説明

積層型二次電池

【課題】正極集電リードあるいは負極集電リードと対極の極板の間の短絡がより確実に防止された積層型二次電池を提供する。
【解決手段】正極集電リード4が延出する複数枚の正極極板2と、負極集電リードが延出する複数枚の負極極板とがセパレータ11を介して交互に積層された積層型電極体を備える積層型二次電池であって、前記正極極板2の一方の面側に位置する第1のセパレータ11aにおいて、前記正極集電リード4と対向する領域に第1の絶縁性粘着テープ14aが貼り付けられ、前記正極極板2の他方の面側に位置する第2のセパレータ11bにおいて、前記正極集電リード4と対向する領域に第2の絶縁性粘着テープ14bが貼り付けられている積層型二次電池。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型電極体を備えた積層型二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機、携帯型パーソナルコンピュータ、携帯型音楽プレイヤー等の携帯型
電子機器の駆動電源として、リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池が
多く使用されている。更に、原油価格の高騰や環境保護運動の高まりを背景として、非水電解質二次電池を用いた電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)、電動バイク等の電動車両の開発が活発に行われている。また、深夜電力や太陽光発電の電力を貯蔵することを目的とした大型蓄電システムに用いられる二次電池として中大型の非水電解質二次電池の開発が進められている。
【0003】
このような非水電解質二次電池の電池形態としては、大別して、渦巻状の電極体を外装体に封入した渦巻型のものと、方形状の極板を複数枚積層した積層型電極体を外装缶またはラミネートフィルムからなるラミネート外装体に封入した積層型のものとがある。
【0004】
これら非水電解質二次電池のうち、積層型電極体の具体的な構成は、正極集電リードを延出させたシート状の正極極板と、負極集電リードを延出させたシート状の負極極板とを、ポリエチレン、ポリプロピレン等からなるセパレータを介して必要な数だけ積層するような構成である。
【0005】
このような積層型電極体においては、正極集電リードあるいは負極集電リードの端部にバリが存在した場合、このバリがセパレータを突き破り、正極集電リードあるいは負極集電リードと対極の極板とが接触し短絡する虞がある。また、正極集電リードあるいは負極集電リードと対極の極板の間に存在するセパレータが熱収縮し、正極集電リードあるいは負極集電リードと対極の極板とが接触し短絡する虞がある。
【0006】
このような課題を解決するための技術として、下記特許文献1には、集電リードの根元部分に絶縁性樹脂よりなる短絡防止層を形成し、短絡の発生を防止することが開示されている。
【0007】
また、下記特許文献2においては、シート型電池において、リード部を絶縁テープで保護することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4366783号公報
【特許文献2】特開2002−329493公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1及び2に開示されている技術によれば、正極集電リードあるいは負極集電リードと対極の極板との間の短絡を防止するうえで一定の効果は得られると考えられるが、更なる技術の改良が望まれる。
【0010】
本発明は、正極集電リードあるいは負極集電リードと対極の極板の間の短絡がより確実に防止された積層型二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の積層型二次電池は、正極集電リードが延出する複数枚の正極極板と、負極集電リードが延出する複数枚の負極極板とがセパレータを介して交互に積層された積層型電極体を備える積層型二次電池であって、前記正極極板又は前記負極極板である第1の極板の一方の面側に位置する第1のセパレータ及び前記第1の極板の他方の面側に位置する第2のセパレータのうち少なくとも一方において、前記第1の極板から延出する第1の集電リードと対向する領域にシート状絶縁部材が配置されていることを特徴とする。
【0012】
本発明においては、前記正極極板又は前記負極極板である第1の極板の一方の面側に位置する第1のセパレータにおいて、前記第1の極板から延出する第1の集電リードと対向する領域に第1のシート状絶縁部材が配置され、前記第1の極板の他方の面側に位置する第2のセパレータにおいて、前記第1の集電リードと対向する領域に第2のシート状絶縁部材が配置されている形態とすることができる。
【0013】
上記の構成によると、セパレータにおいて正極集電リード又は負極集電リードと対向する領域がシート状絶縁部材により覆われているため、正極集電リード又は負極集電リードのバリによりセパレータが破損、或いはセパレータが熱収縮した場合であっても、正極集電リード又は負極集電リードと対極の極板が短絡することを防止できる。ここで、シート状絶縁部材の厚みは10〜80μm程度とすることが好ましい。
【0014】
特許文献1及び2に開示されている技術では、集電リード上に短絡防止層や保護層を設けるため、短絡防止層や保護層を設ける作業工程において、活物質層にダメージを与える可能性がある。これに対して、本発明によると、セパレータを極板の両面側に配置する前に、セパレータ上にあらかじめシート状絶縁部材を配置することにより、活物質層にダメージを与えることを防止できる。また、セパレータを極板の両面側に配置した状態で、セパレータ上にシート状絶縁部材を配置する場合であっても、極板の活物質層がセパレータで覆われた状態でシート状絶縁部材を配置する工程が行われるため、活物質層へのダメージを抑制できる。
【0015】
本発明において第1の極板は、正極極板及び負極極板のいずれであってもよいが、正極極板とすることが好ましい。リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池においては、充電時に正極活物質から放出されたリチウムイオンを負極活物質に確実、且つスムーズに吸蔵させるために、負極極板の負極活物質層形成部は正極極板の正極活物質層形成部よりも大面積となるように形成することが好ましい。したがって、正極極板から延出する正極集電リードは、セパレータを介して負極活物質層と対向した構造となっているのが一般的である。このため、大きな積層ずれが生じると負極集電リードと正極活物質層が短絡する可能性があるものの、通常は正極集電リードと負極活物質層の間で短絡が生じる可能性が大きいため、本発明において第1の極板は、正極極板とすることが好ましい。
【0016】
ここで、セパレータにおいて第1の集電リードと対向する領域とは、平面視でセパレータにおいて第1の集電リードと重なる領域である。したがって、シート状絶縁部材が配置される位置は、セパレータにおいて第1の極板と接する側の面でもよく、セパレータにおいて第1の極板と接する側の面とは反対側の面であってもよい。但し、本発明では、シート状絶縁部材が配置される位置は、セパレータにおいて第1の極板と接する側の面とは反対側の面とすることが好ましい。
【0017】
本発明においては、第1の極板の一方の面側に位置する第1のセパレータと第1の極板の他方の面側に位置する第2のセパレータは、それぞれ別々の一枚のセパレータから構成されても良い。また、一枚のセパレータを中央で折り返し、折り返し部を境界として、一方の領域部分を第1のセパレータとし、他方の領域部分を第2のセパレータとすることもできる。
【0018】
本発明において、正極極板は金属製の正極芯体の表面に正極活物質層を形成したものであることが好ましい。正極極板における一辺の端部には、正極活物質層が形成されていない正極芯体の一部が正極集電リードとして延出するようにすることが好ましい。また、正極芯体に、別部材を接続し正極集電リードとすることも可能である。負極極板は、金属製の負極芯体の表面に負極活物質層を形成したものであることが好ましい。負極極板における一辺の端部には、負極活物質層が形成されていない負極芯体の一部が負極リードとして延出するようにすることが好ましい。また、負極芯体に、別部材を接続し負極リードとすることも可能である。
【0019】
本発明において、前記シート状絶縁部材は、絶縁性基材に粘着層が形成された絶縁性粘着テープであり、前記粘着層により前記絶縁性基材が前記セパレータに接着されている形態とすることができる。
【0020】
シート状絶縁部材として、絶縁性粘着テープを用いることにより、正極集電リード又は負極集電リードの近傍に位置するセパレータに熱的なダメージを与えることなく、容易に正極集電リード又は負極集電リードと対極の極板との短絡を防止することが可能となる。
【0021】
ここで、絶縁性基材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)のようなポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン(PP)、ポリアリレート、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド(PI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリ4フッ化エチレン等のフィルム、あるいはそれらの複合体等が挙げられる。なかでも、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミドが好ましい。また、粘着層としては、電池性能に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、アクリル系粘着剤、アクリレート系接着剤等を用いることができる。なかでも、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤が好ましい。
【0022】
本発明において、前記シート状絶縁部材が絶縁性粘着テープの場合、前記第1のセパレータないし前記第2のセパレータにおいて前記第1の集電リードと対向する領域から前記第1の集電リードにかけて絶縁性粘着テープが貼り付けられている形態とすることができる。
【0023】
セパレータにおいて第1の集電リードと対向する領域から第1の集電リードにかけて絶縁性粘着テープが貼り付けられていることにより、セパレータが第1の集電リードに固定される。したがって、セパレータが捲れて、第1の集電リードと対極の極板が短絡することを防止できる。さらに、セパレータに対する第1の極板の位置ずれを防止することができる。したがって、第1の極板の位置ずれにより第1の集電リードと対極の極板が短絡することを防止できる。
【0024】
ここで、前記第1のセパレータにおいて前記第1の集電リードと対向する領域から前記第1の集電リードにかけて第1の絶縁性粘着テープが貼り付けられ、前記第2のセパレータにおいて前記第1の集電リードと対向する領域から前記第1の集電リードにかけて第2の絶縁性粘着テープが貼り付けられている形態とすることが好ましい。
【0025】
本発明において、前記シート状絶縁部材が絶縁性粘着テープの場合、前記第1の絶縁性粘着テープと前記第2の絶縁性粘着テープは、前記第1の集電リード及び前記第1の極板を介さずに互いに接着されている形態とすることができる。
【0026】
第1の絶縁性粘着テープと第2の絶縁性粘着テープとが、第1の集電リード及び第1の極板を介さずに互い接着されている部分を有することにより、セパレータが捲れることをより確実に防止できる。また、セパレータに対する第1の極板の位置ずれをより確実に防止することができる。この場合、平面視で第1の集電リードの左右の少なくともいずれか一方の領域で、第1の絶縁性粘着テープと第2の絶縁性粘着テープとが、第1の集電リード及び第1の極板を介さずに互いに接着されている形態とすることができる。また、平面視で第1の集電リードの左右両側の領域で、第1の絶縁性粘着テープと第2の絶縁性粘着テープとが、第1の集電リード及び第1の極板を介さずに互いに接着されていることがより好ましい。
【0027】
本発明において、シート状絶縁部材が絶縁性粘着テープの場合、前記第1の絶縁性粘着テープ及び前記第2の絶縁性粘着テープは、それぞれ、対応するセパレータの幅の90%以上の幅を有する形態とすることができる。
【0028】
このように、絶縁性粘着テープの幅(第1の極板において第1の集電リードが形成された辺と平行な方向の長さ)を、対応するセパレータの幅(セパレータにおいて絶縁性粘着テープが貼り付けられた辺の長さ)の90%以上とすることにより、セパレータにおいて、第1の集電リードと対極の集電リードと対向する領域が、第1の集電リードと対極の集電リードのバリにより破損した場合や、セパレータが熱収縮した場合でも、第1の集電リードと対極の集電リードと第1の極板が短絡することも防止できる。また、第1の絶縁性粘着テープと第2の絶縁性粘着テープとが、第1の集電リード及び第1の極板を介さずに互いに接着されていれば、セパレータが捲れることにより第1の集電リードと対極の集電リードと第1の極板が短絡することも防止できる。
【0029】
本発明において、シート状絶縁部材が絶縁性粘着テープの場合、前記第1の絶縁性粘着テープは折り返されて、前記第2のセパレータ上あるいは前記第2の絶縁性粘着テープ上に貼り付けられている形態とすることができる。
【0030】
これにより、セパレータが捲れることをより確実に防止できる。また、セパレータに対する第1の極板の位置ずれをより確実に防止することができる。この場合、平面視で第1の集電リードの左右の少なくともいずれか一方の領域で、第1の絶縁性粘着テープが折り返されて、前記第2のセパレータ上あるいは前記第2の絶縁性粘着テープ上に貼り付けられていればよい。
【0031】
本発明において、シート状絶縁部材が絶縁性粘着テープの場合、前記第1のセパレータに接着された前記第1の絶縁性粘着テープと、前記第2のセパレータに接着された前記第2の絶縁性粘着テープは、平面視で前記第1の集電リードの左右の少なくともいずれか一方の領域において、前記第1の集電リード及び前記第1の極板を介さずに互いに接続され、且つ前記第1の絶縁性粘着テープと前記第2の絶縁性粘着テープは、それぞれ前記第1の集電リードに直接貼り付けられていない形態とすることができる。
【0032】
これにより、セパレータにおいて第1の集電リードと対向する領域が絶縁性粘着テープにより覆われているため、第1の集電リードのバリによりセパレータが破損、或いはセパレータが熱収縮した場合であっても、第1の集電リードが対極の極板と短絡することを防止できる。また、第1の絶縁性粘着テープと第2の絶縁性粘着テープとが、平面視で第1の集電リードの左右の少なくともいずれか一方の領域において、第1の集電リード及び第1の極板を介さずに互いに接続されていることにより、セパレータが捲れることをより確実に防止できる。この場合、平面視で第1の集電リードの左右両側の領域で、第1の絶縁性粘着テープと第2の絶縁性粘着テープとが、第1の集電リード及び第1の極板を介さずに互いに接続されていることがより好ましい。これにより、セパレータに対する第1の極板の位置ずれをより確実に防止することができる。
【0033】
また、各正極極板から延出する複数枚の正極集電リードを一つに束ねて正極端子に接続する集電構造を有する積層型電池においては、第1の絶縁性粘着テープ及び第2の絶縁性粘着テープが、それぞれ第1の集電リードに直接貼り付けられていない形態とすることで、絶縁性粘着テープにより第1の集電リードが折り曲げ難くなることを避けることができ、複数枚の第1の集電リードを一つに束ね易くすることができるため好ましい。このような効果は、複数枚の正極集電リード及び複数枚の負極集電リードがそれぞれ、積層型電極体の積層方向における一方端側に寄せるようにして集束されている集電構造を有する場合より大きくなる。また、この集束部から先端側へ延びる部位が、積層型電極体の積層方向における他方端側に向けて折り曲げられている場合には、より急な角度で集電リードが折り曲げられる状態となり易いため、特に大きな効果が得られる。
【0034】
本発明において、シート状絶縁部材が絶縁性粘着テープの場合、折り返された一枚の絶縁性粘着テープにおいて、折り返し部を境界として、一方の領域が前記第1の絶縁性粘着テープを構成し、他方の領域が前記第2の絶縁性粘着テープを構成する形態とすることができる。
【0035】
これにより、第1の絶縁性粘着テープと第2の絶縁性粘着テープとの位置ずれを防止できる。また、部品点数を削減できるため、製造コストを削減できる。
【0036】
本発明において、前記シート状絶縁部材は、熱溶着性の絶縁部材であり、前記熱溶着性の絶縁部材が前記セパレータに熱溶着されることにより、前記熱溶着性の絶縁部材が前記セパレータに接着されている形態とすることができる。
【0037】
上記の構成によると、セパレータにおいて第1の集電リードと対向する領域が熱溶着性の絶縁部材により覆われているため、第1の集電リードのバリによりセパレータが破損、或いはセパレータが熱収縮した場合であっても、第1の集電リードが対極の極板と短絡することを防止できる。ここで、熱溶着性の絶縁部材としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリスチレンまたはポリエステル等を用いることができる。
【0038】
本発明において、シート状絶縁部材が熱溶着性の絶縁部材の場合、前記熱溶着性の絶縁部材が前記セパレータに熱溶着により接着されている領域が、平面視で前記第1の集電リードの左右両側の領域である形態とすることが好ましい。
【0039】
本発明において、シート状絶縁部材が熱溶着性の絶縁部材の場合、前記第1のセパレータと、前記第1のセパレータ上に配置された第1の熱溶着性の絶縁部材と、前記第2のセパレータと、前記第2のセパレータ上に配置された第2の熱溶着性の絶縁部材とが、前記第1の集電リード及び前記第1の極板と対向しない領域において、一体的に熱溶着されている形態とすることができる。
【0040】
上記の構成によると、第1の熱溶着性の絶縁部材及び第2の熱溶着性の絶縁部材が、第1のセパレータ及び第2のセパレータと共に一体的に熱溶着されているため、セパレータが捲れて、第1の集電リードと対極の極板が短絡することを防止できる。
【0041】
本発明において、シート状絶縁部材が熱溶着性の絶縁部材の場合、折り返された一枚の熱溶着性の絶縁部材において、折り返し部を境界として、一方の領域が前記第1の熱溶着性の絶縁部材を構成し、他方の領域が前記第2の熱溶着性の絶縁部材を構成する形態とすることができる。
【0042】
これにより、セパレータが捲れることをより確実に防止できる。また、セパレータに対する第1の極板の位置ずれをより確実に防止することができる。また部品点数が削減でき、製造コストを削減できる。
【0043】
本発明において、複数枚の前記正極集電リード及び複数枚の前記負極集電リードがそれぞれ、前記積層型電極体の積層方向における一方端側に寄せるようにして集束され、この集束部から先端側へ延びる部位が、前記積層型電極体の積層方向における他方端側に向けて折り曲げられており、前記第1の熱溶着性の絶縁部材と前記第2の熱溶着性の絶縁部材は、それぞれ前記第1の集電リードに直接接していない形態とすることができる。
【0044】
上記の構成によると、第1の熱溶着性の絶縁部材及び第2の熱溶着性の絶縁部材が、それぞれ第1の集電リードに直接接していないため、熱溶着性の絶縁部材により第1の集電リードが折り曲げ難くなることを避けることができる。したがって、複数枚の正極集電リード及び複数枚の負極集電リードがそれぞれ、積層型電極体の積層方向における一方端側に寄せるようにして集束され、この集束部から先端側へ延びる部位が、積層型電極体の積層方向における他方端側に向けて折り曲げられている形態の集電部を製造し易くなる。
【0045】
本発明においては、複数枚の前記正極集電リードが、前記積層型電極体の積層方向における一方端側に寄せるようにして集束されており、前記正極極板の正極活物質層形成部の面積が、前記負極極板の負極活物質層形成部の面積よりも小さく、第1の極板である正極極板の一方の面側に位置する第1のセパレータにおいて、前記正極集電リードと対向する領域にシート状絶縁部材が配置されており、前記第1のセパレータは、前記正極集電リードが集束される前記積層型電極体の積層方向における一方端側に位置する形態とすることができる。このような場合、前記シート状絶縁部材は、絶縁性基材に粘着層が形成された絶縁性粘着テープであり、前記粘着層により前記絶縁性基材が前記セパレータに接着されており、前記第1のセパレータにおいて前記正極集電リードと対向する領域から前記正極リードにかけて絶縁性粘着テープが貼り付けられている形態とすることができる。また、
前記シート状絶縁部材は、絶縁性基材に粘着層が形成された絶縁性粘着テープであり、前記粘着層により前記絶縁性基材が前記セパレータに接着されており、前記第1の絶縁性粘着テープは折り返されて、前記第2のセパレータ上に貼り付けられている形態とすることができる。また、前記シート状絶縁部材は、熱溶着性の絶縁部材であり、前記熱溶着性の絶縁部材は折り返されて、前記第2のセパレータ上に配置され、前記熱溶着性の絶縁部材、前記第1のセパレータ、及び前記第2のセパレータは一体的に熱溶着されている形態とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施の形態に係る積層型二次電池の斜視図である。
【図2】図2Aは、本発明の実施の形態に係る積層型二次電池に用いる正極極板の平面図であり、図2Bは、本発明の実施の形態に係る積層型二次電池に用いる負極極板の平面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る積層型二次電池に用いる正極極板を内部に配置した袋状セパレータの平面透視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る積層型二次電池に用いる積層型電極体の製造方法を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る積層型二次電池に用いる積層型電極体の斜視図である。
【図6】図6Aは、本発明の実施の形態1に係る正極極板を内部に配置した袋状セパレータの平面図である。図6Bは、図6AにおけるX−X線に沿った断面図である。
【図7】図7Aは、本発明の実施の形態2に係る正極極板を内部に配置した袋状セパレータの平面図である。図7Bは、図7AにおけるX−X線に沿った断面図である。
【図8】図8Aは、本発明の実施の形態3に係る正極極板を内部に配置した袋状セパレータの平面図である。図8Bは、図8AにおけるX−X線に沿った断面図である。図8Cは、図8AにおけるY−Y線に沿った断面図である。
【図9】図9Aは、本発明の実施の形態4に係る正極極板を内部に配置した袋状セパレータの平面図である。図9Bは、図9AにおけるX−X線に沿った断面図である。図9Cは、図9AにおけるY−Y線に沿った断面図である。
【図10】図10Aは、本発明の実施の形態5に係る正極極板を内部に配置した袋状セパレータの平面図である。図10Bは、図10AにおけるX−X線に沿った断面図である。図10Cは、図10AにおけるY−Y線に沿った断面図である。図10Dは、実施の形態5において用いる絶縁性粘着テープの平面図である。
【図11】図11Aは、本発明の実施の形態6に係る正極極板を内部に配置した袋状セパレータの平面図である。図11Bは、図11AにおけるX−X線に沿った断面図である。図11Cは、図11AにおけるY−Y線に沿った断面図である。
【図12】図12Aは、本発明の実施の形態7に係る正極極板を内部に配置した袋状セパレータの平面図である。図12Bは、図12AにおけるX−X線に沿った断面図である。図12Cは、図12AにおけるY−Y線に沿った断面図である。図12Dは、実施の形態7において用いる絶縁性粘着テープの平面図である。
【図13】図13Aは、本発明の実施の形態8に係る正極極板を内部に配置した袋状セパレータの平面図である。図13Bは、図13AにおけるX−X線に沿った断面図である。図13Cは、図13AにおけるY−Y線に沿った断面図である。図13Dは、実施の形態8において用いる絶縁性粘着テープの平面図である。
【図14】図14Aは、本発明の実施の形態9に係る正極極板を内部に配置した袋状セパレータの平面図である。図14Bは、図14AにおけるX−X線に沿った断面図である。図14Cは、図14AにおけるY−Y線に沿った断面図である。図14Dは、実施の形態9において用いる熱溶着性の絶縁部材の平面図である。
【図15】図15Aは、本発明の実施の形態10に係る正極極板を内部に配置した袋状セパレータの平面図である。図15Bは、図15AにおけるX−X線に沿った断面図である。図15Cは、図15AにおけるY−Y線に沿った断面図である。図15Dは、実施の形態10において用いる熱溶着性の絶縁部材の平面図である。
【図16】図16Aは、本発明の実施の形態11に係る正極極板を内部に配置した袋状セパレータの平面図である。図16Bは、図16AにおけるX−X線に沿った断面図である。図16Cは、図16AにおけるY−Y線に沿った断面図である。図16Dは、実施の形態11において用いる熱溶着性の絶縁部材の平面図である。
【図17】図17Aは、本発明の実施の形態12に係る正極極板を内部に配置した袋状セパレータの平面図である。図17Bは、図17AにおけるX−X線に沿った断面図である。図17Cは、図17AにおけるY−Y線に沿った断面図である。図17Dは、実施の形態12において用いる熱溶着性の絶縁部材の平面図である。
【図18】図18は、図5におけるZ部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明の最良の形態を更に詳細に説明するが、本発明はこの最良の形態になんら限定されるものではなく、その趣旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
【0048】
まず、実施の形態に係る積層型二次電池の作製方法について説明する。
【0049】
〔正極極板の作製〕
正極活物質としてのLiCoOを90質量%と、導電剤としてのカーボンブラックを5質量%と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンを5質量%と、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液とを混合して正極合剤スラリーを調製する。この正極合剤スラリーを、正極芯体としてのアルミニウム箔(厚み:15μm)の両面に塗布する。その後、加熱することにより溶剤を除去し、ローラーで厚み0.18mmにまで圧縮した後、図2Aに示すように幅L1=85mm、高さL2=85mmになるように切断して、両面に正極活物質層2bを有する正極極板2を作製する。この際、正極極板2の端部から幅L3=30mm、高さL4=20mmの活物質未塗布部2aを延出させて正極集電リード4とする。
【0050】
〔正極極板を内部に配置した袋状セパレータの作製〕
図3に示すように幅L9=90mm、高さL10=94mmを有する2枚の方形状のポリプロピレン(PP)製のセパレータ11(厚み30μm)の間に上記の方法で作製した正極極板2を配置した後、セパレータ11において正極集電リード4が突出する辺以外の3辺を熱溶着して、正極極板2を内部に収納・配置した袋状セパレータ12を作製する。図3に示すように袋状セパレータ12において熱溶着されている部分には、熱溶着部13が形成されている。
【0051】
〔負極極板の作製〕
負極活物質としての黒鉛を98質量%と、カルボキシメチルセルロース(CMC)を1質量%と、スチレンブタジエンゴム(SBR)を1質量%とを、溶剤としての水とを混合して負極合剤スラリーを得る。その後、この負極合剤スラリーをリバースコート方式で負極芯体としての銅箔(厚み:10μm)の両面に塗工し、さらに60℃で乾燥する。次いで、ローラーで厚み0.14mmまで圧延した後、図2Bに幅L5=90mm、高さL6=90mmになるように切断して、両面に負極活物質層3bを有する負極極板3を作製する。この際、負極極板の端部から幅L7=30mm、高さL8=20mmの活物質未塗布部3aを延出させて負極集電リード5とする。
【0052】
〔積層型電極体の作製〕
上記の方法により正極極板2を内部に配置した袋状セパレータ12を34枚、負極極板3を35枚作製し、図4に示すように交互に積層する。その際、積層方向における両端部に負極極板3が位置するようにし、さらにその両外側に、セパレータと同寸法、同形状のポリプロピレン(PP)製の絶縁シート10をそれぞれ配置するようにする。ついで、この積層体の両端面を形状保持のための絶縁テープ(図示省略)で固定して、積層型電極体19を得る。
【0053】
〔端子の溶接〕
各正極極板2から延出する正極集電リード4を一つに束ね、幅30mm、長さ30mm、厚み0.4mmのアルミニウム板よりなる正極端子6に超音波溶接法により接合する。また、各負極極板3から延出する負極集電リード5を一つに束ね、幅30mm、長さ30mm、厚み0.4mmの銅板よりなる負極端子7に超音波溶接法により接合する。ここで、正極端子6及び負極端子7にはそれぞれ正極集電リード樹脂8及び負極集電リード樹脂9が接着されている。正極集電リード樹脂8及び負極集電リード樹脂9は後述するように正極端子6及び負極端子7とラミネート外装体1の間にそれぞれ介在し、正極端子6及び負極端子7とラミネート外装体1の接着性を向上させることにより、ラミネート外装体1の封止性を向上させる。
【0054】
積層型電極体19において、図5に示すように、複数枚の正極集電リード4及び複数枚の負極集電リード5がそれぞれ、積層型電極体19の積層方向における一方端側(図5においては上側)に寄せるようにして集束され、この集束部から先端側へ延びる部位が、積層電極体の積層方向における他方の他方端側(図5においては下側)に向けて折り曲げられている形態とすることが好ましい。このような構成とすることにより、集電リードと端子との接続面積を広く、且つ集電部を小さくすることが可能である。したがって、内部抵抗が小さく、且つエネルギー密度が高い電池となる。このような積層型電極体19の集電構造は以下の手順で作製できる。
1)まず、各集電リードを積層型電極体19における積層方向の一方端側に集束させる。
2)そして、集束した集電リードの先端部を切断し、集束した集電リードの先端部を揃える。
3)その後、集束した集電リードを端子に超音波溶接等により溶接接続する。
4)そして、集束した集電リードと端子との溶接部が積層型電極体19の積層方向と略平行になるように折り曲げる。
5)最後に、端子において集束した集電リードが接続されていない側の端部領域が各極板と略平行になるように折り曲げる。
【0055】
また、図5に示すように、正極端子6において正極集電リード4と対向する領域、及び負極端子7において負極集電リード8と対向する領域にそれぞれ切り欠き部16を設け、この切り欠き部16に対応する位置で、正極集電リード4同士のみ、負極集電リード8同士のみを超音波溶接等によりそれぞれ溶接接続しておくことが好ましい。これにより、各極板に流れ込む電流値にバラツキが生じることがなく、良好なサイクル特性を有した電池となる。
【0056】
〔外装体への封入〕
あらかじめ電極体が収納できるようにカップ状に成形したラミネート外装体1に、上記の方法で作製した積層型電極体19を挿入し、正極端子6及び負極端子7がラミネート外装体1より外部に突出するようにして、正極端子6及び負極端子7がある辺を除く3辺のうち1辺を残し、3辺を熱融着する。ここで、正極集電リード樹脂8及び負極集電リード樹脂9は、正極端子6及び負極端子7とラミネート外装体の間にそれぞれ介在する状態となる。
【0057】
〔電解液の封入、密封〕
上記ラミネート外装体1の熱溶着していない1辺から、エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(MEC)とが体積比で30:70の割合で混合された混合溶媒に、LiPFが1M(モル/リットル)の割合で溶解された電解液を注入した。最後にラミネート外装体1における熱溶着していない1辺を減圧状態で熱溶着して、図1に示す積層型二次電池20とする。
【0058】
次に、本発明の実施の形態1〜10の積層型二次電池20に用いる正極極板2を内部に配置した袋状セパレータ12の作製方法について説明する。以下の方法で作製された正極極板2を内部に配置した袋状セパレータ12を用いて、上記の方法により本発明の実施の形態1〜10の積層型二次電池20を製造することができる。
【0059】
[実施の形態1]
上記の方法で作製した正極極板2を内部に配置した袋状セパレータ12において、図6Aに示すように、正極極板2の両面側に位置するセパレータ11において、正極集電リード4と対向する領域に、ポリプロピレンからなる基材の一方の表面にゴム系粘着剤からなる粘着層が形成された絶縁性粘着テープ14をそれぞれ貼り付ける。図6Bに示すように、正極極板2の一方の面側(図6Bにおいて上側)に位置する第1のセパレータ11aにおいて正極集電リード4と対向する領域に、第1の絶縁性粘着テープ14aが貼り付けられた状態となる。また、正極極板2の他方の面側(図6Bにおいて下側)に位置する第2のセパレータ11bにおいて正極集電リード4と対向する領域に、第2の絶縁性粘着テープ14bが貼り付けられた状態となる。
【0060】
実施の形態1の形態とすることにより、セパレータ11において正極集電リード4と対向する部分が絶縁性粘着テープ14により覆われているため、正極集電リード4にバリが存在し、バリによりセパレータが破損、或いはセパレータが熱収縮した場合であっても、正極集電リード4が対極の極板である負極極板3と短絡することを防止できる。さらに、絶縁性粘着テープ14が存在することにより、セパレータ11において正極集電リード4と対向する領域において絶縁性粘着テープ14の厚み分盛り上がる状態となるため、負極極板3が正極集電リード4側にずれることを抑制できる。
【0061】
[実施の形態2]
上記の方法で作製した正極極板2を内部に配置した袋状セパレータ12において、図7Aに示すように、正極極板2の両面側に位置するセパレータ11において正極集電リード4と対向する領域から正極集電リード4にかけて絶縁性粘着テープ14が貼り付けられる。図7Bに示すように、正極極板2の一方の面側(図7Bにおいて上側)に位置する第1のセパレータ11aにおいて正極集電リード4と対向する領域から正極集電リード4にかけて第1の絶縁性粘着テープ14aが貼り付けられた状態となる。また、正極極板2の他方の面側(図7Bにおいて下側)に位置する第2のセパレータ11bにおいて正極集電リード4と対向する領域から正極集電リード4にかけて第2の絶縁性粘着テープ14bが貼り付けられた状態となる。
【0062】
実施の形態2の形態とすることにより、実施の形態1と同様の効果が得られると共に、セパレータ11において正極集電リード4と対向する領域から正極集電リード4にかけて絶縁性粘着テープ14が貼り付けられていることにより、セパレータ11が正極集電リード4に固定される。したがって、セパレータ11が捲れて、正極集電リード4と対極の極板である負極極板3が短絡することを防止できる。さらに、セパレータ11に対して正極極板が位置ずれすることを防止できる。したがって、正極極板2の位置ずれにより正極集電リード4と対極の極板である負極極板3が短絡することを防止できる。
【0063】
[実施の形態3]
上記の方法で作製した正極極板2を内部に配置した袋状セパレータ12において、図8Aに示すように、正極極板2の両面側に位置するセパレータ11において正極集電リード4と対向する領域から正極集電リード4にかけて絶縁性粘着テープ14が貼り付けられる。図8Bに示すように、正極極板2の一方の面側(図8Bにおいて上側)に位置する第1のセパレータ11aにおいて正極集電リード4と対向する領域から正極集電リード4にかけて第1の絶縁性粘着テープ14aが貼り付けられた状態となる。また、正極極板2の他方の面側(図8Bにおいて下側)に位置する第2のセパレータ11bにおいて正極集電リード4と対向する領域から正極集電リード4にかけて第2の絶縁性粘着テープ14bが貼り付けられた状態となる。また、正極集電リード4の幅(図8Aにおいて横方向の幅)よりも、幅の大きい絶縁性粘着テープ14を用いる。これにより、図8Cに示すように、正極極板2の一方の面側に位置する第1のセパレータ11aに貼り付けられた第1の絶縁性粘着テープ14aと他方の面側に位置する第2のセパレータ11bに貼り付けられた第2の絶縁性粘着テープ14bとが正極集電リード4及び正極極板2を介さずに、平面視で正極集電リード4の左右両側の領域で、互いに粘着層により直接接着された状態となる。
【0064】
実施の形態3の形態とすることにより、実施の形態2と同様の効果が得られる。さらに、第1の絶縁性粘着テープ14aと第2の絶縁性粘着テープ14bとが、正極集電リード4及び正極極板2を介さずに互いに接着されていることにより、セパレータ11が捲れることをより確実に防止できる。また、セパレータ11に対する正極極板2の位置ずれをより確実に防止することができる。
【0065】
ここで、大型の積層型電極体においては、方形状のセパレータにおいて集電リードの近傍に位置する角部でセパレータの捲れが生じ易い。実施の形態3のように、第1の絶縁性粘着テープ14aと第2の絶縁性粘着テープ14bとが、正極集電リード4及び正極極板2を介さずに互いに接着されている領域をセパレータ11の角部近傍とすることで、セパレータの角部の捲れを防止できる。したがって、第1の絶縁性粘着テープ14aと第2の絶縁性粘着テープ14bとが正極集電リード4及び正極極板2を介さずに、平面視で正極集電リード4の左右のいずれか一方側の領域で、互いに接着されている形態とする場合は、セパレータ11の角部に近い側(図8においては左側)の領域で互いに接着されている形態とすることが好ましい。
【0066】
[実施の形態4]
実施の形態4では、図9A〜9Cに示すように、実施の形態3に示す形態において絶縁性粘着テープ14の幅を、セパレータ11において、正極集電リード4が突出する側の辺の幅と略同じ幅にする。
【0067】
これにより、セパレータ11における正極集電リード4が突出する側の辺の両端部をテープにより固定できるため、セパレータの捲れを容易に防止できる。つまり方形状のセパレータにおいて捲れ生じ易い二つの角部近傍において、第1の絶縁性粘着テープ14aと第2の絶縁性粘着テープ14bとが、正極集電リード4及び正極極板2を介さずに互いに直接接着されている領域をセパレータ11の角部近傍とすることで、セパレータの角部の捲れを防止できる。
【0068】
[実施の形態5]
上記の方法で作製した正極極板2を内部に配置した袋状セパレータ12において、図10A〜10Cに示すような形態とする。図10Bに示すように、正極極板2の一方の面側(図10Bにおいて上側)に位置する第1のセパレータ11aにおいて正極集電リード4と対向する領域から正極集電リード4にかけて第1の絶縁性粘着テープ14aが貼り付けられる状態となる。また、正極極板2の他方の面側(図10Bにおいて下側)に位置する第2のセパレータ11bにおいて正極集電リード4と対向する領域から正極集電リード4にかけて第2の絶縁性粘着テープ14bが貼り付けられる状態となる。実施の形態4では、図10Dに示すような第1の絶縁性粘着テープ14a、第2の絶縁性粘着テープ14bを用いる。第1の絶縁性粘着テープ14aは、折り返し部14cにおいて折り返され、図10Cに示すように第1の絶縁性粘着テープ14aの一部14dが、第2の絶縁性粘着テープ14b上に貼り付けられた状態となる。
【0069】
実施の形態5の構成によると、セパレータにおいて正極集電リード2と対向する領域が絶縁性粘着テープ14により覆われているため、正極集電リード2のバリによりセパレータ11が破損、或いはセパレータが熱収縮した場合であっても、正極集電リード2が対極の極板である負極極板3と短絡することを防止できる。また、第1の絶縁性粘着テープが、平面視で正極集電リード4の左右両側の領域において折り返されて、第2の絶縁性粘着テープ上に貼り付けられているため、セパレータが捲れることを防止できる。また、セパレータ11に対する正極極板2の位置ずれを防止することができる。ここで、第1の絶縁性粘着テープが、平面視で正極集電リード4の左右のいずれか一方側の領域において折り返されて、第2の絶縁性粘着テープ上に貼り付けられている形態の場合は、セパレータ11の角部に近い側(図10Aにおいては左側)の領域で第1の絶縁性粘着テープが折り返されて、第2の絶縁性粘着テープ上に貼り付けられている形態とすることが好ましい。
【0070】
さらに、第1の絶縁性粘着テープ及び第2の絶縁性粘着テープが、それぞれ正極集電リード2に接着されていない状態とすることで、複数枚の正極集電リード4が前記積層型電極体19の積層方向における一方端側に寄せるようにして集束され、この集束部から先端側へ延びる部位が、積層型電極体19の積層方向における他方端側に向けて折り曲げられているような集電構造であっても、容易に正極集電リード4が折れ曲がり、製造し易くなる。
【0071】
実施の形態5においては、第1の絶縁性粘着テープ14aの一部14dが、第2の絶縁性粘着テープ14b上に貼り付けられた形態を示したが、第2の絶縁性粘着テープ14bの幅を狭くし、第1の絶縁性粘着テープ14aの一部14dが第2のセパレータ上に貼り付けられるようにしてもよい。
【0072】
[実施の形態6]
上記の方法で作製した正極極板2を内部に配置した袋状セパレータ12において、図11A〜11Cに示すような形態とする。図11Bに示すように、第1の絶縁性粘着テープ14a及び第2の絶縁性粘着テープ14bは、それぞれセパレータ11において正極集電リード4と対向する領域には貼り付けられるものの、正極集電リード4には貼り付けられない状態とする。また、図11Cに示すように、第1の絶縁性粘着テープ14aと第2の絶縁性粘着テープ14bとが正極集電リード4及び正極極板2を介さずに、平面視で正極集電リード4の左右両側の領域で、互いに粘着層により直接接着されることにより接続された状態となる。
【0073】
実施の形態6の構成によると、セパレータにおいて正極集電リード2と対向する領域が絶縁性粘着テープ14により覆われているため、正極集電リード2のバリによりセパレータ11が破損、或いはセパレータが熱収縮した場合であっても、正極集電リード2が対極の極板である負極極板3と短絡することを防止できる。また、第1の絶縁性粘着テープと第2の絶縁性粘着テープとが、平面視で正極集電リード4の左右両側の領域において、正極集電リード4及び正極極板2を介さずに互いに接続されていることにより、セパレータが捲れることを防止できる。また、セパレータ11に対する正極極板2の位置ずれを防止することができる。ここで、第1の絶縁性粘着テープ14aと第2の絶縁性粘着テープ14bとが正極集電リード4及び正極極板2を介さずに、平面視で正極集電リード4の左右のいずれか一方側の領域で、互いに接続されている形態とする場合は、セパレータ11の角部に近い側(図11Aにおいては左側)の領域で接続されている形態とすることが好ましい。
【0074】
さらに、第1の絶縁性粘着テープ及び第2の絶縁性粘着テープが、それぞれ正極集電リード2に接着されていない状態とすることで、複数枚の正極集電リード4が前記積層型電極体19の積層方向における一方端側に寄せるようにして集束され、この集束部から先端側へ延びる部位が、積層型電極体19の積層方向における他方端側に向けて折り曲げられているような集電構造であっても、容易に正極集電リード4が折れ曲がり、製造し易くなる。
【0075】
[実施の形態7]
実施の形態7では、実施の形態6で用いた第1の絶縁性粘着テープ14a及び第2の絶縁性粘着テープ14bに換えて、図12Dに示すような絶縁性粘着テープ14を用いた。実施の形態7における絶縁性粘着テープ14は、一枚の絶縁性粘着テープを折り返し部14cで折り返し、折り返し部14cを境界部として一方の領域部分を第1の絶縁性粘着テープ14aとし、他方の領域部分を第2の絶縁性粘着テープ14bとした。他の構成に関しては、実施の形態6と同様である。
【0076】
これにより、第1の絶縁性粘着テープ14aと第2の絶縁性粘着テープ14bとの位置ずれを防止できる。また、部品点数を削減できるため、製造コストを削減できる。また、絶縁性粘着テープの剥がれをより確実に防止できる。
【0077】
[実施の形態8]
実施の形態8では、実施の形態7で用いた第1の絶縁性粘着テープ14に換えて、図13Dに示すような絶縁性粘着テープ14を用いる。これにより、図13Cに示すように、第1の絶縁性粘着テープ14aを構成する領域と第2の絶縁性粘着テープ14bを構成する領域が、折り返し部14cにより接続されるのみであり、絶縁性粘着テープ14aを構成する領域と絶縁性粘着テープ14bを構成するよう領域が粘着層により接着されない状態となる。他の構成に関しては、実施の形態7と同様である。
【0078】
実施の形態7及び8では、絶縁性粘着テープ14の折り返し部14cが平面視で正極集電リード4の左右両側の領域に設けられているが、平面視で正極集電リード4の左右のいずれか一方側の領域のみに折り返し部を有する絶縁性粘着テープを用いることができる。この場合、折り返し部は、セパレータ11の角部に近い側(図12A、図13Aにおいては左側)の領域に設けることが好ましい。また、折り返し部を、袋状セパレータ12において正極集電リード4が突出する辺と垂直な辺で且つ、正極集電リード4が突出する部分に近い側の辺と平行に設けることもできる。
【0079】
[実施の形態9]
実施の形態9では、シート状絶縁部材として、熱溶着性の絶縁部材を用いる例を示す。ここで、熱溶着性の絶縁部材15として、ポリプロピレンシートを用いることができる。図14Aに示すように、セパレータ11において正極集電リード4に対向する領域に、正極集電リード4よりも幅の広い熱溶着性の絶縁部材15を配置する。そして、平面視で正極集電リード4の左右両側の領域において熱溶着する。これにより、図14Cに示すように、第1のセパレータ11a、第1の熱溶着性の絶縁部材15a、第2のセパレータ11b、及び第2の熱溶着性の絶縁部材15bが、正極集電リード4及び正極極板2と対向しない領域において一体的に熱溶着され、熱溶着部13が形成される。ここで、図14Bに示すように、セパレータ11において正極集電リード4と対向する部分は熱溶着性の絶縁部材15で覆われた状態となる。
【0080】
これにより、容易に正極集電リード4と負極極板3の短絡を防止できる。
【0081】
[実施の形態10]
実施の形態10では、実施の形態9で用いた第1の熱溶着性の絶縁部材15a及び第2の熱溶着性の絶縁部材15bに換えて、図15Dに示すような熱溶着性の絶縁部材15を用いる。実施の形態9における熱溶着性の絶縁部材15は、一枚の熱溶着性の絶縁部材を折り返し部15cで折り返し、折り返し部15cを境界部として一方の領域部分を第1の熱溶着性の絶縁部材15aとし、他方の領域部分を第2の熱溶着性の絶縁部材15bとする。他の構成に関しては、実施の形態10と同様である。
【0082】
これにより、第1の熱溶着性の絶縁部材15aと第2の熱溶着性の絶縁部材15bとの位置ずれを防止できる。また、部品点数を削減できるため、製造コストを削減できる。また、熱溶着性の絶縁部材の剥がれをより確実に防止できる。
【0083】
図18は、図5におけるZ部分の拡大図である。図18に示すように、複数枚の正極集電リード4が積層型電極体19の積層方向における一方端側(図5、図18においては上側)に寄せるようにして集束される集電構造を有する場合、正極集電リード4が一方端側に引っ張られた状態となり易い。したがって、正極極板の正極活物質層形成部の面積が、前記負極極板の負極活物質層形成部の面積より小さい場合、正極集電リード4と、複数枚の正極集電リード4が集束される側に位置する負極極板3とが短絡する可能性が高くなる。このことから、複数枚の前記正極集電リードが、前記積層型電極体19の積層方向における一方端側に寄せるようにして集束された形態の集電構造を有する積層型二次電池においては、正極極板2の正極集電リード4が集束される側の面に位置するセパレータ11において、正極集電リード4と対向する領域にシート状絶縁部材を配置することが好ましい。
【0084】
このような場合、上記実施の形態1、2、9において、正極極板2の正極集電リード4が集束される側の面に位置するセパレータを第1のセパレータとし、第1のセパレータ側のみに絶縁性粘着テープあるいは熱溶着性の絶縁部材を配置するようにすることができる。
【0085】
また、以下に示す実施の形態11及び12のような形態とすることも可能である。
[実施の形態11]
図16Dに示すような絶縁性粘着テープ14aを用い、図16A〜16Cに示すような形態とすることができる。絶縁性粘着テープ14aを第1のセパレータ11aにおいて正極集電リード4と対向する領域に貼り付け、絶縁性粘着テープ14aを折り返し部14cで折り返し、絶縁性粘着テープ14aの一部14dを第2のセパレータ11bに貼り付けるようにする。ここで、第1のセパレータ11aは、正極極板2において複数枚の正極集電リード4が集束される側の面に位置するセパレータとする。
【0086】
[実施の形態12]
また、図17Dに示すような熱溶着性の絶縁部材15aを用い、図17A〜17Cに示すような形態とすることができる。熱溶着性の絶縁部材15aを第1のセパレータ11aにおいて正極集電リード4と対向する領域に配置し、熱溶着性の絶縁部材15aを折り返し部15cで折り返し、熱溶着性の絶縁部材15aの一部15dを第2のセパレータ11b上に配置する。そして、平面視で正極集電リード4の左右両側の領域において、熱溶着性の絶縁部材15a、第1のセパレータ11a、第2のセパレータ11b、及び熱溶着性の絶縁部材15aの一部15dを一体的に熱溶着する。ここで、第1のセパレータ11aは、正極極板2において複数枚の正極集電リード4が集束される側の面に位置するセパレータとする。
【0087】
なお、実施の形態1〜12で用いる正極極板2を内部に配置した袋状セパレータ12では、図3に示すようにセパレータ同士を熱溶着し袋状とするが、図6〜図17においてはセパレータ同士の熱溶着部の図示を省略している。
【0088】
以上のとおり、本発明によると、正極集電リードあるいは負極集電リードと対極の極板の間の短絡がより確実に防止された積層型二次電池となる。
【0089】
なお、上記実施の形態においては、正極集電リード4が突出する辺以外の3辺を熱溶着し袋状に加工した袋状セパレータを用いる例を示したが、本発明においてはこれに限定されない。例えば、接着部が形成されていない2枚のセパレータを用いることもできる。但し、極板の位置ずれを防止するためには、接着部を設けることが好ましい。また、上記実施の形態では、2枚のセパレータで正極極板2を挟みこむ例を示したが、一枚のセパレータを中央部で折り返し、正極極板2を挟みこむようにしても良い。この場合は、セパレータの折り返し部を、正極極板2において正極集電リード4が突出する側とは反対側に位置するように配置することが好ましい。
【0090】
また、上記実施の形態においては、本発明を正極極板側に適用する例を示したが、負極極板側に適用することも可能である。
【0091】
本発明において正極活物質としては、上記コバルト酸リチウムに限定されるものではなく、コバルト−ニッケル−マンガン、アルミニウム−ニッケル−マンガン、アルミニウム−ニッケル−コバルト等のコバルト、ニッケル或いはマンガンを含むリチウム複合酸化物や、スピネル型マンガン酸リチウム等を用いることもできる。
【0092】
本発明において負極活物質としては、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛以外にも、グラファイト・コークス・酸化スズ・金属リチウム・珪素・及びそれらの混合物等を用いることができる。
【0093】
本発明において、電解質としても特に本実施の形態で示したものに限定されるものではなく、支持塩としては例えばLiBF、LiPF、LiN(SOCF、LiN(SO、LiPF6―x(C2n+1[但し、1<x<6、n=1又は2]等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を混合して使用できる。支持塩の濃度は特に限定されないが、電解液1リットル当り0.8〜1.8モルが望ましい。また、溶媒種としては上記ECやMEC以外にも、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(GBL)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等のカーボネート系溶媒が好ましく、更に好ましくは環状カーボネートと鎖状カーボネートの組合せが望ましい。また、電解質はポリマー電解質であっても良い。
【0094】
本発明において、外装体はラミネート外装体に限定されず、金属製の角形外装体であってもよい。ラミネート外装体としては、金属シートの表面に樹脂層が形成されたものを使用することができる、例えば、金属シートとしてアルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス等を、内層(電池内側)としてポリエチレン、ポリプロピレン等を、外層(電池外側)としてナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PET/ナイロンの積層膜等を、それぞれ用いて構成されるものが挙げられる。
【符号の説明】
【0095】
1・・・ラミネート外装体、2・・・正極極板、3・・・負極極板、4・・・正極集電リード、5・・・負極集電リード、6・・・正極端子、7・・・負極端子、8・・・正極集電リード樹脂、9・・・負極集電リード樹脂、10・・・絶縁シート、11・・・セパレータ 12・・・袋状セパレータ、13・・・溶着部 14・・・絶縁性粘着テープ 15・・・熱溶着性の絶縁部材 16・・・切り欠き部 19・・・積層型電極体 20・・・積層型二次電池






























【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極集電リードが延出する複数枚の正極極板と、負極集電リードが延出する複数枚の負極極板とがセパレータを介して交互に積層された積層型電極体を備える積層型二次電池であって、
前記正極極板又は前記負極極板である第1の極板の一方の面側に位置する第1のセパレータ及び前記第1の極板の他方の面側に位置する第2のセパレータのうち少なくとも一方において、前記第1の極板から延出する第1の集電リードと対向する領域にシート状絶縁部材が配置されている積層型二次電池。
【請求項2】
前記正極極板又は前記負極極板である第1の極板の一方の面側に位置する第1のセパレータにおいて、前記第1の極板から延出する第1の集電リードと対向する領域に第1のシート状絶縁部材が配置され、
前記第1の極板の他方の面側に位置する第2のセパレータにおいて、前記第1の集電リードと対向する領域に第2のシート状絶縁部材が配置されている請求項1に記載の積層型二次電池。
【請求項3】
前記シート状絶縁部材は、絶縁性基材に粘着層が形成された絶縁性粘着テープであり、前記粘着層により前記絶縁性基材が前記セパレータに接着されている請求項1又は2に記載の積層型二次電池。
【請求項4】
前記第1のセパレータないし前記第2のセパレータにおいて前記第1の集電リードと対向する領域から前記第1の集電リードにかけて絶縁性粘着テープが貼り付けられている請求項3に記載の積層型二次電池。
【請求項5】
前記第1の絶縁性粘着テープと前記第2の絶縁性粘着テープは、前記第1の集電リード及び前記第1の極板を介さずに互いに接着されている請求項3又は4に記載の積層型二次電池。
【請求項6】
前記第1の絶縁性粘着テープ及び前記第2の絶縁性粘着テープは、それぞれ対応するセパレータの幅の90%以上の幅を有する請求項3〜5のいずれかに記載の積層型二次電池。
【請求項7】
前記第1の絶縁性粘着テープは折り返されて、前記第2のセパレータ上あるいは前記第2の絶縁性粘着テープ上に貼り付けられている請求項3に記載の積層型二次電池。
【請求項8】
前記第1の絶縁性粘着テープと、前記第2の絶縁性粘着テープは、平面視で前記第1の集電リードの左右の少なくともいずれか一方の領域において、前記第1の集電リード及び前記第1の極板を介さずに互いに接続され、且つ前記第1の絶縁性粘着テープと前記第2の絶縁性粘着テープは、それぞれ前記第1の集電リードに直接貼り付けられていない請求項3に記載の積層型二次電池。
【請求項9】
折り返された一枚の絶縁性粘着テープにおいて、折り返し部を境界として、一方の領域が前記第1の絶縁性粘着テープを構成し、他方の領域が前記第2の絶縁性粘着テープを構成する請求項8に記載の積層型二次電池。
【請求項10】
複数枚の前記正極集電リード及び複数枚の前記負極集電リードがそれぞれ、前記積層型電極体の積層方向における一方端側に寄せるようにして集束され、この集束部から先端側へ延びる部位が、前記積層型電極体の積層方向における他方端側に向けて折り曲げられており、前記第1の絶縁性粘着テープと前記第2の絶縁性粘着テープは、それぞれ前記第1の集電リードに直接貼り付けられていないことを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の積層型二次電池。
【請求項11】
前記シート状絶縁部材は、熱溶着性の絶縁部材であり、前記熱溶着性の絶縁部材が前記セパレータに熱溶着されることにより、前記熱溶着性の絶縁部材が前記セパレータに接着されている請求項1又は2に記載の積層型二次電池。
【請求項12】
前記熱溶着性の絶縁部材が前記セパレータに熱溶着により接着されている領域が、平面視で前記第1の集電リードの左右両側の領域である請求項11に記載の積層型二次電池。
【請求項13】
前記第1のセパレータと、前記第1のセパレータ上に配置された第1の熱溶着性の絶縁部材と、前記第2のセパレータと、前記第2のセパレータ上に配置された第2の熱溶着性の絶縁部材とが、前記第1の集電リード及び第1の極板と対向しない領域において、一体的に熱溶着されている請求項11又は12に記載の積層型二次電池。
【請求項14】
折り返された一枚の熱溶着性の絶縁部材において、折り返し部を境界として、一方の領域が前記第1の熱溶着性の絶縁部材を構成し、他方の領域が前記第2の熱溶着性の絶縁部材を構成する請求項11〜13のいずれかに記載の積層型二次電池。
【請求項15】
複数枚の前記正極集電リードが、前記積層型電極体の積層方向における一方端側に寄せるようにして集束されており、前記正極極板の正極活物質層形成部の面積が、前記負極極板の負極活物質層形成部の面積よりも小さく、第1の極板である正極極板の一方の面側に位置する第1のセパレータにおいて、前記正極集電リードと対向する領域にシート状絶縁部材が配置されており、前記第1のセパレータは、前記正極集電リードが集束される前記積層型電極体の積層方向における一方端側に位置する請求項1に記載の積層型二次電池。
【請求項16】
前記シート状絶縁部材は、絶縁性基材に粘着層が形成された絶縁性粘着テープであり、前記粘着層により前記絶縁性基材が前記セパレータに接着されており、前記第1のセパレータにおいて前記正極集電リードと対向する領域から前記正極リードにかけて絶縁性粘着テープが貼り付けられている請求項15に記載の積層型二次電池。
【請求項17】
前記シート状絶縁部材は、絶縁性基材に粘着層が形成された絶縁性粘着テープであり、前記粘着層により前記絶縁性基材が前記セパレータに接着されており、前記第1の絶縁性粘着テープは折り返されて、前記第2のセパレータ上に貼り付けられている請求項15に記載の積層型二次電池。
【請求項18】
前記シート状絶縁部材は、熱溶着性の絶縁部材であり、前記熱溶着性の絶縁部材は折り返されて、前記第2のセパレータ上に配置され、前記熱溶着性の絶縁部材、前記第1のセパレータ、及び前記第2のセパレータは一体的に熱溶着されている請求項15に記載の積層型二次電池。




















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−80563(P2013−80563A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218476(P2011−218476)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】