説明

発泡洗浄相及び非発泡構造化水相を含む多相パーソナル洗浄組成物

本発明は、発泡洗浄相及び別個の非発泡構造化水相を含有し、この2つの相が、長期間安定な状態を保ったままで物理的に接触して包装される、多相パーソナル洗浄組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、米国仮出願60/532,798(2003年12月24日出願)及び米国仮出願60/576,199(2004年6月2日出願)の利益を請求する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、発泡洗浄相及び別個の非発泡構造化水相を含み、この2つの相が、長期間安定した状態を保ったままで物理的に接触して包装される、多相パーソナル洗浄組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
発泡洗浄相を非発泡構造化水相と物理的に接触して設置し、任意の期間安定性を維持する能力が課題であることが判明している。非発泡構造化水相と発泡洗浄相との物理的接触は、それらが熱力学的に不安定である状況を作り出す。
【0004】
安定性を維持しながら、非発泡構造化水相と発泡洗浄相とをパーソナル洗浄製品から提供することへの1つの試みは、2チャンバ包装を使用することである。これらの包装は、別個の洗浄組成物及び非発泡構造化水性組成物を含み、この2つを単一の又は2つの流れに共に分配することを可能にする。したがって、別個の非発泡構造化水性組成物及び発泡洗浄組成物は、長期にわたる保管の間及び適用直前には、物理的に分離し安定な状態を保っているが、その後、分配中又は分配後に混合されて、物理的に安定な系からコンディショニング及び洗浄の効果をもたらす。こうした2チャンバ送達システムは、従来のシステムと比べて改善された洗浄効果をもたらすが、これらの2チャンバ包装からの発泡洗浄相と非発泡構造化水相との間の分配比が一様ではないため、一貫した及び均一な性能を達成することは困難な場合が多い。更に、これらの包装システムは、完成製品のコストを大幅に増大させる。
【0005】
それ故に、発泡のより長い寿命、並びに改善された発泡特性及び皮膚効果、例えば絹のような肌触り、改善された柔らかい肌触り及び改善された滑らかな肌触りを有する洗浄を提供する安定なパーソナル洗浄組成物への要求がなお存在する。長期間安定した状態を保ったままで物理的に接触している2相を含む多相パーソナル洗浄組成物を配合できることが、今では判明している。
【0006】
本発明の多相パーソナル洗浄組成物は、物理的に接触して包装されるが安定した状態を保ったままである発泡洗浄相及び非発泡構造化水相を含む。
【0007】
本発明の組成物は、多相の外観による優れた審美性、並びに適用中及び適用後に改善された肌触りを更に提供する。こうした組成物は、製品の起泡性能及び安定性について妥協することなく、物理的に接触している2つの別個の親水性相に配合できることが判明している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本明細書の多相パーソナル洗浄組成物は、改善された長期的な皮膚効果を皮膚にもたらす、選択された皮膚活性剤と共に配合できることもまた判明している。これらの組成物は、洗浄界面活性剤を含有する発泡洗浄相及び少なくとも1つの追加の非発泡構造化水相を含み、皮膚活性剤は、片方の相又は両方の相に同時に見出すことができ、発泡洗浄及び非発泡構造化水相は、長期間安定した状態を保ったままで物理的に接触して包装される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は:
(a)界面活性剤及び水を含む発泡洗浄相を含む第1相と;
(b)非発泡構造化水相を含む少なくとも1つの追加相と
を含み;
発泡洗浄相及び非発泡構造化水相が互いに物理的に接触して包装され、並びに安定性を維持する、多相パーソナル洗浄組成物を対象とする。
【0010】
本発明は、発泡洗浄相及び非発泡構造化水相を含み、少なくとも1つの相が着色剤を含有し、両方の相は、2つの相が裸眼で目に見える模様を形成するように単一包装内に包装される、多相パーソナル洗浄組成物に更に関する。
【0011】
本発明は:
a)発泡洗浄相の約1重量%〜約90重量%の、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、石鹸及びこれらの混合物から成る群から選択される界面活性剤を含む発泡洗浄相であって;
この発泡洗浄相が、非ニュートン性のずり減粘であり、約3Pa・s(3,000cps)以上の粘度及び/又は少なくとも約0.1Paの降伏点を有する発泡洗浄相を含む第1相;並びに
b)少なくとも約1Pa・s/(1/s)(10ポアズ/(1/s))の稠度値を有する別個の非発泡構造化水相を含む少なくとも1つの追加相
を含み、
発泡洗浄相と非発泡構造化水相との比が約10:1〜約1:10であり;発泡洗浄相と非発泡構造化水相がストライプ模様を形成する、多相パーソナル洗浄組成物に更に関する。
【0012】
本発明はまた:(a)界面活性剤及び水を含む発泡洗浄相を含む第1相と;(b)非発泡構造化水相を含む少なくとも1つの追加相と
を含み;
少なくとも1つの相が着色剤を含み;発泡洗浄相及び非発泡構造化水相が互いに物理的に接触して包装され模様を形成する、多相パーソナル洗浄組成物を対象とする。
【0013】
本発明はまた、上記のような組成物を皮膚に適用することにより、皮膚を洗浄する及び皮膚に皮膚処理剤を送達する方法も対象とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の多相パーソナル洗浄組成物は、発泡洗浄相を含む第1相と非発泡構造化水相とを含む少なくとも1つの別個の追加相を含む。非発泡構造化水相は、親水性であることができ、また好ましい実施形態では、非発泡構造化水相は、親水性ゲル化水相であることができる。本発明の組成物及び方法のこれら及び他の必須制限事項、並びに本明細書に使用するのに好適な多くの任意成分については、以下で詳細に説明する。
【0015】
用語「多相の」又は「多相」は、本明細書で使用する時、本明細書の発泡洗浄相及び非発泡構造化水相が、それらが保存されている包装内に、別個であるがはっきりと識別できる物理的空間を占有しているが、互いに直接接触している(即ち、それらは障壁により分離されているのではなく、それらはいかなる有意な程度によっても乳化又は混合していない)ことを意味する。本発明の1つの好ましい実施形態では、発泡洗浄相及び非発泡構造化水相を含む「多相」パーソナル洗浄組成物は、視覚的にはっきりと識別できる模様として容器内に存在する。この模様は、「多相の」組成物を混合又は均質化した結果として生じる。この模様には、次の例が挙げられるが、これらには限定されない:ストライプ模様、大理石模様、直線的模様、中断ストライプ模様、チェック模様、斑点模様、すじ模様、クラスター模様、斑紋模様、幾何学模様、まだら模様、リボン模様、らせん模様(helical)、渦模様(swirl)、配列模様、ふ入り模様、織物模様、溝模様、隆起線模様、波形模様、正弦波模様、渦巻き模様(spiral)、ねじれ模様、曲線模様、周期模様、縞模様、横紋模様、輪郭模様、不均等模様、レース模様、織り込み又は織り出し模様、バスケット織り模様、まだら模様、及びモザイク模様。模様は、ストライプ模様であってもよく、且つ包装の寸法にわたって相対的に均一及び一様であってもよい。あるいは、ストライプ模様は、一様でなくてもよく、即ち波形であってもよいし、又は寸法において均一でなくてもよい。ストライプ模様は、必ずしも包装の寸法全体にわたって伸びている必要はない。ストライプの大きさは、少なくともおよそ幅0.1mm及び長さ10mmであり、好ましくは少なくともおよそ幅1mm及び少なくとも長さ20mmである。相は、様々な幾何学的形状を形成することができ、様々な異なる色であることができ、又は輝き若しくは真珠光沢を含むことができる。
【0016】
用語「周囲条件」は、本明細書で使用する時、1気圧、相対湿度50%及び25℃における周辺条件を意味する。
【0017】
用語「安定」は、本明細書で使用する時、特に指示がない限り、周囲条件において少なくとも約180日間、物理的に接触して置かれた時、少なくとも2つの「分離した」相を維持する組成物を意味する。「分離した」とは、組成物の分配の前に、肉眼で観察できる相の混合が実質的に存在しないことを意味する。
【0018】
用語「パーソナル洗浄組成物」は、本明細書で使用する時、皮膚又は毛髪への局所適用が意図される組成物を意味する。
【0019】
用語「相」は、本明細書で使用する時、1つの平均的な組成を有する組成物の領域が、異なる平均的な組成を有する別の領域と区別されていることを意味し、この領域は裸眼で見ることができる。これは、区別される領域が、2つの同様の相を含み、その場合に1つの相が、顔料、染料、粒子、及び様々な任意成分を含み、そのため異なる平均的組成の領域となることを除外しない。
【0020】
語句「実質的に含まない」は、本明細書で使用する時、組成物が、所定の成分を組成物の約3重量%未満、好ましくは約1重量%未満、より好ましくは約0.5重量%未満、更により好ましくは約0.25重量%未満、最も好ましくは約0.1重量%未満しか含まないことを意味する。
【0021】
本発明のパーソナル洗浄組成物及び方法は、本明細書に記載の発明の必須要素及び制限事項、並びに本明細書に記載されているか又は毛髪若しくは皮膚への局所適用が意図されたパーソナル洗浄組成物において有用である、いずれかの追加若しくは任意成分、構成要素、又は制限事項を含むこと、これらから成ること、あるいはこれらから本質的に成ることができる。
【0022】
(製品形態)
本発明のパーソナル洗浄組成物は、典型的には液体の形態である。用語「液体」は、本明細書で使用する時、組成物が一般にある程度流動性であることを意味する。したがって「液体」には、皮膚への局所適用が意図される液体、半液体、クリーム、ローション又はゲル組成物が含まれ得る。組成物は、以下に記載される粘度法によって測定される時に、典型的には、約3Pa・s(3,000cps)以上〜約1,000Pa・s(1,000,000cps)の粘度を示す。加えて、発泡洗浄相と非発泡構造化水相との比は、約10:1〜約1:10である。
【0023】
組成物は、発泡洗浄相及び非発泡構造化水相を含み、その両方がより詳細に以下に記載される。本発明の多相パーソナル洗浄組成物の好ましい実施形態では、この組成物は、少なくとも1つの相が第2の相から視覚的にはっきりと識別できる、少なくとも2つの視覚的にはっきりと識別できる相を有する。視覚的にはっきりと識別できる相は互いに物理的に接触して包装され、安定している。
【0024】
本発明の組成物及び方法を定義するために企図される製品形態は、洗い流し製剤であり、この洗い流し製剤とは、製品が皮膚又は毛髪に局所適用され、次いでその後(即ち数分以内に)水により洗い流されるか、さもなければ基材又はその他の好適な除去手段を用いて拭き取られることを意味する。
【0025】
(非発泡構造化水相)
本発明の組成物の非発泡構造化水相は、水構造化剤及び水を含む。非発泡構造化水相は、親水性であることができ、好ましい実施形態では、非発泡構造化水相は、親水性ゲル化水相である。加えて、本発明の非発泡構造化水相は、典型的には、非発泡構造化水相の約5重量%未満、好ましくは約3重量%未満、及びより好ましくは約1重量%未満の界面活性剤を含む。本発明の1つの実施形態では、非発泡構造化水相は界面活性剤を含まない。パーソナルケア組成物の非発泡構造化水相は、以下に記載される発泡容量試験により測定される時に、好ましくは約500mL以下、より好ましくは約400mL以下、更により好ましくは約350mL以下の全発泡容量を生成する。パーソナルケア組成物の非発泡構造化水相は、以下に記載される発泡容量試験により測定される時に、好ましくは約150mL以下、好ましくは約130mL以下、更により好ましくは約110mL以下の瞬間発泡容量を生成する。
【0026】
好ましくは、非発泡構造化水相は、以下に記載される降伏点法により測定される時に、少なくとも約0.1Pa、好ましくは少なくとも約1Pa、より好ましくは少なくとも約10Paの降伏点を示す。
【0027】
好ましくは、非発泡構造化水相は、以下に記載される水移動度法により測定される時に、約2.5秒未満、より好ましくは約2秒未満、更により好ましくは約1秒未満の水移動度を示す。
【0028】
好ましくは、非発泡構造化水相は、以下に記載される相関ヘイズ指数法により測定される時に、約50%未満の相関ヘイズ、より好ましくは約30%未満の相関ヘイズ、更により好ましくは約20%未満の相関ヘイズ、及びなおより好ましくは約10%未満の相関ヘイズの相関ヘイズを示す。非発泡構造化水相は、稠度値(k)及び剪断指数(n)により定義されるような、好ましいレオロジー特性を有する。非発泡構造化水相の好ましい稠度値は、約1〜約10,000Pa・s/(1/s)(約10〜約100,000ポアズ/(1/s))、好ましくは約1〜約1,000Pa・s/(1/s)(約10〜約10,000ポアズ/(1/s))、及びより好ましくは約10〜約100Pa・s/(1/s)(約100〜約1,000ポアズ/(1/s))である。非発泡構造化水相の剪断指数は、典型的には約0.1〜約0.8、好ましくは約0.1〜約0.5、及びより好ましくは約0.20〜約0.4の範囲である。
【0029】
剪断指数(n)及び稠度値(k)は周知であり、適用された剪断速度の関数である粘度を有する材料の粘度特性を記録するために認められた業界基準である。
【0030】
非発泡構造化水相についての粘度(μ)は、レオメーター、例えばTAインスツルメンツAR2000(TA Instruments AR2000)(TAインスツルメンツ(TA Instruments)、19720米国デラウェア州ニューカッスル)を用いてプログラム化した方式で、剪断速度を適用し結果として得られる剪断応力を測定するか、又はその逆のことを行うかのいずれかにより特徴付けることができる。粘度は、異なる剪断速度で、次の方式により決定される。最初に、多相パーソナルケア組成物中に存在するような組成及び特性を有する非発泡構造化水相を得る。即ち、組成物は、例えば試料が結晶を含有する場合にはおよそ同じ速度で結晶化されるように同様な方式で処理される。当業者にとって常識であるように、非発泡構造化水相のアリコートは、多相組成物中に組み合わされる前に得ることができる。また非発泡構造化水相は、例えば遠心分離機にかける、ピペットで取る、ふるいにかける、すすぐ、又は非発泡構造化水相を回収するためのその他の手段により、多相パーソナルケア組成物から回収することができる。AR2000レオメーターは、25℃において5分間隔にわたって約0.1Paから約1,000Paに応力を上げることにより、試料を剪断するようにプログラム化されている。1mmの間隙の4cmの平行なプレート形状が一般的であるが、間隙は必要に応じて増減でき、例えば非発泡構造化水相が大きい粒子を含有する場合には、間隔をより大きくすることが必要になる場合がある。少なくとも100 1/秒の剪断速度が試験中に得られるか、そうでなければ、試験は応力10につき約1.25分の応力増加のプログラム化した速度を維持しながら、より高い最終応力値を用いて繰り返される。これらの結果は、次の一般によく認められた指数法則の型に適合している。粘度及び剪断速度のデータを対数−対数プロット上にプロットし、規則的な方法で剪断速度が上昇し粘度が下降する領域のデータのみを使用することにより、剪断された領域のデータが含まれる。例えば、流動がほとんど起きない、低い剪断応力における初めの安定期領域は考慮されない。典型的には、約0.1〜10.0 1/秒の剪断速度の粘度が有用であり、よく認められた指数法則の型に適合するように十分なデータ点が取られる(例えば、クールソン(Coulson)及びリチャードソン(Richardson)著、化学工学(Chemical Engineering)、ペルガモン(Pergamon)、1982年、又はバード(Bird)、スチュアード(Steward)、及びライトフット(Lightfoot)著、輸送現象(Transport Phenomena)、ワイリー(Wiley)、1960年を参照のこと):
μ=k(γ’)(n-1)
対数−対数の傾きについて得られる値は(n−1)であり、この場合nは剪断指数であり、kについて得られる値はPa・s/(1/秒)(ポアズ/(1/秒))での稠度値である。
【0031】
(水構造化剤)
本発明の非発泡構造化水相は、非発泡構造化水相の約0.1重量%〜約30重量%、好ましくは約0.5重量%〜約20重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約10重量%、更により好ましくは約0.5重量%〜約5重量%の水構造化剤を含む。
【0032】
水構造化剤は、典型的には、無機水構造化剤、電荷ポリマー水構造化剤、水溶性ポリマー構造化剤、結合的水構造化剤及びこれらの混合物から成る群から選択される。
【0033】
パーソナル洗浄組成物で使用する無機水構造化剤の非限定例には、シリカ、粘土、例えば合成ケイ酸塩(サザン・クレー(Southern Clay)からのラポナイト(Laponite)XLG及びラポナイトXLS)、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0034】
パーソナル洗浄組成物で使用する電荷ポリマー水構造化剤の非限定例には、アクリレート/イソデカン酸ビニルクロスポリマー(3Vからのスタビレン(Stabylen)30)、アクリレート/C10〜30アクリル酸アルキルクロスポリマー(ペムレン(Pemulen)TR1及びTR2)、カルボマー、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/VPコポリマー(クラリアント(Clariant)からのアリストフレックス(Aristoflex)AVC)、アンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/ベヘネス(Beheneth)−25メタクリレートクロスポリマー(クラリアントからのアリストフレックスHMB)、アクリレート/セテス−20イタコネートコポリマー(ナショナル・スターチ(National Starch)からのストラクチャー(Structure)3001)、ポリアクリルアミド(SEPPICからのセピゲル(Sepigel)305)、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0035】
パーソナル洗浄組成物で使用する水溶性ポリマー構造化剤の非限定例には、セルロース系ゲル、ヒドロキシプロピルデンプンホスフェート(ナショナル・スターチ(National Starch)からのストラクチャー(Structure)XL)、ポリビニルアルコール、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0036】
パーソナル洗浄組成物で使用する結合的水構造化剤の非限定例には、合成及び天然ゴム並びに増粘剤、例えばキサンタンガム(CPケルコ(CP Kelco)からのケトロール(Ketrol)CG−T)、サクシノグリカン(ローディア(Rhodia)からのレオザン(Rheozan)、ゲランガム(gellum gum)、ペクチン、アルギネート、アルファ化デンプン、加工デンプン又はこれらの混合物を含むデンプンが挙げられる。
【0037】
(水)
本発明の非発泡構造化水相は、非発泡構造化水相の約30重量%〜約99重量%の水を含む。非発泡構造化水相は、一般に、非発泡構造化水相の約50重量%を超える、好ましくは約60重量%を超える、更により好ましくは約70重量%を超える、なおより好ましくは約80重量%を超える水を含む。
【0038】
非発泡構造化水相は、典型的には、約5〜約8、より好ましくは約7のpHを有する。非発泡構造化水相は、適切なpH範囲を促進するために、任意にpH調整剤を含むことができる。
【0039】
本発明の非発泡構造化水相は、後述するもののような任意成分を更に含むことができる。非発泡構造化水相の好ましい任意成分には、顔料、pH調整剤、及び防腐剤が挙げられる。1つの実施形態において、非発泡構造化水相は、水構造化剤(例えば、アクリレート/イソデカン酸ビニルクロスポリマー)、水、pH調整剤(例えば、トリエタノールアミン)、及び防腐剤(例えば、1,3−ジメチロール−5,5−ジメチルヒダントイン(商標名グリダント(GLYDANT)(登録商標)でロンザ(Lonza)から入手可能な「DMDMH」)を含む。
【0040】
(発泡洗浄相)
本発明のパーソナル洗浄組成物は、皮膚又は毛髪への適用に好適な洗浄界面活性剤を含む発泡洗浄相を含む。本明細書に使用するのに好適な界面活性剤には、皮膚への適用に好適な及びそうでなければ組成物の水性発泡洗浄相のその他の必須成分と適合性のある、いかなる既知の又はさもなければ有効な洗浄界面活性剤もが挙げられる。これらの洗浄界面活性剤には、アニオン性、非イオン性、カチオン性、双性イオン性若しくは両性界面活性剤、又はこれらの組み合わせが挙げられる。好適な界面活性剤は、マカッチャン(McCutcheon)の乳化剤及び洗剤(Emulsifiers and Detergents)、1989年年鑑、M.C.出版社(M.C.Publishing Co.)により出版、並びに米国特許第3,929,678号に記載されている。
【0041】
パーソナルケア組成物の発泡洗浄相は、典型的には、発泡洗浄相の約1重量%〜約90重量%、より好ましくは約4重量%〜約50重量%、更により好ましくは約5重量%〜約30重量%の範囲の濃度で洗浄界面活性剤を含む。洗浄相の好ましいpH範囲は、約5〜約8、より好ましくは約6である。
【0042】
パーソナルケア組成物の発泡洗浄相は、以下に記載される発泡容量試験により測定される時、好ましくは少なくとも約500mL、より好ましくは約600mLを超える、更により好ましくは約700mLを超える、更により好ましくは約800mLを超える、なおより好ましくは約1000mLを超える、及びなお更により好ましくは約1250mLを超える全発泡容量を生成する。パーソナルケア組成物の発泡洗浄相は、以下に記載される発泡容量試験により測定される時、好ましくは少なくとも約200mL、好ましくは約250mLを超える、更により好ましくは約300mLを超える瞬間発泡容量を生成する。
【0043】
好ましくは、発泡洗浄相は、以下に記載される粘度法により測定される時、約3Pa・s(3,000センチポアズ(「cps」))を超える、より好ましくは約10Pa・s(10,000cps)を超える、更により好ましくは約20Pa・s(20,000cps)を超える、及びなおより好ましくは約40Pa・s(40,000cps)を超える粘度を有する。
【0044】
好ましくは、発泡洗浄相は、以下に記載される降伏点法により測定される時、約0.1パスカル(Pa)を超える、より好ましくは約1パスカルを超える、更により好ましくは約10パスカルを超える、及びなおより好ましくは約30パスカルを超える降伏点を有する。
【0045】
本発明の組成物の発泡洗浄相中の洗浄界面活性剤として使用するのに好適なアニオン性界面活性剤には、アルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートが挙げられる。これらの物質は、それぞれ、式ROSO3M及びRO(C24O)xSO3Mを有し、式中、Rは炭素原子が約8〜約24個のアルキル又はアルケニルであり、xは1〜10であり、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウム又はトリエタノールアミンのような水溶性カチオンである。アルキルエーテルサルフェートは、典型的にはエチレンオキシドと約8〜約24個の炭素原子を有する一価アルコールとの縮合生成物として作られる。好ましくは、Rは、アルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートの両方において約10〜約18個の炭素原子を有する。アルコールは、脂肪、例えばココヤシ油若しくは獣脂から誘導されることができ、又は合成であることができる。本明細書では、ココヤシ油から誘導されるラウリルアルコール及び直鎖アルコールが好ましい。このようなアルコールは、約1〜約10、好ましくは約3〜約5、より好ましくは約3のモル比のエチレンオキシドと反応し、例えば、アルコール1モル当たり平均3モルのエチレンオキシドを有する、結果として得られる分子種の混合物が硫酸化され、中和される。
【0046】
発泡洗浄相で使用してもよいアルキルエーテルサルフェートの具体例は、ココナッツアルキルトリエチレングリコールエーテルサルフェート、タローアルキルトリエチレングリコールエーテルサルフェート、及びタローアルキルヘキサオキシエチレンサルフェートの、ナトリウム塩及びアンモニウム塩である。非常に好ましいアルキルエーテルサルフェートは、個々の化合物の混合物を含むものであり、前記混合物は約10〜約16個の炭素原子の平均アルキル鎖長、及び約1〜約4モルのエチレンオキシドの平均エトキシル化度を有する。
【0047】
他の好適なアニオン性界面活性剤には、一般式[R1-SO3−M]の有機硫酸反応生成物の水溶性塩が挙げられ、式中、R1は約8〜約24個、好ましくは約10〜約18個の炭素原子を有する、直鎖又は分枝鎖の飽和脂肪族炭化水素ラジカルから成る群から選択され、Mはカチオンである。好適な例は、約8〜約24個の炭素原子、好ましくは約10〜約18個の炭素原子を有する、イソ−、ネオ−、インエソ−及びn−パラフィンを含むメタン系炭化水素と、漂白及び加水分解を含む既知のスルホン化法によって得られるスルホン化剤、例えば、SO3、H2SO4、発煙硫酸との、有機硫酸反応生成物の塩である。好ましいものは、アルカリ金属及びアンモニウムスルホン化C10〜18n−パラフィンである。
【0048】
発泡洗浄相で使用するのに好ましいアニオン性界面活性剤には、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸トリエチルアミン、ラウレス硫酸トリエチルアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウレス硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウレス硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ジエタノールアミン、ラウレス硫酸ジエタノールアミン、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸カリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン、ココイルサルコシン、ココイル硫酸アンモニウム、ラウロイル硫酸アンモニウム、ココイル硫酸ナトリウム、ラウロイル硫酸ナトリウム、ココイル硫酸カリウム、ラウリル硫酸カリウム、ココイル硫酸モノエタノールアミン、トリデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0049】
一部の実施形態では、例えばトリデセス硫酸ナトリウムのような分枝状アルキル鎖を有するアニオン性界面活性剤が好ましい。一部の実施形態では、アニオン性界面活性剤の混合物を使用することができる。
【0050】
両性、双性イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤の部類からのその他の界面活性剤を、発泡洗浄相組成物に組み込むことができる。
【0051】
本発明の組成物の発泡洗浄相中の洗浄界面活性剤として使用するのに好適な両性界面活性剤には、脂肪族第二級及び第三級アミンの誘導体として広く記載されている界面活性剤が挙げられ、その脂肪族ラジカルは直鎖又は分枝鎖であることができ、脂肪族置換基の1つは約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つは例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート又はホスホネートのようなアニオン性水溶性基を含有する。この定義に該当する化合物の例は、3−ドデシルアミノプロピオン酸ナトリウム、3−ドデシルアミノプロパンスルホン酸ナトリウム、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、米国特許第2,658,072号の教示に従ってドデシルアミンをイセチオン酸ナトリウムと反応させることで調製されるもののようなN−アルキルタウリン、米国特許第2,438,091号の教示に従って生成されるもののようなN−高級アルキルアスパラギン酸、及び米国特許第2,528,378号に記載の生成物である。
【0052】
発泡洗浄相中の洗浄界面活性剤として使用するのに好適な双性イオン性界面活性剤には、脂肪族第四級アンモニウム、ホスホニウム及びスルホニウム化合物の誘導体として広く記載されている界面活性剤が挙げられ、その脂肪族ラジカルは直鎖又は分枝鎖であることができ、脂肪族置換基の1つは約8〜約18個の炭素原子を含有し、1つは例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート又はホスホネートのようなアニオン性基を含有する。そのような好適な双性イオン性界面活性剤は、次の式で表すことができ:
【0053】
【化1】

式中、R2は、約8〜約18個の炭素原子のアルキル、アルケニル又はヒドロキシアルキルラジカル、0〜約10個のエチレンオキシド部分及び0〜約1個のグリセリル部分を含有し;Yは、窒素、リン及びイオウ原子から成る群から選択され;R3は、約1〜約3個の炭素原子を含有するアルキル又はモノヒドロキシアルキル基であり;Xは、Yがイオウ原子の時1であり、Yが窒素又はリン原子の時2であり;R4は、約1〜約4個の炭素原子のアルキレン又はヒドロキシアルキレンであり、Zは、カルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスホネート及びホスフェート基から成る群から選択されるラジカルである。
【0054】
発泡洗浄相で使用するのに好適な他の双性イオン性界面活性剤には、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、オレイルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルαカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルγカルボキシプロピルベタイン及びラウリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)α−カルボキシエチルベタインのような高級アルキルベタインを含むベタインが挙げられる。スルホベタインは、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタインなどで代表されることができ、RCONH(CH23ラジカルがベタインの窒素原子に結合しているアミドベタイン及びアミドスルホベタインもまた本発明の組成物に有用である。
【0055】
アンホ酢酸塩及びジアンホ酢酸塩もまた使用することができる。好適なアンホ酢酸塩は次の式を有し:
【0056】
【化2】

好適なジアンホ酢酸塩は次の式を有し:
【0057】
【化3】

式中、Rは8〜18個の炭素原子の脂肪族基であり;Mはナトリウム、カリウム、アンモニウム又は置換アンモニウムのようなカチオンである。好適なアンホ酢酸塩及びジアンホ酢酸塩の非限定例には、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホ酢酸二ナトリウム、及びココジアンホ酢酸二ナトリウム(disodium cocodiamphoacetate)が挙げられる。
【0058】
カチオン性界面活性剤もまた発泡洗浄相に使用できるが、一般にはあまり好ましくなく、好ましくは発泡洗浄相の約5重量%未満に相当する。
【0059】
発泡洗浄相に使用するのに好適な非イオン性界面活性剤には、アルキレンオキシド基(性質上親水性)と、性質上脂肪族又はアルキル芳香族であってもよい有機疎水性化合物との縮合生成物が挙げられる。
【0060】
(層状構造化剤)
本発明の組成物の発泡洗浄相は、任意ではあるが好ましくは、組成物中で層状の相を形成するように作用する層状構造化剤を、約0.1重量%〜10重量%更に含む。層状の相は、本発明の組成物の発泡洗浄相と非発泡構造化水相との間の界面の安定性を高めると考えられている。
【0061】
好適な層状構造化剤には、脂肪酸又はそのエステル誘導体、脂肪アルコール、トリヒドロキシステアリン(商標名チキシン(THIXCIN)(登録商標)Rでレオックス社(Rheox,Inc.)から入手可能)、又はポリメチルアクリルアミドプロピル(polymethyacrylamidopropyl)塩化トリモニウム(商標名ポリケア(POLYCARE)(登録商標)133でローディア(Rhodia)から入手可能)が挙げられる。好ましくは、層状構造化剤は、ラウリン酸又はトリヒドロキシステアリンから選択される。
【0062】
本発明の好ましい実施形態において、発泡洗浄相で使用される界面活性剤は、非ニュートン性のずり減粘挙動を示し(本明細書では自由流動性組成物と呼ぶ)、界面活性剤の混合物であることができる。好適な界面活性剤混合物は、水、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤、電解質、及び少なくとも1つのアルカノールアミドを含むことができる。非ニュートン性のずり減粘挙動を示す発泡洗浄相を使用することにより、結果として得られるパーソナル洗浄組成物の安定性を増大できることが判明している。アルカノールアミドは、存在する場合、次の一般構造を有し:
【0063】
【化4】

式中、Rは、C8〜C24、又は好ましくは一部の実施形態ではC8〜C22、又は他の実施形態ではC8〜C18の、飽和又は不飽和の、直鎖又は分枝状の脂肪族基であり;R1及びR2は、同一の又は異なる、C2〜C4直鎖又は分枝状脂肪族基であり;xは、0〜10であり;yは、1〜10であり、xとyとの合計は、10以下である。
【0064】
組成物中のアルカノールアミドの量は、典型的には、発泡洗浄相の約0.1重量%〜約10重量%であり、一部の実施形態では、好ましくは発泡洗浄相の約2重量%〜約5重量%である。好適なアルカノールアミドには、コカミドMEA(ココモノエタノールアミド(Coco monethanolamide))及びコカミドMIPA(ココモノイソプロプラノールアミド(Coco monoisopropranolamide))が挙げられる。
【0065】
電解質は、使用される場合、それ自体を組成物に添加することができるか、又は原材料の1つに含まれる対イオンによってその場で形成することができる。電解質は、好ましくは、ホスフェート、クロライド、サルフェート又はシトレートを含むアニオン、及びナトリウム、アンモニウム、カリウム、マグネシウム又はこれらの混合物を含むカチオンを含む。一部の好ましい電解質は、塩化ナトリウム若しくは塩化アンモニウム、又は硫酸ナトリウム若しくは硫酸アンモニウムである。好ましい電解質は、塩化ナトリウムである。
【0066】
電解質は、存在する場合、自由流動性組成物の形成を促進する量で存在するべきである。一般に、この量は、発泡洗浄相の約0.1重量%〜約15重量%、好ましくは約1重量%〜約6重量%であるが、必要ならば変更してもよい。
【0067】
本発明の1つの実施形態において、発泡洗浄相は、アニオン性界面活性剤(例えば、トリデセス硫酸ナトリウム)、アンホ酢酸界面活性剤(例えば、ラウロアンホ酢酸ナトリウム)及びアルカノールアミド(例えば、ココアミドMEA)を含む。この実施形態の発泡洗浄相は、好ましくは電解質(例えば、塩化ナトリウム)を更に含む。
【0068】
(着色剤)
好ましい実施形態では、多相パーソナル洗浄組成物は、多相パーソナル洗浄組成物の少なくとも1つの相中に着色剤を含む。組成物は、組成物の約0.00001重量%〜約10重量%の着色剤を含む。好ましくは、多相パーソナル洗浄組成物は、組成物の約0.0001重量%〜約1重量%、より好ましくは約0.001重量%〜約0.1重量%、更により好ましくは約0.005重量%〜約0.05重量%の着色剤を含む。
【0069】
好ましい実施形態では、着色剤は金属イオンを含む。好ましくは、着色剤は、バリウム及びアルミニウムイオンを含まず、これにより層状の相の安定性を改善できる。着色剤は好ましくはUV安定性を維持する。
【0070】
多相パーソナル洗浄組成物に使用する着色剤は、有機顔料、無機顔料、干渉顔料、レーキ、天然着色剤、パールエッセンス剤、染料、カルミン及びこれらの混合物から成る群から選択される。
【0071】
着色剤の非限定例には:医薬品及び化粧品用レッド30タルクレーキ、医薬品及び化粧品用レッド7カルシウムレーキ、医薬品及び化粧品用レッド34カルシウムレーキ、雲母/二酸化チタン/カルミン顔料(エンゲルハルト(Engelhard)からのクロリゾン・レッド(Clorisonne Red)、エンゲルハルトからのデュオクローム(Duocrome)RB、ロナ(Rona)からのマジェンタ(Magenta)、ロナからのディクロナ(Dichrona)RB)、レッド30低鉄(Red 30 Low Iron)、レーキ27とレーキ30との医薬品及び化粧品用レッドレーキブレンド、食品、医薬品及び化粧品用イエロー5レーキ、コウェット(Kowet)二酸化チタン、黄酸化鉄、医薬品及び化粧品用レッド30レーキ、医薬品及び化粧品用レッド28レーキ、コス弁柄BC(Cos Red Oxide BC)、コス(Cos)酸化鉄レッドBC、コス酸化鉄ブラックBC、コス酸化鉄イエロー、コス酸化鉄ブラウン、コス酸化鉄イエローBC、ユーロキシド・レッド・アンステリル(Euroxide Red Unsteril)、ユーロキシド・ブラック・アンステリル(Euroxide Black Unsteril)、ユーロキシド・イエロー・ステリル(Euroxide Yellow Steril)、ユーロキシド・ブラック・ステリル(Euroxide Black Steril)、ユーロキシド・レッド(Euroxide Red)、ユーロキシド・ブラック(Euroxide Black)、疎水性ユーロキシド・ブラック、疎水性ユーロキシド・イエロー、疎水性ユーロキシド・レッド、医薬品及び化粧品用イエロー6レーキ、医薬品及び化粧品用イエロー5ジルコニウムレーキ、及びこれらの着色剤の混合物が挙げられる。
【0072】
(任意成分)
多様な好適な任意成分を、発泡洗浄相及び非発泡構造化水相中に使用することができる。非限定的な任意成分には、保湿剤及び溶質が挙げられる。多様な保湿剤及び溶質を使用することができ、これらは、パーソナルケア組成物の約0.1重量%〜約50重量%、好ましくは約0.5重量%〜約35重量%、より好ましくは約2重量%〜約20重量%の濃度で存在することができる。好ましい保湿剤はグリセリンである。
【0073】
好適な任意成分には、更に皮膚コンディショニング剤が挙げられる。非イオン性のポリエチレン/ポリプロピレングリコールポリマーが、好ましくは皮膚コンディショニング剤として使用される。本明細書で有用な特に好ましいポリマーは、xが2に等しく、nが約2,000の平均値を有するPEG−2M(PEG2−Mは、ユニオンカーバイド(Union Carbide)からのポリオックスWSR(Polyox WSR)(登録商標)N−10として、及びPEG−2,000としても知られている);xが2に等しく、nが約5,000の平均値を有するPEG−5M(PEG5−Mは、共にユニオンカーバイドからのポリオックスWSR(登録商標)35及びポリオックスWSR(登録商標)N−80として、並びにPEG−5,000及びポリエチレングリコール200,000としても知られている);xが2に等しく、nが約7,000の平均値を有するPEG−7M(PEG7−Mは、ポリオックスWSR(登録商標)(ユニオンカーバイドからのN−750)としても知られている);xが2に等しく、nが約9,000の平均値を有するPEG−9M(PEG9−Mは、ユニオンカーバイドからのポリオックスWSR(登録商標)N−3333としても知られている);xが2に等しく、nが平均値約14,000を有するPEG−14M(PEG14−Mは、共にユニオンカーバイドからのポリオックスWSR(登録商標)−205及びポリオックスWSR(登録商標)N−3000としても知られている);並びに、xが2に等しく、nが約90,000の平均値を有するPEG−90M(PEG−90Mは、ユニオンカーバイドからのポリオックスWSR(登録商標)−301としても知られている)である。
【0074】
本発明の多相パーソナル洗浄組成物は、付着助剤として、発泡洗浄相又は非発泡構造化水相に有機カチオン性沈着ポリマーを更に含むことができる。カチオン性沈着ポリマーの濃度は、好ましくは発泡洗浄相組成物の約0.025重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約2重量%、更により好ましくは約0.1重量%〜約1重量%の範囲である。
【0075】
本発明の多相パーソナル洗浄組成物に使用するのに好適なカチオン性沈着ポリマーは、第四級アンモニウム又はカチオン性プロトン化アミノ部分のようなカチオン性窒素含有部分を含有する。カチオン性プロトン化アミンは、パーソナル洗浄組成物の特定の種類及び選択されたpHに応じて、第一級アミン、第二級アミン、又は第三級アミン(好ましくは第二級又は第三級)であることができる。カチオン性沈着ポリマーの平均分子量は、約5,000〜約10,000,000、好ましくは少なくとも約100,000、より好ましくは少なくとも約200,000であるが、好ましくは約2,000,000以下、より好ましくは、約1,500,000以下である。ポリマーはまた、カチオン電荷密度がパーソナル洗浄組成物の意図する使用のpHにおいて約0.2meq/g〜約5meq/gの範囲、好ましくは少なくとも約0.4meq/g、より好ましくは少なくとも約0.6meq/gであり、このpHは一般にpH約4〜pH約9、好ましくはpH約5〜pH約8の範囲である。
【0076】
パーソナル洗浄組成物に使用するためのカチオン性沈着ポリマーの非限定例としては、カチオン性セルロース誘導体のような多糖類ポリマーが挙げられる。好ましいカチオン性セルロースポリマーはトリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの塩であり、業界(CTFA)ではポリクオタニウム(Polyquaternium)10と呼ばれ、これはアマコール社(Amerchol Corp.)(米国ニュージャージー州エディソン(Edison))より、ポリマー(Polymer)KG、JR及びLRシリーズのポリマーとして入手可能であり、最も好ましいものはKG−30Mである。
【0077】
他の好適なカチオン性沈着ポリマーとしては、グアーヒドロキシプロピル塩化トリモニウムのようなカチオン性グアーガム誘導体が挙げられ、その具体例としては、ローディア社(Rhodia Inc.)より市販されているジャガー(Jaguar)シリーズ(好ましくはジャガーC−17)、及びアクアロン(Aqualon)より市販されているN−ハンス(N-Hance)ポリマーシリーズが挙げられる。
【0078】
その他の好適なカチオン性沈着ポリマーには、合成カチオン性ポリマーが挙げられる。本明細書の洗浄組成物に使用するために好適なカチオン性ポリマーは、約4meq/g〜約7meq/g、好ましくは約4meq/g〜約6meq/g、より好ましくは約4.2meq/g〜約5.5meq/gのカチオン電荷密度を有する水溶性又は分散性の非架橋のカチオン性ポリマーである。選択されたポリマーはまた、約1,000〜約1,000,000、好ましくは約10,000〜約500,000、より好ましくは約75,000〜約250,000の平均分子量を有する必要がある。
【0079】
洗浄組成物におけるカチオン性ポリマーの濃度は、組成物の約0.025重量%〜約5重量%、好ましくは約0.1重量%〜約3重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約1重量%の範囲である。
【0080】
洗浄組成物で使用するための市販の合成カチオン性ポリマーの非限定例は、米国ニュージャージー州クランベリー(Cranberry,N.J.,U.S.A.)のローディア(Rhodia)からの商標名ポリケア(Polycare)133で入手可能な、ポリメチルアクリルアミドプロピル(polymethyacrylamidopropyl)塩化トリモニウムである。
【0081】
本明細書のカチオン性ポリマーは発泡洗浄相に可溶性であるか、又は好ましくは、カチオン性沈着ポリマーと前述のアニオン性界面活性剤構成成分によって形成される多相パーソナル洗浄組成物の複合コアセルベート相に可溶性である。カチオン性沈着ポリマーの複合コアセルベートはまた、パーソナル洗浄組成物中の他の帯電物質と共に形成されることができる。
【0082】
コアセルベートの形成は、分子量、構成成分濃度、相互作用するイオン性構成成分の比、イオン強度(例えば塩の添加による、イオン強度の修正を含む)、カチオン性及びアニオン性構成成分の電荷密度、pH並びに温度のような種々の基準に依存する。コアセルベート系及びこれらのパラメータの効果は、例えばJ.カエレス(J.Caelles)らの「混合系におけるアニオン性及びカチオン性化合物(Anionic and Cationic Compounds in Mixed Systems)」、コスメティックス・アンド・トイレタリーズ(Cosmetics & Toiletries)、106巻、1991年4月、49〜54ページ、C.J.バン・オス(C.J.van Oss)、「コアセルベーション、複合コアセルベーション及び凝集(Coacervation,Complex-Coacervation and Flocculation)」、分散科学及び技術誌(J.Dispersion Science and Technology)、9巻(5、6)、1988〜89年、561〜573ページ、並びにD.J.バージス(D.J.Burgess)、「複合コアセルベート系の実用分析(Practical Analysis of Complex Coacervate Systems)」、コロイド反界面科学誌(J.of Colloid anti Interface Science)、140巻、1号、1990年11月、227〜238ページに記載されており、これらの記載を参考として本明細書に組み入れる。
【0083】
カチオン性沈着ポリマーがパーソナル洗浄組成物中でコアセルベート相の状態で存在すること、又は皮膚に洗浄組成物を適用する際若しくは皮膚から洗浄組成物を洗い流す際に、コアセルベート相を形成することは特に有利であると考えられている。複合コアセルベートはより容易に皮膚に付着し、これにより有益物質の改善された付着が得られると考えられている。したがって、一般に、カチオン性沈着ポリマーがパーソナル洗浄組成物中にコアセルベート相として存在するか、又は希釈によりコアセルベート相を形成することが好ましい。パーソナル洗浄組成物中にコアセルベートが既に存在していない場合には、水での希釈の際にカチオン性沈着ポリマーが洗浄組成物中に複合コアセルベートの形態で存在するのが好ましい。
【0084】
複合コアセルベートの形成を分析するための技術は、当該技術分野において既知である。例えば、希釈の任意の選択された段階において、パーソナル洗浄組成物の遠心分離分析を利用して、コアセルベート相が形成されたかを確認することができる。
【0085】
これらの任意成分の他の非限定例には、ビタミン及びそれらの誘導体(例えば、アスコルビン酸、ビタミンE、トコフェリルアセテートなど);日焼け止め剤;増粘剤(例えば、ポリオールアルコキシエステル、クローダ(Croda)からクロシックス(Crothix)として入手可能);洗浄組成物の抗菌保全性を維持する防腐剤(例えばDMDMH);抗ニキビ薬剤(レゾルシノール、サリチル酸など);酸化防止剤;アロエベラ抽出物、アラントインなどのような皮膚鎮静及び皮膚治癒剤;キレート化剤及び金属イオン封鎖剤;並びに、芳香剤、精油、皮膚感覚剤、顔料、パールエッセンス剤(例えば、雲母及び二酸化チタン)など(例えば、丁子油、メントール、カンファー、ユーカリ油、及びオイゲノール)のような審美的目的に好適な剤が挙げられる。これらの物質は、当業者に明らかであるように、要求される効果をもたらすために十分な範囲で使用できる。
【0086】
本明細書に記載されるいかなる任意成分もが、水構造化剤又は層状構造化剤として前述された具体的な物質を含む限り、こうした物質は本発明の目的上、水構造化剤又は層状構造化剤として見なされるべきである。
【0087】
(試験方法)
(発泡容量試験)
多相パーソナル洗浄組成物の発泡容量、又はパーソナル洗浄組成物の非発泡構造化水相若しくは発泡洗浄相の発泡容量は、メスシリンダー及び回転装置を用いて測定される。10mLの増分毎に印が付けられ、その底部の内側から1,000mLの印までの高さが36.8cm(14.5インチ)の1,000mLメスシリンダー(例えば、パイレックスNo.2982)を使用する。蒸留水(23℃で100g)をメスシリンダーに加える。このシリンダーは、回転装置内にクランプ固定されるが、これにより、メスシリンダーの中心を横断する回転軸にシリンダーがクランプ固定される。1gの全パーソナル洗浄組成物(全製品を測定する時、0.5gの発泡洗浄相及び0.5gの非発泡構造化水相、又は発泡洗浄相若しくは非発泡構造化水相のみを測定する時は1gの発泡洗浄相若しくは非発泡構造化水相)がメスシリンダー中に加えられ、シリンダーは蓋をされる。シリンダーを、3.14rad/s(約20秒で10回転)の速度で回転させ、垂直な位置で停止させて、第1回転シーケンスを完了させる。これによって発生した泡の排出のための30秒を見込んでタイマーを設定する。そうした30秒の排出の後に、底部からの泡の高さをmLで記録し、第1の発泡容量を四捨五入して10mLの印の単位で測定する(上に泡が浮いている底部に排出されたいかなる水も含む)。
【0088】
泡の上面が平らでない場合、メスシリンダー断面の半分に及ぶのが見られる最も低い高さが、第1の発泡容量(mL)になる。泡が粗すぎて、単一又はほんのわずかなフォームセル(foam cells)(「バブル(bubbles)」)しかシリンダー断面全体に広がらない場合、空間を満たすのに少なくとも10個のフォームセルが必要になる高さが、やはり底部からのmlによる第1の発泡容量になる。いかなる次元においても2.54cm(1インチ)より大きいフォームセルは、どこで発生しようとも、泡ではなく、中身のない空気として表される。メスシリンダーの上部に集まるが排出されないフォームもまた、その上部のフォームがそれ自体連続的な層にある場合、層の厚さを測定するための定規を使用してそこに集められたフォームのmlを底部から測定されたフォームのmLに加えることによって、測定に組み込む。フォームの最大の高さは、(全フォームの高さがメスシリンダー上の1,000mLの印を超える場合でも)1,000mLである。第1の回転が完了してから1分後に、第1の回転シーケンスと速度及び持続時間が同一である第2の回転シーケンスが開始する。第2の発泡容量は、第1と同じ方式で、同様に30秒の排出時間の後に記録する。第3のシーケンスが完了し、各排出と測定値取得との間に同一の休止時間をおいて、第3の発泡容量を同様の方式で測定する。
【0089】
各シーケンスの後の泡の結果を合算し、全発泡容量が、3つの測定値の合計としてmlで測定される。瞬間発泡容量は、第1の回転シーケンスのみの後のmLでの結果、即ち、第1の発泡容量である。本発明による組成物は、この試験において、従来のエマルション形態をした類似の組成物よりもはるかに良い性能を示す。
【0090】
(粘度法)
ウエルズ−ブルックフィールド・コーン/プレート・モデル(Wells-Brookfield Cone/Plate Model)DV−II+粘度計を使用して、本明細書の非発泡構造化水相及び発泡洗浄相の粘度を測定することができる。この測定は、それぞれのコーン及びプレート上における小さな2つのピン間の間隙が0.013mmである2.4cm2°のコーン測定システムによって、25℃で実施される。測定は、試料0.5mLを注入し、次にコーンを0.1rad/s(1rpm)の設定速度で回転することによって実施される。コーンの回転に対する抵抗が、液体試料の剪断応力に比例したトルクを生み出す。トルクの量は、試料を装填した2分後に読み取られ、コーンの幾何学的定数、回転速度、及び応力関連トルクに基づき、粘度計により絶対センチポアズ単位(mPa*s)に計算される。
【0091】
(降伏点法)
TAインストルメンツ(TA Instruments)AR2000応力レオメーターを使用して、非発泡構造化水相又は発泡洗浄相の降伏点を測定することができる。本明細書における目的のために、降伏点とは、液体非発泡構造化水相又は発泡洗浄相に1%のひずみを生み出すために必要な応力の量である。測定は、4cmの直径の平行プレート測定システム及び1mmの間隙で25℃で実施される。この測定は、5分間隔の剪断応力(典型的には、約0.1Pa〜約500Pa0)のプログラム化された適用により実施される。試料の変形を起こすのは、この量の応力であり、剪断応力対歪みの曲線を生み出すことができる。この曲線から、液体非発泡構造化水相の降伏点を決定することができる。液体非発泡構造化水相又は発泡洗浄相は、組成物中で組み合わせる前に測定されるか、又は組成物中で組み合わせた後、組成物を、遠心分離、ピペット操作、機械的な切断、すすぎ、濾過若しくは他の分離手段のような好適な物理的分離手段により分離することにより、測定される。
【0092】
(水移動度法)
非発泡構造化水相の水移動度は、パルスNMR法により測定される。24〜29℃に調節された温度制御を有する、マラン超低磁場パルスNMR(Maran Ultra Low Field Pulsed NMR)、23MHz、CPMGパルスシーケンスが、水移動度を測定するために使用される。非発泡構造化水相の試料は、パルスNMR試験管中に最初に設置され、次いでパルス比周波数(23MHz)の励磁に暴露される。取得及びデータ処理パラメータは以下の表に記載される。
【0093】
【表1】

【0094】
緩和減衰定数(T2時間)が、信号減衰特性(signal decay profile)を測定することによって計算される。最大の水含有ピークのT2時間(秒による)が、水移動度として記録される。高いT2緩和時間は、高い水移動度を示す。低いT2緩和時間は、低い水移動度(即ち、より構造化された系)を示す。
【0095】
(相関ヘイズ指数法)
マクベス(Macbeth)色測定システムである、球体形状光学ヘッドを有するグレタッグ・マクベス(Gretag Macbeth)モデル7000を使用して、相関ヘイズ指数法が実施される。この機器は、反射率及び透過モードの両方で較正が行われる必要がある。この両方の較正は、相関ヘイズ指数を得るために使用される。
【0096】
試料を調製するため、組成物は、存在する場合があるいかなる空泡をも除去するため、314rad/s(3000rpm)で約3分間遠心分離される。次に組成物を、光学セルに、空気が取り込まれることを回避するためにゆっくりと注ぐ。空気が取り込まれた場合には、試料を室温で30分放置して脱気させる。空泡が依然として残る場合は、まずセルを空にし、次にセルを洗浄して乾燥し、次に前と同様に再び充填する。例えば拭き取ることにより、セルの外側表面にこぼれたいかなる組成物をも除去する。組成物の試料は、元の較正温度の2℃以内でなければならない。
【0097】
試料が調製されると、機器は、Cイルミネート(Illuminate)、観測角2°及び平均化なしを使用する、慣用の実験室設定にするべきである。次に機器の設定をCRIOLL設定に構成する。これは、反射成分を含むように、UVを除くように、及び測定モードを反射率に、変えることにより行われる。これらの変更は、機器の内部に試料セルホルダーがない状態で行われる。次に試料のない大型の試料セルホルダーを機器の内部に置き、画面のプロンプトに従って機器を較正する。測定モードを透過に切り替えると、機器はBTIOLL設定を示す。画面上のプロンプトに従って機器を較正する。
【0098】
次に機器を、測定モード、相関ヘイズに切り替える。すると機器の設定は、XHIOLLになる。画面上のプロンプトに従って機器を較正する。機器の新しい設定は、CHIOLLとなる。次に操作者は、ツールバーの指示アイコンをクリックして、相関ヘイズの結果を示す画面を開く。標準として空のセルで実施する。
【0099】
光学セルを分析される組成物の試料で充填し、空気の取り込みがないことを確実にする。試行として実施し、相関ヘイズの結果を百分率で報告する。機器の較正は、少なくとも8時間毎に実施されなければならない。
【0100】
(使用方法)
本発明の多相パーソナル洗浄組成物は、好ましくは、適用される表面への皮膚洗浄剤及び皮膚処理剤の有効な送達をもたらすのに十分な量で、皮膚又は毛髪の所望の領域に局所適用される。組成物は、皮膚に直接適用することができ、又はクレンジングパフ、洗い布、スポンジ若しくは他の道具を用いて間接的に適用することができる。組成物は、好ましくは、局所適用の前、その間、又はその後に水で希釈され、その後、適用された表面からすすぎ落とされ、又は拭き取られ、好ましくは、水を使用して、又は水不溶性基材を水と組み合わせて使用して、適用された表面からすすぎ落とされる。
【0101】
したがって、本発明は、また、上述した本発明の組成物の適用を通じて皮膚を洗浄する方法も対象とする。また、本発明の方法は、上述した本発明の組成物の適用を通じて、適用された表面に、所望の皮膚活性剤の有効な送達をもたらす方法、及び本明細書に記載のそのような有効な送達によってもたらされる利益をもたらす方法も対象とする。
【0102】
(製造方法)
本発明の多相パーソナル洗浄組成物は、所望の多相製品形態を作製及び配合するのに好適ないかなる既知の技術、ないしは別の有効な技術によって調製されてもよい。練り歯磨きチューブでの充填技術と回転台設計とを組み合わせることが有効である。加えて、本発明は、米国特許第6,213,166号で開示されるような方法及び装置により調製されることができる。この方法及び装置により、2つ以上の組成物を単一の容器に螺旋形状で充填することができる。この方法では、少なくとも2つのノズルを用いて容器に充填することが必要となる。容器が静的ミキサー上に置かれ、組成物を容器内に入れながら回転させる。
【0103】
あるいは、最初に、ポンプとホースとが取り付けられた別個の保存タンク中に別個の組成物を設置することにより、少なくとも2つの相を組み合わせることが有効である。次に相は、予め定められた量が単一の組み合わせセクションにポンプで送られる。次に、相は組み合わせセクションからブレンドセクションへ移動され、相は、得られる単一の製品が相の区別できる模様を示すようにブレンドセクションで混合される。模様は、ストライプ模様、大理石模様、幾何学模様及びこれらの混合物から成る群から選択される。次の工程は、ブレンドセクションで混合された製品をホースを介して単一のノズルにポンプで送り、次に、ノズルを容器の中に設置し、容器を得られた製品で充填することを伴う。本発明の具体的な実施形態に適用される場合の方法の具体的な非限定例が、以下の実施例で説明される。
【0104】
パーソナル洗浄組成物が様々な色のストライプを含有する場合、消費者がパッケージを通してその模様を見ることができるように、これらの組成物を透明の又は半透明のパッケージに包装することが望ましい可能性がある。また、対象組成物の粘度のため、分配を容易にするために、パッケージを上下逆に、キャップを下にして保管させるための、消費者への指示書を含むことも望ましい場合がある。
【0105】
本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのようなより小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように含むことを理解すべきである。本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのようなより大きい数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように含む。本明細書全体にわたって記載されるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内にあるあらゆるより狭い数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が本明細書にすべて明示的に記載されているかのように含む。
【0106】
特に指定がない限り、本明細書の明細、実施例、及び請求の範囲におけるすべての部、比及び百分率は重量基準であり、すべての数値限定は、当該技術分野において許容できる通常の程度の精度で使用される。
【実施例】
【0107】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明し実証する。これらの実施例は、単に説明の目的で与えられるにすぎず、本発明の精神及び範囲から逸脱することなくそれらの多くの変形形態が可能であるため、本発明を制限するものと解釈すべきではない。
【0108】
以下の実施例の各々は、パーソナルケア組成物の50重量%の発泡洗浄相及びパーソナルケア組成物の50重量%の非発泡構造化水相を含むパーソナルケア組成物のものである。特定の相の各構成成分の量は、その構成成分を含有する特定の相の重量に基づく重量%で提示されている。
【0109】
(実施例1〜3)
表1に記載される次の実施例は、発泡洗浄相及び非発泡構造化水相組成物の非限定例である。
【0110】
【表2】

上記組成物は、従来の配合及び混合技術によって調製することができる。最初に次のプレミックスを作製することにより洗浄組成物1を調製する:比1:3でクエン酸を水中に入れたプレミックス、比1:10でジャガー(Jaguar)C−17とN−ハンス(N-Hance)3196とを水中に入れたグアーポリマープレミックス、比約1:30でJR−30Mを水中に入れたユーケア(UCARE)プレミックス、及び比約1:2でPEG−90MとPEG−14Mとをグリセリン中に入れたポリオックス(Polyox)プレミックス。次に、次の成分を主混合容器に加える:ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス−3硫酸アンモニウム、クエン酸プレミックス、ミラノールL−32ウルトラ(Miranol L-32 ultra)、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム、ラウリン酸、チキシン(Thixcin)R、グアープレミックス、ユーケア(UCARE)プレミックス、ポリオックス(Polyox)プレミックス、及び水の残り。攪拌しながら、88℃(190°F)に達するまで容器を加熱する。それを約10分間混合する。ゆっくり攪拌しながら、当該バッチを冷水浴で43℃(110°F)に達するまで冷却する。次の成分:グリダント、香料、二酸化チタンを加える。均質な溶液が形成されるまで混合し続ける。
【0111】
洗浄組成物2は、最初に次のプレミックスを作製することにより調製できる:比1:3でクエン酸を水中に入れたプレミックス、比1:10でN−ハンス3196(N-Hance 3196)を水中に入れたグアーポリマープレミックス、及び比約1:2でPEG−14Mをグリセリン中に入れたポリオックス(Polyox)プレミックス。次に、次の成分を主混合容器に加える:ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス−3硫酸アンモニウム、クエン酸プレミックス、ミラノールL−32ウルトラ(Miranol L-32 ultra)、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム、ラウリン酸、チキシン(Thixcin)R、グアープレミックス、ポリオックス(Polyox)プレミックス、ポリケア(Polycare)133、メルクアット・プラス(Merquat Plus)3300、モナシル(Monasil)PLN、及び水の残り。攪拌しながら、88℃(190°F)に達するまで容器を加熱する。それを約10分間混合する。ゆっくり攪拌しながら、当該バッチを冷水浴で43℃(110°F)に達するまで冷却する。次の成分:グリダント、香料、二酸化チタンを加える。均質な溶液が形成されるまで混合し続ける。
【0112】
洗浄組成物3は、最初に次のプレミックスを作製することにより調製できる:比1:3でクエン酸を水中に入れたプレミックス、比1:10でN−ハンス3196(N-Hance 3196)を水中に入れたグアーポリマープレミックス、及び比約1:2でPEG−14Mをグリセリン中に入れたポリオックス(Polyox)プレミックス。次に、次の成分を主混合容器に加える:ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス−3硫酸アンモニウム、クエン酸プレミックス、ミラノールL−32ウルトラ(Miranol L-32 ultra)、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム、ラウリン酸、チキシン(Thixcin)R、グアープレミックス、ポリオックス(Polyox)プレミックス、モナシル(Monasil)PLN、及び水の残り。攪拌しながら、88℃(190°F)に達するまで容器を加熱する。それを約10分間混合する。ゆっくり攪拌しながら、当該バッチを冷水浴で43℃(110°F)に達するまで冷却する。次の成分:グリダント、香料、二酸化チタンを加える。均質な溶液が形成されるまで混合し続ける。
【0113】
非発泡構造化水相は、スタビレン(Stabylen)30を混合容器中の水の中にゆっくりと加えることにより調製することができる。次に、トリエタノールアミン、グリダント(Glydant)、化粧品用顔料を攪拌しながら加える。均質になるまで混合する。
【0114】
発泡洗浄及び非発泡構造化水相は、最初に、別個の相を、ポンプとホースとが取り付けられた別個の保管タンクに設置することにより、組み合わせることができる。次に相は、予め定められた量が単一の組み合わせセクションにポンプで送られる。次に、相は組み合わせセクションからブレンドセクションへ移動され、相は、得られる単一の製品が相の区別できる模様を示すようにブレンドセクションで混合される。模様は、ストライプ模様、大理石模様、幾何学模様及びこれらの混合物から成る群から選択される。次の工程は、ブレンドセクションで混合された製品をホースを介して単一のノズルにポンプで送り、次に、ノズルを容器の中に設置し、容器を得られた製品で充填することを伴う。ストライプの大きさは、およそ幅6mm及び長さ100mmである。製品は周囲環境で少なくとも180日間安定した状態を保つ。
【0115】
(実施例4〜6)
表2に記載される次の実施例は、本発明の発泡洗浄相及び非発泡構造化水相組成物の非限定例である。
【0116】
【表3】

上記組成物は、従来の配合及び混合技術によって調製することができる。発泡洗浄相組成物は、次のプレミックスを形成することにより調製できる:比1:1でクエン酸を水中に加えてクエン酸プレミックスを形成し、比1:3でポリオックス(polyox)WSR−301をグリセリン中に加えてポリオックス(polyox)−グリセリンプレミックスを形成し、比1:20で化粧品用顔料をグリセリン中に加えて顔料−グリセリンプレミックスを形成して、高速剪断ミキサーを使用してよく混合する。次に、次の成分を主混合容器に次の順序で加える:水、N−ハンス(N-Hance)3196、ポリオックス(polyox)プレミックス、クエン酸プレミックス、EDTA二ナトリウム、及びミラケア(Miracare)SLB−365。30分間混合した後、バッチを49℃(120°F)に加熱し始める。CMEAを加え、均質になるまで混合する。次にバッチを周囲温度まで冷却し、次の成分を加える:塩化ナトリウム、グリダント、化粧品用顔料プレミックス、及び香料。バッチを60分間混合する。pHを調べ、必要であればクエン酸又は苛性溶液を用いてpHを調整する。
【0117】
非発泡構造化水相を、構造化剤(スタビレン(Stabylen)30、カルボマー・ウルトレツ(Carbomer Ultrez)21、アリストフレックス(Aristoflex)HMB)を混合容器中の水の中にゆっくりと加えることにより調製することができる。次に、トリエタノールアミン、及びグリダント(Glydant)を攪拌しながら加える。均質になるまで混合する。
【0118】
洗浄及び非発泡構造化水相は、最初に、別個の相を、ポンプとホースとが取り付けられた別個の保管タンクに設置することにより、組み合わせることができる。次に相は、予め定められた量が単一の組み合わせセクションにポンプで送られる。次に、相は組み合わせセクションからブレンドセクションへ移動され、相は、得られる単一の製品が相の区別できる模様を示すようにブレンドセクションで混合される。模様は、ストライプ模様、大理石模様、幾何学模様及びこれらの混合物から成る群から選択される。次の工程は、ブレンドセクションで混合された製品をホースを介して単一のノズルにポンプで送り、次に、ノズルを容器の中に設置し、容器を得られた製品で充填することを伴う。ストライプの大きさは、およそ幅6mm及び長さ100mmである。製品は周囲環境で少なくとも180日間安定した状態を保つ。
【0119】
(実施例7〜9)
表3に記載される次の実施例は、本発明の発泡洗浄相及び非発泡構造化水相組成物の非限定例である。
【0120】
【表4】

上記組成物は、従来の配合及び混合技術によって調製することができる。発泡洗浄相組成物は、最初に比1:3でクエン酸を水に加えて、クエン酸プレミックスを形成することにより調製できる。次に、次の成分を主混合容器に次の順序で加える:水、ミラケア(Miracare)SLB−365、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム、グリダント。主混合容器の攪拌を開始する。別個の混合容器において、ポリマー(N−ハンス(Hance)3196)を水中に比1:10で分散させ、ポリマープレミックスを形成する。攪拌を継続しながら、完全に分散されたポリマープレミックスを主混合容器内に加える。ポリオックス(Polyox)WSR301を水中に分散させ、次に主混合容器に加える。バッチを49℃(120°F)に加熱する。次に、コカミドMEAを加え、均質になるまで混合する。次にバッチを周囲温度まで冷却し、水の残りと香料をバッチの中に加える。均質になるまで攪拌を続ける。
【0121】
非発泡構造化水相を、水性構造化剤(ケルトロール(Keltrol)CG−T、レオザン(Rheozan)、及びストラクチャー(Structure)XL)を混合容器中の水の中にゆっくりと加えることにより調製することができる。次に、グリダント(Glydant)、化粧品用顔料を攪拌しながら加える。均質になるまで混合する。
【0122】
発泡洗浄及び非発泡構造化水相は、最初に、別個の相を、ポンプとホースとが取り付けられた別個の保管タンクに設置することにより、組み合わせることができる。次に相は、予め定められた量が単一の組み合わせセクションにポンプで送られる。次に、相は組み合わせセクションからブレンドセクションへ移動され、相は、得られる単一の製品が相の区別できる模様を示すようにブレンドセクションで混合される。模様は、ストライプ模様、大理石模様、幾何学模様及びこれらの混合物から成る群から選択される。次の工程は、ブレンドセクションで混合された製品をホースを介して単一のノズルにポンプで送り、次に、ノズルを容器の中に設置し、容器を得られた製品で充填することを伴う。ストライプの大きさは、およそ幅6mm及び長さ100mmである。製品は周囲環境で少なくとも180日間安定した状態を保つ。
【0123】
(実施例10〜12)
表4に記載される次の実施例は、本発明の発泡洗浄相及び非発泡構造化水相組成物の非限定例である。
【0124】
【表5】

上記組成物は、従来の配合及び混合技術によって調製することができる。発泡洗浄相組成物は、次のプレミックスを形成することにより調製できる:比1:1でクエン酸を水中に加えてクエン酸プレミックスを形成し、比1:3でポリオックス(polyox)WSR−301をグリセリン中に加えてポリオックス(polyox)−グリセリンプレミックスを形成し、比1:20で化粧品用顔料をグリセリン中に加えて顔料−グリセリンプレミックスを形成して、高速剪断ミキサーを使用してよく混合する。次に、次の成分を主混合容器に次の順序で加える:水、N−ハンス(N-Hance)3196、ポリオックス(polyox)プレミックス、クエン酸プレミックス、EDTA二ナトリウム、及びミラケア(Miracare)SLB−365。30分間混合し、次にバッチを49℃(120°F)に加熱し始める。CMEAを加え、均質になるまで混合する。次にバッチを周囲温度まで冷却し、次の成分を加える:塩化ナトリウム、グリダント、化粧品用顔料プレミックス、及び香料。バッチを60分間混合する。pHを調べ、必要であればクエン酸又は苛性溶液を用いてpHを調整する。
【0125】
非発泡構造化水相は、スタビレン(Stabylen)30を連続混合しながら水の中にゆっくりと加えることにより調製することができる。次に、その他の水構造化剤(ケルトロール(Keltrol)CG−T、レオザン(Rheozan)、及びストラクチャー(Structure)XL)を混合容器中に加える。次に、トリエタノールアミンを加える。バッチは粘稠になる。塩化ナトリウム、グリダントを加え、均質になるまで混合する。
【0126】
発泡洗浄及び非発泡構造化水相は、最初に、別個の相を、ポンプとホースとが取り付けられた別個の保管タンクに設置することにより、組み合わせることができる。次に相は、予め定められた量が単一の組み合わせセクションにポンプで送られる。次に、相は組み合わせセクションからブレンドセクションへ移動され、相は、得られる単一の製品が相の区別できる模様を示すようにブレンドセクションで混合される。模様は、ストライプ模様、大理石模様、幾何学模様及びこれらの混合物から成る群から選択される。次の工程は、ブレンドセクションで混合された製品をホースを介して単一のノズルにポンプで送り、次に、ノズルを容器の中に設置し、容器を得られた製品で充填することを伴う。ストライプの大きさは、およそ幅6mm及び長さ100mmである。製品は周囲環境で少なくとも180日間安定した状態を保つ。
【0127】
(実施例13〜15)
表5に記載される次の実施例は、本発明の発泡洗浄相及び非発泡構造化水相組成物の非限定例である。
【0128】
【表6】

上記組成物は、従来の配合及び混合技術によって調製することができる。発泡洗浄相組成物は、次のプレミックスを形成することにより調製できる:比1:1でクエン酸を水中に加えてクエン酸プレミックスを形成し、比1:3でポリオックス(polyox)WSR−301をグリセリン中に加えてポリオックス(polyox)−グリセリンプレミックスを形成し、比1:20で化粧品用顔料をグリセリン中に加えて顔料−グリセリンプレミックスを形成して、高速剪断ミキサーを使用してよく混合する。次に、次の成分を主混合容器に次の順序で加える:水、N−ハンス(N-Hance)3196、ポリオックス(polyox)プレミックス、クエン酸プレミックス、EDTA二ナトリウム、及びミラケア(Miracare)SLB−365。30分間混合した後、バッチを49℃(120°F)に加熱し始める。CMEAを加え及び均質になるまで混合する。次にバッチを周囲温度まで冷却し、次の成分を加える:塩化ナトリウム、グリダント、化粧品用顔料プレミックス、及び香料。バッチを60分間混合する。pHを調べ、必要であればクエン酸又は苛性溶液を用いてpHを調整する。別の容器に、スーパーホワイト・プロトペット・ワセリン(superwhite protopet petrolatum)及びヒドロブライト(hydrobrite)1000白色鉱油を加える。容器を88℃(190°F)に加熱する。次に、脂質ブレンドと界面活性剤混合物とを静的ミキサー(12要素コッホ(Koch)ミキサー)を介して組み合わせて最終的な発泡相を形成する。
【0129】
非発泡構造化水相は、スタビレン(Stabylen)30を連続混合しながら水の中にゆっくりと加えることにより調製することができる。次に、その他の水構造化剤(ケルトロール(Keltrol)CG−T、レオザン(Rheozan)、及びストラクチャー(Structure)XL)を混合容器中に加える。次に、トリエタノールアミンを加える。バッチは粘稠になる。塩化ナトリウム、グリダントを加え、均質になるまで混合する。
【0130】
発泡洗浄及び非発泡構造化水相は、最初に、別個の相を、ポンプとホースとが取り付けられた別個の保管タンクに設置することにより、組み合わせることができる。次に相は、予め定められた量が単一の組み合わせセクションにポンプで送られる。次に、相は組み合わせセクションからブレンドセクションへ移動され、相は、得られる単一の製品が相の区別できる模様を示すようにブレンドセクションで混合される。模様は、ストライプ模様、大理石模様、幾何学模様及びこれらの混合物から成る群から選択される。次の工程は、ブレンドセクションで混合された製品をホースを介して単一のノズルにポンプで送り、次に、ノズルを容器の中に設置し、容器を得られた製品で充填することを伴う。ストライプの大きさは、およそ幅6mm及び長さ100mmである。製品は周囲環境で少なくとも180日間安定した状態を保つ。
【0131】
(実施例16〜18)
表6に記載される次の実施例は、本発明の発泡洗浄相及び非発泡構造化水相組成物の非限定例である。
【0132】
【表7】

上記組成物は、従来の配合及び混合技術によって調製することができる。発泡洗浄相組成物は、次のプレミックスを形成することにより調製できる:比1:1でクエン酸を水中に加えてクエン酸プレミックスを形成し、比1:3でポリオックス(polyox)WSR−301をグリセリン中に加えてポリオックス(polyox)−グリセリンプレミックスを形成し、比1:20で化粧品用顔料をグリセリン中に加えて顔料−グリセリンプレミックスを形成して、高速剪断ミキサーを使用してよく混合する。次に、次の成分を主混合容器に次の順序で加える:水、N−ハンス(N-Hance)3196、ポリオックス(polyox)プレミックス、クエン酸プレミックス、EDTA二ナトリウム、及びミラケア(Miracare)SLB−365。30分間混合し、次にバッチを49℃(120°F)に加熱し始める。CMEAを加え、均質になるまで混合する。次にバッチを周囲温度まで冷却し、次の成分を加える:塩化ナトリウム、グリダント、化粧品用顔料プレミックス、及び香料。バッチを60分間混合する。pHを調べ、必要であればクエン酸又は苛性溶液を用いてpHを調整する。
【0133】
非発泡構造化水相は、スタビレン(Stabylen)30を連続混合しながら水の中にゆっくりと加えることにより調製することができる。次に、ケルトロール(Keltrol)CG−Tを加える。連続攪拌しながらバッチを85℃に加熱する。次に、スーパーホワイト・プロトペット(Superwhite Protopet)を加える。バッチを周囲温度に冷却する。次に、トリエタノールアミンを加える。バッチは粘稠になる。塩化ナトリウム、グリダントを加え、均質になるまで混合する。
【0134】
発泡洗浄及び非発泡構造化水相は、最初に、別個の相を、ポンプとホースとが取り付けられた別個の保管タンクに設置することにより、組み合わせることができる。次に相は、予め定められた量が単一の組み合わせセクションにポンプで送られる。次に、相は組み合わせセクションからブレンドセクションへ移動され、相は、得られる単一の製品が相の区別できる模様を示すようにブレンドセクションで混合される。模様は、ストライプ模様、大理石模様、幾何学模様及びこれらの混合物から成る群から選択される。次の工程は、ブレンドセクションで混合された製品をホースを介して単一のノズルにポンプで送り、次に、ノズルを容器の中に設置し、容器を得られた製品で充填することを伴う。ストライプの大きさは、およそ幅6mm及び長さ100mmである。製品は周囲環境で少なくとも180日間安定した状態を保つ。
【0135】
「発明を実施するための最良の形態」で引用されるすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれているが、どの文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であるとの容認と解釈されるべきではない。
【0136】
本発明の特定の実施形態について例示及び説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、その他の様々な変更及び修正が可能なことが、当業者には明白である。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)界面活性剤及び30%〜99%の水を含む発泡洗浄相を含む第1相と;
(b)非発泡構造化水相を含む少なくとも1つの追加相と
を含むことによって更に特徴付けられ、
前記発泡洗浄相及び前記非発泡構造化水相が互いに物理的に接触して包装され;並びに
前記発泡洗浄相及び前記非発泡構造化水相が、少なくとも180日の期間、周囲条件で安定性を維持する、多相パーソナル洗浄組成物。
【請求項2】
前記非発泡構造化水相が、親水性ゲル化水相である、請求項1に記載の多相パーソナル洗浄組成物。
【請求項3】
前記非発泡構造化水相が、水構造化剤を含み;好ましくは前記水構造化剤が、無機水構造化剤、電荷ポリマー水構造化剤、水溶性ポリマー構造化剤、結合的水構造化剤及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1又は2に記載の多相パーソナル洗浄組成物。
【請求項4】
前記非発泡構造化水相が、前記水相の5重量%未満の界面活性剤を含み;好ましくは前記非発泡構造化水相が、前記水相の3重量%未満の界面活性剤を含み;より好ましくは前記非発泡構造化水相が、前記水相の1重量%未満の界面活性剤を含み;更により好ましくは前記非発泡構造化水相が、前記水相の0.5重量%未満の界面活性剤を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多相パーソナル洗浄組成物。
【請求項5】
前記パーソナルケア組成物の前記非発泡構造化水相が、150mLを超える瞬間発泡容量及び少なくとも400mLの全発泡容量を生成する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多相パーソナル洗浄組成物。
【請求項6】
前記非発泡構造化水相が、10〜100,000ポアズ/(1/s)の稠度値;好ましくは2.5秒未満の水移動度;より好ましくは少なくとも0.1Paの降伏点;及び更により好ましくは50%未満の相関ヘイズを有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の多相パーソナル洗浄組成物。
【請求項7】
前記発泡洗浄相が:
(i)少なくとも1つのアニオン性界面活性剤;
(ii)少なくとも1つの電解質;
(iii)少なくとも1つのアルカノールアミド;及び
(iv)水
を含み、
前記発泡洗浄相が、非ニュートン性のずり減粘であり;
前記発泡洗浄相が、3000cps以上の粘度を有し;前記発泡洗浄相が、前記発泡洗浄相の1重量%〜50重量%の界面活性剤を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の多相パーソナル洗浄組成物。
【請求項8】
前記電解質が、
i)ホスフェート、クロライド、サルフェート、シトレート及びこれらの混合物から成る群から選択されるアニオン、並びに
ii)ナトリウム、アンモニウム、カリウム、マグネシウム及びこれらの混合物から成る群から選択されるカチオン
を含み;並びに
前記電解質が、前記発泡洗浄相の0.1重量%〜15重量%存在する、請求項7に記載の多相パーソナル洗浄組成物。
【請求項9】
前記発泡洗浄相が、層状構造化剤を更に含み;好ましくは前記層状構造化剤が、脂肪酸、脂肪酸エステル、トリヒドロキシステアリン、脂肪アルコール及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の多相パーソナル洗浄組成物。
【請求項10】
少なくとも1つの相が着色剤を含み;好ましくは前記組成物が透明容器中に包装され;より好ましくは前記発泡洗浄及び非発泡構造化水相が、前記包装内で目に見えるように模様を形成し;更により好ましくは前記模様が、ストライプ模様、大理石模様、幾何学模様及びこれらの混合物から成る群から選択され;なお更により好ましくは前記模様が、少なくとも幅0.1mm及び長さ10mmの大きさを有する前記ストライプ模様である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の多相パーソナル洗浄組成物。
【請求項11】
前記組成物が、スキンケア活性物質を更に含み;好ましくは前記スキンケア活性物質が、ビタミン及びその誘導体、日焼け止め剤、防腐剤、抗ニキビ薬剤、酸化防止剤、皮膚鎮静及び皮膚治癒剤、キレート化剤及び金属イオン封鎖剤、精油、皮膚感覚剤並びにこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の多相パーソナル洗浄組成物。
【請求項12】
a)発泡洗浄相の1重量%〜50重量%の、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、石鹸及びこれらの混合物から成る群から選択される界面活性剤を含む前記発泡洗浄相であって;
前記発泡洗浄相が、非ニュートン性のずり減粘であり、3,000cps以上の粘度及び少なくとも0.1Paの降伏点を有する発泡洗浄相を含む第1相;並びに
b)少なくとも10ポアズ/(1/s)の稠度値及び少なくとも0.1Paの降伏点を有する別個の非発泡構造化水相を含む少なくとも1つの追加相
を含み;
前記発泡洗浄相と前記非発泡構造化水相との比が10:1〜1:10であり;
前記発泡洗浄相と非発泡構造化水相がストライプ模様として存在し;並びに
前記発泡洗浄相と前記非発泡構造化水相が互いに物理的に接触し、安定性を維持する、多相パーソナル洗浄組成物。
【請求項13】
皮膚又は毛髪に皮膚への利益を組成物で送達する美容方法であって、前記方法が:
a)請求項1〜12のいずれか1項に記載の有効量の組成物を、クレンジングパフ、洗い布、スポンジ及びヒトの手から成る群から選択される道具の上に分配する工程;
b)前記道具を使用して前記組成物を皮膚又は毛髪に局所適用する工程;並びに
c)水ですすぐことによって前記組成物を皮膚又は毛髪から除去する工程
を含む方法。

【公表番号】特表2007−520473(P2007−520473A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−547371(P2006−547371)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/043328
【国際公開番号】WO2005/065638
【国際公開日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パイレックス
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】