説明

真空ポンプ

ロードロック室を排気するための真空排気装置を説明する。ブースタポンプが、分子ドラッグ段と、多段遠心コンプレッサ機構とを有する。補助ポンプが、流体を大気圧で又は約大気圧で排気するための多段遠心コンプレッサ機構からなる。かかる装置は、在来のロードロック排気装置と関連した騒音、大きさ、及び振動レベルを下げることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
真空処理は、一般的には、基板に薄い皮膜を付着させる半導体デバイスの製造に使用される。
【0003】
典型的には、処理室は、真空ポンプを使用して素性に低い圧力まで排気され、その圧力は、加工の種類に応じて、10-6ミリバール程低く、供給ガスは排気された室に導入されて所望な物質を室内に配置された1つ又はそれ以上の基板に付着させる。付着の完了と同時に、基板を室から取り出し、他の基板を挿入して付着工程を繰り返す。
【0004】
処理室を所要圧力まで排気するのには著しい真空排気時間を要する。したがって、基板を交換するとき、室内の圧力を所要レベルに又はほぼそのレベルに維持するために、典型的には、トランスファ室及びロードロック室が用いられる。ロードロック室の容量は、大きな平らなパネルディスプレーツールのあるもののために、ちょうど数リットルないし数百リットルの範囲である。
【0005】
ロードロック室は典型的には、基板をロードロック室とトランスファ室の間を移送させるために大気に選択的に開くことができる第1窓と、基板をロードロック室に挿入し、ロードロック室から取り出すために大気に選択的に開くことができる第2窓と、を有する。使用中、処理室は処理室真空ポンプによって所望真空に維持される。第1窓が閉じられているとき、第2窓を大気に開いて基板をロードロック室に挿入できるようにする。次いで第2窓を閉じ、ロードロック真空ポンプを使用して、ロードロック室を、ロードロック室が、トランスファ室と実質的に同じ圧力、典型的には、約0.1ミリバールになるまで排気する。次いで、第1窓を開いて基板をトランスファ室に移送させる。次いで、トランスファ室を処理室と実質的に同じ圧力まで排気し、基板を処理室に移送する。
【0006】
真空処理が完了したとき、処理された基板をロードロック室に移送戻しする。第1窓を閉じてトランスファ室内に真空を維持する時、ロードロック室内の圧力は、空気又は窒素のような非反応性ガスをロードロック室に流入させることによって大気圧まで上昇させる。ロードロック室内の圧力が大気圧又はその近くになるとき、第2窓を開いて処理された基板を取り出す。かくして、ロードロック室について、大気から中真空(約0.1ミリバール)までの排気の反復サイクルを必要とする。
【0007】
ロードロック室は、典型的には、真空室内に存在するどんな潤滑剤も、真空処理を行うクリーンな環境の汚染を引き起こすから、その真空室内にオイルがない。例えば、”iH”シリーズのBOC Edwards ”乾式”真空ポンプは、乾式補助又は荒引きポンプを、乾式ポンプの上に取り付けられた単一段ルーツ機構ブースタ、又はブロワポンプと組み合わせて有する。補助ポンプは、普通、噛み合っているロータを採用する多段容積形ポンプである。ロータは、各段に同じタイプの輪郭を有してもよく、或いは輪郭は段毎に変化してもよい。
【0008】
大きな平らなパネルティスプレーツールのためには、ロードロックポンプの排気速度は、例えば2000m3/時間まで、高くなる必要がある。ルーツ及びノルセイ機構をルーツブースタポンプと直列に使用して乾式ポンプから形成されたロードロックポンプはこのような排気速度を提供することができるけれども、使用中に発生される騒音及び振動レベルとともに、ポンプ組合せの比較的大きな設置面積は、典型的には、ロードロックポンプを処理ツールから遠くに、例えば地下室に設置させることになる。使用者に取っては不便になるのみならず、ロードロックポンプをロードロック室に接続するのに比較的長い大きな直径の配管を必要とし、設備費を著しく増大させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の好ましい実施形態の目的は、これら及び他の課題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
概要として、本発明によれば、在来の排気装置におけるブースタポンプ及び補助ポンプの少なくとも1つは多段遠心コンプレッサ装置からなる真空ポンプで置き換えられる。第1の実施形態では、ブースタポンプと補助ポンプの両方が大気に排気する単一の真空ポンプで置き換えられる。第2の実施形態では、ブースタポンプは、補助ポンプで補助される少ない数のコンプレッサ段を有する、第1実施形態と同様の真空ポンプによって提供される。この補助ポンプは、在来の補助ポンプであってもよいし、或いは、第3の実施形態によれば、大気に排気する多段遠心コンプレッサ装置からなる真空ポンプであってもよい。このような補助ポンプは、在来のルーツブースタポンプを備えてもよい。かくして、一側面では、本発明は、排気されるべき流体を受け、且つ排気された流体を実質的に大気圧で排気するための多段遠心コンプレッサ機構からなる真空ポンプを提供する。
【0011】
在来の乾式ポンプと比較して遠心コンプレッサ装置と関連した大きさ、騒音及び振動の低レベルのために、在来の補助ポンプ及びブースタポンプの一方又は両方を多段遠心コンプレッサ機構から成るポンプで置き換えることにより、排気装置の少なくとも一部を処理ツールに取り付けることができ、それによって、高価で長い距離の大直径配管を潜在的に回避する。
【0012】
大気圧から低圧までできるだけ急速に、ロードロック室のような真空室の排気を行うことが望ましい。この排気を行うことが速ければ速いほど、基板を処理する速度は速くなる。しかしながら、多段排気機構を有するポンプを使用して大気圧からの室の排気の初期段中、排気機構による流体の圧縮により、流体圧力を大気圧以上に増大させることができる。この結果、排気機構の排気段を望ましくない過負荷にさせてしまうことがある。このようなポンプがこの状態で著しい期間作動されるならば、きゃしゃな回転インペラとポンプハウジングの間のシール及び又は軸受の破損の形態で又は衝撃によって損傷が起こることがある。
【0013】
このことに照らして、他の側面では、本発明は、ハウジングと、ハウジング内に回転自在に取り付けられた駆動シャフトと、ハウジング内に配置され、複数の相互に連結された流体室を構成する複数の固定部材と、駆動シャフトに取り付けられ、圧縮流体をそれぞれの流体室に放出するように固定部材に対して配置された複数のインペラと、流体室の2つの間に延び、流体を圧縮なしにこれらの流体室間に通すことができるバイパスチャンネルと、バイパスチャンネルの中を通る流体の流量を制御するための手段と、を有する多段遠心コンプレッサ機構を提供する。かくして、圧縮された流体を、圧縮なしに流体室間に運ぶことができ、より大きな上流の排気段を、排気流体を大気圧以上に加圧させることなく全速度で作動することができる。
【0014】
かくして、制御手段は、流体室の前記2つの間の圧力差の作用により、特に、流体室の前記2つの内の上流の流体室内の圧力が、流体室の前記2つのうちの下流の流体室内の圧力よりも大きい時にバイパスチャンネルを開くように構成されるのが好ましい。
好ましい実施形態では、流体室の前記2つは、コンプレッサ機構の隣接した流体室であるが、1つ又はそれ以上の他の流体室が、変形例として、別々のこれらの2つの流体室であってもよい。例えば、流体室の一方は排気機構の第1の最も低い圧力流体室であり、他方の流体室は排気機構の最後の最も高い圧力流体室である。しかしながら、これらの2つの流体室が隣接している場合には、バイパスチャンネルは、流体室間に位置し固定部材の中を通るのがよい。
【0015】
制御手段は、好ましくは、弁手段、例えば、使用中、加圧流体によって閉位置と開位置の間を移動できる弁部材からなる。このような弁部材は、フラップ弁で提供されるのがよく、該フラップ弁は、流体室内に位置決めされていてバイパスチャンネルからその流体室への流体の流量を制御する。
【0016】
好ましくは、機構は、流体室毎に、流体室と隣接し下流の流体室の間に延びるそれぞれのバイパスチャンネルを有し、且つ各バイパスチャンネルを通る流体の流量を制御するための手段を有する。
【0017】
遠心コンプレッサ機構は、コンプレッサ機構の段を通る排気流体の特定の流量が比較的小さいときに、排気流体のサージングを受け易い。サージングは、コンプレッサインペラへの流体の逆流に現れ、真空ポンプの効率的な作動に悪影響を及ぼし、極端な状態では、ポンプを実際に損傷させるかもしれない。このことに照らして、機構は、好ましくは、コンプレッサ機構内のサージを制御するためのサージ制御手段を有する。したがって、更なる側面では、本発明は、ハウジングと、ハウジング内に回転自在に取り付けられた駆動シャフトと、ハウジング内に配置され、複数の相互に連結された流体室を構成する複数の固定部材と、駆動シャフトに取り付けられ、圧縮流体をそれぞれの流体室に放出するように固定部材に対して配置された複数のインペラと、多段遠心コンプレッサ機構内のサージを制御するためのサージ制御手段と、を有する多段遠心コンプレッサ機構を提供する。
【0018】
サージ制御手段は、好ましくは、流体の流れを各流体室に運ぶさめの手段と、各流体室への流体流れの流量を制御するための手段と、を有する。1つの実施形態では、運ぶ手段は、空気、窒素、又は不活性ガスのようなガスの流れを各流体室に運ぶように構成される。他の実施形態では、運ぶ手段は加圧流体の流れを下流の流体室から各流体室に運ぶように構成される。いずれの場合にも、コンプレッサ機構を通る流量はサージングが起こる流量以上の値に維持することができる。
【0019】
運ぶ手段が圧縮流体の流れを下流の流体室から各流体室に運ぶように構成されている場合には、運ぶ手段は、好ましくは、流体室毎に、その流体室と隣接した下流の流体室の間に延びる流体通路(前に述べたバイパスチャンネルとは別)を有する。これらの流体通路は、好ましくは同軸である。
【0020】
各流体室への流体流れの流量を制御するための手段は、好ましくは、弁手段からなる。弁手段は、各々の流体通路を通る流体流量を制御するための一連の弁からなっていてもよいし、或いは各流体通路を通る流体流量を制御するためのスプール弁からなっていてもよい。弁手段は、好ましくは、室内に少なくとも部分的に配置され、それによって外部パイプ接続部を設ける必要を回避する。弁手段は、別々のコントローラによって制御されるのがよい。弁手段を制御するために、ポンプ入口を通る流体の圧力を監視する圧力センサーを設けるのがよく、入口センサーからの信号は制御装置に供給され、制御装置は弁手段の開閉を制御する。加えて、又は変形例として、圧力センサーは、排気機構内に設けられ、排気機構内の圧力変動を監視し、かくして、サージングの開始を検出することができる。
【0021】
各インペラは、好ましくは、その片側に、その内周と外周の間に延びる複数のベーン又はブレードを有する。各ブレードは好ましくは湾曲路をたどる。製造を容易にするために、各固定部材は好ましくは、ハウジングのそれぞれの部品と一体のディスクからなる。
コンプレッサ機構によって圧縮される流体は典型的に高温になる。特に、排気段で、コンプレッサ機構によって排気される流体を冷却するために、コンプレッサ機構は、好ましくは、各固定部材を冷却するための手段を有する。例えば、固定部材の片側に複数の冷却フィンを設けるのがよい。変形例として、或いは加えて、冷却手段は各固定部材に冷却材の流れを供給するための手段からなるのがよい。これは、冷却フィン(設けられている場合)と固定プレートの両方の直接の冷却を行うことができる。冷却フィンは、固定プレートと、インペラからの加圧流体の流れを流体室に差し向けるためのディフューザプレートとの間に配置されるのがよく、したがって、フィンはディフューザプレートの冷却をももくろむ事ができる。
【0022】
本発明はまた、上述したごときコンプレッサ機構を有する真空ポンプを提供する。
【0023】
ポンプが比較的高い圧力で比較的長い期間作動されるならば、例えば、ポンプによって排気されるロードロック室のドアが不用意に開け放しにされていたならば、コンプレッサ機構の過剰な過熱が起こるかもしれない。ポンプの過剰な過熱を防止するために、ポンプの温度を監視し、コンプレッサ機構の回転速度を監視した温度に応じて変える。これにより、ポンプの速度を過熱の場合に下げることができ、それによって、ポンプ内の温度を下げ、ポンプが比較的長い期間高速で不当に作動されるのを防止する。
【0024】
したがって、ポンプは、好ましくは、ポンプの温度を監視するための手段と、監視した温度に応じてシャフトの回転速度を制御するための手段と、を有する。監視手段は、ハウジング内に又はそれに近接して配置された熱電対のような適当な温度センサーによって提供されるのがよい。駆動シャフトを駆動するモータを制御するためのコントローラは制御手段を提供する。
【0025】
排気流体によって熱が伝達されるハウジングを冷却するために、例えば、コンプレッサ機構の少なくとも一部のまわりに延びる冷却ジャケットの形態をした外部冷却装置を設けてもよい。
【0026】
ポンプが補助ポンプとして使用される場合には、補助ポンプは、適当なブースタポンプと組み合わせた多段遠心コンプレッサ機構からなるのがよい。このようなブースタポンプは、分子ドラッグ機構から下流のかかる多段遠心コンプレッサ機構を有するポンプによって提供されるのがよい。コンプレッサ機構の段の数(例えば2)は、ブースタポンプでは、補助ポンプ(例えば、6又は7)におけるよりも小さい。変形例として、ブースタポンプと補助ポンプの在来の組合せは単一のポンプによって置き換えられ、このポンプは、多段(例えば4段)分子ドラッグ機構から下流の多段(例えば6段又は7段)遠心コンプレッサ機構を有する。分子ドラッグ機構は、好ましくは、複数の螺旋として構成された複数のチャンネルを有する多段ホルウェック機構からなる。ドラッグ段は、最大の排気容積のために直列に、並列に、或いは、その組合せに構成されてもよい。ポンプの長さを最小にするために、分子ドラッグ機構は、好ましくは、駆動シャフトを回転させるためのモータを少なくとも部分的に囲む。例えば、分子ドラッグ排気機構がホルウェック機構である場合には、分子ドラッグ排気機構のロータ要素は、典型的には、コンプレッサ機構のロータ要素と一緒に回転運動するように設けられたシリンダからなり、該シリンダは、モータを少なくとも部分的に囲むのがよい。即ち、更なる側面では、本発明は、回転自在に取り付けられた駆動シャフトに設けられた複数のロータ要素を有する多段遠心コンプレッサ機構と、その上流で、駆動シャフトに設けられた少なくとも1つのロータ要素を有する分子ドラッグ機構と、を含み、分子ドラッグ機構の少なくとも1つのロータ要素が駆動シャフトを回転させるためのモータを少なくとも部分的に囲む、真空ポンプを提供する。
【0027】
上述したように、室の急速排気のために、ポンプは、圧縮流体を多段遠心コンプレッサ機構のインペラの1つ又はそれ以上を迂回させることができるための弁要素を備え、コンプレッサ機構の排気段が入口段よりも幾分小さい時でもポンプを全入口速度で排気させることができる。このような設計では、補助ポンプは、排気構造を通る流体の流量に対する制限に成る。したがって、好ましい実施形態では、流体バイパス導管がブースタポンプからの排気口と補助ポンプからの排気口の間に接続され、バイパスを通る流体の流量を制御するための手段が設けられる。このような構成は、ブースタポンプと補助ポンプの任意の組合せのために設けられる。
【0028】
今、本発明の好ましい特徴を添付図面を参照して単なる例示として説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図1を参照すると、ロードロック室を排気するのに適した真空ポンプ10は、3つの部品14、16、及び18を有するハウジング12を含む。ハウジング12の第1部品14にはポンプ10の入口20が配置され、ハウジング212の第3部品18には排気口21が配置されている。
【0030】
ハウジング12の第1部品14は、多段分子ドラッグ排気機構22を収容する。図1に示すように、この実施形態では、分子ドラッグ排気機構は4段ホルウェック機構22によって提供されるが、任意適当な数の排気段を設けてもよい。ホルウェック機構22のロータは、回転シャフト30と一体の、又は図示されているように回転シャフトに取り付けられたディスク状インペラ28に同心的に取り付けられた2つの炭素繊維シリンダ24、26からなる。シャフト30は各端が潤滑剤のない軸受(図示せず)、好ましくは、磁気軸受によって支持され、そしてハウジング12の第3部品18によって収容されたモータ31によって駆動される。
【0031】
ホルウェック機構22の各シリンダ24、26は平滑な内面及び外面を有する。ホルウェック機構22のステータは、ロータシリンダ24、26と同心的に配置され且つロータシリンダ22、26を取り囲む複数のシリンダ32、34、及び36からなり、最も外側のシリンダ36はハウジング12の第1部品14によって提供される。最も内側のステータシリンダ32の外面、中間のステータシリンダの内面及び外面、及び最も外側のステータシリンダ36の内面には螺旋溝が形成されて、同軸の螺旋流体チャンネルを構成し、該流体チャンネルは、ポンプ入口20から流体を受け入れ、そして圧送された圧縮流体を、ディスク状インペラ28に形成された開口50を通して共通の排気口48に排気する。
【0032】
ハウジング12の第2部品16は、複数の同軸リング16a、16b、16c、16d、16e、16fによって都合良く作られ、そして多段遠心コンプレッサ機構52を収容する。図1に示す実施形態では、コンプレッサ機構52は7つの排気段からなる。第1の6つの排気段の各々はそれぞれの流体室58を含み、各流体室は、ハウジング12の第2部品16の内壁に同軸的に取り付けられたそれぞれのディスク60の間に構成される。ディスク60の孔62は流体室58を相互に連結し、流体をホルウェック機構22の排気口48から流体室58の各々を通してポンプの排気口21まで搬送させることができるようにする。
【0033】
各流体室58はシャフト30に取り付けられたインペラ54の形態をなしたロータを含む。各インペラ54は、該インペラ54の上面(図1に示すように)に位置した複数の湾曲ブレード又はベーン56を有する。インペラ54は、使用中、各インペラ54が圧縮流体をそれぞれの流体室58に放出するように、ディスク60に対して配置される。
【0034】
各流体室58はまた、インペラ54の各々から出力される圧縮流体を半径方向外方向に差し向けるための、各々、それぞれのリング16a、16b、16c、16d、16e、16fと一体のディスク状ディフューザプレート64を含む。その結果、圧縮流体は流体室58内で蛇行して流れ、各流体室58内では、圧縮流体は最初に、ディフューザプレート64の上面(図示するように)とその流体室を構成する上側のディスク60の下面との間で半径方向外方に流れ、引き続いて、ディフューザプレート64の下面(図示するように)とその流体室を構成する下側のディスク60の上面との間で半径方向内方に流れる。
ディフューザプレート64の各々は、圧縮流体を冷却するための、ディフューザプレートの下面に設けられた複数の冷却フィン66を有する。ハウジング12にはコンプレッサ機構52によって圧送される流体によって熱が伝達されるから、そのハウジング12を冷却するために、例えば、ハウジング12の少なくとも第2部品16の周りに延びる冷却ジャケットの形態の外部ポンプ冷却装置(図示せず)をも設けるのがよい。
【0035】
使用中、モータを起動してシャフト30を、典型的には、15,000ないし80,000rpmの範囲内の高速で回転させる。流体は入口20からポンプ10に入り、ホルウェック機構22及びコンプレッサ機構52を次々と通り、最後に大気圧又は約大気圧の圧力でポンプ10の出口から排気される。図1に示す構成では、1ミリバールより低い圧力、典型的には、0.1ミリバール又は約0.1ミリバールの圧力をポンプ10の入口20に連結されたロードロック室に発生させることができる。
【0036】
コンプレッサ機構52内で比較的低流量でサージするのを抑制するために、ポンプ10はコンプレッサ機構52の排気段の1つ又はそれ以上をとおる流体流量を選択的に増大させるためのサージ制御機構を備える。図1に示す第1実施形態では、リング16a、16b、16c、16d、16e、16fの各々に流体ポート68が設けられ、各ポート68は、流体流を流体室58に注入させるためにリングを貫いて半径方向に延びる。この流体流は適当な供給源によって提供される。第1の例では、隣接した排気段の流体ポート68は、ポンプ10の片側に位置した導管配列により連結され、導管は、該導管を選択的に開くための1つ又はそれ以上の弁を収容し、ある排気段からの排気流体をその段の流体ポート68から隣接した上流の排気段の流体ポート68に流れさせ、それによって、入口から排気段に流れる流体の流量を増大させる。第2の例では、排気段の1つ又はそれ以上の中を流れる流体の流量を増大させるために、窒素又は空気のようなパージガスの流れを適当な供給源から流体ポート68の1つ又はそれ以上に選択的に供給する。
【0037】
第3の例では、図2に示すように、コンプレッサ機構52の排気段に、流体ポート68を設けることに加えて又は設けることに代わるものとして、圧縮流体のための通路70が設けられる。通路70は、ハウジング12の第2部品16の内壁に同軸的に取り付けられたディスク60に形成された一連の同軸孔72によって構成される。通路70を通る圧縮流体の流量を制御するために孔を選択的に開閉するためのスプール弁74が設けられる。図示するように、スプール弁74は、弁74の移動により、圧縮流体を孔72から隣接した上流の排気段に流れさせるべく孔72の全てを同時に開かせるように形作られるのがよい。変形例として、スプール弁74は、弁74の移動により、例えば、コンプレッサ機構52の排気口側の排気段を連結する孔74で始まって、孔74の各々を順次開かせるように形作られてもよい。
【0038】
弁をこれら3つの例のいずれかで制御するために、ポンプ入口を通る流体の圧力を監視する圧力センサーを設けてもよい。入口センサーからの信号を制御装置に供給し、制御装置は、パージングを抑制するために弁又は弁の各々の開閉を制御する。加えて、又は変形例として、ポンプ10内に、ポンプ内の圧力変動を監視し、かくしてサージングの開始を検出する圧力センサーを設けてもよい。シャフトのトルク及び電力、かくして入口圧力の推定値を指示するのにモータの電流を使用してもよい。
【0039】
図1及び2に示すポンプが流体を大気圧で又は約大気圧で排気するので、各ポンプは、ロードロック室を排気するのに使用される在来のブースタと補助ポンプの両方に取って代わるのに適している。ブースタと補助ポンプの在来の組合せの大きさに対してポンプ10の大きさが小さくなっていることにより、またポンプ10と関連した騒音及び振動レベルの減少により、加工ツールの側にポンプ10を具合よく取り付けることができる。
【0040】
コンプレッサ機構52の段の数を減らすことによって、ポンプ10はブースタポンプ100として使用するのに適することがある。図3及び4はかかるブースタポンプ100の実施形態を示す。ブースタポンプは3つの部品102、104、106を有するハウジングを含む。ポンプ100の入口110はハウジングの第1部品102に配置され、ポンプ100の排気口112はハウジングの第3部品106に配置される。
【0041】
ハウジングの第2部品104は多段分子ドラッグ排気機構120を収容する。図3に示すように、図1のポンプ10と同様に、分子ドラッグ排気機構は、4段ホルウェック機構120によって提供されるが、任意適当な数の排気段を設けてもよい。ホルウェック機構120のロータは、回転駆動シャフト130と一体の、又は図示されているように回転駆動シャフトに取り付けられたディスク状インペラ128に同心的に取り付けられた3つの炭素繊維シリンダ122、124、126からなる。シャフト130は各端がころがり軸受132によって支持され、そしてホルウェック機構120のシリンダ122、124、126によって部分的に取り囲まれたモータ134によって駆動される。
【0042】
ホルウェック機構120の各シリンダは平滑な内面及び外面を有する。ホルウェック機構120のステータは、ロータシリンダ122、124、126と同心的に配置され且つロータシリンダ122、124、126を取り囲む複数のシリンダ136、138、140からなり、最も外側のシリンダ140はハウジングの第2部品104によって提供され、或いは図示されているように、ハウジングの第2部品104に取り付けられる。最も内側のステータシリンダ136の外面、中間のステータシリンダ138の内面及び外面、及び最も外側のステータシリンダ140の内面には螺旋溝が形成されて、同軸の螺旋流体チャンネルを構成し、該流体チャンネルは、ポンプ入口110から流体を受け入れ、そしてディスク状インペラ128に形成された1つ又はそれ以上の開口142を通し、圧送された圧縮流体を共通の排気口144に排気する。
【0043】
ハウジングの第2部品106は、複数の同軸リング106a、106b、106c、106d、106e、106fによって都合良く作られ、そして多段遠心コンプレッサ機構150を収容する。図3及び4に示す実施形態では、コンプレッサ機構150は4つの排気段からなる。第1の3つの排気段の各々はそれぞれの流体室158を含み、各流体室は、第2部品106の内壁に同軸的に取り付けられたそれぞれのディスク160の間に構成される。ディスク160の孔162は流体室158を相互に連結し、流体をホルウェック機構の排気口144から流体室158の各々を通してポンプの排気口112まで順次搬送させることができるようにする。
【0044】
各流体室158はシャフト130に取り付けられたインペラ154の形態をなしたロータを含む。各インペラ154は、該インペラ154の上面(図1に示すように)に位置した複数の湾曲ブレード又はベーン156を有する。インペラ154は、使用中、各インペラ154が圧縮流体をそれぞれの流体室158に放出するように、ディスク160に対して配置される。
【0045】
各流体室158はまた、インペラ154の各々から出力される圧縮流体を半径方向外方向に差し向けるための、各々、それぞれのリング106a、106b、106c、106dと一体のディスク状ディフューザプレート164を含む。その結果、圧縮流体は流体室158内で蛇行して流れ、各流体室158内では、圧縮流体は最初に、ディフューザプレート164の上面(図示するように)とその流体室を構成する上側のディスク160の下面との間で半径方向外方に流れ、引き続いて、ディフューザプレート164の下面(図示するように)とその流体室を構成する下側のディスク160の上面との間で半径方向内方に流れる。
【0046】
ディフューザプレート164の各々は、圧縮流体を冷却するための、ディフューザプレートの下面に設けられた複数の冷却フィン(図示せず)を有する。フィンを冷却するために、冷却材が、ディフューザプレート164の下面(図示のように)と下側のディスク160の上面との間に構成された冷却チャンネルをとおして搬送されるのがよい。
【0047】
使用中、モータを起動してシャフト130を、典型的には、15,000ないし80,000rpmの範囲内の高速で回転させる。流体は入口110からポンプ100に入り、ホルウェック機構120及びコンプレッサ機構150を次々と通り、最後に大気圧より低い圧力でポンプ100の出口112から排気される。
【0048】
図1に記載のポンプと同様に、コンプレッサ機構内のサージングを抑制するサージ制御機構を設けるのがよい。例えば、図4に示すように、リング106a、106b、106c、106dの各々に流体ポート168が設けられ、各ポート168は、流体流をそれぞれの流体室158に注入させるためにリングを貫いて半径方向に延びる。この流体流は適当な供給源によって提供される。この好ましくは、かかる機構は、比較的高い入口圧力で処理量を最大にするために比較的低い入口圧力でのみ作動される。
【0049】
こようなサージ制御機構に加えて、コンプレッサ機構の排気段を過負荷させることなくブースタポンプ100の入口110に取り付けられた室の急速な排気を可能にする追加の機構を設けてもよい。図4に示すように、ディスク160の1つ又はそれ以上は、圧縮流体を、インペラ154による圧縮なしで隣接した下流の流体室にとおすことを可能にするためのバイパスチャンネル170を備える。チャンネル170は、通常は、弁機構172によって閉じられ、分子ドラッグ排気機構機構は、この実施形態では、下流の流体室158内に共通の取付け部を有する一対の平らな弁の形態をなしている。弁機構172は、隣接した流体室158内の流体間の差圧によって選択的に作動されるから、上流の流体室内の流体の圧力が下流の流体室内の流体の圧力よりも高いときには、バルブは開き、流体を、圧縮なしに、上流の流体室から下流の流体室に流通させることができる。
【0050】
これにより、ポンプ100によって排気されるガスを、圧縮なしに、コンプレッサ機構150のより小さい排気段の1つ又はそれ以上に流通させることができ、それによってガスがこれらの排気段によって大気圧以上に圧縮されるのを防止し、かくして、これらの段が過負荷になるのを防止する。
【0051】
ブースタポンプ100を適当な補助ポンプと組み合わせて使用してもよい。図5は、このようなブースタポンプ又はどんな在来のブースタポンプとの使用にも適した多段遠心コンプレッサ機構を採用している補助ポンプ200の実施形態を示す。補助ポンプ200に入る流体がポンプ10に入る流体よりも高い圧力になるので、補助ポンプ200がドラッグ機構を必要としないことを除いて、補助ポンプ200は図1に示すポンプ10と同様である。換言すれば、補助ポンプ200は、ポンプ入口220から流体を受け、排気流体を大気圧又は約大気圧でポンプ出口221から排気するための多段コンプレッサ機構252を有する。補助ポンプ200のコンプレッサ機構252はポンプ10のコンプレッサ機構52と同様であり、従ってここでは更に詳細には説明しない。
【0052】
補助ポンプ200の排気機構に応じて、ブースタポンプ100と補助ポンプ200野直列の組合せに取り付けられた室の排気中、補助ポンプ200は、該補助ポンプ200がブースタポンプ100から流体排気を十分急速に排気することができないから、室の急速な排気を制限する。室から排気されるガスの少なくともいくらかを補助ポンプ200を迂回させることができるようにするために、図6に示すように、外部バイパス導管250がブースタポンプ100の排気口及び補助ポンプ200の排気口221と流体連通して設けられるのがよい。バイパス導管250は、好ましくは、ブースタポンプ100からの「過剰な」流体排気を補助ポンプ200を迂回させることができるように、ブースタポンプ100から高い排気圧力で導管250を開くためのバイパス弁252を含む。
【0053】
今、図7を参照すると、ポンプ入口に取り付けられた室の排気中ブースタポンプ100の過熱を防止するために、ポンプ100は、ポンプ100のハウジング内の今の温度を示す信号をコントローラ302に出力するための、例えば、ポンプ100のハウジング内に配置された温度センサー300を備えるのがよい。受けた信号に応答して、コントローラ302はポンプ100のモータ134に命令を出してシャフト130の回転速度を調節することができる。ポンプの速度を下げることによって、ポンプ100のハウジング内の温度を下げることができる。ポンプの温度に応じたポンプの速度の制御に対する変形として、或いはこれに加えて、ポンプの速度をも、ポンプの入口の近くに配置された圧力センサー304を使用して、ポンプの入口110に運ばれるガスの圧力に応じて制御してもよい。
【0054】
要するに、ロードロック室を排気するための2つの真空ポンプ装置を説明する。第1の装置では、単一ポンプは、多段分子ドラッグ段及び排気流体を大気圧で排気する多段遠心コンプレッサ機構を有する。第2の装置では、プースタポンプが直列に補助ポンプを備える。ブースタポンプは、第1の装置のポンプと同様であるが、コンプレッサ機構の段の数が少なくなっている。補助ポンプも、排気流体を大気圧で排気する多段遠心コンプレッサ機構を有する。この様な装置は、在来のロードロックポンプと関連した騒音、大きさ及び振動レベルを減ずることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】真空ポンプの第1実施形態の断面図である。
【図2】図1の真空ポンプと同様であるが、異なるサージ制御機構を有している、真空ポンプの第2実施形態の断面図である。
【図3】図1の真空ポンプと同様であるが、数の少ないコンプレッサ段を有しているブースタポンプの実施形態の断面図である。
【図4】図3の断面の一部の拡大図である。
【図5】ドラッグ機構を有していない図1の真空ポンプと同様である、補助ポンプの実施形態の断面図である。
【図6】ブースタポンプを補助ポンプと直列に有する排気装置に弁の装置を概略的に示す。
【図7】ブースタポンプの速度を制御するための装置を概略的に示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、ハウジング内に回転自在に取り付けられた駆動シャフトと、ハウジング内に配置され、複数の相互に連結された流体室を構成する複数の固定部材と、駆動シャフトに取り付けられ、圧縮流体をそれぞれの流体室に放出するように固定部材に対して配置された複数のインペラと、流体室の2つの間に延び、流体を圧縮なしにこれらの流体室間に通すことができるバイパスチャンネルと、バイパスチャンネルの中を通る流体の流量を制御するための手段と、を有する多段遠心コンプレッサ機構。
【請求項2】
制御手段は、流体室の前記2つの間の圧力差の作用によりバイパスチャンネルを開くように構成される、請求項1による機構。
【請求項3】
制御手段は、流体室の前記2つの内の上流の流体室内の圧力が、流体室の前記2つのうちの下流の流体室内の圧力よりも大きい時にバイパスチャンネルを開くように構成される、請求項1又は2による機構。
【請求項4】
流体室の前記2つは、コンプレッサ機構の隣接した流体室である、請求項1ないし3のいずれかにによる機構。
【請求項5】
バイパスチャンネルは隣接した流体室間に配置された固定部材を通る、請求項4による機構。
【請求項6】
制御手段は弁手段からなる、請求項1ないし5のいずれかによる機構。
【請求項7】
制御手段は、使用中、加圧流体によって閉位置と開位置の間を移動できる弁部材からなる請求項6による機構。
【請求項8】
弁部材は、フラップ弁からなる、請求項7による機構。
【請求項9】
弁手段は、流体室内に配置される、請求項6乃至8のいずれかによる機構。
【請求項10】
流体室毎に、流体室と隣接し下流の流体室の間に延びるそれぞれのバイパスチャンネルを有し、且つ各バイパスチャンネルを通る流体の流量を制御するための手段を有する、請求項1ないし9のいずれかによる機構。
【請求項11】
多段遠心コンプレッサ機構内のサージを制御するためのサージ制御手段を更に有する、請求項1ないし10のいずれかによる機構。
【請求項12】
ハウジングと、ハウジング内に回転自在に取り付けられた駆動シャフトと、ハウジング内に配置され、複数の相互に連結された流体室を構成する複数の固定部材と、駆動シャフトに取り付けられ、圧縮流体をそれぞれの流体室に放出するように固定部材に対して配置された複数のインペラと、多段遠心コンプレッサ機構内のサージを制御するためのサージ制御手段と、を有する多段遠心コンプレッサ機構。
【請求項13】
サージ制御手段は、流体の流れを各流体室に運ぶための手段と、各流体室への流体流れの流量を制御するための手段と、を有する、請求項11又は12による機構。
【請求項14】
運ぶ手段は、パージガスの流れを各流体室に運ぶように構成されている、請求項13による機構。
【請求項15】
パージガスは、空気又は不活性ガスからなる、請求項14による機構。
【請求項16】
運ぶ手段は、加圧流体の流れを下流の流体室から各流体室に運ぶように構成される、請求項13による機構。
【請求項17】
運ぶ手段が、流体室毎に、その流体室と隣接した下流の流体室の間に延びる流体通路を有する、請求項16による機構。
【請求項18】
流体通路は同軸である、請求項17による機構。
【請求項19】
各流体通路はそれぞれの固定部材を通る、請求項17又は18による機構。
【請求項20】
制御手段は、前記運ぶ手段と流体連通している弁手段からなる請求項16ないし19のいずれかによる機構。
【請求項21】
弁手段はスプール弁からなる、請求項20による機構。
【請求項22】
各固定部材はハウジングのそれぞれの部品に取り付けられ又はそれと一体であるディスクからなる請求項1ないし21のいずれかに記載の機構。
【請求項23】
固定部材を冷却するための手段を有する、請求項1ないし22のいずれかによる機構。
【請求項24】
冷却手段は、各固定部材の片側に配置された複数の冷却フィンからなる、請求項23による機構。
【請求項25】
冷却手段は、冷却材の流れを各固定部材に供給するための手段からなる、請求項23又は24による機構。
【請求項26】
多段遠心コンプレッサ機構の少なくとも一部の周りに延びる冷却ジャケットを有する、請求項1乃至25のいずれかによる機構。
【請求項27】
請求項1乃至26のいずれかによる多段遠心コンプレッサ機構を有する真空ポンプ。
【請求項28】
コンプレッサ機構から上流に、分子ドラッグを有する、請求項28による真空ポンプ。
【請求項29】
分子ドラッグ機構はホルウェック機構からなる、請求項28による真空ポンプ。
【請求項30】
分子ドラッグ機構は駆動シャフトに取り付けられた少なくとも1つのロータ要素を有する、請求項28又は29による真空ポンプ。
【請求項31】
分子ドラッグ機構は駆動シャフトを回転させるためのモータを少なくとも部分的に囲む、請求項30による真空ポンプ。
【請求項32】
回転自在に取り付けられた駆動シャフトに設けられた複数のロータ要素を有する多段遠心コンプレッサ機構と、その上流で、駆動シャフトに設けられた少なくとも1つのロータ要素を有する分子ドラッグ機構と、を含み、分子ドラッグ機構の少なくとも1つのロータ要素が駆動シャフトを回転させるためのモータを少なくとも部分的に囲む、真空ポンプ。
【請求項33】
分子ドラッグ機構の少なくとも1つのロータ要素は、コンプレッサ機構のロータ要素と一緒に回転運動するように設けられたシリンダからなる、請求項30ないし32のいずれかによる真空ポンプ。
【請求項34】
ポンプの温度を監視するための手段と、監視した温度に応じてシャフトの回転速度を制御するための手段と、を有する請求項27ないし33のいずれかによる真空ポンプ。
【請求項35】
多段遠心コンプレッサ機構は圧縮流体を大気圧で又は約大気圧で排気するように構成される、請求項27乃至34のいずれかによる真空ポンプ。
【請求項36】
排気すべき流体を受け、圧縮された流体を実質的に大気圧で排気する多段遠心コンプレッサ機構を有する真空ポンプ。
【請求項37】
補助ポンプと直列にブースタポンプを有する真空排気装置であって、ブースタポンプが請求項27ないし34のいずれかによる真空ポンプからなる、上記真空排気装置。
【請求項38】
補助ポンプと直列にブースタポンプを有する真空排気装置であって、補助ポンプが請求項35及び36のいずれかによる真空ポンプからなる、上記真空排気装置。
【請求項39】
補助ポンプと直列に組み合わせてブースタポンプを有する真空排気装置であって、ブースタポンプが分子ドラッグ機構と、流体を大気圧以下の圧力で排気するための多段遠心コンプレッサ機構と、を有し、補助ポンプが流体を大気圧で又は約大気圧で排気するための多段遠心コンプレッサ機構からなる、真空排気装置。
【請求項40】
ブースタポンプからの排気口と補助ポンプからの排気口の間に接続されたバイパス導管と、バイパスを通る流体の流量を制御するための手段と、を有する請求項37ないし39のいずれかによる真空排気装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2007−518010(P2007−518010A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546318(P2006−546318)
【出願日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【国際出願番号】PCT/GB2004/005407
【国際公開番号】WO2005/061896
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(591004445)ザ ビーオーシー グループ ピーエルシー (59)
【Fターム(参考)】