説明

監視カメラシステム

【課題】金庫室の防火性能を向上した上で、金庫室内を監視することができる監視カメラシステムの提供。
【解決手段】金属製の枠体21を有する扉19を備えた金庫室16内を監視する監視カメラシステム11であって、金庫室16内には監視カメラ30が設けられ、金庫室16外には画像データを録画する録画手段51と、金庫室16の扉19近傍を監視する監視手段55とが設けられ、監視カメラ30と録画手段51とが枠体21を介して画像データを通信可能に接続されており、金庫室16への入室可否を案内するガイド手段76を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金庫室内を監視する監視カメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
金庫室等の監視領域に監視カメラを設置し、カメラで取得した画像データを通信回線を利用して遠隔地にある監視センタに送信するように構成された遠隔監視システムがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−295598号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、金庫室の防火の観点から、金庫室の内外を貫通して通信用のケーブルを敷設するのは極力避ける必要があり、金庫室内に監視カメラを設置して監視することが事実上困難であった。
【0005】
したがって、本発明は、金庫室の防火性能を向上した上で、金庫室内を監視することができる監視カメラシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、金属製の枠体を有する扉を備えた金庫室内を監視する監視カメラシステムであって、前記金庫室内には監視カメラが設けられ、前記金庫室外には画像データを録画する録画手段と、前記金庫室の扉近傍を監視する監視手段とが設けられ、前記監視カメラと前記録画手段とが前記枠体を介して前記画像データを通信可能に接続されており、前記金庫室への入室可否を案内するガイド手段を備えていることを特徴としている。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記金庫室内には、前記監視カメラを駆動可能な電源が設けられておらず、前記金庫室外に、前記監視カメラを駆動可能な駆動電源が設けられていて、前記扉の開状態とされた前記枠体内の開口部を介して、前記駆動電源と前記監視カメラとが接続可能となっていることを特徴としている。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、前記監視カメラは、前記金庫室内の照明器具と同一の駆動電源から電力供給を受ける構成とされており、前記照明器具が電源ON状態で前記監視カメラも電源ON状態となり、前記照明器具が電源OFF状態で前記監視カメラも電源OFF状態となることを特徴としている。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明において、前記同一の駆動電源の投入手段は、前記金庫室の扉近傍に配設されていることを特徴としている。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか一項に係る発明において、前記ガイド手段は、前記録画手段による前記金庫室内の画像データの受信と非受信とで、アナウンス内容を変えることを特徴としている。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に係る発明において、前記監視手段が、少なくとも前記金庫室への入室動作を認識する認識手段を備えていることを特徴としている。
【0012】
請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明において、前記認識手段が、前記金庫室内の照明器具の点灯を認識可能であり、前記ガイド手段は、前記認識手段により認識される前記金庫室内の照明器具の点灯と非点灯とで、アナウンス内容を変えることを特徴としている。
【0013】
請求項8に係る発明は、請求項6に係る発明において、前記認識手段が、前記金庫室内の照明器具の点灯を認識可能であり、前記ガイド手段は、前記認識手段によって前記金庫室内の照明器具の点灯を確認し且つ前記録画手段によって前記金庫室内の画像データを受信している場合と、それ以外の場合とで、アナウンス内容を変えることを特徴としている。
【0014】
請求項9に係る発明は、請求項6乃至8のいずれか一項に係る発明において、前記認識手段は、さらに、前記金庫室からの退室動作、前記金庫室前への接近動作および前記金庫室前からの退避動作を認識可能であり、前記ガイド手段は、前記認識手段によって前記入室動作、前記退室動作、前記接近動作および前記退避動作のいずれかの動作を認識してから一定時間の間、音声案内することを特徴としている。
【0015】
請求項10に係る発明は、請求項請求項6乃至9のいずれか一項に係る発明において、前記監視手段は、前記録画手段によって前記金庫室内の画像データを受信する前に、前記認識手段によって前記入室動作を認識した場合、警告情報を発信することを特徴としている。
【0016】
請求項11に係る発明は、請求項6乃至9のいずれか一項に係る発明において、前記認識手段が、前記金庫室内の照明器具の点灯を認識可能であり、前記監視手段は、前記認識手段によって前記金庫室内の照明器具の点灯を確認する前に、前記認識手段によって前記入室動作を確認した場合、警告情報を発信することを特徴としている。
【0017】
請求項12に係る発明は、請求項6乃至9のいずれか一項に係る発明において、前記認識手段が、前記金庫室内の照明器具の点灯を認識可能であり、前記監視手段は、前記認識手段によって前記金庫室内の照明器具の点灯を確認し且つ前記録画手段によって前記金庫室内の画像データを受信する前に、前記認識手段によって前記入室動作を確認した場合、警告情報を発信することを特徴としている。
【0018】
請求項13に係る発明は、請求項10乃至12のいずれか一項に係る発明において、前記警告情報を受けると、その時点の日時である発生日時情報を記憶する記憶手段を有することを特徴としている。
【0019】
請求項14に係る発明は、請求項10乃至13のいずれか一項に係る発明において、前記警告情報を受けると、アラームを発生させる警告手段を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に係る発明によれば、金庫室の内外に常に露出する扉の金属製の枠体を導線として使用し、この枠体を介して、金庫室内に設けられた監視カメラで撮影した画像データを、これを録画する録画手段に通信するため、金庫室の内外を貫通して通信用のケーブルを敷設することなく、画像データを通信可能となる。したがって、金庫室の防火性能を向上した上で、金庫室内を監視することができる。また、金庫室への入室可否を案内するガイド手段を備えているため、例えば、監視カメラおよび録画手段の状態に応じて入室可否を案内することで、監視できない状況下での入室を抑制できる。
【0021】
請求項2に係る発明によれば、金庫室内には、監視カメラを駆動可能な電源、つまり常時電力を供給可能な電力供給機構(バッテリを含む)が設けられていないため、金庫室内に熱源がなく、防火上好ましい。そして、金庫室に人が出入りする時に、出入りのため扉で開状態とされた金庫室の開口部を介して、金庫室外の駆動電源に監視カメラを接続させることで、金庫室内を監視カメラで監視することができる。また、扉で開状態とされた金庫室の開口部を介して、金庫室外の駆動電源に監視カメラを接続させるため、扉を閉じるときに金庫室外の駆動電源と監視カメラとの接続を解除する必要があり、電源接続の解除忘れがない。よって、防火上さらに好ましい。加えて、電源ケーブルを金庫室内外を貫通して敷設する必要がなくなるため、防火上さらに好ましい。
【0022】
請求項3に係る発明によれば、監視カメラが、金庫室内の照明器具と同一の駆動電源から電力供給を受ける構成とされているため、金庫室内で作業するために照明器具を電源ON状態とすると監視カメラも電源ON状態となって、自動的に金庫室内を監視可能な状態となる。また、金庫室内での作業が終了して照明器具を電源OFF状態とすると監視カメラも電源OFF状態となる。したがって、照明器具を電源ON状態とする、係員が金庫室内で業務を行う状況においてのみ、監視カメラを電源ON状態にでき、必要最小限の電力供給にて機能させることができる。
【0023】
請求項4に係る発明によれば、同一の駆動電源の投入手段が、金庫室の扉近傍に配設されているため、電源の投入作業を容易に行うことができる。また、金庫室の扉近傍に配設された投入手段を操作して照明器具を電源ON状態とすると、監視カメラが電源ON状態となるため、係員の作業の流れに不自然な違和感を抱かせることなく、係員の入室に際して金庫室内を監視可能となる。
【0024】
請求項5に係る発明によれば、ガイド手段は、録画手段による金庫室内の画像データの受信と非受信とで、アナウンス内容を変えるため、例えば、録画手段によって金庫室内の画像データを受信する状態では、金庫室内の様子を監視カメラで撮影でき且つ録画手段で録画できる状態となっていると判断して、入室可であることを案内し、録画手段が金庫室内の画像データを非受信の状態では、金庫室内の様子を監視カメラで撮影でき且つ録画手段で録画できる状態となっていないと判断して、入室不可であることを案内することができる。
【0025】
請求項6に係る発明によれば、監視手段が、少なくとも金庫室への入室動作を認識する認識手段を備えているため、例えば監視カメラを駆動することで録画手段で画像データを受信する前に、金庫室への入室動作を認識すると不正行動と判断することができる。
【0026】
請求項7に係る発明によれば、ガイド手段は、認識手段により認識される金庫室内の照明器具の点灯と非点灯とで、アナウンス内容を変えるため、例えば、認識手段によって金庫室内の照明器具の点灯を認識していれば、金庫室内の様子を監視カメラで撮影できる状態となっていると判断して、入室可であることを案内し、認識手段によって金庫室内の照明器具の非点灯を認識していれば、金庫室内の様子を監視カメラで撮影できる状態となっていないと判断して、入室不可であることを案内することができる。
【0027】
請求項8に係る発明によれば、ガイド手段は、認識手段によって金庫室内の照明器具の点灯を確認し且つ録画手段によって金庫室内の画像データを受信している場合と、それ以外の場合とで、アナウンス内容を変えるため、例えば、認識手段によって金庫室内の照明器具の点灯を確認し且つ録画手段によって金庫室内の画像データを受信する状態では、金庫室内の様子を監視カメラで撮影でき且つ録画手段で録画できる状態となっていると判断して、入室可であることを案内し、それ以外の状態では、金庫室内の様子を監視カメラで撮影でき且つ録画手段で録画できる状態となっていないと判断して、入室不可であることを案内することができる。
【0028】
請求項9に係る発明によれば、ガイド手段は、認識手段によって入室動作、退室動作、接近動作および退避動作のいずれかの動作を認識してから一定時間の間、音声案内するため、音声案内を一定時間に限ることになって、音声案内が騒音となってしまうことを防止できる。
【0029】
請求項10に係る発明によれば、監視手段は、録画手段によって金庫室内の画像データを受信する前に、認識手段によって入室動作を認識した場合、警告情報を発信するため、録画手段によって金庫室内の画像データを受信したことを確認してから、入室動作を行うようにルール化しておくことで、このルールを破った場合に、不正行動と判定して、警告情報を発信することができる。
【0030】
請求項11に係る発明によれば、監視手段は、認識手段によって金庫室内の照明器具の点灯を確認する前に、認識手段によって金庫室への入室動作を確認した場合、警告情報を発信するため、金庫室内の前記照明器具が点灯してから、入室動作を行うようにルール化しておくことで、このルールを破った場合に、不正行動と判定して、警告情報を発信することができる。
【0031】
請求項12に係る発明によれば、監視手段は、認識手段によって金庫室内の照明器具の点灯を確認し且つ録画手段によって金庫室内の画像データを受信する前に、認識手段によって金庫室への入室動作を確認した場合、警告情報を発信するため、照明器具の点灯を確認し且つ録画手段によって金庫室内の画像データを受信したことを確認してから、入室動作を行うようにルール化しておくことで、このルールを破った場合に、不正行動と判定して、警告情報を発信することができる。
【0032】
請求項13に係る発明によれば、警告情報を受けると、その時点の日時である発生日時情報を記憶する記憶手段を有するため、不正行動があったと判定した警告情報の発生日時を後から確認することができる。
【0033】
請求項14に係る発明によれば、警告情報を受けると、アラームを発生させる警告手段を有するため、例えば、金庫室に入室する係員に不正行動があったことを認識させることができ、正しい手順での入室を促すことができ、あるいはその後の不正行動を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】参考技術および本発明の第1実施形態の監視カメラシステムが設置された金融機関店舗の概略平面図である。
【図2】参考技術および本発明の第1実施形態の監視カメラシステムが設置された金融機関店舗の概略側断面図である。
【図3】参考技術および本発明の第1実施形態の監視カメラシステムにおける電源コンセントと電源供給用コードとの接続状態を示す側面図である。
【図4】参考技術および本発明の第1実施形態の監視カメラシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
参考技術の監視カメラシステムを図面を参照して以下に説明する。
【0036】
図1に示すように、参考技術の監視カメラシステム11は、例えば金融機関の店舗12内に設置されるものである。金融機関の店舗12内は、顧客との接客を行う接客スペース13と、基本的には顧客が立ち入ることがない執務スペース14とに区画されており、執務スペース14は、執務室15とその奥方の金庫室16とに区画されている。金庫室16内には、図示は略すが現金等を保管する金庫や重要書類を保管するキャビネット等が設置されており、このため、金庫室16は閉塞された耐火構造とされている。金庫室16には、基本的に一箇所のみ金庫室16の内外を貫通する出入口(開口部)18が設置されており、出入口18は耐火性の扉19で開閉可能となっている。
【0037】
図2に示すように、扉19は、金庫室16の鉄筋コンクリート製の壁20に埋設されて出入口18を内側に形成する略矩形状の枠体21と、枠体21に回動可能に設けられて出入口18を開閉する扉本体22とを有している。ここで、扉本体22は、左右方向一側を中心に回動するように枠体21に支持されており、全閉状態および全開状態でのみ停止可能であり、これらの間にあるときには、自動的に全閉状態になるように付勢されている。また、枠体21は全体が一様な金属製であり金庫室16の内側および外側に常に露出している。
【0038】
金庫室16は、耐火性能上、窓類が設けられていない。そして、内部を明るく照らすための照明器具25が金庫室16内の天井26に設置されている。
【0039】
参考技術の監視カメラシステム11は、上記した金庫室16内を監視するもので、金庫室16内の天井26に設置されて金庫室16内を撮像可能な内部監視カメラ(監視カメラ)30と、この内部監視カメラ30と扉19の枠体21の上部の金庫室16内に露出する部分に設けられた内部接続点29とを通信可能に接続する内部通信ケーブル31と、内部通信ケーブル31と内部監視カメラ30との間に設けられたノイズフィルタ(ノイズ除去手段)32とを金庫室16内に有している。なお、図示例では、金庫室16内に内部監視カメラ30を1台設置しているが、複数台設置しても良い。
【0040】
ここで、金庫室16内は、重要物を保管する観点から上記した耐火とともに内部に火元を生じない防火が必須となっており、例えば漏電等、電力に起因した出火のリスクを避けるため、電力供給可能な電源は設けられていない。つまり、上記した照明器具25および内部監視カメラ30を駆動可能な駆動電源は金庫室16内には設けられていない。そして、電力供給が必要な上記した照明器具25および内部監視カメラ30は、給電用配線33を介して一つの電源供給用コード(投入手段)35に接続されている。つまり、照明器具25および内部監視カメラ30は、共通のこの電源供給用コード35を介して同一の駆動電源から電力供給を受ける構成とされており、電源供給用コード35が駆動電源に接続されることで照明器具25が電源ON状態になるとともに内部監視カメラ30も電源ON状態となり、電源供給用コード35の駆動電源への接続が解除されることで照明器具25が電源OFF状態となるとともに内部監視カメラ30も電源OFF状態となる。
【0041】
この電源供給用コード35は、金庫室16における出入口18つまり扉19の近傍に設けられており、具体的には、係員が出入口18から金庫室16内に入室せずに立位姿勢のまま把持可能となるように、出入口18の金庫室16内側の側部近傍の比較的高い位置に設けられた係止具36に掛けられている。この電源供給用コード35は、出入口18内側の側部の固定点37から所定の長さ延設されており、この長さの範囲内であれば自由に引き回しが可能となっている。この所定の長さは、電源供給用コード35が金庫室16内から扉19で開状態とされた出入口18を介して金庫室16の外側まで引き出し可能となる長さに設定されている。
【0042】
これに対して、執務室15における出入口18つまり扉19の近傍の側部には、商用電源等の駆動電源39に常時給電可能に接続された電源コンセント(投入手段)40が配設されている。よって、扉19の扉本体22で開状態とされた金庫室16の出入口18を介して電源供給用コード35が執務室15側に引き出され、図3に示すように、この電源供給用コード35の先端のプラグ41が執務室15側の電源コンセント40に接続されることで、駆動電源39から、照明器具25および内部監視カメラ30に、電源供給用コード35および給電用配線33を介してこれらを駆動する大きさの電力が供給されるようになっている。なお、内部監視カメラ30は、電力の供給中は、常に撮像を行って画像データを発信する。他方、電源供給用コード35の先端のプラグ41が執務室15側の電源コンセント40から抜かれることで、照明器具25および内部監視カメラ30への電力供給が断たれることになる。ここで、係員が立位姿勢のまま電源供給用コード35のプラグ41を接続できるように電源コンセント40の高さ位置も係止具36と同様、比較的高い位置に設定されている。
【0043】
以上により、金庫室16内には、照明器具25および内部監視カメラ30を駆動可能な電源が設けられておらず、金庫室16外に、照明器具25および内部監視カメラ30を駆動可能な駆動電源39の電源コンセント40が設けられていて、扉19の扉本体22で開状態とされた金庫室16の出入口18を介して、駆動電源39と、照明器具25および内部監視カメラ30とが接続可能となっている。また、照明器具25および内部監視カメラ30への同一の駆動電源39の投入手段である電源供給用コード35および電源コンセント40は、金庫室16の扉19の近傍に配設されている。
【0044】
監視カメラシステム11は、金庫室16外である執務室15に、扉19の枠体21の上部の金庫室16外に露出する部分に設けられた外部接続点48から延出する外部通信ケーブル49と、外部通信ケーブル49に通信可能に接続されたハードディスクレコーダ等の録画装置(録画手段)51と、外部通信ケーブル49と録画装置51との間に設けられたノイズフィルタ(ノイズ除去手段)52とを有している。つまり、録画装置51は、ノイズフィルタ32、内部通信ケーブル31、金属製の枠体21、外部通信ケーブル49およびノイズフィルタ52を介して、内部監視カメラ30から発信された画像データを有線で受信することになり、受信した画像データを日時情報とともに記憶する。この録画装置51は、執務室15に設けられていることから、上記した金庫室16内の内部監視カメラ30とは異なり、駆動電源39に常時給電可能に接続されて駆動可能な電力を受けている。なお、録画装置51は、内部監視カメラ30からの画像データを受信している状況でのみ、受信中のすべての画像データの録画を行うように設定されている。
【0045】
監視カメラシステム11は、金庫室16外である執務室15内に、金庫室16の出入口18の近傍つまり扉19の近傍を常時監視する外部監視装置(監視手段)55が設けられている。
【0046】
この外部監視装置55は、執務室15の天井56に設置されて金庫室16の出入口18の近傍つまり扉19の近傍を上方から撮像する外部監視カメラ57と、この外部監視カメラ57に通信可能に接続されてこの外部監視カメラ57で撮影した画像データを日時情報とともに記憶するハードディスクレコーダ等の録画装置59と、外部監視カメラ57に通信可能に接続されるとともに、録画装置51にも通信可能に接続されて、管理者の元に設置される監視装置本体63とを有している。この外部監視装置55も駆動電源39に常時給電可能に接続されている。
【0047】
図4に示すように、監視装置本体63は、外部監視カメラ57で撮影した画像データを解析し金庫室16への係員の入室動作および金庫室16内の照明点灯を認識する認識部(認識手段)66と、録画装置51の受信状態および認識部66の認識結果に基づいて不正行動の有無を判定し不正行動があった場合に警告情報を発信する監視部67と、この監視部67から警告情報を受けると警告情報の種別と受信時点の日時である発生日時情報とを記憶する記憶部(記憶手段)68と、監視部67から警告情報を受けるとアラームを発生させる本体警告部(警告手段)69と、操作部70と、再生制御部73と等で構成されている。本体警告部69は、アラーム音声等を発生させる音声発生部71と、アラーム表示等を行う表示モニタ部72とで構成されている。
【0048】
また、外部監視装置55は、監視装置本体63に通信可能に接続されてこの監視装置本体63の監視部67から警告情報を受けると、アラームを発生させる出入口案内部(警告手段)76を出入口18近傍にも有しており、出入口案内部76も、アラーム音声等を発生させる音声発生部77と、アラーム表示等を行う表示モニタ部78とで構成されている。
【0049】
監視装置本体63の認識部66は、例えば、外部監視カメラ57で撮像された、扉本体22が閉じられ扉19の前に係員がいない状態の画像データ、扉本体22が閉じられ扉19の前に係員がいる状態の画像データ、扉本体22が開かれて扉19の前に係員がいる状態の画像データおよび扉本体22が開かれて扉19の前に係員がいない状態の画像データと等をマスタデータとして記憶しており、外部監視カメラ57が現在取得している画像データを、マスタデータと比較することで、外部監視カメラ57が現在取得している画像データでは、扉本体22が閉じられ扉19の前に係員がいない状態にあるのか、扉本体22が閉じられ扉19の前に係員がいる状態にあるのか、扉本体22が開かれて扉19の前に係員がいる状態にあるのか、扉本体22が開かれて扉19の前に係員がいない状態にあるのか等を判定可能となっている。そして、現在取得している画像データが、扉本体22が閉じられ扉19の前に係員がいない状態から、連続的に、扉本体22が閉じられ扉19の前に係員がいる状態に変化し、さらに扉本体22が開かれて扉19の前に係員がいる状態に変化した場合、係員の金庫室16への入室動作が発生したと認識する。そして、扉本体22が開かれて扉19の前に係員がいる状態から、さらに、扉本体22が開かれて扉19の前に係員がいない状態に変化すると、係員の金庫室16への入室動作が完了したと認識する。
【0050】
また、認識部66は、外部監視カメラ57で取得した画像データの輝度の変化から、金庫室16の扉本体22が開かれた状態で金庫室16内の照明器具25が点灯した状態にあるか、それ以外の状態にあるかを認識するようになっている。
【0051】
監視部67は、認識部66によって金庫室16内の照明器具25の点灯を確認した後であって、録画装置51によって金庫室16内の画像データを受信する前に、認識部66によって係員の入室動作が完了したことを認識した場合、電源ONから録画装置51によって金庫室16内の画像データを受信するまでのタイムラグの間に入室するという不正行動があったと判定して、種別が画像データ受信前入室である警告情報を発信する。
【0052】
また、監視部67は、録画装置51によって金庫室16内の画像データを受信した後であって、認識部66によって金庫室16内の照明器具25の点灯を確認する前に、認識部66によって金庫室16への係員の入室動作を確認した場合に、電源ONから照明器具25が点灯するまでのタイムラグの間に入室するという不正行動があったと判定して、種別が点灯前入室である警告情報を発信する。
【0053】
また、監視部67は、録画装置51によって金庫室16内の画像データを受信する前であって、認識部66によって金庫室16内の照明器具25の点灯を確認する前に、認識部66によって金庫室16への係員の入室動作を確認した場合に、電源ONから照明器具25が点灯するまでのタイムラグの間であって電源ONから録画装置51によって金庫室16内の画像データを受信するまでのタイムラグの間に入室するという不正行動があったと判定して、種別が画像データ受信前且つ点灯前入室である警告情報を発信する。
【0054】
つまり、監視部67は、認識部66によって金庫室16内の照明器具25の点灯を確認し且つ録画装置51によって金庫室16内の画像データを受信するという、これらの条件が整う前に、認識部66によって金庫室16への係員の入室動作を確認した場合、不正行動があったと判定して、警告情報を発信する。
【0055】
他方、監視部67は、認識部66によって金庫室16内の照明器具25の点灯を確認し且つ録画装置51によって金庫室16内の画像データを受信した後に、認識部66によって金庫室16への係員の入室動作を確認した場合、不正行動がない正常な入室であると判定して、警告情報は発信せず、正常に金庫室16への入室が行われたことを示す正常入室情報を出力する。
【0056】
記憶部68は、監視部67から警告情報を受信すると、警告情報に含まれる画像データ受信前入室、点灯前入室、画像データ受信前且つ点灯前入室のいずれかの種別とともに、受信時点の日時である発生日時情報を関連づけて記憶する。
【0057】
再生制御部73は、表示モニタ部72へのガイダンス表示にしたがって操作部70に適宜の操作入力が行われると、記憶部68に記憶されている全ての警告情報の種別データと発生日時情報とを関連づけて並べて表示モニタ部72に表示させる。そして、これらからいずれか一つのデータが操作部70で指定されると、再生制御部73は、このデータの発生日時情報の前後所定時間において録画装置59で録画した画像を再生し日時情報と合わせて表示モニタ部72に表示させる。つまり、選択されたデータに対応して録画された外部監視カメラ57による出入口18の画像を再生する。
【0058】
また、再生制御部73は、表示モニタ部72へのガイダンス表示にしたがって操作部70に適宜の操作入力が行われると、操作部70に指定入力された日時情報において録画装置51で録画した画像を再生し日時情報と合わせて表示モニタ部72に表示させる。つまり、選択された日時情報に対応して録画された内部監視カメラ30の撮像による金庫室16内の画像を再生する。
【0059】
本体警告部69は、表示モニタ部72に、外部監視カメラ57が撮像している現在の画像データを常時表示可能になっている。そして、本体警告部69は、監視部67から警告情報を受信すると、音声発生部71がアラーム音声を発生させることになり、表示モニタ部72が外部監視カメラ57の現状の画像に合わせて、警告情報の種別をアラーム画像として表示させることになる。アラーム発生後、監視部67から正常入室情報を受信すると、本体警告部69は、アラーム音声およびアラーム画像を停止させる。つまり、監視部67は、警告情報を発信後、予め設定された所定時間が経過する前に(つまり係員により金庫室16内で作業が不可能な時間内に)、係員が金庫室16から出たことが、認識部66で認識され、その後、正しい手順で入室が行われたことが認識部66で認識されると、警告情報の発信を停止させることになり、これを受けて本体警告部69は、アラームを停止させる。
【0060】
出入口案内部76は、ノイズフィルタ32、内部通信ケーブル31、金属製の枠体21、外部通信ケーブル49およびノイズフィルタ52を介して監視装置本体63に入力されている内部監視カメラ30の現在撮像している画像データを、表示モニタ部78に常時表示させるようになっている。そして、出入口案内部76は、監視部67から警告情報を受信すると、出入口18の近傍に設置された音声発生部77がアラーム音声を発生させることになり、表示モニタ部78が内部監視カメラ30の現状の画像に合わせて、警告情報の種別をアラーム画像として表示させることになる。アラーム音声の発生後、監視部67から正常入室情報を受信すると、出入口案内部76は、アラーム音声およびアラーム画像を停止させる。この出入口案内部76で発生させるアラーム音声は、例えば、不正行動があったため、適正な手順、つまり金庫室16内の照明器具25の点灯を確認し且つ表示モニタ部78で金庫室16内の画像データが表示状態にあることを確認した後に、入室するように促すガイダンス音声およびガイダンス画像となっている。
【0061】
次に、参考技術の監視カメラシステム11の作動について、係員の金庫室16への入室の手順に沿って説明する。
【0062】
係員が金庫室16に入室するにあたって、扉19の前に立ち、扉19を全開状態まであけ、金庫室16に入室することなく、金庫室16の出入口18の内側近傍の係止具36に掛けられた電源供給用コード35を持ち、これを出入口18を介して執務室15側に引き出して、電源コンセント40に接続させる。これにより、金庫室16内に設けられた照明器具25および内部監視カメラ30に電力が供給され、これらが電源ONの状態になる。すると、照明器具25が点灯するとともに、内部監視カメラ30の画像データが、ノイズフィルタ32、内部通信ケーブル31、金属製の枠体21、外部通信ケーブル49およびノイズフィルタ52を介して有線で録画装置51に送信され、録画装置51に記憶されるとともに、外部監視装置55の監視装置本体63に入力されて出入口案内部76の表示モニタ部78に表示される。
【0063】
ここで、外部監視装置55は、常時、外部監視カメラ57で撮像した画像データを録画装置59に日時情報とともに記憶しており、認識部66が、出入口18つまり扉19の近傍の状況を外部監視カメラ57の画像データを解析している。そして、認識部66は、扉本体22が閉じられ扉19の前に係員がいない状態から、扉本体22が閉じられ扉19の前に係員がいる状態に変化し、さらに扉本体22が開かれて扉19の前に係員がいる状態に変化した場合、係員の金庫室16への入室動作が発生したと認識する。そして、扉本体22が開かれて扉19の前に係員がいる状態から、さらに、扉本体22が開かれて扉19の前に係員がいない状態に変化すると、係員の金庫室16への入室動作が完了したと認識する。
【0064】
そして、照明器具25の点灯および表示モニタ部78への金庫室16内の画像の表示を待って金庫室16に入室することがルール化されており、係員がこれらを待ってから金庫室16に入室した場合、つまり、外部監視装置55においては、認識部66によって外部監視カメラ57の画像データの輝度の変化から照明器具25の点灯を確認し、録画装置51によって金庫室16内の画像データを受信したことを確認してから、上記のように金庫室16への入室動作が完了したと認識した場合は、監視部67が正常入室情報を出力する。これにより、本体警告部69および出入口案内部76でアラームを発生させることはなく、照明器具25で明るく照らされた金庫室16内の内部監視カメラ30により撮像された画像データが、ノイズフィルタ32、内部通信ケーブル31、金属製の枠体21、外部通信ケーブル49およびノイズフィルタ52を介して録画装置51に送信され、録画装置51に日時情報とともに記憶される。
【0065】
他方、認識部66が、照明器具25の点灯を確認し且つ録画装置51によって金庫室16内の画像データを受信したことの二条件を確認する前に、金庫室16への入室動作が完了したと認識した場合は、監視部67が不正行動があったと判定して、その種別を含む警告情報を発信する。具体的には、認識部66によって金庫室16内の照明器具25の点灯を確認した後であって、録画装置51によって金庫室16内の画像データを受信する前に、認識部66によって入室動作が完了したことを認識した場合、種別が画像データ受信前入室である警告情報を発信する。また、録画装置51によって金庫室16内の画像データを受信した後であって、認識部66によって金庫室16内の照明器具25の点灯を確認する前に、認識部66によって金庫室16への入室動作を確認した場合に、種別が点灯前入室である警告情報を発信する。また、録画装置51によって金庫室16内の画像データを受信する前であって、認識部66によって金庫室16内の照明器具25の点灯を確認する前に、認識部66によって金庫室16への入室動作を確認した場合に、種別が画像データ受信前且つ点灯前入室である警告情報を発信する。
【0066】
すると、記憶部68が、警告情報に含まれる種別と受信時点の日時である発生日時情報とを関連づけて記憶することになり、本体警告部69および出入口案内部76がアラームを発生させることになる。つまり、本体警告部69は、音声発生部71がアラーム音声を発生させることになり、表示モニタ部72が外部監視カメラ57の現状の画像に合わせて、警告情報の種別をアラーム画像として表示させることになる。他方、出入口案内部76も、出入口18の近傍に設置された音声発生部77がアラーム音声を発生させることになり、表示モニタ部78が内部監視カメラ30の現状の画像に合わせて、警告情報の種別をアラーム画像として表示させることになる。
【0067】
アラーム発生により、係員が不正行動に気付き、金庫室16から一旦退室して、照明器具25の点灯および表示モニタ部78への画像データの表示を待って入室すると、アラーム発生後、予め設定された所定時間が経過する前に、金庫室16から出たことが、認識部66で認識され、その後、正しい手順で入室が行われたことが認識部66で認識されることになり、これを受けて、監視部67は、警告情報の発信を停止させ正常入室情報を発信することになり、これを受けて本体警告部69および出入口案内部76は、アラームを停止させる。
【0068】
そして、金庫室16での作業が終わり、退室する場合には、電源供給用コード35を電源コンセント40から抜くことになり、これにより、金庫室16内に設けられた照明器具25および内部監視カメラ30への電力供給が断たれ、これらが電源OFFの状態になる。すると、録画装置51が画像データを受信しなくなり、これにより録画装置51は録画を停止する。
【0069】
一方、状況確認が必要になって、管理者が、表示モニタ部72へのガイダンス表示にしたがって操作部70に適宜の操作入力を行うと、再生制御部73は、記憶部68に記憶されている全ての警告情報の種別データと発生日時情報とを関連づけて並べて表示モニタ部72に表示させる。そして、これらからいずれか一つのデータが操作部70で指定されると、再生制御部73は、このデータの発生日時情報の前後所定時間において録画装置59で録画した画像を再生し日時情報と合わせて表示モニタ部72に表示させる。これにより、すべての不正行動についての出入口18付近での画像を日時情報で検索して選択的に再生できるため、状況確認が容易にできることになる。
【0070】
また、状況確認が必要になって、管理者が、表示モニタ部72へのガイダンス表示にしたがって操作部70に適宜の操作入力を行うと、再生制御部73は、操作部70に指定入力された日時情報において録画装置51で録画した画像を再生し日時情報と合わせて表示モニタ部72に表示させる。これにより、金庫室16内の画像を日時情報で検索して選択的に再生できるため、状況確認が容易にできることになる。
【0071】
以上に述べた参考技術の監視カメラシステム11によれば、金庫室16の内外に常に露出する扉19の金属製の枠体21を導線として使用し、この枠体21を介して、金庫室16内に設けられた内部監視カメラ30で撮影した画像データを、これを録画する録画装置51に通信するため、金庫室16の内外を貫通して通信用のケーブルを敷設することなく、画像データを通信可能となる。したがって、金庫室16の防火性能を向上した上で、金庫室16内を監視することができる。勿論、金庫室16内で不正な行為がなされていないかを録画装置51の画像データを再生することによって確認できる。
【0072】
また、金庫室16内には、内部監視カメラ30を駆動可能な電源、つまり常時電力を供給可能な電力供給機構(バッテリを含む)が設けられていないため、金庫室16内に熱源がなく、防火上好ましい。そして、金庫室16に人が出入りする時に、出入りのため扉19の扉本体22で開状態とされた金庫室16の出入口18を介して、金庫室16外の駆動電源39の電源コンセント40に、内部監視カメラ30用の電源供給用コード35を接続させることで、金庫室16内を内部監視カメラ30で監視することができる。
【0073】
また、扉19の扉本体22で開状態とされた金庫室16の出入口18を介して、金庫室16外の駆動電源39の電源コンセント40に、内部監視カメラ30用の電源供給用コード35を接続させるため、扉19を閉じるときには金庫室16外の駆動電源39の電源コンセント40と内部監視カメラ30用の電源供給用コード35との接続を解除する必要があり、電源接続の解除忘れがない。よって、防火上さらに好ましい。加えて、電源ケーブルを金庫室16の内外を貫通して敷設する必要がなくなるため、防火上さらに好ましい。
【0074】
また、内部監視カメラ30が、金庫室16内の照明器具25と同一の電源供給用コード35によって、同一の駆動電源39から電力供給を受ける構成とされているため、金庫室16内で作業するために照明器具25を電源ON状態とすると内部監視カメラ30も電源ON状態となって、自動的に金庫室16内を監視可能な状態となる。また、金庫室16内での作業が終了して照明器具25を電源OFF状態とすると内部監視カメラ30も電源OFF状態となる。したがって、照明器具25を電源ON状態とする、係員が金庫室16内で業務を行う状況においてのみ、内部監視カメラ30を電源ON状態にでき、必要最小限の電力供給にて機能させることができる。
【0075】
また、同一の駆動電源39の投入手段である電源供給用コード35および電源コンセント40が、金庫室16の扉19の近傍に配設されているため、電源の投入作業を容易に、しかも金庫室16内に入室せずに行うことができる。また、金庫室16の扉19の近傍に配設された電源供給用コード35および電源コンセント40を接続操作して照明器具25を電源ON状態とすると、内部監視カメラ30が電源ON状態となるため、係員の作業の流れに不自然な違和感を抱かせることなく、係員の入室後に金庫室16内を監視可能となる。なお、電源供給用コードを執務室15側に設けて駆動電源39に常時接続させておき、照明器具25および内部監視カメラ30に接続されたコンセントを金庫室16内に設けて、出入口18を介して執務室15側から金庫室16に電源供給用コードを引き込んでコンセントに接続させて電力供給を行うようにしても良い。
【0076】
また、画像データのノイズを除去するノイズフィルタ32,52が設けられているため、枠体21を介することにより画像データに生じやすくなるノイズを除去することができる。なお、ノイズフィルタ32,52はノイズの発生状況に応じていずれか一方のみを設けるようにしても良い。また、ノイズフィルタ32の位置は内部監視カメラ30と内部接続点29との間であればいずれに位置に設けても良く、ノイズフィルタ52の位置は外部接続点48と録画装置51との間であればいずれに位置に設けても良い。さらに、ノイズを除去する手段として、内部監視カメラ30からの信号を、予め定められた特定の周波数の信号に載せて出力し、録画装置51への入力前に、予め定められた特定の周波数の信号を除去することで、内部監視カメラ30からの信号のみを取り出すフィルタを設けても良い。
【0077】
なお、以上の参考技術においては、金庫室16内の電源供給用コード35を、金庫室16外の電源コンセント40に接続させることで内部監視カメラ30および照明器具25に給電を行う場合を例にとり説明したが、内部監視カメラ30および照明器具25に給電するための電源供給ラインを耐火構造とすれば、金庫室16の内外を貫通して電源供給ラインを設けて金庫室16の外の手動スイッチのオンおよびオフで内部監視カメラ30および照明器具25への給電および給電停止を切り換えるようにすることも可能である。電源供給ラインの耐火構造としては、電源供給ラインが加熱・発火して金庫室16の内部で火災が発生しないように、電源供給ラインを金庫室16の床下となる土台に設けて炎による熱を伝わり難くする構造や、電源供給ラインを棒状金属体で構成して燃え難くする構造等が適用可能である。
【0078】
ここで、以上に述べた参考技術の監視カメラシステムによれば、金属製の枠体を有する扉を備えた金庫室内を監視する監視カメラシステムであって、前記金庫室内には監視カメラ(内部監視カメラ30)が設けられ、前記金庫室外には画像データを録画する録画手段(録画装置51)と、前記金庫室の扉近傍を監視する監視手段(外部監視装置55)とが設けられ、前記監視カメラと前記録画手段とが前記枠体を介して前記画像データを通信可能に接続されており、前記監視手段が、少なくとも前記金庫室への入室動作を認識する認識手段(認識部66)を備えているため、例えば前記監視カメラを駆動することで前記録画手段で画像データを受信する前に、金庫室への入室動作を認識すると不正行動と判断することができる。なお、認識手段による入室動作の認識にあっては、金庫室の扉本体が閉じられて扉の前に係員がいない状態から、扉本体が閉じられ扉の前に係員がいる状態に変化し、さらに扉本体が開かれて扉の前に係員がいる状態に変化した場合に、係員の金庫室への入室動作が発生したと認識し、そしてさらに、扉本体が開かれて扉の前に係員がいる状態から、さらに、扉本体が開かれて扉の前に係員がいない状態に変化すると、係員の金庫室への入室動作が完了したと認識するものと説明したが、このような状態変化の確認で認識するのではなく、係員が開かれた扉本体から金庫室内へ入っていく動作そのものを認識することで、入室動作を認識するようにしても良い。
【0079】
前記監視手段は、前記録画手段によって前記金庫室内の画像データを受信する前に、前記認識手段によって前記入室動作を認識した場合、警告情報を発信するため、前記録画手段によって金庫室内の画像データを受信したことを確認してから、入室動作を行うようにルール化しておくことで、このルールを破った場合に、不正行動と判定して、警告情報を発信することができる。
【0080】
前記認識手段が、前記金庫室内の照明器具の点灯を認識可能であり、前記監視手段は、前記認識手段によって前記金庫室内の照明器具の点灯を確認する前に、前記認識手段によって前記金庫室への入室動作を確認した場合、警告情報を発信するため、金庫室内の前記照明器具が点灯してから、入室動作を行うようにルール化しておくことで、このルールを破った場合に、不正行動と判定して、警告情報を発信することができる。
【0081】
前記認識手段が、前記金庫室内の照明器具の点灯を認識可能であり、前記監視手段は、前記認識手段によって前記金庫室内の照明器具の点灯を確認し且つ前記録画手段によって前記金庫室内の画像データを受信する前に、前記認識手段によって前記金庫室への入室動作を確認した場合、警告情報を発信するため、前記照明器具の点灯を確認し且つ前記録画手段によって金庫室内の画像データを受信したことを確認してから、入室動作を行うようにルール化しておくことで、このルールを破った場合に、不正行動と判定して、警告情報を発信することができる。
【0082】
前記警告情報を受けると、その時点の日時である発生日時情報を記憶する記憶手段を有するため、不正行動があったと判定した警告情報の発生日時を後から確認することができる。
【0083】
前記警告情報を受けると、アラームを発生させる警告手段を有するため、例えば、金庫室に入室する係員に不正行動があったことを認識させることができ、正しい手順での入室を促すことができ、あるいはその後の不正行動を未然に防止することができる。
【0084】
本発明の第1実施形態の監視カメラシステムを参考技術との相違部分を中心に以下に説明する。
【0085】
第1実施形態において、外部監視装置55は、出入口18近傍の出入口案内部(ガイド手段,警告手段)76が、監視装置本体63の監視部67から案内情報を受けると金庫室16への入室可否を案内するとともに、監視部67から警告情報を受けるとアラームを発生させるもので、出入口案内部76は、音声発生部77がガイド音声およびアラーム音声等を発生させ、表示モニタ部78がガイド表示およびアラーム表示等を行う。
【0086】
第1実施形態において、認識部66は、現在取得している画像データが、扉本体22が閉じられ扉19の前に係員がいない状態から、連続的に、扉本体22が閉じられ扉19の前に係員がいる状態に変化すると、金庫室16前への接近動作が発生したと認識する。また、認識部66は、現在取得している画像データが、扉本体22が閉じられ扉19の前に係員がいる状態から、連続的に、扉本体22が開かれて扉19の前に係員がいる状態に変化した場合、係員の金庫室16への入室動作が発生したと認識する。また、認識部66は、現在取得している画像データが、扉本体22が開かれて扉19の前に係員がいる状態から、連続的に、扉本体22が開かれて扉19の前に係員がいない状態に変化すると、係員の金庫室16への入室動作が完了したと認識する。
【0087】
また、認識部66は、現在取得している画像データが、扉本体22が開かれて扉19の前に係員がいない状態から、連続的に、扉本体22が開かれて扉19の前に係員がいる状態に変化した場合、金庫室16からの退室動作が発生したと認識する。また、認識部66は、現在取得している画像データが、扉本体22が開かれて扉19の前に係員がいる状態から、連続的に、扉本体22が閉じられて扉19の前に係員がいる状態に変化した場合、金庫室16からの退室動作が完了したと認識する。また、認識部66は、現在取得している画像データが、扉本体22が閉じられて扉19の前に係員がいる状態から、連続的に、扉本体22が閉じられて扉19の前に係員がいない状態に変化すると、金庫室16からの退避動作が発生したと認識する。
【0088】
また、認識部66は、外部監視カメラ57で取得した画像データの輝度の変化から、金庫室16の扉本体22が開かれた状態で金庫室16内の照明器具25が点灯した状態にあるか、扉本体22が開かれた状態で照明器具25が消灯した状態を含む、それ以外の非点灯の状態にあるかを認識するようになっている。
【0089】
監視部67は、認識部66が金庫室16前への接近動作が発生したと認識している場合に、種別が接近動作発生である動作情報を発信し、また、認識部66が金庫室16への入室動作が発生したと認識している場合に、種別が入室動作発生である動作情報を発信し、さらに、認識部66が金庫室16への入室動作が完了したと認識している場合に、種別が入室動作完了である動作情報を発信する。
【0090】
また、監視部67は、認識部66が金庫室16からの退室動作が発生したと認識している場合に、種別が退室動作発生である動作情報を発信し、また、認識部66が金庫室16からの退室動作が完了したと認識している場合に、種別が退室動作完了である動作情報を発信し、さらに、認識部66が金庫室16からの退避動作が発生したと認識している場合に、種別が退避動作発生である動作情報を発信する。
【0091】
また、監視部67は、認識部66が金庫室16内の照明器具25の点灯を認識している場合に、種別が点灯である点灯状態情報を出力することになり、認識部66が金庫室16内の照明器具25の非点灯(扉19の閉状態も含む)を認識している場合に、種別が非点灯である点灯状態情報を出力することになる。
【0092】
また、監視部67は、録画装置51が金庫室16内の画像データを受信している場合に、種別が受信である受信状態情報を出力することになり、録画装置51が金庫室16内の画像データを受信していない場合に、種別が非受信である受信状態情報を出力することになる。
【0093】
出入口案内部76は、監視部67から動作情報を受信した場合、その受信時点から所定の一定時間だけ、受信した動作情報に応じたアナウンス音声を音声発生部77が発生させることになり、受信時点から適宜のタイミングまで、受信した動作情報に応じたアナウンス画像を表示モニタ部78が表示させることになる。
【0094】
また、出入口案内部76は、監視部67から状態情報を受信した場合、その受信時点から所定の一定時間だけ、受信した状態情報に応じたアナウンス音声を音声発生部77が発生させることになり、受信時点から適宜のタイミングまで、受信した状態情報に応じたアナウンス画像を表示モニタ部78が表示させることになる。つまり、種別が点灯である点灯状態情報を受信し且つ種別が受信である受信状態情報を受信した場合と、それ以外の場合(種別が非点灯である点灯状態情報を受信した場合および種別が非受信である受信状態情報を受信した場合の少なくともいずれか一方の場合)とで、アナウンス内容を変えることになる。
【0095】
次に、第1実施形態の監視カメラシステム11の作動について、係員の金庫室16への入退室の手順に沿って説明する。
【0096】
外部監視装置55は、常時、外部監視カメラ57で撮像した画像データを録画装置59に日時情報とともに記憶しており、認識部66で、出入口18つまり扉19の近傍の状況を外部監視カメラ57の画像データを解析することで把握している。このため、係員が金庫室16に入室するにあたって扉19の前に立つと、外部監視カメラ57で撮影された画像データが、扉本体22が閉じられ扉19の前に係員がいない状態から、連続的に、扉本体22が閉じられ扉19の前に係員がいる状態に変化することになり、これにより、認識部66が、金庫室16前への接近動作が発生したと認識し、これを受けて監視部67が、種別が接近動作発生である動作情報を発信する。
【0097】
このように、種別が接近動作発生である動作情報を受信すると、出入口案内部76は、この時点では、監視部67から、種別が非点灯である点灯状態情報を受信し且つ種別が非受信である受信状態情報を受信していることから、予め設定された一定時間(一定回数)だけ、照明器具25の点灯操作を促し且つ入室を禁止する旨の、例えば「扉を開け、入室せずに電源コードを接続して下さい。まだ入室はできません。」のアナウンス音声を音声発生部77に発生させることになり、監視部67から、種別が入室動作発生である動作情報を受信するまで、アナウンス音声と同じ、照明器具25の点灯操作を促し且つ入室を禁止する旨の、例えば「扉を開け、入室せずに電源コードを接続して下さい。まだ入室はできません。」のアナウンス表示を表示モニタ部78に表示させる。
【0098】
このアナウンス音声およびアナウンス表示にしたがって、係員が、まず、扉19の扉本体22を全開状態まであけると、外部監視カメラ57で撮影された画像データが、扉本体22が閉じられ扉19の前に係員がいる状態から、連続的に、扉本体22が開かれて扉19の前に係員がいる状態に変化することになり、これにより、認識部66が、係員の金庫室16への入室動作が発生したと認識し、これを受けて監視部67が、種別が入室動作発生である動作情報を発信する。
【0099】
このように、種別が入室動作発生である動作情報を受信すると、出入口案内部76は、この時点では、監視部67から、種別が非点灯である点灯状態情報を受信し且つ種別が非受信である受信状態情報を受信していることから、予め設定された一定時間(一定回数)だけ、入室を禁止する旨の、例えば「まだ入室はできません。」のアナウンス音声を音声発生部77に発生させることになり、監視部67から、種別が点灯である点灯状態情報を受信し且つ種別が受信である受信状態情報を受信するまで、アナウンス音声と同じ、入室を禁止する旨の、例えば「まだ入室はできません。」のアナウンス表示を表示モニタ部78に表示させる。
【0100】
上記のように、扉19の扉本体22を全開状態まであけた後、係員は、金庫室16に入室することなく、金庫室16の出入口18の内側近傍の係止具36に掛けられた電源供給用コード35を持ち、これを出入口18を介して執務室15側に引き出して、電源コンセント40に接続させる。これにより、金庫室16内に設けられた照明器具25および内部監視カメラ30に電力が供給され、これらが電源ONの状態になる。すると、照明器具25が点灯するとともに、内部監視カメラ30の画像データが、ノイズフィルタ32、内部通信ケーブル31、金属製の枠体21、外部通信ケーブル49およびノイズフィルタ52を介して、録画装置51に有線で送信され、録画装置51に記憶されるとともに外部監視装置55の出入口案内部76の表示モニタ部78に表示される。
【0101】
上記において、認識部66が金庫室16内の照明器具25の点灯を確認すると、監視部67は、種別が点灯である点灯状態情報を出力することになり、また、録画装置51が金庫室16内の画像データを受信すると、監視部67は、種別が受信である受信状態情報を出力することになる。なお、出入口案内部76は、種別が点灯である点灯状態情報を受信しても、種別が受信である受信状態情報を受信しない状態と、種別が受信である受信状態情報を受信しても、種別が点灯である点灯状態情報を受信しない状態と(種別が点灯である点灯状態情報を受信し且つ種別が受信である受信状態情報を受信する状態、以外の状態)については、上記した入室を禁止する旨のアナウンス表示を維持する。
【0102】
そして、種別が点灯である点灯状態情報を受信し且つ種別が受信である受信状態情報を受信すると、出入口案内部76は、予め設定された一定時間(一定回数)だけ、入室を許可する旨の、例えば「入室できます。」のアナウンス音声を音声発生部77に発生させることになり、監視部67から、種別が入室動作完了である動作情報を受信するまで、アナウンス音声と同じ、入室を許可する旨の、例えば「入室できます。」のアナウンス表示を表示モニタ部78に表示させる。
【0103】
このアナウンス音声およびアナウンス表示にしたがって、係員が、金庫室16に入室すると、外部監視カメラ57で撮影された画像データが、扉19の扉本体22が開かれて扉19の前に係員がいる状態から、連続的に、扉本体22が開かれて扉19の前に係員がいない状態に変化することになり、これにより、認識部66が、係員の金庫室16への入室動作が完了したと認識し、これを受けて監視部67が、種別が入室動作完了である動作情報を発信する。
【0104】
このように、種別が入室動作完了である動作情報を受信すると、出入口案内部76は、それまで表示モニタ部78に表示させていた、入室を許可する旨のアナウンス表示を停止することになり、表示モニタ部78には、金庫室16内の画像のみが表示される状態となる。
【0105】
出入口案内部76の入室を許可する旨のアナウンス音声およびアナウンス表示を待って金庫室16に入室することがルール化されており、係員がこれらを待ってから金庫室16に入室した場合、つまり、外部監視装置55においては、認識部66が、外部監視カメラ57の画像データの輝度の変化から照明器具25の点灯を確認し、録画装置51によって金庫室16内の画像データを受信したことを確認してから、上記のように金庫室16への入室動作が完了したと認識した場合は、監視部67が正常入室情報を出力する。これにより、本体警告部69および出入口案内部76でアラームを発生させることはなく、照明器具25で明るく照らされた金庫室16内の内部監視カメラ30により撮像された画像データが、ノイズフィルタ32、内部通信ケーブル31、金属製の枠体21、外部通信ケーブル49およびノイズフィルタ52を介して、録画装置51に送受信され、録画装置51に日時情報とともに記憶される。
【0106】
他方、認識部66が、照明器具25の点灯を確認し且つ録画装置51によって金庫室16内の画像データを受信したことの二条件を確認する前に、金庫室16への入室動作が完了したと認識した場合は、監視部67が不正行動があったと判定して、その種別を含む警告情報を発信する。具体的には、認識部66によって金庫室16内の照明器具25の点灯を確認した後であって、録画装置51によって金庫室16内の画像データを受信する前に、認識部66によって入室動作が完了したことを認識した場合、種別が画像データ受信前入室である警告情報を発信する。また、録画装置51によって金庫室16内の画像データを受信した後であって、認識部66によって金庫室16内の照明器具25の点灯を確認する前に、認識部66によって金庫室16への入室動作を確認した場合に、種別が点灯前入室である警告情報を発信する。また、録画装置51によって金庫室16内の画像データを受信する前であって、認識部66によって金庫室16内の照明器具25の点灯を確認する前に、認識部66によって金庫室16への入室動作を確認した場合に、種別が画像データ受信前且つ点灯前入室である警告情報を発信する。
【0107】
すると、記憶部68が、警告情報に含まれる種別と受信時点の日時である発生日時情報とを関連づけて記憶することになり、本体警告部69および出入口案内部76がアラームを発生させることになる。つまり、本体警告部69は、音声発生部71がアラーム音声を発生させることになり、表示モニタ部72が外部監視カメラ57の現状の画像に合わせて、警告情報の種別をアラーム画像として表示させることになる。他方、出入口案内部76も、出入口18の近傍に設置された音声発生部77がアラーム音声を発生させることになり、表示モニタ部78が内部監視カメラ30の現状の画像に合わせて、警告情報の種別をアラーム画像として表示させることになる。
【0108】
アラーム発生により、係員が不正行動に気付き、金庫室16から一旦退室して、照明器具25の点灯および表示モニタ部78への画像データの表示を待って入室すると、アラーム発生後、予め設定された所定時間が経過する前に、金庫室16から出たことが、認識部66で認識され、その後、正しい手順で入室が行われたことが認識部66で認識されることになり、これを受けて、監視部67は、警告情報の発信を停止させ正常入室情報を発信することになり、これを受けて本体警告部69および出入口案内部76は、アラームを停止させる。
【0109】
そして、金庫室16での作業が終わり、退室する場合には、電源供給用コード35を電源コンセント40から抜くことになり、これにより、金庫室16内に設けられた照明器具25、内部監視カメラ30への電力供給が断たれ、電源OFFの状態になる。すると、録画装置51が画像データを受信しなくなり、録画装置51は録画を停止する。
【0110】
係員が、金庫室16から退室すると、外部監視カメラ57で撮影された画像データが、扉本体22が開かれて扉19の前に係員がいない状態から、連続的に、扉本体22が開かれて扉19の前に係員がいる状態に変化することになり、これにより、認識部66が、係員の金庫室16からの退室動作が発生したと認識し、これを受けて監視部67が、種別が退室動作発生である動作情報を発信する。
【0111】
このように、種別が退室動作発生である動作情報を受信すると、出入口案内部76は、種別が非点灯である点灯状態情報を受信し且つ種別が非受信である受信状態情報を受信している状態には、なっていない場合、電源供給用コード35の抜き忘れの可能性があるため、予め設定された一定時間(一定回数)だけ、電源供給用コード35の電源コンセント40からの引き抜きおよび扉19の閉操作を促す旨の、例えば「電源コードを抜いて、扉を閉めて下さい。」のアナウンス音声を音声発生部77に発生させることになり、監視部67から、種別が非点灯である点灯状態情報を受信し且つ種別が非受信である受信状態情報を受信するまで、アナウンス音声と同じ、電源供給用コード35の電源コンセント40からの引き抜きおよび扉19の閉操作を促す旨の、例えば「電源コードを抜いて、扉を閉めて下さい。」のアナウンス表示を表示モニタ部78に表示させる。
【0112】
また、上記のように種別が退室動作発生である動作情報を受信した時点で、種別が非点灯である点灯状態情報を受信し且つ種別が非受信である受信状態情報を受信している場合には、予め設定された一定時間(一定回数)だけ、入室を禁止し扉19の閉操作を促す旨の、例えば「入室できなくなりました。扉を閉めて下さい。」のアナウンス音声を音声発生部77に発生させることになり、監視部67から、種別が退室動作完了である動作情報を受信するまで、アナウンス音声と同じ、入室を禁止し扉19の閉操作を促す旨の、例えば「入室できなくなりました。扉を閉めて下さい。」のアナウンス表示を表示モニタ部78に表示させる。
【0113】
係員が、扉19を閉じると、外部監視カメラ57で撮影された画像データが、扉本体22が開かれて扉19の前に係員がいる状態から、連続的に、扉本体22が閉じられて扉19の前に係員がいる状態に変化することになり、これにより、認識部66が、係員の金庫室16からの退室動作が完了したと認識し、これを受けて監視部67が、種別が退室動作完了である動作情報を発信する。
【0114】
このように、種別が退室動作完了である動作情報を受信すると、出入口案内部76は、予め設定された一定時間(一定回数)だけ、入室を禁止する旨の、例えば「入室できません。」のアナウンス音声を音声発生部77に発生させることになり、監視部67から、種別が退避動作発生である動作情報を受信するまで、アナウンス音声と同じ、入室を禁止する旨の、例えば「入室できません。」のアナウンス表示を表示モニタ部78に表示させる。
【0115】
係員が金庫室16から退避すると、外部監視カメラ57で撮影された画像データが、扉本体22が閉じられて扉19の前に係員がいる状態から、連続的に、扉本体22が閉じられて扉19の前に係員がいない状態に変化することになり、これにより、認識部66が、係員の金庫室16からの退避動作が発生したと認識し、これを受けて監視部67が、種別が退避動作発生である動作情報を発信する。
【0116】
このように、種別が退避動作発生である動作情報を受信すると、出入口案内部76は、それまで表示モニタ部78に表示されていた、入室を禁止する旨の、例えば「入室できません。」のアナウンス表示を停止する。
【0117】
以上に述べた第1実施形態の監視カメラシステムは、金庫室への入室可否を案内するガイド手段(出入口案内部76)を備えているため、例えば、監視カメラ(内部監視カメラ30)および録画手段(録画装置51)の状態に応じて入室可否を案内することで、監視できない状況下での入室を抑制できる。
【0118】
また、前記ガイド手段は、前記録画手段による前記金庫室内の画像データの受信と非受信とで、アナウンス内容を変えるため、例えば、録画手段によって金庫室内の画像データを受信する状態では、金庫室内の様子を監視カメラで撮影でき且つ録画手段で録画できる状態となっていると判断して、入室可であることを案内し、録画手段が金庫室内の画像データを非受信の状態では、金庫室内の様子を監視カメラで撮影でき且つ録画手段で録画できる状態となっていないと判断して、入室不可であることを案内することができる。
【0119】
また、前記認識手段(認識部66)が、前記金庫室内の照明器具の点灯を認識可能であり、前記ガイド手段は、前記認識手段により認識される前記金庫室内の照明器具の点灯と非点灯とで、アナウンス内容を変えるため、例えば、認識手段によって金庫室内の照明器具の点灯を認識していれば、金庫室内の様子を監視カメラで撮影できる状態となっていると判断して、入室可であることを案内し、認識手段によって金庫室内の照明器具の非点灯を認識していれば、金庫室内の様子を監視カメラで撮影できる状態となっていないと判断して、入室不可であることを案内することができる。
【0120】
また、前記認識手段が、前記金庫室内の照明器具の点灯を認識可能であり、前記ガイド手段は、前記認識手段によって前記金庫室内の照明器具の点灯を確認し且つ前記録画手段によって前記金庫室内の画像データを受信している場合と、それ以外の場合とで、アナウンス内容を変えるため、例えば、認識手段によって金庫室内の照明器具の点灯を確認し且つ録画手段によって金庫室内の画像データを受信する状態では、金庫室内の様子を監視カメラで撮影でき且つ録画手段で録画できる状態となっていると判断して、入室可であることを案内し、それ以外の状態では、金庫室内の様子を監視カメラで撮影でき且つ録画手段で録画できる状態となっていないと判断して、入室不可であることを案内することができる。
【0121】
また、前記認識手段は、さらに、前記金庫室からの退室動作、前記金庫室前への接近動作および前記金庫室前からの退避動作を認識可能であり、前記ガイド手段は、前記認識手段によって前記入室動作、前記退室動作、前記接近動作および前記退避動作のいずれかの動作を認識してから一定時間の間、音声案内するため、音声案内を一定時間に限ることになって、音声案内が騒音となってしまうことを防止できる。
【符号の説明】
【0122】
11 監視カメラシステム
16 金庫室
18 出入口(開口部)
19 扉
21 枠体
25 照明器具
30 内部監視カメラ(監視カメラ)
39 駆動電源
51 録画装置(録画手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製の枠体を有する扉を備えた金庫室内を監視する監視カメラシステムであって、
前記金庫室内には監視カメラが設けられ、
前記金庫室外には画像データを録画する録画手段と、前記金庫室の扉近傍を監視する監視手段とが設けられ、
前記監視カメラと前記録画手段とが前記枠体を介して前記画像データを通信可能に接続されており、
前記金庫室への入室可否を案内するガイド手段を備えていることを特徴とする監視カメラシステム。
【請求項2】
前記金庫室内には、前記監視カメラを駆動可能な電源が設けられておらず、前記金庫室外に、前記監視カメラを駆動可能な駆動電源が設けられていて、前記扉の開状態とされた前記枠体内の開口部を介して、前記駆動電源と前記監視カメラとが接続可能となっていることを特徴とする請求項1に記載の監視カメラシステム。
【請求項3】
前記監視カメラは、前記金庫室内の照明器具と同一の駆動電源から電力供給を受ける構成とされており、前記照明器具が電源ON状態で前記監視カメラも電源ON状態となり、前記照明器具が電源OFF状態で前記監視カメラも電源OFF状態となることを特徴とする請求項1または2に記載の監視カメラシステム。
【請求項4】
前記同一の駆動電源の投入手段は、前記金庫室の扉近傍に配設されていることを特徴とする請求項3に記載の監視カメラシステム。
【請求項5】
前記ガイド手段は、前記録画手段による前記金庫室内の画像データの受信と非受信とで、アナウンス内容を変えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の監視カメラシステム。
【請求項6】
前記監視手段が、少なくとも前記金庫室への入室動作を認識する認識手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の監視カメラシステム。
【請求項7】
前記認識手段が、前記金庫室内の照明器具の点灯を認識可能であり、前記ガイド手段は、前記認識手段により認識される前記金庫室内の照明器具の点灯と非点灯とで、アナウンス内容を変えることを特徴とする請求項6に記載の監視カメラシステム。
【請求項8】
前記認識手段が、前記金庫室内の照明器具の点灯を認識可能であり、前記ガイド手段は、前記認識手段によって前記金庫室内の照明器具の点灯を確認し且つ前記録画手段によって前記金庫室内の画像データを受信している場合と、それ以外の場合とで、アナウンス内容を変えることを特徴とする請求項6に記載の監視カメラシステム。
【請求項9】
前記認識手段は、さらに、前記金庫室からの退室動作、前記金庫室前への接近動作および前記金庫室前からの退避動作を認識可能であり、前記ガイド手段は、前記認識手段によって前記入室動作、前記退室動作、前記接近動作および前記退避動作のいずれかの動作を認識してから一定時間の間、音声案内することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の監視カメラシステム。
【請求項10】
前記監視手段は、前記録画手段によって前記金庫室内の画像データを受信する前に、前記認識手段によって前記入室動作を認識した場合、警告情報を発信することを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載の監視カメラシステム。
【請求項11】
前記認識手段が、前記金庫室内の照明器具の点灯を認識可能であり、前記監視手段は、前記認識手段によって前記金庫室内の照明器具の点灯を確認する前に、前記認識手段によって前記入室動作を確認した場合、警告情報を発信することを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載の監視カメラシステム。
【請求項12】
前記認識手段が、前記金庫室内の照明器具の点灯を認識可能であり、前記監視手段は、前記認識手段によって前記金庫室内の照明器具の点灯を確認し且つ前記録画手段によって前記金庫室内の画像データを受信する前に、前記認識手段によって前記入室動作を確認した場合、警告情報を発信することを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載の監視カメラシステム。
【請求項13】
前記警告情報を受けると、その時点の日時である発生日時情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とする請求項10乃至12のいずれか一項に記載の監視カメラシステム。
【請求項14】
前記警告情報を受けると、アラームを発生させる警告手段を有することを特徴とする請求項10乃至13のいずれか一項に記載の監視カメラシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−155625(P2011−155625A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98171(P2010−98171)
【出願日】平成22年4月21日(2010.4.21)
【分割の表示】特願2010−12962(P2010−12962)の分割
【原出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(000116079)ローレルバンクマシン株式会社 (82)
【Fターム(参考)】