説明

眼鏡フレームを測定するための測定装置

本発明は、レンズフレームがレンズ形状に対応する内接表面範囲Fを少なくとも部分的に定めている、眼鏡フレーム(2)の当該レンズフレーム(2.1)の内側を測定するための測定装置(1)に関し、眼鏡フレーム(2)を取り付けるための保持装置(3)と、レンズフレーム(2.1)の評価されるべき領域に投光される光ビーム(4.1)を生成するための少なくとも1つの光源(4)と、反射された光ビーム(4.1)を検出するための、評価ユニット(1.1)に結合され得る少なくとも1つのセンサ(5)と、を備え、前記保持装置(3)は、回転軸rの周りを回転され得ると共に、移動軸xの方向に移動され得て、前記移動軸xは、前記回転軸rに対して垂直な方向に少なくとも1つの移動成分を有する。前記保持装置(3)は、眼鏡フレーム耳あて部(2.2、2.3)によって眼鏡フレーム(2)を固定するために使用され、前記保持装置(3)の領域に少なくとも1つの自由空間(3.1、3.2)が設けられており、前記自由空間は、保持されるべき眼鏡フレーム(2)の、畳み込まれていない、または、畳み込まれることができない、前記眼鏡フレーム耳あて部(2.2、2.3)を受けるために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズフレームがレンズ形状に対応する内接されると共に通常湾曲された表面範囲Fを少なくとも部分的に定めている、眼鏡フレームの当該レンズフレームの内側を光学的に測定するための測定装置に関し、眼鏡フレームを取り付けるための保持装置と、レンズフレームの評価されるべき領域に投光される線状の光ビームを生成するための少なくとも1つの光源と、反射された光ビームを検出するための、評価ユニットに結合され得る少なくとも1つのセンサと、を備え、前記保持装置は、回転軸rの周りを回転され得ると共に、移動軸xの方向に移動され得て、前記移動軸xは、前記回転軸rに対して垂直な方向に少なくとも1つの移動成分を有する。
【背景技術】
【0002】
眼鏡フレーム内を周方向に延びる溝の3次元空間形状を非接触で検出するための測定装置は、文献EP0974038B1によって既に知られており、その光ビームが、溝に向かう、または、光学反射システムによって溝に向き直され得る、光源と、当該溝により反射されて光学検出ユニットに向かう光を撮像する、眼鏡フレームの測定されるべき溝に対して本質的に中心を位置合わせされて配置された光学撮像システムと、眼鏡フレームを支持すると共に溝の3次元空間形状を測定するために、光源、検出装置、及び、光学撮像システムに対して、眼鏡フレームの周方向に延びる溝によって内接された表面範囲の中心軸の周りを回転可能な方式で支持された保持装置と、を備え、光源は溝に1本の線状ビームを照射し、光源の光ビームは眼鏡フレームの周方向に延びる溝によって内接された表面範囲に対して本質的に直角に向けられ、溝の3次元空間形状を決定すると共に光切断法に従って動作する解析ユニットを更に備えている。
【0003】
文献DE10049382A1によって、レンズの縁の幾何学形状を測定するための測定装置が知られている。これは同様に、照射装置と、三角測量角度に配置されたモニタ装置と、を備えている。眼鏡フレームの測定とは対照的に、開放されたフレームの縁の測定は、外側に対して閉塞されていると共にそのような限りで外側から径方向にアクセスできないというレンズフレームの測定されるべき内側の問題を伴わない。
【0004】
文献DE68637346T2は、レンズ測定装置を記載しており、それは全体として眼鏡用の受け部と共に記載されている。レンズまたは眼鏡のガラスを評価するという目的のために、当該眼鏡は2つの異なる方向に並進的に移動される。眼鏡の回転は、レンズに対して径方向に延びる受け部本体に起因して不可能である。
【0005】
触覚トレーサが、文献US5,121,550Aに記載されており、それは、異なる測定点を測定するという目的のために、フレームの範囲にわたる触覚検出ヘッドの回転を含んでいる。保持された部品の回転は行われない。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、より迅速かつより正確な測定と共に測定の自動化が保証されるような方式で測定装置を実装及び配置することである。
【0007】
その目的は、保持装置が、眼鏡フレーム耳あて部によって眼鏡フレームを固定するために使用され、当該保持装置の領域に少なくとも1つの開放空間が設けられ、当該開放空間が、保持されるべき眼鏡フレームの、畳み込まれていない、または、畳み込まれることができない、眼鏡フレーム耳あて部を受けるために使用され、当該開放空間が、レンズフレームの、光源及び/またはセンサとは対向しない側に設けられている、という本発明によって達成される。従って、眼鏡フレーム耳あて部を含む眼鏡フレームは、移動または測定が当該耳あて部によって影響されることなく、要求された範囲で、並進的に移動され得ると共に回転され得る。前記開放空間の創作は、測定表と比較され得る、今までずっと一般的であった配置の再設計に関連しており、これにより、いかなる眼鏡フレームの測定も、更には自動的に、保証される。前記保持装置は、折り畳み式の眼鏡フレーム耳あて部を有する完全な眼鏡フレームがその上に固定される、外見上十分に高い台座を形成しており、当該眼鏡フレーム耳あて部は、当該台座の側面に沿って位置している。従って、台座の高さは、側面に位置する眼鏡フレーム耳あて部の長さ以上である。
【0008】
ただ1つの並進軸xは、硬いギアラックとそれに対して転がり接触するスプロケットとの対を介して駆動され、支持レール及び案内レールは、当該ギアラックと平行に延びている、または、それと一体的な部分である。移動軸xに対して直角な方向に移動成分を有する付加的な並進移動軸は、保持装置には不要である。その方向での位置合わせは、y方向に予備張力を付与可能であるクランプ要素によって行われる。
【0009】
また、その効果に対して、移動軸xに対して直角な移動成分と回転軸rに対して直角な移動成分とを有する移動軸yの方向に移動可能であると共に、レンズフレームに対して予備張力を付与可能である、当該レンズフレームを固定するための少なくとも2つのクランプ要素を、保持装置が有しているならば、有利であり得る。移動軸yの方向に移動すると共に予備張力を付与されるというクランプ要素の能力は、クランプまたは固定されるべきレンズフレームのちょうどその方向における位置合わせを保証する。移動軸yは、移動軸x及び回転軸rに対して直角な移動成分を有しているため、回転軸rに対するレンズフレームの位置合わせは、付加的な並進軸なしで可能である。
【0010】
更に、クランプ要素が、駆動手段及び/または予備張力付与手段を有し、レンズフレームが固定されている際に、各クランプ要素が、前記移動軸yの方向に関して当該移動軸yの方向に同じ予備張力及び/または同じ距離kを有するならば、有利であり得る。回転軸に対して同じ距離kが保証されるならば、クランプ要素の間に固定されるレンズフレームもまた回転軸rの中途に中心を合わせられる。移動軸yに対する別個の位置合わせが省略される。クランプ要素の間のクランプ範囲は、2倍の距離2kを意味し、クランプされるレンズフレームの高さを反映するが、それは、10mmと100mmとの間、または、17mmと64mmとの間、である。
【0011】
また、保持装置が、取り付けられるレンズフレームの左部分の内接表面範囲Fの中心軸z1に関して、回転軸rと同軸状に第一移動軸xの方向に位置合わせさせられ得ると共に、取り付けられるレンズフレームの右部分の内接表面範囲Fの中心軸z2に関しても、回転軸rと同軸状に第一移動軸xの方向に位置合わせさせられ得るならば、有利であり得る。これにより、レンズフレームの両方のフレームの部分を測定するという目的のために当該レンズフレームを再びクランプすることは、もはや不要である。第二移動軸yに沿って中心を合わせることは、前述されたように、クランプ要素によって既に行われている。
【0012】
この文脈では、クランプ要素の距離aの値は、移動軸xに関して、2cmと7cmとの間または3cmと7cmとの間よりは小さくなく、7cmと10cmとの間の値を越えない、という規定が有利に設けられ得る。その下限は、2つの保持部分の間に配置されると共に、その形状のために回転軸rに関して対称的な前述のクランプに適合しないので外側に置かれなければならない、というノーズピースに起因している。その上限の理由は、一方では眼鏡フレーム耳あて部のために要求される開放空間であり、他方では例えば子供用のより小さい眼鏡フレームに対する適用性である。
【0013】
移動軸xが、回転軸r上に置かれており、これにより、当該移動軸xの駆動手段が、当該回転軸rの周りを回転され得るならば、本発明にとって特に重要であり得る。結果的に、更なる開放空間が、眼鏡フレーム耳あて部に対して移動軸xの一側に実現され得る。
【0014】
本発明による実施形態及び配置の文脈では、それによってレンズフレームの湿潤されるべき部分が測定装置に対して仕切られ得る、仕切り手段が設けられているならば、有利であり得る。
【0015】
また、レンズフレームの湿潤されるべき部分は、レンズフレームの右部分または左部分の各々の区画を単純に含み得る。移動部分を仕切ることを保証するという目的のために、ブラシストリップ(brush strips)またはそれと同様のものが使用され得る。強く反射する表面の透明性にとって、被膜ユニットで表面を被膜するまたは湿潤させることが、拡散反射を保証するために必要である。被膜の1つの可能性は、比較的冷たいレンズフレームに凝縮物として関与する水蒸気を使用することである。また、蒸気は、十分に高い湿気を有する温風の形態でも、レンズフレームにおいて当該温風の十分な冷却が保証される限りで、提供され得る。また、粉やダストのような他の湿潤剤も使用され得る。
【0016】
更に、それによって保持装置の範囲から、または、仕切り手段によってそこに形成される雰囲気箱(climate box)から、集まる凝縮物が排出及び/または貯蔵され得る、液体用の収集手段が設けられているならば、有利であり得る。
【0017】
更に、光源が内接表面範囲Fに対する表面法線Nの方向に関して当該内接表面範囲Fに対してある距離L1>0で位置決めされ得て、レンズフレームが当該光源を用いて光ビームで直接光を当てられ得ると共に、センサが当該表面法線Nの方向に関して当該表面範囲Fに対してある距離S1>0で配置されていて、レンズフレームによって反射された光がセンサに直接作用し得るならば、有利であり得る。光源とセンサのどちらも、測定されるべきレンズフレームの内部に配置されておらず、代わりにその上方及び/または下方に配置されている。好ましくは、レンズフレームの同じ側に配置されている。結果的に、特に平面からの顕著な変位に対して、内接表面範囲Fの形状がより良く測定され得る。その結果、レンズフレームと光源またはセンサとの間の相対的な高さが、あらゆる法線ベクトルに対して距離L1またはS1>=0が保証されるように実装され、これにより、光ビームは、レンズフレームの他の部分によって仕切られない。
【0018】
結果的に、対応するアダプタによって保持装置に固定された、眼鏡ガラスの縁、または、一対の眼鏡ガラスの縁も、測定され得る。
【0019】
また、放射された光を望み通りにフレームに向け直す、鏡、プリズム、または、光案内要素が、光源として考えられ得る。また、反射された光をセンサに向かって向け直す、鏡、プリズム、または、光案内要素が、考えられ得る。
【0020】
更に、光源とセンサとは、各々の主光軸H4、H5に関して三角測量角度αを有し、当該三角測量角度αによって広げられた平面Eが規定され、当該平面Eは、回転軸rまたは鉛直軸に対して、及び、移動軸xまたは水平軸に対して、角度βで位置決めされているならば、有利であり得る。角度βは、10°と40°との間、または、20°と30°との間、または、25°、という値を有している。この配置は、一方では、強く湾曲されたレンズフレームの検出を保証すると共に、他方では、溝の検出中における光学的なアンダーカットまたはマスキングを回避する。
【0021】
この文脈では、保持装置に関してオペレータ位置Pに対向して配置されたスイッチボックスが設けられているならば、有利であり得る。概して、これは省スペースの装置を保証する。スイッチボックスは、同時にモニタ用の格納部として使用され得るが、すくなくともモニタの下方に配置され得る。
【0022】
また、それぞれ距離L2及びS2を有する第二光源及び第二センサに関して、第一光源が第一センサと一緒に1つのユニットを形成すると共に、第二光源が第二センサと一緒に1つのユニットを形成し、第一ユニット及び第二ユニットは、表面法線Nの方向に関して、取り付けられたレンズフレームの異なる側に配置されている、という規定が設けられ得る。これにより、両側からの測定がアンダーカットなしで可能である。
【0023】
また、前記目的は、レンズフレームを非接触測定するための方法であって、レンズフレームは、周測定の目的のために回転軸rの周りを回転し、当該測定の開始から、当該回転軸rの周りの回転は、無振動で、すなわち、一様な加速度を有して、または、一定の回転速度を有して、進行するという方法によっても達成される。結果的に、段階的または離散的な位置決めに関連する加速度または速度の変化が回避され、これにより、より迅速かつより正確な測定が保証される。
【0024】
更に、前記目的は、レンズフレームを非接触測定するための方法であって、レンズフレームは、当該レンズフレームの左部分と右部分の周測定の目的のために、回転軸rの周りを、当該レンズフレームの各々の部分によって内接される表面範囲Fの中心軸z1、z2にそれぞれ同軸状に、回転され、
a)前記レンズフレームは、移動軸yの方向と、当該移動軸yに対して垂直かつ前記回転軸rに中心を置かれた移動軸xの方向と、に位置決めされると共に固定され、
b)前記レンズフレームは、前記回転軸rを当該レンズフレームの左部分によって内接される表面範囲Fの中心軸z1と位置合わせする目的のために、移動軸yに対して垂直な移動軸xの方向に移動され、
c)続いて、前期回転軸rを前記レンズフレームの右部分によって内接される表面範囲Fの中心軸z2と位置合わせすることが、自動的に、移動軸xの方向における移動によってのみ行われる、
という方法によっても達成される。
【0025】
回転軸rを中心軸z1と位置合わせする目的のための移動軸xのその中心またはゼロ点からの変位は、知られていると共に検出可能である。レンズフレームは前記中心に固定されているため、回転軸rを中心軸z2と位置合わせする目的のための移動軸xのその中心またはゼロ点からの変位は、等しい大きさであり、これにより、自動的な移動が保証される。
【0026】
本発明の更なる利点及び詳細は、特許請求の範囲及び詳細な説明において説明されていると共に、図面に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、前記測定装置の側面斜視図を示している。
【図2】図2a、2bは、前記測定装置の側面斜視図を示している。
【図3】図3a、3bは、上方から見た図である。
【図4】図4は、図3aにおける、上方から見た部分図である。
【図5】図5は、幾何学的な配置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1に示される、眼鏡フレーム2のレンズフレーム2.1を測定するための測定装置1は、評価ユニット1.1と、当該評価ユニットの後方に配置されたモニタ1.2と、を備えており、それらは両方とも、スイッチボックス9の真上または前方に位置されている。
【0029】
評価ユニット1.1は、線状の光ビーム4.1を放射する光源4と、レンズフレーム2.1によって反射された光ビーム4.1の光を検出するセンサ5と、を有している。レンズフレーム2.1は、保持装置3上に固定されている。保持装置3は、回転軸rを有しており、さらに詳細には示されない駆動手段6によって、当該回転軸rの周りを回転可能である。保持装置3は、回転軸rと同軸状に配置された底板6.1上に位置されている。
【0030】
保持装置3は、高さhを有する台座として設計されており、その上に、折り畳み式の眼鏡フレーム耳あて部2.2、2.3を有する完全な眼鏡フレーム2が固定され、当該眼鏡フレーム耳あて部2.2、2.3は、当該台座の側面に沿って位置している。従って、台座の高さhは、側面に位置する眼鏡フレーム耳あて部の長さ以上である。
【0031】
更に、保持装置3は、回転軸rに対して直角に延びる移動軸xを有している。案内レール3.9が、移動軸xの方向の移動を容易にするように設けられ、移動軸xと平行に延びている、または、移動軸xを形成している。これにより、そのように支持された保持装置3は、移動軸xに関して、駆動手段6と一緒に回転軸rの周りを回転可能である。
【0032】
更に、測定装置1は、湿潤剤、特に一方で温風または水蒸気、他方で冷風または冷却手段、のための供給ライン7を備えており、それ(それら)は、筐体側の開口を起点として、取り付けられた又は固定されたレンズフレーム2.1の領域、特に光ビーム4.1によって解析されるべき領域、に直接案内される。レンズフレーム2.1、または、その部分は、これらの手段によって冷却され得て、これにより、レンズフレーム2.1を凝縮物で湿潤させることが、温風の入射フローに起因して起こる。過度の凝縮物は、底板6・1の排出部8.1によって排出される。
【0033】
レンズフレーム2.1は、当該レンズフレーム2.1の上方位置を起点として、保持装置3上で側方または下方に延びる、2つの眼鏡フレーム耳あて部2.2、2.3を有している。
【0034】
更に、保持装置3の構成に関する実施の形態が、図3a及び図4を参照して、後述される。
【0035】
図1における実施の形態によれば、レンズフレーム2.1の左部分2.1aが、回転軸rの周りの保持装置3の回転によって測定され、図2aにおける実施の形態によれば、保持装置3は、図示によれば、移動軸xの方向における、その左の位置に配置され、これにより、レンズフレーム2.1の右部分2.1bの評価が保証される。保持装置3は、レンズフレーム2.1のそれぞれの部分、または、挿入されるべき眼鏡ガラス用のそれぞれの凹部、の評価のために、回転軸rの周りを回転される。
【0036】
図2bにおける実施の形態によれば、保持装置3は、図2aによる位置から開始されて、反時計周りに約90°だけ回転されて配置され、これにより、そこに眼鏡フレーム耳あて部2.3が接続される、レンズフレーム2.1の側面の評価が保証される。
【0037】
図3aにおける実施の形態は、上方からの図示に関しており、図2aによる状況に関しており、レンズフレーム2.1の右部分2.1bの上方側面の測定を意味している。レンズフレーム2.1は、保持装置3上に中心を置かれて位置決めされており、当該保持装置3は、レンズフレーム2.1の右部分2.1bによって内接された表面範囲Fが回転軸rの周りを回転するような様式で、移動軸xによって移動され、これにより、レンズフレーム2.1の右部分2.1bの内周表面または内周溝の全体の照明が保証される。
【0038】
光源4は、センサ5の主軸H5と共に三角測量角度αを包含する主軸H4を有している。
【0039】
眼鏡フレーム耳あて部2.2、2.3を受けるという目的のために、対応する開放空間3.1、3.2が保持装置3の側方の領域に設けられている。保持装置3が移動軸xに関して有限の幅を有しているという事実が、この開放空間3.1、3.2を保証している。レンズフレーム2.1は、図4の詳細図によれば、4つのクランプ要素3.3a〜3.4bを用いて固定されており、各クランプ要素3.3a〜3.4bの領域において支持部または支持面3.8a、3.8bが設けられている。各クランプ要素3.3a〜3.4bは、バネ要素3.5a〜3.6bを用いて移動軸yの方向に予備張力を付与されている。4つのクランプ要素3.3a〜3.4bは全て、移動軸yに関して、回転軸rに対して同じ距離kに位置されている。回転軸rは、ここに示されるように、レンズフレーム2.1の左部分2.1aの測定の場合に、レンズフレーム2.1の左部分2.1aによって内接された表面範囲Fの中心軸z1に一致し、これにより、当該内接表面範囲Fは、保持装置3が回転軸rの周りを回転する間に、同じように、中心軸z1の周りを回転する。
【0040】
クランプ要素3.3a、3.3bは、クランプ要素3.4a、3.4bに関して、更には説明されないレンズフレーム2.1の中央のノーズピースより、いくらか大きい距離aで離間されており、これにより、4つのクランプ要素3.3a〜3.4bは全て、レンズフレーム2.1の右または左部分の各々の領域に接触するようになる。また、回転軸rに対する各クランプ要素3.3a〜3.4bの等距離配置に起因して、クランプ要素3.3a〜3.4bによって固定されたレンズフレーム2.1は、移動軸yに関して回転軸rに中心を置かれて配置される。回転軸rと各中心軸z1、z2との相関関係の目的のために、移動軸xに関する保持装置3の調整だけが、レンズフレーム2.1の等距離クランプの後でもまだ必要である。
【0041】
図3bの実施の形態によれば、評価ユニット1.1の評価範囲が、ポット状の仕切り手段8によって、周囲の環境に対して仕切られる。仕切り手段8は、好ましくは、動かない様式で配置され、これにより、駆動手段6の底板6.1が保持装置3と一緒に、仕切り手段8の内部で、回転軸rの周りを回転され得ると共に、移動軸xの方向に移動され得る。光源4及びセンサ5と、湿潤剤用の供給ライン7とが、ポット状の仕切り手段8内へ、径方向に、横方向から導入される。レンズフレーム2.1の一部を仕切るだけの仕切り手段8は、それに応じてより小さく設計されている。
【0042】
スイッチボックス9は、評価ユニット1.1に関して、オペレータ位置Pと対向して位置されており、これにより、前述の測定装置1の機械の幅が、総合的に最適化されている。
【0043】
図5は、光源4及びセンサ5と、レンズフレーム2.1によって内接された表面範囲Fと、の間の幾何学的な関係を明確にしている。図5によれば、光源4は、線状の光ビーム4.1を、その主軸H4の方向に、図示されないレンズフレーム2.1の縁に向けて、または、当該レンズフレームのここに図示された内接表面範囲Fに向けて、放射する。この仮想内接表面範囲Fに対する表面法線Nに関して、光源4及びセンサ5は両方とも、距離L1及びS1を有している。光源4及びセンサ5は、支持平面Eまたは通常水平面に関して、約25°の角度βで位置決めされている。
【0044】
前述の距離L1、S1と前述の位置決め角度βとに起因して、線状の光ビーム4.1によって、内接表面範囲Fの外側輪郭、または、それに対応して、この表面領域範囲に内接するレンズフレームの内側輪郭、を検出することが、たとえこれらが、図5に示されたように、顕著な縁の湾曲または全体としての湾曲を有しているとしても、可能である。
【0045】
クランプ要素3.3a〜3.4bは、変位方向vに関して示されるように、移動軸yの方向に移動可能であると共に、クランプされるべきレンズフレーム2.1に対してバネ要素3.5a〜3.6bによって予備張力が付与され得る。予備張力付与手段3.5a〜3.6bは、同一に設計されており、これにより、4つのクランプ要素3.3a〜3.4bにおいて、同一の予備張力と、それ故に移動軸yの方向において回転軸rに関して等距離の配置と、が結果としてもたらされる。
【符号の説明】
【0046】
1 測定装置
1.1 評価ユニット
1.2 モニタ
2 眼鏡フレーム
2.1 レンズフレーム
2.1a 左部分
2.1b 右部分
2.2 眼鏡フレーム耳あて部
2.3 眼鏡フレーム耳あて部
3 保持装置
3.1 開放空間、凹部、その1
3.2 開放空間、凹部、その2
3.3a クランプ要素
3.3b クランプ要素
3.4a クランプ要素
3.4b クランプ要素
3.5a 予備張力付与手段、バネ要素
3.5b 予備張力付与手段、バネ要素
3.6a 予備張力付与手段、バネ要素
3.6b 予備張力付与手段、バネ要素
3.8a 支持部
3.8b 支持部
3.9 案内レール
4 光源
4.1 光ビーム
5 センサ
6 駆動手段
6.1 底板
7 湿潤剤用の供給ライン
8 仕切り手段
8.1 収集手段、排出部
9 スイッチボックス
a 距離
b 幅
E 支持平面
F 内接表面範囲
h 高さ
H4 光源の主軸
H5 センサの主軸
k 距離
L1 距離
N 表面法線
P オペレータ位置
r 回転軸
S1 距離
v 変位方向
x 移動軸
y 移動軸
z1 中心軸
z2 中心軸
α 三角測量角度
β 位置決め角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズフレームがレンズ形状に対応する内接表面範囲Fを少なくとも部分的に定めている、眼鏡フレーム(2)の当該レンズフレーム(2.1)の内側を光学的に測定するための測定装置(1)であって、
眼鏡フレーム(2)を取り付けるための保持装置(3)と、
レンズフレーム(2.1)の評価されるべき領域に投光される光ビーム(4.1)を生成するための少なくとも1つの光源(4)と、
反射された光ビーム(4.1)を検出するための、評価ユニット(1.1)に結合され得る少なくとも1つのセンサ(5)と、
を備え、
前記保持装置(3)と前記光源(4)とは、回転軸rの周りを互いに相対的に回転され得ると共に、移動軸xの方向に移動され得て、
前記移動軸xは、前記回転軸rに対して垂直な方向に少なくとも1つの移動成分を有し、
前記保持装置(3)は、眼鏡フレーム耳あて部(2.2、2.3)によって前記眼鏡フレーム(2)を固定するために使用され、
前記保持装置(3)の領域に少なくとも1つの開放空間(3.1、3.2)が設けられ、
前記開放空間は、保持されるべき眼鏡フレーム(2)の、畳み込まれていない、または、畳み込まれることができない、前記眼鏡フレーム耳あて部(2.2、2.3)を受けるために使用され、
前記開放空間(3.1、3.2)は、前記レンズフレーム(2.1)の、前記光源(4)及び/または前記センサ(5)とは対向しない側に設けられている
ことを特徴とする測定装置。
【請求項2】
レンズフレームがレンズ形状に対応する内接表面範囲Fを少なくとも部分的に定めている、眼鏡フレーム(2)の当該レンズフレーム(2.1)の内側を光学的に測定するための測定装置(1)であって、
眼鏡フレーム(2)を取り付けるための保持装置(3)と、
レンズフレーム(2.1)の評価されるべき領域に投光される光ビーム(4.1)を生成するための少なくとも1つの光源(4)と、
反射された光ビーム(4.1)を検出するための、評価ユニット(1.1)に結合され得る少なくとも1つのセンサ(5)と、
を備え、
前記保持装置(3)と前記光源(4)とは、回転軸rの周りを互いに相対的に回転され得ると共に、移動軸xの方向に移動され得て、
前記移動軸xは、前記回転軸rに対して垂直な方向に少なくとも1つの移動成分を有し、
前記保持装置(3)は、前記レンズフレーム(2.1)を固定するための少なくとも2つのクランプ要素(3.3a、3.3b、3.4a、3.4b)を有し、
前記クランプ要素は、前記移動軸xに対して直角な移動成分と前記回転軸rに対して直角な移動成分とを有する移動軸yの方向に移動可能であり、
前記クランプ要素は、前記眼鏡フレーム(2.1)に対して予備張力を付与可能である
ことを特徴とする測定装置。
【請求項3】
前記クランプ要素(3.3a、3.3b、3.4a、3.4b)は、駆動手段および/または予備張力付与手段(3.5a、3.6a)を有し、
前記レンズフレーム(2.1)が固定されている際に、各クランプ要素(3.3a、3.4a)は、前記移動軸yの方向に関して当該移動軸yの方向に同じ予備張力及び/または同じ距離kを有する
ことを特徴とする請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記保持装置(3)は、取り付けられるレンズフレーム(2.1)の左部分(2.1a)の内接表面範囲Fの中心軸z1に関して、前記回転軸rと同軸状に第一移動軸xの方向に位置合わせさせられ得ると共に、取り付けられるレンズフレーム(2.1)の右部分(2.1b)の内接表面範囲Fの中心軸z2に関しても、前記回転軸rと同軸状に第一移動軸xの方向に位置合わせさせられ得る
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の測定装置。
【請求項5】
前記クランプ要素(3.3a、3.3b、3.4a、3.4b)は、前記移動軸xに関して、1cmと10cmとの間、または、2.5cmと6.5cmとの間、または、4.5cm、という値を超えない距離aを有する
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の測定装置。
【請求項6】
前記移動軸xは、前記回転軸r上に置かれており、これにより、当該移動軸xの前記駆動手段(6)は、当該回転軸rの周りを回転され得る
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の測定装置。
【請求項7】
それによって前記レンズフレーム(2.1)の湿潤されるべき部分が当該測定装置(1)に対して仕切られ得る、仕切り手段(8)が設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の測定装置。
【請求項8】
それによって前記保持装置(3)の範囲から集まる凝縮物が排出及び/または貯蔵され得る、液体用の収集手段(8.1)が設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の測定装置。
【請求項9】
前記光源(4)は、前記内接表面範囲Fに対する表面法線Nの方向に関して、前記内接表面範囲Fに対してある距離L1に位置決めされ得て、前記レンズフレーム(2.1)は、前記光源(4)を用いて前記光ビーム(4.1)で直接光を当てられ得ると共に、前記センサは、前記表面法線Nの方向に関して、前記表面範囲Fに対してある距離S1に配置されて、前記レンズフレーム(2.1)によって反射された光は、前記センサ(5)に直接作用し得る
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の測定装置。
【請求項10】
前記光源(4)と前記センサ(5)とは、各々の主光軸H4、H5に関して三角測量角度αを有し、前記三角測量角度αによって広げられた平面Eが規定され、前記平面Eは、前記回転軸r(鉛直)に対して、及び、前記移動軸x(水平)に対して、角度βで位置決めされている
ことを特徴とする請求項9に記載の測定装置。
【請求項11】
前記保持装置(3)に関してオペレータ位置Pに対向して配置されたスイッチボックス(9)が設けられている
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の測定装置。
【請求項12】
レンズフレーム(2.1)を非接触測定するための方法であって、
前記レンズフレーム(2.1)は、周測定の目的のために回転軸rの周りを回転し、
前記測定の開始から、前記回転軸rの周りの回転は、無振動で、及び/または、一様な加速度で、及び/または、一定の回転速度で、進行する
ことを特徴とする測定方法。
【請求項13】
レンズフレーム(2.1)を非接触測定するための方法であって、
前記レンズフレーム(2.1)は、当該レンズフレーム(2.1)の左部分(2.1a)と右部分(2.1b)の周測定の目的のために、回転軸rの周りを、当該レンズフレーム(2.1)の各部分(2.1a、2.1b)によって内接される表面範囲Fの中心軸z1、z2に対してそれぞれ同軸状に、回転され、
a)前記レンズフレーム(2.1)は、移動軸yの方向と、当該移動軸yに対して垂直かつ前記回転軸rに中心を置かれた移動軸xの方向と、に位置決めされると共に固定され、
b)前記レンズフレーム(2.1)は、前記回転軸rを当該レンズフレーム(2.1)の左部分(2.1a)によって内接される表面範囲Fの中心軸z1と位置合わせする目的のために、移動軸yに対して垂直な移動軸xの1つの方向にのみ移動される
ことを特徴とする測定方法。
【請求項14】
続いて、前記回転軸rを前記レンズフレーム(2.1)の右部分(2.1b)によって内接される表面範囲Fの中心軸z2と位置合わせすることが、前記移動軸xの方向における移動によってのみ行われる
ことを特徴とする請求項13に記載の測定方法。

【図1】
image rotate

【図2a】
image rotate

【図2b】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図3b】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2013−521524(P2013−521524A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555420(P2012−555420)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際出願番号】PCT/EP2011/053150
【国際公開番号】WO2011/107529
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(509334594)シュナイダー、ゲゼルシャフト、ミット、ベシュレンクテル、ハフツング、ウント、コンパニー、コマンディト、ゲゼルシャフト (3)
【氏名又は名称原語表記】SCHNEIDER GMBH & CO. KG
【Fターム(参考)】