説明

空気入りタイヤの製造方法

【課題】周方向溝が幅広だったり溝深さが深い場合でも、加硫時に、トレッドの内側のタイヤ構成部品が変形しないような空気入りタイヤの製造方法を提供する。
【解決手段】トレッド24の表面に周方向溝に対応するトレッド溝26Kが形成された生タイヤ20を加硫金型10にセットして加硫成形する際に、径方向内側に、上記トレッド溝26Kに嵌合する、タイヤ周方向に沿って延びる突起部41が形成された、加硫金型10の内面側の周方向曲率と同じ曲率を有する複数の円弧状のリング片をゴム部材で連結して形成したリング部材40を準備し、このリング部材40の上記突起部41を上記トレッド溝26Kに嵌合した後、上記生タイヤ20を加硫成形するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りタイヤの製造方法に関するもので、特に、航空機用タイヤなどのような、表面に予め周方向溝が形成された生タイヤを加硫成形して製造される空気入りタイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機用ラジアルタイヤは、一般に、トロイダル状のラジアルカーカスのクラウン部周上にベルト層を備えており、上記ベルト層のタイヤ周方向外側にゴム部材(トレッドゴム)から成るトレッドを備えている。このトレッドの路面に接する接地面には、タイヤ周方向に沿って連続して延びる周方向溝が形成されている。このような航空機用ラジアルタイヤは、通常、未加硫ゴムや有機繊維コード等から成るカーカス、ベルト層、トレッド等のタイヤ構成部材をそれぞれ作製し、これら複数のタイヤ構成部材を成型ドラム上で順次貼り合わせて未加硫のグリーンタイヤ(生タイヤ)を成型した後、上記成型された生タイヤを加硫金型内にセットし、上記生タイヤの内側に圧力をかけて上記生タイヤ外表面を加熱された加硫金型の内壁に圧着させ、上記生ゴムを熱と圧力とで加硫成形する。
図5(a),(b)に示すように、加硫金型10Aの内面(キャビティ側の面)10aには、タイヤの周方向溝を形成するための、タイヤ周方向に連続して延びる骨部と呼ばれる突条10bが設けられており、加硫成形時に上記突条10bが生タイヤ20Aのトレッド24を構成するゴム部材(トレッド用ゴム部材)に食い込んで、トレッド24に複数本の周方向溝26が形成される。なお、図5(a),(b)において、21はタイヤの骨格を成すカーカス、22a,22bは上記カーカス21のタイヤ径方向外側に配置された第1及び第2のベルト層、23は上記トレッド24のタイヤ径方向内側に配置されて、上記ベルト層22a,22bを覆うベルト保護層である。
従来、上記生タイヤ20Aの外周面には、表面に凹凸のない平坦なトレッド用ゴム部材を貼り合わせることが多く、したがって、図5(a)に示すように、上記生タイヤ20Aの外周面も平坦に形成されている。なお、上記の平坦な表面を有するトレッド用ゴム部材は、未加硫ゴム等から成る原材料を、押出機により、所定の断面形状に連続して押し出して、所定の長さに切断された後、成型される。
【0003】
上記平坦な外周面を有する生タイヤ20Aに周方向溝を形成する際には、加硫時に、上記加硫金型10Aの内面10aに設けられた突条10bが多量のゴムを排除しながらトレッド用ゴム部材に食い込む必要がある。これに伴い、上記突条10bの突出方向であるタイヤ径方向内側方向にゴムが押し出されるため、特に、周方向溝22が幅広だったり溝深さが深い場合などには、ベルト保護層23やベルト層22a,22bなどの上記突条10bのタイヤ径方向内側に位置するタイヤ構成部品に大きな押圧力が作用する。その結果、図5(b)に示すように、上記タイヤ構成部品の押圧力が作用した部分が環状に凹変形してウエーブ状になる場合がある(ここでは、ベルト保護層23が変形した場合を図示した)。
ところで、航空機用ラジアルタイヤでは、トレッドがある程度摩耗すると、リキャップによる再生を行うが、トレッド下に配置されているベルト保護層がウエーブしているとリキャップのための削正が困難となるため、当該タイヤを再生用台タイヤとして利用することが困難になる。
そこで、このような問題を解決するため、図6(a),(b)に示すように、ステッチャーロール30などを用いて、トレッド24を構成するトレッド用ゴム部材の上記突条10bに当たる部分に、予め上記突条10bの幅よりも広い溝幅を有し、かつ、上記突条10bの高さよりも小さな溝深さを有する溝26kを形成した生タイヤ20Bを準備し、この生タイヤ20Bを上記加硫金型10A内にセットして加硫成形することにより、上記ベルト保護層23やベルト層22a,22bなどのウエーブ量を抑制する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−236949号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記トレッド24に予め溝26kを形成する方法では、上記溝26kと加硫金型10Aの突条10bの位置がずれた場合には、上記溝26k周辺のゴムの流動が大きくなってしまい、トレッド24の表面にベアやエア入りが生じてしまったり、ゴム流れが悪くなってしまうため、逆に上記ウエーブが発生しやすいといった問題点があった。
【0005】
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、周方向溝が幅広だったり溝深さが深い場合でも、加硫時に、トレッドの内側のタイヤ構成部品が変形しないような空気入りタイヤの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の発明は、ベルト層と、このベルト層のタイヤ径方向外側に設けられたベルト保護層と、上記ベルト保護層のタイヤ径方向外側に設けられたトレッドゴムとを備えた生タイヤを成型した後、上記成型された生タイヤを加硫金型を用いて加硫成形する空気入りタイヤの製造方法であって、上記成型された生タイヤのトレッドゴムの表面にタイヤ周方向に沿って延びる周方向溝を形成するとともに、上記周方向溝に、内周側に上記周方向溝に嵌合する突起部を有するリング部材の上記突起部を嵌合させ、このリング部材が嵌合された生タイヤを加硫金型内にセットして加硫成形するようにしたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法において、上記リング部材の外周側に凸部もしくは凹部を設けるとともに、上記加硫金型の上記凸部もしくは凹部に対向する部分に、上記凸部もしくは凹部が嵌合される凹部もしくは凸部を設けて、上記リング部材の凸部もしくは凹部を上記加硫金型の凹部もしくは凸部に嵌合させた後、上記生タイヤを加硫成形するようにしたものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤの製造方法であって、上記リング部材は、金属もしくは合金から成る複数のリング片をゴム部材で連結して形成されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法において、上記リング片を構成する金属もしくは合金は加硫金型の少なくともキャビティー側を構成する金属もしくは合金と同一の金属もしくは合金としたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、トレッド表面に周方向溝が形成された生タイヤを加硫金型にセットして加硫成形する際に、内面側に上記周方向溝に嵌合する突起部を有するリング部材を準備し、このリング部材の突起部を上記生タイヤの周方向溝に嵌合した後、上記生タイヤを加硫成形することにより、生タイヤの周方向溝の位置のずれを防止するようにしたので、ベルト保護層の波打ち(ウエーブ)を抑制することができるとともに、トレッド表面に発生するベア等の外観不良を低減することができる。
このとき、上記リング部材の外周側に凸部(または、凹部)を設け、上記加硫金型の上記凸部(または、凹部)に対向する部分に、上記凸部(または、凹部)が嵌合される凹部(または、凸部)を設けて、内面側にて生タイヤと嵌合された上記リング部材を上記加硫金型に嵌合させた後、上記生タイヤを加硫金型にセットして加硫するようにすれば、生タイヤの周方向溝の位置のずれを更に確実に防止することができる。また、加硫金型のキャビティーの形状を簡単にできるので、加硫金型の製造も容易となる。
また、上記リング部材を、金属もしくは合金から成る複数のリング片をゴム部材で連結して形成したので、リング部材を容易に製造することができる。
また、上記リング部材を構成する金属もしくは合金を、上記加硫金型の少なくともキャビティー側を構成する金属もしくは合金と同一とすれば、加硫時におけるリング部材と加硫金型との密着性が向上するので、加硫中の溝ずれの発生をなくすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の最良の形態について、図面に基づき説明する。
まず、図1に示すように、タイヤ構成部材であるカーカス21、第1及び第2のベルト層22a,22b、ベルト保護層23、及び、トレッド24を成型ドラム上で順次貼り合わせて成型した未加硫のグリーンタイヤ(生タイヤ)20を製造する。
カーカス21は、スチールコードもしくはナイロンなどの繊維から成る補強部材(以下、コードという)を複数本撚ったものを平行に並べ、未加硫ゴムでシート状にした、タイヤの骨格を成す部材で、ビード部25に配置された1対のビードコア25Cにトロイド状をなして跨って配置されている。このカーカス21を当該タイヤに配置した場合の上記コードのコード角(タイヤ赤道方向に対する傾斜角)は90°である。
一方、第1及び第2のベルト層22a,22bは、上記カーカス21のタイヤ径方向外側に配置される、スチールコードもしくは芳香族ポリアミド等の繊維を撚ったコードで、赤道方向に対するコード角は20°〜70°である。また、上記第1及び第2のベルト層22a,22bは互いに交錯して配置されている。
ベルト保護層23は、上記第1及び第2のベルト層22a,22bを保護するもので、上記第1及び第2のベルト層22a,22bのタイヤ径方向外側に配置されている。このベルト保護層23は、1本または複数本のコードをゴムで被覆し、これをトレッド部分に螺旋巻きするように巻き付けて形成したもので、赤道方向に対するコード角は0°〜5°である。
トレッド24は、上記ベルト保護層23のタイヤ周方向外側に配置されたゴム部材(トレッド用ゴム部材)で、この段階では、未加硫である。本例では、トレッドとして、トレッド用ゴム部材に、予めタイヤ周方向に沿って延びる、タイヤに形成する周方向溝26と略同形状の溝(以下、トレッド溝という)26Kを形成したトレッド24を用いている。
【0009】
次に、図2に示すように、内周側に突起部41を有するリング部材40を複数準備し、これらのリング部材40を上記トレッド24に形成された各トレッド溝26Kのそれぞれに嵌合させる。なお、上記リング部材40の突起部41は、トレッド24に形成された各トレッド溝26Kのそれぞれの形状に対応する形状をしているものとする。
上記リング部材40は、詳細には、図3(a)に示すように、加硫金型10の内面側の周方向曲率と同じ曲率を有する複数の円弧状のリング片40Rをゴム部材43で連結して形成したもので、図3(b)(図3(a)のA−A断面図)に示すように、上記従来の加硫金型10Aの突条10bと同形状の、タイヤ周方向に沿って延びる突起部41を径方向内側に備えており、径方向外側には、底辺が上記突起部41に接合され、頂点が径方向外側になるように配置された断面形状が略三角形状の凸部42を備えている。
上記リング部材40を上記トレッド24に取り付ける際には、図2に示すように、上記突起部41が生タイヤ20のトレッド24に設けられた上記トレッド溝26Kに嵌合させる。なお、上記凸部42の底辺42aの長さは、上記突起部41が不必要に上記トレッド溝26Kに食い込まないように、当該タイヤ20に設けられる周方向溝の幅である、上記突起部41の幅Wよりも大きめに形成されている(図3(b)参照)。
次に、図4(a)に示すように、トレッド24にリング部材40が取り付けられた生タイヤ20を、加硫金型10内にセットして加硫成形する。本例の加硫金型10の内面側には、従来の加硫金型10Aの突条10bではなく、断面形状が、上記略三角形状の凸部42に対応するような凹部10cが形成されている。したがって、上記トレッド24に上記リング部材40を取り付けた後、上記リング部材40の外周に設けられた上記凸部42を上記加硫金型10の内周に設けられた凹部10cに嵌合させて、上記生タイヤ20を上記加硫金型10内にセットしてから、上記生タイヤ20を加硫成形することにより、図4(b)に示すような、周方向溝26を備えたタイヤ20Mを得ることができる。
このとき、上記リング片40Rを構成する金属もしくは合金としては、上記加硫金型10の内面10a側を構成する金属もしくは合金と同じ金属もしくは合金とすることが好ましい。これにより、熱膨張などによる加硫時におけるリング部材40と加硫金型10とのずれをなくすことができ、リング部材40と加硫金型10との密着性が向上するので、タイヤ20Mの表面にベアやエア入りが生じることを防止することができる。
また、上記のように、トレッド溝26Kには、金型の骨部に相当する、リング部材40の突起部41が嵌合されるので、周方向溝26の位置のずれが生じない。したがって、上記突起部41は、加硫時において、ベルト保護層23やベルト層22a,22bなどに大きな押圧力を作用させることがないので、トレッド24の内側の第1及び第2のベルト層22a,22bは勿論のこと、トレッド24の直下に配置されているベルト保護層23の凹変形を効果的に抑制することができる。また、周方向溝26の位置のずれによるゴム流れの悪化もないので、ベアの発生を大幅に低減することができる。
【0010】
このように、本最良の形態では、トレッド24の表面に周方向溝26に対応するトレッド溝26Kが形成された生タイヤ20を加硫金型10にセットして加硫成形する際に、径方向内側に、上記トレッド溝26Kに嵌合する、タイヤ周方向に沿って延びる突起部41を備え、加硫金型10の内面側の周方向曲率と同じ曲率を有する複数の円弧状のリング片40Rをゴム部材43で連結して形成したリング部材40を準備し、このリング部材40の突起部41を上記トレッド溝26Kに嵌合した後、上記生タイヤ20を加硫成形するようにしたので、生タイヤ20の周方向溝の位置のずれを防止することができ、ベルト保護層23の波打ちを抑制することができる。また、周方向溝の位置のずれによるゴム流れの悪化もないので、ベアの発生を大幅に低減することができる。
このとき、上記リング部材40の径方向外側に、底辺が上記突起部41に接合され、頂点が径方向外側になるように配置された断面形状が略三角形状の凸部42を形成するとともに、上記加硫金型10の上記凸部42に対向する部分に、上記凸部42が嵌合される凹部10cを設けるようにすれば、加硫金型10のキャビティーの形状を簡単にできるので、加硫金型10の製造も容易となる。
また、上記リング部材40を、金属もしくは合金から成る複数のリング片40Rをゴム部材で連結して形成したので、リング部材40を容易に製造することができる。
また、上記リング片40Rを、上記加硫金型10の内面10a側を構成する金属もしくは合金と同一とすれば、加硫時におけるリング部材40と加硫金型10との密着性を向上させることができるので、加硫中の溝ずれの発生をなくすことができる。
【0011】
なお、上記最良の形態では、タイヤの種類については特定していないが、本発明は、ジェット旅客機等の航空機に用いられる航空機用ラジアルタイヤなどのような、周方向溝26が幅広だったり、溝深さが深いタイヤを製造する場合に特に有効である。
また、上記リング部材40は、ダイキャスト等で一体に鋳造してもよいが、本例のように、円弧状のリング片40Rを複数準備し、これらのリング片40Rをゴム部材43で連結して形成する方が製造が容易である。また、リング片40Rを連結する部材はゴム部材に限定されるものではなく、リング片40Rと同じ材質の連結片を用いてもよい。なお、この場合には、上記連結片に継ぎ手構造をもたせるようにすることが好ましい。
また、上記リング片40Rの径方向外側に凹部を形成し、上記加硫金型10の上記凹部42に対向する部分に、上記凹部が嵌合される凸部を設けるようにしてもよい。
また、上記例では、12個のリング片40Rをゴム部材で連結してリング部材40を構成したが、リング片40Rの数はこれに限るものではなく、タイヤの径や周方向溝の形状等により適宜決定すればよい。
【実施例】
【0012】
本発明の効果を確かめるため、トレッドパターンが同じであり、かつ、加硫前にトレッドに周方向溝に相当するトレッド溝を形成した生タイヤを準備し、この生タイヤのトレッド溝に本発明のリング部材を装着して加硫したタイヤ(本発明)と、リング部材を装着せずに加硫したタイヤ(従来技術)とを作製し、ベルト保護層のウエーブ量(σ)と、ベア等の外観不良について比較した結果を下記の表1に示す。
表1の数値は従来技術を100とした時の指数で表した。
【表1】

表1から明らかなように、本発明のタイヤでは、ウエーブ量(σ)も極めて少なく、かつ、外観不良も見られなかった。これにより、加硫前にトレッドに周方向溝に相当するトレッド溝を形成した場合でも、リング部材を用いないと、金型の突条と上記トレッドとの位置ずれが生じてしまうことがわかったので、本発明の有効性が確認された。
【産業上の利用可能性】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、周方向溝が幅広だったり溝深さが深い場合でも、加硫時に、トレッドの内側のタイヤ構成部品が変形しないような空気入りタイヤを製造することができる。また、本発明による空気入りタイヤの製造方法は、航空機用ラジアルタイヤのように、リキャップによる再生を行うようなタイヤを製造する際にも有効に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の最良の形態に係わる生タイヤの一構成例を示す図である。
【図2】本最良の形態に係わる空気入りタイヤの製造方法(リング部材の取付)を示す図である。
【図3】本最良の形態に係わるリング部材の構成を示す図である。
【図4】本最良の形態に係わる空気入りタイヤの製造方法(加硫時のセッティング)を示す図である。
【図5】従来の空気入りタイヤの製造方法を示す図である。
【図6】従来の空気入りタイヤの他の製造方法を示す図である。
【符号の説明】
【0015】
10 加硫金型、10a 加硫金型の内面、10c 凹部(嵌合部)、
20 グリーンタイヤ(生タイヤ)、20M 加硫後のタイヤ、21 カーカス、
22a,22b ベルト層、23 ベルト保護層、24 トレッド、
25 ビード部、25C ビードコア、26 周方向溝、26K トレッド溝、
40 リング部材、40R リング片、41 突起部、42 略三角形状の凸部、
43 ゴム部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルト層と、このベルト層のタイヤ径方向外側に設けられたベルト保護層と、上記ベルト保護層のタイヤ径方向外側に設けられたトレッドゴムとを備えた生タイヤを成型した後、上記成型された生タイヤを加硫金型を用いて加硫成形する空気入りタイヤの製造方法において、上記成型された生タイヤのトレッドゴムの表面にタイヤ周方向に沿って延びる周方向溝を形成するとともに、上記周方向溝に、内周側に上記周方向溝に嵌合する突起部を有するリング部材の上記突起部を嵌合させ、このリング部材が嵌合された生タイヤを加硫金型内にセットして加硫成形することを特徴とする空気入りタイヤの製造方法。
【請求項2】
上記リング部材の外周側に凸部もしくは凹部を設けるとともに、上記加硫金型の上記凸部もしくは凹部に対向する部分に、上記凸部もしくは凹部が嵌合される凹部もしくは凸部を設けて、上記リング部材の凸部もしくは凹部を上記加硫金型の凹部もしくは凸部に嵌合させた後、上記生タイヤを加硫成形することを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
【請求項3】
上記リング部材は、金属もしくは合金から成る複数のリング片をゴム部材で連結して形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
【請求項4】
上記リング片を構成する金属もしくは合金は加硫金型の少なくともキャビティー側を構成する金属もしくは合金と同一の金属もしくは合金であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−178909(P2009−178909A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−19292(P2008−19292)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】