、前記第1の実施の形態では、第1分周回路14の分周比1/nを1/46に、第2分周回路15の分周比1/mを1/76にそれぞれ設定したが、これは一例であり、本発明は前記分周比の値に限定するものではなく、第1分周回路14及び第2分周回路15の各分周比を自由に設定するようにすればよい。
また、前記第1の実施の形態では、基準周波数をなす第1クロック信号CLKAの周波数を32.768kHzにした場合を例にして説明したが、本発明は、このような周波数の値に限定するものではない。多くの電子機器はリアルタイムクロック(RTC)と呼ばれる時計機能を備えた回路を内蔵している。該RTCは電子機器の電源オン時、又は電源オフ時においても計時用に正確なクロック信号を生成している。該クロック信号の周波数は、大きさ、コスト、消費電流の観点から32.768kHzが多く用いられており、前記第1の実施の形態では、該クロック信号を基準クロック信号として使用している。また、第1クロック信号CLKAは、少なくともDC−DCコンバータ1の通電時においては常時入力されるものとする。
【0042】
第2の実施の形態.
前記第1の実施の形態では、無線送受信回路で使用される特定の周波数に対するノイズを実用上問題のないレベルまで大幅に低減させることができるが、第1分周回路14及び第2分周回路15の各分周比が固定であるため、ノイズのピークエネルギーが、中心の2MHzで若干大きくなる。このことから、第1分周回路14及び第2分周回路15の各分周比を変更できるようにしてもよく、このようにしたものを本発明の第2の実施の形態とする。
図4は、本発明の第2の実施の形態における発振周波数制御回路の回路構成例を示したブロック図であり、図4では、図2と同じもの又は同様のものは同じ符号で示し、ここではその説明を省略すると共に図2との相違点のみ説明する。なお、図4の発振周波数制御回路を使用したDC−DCコンバータは、発振周波数制御回路の符号を変える以外は図1と同様であるのでその説明を省略する。
【0043】
図4における図2との相違点は、第1加算回路31、第2加算回路32及び乱数発生回路33を追加して第1分周回路14及び第2分周回路15の各分周比を変更できるようにしたことにあり、これに伴って、図2の発振周波数制御回路4を発振周波数制御回路4aにした。
図4において、発振周波数制御回路4aは、アップ/ダウン制御回路11、第1周波数比較回路12、第2周波数比較回路13、第1分周回路14、第2分周回路15、第1加算回路31、第2加算回路32及び乱数発生回路33で構成されている。なお、第1周波数比較回路12、第2周波数比較回路13、第1分周回路14、第2分周回路15、第1加算回路31、第2加算回路32及び乱数生成回路33は周波数差検出回路部をなす。
【0044】
乱数発生回路33の入力端CKにはダウン信号DOWNが入力されており、乱数発生回路33は、ダウン信号DOWNがローレベルからハイレベルに変化した時点で1〜15までの乱数を生成し、該生成した数の任意の1つの数値データRNDを第1加算回路31及び第2加算回路32の各一方の入力端にそれぞれ出力する。第1加算回路31の他方の入力端には例えば数値データ“38”が入力され、第2加算回路32の他方の入力端には例えば数値データ“68”が入力されている。第1加算回路31は、乱数発生回路33から出力された1〜15までの任意の1つの数値を示す数値データRNDと数値データ“38”を加算した数nのデータを第1分周回路14に出力し、第1分周回路14は、分周比を1/nに設定される。同様に、第2加算回路32は、乱数発生回路33から出力された1〜15までの任意の1つの数値を示す数値データRNDと数値データ“68”を加算した数mのデータを第2分周回路15に出力し、第2分周回路15は、分周比を1/mに設定される。
【0045】
すなわち、乱数発生回路33から数値データRNDとして“1”を示すデータが出力されると、第1分周回路14の分周比は1/39に設定されると共に、第2分周回路15の分周比は1/69に設定される。以下、第1クロック信号CLKAの周波数が32.768kHzであるとして説明すると、このときの第2クロック信号CLKBの周波数の下限値は約1.3MHzとなり、その上限値は約2.3MHzとなる。また、乱数発生回路33から数値データRNDとして“15”を示すデータが出力されると、第1分周回路14の分周比は1/53に、第2分周回路15の分周比は1/83にそれぞれ設定される。このときの第2クロック信号CLKBの周波数の下限値は約1.7MHzとなり、その上限値は約2.7MHzとなる。
【0046】
このように、乱数発生回路33から出力された数に関係なく、第2クロック信号CLKBの上限周波数と下限周波数との差は約1MHzと一定であり、また、第1分周回路14と第2分周回路15の各分周比の差も30で一定になる。
図5は、図4におけるアップ信号UPとダウン信号DOWNの例を示した図である。
図5において、乱数発生回路33から“1”を示す数値データRNDが出力されると、アップ信号UPは、第2クロック信号CLKBの周波数が約1.3MHz未満であるときはハイレベルになり、約1.3MHz以上であるときはローレベルになる。また、ダウン信号DOWNは、第2クロック信号CLKBの周波数が約2.3MHz以下であるときはローレベルになり、約2.3MHzを超えるとハイレベルになる。
【0047】
また、乱数発生回路33から“15”を示す数値データRNDが出力されると、アップ信号UPは、第2クロック信号CLKBの周波数が約1.7MHz未満であるときはハイレベルになり、約1.7MHz以上であるときはローレベルになる。また、ダウン信号DOWNは、第2クロック信号CLKBの周波数が約2.7MHz以下であるときはローレベルになり、約2.7MHzを超えるとハイレベルになる。
周波数制御回路4aでは、第1分周回路14及び第2分周回路15の各分周比は固定の数値データに同じ乱数の数値データを加えているため、分周比を示すmとnの差は一定であることから、第2クロック信号CLKBの上限周波数と下限周波数の差も一定の値に保たれている。
【0048】
このように、第2クロック信号CLKBの周波数の下限値と上限値は、乱数発生回路33から出力される1〜15の数値データRNDと、第1加算回路31及び第2加算回路32にそれぞれ入力されている固定の数値データとで決定され、第2クロック信号CLKBの周波数の上限値と下限値の差も一定であるようにした。このことから、前記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができると共に、第2クロック信号CLKBの周波数の下限値と上限値との中心周波数も乱数で移動するため、ピークエネルギーを分散させることができる。
【0049】
なお、前記第2の実施の形態では、ダウン信号DOWNがハイレベルになると第1分周回路14及び第2分周回路15の各分周比を変えるようにしたが、アップ信号UPがハイレベルになると該各分周比を変えるようにしてもよい。この場合、乱数生成回路33の入力端CKにはアップ信号UPが入力される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1の実施の形態における発振周波数制御回路を使用したDC−DCコンバータの例を示したブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における発振周波数制御回路の回路構成例を示したブロック図である。
【図3】図2におけるアップ信号UPとダウン信号DOWNの例を示した図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における発振周波数制御回路の回路構成例を示したブロック図である。
【図5】図4におけるアップ信号UPとダウン信号DOWNの例を示した図である。
【図6】従来のDC−DCコンバータにおけるスイッチングトランジスタ駆動用クロック信号生成回路の構成例を示した図である。
【図7】従来のDC−DCコンバータにおけるスイッチングトランジスタ駆動用クロック信号生成回路の他の構成例を示した図である。
【図8】従来のDC−DCコンバータにおけるスイッチングトランジスタ駆動用クロック信号生成回路の他の構成例を示した図である。
【符号の説明】
【0051】
1 DC−DCコンバータ
2 発振回路
3 制御回路
4,4a 周波数制御回路
11 アップ/ダウン制御回路
12 第1周波数比較回路
13 第2周波数比較回路
14 第1分周回路
15 第2分周回路
21 第1ラッチ回路
22 第2ラッチ回路
31 第1加算回路
32 第2加算回路
33 乱数生成回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された制御信号に応じた周波数の第2クロック信号を生成して出力する発振回路に対して、該周波数の制御を行う発振周波数制御回路において、
外部から入力された所定の第1クロック信号の周波数と前記第2クロック信号の周波数との差の検出を行い、該検出結果を示す信号を生成して出力する周波数差検出回路部と、
該周波数差検出回路部の出力信号に応じて、前記第2クロック信号の周波数が所定の下限値から所定の上限値の間を連続的に変化しながら往復するように、前記発振回路に対して、前記第2クロック信号の周波数制御を行う周波数制御回路部と、
を備えることを特徴とする発振周波数制御回路。
【請求項2】
前記周波数差検出回路部は、
前記第2クロック信号を、設定された第1分周比で分周して第1分周クロック信号を生成し出力する第1分周回路と、
前記第2クロック信号を、設定された第2分周比で分周して第2分周クロック信号を生成し出力する第2分周回路と、
前記第1クロック信号と前記第1分周クロック信号との周波数を比較し、該比較結果を示す信号を生成して出力する第1周波数比較回路と、
前記第1クロック信号と前記第2分周クロック信号との周波数を比較し、該比較結果を示す信号を生成して出力する第2周波数比較回路と、
を備え、
前記周波数制御回路部は、前記第1周波数比較回路と前記第2周波数比較回路の各出力信号に応じて、前記第2クロック信号の周波数が所定の下限値から所定の上限値の間を連続的に変化しながら往復するように、前記発振回路に対して、前記第2クロック信号の周波数制御を行うことを特徴とする請求項1記載の発振周波数制御回路。
【請求項3】
前記周波数制御回路部は、前記発振回路に対して、前記第1周波数比較回路の出力信号が、前記第1分周クロック信号の周波数が前記第1クロック信号の周波数未満であることを示すと、前記第2周波数比較回路の出力信号が、前記第2分周クロック信号の周波数が前記第1クロック信号の周波数よりも高いことを示すまで前記第2クロック信号の周波数を上昇させ、前記第2周波数比較回路の出力信号が、前記第2分周クロック信号の周波数が前記第1クロック信号の周波数よりも高いことを示すと、前記第1周波数比較回路の出力信号が、前記第1分周クロック信号の周波数が前記第1クロック信号の周波数未満であることを示すまで前記第2クロック信号の周波数を低下させることを特徴とする請求項2記載の発振周波数制御回路。
【請求項4】
前記周波数制御回路部は、
セット入力端に前記第1周波数比較回路の出力信号が入力され、リセット入力端に前記第2周波数比較回路の出力信号が入力された第1ラッチ回路と、
セット入力端に前記第2周波数比較回路の出力信号が入力され、リセット入力端に前記第1周波数比較回路の出力信号が入力された第2ラッチ回路と、
を備え、
前記第1ラッチ回路及び第2ラッチ回路は、各出力信号を前記発振回路にそれぞれ出力し、前記発振回路に対して、前記第2クロック信号の周波数制御を行うことを特徴とする請求項2又は3記載の発振周波数制御回路。
【請求項5】
前記第1分周クロック信号の周波数は、前記第2クロック信号の下限周波数を示し、前記第2分周クロック信号の周波数は、前記第2クロック信号の上限周波数を示すことを特徴とする請求項2、3又は4記載の発振周波数制御回路。
【請求項6】
前記第1分周回路及び第2分周回路は、対応して入力された信号が示す分周比で分周を行うこと特徴とする請求項2、3、4又は5記載の発振周波数制御回路。
【請求項7】
前記周波数差検出回路部は、
前記第2周波数比較回路の出力信号に応じて、所定の範囲の各数値からランダムに1つの数値を選択して出力する乱数生成回路と、
該乱数生成回路から出力された数値と所定の第1数値を加算して前記第1分周回路に出力する第1加算回路と、
前記乱数生成回路から出力された数値と所定の第2数値を加算して前記第2分周回路に出力する第2加算回路と、
を備え、
前記第1分周回路は、前記第1加算回路から入力された数値に応じた分周比で分周を行うと共に、前記第2分周回路は、前記第2加算回路から入力された数値に応じた分周比で分周を行うことを特徴とする請求項6記載の発振周波数制御回路。
【請求項8】
前記乱数生成回路は、前記第2周波数比較回路からの出力信号が、第2分周クロック信号の周波数が前記第1クロック信号の周波数よりも高いことを示すと、所定の範囲の各数値からランダムに1つの数値を選択して出力することを特徴とする請求項7記載の発振周波数制御回路。
【請求項9】
前記周波数差検出回路部は、
前記第1周波数比較回路の出力信号に応じて、所定の範囲の各数値からランダムに1つの数値を選択して出力する乱数生成回路と、
該乱数生成回路から出力された数値と所定の第1数値を加算して前記第1分周回路に出力する第1加算回路と、
前記乱数生成回路から出力された数値と所定の第2数値を加算して前記第2分周回路に出力する第2加算回路と、
を備え、
前記第1分周回路は、前記第1加算回路から入力された数値に応じた分周比で分周を行うと共に、前記第2分周回路は、前記第2加算回路から入力された数値に応じた分周比で分周を行うことを特徴とする請求項6記載の発振周波数制御回路。
【請求項10】
前記乱数生成回路は、前記第1周波数比較回路からの出力信号が、前記第1分周クロック信号の周波数が前記第1クロック信号の周波数未満であることを示すと、所定の範囲の各数値からランダムに1つの数値を選択して出力することを特徴とする請求項9記載の発振周波数制御回路。
【請求項11】
前記第1数値及び第2数値は、前記第1分周クロック信号と第2分周クロック信号との周波数差が一定になるような数値にそれぞれ設定されることを特徴とする請求項7、8、9又は10記載の発振周波数制御回路。
【請求項12】
前記周波数差検出回路部は、少なくとも通電時においては常時前記第1クロック信号が入力されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11記載の発振周波数制御回路。
【請求項13】
スイッチング電源回路からなるDC−DCコンバータにおいて、
入力された制御信号に応じた周波数の第2クロック信号を生成して出力する発振回路と、
該発振回路からの第2クロック信号に基づいて、前記スイッチング電源回路におけるスイッチ素子に対してスイッチング制御を行い、入力された電圧を所定の定電圧に変換して出力する制御回路と、
前記発振回路に対して、前記第2クロック信号の周波数制御を行う前記請求項1から12のいずれかに記載の発振周波数制御回路と、
を備えること特徴とするDC−DCコンバータ。
【請求項14】
前記スイッチング電源回路は、無線用送信回路、無線用受信回路又は無線用送受信回路に電源供給を行うことを特徴とする請求項13記載のDC−DCコンバータ。
【請求項15】
無線用送信回路、無線用受信回路又は無線用送受信回路と、前記請求項13又は14記載のスイッチング電源回路からなるDC−DCコンバータとを備えた半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−188729(P2009−188729A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−26454(P2008−26454)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】