説明

積層セラミック電子部品の製造方法

【課題】シートアタックを防止し、グリーンシートの密度を高め、シート上のピンホールの発生を抑制できる積層セラミック電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】共通共重合体を含み、第1溶剤とを有する第1塗料を準備する工程と、第2溶剤とを有する第2塗料を準備する工程と、第1塗料を用いて第1グリーンシート20を形成する工程と、該表面に、第2塗料を塗布して第2グリーンシート21を形成する工程と、を有し、共重合体がアルキルメタアクリレートと下記のヒドロキシアルキルメタクリレートとを含む共重合体である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層セラミック電子部品の製造方法に関し、さらに詳しくは、シートアタックを防止しつつ、グリーンシートの密度を高め、さらにはグリーンシート表面におけるピンホールの発生を抑制し、ショート不良率を低減できる積層セラミック電子部品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
積層セラミック電子部品の一例としての積層セラミックコンデンサは、通常、以下のようにして製造される。まず、キャリアシート上にセラミック粉末を含むペーストを用いてドクターブレード法などによりグリーンシートを形成し、この上に内部電極形成用のペーストを所定パターンで印刷し、乾燥させて内部電極パターンを形成する。その後、キャリアシートからグリーンシートを剥離し、これを所望の層数まで積層し、チップ状に切断して、これを焼成し、外部電極を形成して積層セラミックコンデンサとされる。
【0003】
近年、積層セラミック電子部品の小型化および高性能化に伴い、焼成後に誘電体層を構成するグリーンシートの厚みは薄くなり、その一方でその積層数は増加している。このように、グリーンシートの厚みが薄くなると、グリーンシートに含まれるセラミック粉末の分散性が問題となる。セラミック粉末の分散が不十分である場合、グリーンシートの密度が低下し、その結果、焼成後の積層セラミック電子部品においてショート不良を引き起こすと予想される。
【0004】
また、グリーンシートを形成する際に、下層側のグリーンシートを形成し、該グリーンシート上にセラミック粉末を含むペーストを塗布して、上層側のグリーンシートを形成することがある。この場合、上層側のグリーンシートに含まれる溶剤が、下層側のセラミックグリーンシートに浸透し、下層側のセラミックグリーンシート中の樹脂を膨潤または溶解させる現象が生じることがある。この現象は、シートアタックと呼ばれる。
【0005】
シートアタックが生じると、上層側のグリーンシートから溶剤が移動することに伴い、下層側と上層側との界面だけでなく、該界面の対面である上層側のグリーンシートの表面状態が悪化する。このような表面状態の悪化は、最終物たる積層セラミック電子部品に、ショート不良や層間剥離現象(デラミネーション)を招いてしまうという問題があった。
【0006】
ところで、特許文献1および2には、第1のセラミックスラリーにより形成されたグリーンシート上に、第2のセラミックスラリーによりグリーンシートを形成し、さらにこの上に導体層を形成し、これを積層して、セラミックグリーンシート積層体を形成することが記載されている。さらに、第1のセラミックスラリーと第2のセラミックスラリーとの間の溶解度パラメータの差を特定の範囲とすることで、デラミネーションを防止できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−277166号公報
【特許文献2】特開2005−272163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、シートアタックを防止しつつ、グリーンシートの密度を高め、さらにはグリーンシート表面におけるピンホールの発生を抑制し、ショート不良発生率が低い積層セラミック電子部品の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る積層セラミック電子部品の製造方法は、
共重合体を含む第1樹脂成分と、第1セラミック粉末と、前記共重合体を溶解する第1溶剤と、を有する第1グリーンシート用塗料を準備する工程と、
前記共重合体を含む第2樹脂成分と、第2セラミック粉末と、前記共重合体を溶解する第2溶剤と、を有する第2グリーンシート用塗料を準備する工程と、
前記第1グリーンシート用塗料を用いて第1グリーンシートを形成する工程と、
前記第1グリーンシートの表面の少なくとも一部に、前記第2グリーンシート用塗料を塗布して、第2グリーンシートを形成する工程と、を有し、
前記共重合体が、アルキル(メタ)アクリレート単量体と下記式(1)で表されるヒドロキシアルキルメタクリレート単量体とを含む共重合体であり、
前記アルキル(メタ)アクリレート単量体と前記ヒドロキシアルキルメタクリレート単量体との含有割合が重量比で、アルキル(メタ)アクリレート単量体:ヒドロキシアルキルメタクリレート単量体=95:5〜60:40であることを特徴とする。
【化1】

【0010】
本発明では、上記の共重合体と該共重合体を溶解する溶剤(第1溶剤および第2溶剤)とが、第1グリーンシート用塗料および第2グリーンシート用塗料に共通して含まれている。該共重合体が樹脂成分に含まれることで、塗料中のセラミック粉末の分散性を高めつつ、第1グリーンシートと第2グリーンシートとの間におけるシートアタックを防止でき、ショート不良発生率を低減することができる。また、共重合体中において、アルキル(メタ)アクリレート単量体とヒドロキシアルキルメタクリレート単量体との重量比を上記の範囲とすることで、グリーンシート表面におけるピンホールの発生を抑制することができ、ショート不良発生率を低減することができる。
【0011】
本発明に係る方法により製造される積層セラミック電子部品としては、特に限定されないが、積層セラミックコンデンサ、積層セラミックインダクタ、積層セラミックLC部品、多層セラミック基板等が例示される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係る方法により製造される積層セラミックコンデンサの断面図である。
【図2】図2(A)〜図2(D)は、本発明の一実施形態に係る方法において、図1に示す積層セラミックコンデンサの製造工程の一部を示す要部断面図である。
【図3】図3は、本発明の他の実施形態に係る方法において、図1に示す積層セラミックコンデンサの製造工程の一部を示す要部断面図である。
【図4】図4は、本発明の他の実施形態に係る方法において、図1に示す積層セラミックコンデンサの製造工程の一部を示す要部断面図である。
【図5】図5は、本発明の他の実施形態に係る方法において、図1に示す積層セラミックコンデンサの製造工程の一部を示す要部断面図である。
【図6】図6は、本発明の他の実施形態に係る方法において、図1に示す積層セラミックコンデンサの製造工程の一部を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
【0014】
<積層セラミックコンデンサ>
まず、本実施形態に係る方法により製造される電子部品の一例として、積層セラミックコンデンサの全体構成について説明する。
【0015】
図1に示すように、本実施形態において、積層セラミックコンデンサ1は、誘電体層2と内部電極層3とが交互に積層された構成のコンデンサ素子本体10を有する。このコンデンサ素子本体10の両側端部には、内部電極層3と各々導通する一対の外部電極4が形成してある。内部電極層3は、各側端面がコンデンサ素子本体10の対向する2端部の表面に交互に露出するように積層してある。
【0016】
コンデンサ素子本体10の外形や寸法には特に制限はなく、用途に応じて適宜設定することができる。通常、外形はほぼ直方体形状とし、寸法は通常、縦(0.4〜5.6mm)×横(0.2〜5.0mm)×高さ(0.2〜1.9mm)程度とすることができる。
【0017】
誘電体層2は、後述する図2(A)〜図2(D)に示すグリーンシート20およびグリーンシート21が焼成されて形成される。誘電体層2の材質は、特に限定されず、電子部品の一例としての積層セラミックコンデンサの場合、該コンデンサで一般的に用いられる誘電体材料であればよい。本実施形態では、たとえばチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウムまたはこれらの混合物が、主成分として挙げられる。これらの成分以外に、希土類元素酸化物などの成分を副成分として含んでいてもよい。また、誘電体層2の厚みは、特に限定されず、用途等に応じて決定すればよい。
【0018】
内部電極層3は、後述する図2(B)、(C)および(D)に示す所定パターンの内部電極パターン30を焼成して形成される。内部電極層3を構成する導電材としては、特に制限されないが、誘電体層2が耐還元性を有する材料で構成される場合、卑金属であるニッケルまたはニッケル合金、銅または銅合金で構成することができる。また、内部電極層3の厚みは、特に限定されず、用途等に応じて決定すればよい。
【0019】
外部電極4の材質は、通常、銅や銅合金、ニッケルやニッケル合金などが用いられるが、銀や銀とパラジウムの合金なども使用することができる。外部電極4の厚みも特に限定されないが、通常10〜50μm程度である。
【0020】
<積層セラミックコンデンサの製造方法>
次に、本実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1の製造方法の一例を説明する。本実施形態では、第1グリーンシート用塗料を塗布して形成された第1グリーンシートの表面の少なくとも一部に、第2グリーンシート用塗料を塗布して第2グリーンシートを形成した後に積層工程に供される。
【0021】
<グリーンシート用塗料の準備>
まず、グリーンシートを製造するために、グリーンシート用塗料(第1グリーンシート用塗料および第2グリーンシート用塗料)を準備する。本実施形態では、グリーンシート用塗料は、セラミック粉体と、樹脂成分と、溶剤と、を含む。
【0022】
セラミック粉末(第1セラミック粉末および第2セラミック粉末)としては、上記した成分(主成分および副成分)の酸化物やその混合物、複合酸化物を用いることができる。また、焼成により上記した酸化物や複合酸化物となる各種化合物、たとえば、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物等から適宜選択し、混合して用いることもできる。
【0023】
本実施形態では、樹脂成分(第1樹脂成分および第2樹脂成分)には共重合体が含まれている。具体的には、該共重合体は、アルキル(メタ)アクリレート単量体と下記式(1)に示すヒドロキシアルキルメタクリレート単量体とを含む共重合体であり、第1樹脂成分および第2樹脂成分の双方に共通して含まれている。
【化2】

【0024】
本実施形態に係るアルキル(メタ)アクリレートは特に限定されないが、炭素数が1〜20、好ましくは1〜8のアルキル基またはシクロアルキル基を有する(メタ)アクリレートであり、メチルメタクリレート(MMA)、エチルメタクリレート(EMA)、n−ブチルメタクリレート(n−BMA)、イソブチルメタクリレート(Iso−BMA)、2−エチルヘキシルメタクリレート(2−EHMA)、n−ラウリルメタクリレート(LMA)、n−ステアリルメタクリレート(SMA)、シクロヘキシルメタクリレート、メチルアクリレート(MA)、エチルアクリレート(EA)、n−ブチルアクリレート(n−BA)、イソブチルアクリレート(Iso−BA)、2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)、n−ラウリルアクリレート(LA)、n−ステアリルアクリレート(SA)、シクロヘキシルアクリレートなどが用いられる。
【0025】
また、該共重合体は、アルキル(メタ)アクリレートおよびヒドロキシアルキルメタクリレート以外に、他の共重合可能な成分を含んでもよい。このような成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、スチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。
【0026】
さらに、該共重合体100重量%中、アルキル(メタ)アクリレートおよびヒドロキシアルキルメタクリレートの合計が95重量%以上であることが好ましい。
【0027】
通常、グリーンシート用塗料を用いて、グリーンシートを形成・乾燥した後、同じ塗料を該グリーンシートの上に塗布した場合、上層側のグリーンシートに含まれる溶剤が下層側のグリーンシートに浸透し、下層側のグリーンシートに含まれる樹脂成分を膨潤あるいは溶解する、いわゆるシートアタックが生じてしまう。シートアタックが発生すると、下層側のグリーンシートに含まれる樹脂成分の膨潤あるいは溶解により、下層側グリーンシートが褶曲構造をとるとともに、褶曲構造を持つ下層側グリーンシートの上に形成される上層側のグリーンシートの表面も粗くなる。グリーンシート層が大きな凹凸を持つと、凹部のグリーンシート層間距離が、局所的に薄く形成されるため、このようなグリーンシートを用いて、積層セラミック電子部品を製造すると、ショート不良やデラミネーション等が発生してしまう。
【0028】
なお、樹脂成分として、アルキル(メタ)アクリレートを単独で用いた場合、上記のシートアタックは生じにくいものの、塗料中のセラミック粉末の分散性が悪化する。その結果、乾燥後のグリーンシートの塗膜密度が低下するという問題がある。グリーンシートの塗膜密度が低いということは、層間内に空隙を含んでいるということになるので、相対的に層間内に含まれるセラミック粒子の体積分率が低下していることを意味する。したがって、絶縁抵抗が低い箇所を多く持っていることになるので、ショート不良の発生の原因となる。
【0029】
そこで、本実施形態では、樹脂成分として、アルキル(メタ)アクリレートと上記の化学式に示すヒドロキシアルキルメタクリレートとを含む共重合体を用いて、これを含むグリーンシート用塗料(第1グリーンシート用塗料および第2グリーンシート用塗料)を準備する。この共重合体を用いることで塗膜密度の高いグリーンシートが得られ、また、第1グリーンシート用塗料で形成した第1グリーンシート上に、第2グリーンシート用塗料を用いてグリーンシートを形成した場合であっても、第2グリーンシート用塗料に含まれる第2溶剤は第1グリーンシートに含まれる共重合体を溶解せず、その結果、シートアタックが生じず、しかも、塗料中のセラミック粉末の分散性を向上できるため、密度の高いグリーンシートが得られるため、ショート不良発生率を低減することができる。
【0030】
このような効果が得られる理由は必ずしも明らかではないが、たとえば以下のように考えることができる。
【0031】
上記の化学式から明らかなように、上記の共重合体に含まれるヒドロキシアルキルメタクリレートにはOH基(水酸基)が存在している。このOH基が存在することで、セラミック粉末とのなじみがよくなり、塗料中のセラミック粉末の分散性を高めることができる。一方で、OH基は極性が高いため、極性溶剤からアタックされやすく、シートアタックが生じやすい。
【0032】
ところが、上記の化学式で表されるヒドロキシアルキルメタクリレートでは、OH基の近傍にCH基(メチル基)が存在する、あるいは、OH基に対しC2n基(アルキレン基)が長鎖で存在しており、これらがOH基の極性を緩和するため、乾燥後のグリーンシートにおいて、上記の共重合体は溶剤からアタックされにくくなり、シートアタックが生じにくくなる。
【0033】
したがって、ヒドロキシアルキルメタクリレート単量体におけるOH基とCH基との存在割合や存在位置、OH基に対するC2n基の長さを適切に設定することで、シートアタックを防止する効果とセラミック粉末の分散性を高める効果とが両立できると考えられる。たとえば、nが3以上である単量体を用いる場合には、上記の効果を両立できるものの、nが2である単量体を用いると、上記の効果を両立できないことが本発明者等により明らかにされている。これは、nが2である単量体には、OH基の近傍にCH基が存在せず、またアルキレン基が短いためであると考えられる。
【0034】
なお、ヒドロキシアルキルメタクリレート単量体におけるnは3以上であれば特に制限されないが、製造の困難さ等を考慮すると、nの上限は24程度であり、コスト等を考慮すると、nの上限は6程度である。
【0035】
mは用途等に応じて変化させればよく、OH基およびCH基の数、アルキレン基の長さには関係しない。したがって、mが変化しても上記の効果に影響を与えない。mが1である場合には、グリーンシートの強度が確保しやすく、mの値が大きくすると、グリーンシートの柔軟性が増す。そのため、グリーンシートの柔軟性を重視する場合にはmの値は2以上とすることが好ましい。また、アルキル(メタ)アクリレート単量体とmが2以上であるヒドロキシアルキルメタクリレート単量体とを含む共重合体を樹脂成分として用いることで、グリーンシート用塗料をスクリーン印刷する場合には、塗料の糸引き性等を抑制できる。なお、mの上限は、30程度である。
【0036】
アルキル(メタ)アクリレート単量体とヒドロキシアルキルメタクリレート単量体とを含む共重合体において、アルキル(メタ)アクリレート単量体とヒドロキシアルキルメタクリレート単量体との割合は、重量比で、アルキル(メタ)アクリレート:ヒドロキシアルキルメタクリレート=95:5〜60:40、好ましくは90:10〜70:30である。アルキル(メタ)アクリレートとヒドロキシアルキルメタクリレートとの割合を上記の範囲とすることで、上述した効果を両立でき、さらには、形成したグリーンシートにおいて、塗料調製時に生成することがあるゲル状物質に起因するピンホールの発生を抑制することができる。
【0037】
なお、ヒドロキシアルキルメタクリレートの主鎖骨格に存在するCH基をHに置換したヒドロキシアルキルアクリレート(下記の式(2)を参照)では、nが2の場合だけでなく、3以上であっても、シートアタックを防止する効果が得られないことが本発明者等により明らかにされている。これは主鎖骨格にCH基が存在せず、OH基の極性を緩和する効果が少ないためと考えられる。
【化3】

【0038】
本実施形態では、樹脂成分(第1樹脂成分および第2樹脂成分)には、上記の共重合体以外の樹脂が含まれていてもよい。具体的には、水添石油樹脂、アルキド樹脂、マレイン酸樹脂、クマロン、インデン樹脂、天然樹脂(ロジン、セラック)などが含まれていてもよい。
【0039】
本実施形態において用いられるグリーンシート用塗料に含まれる溶剤(第1溶剤および第2溶剤)としては、上記の共重合体を溶解するものであれば特に制限されず、たとえば、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、エタノール、イソプロピルアルコールなどが例示される。また、これらを混合して用いてもよい。さらに、グリーンシート用塗料には、その他の溶剤が含まれていてもよい。
【0040】
グリーンシート用塗料中において、樹脂成分に含まれる共重合体成分および溶剤の含有量に特に制限はなく、通常の含有量、たとえば、セラミック粉末100重量%に対して、共重合体成分は3〜30重量%程度とすればよく、溶剤に関しては、塗料重量を100%とした場合、20〜80重量%程度とすればよい。
【0041】
また、グリーンシート用塗料中には、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、界面活性剤、帯電除剤などから選択される添加物が含有されても良い。
【0042】
可塑剤の含有量に特に制限はないが、共重合体樹脂成分100重量%に対して、100重量%以下とすることが望ましい。
【0043】
分散剤、帯電除剤、界面活性剤などの添加物の含有量についても特に制限はないが、セラミック粉末100重量%に対して、たとえば、10重量%以下とすることが望ましい。
【0044】
また、共重合体以外の樹脂成分は上記共重合体100重量%に対して、50重量%以下とすることが望ましい。
【0045】
グリーンシート用塗料は、上記各成分を、ボールミルなどで混合し、スラリー化することにより得ることができる。
【0046】
<グリーンシートの形成>
次に、図2(A)に示すように、第1グリーンシート用塗料を用いて、支持体としてのキャリアシート50上に、グリーンシート20(第1グリーンシート)を形成する。グリーンシートの厚みは特に制限されず、用途等に応じて適宜決定すればよいが、本実施形態では、たとえば0.4〜10μm程度である。
【0047】
キャリアシート50としては、たとえばPETフィルムなどが用いられ、剥離性を改善するために、シリコーンなどがコーティングしてあるものが好ましい。
【0048】
グリーンシート20は、キャリアシート50に形成された後に乾燥される。
【0049】
続いて、乾燥後の第1グリーンシートの表面に、第2グリーンシート用塗料を用いて、第2グリーンシートを形成すればよいが、本実施形態では、乾燥後の第1グリーンシートの表面に電極パターンを形成した後に、第2グリーンシートを形成する。
【0050】
<電極パターンの形成>
図2(B)に示すように、グリーンシート20の一方の表面には、焼成後に図1に示す内部電極層3を構成することとなる電極パターン30が形成される。電極パターン30の形成方法としては、特に限定されないが、印刷法、転写法、薄膜法などが例示される。本実施形態では、スクリーン印刷により、グリーンシート20上に内部電極層用塗料が所定パターンで塗布される。その後乾燥され、電極パターン30が形成される。
【0051】
内部電極層用塗料は、卑金属であるNiやNi合金等の各種導電性金属や合金からなる導電体材料、あるいは焼成後に上記した導電体材料となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネート等と、有機ビヒクルとを混合して調製する。
【0052】
有機ビヒクルは、バインダ樹脂および有機溶剤を含有するものである。バインダ樹脂としては、たとえばエチルセルロース、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、または、これらの共重合体などが例示される。バインダ樹脂は、内部電極層用塗料中に、導電体材料(金属または合金粉体)100重量%に対して、好ましくは8〜20重量%含まれる。
【0053】
また、溶剤としては、たとえばテルピネオール、ブチルカルビトール、ケロシン等公知のものはいずれも使用可能である。溶剤の含有量は、ペースト全体に対して、好ましくは20〜55重量%程度とする。
【0054】
また、内部電極層用塗料中には、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、帯電除剤、誘電体、ガラスフリット、絶縁体などから選択される添加物が含有されても良い。ただし、これらの総含有量は、10重量%以下とすることが望ましい。なお、内部電極層用塗料には、必要に応じて、共材としてのセラミック粉末が含まれていても良い。共材は、焼成工程において導電体材料の焼結を抑制する作用を奏する。
【0055】
次に、第2グリーンシート用塗料を用いて、図2(C)に示すように、電極パターン30が形成されたグリーンシート20(第1グリーンシート)上に、電極パターンを覆うようにグリーンシート21(第2グリーンシート)を形成する。第2グリーンシートの厚みは第1グリーンシートと同様にすればよい。
【0056】
このとき、少なくとも一部の箇所においてグリーンシート20とグリーンシート21とが接することになる。乾燥前のグリーンシート21には第2溶剤が含まれているため、グリーンシート21側からグリーンシート20側へ第2溶剤が浸透し、グリーンシート20中の第1樹脂成分(共重合体)を膨潤あるいは溶解するように思われる。そして、グリーンシート21中の第2セラミック粉末等の分散性が悪化し、その影響により、グリーンシート21の表面21b(グリーンシート20と接している面21aの対面)にしわや穴、亀裂などが生じて、表面粗さが大きくなってしまうように思われる。
【0057】
しかしながら、実際には、上述したように、第2グリーンシート用塗料を用いてグリーンシート21を形成しても、グリーンシート20に含まれる共重合体は膨潤あるいは溶解されず、シートアタックは生じない。
【0058】
したがって、グリーンシート21の表面21bの表面粗さは小さく、電極パターン30を良好に形成することができる(図2(D))。
【0059】
<グリーン積層体の形成>
その後、この作業を繰り返し、第1グリーンシート、電極パターンおよび第2グリーンシートからなるグリーンシート積層体を所望の積層数まで積層し、グリーン積層体を作製する。
【0060】
グリーンシートの積層数は特に制限されず、用途等に応じて適宜決定すればよく、たとえば100〜1000程度である。
【0061】
その後、このグリーン積層体を最終加圧する。最終加圧時の圧力は、好ましくは10〜200MPaである。また、加熱温度は、40〜100℃が好ましい。
【0062】
<グリーンチップの作製、焼成など>
得られたグリーン積層体は所定サイズに切断され、グリーンチップとされる。このグリーンチップを、焼成工程、必要に応じて脱バインダ工程およびアニール工程に供して、焼結体(コンデンサ素子本体10)を得る。そして、このコンデンサ素子本体10に、外部電極用ペーストを印刷または転写して焼成し、外部電極4を形成して、積層セラミックコンデンサ1が製造される。
【0063】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
【0064】
たとえば、上述した実施形態では、本発明に係る方法により製造される電子部品として積層セラミックコンデンサを例示したが、該電子部品としては、積層セラミックコンデンサに限定されず、積層セラミックインダクタ、積層セラミックLC部品、多層セラミック基板などにも適用できることは勿論である。
【0065】
上述した実施形態では、第1グリーンシート上に電極パターンを形成した後に、第2グリーンシートを形成したが、図3に示すように、第1グリーンシート22の表面上に、第2グリーンシート用塗料を用いて第2グリーンシート23を形成してから、第2グリーンシート23上に電極パターン31を形成してもよい。
【0066】
また、図4に示すように、キャリアシート50上に電極パターン32を形成した後に、第1グリーンシート24を形成し、その上に第2グリーンシート用塗料を塗布して第2グリーンシート25を形成してもよい。
【0067】
また、グリーンシートと電極パターンとの段差が積層工程に悪影響を及ぼす場合には、図5に示すように、第1グリーンシート用塗料を用いて形成されたグリーンシート26(第1グリーンシート)の表面に、所定パターンの電極パターン33を印刷法で形成した後、またはその前に、電極パターン33が形成されていないグリーンシート26の表面に、電極パターン33と実質的に同じ厚みの余白パターン40(第2グリーンシート)を形成してもよい。この場合、グリーンシート26と余白パターン40とは少なくとも一部が接している。
【0068】
したがって、余白パターン40を形成するグリーンシート用塗料を、本実施形態で用いられる第2グリーンシート用塗料とすることで、グリーンシート26と余白パターン40との間のシートアタックを防止することができる。
【0069】
また、図6に示すように、電極パターンを形成せずに、第1グリーンシート27を形成した後に、第2グリーンシート用塗料を用いて第2グリーンシート28を形成してもよい。また、これを繰り返してもよい。
【0070】
すなわち、第1グリーンシート用塗料を用いて第1グリーンシートを形成した後に、第1グリーンシートの表面の少なくとも一部に、第2グリーンシート用塗料を塗布して第2グリーンシートを形成することで、第1グリーンシートに含まれる共重合体と、第2グリーンシートに含まれる第2溶剤とが接するような態様であればよい。
【実施例】
【0071】
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
【0072】
<実験例1>
<樹脂成分の調製>
樹脂成分としては、単量体として、アルキル(メタ)アクリレートは、メチルメタクリレート(MMA)を準備し、下記の式(1)に示すヒドロキシアルキルメタクリレートは、表1に示すHEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート:m=1、n=2)、HPMA(ヒドロキシプロピルメタクリレート:m=1、n=3)およびHBMA(ヒドロキシブチルメタクリレート:m=1、n=4)を準備し、下記の式(2)に示すヒドロキシアルキルアクリレートは、表1に示すHEA(ヒドロキシエチルアクリレート:m=1、n=2)、HPA(ヒドロキシプロピルアクリレート:m=1、n=3)およびHBA(ヒドロキシブチルアクリレート:m=1、n=4)を準備した。
【化4】

【化5】

【0073】
続いて、MMAと、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと、を表1に示す重量割合で共重合体化し、樹脂成分を得た。
【0074】
<グリーンシート用塗料の調製>
まず、第1グリーンシート用塗料および第2グリーンシート用塗料を調製した。セラミック粉末としては、BaTiO系粉末を準備した。溶剤としては、メチルエチルケトンを準備した。可塑剤としては、フタル酸ブチルベンジル(BBP))を準備した。
【0075】
次に、セラミック粉末100重量部に対して、8重量部の樹脂成分としての共重合体と、100重量部の溶剤と、4重量部のBBPと、をそれぞれ秤量し、ジルコニアボールとともにボールミルで24時間混合し、スラリー化して第1および第2グリーンシート用塗料を得た。すなわち、第1グリーンシート用塗料および第2グリーンシート用塗料は同じ塗料とした。
【0076】
<内部電極層用塗料の調製>
次に、Ni粉末:44.6重量部と、テルピネオール:52重量部と、エチルセルロース:3重量部と、ベンゾトリアゾール:0.4重量部とを、3本ロールにより混合し、スラリー化して内部電極層用塗料を作製した。
【0077】
<グリーンシートの形成>
次いで、上記にて作製したグリーンシート用塗料および内部電極層用塗料を用い、以下のようにして、グリーンシートを形成した。
【0078】
まず、支持体としてのPETフィルム上に、第1グリーンシート用塗料をドクターブレードにより塗布し、乾燥して、厚みが1.6μmのグリーンシート(第1グリーンシート)を作製した。
【0079】
次に、得られた第1グリーンシートの上に、内部電極層用塗料を用いたスクリーン印刷法により、短冊状のスクリーンパターンを形成し、乾燥して、厚みが1.0μmの内部電極パターンを形成した。
【0080】
その後、内部電極パターンが形成された第1グリーンシートの表面上に、第2グリーンシート用塗料を用いて、内部電極パターンを覆うようにして、厚みが1.6μmのグリーンシート(第2グリーンシート)を形成し、乾燥して、積層体を作製した。
【0081】
次に、得られた第2グリーンシートの上に、内部電極層用塗料を用いたスクリーン印刷法により、短冊状のスクリーンパターンを形成し、乾燥して、厚みが1.0μmの内部電極パターンを形成し、グリーンシート積層体を得た。
【0082】
得られたグリーンシート積層体を所定枚数積層して、積層集合体を得た。得られた積層集合体を70℃に加熱しながら、7350N/cm(750kg重)の圧力でプレスした。
【0083】
次に、この積層体を所定の寸法に切断して、グリーンチップを得た。このグリーンチップを加熱して、脱バインダ処理した。次に、グリーンチップを、1000℃〜1400℃で焼成して、焼結体を得た。次に、焼結体における誘電体層を再酸化するために、焼結体を加熱処理した。
【0084】
次に、焼結体の両側面に対して、バレル研磨を行い、酸化していない内部電極層を両側面に露出させた。次に焼結体の両側面に対して、外部電極を形成し、積層セラミックコンデンサを得た。
【0085】
積層セラミックコンデンサの大きさは、L寸法で1.6mm、W寸法で0.8mmであった。積層数(電極パターン層の数)は100層であった。
【0086】
<表面粗さの評価>
上記で形成した積層体について、シートアタックの評価を以下のようにして行った。まず、内部電極パターンを形成する前に、原子間力顕微鏡を用いて、第1グリーンシートの表面を観察し、測定した表面粗さの算術平均粗さを算出し、表面粗さRa1とした。Ra1を測定した箇所は、第1グリーンシート上において、内部電極パターンが形成されず第2グリーンシートと接触することになる箇所とした。なお、Ra1は小さいことが好ましいが、その数値はグリーンシートに含まれるセラミック粉末や樹脂成分、その他の成分によっても変化する。本実施例では、Ra1は70nm未満を良好とした。
【0087】
続いて、第1グリーンシート上に内部電極パターンを形成し、その後に第2グリーンシートを形成した後、Ra1を測定した箇所の直上に位置し、かつ第1グリーンシートとの接触面と対面する第2グリーンシートの表面において、Ra1の測定と同様にして、表面粗さRa2を測定した。得られたRa2およびRa1から、Ra2−Ra1を算出しΔRaとした。ΔRaは、第1グリーンシートと第2グリーンシートとの間で生じたシートアタックに起因する粗さである。なお、ΔRaは小さいことが好ましいが、その数値はグリーンシートに含まれるセラミック粉末や樹脂成分、その他の成分によっても変化する。本実施例では、ΔRaは10nm未満を良好とした。結果を表1に示す。
【0088】
<塗膜密度の評価>
塗膜密度は、シートの乾燥後の厚みを測定すると共に、シートの重量を測定し、シートの重量を体積で割ることにより求めた。
【0089】
<ショート不良率の評価>
積層セラミックコンデンサのサンプル1000個に対して、ショート不良率(単位:%)を測定した。測定では、絶縁抵抗計(HEWLETT PACKARD社製E2377Aマルチメーター)を使用した。測定においては、各サンプルの抵抗値を測定し、抵抗値が100kΩ以下となったサンプルを、ショート不良を起こしたサンプルとした。全測定サンプルに対する、ショート不良を起こしたサンプルの比率を、ショート不良率とした。ショート不良率が15%以下であれば良好とし、好ましくは10%である。
【0090】
【表1】

【0091】
表1より、樹脂成分として、MMAとHPMAとの共重合体およびMMAとHBMAとの共重合体を用いた場合には(試料番号3および4)、Ra1を小さくでき、さらに、シートアタックを防止することができたためショート不良率も低いことが確認された。
【0092】
これに対して、樹脂成分として、MMAのみを用いた場合(試料番号1)、シートアタックは防止できるものの、塗料の分散性が悪いため、Ra1およびショート不良率が大きくなることが確認できた。また、樹脂成分として、MMAとHEMAとの共重合体(試料番号2)、MMAとヒドロキシアルキルアクリレートとの共重合体(試料番号5〜7)を用いた場合、Ra1は良好であるものの、第1グリーンシートと第2グリーンシートとの間でシートアタックが生じたため、ΔRaが悪化していることが確認できた。また、そのためショート不良率が高くなることが確認された。
【0093】
<実験例2>
共重合体に含まれるアルキル(メタ)アクリレートとHPMAとの重量割合を表2に示す値とした以外、試料番号3と同様にして、積層体ユニットを作製し、試料番号3と同様の評価を行った。また、同様に積層集合体を作成しショート不良率の評価を行った。さらに、本実験例では、第1グリーンシートの密度および第1グリーンシート上のピンホールの有無をピンホール検出機にて評価した。なお、グリーンシートの密度は大きいことが好ましいが、その数値はグリーンシートに含まれるセラミック粉末や樹脂成分、その他の成分によっても変化する。本実施例では、3.40g/cm以上を良好とした。結果を表2に示す。
【0094】
【表2】

【0095】
表2より、HPMAが含まれない、あるいはHPMAの割合が少なすぎると(試料番号1、11および12)、グリーンシートの密度が低下する傾向にあることが確認できた。そのため、ショート不良率が高くなることが確認できた。
【0096】
また、HPMAの割合が多すぎると(試料番号17)、塗料作製時に生じたと考えられるゲルに起因するピンホールが観察されることが確認できた。さらにピンホール起因のショート不良が顕著に発生することが確認できた。
【0097】
一方、HPMAの割合を上述の範囲とすることで(試料番号13〜16)、シートアタックを防止しつつ、グリーンシートの密度を高めて、ピンホールの生成を抑制でき、ショート不良率を低くすることができることが確認できた。また、単量体セグメントがHBMAの場合にも(試料番号4)、共重合体を構成するアルキル(メタ)アクリレート単量体がMMA以外のものの場合(試料番号18および19)にもグリーンシートの密度が高く、ピンホールの生成を抑制でき、ショート不良率を低くすることができることが確認できた。さらに、共重合体を構成するアルキル(メタ)アクリレート単量体が複数種の場合のもの(試料番号20)についてもグリーンシートの密度が高く、ピンホールの生成を抑制でき、ショート不良率を低くすることができることが確認できた。
【0098】
すなわち、共重合体におけるアルキル(メタ)アクリレート単量体とヒドロキシアルキルメタクリレート単量体との割合を重量比で95:5〜60:40の範囲とすることでショート不良率の低減に関して有効であることが確認できた。
【符号の説明】
【0099】
1… 積層セラミックコンデンサ
10… コンデンサ素子本体
2… 誘電体層
20〜28…グリーンシート
3… 内部電極層
30〜33…内部電極パターン
4… 外部電極
50… キャリアシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共重合体を含む第1樹脂成分と、第1セラミック粉末と、前記共重合体を溶解する第1溶剤と、を有する第1グリーンシート用塗料を準備する工程と、
前記共重合体を含む第2樹脂成分と、第2セラミック粉末と、前記共重合体を溶解する第2溶剤と、を有する第2グリーンシート用塗料を準備する工程と、
前記第1グリーンシート用塗料を用いて第1グリーンシートを形成する工程と、
前記第1グリーンシートの表面の少なくとも一部に、前記第2グリーンシート用塗料を塗布して、第2グリーンシートを形成する工程と、を有し、
前記共重合体が、アルキル(メタ)アクリレート単量体と下記式(1)で表されるヒドロキシアルキルメタクリレート単量体とを含む共重合体であり、
前記アルキル(メタ)アクリレート単量体と、前記ヒドロキシアルキルメタクリレート単量体と、の含有割合が重量比で、アルキル(メタ)アクリレート単量体:ヒドロキシアルキルメタクリレート単量体=95:5〜60:40であることを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
【化1】


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−199409(P2012−199409A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62951(P2011−62951)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】