説明

皮膚色素沈着の処理方法

【課題】哺乳類の皮膚に局所的に適用することからなる、皮膚色素沈着において変化を及ぼす、脱色剤または皮膚を黒色化するための色素沈着剤として使用するための方法を提供。
【解決手段】哺乳類動物の色素沈着変化に有効な量の、PAR−2経路に作用する組成物であって、蛋白質が変性しておらず、大豆トリプシンの阻害活性を有する大豆抽出物で、豆乳、大豆ペーストおよびこれらの混合物からなる群から選択されたフラクションも含む組成物を投与することを含む方法である。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
発明の技術分野
本発明は皮膚色素沈着を生じるおよび/または当該皮膚色素沈着を引き起こすための方法および組成物に関する。特に、本発明はメラニン産生に影響し、脱色剤または皮膚を黒色化(darkening)するための色素沈着剤として使用できる化合物に関する。
【0002】
発明の背景
皮膚の着色は多年にわたって人間に関係してきた問題である。特に、老化しみ、そばかすまたは皮膚の老化のような過剰色素を除去する能力が均一な皮膚の色を望む人々にとって関心の有るところであった。世界の特定の領域においては、全体的な白色化が望まれている所もある。また、治療を要する色素不足症および色素過剰症等もある。同様に、太陽光線による傷害を受けることなく日焼けを生じる能力も個人的に重要な場合がある。そこで、脱色を行なったり、皮膚を黒色化するために多くの方法がこれまで提案されている。例えば、コウジ酸、ヒドロキノン、レチノイド等の化合物が脱色に使用されてきた。また、ジヒドロキシアセトンおよびこれに類似する化合物は太陽に露光することなく皮膚を「日焼け(tan)」させるために使用されてきた。
【0003】
しかしながら、これらの従来の溶液は(生体)許容性のないことが知られている。また、このような従来の組成物を使用した皮膚の領域の間にはっきりした区分け線が生じる場合があった。それゆえ、これら全ての化合物の正確な使用方法が望ましい結果を得るためには必要であった。加えて、これらの化合物の多くは皮膚に対して極めて刺激性が高く使用において望ましくないことが分かっている。
【0004】
メラニン産生(melanogenesis)の化学的および酵素学的な研究が多くの文献に報告されている。すなわち、メラノサイトが胚神経堤から皮膚の中に移動して顆粒分泌物であるメラノゾームを生成し、このメラノソームがメラニンを生成する。メラニン産生はこのメラノソーム内で行なわれ、その後、メラニンがメラノサイト樹状突起を介してケラチノサイトに分配される。このメラニン産生の主役となる酵素はチロシナーゼ(tyrosinase)であり、この酵素によってチロシナーゼを生体ポリマーメラニンに変換する反応のカスケード(生理的連続的相互作用)が開始する。2種類のチロシナーゼ関連の蛋白質(TRP)、すなわち、TRP−1およびTRP−2が知られている。これらの蛋白質はチロシナーゼに対して約40%の相同性を有しており、触媒的作用およびメラニン産生における調節作用を有している。なお、TRP−1がメラノサイトにおいて最も多く糖蛋白を有している。
【0005】
このようなメラニン産生の化学的な研究および酵素学的な研究が多く報告されているにもかかわらず、その細胞レベルにおける調節についてはまだ部分的に知られているだけである。チロシナーゼおよびTRP蛋白質はその構造的および生物学的な特性をリソソーム関連膜蛋白質(LAMP)遺伝子ファミリーと分け合っており、それゆえ、それらがメラノソーム膜に接近することによってその活性が誘発されると考えられる。これらの蛋白質の細胞質尾状構造(cytoplasmic tails)におけるリン酸化/脱リン酸化反応はメラニン産生の調整に関係すると考えられる。例えば、プロテインキナーゼC(PKC)ファミリーのベータ・イソ体がチロシナーゼ活性により人間のメラニン産生を調整することが知られている。これらのチロシナーゼ、TRP−1およびTRP−2の遺伝子発現は協調的に行われる。また、これらの酵素の全てが人間の表皮において発現する。すなわち、ケラチノサイトと共に培養されるメラノサイトにおいて、これらの転写体がそれぞれ45:45:10の比率で発現する。また、メラノサイトのみの培養においては、TRP−1転写体のみが存在し、これらの遺伝子の協調的発現においてケラチノサイト誘導信号が関係していることを示している。しかしながら、ケラチノサイト−メラノサイト相互作用の調整およびメラノソームのケラチノサイト内への転移のメカニズムについてはまだ知られていない。
【0006】
プロテアーゼ活性受容体(Protease-activated receptor)−2(PAR−2)は7膜内外G蛋白連結受容体(seven transmembrane G-protein-coupled receptor)であり、トロンビン受容体(TR、PAR−1およびPAR−3とも称する)とそのシーケンスにおいて関連しているが、これらとは区別されている。これら両方の受容体は細胞外ドメインにおいてアルギニン−セリン開裂(cleavage)により蛋白分解的に活性化される。その後、このようにして新しく形成されたN末端体がこれらの受容体を係留(tethered)リガンドとして活性化する。また、これらの両方の受容体はトリプシンにより活性化できるが、TR受容体のみがトロンビンにより活性化され、PAR−2のみがマスト細胞トリプターゼにより活性化される。さらに、これら両方の受容体はそれらの受容体開裂による新しいN末端体に対応するペプチドにより活性化される。SLIGRL、すなわち、マウスPAR−2活性化ペプチドはヒト受容体の活性化において等価的能力を持つ。TR受容体の機能は多く報告されているが、PAR−2の生物学的特性は完全に認識されていない。なお、ケラチノサイト成長および分化の阻害におけるPAR−2活性化の役割は既に報告されている(Derian他、「ヒトケラチノサイト成長の分化調整およびプロテアーゼ活性受容体の新規ファミリーによる分化(Differential Regulation of Human Keratinocyte Growth and Differentiation by a Novel Family of Protease-activate Receptors)」(Cell Growth & Differentiation, Vol. 8, 第743頁乃至第749頁, July 1977年))。
【0007】
発明の概要
本発明により、本発明者は、PAR−2経路に作用する化合物を哺乳類の皮膚に局所的に適用することからなる、哺乳類の皮膚色素沈着において変化を及ぼすための方法を見出した。本発明の上記組成物は、トリプシン、トリプターゼ、セリンプロテアーゼまたはPAR−2アゴニストとして作用して色素沈着を増加するための1種以上の化合物を含有する。あるいは、上記組成物は、セリンプロテアーゼインヒビタ、トリプシンインヒビタ、トロンビンインヒビタ、トリプターゼインヒビタ、PAR−2インヒビタまたはPAR−2アンタゴニストとして作用して色素沈着を減少して「脱色(depigmentation)」作用効果を有する1種以上の化合物を含有する。
【0008】
本明細書に使用する用語「哺乳類(mammal)」は比較的上級の脊椎動物の任意の部類を意味し、人間を含みかつこれに限らない、ウェブスター(Webster)のメディカル・デスク・ディクショナリー407(1986年)に定義される「哺乳類綱(Mammalia)」の部類から構成される。また、本明細書に使用する用語「受容体(receptor)」は細胞内および細胞外受容体の両方を含み、一定の信号を送受信する機能を有する分子を意味する。さらに、用語PAR−2はプロテアーゼ活性受容体−2または関連するプロテアーゼ活性受容体を現す。このプロテアーゼ活性受容体−2(以下、「PAR−2」)はセリン−プロテアーゼ活性受容体であり、当該受容体はケラチノサイトおよび線維芽細胞を含む多くの組織内において発現される。また、上記トロンビン受容体(PAR−1とも言い、以下「TR(受容体)」と称する)はセリン−プロテアーゼ活性受容体であり、この受容体はケラチノサイトを含む多くの組織内において発現される。これらPAR−2およびTR受容体の皮膚内における生物学的役割は完全には知られていない。しかしながら、本発明者はPAR−2経路を介するケラチノサイトとメラノサイトとの間の相互作用がメラニン産生に作用することを見出した。さらに、本発明者はトロンビンインヒビタ、および/またはトリプターゼインヒビタおよび/またはトリプシンインヒビタおよびPAR□□アンタゴニストが皮膚刺激なしの脱色剤として使用できること見出した。また、トリプシンおよびトリプターゼのようなPAR−2アゴニストおよびセリンプロテアーゼが黒色化(darkening)剤として使用でき、さらに、PAR−2が白色化剤および黒色化剤の目的物質として有用であることも分かった。
【0009】
好ましい実施形態の詳細な説明
本発明者はトリプシン、トリプターゼおよびPAR−2アゴニストが色素沈着を増加するために使用でき、トリプシンインヒビタおよび/またはトリプターゼインヒビタおよび/またはトロンビンインヒビタおよびPAR−2アンタゴニストが哺乳類の皮膚における色素沈着を減少する作用があることを見い出した。本発明者の見解によれば、本明細書に参考文献として含まれる米国特許第5,523,308号に記載される化合物の幾つかがトロンビンおよび/またはトリプシンおよび/またはトリプターゼインヒビタとして挙動して本発明の方法において有用であると考えられる。これらの化合物の幾つかはCostanzo他の「Sサブサイトをプローブする有効なトロンビンインヒビタ:ヘテロ環式活性カルボニル基に基づくトリペプチド遷移状態類似体(Potent Thrombin Inhibitors That Probe the S1' Subsite: Tripeptide Transition State Analogues Based on a Heterocycle-Activated Carbonyl Group)」(J. Med. Chem., 1996年、 Vol. 39, 第3039頁乃至第3043頁)にも記載されていて、以下の構造式(I)を有している。
【0010】
【化1】

当該構造式(I)において、
Aは、C1−8アルキル、カルボキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシカルボニルC1−4アルキル、フェニルC1−4アルキル、置換フェニルC1−4アルキル(当該フェニル(における)置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、ホルミル、C1−4アルコキシカルボニル、C1−2アルキルカルボニル、フェニルC1−4アルコキシカルボニル、C3−7シクロアルキルカルボニル、フェニルカルボニル、置換フェニルカルボニル(当該フェニル置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、C1−4アルキルスルホニル、C1−4アルコキシスルホニル、パーフルオロC1−4アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、置換フェニルスルホニル(当該フェニル置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、10−カンファスルホニル、フェニルC1−4アルキルスルホニル、置換フェニルC1−4アルキルスルホニル、C1−4アルキルスルホニル、パーフルオロC1−4アルキルスルホニル、フェニルスルフィニル、置換フェニルスルフィニル(当該フェニル置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、フェニルC1−4アルキルスルホニル、置換フェニルC1−4アルキルスルホニル、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニルまたは置換ナフチルスルホニル(当該ナフチル(における)置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニルまたは置換ナフチルスルホニル(当該ナフチル置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)であるか、または、
アラニン、アスパラギン、2−アゼチジンカルボン酸、グリシン、N−C1−8アルキルグリシン、プロリン、1−アミノ−1−シクロC3−8アルキルカルボン酸、チアゾリジン−4−カルボン酸、5,5−ジメチルチアゾリジン−4−カルボン酸、オキサドリジン−4−カルボン酸、ピペコリニン酸、バリン、メチオニン、システイン、セリン、スレオニン、ノルロイシン、ロイシン、第三ロイシン(tert-leucine)、イソロイシン、フェニルアラニン、1−ナフトアラニン(1-naphthalanine)、2−ナフトアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−1−カルボン酸および[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−2カルボン酸からなる群から選択される構造式Iにおいて示される窒素原子にそのカルボキシ末端部(terminus)を介して結合しているDまたはLアミノ酸であって、
当該アミノ酸のアミノ末端部がC1−4アルキル、テトラゾール−5イル−C1−2アルキル、カルボキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシカルボニルC1−4アルキル、フェニルC1−4アルキル、置換フェニルC1−4アルキル(当該フェニル置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、1,1−ジフェニルC1−4アルキル、3−フェニル−2−ヒドロキシプロピオニル、2,2−ジフェニル−1−ヒドロキシエチルカルボニル、[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−1−カルボニル、[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニル、1−メチルアミノ−1−シクロヘキサンカルボニル、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキサンカルボニル、1−ヒドロキシ−1−フェニルアセチル、1−シクロヘキシル−1−ヒドロキシアセチル、3−フェニル−2−ヒドロキシプロピオニル、3,3−ジフェニル−2−ヒドロキシプロピオニル、3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシプロピオニル、ホルミル、C1−4アルコキシカルボニル、C1−12アルキルカルボニル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキルカルボニル、フェニルC1−4アルキルカルボニル、置換フェニルC1−4アルキルカルボニル(当該フェニル置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、1,1−ジフェニルC1−4アルキルカルボニル、置換1,1−ジフェニルC1−4アルキル(当該フェニル置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、パーフルオロC1−4アルキルスルホニル、C1−4アルキルスルホニル、C1−4アルコキシスルホニル、フェニルスルホニル、置換フェニルスルホニル(当該フェニル置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、10−カンファースルホニル、フェニルC1−4アルキルスルホニル、置換フェニルC1−4アルキルスルホニル、パーフルオロC1−4アルキルスルホニル、C1−4アルキルスルホニル、フェニルスルフィニル、置換フェニルスルホニル(当該フェニル置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニル、置換ナフチルスルホニル(当該ナフチル置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニル、置換ナフチルスルホニル(当該ナフチル置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)からなる群から選択される部分(基)に接続しているものであるか、または、
(第1および第2の)2種のアミノ酸から構成されるポリペプチドであって、
当該第1のDまたはLアミノ酸が構造式Iにおいて示される窒素原子にそのカルボキシ末端部を介して連結しており、グリシン、N−C1−8アルキルグリシン、アラニン、2−アゼチジンカルボン酸、プロリン、チアゾリジン−4−カルボン酸、5,5−ジメチルチアゾリジン−4−カルボン酸、オキサゾリジン−4−カルボン酸、1−アミノ−1−シクロC3−8アルキルカルボン酸、3−ヒドロキシプロリン、4−ヒドロキシプロリン、3−(C1−4アルコキシ)プロリン、4−(C1−4アルコキシ)プロリン、3,4−デヒドロプロリン、2,2−ジメチル−4−チアゾリジンカルボン酸、2,2−ジメチル−4−オキサドリジンカルボン酸、ピペコリン酸、バリン、メチオニン、システイン、アスパラギン、セリン、スレオニン、ロイシン、第三ロイシン(tert-leucine)、イソロイシン、フェニルアラニン、1−ナフトアラニン、2−ナフトアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボン酸、アスパラギン酸−4−C1−4アルキルエステルおよびグルタミン酸−5−C1−4アルキルエステルからなる群から選択され、
第2のDまたはLアミノ酸が上記第1のアミノ酸のアミノ末端部に結合して、フェニルアラニン、4−ベンゾイルフェニルアラニン、4−カルボキシフェニルアラニン、4−(カルボキシC1−2アルキル)フェニルアラニン、置換フェニルアラニン(当該フェニル置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、3−ベンゾチエニルアラニン、4−ビフェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸、2−ピリジルアラニン、3−ピリジルアラニン、4−チアゾールアラニン、2−チエニルアラニン、3−(3−ベンゾチエニル)アラニン、3−チエニルアラニン、トリプトファン、チロシン、アスパラギン、3−トリ−C1−4アルキルシリルアラニン、シクロヘキシルグリシン、ジフェニルグリシン、フェニルグリシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホン、2,2−ジシクロヘキシルアラニン、2−(1−ナフチルアラニン)、2−(2−ナフチルアラニン)、フェニル置換フェニルアラニン(当該フェニル置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、アスパラギン酸、アスパラギン酸−4−C1−4アルキルエステル、グルタミン酸、グルタミン酸−5−C1−4アルキルエステル、シクロC3−8アルキルアラニン、置換シクロC3−8アルキルアラニン(当該環状構造(における)置換基はカルボキシ、C1−4アルキルカルボキシ、C1−4アルコキシカルボニルまたはアミノカルボニルである)、2,2−ジフェニルアラニンおよびこれらのアミノ酸誘導体の全てのα−C1−5アルキル置換体からなる群から選択されるものであり、
当該第2のアミノ酸のアミノ末端部が、ホルミル、C1−12アルキル、テトラゾール−5−イルC1−2アルキル、カルボキシC1−8アルキル、カルボアルコキシC1−4アルキル、フェニルC1−4アルキル、置換フェニルC1−4アルキル(当該フェニル置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、1,1−ジフェニルC1−4アルキル、C1−6アルキルカルボニル、フェニルC1−6アルコキシカルボニル、C1−2アルキルカルボニル、パーフルオロC1−4アルキルC1−4アルキルカルボニル、フェニルC1−4アルキルカルボニル、置換フェニルC1−4アルキルカルボニル(当該フェニル置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、10−カンファースルホニル、フェニルC1−4アルキルスルホニル、置換フェニルC1−4アルキルスルホニル、C1−4アルキルスルホニル、パーフルオロC1−4アルキルスルホニル、フェニルスルフィニル、置換フェニルスルフィニル(当該フェニル置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、フェニルC1−4アルキルスルホニル、置換フェニルC1−4アルキルスルホニル、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニル、置換ナフチルスルホニル(当該ナフチル置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される基である)、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニルおよび置換ナフチルスルホニル(当該ナフチル置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される基である)からなる群から選択される基によって未置換またはモノ置換されており、
は水素およびアルキルからなる群から選択され、
はアミノC2−5アルキル、グアニジノC2−5アルキル、C1−4アルキルグアニジノC2−5アルキル、ジC1−4アルキルグアニジノC2−5アルキル、アミジノC2−5アルキル、C1−4アルキルアミジノC2−5アルキル、ジC1−4アルキルアミジノC2−5アルキル、C1−3アルコキシC2−5アルキル、フェニル、置換フェニル(当該置換基はアミノ、アミジノ、グアニジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシおよびニトロの1種以上から独立して選択される)、ベンジル、フェニル置換ベンジル(当該置換基はアミノ、アミジノ、グアニジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシおよびニトロの1種以上から独立して選択される)、ヒドロキシC2−5アルキル、C1−5アルキルアミノC2−5アルキル、C1−5ジアルキルアミノC2−5アルキル、4−アミノシクロヘキシルC0−2アルキルおよびC1−5アルキルであり、
pは0または1であり、
Bは以下の構造式で示される部分であり、
【0011】
【化2】

当該構造式において、nは0乃至3であり、RはHまたはC1−5アルキルであり、Bのカルボニル部分はEに結合しており、さらに、
Eは、オキサゾリン−2−イル、オキサゾール−2−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−5−イル、チアゾール−4−イル、チアゾリン−2−イル、イミダゾール−2−イル、4−オキソ−2−キノキサリン−2−イル、2−ピリジル、3−ピリジル、ベンゾ[b]−チオフェン−2−イル、チアゾール−4−イル、トリアゾール−6−イル、ピラゾール−2−イル、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチアゾール−2−イル、ナフト[1−2−d]チアゾール−2−イル、キノキサリン−2−イル、イソキノリン−1−イル、イソキノリン−3−イル、ベンゾ[b]フラン−2−イル、ピラジン−2−イル、キナゾリン−2−イル、イソチアゾール−5−イル、イソチアゾール−3−イル、プリン−8−イルおよび置換ヘテロ環(当該置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシカルボニル、ヒドロキシおよびフェニルC1−4アルキルアミノカルボニルから選択される)からなる群から選択されるヘテロ環であり、
あるいは、これらの化合物の薬剤として許容可能な塩である。
【0012】
特に、本発明者の見解では、d−フェニルアラニン−プロリン−アルギニン部分を含む上記構造式の化合物の幾つかがPAR−2経路を阻害して脱色を引き起こす上で有効であると考える。トロンビンおよびトリプシンインヒビタとして作用し、哺乳類動物の皮膚の脱色において活性を示す特に好ましい化合物の一例として、(S)−N−メチル−D−フェニルアラニル−N−[4−[(アミノイミノメチル)アミノ]−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)ブチル]−L−プロリンアミド(ケミカルアブストラクト名)(以下、「化合物I」と称する)が挙げられる。本発明者は米国特許第5,523,308号に記載される化合物Iの類似体で機能が同様である別の化合物も本発明の方法および組成物において活性であると考える。さらに、セリンプロテアーゼインヒビタ、特に、ソイビーン(大豆)トリプシンインヒビタ(STI)のようなトリプシンを阻害する別の化合物も本発明の方法において有効であると思われる。ソイビーン、リマビーン(あおい豆)、ブラックビーンおよびこれらの豆から作られる豆乳(ビーンミルク)、ビーンペースト、味噌のようなものでこれに限られない天然生産物もまた本発明のメカニズムによる着色の減少に有効である。
【0013】
さらに、セリンプロテアーゼインヒビタの別の供給源が以下の科の植物に属する種から抽出できる。すなわち、ナス科植物(Solanaceae)(例えば、じゃがいも、トマト、オオブドウホオズキ等)、イネ科植物(Gramineae)(例えば、コメ、ソバ、各種もろこし、小麦、大麦、オート麦等)、ウリ科植物(Cucurbitaceae)(例えば、キュウリ、かぼちゃ、ひょうたん、へちま等)、さらに、好ましくは豆科植物(Leguminosae)(例えば、ビーン、ピース、ひら豆、ピーナッツ等)である。
【0014】
以下の理論に限るつもりではないが、本発明者は皮膚の色素沈着に作用可能な上記の化合物がケラチノサイトPAR−2またはその活性なプロテアーゼに直接的または間接的に相互作用することによりメラニン酸性に直接的または間接的に作用を及ぼすと考えている。おそらく、本発明の上記化合物はメラノサイトによるメラノソームの輸送または皮膚におけるケラチノサイトによるメラノソームの受容のための信号を増加した色素沈着の場合に誘発し、減少した色素沈着の場合に減少すると思われる。
【0015】
本発明の組成物および方法において活性な化合物は当該技術分野における熟練者により知られる任意の手段により局所的に供給できる。局所的に活性な薬剤または化粧剤の供給パラメータが必要であれば、本発明の局所的に活性な組成物は、さらに、当該局所的に活性な材料の浸透を可能にする供給システムとして機能する薬剤または化粧剤に許容可能なビヒクルによって構成されているのが好ましい。
【0016】
本発明の組成物の幾つかの局所的供給のための許容可能なビヒクルの一例として、トリプシンおよびSTIのような蛋白質が特に挙げられ、これらはリポソームを含んでいてもよい。さらに好ましくは、このリポソームは非イオン性であって、(a)グリセロール・ジラウレート(好ましくは約5重量%乃至約70重量%の分量)、(b)コレステロールに見られるステロイド・バックボーンを有する化合物(好ましくは約5重量%乃至45重量%の分量)、および(c)約12個乃至約18個の炭素原子を有する1種以上の脂肪酸エステル(好ましくは合計で約5重量%乃至70重量%の分量)を含み、当該リポソームのこれらの構成要素化合物が約37.5:12.5:33.3:16.7であるのが好ましい。グリセロール・ジラウレート/コレステロール/ポリオキシエチレン−10−ステアリルエーテル/ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル(GDLリポソーム)からなるリポソームが最も好ましい。好ましくは、上記リポソームは、上記組成物の全量に基づいて、約10mg/mL乃至約100mg/mL、さらに好ましくは約20mg/mL乃至約50mg/mLの範囲内で一定量で存在しているのが好ましい。また、この場合の(各組成物の)存在比は約37.5:12.5:33.3:16.7であるのが最も好ましい。適当なリポソームを実施例1に記載するプロトコルに従って適宜作成することができるが、当該技術分野において一般に採用される別の方法を使用することもできる。また、上述した組成物は、内容全体が本明細書に参考文献として含まれるNiemiec他の「毛包脂腺(Pilosebacious)ユニット内へのペプチド薬物の局所的供給における非イオン性リポソーム組成物の影響:ハムスター耳モデルを使用するインビボ研究(Influence of Nonionic Liposomal Composition On Topical Delivery of Peptide Drugs Into Pilosebacious Units: An In Vivo Study Using the Hamster Ear Model)」(12 Pharm. Res. 1184-88 (1995年) )(「Niemiec」)に記載されるように、上記の所望の化合物を適当なコンテナの中で混合して、当該化合物を非イオン性リポソーム調製用の当該技術分野において周知の任意の高性能剪断混合手段において周囲条件下に混合することによって作成できる。本発明者は本発明の組成物におけるこれらのリポソームの存在が当該本発明の組成物の幾つかの脱色能力を高めることが分かった。
【0017】
他の好ましい配合物には、例えば、豆科植物または他の適当な植物から直接得られるソイビーンミルクまたは他の液体配合物を含むことができる。例えば、このような配合物には、比較的大きな分量のソイビーンミルク、当該ソイビーンミルクの物理的安定性を維持するための乳化剤、および、必要に応じて、キレート化剤、防腐剤、エモリエント、湿潤剤および/または増粘剤またはゲル化剤が含まれる。
【0018】
さらに、当該技術分野において知られるオイルインウォータ(oil-in-water)エマルジョン、ウオータインオイル(water-in-oil)エマルジョン、溶媒ベース配合物および水性ゲルもまた本発明の組成物供給のためのビヒクルとして利用できる。
【0019】
一般に、上記の配合される活性化合物の供給源は当該化合物の特定の形態によって決まる。すなわち、比較的小さい有機分子およびペプチジルフラグメントは化学的に合成可能であり、薬剤/化粧剤用途に適する純粋形態で供給できる。また、天然産物の抽出物は当該技術分野において知られる技法により生成可能である。さらに、化合物の組換え供給源もまた当該技術分野における熟練者にとっては入手可能である。
【0020】
本発明の別の実施形態においては、上記の局所的に活性な薬剤または化粧剤組成物が必要に応じて湿潤化剤、化粧補助剤、酸化防止剤、漂白剤、チロシナーゼインヒビタ等の既知の脱色剤、表面活性剤、発泡剤、コンディショナ、湿潤剤、芳香剤、増粘剤、バッファ化剤、保存剤、サンスクリーン剤等の他の構成要素と組合せることもできる。さらに、本発明の組成物は、例えば、トレチノイン、レチノール、トレチノインおよび/またはレチノールの各種エステル等を含む活性量のレチノイド(すなわち、レチノイド受容体のファミリーに属する任意のものと結合する化合物)を含むことができる。
【0021】
このような局所的に活性な薬剤または化粧剤組成物は哺乳類動物の皮膚における色素沈着の変化に作用を及ぼすのに効果的な量で投与する必要がある。なお、本明細書に使用する用語「効果的な量(または有効量)(amount effective)」は色素沈着における変化を必要とする皮膚表面領域への供給に十分な量を意味する。好ましくは、上記組成物は色素沈着の変化を必要とする場合に、1平方センチの皮膚表面に対して、約2μl/cm乃至約200μl/cmで局所的に活性な薬剤が存在するように、皮膚表面に任意に供給される。上記化合物Iまたはその類似体としてトロンビンおよびトリプシンインヒビタを使用する場合は、配合物において合成的に、または、天然に得られるものの如何にかかわらず、このような活性化合物は上記組成物において約0.0001重量/容量%乃至約15重量/容量%の量で存在させる必要がある。さらに好ましくは、組成物において約0.0005%乃至約5%の量で存在しており、最も好ましくは、組成物の約0.001%乃至約1%の量で存在している。もちろん、これらの範囲は上述の各構成要素に対して定められている。これらの範囲の下限値はPAR−2経路において有効で本発明の方法において効果的となるのにそれほど高い濃度または多くの投与量を必要としない高い治療効果を有するアゴニスト/アンタゴニストおよび/またはインヒビタについて設定されている。このような化合物は合成的または天然に得ることが可能である。
【0022】
液体誘導体および植物または植物学的供給源から直接得られる天然抽出物は本発明の組成物において約1%乃至約99%の濃度(w/v)で使用することができる。STIのような天然抽出物のフラクションおよび天然に得られるプロテアーゼインヒビタは組成物において好ましくは約0.01%乃至約20%、さらに好ましくは約1%乃至約10%の範囲の異なる濃度を有することが可能である。もちろん、本発明の活性薬剤を混合して同一配合物ないにおいて一緒に使用してもよく、また、異なる配合物で連続的に使用することも可能である。
【0023】
本発明者は、PAR−2アゴニストおよび/またはインヒビタおよびトリプシンおよび/またはトロンビンおよび/またはトリプターゼおよび/またはこれらのインヒビタが動物の皮膚に局所的に投与されると、色素沈着における相当な変化が実現できることが予想外に分かった。好ましくは、脱色剤(並びに本発明の他の色素沈着作用剤)は比較的高い濃度および投薬量(化合物Iおよび関連化合物のような高い治療効果を有する化合物の場合で約0.005%乃至約1%、植物材料の液体誘導体および抽出物の場合で約20%乃至約99%、STIまたはそれらの混合物のような天然抽出物のフラクションおよび天然に得られるプロテアーゼインヒビタの場合で約1%乃至約20%)で、色素沈着における変化が皮膚に見られるまで一定の時間間隔で1日に1回乃至2回、哺乳類動物の皮膚に投与される。このような投与は約4週間乃至約10週間あるいはそれ以上行なわれる。その後、色素沈着における変化が生じてからは、比較的低い濃度および投与量(化合物Iおよび関連化合物のような高い治療効果を有する化合物の場合で約0.00001%乃至約0.005%、植物材料の液体誘導体および抽出物の場合で約10%乃至約90%、STIまたはそれらの混合物のような天然抽出物のフラクションおよび天然に得られるプロテアーゼインヒビタの場合で約0.01%乃至約5%)の活性要素が、例えば、1日当たり約1回乃至1週間当たり約2回のような、より長いタイムスケジュールで投与することができる。本発明のこのような活性薬剤の作用効果は可逆的であり、それゆえ、これらの作用効果を維持するために、継続的な使用または投与を行なう必要がある。なお、本明細書に例示的に開示する本発明は当該明細書に特に開示しない構成要素、組成または工程が存在しなくても適宜実施することが可能である。
【0024】
以下、本発明の特徴およびその実施態様をさらに例示するために幾つかの実施例を説明する。しかしながら、これらの実施例は本発明の方法および組成物の範囲を限定するためのものではない。
【0025】
実施例1:プロテアーゼインヒビタ作用の色素沈着
色素沈着におけるPAR−2経路の可能な役割を調べるために、インビトロの表皮等価物システムを使用した。この使用した表皮等価物システムにはメラノサイトが含まれている。このような実験を行なうのに有用な表皮等価物システムの一例として、MatTek社から市販されているMelanoDermシステムがある。このシステムはヒト正常メラノサイトと、正常なヒト誘導表皮ケラチノサイトを含んでおり、これらは多層のヒト表皮の高度に分化したモデルを形成するために培養されたものである。なお、以下の実施例においては、(表皮)等価物を試験化合物により3日間処理して、治療の開始後4日目にサンプルを採取した。さらに、これらの採取した等価物をDOPA(チロシナーゼに対する基質)およびH&E(標準的な組織学的着色物)、または、Fontana-Mason(F&M)着色剤、すなわち、当該技術分野における熟練者により知られる別の着色剤により着色した。このF&M着色法は銀着色技法であって、高い硝酸銀還元作用を有するメラニンを鮮明に標識する。メラノサイトを含む多層化したヒト表皮等価物をメラニン産生に関するプロテアーゼインヒビタの作用効果を調べるためにインビトロモデルシステムとして使用した。使用した表皮等価物はアシュランド、マサチューセッツのMatTek社によるMelanoDermとして市販されている。これらの等価物は紫外線B(「UVB」)の照射およびそれぞれ色素沈着を増減することにより知られるベンズアルデヒドおよびヒドロキノンのような白色化剤に対して応答することが知られている。そこで、このMelanoDerm表皮等価物をベンズアルデヒド(セントルイス、ミズーリのSigma社による)、ヒドロキノン(同Sigma社による)およびUVB照射に曝した。このUV照射はプレートカバーを外して下方チャンバーにリン酸塩バッファ塩水(メリーランド州、ゲイサースブルグのGibco-BRLによるPBS)を存在させた状態で、露光チャンバー内でUVB−FS光源により行なった。このUVB強度はUVX放射線計測器(カリフォルニア州、サンガブリエルのUVP社)で計測し、等価物を0.1J/cm乃至0.12J/cmで処理した。なお、0.3J/cmまでの処理において等価物における生存能力の損失は全く見られなかった。
【0026】
試験化合物/紫外線照射の露光処理から4日目に、上記等価物を固定し、切断して着色または切断することなく着色した。すなわち、MelanoDerm等価物をホルマリン固定してパラフィンブロック内に置いて、当該MelanoDerm等価物の切断部分を以下の標準的な手順、すなわち、当該技術分野における熟練者に知られる標準的技法による(1)H&E、(2)DOPA+H&Eおよび(3)Fontana-Mason(「F&M」)に従って着色した。また、MelanoDerm等価物全体を着色してそれらの画像を画像解析ように撮影した。等価物1個当たりに少なくとも3個の切断部分で、1回の実験当たりに3個の等価物を処理した。さらに、各実験を3回繰り返した。DOPAはチロシナーゼの基質である。また、F&Mは硝酸銀還元性分子を同定し、当該分子は主にメラニンを同定する。このF&M着色切断部分をニューハンプシャー、ホリスのOptomax社によるOptomax画像分析システムを用いる画像解析用に使用した。また、画像撮影のためにGateway2000P5−100コンピュータ(メリーランド州、シルバースプリングのMedia Cybernetics)においてEmpire画像データベース1.1を使用した。さらに、画像解析のためにImage Pro Plusバージョン4.0を使用した。計測したパラメータは(1)それぞれのメラノサイト内の色素沈着の程度および(2)上記Optomaxシステムにおける1フィールド当たりにおける着色したメラノサイトの数、あるいは、(1)メラノサイト内における銀沈着の表面積および(2)Image Proシステムにおける着色メラノサイトの数である。上記Optomaxシステムを使用して、個々のメラノサイト内における銀沈着の表面積を、1回の処理において3組等価物による多数個の切断部分を用いて、60個のメラノサイトにおいて測定した。また、1フィールド当たりのメラノサイトの数はこれらの切断部分において計算した。さらに、「色素沈着係数(pigmentation factor)」を、個々のメラノサイト内に銀沈着した平均表面積に1フィールド当たりの色素沈着したメラノサイト数を掛けたものとして定義した。1の値を未処理対照物に付けて、処理グループの値をそれぞれの関係する対照物に対して規格化した。また、Image Proシステムを使用して、硝酸銀沈着の表面積およびメラノサイトの数を等価物全体において測定した。この場合も、1の値を未処理対照物に付けて、処理グループの値をそれそれの関係する対照物に対して規格化した。
【0027】
図1Aは、ベンズアルデヒド(50□M)、ヒドロキノン(50□M)およびUVB照射(0.12J/cm)に曝した場合の、上述のImage Proシステムによる等価物全体において測定および計算した相対的な色素沈着における増減を示すグラフである。
【0028】
また、ヒト表皮等価物をプロテアーゼインヒビタの混合物に曝した。これらのプロテアーゼインヒビタは以下の表Aに記載している。なお、これらのプロテアーゼインヒビタはインディアナ州、インディアナポリスのBoehringer Mannheimにより入手できる。すなわち、Boehringer Mannheimにより入手可能な、キモトリプシン、サーモリシン、パパイン、プロナーゼ、膵抽出物(pancreatic extracts)およびトリプシンを含むComplete(登録商標)プロテアーゼインヒビタカクテルタブレットを使用した。また、ソイビーントリプシンインヒビタ(「STI」)はSigmaから入手可能であり、50mg/mlリポソームビヒクルまたは1×PBSに溶かされる。さらに、このインビトロ実施例において使用した他の全てのプロテアーゼを1×PBSに溶解した。また、GDLリポソームを以下の変更点以外は上述のNiemic他に記載されるように作成した。すなわち、この変更点は非イオン性リポソーム配合物がグリセロールジラウレート(ISP Van DykのEmulsynt GDL)/コレステロール(Croda)/ポリオキシエチレン−10−ステアリルエーテル(ICIのBrij76)/ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテルを37.5:12.5:33.3:16.7の比率で含有していることである。さらに、このリポソームの作成における水性相としてHepesバッファ、0.05M、pH7.4(メリーランド州、ゲイサースブルグのGibco-BRL)を使用した。これらのプロテアーゼインヒビタの混合物およびセリンインヒビタの異なる組み合わせにおけるメラニン産生に対する作用能力を試験した。この結果、図1Bに示すように、セリンプロテアーゼインヒビタの幾つか、特に、STI(ソイビーントリプシンインヒビタ)がメラニン産生の阻害に極めて効果的であった。
【0029】
【表1】

【0030】
実施例2:プロテアーゼ活性受容体が色素沈着に関与する。
実施例1はSTIが色素沈着を減少することを示した。すなわち、STIはトリプシンを阻害する。また、トリプシンはTRおよびPAR−2を活性化することが知られているので、本発明者はTRおよびPAR−2の色素沈着における可能な関与を調べた。すなわち、MelanoDermヒト表皮等価物を以下の表Bにおいて記載するTRおよびPAR−2アゴニストおよびアンタゴニストにより3日間にわたり毎日処理した。4日目にサンプルを採取して固定し、DOPA、H&EまたはF&M着色を行なった。その後、組織学的な全体の等価物検査により以下の処理による色素沈着における変化が明らかになった。図2はこの実施例の結果を示す図である。同図に示すように、PAR−2ペプチドアゴニストSLIGRLはそれぞれのメラノサイトにおいて色素沈着を誘発した。また、化合物Iすなわちトロンビンおよびトリプシンのインヒビタによる処理によって色素沈着が減少した。
【0031】
図3はこの実施例において述べる実験結果を示しており、TRおよびPAR−2試薬により処理したMelanoDerm等価物における色素沈着の程度を表している図である。すなわち、SLIGRLすなわちPAR−2アゴニストは色素沈着を顕著に増加しており、PAR−2が色素沈着に関与する可能性を示している。また、ヒルジン(Hirudin)すなわちトロンビン特異インヒビタおよびTFLLRNPNDKすなわちTR選択的アゴニストは色素沈着には全く影響を及ぼさない。一方、SFLLRNすなわちより低い特異性のTRアゴニストは色素沈着を軽減または減少する傾向を示した。これによって、TRは色素沈着に関与する可能性が比較的低いことが分かった。
【0032】
【表2】

【0033】
実施例3:プロテアーゼ活性受容体信号発生およびメラニン産生の間の投与量−応答関係
MelanoDerm等価物を実施例2に記載した態様と同一態様でPAR−2ペプチドアゴニストであるSLIGRLの0,10μMおよび50μMの増加濃度で処理した。F&M着色処理を4日目に行なった。図4Aに示すように、PAR−2活性剤(activator)であるSLIGRLの増加濃度により色素沈着が増加した。また、PAR−2活性剤であるトリプシンも同様の効果を生じた。一方、トロンビンおよびトリプシンのインヒビタである化合物Iの0.1pM乃至1μMの増加濃度における処理は色素沈着を減少した(図4A参照)。また、等価物をUVB照射によって予備処理すると、未処理対照物に比してメラニン産生が増加した。しかしながら、化合物IはこのUVB誘発色素沈着も減少することができる(図4B参照)。従って、この実施例によって、PAR−2信号発生の変調による色素沈着の増加および減少における投与量−応答性の関係が分かる。また、この実施例は化合物Iが色素沈着を阻害し、UV誘発の色素沈着を防止することも示している。
【0034】
実施例4:PAR−2はケラチノサイト内で発現するが、メラノサイト内では発現しない
PAR−2およびTR発現はケラチノサイトおよび線維芽細胞において既に示されている。この実施例はPAR−2がケラチノサイト内では発現するが、メラノサイト内で発現しないことを示す。さらに、TRがケラチノサイトおよびメラノサイトの両方において発現することを示す。このことを示すために、MelanoDermヒト表皮等価物、ヒト一次メラノサイト培養物(カリフォルニア州、サンディエゴのCloneticsによる新生児および成人)およびメリーランド州、ロックビルのATCCによるCloudman S91マウスメラノーマ細胞を培養において成長させ、全部のRNAをChomczymskiの「酸性グアニジニウムチオシアネート−フェノール−クロロホルム抽出によるRNA単離の単一工程法(Single Step Method of RNA Isolation by Acid Guanidinium Thiocyanate-phenol-chloroform extraction)」(162 Anal. Biochem. 156-69 (1987年))に記載される「Tel-Test B」により入手可能な「RNA Stat-60」試薬を用いて抽出した。その後、Promega社による商標名「RQ1RNアーゼフリーDNアーゼ(RQ1 RNase-free DNase)」で市販されるRNアーゼフリーDNアーゼの十分な量を各サンプルから抽出したRNAに加えて、Promega社により公表されたプロトコル「RNアーゼフリーDNアーゼ(RNase-free DNase)」(1955年5月)に記載される手順を用いて200ngのDNアーゼ処理したRNA(DNased-RNA)を各生成物から得られるようにした。さらに、このようにして得た200ngのDNアーゼ処理したRNAをLife Technologies社により市販されるランダムプライマーのようなランダムヘキサマーを用いてGibco-BRL(現在はLife Technologies社)により公表されたプロトコル「スーパースクリプトIIリバーストランスクリプターゼ(Superscript II Reverse Transcriptase)」(1992年4月)に記載される手順によって逆転写(「RT」)した。
【0035】
結果として得られるRT生成物を、Marthinuss他(1955年)またはカリホルニア、パロアルトのClontech Laboratories社によるプライマーに添付されるプロトコルに記載される手順に従って、約0.5ユニット(100μlの反応液当たり)の「タックポリメラーゼ(Taq polymerase)」の商標名によりPerkin-Elmer-Cetus社から市販される熱安定性DNAポリメラーゼおよび0.1μmol/反応液の表Cおよび本明細書に参考文献として含まれるMarthinuss他(1955年)に記載されるTRおよびPAR−2特異プライマーまたはClontech Laboratories社から市販されるグリセルアルデヒド−3−ホスフェート−デヒドロゲナーゼ(G3PDH)プライマーを用いるポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」)により増幅した。
【0036】
その後、このPCR生成物を当該技術分野において周知の方法に従って2%アガロース/エチジウムブロマイドゲルを用いて分析してケラチノサイトおよびメラノサイトにおける特定遺伝子の発現の程度を比較した。視覚評価を良好にすることが必要な場合は、結果として得られるPCR生成物を周知の手順でエタノールにより析出させる。G3PDHのプライマーを使用する場合は、PCR生成物の10%のみを使用した。この場合、逆転写していない表皮等価物によるRNAサンプルを各PCR増幅に対する陰性(negative)対照として使用した。ゲノムDNA混入物の無いことがゲルにおける各経路上に帯域がないことにより示された。また、陽性対照物が市販されていない場合は、逆転写したヒトの皮膚RNAサンプルを使用した。この結果、上記のゲル上のRT−PCR生成物の移動度は常に陽性対照物と同一であり、報告されているアンプリファイア・サイズに一致した。
【0037】
その後、各RT−PCR反応生成物の相対的性質を各生成物におけるG3PDHのmRNAレベルすなわち「ハウスキーピング(housekeeping)」遺伝子を分析することにより比較した。図5および図6に示すように、G3PDH遺伝子発現は全ての検査時点において同様であることが分かり、これによって、所望遺伝子の遺伝子発現の相対レベルの比較が可能となった。
【0038】
図5Aは、全皮膚(total skin)およびMelanoDerm等価物(「MD」)においてTRおよびPAR−2が、予想した通りに、発現したことを示している図である。しかしながら、S91メラノーマ細胞(「S91」)はPAR−2またはTRを発現しなかった。このことをさらに調べるために、本発明者はTRおよびPAR−2発現における一次の新生児(「mel−NB」)および成人(「mel−A」)メラノサイトを試験した。この結果、図5Bに示すように、一次のヒトのメラノサイトはTRを発現するがPAR−2を発現しないことが分かった。それゆえ、本発明者はPAR−2アゴニストおよびアンタゴニストがケラチノサイトとは相互作用するが、MelanoDerm等価物におけるメラノサイトとは相互作用せず、TRアゴニストおよびアンタゴニストがケラチノサイトおよびメラノサイトの両方と相互作用できると考えた。従って、ケラチノサイト−メラノサイト相互作用はケラチノサイト−PAR−2信号が色素沈着終点情報に変換される間に行なわれると思われる。
【0039】
表Cは使用した数種のDNAプライマー、PCR反応に要したMgClの量、および、PCRサイクルの長さを示している。
【0040】
【表3】

【0041】
実施例5:化合物Iの脱色作用に要するケラチノサイト−メラノサイト接触
実施例4の結果からメラノサイト単独ではPAR−2アンタゴニストの脱色作用に応答しないと考えられる。実際に、ヒドロキノンおよびベンズアルデヒドにより減少するヒトの一次メラノサイトまたはコレラトキシン−誘導S91細胞の色素沈着の程度は化合物Iの影響を受けない。PAR−2がメラノサイト内において発現しないので、本発明者は化合物Iの色素沈着作用についてケラチノサイト−メラノサイト相互作用の可能な必要条件を調べた。すなわち、一次メラノサイト培養体を表皮等価体(EpiDerm、メラノサイトなし)における同一プレート培養体と比較してケラチノサイトおよびメラノサイトの間の接触のない同時培養体を形成した。さらに、これらをメラノサイトが等価体の基層内に存在するMelanoDerm等価体とも比較した。また、培養体を表Dに記載する化合物I、PAR−2アゴニストSLIGRLおよびTRアゴニストTFLLRNPNDKと3日間処理して、4日目にDOPA着色処理を行なった。表Dにおいて、ケラチノサイトを「K」で示し、メラノサイトを「M」で示し、ケラチノサイト−メラノサイト接触の無いことを「K−Mなし(no K-M)」と示した。表Dに示すように、一次メラノサイトおよびこれらの薬剤により処理した同時培養体においては全く色素沈着における作用が見られなかった。また、MelanoDerm等価物においては、化合物Iは色素沈着を減少し、SLIGRLは色素沈着を誘発し、TFLLRNPNDKは全く作用しなかった。これらの結果から、ケラチノサイト−メラノサイト接触が色素沈着におけるPAR−2の作用に必要であることが分かった。
【0042】
【表4】

【0043】
実施例6:化合物Iがメラノサイト遺伝子発現に影響する
MelanoDerm等価物をトロンビンおよびトリプシンインヒビタである化合物Iの増加濃度において、または、PAR−2アゴニストであるSLIGRLの増加濃度において処理した。その後,未処理および化合物Iで処理した等価物から抽出したRNAについて上記実施例4に記載した態様でRT−PCRによる遺伝子発現を分析した。遺伝子特異的プライマーを上記の表Cに記載したように構成して、ヒトG3PDHに対応するClontechプライマーを実施例4と同様に使用した。発現レベルを評価したメラノゲン遺伝子はチロシナーゼ、TRP−1およびTRP−2であった。
【0044】
TRP−1における投与量依存減少およびTRP−2における投与量依存増加のレベルを図6Aに示すように化合物Iで処理したサンプルにおいて観察した。しかしながら、チロシナーゼ発現には影響を及ぼさなかった。また、これらの変化はインヒビタの投与量依存の白色化作用に相関していた。すなわち、両方の遺伝子発現パタンが白色化作用に帰結している。TRP−2酵素はドーパキノンを処理して5,6−ジヒドロキシインドール(DHI)ではなく5,6−ジヒドロキシインドールカルボン酸(DHICA)にする。この処理は褐色で微細分散したユーメラニンを生じて、不溶性の黒色ユーメラニンとは反対に、より明るい皮膚の色調になる。TRP−1はメラノゲン複合体を安定化して、色素生成を可能にする。それゆえ、TRP−1の減少量に従って、チロシナーゼ活性が減少して色素沈着が低下する。つまり、この蛋白質が欠乏すると白皮症(albinism)になる。しかしながら、SLIGRLの濃度増加はメラノゲン遺伝子発現に影響を及ぼさない(図6B参照)。
【0045】
TRP−1およびTRP−2はメラノサイト特異性を有している。化合物Iはトリプシンおよびトロンビンを阻害する。また、特異的トロンビンインヒビタのヒルジンは上記実施例2において明らかなように色素沈着には全く影響を及ぼさない。従って、本発明者はトリプシンおよびトロンビンが皮膚において発現するか否かを調べることにした。表Cに記載するような脳および胃の両方のトリプシンを検出するように構成したプローブにより、カリフォルニア州、カールスバッドのInvitorogenにより入手可能な全皮膚(total skin)mRNAサンプルおよびMelanoDerm等価物の両方のmRNAの発現を検出した。同じ発現パタンをトロンビンに対して検出した。トリプシンおよびトロンビンの両方が正常なメラノサイト(図5A,図5B参照)において発現することはない。これらのデータから、トリプシンがPAR−2を活性化するとすれば、ケラチノサイトのみによってそれが生成できると考えられる。図6Aに示すように、化合部Iによる処理によってトリプシンの発現が増加する。また、メラノゲン遺伝子発現に影響を及ぼさない(図6B参照)SLIGRLもまた等価物内におけるトリプシン発現を増加する。従って、本発明者は、トリプシンは皮膚におけるPAR−2の可能な天然のアクチベータ(活性化体)で色素沈着に作用可能であるが、そのmRNAレベルでは色素沈着に関与しないと判断した。このことは化合物I、STI等により阻害される別のまだ確認されていないセリンプロテアーゼが表皮におけるPAR−2の天然のアクチベータであることを示している。さらに、このプロテアーゼを誘発または阻害する化合物は黒色化(darkening)または白色化剤(lightening)としてそれぞれ作用すると考えられる。
【0046】
実施例7:トロンビンおよびトリプシンインヒビタおよびPAR−2アゴニストがインビボで色素沈着に作用を及ぼす。
2頭のギニアピッグを、1個の色素沈着した乳首に対して70:30のエタノール:プロピレングリコールビヒクル中における1および10μMの化合物Iにより、1日に2回、1週間に5日で7週間処理した。また、各動物体の別の乳首をビヒクルのみで処理して対照として用いた。7週間の処理後にクロマメータ(chromameter measurement)測定により、投与量依存白色化作用がそれぞれ+9.6Lおよび約18L単位になった。この時、見て分かる刺激の兆候は観察されなかった。
【0047】
また、3頭のギニアピッグの4個の群のそれぞれを、10μMの化合物I、SFLLRN、FSLLRNおよびSLIGRLにより、1日に2回、1週間に5日で8週間処理した。6週間後にクロマメータ測定をした結果、化合物Iによる白色化作用およびPAR−2アゴニストであるSLIGRLによる黒色化作用が見られた。この実施例の結果を図7に記載する。
【0048】
実施例8:トロンビンおよびトリプシンインヒビタおよびPAR−2アゴニストがインビボで色素沈着に作用を及ぼす。
1頭のユカタン小形ブタを、10μMの化合物I、SFLLRN、FSLLRNおよびSLIGRLにより処理した。各化号物をブタの2ヶ所の部位に、1日に2回、1週間に5日で8週間投与した。8週間後にクロマメータ測定をした結果、化合物Iによる処理によって顕著な白色化作用が見られ、PAR−2アゴニストであるSLIGRLは黒色化作用がクロマメータ測定により見られた。また、SFLLRNおよびFSLLRNは全く影響を及ぼさなかった。
【0049】
2頭のユカタンブタを増加濃度の化合物Iにより7週間半または10週間にわたって処理した。この活性化合物の4種の濃度は0,10μM,50μMおよび250μMであった。各濃度でブタの背部の対向側の2ヵ所の部位に投与した。クロマメータ測定を処理の前およびその後2週間おきに行なった。さらに、周期的およびこの実験の終わりに写真を撮った。この結果、目に見える白色化作用が250μM,50μMおよび10μMの処理において、それぞれ、処理の4週間目、5週間目および6週間目の間に見られた。8週間目までに、2ヵ所の最高投与量の白色化作用が同等になった。これらの結果を図8に示す。さらに、1頭のブタの処理過程におけるクロマメータの測定値(L、明度測定)を図9に示す。また、時間および濃度に依存する飽和作用が見られる。この実施例により、動物体モデルシステムにおける化合物Iによる視覚的脱色作用が色素沈着したヒトの皮膚に最も類似していることが分かる。
【0050】
これらの実験の終わりに組織学的および電子顕微鏡(EM)分析のための生体組織検査(biopsies)を行なった。さらに、組織検査サンプルをH&EおよびF&Mにより着色した。このH&E着色によって、刺激、炎症応答または皮膚構造に全く変化がないことが示され、化合物Iの長期間の使用の安全性が示された。また、F&M着色によって、処理したサンプルの表皮の基層および当該表皮組織中の両方において色素沈着の減少が示された。これらの結果を図10に示す。すなわち、未処理のビヒクル処理サンプル(図10A参照)は同一であり、最も暗い。また、10μM処理(図10B参照)は減少した色素沈着を示し、50μMおよび250μM処理(それぞれ、図10Cおよび図10D参照)は最も明るい。
【0051】
この実施例の結果から、化合物Iの最高の白色化が比較的高濃度で短期間または比較的低濃度で長期間で達成できることが分かる。従って、所望の皮膚の白色化を行なうために、少なくとも2種の異なる処理方法を採用することが可能である。
【0052】
実施例9:超微細構造研究によりインビトロおよびインビボにおける皮膚に対する化合物Iの作用を示す。
化合物Iにより処理したMelanoDerm等価物およびブタの皮膚部位について超微細構造分析を行なった。すなわち、化合物Iにより処理したMelanoDerm等価物を電子顕微鏡によりメラノソーム形成および分布について分析した。この結果、未処理の対照物に比して、処理したサンプルは、メラノサイト内において、メラノソームを比較的多く含んでいたが、成長したメラノソームすなわち減少したメラニン生成を照明するメラノソームは比較的少なかった(図11A,図11B参照)。メラノソームを含む樹状突起が処理したケラチノサイト内において容易に確認されたが(図11C参照)、対照のケラチノサイトを見つけるのは困難であった。このことから、異常なメラノソーム形成および遅くて損なわれたメラノソームのケラチノサイト内への転移が処理したサンプルにおいて生じていると考えられる。
【0053】
また、上記実施例8に記載するような化合物Iにより8週間処理したユカタンブタの皮膚サンプルも電子顕微鏡により分析した。この結果、処理した部位のケラチノサイト内のメラノソームは対照に比して、比較的的小さくて色素沈着も少なかった(図11D,図11Eおよび図11F参照)。さらに、この処理した皮膚内のメラノソームの分布は異常であった。すなわち、未処理対照物における不規則な分布に比して、メラノソームが表皮−皮膚境界域に主に検出された(図11G,図11H参照)。本発明者は他のメカニズムを案出できないが、本発明者は化合物Iで処理したケラチノサイトが存在する樹状突起からメラノソームを能動的に受け取ることができなかったと考える。
【0054】
実施例10:化合物Iのインビボ色素沈着作用が可逆的である。
ユカタンブタの8ヶ所の部位を250□Mの化合物Iで1日に2回、1週間に5日で8週間処理した。全ての部位は図12Bに示すように処理期間の終わりまでに目に見える脱色作用を示した。次の4週間(実験の9週目に開始)の間、処理した部位の色をモニターして、2ヵ所の処理した部位から各週に2回生体検査組織を採取した。未処理の部位もまた生体組織検査した。この脱色作用を処理後1週間および2週間において視覚化して、4週間目までに完全な回復が見られた。さらに、F&M着色した皮膚部分の組織学的検査によって再色素沈着が(図12に示すように)視覚的に確認できた。すなわち、処理後1週間程度において再色素沈着が組織に見られた。この視覚的観察は角質層の色素沈着の組織的呈示に相関関係がある。すなわち、この実施例は化合物Iが色素沈着機構を永久的に損なうことなくインビボにおいて可逆的に作用することを示している。図12Aは化合物Iにより処理しなかった部位の2種類の組織学的F&M着色した切断部分を示している。一方、図12Bは化合物Iにより8週間処理した部位の2種類の組織学的F&M着色した切断部分を示している。図12Cは化合物Iにより8週間処理した部位の切断部分で処理を停止してから1週間後の状態を示している。図12Dは化合物Iにより8週間処理した部位の切断部分で処理を停止してから2週間後の状態を示している図である。図12Eは化合物Iにより8週間処理した部位の切断部分で処理を停止してから4週間後の状態を示している図である。この図12Eに示すように、切断部分は処理後4週間で完全に再色素沈着している。
【0055】
実施例11:STIを含む天然物誘導生成物の調製
実施例1は任意の白色化配合物においてソイビーン(大豆)トリプシンインヒビタの存在がその脱色活性のために望まれることを示している。分析試験に基づいて、ソイビーンミルク(豆乳)およびソイビーンペーストがソイビーントリプシンインヒビタに富む供給源であることが決定された。
【0056】
このソイビーンペーストを作成するために、ソイビーンをまず脱イオン水または純水に数時間浸ける。このソイビーンが完全に水を含んだ後にこれを碾いて必要に応じて、少量の水を加えてこのペーストを滑らかにした。また、ソイビーンミルクを作成するために、さらに水を加えながら上記と同一の手順(上記の豆碾き処理によりソイビーンミルクを抽出できるようにする)を行なった。これを集めた後に、ソイビーンミルクをろ過して豆の外皮の残留物を除去した。
【0057】
このようにして、ソイビーンミルク、ソイビーンペーストおよびミソ(味噌)を作成して皮膚の色を白色化するSTIを含む天然誘導材料として使用した。
【0058】
実施例12:PAR−2経路に作用する天然誘導材料による処理が脱色を誘発する
2頭のユカタンブタを異なるソイビーンおよびリマビーン(あおいまめ)誘導生成物により8週間および10週間、1日に2回、1週間に5日で処理した。これらの天然生成物はソイビーンペースト、ソイビーン蛋白酸水解物、ミソ、生および煮沸ソイビーンミルク、および、ソイビーンの市販の抽出物(テキサス州、ダラスのActive OrganicsのActiphyte(商標))、精製STIおよびソイビーンおよびリマビーンからのトリプシンインヒビタの異なる調整物を含む。処理の7週目において、煮沸ソイビーンミルクおよびソイビーン蛋白酸水解物で処理した部位を除いて、全ての部位が周囲の組織よりも視覚的に明るくなった。このように処理した部位をF&M着色処理した後に採取した生体検査組織によりソイビーンおよびリマビーン生成物の脱色作用を確認した。このような組織学的データの一例を図13に示す。この場合の煮沸ソイビーンミルクおよびソイビーン蛋白酸水解物における脱色活性の欠乏はこれらの調製物におけるソイビーン蛋白の変性または劣化によるものと考えられる。本発明者は上気のソイビーンおよびリマビーン生成物における活性な脱色作用剤は、それぞれ、ソイビーントリプシンインヒビタ(STI)およびリマビーントリプシンインヒビタであると考えている(実施例1はインビトロにおけるSTIの脱色効果を示している)。従って、この実施例はトリプシンインヒビタ活性を有する天然抽出物がPAR−2経路に影響を及ぼす白色化作用剤として使用できることを示している。
【0059】
実施例13:リポソーム配合物におけるSTIはヒトしみ(斑点)を白色化できる
手の背部に3個のしみ(斑点)を有する個体において、1日2回で8週間、腕に最も近いしみを20mg/mlのリポソームを含むプラシーボ(placebo)により処理し、中間位置のしみは処理せず、3番目のしみをリポソーム(20mg/ml)中に1%のSTIにより処理した。
【0060】
GDLリポソームをグリセロールジラウレートを含む非イオン性リポソーム配合物(Emulsynt GDL, ISP Van Dyk)/コレステロール(Croda)/ポリオキシエチレン−10−ステアリルエーテル(Brij76, ICI)/ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテルを37.5:12.5:33.3:16.7の比率以外は、上述のNiemiec他に記載されるように作成した。また、Hepesバッファ(0.05M、pH7.4)(メリーランド州、ゲイサースブルグのGibco-BRL)を上記リポソームの調製における水性相(aqueous phase)として使用した。さらに、UV光および可視光デジタル写真を処理の0週目、4週目および8週目に撮影した。L(明るさ)の値をAdobe Photoshopを用いて画像から計算した。
【0061】
図14に示すように、STIで処理したしみは8週間の処理後に明るさを増した。図14は4枚の写真の複合物である。左のパネルは8週間の処理前(上)および処理後(下)の手の可視光写真である。この方向において上部のしみはプラシーボ処理されており、中間のしみは未処理であり、下方のしみはSTI処理されている。また、右のパネルはUV光写真による同一点における同一の手の写真を示している。このUV光は皮膚におけるより深い所の色素の視覚化が可能であり、STIによる白色化作用が表面的でないことを示している。図14は上記STI配合物が下方のしみを白色化することが可能であることを鮮明に示している図である。15L単位の増加はこのSTI処理した部位において計算されたものであり、この処理のしみを白色化する能力がさらに示されている。
【0062】
実施例14:ソイビーンミルクによる脱色配合物
ソイビーンミルクを作成するにおいて、当該ミルク材の豊かな軟化性がスキンケア配合物において望ましいことが分かった。オイルインウォータエマルジョンまたは他の多くのスキンケア配合物においては水が主成分であるので、本発明者はソイミルクがこのような配合物において脱イオン水の代わりに使用できると考えた。しかしながら、本発明者はこのような配合物はソイビーンミルクのオイルおよび水の成分の非混和性のために物理的に安定でなくなると予想した。ところが、予期に反して、本発明者はこのソイビーンの水との置き換えが物理的に安定であることを見出した。このソイビーンミルクを使用する配合物は約1%乃至約99%のソイビーンミルクを含み、さらに好ましくは、約80%乃至約95%のソイビーンミルクを含む。好ましくは、この配合物およびこれに類似する配合物は、約0%乃至約5%(さらに好ましくは約0.1%乃至約2%)の増粘剤、約20%までの1種以上の軟化剤、および/または、約0.1%乃至約10%(さらに好ましくは約3%乃至約5%)の乳化剤、および、必要に応じて、約0%乃至5%(さらに好ましくは約1%乃至約2%)の分散剤、防腐剤、キレート剤または湿潤剤を含む。なお、防腐剤は上記ミルク材の全体構成を維持して組成物の活性を維持するのに有効な量で存在させる必要がある。また、配合物の拡散性を抑える粘度を生じるのに十分な、例えば、約0%乃至約10%、さらに好ましくは約3%乃至約5%の増粘剤を配合物内に存在させる必要がある。さらに、サンスクリーン、酸化防止剤、ビタミン、他の脱色材および他の局所スキンケア用成分を本発明の組成物に混合してもよい。
【0063】
以下の表Eは水をソイミルクで置き換える脱色配合物の特に好ましい脱色配合物を示している。
【0064】
【表5】

【0065】
STI,ソイビーンペーストおよび他のトリプシンインヒビタ含有天然抽出物を上記配合物に混合してセリンプロテアーゼインヒビタの濃度を増加することもできる。なお、このような付加的な活性成分の使用量は配合物において0.01%乃至15%とすることができる。さらに、PAR−2インヒビタ、チロシナーゼインヒビタ、ヒドロキノン、大豆生産物、アスコルビン酸およびその誘導体、並びに、他のスキンケア効果を有する成分を上記配合物内に混合することも可能である。
【0066】
実施例15:オイルインウォータエマルジョン脱色配合物
オイルインウォータエマルジョンを用いる脱色配合物の2種の例を表Fに示す。STIを含む配合物(この場合、STIは他の天然誘導セリンプロテアーゼインヒビタまたはセリンプロテアーゼインヒビタを含む天然誘導抽出物またはそのフラクションと代えることができる)を表Fのカラム(段)4に記載した。また、化合物Iを含む同様の配合物を表Fのカラム5に示した。この組成物における化合物Iは、活性成分として合成的または天然に得られることの如何によらず、類似の化合物またはセリンプロテアーゼインヒビタまたは高い治療作用を有する適当なPAR−2インヒビタ材料と代えることができる。このような成分の適当と思われる(重量)範囲も表Fに記載した。これらの配合物に含有される脱イオン水はソイビーンミルクに代えることができる。
【0067】
【表6】

【0068】
上記の配合物を作成するために、脂肪相の成分を85℃で混合した後に、60℃に冷却した。分離容器において、このカーボポル(carbopol)を水またはソイビーンミルクにゆっくりと加えた。10分間混合した後に、残りの水性相成分を加えて、混合物を60℃に加熱した。これらの2相を10分間混合して室温まで冷却した。もちろん、この実施例および以下の実施例および本発明の方法および組成物の他の実施例において、1種以上の脱色剤をこの配合物に加えてもよい。
【0069】
実施例16:脱色組成物(オイルインウォータエマルジョン)
オイルインウォータエマルジョン脱色配合物の付加的な実施例を表Gに示した。STIを含む配合物(この場合、STIは他の天然誘導セリンプロテアーゼインヒビタまたはセリンプロテアーゼインヒビタを含む天然誘導抽出物またはそのフラクションと代えることができる)を表Gのカラム(段)3に記載した。また、化合物Iを含む同様の配合物を表Gのカラム4に示した。この組成物における化合物Iは、活性成分として合成的または天然に得られることの如何によらず、類似の化合物またはセリンプロテアーゼインヒビタまたは高い治療作用を有する適当なPAR−2インヒビタ材料と代えることができる。このような成分の適当と思われる(重量)範囲も表Gに記載した。これらの配合物に含有される脱イオン水はソイビーンミルクに代えることができる。
【0070】
【表7】

【0071】
上記の配合物を作成するために、ヒドロキシエチルセルロースをゆっくりと水またはソイビーンミルクに加えて完全に溶解するまで攪拌した。分離容器にアクリレート/C10−30アルキルアクリレートクロスポリマーを加えて完全に溶解するまで攪拌した。2個の容器の内容物を20分間混合した。次いで、ビタミンEアセテートを加えて混合した後に、イソヘキサデカンおよびパンテノール(98%)を加えた。5分間混合した後に、STIまたは天然抽出物または化合物Iをプロピレングリコールと共に加えて5分間攪拌した。次に、グリセリンを加えて、配合物を20分間攪拌した。最後に、pHを水酸化ナトリウム(ソジウムヒドロキシド)によりSTに対応して8(適正範囲6乃至8)または化合物Iに対応して(適正範囲5.5乃至8.5)に調節した。
【0072】
実施例17:脱色組成物(ウォータインオイルエマルジョン)
ウォータインオイルエマルジョンによる脱色配合物の一例を表Hに示す。STIを含む配合物(この場合、STIは他の天然誘導セリンプロテアーゼインヒビタまたはセリンプロテアーゼインヒビタを含む天然誘導抽出物またはそのフラクションと代えることができる)を表Hのカラム(段)4に記載した。また、化合物Iを含む同様の配合物を表Hのカラム5に示した。この組成物における化合物Iは、活性成分として合成的または天然に得られることの如何によらず、類似の化合物またはセリンプロテアーゼインヒビタまたは高い治療作用を有する適当なPAR−2インヒビタ材料と代えることができる。このような成分の適当と思われる(重量)範囲も表Gに記載した。これらの配合物に含有される脱イオン水はソイビーンミルクに代えることができる。
【0073】
【表8】

【0074】
上記配合物を作成するためにステアリルアルコールおよび鉱油(ミネラルオイル)を70℃で溶かした。この油相成分を加えてその混合物を75℃に加熱した。一方、バルク相の水またはソイミルクに予め溶かして70℃に加温した上記水性成分を加えて、その混合物を凝固するまで攪拌した。
【0075】
実施例18:脱色組成物(水性ゲル)
水性ゲルによる2種の脱色配合物を表Jに示す。STIを含む配合物(この場合、STIは他の天然誘導セリンプロテアーゼインヒビタまたはセリンプロテアーゼインヒビタを含む天然誘導抽出物またはそのフラクションと代えることができる)を表Jのカラム(段)3に記載した。また、化合物Iを含む同様の配合物を表Jのカラム4に示した。この組成物における化合物Iは、活性成分として合成的または天然に得られることの如何によらず、類似の化合物またはセリンプロテアーゼインヒビタまたは高い治療作用を有する適当なPAR−2インヒビタ材料と代えることができる。このような成分の適当と思われる(重量)範囲も表Jに記載した。これらの配合物に含有される脱イオン水はソイビーンミルクに代えることができる。
【0076】
【表9】

【0077】
実施例19:脱色組成物(水性ゲル)
水性ゲルによる脱色配合物を表Kに示す。STIを含む配合物(この場合、STIは他の天然誘導セリンプロテアーゼインヒビタまたはセリンプロテアーゼインヒビタを含む天然誘導抽出物またはそのフラクションと代えることができる)を表Kに記載した。また、化合物Iを含む同様の配合物を表Kに示した。この組成物における化合物Iは、活性成分として合成的または天然に得られることの如何によらず、類似の化合物またはセリンプロテアーゼインヒビタまたは高い治療作用を有する適当なPAR−2インヒビタ材料と代えることができる。このような成分の適当と思われる(重量)範囲も表Kに記載した。これらの配合物に含有される脱イオン水はソイビーンミルクに代えることができる。
【0078】
【表10】

【0079】
この配合物を作成するために、化合物Iを水に溶解した。その後、エタノールおよびプロピレングリコールを混合して化合物を含む水性溶液に加えた。
【0080】
I.要するに、本発明者はケラチノサイト受容体PAR−2の活性により色素沈着が増加することを示した。好ましくは、この活性はトリプシンまたはSLIGRLまたはSLIGKVDまたは他のSLIGRLおよびSLIGKVDの誘導体の使用により達成される。または、本発明者は白色化がセリンプロテアーゼインヒビタまたはPAR−2アンタゴニスト、並びに、メラノソーム・トランスファ・ブロッカーの使用によって達成できることを示した。なお、ケラチノサイトへのメラノソームの転移を阻止する当該技術分野における熟練者により知られる別の化合物も脱色作用剤として使用できる
【0081】
例えば、トリプシンおよびトロンビンインヒビタである化合物Iはメラノソームのケラチノサイトへの転移を阻止する。また、STIは同じメカニズムにより作用する。メラノサイト内における供給されないメラノソームの蓄積によって、陰性のメラノソームフィードバックメカニズムが生じて、この結果、新しいメラノソームの形成が遅くなる。TRP−1の生成物、主にメラノサイトにおける糖タンパクは調製が取れなくなってチロシナーゼの不安定化につながる。この結果、メラニン形成が減少し、TRP−1:TRP−2の比率が低減するにつれて明るい茶色に色が変化する。それゆえ、化合物Iの処理後またはSTIの処理後のメラノサイト内におけるメラノソームの蓄積が減少し、メラニンの含有量が変化して当該化合物IまたはSTIによる白色化作用が増加する。
【0082】
〔実施の態様〕
なお、本発明の実施態様として以下のものがある。
1.哺乳類動物に色素沈着変化に有効な量のPAR−2経路に作用する化合物を投与することからなる哺乳類動物の皮膚の色素沈着における変化を生じるための方法。
2.前記化合物がPAR−2経路を阻害する実施態様1に記載の方法。
3.前記化合物がPAR−2のアンタゴニストである実施態様2に記載の方法。
4.前記化合物がPAR−2に結合またはこれを遮断して活性化しない実施態様3に記載の方法。
5.前記化合物がPAR−2に結合またはこれを遮断して活性化しないSLIGRLに基づくアンタゴニスト、PAR−2に結合またはこれを遮断して活性化しないSLIGKVDに基づくアンタゴニストおよびこれらの混合物からなる群から選択される実施態様4に記載の方法。
6.前記化合物がプロテアーゼインヒビタである実施態様2に記載の方法。
7.前記化合物がセリンプロテアーゼインヒビタである実施態様6に記載の方法。
8.前記化合物がトロンビンおよび/またはトリプターゼおよび/またはトリプシンインヒビタである実施態様7に記載の方法。
9.前記化合物が以下の構造式Iの化合物またはこれらの化合物の薬剤として許容可能な塩である実施態様8に記載の方法であり、
【0083】
【化3】

当該構造式Iにおいて、
Aは、C1−8アルキル、カルボキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシカルボニルC1−4アルキル、フェニルC1−4アルキル、置換フェニルC1−4アルキル(当該フェニルの置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、ホルミル、C1−4アルコキシカルボニル、C1−2アルキルカルボニル、フェニルC1−4アルコキシカルボニル、C3−7シクロアルキルカルボニル、フェニルカルボニル、置換フェニルカルボニル(当該フェニルの置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、C1−4アルキルスルホニル、C1−4アルコキシスルホニル、パーフルオロC1−4アルキルスルホニル、フェニルスルホニル、置換フェニルスルホニル(当該フェニルの置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、10−カンファスルホニル、フェニルC1−4アルキルスルホニル、置換フェニルC1−4アルキルスルホニル、C1−4アルキルスルフィニル、パーフルオロC1−4アルキルスルフィニル、フェニルスルフィニル、置換フェニルスルフィニル(当該フェニルの置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、フェニルC1−4アルキルスルフィニル、置換フェニルC1−4アルキルスルホニル、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニルまたは置換ナフチルスルホニル(当該ナフチルの置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、1−ナフチルスルフィニル、2−ナフチルスルフィニルまたは置換ナフチルスルフィニル(当該ナフチルの置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である);
アラニン、アスパラギン、2−アゼチジンカルボン酸、グリシン、N−C1−8アルキルグリシン、プロリン、1−アミノ−1−シクロC3−8アルキルカルボン酸、チアゾリジン−4−カルボン酸、5,5−ジメチルチアゾリジン−4−カルボン酸、オキサドリジン−4−カルボン酸、ピペコリニン酸、バリン、メチオニン、システイン、セリン、スレオニン、ノルロイシン、ロイシン、第三ロイシン(tert-leucine)、イソロイシン、フェニルアラニン、1−ナフトアラニン(1-naphthalanine)、2−ナフトアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−1−カルボン酸および[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−2カルボン酸からなる群から選択される構造式Iにおいて示される窒素原子にそのカルボキシ末端部(terminus)を介して結合しているDまたはLアミノ酸であって、
当該アミノ酸のアミノ末端部がC1−4アルキル、テトラゾール−5イル−C1−2アルキル、カルボキシC1−4アルキル、C1−4アルコキシカルボニルC1−4アルキル、フェニルC1−4アルキル、置換フェニルC1−4アルキル(当該フェニルの置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、1,1−ジフェニルC1−4アルキル、3−フェニル−2−ヒドロキシプロピオニル、2,2−ジフェニル−1−ヒドロキシエチルカルボニル、[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−1−カルボニル、[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボニル、1−メチルアミノ−1−シクロヘキサンカルボニル、1−ヒドロキシ−1−シクロヘキサンカルボニル、1−ヒドロキシ−1−フェニルアセチル、1−シクロヘキシル−1−ヒドロキシアセチル、3−フェニル−2−ヒドロキシプロピオニル、3,3−ジフェニル−2−ヒドロキシプロピオニル、3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシプロピオニル、ホルミル、C1−4アルコキシカルボニル、C1−12アルキルカルボニル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキルカルボニル、フェニルC1−4アルキルカルボニル、置換フェニルC1−4アルキルカルボニル(当該フェニルの置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、1,1−ジフェニルC1−4アルキルカルボニル、置換1,1−ジフェニルC1−4アルキルカルボニル(当該フェニルの置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、パーフルオロC1−4アルキルスルホニル、C1−4アルキルスルホニル、C1−4アルコキシスルホニル、フェニルスルホニル、置換フェニルスルホニル(当該フェニルの置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、10−カンファースルホニル、フェニルC1−4アルキルスルホニル、置換フェニルC1−4アルキルスルホニル、パーフルオロC1−4アルキルスルフィニル、C1−4アルキルスルフィニル、フェニルスルフィニル、置換フェニルスルフィニル(当該フェニルの置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニル、置換ナフチルスルホニル(当該ナフチルの置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、1−ナフチルスルフィニル、2−ナフチルスルフィニル、置換ナフチルスルフィニル(当該ナフチルの置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)からなる群から選択される部分(基)に接続しているもの;および
第1および第2の2種のアミノ酸から構成されるポリペプチドであって、
当該第1のアミノ酸がDまたはLアミノ酸であって、構造式Iにおいて示される窒素原子にそのカルボキシ末端部を介して連結しており、グリシン、N−C1−8アルキルグリシン、アラニン、2−アゼチジンカルボン酸、プロリン、チアゾリジン−4−カルボン酸、5,5−ジメチルチアゾリジン−4−カルボン酸、オキサゾリジン−4−カルボン酸、1−アミノ−1−シクロC3−8アルキルカルボン酸、3−ヒドロキシプロリン、4−ヒドロキシプロリン、3−(C1−4アルコキシ)プロリン、4−(C1−4アルコキシ)プロリン、3,4−デヒドロプロリン、2,2−ジメチル−4−チアゾリジンカルボン酸、2,2−ジメチル−4−オキサドリジンカルボン酸、ピペコリン酸、バリン、メチオニン、システイン、アスパラギン、セリン、スレオニン、ロイシン、第三ロイシン(tert-leucine)、イソロイシン、フェニルアラニン、1−ナフトアラニン、2−ナフトアラニン、2−チエニルアラニン、3−チエニルアラニン、[1,2,3,4]−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボン酸、アスパラギン酸−4−C1−4アルキルエステルおよびグルタミン酸−5−C1−4アルキルエステルからなる群から選択され、
第2のDまたはLアミノ酸が前記第1のアミノ酸のアミノ末端部に結合して、フェニルアラニン、4−ベンゾイルフェニルアラニン、4−カルボキシフェニルアラニン、4−(カルボキシC1−2アルキル)フェニルアラニン、置換フェニルアラニン(当該フェニルの置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、3−ベンゾチエニルアラニン、4−ビフェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸、2−ピリジルアラニン、3−ピリジルアラニン、4−チアゾリルアラニン、2−チエニルアラニン、3−(3−ベンゾチエニル)アラニン、3−チエニルアラニン、トリプトファン、チロシン、アスパラギン、3−トリ−C1−4アルキルシリルアラニン、シクロヘキシルグリシン、ジフェニルグリシン、フェニルグリシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホン、2,2−ジシクロヘキシルアラニン、2−(1−ナフチルアラニン)、2−(2−ナフチルアラニン)、フェニル置換フェニルアラニン(当該置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される基である)、アスパラギン酸、アスパラギン酸−4−C1−4アルキルエステル、グルタミン酸、グルタミン酸−5−C1−4アルキルエステル、シクロC3−8アルキルアラニン、置換シクロC3−8アルキルアラニン(当該環状構造の置換基はカルボキシ、C1−4アルキルカルボキシ、C1−4アルコキシカルボニルまたはアミノカルボニルである)、2,2−ジフェニルアラニンおよびこれらのアミノ酸誘導体の全てのα−C1−5アルキル置換体からなる群から選択されるものであり、
当該第2のアミノ酸のアミノ末端部が、ホルミル、C1−12アルキル、テトラゾール−5−イルC1−2アルキル、カルボキシC1−8アルキル、カルボアルコキシC1−4アルキル、フェニルC1−4アルキル、置換フェニルC1−4アルキル(当該フェニルの置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、1,1−ジフェニルC1−4アルキル、C1−6アルコキシカルボニル、フェニルC1−6アルコキシカルボニル、C1−2アルキルカルボニル、パーフルオロC1−4アルキルC1−4アルキルカルボニル、フェニルC1−4アルキルカルボニル、置換フェニルC1−4アルキルカルボニル(当該フェニルの置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、10−カンファースルホニル、フェニルC1−4アルキルスルホニル、置換フェニルC1−4アルキルスルホニル、C1−4アルキルスルフィニル、パーフルオロC1−4アルキルスルフィニル、フェニルスルフィニル、置換フェニルスルフィニル(当該フェニルの置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルの1種以上から独立して選択される基である)、フェニルC1−4アルキルスルフィニル、置換フェニルC1−4アルキルスルフィニル、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニル、置換ナフチルスルホニル(当該ナフチルの置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される基である)、1−ナフチルスルフィニル、2−ナフチルスルフィニルおよび置換ナフチルスルフィニル(当該ナフチルの置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシまたはC1−4アルコキシカルボニルから選択される基である)からなる群から選択される基によって未置換またはモノ置換されているポリペプチド、からなる群から選択され、
は水素およびアルキルからなる群から選択され、
はアミノC2−5アルキル、グアニジノC2−5アルキル、C1−4アルキルグアニジノC2−5アルキル、ジC1−4アルキルグアニジノC2−5アルキル、アミジノC2−5アルキル、C1−4アルキルアミジノC2−5アルキル、ジC1−4アルキルアミジノC2−5アルキル、C1−3アルコキシC2−5アルキル、フェニル、置換フェニル(当該置換基はアミノ、アミジノ、グアニジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシおよびニトロの1種以上から独立して選択される)、ベンジル、フェニル置換ベンジル(当該置換基はアミノ、アミジノ、グアニジノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、ハロゲン、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルキル、C1−3アルコキシおよびニトロの1種以上から独立して選択される)、ヒドロキシC2−5アルキル、C1−5アルキルアミノC2−5アルキル、C1−5ジアルキルアミノC2−5アルキル、4−アミノシクロヘキシルC0−2アルキルおよびC1−5アルキルからなる軍から選択され、
pは0または1であり、
Bは以下の構造式で示される部分であり、
【0084】
【化4】

当該構造式において、nは0乃至3であり、RはHまたはC1−5アルキルであり、Bのカルボニル部分はEに結合しており、さらに、
Eは、オキサゾリン−2−イル、オキサゾール−2−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−5−イル、チアゾール−4−イル、チアゾリン−2−イル、イミダゾール−2−イル、4−オキソ−2−キノキサリン−2−イル、2−ピリジル、3−ピリジル、ベンゾ[b]−チオフェン−2−イル、チアゾール−4−イル、トリアゾール−6−イル、ピラゾール−2−イル、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾチアゾール−2−イル、ナフト[2,1−d]チアゾール−2−イル、ナフト[1−2−d]チアゾール−2−イル、キノキサリン−2−イル、イソキノリン−1−イル、イソキノリン−3−イル、ベンゾ[b]フラン−2−イル、ピラジン−2−イル、キナゾリン−2−イル、イソチアゾール−5−イル、イソチアゾール−3−イル、プリン−8−イルおよび置換ヘテロ環(当該置換基はC1−4アルキル、パーフルオロC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミド、ニトロ、アミノ、C1−4アルキルアミノ、C1−4ジアルキルアミノ、カルボキシ、C1−4アルコキシカルボニル、ヒドロキシおよびフェニルC1−4アルキルアミノカルボニルから選択される)からなる群から選択されるヘテロ環である、方法。
10.前記化合物がD−フェニルアラニン−プロリン−アルギニン・シーケンスを含む実施態様9に記載の方法。
11.前記化合物が(S)−N−メチル−D−フェニルアラニル−N−[4−[(アミノイミノメチル)アミノ]−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)ブチル]−L−プロリンアミドである実施態様10に記載の方法。
12.前記化合物がPAR−2経路に作用を及ぼす天然産物である実施態様6に記載の方法。
13.前記化合物がマメ科、ナス科、イネ科およびウリ科の植物の1種以上から誘導される実施態様12に記載の方法。
14.前記化合物がマメ科植物から誘導される実施態様13に記載の方法。
15.前記化合物が変性していないソイビーン抽出物、リマビーン抽出物、ブラックビーン抽出物およびこれらの混合物からなる群から選択される実施態様14に記載の方法。
16. 前記化合物が変性していないソイビーン抽出物、リマビーン抽出物、ブラックビーン抽出物およびこれらの混合物のフラクションからなる群から選択される実施態様15に記載の方法。
17.前記化合物がソイビーンミルク、リマビーンミルク、ブラックビーンミルク、ソイビーン抽出物、リマビーン抽出物、ブラックビーン抽出物、ソイビーンペースト、リマビーンペースト、ブラックビーンペーストおよびこれらの混合物からなる群から選択される実施態様14に記載の方法。
18.前記化合物がメラノソームトランスファインヒビタである実施態様2に記載の方法。
19.前記化合物がPAR−2経路を活性化する実施態様1に記載の方法。
20.前記化合物がPAR−2に結合してこれを活性化するPAR−2アゴニストである実施態様19に記載の方法。
21.前記化合物がPAR−2に結合してこれを活性化するSLIGRL、SLIGKVD、SLIGRLおよびSLIGKVDの誘導体、および、これらの混合物からなる群から選択される実施態様20に記載の方法。
22.前記化合物がPAR−2を活性化するプロテアーゼである実施態様19に記載の方法。
23.前記化合物がPAR−2を活性化するセリンプロテアーゼである実施態様22に記載の方法。
24.前記化合物がPAR−2を活性化する皮膚内で天然に生じるトリプシン、トリプターゼ、トロンビンおよびプロテアーゼからなる群から選択される実施態様23に記載の方法。
25.前記化合物がメラノソームトランスファエンハンサである実施態様1に記載の方法。
26.PAR−2経路に作用を及ぼす色素沈着変化に効果的な量の化合物からなる哺乳類の皮膚色素沈着作用を変えるための組成物。
27.前記化合物がPAR−2経路インヒビタである実施態様26に記載の組成物。
28.前記化合物がPAR−2のアンタゴニストである実施態様27に記載の組成物。
29.前記化合物がPAR−2に結合またはこれを遮断して活性化しない実施態様28に記載の組成物。
30.前記化合物がPAR−2に結合またはこれを遮断して活性化しないSLIGRLに基づくアンタゴニスト、PAR−2に結合またはこれを遮断して活性化しないSLIGKVDに基づくアンタゴニストおよびこれらの混合物からなる群から選択される実施態様29に記載の組成物。
31.前記化合物がプロテアーゼインヒビタからなる実施態様26に記載の組成物。
32.前記化合物がセリンプロテアーゼインヒビタからなる実施態様31に記載の組成物。
33.前記化合物がトロンビンおよび/またはトリプシンおよび/またはトリプターゼインヒビタまたはPAR−2を活性化する皮膚に天然に生じるセリンプロテアーゼのインヒビタである実施態様32に記載の組成物。
34.前記化合物がD−フェニルアラニン−プロリン−アルギニン部位を含む実施態様33に記載の組成物。
35.前記化合物が(S)−N−メチル−D−フェニルアラニル−N−[4−[(アミノイミノメチル)アミノ]−1−(2−ベンゾチアゾリルカルボニル)ブチル]−L−プロリンアミドである実施態様33に記載の組成物。
36.前記化合物がPAR−2経路に作用を及ぼす天然産物である実施態様31に記載の組成物。
37.前記化合物がマメ科、ナス科、イネ科およびウリ科の植物の1種以上から誘導される実施態様36に記載の組成物。
38.前記化合物がマメ科植物から誘導される実施態様37に記載の組成物。
39.前記化合物がソイビーン、リマビーンおよび/またはブラックビーンから誘導される実施態様38に記載の組成物。
40. 前記化合物が変性していないソイビーン抽出物、リマビーン抽出物、ブラックビーン抽出物およびこれらの混合物からなる群から選択される実施態様39に記載の組成物。
41.前記化合物がソイビーンミルク、リマビーンミルク、ブラックビーンミルク、ソイビーン抽出物、リマビーン抽出物、ブラックビーン抽出物、ソイビーンペースト、リマビーンペースト、ブラックビーンペーストおよびこれらの混合物からなる群から選択される実施態様40に記載の組成物。
42.前記化合物がソイビーンミルク、ソイビーン抽出物、ソイビーンペースト、リマビーンミルク、リマビーン抽出物、リマビーンペースト、ブラックビーンミルク、ブラックビーン抽出物、ブラックビーンペーストおよびこれらの混合物のフラクションからなる群から選択される実施態様40に記載の組成物。
43.前記化合物がメラノソームトランスファインヒビタである実施態様26に記載の組成物。
44.前記化合物がPAR−2経路を活性化する実施態様26に記載の組成物。
45.前記化合物がPAR−2に結合してこれを活性化するPAR−2アゴニストである実施態様44に記載の組成物。
46.前記化合物がPAR−2に結合してこれを活性化するSLIGRL、SLIGKVD、SLIGRLおよびSLIGKVDの誘導体およびこれらの混合物からなる群から選択される実施態様45に記載の組成物。
47.前記化合物がPAR−2を活性化するプロテアーゼである実施態様26に記載の組成物。
48.前記化合物がPAR−2を活性化するセリンプロテアーゼである実施態様47に記載の組成物。
49.前記化合物がPAR−2を活性化する皮膚内で天然に生じるトリプシン、トリプターゼ、トロンビンおよびプロテアーゼからなる群から選択される実施態様48に記載の組成物。
50.前記化合物がメラノソームトランスファエンハンサである実施態様26に記載の組成物。
51.前記PAR−2作用性化合物が前記組成物の約0.0001%(重量/容量)乃至約15%(重量/容量)の量で存在している実施態様26に記載の組成物。
52.前記化合物が前記組成物の約0.001%乃至約5%の量で存在している実施態様51に記載の組成物。
53.前記化合物が前記組成物の約0.005%乃至約1%の量で存在している実施態様52に記載の組成物。
54.約1重量%乃至約99重量%の量のビーンミルク(豆乳)からなる実施態様26に記載の組成物。
55.約0.01重量%乃至約20重量%の量のソイビーントリプシンインヒビタ、リマビーントリプシンインヒビタまたはブラックビーントリプシンインヒビタからなる実施態様26に記載の組成物。
56.前記組成物が1日2回で少なくとも8週間にわたって投与される実施態様1に記載の方法。
57.前記組成物が少なくとも約4週間乃至約10週間にわたって比較的多い量で投与された後に、皮膚の白色化作用を維持するために比較的少ない量で連続的に投与される実施態様56に記載の方法。
58.前記組成物が経口投与される実施態様1に記載の方法。
59.前記組成物が非経口投与される実施態様1に記載の方法。
60.前記色素沈着作用性の化合物および化粧品用として許容可能なビヒクルを含む実施態様26に記載の化粧品用組成物。
61.前記組成物がさらに付加的な脱色作用性薬剤からなる実施態様60に記載の組成物。
62.前記組成物がさらにチロシナーゼインヒビタからなる実施態様61に記載の組成物。
63.前記組成物がさらにリポソームからなる実施態様26に記載の組成物。
64.前記組成物がグリセロールジラウレート、コレステロール、ポリオキシエチレン−10−ステアリルエーテルおよびポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテルからなる実施態様63に記載の組成物。
65.前記組成物がさらに酸化防止剤からなる実施態様26に記載の組成物。
66.前記組成物がさらにサンスクリーン剤からなる実施態様26に記載の組成物。
67.前記組成物が約1%乃至約99%のビーンミルク、約0.1%乃至約20%の乳化剤および有効量の防腐剤からなる実施態様41に記載の組成物。
68.前記組成物が、さらに、酸化防止剤、サンスクリーン剤、保湿剤、漂白剤、脱色剤、界面活性剤、発泡剤、コンディショナ、湿潤剤、芳香剤、増粘剤、バッファ化剤、防腐剤およびこれらの混合物からなる群から選択される化合物からなる実施態様26に記載の組成物。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1A】本発明の方法に従う既知の着色(pigmenting)および脱色(depigmenting)剤により処理したメラノサイトを含む表皮等価物の相対色素沈着における増減を示すグラフ図である。
【図1B】本発明の方法および組成物に従って処理したメラノサイトを含む表皮等価物における相対的色素沈着の増減を示すグラフ図である。
【図2】PAR−2アゴニストおよび化合物Iにより処理したメラノサイトを含む表皮等価物の画像群である。
【図3】本発明の方法および組成物に従って処理したメラノサイトを含む表皮等価物における相対的色素沈着の増減を示すグラフ図である。
【図4A】本発明の組成物により処理した場合のメラノサイトを含む表皮等価物における色素沈着についての投与量/応答を示すグラフ図である。
【図4B】紫外光への曝露に続いて本発明の組成物による処理をした後のメラノサイトを含む表皮等価物の応答を示すグラフ図である。
【図5A】皮膚、メラノーマ細胞およびメラノサイトを含む皮膚等価物におけるTRおよびPAR−2受容体の発現を示すゲルの写真である。
【図5B】一次のヒトメラノサイトによるTRおよびPAR−2受容体の発現を示すゲルの写真である。
【図6A】化合物Iの異なる濃度による処理後の種々の遺伝子の発現を示すゲルの写真である。
【図6B】LIGRLの異なる濃度による処理後の種々の遺伝子の発現を示すゲルの写真である。
【図7】ギニアブタの乳首色素沈着の明度における本発明の異なる組成物の作用を示すグラフ図である。
【図8】皮膚脱色のために本発明の組成物により処理したユカタンブタの皮膚の写真である。
【図9】本発明の方法および組成物に従う処理の過程におけるユカタンブタの皮膚の明度を示すグラフ図である。
【図10A】0μMの濃度で本発明の方法に従って化合物Iを含む組成物により処理したユカタンブタの皮膚のF&M着色した組織学的部位の写真である。
【図10B】10μMの濃度で本発明の方法に従って化合物Iを含む組成物により処理したユカタンブタの皮膚のF&M着色した組織学的部位の写真である。
【図10C】50μMの濃度で本発明の方法に従って化合物Iを含む組成物により処理したユカタンブタの皮膚のF&M着色した組織学的部位の写真である。
【図10D】250μMの濃度で本発明の方法に従って化合物Iを含む組成物により処理したユカタンブタの皮膚のF&M着色した組織学的部位の写真である。
【図11A】本発明の組成物により処理したメラノサイトを含む表皮等価物の電子顕微鏡写真である。
【図11B】本発明の組成物により処理したメラノサイトを含む表皮等価物の電子顕微鏡写真である。
【図11C】本発明の組成物により処理したメラノサイトを含む表皮等価物の電子顕微鏡写真である。
【図11D】ユカタンブタの皮膚の未処理部位の電子顕微鏡写真である。
【図11E】本発明の組成物により処理したユカタンブタの皮膚の電子顕微鏡写真である。
【図11F】本発明の組成物により処理したユカタンブタの皮膚の電子顕微鏡写真である。
【図11G】ユカタンブタの皮膚の未処理部位の電子顕微鏡写真である。
【図11H】本発明の組成物により処理したユカタンブタの皮膚の電子顕微鏡写真である。
【図12A】ユカタンブタの皮膚の組織学的F&M着色部位の写真であり、未処理の皮膚を示している図である。
【図12B】ユカタンブタの皮膚の組織学的F&M着色部位の写真であり、本発明の組成物により処理してから8週間後の皮膚を示している図である。
【図12C】ユカタンブタの皮膚の組織学的F&M着色部位の写真であり、停止処理してから1週間後の皮膚を示している図である。
【図12D】ユカタンブタの皮膚の組織学的F&M着色部位の写真であり、停止処理してから2週間後の皮膚を示している図である。
【図12E】ユカタンブタの皮膚の組織学的F&M着色部位の写真であり、停止処理してから4週間後の皮膚を示している図である。
【図13】本発明の組成物により処理したユカタンブタの皮膚から採取したF&M着色の組織学的部位の写真である。
【図14】本発明の組成物により処理する前およびその後の人間の皮膚の紫外光および可視光のデジタル写真を含む図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳類動物の皮膚の色素沈着における変化を生じるための方法において、哺乳類動物の色素沈着変化に有効な量の、PAR−2経路に作用する組成物であって、蛋白質が変性しておらず、大豆トリプシンの阻害活性を有する大豆抽出物を含む組成物を投与することを含む、方法。
【請求項2】
哺乳類動物の皮膚の色素沈着における変化を生じるための方法において、哺乳類動物の色素沈着変化に有効な量の、PAR−2経路に作用する組成物であって、トリプシンの阻害活性を有し、変性していない大豆抽出物からなる組成物を投与することを含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記蛋白質が変性していない大豆抽出物が豆乳を含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、前記蛋白質が変性していない大豆抽出物が大豆ペーストを含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、前記蛋白質が変性していない大豆抽出物が、豆乳、大豆ペーストおよびこれらの混合物からなる群から選択されたフラクションを含む、方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の方法において、前記大豆抽出物が、前記組成物の0.001〜5重量%の量で存在している、方法。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれかに記載の方法において、前記大豆抽出物が、前記組成物の0.006〜1重量%の量で存在している、方法。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれかに記載の方法において、前記大豆抽出物が、前記組成物の1〜99重量%の量で存在している、方法。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれかに記載の方法において、前記組成物が、前記組成物の0.01〜20重量%の量の大豆抽出物を含む、方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の方法において、前記組成物が、1日2回で少なくとも8週間にわたって投与される、方法。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の方法において、前記組成物が、更に、化粧品用として許容可能なビヒクルを含む、方法。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の方法において、前記組成物が、更に、0.1〜20%の乳化剤および有効量の防腐剤を含む、方法。
【請求項13】
老化しみを白色化する方法において、哺乳類動物の皮膚の老化しみに、色素沈着変化に有効な量の、PAR−2経路に作用する組成物であって、蛋白質が変性しておらず、大豆トリプシンの阻害活性を有する大豆抽出物を含む組成物を投与することを含む、方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図11F】
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【図11G】
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【図11H】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−114187(P2009−114187A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−283213(P2008−283213)
【出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【分割の表示】特願平11−509785の分割
【原出願日】平成10年7月23日(1998.7.23)
【出願人】(598039367)ジョンソン・アンド・ジョンソン・コンシューマー・カンパニーズ・インコーポレイテッド (79)
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Consumer Companies,Inc.
【住所又は居所原語表記】Grandview Road,Skillman,New Jersey 08558,United States of America
【Fターム(参考)】