説明

研削装置

【課題】超仕上げ加工を行う被研削物の長さ及び大きさが制約されない研削装置を提供する。
【解決手段】第1ロッドが駆動ロッド、従動ロッド及び砥石ホルダと第1軸43a、第2軸43b及び第3軸54a廻りに回動可能に連結され、第2ロッドが駆動ロッド、従動ロッド及び砥石ホルダと第4軸44a、第5軸44b及び第6軸54b廻りに回動可能に連結され、駆動ロッドは揺動伝達軸23と共に揺動し、従動ロッドは従動ロッド支持軸33と共に揺動し、揺動伝達軸の軸心C11と第1軸の軸心C12との距離、及び揺動伝達軸の軸心と第4軸の軸心C13との距離が、従動ロッド支持軸の軸心C21と第2軸の軸心C22との距離、及び従動ロッド支持軸の軸心と第5軸の軸心C23との距離に等しく、揺動伝達軸の軸心と従動ロッド支持軸の軸心との距離が、第1軸と第2軸との距離に等しいレール玉転動溝を超仕上げ加工する研削装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばリニアガイドのレールに設けられた玉転動溝、および深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、スラスト玉軸受等の玉軸受の玉の軌道として設けられた溝等の超仕上げ加工を行う研削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動化機器、電子機器および半導体機器等に頻繁に使用されるリニアガイドは、玉転動溝の超仕上げ加工を行うことにより、動作精度の向上、騒音、振動の軽減および耐久性の向上が期待できる。また、玉軸受の内輪の外周面および外輪の内周面に設けられる、玉を転動させるための環状の軌道溝についても、超仕上げ加工を行うことにより、玉軸受の回転精度の向上、玉軸受からの騒音、振動の軽減および玉軸受の耐久性の向上等を図ることができる。
従来、玉軸受の外輪における内周軌道溝の超仕上げ加工を行う装置として、図14に示されるような、超仕上げ砥石82を保持する砥石保持アーム83、および砥石保持アーム83をその一端84で保持する揺動伝達アーム85を備えた研削装置81が提案されている(特許文献1、特許文献2)。
【0003】
図14に示される研削装置81は、砥石揺動用モータ86の揺動軸と超仕上げ砥石82の揺動軸とを一致させる構造が採用される。この研削装置81では、被研削物である玉軸受の内輪WBと揺動中心軸SAとの干渉を回避するために、砥石保持アーム83がクランク状(略「コ」字状)に曲げられ(図15参照)、揺動伝達アーム85が略「L」字状となっている。したがって、この研削装置81を用いて、直線となった被研削面、例えばリニアガイドのレールWにおける玉転動溝WGを超仕上げ加工しようとすると、超仕上げ砥石82と揺動伝達アーム85の他端88との距離ALによって、加工可能なレールWの長さが制約される。
【0004】
この加工可能なレールWの長さが制約されるという問題を解決するために、図15に示されるように、超仕上げ砥石92を揺動させる砥石揺動軸93に中空部94を設け、中空部94内にリニアガイドのレールWを挿通させて、これを砥石揺動軸93の軸方向に移動させながら、玉転動溝を超仕上げ加工する研削装置91が提案されている(特許文献3)。なお、図15におけるSAは、超仕上げ砥石92が揺動するときの揺動中心軸である。
【特許文献1】特開平3−121771号公報
【特許文献2】特開2005−118962号公報
【特許文献3】特開2004−338003号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献3で提案された研削装置91は、リニアガイドの加工可能なレールWの長さの制約がない点で優れたものである。しかし、リニアガイドのレールWを砥石揺動軸93の中空部94に差し入れて超仕上げ加工する方法では、砥石揺動軸93の中空部94の大きさ(径)によって超仕上げ加工される被研削物の大きさ(太さ)が制限される。研削装置に、リニアガイドのレールW以外の胴回りの大きな長尺物も超仕上げ加工可能なように汎用性を持たせるためには、砥石揺動軸93を大型化せざるを得ないという問題もある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、超仕上げ加工を行う被研削物の長さおよびその大きさ(太さ)が制約されない研削装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る研削装置は、リニアガイドのレールに設けられる玉転動溝を超仕上げ加工するための研削装置であって、第1伝達ロッド、第2伝達ロッド、駆動ロッド、従動ロッドおよび砥石ホルダにより形成された6節の平行リンク機構を含むリンク形成部を有し、前記6節の平行リンク機構は、前記第1伝達ロッドが、前記駆動ロッド、前記従動ロッドおよび前記砥石ホルダとそれぞれ順に第1の揺動軸、第2の揺動軸および第3の揺動軸廻りに回動可能に連結され、前記第2伝達ロッドが、前記駆動ロッド、前記従動ロッドおよび前記砥石ホルダとそれぞれ順に第4の揺動軸、第5の揺動軸および第6の揺動軸廻りに回動可能に連結されて形成されており、前記駆動ロッドは、駆動装置に連結され正逆回動する揺動伝達軸に伴って前記揺動伝達軸廻りに揺動可能に形成され、前記従動ロッドは、前記揺動伝達軸の軸心に平行な軸心を有する従動ロッド支持軸廻りに揺動可能に形成され、前記砥石ホルダは、超仕上げ砥石の一端を露出させて保持可能に形成されており、前記揺動伝達軸の軸心と前記第1の揺動軸の軸心との距離、および前記揺動伝達軸の軸心と前記第4の揺動軸の軸心との距離がそれぞれ、前記従動ロッド支持軸の軸心と前記第2の揺動軸の軸心との距離、および前記従動ロッド支持軸の軸心と前記第5の揺動軸の軸心との距離に等しく、かつ前記揺動伝達軸の軸心と前記従動ロッド支持軸の軸心との距離が、前記第1の揺動軸の軸心と前記第2の揺動軸の軸心との距離に等しい。
【0007】
本発明に係る他の研削装置は、第1伝達ロッド、第2伝達ロッド、駆動ロッド、従動ロッドおよび砥石ホルダにより形成された6節の平行リンク機構を含むリンク形成部を有し、前記6節の平行リンク機構は、前記第1伝達ロッドが、前記駆動ロッド、前記従動ロッドおよび前記砥石ホルダとそれぞれ順に第1の揺動軸、第2の揺動軸および第3の揺動軸廻りに回動可能に連結され、前記第2伝達ロッドが、前記駆動ロッド、前記従動ロッドおよび前記砥石ホルダとそれぞれ順に第4の揺動軸、第5の揺動軸および第6の揺動軸廻りに回動可能に連結されて形成されており、前記駆動ロッドは、駆動装置に連結され正逆回動する揺動伝達軸に伴って前記揺動伝達軸廻りに揺動可能に形成され、前記従動ロッドは、前記揺動伝達軸の軸心に平行な軸心を有する従動ロッド支持軸廻りに揺動可能に形成され、前記砥石ホルダは、超仕上げ砥石の一端を露出させて保持可能に形成されており、前記揺動伝達軸の軸心と前記第1の揺動軸の軸心との距離、および前記揺動伝達軸の軸心と前記第4の揺動軸の軸心との距離がそれぞれ、前記従動ロッド支持軸の軸心と前記第2の揺動軸の軸心との距離、および前記従動ロッド支持軸の軸心と前記第5の揺動軸の軸心との距離に等しく、かつ前記揺動伝達軸の軸心と前記従動ロッド支持軸の軸心との距離が、前記第1の揺動軸の軸心と前記第2の揺動軸の軸心との距離に等しい。
【0008】
本発明に係る他の研削装置は、第1伝達ロッド、第2伝達ロッド、駆動ロッド、従動ロッドおよび砥石ホルダにより形成された6節の平行リンク機構を含むリンク形成部を有し、前記6節の平行リンク機構は、前記第1伝達ロッドが、前記駆動ロッド、前記従動ロッドおよび前記砥石ホルダとそれぞれ順に第1の揺動軸、第2の揺動軸および第3の揺動軸廻りに回動可能に連結され、前記第2伝達ロッドが、前記駆動ロッド、前記従動ロッドおよび前記砥石ホルダとそれぞれ順に第4の揺動軸、第5の揺動軸および第6の揺動軸廻りに回動可能に連結されて形成されており、前記駆動ロッドは、前記第1の揺動軸および前記第4の揺動軸のそれぞれの軸心を含む仮想平面から離れた位置においてこれらの軸心に平行な軸心を有して正逆回動する揺動伝達軸に、前記揺動伝達軸の回動に伴って揺動可能に連結され、前記従動ロッドは、前記揺動伝達軸の軸心に平行な軸心を有する従動ロッド支持軸廻りに揺動可能に形成され、前記砥石ホルダは、超仕上げ砥石の一端を露出させて保持可能に形成されており、前記揺動伝達軸の軸心と前記第1の揺動軸の軸心との距離、および前記揺動伝達軸の軸心と前記第4の揺動軸の軸心との距離がそれぞれ、前記従動ロッド支持軸の軸心と前記第2の揺動軸の軸心との距離、および前記従動ロッド支持軸の軸心と前記第5の揺動軸の軸心との距離に等しく、かつ前記揺動伝達軸の軸心と前記従動ロッド支持軸の軸心との距離が、前記第1の揺動軸の軸心と前記第2の揺動軸の軸心との距離に等しい。
【0009】
本発明に係る他の研削装置は、第1伝達ロッド、第2伝達ロッド、駆動ロッド、従動ロッドおよび砥石ホルダにより形成された6節の平行リンク機構を含むリンク形成部を有し、前記第1伝達ロッドおよび前記第2伝達ロッドのいずれも、互いに並んで延びた3つの腕部を有し、前記6節の平行リンク機構は、前記第1伝達ロッドが、その3つの腕部の端においてそれぞれ前記駆動ロッド、前記従動ロッドおよび前記砥石ホルダと、前記の順に第1の揺動軸、第2の揺動軸および第3の揺動軸廻りに回動可能に連結され、前記第2伝達ロッドが、その3つの腕部の端においてそれぞれ前記駆動ロッド、前記従動ロッドおよび前記砥石ホルダと、前記の順に第4の揺動軸、第5の揺動軸および第6の揺動軸廻りに回動可能に連結されて形成され、前記駆動ロッドは、駆動装置に連結され正逆回動する揺動伝達軸に伴って前記揺動伝達軸廻りに揺動可能に形成され、前記従動ロッドは、前記揺動伝達軸の軸心に平行な軸心を有する従動ロッド支持軸廻りに揺動可能に形成され、前記砥石ホルダは、超仕上げ砥石の一端を露出させて保持可能に形成されており、前記揺動伝達軸の軸心と前記第1の揺動軸の軸心との距離、および前記揺動伝達軸の軸心と前記第4の揺動軸の軸心との距離がそれぞれ、前記従動ロッド支持軸の軸心と前記第2の揺動軸の軸心との距離、および前記従動ロッド支持軸の軸心と前記第5の揺動軸の軸心との距離に等しく、かつ前記揺動伝達軸の軸心と前記従動ロッド支持軸の軸心との距離が、前記第1の揺動軸の軸心と前記第2の揺動軸の軸心との距離に等しい。
【0010】
前記砥石ホルダは、前記第3の揺動軸の軸心からの距離が、前記揺動伝達軸の軸心と前記第1の揺動軸の軸心との距離に等しく、かつ前記第6の揺動軸の軸心からの距離が、前記揺動伝達軸の軸心と前記第4の揺動軸の軸心との距離に等しい位置に、前記超仕上げ砥石の一端を露出させて保持可能に形成されている。
上記における「6節の平行リンク機構」とは、第1の揺動軸の軸心と第4の揺動軸の軸心とを含む仮想平面、第2の揺動軸の軸心と第5の揺動軸の軸心とを含む仮想平面、および第3の揺動軸の軸心と第6の揺動軸の軸心とを含む仮想平面が相互に平行であり、第1の揺動軸の軸心と第4の揺動軸の軸心との距離、第2の揺動軸の軸心と第5の揺動軸の軸心との距離、および第3の揺動軸の軸心と第6の揺動軸の軸心との距離が等しいことを要件とするすべての6節のリンク機構をいい、第1伝達ロッド、第2伝達ロッド、駆動ロッド、従動ロッドおよび砥石ホルダの軸心が直線であるか否かを問わない。なお、「6節の平行リンク機構を含むリンク形成部」とは、前記要件を満たす6節のリンク機構を含む8節以上のリンク機構を有するリンク形成部も本発明のリンク形成部に含まれる意である。
【0011】
また、上記において例えば「前記第1伝達ロッドが、前記駆動ロッド、前記従動ロッドおよび前記砥石ホルダとそれぞれ順に第1の揺動軸、第2の揺動軸および第3の揺動軸廻りに回動可能に連結され」とした「それぞれ順に」は、記載順に、第1伝達ロッドと駆動ロッドとが第1の揺動軸により、第1伝達ロッドと従動ロッドとが第2の揺動軸により、および第1伝達ロッドと砥石ホルダとが第3の揺動軸により、それぞれ揺動可能に連結されている意である。他の「(それぞれ)順に」についても同様である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、超仕上げ加工を行う被研削物の長さおよびその大きさ(太さ)が制約されない研削装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は研削装置1の正面図、図2は研削装置1の平面図、図3は図2におけるA−A矢視断面図、図4は制御装置4の概略図である。
図1における上および下をそれぞれ「上」および「下」といい、上と下とを結ぶ方向を「上下(方向)」または「垂直(方向)」という。また、図1における横方向および図2の平面図に示される方向を「水平(方向)」というものとする。
図1ないし図3において、研削装置1は、支持台2,本体装置3および制御装置4等からなる。
【0014】
支持台2は、駆動装置支持部11およびリンク支持部12からなる。
駆動装置支持部11は、駆動装置支持壁13、背面壁14およびこれらを連結する板材15,15等からなる。駆動装置支持壁13は、支持台2が固定される架台等から直立する、全体に矩形であって下側の一方の角に切り欠き部分16を有する板状部材である。背面壁14は、駆動装置支持壁13と略同一の形状を有する板状部材で、駆動装置支持壁13と間隔を有して平行にかつ対向して架台等に固定されている。板材15,15は、駆動装置支持壁13および背面壁14のそれぞれの両端を連結固定する。駆動装置支持部11は、駆動装置支持壁13、背面壁14および板材15,15により、平面視(図2)において矩形の空間17を内側に形成している。
【0015】
リンク支持部12は、駆動装置支持部11に、その切り欠き部分16の上方外側において固定されている。リンク支持部12は、平面視において水平方向の一方が開放された略「コ(C)」字状の形状を有する。この開放された一方とは、駆動装置支持壁13についての水平方向中央側である。図2に示されるように、リンク支持部12は、その一部が駆動装置支持部11と共通する。
本体装置3は、駆動装置5およびリンク形成部6等で構成される。
駆動装置5は、サーボモータ21、駆動プーリ22、揺動伝達軸23、従動プーリ24およびタイミングベルト25等からなる。
【0016】
サーボモータ21は、駆動装置支持壁13の水平方向における切り欠き部分16とは反対の側に配されている。サーボモータ21は、その駆動軸26が駆動装置支持壁13を貫通して駆動装置支持部11の空間17に水平に突出するように、駆動装置支持壁13に取り付けられている。
駆動プーリ22は、空間17において、サーボモータ21の駆動軸26に固定されている。
揺動伝達軸23は、駆動装置支持壁13およびリンク支持部12を貫通して、駆動装置支持壁13およびリンク支持部12に回動可能に支持されている。揺動伝達軸23は、リンク支持部12における略「コ(C)」字状の空間部分27を通過する。揺動伝達軸23は、駆動装置支持部11の空間17に水平に突出しており、その突出部分には従動プーリ24が固定されている。
【0017】
従動プーリ24は、駆動プーリ22と同一の径を有し、タイミングベルト25により駆動プーリ22と連結されている。従動プーリ24の径と駆動プーリ22の径とを異ならせることができ、例えば従動プーリ24の径を駆動プーリ22の径より大きくし、従動プーリ24の揺動の精度を高めてもよい。
リンク形成部6は、駆動ロッド31、従動ロッド32、従動ロッド支持軸33、第1伝達ロッド34、第2伝達ロッド35および砥石ホルダ36等からなる。
駆動ロッド31は、断面矩形の棒状体で形成され、その長手方向の一方の端部が、リンク支持部12の空間部分27において、リンク支持部12を貫通する揺動伝達軸23に直交させて固定されている。駆動ロッド31は、これに連結される第1伝達ロッド34の動作が制限されることのないように、空間部分27における駆動装置支持壁13から離れた位置に配置される。また、空間部分27における揺動伝達軸23の外周には、駆動ロッド31と一体化された揺動伝達軸23のその軸方向への移動を制限するためのスペーサ37a,37bが設けられている。駆動ロッド31は、長手方向中央および他方の端近傍に、水平方向に貫通する孔(「軸孔」という)38a,38bを有する。
【0018】
揺動伝達軸23の軸心および長手方向中央の軸孔38aの軸心の距離と、長手方向中央の軸孔38aの軸心および他方の端近傍の軸孔38bの軸心の距離とは、略等しい。
従動ロッド32は、駆動ロッド31と略同一の形状を有する。従動ロッド32は、その長手方向の一方の端近傍で、次に説明する従動ロッド支持軸33によって、リンク支持部12に対して回動可能に支持台2(リンク支持部12)に支持されている。従動ロッド32は、駆動ロッド31と同様に、長手方向中央および他方の端近傍に、水平方向に貫通する孔(「軸孔」という)39a,39bを有する。また、従動ロッド支持軸33の軸心および長手方向中央の軸孔39aの軸心の距離と、長手方向中央の軸孔39aの軸心および他方の端近傍の軸孔39bの軸心の距離とは、略等しい。
【0019】
駆動ロッド31および従動ロッド32における各軸孔38a〜39bの位置は、それぞれの揺動伝達軸23または従動ロッド支持軸33に対する配置が同一であれば、それぞれの距離を異ならせてもよい。この「配置が同一」とは、例えば駆動ロッド31と従動ロッド32とを、揺動伝達軸23および従動ロッド支持軸33の各軸心が一致するように重ね合わせたときに、駆動ロッド31の軸孔38a,38bの各軸心と従動ロッド32の軸孔39a,39bの各軸心とがそれぞれ一致することをいう。
従動ロッド支持軸33は、揺動伝達軸23の下方に、揺動伝達軸23から間隔を有してこれと平行に配され、リンク支持部12に回動可能に支持されている。従動ロッド支持軸33は、研削装置1を上方から見たときに従動ロッド32が駆動ロッド31に重なるように従動ロッド32と一体化されている。なお、従動ロッド支持軸33は、揺動伝達軸23と同様に、その外周に軸方向への移動を制限するためのスペーサが設けられている。従動ロッド支持軸33をリンク支持部12に固着し、従動ロッド32が従動ロッド支持軸33廻りに回動可能に構成してもよい。
【0020】
第1伝達ロッド34は、断面矩形の棒状体で形成される。第1伝達ロッド34は、長手方向における一方の端近傍、中央より若干一方の端寄り位置、および他方の端近傍に、それぞれ貫通する孔41a,41b,41cを有する。
第1伝達ロッド34は、駆動ロッド31および従動ロッド32に対して駆動装置支持部11側で(図2参照)、孔41aが駆動ロッド31の軸孔38aと、孔41bが従動ロッド32の軸孔39aと、それぞれ揺動軸43a,43bにより、互いに回動自在に連結されている。
【0021】
第2伝達ロッド35は、第1伝達ロッド34と同一の構造を有する。第2伝達ロッド35は、第1伝達ロッド34における孔41a,41b,41cに対応する孔42a,42b,42cを有する。
第2伝達ロッド35は、駆動ロッド31および従動ロッド32に対して駆動装置支持部11側で、孔42aが駆動ロッド31の軸孔38bと、孔42bが従動ロッド32の軸孔39bと、それぞれ揺動軸44a,44bにより、互いに回動自在に連結されている。
研削装置1においては、第1伝達ロッド34および第2伝達ロッド35は、いずれもその長手方向が垂直となって、互いに平行に駆動ロッド31および従動ロッド32に連結されている。
【0022】
砥石ホルダ36は、ロッド部51およびシリンダ装置52からなる。
ロッド部51は、断面矩形の棒状体で形成され、その長さは駆動ロッド31の略3分の2である。ロッド部51は、その長手方向両端近傍にそれぞれ貫通する孔(「軸孔」という)53a,53bを有する。軸孔53a,53b間の距離は、駆動ロッド31の軸孔38a,38b間の距離と等しい。砥石ホルダ36は、第1伝達ロッド34および第2伝達ロッド35に対して駆動装置支持部11の反対側で、つまり平面視において駆動ロッド31および従動ロッド32と重なるようにして、軸孔53aが第1伝達ロッド34の孔41cと、軸孔53bが第2伝達ロッド35の孔42cと、それぞれ揺動軸54a,54bにより、互いに回動自在に連結されている。
【0023】
シリンダ装置52は、そのロッドを超仕上げ砥石55とする空気圧駆動の単動型エアシリンダである。シリンダ装置52は、その軸心をロッド部51の長手方向に一致させて、ロッド部51に固着されている。シリンダ装置52における超仕上げ砥石55の先端面である研削面56は、軸孔53aに対して軸孔53bの逆側であって、揺動伝達軸23の軸心および従動ロッド支持軸33の軸心を含む仮想平面よりもさらに先に位置している。超仕上げ砥石55の研削面56は、揺動伝達軸23に平行な母線を有する曲面となっている。
【0024】
シリンダ装置52のシリンダ室は、作動流体である空気の圧力を制御する圧力制御装置に連通されている。
以上のように構成された研削装置1では、駆動ロッド31、従動ロッド32、第1伝達ロッド34、第2伝達ロッド35および砥石ホルダ36が、揺動軸43a,43b,44a,44b,54a,54bにより連結された正逆回動可能な連結点を6つ有する6節の平行リンク機構を形成している。
制御装置4は、コントローラ61およびサーボアンプ62等からなる。
【0025】
コントローラ61は、種々の演算処理を行うCPU、超仕上げ加工条件の記憶およびサーボアンプ62を制御するためのプログラム等を記憶するRAM、大容量磁気ディスク等の記憶装置、超仕上げ加工条件等を入力しかつ超仕上げ加工の状況を表示させる入出力装置(タッチパネル)および異常を知らせる警報装置等からなる。
コントローラ61は、予め入力された超仕上げ砥石55の揺動運動の基準傾斜角度(揺動幅の中央の角度)α、揺動角度β、揺動数および加工時間等に従って、サーボアンプ62に対しサーボモータ21の制御を指示する。また、コントローラ61は、サーボモータ21だけではなく、圧力制御装置に対して超仕上げ砥石55がレールW等の被研削面を押圧する圧力を指示する。
【0026】
次に超仕上げ加工時の研削装置1の動作を説明する。
図5は研削装置1により4溝タイプの玉転動溝WGを有するレールの超仕上げ加工を行う様子を示す図である。なお、図5に示されるのは、レールWの角に設けられたサーキュラーアーク溝である玉転動溝WGに対して研削を行う場合である。
研削装置1の制御装置4には、予め研削対象の玉転動溝WGの種類、大きさおよび研削対象部分等に応じて、砥石ホルダ36(超仕上げ砥石55)の基準傾斜角度αおよび揺動角度±β等の研削条件が格納される。制御装置4は、作業者が指定した玉転動溝WGの種類等(例えば特定の大きさのレールWにおける角に設けられたサーキュラーアーク溝のコード番号を指定、または都度入力される基準傾斜角度α等の個別条件)に従ってコントローラ61がサーボモータ21を回動させ、砥石ホルダ36を揺動の中央角度(基準傾斜角度α)まで傾斜させる。この動作は、サーボアンプ62が基準傾斜角度αまでの回動指令をコントローラ61から受け、サーボモータ21からのエンコーダ出力を受けてサーボモータ21の回動を制御することにより行われる。図5には、基準傾斜角度αが45度の場合が示される。
【0027】
リニアガイドのレールWは、その長手方向が揺動伝達軸23と平行になるように切り欠き部分16の下方に配置され、超仕上げ砥石55の研削面56がその玉転動溝WGに押し当てられる。このときの押圧力は、圧力制御装置がシリンダ装置52への供給空気圧を制御することにより一定の値に調節される。
続いて、コントローラ61の指示によって、レールWは設定された速度でその長手方向に往復移動され、サーボモータ21は、設定された揺動角度±βおよび揺動数で正逆回動の繰り返しを開始する。タイミングベルト25によって駆動プーリ22に連結された従動プーリ24は、正逆回動動作することにより、揺動伝達軸23に固定された駆動ロッド31を揺動伝達軸23廻りに揺動させる。駆動プーリ22および従動プーリ24の径は同一であり、サーボモータ21の揺動角度がそのまま従動プーリ24の揺動角度、つまり砥石ホルダ36の揺動角度±βとなる。
【0028】
駆動ロッド31が揺動すると、揺動軸43a,44aによって駆動ロッド31に連結された第1伝達ロッド34および第2伝達ロッド35は、その長手方向を垂直に保ったまま、揺動伝達軸23からの距離に応じて上下動する。
このとき、駆動ロッド31、従動ロッド32、第1伝達ロッド34、第2伝達ロッド35および砥石ホルダ36は、揺動軸43a,43b,44a,44b,54a,54bにより連結された6節の平行リンク機構を形成しているので、砥石ホルダ36は、駆動ロッド31および従動ロッド32と全く同じ動きをする。その結果、シリンダ装置52に取り付けられた超仕上げ砥石55は、揺動伝達軸23の軸心および従動ロッド支持軸33の軸心を含む仮想平面上のこれらの軸心に平行な揺動中心軸SA廻りに揺動し、超仕上げ砥石55における曲面(湾曲面)で形成された研削面56は、レールWの玉転動溝WGを超仕上げ加工する。
【0029】
研削装置1は、駆動ロッド31に固定された揺動伝達軸23の軸心、駆動ロッド31と第1伝達ロッド34との揺動中心、および駆動ロッド31と第2伝達ロッド35との揺動中心のそれぞれの位置関係が、従動ロッド支持軸33に固定または連結された部分における従動ロッド32の揺動中心、従動ロッド32と第1伝達ロッド34との揺動中心、および従動ロッド32と第2伝達ロッド35との揺動中心のそれぞれの位置関係に等しく構成されている。
また、研削装置1は、砥石ホルダ36における2つの軸孔53a,53b(の軸心)を含む仮想平面が、駆動ロッド31と第1伝達ロッド34との揺動中心および駆動ロッド31と第2伝達ロッド35との揺動中心を含む仮想平面に平行であって、かつ2つの軸孔53a,53bの軸心間の距離が、駆動ロッド31と第1伝達ロッド34との揺動中心および駆動ロッド31と第2伝達ロッド35との揺動中心の距離に等しくされている。
【0030】
なお、砥石ホルダ36における2つの軸孔53a,53bを含む仮想平面は、従動ロッド32と第1伝達ロッド34との揺動中心および従動ロッド32と第2伝達ロッド35との揺動中心を含む仮想平面にも平行であり、2つの軸孔53a,53bの軸心間の距離は、従動ロッド32と第1伝達ロッド34との揺動中心および従動ロッド32と第2伝達ロッド35との揺動中心の距離に等しい。
研削装置1は、揺動伝達軸23の軸心から従動ロッド支持軸33の軸心までの距離が、駆動ロッド31と第1伝達ロッド34との揺動中心から従動ロッド32と第1伝達ロッド34との揺動中心までの距離に等しい。
【0031】
ここで、例えば、「駆動ロッド31に固定された揺動伝達軸23の軸心、駆動ロッド31と第1伝達ロッド34との揺動中心、および駆動ロッド31と第2伝達ロッド35との揺動中心のそれぞれの位置関係」とは、(1)揺動伝達軸23の軸心から駆動ロッド31と第1伝達ロッド34との揺動中心までの距離、(2)揺動伝達軸23の軸心から駆動ロッド31と第2伝達ロッド35との揺動中心までの距離、および(3)駆動ロッド31と第1伝達ロッド34との揺動中心から駆動ロッド31と第2伝達ロッド35との揺動中心までの距離、の3つの値によって一義的に決定される揺動伝達軸23の軸心、駆動ロッド31と第1伝達ロッド34との揺動中心、および駆動ロッド31と第2伝達ロッド35との揺動中心のそれぞれの位置の相互関係をいう。
【0032】
研削装置1は、上記のように構成されていることにより、サーボモータ21の駆動軸26の延長線上とは異なる揺動中心軸SA廻りに、超仕上げ砥石55を揺動させることを可能としている。そのため、研削装置1は、リニアガイドのレールWの長手方向に超仕上げ砥石55を揺動させる機構、例えばサーボモータ21、サーボモータ21の正逆回転を超仕上げ砥石55に伝える伝達機構(図14における揺動伝達アーム85、図15における砥石揺動軸93等)を配する必要がなく、超仕上げ加工することができるリニアガイドのレールWの長さおよび太さが制限されない。
【0033】
また、研削装置1は、サーボモータ21により駆動されるので、基準傾斜角度αを任意に設定することができ、かつ揺動角度βを任意に設定することができる。特許文献3において提案された研削装置(超仕上げ盤)では、偏心位置に固定されたクランクピンに支持された連結棒により超仕上げ砥石を揺動させる方式が採用されている。この方式では、揺動角度を変更するにはクランクピンの偏心の程度を機械的に変更する必要があり、この従来技術に比べて、研削装置1は、極めて容易に(プログラム的に)揺動角度βを変更することができる。
【0034】
研削装置1は、支持台2における超仕上げ砥石55の近傍に切り欠き部分16が設けられていることによって、超仕上げ砥石55に極めて太い長尺物の被研削面を当接させることができ、広範な研削対象物を超仕上げ加工することができる。
研削装置1は、リニアガイドのレールWにおける玉転動溝WGの超仕上げ加工に限られず、他の長尺物の表面の超仕上げ加工を行うことができる。また、研削装置1は、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、スラスト玉軸受等の玉軸受の玉の軌道として設けられた溝等の超仕上げ加工も、当然に行うことができる。
【0035】
さらに、研削装置1は、研削面56が凹状の曲面である超仕上げ砥石を用いることにより、被研削面が、レールWの玉転動溝WGのような凹状曲面でなく凸状の曲面を有する長尺物および湾曲表面を有する被研削物を超仕上げ加工することができる。
図6は研削装置1により玉転動溝WGを側面に有する2溝タイプのレールWの超仕上げ加工を行う様子を示す図である。図6に示される玉転動溝WGは、ゴシックアーク溝である
研削装置1に、特定の大きさの2溝タイプのレールWにおけるゴシックアーク溝(WG)の上半分WGaを研削するための情報が入力される。この情報は、レールWの研削対象部分ごとの研削条件に予め割り当てられたコード番号、または具体的な基準傾斜角度α、揺動角度β、揺動数および加工時間等である。コントローラ61は、この情報に基づいてサーボモータ21を回動させ、砥石ホルダ36を揺動の中央角度(基準傾斜角度α)まで傾斜させる。図6には、基準傾斜角度αが−40度の場合が示される。
【0036】
リニアガイドのレールWは、その長手方向が揺動伝達軸23と平行になるように、かつ超仕上げ加工されるそのゴシックアーク溝の上半分WGaが超仕上げ砥石55の研削面56に対向するように配置される。
シリンダ装置52により超仕上げ砥石55の研削面56がゴシックアーク溝の上半分WGaに押し当てられる。
続いて、コントローラ61の指示によって、レールWは設定された速度でその長手方向に往復移動され、サーボモータ21の正逆回転の繰り返しがリンク形成部6の砥石ホルダ36に伝えられてこれを揺動させ、超仕上げ砥石55がレールWの玉転動溝WGの上半分WGaを超仕上げ加工する。
【0037】
レールWの玉転動溝WGにおける下半分WGbの超仕上げ加工は、例えば砥石ホルダ36の基準傾斜角度αを40度とし、他の条件を、玉転動溝WGの上半分WGaにおける場合と同じにして行われる(図6左側の砥石ホルダ36(L)を参照)。
研削装置1は、研削対象のレールWに対して直交する方向に主な動作機構が配されることから、1本のレールWに対して同時に複数の研削装置1を対向させてまたは並列に配置することが可能である。
図7は1本のレールWの2つの転動溝WGを同時に2つの研削装置1A,1Aで加工する様子を示す図である。
【0038】
研削装置1Aは、対向させて2基を配置可能とするために超仕上げ砥石55の研削面56側に支持台2Aの張り出しを少なくしている。また、研削装置1Aでは、超仕上げ砥石55をレールWに向けて突き出せるように、揺動伝達軸23と従動ロッド支持軸33が揺動伝達軸23よりも外方(研削対象物側)に配置されている。
研削装置1Aは、このような対応を行うことにより、1本のレールWを挟んで対向位置に複数台配置して同時に複数の転動溝WGを超仕上げ加工する用途に適しており、超仕上げ加工時間の短縮化、レールW交換の無駄時間の削減を図ることができる。
【0039】
図8は他の形態のリンク形成部6Bを有する研削装置1Bの正面概略図である。
図8に示される研削装置1Bにおいて、リンク形成部6Bは、駆動ロッド31B、従動ロッド32B、従動ロッド支持軸33B、第1伝達ロッド34B、第2伝達ロッド35Bおよび砥石ホルダ36B等からなる。
駆動ロッド31Bは、断面矩形の棒状体で形成され、一方の端部が揺動伝達軸23に直交させて固定されている。駆動ロッド31Bがその長手方向略中央および他方の端部に、第1伝達ロッド34Bおよび第2伝達ロッド35Bと回動可能に連結するための軸孔を有することを含め、駆動ロッド31Bにおける基本的な構造は、リンク形成部6における駆動ロッド31と略同じである。ここで、駆動ロッド31と一体化された揺動伝達軸23は、支持台2Bに回動可能に支持され、その一端部に従動プーリ24が固定されて、サーボモータ21の正逆回転に伴って揺動可能となっている。
【0040】
従動ロッド32Bは、駆動ロッド31Bと略同一の形状を有する。従動ロッド32Bは、その長手方向の一方の端近傍が、回動可能に支持台2Bに支持された従動ロッド支持軸33Bに直交させて固定されている。従動ロッド32Bにおける基本的な構成は、リンク形成部6における従動ロッド32と略同じである。
従動ロッド支持軸33Bは、その基本的な構成がリンク形成部6における従動ロッド支持軸33と同じである。従動ロッド支持軸33Bは、揺動伝達軸23との間に、駆動ロッド31Bにおける揺動伝達軸23に固定された側の端部に妨げられることなく従動ロッド32Bを従動ロッド支持軸33B廻りに回動させることができる程度の十分な間隔がもうけられて配置されている。
【0041】
第1伝達ロッド34Bは、等間隔かつ互いに平行な第1腕部45Ba、第2腕部45Bbおよび第3腕部45Bc、ならびにこれらの一方の端でこれらを一体化する本体部46Bで形成される。第1伝達ロッド34Bは、第1腕部45Baの他方の端が駆動ロッド31Bにおける略中央に、および中央の第2腕部45Bbの他方の端が従動ロッド32Bにおける略中央に、それぞれ回動可能に連結されている。
第2伝達ロッド35Bは、第1伝達ロッド34Bと同一の形状を有する。すなわち、第2伝達ロッド35Bは、等間隔かつ互いに平行な第1腕部47Ba、第2腕部47Bbおよび第3腕部47Bc、ならびにこれらの一方の端でこれらを一体化する本体部48Bで形成されている。第2伝達ロッド35Bは、第2腕部47Baの他方の端が駆動ロッド31Bにおける揺動伝達軸23とは反対側の端部に、および中央の第2腕部47Bbの他方の端が従動ロッド32Bにおける従動ロッド支持軸33とは反対側の端部に、それぞれ回動可能に連結されている。
【0042】
砥石ホルダ36Bは、先に説明した研削装置1における砥石ホルダ36と同じものである。砥石ホルダ36Bは、ロッド部51における超仕上げ砥石55側の軸孔53aが第1伝達ロッド34Bにおける第3腕部45Bcの他方の端に、および他の1つの軸孔53bが第2伝達ロッド35Bにおける第3腕部47Bcの他方の端に、それぞれ回動可能に連結されている。
リンク形成部6Bは、駆動ロッド31B、従動ロッド32B、従動ロッド支持軸33B、第1伝達ロッド34B、第2伝達ロッド35Bおよび砥石ホルダ36Bが上記のように連結されることにより、変則的な6節の平行リンク機構を形成している。
【0043】
リンク形成部6Bは、第1伝達ロッド34Bの第1腕部45Baと駆動ロッド31Bとの回動中心C12、第2腕部45Bbと従動ロッド32Bとの回動中心C22、および第3腕部45Bcと砥石ホルダ36Bとの回動中心C31が、同一の仮想平面上に互いに平行に存在するように、かつ第2伝達ロッド35Bの第1腕部475Baと駆動ロッド31Bとの回動中心C13、第2腕部47Bbと従動ロッド32Bとの回動中心C23、および第3腕部475Bcと砥石ホルダ36Bとの回動中心C32が、同一の仮想平面上に互いに平行に存在するように、形成されている。
【0044】
リンク形成部6Bは、サーボモータ21の正逆回転に伴って、図8(a)を中間位置として図8(b)から図8(c)の範囲で揺動可能である。リンク形成部6Bが揺動動作するときの超仕上げ砥石55の揺動中心軸SAは、揺動伝達軸23および従動ロッド支持軸33Bのそれぞれの軸心C11,C21を含む仮想平面上に存在する。つまり、超仕上げ砥石55の揺動中心軸SAは、リンク形成部6Bの揺動動作中常に同じ位置にあって変化しない。また、揺動中心軸SAは、砥石ホルダ36Bと第1伝達ロッド34Bとの回動中心C31から、第1伝達ロッド34Bと駆動ロッド31Bとの回動中心C12と揺動伝達軸23の軸心C11との距離と同じ距離離れた位置に形成される。
【0045】
リンク形成部6Bは、駆動ロッド31Bに固定された揺動伝達軸23の軸心C11、駆動ロッド31Bと第1伝達ロッド34Bとの揺動中心C12、および駆動ロッド31Bと第2伝達ロッド35Bとの揺動中心C13のそれぞれの位置関係が、従動ロッド支持軸33Bに固定または連結された従動ロッド32Bの揺動中心C21、従動ロッド32Bと第1伝達ロッド34Bとの揺動中心C22、および従動ロッド32Bと第2伝達ロッド35Bとの揺動中心C23のそれぞれの位置関係に等しく構成されている。
また、リンク形成部6Bは、砥石ホルダ36Bにおける2つの揺動中心C31,C32を含む仮想平面が、駆動ロッド31Bと第1伝達ロッド34Bとの揺動中心C12および駆動ロッド31Bと第2伝達ロッド35Bとの揺動中心C13を含む仮想平面、ならびに従動ロッド32Bと第1伝達ロッド34Bとの揺動中心C22および従動ロッド32Bと第2伝達ロッド35Bとの揺動中心C23を含む仮想平面に平行であって(リンク形成部6Bでは、基準傾斜角度α=0度のとき同一平面である)、かつ2つの揺動中心C31,C32間の距離が、駆動ロッド31Bと第1伝達ロッド34Bとの揺動中心C12および駆動ロッド31Bと第2伝達ロッド35Bとの揺動中心C13の距離に等しくなっている。
【0046】
研削装置1Bにおいても、揺動伝達軸23の軸心C11から従動ロッド支持軸33Bの軸心C21までの距離が、駆動ロッド31Bと第1伝達ロッド34Bとの揺動中心C12から従動ロッド32Bと第1伝達ロッド34Bとの揺動中心までC22の距離に等しい。
研削装置1Bは、リンク形成部6Bが上記のように形成されていることにより、サーボモータ21の正逆回転(R1,R2)の繰り返しに伴い、その駆動軸26の延長線上とは異なる揺動中心軸SA廻りに超仕上げ砥石55を揺動させることができる。
なお、研削装置1Bにおいて、研削装置1におけるものと同一の構成を有する部分については、図8において研削装置1におけるものと同一の符合を付し、その説明を省略する。
【0047】
図9は他の形態のリンク形成部6Cを有する研削装置1Cの正面概略図である。
研削装置1Cにおいて、リンク形成部6Cは、駆動ロッド31C、従動ロッド32C、従動ロッド支持軸33C、第1伝達ロッド34C、第2伝達ロッド35Cおよび砥石ホルダ36C等からなる。
駆動ロッド31Cは、いずれも断面形状が矩形の、真っ直ぐに伸びた棒状体部65Cおよび棒状体部65Cの中央から一方向に突出して延びた腕部66Cからなる。つまり、駆動ロッド31Cは、その外観が「T」字状である。駆動ロッド31Cは、腕部66Cが、棒状体部65Cの長手方向中央から棒状体部65Cに直交して延びており、腕部66Cに対して棒状体部65Cの長手方向両側の重量が同一となるように、したがって動作時の慣性質量が棒状体部65Cの長手方向両側で同一となるように形成されている。駆動ロッド31Cは、腕部66Cの先端近傍が揺動伝達軸23に直交させて固定されている。
【0048】
駆動ロッド31Cと一体化された揺動伝達軸23は、支持台2Cに回動可能に支持され、その一端部に従動プーリ24が固定されて、サーボモータ21の正逆回転に伴って揺動可能となっている。
従動ロッド32Cは、駆動ロッド31Cにおける棒状体部65Cおよび腕部66Cとそれぞれ略同じ形状の棒状体部67Cおよび腕部68Cからなり、全体として駆動ロッド31Cと同一の形状である。従動ロッド32Cは、腕部68Cの先端近傍が従動ロッド支持軸33Cに直交させて固定されている。
【0049】
従動ロッド32Cは、リンク形成部6Cにおいて駆動ロッド31Cを平行移動させたように配置され、腕部68Cを固定的に連結する従動ロッド支持軸33Cは、揺動伝達軸23と平行となっている。なお、研削装置1Cにおいて、従動ロッド支持軸33Cに対して揺動伝達軸23の方がサーボモータ21に近い位置、つまり従動ロッド32Cに比べて駆動ロッド31Cの方がサーボモータ21に近い位置に配置されている。
第1伝達ロッド34Cは、断面矩形の棒状体で形成される。第1伝達ロッド34Cは、長手方向の一方の端近傍と駆動ロッド31Cにおける棒状体部65Cの一方の端近傍とが回動可能に連結されている。また、第1伝達ロッド34Cは、長手方向の略中央の孔が、従動ロッド32Cにおける棒状体部67Cの一方の端近傍に回動可能に連結されている。
【0050】
第2伝達ロッド35Cは、第1伝達ロッド34Cと同一の形状を有する。第2伝達ロッド35Cにおける長手方向の一方の端近傍は、駆動ロッド31Cにおける棒状体部65Cの他方の端近傍と回動可能に連結されている。第2伝達ロッド35Cにおける長手方向の略中央の孔は、従動ロッド32Cにおける棒状体部67Cの他方の端近傍に回動可能に連結されている。
砥石ホルダ36Cは、ロッド部51Cおよびシリンダ装置52からなる。
ロッド部51Cは、駆動ロッド31Cにおける棒状体部65Cと略同じ長さを有する断面矩形の棒状体で形成されている。
【0051】
シリンダ装置52は、研削装置1におけるシリンダ装置52と同一のものである。シリンダ装置52は、ロッド部51Cの略中央に、その軸心がロッド部51Cに直交するようにしてロッド部51Cに固定されている。
砥石ホルダ36Cは、ロッド部51Cにおける長手方向の一方の端近傍が、第1伝達ロッド34Cの長手方向における駆動ロッド31Cに連結された端とは反対側の端近傍に、回動可能に連結されている。同様に、ロッド部51Cにおける他方の端近傍は、第2伝達ロッド35Cの長手方向における駆動ロッド31Cに連結された端とは反対側の端近傍に、回動可能に連結されている。ロッド部51Cの第1伝達ロッド34Cに対する回動中心C31と、ロッド部51Cの第2伝達ロッド35Cに対する回動中心C32との距離は、駆動ロッド31Cの第1伝達ロッド34Cに対する回動中心C12と、駆動ロッド31Cの第2伝達ロッド35Cに対する回動中心C13との距離に等しい。
【0052】
リンク形成部6Cは、駆動ロッド31C、従動ロッド32C、従動ロッド支持軸33C、第1伝達ロッド34C、第2伝達ロッド35Cおよび砥石ホルダ36Cが上記のように連結されることにより、変則的な6節の平行リンク機構を形成している。
図10は研削装置1Bの使用形態の1つを示す図である。
研削装置1Cは、超仕上げ砥石55が、ロッド部51Cの第1伝達ロッド34Cに対する回動中心C31と、ロッド部51Cの第2伝達ロッド35Cに対する回動中心C32とを結ぶ線の略中央で、この線に対して直角方向に突出している。そのため、研削装置1Cの駆動部分を含む主要な部分をレールWから離して配置することができ、図10に示されるような、1本のレールWの2つの転動溝WGc,WGdを同時に2つの研削装置1C,1Cで加工する用途にも、簡易に適用することができる。また、研削装置1Cは、上記のように構成されていることにより、従来の研削装置では超仕上げ砥石55を差し入れることができなかった研削対象物の被研削面を超仕上げ加工することができる。
【0053】
研削装置1Cのリンク形成部6Cにおいても、駆動ロッド31Cに固定された揺動伝達軸23の軸心C11、駆動ロッド31Cと第1伝達ロッド34Cとの揺動中心C12、および駆動ロッド31Cと第2伝達ロッド35Cとの揺動中心C13のそれぞれの位置関係が、従動ロッド支持軸33Cに固定または連結された従動ロッド32Cの揺動中心C21、従動ロッド32Cと第1伝達ロッド34Cとの揺動中心C22、および従動ロッド32Cと第2伝達ロッド35Cとの揺動中心C23のそれぞれの位置関係に等しく構成されている。
【0054】
リンク形成部6Cは、砥石ホルダ36Cにおける2つの揺動中心C31,C32を含む仮想平面が、駆動ロッド31Cと第1伝達ロッド34Cとの揺動中心C12および駆動ロッド31Cと第2伝達ロッド35Cとの揺動中心C13を含む仮想平面、ならびに従動ロッド32Cと第1伝達ロッド34Cとの揺動中心C22および従動ロッド32Cと第2伝達ロッド35Cとの揺動中心C23を含む仮想平面、のいずれにも平行であって、かつ2つの揺動中心C31,C32間の距離が、駆動ロッド31Cと第1伝達ロッド34Cとの揺動中心C12および駆動ロッド31Cと第2伝達ロッド35Cとの揺動中心C13の距離に等しくなっている。
【0055】
研削装置1Cにおいても、揺動伝達軸23の軸心C11から従動ロッド支持軸33Cの軸心C21までの距離が、駆動ロッド31Cと第1伝達ロッド34Cとの揺動中心C12から従動ロッド32Cと第1伝達ロッド34Cとの揺動中心までC22の距離に等しい。
研削装置1Cは、リンク形成部6Cが上記のように形成されていることにより、サーボモータ21の正逆回転(R1,R2)の繰り返しに伴い、サーボモータ21の駆動軸26の延長線上とは異なる揺動中心軸SA廻りに超仕上げ砥石55を揺動させることができる。
【0056】
研削装置1Cにおいて、研削装置1におけるものと同一の構成を有する部分については、図9において研削装置1におけるものと同一の符合を付し、その説明を省略する。
なお、上記要件を満たせば、例えば図11に示されるように、砥石ホルダ36Cにおける第1伝達ロッド34Dとの揺動中心C31が、駆動ロッド31Cと第1伝達ロッド34Dとの揺動中心C12および従動ロッド32Cと第1伝達ロッド34Dとの揺動中心C22を含む仮想平面内に存在せず、かつ第1伝達ロッド34Dおよび第2伝達ロッド35Dの形状が異なるリンク形成部6Dによっても、上記研削装置1,1B,Cと同様の動作を行う研削装置を構成することができる。
【0057】
また、上記要件を満たせば、図9に示された研削装置1Cのような、駆動ロッド31Cに固定された揺動伝達軸23の軸心C11が、駆動ロッド31Cと第1伝達ロッド34Cとの揺動中心C12、および駆動ロッド31Cと第2伝達ロッド35Cとの揺動中心C13のいずれをも含む仮想平面にない場合であっても、超仕上げ砥石55を揺動させて、例えばリニアガイドのレールWにおける玉転動溝WGの超仕上げ加工を行うことができる。
このことは、図9とは異なる形態で、軸心C11が、揺動中心C12および揺動中心C13のいずれをも含む仮想平面にない場合を示す図12における研削装置1Eの動作の様子から明らかである。
【0058】
なお、図12における研削装置1Eおいて、第1伝達ロッド34Eにおける第1腕部45Ea、第2腕部45Eb、および第3腕部45Ecが互いに平行でなくともよく、第2伝達ロッド35Eにおける第1腕部47Ea、第2腕部47Eb、および第3腕部47Ecが互いに平行でなくとも、超仕上げ砥石55を揺動中心軸SA廻りに揺動させることができる。図8を参照して前述した研削装置1Bの第1伝達ロッド34Bおよび第2伝達ロッド35Bにおける各腕部45Ba,45Bb,45Bc,47Ea,47Eb,47Ecについても、それぞれが平行でなくとも平行な場合と同様の動作をさせることが可能である。
【0059】
図13は他の形態における砥石ホルダ36Dの概要を示す図である。
砥石ホルダ36Dは、ロッド部51、シリンダ装置52Dおよび砥石保持部57Dからなる。
ロッド部51は、先に説明したロッド部51であり、研削装置1におけるロッド部51と同様にして、揺動軸54a,54bにより、第1伝達ロッド34および第2伝達ロッド35に回動可能に連結される。
シリンダ装置52Dは、空気圧駆動の片ロッド単動型エアシリンダである。
【0060】
砥石保持部57Dは、円錐台と円柱とを軸心を共通させて組み合わせた形状を有し、その軸心を、超仕上げ砥石55を収容するための砥石保持孔58Dが貫通している。砥石保持孔58Dには、円錐台となった一方の側から超仕上げ砥石55が挿入され、他方の側からシリンダ装置52Dのロッド59が挿入される。
シリンダ装置52Dおよび砥石保持部57Dは、ロッド59Dおよび砥石保持孔58Dの軸心を一致させた状態で、ロッド部51に固定されている。
研削装置1が超仕上げ加工を行うときは、砥石保持孔58D内においてロッド59Dの先端が超仕上げ砥石55における研削面56とは反対側の端面を押圧する。この押圧力は、シリンダ装置52Dに供給される空気圧が圧力制御装置により管理されることにより得られる。
【0061】
上述した実施形態において、研削装置1の配置および各構成部分の配置を種々変更することができる。例えば、研削装置1,1B〜1Dにおいて、揺動伝達軸23の位置と従動ロッド支持軸33,33B,33Cの位置とを入れ替えた構造に変更してもよい。また、駆動ロッド31,31B,31Cおよび従動ロッド32,32B,32Cを、それぞれの長手方向両端で第1伝達ロッド34,34B〜34Dおよび第2伝達ロッド35,35B〜35Dに連結し、駆動ロッド31,31B,31Cにおけるこれらとの連結点の間で揺動伝達軸23に固着し、かつ従動ロッド32,32B,32Cにおけるこれらとの連結点の間で従動ロッド支持軸33,33B,33Cと連結する構造としてもよい。
【0062】
本体装置3を、上記6節の平行リンク機構で形成されたリンク形成部6,6B,6C,6Dではなく、例えば上記リンク形成部6,6C,6Dをその中に含む8節以上の平行リンク機構で形成されたリンク形成部を有するものとしてもよい。
その他、研削装置1,1B〜1Dおよび研削装置1,1B〜1Dの各構成または全体の構造、形状、寸法、個数、材質などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、例えばリニアガイドのレールに設けられた玉転動溝、および深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、スラスト玉軸受等の玉軸受の玉の軌道として設けられた溝等の超仕上げ加工に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は研削装置の正面図である。
【図2】図2は研削装置の平面図である。
【図3】図3は図2におけるA−A矢視断面図である。
【図4】図4は制御装置の概略図である。
【図5】図5は4溝タイプの玉転動溝の超仕上げ加工を行う様子を示す図である。
【図6】図6は2溝タイプの玉転動溝の超仕上げ加工を行う様子を示す図である。
【図7】図7はレールWの2つの転動溝を同時に加工する様子を示す図である。
【図8】図8は他の形態のリンク形成部を有する研削装置の正面概略図である。
【図9】図9は他の形態のリンク形成部を有する研削装置の正面概略図である。
【図10】図10は研削装置の使用形態の1つを示す図である。
【図11】図11は他の形態における研削装置の概要を示す図である。
【図12】図12は他の形態リンク形成部を有する研削装置の正面概略図である。
【図13】図13は他の形態リンク形成部を有する研削装置の正面概略図である。
【図14】図14は従来の研削装置の正面図である。
【図15】図15は従来の研削装置が玉軸受の外輪の軌道を超仕上げ加工する様子を示す図である。
【図16】図15は従来のリニアガイドレール研削用の研削装置の正面図である。
【符号の説明】
【0065】
1,1A〜1E 研削装置
6,6B〜6D リンク形成部
12 リンク支持部
21 駆動装置(サーボモータ)
23 揺動伝達軸
31B,31C 駆動ロッド
32B,32C 従動ロッド
33B,33C 従動ロッド支持軸
34B,34E 第1伝達ロッド
35B,35E 第2伝達ロッド
36B,36C,36D 砥石ホルダ
43a 第1の揺動軸(揺動軸)
43b 第2の揺動軸(揺動軸)
44a 第4の揺動軸(揺動軸)
44b 第5の揺動軸(揺動軸)
54a 第3の揺動軸(揺動軸)
54b 第6の揺動軸(揺動軸)
55 超仕上げ砥石
C11 揺動伝達軸の軸心
C12 第1の揺動軸の軸心
C13 第4の揺動軸の軸心
C21 従動ロッド支持軸の軸心
C22 第2の揺動軸の軸心
C23 第5の揺動軸の軸心
C31 第3の揺動軸の軸心
C32 第6の揺動軸の軸心
W リニアガイドのレール
WG レールの玉転動溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リニアガイドのレールに設けられる玉転動溝を超仕上げ加工するための研削装置であって、
第1伝達ロッド、第2伝達ロッド、駆動ロッド、従動ロッドおよび砥石ホルダにより形成された6節の平行リンク機構を含むリンク形成部を有し、
前記6節の平行リンク機構は、
前記第1伝達ロッドが、前記駆動ロッド、前記従動ロッドおよび前記砥石ホルダとそれぞれ順に第1の揺動軸、第2の揺動軸および第3の揺動軸廻りに回動可能に連結され、
前記第2伝達ロッドが、前記駆動ロッド、前記従動ロッドおよび前記砥石ホルダとそれぞれ順に第4の揺動軸、第5の揺動軸および第6の揺動軸廻りに回動可能に連結されて形成されており、
前記駆動ロッドは、
駆動装置に連結され正逆回動する揺動伝達軸に伴って前記揺動伝達軸廻りに揺動可能に形成され、
前記従動ロッドは、
前記揺動伝達軸の軸心に平行な軸心を有する従動ロッド支持軸廻りに揺動可能に形成され、
前記砥石ホルダは、
超仕上げ砥石の一端を露出させて保持可能に形成されており、
前記揺動伝達軸の軸心と前記第1の揺動軸の軸心との距離、および前記揺動伝達軸の軸心と前記第4の揺動軸の軸心との距離がそれぞれ、前記従動ロッド支持軸の軸心と前記第2の揺動軸の軸心との距離、および前記従動ロッド支持軸の軸心と前記第5の揺動軸の軸心との距離に等しく、
かつ前記揺動伝達軸の軸心と前記従動ロッド支持軸の軸心との距離が、前記第1の揺動軸の軸心と前記第2の揺動軸の軸心との距離に等しい
こと特徴とする研削装置。
【請求項2】
第1伝達ロッド、第2伝達ロッド、駆動ロッド、従動ロッドおよび砥石ホルダにより形成された6節の平行リンク機構を含むリンク形成部を有し、
前記6節の平行リンク機構は、
前記第1伝達ロッドが、前記駆動ロッド、前記従動ロッドおよび前記砥石ホルダとそれぞれ順に第1の揺動軸、第2の揺動軸および第3の揺動軸廻りに回動可能に連結され、
前記第2伝達ロッドが、前記駆動ロッド、前記従動ロッドおよび前記砥石ホルダとそれぞれ順に第4の揺動軸、第5の揺動軸および第6の揺動軸廻りに回動可能に連結されて形成されており、
前記駆動ロッドは、
駆動装置に連結され正逆回動する揺動伝達軸に伴って前記揺動伝達軸廻りに揺動可能に形成され、
前記従動ロッドは、
前記揺動伝達軸の軸心に平行な軸心を有する従動ロッド支持軸廻りに揺動可能に形成され、
前記砥石ホルダは、
超仕上げ砥石の一端を露出させて保持可能に形成されており、
前記揺動伝達軸の軸心と前記第1の揺動軸の軸心との距離、および前記揺動伝達軸の軸心と前記第4の揺動軸の軸心との距離がそれぞれ、前記従動ロッド支持軸の軸心と前記第2の揺動軸の軸心との距離、および前記従動ロッド支持軸の軸心と前記第5の揺動軸の軸心との距離に等しく、
かつ前記揺動伝達軸の軸心と前記従動ロッド支持軸の軸心との距離が、前記第1の揺動軸の軸心と前記第2の揺動軸の軸心との距離に等しい
こと特徴とする研削装置。
【請求項3】
第1伝達ロッド、第2伝達ロッド、駆動ロッド、従動ロッドおよび砥石ホルダにより形成された6節の平行リンク機構を含むリンク形成部を有し、
前記6節の平行リンク機構は、
前記第1伝達ロッドが、前記駆動ロッド、前記従動ロッドおよび前記砥石ホルダとそれぞれ順に第1の揺動軸、第2の揺動軸および第3の揺動軸廻りに回動可能に連結され、
前記第2伝達ロッドが、前記駆動ロッド、前記従動ロッドおよび前記砥石ホルダとそれぞれ順に第4の揺動軸、第5の揺動軸および第6の揺動軸廻りに回動可能に連結されて形成されており、
前記駆動ロッドは、
前記第1の揺動軸および前記第4の揺動軸のそれぞれの軸心を含む仮想平面から離れた位置においてこれらの軸心に平行な軸心を有して正逆回動する揺動伝達軸に、前記揺動伝達軸の回動に伴って揺動可能に連結され、
前記従動ロッドは、
前記揺動伝達軸の軸心に平行な軸心を有する従動ロッド支持軸廻りに揺動可能に形成され、
前記砥石ホルダは、
超仕上げ砥石の一端を露出させて保持可能に形成されており、
前記揺動伝達軸の軸心と前記第1の揺動軸の軸心との距離、および前記揺動伝達軸の軸心と前記第4の揺動軸の軸心との距離がそれぞれ、前記従動ロッド支持軸の軸心と前記第2の揺動軸の軸心との距離、および前記従動ロッド支持軸の軸心と前記第5の揺動軸の軸心との距離に等しく、
かつ前記揺動伝達軸の軸心と前記従動ロッド支持軸の軸心との距離が、前記第1の揺動軸の軸心と前記第2の揺動軸の軸心との距離に等しい
こと特徴とする研削装置。
【請求項4】
第1伝達ロッド、第2伝達ロッド、駆動ロッド、従動ロッドおよび砥石ホルダにより形成された6節の平行リンク機構を含むリンク形成部を有し、
前記第1伝達ロッドおよび前記第2伝達ロッドのいずれも、互いに並んで延びた3つの腕部を有し、
前記6節の平行リンク機構は、
前記第1伝達ロッドが、その3つの腕部の端においてそれぞれ前記駆動ロッド、前記従動ロッドおよび前記砥石ホルダと、前記の順に第1の揺動軸、第2の揺動軸および第3の揺動軸廻りに回動可能に連結され、
前記第2伝達ロッドが、その3つの腕部の端においてそれぞれ前記駆動ロッド、前記従動ロッドおよび前記砥石ホルダと、前記の順に第4の揺動軸、第5の揺動軸および第6の揺動軸廻りに回動可能に連結されて形成され、
前記駆動ロッドは、
駆動装置に連結され正逆回動する揺動伝達軸に伴って前記揺動伝達軸廻りに揺動可能に形成され、
前記従動ロッドは、
前記揺動伝達軸の軸心に平行な軸心を有する従動ロッド支持軸廻りに揺動可能に形成され、
前記砥石ホルダは、
超仕上げ砥石の一端を露出させて保持可能に形成されており、
前記揺動伝達軸の軸心と前記第1の揺動軸の軸心との距離、および前記揺動伝達軸の軸心と前記第4の揺動軸の軸心との距離がそれぞれ、前記従動ロッド支持軸の軸心と前記第2の揺動軸の軸心との距離、および前記従動ロッド支持軸の軸心と前記第5の揺動軸の軸心との距離に等しく、
かつ前記揺動伝達軸の軸心と前記従動ロッド支持軸の軸心との距離が、前記第1の揺動軸の軸心と前記第2の揺動軸の軸心との距離に等しい
こと特徴とする研削装置。
【請求項5】
前記砥石ホルダは、
前記第3の揺動軸の軸心からの距離が、前記揺動伝達軸の軸心と前記第1の揺動軸の軸心との距離に等しく、かつ前記第6の揺動軸の軸心からの距離が、前記揺動伝達軸の軸心と前記第4の揺動軸の軸心との距離に等しい位置に、前記超仕上げ砥石の一端を露出させて保持可能に形成されている
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の研削装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−52082(P2010−52082A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−218471(P2008−218471)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(596066024)西部自動機器株式会社 (11)
【Fターム(参考)】