説明

移動体通信システム

【課題】簡単な構成で、発呼側にて移動体通信端末の位置を知ることができる移動体通信システムを提供することである。
【解決手段】本発明は、移動局8の所在地をカバーする基地局7の位置情報を記憶する記憶手段1と、前記移動局8に対して発呼があったときに前記位置情報に基づいた通知を行う音声応答装置5を有し、該基地局7の位置情報を、該移動局8に対する発呼元4に音声出力することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動体通信システムに関し、特に複数の基地局を備え、移動局が自身の所在地をカバーする基地局と通信を行う移動体通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近では携帯電話の普及は目覚ましく、老若男女を問わず常日頃から頻繁に利用されている。たとえば、子供や老人が携帯電話を用いる場合、その家族、保護者等は、携帯電話を持たせていることによって常に連絡が取れ、身の安全を確認することができる。
【0003】
ところで、移動体通信システムでは、移動局である携帯電話側に何ら問題がない場合でも、通信相手との通信経路のどこかで障害(故障)が発生すると通信することができず、携帯電話の持ち主の身の安全が確認できなくなってしまう。
【0004】
図6は、従来の移動体通信システムの構成の概略を示すブロック図である。
【0005】
また図7は、図6に示した従来の移動体通信システムにおいて、機器故障が発生した場合の処理のタイムチャートを示す図である。
【0006】
図6において、BTSは無線基地局であり、RNCは無線ネットワークコントローラであり、MSCは移動通信交換局であり、HLRはホームロケーションレジスタであり、MSは移動局である。
【0007】
この従来例では、HLR1と、MSC2と、RNC−A6およびRNC−B16〜RNC−Mの複数のRNCと、BTS−AA7およびBTS−AB〜BTS−ANさらにBTS−BA17およびBTS−BB〜BTS−BNさらにBTS−MAおよびBTS−MB〜BTS−MNの複数のBTSと、MS−A8とを有して移動体通信システムが実現されており、一般網交換機3と一般電話4とを有する一般有線電話網と接続されている。
【0008】
この従来例では、災害等で故障した基地局や災害等のためトラフィックが上がった基地局(この例ではBTS−AA7)のエリアに位置する移動体通信端末(MS−A8)と通話を行おうとした場合、発呼側には、ビジー音が流れ何の情報も得ることができず、通話中なのかどうかが分からず、さらに、その移動体通信端末(MS−A8)の位置も分からなかった。
【0009】
図7を参照してさらに説明すると、一般電話4からMS−A8に対する発呼(1)は、一般網交換機3を介してMSC2に伝送され(2)、MSC2ではHLR1に対してMS−A8の位置を問い合わせて(3)、その位置情報を取得する(4)。
【0010】
その後、MSC2ではHLR1に問い合わせて得られたMS−A8の位置情報に基づいて通信するRNC−A6を決定し、通信を行う(5)。RNC−A6では、MS−A8が位置するBTS−AA7と通信しようとするが(6)、このBTS−AA7が故障している場合、たとえば応答がなく(7)、このことをRNC−A6ではBTS−AA7が故障していると判断し、通信不可である旨をMSC2に通知する(8)。
【0011】
これを受けたMSC2では一般網交換機3にその旨を通知し(12)、これを受けた一般網交換機3では一般電話4に対してビジー音を出力するようにする(13)。
【0012】
このように従来は、発呼側には、ビジー音が流れ、発呼側では何の情報も得ることができなかった。
【0013】
ところで、特許文献1では、災害時に移動体通信端末の位置を特定することを提案している。
【0014】
また、特許文献2では、通話規制時に移動体通信端末の位置を特定することを提案している。
【0015】
【特許文献1】特開2006−319768号公報
【特許文献2】特開2005−286860号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の発明では、位置情報の取得などの処理に従来と異なる新たな構成を必要とし、処理が煩雑であるし、開発コストがかかるといった問題があった。
【0017】
本発明は上記の点にかんがみてなされたもので、簡単な構成で、発呼側にて移動体通信端末の位置を知ることができる移動体通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するにあたり、本発明は、移動局の所在地をカバーする基地局の位置情報を記憶する記憶手段と、前記移動局に対して発呼があったときに前記位置情報に基づいた通知を行う通知手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】
また本発明は、前記通知手段が、音声応答装置を有し、該基地局の位置情報を、該移動局に対する発呼元に音声出力することを特徴とする。
【0020】
また本発明は、前記記憶手段が、該基地局の位置情報として該基地局の住所を記憶することを特徴とする。
【0021】
また本発明は、前記通知手段が、前記発呼時に該基地局からの応答がない場合に、前記通知を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、簡単な構成で、発呼側にて移動体通信端末の位置を知ることができる移動体通信システムを提供することができる。
【0023】
すなわち、本発明の第1の効果は、災害等で故障した無線基地局のエリアにいる移動体通信端末の位置を、その移動体通信端末と通話を行おうとした人に、その移動体通信端末の位置を応答として連絡することが可能となることである。
【0024】
その理由は、無線基地局において、災害等で障害が発生した場合、災害発生前にその無線基地局を通じて、ホームロケーションレジスタに記憶させた移動体通信端末の位置情報を、音声にてその移動体通信端末と通話を行おうとした人に伝達するからである。
【0025】
また、本発明の第2の効果は、その構成が簡単でコスト低減を図れることである。
【0026】
その理由は、音声応答装置をだけを追加するだけで実現可能であるからである。
【0027】
また、第3の効果は、災害等が発生しトラフィックが上がり処理能力オーバになった無線基地局のエリアにいる移動体通信端末の位置を、その移動体通信端末と通話を行おうとした人に、その移動体通信端末の位置を応答として連絡することが可能となることである。
【0028】
その理由は、災害等でトラフィックの上がった無線基地局が処理能力オーバとなった場合、処理能力オーバ前にその無線基地局を通じて、ホームロケーションレジスタに記憶させた移動体通信端末の位置情報を、音声にてその移動体通信端末と通話を行おうとした人に伝達するからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明による移動体通信システムの一実施の形態の構成の概略を示すブロック図であり、BTS−AA7が故障した場合の状態を示す図である。
【0031】
図2は、図1に示した構成においてRNC−A6とBTS−AA7との間の回線に障害が発生した場合の状態を示す図である。
【0032】
図1および図2において、BTSは無線基地局であり、RNCは無線ネットワークコントローラであり、MSCは移動通信交換局であり、HLRはホームロケーションレジスタであり、MSは移動局(移動体通信端末)である。
【0033】
この実施の形態では、HLR1と、MSC2と、音声応答装置5と、RNC−A6およびRNC−B16〜RNC−Mの複数のRNCと、BTS−AA7およびBTS−AB〜BTS−ANさらにBTS−BA17およびBTS−BB〜BTS−BNさらにBTS−MAおよびBTS−MB〜BTS−MNの複数のBTSと、MS−A8とを有して移動体通信システムが実現されており、一般網交換機3と一般電話4とを有する一般有線電話網と接続されている。
【0034】
本実施の形態は、図1に示されたようにBTS−AA7が地震などの災害等で故障したとき、または図2に示すように、BTS−AA7が故障しないが災害等が発生したエリアに位置し、BTS−AA7にトラフィックが集中した場合、またはRNC−A6とBTS−AA7を結ぶ回線が災害により故障した場合に、BTS−AA7のエリアに位置するMS−A8に一般電話4、またはBTS−AA7以外のBTSのエリアに位置するMS(例として図3のMS−B18)から発呼したときに、MS−A8と接続できないため、従来は、発呼した一般電話4またはMS−B18にビジーが返り、発呼側は、MS−A8が本当に話中なのか、どの辺りにいるのか(位置しているのか)が分からなかった点を解決するものであり、本実施の形態では、災害等が発生する前のHLR1の情報を元に、災害により故障した、災害によりトラフィックが上がった、または災害によりRNC−A6との回線が故障したBTS−AA7のエリアに位置するMS−A8の位置を発呼した側(一般電話4またはMS−B18)に通知できることを特徴とする。
【0035】
図1は、一般有線電話網および移動通信網の全体概要で有り、一般有線電話網と移動体通信システム内の各装置の接続を示すものである。
【0036】
一般有線電話網は、一般網交換機3と一般電話4とで構成されている。
【0037】
一般網交換機3には、複数台の一般電話4が接続され(図1では1台しか記載していないが)、一般電話4同士の通話を行うための接続処理と回線の接続を行う。また、一般網交換機3は、一般電話4からの移動体通信網への接続、移動体通信網からの一般電話4への接続を行っている。
【0038】
移動通信網は、移動通信交換局(以下「MSC」ともいう)2と、ホームロケーションレジスタ(以下「HLR」ともいう)1と、音声応答装置5と、無線ネットワークコントローラ(以下「RNC」ともいう)6、16と、無線基地局(以下「BTS」ともいう)7、17と、移動通信端末(以下「MS」ともいう)8とを有して構成されている。
【0039】
MSC2は、数十台のRNC(6、16ほか)と接続され、RNC(6、16ほか)の制御を行っている。
【0040】
RNC(6、16ほか)は、数十台のBTS(7、17ほか)と接続され、BTS(7、17ほか)の制御を行っている。RNC(6、16ほか)は、BTS(7、17ほか)の無線リソースの管理やMSC2から指示されBTS(7、17ほか)のコントロールを行う。
【0041】
また、MSC2は、各BTS(7、17ほか)と通信するMS8から、MS8がどこのBTS(7、17ほか)のエリアに位置するか、またはどこの複数のBTS(7、17ほか)で構成されたエリア(ローケーションエリア、以下「LA」ともいう)に位置するか、という情報である位置登録信号をBTS(7、17ほか)、RNC(6、16ほか)経由で受信し、この信号をHLR1に送信し、HLR1はこれを記憶する。
【0042】
さらに、MSC2は、一般網交換機3や他の移動体通信のMSCと接続され、一般網交換機3や他の移動体通信のMSCの配下の一般電話やMSと、自己の配下のMS8とをRNC(6、16ほか)、BTS(7、17ほか)経由で接続し通話ができるように、制御したり、通話路を割り当てたりする。
【0043】
音声応答装置5は、MSC2の指示で任意のMSの位置をHLR1より通知された場合、その任意のMSの位置情報を受信し、HLR1から受信した位置情報を人間の音声に変換し、応答する。
【0044】
続いて、本実施の形態の動作について図1および図4を参照しながら説明する。
【0045】
図4は、図1および図2に示した移動体通信システムにおいて、機器故障や回線障害が発生した場合の処理のタイムチャートを示す図である。
【0046】
一般電話4からMS−A8に発呼を行い、MS−A8を一般電話4から呼び出すとき、その直前に災害等で、BTS−AA7が故障したとする。一般電話4からの発呼信号は、一般網交換機3を経由し(1)、MSC2に送信される(2)。
【0047】
MSC2はHLR1にMS−A8の位置を確認する(3)。
【0048】
HLR1は、過去にMS−A8から送信されてきたMS−A8の位置(LA)を記憶してあるため、その情報をMSC2に送信する(4)。ここでは説明を簡素化するため、LA=任意のBTSのエリアとする。
【0049】
MSC2は、MS−A8がBTS−AA7のエリアに位置していることを確認する。MSC2は、BTS−AA7の上位装置であるRNC−A6を経由し(5)、BTS−AA7にMS−A8の呼び出し信号を送信する(6)。
【0050】
BTS−AA7は、直前に災害で故障したため、RNC−A6からのMS−A8の呼び出し信号を受信できず、また、MS−A8を呼び出すこともできない。そのため、RNC−A6には、MS−A8からの応答がBTS−AA7から届かず(7)、この届かないことにより、RNC−A6はBTS−AA7が故障中と判断する。
【0051】
この故障中の情報をRNC−A6は、MSC2に送信する(8)。MSC2は、HLR1に対して、MS−A8の位置情報を音声応答装置5に送信するように指令する(9)。HLR1は、MS−A8の位置情報を音声応答装置5に送信する(10)。
【0052】
MS−A8の位置情報を受けた音声応答装置5は、その位置情報を人間の音声に変換し、MSC2へ送信する(11)。ところで、MS−A8がBTS−AA7のエリアに位置することをHLR1から受信した音声応答装置5は、BTS−AA7の位置はあらかじめYY市ZZ地区だと言うことを知っているため、MSC2に対して音声で、”MS−A8はYY市ZZ地区にいます。”と伝達する。
【0053】
MSC2は、この”MS−A8はYY市ZZ地区にいます。”という音声を一般交換機3に送信し(12)、一般交換機3は、MS−A8に発呼した一般電話に”MS−A8はYY市ZZ地区にいます。”を伝達する(13)。
【0054】
本発明の効果は、災害等で故障した無線基地局のエリアにいる移動体通信端末の位置を、その移動体通信端末と通話を行おうとした人に、その移動体通信端末の位置を応答として連絡することが可能となることである。
【0055】
その理由は、無線基地局において、災害等で障害が発生した場合、災害発生前にその無線基地局を通じて、ホームロケーションレジスタに記憶させた移動体通信端末の位置情報を、音声にてその移動体通信端末と通話を行おうとした人に伝達するからである。
【0056】
また、本発明の効果は、その構成が簡単でコスト低減を図れることである。
【0057】
その理由は、音声応答装置をだけを追加するだけで実現可能であるからである。
【0058】
なお、上記の図1を参照した説明では、災害等によりBTS−AA7が故障した場合について説明したが、BTS−AA7のエリアで災害等が発生し、BTS−AA7が故障しなくても、影響でBTS−AA7のトラフィックが上がり、処理能力オーバになったときも、同様である。さらに、図2に示したように、RNC−A6とBTS−AA7の間の伝送路が、災害等により、破損等した場合も同様である。
【0059】
すなわち本発明の効果は、災害等が発生しトラフィックが上がり処理能力オーバになった無線基地局のエリアにいる移動体通信端末の位置を、その移動体通信端末と通話を行おうとした人に、その移動体通信端末の位置を応答として連絡することが可能となることである。
【0060】
その理由は、災害等でトラフィックの上がった無線基地局が処理能力オーバとなった場合、処理能力オーバ前にその無線基地局を通じて、ホームロケーションレジスタに記憶させた移動体通信端末の位置情報を、音声にてその移動体通信端末と通話を行おうとした人に伝達するからである。
【0061】
ところで、上述の説明は一般網から発呼した場合について示したが、図3に示すように、災害等に見舞われていない移動体通信網内の移動体通信端末から発呼しても同様である。この例について、図3および図5を参照して説明する。
【0062】
図3は、本発明による移動体通信システムの別の実施の形態の構成の概略を示すブロック図であり、BTS−AA7が故障した場合および/またはRNC−A6とBTS−AA7との間の回線に障害が発生した場合の状態を示す図である。
【0063】
移動通信網は、移動通信交換局(以下「MSC」ともいう)2と、ホームロケーションレジスタ(以下「HLR」ともいう)1と、音声応答装置5と、無線ネットワークコントローラ(以下「RNC」ともいう)6、16と、無線基地局(以下「BTS」ともいう)7、17と、移動通信端末(以下「MS」ともいう)8、18とを有して構成されている。
【0064】
MSC2は、数十台のRNC(6、16ほか)と接続され、RNC(6、16ほか)の制御を行っている。
【0065】
RNC(6、16ほか)は、数十台のBTS(7、17ほか)と接続され、BTS(7、17ほか)の制御を行っている。RNC(6、16ほか)は、BTS(7、17ほか)の無線リソースの管理やMSC2から指示されBTS(7、17ほか)のコントロールを行う。
【0066】
また、MSC2は、各BTS(7、17ほか)と通信するMS(8、18)から、MS(8、18)がどこのBTS(7、17ほか)のエリアに位置するか、またはどこの複数のBTS(7、17ほか)で構成されたエリア(ローケーションエリア、以下「LA」ともいう)に位置するか、という情報である位置登録信号をBTS(7、17ほか)、RNC(6、16ほか)経由で受信し、この信号をHLR1に送信し、HLR1はこれを記憶する。
【0067】
さらに、MSC2は、一般網交換機3や他の移動体通信のMSCと接続され、一般網交換機3や他の移動体通信のMSCの配下の一般電話やMSと、自己の配下のMS8とをRNC(6、16ほか)、BTS(7、17ほか)経由で接続し通話ができるように、制御したり、通話路を割り当てたりする。
【0068】
音声応答装置5は、MSC2の指示で任意のMSの位置をHLR1より通知された場合、その任意のMSの位置情報を受信し、HLR1から受信した位置情報を人間の音声に変換し、応答する。
【0069】
続いて、本実施の形態の動作について図1および図4を参照しながら説明する。
【0070】
図5は、図1および図2に示した移動体通信システムにおいて、機器故障や回線障害が発生した場合の処理のタイムチャートを示す図である。
【0071】
MS−B18からMS−A8に発呼を行い、MS−A8をMS−B18から呼び出すとき、その直前に災害等で、BTS−AA7が故障および/または回線障害が発生したとする。MS−B18からの発呼信号は、BTS−BA17およびRNC−B16を経由し(1)、MSC2に送信される(2)。
【0072】
MSC2はHLR1にMS−A8の位置を確認する(3)。
【0073】
HLR1は、過去にMS−A8から送信されてきたMS−A8の位置(LA)を記憶してあるため、その情報をMSC2に送信する(4)。ここでは説明を簡素化するため、LA=任意のBTSのエリアとする。
【0074】
MSC2は、MS−A8がBTS−AA7のエリアに位置していることを確認する。MSC2は、BTS−AA7の上位装置であるRNC−A6を経由し(5)、BTS−AA7にMS−A8の呼び出し信号を送信する(6)。
【0075】
BTS−AA7は、直前に災害で故障および/または回線障害が発生したため、RNC−A6からのMS−A8の呼び出し信号を受信できず、また、MS−A8を呼び出すこともできない。そのため、RNC−A6には、MS−A8からの応答がBTS−AA7から届かず(7)、この届かないことにより、RNC−A6はBTS−AA7が故障中および/または回線障害が発生と判断する。
【0076】
この故障中および/または回線障害が発生の情報をRNC−A6は、MSC2に送信する(8)。MSC2は、HLR1に対して、MS−A8の位置情報を音声応答装置5に送信するように指令する(9)。HLR1は、MS−A8の位置情報を音声応答装置5に送信する(10)。
【0077】
MS−A8の位置情報を受けた音声応答装置5は、その位置情報を人間の音声に変換し、MSC2へ送信する(11)。ところで、MS−A8がBTS−AA7のエリアに位置することをHLR1から受信した音声応答装置5は、BTS−AA7の位置はあらかじめYY市ZZ地区だと言うことを知っているため、MSC2に対して音声で、”MS−A8はYY市ZZ地区にいます。”と伝達する。
【0078】
MSC2は、この”MS−A8はYY市ZZ地区にいます。”という音声をRNC−B16を介してBTS−BA17に送信し(12)、BTS−BA17は、MS−A8に発呼したMS−B18に”MS−A8はYY市ZZ地区にいます。”を伝達する(13)。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明による移動体通信システムの一実施の形態の構成の概略を示すブロック図であり、BTS−AA7が故障した場合の状態を示す図である。
【図2】図1に示した構成においてRNC−A6とBTS−AA7との間の回線に障害が発生した場合の状態を示す図である。
【図3】本発明による移動体通信システムの別の実施の形態の構成の概略を示すブロック図であり、BTS−AA7が故障した場合および/またはRNC−A6とBTS−AA7との間の回線に障害が発生した場合の状態を示す図である。
【図4】図1および図2に示した移動体通信システムにおいて、機器故障や回線障害が発生した場合の処理のタイムチャートを示す図である。
【図5】図1および図2に示した移動体通信システムにおいて、機器故障や回線障害が発生した場合の処理のタイムチャートを示す図である。
【図6】従来の移動体通信システムの構成の概略を示すブロック図である。
【図7】図6に示した従来の移動体通信システムにおいて、機器故障が発生した場合の処理のタイムチャートを示す図である。
【符号の説明】
【0080】
1 HLR(ホームロケーションレジスタ)
2 MSC(移動通信交換局)
3 一般網交換機
4 一般電話
5 音声応答装置
6 RNC(無線ネットワークコントローラ)−A
7 BTS(無線基地局)−AA
8 MS(無線移動局)−A
16 RNC(無線ネットワークコントローラ)−B
17 BTS(無線基地局)−BA
18 MS(無線移動局)−B

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局の所在地をカバーする基地局の位置情報を記憶する記憶手段と、前記移動局に対して発呼があったときに前記位置情報に基づいた通知を行う通知手段とを備えたことを特徴とする移動体通信システム。
【請求項2】
前記通知手段が、音声応答装置を有し、該基地局の位置情報を、該移動局に対する発呼元に音声出力することを特徴とする請求項1に記載の移動体通信システム。
【請求項3】
前記記憶手段が、該基地局の位置情報として該基地局の住所を記憶することを特徴とする請求項1または2に記載の移動体通信システム。
【請求項4】
前記通知手段が、前記発呼時に該基地局からの応答がない場合に、前記通知を行うことを特徴とする請求項1、2または3に記載の移動体通信システム。
【請求項5】
移動局の所在地をカバーする基地局の位置情報を記憶し、前記移動局に対して発呼があったときに前記位置情報に基づいた通知を行うことを特徴とする移動体通信システムにおける移動局の所在地通知方法。
【請求項6】
該基地局の位置情報を、該移動局に対する発呼元に音声出力することを特徴とする請求項5に記載の移動体通信システムにおける移動局の所在地通知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−177501(P2009−177501A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−14040(P2008−14040)
【出願日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】