磁気粘弾性流体仕上げを使用して光学素子を処理する為の方法及びシステム
光学素子を仕上げ処理する方法は、上記光学素子と重なる複数の基準を有する光学マウント内に上記光学素子を取り付けるステップと、上記光学素子と上記複数の基準の為に第1計量マップを取得するステップとを含む。また、この方法は、複数の基準を伴わずに光学素子の為に第2の計量マップを取得するステップと、上記第1計量マップと上記第2計量マップとの間の差異マップを形成するステップと、上記第1計量マップと上記第2計量マップとを整列させるステップとを含む。上記方法は、上記異なるマップを使用して上記第2計量マップ上に数学的基準を配置し、第3計量マップを形成するステップと、上記第3計量マップを上記光学素子に関連付けるステップとを更に含む。さらに、上記方法は、上記光学素子をMRFツール内の取付け具に取り付けるステップと、上記取付け具に上記光学素子を位置決めするステップと、上記複数の基準を除去するステップと、上記光学素子を仕上げ処理するステップと、を含む。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本願は、"Improved optical quality for titanium doped sapphire andsapphire through magnetorheological finishing"という発明の名称で、2009年8月3日に提出された米国仮出願第61/230,790号に対して優先権を主張し、その開示内容が、あらゆる目的の為に全体が参考の為に組み込まれている。
[連邦出資の研究開発の下に行われた発明に対する権利についての陳述書]
[0002]米国政府は、米国のエネルギ省及びローレンスリバモア国家安全保障会社との間の契約第DE-AC52-07NA27344に従って、ローレンスリバモア国家安全保障事業に対し、本発明における権利を有する。
【発明の背景】
【0002】
[0003]光学素子を研磨する為の処理が、永年、開発されてきた。光学レンズの為の典型的な仕上げ処理には、レンズ表面で物質を除去し、その表面を滑らかにし、所望の形(例えば、湾曲)を与えることを含む。
【0003】
[0004]磁気粘弾性流体仕上げ処理法(MRF)は、サブアパーチャ研磨ツールに基づく決定的な表面仕上げ処理技術である。MRFは、光学素子の研磨および仕上げ処理に適用されてきた。この技術は、粘性を備えた磁気粘弾性(MR)流体を使用し、これが、MR流体に印加される磁界の機能である。例として、鉄カルボニルは、幾つかのMR流体で使用され、磁界の適用により最大〜1000倍に高められた粘性を有する。
【0004】
[0005] MR流体は、移動する光学素子に隣接したリボンとして、回転する球状ホィールに流体ポンプにより送出される。電磁石は、光学素子の表面で磁界を生成し、これが、MR流体を硬化させるので、サブアパーチャ研磨ツールになる。MRFシステムは、加工品を研磨する為に使用されるMR流体の形状及び剛性にわたり制御を与える。回転ホィール上で硬化流体が磁界から外に移動するとき、それは、より低い粘性液体に戻り、流体ドレインに捕捉され、再循環される。通常、MRF研磨ツールの除去速度は、MR流体の流量、送出システム内部の圧力、MR流体の温度などを含むシステムパラメータをモニタすることにより、一定レベルで維持される。
【0005】
[0006]MR流体/光学素子界面の剪断応力は、光学素子を研磨する為に使用され、硬化MR流体は、除去機能という点から分析可能である。材料の除去速度は、光学面にわたる滞留時間を変更することにより制御される。
【0006】
[0007]回転研磨は、半径−θ経路に沿って部品を横切る除去機能を移動させることにより、実施可能である。(角速度を決定する)回転速度と半径は、所望の数字制御を与える為に調整される。ラスタ研磨は、ラスタ走査経路に沿って光学素子を横切って除去機能を移動させることにより実施可能にある。(線形速度を決定する)ラスタ速度は、所望の数値制御を与える為に調整される。
【0007】
[0008] 在来型MRF研磨ツールにより与えられる利点にも拘わらず、MRFシステムを使用して光学素子を研磨する為の改善方法及びシステムが必要である。
【発明の概要】
【0008】
[0009]本発明によると、光学システムに関する技術が提供される。より詳しくは、本発明の実施形態は、磁気粘弾性流体仕上げ(MRF)処理を利用して光学素子を研磨及び/又は仕上げ処理する方法及びシステムに関する。単に例として、本発明は、滑らかな組織分布的な特徴を光学素子の1つ以上の表面に刷り込ませることにより、光学素子内の内面的な光学的バリエーションの補償に対して適用される。本願明細書で説明される方法及びシステムは、また、他の光学システムの処理及び仕上げ処理に適用可能である。
【0009】
[0010]本発明の一実施形態に従い、光学素子を仕上げ処理する方法が提供される。この方法は、光学素子と重なる複数の基準を有する光学マウントに光学素子を取り付けるステップと、上記光学素子及び上記複数の基準の為の第1計量マップを取得するステップと、上記複数の基準を伴わずに上記光学素子の為の第2計量マップを取得するステップと、を含む。この方法は、また、上記第1計量マップと上記第2計量マップとの間の差異マップを形成するステップと、上記第1計量マップと上記第2計量マップとを整列させるステップと、を含む。この方法は、第3計量マップを形成する為に、上記差異マップを使用して上記第2計量マップに数学的基準を置くステップと、上記第3計量マップを上記光学素子に関連付けるステップと、を更に含む。さらに、この方法は、光学素子をMRFツール内の取り付け具に取り付けるステップと、上記取り付け具に上記光学素子を位置決めするステップと、上記複数の基準を除去するステップと、上記光学素子を仕上げ処理するステップと、を含む。
【0010】
[0011]本発明の他の実施形態に従い、光学素子を研磨する為のMRFシステムが提供される。このMRFシステムは、プロセッサと、このプロセッサに結合されたMRFツールとを含む。MRFツールは、所定の除去機能を与えるように動作可能なホィールと、上記光学素子と複数の基準を受けるように動作可能な光学マウントとを含む。このMRFシステムは、また、上記プロセッサに結合され、MRFツールを制御して上記光学素子を研磨する複数のインストラクションを保存するコンピュータ読み取り可能媒体を含む。上記複数のインストラクションは、上記データプロセッサに、上記光学素子及び上記複数の基準の為に第1計量マップを取得させるインストラクションと、上記データプロセッサに、上記複数の基準を伴わずに上記光学素子の為に第2計量マップを取得させるインストラクションと、上記データプロセッサに、上記第1計量マップと上記第2計量マップとの間の差異マップを形成させるインストラクションとを含む。また、上記複数のインストラクションは、上記データプロセッサに、上記第1計量マップと上記第2計量マップを整列させるインストラクションと、上記データプロセッサに、上記差異マップを使用して上記第2計量マップ上に数学的基準を配置し、第3計量マップを形成させるインストラクションとを含む。上記複数のインストラクションは、上記データプロセッサに、上記第3計量マップを上記光学素子に関連付けさせるインストラクションと、上記データプロセッサに、上記MRFツールを制御させ、上記光学素子を仕上げ処理させるインストラクションとを更に含む。
【0011】
[0012]本発明の特定実施形態に従い、光学素子を研磨する為の方法が提供される。この方法は、上記光学素子を受けるように動作可能な領域と、上記領域に隣接して位置決めされた複数の基準とを有する光学マウントに上記光学素子を取り付けるステップと、上記光学素子と上記複数の基準を含む第1計量マップを取得するステップと、上記光学素子を含む第2計量マップを取得するステップであって、上記第2計量マップは、上記複数の基準を持たない、上記ステップと、上記第1計量マップ及び上記第2計量マップに基づき、差異計量マップを形成するステップと、を含む。また、この方法は、第1計量マップを上記第2計量マップに整列させるステップと、上記第2計量マップに数学的基準を追加し第3計量マップを形成するステップとを含む。この方法は、MRFツールに上記光学マウントを位置決めするステップと、上記第3計量マップを使用して上記MRFツールに上記光学マウントを登録するステップと、を更に含む。
【0012】
[0013]本発明の他の特定実施形態に従い、光学素子を研磨する為のMRFシステムが提供される。このMRFシステムは、プロセッサ、光学画像システム、上記プロセッサに結合されたMRFツールを含む。このMRFツールは、所定の除去機能を与えるように動作可能なホィールと、上記光学素子を受けるように動作可能であり複数の外部基準を含む光学マウントとを含む。また、MRFシステムは、上記プロセッサに結合され、上記MRFツールを制御し上記光学素子を研磨する為に複数のインストラクションを保存するコンピュータ読み取り可能媒体を含む。上記複数のインストラクションは、上記データプロセッサに、光学マウント内で上記光学素子を取り付けさせるインストラクションであって、上記光学マウントが、上記光学素子を受けるように動作可能な領域と、上記領域に隣接して位置決めされた複数の基準とを有する、上記インストラクションを含む。また、上記複数のインストラクションは、上記データプロセッサに、上記光学素子と上記複数の基準とを含む第1計量マップを取得させるインストラクションと、上記データプロセッサに、上記光学素子を含み、上記複数の基準を持たない第2計量マップを取得させるインストラクションと、上記データプロセッサに、上記第1計量マップ及び上記第2計量マップに基づき差異計量マップを形成させるインストラクションと、を含む。上記複数のインストラクションは、上記データプロセッサに、上記第1計量マップと上記第2計量マップに整列させるインストラクションと、上記データプロセッサに、数学的基準を上記第2計量マップに追加させ、第3計量マップを形成させるインストラクションと、上記データプロセッサに、上記MRFツールを制御させ、上記光学素子を研磨させるインストラクションと、を更に含む。
【0013】
[0014]在来型の技術を越える数多くの利益が、本発明により達成される。たとえば、この技術は、光学素子内の内部光学バリエーションを補償する為の方法を提供し、これにより、光学素子を利用する増幅装置とレーザに対するシステム性能を改良する。さらに、本発明の実施形態を利用すると、製造業者は、性能要件を満たさないかもしれない仕上げ処理された光学部品を再処理することができ、製造歩留まりを改善させることができる。さらに、本発明の実施形態は、初期に品質が劣っているとみなされた材料を、初期仕様を越える仕様に処理可能である。この実施形態によると、これらの利益のうち、1つ以上が達成可能である。これらの利益及び他の利益は、本願明細書全体に詳細に説明され、以下に具体的に説明されている。
【0014】
[0015]本発明の、これらの目的、他の目的、特徴、これらを得る方法は、当業者にとって明らかになり、本発明自体は、添付図面と一緒に読まれる以下の詳細な説明を参照することにより最も良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】[0016]図1は、本発明の一実施形態に従う光学素子処理システムの簡単な概略図である。
【図2A】[0017]図2Aは、本発明の一実施形態に従うMRFツールで使用される要素を例示する簡単な概略図である。
【図2B】[0018]図2Bは、本発明の一実施形態に従う基準マスクを備えた光学マウントに取り付けられた光学素子の簡単な概略図である。
【図3】[0019]図3は、本発明の一実施形態に従うMRF登録システムの要素を例示する簡単な概略図である。
【図4】[0020]図4は、本発明の一実施形態に従う光学素子を仕上げ処理する方法を例示する簡単なフローチャートである。
【図5】[0021]図5は、本発明の一実施形態に従う光学マウントの簡略図である。
【図6】[0022]図6は、本発明の一実施形態に従う波面歪みを訂正する為のシステムの簡単な例示である。
【図7A】[0023]図7Aは、MRFシステムに光学素子を関連付けて整列させる為の処理工程で測定又は計算されたインターフェログラムである。
【図7B】[0023]図7Bは、MRFシステムに光学素子を関連付けて整列させる為の処理工程で測定又は計算されたインターフェログラムである。
【図7C】[0023]図7Cは、MRFシステムに光学素子を関連付けて整列させる為の処理工程で測定又は計算されたインターフェログラムである。
【図7D】[0023]図7Dは、MRFシステムに光学素子を関連付けて整列させる為の処理工程で測定又は計算されたインターフェログラムである。
【図7E】[0023]図7Eは、MRFシステムに光学素子を関連付けて整列させる為の処理工程で測定又は計算されたインターフェログラムである。
【図7F】[0023]図7Fは、MRFシステムに光学素子を関連付けて整列させる為の処理工程で測定又は計算されたインターフェログラムである。
【図8A】[0024]図8Aは、本発明の一実施形態に従う長波長MRF処理前の光学素子の為の位相プロファイルである。
【図8B】[0024]図8Bは、本発明の一実施形態に従う長波長MRF処理後の光学素子の為の位相プロファイルである。
【図9A】[0025]図9Aは、本発明の一実施形態に従う短波長MRF処理前の光学素子の為の位相プロファイルである。
【図9B】[0025]図9Bは、本発明の一実施形態に従う短波長MRF処理後の光学素子の為の位相プロファイルである。
【図10】[0026]図10は、本発明の他の実施形態に従う光学素子を研磨する方法を例示する簡単なフローチャートである。
【図11】[0027]図11は、本発明の一実施形態に従う外部基準を備えた光学マウントの簡略図である。
【図12A】[0028]図12Aは、MRFシステムに光学素子を関連付け整列させる段階の処理において、測定又は計算されたインターフェログラムである。
【図12B】[0028]図12Bは、MRFシステムに光学素子を関連付け整列させる段階の処理において、測定又は計算されたインターフェログラムである。
【図12C】[0028]図12Cは、MRFシステムに光学素子を関連付け整列させる段階の処理において、測定又は計算されたインターフェログラムである。
【図12D】[0028]図12Dは、MRFシステムに光学素子を関連付け整列させる段階の処理において、測定又は計算されたインターフェログラムである。
【図12E】[0028]図12Eは、MRFシステムに光学素子を関連付け整列させる段階の処理において、測定又は計算されたインターフェログラムである。
【図12F】[0028]図12Fは、MRFシステムに光学素子を関連付け整列させる段階の処理において、測定又は計算されたインターフェログラムである。
【特定実施形態の詳細な説明】
【0016】
[0029]本発明の実施形態に従い、高度な磁気粘弾性流体仕上げ(MRF)技術が光学素子(例えば、チタン:サファイヤ結晶)に適用され、結晶成長処理中に生じる1ミリメートル未満の格子歪みを補償する。正確な光学的補正は、組織分布的な構造を光学素子の表面に刷り込み、伝播される波面における格子歪み効果を相殺することにより行われる。本願で説明される本発明の実施形態は、光学素子の光学的品質を著しく改善し、広く多様性のある用途に使用可能な高品質の大開口サファイヤとチタン:サファイヤ光学部品を製造する為の手段を提供する。
【0017】
[0030]チタン:サファイヤは、その広帯域波長同調範囲のため、固相フェムト秒高ピーク出力レーザシステムの為の第一の材料になる。680から1100nmの同調可能な範囲で、800nmでピークを有するチタン:サファイヤレーザ結晶は、容易に、必要な励起波長に同調可能であり、それらの良好なビーム品質及び通常数ワットという高出力パワーによる非常に高い励起輝度を提供可能である。フェムト秒レーザは、繊細な心臓組織や高性能爆薬に、スチールから歯エナメルにわたる材料の高精度切断及び機械加工の為に使用される。これらの超短波パルスは、切断される材料に熱や衝撃を伝えるには短すぎるので、切断、ドリル、機械加工は、周りの材料に実質的にダメージが生じないことを意味する。さらに、これらのレーザは、コンピュータ生成経路に沿って、100μm未満の厚さの材料に極細線切断を行い、高精度切断が可能である。より高いエネルギへの拡大は、結晶レーザ媒体の大きさにより制限される。高品質の大径結晶の歩留まりは、高品質光学部品が採取可能な使用可能領域を制限する、ブールに現れる格子の歪みにより抑制されてきた。格子歪みは、これらの光学部品の透過波面に影響し、これらが、最終的に、レーザシステム、特にマルチパスモードで動作されるレーザシステムのハイエンドパワー出力と効率を制限する。さらに、チタン:サファイヤ又はサファイヤは、極端に硬いので(ダイヤモンドを10とするモース硬度9なので)、表面化損傷又は顕著な波面誤差を有することなく、在来型の方法を使用して正確に研磨することが極端に難しい。本発明の実施形態は、チタン:サファイヤ用途の状況で検討されているが、本発明は、この特定の結晶に限定されるものではなく、他の光学媒体が、本発明の範囲に含まれる。これらの光学媒体は、サファイヤ、他の遷移金属をドープされたサファイヤ、他のレーザ利得媒質などを含む。
【0018】
[0031]本発明の実施形態に従い、MRFを用いる方法及びシステムが提供され、透過波面を不安定化させることによりチタン:サファイヤ内の格子歪みを補償する。これらの高度なMRF技術は、他の方法では使用できないチタン:サファイヤ結晶から高品質の光学部品を生産するために、光学表面の一方又は両方で光学的経路差が約70nmの大きさを持つ格子の歪みの光逆の正確な研磨を考慮に入れる。この技術は、干渉型、ソフトウェア、機械的な修正を含み、在来型の技術を使用して光学部品へと研磨できない光学表面で1ミリメートル未満の部位を正確に置いて研磨する。本発明者は、本願明細書で説明された方法及びシステムが、1ペタワットを遙かに超えるピーク電力までチタン:サファイヤベースのシステムを拡大できると考えている。
【0019】
[0032]チタン:サファイヤ及び他の結晶から高品質大径光学部品を採取する為の限定的な歩留まり要因の1つは、格子歪みと、結晶成長中に生じる離散的な不均質性の存在である。これらの欠陥は、結晶内部の局所化された屈折率変化として欠陥を顕在化し、これらは、表面が極端に平坦な場合があるにも拘わらず、透過波面品質を劣化させる。干渉型位相プロファイル測定に基づき、歪みは、約0.3−5mmの幅で変化可能である。この歪みは、レーザビームの品質を乱すには十分に大きく、これが、レーザシステムの下流側にある光学部品に損傷を与え、短パルスシステムでは、レーザ光線の収束能力不足及び不完全圧縮になる。その結果、これらのタイプの格子歪みを有するチタン:サファイヤ結晶を含むレーザ光学部品は、優れた透過特性及びビーム品質を必要とする用途には望ましくない。
【0020】
[0033] 在来型のMRF技術は、概略3mm以上で、長い空間的周期位相歪みを補償するだけである。本発明の実施形態は、サファイヤ及びチタン:サファイヤ結晶の1mm未満の格子歪みを補償することができるMRF技術を提供し、その透過波面を改善する。本願明細書で説明される技術は、ガラスと結晶性材料の両方に対し、独特の方法で、離散的な不均質性、より短い周期位相歪みの補正に適用可能である。以下、十分かつ詳細に説明されるように、基準化されたMRF取付け具の設計及び導入は、光学面内の絶対位置で干渉特性の高精度配置を可能にした。その上、我々は、基準位置をインターフェログラム位置に関係づける干渉型操作アルゴリズムを実装し、基準と基準をMRF機の位置に対して3μm以内で結ぶ基準カメラシステムを改良した。さらに、我々は、小型かつ高精度制御のMRF除去機能を実装した。このMRF除去機能は、研磨ゾーンにおける磁界、光学素子がMRリボン内に浸される深さ、MRFホィール径、MR流体の粘性、MR流体のリボン幅などを含む様々な要因により定められる。本発明者らは、高度に制御可能なMRF処理を在来型のMRF技術に対して改良された性能で提供する為に、これらの様々な要因を調整した。一例として、除去機能の長さは、ホィール径の機能であり、除去機能の幅は、光学部品をMRリボン内に浸す量の機能である。ピークと容積の除去率は、ホィール速度、流体粘性、磁界の強さの関数になっている。これらの改良は、チタン:サファイヤ、サファイヤ結晶、他の光学素子において低透過波面の達成を可能にする。本発明の実施形態は、50mmのMRFホィールを使用して1mm未満の有効径で材料の除去を提供する。小さいMRFホィールが利用されるときには、さらに小さい直径が与えられる。
【0021】
[0034]MRFは、マスクやマスタプレートを使用することなく、滑らかな組織分布的な特徴を光学部品に刷り込む直接的なアプローチを提案する。MRFシステムにより与えられ、インターフェロメトリを備えた密な相互作用は、鋭い不連続又は位相変則の無い全ビームアパーチャを連続して横切って変化する位相構造の刷り込みを可能にする。この技術は、光学アパーチャにわたり約30nm平方二乗平均の誤差を持つ高精度組織分布的プロファイル能力があり、これを機械的に生産するため、特徴が正確に定められる高効率プレート(>99%)をもたらす。
【0022】
[0035]図1は、本発明の一実施形態に従う光学素子処理システムの簡単な概略図である。MRFシステム100は、在来型ツールと比較して、増強された性能を備えたMRF研磨ツール110を含む。MRF研磨ツール110は、MRFホィール116を含む。MR流体は、流体入口112を通って与えられ、研磨ゾーン118内でMRFホィール116上にリボンを形成する。MR流体は、研磨ゾーン118内で磁界を通過した後、流体出口114に集められ、ポンプ(図示せず)を使用して流体入口112に再循環される。光学素子140は、MRFホィール116に対して、例えばラスタ・スキャンで、円形、又は他のパターンで移動し、光学素子140の表面を研磨する。
【0023】
[0036]MRFシステムもまた、I/Oインタフェース124を含み、I/Oインタフェース124は、ユーザに、MRFツールをプログラムさせ、他のシステム要素と共に相互作用させる。MRFシステムは、プロセッサ120を有し、プロセッサ120は、滞留時間と他のシステムパラメータに関する計算を実施する為に使用される。コンピュータ読み込み可能な媒体122(データベース又はメモリともいう。)は、プロセッサ120に結合され、そのプロセッサや他のシステム要素に使用されるデータを保存する。プロセッサ120は、計量システム130と相互作用し、これが、光学素子の表面構造と、その光学素子の内側の内部の不均質性についてのデータを与える。通常、計量システム130は、干渉計を含み、これが、光学素子の為に空間的に分解された位相情報を与える。プロセッサ120、メモリ122、I/Oインタフェース124を使用して、ユーザは、光学素子上に所定の形状を形成する為に、光学素子の為に滞留時間とシステムパラメータとを計算することができる。コントローラ160は、MRFツール110と相互作用し、決定的な研磨処理を達成する。
【0024】
[0037]プロセッサ120は、カリフォルニア州サンタクララのインテル社により製造されるペンティアムプロセッサのように、インストラクションとデータを実行するように構成された汎用マイクロプロセッサでもよい。また、それは、ソフトウェア、ファームウェア及び/又はハードウェアにおいて、本発明に従う方法を実施する為の少なくとも一部のインストラクションで具体化する特定用途向け集積回路(ASIC)でもよい。一例として、そのようなプロセッサは、専用回路、ASIC、結合論理、他のプログラム可能なプロセッサ、これらの組合せ等を含む。
【0025】
[0038]メモリ122は、特定用途に適切なものとして流通されたもの或いはローカルなものでもよい。メモリ512は、多数のメモリを含んでもよく、プログラム実行中にインストラクション及びデータを保存する為の主ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、固定されたインストラクションが保存されるリード・オンリィ・メモリ(ROM)を含む。このように、メモリ512は、プログラム及びデータファイルの為に持続的な(不揮発性の)記憶装置を提供し、付随する取り外し可能な媒体と共にハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、フロッピィディスクドライブ、コンパクト・ディスク・リード・オンリィ・メモリ(CD−ROM)ドライブ、光ドライブ、取り外し可能なメディア・カートリッジ、他の記憶媒体を含んでもよい。
【0026】
[0039]図2Aは、本発明の一実施形態に従うMRFツールに使用される要素を例示する簡単な概略図である。光学マウント210は、幾つかの実施形態で利用されるが、MRF研磨処理中、光学素子214を受ける大きさになっており、安全に光学素子214を支える。光学マウント210は、外部基準212を有してもよく、外部基準212は、光学マウント210内の表面上に決められた方法で与えられるか、光学素子210に埋め込まれる。一実施形態において、図2Aに例示されたような基準212は、光学マウントに組み込まれる十字線形式で与えられる。他の実施形態では、特定実施に適するように、他の形式の基準が利用される。他の実施形態では、基準は、円形またはMRFツールに光学素子210を整列させることを容易にするのに適した他の基準である。MRFシステムの他の要素は、基準マスク220を含むことができ、基準マスク220は、複数の細いワイヤ222を含み、このワイヤ222は、基準マスクの中央部分でグリッドを形成する。直交する特徴を備えたグリッドが図2Aに例示されているが、これは本発明に必要ではなく、本発明の範囲内には他の配列も含まれる。
【0027】
[0040] 光学素子214が光学マウント210内に取り付けられ基準マスク220が光学マウント210上に配置されるとき、光学素子は、光学マウントと基準マスクに対し正確に登録される。図4に関連してより十分に説明されるように、本願明細書に説明される方法及びシステムは、MRF研磨処理を実施する際、この正確な登録を利用する。
【0028】
[0041]図2Bは、本発明の一実施形態に従う基準マスクを備えた光学マウント内に取り付けられた光学素子の簡単な概略図である。図2Bで示されるように、光学素子は、所定のジオメトリで、光学マウント210及び基準マスク220に関して位置決めされている。本願明細書を通じて十分に説明されているように、光学素子と取付け基準との間の正確な登録は、MRF処理を使用して光学素子の正確な位置決めを可能にする。このように、本発明の実施形態は、光学素子の部分と重なる運動基準マスク又は光学素子に対して外部に運動基準マスクを含む光学素子マウントを考慮する。外部基準は、図2Aに外部基準212で例示されているように、光学素子マウントの部品として含まれてもよい。
【0029】
[0042]図3は、本発明の一実施形態に従うMRF登録システムの要素を例示する簡略図である。図3で例示されるように、本発明の実施形態は、MRFツールに組み込まれた変形カメラシステムアセンブリを利用し、これは、複数次元及び回転での並進を可能にし、概略ミクロンでステージの位置決めを与える。一実施形態において、ステージ位置決めは、10μm未満まで正確である。他の実施形態において、ステージの位置決めは、5μm未満まで(例えば、2μm−5μm)正確である。
【0030】
[0043]このシステムは、ハウジング310に取り付けられる顕微鏡の対物レンズ(図示せず)を含む。顕微鏡の対物レンズは、ズームレンズまたは他の適当な光学レンズでもよい。顕微鏡の対物レンズを通過する光は、一実施形態において電荷結合デバイス(CCD)カメラであるデジタルセンサ312に集められる。他の適した画像デバイスは、特定の用途に適するように利用可能である。デジタルセンサ312からの信号は、コネクタケーブル314を通り、適した制御エレクトロニクスに経由される。
【0031】
[0044]また、システムは、位置ゲージ320を含み、位置ゲージ320は、位置に移動されるときに光学素子の位置を測定する為に使用される。図3で例示された実施形態において、位置ゲージ320は、光学素子との接触によって起動される先端部を含み、これが、光学素子面上の位置に関する正確な情報をシステムに与える。MRFホィール340は、ノズル334からMR流体を受け、ノズル334は、供給ライン300と流体連通しており、供給ライン300は、ポンプシステム(図示せず)から送り込まれるMR流体と流体連通している。ノズル334は、ノズルをMRFホィールに隣接して位置決めする為に、ステージ332上に位置決めされ、1つ以上の方向で移動するように動作可能である。
【0032】
[0045]整列手順中、光学素子は、整列ピン350に関連付けられた位置において、デジタルセンサ312とハウジング310の上方に位置決めされる。仕上げ処理/研磨動作中、光学素子は、MRFホィール340の上方に位置決めされる。本発明の実施形態を利用すると、MRFホィール340は、空間範囲で約50μmから約30mmの範囲の除去機能を与えるように動作可能である。特定の実施形態において、除去機能は、空間範囲で、約200μm未満である。デジタルセンサ312を含むカメラシステムは、約1μmから約100μmの範囲の解像度を与える。特定実施形態において、解像度は、約20μm未満である。
【0033】
[0046]本発明の実施形態は、MRF機でカメラシステムを利用し、いったん、図2Bで例示された構造がMRFツール110内に配置されると、基準マスク220やインターフェロメトリ又は計量システム内の基準212のような他の適した基準から利点を得る。カメラシステムは、操作者に、MRFツールの高レベル精度で基準を認識させる。カメラシステムは、顕微鏡の対物レンズを含み、対物レンズは、このシステム内で使用される基準の高精度画像を可能にする。一例として、本願明細書に説明されたカメラシステムを使用すると、本発明者らは、40μmの特徴部を映すことができ、それに従って、光学素子を整列させることができた。
【0034】
[0047]代替えの実施形態において、ズームレンズが利用され、これにより、画像システム要素を光学素子から更に遠くへ移動させ、画像システムの視野を拡大することができる。このズームレンズを使用すると、操作者は、大雑把な整列を捕捉した後に、基準の詳細を捕捉する為にズームインするので、結果として、高精度の整列を実現する。
【0035】
[0048]図4は、本発明の一実施形態に従う光学素子を仕上げ処理する方法を例示する簡単なフローチャートである。この方法400は、基準を伴うマウントに光学素子を設定するステップを含む(ステップ410)。このステップの一例は、図2Bに示されている。光学素子を含むマウントは、図3に関連して説明された高倍率カメラシステムを使用してMRFシステム内に位置決めされる。マウントの位置決めステップには、MRFツールに対して基準位置とマウントの原点とを配置する工程を含めることができる。
【0036】
[0049]図5は、本発明の一実施形態に従う光学マウントの簡略図である。図5を参照すると、光学マウントの一例は、マウントの左上の隅に定められた原点を含み、幅、長さをもって与えられている。2つの基準位置(基準1、基準2)が、それぞれ、座標(x1、y1)、(x2、y2)で例示されている。原点位置、軸座標系、基準は、高倍率カメラシステムを使用してMRFシステムに関して確立可能である。
【0037】
[0050]マウント/光学素子は、高解像度カメラシステムを使用してMRFツールに位置決めされる(ステップ412)。通常、MRFツールは、x、y、z、回転、傾斜運動を含む幾つかの自由度を有する。このように、基準が付けられたマウントは、図3に例示されるようにカメラシステムを使用してMRFツールと整列可能であり、整列処理中、基準はツールにより臨検可能になる。
【0038】
[0051]MRFツールの為の基準位置と光学素子の数学的表示は、MRFと光学素子座標系を関連付ける為に開発されてきた。また、このステップは、数学的基準とシステム次元を発生させるものとして参考にすることができる(ステップ414)。このステップを使用して、光学素子とMRF座標系は、数学的モデルにおいて関連付けられる。数学的基準は、それから、MRFツールと光学座標系に登録される(ステップ416)。
【0039】
[0052]基準を伴い光学素子の第1計量マップが取得される(ステップ418)。一実施形態において、基準は、物理的に光学素子から分離されている(例えば、図2Aに例示されたような基準マスク220や光学マウント210上の基準212)。以下、より詳細に説明されるように、基準を備えた第1計量マップは、様々な物理的特徴(例えば、研磨される光学素子表面上あるいは内側に存在する不均質性)に対する基準(例えば、基準マスク上の十字線)の位置を参照する為に使用される。図7Aにより例示されているように、第1計量マップの一例は、所定の場所に基準マップを示すインターフェログラムである。図7Aを参照すると、光学素子と重なる2つの位置でワイヤ222が十字線を形成している。光学素子の表面プロファイルにおけるバリエーション及び/又は内部バリエーションが、図7Aに色違いで例示されている。
【0040】
[0053]方法400は、また、基準を伴わずに光学素子の第2計量マップを取得するステップを含む(ステップ420)。第2計量マップは、単に光学素子に関する情報を含むだけであるが、その光学素子の表面又は内側に存在する如何なる不均質性に関する情報をも含む。一実施形態において、第2計量マップは、位相マップ、例えば、図7Bで例示されているように測定される特定光学素子に対する透過波面のインターフェログラムである。第2計量マップは、光学素子(Si及びS2)の両面からの寄与度と、この光学素子内に存在する内部の不均質性(ときどき、バルク不均質性という。)を含む。チタン:サファイヤでは、これらのバルク不均質性(すなわち、屈折率におけるバリエーション)は、光条、スクラッチ、結晶粒界、拡散接合界面などを含み得る。本発明の実施形態は、許容できない不均質性を有する光学部品を、高出力及び他用途に適した光学部品に処理されることを可能にする。このように、光学部品に対する歩留まりは、在来技術と比べると、著しく高められる。
【0041】
[0054] 幾つかの実施形態において、第2計量マップを取得する為に、光学マウントが計量ツールから除去され、基準マスクが除去される。この場合、第2計量マップが取得されると、第1計量マップと第2計量マップとの間で計量機の登録誤差がある場合がある。換言すると、第1及び第2インターフェログラムは、互いに登録されない場合がある。本発明の実施形態は、整列用ソフトウェアを利用し、互いに2つの計量マップを比較し、これらの間の誤差を最小限にし、第2計量マップから効率良く基準が送られるように効率良く2つの計量マップを整列させる。
【0042】
[0055]この方法400は、第1計量マップと第2計量マップとの間の差異マップを形成するステップを更に含む(ステップ422)。一実施形態において、MRFシステム用に開発されたソフトウェアは、差異マップを形成する為に利用される。図7Cを参照すると、最適化されない差異インターフェログラムが、差異マップの一例として例示されている。図7Cで例示されるように、基準は、インターフェログラムと、水平線に対し約45度の角度に向けられた線状の振れ幅が存在する。この線状の振れ幅の発端は、計量処理から生じる分裂原因(wedge)又は先端/傾斜誤差による。この分裂原因は、以下に説明されるように除去される。
【0043】
[0056]第1計量マップ及び第2計量マップが整列される(ステップ424)。幾つかの実施形態では、アフィン変換が使用され、第1計量マップと第2計量マップとが整列され(ステップ424)。このステップは、2つの計量マップ間の基準位置を関連付ける。図7Dは、振れ幅を最小限にする為にアフィン変換を使用して三次元(x、y、x)で最適化される光学素子の差異インターフェログラムを例示する。図7Dに示されるように、図7Cに存在する分裂原因が除去されている。
【0044】
[0057] 幾つかの実施形態において、誤差の最小化はステップ424の一部として使用され、基準の有限次元を補償する。一例として、図2Aで例示された基準マスク220内で使用されたワイヤは、有限の幅(例えば、約25μm〜約500μmの範囲の幅)を有する。一例として、誤差の最小化は、全長に沿ったワイヤの幅を認識し、操作者がかなりの距離の直線を引くことを許容する。幅は、線の中心を定め、交差する線の中心で基準位置を確立する為に平均化されるが、これは、線幅により覆われる位置の範囲より正確である。
【0045】
[0058] また、誤差の最小化は、基準を含む計量マップ内の誤差を生じる基準からの回折を補償する為に使用可能である。一例として、基準として使用されるワイヤ周りの回折は、基準を備えた計量マップ内の、単にワイヤからのデータではなく、ワイヤにより回折される光からのデータを生じる。このように、ワイヤの存在は、単にワイヤの画像を生じさせるだけではなく、ワイヤの画像に隣接する幾つかの画素に対し、そのワイヤの縁周りで回折されてきた光を生じさせる。この回析された光が、ワイヤの縁の測定を汚染する。
【0046】
[0059] 数学的基準は、第2計量マップ上に配置され、第3計量マップを形成する(ステップ426)。数学的基準は、一実施形態において、ステップ422で形成される差異マップを使用して第2計量マップ上に配置される。図7Eを参照すると、第2計量マップ上の数学的基準の1つの配置が例示されている。当業者にとって明らかであるように、複数の数学的基準は、第2計量マップ上に配置可能である。幾つかの実施形態において、数学的基準の配置は、サブピクセル(画素未満)の精度で実施可能である。第3計量マップ(基準を伴わず数学的基準が追加された計量マップ)は、これで、研磨される光学素子とMRF座標系に関連付けられるので、光学素子を研磨する為にMRFシステムが使用可能である。第3計量マップの一例が図7Fに例示されているが、これは、基準を伴わずに数学的基準を加えたインターフェログラムである。本願明細書で説明された処理の成果は、光学素子座標系をMRFシステム及びインターフェロメトリ座標系に関連付け、正確に整列させることである。図5及び図7Fを参照すると、基準1はインターフェログラムの左側にある数学的基準と整列され、基準2は、インターフェログラムの右側にある数学的基準と整列されている。このように、図5は、MRFシステムと光学素子座標系の関連性を例示し、図7Fは、計量(インターフェロメトリ)システムと光学素子座標系の関連性を例示している。
【0047】
[0060]光学素子を含むマウントの原点は、高解像度カメラシステムを使用して置かれる(ステップ428)。光学素子を含むマウントはMRFツールに配置されて、基準マスクは除去され(ステップ430)、光学素子は研磨される(ステップ432)。
【0048】
[0061]そのため、本願明細書に説明された方法とシステムを使用すると、MRFツールは、光学素子及び対応する不均質性の計量マップに対して除去機能を正確に登録することができる。いったん、MRFツールが、このような方法で光学素子に対して登録されると、光学素子は、光学素子の表面上の所定特徴を形成するように研磨される。
【0049】
[0062]図4に例示された特定ステップは、本発明の一実施形態に従って光学素子を研磨する特定の方法を提供することが分かる。他の順序のステップも同様に、代替え実施形態に従って実施されてもよい。たとえば、本発明の代替え実施形態は、異なる順序で前述されたステップを実施してもよい。さらに、図4で例示された個々のステップは、個々のステップに対して適切なものとして様々な順序で実施される場合がある複数のサブステップを含んでもよい。さらに、追加のステップが、特定用途に従って追加又は除去されてもよい。当業者は、数多くのバリエーション、変形、代替えを認識するであろう。
【0050】
[0063] 概して、基準を備えた光学素子の第1計量マップは、数学的構成として、基準を(基準からの寄与が無い)第2計量マップに送る。このように、第2計量マップにおいて、数学的基準は、計量マップ内の不均質性を数学基準に対して登録する為に挿入される。その後、基準は、目印を定める為に使用可能であり、これらの目印がMRFツールに対し整列される。このように、MRFツールは、目印に整列し、これらの目印が、数学的基準に登録され、これらの数学基準が、光学素子内の不均質性に登録される。このように、MRFツールは、光学素子に存在する不均質性を決定的に研磨することができる。その上、望まれる場合には、光学素子に不均質性を導入することができる。
【0051】
[0064]図7A〜7Fに例示されるように、本発明の実施形態ではインターフェログラムが計量マップとして利用されている。これらのインターフェログラムは二次元配列になっており、入力は、特定要素の配列に関連付けられた位相の高さと位置に関連付けられている。本発明の実施形態を利用すると、光学素子を研磨する為に使用されるインターフェログラムにおける位相情報は、単に、光学素子のバルク内および表面上の不均質性に関連付けられる(例えば図7F)。このように、インターフェログラムは、基準に関連する位相情報で汚染されず、基準の為の登録情報を含む。
【0052】
[0065]光学素子上の物理的基準による技術において、作成される計量マップは、光学部品のバルク及び表面に関連した位相情報を有するばかりか、基準に関連した位相情報を有する。そのため、基準は、計量マップを「汚染する」。そのような計量マップが光学部品を研磨する為に使用されたならば、MRFツールは、この汚染を補正しようとし、不成功な成果に終わる。本発明の実施形態に従い、研磨素子を研磨する為に使用される計量マップ(すなわち、第2計量マップに基づく計量マップ)は、基準から生じる汚染が無い。
【0053】
[0066]図6は、本発明の一実施形態に従う波面の歪みを補正する為のシステムの簡単な例示である。図6において、平坦な(すなわち、均一な)波面を有するレーザが、右へと伝播している。見本の利得媒質(例えば、チタン:サファイヤ結晶)は、完全に平坦な正面及び後面を有するが、位置の関数として不均質率プロファイルは、利得媒質を通過する湾曲した線により例示された。現実の用途において、表面は、完全に平坦ではないので、位置の関数として、不均質率のバリエーションを与える。このように、本発明の実施形態は、組み合わされた方法で、内部バリエーションと、正面及び後面でのバリエーションを検討し、位置の関数として、全てのバリエーションを単一位相バリエーション測定に一まとめにする。利得媒質が図6に例示されているが、本発明の実施形態は、利得媒質だけに限定されるものではなく、例えば、位相板、レンズなどの受動的な他の光学素子に適用可能である。
【0054】
[0067] 利得媒質を通る伝播から生じる位相バリエーションのため、レーザ波面が歪められる。歪められたレーザ光線の集束により、非回折限界性能が生じる。その上、歪められたレーザ光線の増幅は、波面の非均一性の更なる増加になり得る。歪められたレーザ光線から歪みを除去する為に、位相板が光路に挿入され、波面のバリエーションを補償する。レーザ光線は、位相板を通過後、初期の平坦な波面により、再び特徴付けられる。
【0055】
[0068]位相板は、利得媒質に伴う位相バリエーションを補償する為に、利得媒質の片面又は両面を仕上げ処理することにより、利得媒質と統合可能である。一実施形態において、利得媒質の第1面、第2面が「なめらか」な仕上げに研磨される。計量は、利得媒質の全体の位相バリエーションを位置の関数として特徴付ける為に使用されている。全体的な位相バリエーションは、内部の不均質性と、表面プロファイルにおける不完全性から生じる。それから、表面のうちの1つは、本願明細書で説明されたMRFシステムを使用して研磨され、全体の位相バリエーションを補償する。このように、平坦な波面は、MRF仕上げ処理済み利得媒質を通して伝播された後、生成される。
【0056】
[0069]図8A及び図8Bは、本発明の一実施形態に従う長波長のMRF処理前後の光学素子の位相プロファイルである。図8Aに例示されるように、MRF研磨前に、RMS値の誤差は0.030μmであり、山から谷までの間隔が0.179μmであり、これは、1064nmにおける〜λ/6に相当する。図8Bに例示されるようにMRF研磨後に、RMS値の誤差は0.008μmであり、山から谷までの間隔が0.091μmであり、これは、1064nmにおける〜λ/11.5に相当する。このように、約2桁の透過波面の改善が、長波長バリエーションに対し達成された。図8A及び図8Bに例示された位相プロファイルが透過波面に対するものであることが理解される筈である。その結果、これらの位相プロファイルは、数字に対する補償(Si,S2)と光学部品に対する均質性(すなわち、バルク性)を表す。
【0057】
[0070]図9A及び図9Bは、本発明の一実施形態に従う短波長MRF処理前後の光学素子の位相プロファイルである。図9Aで例示されているように、短波長バリエーションを補正するMRF処理前に、RMS値の誤差は0.008μmであり、山から谷までの間隔が0.091μmであり、これは、1064nmにおける〜λ/11.5に相当する。図9Bは、短波長バリエーションを除去する為に本願明細書で説明されたシステムを使用するMRF研磨後の位相プロファイルを例示する。RMS値の誤差は、0.009μmであり、これは、初期RMS値の誤差に匹敵するが、山から谷までの間隔は、0.047μmまで減少され、これは、1064nmにおける〜λ/22.3に相当する。このように、透過波面における改良は、初期段階に匹敵する約4桁と、長波長研磨後に匹敵する2桁である。
【0058】
[0071]図10は、本発明の他の実施形態に従う光学素子を研磨する方法を例示する簡単なフローチャートである。図10に例示されたステップは、図4に例示されたステップと幾つかの共通点を共有する。図10に関連して検討された実施形態は、光学素子(重複せず)から物理的に分離されている基準を使用し、光学素子に登録される数学的ポイントを与える数学的基準を生成させる。この方法1000は、外部基準を伴うマウントに光学素子を配置するステップ(ステップ1010)を含む。外部基準は、これらがMRFシステム内に配置されるときに見えるように位置決めされる。そのようなマウントの例は、図2Aに例示されている。外部基準を伴うマウントと、その中に取り付けられる光学素子とが、図3に関連して説明された高倍率カメラシステムを使用してMRFシステム内に位置決めされる。マウントの位置決めステップには、MRFツールに対して基準位置とマウントの原点とを配置する工程を含めることができる。
【0059】
[0072]図11は、本発明の一実施形態に従う外部基準を伴う光学マウントの簡略図である。図11を参照すると、光学マウントの一例は、光学素子を受ける領域の左上隅に定められた原点を含んで提供され、幅と長さを有する。2つの基準位置(基準3,基準4)は、それぞれ、座標(x3,y3)、(x4,y4)で例示されている。原点位置、軸座標系、基準は、高倍率かめるシステムを使用して、MRFシステムに対して確立可能である。
【0060】
[0073]マウント/光学素子は、高解像度カメラシステムを使用して、MRFツール内に位置決めされる(ステップ1012)。通常、MRFツールは、x、y、z、回転、傾斜運動を含む幾つかの自由度を有する。このように、外部基準を伴う光学マウントは、図3に例示されたカメラシステムを使用して、MRFツールに整列可能であり、基準は、整列処理中、ツールにより臨検可能になる。
【0061】
[0074]MRFツールの為の基準位置と光学素子の数学的表示は、MRFと光学素子座標系を関連付ける為に開発されている。また、このステップは、数学的基準とシステム次元を発生するステップと呼ぶことも可能である(ステップ1014)。このステップを使用すると、光学素子とMRF座標系は、数学的モデルにおいて関連付けられる。その後、数学的基準は、MRFツールと光学座標システムに登録される(ステップ1016)。
【0062】
[0075]視野において、外部基準を伴うマウント内に取り付けられた光学素子の第1計量マップが取得される(ステップ418)。外部基準は、第1計量マップが取得されるときには視野内にある。以下、より十分に説明されるように、外部基準を伴う第1計量マップは、様々な物理的特徴(例えば、研磨される光学素子の表面又は内側に存在する不均質性)に対して外部基準212の位置にリファレンスを付ける為に使用される。図12Aにより例示されているように、外部基準を含む第1計量マップの一例は、外部基準と光学素子を示すインターフェログラムである。図7Aを参照すると、光学素子と重ならないが光学素子の側部に対してと2つの位置で十字線が見える。光学素子の表面プロファイルにおけるバリエーション及び/又は内部バリエーションは、図12Aに色違いで例示されている。
【0063】
[0076]また、この方法1000は、視野の外側に外部基準を伴い光学素子の第2計量マップを取得するステップを含む。第2計量マップは、単に光学素子に関する情報を含むだけであるが、その光学素子の表面又は内側に存在する如何なる不均質性に関する情報をも含む。一実施形態において、第2計量マップは、位相マップ、例えば、図12Bに例示されているように測定された特定光学素子に対する透過波面のインターフェログラムである。視野は、第2計量マップの補正中、外部基準を排除するように選択される。
【0064】
[0077]この方法1000は、第1計量マップ及び第2計量マップに対する差異マップを形成するステップを更に含む(ステップ1022)。一実施形態において、MRFシステムの為に開発されたソフトウェアは、この差異マップを形成する為に利用される。図12Cを参照すると、最適化されない差異インターフェログラムは、この差異マップの一例として例示されている。図12Cに例示されているように、外部基準は、インターフェログラムに存在しないが、水平線に対して約45度の角度で向けられた直線状バリエーションは存在する。図7Cで例示されたインターフェログラムに類似した方法において、この直線状のバリエーションの原因は、計量処理から生じる分裂原因又は先端/傾斜誤差の為である。
【0065】
[0078]第1計量マップ及び第2計量マップが整列される(ステップ1024)。幾つかの実施形態において、第1計量マップと第2計量マップとを整列させる為にアフィン変換が使用されている。このステップは、2つの計量マップ間の基準位置を関連付ける。図12Dは、バリエーションを最小にする為にアフィン変換を使用して三次元(x、y、z)で最適化された光学素子の差異インターフェログラムを例示する。
【0066】
[0079] 数学的基準が第2計量マップ上に配置され、第3計量マップを形成する(ステップ1026)。数学的基準は、一実施形態において、ステップ1022で形成される差異マップを使用して第2計量マップ上に配置される。図12Eを参照すると、第2計量マップ上の数学的基準の一つの配置が例示されている。当該技術で明らかであるように、複数の数学的基準は第2計量マップ上に配置可能である。幾つかの実施形態において、数学的基準の配置は、サブピクセル(画素未満)の精度で実施可能である。第3計量マップ(視野の外側に外部基準を伴い数学的基準が追加された計量マップ)は、これで、研磨される光学素子とMRF座標系に関連付けられるので、MRFシステムが光学素子を研磨する為に使用可能である。第3計量マップの一例は、図12Fに例示されているが、これは、外部基準を伴わず数学基準が加えられたインターフェログラムである。本願明細書で説明された処理の成果は、光学素子座標系をMRFシステム及びインターフェロメトリ座標系に関連付け、高精度に整列させることである。図11及び図12Fを参照すると、基準3は、インターフェログラムの左の方で数学的基準に整列され、基準4は、インターフェログラムの右の方で数学的基準に整列されている。このように、図11はMRFシステムと光学素子座標系の関連性を例示し、図12Fは計量(インターフェロメトリ)システムと光学素子座標系の関連性を例示する。
【0067】
[0080]光学素子を含むマウントの原点は、高解像度カメラシステムを使用して置かれる。光学的素子を含むマウントがMRFツール上に配置され、光学素子が研磨される(ステップ1030)。
【0068】
[0081]このように、本願明細書に説明された方法及びシステムを使用すると、MRFツールは、除去機能を光学素子の計量マップ及び対応する不均質性に正確に登録することができる。いったんMRFツールが、このように光学素子に登録されると、光学素子は、光学素子の表面上に所定の特徴部を形成するように研磨される。
【0069】
[0082]図10に例示された特定ステップは、本発明の一実施形態に従う光学素子を研磨する特定方法を提供することが分かる。また、ステップの他の順は、他の実施形態に従って実施されてもよい。たとえば、本発明の代替え実施形態は、異なる順序で前述されたステップを実施してもよい。その上、図10に例示された個々のステップは、個々のステップに対して適したものとして様々な順で実施可能な複数のサブステップを含んでもよい。さらに、追加ステップが、特定用途に従って付加又は除去されてもよい。当業者は、多くの変更例、変形例、代替え例を認識するであろう。
【0070】
[0083]光学素子の幾つかのジオメトリ、例えば矩形光学素子に適用可能な代替え実施形態において、光学素子の縁は、目印として使用される。これらの実施形態において、図4及び図10に関連して検討された方法の変形例が、目印として光学素子の縁を使用する為に提供されている。一例として、光学素子の隅は、原点として定められ、MRFツールに整列され、それに従って研磨されることが可能である。
【0071】
[0084]また、本願明細書で説明された実施例及び実施形態は、例示が目的にすぎず、様々な変形例、変更例が、これらの観点から、当業者に提案され、本願の精神及び範囲及び添付された特許請求の範囲に含まれるべきであることが理解される。
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本願は、"Improved optical quality for titanium doped sapphire andsapphire through magnetorheological finishing"という発明の名称で、2009年8月3日に提出された米国仮出願第61/230,790号に対して優先権を主張し、その開示内容が、あらゆる目的の為に全体が参考の為に組み込まれている。
[連邦出資の研究開発の下に行われた発明に対する権利についての陳述書]
[0002]米国政府は、米国のエネルギ省及びローレンスリバモア国家安全保障会社との間の契約第DE-AC52-07NA27344に従って、ローレンスリバモア国家安全保障事業に対し、本発明における権利を有する。
【発明の背景】
【0002】
[0003]光学素子を研磨する為の処理が、永年、開発されてきた。光学レンズの為の典型的な仕上げ処理には、レンズ表面で物質を除去し、その表面を滑らかにし、所望の形(例えば、湾曲)を与えることを含む。
【0003】
[0004]磁気粘弾性流体仕上げ処理法(MRF)は、サブアパーチャ研磨ツールに基づく決定的な表面仕上げ処理技術である。MRFは、光学素子の研磨および仕上げ処理に適用されてきた。この技術は、粘性を備えた磁気粘弾性(MR)流体を使用し、これが、MR流体に印加される磁界の機能である。例として、鉄カルボニルは、幾つかのMR流体で使用され、磁界の適用により最大〜1000倍に高められた粘性を有する。
【0004】
[0005] MR流体は、移動する光学素子に隣接したリボンとして、回転する球状ホィールに流体ポンプにより送出される。電磁石は、光学素子の表面で磁界を生成し、これが、MR流体を硬化させるので、サブアパーチャ研磨ツールになる。MRFシステムは、加工品を研磨する為に使用されるMR流体の形状及び剛性にわたり制御を与える。回転ホィール上で硬化流体が磁界から外に移動するとき、それは、より低い粘性液体に戻り、流体ドレインに捕捉され、再循環される。通常、MRF研磨ツールの除去速度は、MR流体の流量、送出システム内部の圧力、MR流体の温度などを含むシステムパラメータをモニタすることにより、一定レベルで維持される。
【0005】
[0006]MR流体/光学素子界面の剪断応力は、光学素子を研磨する為に使用され、硬化MR流体は、除去機能という点から分析可能である。材料の除去速度は、光学面にわたる滞留時間を変更することにより制御される。
【0006】
[0007]回転研磨は、半径−θ経路に沿って部品を横切る除去機能を移動させることにより、実施可能である。(角速度を決定する)回転速度と半径は、所望の数字制御を与える為に調整される。ラスタ研磨は、ラスタ走査経路に沿って光学素子を横切って除去機能を移動させることにより実施可能にある。(線形速度を決定する)ラスタ速度は、所望の数値制御を与える為に調整される。
【0007】
[0008] 在来型MRF研磨ツールにより与えられる利点にも拘わらず、MRFシステムを使用して光学素子を研磨する為の改善方法及びシステムが必要である。
【発明の概要】
【0008】
[0009]本発明によると、光学システムに関する技術が提供される。より詳しくは、本発明の実施形態は、磁気粘弾性流体仕上げ(MRF)処理を利用して光学素子を研磨及び/又は仕上げ処理する方法及びシステムに関する。単に例として、本発明は、滑らかな組織分布的な特徴を光学素子の1つ以上の表面に刷り込ませることにより、光学素子内の内面的な光学的バリエーションの補償に対して適用される。本願明細書で説明される方法及びシステムは、また、他の光学システムの処理及び仕上げ処理に適用可能である。
【0009】
[0010]本発明の一実施形態に従い、光学素子を仕上げ処理する方法が提供される。この方法は、光学素子と重なる複数の基準を有する光学マウントに光学素子を取り付けるステップと、上記光学素子及び上記複数の基準の為の第1計量マップを取得するステップと、上記複数の基準を伴わずに上記光学素子の為の第2計量マップを取得するステップと、を含む。この方法は、また、上記第1計量マップと上記第2計量マップとの間の差異マップを形成するステップと、上記第1計量マップと上記第2計量マップとを整列させるステップと、を含む。この方法は、第3計量マップを形成する為に、上記差異マップを使用して上記第2計量マップに数学的基準を置くステップと、上記第3計量マップを上記光学素子に関連付けるステップと、を更に含む。さらに、この方法は、光学素子をMRFツール内の取り付け具に取り付けるステップと、上記取り付け具に上記光学素子を位置決めするステップと、上記複数の基準を除去するステップと、上記光学素子を仕上げ処理するステップと、を含む。
【0010】
[0011]本発明の他の実施形態に従い、光学素子を研磨する為のMRFシステムが提供される。このMRFシステムは、プロセッサと、このプロセッサに結合されたMRFツールとを含む。MRFツールは、所定の除去機能を与えるように動作可能なホィールと、上記光学素子と複数の基準を受けるように動作可能な光学マウントとを含む。このMRFシステムは、また、上記プロセッサに結合され、MRFツールを制御して上記光学素子を研磨する複数のインストラクションを保存するコンピュータ読み取り可能媒体を含む。上記複数のインストラクションは、上記データプロセッサに、上記光学素子及び上記複数の基準の為に第1計量マップを取得させるインストラクションと、上記データプロセッサに、上記複数の基準を伴わずに上記光学素子の為に第2計量マップを取得させるインストラクションと、上記データプロセッサに、上記第1計量マップと上記第2計量マップとの間の差異マップを形成させるインストラクションとを含む。また、上記複数のインストラクションは、上記データプロセッサに、上記第1計量マップと上記第2計量マップを整列させるインストラクションと、上記データプロセッサに、上記差異マップを使用して上記第2計量マップ上に数学的基準を配置し、第3計量マップを形成させるインストラクションとを含む。上記複数のインストラクションは、上記データプロセッサに、上記第3計量マップを上記光学素子に関連付けさせるインストラクションと、上記データプロセッサに、上記MRFツールを制御させ、上記光学素子を仕上げ処理させるインストラクションとを更に含む。
【0011】
[0012]本発明の特定実施形態に従い、光学素子を研磨する為の方法が提供される。この方法は、上記光学素子を受けるように動作可能な領域と、上記領域に隣接して位置決めされた複数の基準とを有する光学マウントに上記光学素子を取り付けるステップと、上記光学素子と上記複数の基準を含む第1計量マップを取得するステップと、上記光学素子を含む第2計量マップを取得するステップであって、上記第2計量マップは、上記複数の基準を持たない、上記ステップと、上記第1計量マップ及び上記第2計量マップに基づき、差異計量マップを形成するステップと、を含む。また、この方法は、第1計量マップを上記第2計量マップに整列させるステップと、上記第2計量マップに数学的基準を追加し第3計量マップを形成するステップとを含む。この方法は、MRFツールに上記光学マウントを位置決めするステップと、上記第3計量マップを使用して上記MRFツールに上記光学マウントを登録するステップと、を更に含む。
【0012】
[0013]本発明の他の特定実施形態に従い、光学素子を研磨する為のMRFシステムが提供される。このMRFシステムは、プロセッサ、光学画像システム、上記プロセッサに結合されたMRFツールを含む。このMRFツールは、所定の除去機能を与えるように動作可能なホィールと、上記光学素子を受けるように動作可能であり複数の外部基準を含む光学マウントとを含む。また、MRFシステムは、上記プロセッサに結合され、上記MRFツールを制御し上記光学素子を研磨する為に複数のインストラクションを保存するコンピュータ読み取り可能媒体を含む。上記複数のインストラクションは、上記データプロセッサに、光学マウント内で上記光学素子を取り付けさせるインストラクションであって、上記光学マウントが、上記光学素子を受けるように動作可能な領域と、上記領域に隣接して位置決めされた複数の基準とを有する、上記インストラクションを含む。また、上記複数のインストラクションは、上記データプロセッサに、上記光学素子と上記複数の基準とを含む第1計量マップを取得させるインストラクションと、上記データプロセッサに、上記光学素子を含み、上記複数の基準を持たない第2計量マップを取得させるインストラクションと、上記データプロセッサに、上記第1計量マップ及び上記第2計量マップに基づき差異計量マップを形成させるインストラクションと、を含む。上記複数のインストラクションは、上記データプロセッサに、上記第1計量マップと上記第2計量マップに整列させるインストラクションと、上記データプロセッサに、数学的基準を上記第2計量マップに追加させ、第3計量マップを形成させるインストラクションと、上記データプロセッサに、上記MRFツールを制御させ、上記光学素子を研磨させるインストラクションと、を更に含む。
【0013】
[0014]在来型の技術を越える数多くの利益が、本発明により達成される。たとえば、この技術は、光学素子内の内部光学バリエーションを補償する為の方法を提供し、これにより、光学素子を利用する増幅装置とレーザに対するシステム性能を改良する。さらに、本発明の実施形態を利用すると、製造業者は、性能要件を満たさないかもしれない仕上げ処理された光学部品を再処理することができ、製造歩留まりを改善させることができる。さらに、本発明の実施形態は、初期に品質が劣っているとみなされた材料を、初期仕様を越える仕様に処理可能である。この実施形態によると、これらの利益のうち、1つ以上が達成可能である。これらの利益及び他の利益は、本願明細書全体に詳細に説明され、以下に具体的に説明されている。
【0014】
[0015]本発明の、これらの目的、他の目的、特徴、これらを得る方法は、当業者にとって明らかになり、本発明自体は、添付図面と一緒に読まれる以下の詳細な説明を参照することにより最も良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】[0016]図1は、本発明の一実施形態に従う光学素子処理システムの簡単な概略図である。
【図2A】[0017]図2Aは、本発明の一実施形態に従うMRFツールで使用される要素を例示する簡単な概略図である。
【図2B】[0018]図2Bは、本発明の一実施形態に従う基準マスクを備えた光学マウントに取り付けられた光学素子の簡単な概略図である。
【図3】[0019]図3は、本発明の一実施形態に従うMRF登録システムの要素を例示する簡単な概略図である。
【図4】[0020]図4は、本発明の一実施形態に従う光学素子を仕上げ処理する方法を例示する簡単なフローチャートである。
【図5】[0021]図5は、本発明の一実施形態に従う光学マウントの簡略図である。
【図6】[0022]図6は、本発明の一実施形態に従う波面歪みを訂正する為のシステムの簡単な例示である。
【図7A】[0023]図7Aは、MRFシステムに光学素子を関連付けて整列させる為の処理工程で測定又は計算されたインターフェログラムである。
【図7B】[0023]図7Bは、MRFシステムに光学素子を関連付けて整列させる為の処理工程で測定又は計算されたインターフェログラムである。
【図7C】[0023]図7Cは、MRFシステムに光学素子を関連付けて整列させる為の処理工程で測定又は計算されたインターフェログラムである。
【図7D】[0023]図7Dは、MRFシステムに光学素子を関連付けて整列させる為の処理工程で測定又は計算されたインターフェログラムである。
【図7E】[0023]図7Eは、MRFシステムに光学素子を関連付けて整列させる為の処理工程で測定又は計算されたインターフェログラムである。
【図7F】[0023]図7Fは、MRFシステムに光学素子を関連付けて整列させる為の処理工程で測定又は計算されたインターフェログラムである。
【図8A】[0024]図8Aは、本発明の一実施形態に従う長波長MRF処理前の光学素子の為の位相プロファイルである。
【図8B】[0024]図8Bは、本発明の一実施形態に従う長波長MRF処理後の光学素子の為の位相プロファイルである。
【図9A】[0025]図9Aは、本発明の一実施形態に従う短波長MRF処理前の光学素子の為の位相プロファイルである。
【図9B】[0025]図9Bは、本発明の一実施形態に従う短波長MRF処理後の光学素子の為の位相プロファイルである。
【図10】[0026]図10は、本発明の他の実施形態に従う光学素子を研磨する方法を例示する簡単なフローチャートである。
【図11】[0027]図11は、本発明の一実施形態に従う外部基準を備えた光学マウントの簡略図である。
【図12A】[0028]図12Aは、MRFシステムに光学素子を関連付け整列させる段階の処理において、測定又は計算されたインターフェログラムである。
【図12B】[0028]図12Bは、MRFシステムに光学素子を関連付け整列させる段階の処理において、測定又は計算されたインターフェログラムである。
【図12C】[0028]図12Cは、MRFシステムに光学素子を関連付け整列させる段階の処理において、測定又は計算されたインターフェログラムである。
【図12D】[0028]図12Dは、MRFシステムに光学素子を関連付け整列させる段階の処理において、測定又は計算されたインターフェログラムである。
【図12E】[0028]図12Eは、MRFシステムに光学素子を関連付け整列させる段階の処理において、測定又は計算されたインターフェログラムである。
【図12F】[0028]図12Fは、MRFシステムに光学素子を関連付け整列させる段階の処理において、測定又は計算されたインターフェログラムである。
【特定実施形態の詳細な説明】
【0016】
[0029]本発明の実施形態に従い、高度な磁気粘弾性流体仕上げ(MRF)技術が光学素子(例えば、チタン:サファイヤ結晶)に適用され、結晶成長処理中に生じる1ミリメートル未満の格子歪みを補償する。正確な光学的補正は、組織分布的な構造を光学素子の表面に刷り込み、伝播される波面における格子歪み効果を相殺することにより行われる。本願で説明される本発明の実施形態は、光学素子の光学的品質を著しく改善し、広く多様性のある用途に使用可能な高品質の大開口サファイヤとチタン:サファイヤ光学部品を製造する為の手段を提供する。
【0017】
[0030]チタン:サファイヤは、その広帯域波長同調範囲のため、固相フェムト秒高ピーク出力レーザシステムの為の第一の材料になる。680から1100nmの同調可能な範囲で、800nmでピークを有するチタン:サファイヤレーザ結晶は、容易に、必要な励起波長に同調可能であり、それらの良好なビーム品質及び通常数ワットという高出力パワーによる非常に高い励起輝度を提供可能である。フェムト秒レーザは、繊細な心臓組織や高性能爆薬に、スチールから歯エナメルにわたる材料の高精度切断及び機械加工の為に使用される。これらの超短波パルスは、切断される材料に熱や衝撃を伝えるには短すぎるので、切断、ドリル、機械加工は、周りの材料に実質的にダメージが生じないことを意味する。さらに、これらのレーザは、コンピュータ生成経路に沿って、100μm未満の厚さの材料に極細線切断を行い、高精度切断が可能である。より高いエネルギへの拡大は、結晶レーザ媒体の大きさにより制限される。高品質の大径結晶の歩留まりは、高品質光学部品が採取可能な使用可能領域を制限する、ブールに現れる格子の歪みにより抑制されてきた。格子歪みは、これらの光学部品の透過波面に影響し、これらが、最終的に、レーザシステム、特にマルチパスモードで動作されるレーザシステムのハイエンドパワー出力と効率を制限する。さらに、チタン:サファイヤ又はサファイヤは、極端に硬いので(ダイヤモンドを10とするモース硬度9なので)、表面化損傷又は顕著な波面誤差を有することなく、在来型の方法を使用して正確に研磨することが極端に難しい。本発明の実施形態は、チタン:サファイヤ用途の状況で検討されているが、本発明は、この特定の結晶に限定されるものではなく、他の光学媒体が、本発明の範囲に含まれる。これらの光学媒体は、サファイヤ、他の遷移金属をドープされたサファイヤ、他のレーザ利得媒質などを含む。
【0018】
[0031]本発明の実施形態に従い、MRFを用いる方法及びシステムが提供され、透過波面を不安定化させることによりチタン:サファイヤ内の格子歪みを補償する。これらの高度なMRF技術は、他の方法では使用できないチタン:サファイヤ結晶から高品質の光学部品を生産するために、光学表面の一方又は両方で光学的経路差が約70nmの大きさを持つ格子の歪みの光逆の正確な研磨を考慮に入れる。この技術は、干渉型、ソフトウェア、機械的な修正を含み、在来型の技術を使用して光学部品へと研磨できない光学表面で1ミリメートル未満の部位を正確に置いて研磨する。本発明者は、本願明細書で説明された方法及びシステムが、1ペタワットを遙かに超えるピーク電力までチタン:サファイヤベースのシステムを拡大できると考えている。
【0019】
[0032]チタン:サファイヤ及び他の結晶から高品質大径光学部品を採取する為の限定的な歩留まり要因の1つは、格子歪みと、結晶成長中に生じる離散的な不均質性の存在である。これらの欠陥は、結晶内部の局所化された屈折率変化として欠陥を顕在化し、これらは、表面が極端に平坦な場合があるにも拘わらず、透過波面品質を劣化させる。干渉型位相プロファイル測定に基づき、歪みは、約0.3−5mmの幅で変化可能である。この歪みは、レーザビームの品質を乱すには十分に大きく、これが、レーザシステムの下流側にある光学部品に損傷を与え、短パルスシステムでは、レーザ光線の収束能力不足及び不完全圧縮になる。その結果、これらのタイプの格子歪みを有するチタン:サファイヤ結晶を含むレーザ光学部品は、優れた透過特性及びビーム品質を必要とする用途には望ましくない。
【0020】
[0033] 在来型のMRF技術は、概略3mm以上で、長い空間的周期位相歪みを補償するだけである。本発明の実施形態は、サファイヤ及びチタン:サファイヤ結晶の1mm未満の格子歪みを補償することができるMRF技術を提供し、その透過波面を改善する。本願明細書で説明される技術は、ガラスと結晶性材料の両方に対し、独特の方法で、離散的な不均質性、より短い周期位相歪みの補正に適用可能である。以下、十分かつ詳細に説明されるように、基準化されたMRF取付け具の設計及び導入は、光学面内の絶対位置で干渉特性の高精度配置を可能にした。その上、我々は、基準位置をインターフェログラム位置に関係づける干渉型操作アルゴリズムを実装し、基準と基準をMRF機の位置に対して3μm以内で結ぶ基準カメラシステムを改良した。さらに、我々は、小型かつ高精度制御のMRF除去機能を実装した。このMRF除去機能は、研磨ゾーンにおける磁界、光学素子がMRリボン内に浸される深さ、MRFホィール径、MR流体の粘性、MR流体のリボン幅などを含む様々な要因により定められる。本発明者らは、高度に制御可能なMRF処理を在来型のMRF技術に対して改良された性能で提供する為に、これらの様々な要因を調整した。一例として、除去機能の長さは、ホィール径の機能であり、除去機能の幅は、光学部品をMRリボン内に浸す量の機能である。ピークと容積の除去率は、ホィール速度、流体粘性、磁界の強さの関数になっている。これらの改良は、チタン:サファイヤ、サファイヤ結晶、他の光学素子において低透過波面の達成を可能にする。本発明の実施形態は、50mmのMRFホィールを使用して1mm未満の有効径で材料の除去を提供する。小さいMRFホィールが利用されるときには、さらに小さい直径が与えられる。
【0021】
[0034]MRFは、マスクやマスタプレートを使用することなく、滑らかな組織分布的な特徴を光学部品に刷り込む直接的なアプローチを提案する。MRFシステムにより与えられ、インターフェロメトリを備えた密な相互作用は、鋭い不連続又は位相変則の無い全ビームアパーチャを連続して横切って変化する位相構造の刷り込みを可能にする。この技術は、光学アパーチャにわたり約30nm平方二乗平均の誤差を持つ高精度組織分布的プロファイル能力があり、これを機械的に生産するため、特徴が正確に定められる高効率プレート(>99%)をもたらす。
【0022】
[0035]図1は、本発明の一実施形態に従う光学素子処理システムの簡単な概略図である。MRFシステム100は、在来型ツールと比較して、増強された性能を備えたMRF研磨ツール110を含む。MRF研磨ツール110は、MRFホィール116を含む。MR流体は、流体入口112を通って与えられ、研磨ゾーン118内でMRFホィール116上にリボンを形成する。MR流体は、研磨ゾーン118内で磁界を通過した後、流体出口114に集められ、ポンプ(図示せず)を使用して流体入口112に再循環される。光学素子140は、MRFホィール116に対して、例えばラスタ・スキャンで、円形、又は他のパターンで移動し、光学素子140の表面を研磨する。
【0023】
[0036]MRFシステムもまた、I/Oインタフェース124を含み、I/Oインタフェース124は、ユーザに、MRFツールをプログラムさせ、他のシステム要素と共に相互作用させる。MRFシステムは、プロセッサ120を有し、プロセッサ120は、滞留時間と他のシステムパラメータに関する計算を実施する為に使用される。コンピュータ読み込み可能な媒体122(データベース又はメモリともいう。)は、プロセッサ120に結合され、そのプロセッサや他のシステム要素に使用されるデータを保存する。プロセッサ120は、計量システム130と相互作用し、これが、光学素子の表面構造と、その光学素子の内側の内部の不均質性についてのデータを与える。通常、計量システム130は、干渉計を含み、これが、光学素子の為に空間的に分解された位相情報を与える。プロセッサ120、メモリ122、I/Oインタフェース124を使用して、ユーザは、光学素子上に所定の形状を形成する為に、光学素子の為に滞留時間とシステムパラメータとを計算することができる。コントローラ160は、MRFツール110と相互作用し、決定的な研磨処理を達成する。
【0024】
[0037]プロセッサ120は、カリフォルニア州サンタクララのインテル社により製造されるペンティアムプロセッサのように、インストラクションとデータを実行するように構成された汎用マイクロプロセッサでもよい。また、それは、ソフトウェア、ファームウェア及び/又はハードウェアにおいて、本発明に従う方法を実施する為の少なくとも一部のインストラクションで具体化する特定用途向け集積回路(ASIC)でもよい。一例として、そのようなプロセッサは、専用回路、ASIC、結合論理、他のプログラム可能なプロセッサ、これらの組合せ等を含む。
【0025】
[0038]メモリ122は、特定用途に適切なものとして流通されたもの或いはローカルなものでもよい。メモリ512は、多数のメモリを含んでもよく、プログラム実行中にインストラクション及びデータを保存する為の主ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、固定されたインストラクションが保存されるリード・オンリィ・メモリ(ROM)を含む。このように、メモリ512は、プログラム及びデータファイルの為に持続的な(不揮発性の)記憶装置を提供し、付随する取り外し可能な媒体と共にハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、フロッピィディスクドライブ、コンパクト・ディスク・リード・オンリィ・メモリ(CD−ROM)ドライブ、光ドライブ、取り外し可能なメディア・カートリッジ、他の記憶媒体を含んでもよい。
【0026】
[0039]図2Aは、本発明の一実施形態に従うMRFツールに使用される要素を例示する簡単な概略図である。光学マウント210は、幾つかの実施形態で利用されるが、MRF研磨処理中、光学素子214を受ける大きさになっており、安全に光学素子214を支える。光学マウント210は、外部基準212を有してもよく、外部基準212は、光学マウント210内の表面上に決められた方法で与えられるか、光学素子210に埋め込まれる。一実施形態において、図2Aに例示されたような基準212は、光学マウントに組み込まれる十字線形式で与えられる。他の実施形態では、特定実施に適するように、他の形式の基準が利用される。他の実施形態では、基準は、円形またはMRFツールに光学素子210を整列させることを容易にするのに適した他の基準である。MRFシステムの他の要素は、基準マスク220を含むことができ、基準マスク220は、複数の細いワイヤ222を含み、このワイヤ222は、基準マスクの中央部分でグリッドを形成する。直交する特徴を備えたグリッドが図2Aに例示されているが、これは本発明に必要ではなく、本発明の範囲内には他の配列も含まれる。
【0027】
[0040] 光学素子214が光学マウント210内に取り付けられ基準マスク220が光学マウント210上に配置されるとき、光学素子は、光学マウントと基準マスクに対し正確に登録される。図4に関連してより十分に説明されるように、本願明細書に説明される方法及びシステムは、MRF研磨処理を実施する際、この正確な登録を利用する。
【0028】
[0041]図2Bは、本発明の一実施形態に従う基準マスクを備えた光学マウント内に取り付けられた光学素子の簡単な概略図である。図2Bで示されるように、光学素子は、所定のジオメトリで、光学マウント210及び基準マスク220に関して位置決めされている。本願明細書を通じて十分に説明されているように、光学素子と取付け基準との間の正確な登録は、MRF処理を使用して光学素子の正確な位置決めを可能にする。このように、本発明の実施形態は、光学素子の部分と重なる運動基準マスク又は光学素子に対して外部に運動基準マスクを含む光学素子マウントを考慮する。外部基準は、図2Aに外部基準212で例示されているように、光学素子マウントの部品として含まれてもよい。
【0029】
[0042]図3は、本発明の一実施形態に従うMRF登録システムの要素を例示する簡略図である。図3で例示されるように、本発明の実施形態は、MRFツールに組み込まれた変形カメラシステムアセンブリを利用し、これは、複数次元及び回転での並進を可能にし、概略ミクロンでステージの位置決めを与える。一実施形態において、ステージ位置決めは、10μm未満まで正確である。他の実施形態において、ステージの位置決めは、5μm未満まで(例えば、2μm−5μm)正確である。
【0030】
[0043]このシステムは、ハウジング310に取り付けられる顕微鏡の対物レンズ(図示せず)を含む。顕微鏡の対物レンズは、ズームレンズまたは他の適当な光学レンズでもよい。顕微鏡の対物レンズを通過する光は、一実施形態において電荷結合デバイス(CCD)カメラであるデジタルセンサ312に集められる。他の適した画像デバイスは、特定の用途に適するように利用可能である。デジタルセンサ312からの信号は、コネクタケーブル314を通り、適した制御エレクトロニクスに経由される。
【0031】
[0044]また、システムは、位置ゲージ320を含み、位置ゲージ320は、位置に移動されるときに光学素子の位置を測定する為に使用される。図3で例示された実施形態において、位置ゲージ320は、光学素子との接触によって起動される先端部を含み、これが、光学素子面上の位置に関する正確な情報をシステムに与える。MRFホィール340は、ノズル334からMR流体を受け、ノズル334は、供給ライン300と流体連通しており、供給ライン300は、ポンプシステム(図示せず)から送り込まれるMR流体と流体連通している。ノズル334は、ノズルをMRFホィールに隣接して位置決めする為に、ステージ332上に位置決めされ、1つ以上の方向で移動するように動作可能である。
【0032】
[0045]整列手順中、光学素子は、整列ピン350に関連付けられた位置において、デジタルセンサ312とハウジング310の上方に位置決めされる。仕上げ処理/研磨動作中、光学素子は、MRFホィール340の上方に位置決めされる。本発明の実施形態を利用すると、MRFホィール340は、空間範囲で約50μmから約30mmの範囲の除去機能を与えるように動作可能である。特定の実施形態において、除去機能は、空間範囲で、約200μm未満である。デジタルセンサ312を含むカメラシステムは、約1μmから約100μmの範囲の解像度を与える。特定実施形態において、解像度は、約20μm未満である。
【0033】
[0046]本発明の実施形態は、MRF機でカメラシステムを利用し、いったん、図2Bで例示された構造がMRFツール110内に配置されると、基準マスク220やインターフェロメトリ又は計量システム内の基準212のような他の適した基準から利点を得る。カメラシステムは、操作者に、MRFツールの高レベル精度で基準を認識させる。カメラシステムは、顕微鏡の対物レンズを含み、対物レンズは、このシステム内で使用される基準の高精度画像を可能にする。一例として、本願明細書に説明されたカメラシステムを使用すると、本発明者らは、40μmの特徴部を映すことができ、それに従って、光学素子を整列させることができた。
【0034】
[0047]代替えの実施形態において、ズームレンズが利用され、これにより、画像システム要素を光学素子から更に遠くへ移動させ、画像システムの視野を拡大することができる。このズームレンズを使用すると、操作者は、大雑把な整列を捕捉した後に、基準の詳細を捕捉する為にズームインするので、結果として、高精度の整列を実現する。
【0035】
[0048]図4は、本発明の一実施形態に従う光学素子を仕上げ処理する方法を例示する簡単なフローチャートである。この方法400は、基準を伴うマウントに光学素子を設定するステップを含む(ステップ410)。このステップの一例は、図2Bに示されている。光学素子を含むマウントは、図3に関連して説明された高倍率カメラシステムを使用してMRFシステム内に位置決めされる。マウントの位置決めステップには、MRFツールに対して基準位置とマウントの原点とを配置する工程を含めることができる。
【0036】
[0049]図5は、本発明の一実施形態に従う光学マウントの簡略図である。図5を参照すると、光学マウントの一例は、マウントの左上の隅に定められた原点を含み、幅、長さをもって与えられている。2つの基準位置(基準1、基準2)が、それぞれ、座標(x1、y1)、(x2、y2)で例示されている。原点位置、軸座標系、基準は、高倍率カメラシステムを使用してMRFシステムに関して確立可能である。
【0037】
[0050]マウント/光学素子は、高解像度カメラシステムを使用してMRFツールに位置決めされる(ステップ412)。通常、MRFツールは、x、y、z、回転、傾斜運動を含む幾つかの自由度を有する。このように、基準が付けられたマウントは、図3に例示されるようにカメラシステムを使用してMRFツールと整列可能であり、整列処理中、基準はツールにより臨検可能になる。
【0038】
[0051]MRFツールの為の基準位置と光学素子の数学的表示は、MRFと光学素子座標系を関連付ける為に開発されてきた。また、このステップは、数学的基準とシステム次元を発生させるものとして参考にすることができる(ステップ414)。このステップを使用して、光学素子とMRF座標系は、数学的モデルにおいて関連付けられる。数学的基準は、それから、MRFツールと光学座標系に登録される(ステップ416)。
【0039】
[0052]基準を伴い光学素子の第1計量マップが取得される(ステップ418)。一実施形態において、基準は、物理的に光学素子から分離されている(例えば、図2Aに例示されたような基準マスク220や光学マウント210上の基準212)。以下、より詳細に説明されるように、基準を備えた第1計量マップは、様々な物理的特徴(例えば、研磨される光学素子表面上あるいは内側に存在する不均質性)に対する基準(例えば、基準マスク上の十字線)の位置を参照する為に使用される。図7Aにより例示されているように、第1計量マップの一例は、所定の場所に基準マップを示すインターフェログラムである。図7Aを参照すると、光学素子と重なる2つの位置でワイヤ222が十字線を形成している。光学素子の表面プロファイルにおけるバリエーション及び/又は内部バリエーションが、図7Aに色違いで例示されている。
【0040】
[0053]方法400は、また、基準を伴わずに光学素子の第2計量マップを取得するステップを含む(ステップ420)。第2計量マップは、単に光学素子に関する情報を含むだけであるが、その光学素子の表面又は内側に存在する如何なる不均質性に関する情報をも含む。一実施形態において、第2計量マップは、位相マップ、例えば、図7Bで例示されているように測定される特定光学素子に対する透過波面のインターフェログラムである。第2計量マップは、光学素子(Si及びS2)の両面からの寄与度と、この光学素子内に存在する内部の不均質性(ときどき、バルク不均質性という。)を含む。チタン:サファイヤでは、これらのバルク不均質性(すなわち、屈折率におけるバリエーション)は、光条、スクラッチ、結晶粒界、拡散接合界面などを含み得る。本発明の実施形態は、許容できない不均質性を有する光学部品を、高出力及び他用途に適した光学部品に処理されることを可能にする。このように、光学部品に対する歩留まりは、在来技術と比べると、著しく高められる。
【0041】
[0054] 幾つかの実施形態において、第2計量マップを取得する為に、光学マウントが計量ツールから除去され、基準マスクが除去される。この場合、第2計量マップが取得されると、第1計量マップと第2計量マップとの間で計量機の登録誤差がある場合がある。換言すると、第1及び第2インターフェログラムは、互いに登録されない場合がある。本発明の実施形態は、整列用ソフトウェアを利用し、互いに2つの計量マップを比較し、これらの間の誤差を最小限にし、第2計量マップから効率良く基準が送られるように効率良く2つの計量マップを整列させる。
【0042】
[0055]この方法400は、第1計量マップと第2計量マップとの間の差異マップを形成するステップを更に含む(ステップ422)。一実施形態において、MRFシステム用に開発されたソフトウェアは、差異マップを形成する為に利用される。図7Cを参照すると、最適化されない差異インターフェログラムが、差異マップの一例として例示されている。図7Cで例示されるように、基準は、インターフェログラムと、水平線に対し約45度の角度に向けられた線状の振れ幅が存在する。この線状の振れ幅の発端は、計量処理から生じる分裂原因(wedge)又は先端/傾斜誤差による。この分裂原因は、以下に説明されるように除去される。
【0043】
[0056]第1計量マップ及び第2計量マップが整列される(ステップ424)。幾つかの実施形態では、アフィン変換が使用され、第1計量マップと第2計量マップとが整列され(ステップ424)。このステップは、2つの計量マップ間の基準位置を関連付ける。図7Dは、振れ幅を最小限にする為にアフィン変換を使用して三次元(x、y、x)で最適化される光学素子の差異インターフェログラムを例示する。図7Dに示されるように、図7Cに存在する分裂原因が除去されている。
【0044】
[0057] 幾つかの実施形態において、誤差の最小化はステップ424の一部として使用され、基準の有限次元を補償する。一例として、図2Aで例示された基準マスク220内で使用されたワイヤは、有限の幅(例えば、約25μm〜約500μmの範囲の幅)を有する。一例として、誤差の最小化は、全長に沿ったワイヤの幅を認識し、操作者がかなりの距離の直線を引くことを許容する。幅は、線の中心を定め、交差する線の中心で基準位置を確立する為に平均化されるが、これは、線幅により覆われる位置の範囲より正確である。
【0045】
[0058] また、誤差の最小化は、基準を含む計量マップ内の誤差を生じる基準からの回折を補償する為に使用可能である。一例として、基準として使用されるワイヤ周りの回折は、基準を備えた計量マップ内の、単にワイヤからのデータではなく、ワイヤにより回折される光からのデータを生じる。このように、ワイヤの存在は、単にワイヤの画像を生じさせるだけではなく、ワイヤの画像に隣接する幾つかの画素に対し、そのワイヤの縁周りで回折されてきた光を生じさせる。この回析された光が、ワイヤの縁の測定を汚染する。
【0046】
[0059] 数学的基準は、第2計量マップ上に配置され、第3計量マップを形成する(ステップ426)。数学的基準は、一実施形態において、ステップ422で形成される差異マップを使用して第2計量マップ上に配置される。図7Eを参照すると、第2計量マップ上の数学的基準の1つの配置が例示されている。当業者にとって明らかであるように、複数の数学的基準は、第2計量マップ上に配置可能である。幾つかの実施形態において、数学的基準の配置は、サブピクセル(画素未満)の精度で実施可能である。第3計量マップ(基準を伴わず数学的基準が追加された計量マップ)は、これで、研磨される光学素子とMRF座標系に関連付けられるので、光学素子を研磨する為にMRFシステムが使用可能である。第3計量マップの一例が図7Fに例示されているが、これは、基準を伴わずに数学的基準を加えたインターフェログラムである。本願明細書で説明された処理の成果は、光学素子座標系をMRFシステム及びインターフェロメトリ座標系に関連付け、正確に整列させることである。図5及び図7Fを参照すると、基準1はインターフェログラムの左側にある数学的基準と整列され、基準2は、インターフェログラムの右側にある数学的基準と整列されている。このように、図5は、MRFシステムと光学素子座標系の関連性を例示し、図7Fは、計量(インターフェロメトリ)システムと光学素子座標系の関連性を例示している。
【0047】
[0060]光学素子を含むマウントの原点は、高解像度カメラシステムを使用して置かれる(ステップ428)。光学素子を含むマウントはMRFツールに配置されて、基準マスクは除去され(ステップ430)、光学素子は研磨される(ステップ432)。
【0048】
[0061]そのため、本願明細書に説明された方法とシステムを使用すると、MRFツールは、光学素子及び対応する不均質性の計量マップに対して除去機能を正確に登録することができる。いったん、MRFツールが、このような方法で光学素子に対して登録されると、光学素子は、光学素子の表面上の所定特徴を形成するように研磨される。
【0049】
[0062]図4に例示された特定ステップは、本発明の一実施形態に従って光学素子を研磨する特定の方法を提供することが分かる。他の順序のステップも同様に、代替え実施形態に従って実施されてもよい。たとえば、本発明の代替え実施形態は、異なる順序で前述されたステップを実施してもよい。さらに、図4で例示された個々のステップは、個々のステップに対して適切なものとして様々な順序で実施される場合がある複数のサブステップを含んでもよい。さらに、追加のステップが、特定用途に従って追加又は除去されてもよい。当業者は、数多くのバリエーション、変形、代替えを認識するであろう。
【0050】
[0063] 概して、基準を備えた光学素子の第1計量マップは、数学的構成として、基準を(基準からの寄与が無い)第2計量マップに送る。このように、第2計量マップにおいて、数学的基準は、計量マップ内の不均質性を数学基準に対して登録する為に挿入される。その後、基準は、目印を定める為に使用可能であり、これらの目印がMRFツールに対し整列される。このように、MRFツールは、目印に整列し、これらの目印が、数学的基準に登録され、これらの数学基準が、光学素子内の不均質性に登録される。このように、MRFツールは、光学素子に存在する不均質性を決定的に研磨することができる。その上、望まれる場合には、光学素子に不均質性を導入することができる。
【0051】
[0064]図7A〜7Fに例示されるように、本発明の実施形態ではインターフェログラムが計量マップとして利用されている。これらのインターフェログラムは二次元配列になっており、入力は、特定要素の配列に関連付けられた位相の高さと位置に関連付けられている。本発明の実施形態を利用すると、光学素子を研磨する為に使用されるインターフェログラムにおける位相情報は、単に、光学素子のバルク内および表面上の不均質性に関連付けられる(例えば図7F)。このように、インターフェログラムは、基準に関連する位相情報で汚染されず、基準の為の登録情報を含む。
【0052】
[0065]光学素子上の物理的基準による技術において、作成される計量マップは、光学部品のバルク及び表面に関連した位相情報を有するばかりか、基準に関連した位相情報を有する。そのため、基準は、計量マップを「汚染する」。そのような計量マップが光学部品を研磨する為に使用されたならば、MRFツールは、この汚染を補正しようとし、不成功な成果に終わる。本発明の実施形態に従い、研磨素子を研磨する為に使用される計量マップ(すなわち、第2計量マップに基づく計量マップ)は、基準から生じる汚染が無い。
【0053】
[0066]図6は、本発明の一実施形態に従う波面の歪みを補正する為のシステムの簡単な例示である。図6において、平坦な(すなわち、均一な)波面を有するレーザが、右へと伝播している。見本の利得媒質(例えば、チタン:サファイヤ結晶)は、完全に平坦な正面及び後面を有するが、位置の関数として不均質率プロファイルは、利得媒質を通過する湾曲した線により例示された。現実の用途において、表面は、完全に平坦ではないので、位置の関数として、不均質率のバリエーションを与える。このように、本発明の実施形態は、組み合わされた方法で、内部バリエーションと、正面及び後面でのバリエーションを検討し、位置の関数として、全てのバリエーションを単一位相バリエーション測定に一まとめにする。利得媒質が図6に例示されているが、本発明の実施形態は、利得媒質だけに限定されるものではなく、例えば、位相板、レンズなどの受動的な他の光学素子に適用可能である。
【0054】
[0067] 利得媒質を通る伝播から生じる位相バリエーションのため、レーザ波面が歪められる。歪められたレーザ光線の集束により、非回折限界性能が生じる。その上、歪められたレーザ光線の増幅は、波面の非均一性の更なる増加になり得る。歪められたレーザ光線から歪みを除去する為に、位相板が光路に挿入され、波面のバリエーションを補償する。レーザ光線は、位相板を通過後、初期の平坦な波面により、再び特徴付けられる。
【0055】
[0068]位相板は、利得媒質に伴う位相バリエーションを補償する為に、利得媒質の片面又は両面を仕上げ処理することにより、利得媒質と統合可能である。一実施形態において、利得媒質の第1面、第2面が「なめらか」な仕上げに研磨される。計量は、利得媒質の全体の位相バリエーションを位置の関数として特徴付ける為に使用されている。全体的な位相バリエーションは、内部の不均質性と、表面プロファイルにおける不完全性から生じる。それから、表面のうちの1つは、本願明細書で説明されたMRFシステムを使用して研磨され、全体の位相バリエーションを補償する。このように、平坦な波面は、MRF仕上げ処理済み利得媒質を通して伝播された後、生成される。
【0056】
[0069]図8A及び図8Bは、本発明の一実施形態に従う長波長のMRF処理前後の光学素子の位相プロファイルである。図8Aに例示されるように、MRF研磨前に、RMS値の誤差は0.030μmであり、山から谷までの間隔が0.179μmであり、これは、1064nmにおける〜λ/6に相当する。図8Bに例示されるようにMRF研磨後に、RMS値の誤差は0.008μmであり、山から谷までの間隔が0.091μmであり、これは、1064nmにおける〜λ/11.5に相当する。このように、約2桁の透過波面の改善が、長波長バリエーションに対し達成された。図8A及び図8Bに例示された位相プロファイルが透過波面に対するものであることが理解される筈である。その結果、これらの位相プロファイルは、数字に対する補償(Si,S2)と光学部品に対する均質性(すなわち、バルク性)を表す。
【0057】
[0070]図9A及び図9Bは、本発明の一実施形態に従う短波長MRF処理前後の光学素子の位相プロファイルである。図9Aで例示されているように、短波長バリエーションを補正するMRF処理前に、RMS値の誤差は0.008μmであり、山から谷までの間隔が0.091μmであり、これは、1064nmにおける〜λ/11.5に相当する。図9Bは、短波長バリエーションを除去する為に本願明細書で説明されたシステムを使用するMRF研磨後の位相プロファイルを例示する。RMS値の誤差は、0.009μmであり、これは、初期RMS値の誤差に匹敵するが、山から谷までの間隔は、0.047μmまで減少され、これは、1064nmにおける〜λ/22.3に相当する。このように、透過波面における改良は、初期段階に匹敵する約4桁と、長波長研磨後に匹敵する2桁である。
【0058】
[0071]図10は、本発明の他の実施形態に従う光学素子を研磨する方法を例示する簡単なフローチャートである。図10に例示されたステップは、図4に例示されたステップと幾つかの共通点を共有する。図10に関連して検討された実施形態は、光学素子(重複せず)から物理的に分離されている基準を使用し、光学素子に登録される数学的ポイントを与える数学的基準を生成させる。この方法1000は、外部基準を伴うマウントに光学素子を配置するステップ(ステップ1010)を含む。外部基準は、これらがMRFシステム内に配置されるときに見えるように位置決めされる。そのようなマウントの例は、図2Aに例示されている。外部基準を伴うマウントと、その中に取り付けられる光学素子とが、図3に関連して説明された高倍率カメラシステムを使用してMRFシステム内に位置決めされる。マウントの位置決めステップには、MRFツールに対して基準位置とマウントの原点とを配置する工程を含めることができる。
【0059】
[0072]図11は、本発明の一実施形態に従う外部基準を伴う光学マウントの簡略図である。図11を参照すると、光学マウントの一例は、光学素子を受ける領域の左上隅に定められた原点を含んで提供され、幅と長さを有する。2つの基準位置(基準3,基準4)は、それぞれ、座標(x3,y3)、(x4,y4)で例示されている。原点位置、軸座標系、基準は、高倍率かめるシステムを使用して、MRFシステムに対して確立可能である。
【0060】
[0073]マウント/光学素子は、高解像度カメラシステムを使用して、MRFツール内に位置決めされる(ステップ1012)。通常、MRFツールは、x、y、z、回転、傾斜運動を含む幾つかの自由度を有する。このように、外部基準を伴う光学マウントは、図3に例示されたカメラシステムを使用して、MRFツールに整列可能であり、基準は、整列処理中、ツールにより臨検可能になる。
【0061】
[0074]MRFツールの為の基準位置と光学素子の数学的表示は、MRFと光学素子座標系を関連付ける為に開発されている。また、このステップは、数学的基準とシステム次元を発生するステップと呼ぶことも可能である(ステップ1014)。このステップを使用すると、光学素子とMRF座標系は、数学的モデルにおいて関連付けられる。その後、数学的基準は、MRFツールと光学座標システムに登録される(ステップ1016)。
【0062】
[0075]視野において、外部基準を伴うマウント内に取り付けられた光学素子の第1計量マップが取得される(ステップ418)。外部基準は、第1計量マップが取得されるときには視野内にある。以下、より十分に説明されるように、外部基準を伴う第1計量マップは、様々な物理的特徴(例えば、研磨される光学素子の表面又は内側に存在する不均質性)に対して外部基準212の位置にリファレンスを付ける為に使用される。図12Aにより例示されているように、外部基準を含む第1計量マップの一例は、外部基準と光学素子を示すインターフェログラムである。図7Aを参照すると、光学素子と重ならないが光学素子の側部に対してと2つの位置で十字線が見える。光学素子の表面プロファイルにおけるバリエーション及び/又は内部バリエーションは、図12Aに色違いで例示されている。
【0063】
[0076]また、この方法1000は、視野の外側に外部基準を伴い光学素子の第2計量マップを取得するステップを含む。第2計量マップは、単に光学素子に関する情報を含むだけであるが、その光学素子の表面又は内側に存在する如何なる不均質性に関する情報をも含む。一実施形態において、第2計量マップは、位相マップ、例えば、図12Bに例示されているように測定された特定光学素子に対する透過波面のインターフェログラムである。視野は、第2計量マップの補正中、外部基準を排除するように選択される。
【0064】
[0077]この方法1000は、第1計量マップ及び第2計量マップに対する差異マップを形成するステップを更に含む(ステップ1022)。一実施形態において、MRFシステムの為に開発されたソフトウェアは、この差異マップを形成する為に利用される。図12Cを参照すると、最適化されない差異インターフェログラムは、この差異マップの一例として例示されている。図12Cに例示されているように、外部基準は、インターフェログラムに存在しないが、水平線に対して約45度の角度で向けられた直線状バリエーションは存在する。図7Cで例示されたインターフェログラムに類似した方法において、この直線状のバリエーションの原因は、計量処理から生じる分裂原因又は先端/傾斜誤差の為である。
【0065】
[0078]第1計量マップ及び第2計量マップが整列される(ステップ1024)。幾つかの実施形態において、第1計量マップと第2計量マップとを整列させる為にアフィン変換が使用されている。このステップは、2つの計量マップ間の基準位置を関連付ける。図12Dは、バリエーションを最小にする為にアフィン変換を使用して三次元(x、y、z)で最適化された光学素子の差異インターフェログラムを例示する。
【0066】
[0079] 数学的基準が第2計量マップ上に配置され、第3計量マップを形成する(ステップ1026)。数学的基準は、一実施形態において、ステップ1022で形成される差異マップを使用して第2計量マップ上に配置される。図12Eを参照すると、第2計量マップ上の数学的基準の一つの配置が例示されている。当該技術で明らかであるように、複数の数学的基準は第2計量マップ上に配置可能である。幾つかの実施形態において、数学的基準の配置は、サブピクセル(画素未満)の精度で実施可能である。第3計量マップ(視野の外側に外部基準を伴い数学的基準が追加された計量マップ)は、これで、研磨される光学素子とMRF座標系に関連付けられるので、MRFシステムが光学素子を研磨する為に使用可能である。第3計量マップの一例は、図12Fに例示されているが、これは、外部基準を伴わず数学基準が加えられたインターフェログラムである。本願明細書で説明された処理の成果は、光学素子座標系をMRFシステム及びインターフェロメトリ座標系に関連付け、高精度に整列させることである。図11及び図12Fを参照すると、基準3は、インターフェログラムの左の方で数学的基準に整列され、基準4は、インターフェログラムの右の方で数学的基準に整列されている。このように、図11はMRFシステムと光学素子座標系の関連性を例示し、図12Fは計量(インターフェロメトリ)システムと光学素子座標系の関連性を例示する。
【0067】
[0080]光学素子を含むマウントの原点は、高解像度カメラシステムを使用して置かれる。光学的素子を含むマウントがMRFツール上に配置され、光学素子が研磨される(ステップ1030)。
【0068】
[0081]このように、本願明細書に説明された方法及びシステムを使用すると、MRFツールは、除去機能を光学素子の計量マップ及び対応する不均質性に正確に登録することができる。いったんMRFツールが、このように光学素子に登録されると、光学素子は、光学素子の表面上に所定の特徴部を形成するように研磨される。
【0069】
[0082]図10に例示された特定ステップは、本発明の一実施形態に従う光学素子を研磨する特定方法を提供することが分かる。また、ステップの他の順は、他の実施形態に従って実施されてもよい。たとえば、本発明の代替え実施形態は、異なる順序で前述されたステップを実施してもよい。その上、図10に例示された個々のステップは、個々のステップに対して適したものとして様々な順で実施可能な複数のサブステップを含んでもよい。さらに、追加ステップが、特定用途に従って付加又は除去されてもよい。当業者は、多くの変更例、変形例、代替え例を認識するであろう。
【0070】
[0083]光学素子の幾つかのジオメトリ、例えば矩形光学素子に適用可能な代替え実施形態において、光学素子の縁は、目印として使用される。これらの実施形態において、図4及び図10に関連して検討された方法の変形例が、目印として光学素子の縁を使用する為に提供されている。一例として、光学素子の隅は、原点として定められ、MRFツールに整列され、それに従って研磨されることが可能である。
【0071】
[0084]また、本願明細書で説明された実施例及び実施形態は、例示が目的にすぎず、様々な変形例、変更例が、これらの観点から、当業者に提案され、本願の精神及び範囲及び添付された特許請求の範囲に含まれるべきであることが理解される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(独立)
光学素子を仕上げ処理する方法において:
前記光学素子と重なる複数の基準を有する光学マウントに前記光学素子を取り付けるステップと;
前記光学素子と前記複数の基準に対し第1計量マップを取得するステップと;
複数の基準を伴わずに前記光学素子に対し第2計量マップを取得するステップと;
前記第1計量マップと前記第2計量マップとの間の差異マップを形成するステップと;
前記第1計量マップと前記第2計量マップを整列させるステップと;
前記差異マップを使用して前記第2計量マップ上に数学的基準を置き、第3計量マップを形成するステップと;
前記第3計量マップを前記光学素子に関連付けるステップと;
前記光学素子をMRFツール内の取付け具に取り付けるステップと;
前記取付け具に前記光学素子を位置決めするステップと;
前記複数の基準を除去するステップと;
前記光学素子を仕上げ処理するステップと;
を備える、方法。
【請求項2】
(従属)
前記複数の基準は、ワイヤグリッドを有し、前記ワイヤグリッドは、前記光学素子の表面に実質的に平行に向けられている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(従属)
前記第1計量マップは、前記基準に関連した加工品を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
(従属)
前記光学素子が、チタン:サファイヤまたはサファイヤ結晶のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
(従属)
前記MRFツールが:
空間範囲で200μm未満の除去機能を与えるように動作可能なホィールと;
20μm未満の空間解像度を持つカメラシステムと;
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
(独立)
光学素子を研磨する為のMRFシステムにおいて:
プロセッサと;
前記プロセッサに結合されたMRFツールであって、前記MRFツールが:
所定の除去機能を与えるように動作可能なホィールと;
前記光学素子と複数の基準とを受けるように動作可能な光学マウントと;
前記プロセッサに結合され、MRFツールを制御して前記光学素子を研磨する為に複数のインストラクションを保存するコンピュータ読み取り可能媒体であって、前記複数のインストラクションは:
前記データプロセッサに、前記光学素子及び前記複数の基準の為に第1計量マップを取得させるインストラクションと;
前記データプロセッサに、前記複数の基準を伴わずに前記光学素子の為に第2計量マップを取得させるインストラクションと;
前記データプロセッサに、前記第1計量マップと前記第2計量マップとの間の差異マップを形成させるインストラクションと;
前記データプロセッサに、前記第1計量マップと前記第2計量マップとを整列させるインストラクションと;
前記データプロセッサに、前記差異マップを使用して前記第2計量マップ上に数学的基準を配置し、第3計量マップを形成させるインストラクション;
前記データプロセッサに、前記第3計量マップを前記光学素子に関連付けさせるインストラクションと;
前記データプロセッサに、前記MRFツールを制御させ、前記光学素子を仕上げ処理させるインストラクションと;
を備える、MRFシステム。
【請求項7】
(従属)
前記複数の基準がワイヤグリッドを備え、前記ワイヤグリッドは、前記光学素子の表面に対して実質的に平行に向けられている、請求項6に記載のMRFシステム。
【請求項8】
(従属)
前記第1計量マップは、前記基準に関連した加工品を含む、請求項6に記載のMRFシステム。
【請求項9】
(従属)
前記光学素子は、チタン:サファイヤまたはサファイヤ結晶のうちの少なくとも1つを備える、請求項6に記載のMRFシステム。
【請求項10】
(従属)
前記MRFツールが:
空間範囲で200μm未満の除去機能を与えるように動作可能なホィールと;
20μm未満の空間解像度を持つカメラシステムと;
を備える、請求項6に記載のMRFシステム。
【請求項11】
(独立)
光学素子を研磨する為の方法において:
前記光学素子を受けるように動作可能な領域と、前記領域に隣接して位置決めされた複数の基準とを有する光学マウントに前記光学素子を取り付けるステップと;
前記光学素子と前記複数の基準を含む第1計量マップを取得するステップと;
前記光学素子を含み、前記複数の基準を持たない第2計量マップを取得するステップと;
前記第1計量マップ及び前記第2計量マップに基づき、差異計量マップを形成するステップと;
前記第1計量マップと前記第2計量マップに整列させるステップと;
前記第2計量マップに数学的基準を追加し、第3計量マップを形成するステップと;
MRFツールに前記光学マウントを位置決めするステップと;
前記第3計量マップを使用して前記MRFツールに前記光学マウントを登録するステップと;
前記光学素子を研磨するステップと;
を備える、方法。
【請求項12】
(従属)
前記複数の基準は、前記光学素子の表面に対して実質的に平行な面に配置された複数のパターンを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
(従属)
前記光学素子が、チタン:サファイヤまたはサファイヤ結晶のうちの少なくとも1つを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
(従属)
前記MRFツールが:
空間範囲で200μm未満の除去機能を与えるように動作可能なホィールと;
20μm未満の空間解像度を持つカメラシステムと;
を備える、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
(独立)
光学素子を研磨する為のMRFシステムにおいて:
プロセッサと;
光学画像システムと;
前記プロセッサに結合されたMRFツールと;
を備え、前記MRFツールは:
所定の除去機能を与えるように動作可能なホィールと;
前記光学素子を受けるように動作可能であり、複数の外部基準を含む、光学マウントと;
前記プロセッサに結合され、前記MRFツールを制御し前記光学素子を研磨する為に複数のインストラクションを保存するコンピュータ読み取り可能媒体と;
を備え、前記複数のインストラクションは:
前記データプロセッサに、前記光学素子を光学マウントに取り付けさせるインストラクションであって、前記光学マウントは、前記光学素子を受けるように動作可能な領域と、前記領域に隣接して位置決めされた複数の基準とを有する、前記インストラクションと;
前記データプロセッサに、前記光学素子及び前記複数の基準を含む第1計量マップを取得させるインストラクションと;
前記データプロセッサに、前記光学素子を含み前記複数の基準を持たない第2計量マップを取得させるインストラクションと;
前記データプロセッサに、前記第1計量マップ及び前記第2計量マップに基づき差異計量マップを形成させるインストラクションと;
前記データプロセッサに、前記第1計量マップを前記第2計量マップに整列させるインストラクションと;
前記データプロセッサに、数学的基準を前記第2計量マップに追加させ、第3計量マップを形成させるインストラクションと;
前記データプロセッサに前記MRFツールを制御させ、前記光学素子を研磨させるインストラクションと;
を備える、MRFシステム。
【請求項16】
(従属)
前記複数の基準は、前記光学素子の表面に対して実質的に平行な面に配置された複数のパターンを備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
(従属)
前記光学素子が、チタン:サファイヤまたはサファイヤ結晶のうちの少なくとも1つを備える、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
(従属)
前記所定の除去機能が、空間範囲で200μm未満であり、前記光学画像システムが20μm未満の空間解像度により特徴付けられる、請求項15に記載の方法。
【請求項1】
(独立)
光学素子を仕上げ処理する方法において:
前記光学素子と重なる複数の基準を有する光学マウントに前記光学素子を取り付けるステップと;
前記光学素子と前記複数の基準に対し第1計量マップを取得するステップと;
複数の基準を伴わずに前記光学素子に対し第2計量マップを取得するステップと;
前記第1計量マップと前記第2計量マップとの間の差異マップを形成するステップと;
前記第1計量マップと前記第2計量マップを整列させるステップと;
前記差異マップを使用して前記第2計量マップ上に数学的基準を置き、第3計量マップを形成するステップと;
前記第3計量マップを前記光学素子に関連付けるステップと;
前記光学素子をMRFツール内の取付け具に取り付けるステップと;
前記取付け具に前記光学素子を位置決めするステップと;
前記複数の基準を除去するステップと;
前記光学素子を仕上げ処理するステップと;
を備える、方法。
【請求項2】
(従属)
前記複数の基準は、ワイヤグリッドを有し、前記ワイヤグリッドは、前記光学素子の表面に実質的に平行に向けられている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(従属)
前記第1計量マップは、前記基準に関連した加工品を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
(従属)
前記光学素子が、チタン:サファイヤまたはサファイヤ結晶のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
(従属)
前記MRFツールが:
空間範囲で200μm未満の除去機能を与えるように動作可能なホィールと;
20μm未満の空間解像度を持つカメラシステムと;
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
(独立)
光学素子を研磨する為のMRFシステムにおいて:
プロセッサと;
前記プロセッサに結合されたMRFツールであって、前記MRFツールが:
所定の除去機能を与えるように動作可能なホィールと;
前記光学素子と複数の基準とを受けるように動作可能な光学マウントと;
前記プロセッサに結合され、MRFツールを制御して前記光学素子を研磨する為に複数のインストラクションを保存するコンピュータ読み取り可能媒体であって、前記複数のインストラクションは:
前記データプロセッサに、前記光学素子及び前記複数の基準の為に第1計量マップを取得させるインストラクションと;
前記データプロセッサに、前記複数の基準を伴わずに前記光学素子の為に第2計量マップを取得させるインストラクションと;
前記データプロセッサに、前記第1計量マップと前記第2計量マップとの間の差異マップを形成させるインストラクションと;
前記データプロセッサに、前記第1計量マップと前記第2計量マップとを整列させるインストラクションと;
前記データプロセッサに、前記差異マップを使用して前記第2計量マップ上に数学的基準を配置し、第3計量マップを形成させるインストラクション;
前記データプロセッサに、前記第3計量マップを前記光学素子に関連付けさせるインストラクションと;
前記データプロセッサに、前記MRFツールを制御させ、前記光学素子を仕上げ処理させるインストラクションと;
を備える、MRFシステム。
【請求項7】
(従属)
前記複数の基準がワイヤグリッドを備え、前記ワイヤグリッドは、前記光学素子の表面に対して実質的に平行に向けられている、請求項6に記載のMRFシステム。
【請求項8】
(従属)
前記第1計量マップは、前記基準に関連した加工品を含む、請求項6に記載のMRFシステム。
【請求項9】
(従属)
前記光学素子は、チタン:サファイヤまたはサファイヤ結晶のうちの少なくとも1つを備える、請求項6に記載のMRFシステム。
【請求項10】
(従属)
前記MRFツールが:
空間範囲で200μm未満の除去機能を与えるように動作可能なホィールと;
20μm未満の空間解像度を持つカメラシステムと;
を備える、請求項6に記載のMRFシステム。
【請求項11】
(独立)
光学素子を研磨する為の方法において:
前記光学素子を受けるように動作可能な領域と、前記領域に隣接して位置決めされた複数の基準とを有する光学マウントに前記光学素子を取り付けるステップと;
前記光学素子と前記複数の基準を含む第1計量マップを取得するステップと;
前記光学素子を含み、前記複数の基準を持たない第2計量マップを取得するステップと;
前記第1計量マップ及び前記第2計量マップに基づき、差異計量マップを形成するステップと;
前記第1計量マップと前記第2計量マップに整列させるステップと;
前記第2計量マップに数学的基準を追加し、第3計量マップを形成するステップと;
MRFツールに前記光学マウントを位置決めするステップと;
前記第3計量マップを使用して前記MRFツールに前記光学マウントを登録するステップと;
前記光学素子を研磨するステップと;
を備える、方法。
【請求項12】
(従属)
前記複数の基準は、前記光学素子の表面に対して実質的に平行な面に配置された複数のパターンを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
(従属)
前記光学素子が、チタン:サファイヤまたはサファイヤ結晶のうちの少なくとも1つを備える、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
(従属)
前記MRFツールが:
空間範囲で200μm未満の除去機能を与えるように動作可能なホィールと;
20μm未満の空間解像度を持つカメラシステムと;
を備える、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
(独立)
光学素子を研磨する為のMRFシステムにおいて:
プロセッサと;
光学画像システムと;
前記プロセッサに結合されたMRFツールと;
を備え、前記MRFツールは:
所定の除去機能を与えるように動作可能なホィールと;
前記光学素子を受けるように動作可能であり、複数の外部基準を含む、光学マウントと;
前記プロセッサに結合され、前記MRFツールを制御し前記光学素子を研磨する為に複数のインストラクションを保存するコンピュータ読み取り可能媒体と;
を備え、前記複数のインストラクションは:
前記データプロセッサに、前記光学素子を光学マウントに取り付けさせるインストラクションであって、前記光学マウントは、前記光学素子を受けるように動作可能な領域と、前記領域に隣接して位置決めされた複数の基準とを有する、前記インストラクションと;
前記データプロセッサに、前記光学素子及び前記複数の基準を含む第1計量マップを取得させるインストラクションと;
前記データプロセッサに、前記光学素子を含み前記複数の基準を持たない第2計量マップを取得させるインストラクションと;
前記データプロセッサに、前記第1計量マップ及び前記第2計量マップに基づき差異計量マップを形成させるインストラクションと;
前記データプロセッサに、前記第1計量マップを前記第2計量マップに整列させるインストラクションと;
前記データプロセッサに、数学的基準を前記第2計量マップに追加させ、第3計量マップを形成させるインストラクションと;
前記データプロセッサに前記MRFツールを制御させ、前記光学素子を研磨させるインストラクションと;
を備える、MRFシステム。
【請求項16】
(従属)
前記複数の基準は、前記光学素子の表面に対して実質的に平行な面に配置された複数のパターンを備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
(従属)
前記光学素子が、チタン:サファイヤまたはサファイヤ結晶のうちの少なくとも1つを備える、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
(従属)
前記所定の除去機能が、空間範囲で200μm未満であり、前記光学画像システムが20μm未満の空間解像度により特徴付けられる、請求項15に記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図12E】
【図12F】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図7F】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図12E】
【図12F】
【公表番号】特表2013−500874(P2013−500874A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523682(P2012−523682)
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/044138
【国際公開番号】WO2011/017266
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ペンティアム
【出願人】(510218043)ローレンス リバモア ナショナル セキュリティー, エルエルシー (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/044138
【国際公開番号】WO2011/017266
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ペンティアム
【出願人】(510218043)ローレンス リバモア ナショナル セキュリティー, エルエルシー (7)
【Fターム(参考)】
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