説明

磁気記録媒体用基板の研磨装置および研磨方法、磁気記録媒体用ガラス基板、並びに磁気記録媒体

【課題】複数枚の磁気記録媒体用基板を重ねてそれらの内周端面を研磨するに際して、上部側に位置する基板の研磨量と下部側に位置する基板の研磨量との間に差が生じないようにする研磨装置及び研磨方法を提供する。
【解決手段】研磨に際して、複数枚の磁気記録媒体用基板14は、それらの間にスペーサ部材12を挟んで固定保持される。スペーサ部材は、中心に孔を有すると共に、その孔に連通するように外周部から内周部まで延びる研磨液供給通路を備える。一体的に固定保持されたスペーサ部材と基板との中心部に形成される中央孔CHには研磨部材18が挿入される。この研磨部材の相対運動により、基板の内周端面14iの研磨が行われる。その研磨に際しては、中央孔に、その上部から研磨液Lが供給されるのみならず、側部開口部32からスペーサ部材の研磨液供給通路を介しても研磨液が供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気記録媒体用基板の中心部に孔を形成するその内周端面の研磨に用いられる磁気記録媒体用基板の研磨装置および研磨方法、これらを用いて研磨された磁気記録媒体用ガラス基板、並びにその磁気記録媒体用ガラス基板を含む磁気記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気記録装置等に用いられる磁気記録媒体に関しては、その記録密度の向上が望まれている。それらの記録密度を上げるためにはTPI(半径方向のTrack密度)を上げることとBPI(円周方向の記録密度)を上げることが必要である。例えば、TPIを上げるためには磁気ヘッドと磁気記録媒体との間の半径方向位置精度の向上や、磁気記録媒体回転時の磁気記録媒体自身の振れの減少を図ることが必要である。これら位置精度や振れは、磁気記録媒体に含まれる磁気記録媒体用基板の内周端面の径(内径)のばらつきと関係がある。磁気記録媒体は、磁気記録媒体中央の穴を磁気記録装置のスピンドルに嵌め込み固定して使用されるため、内周端面の径が小さいとスピンドルにはまらなくなり、大きいと磁気記録媒体の回転中心がずれることになり、回転バランスが崩れ振動の原因となる。そこで、磁気記録媒体用基板の内径のばらつきを、複数の基板間でおよび同一基板において、小さくすることが求められている。具体的には、磁気記録媒体用基板の内径の公差は従来は±25μmであったが、高記録密度化に対応するため±10μmの公差が求められるようになっている。
【0003】
他方、磁気記録媒体用基板の内のガラス基板は、例えば、次の工程を経ることで作製される。まず、ガラス材料をプレス成形を行い円板状の板材とするか、あるいはシート成形したものを規定サイズに切断することにより角板状の板材が得られる。そして、その円板状の板材の中心部に円孔をあける、あるいは中心部と外周部を丸く切り抜くことで、ドーナツ状の円板が得られる。次いで、そのドーナツ状の円板の外周端面および内周端面に対して、所定の面取り加工(チャンファー加工)が施される。これらの工程を通じて、ほぼ所定の寸法を有するドーナツ状の円板が得られるようになる。さらに、ほぼ所定の寸法を有するドーナツ状の円板の主表面に対してラッピング加工が施される。そしてこのようにして得られたガラス基板に対して、その端面(外周端面および内周端面)や主表面を鏡面にするべく、研磨が行われる。このようにして、磁気記録媒体の作製に用いられるガラス基板が得られる。
【0004】
上記工程の中の外周端面や内周端面を研磨する工程(端面研磨工程)を経ることで、チャンファー加工によって得られた研削面は鏡面に仕上げられ、その表面粗度は下げられる。特に、その工程では、ガラス基板の抗折強度を上げるべく、内周端面部分におけるマイクロクラックの除去を図ることが目的にされる。この端面研磨工程により内周端面が研磨されることで、その後の磁気記録媒体の製造工程等において、ガラス基板がハンドリング治具やカセット等と擦れて塵が発生するのを防止できる。
【0005】
上記の如き端面研磨工程で枚葉処理を採用すると、その工程に多くの時間が要されるので、生産コストが高くなるという問題点がある。そこで、端面研磨工程では、ガラス基板を複数枚、例えば100枚程度重ねて、研磨ブラシ、研磨パッドといった共通の研磨部材により、それらの研磨を同時に行うのが一般的である。
【0006】
例えば、特許文献1には、磁気記録媒体用のガラス基板の内周端面を研磨する研磨方法および研磨装置が開示されている。この研磨方法では、ガラス基板は複数枚重ねられて固定保持されて回転される。他方、それらガラス基板の中心部に形成される中央孔には研磨ブラシが差し込まれ、研磨ブラシはそれらガラス基板とは逆方向に回転される。このようにガラス基板と研磨ブラシとが互いに逆回転している状態で、研磨ブラシをそれらガラス基板の全ての内周端面に押し付け接触させることで、ガラス基板の内周端面の研磨を行うようにしている。そして、この研磨に際しては、研磨ブラシの回転によって生じる下方向への吸い込みを利用して中央孔に研磨液が供給されるように、その中央孔の端部すなわち研磨ブラシの差込口のみに研磨液を供給する研磨液供給部材が設けられている。
【0007】
また、特許文献2にも、磁気記録媒体用のガラス基板を複数枚重ねてそれらの内周端面を研磨する研磨方法が開示されている。この研磨方法では、ガラス基板の各々の内周端面に研磨残りが生じる可能性を低減するべく、間にスペーサを挟んだ状態で、ガラス基板が重ねて固定保持される。このスペーサはドーナツ形状を有していて、中心部に円孔を有する。そしてこのスペーサは任意の箇所に開放部を有し得る。また、そのスペーサの厚さは0.1〜0.3mm程度が好ましいとされている。ただし、特許文献2に開示の研磨方法での研磨では、重ねられた複数枚のガラス基板は基板ケースに収納され、それごと研磨液中に浸漬される。したがって、特許文献2に記載の研磨方法では、上記特許文献1に記載の研磨方法と異なり、所定の箇所に研磨液を供給するように構成された研磨液供給部材は用いられない。
【0008】
【特許文献1】特開2000−185927号公報
【特許文献2】特開2001−162510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1に記載の研磨方法および研磨装置では、複数枚のガラス基板によって形成される中央孔の上部の端部にのみ、研磨液を直接的に供給することにしている。このような研磨液の供給のみでは、研磨ブラシのそれらガラス基板への押し付け量、研磨ブラシのブラシ毛の並び方、研磨ブラシの回転速度等によるが、中央孔全体への研磨液の適切な流入は阻害される。したがって、重ねられるガラス基板の枚数が多くなればなるほど、それらの内の上部側のガラス基板および研磨ブラシの間と、下部側のガラス基板および研磨ブラシの間とでは、供給される研磨液の量の差は大きくなる。この結果、上部側に位置するガラス基板の研磨量と下部側に位置するガラス基板の研磨量との間に差が生じてしまう。
【0010】
他方、上記特許文献2に記載の研磨方法で用いられるスペーサは、ガラス基板同士を互いから所定量離間させて配置して、それら各々の内周端面に研磨ブラシの毛が至ることを可能にするものである。そして、スペーサが間に挟まれて重ねられたガラス基板の全ては研磨液に沈むように配置されるだけである。したがって、喩えスペーサの任意の箇所に開放部が設けられても、そのスペーサの厚さおよび開放部の形状等によっては、重ねられた複数のガラス基板によって形成された中央孔に研磨液が至らない場合もあり得る。したがって、上記特許文献2に記載の研磨方法でも、重ねられた複数枚のガラス基板の中央孔に適切に研磨液を供給することは難しい。
【0011】
そこで、本発明はかかる点に鑑みて創案されたものであり、その目的は、複数枚の磁気記録媒体用基板を重ねてそれらの内周端面を研磨するに際して、それら複数枚の磁気記録媒体用基板の中心部に形成される中央孔に適切に研磨液を供給することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明の磁気記録媒体用基板の研磨装置は、複数枚の磁気記録媒体用基板の間に挟まれて、それらと共に重ねられるスペーサ部材を備える。また、上記目的を達成するために本発明の磁気記録媒体用基板の研磨方法は、複数枚の磁気記録媒体用基板を重ねてそれらの内周端面を研磨するに際して、同スペーサ部材を用いる。
【0013】
スペーサ部材は、重ねられた複数枚の磁気記録媒体用基板の内周端面の研磨をするとき、それらの内周端面によって形成された中央孔に研磨液が適切に供給されるように、研磨液の通り道を確保する機能を有する。つまり、スペーサ部材は、重ねられた複数枚の磁気記録媒体用基板の中心部に形成される中央孔に研磨液を供給可能にする研磨液供給通路を有する。
【0014】
上記本発明の磁気記録媒体用基板の研磨装置は、前記スペーサ部材の他、固定部材と、 研磨部材と、研磨液供給部材とを備える。ただし、研磨液供給部材は、少なくとも2つの箇所に研磨液を供給可能である。具体的には、研磨液供給部材は、前記中央孔の端部に研磨液を供給可能であると共に、スペーサ部材の研磨液供給通路に研磨液を供給可能である。
【0015】
複数枚の磁気記録媒体用基板は、それらの間に1つまたは複数のスペーサ部材を挟んで重ねられた状態で、固定手段により固定される。そのスペーサ部材は、中心部に位置する孔を形成する内側部と、外側部とを有すると共に、その外側部からその内側部まで延びた研磨液供給通路を備える。こうして固定部材により固定された複数枚の磁気記録媒体用基板の各々の内周端面とスペーサ部材の内側部とにより、それらの中央に中央孔が形成される。磁気記録媒体用基板の内周端面は研磨部材によって研磨される。研磨のとき、研磨部材は、中央孔を形成するそれら内周端面に接触すると共に、その内周端面に対して相対運動する。研磨部材による研磨のとき、研磨液供給部材によって、そのように形成された中央孔の端部からその中央孔には研磨液が供給される。さらに、そのとき、その研磨液供給部材によって、その中央孔に向けて、スペーサ部材の研磨液供給通路を通して研磨液が供給される。
【0016】
複数枚の磁気記録媒体用基板の内周端面は、主に、第1工程と第2工程とを経ることで研磨される。第1工程では、重ねられた複数枚の磁気記録媒体用基板を固定することが行われる。ただし、前記スペーサ部材を間に挟みつつ、前記複数枚の基板は重ねられる。第1工程以後の第2工程では、複数枚の磁気記録媒体用基板の各々の内周端面とスペーサ部材の内側部とにより形成された中央孔に研磨液を供給するように、研磨液供給部材によって、前記中央孔の端部および前記スペーサ部材の前記研磨液供給通路に研磨液が供給される。そして、このように研磨液の供給がなされている状態で、前記研磨部材での、前記複数枚の基板の内周端面の研磨が行われる。
【0017】
上記したようにして、複数枚の磁気記録媒体用基板の内周端面の研磨をするとき、それらの中心部に形成される中央孔に、その端部のみならず、その途中からも、研磨液が供給される。それ故、その中央孔に適切に研磨液を供給することが可能になる。したがって、重ねられた複数枚の磁気記録媒体用基板の内、上部側に位置する磁気記録媒体用基板の内周端面と下部側に位置する磁気記録媒体用基板の内周端面との研磨では、両者間に大きな研磨量の差が生じることを防ぐことが可能になる。すなわち、本発明の磁気記録媒体用基板の研磨装置あるいはその研磨方法を用いることで、重ねられた状態の複数枚の磁気記録媒体用基板の各々の内周端面のほぼ均一な研磨が可能になる。
【0018】
なお、本発明は、上記磁気記録媒体用基板の研磨装置あるいは上記磁気記録媒体用基板の研磨方法により内周端面が研磨された磁気記録媒体用ガラス基板に存する。また、本発明は、この磁気記録媒体用ガラス基板を含む磁気記録媒体に存する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、スペーサ部材を用いることにより、重ねられた複数枚の磁気記録媒体用基板の上部側と下部側の研磨量の差を低減して生産能力を落とすことなく高記録密度対応の高精度な基板を得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施形態に基づいて説明する。ただし、以下では、磁気記録媒体用基板(以下、基板)の内のガラス基板の研磨に関連した一実施形態を説明する。
【0021】
図1に、作動状態にある、実施形態の磁気記録媒体用基板の研磨装置(以下、装置)10の概念図を示す。装置10は、スペーサ部材12と、このスペーサ部材12と共に複数枚の基板14を重ねて固定する固定部材16と、基板14の研磨をする研磨部材としての研磨ブラシ18と、研磨箇所に研磨液Lを供給する研磨液供給部材20とを有する。
【0022】
スペーサ部材12の概念的な斜視図を図2に示す。また、スペーサ部材12の平面図を図3(a)に、そしてその側面図を図3(b)に示す。スペーサ部材12は全体的には板状であり、中心部に孔12hを有すると共に、外側部である外周部12oから内側部である内周部12iまで延びる研磨液供給通路12pを有する。なお、研磨液供給通路12pを、研磨液Lが通ることができる。より具体的には、スペーサ部材12は、中心部に孔を有する2つの円板状部材22と、それらを離間して平行に配置するために用いられる3つの柱状部材24とからなる。ただし、柱状部材24の数は、2つでも4つ以上でも良い。スペーサ部材12の内周部12i、換言すると円柱状部材22の内周部が中心に位置する孔12hを形成し、その外周部12oがスペーサ部材12の外形を定める。内周部12iの中心と外周部12oの中心とは、スペーサ部材12の中心軸C上にある。なお、スペーサ部材12の中心軸Cは、反対方向を向いた2つの主表面12fに概ね直交する方向に延びる。
【0023】
スペーサ部材12の内周部12iの径(内径)d1は、基板14の中心部に孔を形成するその内周端面14iの径(内径)よりも大きい。また、スペーサ部材12の外周部の径(外径)d2は、基板14の外周端面14oの径(外径)に概ね一致する。本実施形態では、基板14の内周端面14iの径は概ね20mmであるのに対して、スペーサ部材12の内周部12iの径d1は25mmである。また、スペーサ部材12の外周部12oの径d2は約65mmである。そして、円板状部材22の厚さt1は約1mmである。なお、円板状部材22の厚さt1は任意の箇所で概ね同じである。他方、各柱状部材24は円柱状であり、柱状部材24の軸線に直交する任意の平面上でのその断面直径は概ね同じである。柱状部材の直径d3は概ね8mmである。また、柱状部材24の軸方向の高さt2は約7.5mmである。そして、2つの円板状部材22が平行になるように、それらの間に柱状部材24は等間隔で、この場合、約120°おきに配置される。そして、ここでは、それら円板状部材22と柱状部材24との間の接合は接着剤でなされる。したがって、スペーサ部材12の厚さt3は、約9.5mmである。
【0024】
スペーサ部材12の2つの円板状部材22の間の空間は、スペーサ部材12の外周部12oと内周部12iとに開放している。本実施形態では、この空間が外周部12oから内周部12iまで延びる研磨液供給通路12pになる。以上の説明から明らかなように、研磨液供給通路12pは、スペーサ部材12の中心部の孔12hに連通する。
【0025】
なお、スペーサ部材12は、このような構造、構成を有することに限定されず、如何なる構造、構成を有しても良い。スペーサ部材12は、鋳造、射出成形等により一体成形されても良い。ただし、スペーサ部材12の孔12hの径d1は基板14の孔の径よりも大きいことが望ましい。また、スペーサ部材12の上下の面は平行にされることが望ましい。
【0026】
なお、スペーサ部材12は、本実施形態では、プラスチックでできている。しかしながら、スペーサ部材12は、合成樹脂ばかりでなく、ゴムのような弾性部材、アルミニウム合金、ステンレス鋼などの金属を用いて作製されても良い。
【0027】
装置10の固定部材16は、上記スペーサ部材12を間に挟んだ状態の複数枚の基板14を固定するように構成されている。そこで、本実施形態では、固定部材16は枠を定めるケース部材26と、図示しないクランプ部材とを備える。ケース部材26内に複数枚の基板14およびスペーサ部材12が積み重ねられる。それらが積み重ねられた状態で、クランプ部材での締め付けが行われる。このようにして、固定部材16は、スペーサ部材12および複数の基板14を固定保持する。固定部材16により一体的に保持された状態で、スペーサ部材12の中心軸Cと、複数枚の基板14の中心とは、概ね同一線上に並ぶように、固定部材16は設計されている。なお、その状態にあるとき、スペーサ部材12の中心軸Cは固定部材16の中心軸に概ね一致する。
【0028】
本実施形態では、スペーサ部材12は1つ用いられ、その上下にほぼ同じ枚数の複数枚の基板14が重ねられる。そして、これら重ねられたスペーサ部材12および複数枚の基板14間には、所定の押し圧力が加えられている。したがって、固定部材16が動かされても、また、重ねられた状態の複数枚の基板14に対して研磨部材18を用いての研磨が行われても、スペーサ部材12や複数の基板14の位置が相互にずれることはない。
【0029】
そして、固定部材16は、基板14の中心の孔の径よりも大きな径を有する開口部30を上下の両端部に有するように構成されている(図1参照)。また、固定部材16は、複数枚の基板14やスペーサ部材12を内部に固定保持した状態で、スペーサ部材12の研磨液供給通路12pが固定部材16の外部と通じるように、側部開口部32を有する。側部開口部32は、研磨液供給通路12pへの研磨液Lの供給が適切になされるように、ある程度の大きさを有して形成される。
【0030】
なお、本実施形態では、上記の如く、複数枚の基板14の間に1つのスペーサ部材12を挟んだ状態で、それら基板14およびスペーサ12を固定部材16で固定保持した。しかしながら、1つの固定部材16で固定される複数枚の基板14間には、スペーサ部材12が1つに限らず、複数個挟まれても良い。複数個のスペーサ部材12を用いる場合にはそれらの各々が離れて配置されるように、スペーサ部材12の各々の上下に基板14が少なくとも1枚配置されるのが良い。ただし、スペーサ部材12は、最上部に位置されても、逆に、最下部に位置されても良い。また、固定部材16には、上記の如くわざわざ側部開口部32が形成されなくても良い。ただし、この場合には、例えば固定部材16はその全部あるいは一部が網目状構造を有するように構成されると良い。こうすることで、網目の隙間から研磨液供給通路12pへ研磨液Lを供給することが可能になる。
【0031】
本実施形態では、固定部材16によって一体的に保持された複数枚の基板14は、回転部材34により回転される。回転部材34は、回転台部36と、回転台部36の回転軸部38にVベルト40を介して回転駆動力を伝達する回転駆動装置としてのモータ42とを備える。モータ42の回転速度、回転方向等は、図示しない制御装置によって制御される。モータ42によってVベルト40は正逆の双方向に回転され得る。それ故、回転台部36はいずれの方向にも回転され得る。図1から明らかなように、回転台部36の上には、固定部材16が設置されている。したがって、回転台部36が回転することで、複数枚の基板14は一体的に回転する。ただし、回転しているとき、回転台部36の回転軸部38の中心軸と、固定部材16の中心軸すなわちスペーサ部材12の中心軸Cとは、概ね一致する。それ故、固定部材16が回転部材34上で静止していてもあるいは回転部材34によって回転されているときであっても、複数枚の基板14の内周端面14iやスペーサ部材12の内周部12iによって概ね同じ形状を有する略円筒形状の孔CHが、それらを上下方向に貫通するようにその中心部に区画形成される。このように複数の基板14の内周端面14iやスペーサ部材12の内周部12iによって形成される孔CHを、以下、中央孔と称する。
【0032】
中央孔CHには、複数枚の基板14の内周端面14iの研磨用に研磨ブラシ18が挿入される。本実施形態の研磨ブラシ18は、線径が数mm以下のブラシ毛を有するチャンネルブラシである。研磨ブラシ18のブラシ毛は、各々所定の線径を有し、所定の密集密度、配列方向を有するように配されている。そして、研磨ブラシ18の略円筒形状の外形の径は、上記中央孔CHの径よりも小さくされている。したがって、研磨ブラシ18を、中央孔CHに出し入れしても、基板14の内周端面14iに傷が付くのを回避できる。
【0033】
基板14の内周端面14iの研磨をするとき、研磨ブラシ18は、中央孔CHに移動され、内周端面14iに接触されると共に内周端面14iに対して相対運動される。このような研磨ブラシ18の動きは、駆動装置44によって達成される。本実施形態では、駆動装置44は、研磨ブラシ18を、中央孔CH以外の待機位置や中央孔CHにおける研磨位置に動かすことの他、研磨ブラシ18を回転させることもできるし、また研磨ブラシ18を中央孔CHの中心軸に平行に往復運動(揺動運動)させることもできる。この研磨ブラシ18の回転速度および往復運動の周期、振れ幅等は、図示しない制御装置からの駆動装置44への作動信号により制御される。なお、駆動装置44は上記の如く研磨ブラシ18の位置を動かすことができ、本実施形態では研磨時に研磨ブラシ18を複数枚の基板14の各々の内周端面14iに押し付けることを可能にする。図1には、研磨ブラシ18が基板14の内周端面14iに押し付けられているところが、描かれている。
【0034】
なお、研磨部材18は、回転部材16に対して相対運動するように、駆動装置44によって、回転と往復運動との内のいずれか一方に関してのみ動かされても良い。
【0035】
さらに、装置10の研磨液供給部材20は、異なる2箇所に研磨液Lを供給するべく、実質的に2つの供給部材20a、20bからなる。1つの供給部材20aは、中央孔CHの上側の端部、すなわち研磨ブラシ18の差込口である開口部30から研磨液Lを中央孔CHに供給するのに用いられる。別のもう1つの供給部材20bは、中央孔CHに向けて研磨液Lを供給するように、スペーサ部材12の研磨液供給通路12pに研磨液Lを供給するのに用いられる。以下、2系統の供給部材20a、20bの内、中央孔CHの上部から研磨液Lを供給する供給部材20aを第1供給部材と、研磨液供給通路12pを介して研磨液Lを供給する供給部材20bを第2供給部材と称する。
【0036】
研磨液供給部材20は、2系統に共通の収容タンク46と、供給部材20a、20bの各々に関するノズル48a、48bと、同様にそれらの各々に関するポンプ50a、50bとを有する。収容タンク46は、装置10内を循環される研磨液Lが貯留される。ポンプ50a、50bは、それぞれに対応するノズル48a、48bに収容タンク46内の研磨液Lを所定の圧力で供給するように、制御装置によって制御される。ノズル48a、48bはそれぞれ異なる箇所に照準を定められて、セッティングされている。ノズル48aは、中央孔CHの上部端部に照準が合わせられている。また、ノズル48bは、スペーサ部材12の研磨液供給通路12pに研磨液Lを注入するように、照準が合わせられている。したがって、第1供給部材20aのポンプ50aによって圧送されて供給通路52aを介してノズル48aに至った収容タンク46内の研磨液Lは、中央孔CHの上部の端部に供給される。他方、第2供給部材20bのポンプ50bによって圧送されて供給通路52bを介してノズル48bに至った収容タンク46内の研磨液Lは、スペーサ部材12の研磨液供給通路12pに供給される。これにより中央孔CHの中程に向けての研磨液Lの供給が図られる。なお、本実施形態では、それぞれの供給部材20a、20bに関して別々のポンプ52a、52bが設けられたが、共通のポンプがただ1つ設けられても良い。この場合、2つの供給部材20a、20bの各々の供給通路52a、52bは、単一のポンプよりも上流側でまとめられ、ポンプよりも下流側で分岐される。
【0037】
そして、本実施形態の装置10は外殻部材としてのケース54を備えるので、このケース54により、研磨液供給部材20から供給された研磨液Lが流れ得る領域が定められる。ケース54内に供給された研磨液Lは、収容タンク46にフィルタ56を通して循環回収される。なお、本発明は、これ以外の研磨液の供給システムを採用し得る。
【0038】
なお、上記したように、研磨液Lは2箇所から中央孔CHに供給されるので、本実施形態の研磨液供給部材20は2つの第1および第2供給部材20a、20bから構成された。これは、1つのスペーサ部材12に対して1つの供給部材が備えられ得ることに対応している。なお、必ずしも、1つのスペーサ部材12に1つの供給部材が対応付けられる必要はなく、複数のスペーサ部材12に共通の供給部材が用いられても良い。
【0039】
次に、上記構成を有する装置10による基板14の内周端面14iの研磨の流れについて説明する。概略的に、基板14の内周端面14iの研磨は、次の2つの工程(第1工程および第2工程)を経ることで達成される。
【0040】
第1工程では、上記の如き構成を有する板状のスペーサ部材12を間に挟みつつ、複数枚の基板14が重ねて固定される。次ぐ第2工程では、それらの中心部に形成された中央孔CHに研磨液Lを供給するように、中央孔CHの端部およびスペーサ部材12の研磨液供給通路12pに研磨液Lを供給しつつ、研磨ブラシ18での研磨が行われる。
【0041】
まず、ケース54が開けられて、固定部材16が外部に対して開かれている状態で、固定部材16のケース部材26内に基板14が複数枚重ねて配置される。そして、その上に、スペーサ部材12が載置される。さらに、その上に、基板14が複数枚積み重ねられる。このようにして、スペーサ部材12を間に挟みつつ、基板14が複数枚重ねられる。この状態で、固定部材16のケース部材26が閉じられ、ケース部材26が開かないように、すなわち複数枚の基板14が一体的に保持されるように、クランプ部材によって締め付け固定される。この結果、スペーサ部材12と複数枚の基板14とは、それらの軸が合わせられた状態で、固定部材16により固定保持される。
【0042】
このように複数枚の基板14が固定された状態であって、研磨ブラシ18が待機状態など未だ基板14の内周端面14iの研磨がされる状態にないとき、研磨液供給部材20による中央孔CHへの研磨液Lの供給が開始される。この研磨液Lの供給は、研磨が完了するまで継続される。好ましくは、研磨ブラシ18が待機位置に戻されるまで行われる。この研磨液Lの供給は、第1供給部材20aと第2供給部材20bとの両方を用いて行われる。一旦供給された研磨液Lは、フィルタ56を介して、収容タンク46内に回収される。そして、回収された研磨液Lは、再度、中央孔CHへ供給される。
【0043】
なお、研磨液Lの供給の前あるいは供給開始の後、固定部材16の回転部材34による回転が開始される。この固定部材16の回転により、複数の基板14およびスペーサ部材12がそれぞれの中心軸周りに回転する。これらの回転は、研磨の終了まで、継続される。
【0044】
スペーサ部材12と複数枚の基板14とが固定部材16により固定保持されて研磨液Lが供給されている状態で、中央孔CHに、研磨部材としての研磨ブラシ18が挿入される。この研磨ブラシ18の挿入は、中央孔CHの上部側端部、すなわち固定部材16の開口部30から行われる。このようにして、研磨開始直前の初期状態に、研磨ブラシ18が位置決めされる。なお、本実施形態では、研磨ブラシ18は、このような初期状態の位置にまで移動される前、スペーサ部材12や基板14の上記の如きセッティングを妨げないような待機位置に駆動装置44によって保持されている。
【0045】
上記の如き状態にある各種部材を互いに対して動かして関係付けることで、研磨が行われる。固定部材16は既に回転されているが、その回転が所定の回転速度を有するように、モータ42が制御装置によって作動される。他方、研磨ブラシ18は、駆動装置44によって、所定の回転速度で回転させられる。ここでは、研磨ブラシ18は中央孔CHへの挿入前から回転させられるが、中央孔CHへ挿入されてから回転させられても良い。なお、研磨ブラシ18の回転速度と固定部材16の回転速度とは異なり、好ましくは、研磨ブラシ18の回転速度の方が速い。それ故、研磨ブラシ18は、固定部材16すなわち基板14に対して相対運動するようになる。さらに、この状態で、研磨ブラシ18は、研磨ブラシ18の軸方向に揺動される。このようにして研磨ブラシ18が固定部材16に対して相対運動されている状態で、研磨ブラシ18が複数の基板14の内周端面14iに所定の押し付け量で押し付けられるように、研磨ブラシ18は駆動装置44によって動かされる。研磨液Lが供給され続けている状態で、研磨ブラシ18が基板14の内周端面14iに接触されるので、その内周端面14iが研磨液L中の砥粒やブラシ毛によって研磨される。この研磨は、所定時間行われる。
【0046】
所定時間経過後、上記した研磨開始の順序とは逆の順番で、研磨終了が達成される。概略的に、研磨ブラシ18が待機位置に移動されると共に、研磨液Lの供給が停止される。そして、研磨ブラシ18の中央孔CHからの抜き出しの前あるいは後に、研磨ブラシ18や固定部材16の回転が停止される。そして、固定部材16から基板14およびスペーサ部材12の取り外しが行われる。
【0047】
スペーサ部材12を用いて上記の如く研磨液Lを中央孔CHに供給することで生じる効果を検討するべく、実験を行った。この実験について、以下述べる。ただし、実験では、上記の如き装置10を用いて上記手順で基板14の研磨を行った結果と、スペーサ部材12を用いずに基板14の研磨を行った結果とを比較した。なお、スペーサ部材12を用いずに基板14の研磨を行ったということは、スペーサ部材12を除いた上記の如き装置10を用いての基板14の研磨において、第2供給部材20bからの研磨液Lの供給は行わず、第1供給部材20aのみから研磨液Lを供給したということである。
【0048】
まず、基板14および積み重ねられる基板14の枚数について説明する。基板14としては、プレス成形により得られたアモルファスガラス基材に対して、穴あけ加工、チャンファー加工、ラッピング加工(ラップ研磨)を行った板を用いた。上記実施形態の如き研磨では、基板14を41枚重ねて配置し、その上に1つのスペーサ部材12を重ね、さらにその上に基板14を44枚重ねて配置して、それらを固定部材16により一体的に固定保持した。他方、スペーサ部材12を用いなかった方では、基板14を100枚重ねて、それらを固定部材16により一体的に固定保持した。なお、このような枚数にすることにより、両研磨で、固定部材16で一体的に固定保持される基盤14の総高さを概ね同じにすることができる。
【0049】
次に、研磨条件について説明する。ただし、スペーサ部材12を用いた研磨でもそれを用いない研磨でも、研磨条件を同じにした。研磨ブラシ18としては、0.07mmの線径を有するブラシ毛を備えたブラシを用いた。研磨液Lとしては、平均粒径1μmの酸化セリウム砥粒の割合を20wt%濃度とした液体(残部:水)を用いた。固定部材16の回転速度を30rpmとした。そして、研磨ブラシ18の回転速度を4000rpmにし、研磨ブラシ18を80回/minの速度で30mm幅で揺動させた。回転部材16の回転方向と研磨ブラシ18の回転方向とを同じにした。また、研磨時間を30minとした。
【0050】
この研磨条件で行った実験結果を図4に示す。図4には、スペーサ部材12を用いて基板14を研磨したときの基板14の内周端面14iの径(内径)が、三角印で表されている。また、スペーサ部材12を用いずに基板14を研磨したときの基板14の内周端面14iの径が、四角(ダイヤ)印で表されている。ただし、本実験では、固定部材16に固定された状態で、上部側から積載されている順に基板14に番号(Sample No.)をふった。また、スペーサ部材12を用いた方では、番号45〜59の基板14の結果がない。これは、スペーサ部材12を用いた場合には、スペーサ部材12の上部側の44枚の基板14に番号1〜44をふり、それの下部側の41枚の基板14に番号60〜100をふったからである。
【0051】
図4によれば、スペーサ部材12を用いずに、中央孔CHの上部からのみ研磨液Lを供給して研磨を行った場合には、番号55の基板14辺りから番号が大きな基板14に至るに連れて、その内径が徐々に小さくなっている。そして、下部の基板14と上部の基板14との内径の最大最小の差は18μmにもなった。これは、上部側では下部側に比べて基板14の研磨量が多く、上部側には研磨液Lが供給されたが下部側には十分な量の研磨液Lが供給されなかったことを意味している。
【0052】
他方、スペーサ部材12を用いて、中央孔CHの上部のみならず、その中程にも研磨液Lを供給して研磨を行った場合には、上部側の基板14の内径と下部側の基板14の内径とに大きな差は生じなかった。なお、このときの、複数の基板14の内、最大の内径を有する基板14と最小の内径を有する基板14との間の内径の最大最小の差はわずか6μmであった。これは、スペーサ部材12を用いて研磨液Lを中央孔CHの中程にも向けて供給することで、中央孔CHの全体に満遍なく研磨液Lを供給することができたことを意味している。
【0053】
以上より、複数の基板14の間に挟むように配置されたスペーサ部材12の研磨液供給通路12pに研磨液供給部材20で研磨液Lを積極的に送り込むことで、複数の基板14によって形成される中央孔CHに適切に研磨液Lを供給することが出来ることが明らかになった。これにより、複数の基板14の各々の内周端面14iを同じ程度に、すなわちバラツキなく研磨をすることが可能になることが示された。
【0054】
上記の如く、スペーサ部材12を用いて研磨液Lを複数の基板14の中心部に延びる中央孔CHに供給することで、上部側に位置する基板14の内周端面14iおよび下部側に位置する基板14の内周端面14iに適切に研磨液Lを供給できる。したがって、重ねられる複数の基板14の各々の内周端面を、重ねられる位置に関わりなく、同じ程度に研磨することが可能になる。それ故、研磨ブラシ18の回転速度などを上記の如く高速にできるので、基板14の生産能力が向上する。
【0055】
上記の如き装置10を用いて、上記の如き方法で得られる基板14に、密着層、下地層磁性層およびカーボン保護層等を種々の手段および方法、例えばスパッタリング法やCVD法により成膜し、その上に液体潤滑材を塗布することで、磁気記録媒体が得られる。ただし、その過程で、テクスチャ加工、ポリッシュ加工等が任意に施され得る。こうして得られた磁気記録媒体は、含まれる基板14の内周端面14iが高精度に研磨されているので、高記録密度に対応可能である。なお、このように作製される磁気記録媒体は、長手磁気記録方式の磁気記録媒体であっても、垂直磁気記録方式の磁気記録媒体であっても良い。
【0056】
なお、本発明のスペーサ部材は、上記の如きスペーサ部材12に限定されない。ただし、スペーサ部材12によって区画形成される研磨液供給通路12pの幅および/あるいは高さは5mm以上あるのが好ましい。それらの幅や高さは、最低でも、1〜2mmあると良い。研磨液Lの適切な流通を確保するためである。
【0057】
なお、上記実施形態では、本発明をある程度の具体性をもって説明したが、本発明については、特許請求の範囲に記載された発明の精神や範囲から離れることなしに、さまざまな改変や変更が可能であることは理解されなければならない。すなわち、本発明は特許請求の範囲およびその等価物の範囲および趣旨に含まれる修正および変更を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施形態に係る装置の概念図である。
【図2】図1の実施形態に用いられたスペーサ部材の斜視図である。
【図3】図2のスペーサ部材の正面図および側面図である。
【図4】実験結果を表したグラフであり、スペーサ部材を用いて研磨した場合の複数の基板の各々の内径と、スペーサ部材を用いずに研磨した場合の複数の基板の各々の内径とが重ねて表わされている。
【符号の説明】
【0059】
10 研磨装置
12 スペーサ部材
14 磁気記録媒体用基板
16 固定部材
18 研磨ブラシ
20 研磨液供給部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気記録媒体用基板の内周端面の研磨に用いられる磁気記録媒体用基板の研磨装置において、
中心部に位置する孔を形成する内側部と外側部とを有すると共に、前記外側部から前記内側部まで延びた研磨液供給通路を備えたスペーサ部材と、
該スペーサ部材を間に挟んで重ねられた複数枚の磁気記録媒体用基板を固定する固定部材と、
該固定部材により固定された前記複数枚の基板の各々の内周端面と前記スペーサ部材の前記内側部とにより形成された中央孔において、前記内周端面に接触すると共に該内周端面に対して相対運動する研磨部材と、
前記中央孔に研磨液を供給するように、前記中央孔の端部および前記スペーサ部材の前記研磨液供給通路に研磨液を供給する研磨液供給部材と、
を備えることを特徴とする磁気記録媒体用基板の研磨装置。
【請求項2】
複数枚の磁気記録媒体用基板を重ねて、それらの内周端面に対して相対運動する研磨部材を前記内周端面に接触させて、該内周端面を研磨する磁気記録媒体用基板の研磨方法において、
中心部に位置する孔を形成する内側部と外側部とを有していて前記外側部から前記内側部まで延びた研磨液供給通路を備えたスペーサ部材を間に挟んで重ねた前記複数枚の基板を固定する第1工程と、
前記第1工程により固定された前記複数枚の基板の各々の内周端面と前記スペーサ部材の前記内側部とにより形成された中央孔に研磨液を供給するように、研磨液供給部材を用いて、前記中央孔の端部および前記スペーサ部材の前記研磨液供給通路に研磨液を供給しつつ、前記研磨部材で研磨を行う第2工程と、
を備えることを特徴とする磁気記録媒体用基板の研磨方法。
【請求項3】
請求項1に記載の磁気記録媒体用基板の研磨装置あるいは請求項2に記載の磁気記録媒体用基板の研磨方法により内周端面が研磨されたことを特徴とする磁気記録媒体用ガラス基板。
【請求項4】
請求項3に記載の磁気記録媒体用ガラス基板を含むことを特徴とする磁気記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−272904(P2008−272904A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−121546(P2007−121546)
【出願日】平成19年5月2日(2007.5.2)
【出願人】(503361248)富士電機デバイステクノロジー株式会社 (1,023)
【Fターム(参考)】