説明

積層体、及び積層体の製造方法

【課題】広葉樹からなる基材と比較して表面硬度が低いという固有の性質を有する針葉樹からなる基材を用いた場合であっても、耐キャスター性、耐クラック性、及び耐水性に優れ、かつ化粧材と基材との密着性に優れた積層体を提供する。
【解決手段】針葉樹からなる基材1上に、反応性ポリウレタンホットメルト組成物によって形成された層2を有し、この層2上に、反応性ポリウレタンホットメルト組成物によって形成された層3を有し、この層3上に化粧材からなる層4を有し、更にこの層4上に特定の紫外線硬化性ホットメルト組成物によって形成された層5を有する積層体12。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐キャスター性、耐クラック性、耐水性、密着性、及び耐熱性等に優れることから、床材等の建築材料をはじめ様々な分野で使用可能な積層体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築分野では、基材の保護と美観の向上を目的として、木材、合板、パーチクルボード等の基材に、化粧紙、化粧シート、突板等の化粧材を貼り合せて得られる積層体が、床材、壁材、及び天井材等の建築部材に使用されている。なかでも、基材に化粧材として突板を貼り合せて得られる積層体は、突板由来の木目模様からなる麗美で高級感のある外観を有することから、床材に使用されることが多い。
また、かかる床材に一般的なフローリング仕上げが施された床は、前記したような良好な外観を有するだけでなく、掃除等の手入れが容易で、シックハウス症候群の一因とされるダニの発生を抑えるなどの利点を有することから、集合住宅を中心に急速に需要が高まっている。
【0003】
前記床材は、一般に基材、接着剤層、化粧材、及び保護層等によって構成されている。かかる床材には、一般に耐キャスター性、耐クラック性、表面硬度、耐熱性、及び耐水性等の特性が求められており、なかでも耐キャスター性、すなわちキャスター付の家具等による床への繰り返し荷重等によって生じうる床の凹みや化粧材の剥離等を防止する性質や、耐クラック性、すなわちホットカーペット等の床暖房設備により床材が激しい温度変化を受けた場合、床材を構成する基材の膨張や収縮の影響によって生じうる該基材上に設けられた化粧材層や接着剤層やトップコート層等のひび割れ(クラック)、を防止しうる性質や、表面硬度は、床材にとって非常に重要な特性である。
【0004】
耐キャスター性等に優れた床材を得ることを目的として、前記基材としては、従来より比較的表面硬度が高いため、荷重による凹み等を引き起こしにくい広葉樹からなる基材が、使用されている。
しかし、広葉樹は森林乱伐採等によって急激に減少しており、そのことは地球環境の悪化の一因となっていると考えられる。
したがって、地球環境悪化を防止する観点からも、広葉樹を使用せずに、実用上優れた特性を有する床材等の開発が、従来より求められている。
【0005】
前記床材等を製造する際に使用する基材としては、例えば、広葉樹と比較して乱伐採されておらず、また植林等が進められている針葉樹からなる基材を使用することが検討されている。しかし、針葉樹からなる基材は、広葉樹からなる基材と比較して表面硬度が低いため、針葉樹からなる基材を用いて得られた床材は、キャスターなどの荷重により凹み等を引き起こしやすいという実用上の大きな問題を有していた。
【0006】
針葉樹からなる基材を用いた場合であっても、耐キャスター性等に優れる積層体としては、例えば針葉樹芯材単板の繊維の向きが直交するように積層して得られた針葉樹芯材合板上に、木質繊維板を積層し、該木質繊維板上に突板を積層して得られる木質床材が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
前記木質床材は、木質繊維板としてミディアム デンシティ ファイバーボード(MDF)からなる層を有しているため、良好な耐キャスター性を有している。しかし、前記MDFは、一般に十分なレベルの耐水性を有しておらず、水の浸入によってMDFが膨らみ、意匠性を損なうことがしばしば見受けられるため、該木質床材を例えば台所等の水周りに使用することは困難であった。
【0008】
また、床材等の積層体は、廃棄後にチップ状に粉砕等され、例えばパーティクルボード等の原料に再利用される場合が多いものの、前記木質床材のようにMDFからなる層を有する床材は、チップ状に粉砕することができず、前記用途をはじめ幅広い用途で再利用することは困難であった。
【0009】
【特許文献1】特開2003−25308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、広葉樹からなる基材と比較して表面硬度が低いという固有の性質を有する針葉樹からなる基材を用いた場合であっても、耐キャスター性、耐クラック性、及び耐水性に優れた積層体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者等は、上記課題を解決すべく検討を進めるなかで、水に比較的弱く、廃棄後の再利用が困難なMDF等の材料を使用せずとも、前記したような優れた特性を有する積層体を得るべく検討を進めた。
本発明者等は、針葉樹からなる基材上に、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られる環式構造を有するウレタンプレポリマーを含有してなる反応性ポリウレタンホットメルト組成物によって形成された層を有し、かつ前記層上に化粧材からなる層を有する積層体を検討した。前記積層体によれば、繰り返し荷重による積層体の凹みはある程度改善を図ることができたが、依然として化粧材の部分的な剥離やクラックを防止することはできなかった。
そこで、反応性ポリウレタンホットメルト組成物の組成を更に変更することにより針葉樹からなる基材と化粧材との密着性改善の検討を進めるなかで、針葉樹からなる基材上に、接着剤として一般的に使用されるウレタンプレポリマー含有の反応性ポリウレタンホットメルト組成物からなる層を有し、更に前記層上に化粧材からなる層を有する積層体を検討した。前記積層体によれば、化粧材の部分的な剥離等を防止することは可能となったが、繰り返し荷重による積層体の凹みを防止することはできなかった。
【0012】
本発明者等は、積層体の凹みを改善するためには、針葉樹からなる基材と化粧材の間にある程度高い硬度を有する層を形成することが重要であると考え、さらに検討を進めるなかで、針葉樹からなる基材上にポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるウレタンプレポリマー(a)を含有してなり、前記ウレタンプレポリマー(a)全体に対する環式構造の質量割合が30質量%〜60質量%である反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)からなる高硬度の層(I)を有し、かつ前記層(I)上に、40℃〜130℃の融点を有するポリエステルポリオール、及び−70℃〜−10℃のガラス転移温度を有するポリエステルポリオール及び/またはポリエーテルポリオールを含むポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるウレタンプレポリマー(b)を含有してなる反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)からなる層(II)を有し、さらに前記層(II)上に化粧材からなる層(III)を有する積層体が、前記層(I)または層(II)のどちらか一方しか有さない積層体と比較して、繰り返し荷重による凹みを引き起こしにくく、かつ前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)からなる層(I)上に、前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)からなる層(II)を設けることによって化粧材の剥離をも抑制できることを見出した。
【0013】
本発明者等は、繰り返し荷重による凹み防止や、化粧材の剥離の抑制等の特性をより一層向上させるとともに、耐クラック性や表面硬度の改善をも図るべく、更に検討を進め、前記方法で得られた積層体を構成する前記層(III)上に、不飽和二重結合及び環式構造を有する数平均分子量300〜2500のエポキシアクリレート及び光ラジカル重合開始剤を含有してなる紫外線硬化性ホットメルト組成物(C)によって形成された層(IV)を有する積層体が、床材等に使用可能な実用上十分なレベルの耐キャスター性、密着性等に優れることを見出した。
【0014】
すなわち、本発明は、針葉樹からなる基材上に、反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)によって形成された層(I)を有し、前記層(I)上に、反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)によって形成された層(II)を有し、前記層(II)上に化粧材からなる層(III)を有し、更に前記層(III)上に紫外線硬化性ホットメルト組成物(C)によって形成された層(IV)を有する積層体であって、
前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)が、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるウレタンプレポリマー(a)を含有してなり、前記ウレタンプレポリマー(a)が、前記ウレタンプレポリマー(a)全体に対して環式構造を30質量%〜60質量%有するものであり、
前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)が、40℃〜130℃の融点を有するポリエステルポリオール、及び−70℃〜−10℃のガラス転移温度を有するポリエステルポリオール及び/またはポリエーテルポリオールを含むポリオールと、ポリイソシアネートとを反応させて得られるウレタンプレポリマー(b)を含有するものであり、
かつ前記紫外線硬化性ホットメルト組成物(C)が、不飽和二重結合及び環式構造を有する数平均分子量300〜2500のエポキシアクリレート及び光ラジカル重合開始剤を含有するものである、ことを特徴とする積層体に関するものである。
【0015】
また、本発明は針葉樹からなる基材上に加熱溶融させた前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)を塗布し、次いで該塗布面に加熱溶融させた前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)を塗布し、次いで前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)の塗布面上に化粧材を載置したものを圧締することで、前記基材上に前記層(I)、前記層(II)、及び前記層(III)を形成する第一の工程と、
前記第一の工程で形成された前記化粧材からなる層(III)上に、加熱溶融された前記紫外線硬化性ホットメルト組成物を塗布し、該塗布面に紫外線を照射することによって層(IV)を形成する第二の工程とを有する、積層体の製造方法に関するものである。
【0016】
また、本発明は針葉樹からなる基材上に加熱溶融させた反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)を塗布し、次いで該塗布面に加熱溶融させた反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)を塗布し、次いで前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)の塗布面上に突板を載置し、次いで前記突板上に平板を載置したものを、少なくとも1対のプレスロールまたはプレスベルトを用いて圧締することで、前記基材上に前記層(I)、前記層(II)、及び突板からなる層(VII)を形成する第一の工程と、
前記第一の工程で形成された前記突板からなる層(VII)上に、加熱溶融された前記紫外線硬化性ホットメルト組成物を塗布し、該塗布面に紫外線を照射することによって層(V)を形成する第二の工程とを有する、積層体の製造方法に関するものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の積層体は、耐キャスター性、耐クラック性、耐水性、耐熱性、表面硬度、及び密着性に優れることから、床、テーブル、カウンター等の水平面部材等をはじめ、天井や壁等の建築部材に使用することが可能である。
また、本発明の積層体は、廃棄後に、例えばチップ状に粉砕し再利用することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、針葉樹からなる基材上に、後述する反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)によって形成された層(I)、反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)によって形成された層(II)、化粧材からなる層(III)、及び紫外線硬化性ホットメルト組成物(C)によって形成された層(IV)とを有する積層体である。
【0019】
はじめに、本発明で使用する反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)及び反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)ついて説明する。
【0020】
本発明で使用する反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)及び反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)は、常温では固体であるが加熱すると溶融するため、基材等へ塗布することができ、冷却されると硬化し接着性を発現する性質を有する。前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)及び(B)は、硬化する際に架橋反応するため、熱や水の影響による接着強さの低下が起こりにくく、耐熱性及び耐水性に優れた層(I)及び層(II)を形成できる。
【0021】
また、本発明で使用する反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)及び反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)は、約100℃〜130℃という比較的低温で加熱すると溶融するため、後述する針葉樹からなる基材上に反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)及び(B)を塗布し、該塗布面に化粧材を貼り合せる際の、熱による基材や化粧材の変形や変色等を最小限に抑制することができる。
【0022】
本発明で使用する反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)及び反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)としては、例えば、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含んでなる湿気硬化性ポリウレタンホットメルト組成物、アルコキシシリル基を有するウレタンプレポリマーを含んでなるシラン架橋型反応性ポリウレタンホットメルト組成物、紫外線や電子線を照射されることで硬化反応しうる官能基を有する化合物を含んでなる紫外線硬化型または電子線硬化型反応性ホットメルト組成物を、単独で使用又は2種以上併用して使用することができる。特に、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含んでなる湿気硬化性ポリウレタンホットメルト組成物を使用することが、比較的安価で、優れた初期接着強さ、常態接着強さ、及び硬化後の耐熱性等を発現できることから好ましい。
【0023】
なお、一般に、ウレタンプレポリマーとは、比較的低分子量のものが多いが、当業者においては、数万の数平均分子量を有するものもウレタンプレポリマーと称されており、本発明においても、数万の数平均分子量を有するウレタンプレポリマーを含むものであり、1000〜20000の範囲のものを使用することが好ましく、4000〜10000の範囲のものを使用することがより好ましい。
【0024】
本発明で使用する反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)は、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られる、特定量の環式構造を有するウレタンプレポリマー(a)を含有してなる。前記環式構造としては、芳香族環式構造や脂肪族環式構造が挙げられる。前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)は、比較的高硬度な層(I)を形成可能であり、かかる層(I)は、繰り返し荷重等による本発明の積層体の凹みを防止することができる。
【0025】
前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)に含まれる前記ウレタンプレポリマー(a)としては、環式構造、すなわち芳香族環式構造と脂肪族環式構造の両方、またはいずれか一方を有する。前記ウレタンプレポリマー(a)全体に対する前記環式構造の質量割合は、30質量%〜60質量%の範囲であるものを使用することができる。前記環式構造の質量割合が前記した範囲であれば、前記層(I)の耐熱性や耐水性を損なうことなく、繰り返し荷重等による本発明の積層体の凹みを防止することができる。前記ウレタンプレポリマー(a)全体に対する前記環式構造の質量割合は、30質量%〜40質量%の範囲であることが好ましい。環式構造の質量割合が前記範囲内であるウレタンプレポリマー(a)を使用することにより、荷重負荷がより大きくても積層体の凹みを実質的に引き起こさないレベルの、高硬度で割れにくい層を形成可能となる。
【0026】
前記ウレタンプレポリマー(a)を製造する際に使用できるポリオールとしては、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ひまし油ポリオール、及びこれらの共重合物を使用することができるが、前記ウレタンプレポリマー(a)が有する環式構造の質量割合が前記した範囲になるように、芳香族環式構造や脂肪族環式構造を有するポリオールを使用することが好ましい。
【0027】
前記ポリオールとしては、ポリエステルポリオールを使用することが好ましい。特に前記ウレタンプレポリマー(a)が有する環式構造の質量割合を前記した範囲に調整するうえで、芳香族環式構造を有するポリエステルポリオールや脂肪族環式構造を有するポリエステルポリオールを使用することがより好ましい。
また、前記ポリエステルポリオールとしては、800〜2000の範囲の数平均分子量を有するものを使用することが、得られる反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)を加熱溶融した際の粘度を適度に維持することができ、良好な塗工作業性及び基材への浸透性を発現できることから好ましい。
【0028】
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば低分子量ポリオールとポリカルボン酸とを縮合反応して得られるものを使用することができる。
【0029】
前記低分子量ポリオールとしては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSのエチレンオキサイド付加物、テレフタルアルコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等を使用することができるが、前記ウレタンプレポリマー(a)が有する環式構造の質量割合を前記した範囲に調整するうえで、環式構造を有する、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSのエチレンオキサイド付加物、テレフタルアルコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールを使用することが好ましい。
【0030】
前記ポリカルボン酸としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカメチレンジカルボン酸や、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸等を使用できるが、前記ウレタンプレポリマー(a)が有する環式構造の質量割合が前記した範囲に調整するうえで、芳香族環式構造を有する、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸を使用することが好ましい。
【0031】
また、前記ウレタンプレポリマー(a)を製造する際に使用できるポリオールとして使用可能なポリエーテルポリオールとしては、例えば開始剤としての低分子量ポリオールなどの公知のポリオールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、及びスチレンオキサイドなどを開環重合させて得られる開環重合物を使用することができる。
【0032】
前記ポリエーテルポリオールを製造する際に開始剤として使用可能な低分子量ポリオールとしては、例えば前記ポリエステルポリオールを製造する際に使用可能なものとして例示した低分子量ポリオールと同様のものを使用できるが、100〜500の範囲の数平均分子量を有するポリオールを使用することが好ましく、前記範囲の数平均分子量を有する芳香族環式構造を有する芳香族ポリオールを使用することが好ましい。
【0033】
前記100〜500の範囲の数平均分子量を有する芳香族ポリオールとしては、例えばビスフェノールAやビスフェノールSのエチレンオキシドやプロピレンオキシドの付加物、テレフタルアルコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールを使用することができる。
【0034】
前記ポリエーテルポリオールとしては、前記ウレタンプレポリマー(a)が有する環式構造の質量割合を前記した範囲に調整するうえで、芳香族環式構造を有するポリエーテルポリオールや脂肪族環式構造を有するポリエーテルポリオールを使用することが好ましい。
【0035】
前記芳香族環式構造を有するポリエーテルポリオールとしては、例えば前記芳香族環式構造を有するポリオールを開始剤として使用し、該開始剤にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、及びスチレンオキサイドなどを開環重合させたものを使用することができる。
【0036】
前記脂肪族環式構造を有するポリエーテルポリオールとしては、例えば1,4−シクロヘキサンジメタノール等を開始剤として使用し、該開始剤にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、及びスチレンオキサイドなどを開環重合させたものを使用することができる。
【0037】
また、前記ウレタンプレポリマー(a)を製造する際に使用可能なポリオールとしては、前記した低分子量ポリオールを、本発明の効果を阻害しない範囲で使用することができ、かかる低分子量ポリオールとしては、100〜500の範囲の数平均分子量を有する芳香族環式構造を有するポリオール、及びそのエチレンオキサイド及び/またはプロピレンオキサイドが付加してなるポリオールを使用することが好ましい。
【0038】
前記ウレタンプレポリマー(a)を製造する際に使用できる前記ポリイソシアネートとしては、例えばフェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、4
,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4−MDI)、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環族ジイソシアネート、及びこれらのカルボジイミド変性体等が挙げられ、これらを単独で使用又は2種以上併用することができる。これらのなかでも、芳香族環式構造または脂肪族環式構造を有するポリイソシアネートを使用することが好ましく、加熱溶融時の蒸気圧が低い前記4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4−MDI)を使用することが好ましい。
【0039】
また、本発明で使用する反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)は、後述するポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるウレタンプレポリマー(b)を含有してなる。前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)は、前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)によって形成された層(I)と、後述する化粧材との密着性に優れる。
【0040】
前記ウレタンプレポリマー(b)は、40℃〜130℃の融点を有するポリエステルポリオールと、−70℃〜−10℃のガラス転移温度を有するポリエステルポリオール及び/またはポリエーテルポリオールとを含むポリオール、及びポリイソシアネートを反応させることによって製造することができる。
【0041】
前記40℃〜130℃の融点を有するポリエステルポリオールとしては、例えば低分子量ポリオールとポリカルボン酸とを反応させて得られたものを使用することができる。
【0042】
前記低分子量ポリオールとしては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール等を使用することができるが、前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)によって形成された層(I)と、後述する化粧材との密着性に優れた層(II)を形成する観点から、直鎖脂肪族ジオールを使用することが好ましく、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオールを使用することがより好ましい。
【0043】
また、40℃〜130℃の融点を有するポリエステルポリオールを製造する際に使用できるポリカルボン酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸等を使用できるが、前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)によって形成された層(I)と、後述する化粧材との密着性に優れた層(II)を形成する観点から、直鎖脂肪族ジカルボン酸を使用することが好ましい。
【0044】
前記ポリエステルポリオールを構成する直鎖脂肪族ジオールと直鎖脂肪族ジカルボン酸との組み合わせとしては、優れた接着性を発現させる観点から1,6−ヘキサンジオールと、アジピン酸、セバシン酸又は1,10−デカンジカルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオールを使用することが好ましい。
【0045】
前記40℃〜130℃の融点を有するポリエステルポリオールとしては、60℃〜120℃の範囲の融点を有するものを使用することが好ましい。
【0046】
また、前記40℃〜130℃の融点を有するポリエステルポリオールは、前記ウレタンプレポリマー(b)を製造する際に使用するポリオール及びポリイソシアネートの全量に対して10質量%〜60質量%の範囲で使用すること好ましく、15質量%〜45質量%の範囲で使用することがより好ましい。40℃〜130℃の融点を有するポリエステルポリオールを前記範囲内で使用することによって、初期接着強さとオープンタイム(被着体の貼り合せ可能時間)とのバランスに優れ、かつ良好な初期セット性を発現可能な反応性ポリウレタンホットメルト組成物を得ることができる。
【0047】
また、前記−70℃〜−10℃のガラス転移温度を有するポリエステルポリオールとしては、例えば前記した低分子量ポリオールと前記したポリカルボン酸とを適宜組み合わせ、縮合反応して得られるものを使用できるが、ガラス転移温度を前記した範囲に調整するうえで、低分子量ジオールとしてエチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等を、ポリカルボン酸としてo−フタル酸、テレフタル酸、アジピン酸などの芳香族環式構造を有するジカルボン酸とを縮合反応させて得られるポリエステルポリオールを使用することが好ましい。
【0048】
また、−70℃〜−10℃のガラス転移温度を有するポリエーテルポリオールとしては、例えばポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールのエチレンオキサイド付加物、ポリテロラメチレンゴリコールを使用することができる。
【0049】
前記−70℃〜−10℃のガラス転移温度を有するポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールのなかでも、−70℃〜−10℃のガラス転移温度を有するポリエステルポリオールを使用することが好ましい。
【0050】
また、前記−70℃〜−10℃のガラス転移温度を有するポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールは、前記ウレタンプレポリマー(b)を製造する際に使用するポリオール及びポリイソシアネートの全量に対して10質量%〜60質量%の範囲で使用することが好ましく、15質量%〜40質量%の範囲で使用することがより好ましい。−70℃〜−10℃のガラス転移温度を有するポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールを前記範囲内で使用することによって、基材に対する濡れ性とオープンタイムとのバランスに優れた反応性ポリウレタンホットメルト組成物を得ることができる。
【0051】
また、前記ウレタンプレポリマー(b)を製造する際に使用可能なポリイソシアネートとしては、前記ウレタンプレポリマー(a)を製造する際に使用可能なものとして例示したポリイソシアネートと同様のものを使用することができるが、これらのなかでも、加熱溶融時の蒸気圧が低い前記4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4−MDI)を使用することが好ましい。
【0052】
前記ウレタンプレポリマー(a)及び前記ウレタンプレポリマー(b)は、それぞれ公知慣用の方法で製造することができる。例えば、反応容器中の前記ポリイソシアネートに、水分を除去したポリオールを滴下した後に加熱し、ポリオールの有する水酸基が実質的に無くなるまで反応させる方法によって製造することができる。前記ウレタンプレポリマーの製造は、通常、無溶剤で行うことができるが、有機溶剤中で反応させることによって製造してもよい。有機溶剤中で反応させる場合には、反応を阻害しない酢酸エチル、酢酸n−ブチル、メチルエチルケトン、トルエン等の有機溶剤を使用することができるが、反応の途中又は反応終了後に減圧加熱等の方法により有機溶剤を除去することが必要である。
【0053】
前記ウレタンプレポリマー(a)及び前記ウレタンプレポリマー(b)を製造する際に使用するポリオールとポリイソシアネートとの使用割合は、前記ポリイソシアネートが有するイソシアネート基と前記ポリオールが有する水酸基との当量比(以下、[イソシアネート基/水酸基]の当量比という。)が、それぞれ1.1〜5.0の範囲内であることが好ましく、1.5〜3.0の範囲内であることがより好ましい。
【0054】
本発明で使用する反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)及び反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)には、前記ウレタンプレポリマー(a)やウレタンプレポリマー(b)の他に、必要に応じて、公知の架橋触媒やシランカップリング剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、粘着付与剤、ワックス、可塑剤、整泡剤、充填剤、顔料、蛍光増白剤等の添加剤、及び熱可塑性樹脂等を、それぞれ併用することができる。
【0055】
本発明で使用する反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)及び反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)は、塗工性や、化粧材等に対する密着性を向上させるうえで、125℃における溶融粘度が、1000mPa・s〜15000mPa・sの範囲であることが好ましく、1500mPa・s〜10000mPa・sの範囲であることがより好ましい。
【0056】
次に、本発明で使用する紫外線硬化性ホットメルト組成物(C)について説明する。
本発明で使用する紫外線硬化性ホットメルト組成物(C)は、不飽和二重結合及び環式構造を有する数平均分子量300〜2500のエポキシアクリレート、光ラジカル重合開始剤、及びその他必要に応じて各種添加剤等を含有してなるものである。
【0057】
前記紫外線硬化性ホットメルト組成物(C)によって形成された層(IV)を有する本発明の積層体は、繰り返し荷重による凹みや化粧材の剥離をより一層引き起こしにくく、かつ優れた耐クラック性、及び高い表面硬度を有する。
【0058】
前記エポキシアクリレートとしては、紫外線硬化性の不飽和二重結合を少なくとも1つ有するものであり、例えば芳香族環式構造及び/または脂肪族環式構造を有するジグリシジルエーテルと、不飽和二重結合を有するモノカルボン酸とを、公知慣用の方法で反応させることによって製造することができる。
【0059】
前記ジグリシジルエーテルとしては、例えば、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、カテコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル等のフェニルジグリシジルエーテル化合物、ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、ビスフェノール−S型エポキシ樹脂、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンのエポキシ化物等のビスフェノール型エポキシ化合物、水素化ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノール−S型エポキシ樹脂、水素化2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンのエポキシ化物等の水素化ビスフェノール型エポキシ化合物、臭素化ビスフェノール−A型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノール−F型エポキシ樹脂等のハロゲノ化ビスフェノール型エポキシ化合物、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル化合物等の脂肪族環式構造含有ジグリシジルエーテル化合物、ビフェノール型エポキシ樹脂等を使用することができ、特にビスフェノール−A型エポキシ樹脂を使用することが好ましい。
【0060】
前記不飽和二重結合を有するモノカルボン酸としては、例えばアクリル酸類やクロトン酸、α−シアノ桂皮酸、桂皮酸、または、飽和ジカルボン酸もしくは不飽和ジカルボン酸と不飽和二重結合を有するモノグリシジル化合物との反応物を使用することができる。
【0061】
前記アクリル酸類としては、例えば(メタ)アクリル酸、β−スチリルアクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、または、飽和ジカルボン酸無水物もしくは不飽和ジカルボン酸無水物と、1分子中に1個の水酸基を有する(メタ)アクリレート及びその誘導体との反応物、及び、飽和ジカルボン酸もしくは不飽和ジカルボン酸酸と、モノグリシジル(メタ)アクリレート及びその誘導体との反応物を使用することができるが、(メタ)アクリル酸、桂皮酸、または(メタ)アクリル酸とε−カプロラクトンとの反応物を使用することが好ましい。
【0062】
前記エポキシアクリレートとしては、塗工作業性の向上と、耐クラック性及び高硬度に優れた積層体を得るうえで、300〜2500の範囲の数平均分子量を有するものを使用することが好ましく、400〜900の範囲の数平均分子量を有するものを使用することがより好ましい。
【0063】
また、前記紫外線硬化性ホットメルト組成物(C)に使用する光ラジカル重合開始剤としては、紫外線照射されることによってラジカルを生成することが可能な化合物を使用することができ、例えば水素引き抜き型重合開始剤、光開裂型重合開始剤などを使用することができる。
【0064】
前記水素引き抜き型重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、ベンジル、ベンゾイル安息香酸、ミヒラーズケトン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等を使用することができる。
【0065】
光開裂型重合開始剤としては、例えばベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチルフェニルケトン等を使用することができる。
【0066】
前記光ラジカル重合開始剤は、前記エポキシアクリレートの全量100質量部に対して、3〜10質量部の範囲で使用することが好ましい。
【0067】
また、前記紫外線硬化性ホットメルト組成物(C)には、前記したものの他に、必要に応じて公知慣用の光重合促進剤、熱重合禁止剤、着色剤、体質顔料、滑剤、可塑剤、消泡剤、酸化防止剤、カップリング剤、及びキレート剤等を、本発明の効果を阻害しない範囲で使用することができる。一方で、前記紫外線硬化性ホットメルト組成物(C)には、反応性希釈剤を実質的に使用しないことが好ましい。
【0068】
前記光重合促進剤としては、例えばトリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等を使用することができる。
【0069】
前記光重合促進剤を使用する場合には、前記エポキシアクリレートの全量100質量部に対して、1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、前記光ラジカル重合開始剤の全量100質量部に対して50〜200質量部の範囲で使用することが好ましい。
【0070】
前記紫外線硬化性ホットメルト組成物(C)は、前記した成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲で各種成分を併用してもよい。
【0071】
前記紫外線硬化性ホットメルト組成物(C)に併用可能な成分としては、例えば前記したエポキシアクリレート以外の、周知慣用の不飽和二重結合含有エポキシアクリレート、不飽和二重結合含有ウレタンアクリレート、不飽和二重結合含有ポリエステルアクリレート等が挙げられる。
【0072】
前記紫外線硬化性ホットメルト組成物(C)は、公知慣用の方法により製造できるが、例えば前記エポキシアクリレート、光ラジカル重合開始剤、及び必要に応じて光重合促進剤や前記その他の成分を加熱溶融して混錬することによって製造することができる。
【0073】
前記混練は、例えばダブルヘリカルリボン浴もしくはゲート浴、バタフライミキサー、プラネタリミキサー、三本ロール、ニーダールーダー型混練機、エクストルーダー型混練押し出し機等を一種または二種以上用いることにより行うことができる。
【0074】
紫外線硬化性ホットメルト組成物(C)は無溶剤下で製造することができるが、必要に応じて芳香族炭化水素、酢酸エステル、ケトン等のような不活性溶媒中で製造してもよい。但しその場合には、各主成分混錬した後に減圧及び/又は加熱等の方法で、不活性溶媒を除去する必要がある。
【0075】
前記紫外線硬化性ホットメルト組成物(C)は、50〜150℃に加熱したときの溶融粘度が100〜100,000mPa・sの範囲であることが好ましい。特に、前記紫外線硬化性ホットメルト組成物(C)を基材等に塗布する際に適用する通常の温度、概ね80℃における粘度が、500〜5000mPa・sであるものが好ましい。
【0076】
次に、本発明で使用する針葉樹からなる基材について説明する。
本発明で使用する針葉樹からなる基材としては、各種のものを使用することができるが、例えば芯材比率が高い北洋カラマツ等を使用することができる。また、前記基材としては、前記した針葉樹からなる複数の単板を、該単板表面に見られる繊維方向が直交するように積層して得られた針葉樹合板を使用することが、得られる積層体の剛性の向上の観点から好ましい。
前記基材としては、前記突板等の単板が接着される平面、及びその反対側の平面が平行であるものを使用することが好ましく、具体的には、四角柱や円柱状の形状であるものを使用することが好ましい。
【0077】
次に、本発明で使用する化粧材について説明する。
本発明で使用する化粧材は、針葉樹からなる基材に絵柄やエンボス等の意匠性を付与するためのもので、例えば突板、化粧紙、樹脂シート等を用いることができる。
これらの、化粧材には、必要に応じて、耐候性や耐擦傷性、耐久性等を高める目的とした表面保護層が適宜設けられていても良い。
【0078】
前記突板としては、例えば楢、椛、オーク、栓等の天然木を、約0.15mm〜1.2mm程度の厚さで薄く削りだしたものを使用することができる。また、前記突板の裏面、即ち前記基材と貼り合わせる面に、不織布や、ポリエチレンテレフタレート等からなるフィルム等を貼り合わせたものを使用することもできる。また、前記突板としては、複数の種類の木材を積層して得られる木質基材を、積層面から90°方向に約0.15mm〜1.2mm程度の厚さで薄く削りだしたものを使用することもできる。また、前記突板は、耐久性等の向上を目的として裏打ちされていてもよく、例えば突板からなる層と樹脂含浸紙からなる層とを有するシート、突板からなる層と樹脂からなる層と紙からなる層とを有するシート、突板からなる層と不織布からなる層とを有するシート、突板からなる層とオレフィンシートからなる層とを有するシート、及び突板からなる層とポリエチレンテレフタレートからなる層とを有するシート等を使用することもできる。
【0079】
また、前記化粧紙としては、木目や石目、抽象柄等が印刷された、樹脂含浸紙、強化紙、樹脂からなる層が形成された紙(いわゆるコート紙)等を使用することができる。
また、前記樹脂シートとしては、塩化ビニル、ポリオレフィン、PET等の樹脂をシート状に成型したものに木目や石目、抽象柄等が印刷されたものを用いることができる。
【0080】
次に、本発明の積層体の製造方法を説明する。
【0081】
本発明の積層体を製造する方法としては、公知の方法を適用することができるが、例えば針葉樹からなる基材上に、加熱溶融させた反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)を塗布し、その塗布面上に加熱溶融させた反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)を塗布した後、更に前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)の塗布面上に化粧材を載置したものを、ホットプレスや、少なくとも一対のプレスロールやプレスベルト等を用いて圧締することにより、前記基材上に前記層(I)、前記層(II)、及び前記層(III)を形成する第一の工程と、前記第一の工程で形成された前記化粧材からなる層(III)上に、加熱溶融された前記紫外線硬化性ホットメルト組成物を塗布し、該塗布面に紫外線を照射することによって層(IV)を形成する第二の工程とを有する方法がある。
【0082】
はじめに、前記第一の工程について説明する。
前記第一の工程において、加熱溶融させた前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)を針葉樹からなる基材上に塗布する方法としては、各種方法を適用できるが、ロールコーターで塗布する方法が好ましい。ロールコーターを用いた塗布方法は、前記基材がロールコーターと接触した場合のみ、前記基材上に前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)が塗布され、ロールコーターが前記基材から離れると塗布が停止することが可能な方法である。したがって、基材がシート状の巻物の様に連続したものでなく、一定の間隔を空けて間欠投入される様な板状のものである場合に適した塗布方法である。また、前記ロールコーターによる塗布方法は、スプレーやダイコーターによる塗布方法と異なり、基材の幅方向のサイズが変更した場合に、装置の設定を変更することなく塗布することができる。
【0083】
前記ロールコーターを構成するロールは、反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)が溶融する温度以上に調整されている必要があり、その温度は、使用する反応性ポリウレタンホットメルト組成物の組成により異なるが、概ね100℃〜130℃であることが好ましい。前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)の塗布量は、接着性とコスト等を考慮すると、20g/m〜100g/mの範囲が好ましい。前記ロールコーターの温度及び前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)の基材への塗布量が、かかる範囲内であれば、繰り返し荷重による積層体の凹みをより防止することが可能となる。
【0084】
また、前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)を塗布する方法としては、基材上に前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)を塗布する方法として例示した方法と同様の方法で行うことができる。前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)の塗布量は、接着性とコスト等を考慮すると、20g/m〜100g/mの範囲が好ましい。前記ロールコーターの温度及び前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)の基材への塗布量が、かかる範囲内であれば、化粧材の剥離を抑制することが可能となる。
なお、前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)を塗布する際に、予め針葉樹からなる基材上に塗布された前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)の塗布面は、依然として加熱溶融状態であってもよいが、ほぼ固化が進行し、層(I)を形成した状態であることが好ましい。
【0085】
前記方法により、針葉樹からなる基材上に、加熱溶融された反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)を塗布し、次いで該塗布面上に加熱溶融された反応性ポリウレタン組成物(B)を塗布した後、前記反応性ポリウレタン組成物(B)の塗布面に前記した化粧材を載置する。
次いで、前記方法で針葉樹からなる基材と、反応性ポリウレタン組成物(A)と、反応性ポリウレタン組成物(B)と、化粧材とを重ねあわせたものを、例えば2個のロールからなる一対のプレスロールを少なくとも1組有するプレス機のロールの間に搬送し、ロールとロールの間を通過する際に圧力を加え圧締する。その結果、前記突板と前記基材とが十分に固着され、外観等に優れた積層体を得ることができる。
【0086】
前記圧締で使用できるプレス機は、少なくとも1対のプレスロールを有することが必要であるが、突板等のように比較的薄く破れやすい化粧材の、積層体表面での破れやしわの発生を防止するうえで2組以上有するものを使用することが好ましい。
【0087】
前記プレスロールとしては、例えば鉄などの金属や、ゴム及びナイロンなどの樹脂からなるものを使用することができる。
【0088】
なお、前記圧締は、前記1対のプレスロールの代わりに、2個のプレスベルトからなる1対のプレスベルトを有するプレス機を使用し、ベルトプレス法で行っても良い。前記プレスベルトは、例えばゴムなどの樹脂や金属、皮などからなるベルトと、それを回転させる複数のロールとから構成されるものである。
【0089】
前記プレスロール、及び前記プレスベルトを構成するロールの直径は、50mm〜1000mmの範囲であることが好ましい。前記範囲内の直径を有するロールを使用することにより、突板等の比較的薄く破れやすい化粧材の破れやしわを抑制することができる。
【0090】
前記圧締工程において、前記プレスロール等によって加えられる圧力は、1MPa〜30MPaの範囲であることが好ましく、10MPa〜20MPaであることがより好ましい。また、前記プレスロール等には、必要に応じて、化粧材と針葉樹からなる基材とを固着させるうえで適当な温度に調整されていてもよい。
【0091】
次に前記第二の工程について説明する。
前記第一の工程で形成された前記化粧材からなる層(III)に前記紫外線硬化性ホットメルト組成物を塗布する方法としては、例えばロールコーター、グラビアコーター、バーコーター、フローコーターなどを使用し加熱溶融して塗布する方法がある。特に、ナチュラルロールコーターやナチュラルリバースコーターを用いて前記紫外線硬化性ホットメルト組成物を塗布する方法が、塗布効率の向上や作業性の改善等を図ることができるためより好ましい。
【0092】
前記紫外線硬化性ホットメルト組成物の塗布量は、10〜110g/mであることが好ましい。
【0093】
次に、塗布した前記紫外線硬化性ホットメルト組成物を硬化させることを目的として、その塗布面に紫外線を照射する。
【0094】
前記紫外線は、例えばキセノンランプ、キセノン−水銀ランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプなどの公知のランプを用いて発生させることができる。紫外線照射量としては、例えば80W/cmの高圧水銀ランプを用いた場合に、2〜30m/分程度照射することが好ましい。
【0095】
前記化粧材からなる層(III)上に形成された前記紫外線硬化性ホットメルト組成物が固化し形成した層(IV)は、概ね10μm〜100μmの範囲の厚みを有することが好ましく、20μm〜60μmの範囲の厚みを有することがより好ましい。
【0096】
また、前記化粧材として特に突板を使用する場合、大気中の温度及び湿度条件によっては、積層体製造途中で突板のしわや、ひび割れが発生する場合がある。作業環境によらず良好な外観を有する積層体は、下記の方法により製造することができる。
【0097】
具体的には、針葉樹からなる基材上に加熱溶融させた反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)を塗布し、次いで該塗布面に加熱溶融させた反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)を塗布した後、前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)の塗布面に突板を載置し、更に前記突板の上に平板を載置したものを、少なくとも1対のプレスロール又はプレスベルトを用いて圧締し、前記基材上に前記層(I)、前記層(II)、及び突板からなる層(VII)を形成する第一の工程と、前記第一の工程で形成された前記突板からなる層(VII)上に、加熱溶融された前記紫外線硬化性ホットメルト組成物を塗布し、該塗布面に紫外線を照射することによって層(V)を形成する第二の工程とを有する方法である。
【0098】
前記圧締の際に平板を使用することで、プレスロール等により前記基材や突板に対して垂直方向以外の方向にはたらく圧力を抑制でき、突板由来のしわやひび割れを十分に抑制することが可能となる。
【0099】
平板を用いて圧締する方法は、第一に、針葉樹からなる基材上に加熱溶融させた反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)を塗布し、次いで該塗布面に加熱溶融させた反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)を塗布した後、前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)の塗布面に突板を載置し、さらに前記基材と前記突板とを貼り合わせる部分を完全に覆う大きさの平板を重ねる。このとき、前記突板と前記基材とは、前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)や(B)によって完全に固着されていない。
【0100】
第二に、前記方法で重ね合わせたものを、例えば2個のロールからなる一対のプレスロールを少なくとも1つ有するプレス機の、ロールの間に搬送し、ロールとロールの間を通過する際に圧力を加え圧締する。その結果、突板由来のしわやひび割れを発生させることなく、突板と前記基材とを十分に固着することができる。平板は、前記突板等と固着されていないため、圧締後、容易に取り除くことができる。また、圧締の際には、プレスロールの代わりにプレスベルトを使用してもよく、またロールやベルトの材質、ロールの大きさ、圧締の際の圧力等は、前記と同様である。
【0101】
前記圧締は、針葉樹からなる基材が下側の状態で行っても良く、また前記平板が下側の状態で行っても良い。つまり、平板上に載置した突板表面に加熱溶融させた反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)を塗布し、その塗布面上に反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)を塗布した後、前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)の塗布面に基材を重ねたものを、前記同様の方法で圧締してもよい。
【0102】
前記圧締工程で使用可能な平板は、その表面が平滑な板状のものであり、表面に0.5N/mm以下の応力が加えられても変形しないものが好ましい。ここで変形とは、平板の表面に対して垂直方向に0.5N/mmの力を加えた際に、平板の表面が部分的に変形し平板の平滑性が損なわれることをいう。
前記平板としては、例えば金属、樹脂、木材、セメント等で構成される板状の成形物やこれらの複合材からなるものを使用することが好ましい。
前記平板に使用できる金属としては、例えば、鉄、アルミ、ステンレス、鋼板が挙げられる。
また、樹脂としては、例えばメラミン樹脂、フェノール樹脂や、繊維強化プラスチック(FRP)等の熱硬化性樹脂や、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)等の熱可塑性樹脂を使用することができる。
【0103】
前記平板としては、1mm〜100mmの厚さを有するものを使用することが好ましく、1.5mm〜50mmのものを使用することが好ましい。前記範囲の厚さを有する平板を使用することによって、得られる化粧造作部材表面に発生しうる突板由来のしわやひび割れを抑制することができ、また、平板の良好な取り扱い性を維持できる。
【0104】
また、前記平板を用いて圧締した後に、前記突板からなる層(VII)上に前記紫外線硬化性ホットメルト組成物(C)を塗布し層(V)を形成する第二の工程は、前記平板を用いない積層体の製造方法の説明の際に記載した方法と同様の方法である。
【0105】
前記製造方法によって得られた本発明の積層体には、化粧材由来の表面に塗装や切削等の加工を施すことができる。本発明の積層体は、前記切削等の加工を施す前に1〜2日間養生させる必要が無く、化粧材と針葉樹からなる基材とを貼り合わせた後に、常温、常湿度下でわずか1〜2時間養生させるだけで、積層体の表面に塗装や切削等の加工を施しても、化粧材の針葉樹からなる基材からの剥離を抑制することができる。
【0106】
また、本発明の積層体は、前記紫外線硬化性ホットメルト組成物(C)によって形成された層(IV)および層(V)上に、更にアクリルエマルジョン系水系塗料、ポリウレタンエマルジョン系水系塗料、ニトロセルロース系溶剤系塗料、2液ポリウレタン系溶剤系塗料、不飽和ポリエステル系紫外線硬化型塗料、アクリルオリゴマー系紫外線硬化型塗料、等の上塗り塗料によって形成されたトップコート層を有していてもよい。特に該積層体を床材に使用する場合には、耐久性、美観性、VOCの問題等の観点から、紫外線硬化型上塗り塗料によって形成されたトップコート層を有している積層体であることが好ましい。
【0107】
前記上塗り塗料は、塗工性、レベリング性を向上させる観点から、公知慣用の希釈性モノマーを含んでいることが好ましい。
かかる希釈性モノマーとしては、例えばトリメチロールプロパンジアクリレートまたはメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートまたはメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートなどを使用することができる。
【0108】
また、本発明の積層体は、前記した各層(I)〜(VII)以外に、本発明の効果を損なわない範囲でその他の層を有していてもよい。
例えば、前記積層体としては、用途によって高意匠性を有するものが求められる場合がある。高意匠性を有する積層体を得る方法としては、例えば前記紫外線硬化性ホットメルト組成物(C)によって形成された層(IV)の下等に、着色層を設ける方法がある。
【0109】
前記着色層は、例えば感光性樹脂、顔料、及び水を含む樹脂組成物を用い形成することが可能である。
【0110】
前記感光性樹脂としては、例えばアニオン系水溶性ウレタンアクリレートやカチオン系の水溶性ウレタンアクリレート等を使用することができる。前記感光性樹脂は、着色層を形成する樹脂組成物の全量100質量部に対して、50〜70質量部の範囲で使用することが好ましい。
【0111】
前記顔料としては、例えば二酸化チタン、ベンガラ、黄色酸化鉄、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドン系顔料、アゾ系顔料などの着色顔料、各色のメタリック顔料、各色のパール顔料、金属粉末およびそれに表面処理を施したもの、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム等の体質顔料などを挙げることができる。また、光沢を低下させるために、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、長石、ワラストナイト等の無機系艶消し剤や、有機微粒子からなる有機系の艶消し剤を使用することができる。前記顔料は、着色層を形成する樹脂組成物の全量100質量部に対して、10〜30質量部の範囲で使用することが好ましい。
【0112】
前記着色層を形成可能な樹脂組成物には、必要に応じて、公知の分散剤、消泡剤、防腐剤等を併用することができる。
【0113】
前記着色層は、前記着色層を形成可能な樹脂組成物をロールコーター、スプレー、フローコーター等の塗装機を用いて塗装し、次いで乾燥させることによって形成することが可能である。
【0114】
前記方法等によって得られた本発明の積層体は、耐キャスター性、密着性、耐熱性、密着性、及び外観の優れたものであるから、例えば床、天井、壁などの建築部材に使用することができる。
【実施例】
【0115】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0116】
<耐キャスター性>
一輪あたり20kgの加重がかかるように調整された直径50mmプラスチック双輪キャスターを、積層体の表面に縦方向に35000回往復させた際の、積層体の凹みや化粧材の剥離を目視で観察し、下記基準で評価した。
【0117】
耐キャスター性の判定基準
○:200μm以上の凹み、化粧材や塗膜の剥がれ、割れが見られない。
△:200μm以上の著しい凹みがみられる。
×:化粧材や塗膜の剥がれ、割れが見られる。
【0118】
<密着性>
カッターナイフを用いて、積層体の表面に、針葉樹からなる基材に達する切傷を碁盤目状(1マスあたり2mm角で100マス)に作成した。この碁盤目状の切傷の上にセロハン粘着テープを貼付した後、該テープを剥がした際の化粧材の付着状態を目視によって観察した。
【0119】
密着性の判定基準
○:はがれがない。
△:剥がれの面積が碁盤目全体に対して35%未満。
×:剥がれの面積が碁盤目全体に対して35%以上。
【0120】
<外観>
圧締した直後の積層体の表面を目視で観察し、その外観を評価した。
【0121】
外観の判定基準
○:積層体表面全体に渡って、化粧材の剥がれ、割れ及びしわがない。
△:積層体表面の一部に、化粧材の剥がれ、割れ及びしわが見られる。
×:積層体表面全体に渡って、化粧材の剥がれ、割れ及びしわが見られる。
【0122】
<耐熱性>
20℃及び相対湿度60%の雰囲気下で72時間静置することで各反応性ポリウレタンホットメルト組成物及び紫外線硬化性ホットメルト組成物を完全に硬化させて得られた積層体を、80℃の雰囲気下で192時間放置した。放置後の積層体表面の、化粧材の剥離や割れの有無を目視で判定した。
【0123】
耐熱性の判定基準
○:全体に渡って、化粧材の剥がれ、割れ及びしわがない。
△:一部に、化粧材の剥がれ、割れ及びしわが見られる。
×:全体に渡って、化粧材の剥がれ、割れ及びしわが見られる。
【0124】
<耐水性>
20℃及び相対湿度60%の雰囲気下で72時間静置することで各反応性ポリウレタンホットメルト組成物及び紫外線硬化性ホットメルト組成物を完全に硬化させて得られた積層体を、70℃の温水中に2時間浸漬した。次いで、浸漬後の積層体を60℃に調整した乾燥機で3時間乾燥した後、積層体表面における化粧材の剥離や割れの有無を目視で判定した。
【0125】
耐水性の判定基準
○:全体に渡って、化粧材の剥がれ、割れ及びしわがない。
△:一部に、化粧材の剥がれ、割れ及びしわが見られる。
×:全体に渡って、化粧材の剥がれ、割れ及びしわが見られる。
【0126】
<耐クラック性>
化粧材を−20℃の雰囲気下に2時間静置した後、更に80℃の雰囲気下に2時間静置することを1サイクルとして、これを5サイクル繰り返した後の、該積層体の表面外観を目視で判定した。
【0127】
耐クラック性の判定基準
○:割れなし。
△:積層体表面の一部に1cm以下の割れがある。
×:積層体表面の全体に1cm以上の割れがある。
【0128】
<硬度>
JIS K5600引っかき硬度(鉛筆法)に準じて、積層体の表面を引っかき、表面に塑性変形(押し傷)が生じない鉛筆硬度の上限を評価した。
【0129】
製造例1:反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A−1)の製造例
1リットル4ツ口フラスコ内で数平均分子量が3000のポリテトラメチレングリコールの75質量部、及び、無水フタル酸と1,6−ヘキサンジオールとを反応させて得られる数平均分子量が1000の芳香族ポリエステルポリオールの425質量部とを混合し、120℃で減圧加熱することによって前記フラスコ内の水分が0.05質量%となるまで脱水した。
【0130】
次いで、70℃に冷却後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を172.5質量部加え、100℃でイソシアネート含有量が一定となるまで3時間反応させることによってウレタンプレポリマー(a−1)含有の反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A−1)を得た。前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A−1)をコーンプレート粘度計で測定した125℃における溶融粘度は8000mPa・sであり、イソシアネート基の含有率は3.0質量%であった。ウレタンプレポリマー(a−1)全体に対する環式構造の質量割合は、34.5質量%であった。なお、前記イソシアネート基含有量は、前記分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーに過剰のアミンを添加し、イソシアネート基反応させた後、残ったアミンを塩酸で滴定することで、前記ウレタンプレポリマー中におけるイソシアネート基の質量割合を求めた。
【0131】
製造例2:反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B−1)の製造例
2リットル4ツ口フラスコ内で、数平均分子量2000のポリプロピレングリコール190質量部、及び、1,12−ドデカンジカルボン酸と1,6−ヘキサンジオールとを反応させて得られる、水酸基当量質量が1750の脂肪族ポリエステルポリオールの380質量部と、アジピン酸と1,6−ヘキサンジオールとを反応させて得られる、水酸基当量質量が2000の脂肪族ポリエステルポリオールの200質量部と、エチレングリコールとネオペンチルグリコールとイソフタル酸とテレフタル酸とを反応させて得られる、水酸基当量質量が1500の芳香族ポリエステルポリオールの380質量部とを混合し、100℃で減圧加熱することによって前記フラスコ内の水分が0.05質量%となるまで脱水した。
【0132】
次いで、それらを70℃に冷却した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの226質量部を加え、生成するウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基の質量割合が一定となるまで120℃で3時間反応させることにより、数平均分子量が1622の分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(b−1)を得た。
数平均分子量1622)を得た。
【0133】
得られたウレタンプレポリマー(b−1)に、添加剤として2,2’−ジモルホリノジエチルエーテル(商品名:U−CAT 660M、サンアプロ社製)の1質量部を加えて均一に攪拌することで、前記ウレタンプレポリマー(b−1)中におけるイソシアネート基の質量割合が2.3質量%で、コーンプレート粘度計(ICI型、20Pコーン)を用いて測定した125℃における溶融粘度が11000mPa・sである反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B−1)を得た。
【0134】
製造例3:紫外線硬化性ホットメルト組成物(C−1)の製造例
攪拌装置及び還流管を有する1リットルLフラスコ中に、ビスフェノール−A型エポキシ樹脂(エピコート828。ジャパンエポキシレジン株式会社製)を368.0質量部、アクリル酸を141.24質量部、熱重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテルを1.02質量部及び反応触媒としてトリフェニルフォスフィンを1.53質量部仕込み、加熱溶融状態である反応物の酸価が0.5mg・KOH/g以下になるまで反応させることによってエポキシアクリレート(数平均分子量:430)を得た。
次いで、前記エポキシアクリレート400.0質量部と、重合開始剤(ダロキュア1173、チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製)20質量部とを100℃で撹拌混合することによって、紫外線硬化性ホットメルト組成物(C−1)を得た。
【0135】
製造例4:紫外線硬化性ホットメルト組成物(C−2)の製造例
攪拌装置及び還流管を有する1リットルLフラスコ中に、脂肪族エポキシアクリレート(Laromer LR8765、BASF株式会社製)を400.0質量部と、重合開始剤(ダロキュア1173、チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製)20質量とを100℃で撹拌混合することによって、紫外線硬化性ホットメルト組成物(C−2)を得た。
【0136】
製造例5:上塗り塗料(D−1)の調製例
ユニディックV−5508(大日本インキ化学工業株式会社製)50質量部、アロニックスM−220(東亞合成株式会社製)を20質量部、イルガキュア184(チバスペシャリティーケミカルズ株式会社製)を5質量部、ベンゾフェノンを1質量部、ミネックス#7(白石カルシウム株式会社製)を15質量部、サイロイドE−50(グレースジャパン株式会社製)を3質量部、ミクロンホワイト5000A(林化成株式会社製)を15質量部を混合、攪拌することによって上塗り塗料(D−1)を調製した。
【0137】
(実施例1)
図1は、本発明の一実施形態にかかる積層体の製造方法を示す概略図である。
図1に記載の製造方法において、製造例1で得られた反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A−1)を、図1中の温度調節が可能な1対のロールからなるロールコーター6(松下工業(株)製、DTW−420、ロールの表面温度120℃、ロールの回転速度20m/分)を用いて、コンベア10によって搬送された基材1(針葉樹合板:厚さ12mm、幅300mm、長さ1800mm)の表面に50g/m塗布した。
【0138】
前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A−1)の塗布面がタックフリーとなった後、製造例2で得られた反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B−1)を、図1中の温度調節が可能な1対のロールからなるロールコーター7(松下工業(株)製、DTW−420、ロールの表面温度120℃、ロールの回転速度20m/分)を用いて、前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A−1)の塗布面に50g/m塗布した後、前記組成物(B−1)の塗布面上に化粧材4(突板。ナラ材:厚さ0.3mm、幅310mm、長さ1820mm)を載置し、更にこの化粧材4上に平板(合板:厚さ12mm、幅320mm、長さ1820mm)を重ねた。これを鉄製の3対のプレスロール8により12MPaの圧力で圧締することで、前記基材1上に層2及び層3を形成し、かつ前記層3上に化粧材4を接着した。
【0139】
次いで、前記平板を化粧材4上から取り除き、前記紫外線硬化性ホットメルト組成物(C−1)を、図1中の温度調節が可能な1対のロールコーター9(松下工業(株)製、DTW−420、ロールの表面温度80℃)を用いて、前記化粧材4上に50g/m塗布した。
次いで、該塗布面上に紫外線照射装置(高圧水銀灯)11を用いて紫外線を100mJ/cm照射することによって、積層体12を得た。
【0140】
(実施例2)
前記実施例1で得られた積層体と同様の積層体の表面を、#240の耐水研磨紙で表面研磨し、次いで、該表面に上塗り塗料(D−1)を10g/m塗工し、室温25℃の条件で、160mJ/cmの紫外線を照射し硬化させることによって、トップコート層を有する積層体を得た。
【0141】
(実施例3)
圧締の際に平板を使用しない以外は、前記実施例1と同様の方法で積層体を製造した。
【0142】
(比較例1)
図1に記載の製造方法において、製造例2で得られた反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B−1)を、図1中の温度調節が可能な1対のロールからなるロールコーター6(松下工業(株)製、DTW−420、ロールの表面温度120℃、ロールの回転速度20m/分)を用いて、コンベア10によって搬送された基材1(針葉樹合板:厚さ12mm、幅300mm、長さ1800mm)の表面に100g/m塗布した。
【0143】
次に、前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B−1)の塗布面上に、化粧材4(突板。ナラ材:厚さ0.3mm、幅310mm、長さ1820mm)を載置し、更にこの化粧材4上に平板(合板:厚さ12mm、幅320mm、長さ1820mm)を重ねた。これを鉄製の3対のプレスロール7により12MPaの圧力で圧締することで、前記基材1上に層3を形成し、かつ前記層3上に化粧材4を接着した。
【0144】
前記平板を化粧材4上から取り除いた後、前記紫外線硬化性ホットメルト組成物(C−1)を、図1中の温度調節が可能な1対のロールコーター9(松下工業(株)製、DTW−420、ロールの表面温度80℃)を用いて、前記化粧材4上に50g/m塗布した。
次いで、該塗布面上に紫外線照射装置(高圧水銀灯)11を用いて紫外線を100mJ/cm照射することによって、積層体を得た。
【0145】
(比較例2)
前記比較例1で得られた積層体と同様の積層体の表面を、#240の耐水研磨紙で表面研磨し、次いで、該表面に上塗り塗料(D−1)を10g/m塗工し、室温25℃の条件で、160mJ/cmの紫外線を照射し硬化させることによって、トップコート層を有する積層体を得た。
【0146】
(比較例3)
図1に記載の製造方法において、製造例2で得られた反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B−1)を、図1中の温度調節が可能な1対のロールからなるロールコーター6(松下工業(株)製、DTW−420、ロールの表面温度120℃、ロールの回転速度20m/分)を用いて、コンベア10によって搬送された基材1(針葉樹合板:厚さ12mm、幅300mm、長さ1800mm)の表面に100g/m塗布した。
【0147】
次に、前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B−1)の塗布面上に、化粧材4(突板。ナラ材:厚さ0.3mm、幅310mm、長さ1820mm)を載置し、更にこの化粧材4上に平板(合板:厚さ12mm、幅320mm、長さ1820mm)を重ねた。これを鉄製の3対のプレスロール8により12MPaの圧力で圧締することで、前記基材1上に層2を形成し、かつ前記層2上に化粧材4を接着した。
前記平板を化粧材4上から取り除いた後、得られた積層体の表面を#240の耐水研磨紙で表面研磨し、次いで、該表面に上塗り塗料(D−1)を10g/m塗工し、室温25℃の条件で、160mJ/cmの紫外線を照射し硬化させることによって、トップコート層を有する積層体を得た。
【0148】
(比較例4)
図1に記載の製造方法において、製造例1で得られた反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A−1)を、図1中の温度調節が可能な1対のロールからなるロールコーター6(松下工業(株)製、DTW−420、ロールの表面温度120℃、ロールの回転速度20m/分)を用いて、コンベア10によって搬送された基材1(針葉樹合板:厚さ12mm、幅300mm、長さ1800mm)の表面に50g/m塗布した。
【0149】
前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A−1)の塗布面がタックフリーとなった後、製造例2で得られた反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B−1)を、図1中の温度調節が可能な1対のロールからなるロールコーター7(松下工業(株)製、DTW−420、ロールの表面温度120℃、ロールの回転速度20m/分)を用いて、前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A−1)の塗布面上に50g/m塗布した後、前記組成物(B−1)の塗布面上に化粧材4(突板。ナラ材:厚さ0.3mm、幅310mm、長さ1820mm)を載置し、更にこの化粧材4上に平板(合板:厚さ12mm、幅320mm、長さ1820mm)を重ねた。これを鉄製の3対のプレスロール8により12MPaの圧力で圧締することで、前記基材1上に層2及び層3を形成し、かつ前記層3上に化粧材4を接着した。
【0150】
前記平板を化粧材4上から取り除いた後、前記紫外線硬化性ホットメルト組成物(C−2)を、図1中の温度調節が可能な1対のロールコーター9(松下工業(株)製、DTW−420、ロールの表面温度80℃)を用いて、前記化粧材4上に50g/m塗布した。
【0151】
次いで、該塗布面上に紫外線照射装置(高圧水銀灯)11を用いて紫外線を100mJ/cm照射することによって、積層体を得た。得られた積層体の表面を#240の耐水研磨紙で表面研磨し、次いで、該表面に上塗り塗料(D−1)を10g/m塗工し、室温25℃の条件で、160mJ/cmの紫外線を照射し硬化させることによって、トップコート層を有する積層体を得た。
【0152】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】積層体をロールプレス法で製造する工程の概略図を示す。
【図2】得られた積層体の断面図を示す。
【符号の説明】
【0154】
1 基材1
2 反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A−1)によって形成された層2
3 反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B−1)によって形成された層3
4 化粧材4
5 紫外線硬化性ホットメルト組成物(C−1)によって形成された層5
6 ロールコーター6
7 ロールコーター7
8 プレスロール8
9 ロールコーター9
10 コンベア10
11 紫外線照射装置11
12 積層体12


【特許請求の範囲】
【請求項1】
針葉樹からなる基材上に、
反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)によって形成された層(I)を有し、
前記層(I)上に、反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)によって形成された層(II)を有し、
前記層(II)上に化粧材からなる層(III)を有し、
更に前記層(III)上に紫外線硬化性ホットメルト組成物(C)によって形成された層(IV)を有する積層体であって、
前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)が、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるウレタンプレポリマー(a)を含有してなり、前記ウレタンプレポリマー(a)が、前記ウレタンプレポリマー(a)全体に対して環式構造を30質量%〜60質量%有するものであり、
前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)が、40℃〜130℃の融点を有するポリエステルポリオールと、−70℃〜−10℃のガラス転移温度を有するポリエステルポリオール及び/または−70℃〜−10℃のガラス転移温度を有するポリエーテルポリオールとを含むポリオール、及びポリイソシアネートを反応させて得られるウレタンプレポリマー(b)を含有するものであり、
かつ前記紫外線硬化性ホットメルト組成物(C)が、不飽和二重結合及び環式構造を有する数平均分子量300〜2500のエポキシアクリレート及び光ラジカル重合開始剤を含有するものであることを特徴とする積層体。
【請求項2】
前記ウレタンプレポリマー(a)が、数平均分子量800〜2000の芳香族環式構造を有するポリエステルポリオール、脂肪族環式構造を有するポリエステルポリオール、数平均分子量100〜500の芳香族環式構造を有するポリオール、及び前記数平均分子量100〜500の芳香族環式構造を有するポリオールのエチレンオキサイド及び/またはプロピレンオキサイド付加物からなる群より選ばれる1種以上のポリオールと、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとを反応させて得られるものである、請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
前記ウレタンプレポリマー(b)が、脂肪族環式構造を有するポリエステルポリオールと、芳香族環式構造を有するポリエステルポリオールまたは芳香族環式構造を有するポリエーテルポリオールとを含むポリオール、及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを反応させて得られるものである、請求項1に記載の積層体。
【請求項4】
前記紫外線硬化性ホットメルト組成物(C)が、前記エポキシアクリレートの100質量部に対して3〜10質量部の光ラジカル開始剤を含有するものである、請求項1に記載の積層体。
【請求項5】
前記紫外線硬化性ホットメルト組成物(C)が、反応性希釈剤を含まないものである、請求項1に記載の積層体。
【請求項6】
前記針葉樹からなる基材が、針葉樹からなる2枚以上の単板を、該単板の繊維の向きが直交するように積層して得られた針葉樹合板からなるものである、請求項1に記載の積層体。
【請求項7】
前記化粧材が、突板、突板からなる層と樹脂含浸紙からなる層とを有するシート、突板からなる層と樹脂からなる層と紙からなる層とを有するシート、突板からなる層と不織布からなる層とを有するシート、突板からなる層とオレフィン樹脂からなる層とを有するシート、及び突板からなる層とポリエチレンテレフタレートからなる層とを有するシートである、請求項1に記載の積層体。
【請求項8】
針葉樹からなる基材上に加熱溶融させた前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)を塗布し、次いで該塗布面に加熱溶融させた前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)を塗布し、次いで前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)の塗布面上に化粧材を載置したものを圧締することで、前記基材上に前記層(I)、前記層(II)、及び前記層(III)を形成する第一の工程と、
前記第一の工程で形成された前記化粧材からなる層(III)上に、
加熱溶融された前記紫外線硬化性ホットメルト組成物(C)を塗布し、該塗布面に紫外線を照射することによって層(IV)を形成する第二の工程とを有する、積層体の製造方法。
【請求項9】
針葉樹からなる基材上に加熱溶融させた反応性ポリウレタンホットメルト組成物(A)を塗布し、次いで該塗布面に加熱溶融させた反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)を塗布し、次いで前記反応性ポリウレタンホットメルト組成物(B)の塗布面上に突板を載置し、次いで前記突板上に平板を載置したものを、少なくとも1対のプレスロールまたはプレスベルトを用いて圧締することで、前記基材上に前記層(I)、前記層(II)、及び突板からなる層(VII)を形成する第一の工程と、
前記第一の工程で形成された前記突板からなる層(VII)上に、加熱溶融された前記紫外線硬化性ホットメルト組成物(C)を塗布し、該塗布面に紫外線を照射することによって層(V)を形成する第二の工程とを有する、積層体の製造方法。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれかの積層体からなる床材。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−144850(P2007−144850A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−343669(P2005−343669)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000002886)大日本インキ化学工業株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】