説明

皮膚バリア機能回復のための化粧品および薬用化粧品組成物

環境要素および/または病理学的条件に曝された皮膚の皮膚バリア機能を回復するための組成物、キットおよび方法が提供される。一般に、カルシウムイオンおよび/またはマグネシウムイオンなどの2価カチオンは、生理学的に許容される媒体中に含まれている。いくつかの実施態様では、2価カチオンは皮膚バリアの恒常性を維持するために、適当な割合でナトリウムおよびカリウムイオンなどの1価カチオンと均衡を保つ。組成物、キットおよび方法は皮膚状態を改善するか、あるいは皮膚科学的疾患および皮膚障害を予防または治療するための化粧品、薬用化粧品または医薬品として使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(クロスリファレンス)
本願は2005年2月11日出願の米国仮特許出願番号60/652,196の特典を請求する。これは参考として、その全体を本明細書中に導入する。
【0002】
本発明は、環境要素および/または病理学的条件に曝される皮膚に皮膚バリア機能を回復させる組成物、キットおよび方法が提供される。
【背景技術】
【0003】
皮膚は多くの機能を有するが、その主要な機能は保護層またはバリアとしての機能である。陸上動物の皮膚のもっとも重要な役割は、水分の多い内臓を乾燥環境から保護することである。この皮膚の皮膚バリア機能は、角質層と呼ばれる最上薄層(ヒトでは約10〜20μm)に存在する。この層の水分不透過性が生物の他の膜よりも1000倍以上高い。非特許文献1:Potts & Francoeur (1991) J. Invest. Dermatol. 96;495-499.
【0004】
角質層は2つの成分、すなわち、タンパクの多い生育不能細胞および細胞間脂質ドメインからなる。非特許文献2:Eliasら、(1992) Curr. Opin. Dermatol. 231-237. 細胞間ドメインの脂質分子は二分子層構造を形成する。水分不透過性は脂質分子の形態の結果であり、死細胞の次数(order)でもある。非特許文献3:Dendaら、(1994)Arch. Dermatol. Res. 286:41-46. この特定の「レンガとしっくい」構造ゆえに、角質層はより高い水分不透過性を示す。
【0005】
表皮と呼ばれる皮膚の最上層は主にケラチノサイトから構成される。表皮は自己置換の恒常的状態にある。基底層ではケラチノサイト幹細胞は娘細胞に分割し、これは外側へ移動し、段階的多重層を経て分化し、角質層に入る。次いで、ケラチノサイトは死亡し(アポトーシス)、その細胞小器官と細胞質は分化の最終過程で消滅する。細胞内脂質は主にその最終分化中に、層状構造物と呼ばれる脂質含有顆粒の吐細胞現象(exocytosis)から生成される。分泌された脂質は細胞間ドメインを越えて広がり、二層構造を形成する。Eliasら、(1993),上掲。
【0006】
イオン性シグナルは表皮バリア機能の恒常性機構(homestatic mechanism)で重要な役割を果たす。非特許文献4:Leeら、(1992) J. Clin. Invest. 89:530-538. 正常な皮膚では、カルシウムは表皮顆粒層、すなわち、表皮の最上層、角質層の直下に高濃度で局在化している。反対に、カリウム濃度は有棘層、すなわち、表皮の中間部で最高であり、顆粒層で最低である。
【0007】
カルシウムは単純生物や植物においてすら、普遍的なメッセンジャーである。そのイオン半径と二価電荷の組み合わせが、レセプターとより高く結合して、マグネシウムなどの他のイオンを排除し、強い特異的結合を導く。非特許文献5:Carafoli & Penniston (1985)The Calcium Signal. Sci. Am. 253:70-78. 特異性は細胞に特別なレセプターを形成させて、カルシウムからのシグナルを受け入れる。身体の多くの部分では、Ca2+がしばしばcAMPと同様な方法で第2メッセンジャーとして作用する。皮膚では、カルシウムは細胞において、(細胞基質内の)細胞外または細胞内のいずれかでシグナルを提供することができる。細胞外および細胞内シグナル伝達は互いに結合されるが、別個にも作用する。細胞内Ca2+は細胞外Ca2+が上昇するのに応じて増加することが見出されている。これは増加する細胞内Ca2+がケラチノサイト分化を引き起こす実際のシグナルであることを意味する。非特許文献6:Tanojo & Maibach (1990) in Percutaneous Absorption, 3rd Ed., Bronaugh & Maibach, ed., Marcel Dekker, NY, pp.939-950.
【0008】
Ca2+は他の第2メッセンジャー分子のように代謝され得ないので、細胞は完全な多数の結合および特定放出蛋白質中で細胞内濃度を制御する。非特許文献7:Clapham (1995) Cell 80:259-268. 細胞外空間のカルシウム濃度(一般的には〜1.5mM)は細胞基質(〜0.1μM)よりも4桁大きい。興奮性細胞、例えば筋肉細胞では、カルシウムの細胞外濃度が正常の濃度、〜1.5mMにそれを維持するように厳密に制御されていなければならず、その結果、筋肉収縮、神経インパルス伝達、および血液凝固を偶然には誘発することができない。ケラチノサイトを含めて他の細胞では、細胞外濃度は細胞内濃度とともに特別な平衡状態に維持される。
【0009】
上記したように、ケラチノサイトの細胞外および細胞内ドメイン間には高いカルシウム勾配が存在し、厳密な制御を要する。さらに、カルシウム勾配は表皮内に存在し、表皮底部よりも上部でより高い量のCa2+を示す。非特許文献8:Menonら、(1985) J. Invest. Dernatol. 102:789-795. Ca2+濃度は基底領域から角質層まで堅実に増加する。これは他のイオンではそうではない。非特許文献9:Forslindら、(1995) Scanning Microsc. 9:1011-1026. このような勾配は乾癬などの異常なバリア機能の形成に関連する皮膚異常では観察されない。非特許文献10:Menon & Elias (1991) Arch. Dermatol. 127:57-63. アセトン処理またはテープストリッピングで皮膚バリアの崩壊が表皮上部からCa2+を枯渇させ、その結果、Ca2+勾配を失うことが報告されている。これは角質層中へ、および角質層を通り、Ca2+の増加する消極的な喪失へつながる加速された水分通過のためである。非特許文献11:Mao-Qiangら(1997)、Exp. Dermatol. 6:36-40.
【0010】
要約すれば、カルシウムイオンは皮膚バリアの内部環境において重要な役割を果たす。バリア中の変化は皮膚のカルシウムイオン勾配を変化させ、バリア回復過程へ進むであろう。厳しい変化は高い程度のカルシウムシグナル伝達となり、皮膚成分またはメッセンジャーの増加する合成から炎症反応までの種々の過程の活性化を誘起するであろう。すなわち、環境要素や病理学的条件により悪影響を受ける皮膚に正常なバリア機能を回復させるために、バリア回復過程を活性化する組成物および方法の必要性が存在する。

【非特許文献1】Potts & Francoeur (1991) J. Invest. Dermatol. 96;495-499.
【非特許文献2】Eliasら、(1992) Curr. Opin. Dermatol. 231-237.
【非特許文献3】Dendaら、(1994)Arch. Dermatol. Res. 286:41-46.
【非特許文献4】Leeら、(1992) J. Clin. Invest. 89:530-538.
【非特許文献5】Carafoli & Penniston (1985)The Calcium Signal. Sci. Am. 253:70-78.
【非特許文献6】Tanojo & Maibach (1990) in Percutaneous Absorption, 3rd Ed., Bronaugh & Maibach, ed., Marcel Dekker, NY, pp.939-950.
【非特許文献7】Clapham (1995) Cell 80:259-268.
【非特許文献8】Menonら、(1985) J. Invest. Dernatol. 102:789-795.
【非特許文献9】Forslindら、(1995) Scanning Microsc. 9:1011-1026.
【非特許文献10】Menon & Elias (1991) Arch. Dermatol. 127:57-63.
【非特許文献11】Mao-Qiangら(1997)、Exp. Dermatol. 6:36-40.
【発明の開示】
【0011】
環境要素および/または病理学的条件に曝される皮膚に皮膚バリア機能を回復させる組成物、キットおよび方法が提供される。一般的には、カルシウムイオンおよび/またはマグネシウムイオンなどの2価カチオンが、生理学的に許容される媒体(medium)中に含まれる。いくつかの実施態様では、皮膚バリアの内部環境を維持するために、2価カチオンがナトリウムおよびカリウムなどの1価カチオンと適当な割合でバランスを保たれる。組成物、キットおよび方法は皮膚状態を改善し、かつ、皮膚科疾患および皮膚障害を阻止または治療するための化粧品、薬用化粧品または医薬品として利用され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の好ましい実施態様が本明細書に示され、かつ、記述されるが、このような実施態様は例としてのみ提供されることは当業者には自明であろう。多くの変更、変化および置換を本発明から逸脱しないで当業者は思い浮かぶであろう。本明細書に記載される本発明の実施態様とは別な種々のものが、本発明を実施するに際して使用されることを理解すべきである。下記特許請求の範囲は本発明の範囲を規定し、これらの請求項とその均等物の範囲内の方法と構造がそこに包含されることを意図する。
【0013】
本発明は皮膚バリア機能を回復するための革新的な組成物と方法を提供する。本発明は皮膚バリア機能の制御と皮膚バリアの恒常性を維持するための1価イオンおよび2価イオンの複雑なバランスにおけるカルシウムイオンが果たす役割を基本的に理解することに基づく。
【0014】
ナトリウム、カリウムおよびマグネシウムに比べて皮膚でのカルシウムの特別な量が、高レベルおよび低レベルの皮膚細胞を正確にモニターすることを可能とする。しかしながら、本発明者らはカルシウムをモニターすると皮膚はまた他のイオンの存在も考慮するから、皮膚へカルシウムイオンのみを適用することは無用であるばかりでなく、有害であると考える。高カルシウムのみを適用する場合、皮膚は過量としてそれを受け入れて、予測されない副作用を引き起こすネガティブ・フィードバック反応を誘発する。それゆえ、本発明者らはカルシウムイオンまたはマグネシウムイオンなどの2価イオンの適用が他の成分と均衡を保って、皮膚バリア機能を回復または向上させるに違いないと考える。
【0015】
本発明では組成物および方法が、脱水症状や炎症などの皮膚バリア機能を失うことによる異常な皮膚状態の予防または治療を含むスキンケアのために提供される。特定の理論や作用機構に結びつくことなく、本組成物は、i)皮膚で主要なイオン、特に1価カチオンと2価カチオンの間でのバランスを維持し;ii)皮膚で主要なイオン、特に1価カチオンと2価カチオンの間でのバランスを回復し;そして、iii)イオンバランスにより影響される、皮膚細胞の成長過程を回復および維持することにより、皮膚へその有益な効果を及ぼすと考えられる。
【0016】
皮膚での主要なイオンのバランスを回復して、種々の有益な効果が達成され得る。皮膚が環境からの種々の挑戦およびダイエットの変化を受けると、皮膚バリアの質を調整することによって、皮膚は順応しようとする。環境が乾燥すると、皮膚はより固いバリアを作り、高レベルの水分喪失を阻止する。固いバリアは後にざらざらした沈滞した皮膚となり得る。面白いことに、皮膚はカルシウムイオンを使って間接的に環境の乾燥をモニターする。もしも、乾燥が皮膚疾患や2次的損傷/挑戦のような他の原因で強められるなら、イオンバランスは長期間にシフトして、粗悪なバリア機能の連続的形成を誘発する。それゆえ、イオンバランスの回復は正常な皮膚バリア層の再生を誘導するであろう。これは最適なバリア機能を有する。正常な皮膚バリアの形成はまた、他の細胞やリンパ球やケラチノサイトなどの皮膚の成分の健康的な成長を確実にすることができ、最適な皮膚状態を達成する。
【0017】
本発明の1つの態様では、スキンケアのための組成物が提供される。1つの実施態様では、組成物は生理学的に許容される媒体(medium)中に組成物の全重量に対して、約0.01〜8w/w%の2価カルシウムイオンおよび/または2価マグネシウムイオンを含む。所望により、2価マグネシウムイオンに対する2価カルシウムイオンの割合は、5:1〜1:5、3:1〜1:3、2:1〜1:2または3:2〜2:3の範囲である。生理学的に許容される媒体(medium)とは好ましくは美容上または薬学的に許容される担体である。好ましくは、カルシウムイオンは塩化カルシウムの形態で提供され、マグネシウムイオンは塩化マグネシウムの形態で提供される。
【0018】
他の実施態様では、組成物は生理学的に許容される媒体(medium)中に15:1〜1:20の割合で2価カルシウムイオンと1価イオンを含む。ここで、2価カルシウムイオンの量は組成物の全重量に対して約0.01〜8%である。所望により、1価イオンに対する2価カルシウムイオンの割合は8:1〜1:10、6:1〜1:3、4:1〜1:5、2:1〜1:3または1:1〜1:2の範囲である。好ましくは、1価イオンは塩化ナトリウム、塩化カリウムまたは臭化カリウムの形態のナトリウムイオンまたはカリウムイオンである。
【0019】
これらの実施態様では、組成物中、2価カチオン(例えば、カルシウムまたはマグネシウムカチオン)は1価カチオン(例えば、ナトリウムまたはカリウムカチオン)を皮膚バリア中でイオンバランスを維持し、ネガティブバック反応を引き起こすことを避けるために適当な割合で混合する。2価カチオンはまた、コレステロール、脂肪酸およびアミノ酸またはこれらの均等物など、他の主要な皮膚成分と混合することができる。
【0020】
特別な実施態様では、2価カルシウムまたはマグネシウムイオンは好ましくは水溶性媒体(medium)中で1価ナトリウムおよびカリウムイオンと混合する。水溶性媒体(medium)は組成物の連続相である水溶性相を構成する。
【0021】
水溶性相は本質的に水からなる;それはまた水と水混和可能な溶媒(25℃で50重量%以上の水と混和性)、例えば、エタノールまたはイソプロパノールなどの1〜5の炭素原子を含むモノアルコール、プロピレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、またはジプロピレングリコールなどの2〜8の炭素原子を有するグリコール、C―Cケトン、およびC−Cアルデヒドおよびグリセリンの混合物からなる。
【0022】
水溶性相(水および所望により水混和性有機溶媒)は、組成物の全重量に対して、1%〜98%、所望により、3%〜96%、40%〜95%、50%〜90%、60%〜90%、または70%〜85%の内容範囲で存在する。
【0023】
水溶性液体製剤では、2価カルシウムイオンの量は、好ましくは約0.1〜8%、所望により約0.5〜5%、または所望により約1〜3%である。2価カルシウムイオンは、好ましくは水溶性相にCaClを添加して提供される。
【0024】
このような水溶性製剤は皮膚バリア回復を促進するスキントナー、加湿剤または湿潤剤として使用され、環境要素に露呈されて損傷を受けた皮膚または病理学的状態にある皮膚を正常な皮膚バリアに回復させることができる。
【0025】
所望により、本発明の組成物は乳濁液またはクリーム製剤の形態である。これは組成物の全重量に対して2%〜30%、より好ましくは約5%〜15%の範囲の割合で特に存在する乳化用界面活性剤を含むことができる。これらの界面活性剤は陰イオン界面活性剤および非イオン界面活性剤から選択される。文献、"Encyclopedia of Chemical Technology, Kirk-Othmer", volume 22, pp.333-432, 3rd edition, 1979, Wiley, 「陰イオン界面活性剤および非イオン界面活性剤における界面活性剤の特性と機能の定義に関する」、特に本文献の347−377頁が参照される。
【0026】
本発明の組成物で使用される界面活性剤は、好ましくは非イオン界面活性剤:脂肪酸、脂肪アルコール、ポリエトキシル化またはポリグリセロール化脂肪アルコール、ポリエトキシル化ステアリルまたはセチルステアリルアルコール、蔗糖の脂肪酸エステル、アルキルグルコースエステル、特にC−Cアルキルグルコースのポリオキシエチレン化脂肪エステル、およびこれらの混合物;非イオン性界面活性剤:アミン、水溶性アンモニアまたはアルカリ塩で中和されたC16−C30脂肪酸およびこれらの混合物から選択される。好ましくは、水中油乳濁液または油中水乳濁液を得ることが可能である界面活性剤が使用される。
【0027】
クリーム製剤では、2価カルシウムイオンの量は好ましくは約0.01〜8%、所望により約0.05〜0.5%、または所望により0.1〜0.3%である。好ましくは、2価カルシウムイオンは乳濁液にCaClを添加して提供される。
【0028】
所望により、本発明の組成物は水溶性ゲルまたはヒドロゲル製剤の形態である。ヒドロゲル製剤は液体溶液を濃化する濃化剤を含む。濃化剤の例としては、カルボマー、セルロース系物質、ガム、アルギン、寒天、ペクチン、カラギーナン、ゼラチン、金属または変性金属濃厚剤、ポリエチレグリコール、およびポリアルコール、ポリアクリルアミドおよび他のポリマー濃化剤が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、本組成物に安定性と最適流れ特性を付与する濃化剤が使用される。
【0029】
ヒドロゲル製剤では、2価カルシウムイオンの量は好ましくは約0.01〜8%、所望により約0.05〜0.5%、または所望により約0.1〜0.3%である。好ましくは、2価カルシウムイオンは製剤にCaClを添加して提供される。
【0030】
本発明の組成物はさらに、ブチル化p−クレゾール、ブチル化ヒドロキノンモノメチルエーテル、およよびトコフェロールからなる群から選択される有効量の生理学的に許容される抗酸化剤を含む。抗酸化剤は全組成物の重量の0.005〜5%の量で存在する。
【0031】
本発明の組成物はさらに、アルギニン、シスチン、グルタミン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンなどの天然または変性アミノ酸を含んでいてもよい。アミノ酸は全組成物の重量の0.002〜6%の量で存在する。
【0032】
本発明の組成物はさらに、コレステロールなどの天然または変性ステロール化合物およびスチグマステロール、カンペステロール、β−シトステロール、チャリノステロール、クリオナステロール、ブラッシカステロール、α−スピナステロール、ダンコステロール、デスモステロールおよびポリフェラステロールなどの天然または変性ステロールを含んでいてもよい。
【0033】
本発明の組成物はさらに、天然または変性コラーゲン、絹タンパクまたは大豆タンパクを含んでいてもよい。タンパクは全組成物の重量の0.01〜10%の量で存在する。
【0034】
本発明の組成物は、好ましくは皮膚、毛髪、睫毛または爪などのケラチン物質に局所適用のために調製される。それらはこのタイプの適用のために通常、使用される形態、特に、水溶性または油性溶液、水中油または油中水乳濁液、シリコーン乳濁液、マイクロエマルジョンまたはナノエマルジョン、水溶性または油性ゲルまたは液状、糊状、または固状無水物の形態で使用される。
【0035】
本発明の組成物は多かれ少なかれ液体であり、白色または着色クリーム、軟膏、乳液、ローション、セラム、ペースト、ムースまたはゲルの外見を有する。それらは所望によりエアロゾル、パッチまたは粉末の形態で皮膚上に局所的に適用される。それらはまた、固状形態、例えばスチック形態でもある。それらは皮膚のためのケア製品および/またはメーキャップ製品として使用される。また、それらはシャンプーまたはコンディショナーとして製剤化される。
【0036】
公知態様では、本発明の組成物はまた、親水性または親油性ゲル化剤、保存剤、抗酸化剤、溶媒、芳香剤、充填剤、顔料、臭気吸収剤および染料などの化粧品において一般的である添加剤および補助剤を含んでいてもよい。これらの種々の添加剤および補助剤の量は、当該技術分野で従来から使用されるものであり、例えば組成物の全重量の0.01%〜20%の範囲である。その性質に応じて、これらの添加剤および補助剤は脂肪相中または水溶性相中へ導入してもよい。
【0037】
本発明の組成物が乳濁液である場合、脂肪相の割合は有利にも組成物の全重量に対して、2重量%〜80重量%、好ましくは5重量%〜50重量%の範囲である。組成物中、乳濁液形態で含まれる脂肪性物質、乳化剤および共乳化剤としては、当該技術分野で従来から調製されているものの中から選択される。乳化剤および共乳化剤は好ましくは組成物の全重量に対して0.3重量%〜30重量%、好ましくは0.5重量%〜20重量%の範囲の割合で組成物中に存在する。
【0038】
本発明の脂肪性物質の例としては、油、特に鉱物油(液体石油ゼリー)、植物起源油(アボガド油、月見草油、紅花油、大豆油、麦芽油、杏仁油)、動物起源油(ラノリン)、合成油(ペルヒドロスクワレン)、シリコーン油(シクロメチコン)およびフッ素油(ペルフルオロポリエーテル)が挙げられる。セチルアルコールなどの脂肪アルコール、脂肪酸、ワックスおよびゴム、および特にシリコーンゴムもまた、代表的脂肪性物質である。
【0039】
本発明の乳化剤および共乳化剤の例としては、PEG−100ステアレート、PEG−50ステアレートおよびPEG−40ステアレートなどのポリエチレングリコールの脂肪酸エステル;グリセリルステアレート、ソルビタントリステアレートおよび例えば、商標名、TweenTM20、またはTweenTM60として市販されているオキシエチレン化ソルビタンステアレートなどのポリオールの脂肪酸エステル;およびこれらの混合物が挙げられる。
【0040】
また、親水性ゲル化剤の例としては、特にカルボキシビニルポリマー(カーボマー)、アクリレート/アルキルアクリレートコポリマーなどのアクリル酸コポリマー、ポリアクリルアミド、ポリサッカライド、天然ゴムおよびクレーが挙げられる。親油性ゲル化剤の例としては、特に変性クレー、例えばベントン、脂肪酸の金属塩および疎水性シリカが挙げられる。
【0041】
本発明はまた、生理学的に許容される媒体(medium)(媒介物/媒体(vehicle)、希釈剤または担体(carrier))中に調製された0.01〜15w/w%の2価カルシウムイオンを単独で、あるいは上記した少なくとも1つの他の化合物を組み合わせて含む組成物の局所的適用によるスキンケアのための化粧品療法に関する。
【0042】
本発明は、特に皮膚老化の有害な徴候および/または鈍い顔色および/または皮膚または毛髪の染色障害および/または皮膚乾燥および/または高脂漏および/または高脂漏関連不完全および/または鋭敏な皮膚および/またはふけおよび/または自然な脱毛および/または禿頭を治療するための化粧品療法に関し、所望の美容/治療反応を発揮するために必要である所定期間、皮膚または毛髪へ局所的に、生理学的に許容される媒体(medium)中に0.01〜15w/w%の2価カルシウムイオンを単独で、あるいは上記した少なくとも1つの他の化合物と組み合わせて調製した組成物を適用することを含む。
【0043】
「皮膚老化の徴候」との表現は、皺や小皺、硬さおよび/または皮膚の弾性の喪失、皮膚反応の衰退、拡張孔が存在するより不規則な皮膚粒子、皮膚の輝きの喪失および/または色素沈着の現れを意図する。
【0044】
「鋭敏な皮膚」との表現は、EP0,680,749B1に特徴付けられている皮膚を意図する。これは参考として本明細書中に導入する。すなわち、鋭敏な皮膚に関連する徴候は、皮膚のある領域に現れる多少痛みを伴う感覚、例えばヒリヒリ感、刺痛、そう痒またはかゆみ、ほてり、発赤、熱っぽさ、不快感、張りなどを含むことが示されている。これらの徴候は、とりわけ、汗、摩擦、情緒、食物、風、シェービング、石けん、界面活性剤、高カルシウム濃度の硬水、温度変化またはウールなど、種々の要因に応じて現れる。
【0045】
本発明はまた、生理学的に許容される媒体(medium)(媒介物/媒体(vehicle)、希釈剤または担体(carrier))中に0.01〜15w/w%の2価カルシウムイオン、および剥離剤、加湿剤、脱色剤またはプロピグメント剤、抗グリコシル化剤、NO−シンターゼ阻害剤、5α−レダクターゼ阻害剤、リシルおよび/またはプロリルヒドロキシラーゼ阻害剤、皮膚または表皮の高分子の合成を刺激および/またはそれらの分解を阻止するための薬剤、繊維芽細胞およびケラチノサイトの増殖および/またはケラチノサイトの分化を刺激するための薬剤、筋弛緩剤、刺激作用を低減するための化合物、抗菌剤、テンショニング剤、抗汚染剤、またはフリーラジカル捕捉剤から選択される少なくとも1つの他の活性剤化合物中に含まれる化粧品組成物を特徴とする。
【0046】
本発明はまた、生理学的許容される媒体(medium)中に0.01〜15w/w%の2価カルシウムイオン、およびUVAおよび/またはUVBスクリーニング剤の中から選択される少なくとも1つのUV−スクリーニング剤および/または少なくとも1つの所望により被覆された無機顔料を含む化粧品組成物を特徴とする。
【0047】
本発明の組成物は皮膚、ケラチン繊維(頭髪およびまつげ)および爪などのケラチン物質/材料上の局所適用に十分に適している。
【0048】
「生理学的に許容される媒体(medium)」との表現は、皮膚および/その外皮と相溶性である媒体(medium)を意図する。
【0049】
本発明の組成物中で調製される種々の化合物をここでより詳細に説明する。
【0050】
1.剥離剤および加湿剤
「剥離剤」との用語は、下記作用が可能である化合物を意味する:
(a)β−ヒドロキシ酸、特にサリチル酸およびその誘導体(5−n−オクタノイルサリチル酸);α−ヒドロキシ酸、例えばグリコール酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸またはマンデル酸;尿素;ゲンチジン酸;オリゴフコース;桂皮酸;サフォラ・ジャポニカ(Saphora japonica)の抽出物;特にレスベラトールを含むヒドロキシスチルベンなどの剥離を促進することによる直接的な剥離作用;
(b)または、コルネオデスモソームの剥離または分解に関与する酵素、グリコシダーゼ、角質層キモトリプシン酵素(SCCE)、あるいは他のプロテアーゼ(トリプシン、キモトリプシン様)の作用。金属塩をキレートするための薬剤の例としては、EDTA;N−アシル−N,N',N'−エチレンジアミン三酢酸;アミノスルホン化合物、特に(N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N−2−エタン)スルホン酸(HEPES);2−オキソチアゾリジン−4−カルボン酸(プロシステイン);グリシンのようなタイプのα−アミノ酸誘導体(EP−0,852,949に記載されているようなもの);ハチミツ;O−オクタノイル−6−D−マルトースおよびN−アセチルグルコサミンなどの糖誘導体を挙げることもできる。
【0051】
「加湿剤」との用語は、下記のものを意図する。
(a)角質層の潤いを維持するためにバリア機能に作用する化合物、または閉塞化合物。その例としては、セラミド、スフィンゴイドをベースとする化合物、レシチン、グリコスフィンゴリピド、リン脂質、コレステロールとその誘導体、植物ステロール(スチグマステロール、β−シトステロールまたはカンペステロール)、必須脂肪酸、1,2−ジアシルグリセロール、4−クロマノン、ペンタサイクリックトリテルペン、石油ゼリーおよびラノリンを挙げることができる。
(b)または角質層の水分含量を直接、増大させる化合物、例えば、スレアロースとその誘導体、ヒアルロン酸とその誘導体、グリセロール、ペンタンジオール、ピドレート、アミノ酸(例えば、セリン、プロリン、グルタミン酸塩、アルギニン)、キシリトール、尿酸、クレアチン、グルコサミン、乳酸、乳酸塩、ポリグリセリルアクリレート、エクトインおよびその誘導体、キトサン、蔗糖、オリゴサッカライドおよびポリサッカライド、サイクリックカーボネート、ポリアスパラギン酸塩およびその誘導体、ピロリドンカルボン酸およびその誘導体、N−ラウロイル−ピロリドンカルボン酸、N−ラウロイル−リジンおよびN−α−ベンゾイル−L−アルギニン;
(c)または皮脂腺を活性化する化合物、例えばステロイド誘導体(DHEAを含む)およびビタミンDとその誘導体。
【0052】
これらの化合物は、有利にも本発明の組成物の重量の0.001%〜30%、好ましくは0.01%〜20%を占める。
【0053】
上記した剥離剤および加湿剤を含む本発明の組成物は、乾燥皮膚、特に乾燥症を治療するために十分に適している。
【0054】
2.脱色剤またはプロピグメント剤
本発明の組成物に用いることができる脱色剤の例としては、例えば、以下の化合物:コウジ酸;エラグ酸;アルブチンとその誘導体、例えばEP895,779およびEP524,109に記載されているもの;ヒドロキノン;アミノフェノール誘導体、例えばWO99/10318およびWO99/32077に記載されているもの、特にN−コレステリルオキシカルボニル−p−アミノフェノールおよびN−エチルオキシカルボニル−p−アミノフェノール;イミノフェノール誘導体、特にWO99/22707に記載されているもの;L−2−オキソチアゾリジン−4−カルボン酸またはプロシステイン、およびその塩およびエステル;アスコルビン酸とその誘導体、特にアスコルビルグルコシド;および植物抽出物、特に、カンゾウ、クワ、およびタツナミソウの抽出物を含むが、これらに限定されるものではない。
【0055】
例として挙げることができるプロピグメント剤は、Maruzen社から市販されているワレモコウ(Sanguisorba officinalis)の抽出物、およびキク(Chrysanthemum morifolium)の抽出物を含む。
【0056】
上記脱色剤を含む本発明の組成物は、過剰色素形成、特に皮膚老化に関連する色素マークを予防または治療することを意図するものである。
【0057】
上記プロビグメント剤を含む本発明の組成物は、禿頭を治療するのに十分に適している。
【0058】
3.抗グリコシル化剤
「抗グリコシル化剤」との用語は、皮膚タンパク、特にコラーゲンのような皮膚タンパクのグリコシル化を予防および/または低減するための化合物を意味する。
【0059】
抗グリコシル化剤の例としては、ツツジ科(Ericacea)の植物抽出物、例えばブルーベリー(Vaccinium angustifolium)の抽出物;エルトチオネインとその誘導体;およびヒドロキシスチルベンとその誘導体、例えばレズベラトロルおよび3,3',5,5'-テトラ-ヒドロキシスチルベンがある。これらの抗グリコシル化剤は、FR99/16166、FR00/08158、FR99/09267およびFR99/16168にそれぞれ記載されている。レズベラトロルは本発明の組成物への調製のために特に好ましい。
【0060】
上記抗グリコシル化剤を含む本発明の組成物は、皮膚老化の徴候を予防または治療、特に皮膚の張りおよび/または弾力の喪失を予防または治療するために十分に適している。
【0061】
4.NO−シンターゼ阻害剤
本発明の組成物に用いるのに適したNO−シンターゼ阻害剤の例は、特にLeucocyanidines de raisins extraの商品名でEuromed社から、またはLeucoselect(登録商標)の商品名でIndena社から、そしてExtrait de marc de raisinの商品名でHansen社から市販されているビティスビニフェラ(Vitis vinifera)種の植物抽出物;好ましくはオリーブの木の葉から得られ、特に、Vinyals社から乾燥抽出物の形態で、またはBiologia & Technologia社からEurol BTの商品名で市販されているオレアユーロペア(Olea europaea)種の植物抽出物;およびギンコビロバ(Ginko biloba)種の植物抽出物であって、好ましくはこの植物の乾燥水性抽出物であって、Beaufour社から、Gingko biloba extrait standardの商品名で市販されているものを含む。
【0062】
上記NO−シンターゼ阻害剤を含む本発明の組成物は、皮膚老化の徴候および/または敏感肌の予防または治療に十分に適している。
【0063】
5.5α-レダクターゼ阻害剤
本発明の組成物が5α-レダクターゼ阻害剤を含む場合、この阻害剤は、有利にも、
レチノイド、特にレチノール;
硫黄および硫黄誘導体;
亜鉛の塩、例えば乳酸亜鉛、グルコネート、ピドレート、カルボキシレート、サリチレートおよび/またはシステエート;
塩化セレニウム;
ビタミンB6またはピリドキシン;
Seppic社からSepicontrol A5(登録商標)の商品名で市販されている、カプリロイルグリシン、サルコシンおよびシンナモムムゼイラニクム(Cinnamomum zeylanicum)抽出物の混合物;
SECMA社からPhlorogine(登録商標)の商品名で市販されているラミナリアサッカリナ(Laminaria saccharina)の抽出物;
Silab社からSebonormine(登録商標)の商品名で市販されているスピラエウルマリア(Spiraea ulmaria)の抽出物;
アリニカモンタナ(Arnica montana)、シンコナスッチルブラ(Cinchona succirubra)、ユーゲニアカリオフィラータ(Eugenia caryophyllata)、フムルスルプルス(Humulus lupulus)、ハイペリクムパーフォラタム(Hypericum perforatum)、メンタピペリタ(Mentha piperita)、ローズマリナスオフィシナリス(Rosmarinus officinalis)、サルビアオフィシナリス(Salvia oficinalis)およびサイマスブルガリス(Thymus vulgaris)種の植物抽出物、これら全ては、例えばMaruzen社から市販されている;
Euromed社から市販されているセレノアレペンス(Serenoa repens)の抽出物;
シリバム(Silybum)属の植物抽出物;
サポゲニンを含む植物抽出物、特にジオスゲニンまたはヘコゲニンに富んだヤマノイモ科(Dioscorea)植物の抽出物;および
オイゲノールまたはオイゲノールグルコシドを含むユーゲニアカリオフィラータ(Eugenia caryophyllata)抽出物
から選択することができる。
【0064】
5α-レダクターゼ阻害剤は、例えば、本発明の組成物の全重量の0.001%〜10%、好ましくは0.01%〜5%を占める。この組成物がかかる化合物を含む場合、脂漏症および/または多毛症および/またはアンドロゲン依存脱毛症の予防または治療に特に適している。
【0065】
6.リシルおよび/またはプロリルヒドロキシラーゼ阻害剤
本発明の組成物に用いるリシルおよび/またはプロリルヒドロキシラーゼ阻害剤の好ましい例としては、WO96/09048に記載されている2,4−ジアミノピリミジン3−オキシド、2,4−DPO、並びにUS4139619およびUS4596812に記載されている2,4−ジアミノ−6−ピペリジノピリミジン3−オキシド、すなわち「ミノキシジル(Minoxidil)」がある。
【0066】
これらの化合物は、例えば、組成物の全重量に対して、0.001〜5重量%、さらに好ましくは0.01〜5重量%の比率で、本発明の組成物に存在させる。
【0067】
7.皮膚または表皮の高分子の合成を刺激および/またはそれらの分解を阻止するための薬剤
皮膚の高分子を刺激するための活性剤の中では、
(a)コラーゲン合成に作用する活性剤、例えば、センテラアシアティカ(Centella asiatica)の抽出物;アジアチコシドとその誘導体;アスコルビン酸、すなわちビタミンCとその誘導体;合成ペプチド、例えばラミン、バイオペプチドCLまたはSederma社から市販されているパルミトイルオリゴペプチド;植物から抽出されたペプチド、例えばColetica社からPhytokine(登録商標)の商品名で市販されている大豆加水分解物;植物ホルモン、例えばオーキシンおよびケイ皮酸とその誘導体であって、欧州特許出願公開第0925779号に記載されているもの;
(b)エラスチン合成に作用する活性剤、例えば、LSN社からCytovitin(登録商標)の商品名で市販されているサッカロミセスセレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)の抽出物;およびSECMA社からKelpadelie(登録商標)の商品名で市販されている藻類マクロシスティスピリフェラ(Macrocystis pyrifera)の抽出物;
(c)グリコサミノグリカン合成に作用する活性剤、例えば、Brooks社からBiominyogourth(登録商標)の商品名で市販されているラクトバシラスブルガリス(Lactobacillus vulgaris)を用いた乳発酵産物;Alban Muller社からHSP3(登録商標)の商品名で市販されている褐藻類パディナパボニカ(Padina pavonica)の抽出物;および特にSilab社からFirmalift(登録商標)の商品名で、またはLSN社からCytovitin(登録商標)の商品名で入手できるサッカロマイセスセレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)の抽出物;
(d)フィブロネクチン合成に作用する活性剤、例えば、Seporga社からGP4G(登録商標)の商品名で市販されている動物プランクトン、サリナ(Salina)の抽出物;特にAlban Muller社からDrieline(登録商標)の商品名で入手可能な酵母抽出物;およびSederma社からMatrixil(登録商標)の商品名で市販されているパルミトイルペンタペプチド;
(e)メタロプロテアーゼ(MMP)阻害に作用する活性剤、例えば、特にMMP1、2、3または9:レチノイドとその誘導体、イソフラボノイド、オリゴペプチドおよびリポペプチド、リポアミノ酸、Coletica社からCollalift(登録商標)の商品名で市販されている麦芽抽出物;ブルーベリーまたはローズマリーの抽出物;リコペンを含むカロテノイド;イソフラボン、その誘導体、またはこれらを含む植物抽出物、特に大豆抽出物(例えば、Ichimaru Pharcos社からFlavosterone SB(登録商標)の商品名で市販されているもの)、レッドクローバー抽出物、アマ抽出物、カッコン(kakkon)抽出物、セージ抽出物(仏国特許出願00/10203に記載)を挙げることができる;
(f)白血球エラスターゼまたはカテプシンGのようなセリンプロテアーゼの阻害に作用する活性剤。LSN社からParelastyl(登録商標)の商品名で市販されているレグミノサ(Leguminosa)の種子(Pisum sativum)のペプチド抽出物;およびヘパリノイドおよびシュードジペプチドを挙げることができる。
【0068】
フィラグリンおよびケラチンのような表皮の高分子を刺激する活性剤の中では、特に、Silab社からStructurine(登録商標)の商品名で市販されているルピナスの抽出物;Gattefosse社からGatuline(登録商標)の商品名で市販されているブナ、ファガスシルバチカ(Fagus sylvatica)の芽の抽出物;およびSeporga社からGP4G(登録商標)の商品名で市販されている動物性プランクトン、サリナ(salina)の抽出物を挙げることができる。
【0069】
上記化合物の1つまたは複数を含む本発明の組成物は、皮膚老化の徴候、特に皮膚の張りおよび/または弾性の喪失を予防または治療することに特に適している。
【0070】
8.繊維芽細胞およびケラチノサイトの増殖および/またはケラチノサイトの分化を刺激するための薬剤
本発明の組成物に用いることができる繊維芽細胞の増殖を刺激する薬剤の例としては、植物性タンパクまたはポリペプチド、抽出物、特に大豆抽出物(例えば、LSN社からEleseryl SH-VEG8(登録商標)の商品名で、またはSilab社からRaffermine(登録商標)の商品名で市販されている大豆抽出物);および植物ホルモン、例えばジベレリンおよびサイトカイニンを挙げることができる。
【0071】
本発明の組成物に用いることができるケラチノサイト増殖を刺激する薬剤は、特に、レチノイド、例えばレチニルパルミテートを含むレチノールとそのエステル;Gattefosse社から市販されているナッツケーキ(nut cakes)の抽出物;およびSederma社から市販されているソラナムツベロサム(Solanum tuberosum)の抽出物を含む。
【0072】
ケラチノサイトの分化を刺激する薬剤は、例えば、カルシウムのようなミネラル;Silab社からPhotopreventine(登録商標)の商品名で市販されているルピナスの抽出物;Seporga社からPhytocohesine(登録商標)の商品名で市販されているβ−シトステリル硫酸ナトリウム;およびSolabia社からPhytovityl(登録商標)の商品名で市販されているトウモロコシ抽出物を含む。
【0073】
これらの化合物を含む本発明の組成物は、好ましくは皮膚老化の徴候を予防または治療するために使用される。
【0074】
9.筋弛緩剤
本発明の組成物に含むことができる筋弛緩剤は、カルシウム阻害剤、例えばアルベリンとその塩、塩素チャネル開放剤、例えばジアゼパム、およびカテコールアミンおよびアセチルコリン阻害剤、例えばIlipotec社から市販されているヘキサペプチドアルギレリンRを含む。
【0075】
これらの化合物を含む本発明の組成物は、好ましくは、皮膚老化の徴候、特に皺を予防または治療するために使用される。
【0076】
10.抗菌剤
本発明の組成物に用いる抗菌剤の例としては、特に、2,4,4'−トリクロロ−2'−ヒドロキシジフェニルエーテル(またはトリクロサン)、3,4,4'−トリクロロバニリド、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、ヘキサミジンイセチオネート、メトロニダゾールとその塩、ミクロナゾールとその塩、イトラコナゾール、ターコナゾール、エコナゾール、ケトコナゾール、サペルコナゾール、フルコナゾール、クロトリマゾール、ブトコナゾール、オキシコナゾール、スルファコナゾール、スルコナゾール、テルビナフィン、シクロピロックス、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸とその塩、ベンゾイルペルオキシド、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、フィチン酸、N-アセチル-L-システイン酸、リポ酸、アゼライン酸とその塩、アラキドン酸、レゾルシノール、2,4,4'−トリクロロ−2'−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4'−トリクロロカルバナリド、オクトピロックス、オクトキシグリセリン、オクタノイルグリシン、カプリリルグリコール、10−ヒドロキシ−2−デカン酸、WO93/18743に記載されているジクロロフェニルイミダゾールジオキソランとその誘導体、ファルネソール、およびフィトスフィンゴシン、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0077】
好ましい抗菌剤は、トリクロサン、フェノキシエタノール、オクトキシグリセリン、オクタノイルグリシン、10-ヒドロキシ-2-デカン酸、カプリリルグリコール、ファルネソール、およびアゼライン酸である。
【0078】
例として、抗菌剤は、組成物の全重量の0.1から20%、好ましくは0.1から10%を占める量で、本発明の組成物中に調製される。
【0079】
11.テンショニング剤
「テンショニング剤」との用語は、皮膚に張りを発揮させることのできる化合物を意味し、その効果は、皺や小皺のような皮膚表面上の不規則性を一時的に消失させることである。
【0080】
本発明の組成物に用いることができるテンショニング剤の中では、特に、
(1)ポリウレタンラテックスまたはアクリル−シリコーンラテックス、特に、EP1038519に記載されているもの、例えば、プロピルチオ(ポリメチルアクリレート)、プロピルチオ(ポリメチルメタクリレート)またはプロピルチオ(ポリメタクリル酸)グラフト化ポリジメチルシロキサン、またはプロピルチオ(ポリイソブチルメタクリレート)およびプロピルチオ(ポリメタクリル酸)グラフト化ポリジメチルシロキサン。かかるグラフト化シリコーンポリマーは、3M社からVS80、VS70またはLO21の商品名で市販されている。
(2)大豆または小麦植物タンパク、および/または
(3)ナトリウムマグネシウムシリケート〔ラポナイト(Laponites)〕
を挙げることができる。
【0081】
上記テンショニング剤を含む本発明の組成物は、有利に、皮膚老化の徴候、特に皺および小皺を治療するのに十分に適している。
【0082】
12.免疫調整剤
「免疫調整剤」との用語は、ステロイド、コルチノイド、アザチオプリン、メルカプトプリン、メトトレキセート、マイコフェノール酸およびその誘導体、レフルノミドおよびその誘導体、またはシクロホスファミドなどの人体の免疫反応を刺激または抑制することができる化合物を意味する。
【0083】
13.抗汚染剤またはフリーラジカル捕捉剤
「抗汚染剤」との用語は、オゾン、単環式または多環式芳香族化合物、例えばベンゾピレン、および/または重金属、例えばコバルト、水銀、カドミウムおよび/またはニッケルをトラップすることができるあらゆる化合物を意味する。 「フリーラジカル捕捉剤」との用語は、フリーラジカルをトラップすることができるあらゆる化合物を意味する。
【0084】
本発明の組成物に用いることができるオゾントラッッピング剤の例としては、特にビタミンC、アスコルビルグルコシドを含むその誘導体;フェノールおよびポリフェノール、特にタンニン、エラグ酸およびタンニン酸;エピガロカテキンおよびそれを含む天然抽出物;オリーブの木の葉の抽出物;茶、特に緑茶の抽出物;アントシアン;ローズマリーの抽出物;フェノール酸、特にクロロゲン酸;スチルベン、特にレズベラトロール;硫黄含有アミノ酸誘導体、特にS−カルボキシメチルシステイン;エルゴチオネイン;N−アセチル−システイン;キレート剤、例えばN,N'−ビス(3,4,5−トリメトキシベンジル)エチレンジアミンまたはその塩、金属錯体またはエステルの一つ;カロテノイド、例えばクロセチン;および種々の出発物質、例えば、アルギニン、ヒスチジン、リボヌクレアート、マンニトール、アデノシン三リン酸、ピリドキシン、フェニルアラニン、チロシンおよび加水分解されたRNA、特にLaboratoires Serobiologiques社からCPP LS 2633-12F(登録商標)の商品名で市販されているもの、Solabia社からPhytovityl(登録商標)の商品名で市販されているトウモロコシの水溶性画分、カラクサケマン(fumitory)抽出物とレモン抽出との混合物であってInduchem社からUnicotrozon C-49(登録商標)の商品名で市販されているもの、および、ヤクヨウニンジン、リンゴ、桃、小麦および大麦の抽出物の混合物であって、Provital社からPronalen Bioprotect(登録商標)の商品名で市販されているものを挙げることができる。
【0085】
本発明の組成物に用いることができる単環式または多環式芳香族化合物をトラップするための薬剤の例としては、特に、エラグ酸のようなタンニン;インドール誘導体、特に3−インドールカルビノール;茶、特に緑茶の抽出物、ウォーターヒアシンスまたはエイチョリナクラシペス(Eichhornia crassipes)の抽出物;およびSolabia社からPhytovityl(登録商標)の商品名で市販されているトウモロコシの水溶性画分を挙げることができる。
【0086】
最後に、本発明の組成物に用いることができる重金属トラップ剤の例としては、特に、キレート剤、例えばEDTA、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸のペンタナトリウム塩、およびN,N'−ビス(3,4,5−トリメトキシベンジル)エチレンジアミンまたはその塩、金属錯体またはエステルの一つ;フィチン酸;キトサン誘導体;茶、特に緑茶の抽出物;タンニン、特にエラグ酸;硫黄含有アミノ酸、例えばシステイン;ウォーターヒアシンス、エイチョルニアクラシペス(Eichhornia crassipes)の抽出物;およびSolabia社からPhytovityl(登録商標)の商品名で市販されているトウモロコシの水溶性画分を挙げることができる。
【0087】
本発明の組成物に用いることができるフリーラジカル捕捉剤は、上記の一部の抗汚染剤以外に、ビタミンEとその誘導体、例えばトコフェリルアセテート;バイオフラボノイド;コエンザイムQ10またはユビキノン;一部の酵素、例えばカタラーゼ、スーパーオキシドジスムターゼ、ラクトペルオキシダーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼおよびキノンレダクターゼ;グルタチオン;ベンジリデンショウノウ;ベンジルシクラノン;置換されたナフタレノン;ピドレート;フィタントリオール;ガンマ−オリザノール;リグナン;およびメラトニンを含む。
【0088】
上記抗汚染剤および/またはフリーラジカル捕捉剤を含む本発明の組成物は、有利に、皮膚老化の徴候、特に皺、および皮膚の張りおよび弾力の喪失、および乾燥を予防または治療するのに十分に適している。変形として、この組成物はくすんだ肌色を予防または治療するために有用である。
【0089】
14.UVAおよび/またはUVBスクリーニング剤および所望により被覆された無機顔料
本発明の組成物は、UVAおよび/またはUVB放射を遮蔽することができる1または複数のUVスクリーニング剤を含むことができる。
【0090】
UVA放射を遮蔽することができる化合物の例としては、特に、
(a)ベンゾフェノン誘導体、例えば:
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン−1);
2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン−2);
BASF社からUvinul M40の商品名で入手できる2−ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン−3);
BASF社からUvinul MS40の商品名で入手できる2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸(ベンゾフェノン−4)およびそのスルホネート形態(ベンゾフェノン−5);
2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン−6);
5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン−7);
2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン−8);
2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン−5,5'−ジスルホン酸の二ナトリウム塩(ベンゾフェノン−9);
2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4'−メチルベンゾフェノン(ベンゾフェノン−10);
ベンゾフェノン−11;
2−ヒドロキシ−4−(オクチルオキシ)ベンゾフェノン(ベンゾフェノン−12);
ベンゾフェノン−3および5が好ましい;
(b)トリアジン誘導体、特にCiba Geigy社からTinosorb Sの商品名で入手できる2,4-ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5-トリアジン、およびCiba Geigy社からTinosorb Mの商品名で入手できる2,2'−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール];
(c)所望により部分的または全体的に中和された形態のベンゼン−1,4−ビス(3−メチリデン−10−ショウノウスルホン酸)、および
(d)これらの混合物
を挙げることができる。
【0091】
UVB放射を遮蔽することができる化合物の例としては、
(a)サリチル酸誘導体、特にホモメンチルサリチレートおよびオクチルサリチレート;
(b)ケイ皮酸誘導体、特にGivaudan社からParsol MCXの商品名で入手できる2−エチルヘキシルp-メトキシシンナメート;
(c)液状β,β'−ジフェニルアクリレート誘導体、特にBASF社からUvinul N539の商品名で入手できる2−エチルヘキシルα−シアノ−α,β'−ジフェニルアクリレートまたはオクトクリレン;
(d)p−アミノ安息香酸誘導体;
(e)Merck社からEusolex 6300の商品名で入手できる4−メチルベンジリデンショウノウ;
(f)Merck社からEusolex 232の商品名で市販されている2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸;
(g)特に1,3,5−トリアジン誘導体、および:
BASF社からUvinul T150の商品名で入手できる2,4,6−トリス[p−(2'−エチルヘキシル−1'−オキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン
が挙げられる。
【0092】
UVAおよびUVB放射を遮蔽することができる化合物の例としては、特に、植物抽出物、特にローズマリーの抽出物(ローズマリン酸)およびレオントポディウム(Leontopodium)属、特にレオントポディウムアルピナム(Leontopodium alpinum)またはレオントポディウムストラチェイ(Leontopodium stracheyi)の植物中のもの、およびベンゾトリアゾールシリコーン、FR−A−2,642,968に記載されるものがある。
【0093】
所望により被覆された無機顔料の例としては、アルミナおよび/またはステアリン酸アルミニウムで所望により被覆された二酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウムまたは酸化セレンのナノピグメントが挙げられる。
【0094】
15.刺激を低減するための神経原性化合物
刺激を低減するための神経原性化合物としては、
(a)サブスタンスPアンタゴニスト、特にEP0680749に記載のもの、少なくとも1つの非光合成線維状細菌、特にEP0761204に記載されているビトレオシラフリフォルミス(Vitreoscilla filiformis)株の抽出物、EP0764440に記載されている湧泉、少なくとも1つのローザセア(Rosacea)科の植物、特に欧州特許出願公開第0906752号公報に記載されているローザガリカ(Rosa gallica)種の抽出物、および欧州特許出願公開第0737471号および第0770302号公報に記載されているアルカリ土類金属;
(b)CGRPアンタゴニスト、特にEP075668に記載されているもの、特にイリダセア(Iridacea)抽出物、特にイリスパリダ(Iris pallida)種の抽出物;
(c)NO−シンターゼ阻害剤;
(d)ブラジキニンアンタゴニスト、特に欧州特許出願公開第0909556号公報に記載されているもの;
(e)サイトカインアンタゴニスト;
(f)ヒスタミンアンタゴニスト;
(g)インターロイキン1および/またはα型の腫瘍壊死因子(TNFα)のアンタゴニスト、特に欧州特許出願公開第0892642号および0764444号公報に記載されているもの、特にペプチドモジュレン、トリペプチドリジン-プロリン-バリン(KPV)、およびラビアエ(Labiae)科の少なくとも一つの植物、特にローズマリナスオフィシナリス(Rosmarinus officinalis)種の抽出物;
(h)好ましくは、アミロライド、キニジン、キニジンサルフェート、アパミン、シプロヘプタジン、ロペラミド、およびN−アセチルプロカイナミドから選択されるナトリウムチャネルブロッカー;
(i)カリウムチャネル開放剤、特にミノキシジルおよびその誘導体;
を挙げることができる。
【0095】
本組成物はまた、活性成分を適当に希釈して皮膚へ運ぶことができる媒体(vehicle)を含むべきである。本組成物は液体、懸濁液、乳濁液、ローションまたはクリームの形態である。
【0096】
本発明の組成物中の活性成分のための媒体(vehicle)の選択は、組成物の必要な製品形態に依存する広範囲な可能性を示す。公的な媒体(vehicle)は以下に記載するように分類され得る。
【0097】
媒体(vehicle)は活性成分のための希釈剤、分散剤、または溶媒として作用する物質およびそれゆえ、適当な濃度で皮膚上に均等に適用および分配されうる物質であると説明されるべきである。媒体は好ましくは皮膚中へ活性成分の透過を助けることができるものであり、活性成分の効果が改良された特性ゆえに延長されることを確実にする。本発明の組成物は水、および/または少なくとも1つの化粧品として許容される水以外の媒体(vehicle)を含むことができる。
【0098】
本発明の組成物に使用され得る水以外の媒体(vehicle)は、緩和剤、噴霧剤、溶媒、湿潤剤、濃化剤および粉末などの固体または液体を含むことができる。これらのタイプの媒体(vehicle)のそれぞれの例としては、単独であるいは1つまたは複数の担体(carrier)の混合物として使用され、以下のものがある。
【0099】
緩和剤、例えばステアリルアルコール、グリセリルモノリチノレアート、グリセリルモノステアレート、プロパン−1,2−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、ミンクオイル、セチルアルコール、イソプロピルイソステアレート、ステアリン酸、イソブチルパルミテート、イソセチルステアレート、オレイルアルコール、イソプロピルラウレート、ヘキシルラウレート、デシルオレエート、オクタデカン−2−オル、イソセチルアルコール、セチルパルミテート、ジメチルポリシロキサン、ジ−n−ブチルセバケート、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルステアレート、ブチルステアレート、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、ラノリン、ヒマシ油、アセチル化ラノリンアルコール、石油、鉱物油、ブチルミリステート、イソステアリン酸、パルミチン酸、イソプロピルリノレート、ラウリルラクテート、ミリスチルラクテート、デシルオレエート、ミリスチル、ミリステート;
【0100】
噴霧剤、例えばトリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、モノクロロジグルオロメタン、トリクロロトリフルオエタン、プロパン、ブタン、イソブタン、ジメチルエーテル、二酸化酸素、亜酸化窒素;
【0101】
溶媒、例えばエチルアルコール、塩化メチレン、イソプロパノール、ヒマシ油、エチレングリコール、モノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチルスルフォキシド、テトラヒドロフラン;
【0102】
湿潤剤、例えばグリセリン、ソルビトール、2−ピロリドン−5−カルボン酸ナトリウム、可溶性コラーゲン、ジブチルフタレート、ゼラチン;および
【0103】
粉末、例えば胡粉、タルク、漂布土、カオリン、デンプン、ゴム、コロイド状二酸化ケイ素、ポリアクリル酸ナトリウム、テトラアルキルおよび/またはトリアルキルアリールアンモニウムスメクタイト、化学的変性マグネシウムアルミニウムシリケート、有機変性モントモリロナイトクレー、含水アルミニウムシリケート、煙霧質シリカ、カルボキシビニルポリマー、ナトリムカルボキシメチルセルロース、エチレングリコールモノステアレート。
【0104】
もし存在するなら水を含めて、組成物中の媒体(vehicle)量は、好ましくは皮膚へ利点を与えるために十分に有効である量でもって、皮膚へ活性成分の少なくとも一部を運ぶのに十分であるべきである。媒体(vehicle)の量は組成物の大部分を占め、特に組成物中に他の成分がわずかに存在するか、あるいは全く存在しない。
【0105】
本組成物はしたがって、15〜99.989重量%、好ましくは50〜99.5重量%の媒体(vehicle 又は vehicles)を含むであろう。
【0106】
本発明の組成物は意図される製品の形態に応じて、上記したもの以下の成分を含むことができる。例えば、防腐剤、保存剤、抗酸化剤、乳化剤、着色剤および洗浄剤を含むことが可能である。これのうちのいくつかは上記詳述した。
【0107】
本発明の組成物はまた、広範囲の化粧品または医薬活性成分、特に皮膚へ適用したときある有効な効果を示す成分のための媒体(vehicle)としても使用され得る。
【0108】
すなわち、本組成物はそのような活性成分が適当な濃度でもって皮膚表面で希釈、分散、輸送、および分配されうる手段を提供する。
【0109】
本発明はまた、本発明の組成物を含む容器を含む、スキンケアまたは治療のためのキットも提供する。所望により、さらに本発明の組成物に使用する方法の指示書を含む。
【0110】
本発明の組成物はまた、顔用または人体用マスク中に包埋される。このマスクは皮膚上で特別な作用を発揮することを助ける本発明の組成物を含有する支持シートを含む。支持シートはマスクが治療される顔の形状にフィットするか、または人体の部分の形状にフィットして適用されるために、乾燥状態または湿潤状態であり、好ましくは湿潤状態で少なくとも伸縮性である。支持シートは紙、織物、布またはポリマー材料で作られていてもよい。
【0111】
本発明はまた、上記した活性成分を適当な媒体(vehicle)と混合して0.001%〜0.5%の濃度とすることを含む、皮膚へ局所適用するための化粧品用組成物の調製方法も提供する。
【0112】
本発明の組成物はロール・ボールアプリケーターなどのアプリケーターと一緒に使用する、例えば、ローションまたは乳液などの液体として、あるいは噴霧剤を含むエアロゾルなどの噴霧器、または液体製品を分配するポンプを備えた容器として調製され得る。または、本発明の組成物は固体または半固体、例えばスティック、クリームまたはゲルであり、適当なアプリケーターまたは単にチューブ、ボトル、または蓋付ビンとともに使用するか、あるいはティッシューワイプなどの液体浸漬布として使用する。
【0113】
好ましくは、本組成物は水溶性乳濁液であり、これは油中水乳濁液であるか、あるいは水中油乳濁液である。特に重要な組成物または本発明は乳濁液の水溶性相が担体として作用する水溶性脂肪乳濁液である。
【0114】
局所適用医薬組成物は、必須脂肪酸の存在に依存して、特に皮膚状態において重要である。このような組成物は液状または可塑性である。液体組成物は別な担体油の有無にかかわらず、本発明の組成物を含む油;遊離または誘導体形態の本発明のエステルの生理学的に許容される溶媒中に溶液などのローション、例えばエステルの水溶液または水溶性乳濁液;および適当な担体(carrier)、例えば軟膏基材中の遊離または誘導体形態のエステルの可塑性分散液などのクリームおよび軟膏が挙げられる。このような組成物は洗浄剤との接触により生じる皮膚損傷の予防および治癒、および風化、日焼け、他のタイプの火傷による環境的外傷の治療および皮膚上の細菌作用の低下において有用である。
【0115】
本発明はしたがって、ここで定義された化粧品用組成物を含む閉鎖型容器も提供する。
【0116】
本発明の組成物は、特に皮膚表面が過剰に乾燥、ひび割れ、侵食、または他の損傷を受けたヒトの皮膚への局所適用が特に意図される。
【0117】
したがって、本発明はまた過剰な乾燥、ひび割れ、侵食、または他の損傷の皮膚および他の皮膚障害を受けた、あるいは受けやすいヒト被検者への本発明の組成物の局所適用方法も含む。用量割合は治療される状態ならびに適用経路に依存するであろう。局所皮膚症状は1つまたは複数の組成物の適用を必要とする。
【0118】
本発明はまた、皮膚障害の局所治療における、上記した活性成分の使用も提供する。
【0119】
皮膚バリア機能の促進または回復における本発明の組成物の有効性は、実験動物モデルを使用して評価されるか、あるいはヒト被検者で試験される。
【0120】
本発明で使用可能であるモデル実験動物は、ヒト以外の種々の試験における実験動物として通常、使用されるものである。いかなる動物も本発明の目的にそっている限り使用してもよいが、通常、ラット、モルモット、ウサギなどが使用される。
【0121】
動物に皮膚バリア機能を低下するための手段を受けさせる。その手段は皮膚バリア機能を有効に低下させることができるいかなる方法であってもよい。その手段の形式は問わない。この低下を引き起こすために、表皮の角質層をテープストリッピングで除去するか、あるいは界面活性剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS))またはアセトンなどの有機溶媒で処理して角質層を除去することが簡便である。ラットの場合、処理時間が例えば、ストレスの適用終了から約12時間後が、実験動物へ十分な状態のストレスを確実にするうえで好ましい。
【0122】
上記方法により皮膚バリアが低下した局所で皮膚バリア機能が回復する程度は、時間が終了してから、あるいは予定された時間の間隔後に検出される。低下が生じた局所は皮膚バリア機能の回復の程度の検出が可能であるかぎり、実験動物のどの局所であってもよいが、通常、外耳、すなわち耳から突出した部分を選択することが好ましい。
【0123】
検出方法は一般的には皮膚バリア機能の指標と考えられる経表皮水分喪失または経皮不感蒸泄(TEWL)を測定するが、指標として役立つことができる他の指標も同様に使用することが可能である。TEWLは一般的な使用において市販される装置そのものでもって測定される。典型的な装置として、密閉式水分蒸発量測定器(Evaporimeter)、水分蒸散量測定器(Tewameter)、微量水分測定計(Micromoisture measurer)などがある。
【0124】
例えば、皮膚バリア機能の促進または回復における発明の組成物の効果は、経表皮水分喪失測定機器、例えば、TewameterTM−210(Courage+Khazaka electronic, Cologne, Germany)を使用してヒト被検者で試験することができる。例えば、定温(21℃)、湿度30〜50%の下に空調室で測定開始前に測定部位を包囲しないままの皮膚で、ヒト被検者を15〜30(分)間、ゆっくりくつろがせた。機器はスイッチを入れてから15分間、ウォームアップさせた。校正をチェックし、続いての測定全てにおいて基線を1度だけゼロ点に設定する。測定プローブを値の安定が得られるまで、すなわちプローブを配置して約60秒後まで、水平面の皮膚に垂直に置いた。手でもって連続して保持するか、あるいはプローブへの熱伝導は避ける。皮膚上でのプローブの接触圧は低く一定に保つ。
【0125】
皮膚バリア機能における本発明の組成物の効果を試験するために、実験動物またはヒトボランティアが用いられる。例えば、ヒトボランティアでは、手の前腕でいくつかの部位を確認する。試験される組成物と偽薬をこれらの部位にランダムに適用する。一定時間点(環境および被検者の状態によって異なる)で経表皮水分喪失の測定を行う。データを表にして統計的に分析する。
【0126】
所望により、皮膚バリア機能の促進と回復における本発明の組成物の効果は、皮膚表面水和測定のための機器、例えば、CorneometerCM825(Courage+Khazaka electronic, Cologne, Germany)を使用して、ヒト被検者において試験することができる。例えば、定温(21℃)、湿度30〜50%の下に空調室で測定開始前に15〜30(分)間、測定部位を包囲しないままの皮膚で、ヒト被検者をゆっくりくつろがせた。機器はスイッチを入れてから5分間、ウォームアップさせた。プローブを70%エタノールに浸漬したティッシュペーパーできれいに拭き、乾燥したきれいな表面(テーブルまたはベンチトップ)に対してゼロ点とし、機器の統合性を確立する(読みを5以下とすべきである)。読み3を得るために、測定を皮膚部位内で行い、続いて平均化した。プローブは手のみで支え、徐々に皮膚の表面に垂直に置き、プローブの外側チャンバーが皮膚に接触するまで押圧する。過剰な圧力を避けて、同じ圧力を全ての測定において及ぼす。測定が完了する際、機器は深い音(deep sound)を発する。続いての各測定前に、プローブの表面は70%エタノールに浸漬したティッシュペーパーで拭き、プローブを乾燥表面に対して再度、ゼロ点とする。例えば、各ボランティアでは、手の前腕でいくつかの部位を確認する。試験される製剤と偽薬をこれらの部位にランダムに適用する。一定時間点(環境および被検者の状態によって異なる)で皮膚表面水和の測定を行う。データを表にして統計的に分析する。
【0127】
本発明はまた、哺乳動物の望ましくないまたは病理学的皮膚状態を治療する方法も提供する。この方法は、哺乳動物の皮膚へ、生理学的に許容される媒体中に組成物の全重量に対して0.01〜8w/w%の2価カルシウムイオンおよび/または2価マグネシウムイオンを含む組成物を所望の美容/治療反応を引き出すために必要な時間、局所的に適用することを含む。望ましくない皮膚状態の例としては、皮膚老化の有害な徴候、鈍い顔色、皮膚または毛髪の染色障害、皮膚乾燥、高脂漏、高脂漏関連不完全、鋭敏な皮膚、ふけ、自然な脱毛、および禿頭が挙げられるが、これらに限定されない。病理学的皮膚状態の例としては、角化障害(分化−増殖)、尋常性座瘡、黒頭病または多形、老人性座瘡、日光および薬品または職業性座瘡、酒さ、広範囲および/または重度乾癬などの炎症および/または免疫アレルギー、および魚鱗(ichthyoses)および魚鱗癬様状態(ichthyosiform-like states)、ダリエ症、掌蹠角化症、白斑症(leucoplasies)、白斑症様状態、扁平苔癬(lichen planus)、良性および悪性皮膚科学的増殖の全て、広範囲および重度リウマチ様乾癬、そう痒、紅斑(erythemas)、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、接触湿疹、扁平苔癬(lichen planus)、痒疹、蕁麻疹、そう痒性毒性皮(toxidermia)、および過角化症などの他の角化障害に関連する皮膚科学的疾患が挙げられるが、これらに限定されない。
【0128】
上記した引用はそれぞれ、公表された文献、特許、特許出願またはその他に係わらず、参考として本明細書中に導入する。
【0129】
本発明およびその利点をさらに説明するために、下記実施例を示すが、これは説明だけであって、なんら限定されるものではないと理解される。
【0130】
下記実施例では、全ての部と%は、重量部と重量%である。
【実施例】
【0131】
実施例1:トナー溶液
本実施例は水溶液であって、皮膚のトナーとして使用される本発明の組成物の一実施態様を説明する。溶液の成分は以下の通りである。
塩化ナトリウム 2.13%
塩化カリウム 0.48%
臭化カリウム 0.54%
塩化マグネシウム 2.02%
塩化カルシウム 2.06%
グリセリン 1.02%
水 91.54%
保存剤 0.21%
【0132】
この溶液は組成物中にカルシウムイオンを他の塩とともに組み合わせて含み、皮膚の主要なイオン成分の恒常性(homeostatis)を回復する。1価イオン:NaCl、KCl、KBrからのカリウムおよびナトリウムの割合は、MgClおよびCaClからの2価イオンと均衡を保たせる。この混合物は「塩析」現象を引き起こさないように注意して調製した。ここでは、水溶解性が低い塩が水溶解性の高い塩の添加後に強いて結晶化された。グリセリンは溶液の粘度を維持するために使用された。
【0133】
簡単には、この実施例の溶液は下記手法に従って調製した。塩化ナトリウム、塩化カリウムおよび臭化カリウムを攪拌しながら、純水中へ完全に溶解させた。その後、塩化マグネシウムおよび塩化カルシウムを、それぞれが全部溶解するまで攪拌しながら、逐次、添加した。次いで、グリセリンおよび保存剤を添加した。充填する前に、この溶液を0.2μmフィルターを通過させ、不溶性粒子または他の不純物を取り除いた。
【0134】
実施例2:スキンケアクリーム
本実施例は水油乳濁液であって、スキンケアクリームとして使用される本発明の組成物の実施態様を説明する。乳濁液の成分(クリーム処方Iとして示される)は以下の通りである。
ペンタエリスリチルテトラカプリレート/テトラカプレート 5.2%
乳化ワックス 3.9%
ベヘントリモニウムメトサルフェート(および)セテアリルアルコール 3.15%
鉱物油 0.88%
大豆油 1.06%
ラノリンアルコール 0.51%
水 81.72%
塩化カルシウム 0.22%
グリセリン 1.9%
小麦アミノ酸 0.53%
保存剤 0.93%
芳香剤 q.s.
【0135】
この実施態様の変化したものとして、塩化カルシウム濃度を減少さ、マグネシウムなどの他の2価カチオンならびにナトリウムおよびカリウムなどの1価カチオンを添加することを除いて、水−油乳濁液を上記成分でもって調製した。この乳濁液の成分(クリーム処方IIとして示す)は以下の通りである。
ペンタエリスリチルテトラカプリレート/テトラカプレート 5.2%
乳化ワックス 5.89%
ベヘントリモニウムメトサルフェート(および)セテアリルアルコール 3.15%
鉱物油 0.88%
大豆油 1.06%
ラノリンアルコール 0.51%
水 79.58%
塩化カルシウム 0.104%
塩化マグネシウム 0.102%
塩化ナトリウム 0.108%
塩化カリウム 0.027%
臭化カリウム 0.029%
グリセリン 1.9%
小麦アミノ酸 0.53%
保存剤 0.93%
芳香剤 q.s.
【0136】
本発明のこの実施態様では、水−油乳濁液はカルシウムイオン(所望により、マグネシウムなどの他の2価カチオンならびにナトリウムおよびカリウムなどの1価カチオンと均衡を保たれる)、天然アミノ酸および必須脂質成分を提供する。カルシウムイオンを天然アミノ酸および/または必須皮膚脂質成分と組み合わせて、外来性カルシウムによって引き起こされる、望まない作用または副作用が避けられると考えられる。これは、特に、皮膚が既に損傷を受けているか、あるいは病理学的状態にあるとき、皮膚へカルシウムのみを適用することは、皮膚に皮膚バリアを形成するために皮膚からの低品質の代替物を強いて使用するからである。すなわち、クリームは皮膚バリアの構築および回復のために必要な「基礎的要素」でもって皮膚を補うことができる。
【0137】
クリームでは、ラノリンアルコールはコレステロールを含み、大豆油は皮膚にとって必須である脂肪酸と短鎖脂質を提供する。小麦アミノ酸は皮膚を自然に潤すために必要である材料を供給する。グリセリン−水中の塩化カルシウムの混合物は、好ましくは指定される温度で脂質混合物へゆっくりと添加し、カルシウムイオンとの錯体を形成することにより低分子量脂質の突然の沈殿を避ける。使用される界面活性剤は皮膚の標的部位へ必須成分を輸送するある輸送能力を有する。
【0138】
簡単には、この実施例のクリームは以下の手法により調製した。ペンタエリスリチルテトラカプリレート/テトラカプレート、乳化ワックス、ベヘントリモニウムメトサルフェートおよびセテアリルアルコール、鉱物油、大豆油およびラノリンアルコールを製造容器に加え、そして容器を攪拌し、75℃まで加熱した。塩化カルシウムを水中へ溶解し、次いでグリセリンを添加した。水溶液を75℃まで加熱し、急速に攪拌しながら、製造容器中へ添加し、単相乳濁液とした。この容器を40℃まで冷却した。所望温度に達したとき、小麦アミノ酸、保存剤および芳香剤を添加し、容器で十分に混合した。
【0139】
実施例3:スキンケアゲル
この実施例はシリコーン系ゲルであって、スキンケアゲルに使用される本発明の一実施態様を説明する。
シクロペンタシロキサン(および)ジメチコンクロスポリマー
(および)シクロヘキサシロキサン 70.44%
シクロメチコン 19.52%
プロピレングリコール 3.64%
可溶性コラーゲン 0.49%
加水分解絹タンパク 0.72%
トコフェリルアセテート 0.45%
グリセリン 2.98%
マリンコラーゲンアミノ酸 0.53%
塩化カルシウム 0.21%
保存剤 1.02%
【0140】
この処方はカルシウムイオンをコラーゲン生成と抗老化特性を増進するためにアミノ酸とカルシウムイオンを組み合わせる。外来性カルシウムのみを添加することは皮膚でコラーゲン生成を促進するには十分ではないと考えられる。ゲル中の可溶性コラーゲンはこのような必須皮膚成分の直接供給を行うことを意図するが、コラーゲンアミノ酸はコラーゲンとエラスチンの合成のための基礎的要素を供給する。この処方では、中程度の量の水は有害ではないけれども、水を添加しないことが好ましい。
【0141】
簡単には、この実施例のゲルは下記手法により調製した。シクロペンタシロキサン、ジメチコンクロスポリマー、シクロヘキサシロキサン(例えば、シリコン・エラストマー・ブレンド)をシクロメチコンへ添加し、製造容器中で攪拌した。プロピレングリコール、可溶性コラーゲン、加水分解絹タンパク、トコフェリルアセテート、グリセリン、マリンコラーゲンアミノ酸、塩化カルシウムおよび保存剤を別個の容器中で混合し、次いで連続的に穏やかに攪拌しながら製造容器へ添加した。通気しすぎないように攪拌には注意した。
【0142】
実施例4:スキンクレンジングローション
この実施例は、スキンクレンザーとして使用される本発明の組成物の一実施態様を記載する。スキンクレンジングローションの成分は、以下の通りである。
水 69.95%
デシルオレエート 2.28%
ラウリル硫酸ナトリウム 4.96%
ステアリン酸 3.18%
ラルリルアミドDEA 1.25%
グリセリルステアレートS.E. 2.47%
セチルアルコール 1.98%
プロピレングリコール 2.37%
トリエタノールアミン 0.24%
ホスホリピド 0.82%
1,3−ブチレングリコール 0.69%
コレステロール 0.36%
トコフェリルアセテート 0.21%
チアミンモノナイトレート 0.09%
ニアシン 0.11%
D−パントテン酸カルシウム 0.12%
ピリドキシン 0.04%
アスコルビン酸 0.12%
レチニルパルミテート 0.05%
コレカルシフェロール 0.06%
フィトナジオン 0.09%
ポリソルベート−80 8.11%
ジアゾリジニルウレア 0.29%
メチルパラベン 0.11%
プロピルパラベン 0.05%
【0143】
本発明者らは、過剰な溶解強度を有するスキンクレンザーの使用は、皮膚からカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムおよび他の多くのイオンを含む水溶性成分を抽出できると考える。重要な金属のこのような抽出を阻止するために、本発明のクレンザーが提供される。皮膚へ適用し洗い流したとき、これはクレンジング後に皮膚表面上に薄い脂肪層を残す。このような層はデシルオレエート、ラウリルアミドDEAおよびグリセリルステアレートS.E.などのクレンザー中の脂肪性フィルム形成成分を導入することによって形成される。
【0144】
実施例5:表皮におけるカルシウムイオン分布の変化を評価するインビトロ研究
この実施例は実施例1に記載されるトナー処方と実施例2のクリーム処方IIの適用前後の表皮におけるカルシウムイオン分布の変化を評価するために実施したインビトロ研究を記載する。
【0145】
1)材料と方法
標準品:温蒸留水中に5%グリセリンとともに溶解した塩化カルシウムの20%(w/w)ゼラチン溶液。標準品は(フレオン中)約−190℃で急速凍結し、厚さ12〜16μmに(−20℃で)凍結切片化して、次いで凍結乾燥した。
【0146】
試料:新鮮なヒト腹部皮膚膜を外科手術により得た。脂肪を除去した後、皮膚膜を10%水溶性ラウリル硫酸ナトリウム溶液を使用して、25℃で3時間、洗浄し、金属を剥奪した。空中で乾燥した後、皮膚を数片に切断した。いくつかの小片を未処理のままにした。残りの小片の表皮表面に実施例1で記載したトナー処方および実施例2のクリーム処方IIを続いて適用して、30分間処理した。次いで、表面をティッシュペーパーで乾燥して余剰物質を除去した。全ての試料(処理および未処理)を(フレオン中)約−190℃で急速冷凍し、厚さ15〜20μmに(−20℃で)凍結切片化し、次いで、それらを凍結乾燥した。
【0147】
分析:陽子励起X線分析(PIXE)法を使用して実施した。試料を2つの支持フォイルの間に取り付けた。静電気加速機(Pelletron3UDH)から得た2.5MeVの陽子をコリメートし、四重極電磁石でもって集中させて、5〜10×100μmの試料に矩形ビームを形成した。陽子電流密度は1.2pA/μm2であった。各分析において蓄積された全電荷は0.1μCおよびX線はKevex Si(Li)検出器(80mm、60mmまで内部コリメートされた。FWHM=5.9keVで160eV、)で検出した。
【0148】
2)結果
各皮膚セクションのカルシウム濃度を評価した。図1に示すように、未処理皮膚セクション(「処理前」)は低カルシウム濃度を示した。処理セクション(「処理後」)は上層(皮膚表面に近い)でより高く、深部表皮でより低いカルシウムイオンの濃度勾配を示した。このカルシウム濃度勾配パターンは正常な皮膚で、文献中に報告されたパターンに類似している。Malmqvistら、(1987)「ヒト皮膚表皮の病理学の実験研究におけるPIXEの使用」、Biol. Trace Elem. Res.12:297-308;およびPallonら、(1996)「乾癬およびアトピー性乾燥皮膚に特別に関与する病理学的皮膚のPIXE分析」、Cell Mol Biol (Noisy-le-grand) 42(1):111-8参照。
【0149】
3)結論
このインビトロ研究は、本発明のトナーおよびクリームが皮膚へカルシウムイオンを運び、正常皮膚で見られるパターンへの金属剥奪皮膚膜のカルシウム濃度勾配の回復を達成することを示した。
【0150】
実施例6:皮膚バリア機能の回復における本発明のトナーおよびクリームの効果を評価するインビボ研究
本実施例は、経表皮水分喪失(TEWL)測定を使用する皮膚バリア機能の回復における、実施例1に記載されるトナー処方および実施例2のクリーム処方IIの効果を評価するために実施されたインビボ研究を記載する。
【0151】
1)材料と方法
正常な皮膚を有する年齢が25〜45歳の5名のヒト被検者が研究に参加した。TEWL測定をTewemeterTM−210(Courage+Khazaka, Germany)を使用し、各被検者の同じ腕の2つ前腕部位において測定した。環境順化期間後、基線値を評価するためにTEWL測定を実施した。この部位はスコッチテープ(Sctoth tape)を使用して15回、剥ぎ取って意図的に傷つけたが完全に表皮を除去しなかった。1つの部位を未処置のまま残してガーゼで覆った。他の部位を実施例1に記載される皮膚トナーおよび実施例2のクリーム処方IIを、8時間の間隔をおいて1日に2回、続いて適用して処置した。処置前に1日、1回、その部位のTEWLを測定した。これはテープの剥離後、5日まで繰り返した。
【0152】
2)結果
図2は剥離と処置の後、TEWL基線値/TEWLとして計算した皮膚バリア回復の過程を示した。処置しないと、生きたヒト皮膚は回復する能力を示した。本発明のトナーおよびクリームの処置はストリッピングによる皮膚損傷後、最初の3日間に回復過程を加速した。
【0153】
3)結論
本発明のトナーおよびクリームの適用は適用されない部位に比べてバリア回復を加速することができる。
【0154】
実施例7:乾燥肌の公知状態を示すヒト被検者での本発明のトナーおよびクリームの効果を評価するインビボ研究
本実施例は実施例1に記載されるトナー処方および実施例2のクリーム処方IIの効果を評価するために、乾燥肌の公知状態を示す被検者に実施したインビボ研究について記載する。
【0155】
1)材料と方法
最低でも軽い乾燥肌徴候を下部脚領域に示す30名の被検者、17〜60歳の男女全てがこの研究に参加した。各被検者には実施例1に記載されるトナーおよび実施例2のクリーム処方IIの1セットが与えられ、1日に2回、2週間、その徴候領域に適用した。毎日、自己評価して、クリニカル・リサーチ・フォーム(CRF)によりスケーリングおよび/または紅斑の得点を記録した。2週間、CRFをデータ分析のために被検者から集めた。
【0156】
安全評価:安全性を生きている徴候、適用した皮膚の徴候と症状から評価し、有害事象を報告した。
【0157】
有効性評価:有効性を決定するために、スケーリングの臨床的徴候のなくなる時間をパラメーターとして使用した。
【0158】
1)結果:
スケーリングの基本的得点に基づくと、全ての被検者は得点2以下となり;これは軽く、細かい鱗状スケーリングが優勢となった。平均得点は30名の被検者では1.78であった。中央年齢は32.5歳であった。安全性評価では全ての被検者は研究期間中、副作用がないと報告した。クリニカル・リサーチ・フォームの分析は、以下の表および図3に示されるように、各被検者でスケーリングの臨床的徴候がなくなる時間を示す。90%の被検者は本発明のトナーおよびクリームを使用した11日間の後にスケーリングの臨床的徴候がないと報告した。
【0159】
(表1)
処置日数 被検者数 被検者累積 被検者%
1 0 0 0%
2 0 0 0%
3 1 1 3%
4 2 3 10%
5 1 4 13%
6 1 5 17%
7 4 9 30%
8 6 15 50%
9 4 19 63%
10 5 24 80%
11 3 27 90%
12 2 29 97%
13 0 29 97%
14 1 30 100%
全 30
【0160】
2)結論
本研究は、最低でも軽いケースの乾燥肌の徴候を軽減する本発明のトナーおよびクリームの安全性および有効性を証明した。副作用は報告されなかった。90%の被検者は本製品を使用した11日間の後にスケーリングがきれいになったと報告した。
【図面の簡単な説明】
【0161】
本発明の新規な態様は、添付される特許請求の範囲に詳細に開示される。本発明の態様と利点のより良い理解は、実例となる実施態様を開示する下記詳細な説明を参照して得られ、そこには、本発明の原理が利用され、かつ、添付される図面は以下の通りである。
【0162】
【図1】図1は本発明のトナーおよびクリームの実施態様による処置前後の上部層(Corn1)から深部表皮(Germ)の皮膚切片および真皮のカルシウム濃度を示すプロットである(Corn:角質層、Grant:顆粒層、Spin:有棘層、Germ:基底層)。
【0163】
【図2】図2は本発明のトナーおよびクリームの実施態様を使用する処置または未処置の場合のテープストリッピングによる皮膚損傷の回復進行を示すプロットである。回復率は処置前の毎日のTEWL(表皮通過水分喪失)に対するTEWL基線値に基づいて計算する。
【0164】
【図3】図3はDermesis Productsを使用した日数とスケーリングの臨床的徴候がないことを報告する被検者の累積数を示すプロットである。11日目には90%の被検者が完全なスケーリングのクリアリングを報告した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理学的に許容される媒体中に、組成物の全重量に対して約0.01〜8w/w%の2価カルシウムイオンまたは2価マグネシウムイオンを含むスキンケア用組成物。
【請求項2】
前記組成物は少なくとも80w/w%の水を含む水溶液である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物は少なくとも90w/w%の水を含む水溶液である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物はさらに1価カチオンを含み、1価カチオンに対する2価カルシウムイオンの割合は15:1〜1:20の範囲である、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物はさらに1価カチオンを含み、1価カチオンに対する2価カルシウムイオンの割合は2:1〜1:3の範囲である、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
前記1価カチオンはナトリウムイオンまたはカリウムイオンである、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
前記ナトリウムイオンは、塩化ナトリウムによってもたらされ、カリウムイオンは塩化カリウムまたは臭化カリウムによってもたらされる、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記2価カルシウムイオンまたは2価マグネシウムイオンは塩化カルシウムまたは塩化マグネシウムによってもたらされる、請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物は塩化カルシウムおよび塩化ナトリウムを5:1〜1:10の範囲の重量比で含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物は塩化カルシウムおよび塩化ナトリウムを2:1〜1:3の範囲の重量比で含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物は塩化カルシウムおよび塩化ナトリウムを約1:1の重量比で含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物はさらに塩化カリウムを含み、塩化カリウムに対する塩化カルシウムの重量比は10:1〜1:5の範囲である、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記組成物はさらに塩化カリウムを含み、塩化カリウムに対する塩化カルシウムの重量比は約4:1である、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物はさらに塩化マグネシウムを含み、塩化マグネシウムに対する塩化カルシウムの重量比は約2:1〜約1:3の範囲である、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物はさらに塩化マグネシウムを含み、塩化マグネシウムに対する塩化カルシウムの重量比は約1:1である、請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物はさらに臭化カリウムを含み、臭化カリウムに対する塩化カルシウムの重量比は10:1〜1:5の範囲である、請求項14に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物はさらに臭化カリウムを含み、臭化カリウムに対する塩化カルシウムの重量比は約4:1である、請求項14に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物は乳濁液の形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物はさらに組成物の全重量に対して2%〜30%の乳化用界面活性剤を含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記乳化用界面活性剤は脂肪酸、脂肪アルコール、ポリエトキシル化ステアリルまたはセチルステアリルアルコール、蔗糖の脂肪酸エステル、アルキルグルコースエステル、およびこれらの混合物からなる群から選択される非イオン性界面活性剤である、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記乳化用界面活性剤はアミン、水溶性アンモニアまたはアルカリ塩で中和されたC16〜C30脂肪酸およびこれらの混合物からなる群から選択される陰イオン性界面活性剤である、請求項19に記載の組成物。
【請求項22】
2価カルシウムイオンの量は約0.01〜8%である、請求項18に記載の組成物。
【請求項23】
2価カルシウムイオンの量は約0.1〜0.3%である、請求項18に記載の組成物。
【請求項24】
さらに、ステロール化合物を含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項25】
前記ステロール化合物はコレステロールまたは植物ステロールである、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
さらに、組成物の全重量に対して0.002〜6w/w%の量のアミノ酸を含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項27】
さらに、組成物の全重量に対して0.01〜10%の量の可溶性コラーゲンを含む、請求項18に記載の組成物。
【請求項28】
前記組成物はローション、ゲル、油中水乳濁液、水中油乳濁液、三重乳濁液、ナノカプセル、リポソーム、ナノエマルジョン、またはオレオソームの形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項29】
前記組成物は貯蔵安定性である、請求項1に記載の組成物。
【請求項30】
前記組成物はケアクリーム、乳液、トニック、クレンジングまたはメーキャップ除去製品、マスク、消去製品、剥脱剤、日焼け防止剤、ファンデーション、着色クリーム、またはリップスティックの形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項31】
前記組成物は水溶性ゲルまたはヒドロゲルの形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項32】
前記組成物はさらに、濃化剤を含む、請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
前記濃化剤はカルボマー、セルロース系物質、ガム、アルギン、寒天、ペクチン、カラギーナン、ゼラチン、金属または変性金属濃厚剤、ポリエチレングリコール、ポリアルコール、およびポリアクリルアミドからなる群から選択される、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
2価カルシウムイオンの量は約0.05〜0.8%である、請求項31に記載の組成物。
【請求項35】
生理学的に許容される媒体中に、組成物の全重量に対して約0.01〜8w/w%の2価カルシウムイオンまたは2価マグネシウムイオンを含む組成物を哺乳動物の皮膚へ局所的に、所望される美容/治療反応を発揮するのに必要な期間、適用することを含む、哺乳動物の望ましくない皮膚状態あるいは病理学的皮膚状態を治療する方法。
【請求項36】
前記組成物は、少なくとも90%の水を含み、さらに、1価カチオンを含み、1価カチオンに対する2価カルシウムイオンの重量割合は5:1〜1:3の範囲の水溶液の形態である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
さらに、少なくとも70%の水と重量比、8:1〜1:2の範囲の2価カルシウムカチオンと1価カチオンを含む乳濁液を局所的に適用することを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
カルシウムイオンは塩化カルシウムがもたらし、1価カチオンは塩化ナトリウム、塩化カリウムまたは臭化カリウムがもたらすナトリウムイオンまたはカリウムイオンである、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
さらに、少なくとも50重量%の水、約0.01〜1重量%の2価カルシウムイオンおよび脂肪性フィルム形成剤を含むクレンジング組成物を局所的に適用することを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記脂肪性フィルム形成剤はドデシルオレエート、ラウルアミドDEA、およびグリセリルステアレートからなる群から選択される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
望ましくない皮膚状態は皮膚老化の有害な徴候、鈍い顔色、皮膚または毛髪の染色障害、皮膚乾燥、高脂漏、高脂漏関連不完全、鋭敏な皮膚、ふけ、自然な脱毛、および禿頭からなる群から選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項42】
前記病理学的皮膚状態は、尋常性座瘡、黒頭病または多形症、老人性座瘡、日光および薬品または職業性座瘡、酒さ、広範囲および/または重度乾癬、魚鱗(ichthyoses)、魚鱗癬状態(ichthyos-like states)、ダリエ症、掌蹠角化症、白斑症(leucoplasies)、および白斑症様状態、扁平苔癬(lichen planus)、良性および悪性皮膚科学的増殖の全て、広範囲および重度リウマチ様乾癬、そう痒、紅斑(erythemas)、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、接触湿疹、扁平苔癬(lichen planus)、痒疹、蕁麻疹、そう痒性毒性皮(toxidermia)、および過角化症からなる群から選択される、請求項35に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−530126(P2008−530126A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555302(P2007−555302)
【出願日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際出願番号】PCT/US2006/004950
【国際公開番号】WO2006/086740
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(507271488)ジェネファーム,インク. (1)
【Fターム(参考)】