説明

眼圧降下剤としての10,10−ジアルキルプロスタン酸誘導体

本発明は、高眼圧または緑内障を処置する方法であって、高眼圧または緑内障の動物に処置有効量の式Iの化合物を投与することを含んで成る方法を提供する。式I中、
破線は、結合の存在または不存在を示し、線影付きくさび形は、α(下)配置を示し、中実三角形は、β(上)配置を示し;
Bは、単、二重または三重共有結合であり;
nは、0〜6であり;
Xは、CH2、SまたはOであり;
Yは、CO2Hの医薬的に許容される任意の塩、または、CO2R、CONR2、CONHCH2CH2OH、CON(CH2CH2OH)2、CH2OR、P(O)(OR)2、CONRSO2R、SONR2、または


であり;
Rは、H、C1〜6アルキルまたはC2〜6アルケニルであり;
R2およびR3は、同じかまたは異なっていてよいC1〜6直鎖アルキルであり、互いに結合して、それらが共に結合している炭素を組み込んだ環を形成してもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緑内障の処置に特に適当な有効な眼圧降下剤としてのプロスタン酸誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
眼圧降下剤は、多様な高眼圧症状、例えば術後およびレーザートラベクレクトミー後の高眼圧や、緑内障の処置において、並びに術前の補助薬として有用である。
【0003】
緑内障は、眼圧の上昇により特徴付けられる眼疾患である。緑内障は、その病因により、原発性または続発性として分類されている。例えば、成人の原発性緑内障(先天性緑内障)は、開放隅角緑内障であるか、または急性もしくは慢性の閉塞隅角緑内障であり得る。続発性緑内障は、ブドウ膜炎、眼内腫瘍または拡大した白内障のような既存の眼疾患から生じる。
【0004】
原発性緑内障の原因は、未だ解明されていない。その眼圧上昇は、房水流出遮断による。慢性開放隅角緑内障においては、前房およびその解剖学的構造は正常に見えるが、房水の排出は妨げられる。急性または慢性の閉塞隅角緑内障においては、前房が浅く、透過角が狭く、虹彩がシュレンム管の入口の小柱網を閉塞し得る。瞳孔の拡張により、虹彩根部が隅角に対して前方に押され、および瞳孔ブロックを起こして、病状を急進し得る。前房隅角の狭い眼は、種々の重篤度の急性閉塞隅角緑内障に患る素因を有する。
【0005】
続発性緑内障は、後房から前房、次いでシュレンム管への房水の流れのいかなる妨害によっても起こる。前房の炎症性疾患は、膨隆虹彩における完全な虹彩後癒着を起こすことにより房水排出を妨げ得、排液路を滲出物で閉塞し得る。他の通常の原因は、眼内腫瘍、拡大した白内障、網膜中心静脈閉塞、眼の外傷、手術操作および眼内出血である。
【0006】
すべての種類を考慮すると、緑内障は、40歳を超えるすべての人の約2%に起こり、視力が急速に損われるまで何年間も無症候性であり得る。手術が指示されない場合、局所用β−アドレナリン受容体拮抗剤が、従来、緑内障処置薬物として選択されている。
【0007】
ある種のエイコサノイドおよびその誘導体は、眼圧降下活性を有することが報告されており、緑内障処置に使用することが推奨されている。エイコサノイドおよび誘導体は、プロスタグランジンおよびその誘導体のような、多くの生物学的に重要な化合物を包含する。プロスタグランジンは、下記式で示されるプロスタン酸の誘導体であるといえる:
【化1】

【0008】
プロスタン酸骨格の脂環上の構造および置換基によって、様々な種類のプロスタグランジンが知られている。更なる分類は、側鎖中の不飽和結合数に基づいてなされ、プロスタグランジンの種類の後に数字で示され[例えば、プロスタグランジンE1(PGE1)、プロスタグランジンE2(PGE2)]、また、脂環上の置換基の配置に基づいてもなされ、αまたはβで示される[例えば、プロスタグランジンF(PGF)]。
【0009】
プロスタグランジンはかつて、有効な眼圧上昇剤であると見なされていた; しかし、過去10年間に蓄積された証拠によると、いくつかのプロスタグランジンは非常に有効な眼圧降下剤であり、緑内障の長期処置に好適であることがわかった(例えば、Bito,L.Z.,Biological Protection with Prostaglandins,Cohen,M.M.編,Boca Raton,Fla,CRC Press Inc.,1985,第231〜252頁;並びにBito,L.Z.,Applied Pharmacology in the Medical Treatment of Glaucomas,Drance,S.M.およびNeufeld,A.H.編,New York,Grune & Stratton,1984,第477〜505頁参照)。そのようなプロスタグランジンは、PGF、PGF、PGE2、およびそれらの脂溶性エステル(例えば、1−イソプロピルエステルのようなC1−C2アルキルエステル)を包含する。
【0010】
プロスタグランジンによる眼圧降下の詳しいメカニズムは未だわかっていないが、実験結果により、ブドウ膜強膜流出の増加によるものであることが示された[Nilssonら,Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.(suppl),284(1987)]。
【0011】
PGFのイソプロピルエステルは、親化合物よりもはるかに大きい降圧活性を有することがわかっている。これは、角膜透過性がより高いことによると考えられる。1987年にこの化合物は、「かつて報告されたうちで最も強力な眼圧降下剤」であると文献に記載された[例えば、Bito,L.Z.,Arch.Ophthalmol.,105、1036(1987)、およびSieboldら,Prodrug 5、3(1989)参照]。
【0012】
プロスタグランジンは顕著な眼内副作用を持たないと考えられるが、眼表面(結膜)充血および異物感は、ヒトの眼に対するそのような化合物(とりわけPGFおよびそのプロドラッグ、例えば1−イソプロピルエステル)の局所適用に伴って必ず起こる。高眼圧を伴う症状(例えば緑内障)の処置におけるプロスタグランジンの臨床的使用可能性は、上記のような副作用の故に非常に制限されている。
【0013】
Allergan,Inc.に譲渡された一連の同時係属米国特許出願において、眼圧降下活性が高く、副作用は無い、または実質的に副作用の無いプロスタグランジンエステルが開示されている。同時係属米国特許出願第596430号(1990年10月10日出願、米国特許第5446041号に対応)は、ある種の11−アシル−プロスタグランジン、例えば11−ピバロイル、11−アセチル、11−イソブチリル、11−バレリル、および11−イソバレリルPGFに関する。同時係属米国特許出願第175476号(1993年12月29日出願)には、眼圧降下作用を有する15−アシルプロスタグランジンが開示されている。同様に、プロスタグランジンの11,15−、9,15−および9,11−ジエステル、例えば11,15−ジピバロイルPGFも、眼圧降下活性を有することが知られている。同時係属米国特許出願第385645号(1989年7月7日出願、米国特許第4994274号に対応)、第584370号(1990年9月18日出願、米国特許第5028624号に対応)、および第585284号(1990年9月18日出願、米国特許第5034413号に対応)参照。我々はまた、17−ナフチルおよびベンゾチエニルプロスタグランジン化合物も眼圧降下活性を有することをも最近示した(2001年5月17日出願の米国特許出願第859770号)。これらすべての特許出願の開示を、特に引用により本発明の一部とする。
【0014】
抗高血圧作用、胃酸分泌抑制作用および平滑筋刺激作用を有するある種の15,15−ジメチルプロスタグランジンが、改善された代謝安定性を示すことが知られている。これはPernetらの米国特許第4117014号(1976年12月23日出願)に記載されており、その開示を特に引用により本発明の一部とする。
【発明の開示】
【0015】
本発明は、処置有効量の下記式Iの化合物を高眼圧の哺乳動物に投与することを含んで成る高眼圧の処置方法に関する:
【化2】

【0016】
[式中、
破線は、結合の存在または不存在を示し、線影付きくさび形は、α(下)配置を示し、中実三角形は、β(上)配置を示し;
Bは、単、二重または三重共有結合であり;
nは、0〜6であり;
Xは、CH2、SまたはOであり;
Yは、CO2Hの医薬的に許容される任意の塩、または、CO2R、CONR2、CONHCH2CH2OH、CON(CH2CH2OH)2、CH2OR、P(O)(OR)2、CONRSO2R、SONR2、または
【化3】

であり;
Rは、H、C1〜6アルキルまたはC2〜6アルケニルであり;
【0017】
R2およびR3は、同じかまたは異なっていてよいC1〜6直鎖アルキルであり、互いに結合して、それらが共に結合している炭素を組み込んだ環を形成してもよく;
R4は、水素、R、C(=O)R、またはR4が有効に水素になるように生理的条件下に容易に除去される任意の基であり;
R5は、水素またはRであり;
R6は、
i) 水素であるか;
ii) 1個またはそれ以上の二重または三重結合を有してもよい1〜8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖炭化水素、または、1〜3個の炭素または水素原子がOまたはハロゲンで置き替えられていてよい該炭化水素の酸素またはハロゲン誘導体であるか;または
iii) アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、C3〜8シクロアルキルオキシ、C3〜8シクロアルキル、C6〜10アリールまたはC3〜10ヘテロアリール(1個またはそれ以上の炭素がN、OまたはSで置き替えられている)であって;ハロゲン、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C6〜10アリール、C3〜10ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、C1〜6アルキル、OR、SRおよびSO2Rから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基を有してもよい]。
【0018】
他の局面において、本発明は、
内容物を計量形態でディスペンスするのに適した容器;および
該容器中の、先に定義した眼用液剤
を含んで成る医薬生成物に関する。
他の局面において、前記の式で示され、下記に開示し、本発明の方法に使用する化合物のいくつかは、新規であり自明でない。
更なる局面において、前記の式で示され、下記に開示する化合物の製法のいくつかの要素は、新規であり自明でない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、眼圧降下剤としてのプロスタン酸誘導体の使用に関する。本発明に使用する化合物は、下記の構造式Iで示される:
【化4】

【0020】
本発明化合物の好ましい群は、下記の構造式IIを有さない化合物を包含する:
【化5】

[式中、
Aは、CO2H、CO2MeまたはCO2Etであり;
Dは、単、二重または三重共有結合であり;
Eは、3〜7個の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖またはシクロアルキル鎖、トリフルオロメチルブチル、ヒドロキシルアルキルまたはCH2R7であり、R7は、フェニル、シクロペンチル、フェノキシ、クロロフェノキシ、プロポキシまたは-CH2SCH2CH3であり;
Jは、水素、R、C(=O)R、またはR4が有効に水素になるように生理的条件下に容易に除去される任意の基であり;
Gは、HまたはCH3である]。
【0021】
本明細書に使用される記号「Me」および「Et」は、当業者によって「メチル」および「エチル」と一般に称される成分を意味する。
【0022】
式Iおよび式IIに関連した他の化合物において、AはCO2R8であり、R8は3〜6個の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖または環式アルキル基である。
【0023】
他の好ましい群は、式IIIの化合物を包含する:
【化6】

【0024】
他の好ましい群は、式IVの化合物を包含する:
【化7】

【0025】
他の好ましい群は、式Vの化合物を包含する:
【化8】

[式中、R2およびR3の少なくとも1つはメチルでない]。
【0026】
前記の式において、置換基および記号は、先に定義したとおりである。
前記の式において、
好ましくは、Yは、CO2Hの医薬的に許容される任意の塩、またはCO2Rであり、より好ましくは、Yは、CO2HまたはCO2Meであり;
好ましくは、nは2であり;
好ましくは、R6は、C6〜10アリールまたはC3〜10ヘテロアリールであり、ハロゲン、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、OR、SRおよびSO2Rから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基を有してもよく、より好ましくは、R6は、フェニル、ナフチル、ベンゾフラニルまたはベンゾチエニルであり、ハロゲン、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、OR、SRおよびSO2Rから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基を有してもよく、最も好ましくは、3-クロロベンゾチエン-2-イルである。
【0027】
他の好ましい群は、式XIIIの化合物を包含する:
【化9】

[式中、
Bは、単結合または二重結合を表し;
R6は、ナフチル、ベンゾフラニルまたはベンゾチエニルであり、ハロゲン、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、OR、SRおよびSO2Rから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基を有してもよい]。
【0028】
本発明の他の局面において、本発明の化合物の製法のいくつかの要素は、新規であり、自明でない。そのような新規かつ非自明の要素の1つは、本発明化合物の合成において、Brooksおよび共同研究者(Brooksら、「Asymmetric Microbial Reduction of Prochiral 2,2-Disubstituted Cycloalkanediones」、J. Org. Chem., 1987, 52, 3223-3232)によって報告されているような還元剤としてのパン酵母の使用を適用することである。この反応のこの新規かつ非自明の適用において、パン酵母を使用して、式VIIの化合物2,2-ジアルキルシクロペンタン-1,3-ジオンの、式VIIIの化合物2,2-ジアルキル-3(S)-ヒドロキシシクロペンタノンへの不斉還元を行なう。次に、式VIIIの化合物を使用して、本発明の化合物を製造する:
【化10】

【0029】
この反応における、式VIおよびVIIの化合物の2つのアルキル基R2およびR3は、前記式Iの化合物に関して定義したとおりである。2つのアルキル基が異なる場合、ジアステレオマーの混合物が形成され、該混合物を、一般的な分離法によって分離して鏡像異性的に純粋な生成物を得ることができる。
【0030】
2,2-ジアルキルシクロペンタン-1,3-ジオンの製造は、当分野でよく知られている。種々のこれらの化合物を製造しうる都合のよい方法の1つは、ハロゲン化アルキルまたは同等化合物を使用して、シクロペンタン-1,3-ジオンの炭素-2の塩基仲介アルキル化によって行なわれる。この種の反応は、当分野でよく知られている。このアルキル化反応を使用する3つの一般的な種類の2,2-ジアルキルシクロペンタン-1,3-ジオンの製造が、反応式1に示されている。
【0031】
アルキル基の1つがメチルである化合物は、商業的に入手可能な2-メチルシクロペンタン-1,3-ジオン 1から単純アルキル化反応によって製造できる(方法1)。2,2-ジアルキルシクロペンタン-1,3-ジオンにおけるどちらのアルキル基もメチルでない場合(化合物2b)、これらの化合物は、連続した2つのアルキル化反応によってシクロペンタン-1,3-ジオンから製造できる(方法2)。2,2-ジアルキルシクロペンタン-1,3-ジオンにおける2つのアルキル基が同じである場合、これらのアルキル化反応はワンポット法で行なうことができる。2つのアルキル基がシクロペンタノンのC2を環に組み込んで環式化合物を形成する場合(スピロケトンとしても既知)、これらの化合物は、ジハロアルカンまたは同等化合物を使用して、分子間アルキル化、次に、分子内アルキル化を行なうことによって製造することができ(方法3)、これはワンまたはトゥーポット法で行なうことができる。
【0032】
当業者は、2,2-ジアルキルシクロペンタン-1,3-ジオンを製造する多くの方法が存在することを認識し、反応式1の反応は、これらの化合物が当業者によって容易に製造されうるかまたは得られることを示すものであり、本発明の範囲をいかなる方法においても限定するものではない。
【0033】
本発明の他の新規かつ非自明の局面において、式VIIIで示される本発明化合物を、下記の工程を含んで成る方法によって製造する:
【化11】

【0034】
i) 式IXの化合物を、好適な塩基の存在下に、式Xの化合物と反応させて、式XIの化合物を生成し:
【化12】

【0035】
ii) 式XIの化合物を、式XIIの化合物にカップリングし;
【化13】

iii) 保護基を除去し、ジアステレオマーを分離して、所望生成物を得る:
【0036】
[式中、
線影付きくさび形は、α(下)配置を示し、中実三角形はβ(上)配置を示し、波形線は、シス(Z)またはトランス(Z)配置を示し;
nは、0〜6であり;
Bは、単、二重または三重共有結合であり;
Jは、分子の残部に影響を及ぼさずに、容易に除去されて各ヒドロキシド基を形成しうる保護基であり;
Rは、C1〜6アルキルまたはC2〜6アルケニルであり;
R2およびR3は、同じかまたは異なっていてよいC1〜6直鎖アルキルであり、互いに結合して、それらが共に結合している炭素を組み込んだ環を形成してもよく;
Xは、SまたはOであり;
Mは、1個またはそれ以上の金属原子を有する基である]。
【0037】
本発明に含まれる全ての化合物は、当業者に既知の方法を補足した前記方法を使用して製造できる。いくつかの本発明化合物の合成を、反応式2〜7に示す。ここに示すこれらの反応式は、例示にすぎず、本発明の範囲をいかなる方法においても限定するものではない。いくつかの方法があるが、式VIの化合物の式VIIの化合物への還元をこれらの化合物の合成に組み込むことができ、これを行なう1つの都合のよい方法を反応式2に示す。この反応式において、化合物2は式VIの化合物であり、化合物3は式VIIの化合物である。しかし、当業者は、還元を使用して本発明化合物を製造する多くの方法があることを理解する。
【0038】
【表1−1】

【0039】
【表1−2】

【0040】
下記に列挙し、表1に示した化合物は、本発明化合物の特に好ましい例である。
(3-{(1R,4S,5S)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチルスルファニル}-プロピルスルファニル)-酢酸メチルエステル(21、22);
(3-{(1R,4S,5S)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチルスルファニル}-プロピルスルファニル)-酢酸(23、24);
(Z)-7-{(1R,4S,5R)-5-[(E)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル}-ヘプタ-5-イン酸メチルエステル(34、35);
(Z)-7-{(1R,4S,5R)-5-[(E)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル}-ヘプタ-5-イン酸(36、37);
(Z)-7-{(1R,4S,5R)-5-[(E)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル}-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル(38、39);
(Z)-7-{(1R,4S,5R)-5-[(E)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル}-ヘプタ-5-エン酸(40、41);
【0041】
7-[(1R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-((E)-(S)-3-ヒドロキシ-オクタ-1-エニル)-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-イン酸メチルエステル(42);
7-[(1R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-((E)-(S)-3-ヒドロキシ-オクタ-1-エニル)-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-イン酸(43);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-((E)-(S)-3-ヒドロキシ-オクタ-1-エニル)-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸(44);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-((E)-(S)-3-ヒドロキシ-オクタ-1-エニル)-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル(45);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-((E)-3-ヒドロキシ-4-フェニル-ブタ-1-エニル)-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸(46、47);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-((E)-3-ヒドロキシ-4-フェニル-ブタ-1-エニル)-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル(48、49);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-((E)-3-ヒドロキシ-5-フェニル-ペンタ-1-エニル)-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル(50、51);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-((E)-3-ヒドロキシ-5-フェニル-ペンタ-1-エニル)-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸(52、53);
【0042】
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸(54、55);
7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタン酸(56、57);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-5-(4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブチル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸(58、59);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸エチルアミド(60、61);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸ジエチルアミド(62、63);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸(2-ヒドロキシ-エチル)-アミド(64、65);
【0043】
(3S,4R,5R)-4-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-3-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-5-[(Z)-6-(1-H-テトラゾル-5-イル)-ヘキサ-2-エニル]-シクロペンタノン(66、67);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸アミド(68、69);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル(70、71);
7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-イン酸メチルエステル(72、73);
7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-イン酸(74、75)。
【0044】
医薬組成物は、少なくとも1種の本発明化合物または医薬的に許容し得るその酸付加塩の処置有効量を活性成分として、眼科的に許容し得る通常の薬剤賦形剤と組み合わせることによって、および眼への局所適用に適当な単位用量形態を形成することによって調製し得る。処置有効量は通例、液体製剤中約0.0001〜5%(w/v)、好ましくは約0.001〜1.0%(w/v)である。
【0045】
眼科的な適用のためには、主な賦形剤として生理食塩液を用いて液剤を調製することが好ましい。そのような眼用液剤のpHは、適当な緩衝系によって6.5〜7.2に保つことが好ましい。このような製剤は、医薬的に許容し得る通常の保存剤、安定剤および界面活性剤をも含有し得る。
【0046】
本発明の医薬組成物中に使用し得る好ましい保存剤は、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀および硝酸フェニル水銀を包含するが、これらに限定されるものではない。好ましい界面活性剤は、例えば、Tween 80である。同様に、本発明の眼用製剤中に種々の好ましい賦形剤を使用し得る。このような賦形剤は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポロキサマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよび精製水を包含するが、これらに限定されるものではない。
【0047】
必要に応じて、または好都合に、浸透圧調整剤を添加し得る。浸透圧調整剤は、塩、とりわけ塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトールおよびグリセリンを包含するが、これらに限定されるものではなく、眼科的に許容し得る他の適当な浸透圧調整剤も使用し得る。
【0048】
眼科的に許容し得る製剤が得られるのであれば、pH調整のためにどのような緩衝剤および手段を用いてもよい。緩衝剤は、酢酸、クエン酸、リン酸およびホウ酸の緩衝剤を包含する。製剤のpHを調整するために、必要に応じて酸または塩基を使用し得る。
【0049】
同様に、本発明において使用するための眼科的に許容し得る抗酸化剤は、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチル化ヒドロキシアニソールおよびブチル化ヒドロキシトルエンを包含するが、それらに限定されるものではない。
【0050】
本発明の眼用製剤が含有し得る他の佐剤成分はキレート剤である。好ましいキレート剤はエデト酸二ナトリウムであるが、その代わりに、またはそれと組み合わせて他のキレート剤も使用し得る。
【0051】
上記成分は通例、次のような量で使用する:

【0052】
本発明の活性化合物の実際の用量は、化合物によって、および処置する症状によって異なる。当業者はその知識の範囲内で、適当な用量を選択することができる。
本発明の眼用製剤は、眼への適用を容易にするよう、計量適用に適した形態(例えばドロッパー付き容器)に充填することが好都合である。滴下適用に適した容器は通例、不活性で無毒性の適当なプラスチック材料製であり、液剤を通例約0.5〜15ml収容する。
【0053】
合成例
本発明化合物の製法を以下の非限定的実施例によってさらに示し、実施例は図1〜7の反応式に概要が示され、実施例および図の両方において、化合物は同じ符号で示されている。
【0054】
2-アルキル-シクロペンタン-1,3-ジオン(1a): H2O(25mL)/ジオキサン(75mL)中の1,3-シクロペンタンジオン(89.4mmol、Aldrich)、I-R2(96.4mmol、Aldrich)およびKOH(5.097g、90.8mmol)の混合物を、還流させながら加熱する。5時間後、H2O(5mL)/ジオキサン(15mL)中のKOH(2g)およびI-R2(2mmol)の溶液を添加し、さらに3時間還流させた後に、溶液を室温で一晩攪拌する。午前中に、H2O(5mL)/ジオキサン(15mL)中のKOH(2g)およびI-R2(2.4mmol)の溶液を添加し、還流させながら加熱することによって、反応を継続させる。4時間後、混合物を室温に冷却し、エーテル(1x100mL、3x75mL)で抽出する。合わしたエーテル抽出物を蒸発させ、残渣をHCl(50mL 10%)と合わし、得られた混合物を、沸騰が観察されるまで(約15分間)120℃の油浴に入れる。次に、混合物を室温に冷却し、NaHCO3溶液(150mL、飽和)の添加によって中和し、次に、得られた混合物をCH2Cl2(4x75mL)で抽出する。合わしたCH2Cl2溶液を乾燥し(MgSO4)、濾過し、蒸発させて、褐色油状物を得、これを次の段階に直接使用する。
【0055】
2-アルキル-2-メチル-シクロペンタン-1,3-ジオン(2a): H2O(25mL)/ジオキサン(75mL)中の2-メチル-1,3-シクロペンタンジオン(10.025g、89.4mmol、Aldrich)、I-R2(96.4mmol、Aldrich)およびKOH(5.097g、90.8mmol)の混合物を、還流させながら加熱する。5時間後、H2O(5mL)/ジオキサン(15mL)中のKOH(2g)およびI-R2(2mmol)の溶液を添加し、さらに3時間還流させた後に、溶液を室温で一晩攪拌する。午前に、H2O(5mL)/ジオキサン(15mL)中のKOH(2g)およびI-R2(2.4mmol)の溶液を添加し、還流させながら加熱することによって、反応を継続させる。4時間後、混合物を室温に冷却し、エーテル(1x100mL、3x75mL)で抽出する。合わしたエーテル抽出物を蒸発させ、残渣をHCl(50mL 10%)と合わし、得られた混合物を、沸騰が観察されるまで(約15分間)120℃の油浴に入れる。次に、混合物を室温に冷却し、NaHCO3溶液(150mL、飽和)の添加によって中和し、次に、得られた混合物をCH2Cl2(4x75mL)で抽出する。合わしたCH2Cl2溶液を乾燥し(MgSO4)、濾過し、蒸発させて、褐色油状物を得、これを次の段階に直接使用する。
【0056】
2,2-ジアルキル-メチル-シクロペンタン-1,3-ジオン(2b): H2O(25mL)/ジオキサン(75mL)中の2-アルキル-1,3-シクロペンタンジオン 1a(89.4mmol、Aldrich)、I-R3(96.4mmol、Aldrich)およびKOH(5.097g、90.8mmol)の混合物を、還流させながら加熱する。5時間後、H2O(5mL)/ジオキサン(15mL)中のKOH(2g)およびI-R3(2mmol)の溶液を添加し、さらに3時間還流させた後に、溶液を室温で一晩攪拌する。午前に、H2O(5mL)/ジオキサン(15mL)中のKOH(2g)およびI-R3(2.4mmol)の溶液を添加し、還流させながら加熱することによって、反応を継続させる。4時間後、混合物を室温に冷却し、エーテル(1x100mL、3x75mL)で抽出する。合わしたエーテル抽出物を蒸発させ、残渣をHCl(50mL 10%)と合わし、得られた混合物を、沸騰が観察されるまで(約15分間)120℃の油浴に入れる。次に、混合物を室温に冷却し、NaHCO3溶液(150mL、飽和)の添加によって中和し、次に、得られた混合物をCH2Cl2(4x75mL)で抽出する。合わしたCH2Cl2溶液を乾燥し(MgSO4)、濾過し、蒸発させて、褐色油状物を得、これを次の段階に直接使用する。
【0057】
スピロ[2.4]ヘプタン-4,7-ジオン(2c): H2O(25mL)/ジオキサン(75mL)中の2-アルキル-1,3-シクロペンタンジオン 1a(89.4mmol、Aldrich)、1,2-ジブロモエタン(120mmol、Aldrich)およびKOH(5.097g、90.8mmol)の混合物を、24時間にわたって還流させながら加熱する。混合物を冷却し、粗生成物をエーテル(1x100mL、3x75mL)で抽出する。合わしたエーテル抽出物を蒸発させ、残渣をHCl(50mL 10%)と合わし、得られた混合物を、沸騰が観察されるまで(約15分間)120℃の油浴に入れる。次に、混合物を室温に冷却し、NaHCO3溶液(150mL、飽和)の添加によって中和し、次に、得られた混合物をCH2Cl2(4x75mL)で抽出する。合わしたCH2Cl2溶液を乾燥し(MgSO4)、濾過し、蒸発させて、褐色油状物を得、これを次の段階に直接使用する。
【0058】
2,2-ジメチル-シクロペンタン-1,3-ジオン(2): 文献記載の手順に従って行なった(Agosta, W.C.;Smith, A.B. J.Org.Chem. 1970, 35, 3856)。H2O(25mL)/ジオキサン(75mL)中の2-メチル-1,3-シクロペンタンジオン(10.025g、89.4mmol、Aldrich)、沃化メチル(6.0mL、96.4mmol、Aldrich)およびKOH(5.097g、90.8mmol)の混合物を、還流させながら加熱した。5時間後、H2O(5mL)/ジオキサン(15mL)中のKOH(2g)およびMeI(2.4mL)の溶液を添加し、さらに3時間還流させた後に、溶液を室温で一晩攪拌した。午前に、H2O(5mL)/ジオキサン(15mL)中のKOH(2g)およびMeI(2.4mL)の溶液を添加し、還流させながら加熱することによって、反応を継続させた。4時間後、混合物を室温に冷却し、エーテル(1x100mL、3x75mL)で抽出した。合わしたエーテル抽出物を蒸発させ、残渣をHCl(50mL 10%)と合わし、得られた混合物を、沸騰が観察されるまで(約15分間)120℃の油浴に入れた。次に、混合物を室温に冷却し、NaHCO3溶液(150mL、飽和)の添加によって中和し、次に、得られた混合物をCH2Cl2(4x75mL)で抽出した。合わしたCH2Cl2溶液を乾燥し(MgSO4)、濾過し、蒸発させて、褐色油状物(10.474g、83mmol、93%)を得、これを次の段階に直接使用した。
【0059】
(S)-3-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-シクロペンタノン(3): 文献記載の手順に従って行なった(Brooks, D.W.;Hormoz, M.;Grothaus, P.G.J.Org.Chem. 1987, 52, 3223)。4Lの三角フラスコ中の、H2O(690mL)中のD-グルコース(106.73g、592mmol、Aldrich)の35℃(内部温度)溶液を、パン酵母(71.065g、Fleischmann)で処理した。混合物を2時間発酵させ、次に、2,2-ジメチル-シクロペンタン-1,3-ジオン(2)(7.316g、58mmol)を添加した。
【0060】
混合物を48時間攪拌し、次に、セライトで濾過し、約1LのCH2Cl2で洗浄した。酵母の高粘稠性により濾過しにくく、CH2Cl2を混合物に連続的に添加し、セライト層の上部をスパチュラでこすって補助した。濾液を分離漏斗に移し、ブライン100mLを添加し、層を分離した。ブライン(400mL)を水性相に添加し、得られた溶液をCH2Cl2(3x500mL)でさらに抽出した。合わしたCH2Cl2溶液を乾燥し(MgSO4)、濾過し、蒸発させて、黄色油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(11x5cm、20% EtOAc/へキサン→25%→30%→40%→50%)にかけて、アルコール3(2.435g、19mmol、33%)を得た。
【0061】
ピリジン(27μL、0.33mmol、Aldrich)および(R)-α-メトキシ-α-トリフルオロメチルフェニル酢酸クロリド(58μL、0.31mmol、Fluka)を用いてジクロロエタン(0.3mL、Aldrich)中のアルコール3(11mg、0.09mmol)を処理することによって製造した対応するMosherエステルの1H NMRによって、3についての鏡像異性体過剰率を分析した。混合物を一晩攪拌し、次に、水(10mL)とエーテル(10mL)の間に分配した。エーテル層を1M HCl(10mL)およびNaHCO3飽和溶液で洗浄し、次に、乾燥し(MgSO4)、濾過し、蒸発させた。1H NMR分析を、粗エステルについて行なった。
【0062】
(S)-3-(tert)-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ-2,2-ジメチル-シクロペンタノン(4): CH2Cl2(8.0mL、Aldrich)中のアルコール3(520mg、4.1mmol)および2,6-ルチジン(0.56mL、4.8mmol、Aldrich)の溶液を、TBSOTf(1.0mL、4.3mmol、Aldrich)で処理した。5.5時間後、NaHCO3飽和溶液(20mL)を添加し、混合物をCH2Cl2(20mL)で抽出した。CH2Cl2溶液を1M HCl、NaHCO3飽和溶液およびブライン各20mLで洗浄し、次に、乾燥し(MgSO4)、濾過し、蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(5x5cm、10% Et2O/ペンタン)にかけて、TBSエーテル4(698mg、2.9mmol、70%)を得た。
【0063】
(S)-3-(tert)-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ-2,2-ジメチル-5-フェニルセラニル-シクロペンタノン(5): THF(2mL、Aldrich)中のTBSエーテル4(1.496g、6.2mmol)の溶液を、THF(22mL、Aldrich)中のLDA(4.9mL、7.3mmol、1.5M/シクロヘキサン、Aldrich)の-78℃溶液に滴下し、THF2mLで濯いだ。15分後、THF(2mL)中のPhSeCl(1.424g、7.4mmol、Aldrich)の溶液をカニューレですばやく添加し、THF2mLで濯いだ。溶液を10分間攪拌し、次に、0.5M HCl 50mLとエーテル75mLの間に分配した。エーテル層を、水、NaHCO3飽和溶液およびブライン各30mLで洗浄し、次に、乾燥し(MgSO4)、濾過し、蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(2%EtOAc/へキサン→4%)にかけて、フェニルセレニド 5(1.641g、4.1mmol、67%)を、低Rf不純物を含有する混合画分476mgと共に得た。
【0064】
(S)-4-(tert)-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ-5,5-ジメチル-シクロペンタ-2-エノン(6): CH2Cl2(13mL、Aldrich)中のセレニド 5(1.641g、4.1mmol)およびピリジン(0.62mL、7.7mmol、Aldrich)の溶液を、H2O(1mL)および30% H2O2(1.1mL、Aldrich)で処理した。混合物を30分間攪拌し、次に、CH2Cl2 25mLとNaHCO3飽和溶液25mLの間に分配した。水性相をCH2Cl2 25mLで抽出し、合わしたCH2Cl2溶液を1M HCl(2x25mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。次に、溶液を乾燥し(MgSO4)、濾過し、蒸発させて、オレンジ色油状物を得た。フラッシュクロマトグラフィー(6x4cm、10%エーテル/ペンタン)にかけて、エノン6(572mg、2.4mmol、59%)を得た。
【0065】
(3-メルカプト-プロピルスルファニル)-酢酸メチルエステル(8): THF(40mL)中の1,3-ジチアン(2.0mL、19.9mmol)の氷冷溶液を、NaH(819mg、20.5mmol)で処理した。30分後、メチルブロモアセテート(1.9mL、20.0mmol)を添加し、混合物を室温で3.5時間攪拌した。MeOH、次に1M HCl 50mLの添加によって反応を停止した。混合物をエーテル(2x50mL)で抽出し、合わしたエーテル溶液を、炭酸水素ナトリウム飽和溶液(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄し、次に、乾燥し(MgSO4)、濾過し、蒸発させた。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(10〜15% 酢酸エチル/へキサン)によって精製して、チオール(971mg、5.38mmol、27%)を得た。
【0066】
{3-[(S)-3-(tert)-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-4,4-ジメチル-5-オキソ-シクロペンタ-1-エニルスルファニル]-プロピルスルファニル}-酢酸メチルエステル(10): MeOH(4.3mL)中のエノン6(156mg、0.65mmol)の溶液を、30% H2O2(0.21mL)および1M NaOH(32μL)で処理した。4時間後、塩化アンモニウム飽和溶液20mLを添加し、混合物をジクロロメタン(3x10mL)で抽出した。合わしたジクロロメタン溶液を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、真空蒸発させた。
【0067】
ジクロロメタン(3mL)中のチオール 8(110mg、0.61mmol)の溶液を、粗エポキシド(9)にカニューレで添加し、1.2mLで濯いだ。塩基性アルミナ(628mg)を添加し、混合物を16時間攪拌した。溶媒を蒸発させ、残渣を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(15% 酢酸エチル/へキサン)によって精製して、カップリングしたエノン(10)(129mg、0.31mmol、48%)を得た。
【0068】
(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-メタノール(12): THF200mL中の3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボン酸(11)(10.0g、47.0mmol)の氷冷溶液に、LiAlH4 (47mL、47mmol、1M/THF)を添加した。3時間後、MeOH(約40mL)の添加によって反応を停止した。揮発性物質を蒸発させ、残渣を1M HCl 50mLで処理した。10分間攪拌した後、混合物をCH2Cl2(3x150mL)で抽出した。合わしたCH2Cl2溶液を乾燥し(MgSO4)、濾過し、蒸発させた。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(10〜20% 酢酸エチル/へキサン)によって精製して、アルコール(12)(4.32g、21.6mmol、46%)を得た。
【0069】
3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-カルボアルデヒド(13): CH2Cl2 40mL中のアルコール(4.32g、21.6mmol)の溶液を、4Å分子篩、NMO(3.81g、32.5mmol)およびTPAP(381mg、1.08mmol)で処理した。反応を10分間攪拌し、次に、蒸発乾固した。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(2% 酢酸エチル/へキサン)によって精製して、アルデヒド(13)(3.52g、18.3mmol、84%)を得た。
【0070】
(E)-3-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-アクリル酸メチルエステル(14): トルエン50mL中の13(3.52g、18.3mmol)の溶液を、メチル(トリフェニルホスホラニリデン)アセテート(7.48g、21.9mmol)で処理した。4時間後、NaHCO3飽和溶液(50mL)を添加し、混合物を酢酸エチル(2x75mL)で抽出した。合わした酢酸エチル溶液をブライン(50mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、蒸発させた。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(5% 酢酸エチル/へキサン)によって精製して、エノエート(14)(3.60g、14.6mmol、80%)を得た。
【0071】
3-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-プロピオン酸メチルエステル(15): THF50mL中の14(3.60g、14.6mmol)の溶液を、Wilkinson触媒(3.35g、3.62mmol)で処理した。混合物を1気圧のH2下に18時間攪拌し、次に、セライトで濾過した。溶媒を蒸発させ、残渣を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(0〜2% 酢酸エチル/へキサン)によって精製して、飽和エステル(15)(3.63g、14.3mmol、99%)を得た。
【0072】
3-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-プロパン-1-オール(16): エーテル60mL中の15(3.63g、14.3mmol)の氷冷溶液を、LiBH4(621mg、28.5mmol)およびメタノール(2mL)で処理した。30分後、0.5M NaOH溶液30mLを添加した。混合物を酢酸エチル(2x25mL)で抽出し、合わした酢酸エチル溶液をブライン(50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO4)、濾過し、蒸発させた。残渣を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(5〜20% 酢酸エチル/へキサン)によって精製して、アルコール(16)(2.57g、11.3mmol、79%)を得た。
【0073】
3-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-プロピオンアルデヒド(17): ジクロロメタン(20mL)中の塩化オキサリル(1.73g、13.6mmol)の-78℃溶液を、DMSO(20mL)で処理した。5分後、ジクロロメタン(20mL)中のアルコール16(2.57g、11.3mmol)の溶液を添加した。さらに15分後、トリエチルアミン(7.1mL、50.6mmol)を添加した。反応を-78℃で5分間攪拌し、次に、室温に温めた。30分後、水100mLを添加し、混合物をジクロロメタン(3x60mL)で抽出した。合わしたジクロロメタン溶液を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、蒸発させた。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(10% 酢酸エチル/へキサン)によって精製して、アルデヒド(17)(2.11g、9.4mmol、83%)を得た。
【0074】
5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-ペンタ-1-イン-3-オール(18): THF15mL中のアルデヒド 17(2.11g、9.4mmol)の溶液を、臭化エチニルマグネシウムの溶液(28.2mL、14.1mmol、0.5M THF)に0℃で添加した。1.5時間後、NH4Cl飽和溶液(75mL)を添加し、混合物を酢酸エチル(3x50mL)で抽出した。合わした酢酸エチル溶液をブライン(50mL)で洗浄し、次に、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(5〜20% 酢酸エチル/へキサン)によって精製して、アルコール(18)(2.20g、8.78mmol、93%)を得た。
【0075】
tert-ブチル-{1-[2-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-エチル]-プロパ-2-イニルオキシ}-ジメチル-シラン(19): ジクロロメタン15mL中のアルコール18(2.20g、8.78mmol)の溶液を、DMAP(215mg、1.8mml)、TBSCl(1.59g、10.5mmol)およびトリエチルアミン(1.8mL、13.2mmol)で処理した。反応を24時間攪拌し、次に、炭酸水素ナトリウム飽和溶液(50mL)を添加した。混合物をジクロロメタン(2x50mL)で抽出し、合わしたジクロロメタン溶液を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(4% 酢酸エチル/へキサン)によって精製して、保護アルコール(19)(3.06g、6.4mmol、73%)を得た。
【0076】
(3-{(1R,4S,5S)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-5-[(E)-3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-ペンタ-1-エニル]-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチルスルファニル}-プロピルスルファニル)-酢酸メチルエステル(20): THF(1.2mL)中のアルキン 19(105mg、0.28mmol)の溶液を、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムクロリドヒドリド(91mg、0.35mmol)で処理した。反応を30分間攪拌し、次に、-78℃に冷却し、メチルリチウム(0.46mL、0.64mmol、エーテル中1.4M)で処理した。10分後、予め冷却(-78℃)したリチウム2-チエニルシアノクプレートの溶液(1.3mL、0.33mmol、THF中0.25M)を、カニューレで添加した。反応を45分間攪拌し、次に、THF0.2mL中のエノン 10(61mg、0.15mmol)をカニューレで添加し、THF0.2mLで濯いだ。1時間後、20mLの1:1 塩化アンモニウム飽和溶液/濃水酸化アンモニウムの添加によって、反応を停止した。混合物を45分間攪拌し、次に、酢酸エチル(3x20mL)で抽出した。合わした酢酸エチル溶液を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、蒸発させた。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(10% 酢酸エチル/へキサン)によって精製して、カップリングした生成物(20)(51mg、0.064mmol、43%)を得た。
【0077】
(3-{(1R,4S,5S)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチルスルファニル}-プロピルスルファニル)-酢酸メチルエステル(21、22): CH3CN(1.6mL)中の20(51mg、0.064mmol)の溶液を、HF-ピリジン(0.26mL)で処理した。反応を24時間攪拌し、次に、炭酸水素ナトリウム飽和溶液15mLの添加によって停止した。混合物をジクロロメタン(3x10mL)で抽出し、合わしたジクロロメタン溶液を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、蒸発させた。シリカゲル上での分取薄層クロマトグラフィー(40% 酢酸エチル/へキサン)によって精製して、各ジアステレオマー(12mg、0.023mmol、71%)を得た。
【0078】
(3-{(1R,4S,5S)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチルスルファニル}-プロピルスルファニル)-酢酸(23、24): pH7.2の燐酸塩緩衝液(0.5mL)/CH3CN(0.1mL)中のより低いRfのエステル 21(11mg、0.021mmol)の溶液に、ウサギ肝臓エステラーゼ(9mg)を添加した。混合物を一晩攪拌し、次に、0.5M HCl 10mLを数mLのブラインと共に添加した。混合物を酢酸エチル(3x10mL)で抽出し、合わした酢酸エチル溶液を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、蒸発させた。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(3〜5% MeOH/CH2Cl2)によって精製して、酸(23)(4mg、0.0078mmol、37%)を得た。
300MHz 1H NMR(CDCl3, ppm) δ7.73(2H, d, J=8.4Hz), 7.4-7.3(2H, m), 5.9-5.8(1H, m), 5.8-5.7(1H, m), 4.4-4.3(1H, m), 3.63(1H, d, J=9.7Hz), 3.21(2H, s), 3.1-2.4(11H, 重複m), 2.1-1.7(4H, 重複m), 1.12(3H, s), 1.03(3H, s)
【0079】
より高いRfのエステルも同様に加水分解したが、但し、pH7.2の燐酸塩緩衝液0.5mL中のウサギ肝臓エステラーゼ(10mg)の溶液を、CH3CN(0.2mL)中のエステル(10mg、0.019mmol)の溶液に添加した。反応を22時間攪拌し、次に、前記のようにワークアップを行い精製した。これによって酸(24)(7mg、0.013mmol、71%)を得た。
300MHz 1H NMR(CDCl3, ppm) δ7.73(2H, d, J=8.8Hz), 7.44-7.31(2H, m), 5.9-5.8(1H, m), 5.8-5.7(1H, m), 4.4-4.3(1H, m), 3.64(1H, d, J=9.7Hz), 3.3-2.3(13H, 重複m), 2.1-1.7(4H, 重複m), 1.12(3H, s), 1.03(3H, s)
【0080】
tert-ブチル-ヘキサ-5-イニルオキシ-ジメチル-シラン(26)
7-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-ヘプタ-2-イン-1-オール(27)
【0081】
酢酸7-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-ヘプタ-2-イニルエステル(28): ピリジン(20mL)中の7-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-ヘプタ-2-イン-1-オール27(4.507g、21mmol)の溶液を、無水酢酸(3.0mL、31.8mmol)で処理した。18時間後、溶媒を蒸発させ、残渣をトルエンと共に同時蒸発させた。残渣を次の段階に直接使用した。
【0082】
7-アセトキシ-ヘプタ-5-イン酸(29): アセトン(100mL)中の粗28の溶液を、Jones試薬(18.0mL、41.4mmol、2.3M)で処理した。混合物が発熱したので、氷浴で冷却した。室温で1時間後、イソプロピルアルコール10mLを添加し、さらに15分間にわたって混合物を攪拌した。混合物がまだ褐色であったので、さらに10mLのイソプロピルアルコールを添加した。さらに15分後、色が変化していなかったので、混合物をセライトで濾過し、濾液を真空蒸発させた。残渣を、エーテル100mLと塩化アンモニウム飽和溶液100mLの間に分配した。水性相をエーテル100mLで抽出し、合わしたエーテル溶液をブラインで洗浄し、次に、乾燥し(MgSO4)、濾過し、蒸発させて、黄色油状物(6.333g)を得、これを次の段階に直接使用した。
【0083】
7-ヒドロキシ-ヘプタ-5-イン酸メチルエステル(30): 粗酸29(6.333g)を、メタノール(60mL)中の塩化アセチル1%溶液で処理した。16時間後、炭酸水素ナトリウム(1.966g、23.4mmol)を添加した。混合物を乾燥し(MgSO4)、セライトで濾過し、真空蒸発させた。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(30〜40% 酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、7-ヒドロキシ-ヘプタ-5-イン酸メチルエステル 30(3.022g、19.3mmol、7-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-ヘプタ-2-イン-1-オール(27)から92%)を得た。
【0084】
7-ヨード-ヘプタ-5-イン酸メチルエステル(31): ジクロロメタン5mL中の30(1.347g、8.6mmol)の溶液を、ジクロロメタン34mL中のトリフェニルホスフィン(2.725g、10.4mmol)、イミダゾール(726mg、10.7mmol)および沃素(2.602g、10.3mmol)の混合物に添加し、ジクロロメタン5mLで濯いだ。40分後、ジクロロメタンを数mLに真空蒸発させ、得られた混合物を塩基性アルミナで濾過し、10% 酢酸エチル/へキサンで洗浄した。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(10% 酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、沃化プロパルギル(1.878g、7.1mmol、83%)を得た。
【0085】
tert-ブチル-{(E)-1-[2-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-エチル]-3-ヨード-アリルオキシ}-ジメチル-シラン(32): ジクロロメタン(50mL)中のアルキン19(5.547g、15.2mmol)の溶液を、Cp2ZrHCl(5.794g、22.5mmol)で処理した。反応を45分間攪拌し、次に、N-ヨードスクシンイミド(4.966g、22.1mmol)を添加した。15分後、炭酸水素ナトリウム飽和溶液(200mL)を添加し、混合物をジクロロメタン(2x100mL)で抽出した。合わしたジクロロメタン溶液を乾燥し(MgSO4)、濾過し、蒸発させた。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(0〜5% 酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、沃化ビニル(32)(6.608g、13.1mmol、86%)を得た。
【0086】
7-{(1R,4S,5R)-4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-5-[(E)-3-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-ペンタ-1-エニル]-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル}-ヘプタ-5-イン酸メチルエステル(33): THF(2.0mL)中の沃化物32(675mg、1.34mmol)の-78℃溶液を、tert−ブチルリチウム(1.73mL、2.94mL、1.7M/ペンタン)で処理した。暗赤色混合物を25分間攪拌し、次に、ジメチル亜鉛(0.80mL、1.6mmol、2M/トルエン)を添加した。溶液を0℃で15分間攪拌し、次に、-78℃に再冷却した。次に、THF(1.0mL)中のエノン 6(208mg、0.87mmol)の溶液を、2時間にわたってシリンジポンプで添加し、THF0.5mLで濯いだ。30分後、HMPA(1.34mL、CaH2から蒸留)を添加し、次に、THF(1.0mL)中の沃化プロパルギル 31(1.286g、4.83mmol)の溶液を添加した。溶液を-40℃浴内で一晩攪拌し、次に、塩化アンモニウム飽和溶液20mLおよび水10mLを添加した。混合物をジクロロメタン(20mL)および酢酸エチル(2x20mL)で抽出した。合わした有機抽出物を乾燥し(MgSO4)、濾過し、蒸発させた。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(5〜10% 酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、33(198mg、0.27mmol、31%)を得た。
【0087】
(Z)-7-{(1R,4S,5R)-5-[(E)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル}-ヘプタ-5-イン酸メチルエステル(34、35): CH3CN(6.5mL)中の33(198mg、0.27mmol)の溶液を、HF-ピリジン(1.2mL)で処理した。溶液を3時間攪拌し、炭酸水素ナトリウム飽和溶液(120mL)を添加した。混合物をジクロロメタン(3x50mL)で抽出し、合わしたジクロロメタン溶液を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(50% 酢酸エチル/ヘキサン)、次に、分取TLC(55% 酢酸エチル/へキサン)によって精製して、より低い極性のジアステレオマー(34)(55mg、0.11mmol、41%)およびより高い極性のジアステレオマー(35)(51mg、0.10mmol、37%)を得た。
【0088】
(Z)-7-{(1R,4S,5R)-5-[(E)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル}-ヘプタ-5-イン酸(低Rfジアステレオマー、36): pH7.2の燐酸塩緩衝液(2mL)/CH3CN(0.1mL)中の34(9mg、0.017mmol)およびウサギ肝臓エステラーゼ(1mg)の溶液を、17時間攪拌した。次に、混合物をCH3CNと共に同時蒸発させて、水を除去し、残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(3〜7% MeOH/CH2Cl2)によって精製して、酸(36)(8mg、0.016mmol、93%)を得た。
【0089】
(Z)-7-{(1R,4S,5R)-5-[(E)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル}-ヘプタ-5-イン酸(高Rfジアステレオマー、37): pH7.2の燐酸塩緩衝液(2mL)/CH3CN(0.1mL)中の35(12mg、0.023mmol)およびウサギ肝臓エステラーゼ(1mg)の溶液を、17時間攪拌した。TCLが出発物質の存在を示したので、さらに2mgのエステラーゼを添加した。さらに24時間攪拌した後、反応が終了した。36に関して先に記載したようにワークアップおよび精製を行なって、酸(37)(8mg、0.016mmol、69%)を得た。
【0090】
(Z)-7-{(1R,4S,5R)-5-[(E)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル}-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル(低Rfジアステレオマー、38): エタノール(95%、2.5mL)をNiCl2(50mg、0.39mmol)およびNaBH4(7mg、0.19mmol)に添加した。得られた黒色混合物を5分間攪拌し、次に、エチレンジアミン(41μL、0.61mmol)を添加した。15分後、95%エタノール0.5mL中のアルキン34(40mg、0.077mmol)の溶液を添加し、エタノール0.5mLで濯いだ。フラスコをH2でパージし、1気圧のH2下に22時間攪拌した。次に、混合物をセライトで濾過し、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(55% 酢酸エチル/ヘキサン)によって精製して、アルケン(38)(17mg、0.032mmol、43%)を得た。
【0091】
(Z)-7-{(1R,4S,5R)-5-[(E)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル}-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル(高Rfジアステレオマー、39): 36と同様の手順によって、39(17mg、0.032mmol、41%)を得た。
【0092】
(Z)-7-{(1R,4S,5R)-5-[(E)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル}-ヘプタ-5-エン酸(低Rfジアステレオマー、40): 36と同様の手順を使用して、酸40(9mg、0.018mmol、85%)を得た。
300MHz 1H NMR(CDCl3, ppm) δ7.73(2H, d, J=8.4Hz), 7.45-7.30(2H, m), 5.8-5.6(2H, m), 5.4-5.3(2H, m), 4.3-4.1(1H, m), 3.57(1H, d, J=9.7Hz), 3.1-2.9(2H, m), 2.5-1.9(10H, m), 1.7-1.6(2H, m), 1.09(3H, s), 0.89(3H, s)
【0093】
(Z)-7-{(1R,4S,5R)-5-[(E)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル}-ヘプタ-5-エン酸(高Rfジアステレオマー、41): 36と同様の手順を使用して、酸41(9mg、0.018mmol、85%)を得た。
300MHz 1H NMR(CDCl3, ppm) δ7.73(2H, d, J=8.8Hz), 7.45-7.30(2H, m), 5.8-5.6(2H, m), 5.45-5.30(2H, m), 4.3-4.2(1H, m), 3.61(1H, d, J=9.7Hz), 3.1-3.0(2H, m), 2.5-1.9(10H, m), 1.7-1.6(2H, m), 1.10(3H, s), 0.90(3H, s)
【0094】
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸(2-ヒドロキシエチル)-アミド(65): DMF(0.5mL)中の酸55(酸41と同様に製造、7mg、0.015mmol)の溶液を、N-ヒドロキシスクシンイミド(6.9mg、0.056mmol)で処理した。混合物を5分間攪拌し、1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-3-エチルカルボジイミドヒドロクロリド(EDCI、20.7mg、0.11mmol)を添加した。7時間攪拌した後、2-アミノエタノール(5μL、0.083mmol)を添加し、混合物をさらに16時間攪拌した。酢酸エチル(50mL)を添加し、混合物を水(3x50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。有機相を乾燥し(Na2SO4)、濾過し、蒸発させた。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(5% メタノール/ジクロロメタン)、次に、分取薄層クロマトグラフィー(10% メタノール/ジクロロメタン)によって精製して、アミド65(5mg、0.010mmol、65%)を得た。
【0095】
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル}-ヘプタ-5-エン酸アミド(69): ジクロロメタン(0.2mL)中の酸55(9mg、0.02mmol)の溶液を、トリエチルアミン(15μL、0.11mmol)で処理した。溶液を0℃に冷却し、10分後、エチルクロロホルメート(7μL、0.073mmol)を添加した。さらに1時間にわたって溶液を0℃で攪拌し、次に、濃水酸化アンモニウム水溶液(10μL、0.26mmo)を添加した。反応を室温で一晩攪拌し、次に、0.5M HCl(7mL)の添加によって停止した。混合物を酢酸エチル(3x30mL)で抽出し、合わした酢酸エチル溶液を、NaHCO3飽和溶液(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、次に、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、蒸発させた。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(2%〜6% メタノール/ジクロロメタン)によって精製して、標記アミド(2.6mg、28%)を得た。
【0096】
本発明化合物を所望の生物学的活性についてスクリーニングする方法を、以下の実施例により本発明を制限することなく説明する。本発明の化合物例の結果を表2に示す。この結果は単に説明の目的で示すものであって、本発明の範囲の制限を意図するものではない。
【0097】
ラジオリガンド結合
EP、EP、EPおよびFP受容体を安定に発現する細胞
ヒトまたはネコのFP受容体またはEP、EPもしくはEP受容体を安定に発現するHEK−293細胞をTME緩衝液で洗い、フラスコ底から掻き取り、Brinkman PT10/35ポリトロンを用いて30秒間ホモジナイズした。遠心管内で、TME緩衝液を加えて、終体積を40mlとした。(TMEの組成は、100mM TRIS塩基、20mM MgCl、2M EDTA;10N−HClの添加によりpHを7.4とする。)
【0098】
細胞ホモジネートを、Beckman Ti−60ローターを用いて4℃で20分間、19000rpmで遠心した。得られたペレットをTME緩衝液に再懸濁させて、タンパク質の終濃度を1mg/mlとした(Bioradアッセイにより測定)。[H−]17−フェニルPGF2α(5nM)とのラジオリガンド結合競合アッセイを、100μlの体積で60分間行った。細胞膜フラクションを加えることにより、結合反応を開始させた。氷冷TRIS−HCl緩衝液(4ml)を加えて反応を停止し、Brandelセルハーベスターを用いてグラスファイバーGF/Bフィルターで手早く濾過した。フィルターを氷冷緩衝液で3回洗い、オーブンで1時間乾燥した。
【0099】
EP受容体のラジオリガンドとしては、[H−]PGE(比放射能180Ci/ミリモル)を使用した。FP受容体結合試験には、[H]17−フェニルPGF2αを使用した。EP、EP、EPおよびFP受容体を用いる結合試験は、二重に、そして少なくとも3回の独立した実験として行った。アッセイ体積は200μlとした。インキュベーションを25℃で60分間行い、氷冷50mM TRIS−HCl(4ml)を加えて停止し、次いでWhatman GF/Bフィルターで手早く濾過し、セルハーベスター(Brandel)内で更に3回、4mlでの洗浄を行った。試験に使用する受容体サブタイプに応じて、終濃度5nMの[H]−PGEまたは5nMの[H]17−フェニルPGF2αを用いて競合試験を行い、10−5M非標識PGEまたは17−フェニルPGF2αを用いて非特異的結合を測定した。
【0100】
FLIPR(登録商標)試験の方法
(a)細胞培養
10%ウシ胎児血清、2mMのl−グルタミン、250μg/mlのジェネティシン(G418)および200μg/mlのハイグロマイシンB(選択マーカーとして)、並びに100単位/mlのペニシリンG、100μg/mlのストレプトマイシンおよび0.25μg/mlのアンホテリシンBを含有する高グルコースDMEM培地中で、100mm培養皿内で、組換えヒトプロスタグランジン受容体タイプまたはサブタイプの一つを安定に発現するHEK−293(EBNA)細胞を培養した。(発現したプロスタグランジン受容体:hDP/Gqs5;hEP;hEP/Gqs5;hEP3A/Gqi5;hEP/Gqs5;hFP;hIP;hTP。)
【0101】
(b)FLIPR(登録商標)におけるカルシウムシグナル試験
ポリ−D−リジンコーティングした黒色壁透明底の96ウェルプレート(Biocoat(登録商標)、Becton−Dickinson)に、5×10細胞/ウェルの密度で細胞を播き、37℃のインキュベーター内で一晩付着させた。次いで、Denley Cellwashプレートウォッシャー(Labsystems)を用いて、HBSS−HEPES緩衝液(バイカーボネートおよびフェノールレッドを含まないハンクス液、20mM HEPES、pH7.4)で細胞を2回洗った。カルシウム感受性色素Fluo−4AMを終濃度2μMで使用して暗所で色素導入した45分後に、HBSS−HEPES緩衝液でプレートを4回洗って、各ウェルに100μlを残して過剰の色素を除去した。プレートを再度37℃に数分間にわたって平衡化した。
【0102】
細胞を488nmのアルゴンレーザーで励起し、バンド幅510〜570nmの発光フィルターを通して発光を測定した(FLIPR(登録商標)、Molecular Devices、Sunnyvale、CA)。薬物溶液は50μl体積で各ウェルに加えて、所望の終濃度とした。各ウェルについて、蛍光強度の増加ピークを記録した。プレート1枚につき、ウェル4個ずつを、負の対照(HBSS−HEPES緩衝液)および正の対照(標準アゴニスト:受容体に応じて、BW245C(hDP);PGE(hEP;hEP/Gqs5;hEP3A/Gqi5;hEP/Gqs5);PGF2α(hFP);カルバサイクリン(hIP);U−46619(hTP))に充てた。次いで、各薬物含有ウェル中の蛍光ピーク変化を、対照に対して相対的に表した。
【0103】
ハイスループット(HTS)または濃度−応答(CoRe)フォーマットで化合物を試験した。HTSフォーマットでは、プレート1枚当たり44の化合物を10−5M濃度で二重に試験した。濃度−応答曲線を得るために、プレート1枚当たり4化合物を、10−5〜10−11Mの濃度範囲で二重に試験した。二重に測定した値を平均した。HTSまたはCoReフォーマットのいずれにおいても、異なる継代に由来する細胞を用いて少なくとも3枚の異なるプレートにおいて各化合物を試験し、n≧3とした。
【0104】
【表2−1】

【0105】
【表2−2】

上段の数値はラジオリガンド結合値(nm)
下段の数値は関数データ(nm)
【0106】
先の記載は、本発明を実施するのに使用しうる特定の方法および組成物を説明するものであり、考えられる最良の方式を示すものである。しかし、所望の薬理学的特性を有する他の化合物を同様の方法で製造することができ、開示した化合物を種々の出発化合物から種々の化学反応によって得られることは、当業者に明らかである。同様に、種々の医薬組成物を製造し、使用して、実質的に同じ結果を得ることもできる。従って、本文における先の記載がいかに詳細なものであっても、それは全般的範囲を限定するものと解すべきでなく、むしろ、本発明の範囲は、特許請求の範囲の法的解釈によってのみ制限されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の化合物を合成する可能な方法を説明する図である。
【図2】本発明の化合物を合成する可能な方法を説明する図である。
【図3】本発明の化合物を合成する可能な方法を説明する図である。
【図4】本発明の化合物を合成する可能な方法を説明する図である。
【図5】本発明の化合物を合成する可能な方法を説明する図である。
【図6】本発明の化合物を合成する可能な方法を説明する図である。
【図7】本発明の化合物を合成する可能な方法を説明する図である。
【図8】本発明の化合物を合成する可能な方法を説明する図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物の高眼圧または緑内障を処置する医薬の製造における、下記式Iの化合物の使用:
【化1】

[式中、
破線は、結合の存在または不存在を示し、線影付きくさび形は、α(下)配置を示し、中実三角形は、β(上)配置を示し;
Bは、単、二重または三重共有結合であり;
nは、0〜6であり;
Xは、CH2、SまたはOであり;
Yは、CO2Hの医薬的に許容される任意の塩、または、CO2R、CONR2、CONHCH2CH2OH、CON(CH2CH2OH)2、CH2OR、P(O)(OR)2、CONRSO2R、SONR2、または
【化2】

であり;
Rは、H、C1〜6アルキルまたはC2〜6アルケニルであり;
R2およびR3は、同じかまたは異なっていてよいC1〜6直鎖アルキルであり、互いに結合して、それらが共に結合している炭素を組み込んだ環を形成してもよく;
R4は、水素、R、C(=O)R、またはR4が有効に水素になるように生理的条件下に容易に除去される任意の基であり;
R5は、水素またはRであり;
R6は、
i) 水素であるか;
ii) 1個またはそれ以上の二重または三重結合を有してもよい1〜8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖炭化水素、または、1〜3個の炭素または水素原子がOまたはハロゲンで置き替えられていてよい該炭化水素の酸素またはハロゲン誘導体であるか;または
iii) アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、C3〜8シクロアルキルオキシ、C3〜8シクロアルキル、C6〜10アリールまたはC3〜10ヘテロアリール(1個またはそれ以上の炭素がN、OまたはSで置き替えられている)であって;ハロゲン、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C6〜10アリール、C3〜10ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、C1〜6アルキル、OR、SRおよびSO2Rから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基を有してもよい]。
【請求項2】
式Iの化合物が、下記式IIの化合物でない請求項1に記載の使用:
【化3】

[式中、
Aは、CO2HまたはCO2Meであり;
Dは、単、二重または三重共有結合であり;
Eは、3〜7個の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖またはシクロアルキル鎖、トリフルオロメチルブチル、ヒドロキシルアルキルまたはCH2R7であり、R7は、フェニル、シクロペンチル、フェノキシ、クロロフェノキシ、プロポキシまたは-CH2SCH2CH3であり;
Jは、水素、R、C(=O)R、またはR4が有効に水素になるように生理的条件下に容易に除去される任意の基であり;
Gは、HまたはCH3である]。
【請求項3】
式Iの化合物が、下記式IIIによっても示される請求項2に記載の使用:
【化4】

[式中、Yは、CO2R、またはCO2Hの医薬的に許容される任意の塩である]。
【請求項4】
R6が、C6〜10アリール、または1個またはそれ以上の炭素がN、OまたはSで置き替えられているC3〜10ヘテロアリールであり、ハロゲン、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、OR、SRおよびSO2Rから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基を有してもよい請求項3に記載の使用。
【請求項5】
R6が、ナフチル、ベンゾフラニルまたはベンゾチエニルであり、ハロゲン、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、OR、SRおよびSO2Rから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基を含有してもよい請求項4に記載の使用。
【請求項6】
Yが、CO2HまたはCO2Meである請求項5に記載の使用。
【請求項7】
R6が、3-クロロベンゾチエン-2-イルである請求項6に記載の使用。
【請求項8】
nが2である請求項7に記載の使用。
【請求項9】
Bが単結合である請求項8に記載の使用。
【請求項10】
式Iの化合物が、下記式IVによっても示される請求項2に記載の使用:
【化5】

[式中、
Yは、CO2R、またはCO2Hの医薬的に許容される任意の塩であり;
R6は、C6〜10アリール、または1個またはそれ以上の炭素がN、OまたはSで置き替えられているC3〜10ヘテロアリールであり、ハロゲン、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、OR、SRおよびSO2Rから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基を有してもよい]。
【請求項11】
Yが、CO2HまたはCO2Meである請求項10に記載の使用。
【請求項12】
R6がフェニルである請求項11に記載の使用。
【請求項13】
Bが二重結合である請求項12に記載の使用。
【請求項14】
R6が、ナフチル、ベンゾフラニルまたはベンゾチエニルであり、ハロゲン、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、OR、SRおよびSO2Rから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基を有してもよい請求項11に記載の使用。
【請求項15】
R6が3-クロロベンゾチエン-2-イルである請求項14に記載の使用。
【請求項16】
Bが二重または三重結合である請求項15に記載の使用。
【請求項17】
化合物が、下記化合物から成る群から選択される請求項1に記載の使用:
(3-{(1R,4S,5S)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチルスルファニル}-プロピルスルファニル)-酢酸メチルエステル(21、22);
(3-{(1R,4S,5S)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチルスルファニル}-プロピルスルファニル)-酢酸(23、24);
(Z)-7-{(1R,4S,5R)-5-[(E)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル}-ヘプタ-5-イン酸メチルエステル(34、35);
(Z)-7-{(1R,4S,5R)-5-[(E)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル}-ヘプタ-5-イン酸(36、37);
(Z)-7-{(1R,4S,5R)-5-[(E)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル}-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル(38、39);
(Z)-7-{(1R,4S,5R)-5-[(E)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル}-ヘプタ-5-エン酸(40、41);
7-[(1R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-((E)-(S)-3-ヒドロキシ-オクタ-1-エニル)-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-イン酸メチルエステル(42);
7-[(1R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-((E)-(S)-3-ヒドロキシ-オクタ-1-エニル)-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-イン酸(43);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-((E)-(S)-3-ヒドロキシ-オクタ-1-エニル)-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸(44);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-((E)-(S)-3-ヒドロキシ-オクタ-1-エニル)-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル(45);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-((E)-3-ヒドロキシ-4-フェニル-ブタ-1-エニル)-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸(46、47);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-((E)-3-ヒドロキシ-4-フェニル-ブタ-1-エニル)-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル(48、49);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-((E)-3-ヒドロキシ-5-フェニル-ペンタ-1-エニル)-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル(50、51);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-((E)-3-ヒドロキシ-5-フェニル-ペンタ-1-エニル)-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸(52、53);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸(54、55);
7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタン酸(56、57);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-5-(4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブチル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸(58、59);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸エチルアミド(60、61);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸ジエチルアミド(62、63);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸(2-ヒドロキシ-エチル)-アミド(64、65);
(3S,4R,5R)-4-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-3-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-5-[(Z)-6-(1-H-テトラゾル-5-イル)-ヘキサ-2-エニル]-シクロペンタノン(66、67);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸アミド(68、69);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル(70、71);
7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-イン酸メチルエステル(72、73);
7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-イン酸(74、75)。
【請求項18】
式I:
【化6】

[式中、
破線は、結合の存在または不存在を示し、線影付きくさび形は、α(下)配置を示し、中実三角形は、β(上)配置を示し;
Bは、単、二重または三重共有結合であり;
nは、0〜6であり;
Xは、CH2、SまたはOであり;
Yは、CO2Hの医薬的に許容される任意の塩、または、CO2R、CONR2、CONHCH2CH2OH、CON(CH2CH2OH)2、CH2OR、P(O)(OR)2、CONRSO2R、SONR2、または
【化7】

であり;
Rは、H、C1〜6アルキルまたはC2〜6アルケニルであり;
R2およびR3は、同じかまたは異なっていてよいC1〜6直鎖アルキルであり、互いに結合して、それらが共に結合している炭素を組み込んだ環を形成してもよく;
R4は、水素、R、C(=O)R、またはR4が有効に水素になるように生理的条件下に容易に除去される任意の基であり;
R5は、水素またはRであり;
R6は、
i) 水素であるか;
ii) 1個またはそれ以上の二重または三重結合を有してもよい1〜8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖炭化水素、または、1〜3個の炭素または水素原子がOまたはハロゲンで置き替えられていてよい該炭化水素の酸素またはハロゲン誘導体であるか;または
iii) アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、C3〜8シクロアルキルオキシ、C3〜8シクロアルキル、C6〜10アリールまたはC3〜10ヘテロアリール(1個またはそれ以上の炭素がN、OまたはSで置き替えられている)であって;ハロゲン、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C6〜10アリール、C3〜10ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、C1〜6アルキル、OR、SRおよびSO2Rから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基を有してもよい]
で示される化合物であって、式II:
【化8】

[式中、
Aは、CO2H、CO2MeまたはCO2Etであり;
Dは、単、二重または三重共有結合であり;
Eは、3〜7個の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖またはシクロアルキル鎖、トリフルオロメチルブチル、ヒドロキシルアルキルまたはCH2R7であり、R7は、フェニル、シクロペンチル、フェノキシ、クロロフェノキシ、プロポキシまたは-CH2SCH2CH3であり;
Jは、水素、R、C(=O)R、またはR4が有効に水素になるように生理的条件下に容易に除去される任意の基であり;
Gは、HまたはCH3である]
で示される化合物ではない化合物。
【請求項19】
下記式IIIによっても示される請求項18に記載の化合物:
【化9】

[式中、Yは、CO2R、またはCO2Hの医薬的に許容される任意の塩である]。
【請求項20】
R6が、C6〜10アリール、または1個またはそれ以上の炭素がN、OまたはSで置き替えられているC3〜10ヘテロアリールであり、ハロゲン、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、OR、SRおよびSO2Rから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基を有してもよい請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
R6が、ナフチル、ベンゾフラニルまたはベンゾチエニルであり、ハロゲン、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、OR、SRおよびSO2Rから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基を有してもよい請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
Yが、CO2HまたはCO2Meである請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
R6が3-クロロベンゾチエン-2-イルである請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
nが2である請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
Bが単結合である請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
下記式IVによっても示される請求項18に記載の化合物:
【化10】

[式中、
Yは、CO2R、またはCO2Hの医薬的に許容される任意の塩であり;
R6は、C6〜10アリール、または1個またはそれ以上の炭素がN、OまたはSで置き替えられているC3〜10ヘテロアリールであり、ハロゲン、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、OR、SRおよびSO2Rから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基を有してもよい]。
【請求項27】
Yが、CO2HまたはCO2Meである請求項26に記載の化合物。
【請求項28】
R6がフェニルである請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
Bが二重結合である請求項28に記載の化合物。
【請求項30】
R6が、ナフチル、ベンゾフラニルまたはベンゾチエニルであり、ハロゲン、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、OR、SRおよびSO2Rから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基を有してもよい請求項27に記載の化合物。
【請求項31】
R6が3-クロロベンゾチエン-2-イルである請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
Bが二重または三重結合である請求項31に記載の化合物。
【請求項33】
下記式Vによっても示される請求項18に記載の化合物:
【化11】

[式中、R2およびR3の少なくとも1つはメチルでない]。
【請求項34】
R2およびR3が、合計6個またはそれ以下の炭素原子を有する請求項33に記載の化合物。
【請求項35】
R5が水素である請求項34に記載の化合物。
【請求項36】
下記化合物から成る群から選択される請求項18に記載の化合物:
(3-{(1R,4S,5S)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチルスルファニル}-プロピルスルファニル)-酢酸メチルエステル(21、22);
(3-{(1R,4S,5S)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチルスルファニル}-プロピルスルファニル)-酢酸(23、24);
(Z)-7-{(1R,4S,5R)-5-[(E)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル}-ヘプタ-5-イン酸メチルエステル(34、35);
(Z)-7-{(1R,4S,5R)-5-[(E)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル}-ヘプタ-5-イン酸(36、37);
(Z)-7-{(1R,4S,5R)-5-[(E)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル}-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル(38、39);
(Z)-7-{(1R,4S,5R)-5-[(E)-5-(3-クロロ-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-ヒドロキシ-ペンタ-1-エニル]-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル}-ヘプタ-5-エン酸(40、41);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-((E)-3-ヒドロキシ-5-フェニル-ペンタ-1-エニル)-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル(50、51);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-4-ヒドロキシ-5-((E)-3-ヒドロキシ-5-フェニル-ペンタ-1-エニル)-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸(52、53);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸(54、55);
7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタン酸(56、57);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-5-(4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブチル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸(58、59);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸エチルアミド(60、61);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸ジエチルアミド(62、63);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸(2-ヒドロキシ-エチル)-アミド(64、65);
(3S,4R,5R)-4-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-3-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-5-[(Z)-6-(1-H-テトラゾル-5-イル)-ヘキサ-2-エニル]-シクロペンタノン(66、67);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸アミド(68、69);
(Z)-7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル(70、71);
7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-イン酸メチルエステル(72、73);
7-[(1R,4S,5R)-5-((E)-4-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル-3-ヒドロキシ-ブタ-1-エニル)-4-ヒドロキシ-3,3-ジメチル-2-オキソ-シクロペンチル]-ヘプタ-5-イン酸(74、75)。
【請求項37】
処置有効量の下記式Iの化合物を含んで成る眼用液剤:
【化12】

[式中、
破線は、結合の存在または不存在を示し、線影付きくさび形は、α(下)配置を示し、中実三角形は、β(上)配置を示し;
Bは、単、二重または三重共有結合であり;
nは、0〜6であり;
Xは、CH2、SまたはOであり;
Yは、CO2Hの医薬的に許容される任意の塩、または、CO2R、CONR2、CONHCH2CH2OH、CON(CH2CH2OH)2、CH2OR、P(O)(OR)2、CONRSO2R、SONR2、または
【化13】

であり;
Rは、H、C1〜6アルキルまたはC2〜6アルケニルであり;
R2およびR3は、同じかまたは異なっていてよいC1〜6直鎖アルキルであり、互いに結合して、それらが共に結合している炭素を組み込んだ環を形成してもよく;
R4は、水素、R、C(=O)R、またはR4が有効に水素になるように生理的条件下に容易に除去される任意の基であり;
R5は、水素またはRであり;
R6は、
i) 水素であるか;
ii) 1個またはそれ以上の二重または三重結合を有してもよい1〜8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖炭化水素、または、1〜3個の炭素または水素原子がOまたはハロゲンで置き替えられていてよい該炭化水素の酸素またはハロゲン誘導体であるか;または
iii) アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、C3〜8シクロアルキルオキシ、C3〜8シクロアルキル、C6〜10アリールまたはC3〜10ヘテロアリール(1個またはそれ以上の炭素がN、OまたはSで置き替えられている)であって;ハロゲン、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C6〜10アリール、C3〜10ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、C1〜6アルキル、OR、SRおよびSO2Rから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基を有してもよい]。
【請求項38】
内容物を計量形態でディスペンスするのに適した容器、および
該容器中の、請求項37に記載の眼用液剤
を含んで成る医薬生成物。
【請求項39】
式V:
【化14】

で示される化合物の製法であって、該合成の一部が、下記式VIの化合物を、パン酵母の存在下に、下記式VIIの化合物に還元することを含んで成る方法:
【化15】

[式中、
破線は、結合の存在または不存在を示し、線影付きくさび形は、α(下)配置を示し、中実三角形は、β(上)配置を示し;
Bは、単、二重または三重共有結合であり;
nは、0〜6であり;
Xは、CH2、SまたはOであり;
Yは、CO2Hの医薬的に許容される任意の塩、または、CO2R、CONR2、CONHCH2CH2OH、CON(CH2CH2OH)2、CH2OR、P(O)(OR)2、CONRSO2R、SONR2、または
【化16】

であり;
Rは、H、C1〜6アルキルまたはC2〜6アルケニルであり;
R2およびR3は、同じかまたは異なっていてよいC1〜6直鎖アルキルであり、互いに結合して、それらが共に結合している炭素を組み込んだ環を形成してもよく;
R5は、水素またはRであり;
R6は、
i) 水素であるか;
ii) 1個またはそれ以上の二重または三重結合を有してもよい1〜8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖炭化水素、または、1〜3個の炭素または水素原子がOまたはハロゲンで置き替えられていてよい該炭化水素の酸素またはハロゲン誘導体であるか;または
iii) アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、C3〜8シクロアルキルオキシ、C3〜8シクロアルキル、C6〜10アリールまたはC3〜10ヘテロアリール(1個またはそれ以上の炭素がN、OまたはSで置き替えられている)であって;ハロゲン、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C6〜10アリール、C3〜10ヘテロアリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、C1〜6アルキル、OR、SRおよびSO2Rから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基を有してもよい]。
【請求項40】
式VIII:
【化17】

で示される化合物の製法であって、下記工程を含んで成る方法:
i) 式IXの化合物を、好適な塩基の存在下に、式Xの化合物と反応させて、式XIの化合物を生成し:
【化18】

ii) 式XIの化合物を、式XIIの化合物にカップリングし;
【化19】

iii) 保護基を除去し、ジアステレオマーを分離して、所望生成物を得る:
[式中、
線影付きくさび形は、α(下)配置を示し、中実三角形はβ(上)配置を示し、波形線は、シス(Z)またはトランス(Z)配置を示し;
nは、0〜6であり;
Bは、単、二重または三重共有結合であり;
Jは、分子の残部に影響を及ぼさずに、容易に除去されて各ヒドロキシド基を形成しうる保護基であり;
Rは、C1〜6アルキルまたはC2〜6アルケニルであり;
R2およびR3は、同じかまたは異なっていてよいC1〜6直鎖アルキルであり、互いに結合して、それらが共に結合している炭素を組み込んだ環を形成してもよく;
Xは、SまたはOであり、ここで、両X成分は同じであり;
Mは、1個またはそれ以上の金属原子を有する基である]。
【請求項41】
式Iの化合物が、下記式XIIIによっても示される請求項1に記載の使用:
【化20】

[式中、
Bは、単結合または二重結合を表し;
R6、ナフチル、ベンゾフラニルまたはベンゾチエニルであり、ハロゲン、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、OR、SRおよびSO2Rから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基を有してもよい]。
【請求項42】
R6がベンゾチエン-2-イルである請求項41に記載の使用。
【請求項43】
Yが、CO2Hの医薬的に許容される任意の塩、または、CO2R、CONR2、CONHCH2CH2OH、CON(CH2CH2OH)2、または
【化21】

である請求項42に記載の使用。
【請求項44】
破線が結合の存在を表し、Bが二重結合である請求項43に記載の使用。
【請求項45】
破線が結合の存在を表し、Bが単結合である請求項43に記載の使用。
【請求項46】
破線が結合の不存在を表し、Bが二重結合である請求項43に記載の使用。
【請求項47】
下記式XIIIによっても示される請求項18に記載の化合物:
【化22】

[式中、
Bは、単結合または二重結合を表し;
R6、ナフチル、ベンゾフラニルまたはベンゾチエニルであり、ハロゲン、トリハロメチル、シアノ、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、C1〜6アルキル、OR、SRおよびSO2Rから成る群から選択される1個またはそれ以上の置換基を有してもよい]。
【請求項48】
R6がベンゾチエン-2-イルである請求項47に記載の化合物。
【請求項49】
Yが、CO2Hの医薬的に許容される任意の塩、または、CO2R、CONR2、CONHCH2CH2OH、CON(CH2CH2OH)2、または
【化23】

である請求項48に記載の化合物。
【請求項50】
破線が結合の存在を表し、Bが二重結合である請求項49に記載の化合物。
【請求項51】
破線が結合の存在を表し、Bが単結合である請求項49に記載の化合物。
【請求項52】
破線が結合の不存在を表し、Bが二重結合である請求項49に記載の化合物。
【請求項53】
AがCO2R8であり、R8が3〜6個の炭素原子を有する任意の直鎖、分岐鎖または環式アルキル基である請求項18に記載の化合物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−517587(P2006−517587A)
【公表日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503371(P2006−503371)
【出願日】平成16年2月6日(2004.2.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/003433
【国際公開番号】WO2004/071428
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(591018268)アラーガン、インコーポレイテッド (293)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】