説明

発色性側基を有する非晶質ポリマー

発色性側基を有する非晶質ポリマーが提供される。この非晶質ポリマーは、積層物に組み込むことができるとともに建築グレージングおよび自動車グレージングなどの物品を製造するため、およびアイウェア、ディスプレイおよび看板などの用途において用いることができるエラストマーフィルムおよび塗料を製造するために用いることが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発色性側基を有する非晶質ポリマーおよびこうしたポリマーを調製する方法に関する。こうしたポリマーは、建築グレージングおよび自動車グレージング、アイウェア、ディスプレイおよび看板などの製造物品中で用いられる積層構造体中で用いられ得るエラストマーフィルムおよび塗料を製造するために用いることが可能である。
【背景技術】
【0002】
有機導電性ポリマーおよび有機電子活性ポリマーは、エレクトロクロミックデバイスを製造するために用いられてきた。
【0003】
国際公開第2006/008776号パンフレットには、ポリマーをエレクトロクロミック分子および可塑剤とブレンドすることにより得られたエレクトロクロミック組成物が開示されている。
【0004】
容易に製造され、所望のエレクトロクロミック特性を示し、電極に共有結合され得るとともに長い寿命を有し、全固体状態エレクトロクロミックシステムにおいて用いられ得るエラストマーエレクトロクロミックポリマーが必要とされ続けている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様は、1つまたは複数の反復単位
【化1】

(式中、
pおよびqは、pとqの少なくとも一方が0より大きいことを条件として0〜10,000の整数から独立して選択され、
RはHおよびRからなる群から選択され、
は、H、および置換アルキルならびに非置換アルキルからなる群から選択され、
は、H、OH、R、OR、COORおよびCOORからなる群から選択され、
はエレクトロクロミック基を含み、
ポリマー鎖当たり少なくとも1個の反復単位中のRおよびRの少なくとも一方は、OR、RまたはCOORであり、
は、H、NaおよびKからなる群から選択され、
Aは、O(酸素)およびNR’からなる群から選択され、
R’は、Hおよび置換アルキルならびに非置換アルキルからなる群から選択される)
を含む非晶質(コ)ポリマーを含む組成物である。
【0006】
本発明のもう1つの態様は、
a.第1の導電性基材と、
b.前記基材に接触しているエレクトロクロミック層と
を含む物品であって、
前記エレクトロクロミック層が1つまたは複数の反復単位
【化2】

(式中、
pおよびqは、pとqの少なくとも一方が0より大きいことを条件として0〜10,000の整数から独立して選択され、
RはHおよびRからなる群から選択され、
は、H、および置換アルキルならびに非置換アルキルからなる群から選択され、
は、H、OH、R、OR、COORおよびCOORからなる群から選択され、
はエレクトロクロミック基を含み、
ポリマー鎖当たり少なくとも1個の反復単位中のRおよびRの少なくとも一方は、OR、RまたはCOORであり、
は、H、NaおよびKからなる群から選択され、
Aは、O(酸素)およびNR’からなる群から選択され、
R’は、Hおよび置換アルキルならびに非置換アルキルからなる群から選択される)
を含む非晶質(コ)ポリマーを含む物品である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
エレクトロクロミズムは、電気化学的酸化または還元の結果としての材料の透過率および/または反射率の可逆で可視の変化として定義することが可能である。エレクトロクロミック材料は、エレクトロクロミズムを示す有機材料または無機材料のいずれかであることが可能である。
【0008】
非晶質ポリマーは、固体状態において結晶質ドメインを実質的に示さないポリマーである。
【0009】
本発明の1つの実施形態は、1つまたは複数の反復単位、(I)
【化3】

(式中、
pおよびqは、pとqの少なくとも一方が0より大きいことを条件として0〜10,000の整数から独立して選択され、
RはHおよびRからなる群から選択され、
は、H、および置換アルキルならびに非置換アルキルからなる群から選択され、
は、H、OH、R、OR、COORおよびCOORからなる群から選択され、
はエレクトロクロミック基を含み、
ポリマー鎖当たり少なくとも1個の反復単位中のRおよびRの少なくとも一方は、OR、RまたはCOORであり、
は、H、NaおよびKからなる群から選択され、
Aは、O(酸素)およびNR’からなる群から選択され、
R’は、Hおよび置換アルキルならびに非置換アルキルからなる群から選択される)
を含む非晶質(コ)ポリマーである。
【0010】
本明細書で用いられる「(コ)ポリマー」はホモポリマーまたはコポリマーを表す。特に、(コ)ポリマーは、
【化4】

または(I)、(II)および(III)のいずれかの組み合わせの反復単位を含むことが可能である。他の反復単位も存在することが可能である。
【0011】
適するアルキル基には、C〜C10アルキル基が挙げられる。アルキル基上の適する置換基には、ハロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基およびシアノ基が挙げられる。
【0012】
「エレクトロクロミック基」は、電気化学的に酸化または還元させると、(コ)ポリマーに透過率および/または反射率の可逆で可視の変化を示させる基である。あらゆる反復単位がエレクトロクロミック基を含むことは必要ではなく、ポリマー鎖が少なくとも1個のエレクトロクロミック側基を含むことのみが必要である。
【0013】
各エレクトロクロミック基は、レドックス活性基と、レドックス活性基とポリマー主鎖との間に挿入された任意のリンカー基とを含む。適するリンカー基には、−(CH−、−(CHO)−、−(CHCHO)−、−CH−OC(O)(CH−、および−(CHCHNH)−が挙げられ、ここで、n、mおよびrは1から1000の整数である。例えば、構造
【化5】

(式中、各nは0〜1000の整数である)
などの分岐構造が含まれる。
【0014】
リンカー基は、(コ)ポリマー主鎖とリンカーとの間、またはリンカーとレドックス活性基との間のいずれかに挿入されたエステル(−CO−)基、アミド(−N(CO)−)基、エーテル(−O−)基またはチオエーテル(−S−)基などの接続基も含むことが可能である。
【0015】
レドックス活性基およびリンカー基に加えて、エレクトロクロミック基は、電極への結合を改善するために官能基を含むことが可能である。エレクトロクロミック基は、電極表面(例えば、Au、Cu、Pd、Pt、NiおよびAl)上でのポリマーの吸収および/または自己集合を促進するために、−SH、ピリジン、−CNおよび−SCNなどの基により独立して官能化することも可能である。ITO(インジウム酸化錫)表面またはAl表面上へのポリマーの結合または自己集合を改善するために、−COOHおよび−P(O)(OH)などの他の官能基を用いることが可能である。アルコール官能基およびアミン官能基はPt表面に結合する際に有用である。固体状態のシステムにおいて(コ)ポリマーと電極との間の直接接触および良好な結合を有すると、着色効率を強化することが可能であり、よって所定の印加電圧に関してより濃い色を提供する。
【0016】
エレクトロクロミック基を有する(コ)ポリマーは、−SOKまたは−ClOLiなどの官能基も含むことも可能であり、よって自己ドープされる(コ)ポリマーを提供する。エレクトロクロミックデバイスを組み立てるためにこうした(コ)ポリマーを用いるとき、ドーピング剤として殆どまたは全く追加の電解質を必要としない。
【0017】
本発明の(コ)ポリマーにおいて、エレクトロクロミック基は、ポリマー主鎖から垂れ下がっている。各(コ)ポリマーは、2個以上のエレクトロクロミック基を含むことが可能である。2個以上のエレクトロクロミック基を含む(コ)ポリマーは、2個以上のタイプのエレクトロクロミック基、例えば、エレクトロンドナーおよびエレクトロンアクセプターを含むことが可能である。エレクトロクロミック基の密度(すなわち、鎖長の単位当たりのエレクトロクロミック基の数)は、反復単位ごとの基RおよびRの選択によって決定される。Rおよび/またはRがエレクトロクロミック基を含む反復単位が多ければ多いほど、(コ)ポリマーにおけるエレクトロクロミック基の密度は高い。隣接エレクトロクロミック基間の距離は、エレクトロクロミック基の密度によって、異なるサイズのリンカー基の使用によって、およびポリマー鎖に沿ったリンカー基の共(syn)/反(anti)関係によって制御することが可能である。
【0018】
適するレドックス活性基には、ビピリジリウム系;、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリチオフェンコポリマー、ポリカルバゾールなどの電子活性導電性ポリマー、カルバゾール、メトキシビフェニル化合物、キノン、ジフェニルアミン、フェニレンジアミン、ピラゾリン、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)およびテトラチアフルバレン(TTF)が挙げられる。
【0019】
適するレドックス活性基には、構造IV〜IXを有する置換および非置換の芳香族基およびヘテロ芳香族基が挙げられる。
【0020】
【化6】

【0021】
化合物VIは潜在的な2つの結合点を有する。典型的には、ビピリジル系の1つの窒素は、ポリマー主鎖、リンカーまたは接続基に結合される。他の窒素は、典型的には、直接的に、または介在リンカーおよび/または接続基により、アルキル基、アリール基、ハロゲン、p−トルエンスルホニル、ヘキサフルオロホスフェート、トリフルオロメタンスルホネート(CFSO−)、トリフルオロメタンスルホンイミド((CFSON−)、またはHに共有的に、またはイオン的に接続される。
【0022】
レドックス活性基の芳香族環上の適する置換基には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルおよびイソペンチルなどのC〜C10アルキル基、フェニルおよび置換フェニルなどの芳香族基、−CN基および−N(Cおよび−N(CH基などのアミンが挙げられる。芳香族基またはヘテロ芳香族基に結合された置換基は、(コ)ポリマーの導電特性および電圧フリッカへの(コ)ポリマーの応答に影響を及ぼし得る。異なる色の(コ)ポリマーを提供するために異なる置換基を用いることが可能である。エレクトロクロミック基の芳香族基上のレドックス活性基および/または置換基を変えることにより、本発明の(コ)ポリマー組成物を広い色範囲で製造することが可能である。
【0023】
本発明の1つの実施形態において、(コ)ポリマーは、主鎖がポリ(エチレンオキシド)またはポリ(エピクロロヒドリン)を含む場合がそうであるように、構造IIIの反復単位を主として含む。このタイプの(コ)ポリマーにおいて、エレクトロクロミック基をポリマー主鎖に直接結合させることが可能であるか、またはリンカーおよび任意の接続基によって主鎖から間隔をあけることが可能である。エレクトロクロミック基があらゆる反復単位に結合する必要はなく、あらゆるエレクトロクロミック基が同じである必要もない。
【0024】
本発明のもう1つの実施形態において、(コ)ポリマーは構造IIの反復単位を主として含む。こうした(コ)ポリマーにおいて、エレクトロクロミック基は、典型的には、リンカーを経由して、またはリンカーおよび任意の接続基を経由してポリマー主鎖に結合される。構造Xで例示された本発明の1つの実施形態において、エレクトロクロミック基Rは、2個のリンカー基(−(CH)−および−(CHCHO)−)および接続基(−CO−)を経由してポリビニルブチラール主鎖に結合される。ポリビニルブチラールコポリマーは市販されている(シグマ・アルドリッチ(Sigma−Aldrich Co.))。こうしたコポリマーは、リンカーに起因するエラストマー特性およびエレクトロクロミック側基Rによって付与されるエレクトロクロミック特性を示すことが可能である。エラストマー特性を増大させるために可塑剤の添加を用いることが可能である。
【0025】
【化7】

【0026】
本発明のもう1つの実施形態において、ポリマー主鎖は、ポリ(エチレンオキシド−コ−エピクロロヒドリン)、ならびにエチレン、メタクリル酸およびメタクリル酸の塩形態から誘導された反復単位を含むコポリマー(例えば、「サーリン(Surlyn)」(登録商標)コポリマーイオノマー樹脂)におけるような構造IIの反復単位および構造IIIの反復単位を含むコポリマーである。
【0027】
ポリマー主鎖がエチレンオキシド反復単位およびエピクロロヒドリン反復単位から誘導される構造IIの反復単位および構造IIIの反復単位を含むコポリマーに関する本発明の1つの実施形態は、構造XIにおいて例示された通りである。
【0028】
【化8】

【0029】
本明細書の実施例5において、エレクトロクロミック基RはN−カルバゾリル基であり、(−CH−OC(O)(CH−)リンカーを経由してポリマー主鎖に結合される。他の実施形態において、Rは上で定義されたレドックス活性基である。
【0030】
(コ)ポリマーは当業者に知られている幾つかの異なる方法のいずれかによって調製することが可能である。例えば、構造(I)の反復単位および反応性側基(例えば、OH基、アミン基またはハロアルキル基)から誘導された主鎖を有する(コ)ポリマーを適切に官能化されたエレクトロクロミック基、接続基および/またはリンカーと反応させることが可能である。所望の主鎖構造および反応性側基を有する(コ)ポリマーが市販されている場合、この方法は特に便利である。
【0031】
幾つかの実施形態において、レドックス活性基自体を(コ)ポリマー主鎖に直接結合させることが可能である。他の実施形態において、所望の分子構造を提供するか、またはより反応性の基を提供して、(コ)ポリマーへのエレクトロクロミック基の結合を促進するために、リンカー基をレドックス活性基に結合させることが必要であるか、または好ましい場合がある。例示として、実施例(以下)は、(コ)ポリマー主鎖へのレドックス活性基の結合を促進するために、カルバゾール窒素への幾つかの異なるタイプの連結基の結合を記載している。エステル、アミドまたはエーテル結合を形成させる縮合反応は、連結基、接続基および/またはレドックス活性基を互いにおよび/またはポリマー主鎖に結合させるための有用な反応である。こうした反応を比較的穏やかな条件下で行うことが可能である。アルキルハロゲン化物とアミンまたはN−アリール化合物の反応をレドックス活性基またはリンカーと(コ)ポリマーとの間の第四結合を形成させるために用いることも可能である。
【0032】
あるいは、反復単位に対応するモノマーを適するエレクトロクロミック側基により官能化することが可能であり、得られたモノマーを付加重合または縮重合などの標準重合技術を経由して(コ)ポリマーに導入することが可能である。(コ)ポリマーを形成させるために用いられたモノマーにエレクトロクロミック基を結合させるために、(コ)ポリマーにエレクトロクロミック基を結合するために用いられた反応の同じタイプを用いることが可能である。
【0033】
適する反応には、縮合およびアルキル化反応が挙げられるが、それらに限定されない。
【0034】
本発明のもう1つの実施形態において、構造(I)の反復単位を含む(コ)ポリマーはオリゴマーであり、このオリゴマーは第2のポリマー(例えば、ポリビニルブチラール)上にグラフトされて、例えば、フィルム形成用ポリマーを提供する。これは、第2のポリマーの物理的特性とオリゴマーのエレクトロクロミック特性の両方を有するポリマーを得る便利な方法を提供することが可能である。オリゴマーにエレクトロクロミック基を導入する方法は、後重合官能化または前重合官能化のために上で記載された方法に似ている。オリゴマーは、一般に2〜100の反復単位を含む低分子量ポリマーである。
【0035】
(コ)ポリマーの追加の化学変性も可能である。例えば、N−カルバゾール側基を有するポリ(エチレンオキシド−エピクロロヒドリン)コポリマーを溶液中でまたは固体状態で電子重合に供することが可能であり、よってカルバゾール基を通した架橋につながる。
【0036】
幾つかの用途のために、(コ)ポリマーと、塩(例えば、過塩素酸リチウム)、可塑剤、電子メディエータ(例えば、フェロセン、他のメタロセン、それらの誘導体および混合物;フェナジンおよびその誘導体および混合物)などの添加剤とをブレンドすることが望ましい場合がある。自己ドープされていない(コ)ポリマーへの塩の添加は、ブレンドのイオン伝導率を大幅に改善することが可能であり、結果としてブレンドのエレクトロクロミック特性を強化することが可能である。
【0037】
標準フィルム形成技術によってエラストマーエレクトロクロミックフィルムを製造するために(コ)ポリマーを用いることが可能であり、こうしたフィルムは次に建築用途または自動車用途において有用である積層構造体(「積層体」)中で用いることが可能である。例えば、エラストマーエレクトロクロミックフィルムを透明電極(例えば、ITO)で被覆されたガラスの層間で積層することが可能である。小さい電圧(典型的には約0.5V〜約6.0V)を電極に印加するとき、ガラスとフィルムの積層構造体の透明性および/または色を変えることが可能である。変化のタイプ(例えば、色または不透明度)および変化の度合(例えば、透過光の光学的密度および/または色)は、フィルムの厚さおよびエレクトロクロミック基の性質に応じて異なる。電圧源の除去、または極性の逆転は、典型的には、元の状態への色および/または不透明度の戻りをもたらす。小さい電圧を印加することによりポリマーの光学的特性を可逆的に変えるこの能力は、サングラス、ヘルメット、バイザ、ゴーグル、建築グレージング、自動車グレージング、ディスプレイ、看板および鏡などの製造物品においてポリマーを非常に有用にする。
【0038】
図1は、本発明の組成物を導入している典型的なエレクトロクロミックデバイス100の概略図である。この実施形態において、基材層110は導電性層120で被覆されている。層130は両方の導電性層に接触しており、本発明の非晶質ポリマーと任意の添加剤とを含む。電源が導電性層に取り付けられ、電圧が印加されているときに色の変化が起きる。
【0039】
適するフィルム形成技術には、キャスティング、押出、吹付けおよび浸漬被覆が挙げられる。自立フィルムは幾つかの用途において好ましい。自己ドープされた(コ)ポリマーの1層または多層への自己集合は、ミクロコンタクト印刷および/または金属表面またはITO表面の溢水を含む標準方法によって達成することが可能である。
【0040】
積層プロセスも技術上周知されており、エラストマーエレクトロクロミックフィルムを2つの基材間に挟み込む積層構造体を製造するために用いることが可能である。適する基材には、ガラスおよびポリマーのシートまたはフィルムが挙げられる。ポリマー基材は可撓性積層構造体を製造するために特に有用であり、適する基材ポリマーには、ポリエステル(例えば、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)およびポリ(エチレン−イソソルビドテレフタレート)(ポリ(エチレンテレフタレート)より高いガラス転移温度を有する、エチレングリコール部分、イソソルビド部分およびテレフタレート部分から誘導された反復単位を含むポリマー)、ポリイミド(例えば、「カプトン(Kapton)」(登録商標)ポリイミド)、ポリアミド(例えば、「ノーメックス(Nomex)」(登録商標)ポリアミド、「ケブラー(Kevlar)」(登録商標)ポリアミド)、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリエステル−アミド、ポリエステル−イミド、ポリエステルエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルイミド、セルロース系材料、およびポリスチレン/ポリフェニレンオキシドなどのポリマーブレンドが挙げられる。
【0041】
積層構造体または被覆基材からの物品の製作は、ガラス基材またはポリマー基材の切削および/または造形に関する標準技術を用いて行うことが可能である。
【0042】
大部分の用途に関して、イオンの移動度を増すために、非晶質ポリマーのTgは、ポリマーから製造されたデバイスが用いられている周囲温度より望ましくは低い。本発明の幾つかの実施形態において、100℃未満のTgは十分であり、幾つかの状況下で、非晶質ポリマーのTgは、望ましくは50℃未満、または25℃未満、あるいは0℃未満である。所望のTgを可塑剤および/または他の添加剤の使用によって達成することが可能である。
【0043】
適する可塑剤には、テトラエチレングリコールジヘプタノエート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート、2−エチル−1−ヘキサノール、ポリエチレングリコールおよびその誘導体、ジヘキシルアジペートおよびジオクチルアジペートなどのアジペート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、イソデシルジフェニルホスフェート、t−ブチルフェニルジフェニルホスフェート、トリアリールホスフェートエステルブレンド、トリクレジルホスフェートおよびトリフェニルホスフェートなどのホスフェート、アルキルベンジルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジブチルフタレートおよびジオクチルフタレートなどのフタレート、ジブチルセバケートなどのセバケート、ならびにトルエンスルホンアミドおよびn−エチルスルホンアミドなどのスルホンアミドが挙げられる。
【実施例】
【0044】
本発明の幾つかの実施形態を以下の実施例において例示する。これらの実施例は、本発明の幾つかの実施形態を代表している一方で、例示のみとして与えられていることが理解されるべきである。上の議論およびこれらの実施例から、当業者は本発明の必須の特徴を確認することが可能である。そして、本発明の精神および範囲を逸脱せずに、種々の用途および条件に本発明を適合させるために本発明の種々の変更および修正を行うことが可能である。
【0045】
すべての試薬は、ミズーリ州セントルイスのシグマ−アルドリッチ社(Sigma−Aldrich Co.(St.Louis,MO))から購入し、特に指示がない限り受理したまま用いた。
【0046】
用いた略号の意味は次の通りである。「min」は分を意味する。「hr」は時間を意味する。「mL」はミリリットルを意味する。「L」はリットルを意味する。「μL」はマイクロリットルを意味する。「mM」はミリモルを意味する。「M」はモルを意味する。「mmol」はミリモルを意味する。「g」はグラムを意味する。「mg」はミリグラムを意味する。「V」はボルトを意味する。「℃」は摂氏温度を意味する。
【0047】
実施例1
2−(N−カルバゾリル)プロピオニトリルの調製
【化9】

触媒としてベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(トリトンB)の存在下でアクリロニトリルによるカルバゾールのシアノエチル化を経由して2−(N−カルバゾリル)プロピオニトリルを合成した(F.C.ウィットモア(F.C.Whitmore)ら,J.Amer.Chem.Soc.,66:725(1944)の手順から適応させた)。
【0048】
攪拌が備えられた100mL丸底ガラスフラスコにカルバゾールおよびアクリロニトリル(20g)を入れた。フラスコを氷浴に入れ、放置して15分間にわたり冷却した。その後、合計で40μLのために50μLシリンジを経由してトリトンB(MeOH中40重量%)を滴下(4滴)した。ペーストは白色ペーストから黄色ペーストに色を変えた。反応混合物を放置してゆっくり暖めたが、発熱反応の兆候はなかった。2時間後、加熱マントルを経由して熱を供給した。一旦温度が65℃に達すると、ペーストは溶液になり、オレンジ色の溶液を与えた。フラスコを70℃で1時間にわたり加熱した。フラスコが冷えた後、製品がフラスコに沈殿した。その後、沈殿物を濾過し、アセトニトリルから再結晶化させた。
【0049】
実施例2
2−(N−カルバゾリル)プロピオニトリルのカリウム塩の調製
【化10】

KOH(1.7g)を水(10g)に溶解させ、その後、攪拌付きの100mL丸底ガラスフラスコ内でEtOH(15.8g)とN−プロピオニトリルカルバゾール(0.293g)の混合物に添加した。KOHの添加後に、コンデンサを取り付け、反応混合物を加熱して3時間にわたり還流させた。その後、フラスコをロトエバポレータに取り付け、沈殿物を形成するまでEtOHおよび水を除去した。沈殿物を濾過し、EtOHから再結晶化させた。再結晶化した材料を窒素下で室温で一晩乾燥させた。
【0050】
実施例3
2−(2−カルバゾール−9−イル−エトキシ)−エタノールの合成
標記化合物を2工程で製造した。第1の工程において、2[2−(クロロエトキシ)エトキシル]テトラヒドロピランを以下で示したように調製した。
【化11】

ドライボックス内で、スターバー、添加漏斗およびセプタムが備えられた500mLの三ツ口フラスコに2−(2−クロロエトキシ)エタノール(50.0g、0.401モル)および135mLのクロロホルムを添加した。35mLのクロロホルム中の3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(39.7g、0.472モル)を添加漏斗を用いて30分間にわたり滴下した。添加の終わりに、フラスコを暖めた。添加漏斗をフラスコから取り外し、ストッパーに置き換え、フラスコをフードに移送し、窒素の雰囲気下に置いた。シリンジを経由して濃HClの12滴を滴下した。その後、セプタムを水コンデンサに置き換えた。反応を40℃で1時間にわたり加熱し、その後、放置して室温に冷却した。フラスコを外気に開け、9gのKCOを反応混合物に添加し、濾過する前に混合物を2分間にわたり攪拌した。ロータリーエバポレータを経由して溶媒を除去し、製品を真空下で室温で8時間にわたり乾燥させて、84g(0.406モル)の2[2−(2−(クロロエトキシ)エトキシル]テトラヒドロピランを与えた。
【0051】
第2の工程において、2−(2−カルバゾール−9−イル−エトキシ)−エタノールを次の通り調製した。
【化12】

【0052】
スターバー、コンデンサおよび窒素入口が備えられたフラスコにカルバゾール(20g、0.12モル)、2[2−(クロロエトキシ)エトキシ]テトラヒドロピラン(38g、0.12モル)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(TEBA)(4.2g、0.025モル)、NaI(1.0g、0.0055モル)、100mLの50%NaOH溶液および100mLのベンゼンを添加した。混合物を窒素下で6時間にわたり還流させた。反応混合物を100mLのベンゼンで希釈し、有機相を分離し、水で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、酸性Alを通して濾過した。回転蒸発を経由して溶媒を除去した。製品を400mLのMeOHに溶解させた。濃HBr(2mL)をフラスコに添加し、反応を室温で一晩攪拌した。反応を10%水性NaOHで中和した。回転蒸発によって、MeOHを除去して黒っぽいオレンジ色の油を与えた。メタノールから2回再結晶化させることにより最終製品を更に精製した。
【0053】
実施例4
2−(2−カルバゾール−9−イル−エトキシ)−エタノールのカルボン酸の調製
以下の反応機構において示されたように、2−(2−カルバゾール−9−イル−エトキシ)−エタノールを2つの工程においてそのカルボキシル誘導体に変換した。
【化13】

【0054】
第1の工程において、2−(2−カルバゾール−9−イル−エトキシ)−エタノール(0.584g、0.00227モル)および12.5mLのTHFをドライボックス内で攪拌に関して備えられた100mLの丸底ガラスフラスコに入れた。別個に、ナトリウム水和物(0.0546g、0.00227モル)を12.5mLのTHFと混合した。得られたスラリーをフラスコに非常にゆっくり添加した。完全な添加後に、反応混合物を放置して窒素下で室温で一晩(16時間)攪拌した。その後、この混合物に25mLのTHF中の0.3256gのメチルクロロアセテートを窒素下で室温で滴下した。この混合物を放置して室温で4時間にわたり攪拌した。その後、フラスコをドライボックスから取り出し、30mLの蒸留水をフラスコに添加し、その後、75mLのブライン溶液を添加した。得られた溶液を分液漏斗に移送した。その後、THFを分離した。100mLのTHFを用いて2つの追加の抽出を行った。THF抽出物をカラムクロマトグラフィに供して、精製カルボン酸誘導体を与えた。
【0055】
実施例5
カルバゾール側基を有するポリ(エピクロロヒドリン−コ−エチレンオキシド)の調製
標記化合物の調製のための合成機構を以下に示している。
【化14】

【0056】
ポリ(エピクロロヒドリン−コ−エチレンオキシド)(PECH)は約66%のエピクロロヒドリンを含有し、−30℃のTgを有していた。溶液を30mLの無水THF中の0.46g(0.005モル)のPECHから製造した。PECHを室温で一晩攪拌することにより完全な溶解を達成した。この溶液を化学量論量(0.322g、0.001モル)のテトラブチルアンモニウムブロミドの存在下で実施例1(比CHCl/KOOC=1:1で)のように調製された2−(N−カルバゾリル)プロピオニトリルのカリウムカルボン酸塩(0.293g、0.001モル)と共に加熱した。反応混合物を60℃で96時間にわたり加熱した。得られたポリマーを水中に沈殿させ、濾過し、真空炉内で乾燥させた。22mgのサンプルを約0.7mLの重水素化THFに溶解させた。サンプルを溶解するまで60℃に加熱し、H NMRによって分析した。スペクトルは構造案と一致した。スペクトルは57%の転化率を示している。
【0057】
実施例6
この実施例は、ペンダント架橋エレクトロクロミック系を有する(コ)ポリマーを調製できた方法を記載している。
【0058】
カルバゾール単位から誘導されたポリ電子発色団を含有する電解質エラストマー網目を以下の機構において示したように発色団側基を電子重合することにより達成することが可能である。
【化15】

【0059】
電子重合を溶液中または固体状態で行うことが可能である。溶液中で、0.01Mカルバゾール変性エラストマーおよび1.0MテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートまたはLiClOの塩化メチレン溶液をバイアル中に入れ、それを10分間にわたり窒素ガスでパージすることによりポリカルバゾール単位を生成させることが可能である。作用電極は清浄化されたITO被覆ガラスまたはPETである。対電極は白金線である。ポテンシオスタットを+2.2Vの電位で設定する。この電圧を約2分間にわたり印加することにより電子重合を行う。1つの電極として基材/ITO/電子重合フィルムを用いることによりデバイスを製造することが可能である。透明(例えば、ITO被覆ガラス)または不透明(例えば、金属フォイル)であることが可能であるもう1つの電極を電子重合材料の上に置く。
【0060】
あるいは、電子重合を固体状態で行うことが可能である。この場合、フィルムは、ITO被覆ガラス(またはPET)上にカルバゾール変性エラストマーおよびLiClOの溶液からキャスティングされる。もう1つの電極はフィルムの上に置かれ、電圧(2.2V)は、カルバゾールの電子重合を誘発させるためにフィルムの両端に印加される。
【0061】
実施例7
カルバゾールとポリ(エチレン−コ−メタクリル酸、ナトリウム塩)との反応
【化16】

【0062】
テトラブチルアンモニウムブロミド(2.622g)およびNaOH(50%、3mL)を50mLの丸底フラスコに入れた。1,6−ジブロモヘキサン(4.3916g)、ベンゼン(3mL)およびカルバゾール(1g)を混合し、よって懸濁液を生成させた。その後、この懸濁液を攪拌しつつ反応フラスコに注いだ。その後、フラスコに栓をし、放置して室温で攪拌した。反応を放置して室温で1.5時間にわたり、その後一晩(16時間)続けた。反応生成物を25mLの塩化メチレンで3回抽出し、その後、水(pH=7)で最終洗浄した。得られた化合物から取ったH NMRスペクトルは、未反応ジブロモヘキサンを除去するために更なる精製を必要とすることを示した。製品を精製するために、シリカカラムに粗製品を装填した。その後、カラムを500mLのヘキサンでフラッシュして、未反応ジブロモヘキサン化合物を除去した。その後、溶出液を50/50ヘキサン/塩化メチレン混合物に投入して、最終製品を集めた。油状製品を分離し、EtOHで希釈した。冷却すると生じた沈殿物を濾過し、真空下で乾燥させた。この化合物のH NMRスペクトルは予想製品と一致した。
【0063】
上で調製されたカルバゾール誘導体を以下の反応機構によりポリ(エチレン−コ−メタクリル酸、ナトリウム塩)と反応させた。
【0064】
【化17】

【0065】
ポリ(エチレン−コ−メタクリル酸、ナトリウム塩)(0.5g、デラウェア州ウィルミントンのデュポン・ドゥ・ヌムール社(E.I.DuPont de Nemours,Inc.(Wilmington,DE)))、DMAc(1.4g)および1,2−ジクロロベンゼン(8.1g)をコンデンサに取り付けられた25mLの丸底ガラスフラスコに添加した。コポリマーが完全に溶解するまで、この混合物を110℃で1時間にわたり加熱した。テトラブチルアンモニウムブロミド(0.0281g)およびブロモブタンカルバゾール(0.0263g、上で調製されたまま)を攪拌しつつ添加した。反応を4時間にわたり加熱し、放置してN下で室温で一晩攪拌した。約0.5mLの反応混合物を20mLの1:9塩化メチレン:ヘキサン溶液に添加した。沈殿したポリマーを濾過し、CHClおよびヘキサンで洗浄し、真空下で室温で乾燥させた。
【0066】
81%の1,2−ジクロロベンゼンと14%のDMAcの混合物中の乾燥ポリマーを110℃で溶解させることによりドライボックス内でフィルムをPtフォイル上に製造した。溶媒の蒸発後、フィルムの電気化学電池におけるレドックス特性を試験した(ボルタンメトリーアナライザ、バイオアナリティカル・システムズ(Bioanalytical Systems)製のCV−50W)。対電極もPtであった。基準電極は銀線であった。試験溶液は、0.1Mテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート支持電解質入りのアセトニトリルであった。フィルム付きPtフォイルをアセトニトリル溶液に浸漬し、そしてフィルム付きPtフォイルは作用電極であった。電圧を作用電極および対電極に印加し、標準CVプロトコルを用いてEV曲線を測定した。カルバゾール化合物、ポリ(エチレン−コ−メタクリル酸、ナトリウム塩)、およびカルバゾール変性ポリ(エチレン−コ−メタクリル酸、ナトリウム塩)のCVを測定した。ポリ(エチレン−コ−メタクリル酸、ナトリウム塩化合物)のCVはレドックス活性を示さなかった。それに反して、ブチルカルバゾールで変性されたポリ(エチレン−コ−メタクリル酸、ナトリウム塩)のCVは、2つのレドックスピーク(1.75Vおよび0.4V)を示し、ブロモブチルカルバゾール化合物単独によって示されたレドックス活性と良く一致していた。
【0067】
実施例8
ポリビニルブチラール(PVB)とカルバゾールプロピオン酸の反応
【化18】

【0068】
ポリビニルブチラール(0.185g、デュポン・ドゥ・ヌムール(E.I.DuPont de Nemours))をスターバー付きの100mL丸底フラスコに入れた。THF(10mL)を添加し、PBVは15分後に溶液になった。9−プロピオン酸カルバゾール(0.239g)、4−ジメチルアミノ)−ピリジン(0.0092g)および1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.206g)をその順に添加した。溶液は均質で無色であった。追加の15mLのTHFを20分後に添加した。反応をNパージ下で室温で2日間にわたり攪拌した。その後、反応混合物を150mLの蒸留水に注いだ。得られた沈殿した化合物を100mLの蒸留水で2回洗浄し、濾過により分離し、真空下で85℃で一晩乾燥させた。
【0069】
実施例9
ポリビニルブチラール(PVB)と2−(2−カルバゾール−9−イル−エトキシ)−エタノールのカルボン酸との反応
ポリビニルブチラール(1g、デュポン・ドゥ・ヌムール(E.I.DuPont de Nemours))をスターバー付きの100mL丸底フラスコに入れた。DMSO(10mL)を添加し、PVBを攪拌しつつ可溶化させた。1,3−ジシクロヘキシルカルボ−ジイミド(0.206g)を1.5mLのDMSOに溶解させた。4−(ジメチル−アミノ)−ピリジン(0.0092g)も1.5mLのDMSOに溶解させた。一旦これらの溶液が完全に均質になると、これらの溶液を攪拌および窒素下でDMSO中のPVBの溶液に添加した。その後、実施例4に示したように調製された2−(2−カルバゾール−9−イル−エトキシ)−エタノール(0.00198モル、0.62g)のカルボン酸をこの反応混合物に添加した。反応を攪拌し、Nシール下で2日間にわたり保った。その後、反応混合物を150mLの蒸留水に注いだ。水をデカントし、ポリマーを100mLの水でもう2回洗浄した。水をデカントし、ポリマーを真空炉内で85℃で一晩乾燥させた。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】エレクトロクロミック基−変性非晶質ポリマーを用いる全固体状態エレクトロクロミックデバイスの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたはそれ以上の反復単位
【化1】

(式中、
pおよびqは、pとqの少なくとも一方が0より大きいことを条件として0〜10,000の整数から独立して選択され、
RはHおよびRからなる群から選択され、
は、Hならびに置換アルキルおよび非置換アルキルからなる群から選択され、
は、H、OH、R、OR、COORおよびCOORからなる群から選択され、
はエレクトロクロミック基を含み、
ポリマー鎖当たり少なくとも1個の反復単位中のRおよびRの少なくとも一方は、OR、RまたはCOORであり、
は、H、NaおよびKからなる群から選択され、
Aは、OおよびNR’からなる群から選択され、そして
R’は、Hならびに置換アルキルおよび非置換アルキルからなる群から選択される)
を含む非晶性(コ)ポリマーを含む組成物。
【請求項2】
少なくとも1つのRが、エステル基、アミド基、エーテル基、チオエーテル基、−(CH−、−(CHO)−、−(CHCHO)−、−CH−OC(O)(CH−、および−(CHCHNH)−(式中、n、mおよびrは1から1000の整数である)からなる群から選択されたリンカ−を更に含む請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
少なくとも1つのRが、
分岐構造:
【化2】

(式中、各nは0〜1000の整数である)
を有するリンカーを更に含む請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
AがOである請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
がHであり、RがOHであり、(コ)ポリマーが構造XI
【化3】

の反復単位を更に含む請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
エレクトロクロミック基が、ビピリジリウム系、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリチオフェンコポリマー、ポリカルバゾール、カルバゾール、メトキシビフェニル化合物、キノン、ジフェニルアミン、フェニレンジアミン、ピラゾリン、テトラシアノキノジメタンおよびテトラチアフルバレンからなる群から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
エレクトロクロミック基が、構造IV〜IX:
【化4】

によって表される置換および非置換のアリール化合物およびヘテロアリール化合物からなる群から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
置換基が、−SH、−CN、−NH、−COOHおよび−P(O)(OR)からなる群から選択される請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
非晶性(コ)ポリマーが−SOKおよび−ClOLiの群から選択された官能基を更に含む請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
非晶性(コ)ポリマーが少なくとも1個の−(CHCH)−反復単位および少なくとも1個の−(CHC(CH)(COH))−反復単位を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
塩、可塑剤、電子メディエータおよび導電性粒子からなる群から選択された1つまたはそれ以上の添加剤を更に含む請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
ポリマーのTgが100℃未満である請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
a.第1の導電性基材、および
b.上記基材に接触しているエレクトロクロミック層
を含む積層物であって、
上記エレクトロクロミック層が1つまたはそれ以上の反復単位
【化5】

(式中、
pおよびqは、pとqの少なくとも一方が0より大きいことを条件として0〜10,000の整数から独立して選択され、
RはHおよびRからなる群から選択され、
は、Hならびに置換アルキルおよび非置換アルキルからなる群から選択され、
は、H、OH、R、OR、COORおよびCOORからなる群から選択され、
はエレクトロクロミック基を含み、
ポリマー鎖当たり少なくとも1個の反復単位中のRおよびRの少なくとも一方は、OR、RまたはCOORであり、
は、H、NaおよびKからなる群から選択され、
Aは、OおよびNR’からなる群から選択され、そして
R’は、Hならびに置換アルキルおよび非置換アルキルからなる群から選択される)
を含む非晶質(コ)ポリマーを含む積層物。
【請求項14】
第1の導電性基材が、導電性材料で被覆されたガラス基材を含む請求項13に記載の積層物。
【請求項15】
導電性層が、ITO、酸化チタン、銅、アルミニウム、金、白金、銀、コバルト、パラジウム、イリジウムおよびロジウムからなる群から選択された少なくとも1つの材料を含む請求項14に記載の積層物。
【請求項16】
第1の導電性基材が、ポリマー基材上に被覆された導電性層を含み、該ポリマーが、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリエステル−アミド、ポリエステル−イミド、ポリエステルエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体およびポリスチレン/ポリフェニレンオキシドからなる群から選択される請求項13に記載の積層物。
【請求項17】
導電性層が、ITO、酸化チタン、銅、アルミニウム、金、白金、銀、コバルト、パラジウム、イリジウムおよびロジウムからなる群から選択された材料を含む請求項16に記載の積層物。
【請求項18】
第2の導電性基材を更に含む請求項13に記載の積層物。
【請求項19】
第2の導電性基材が、ガラス基材上に、またはポリマー基材上に被覆された導電性層を含み、該ポリマーが、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリエステル−アミド、ポリエステル−イミド、ポリエステルエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体およびポリスチレン/ポリフェニレンオキシドからなる群から選択される請求項18に記載の積層物。
【請求項20】
非晶性ポリマーが
a.ポリビニルブチラール、または
b.ポリ(エチレンオキシド−コ−エピクロロヒドリン)、または
c.エチレン、メタクリル酸およびメタクリル酸の塩形態から誘導された反復単位を含むコポリマー
を含む請求項19に記載の積層物。
【請求項21】
請求項12に記載の積層物を含む製品。
【請求項22】
アイウェア、自動車グレージング、建築グレージング、鏡、看板およびディスプレイからなる群から選択される請求項21に記載の物品。

【図1】
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【公表番号】特表2009−541524(P2009−541524A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−516466(P2009−516466)
【出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2006/024548
【国際公開番号】WO2007/149090
【国際公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】