説明

立体視画像表示装置および立体視画像表示方法

【課題】立体視画像表示装置において、観察者が立体視画像が表示された画面を観察するときに、観察者に負担をかけることなく、立体視画像を容易に立体視できるようにする。
【解決手段】左目用視差画像と右目用視差画像をそれぞれ表示する2つの2次元画像表示部と、一方の2次元画像表示部からの表示光を透過すると共に他方の2次元画像表示部からの表示光を前記透過した表示光と同方向に反射するハーフミラーとを備え、左目用視差画像GL及び右目用視差画像GR中の被写体ML,MRを立体視可能にする立体視画像表示装置において、観察者の頭部の位置を検出し、頭部が検出された位置に位置する観察者が被写体ML,MRを立体視し易くなるように左目用視差画像GL及び右目用視差画像GRの表示位置を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体視可能な立体視画像を表示する立体視画像表示装置および立体視画像表示方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の画像を組み合わせて表示することにより、視差を利用して立体視できることが知られている。このような立体視できる立体視画像は、同一の被写体を異なる方向から撮影して取得された互いに視差のある複数の画像に基づいて生成されており、具体的には、複数の画像の色を例えば赤と青のように異ならせて重ね合わせたり、複数の画像の偏光方向を異ならせて重ね合わせたりすることにより、複数の画像を合成して立体視画像を生成することができる。この場合、立体視画像を表示して、赤青眼鏡や偏光眼鏡等の画像を分離する立体視眼鏡を用いて表示された立体視画像を目の自動焦点機能により融合視することにより、画像を立体視することができる(アナグリフ方式、偏光フィルタ方式)。また立体視眼鏡を使用し、左目用視差画像と右目用視差画像を交互に表示することにより、立体視画像を表示することも可能である(時分割方式)。
【0003】
このような立体視画像の生成は、デジタルカメラやテレビなどの分野だけでなく、放射線画像撮影の分野においても利用されている。すなわち、被検者に対して互いに異なる方向から放射線を照射し、その被検者を透過した放射線を放射線画像検出器によりそれぞれ検出して互いに視差のある複数の放射線画像を取得し、これらの放射線画像に基づいて立体視画像を生成することが行われており、このように立体視画像を生成することによって観察者は奥行感のある放射線画像を観察することができて、より診断に適した放射線画像を観察することができる。
【0004】
上記のような立体視画像を観察することができる立体視画像表示装置においては、特許文献1に、2つのモニタが上下に並んで配設され、この2つのモニタの間に、下側のモニタからの表示光を透過し、上側のモニタからの表示光を反射するビームスプリッターミラーが配設されて、ビームスプリッターミラーによって2つのモニタにそれぞれ表示された画像の表示光を重ねて観察者に到達させることにより画像を立体視する立体視画像表示装置が開示されている。
【0005】
一方、立体視画像表示装置においては、最適な立体視を行うためには観察者が正しい観察位置から表示装置を観察する必要があり、特許文献2には表示装置を適正位置から観察したときには立体視を行うことができ、適正位置以外の位置から観察したときには立体視を正常に行うことができないような位置確認用画像を表示する手法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−187916号公報
【特許文献2】特開2002−95014号公報
【特許文献3】特開平11-338457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に記載された手法を用いた場合、位置確認用画像を立体視できる適正位置が見つかった場合でも、観察者はその適正位置で頭を固定した状態で表示画面に表示された立体視画像を観察しなければ立体視画像を快適に立体視できず、観察者の頭が適正位置からずれたときには、左目用視差画像と右目用視差画像とが混ざってしまうクロストークにより二重像が発生してしまう場合がある。
【0008】
なお特許文献2にはセンサやカメラ等を用いて観察者の動きを検出し、観察者の動きに追従してパララックスバリアまたはレンチキュラレンズを機械的或いは電気的に制御することにより、適視位置を左右に移動させる方法が記載されているが、この方法では適視位置を前後に移動することは困難なため、ユーザの前後方向の動きに追従することができず、この方法を実現するためには、装置の機構が複雑化するため、装置の製造コストが増大するとの問題も開示されている。
【0009】
また特許文献3には、HMD上のセンサで観察者の視点を検出し、視点から注視点までの距離に応じて表示画像の視差量を増減することが開示されているが、ハーフミラー方式については記載されていない。
【0010】
特に、2つのモニタが上下に並んで配設され、2つのモニタの間にビームスプリッターミラーやハーフミラーを配置する方式では、観察者の頭が上下に移動することで、2つのモニタにそれぞれ表示された画像の上下方向の位置関係がずれてしまい、クロストークにより二重像が発生してしまう場合があるが、特許文献2および3には、観察者の頭の位置あるいは視点の上下方向の動きに追従することは記載されていない。
【0011】
本発明は上記の事情に鑑みなされたものであり、観察者が立体視画像が表示された画面を観察するときに、観察者に負担をかけることなく、立体視画像を容易に立体視することができる立体視画像表示装置及び立体視画像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の立体視画像表示装置は、互いに異なる撮影方向から被写体を撮影することにより取得された左目用視差画像と右目用視差画像をそれぞれ表示する2つの2次元画像表示部と、
一方の前記2次元画像表示部からの表示光を透過すると共に他方の前記2次元画像表示部からの表示光を前記透過した表示光と同方向に反射するハーフミラーとを備え、
該ハーフミラーを透過及び反射した前記表示光によって前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の前記被写体を立体視可能にする立体視画像表示装置において、
観察者の頭部の位置を検出する頭部位置検出部と、
頭部が検出された位置に位置する前記観察者が前記被写体を立体視し易くなるように前記2つの2次元画像表示部にそれぞれ表示する前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像の表示位置を制御する表示位置制御部とを備えていることを特徴とするものである。
【0013】
なお本発明において「立体視し易い」とは、クロストークがなく立体視できることをいう。
【0014】
また本発明において、「頭部」は観察者の目、鼻、口、顔を含む首よりも上の部位のことをいい、「頭部の位置の検出」は目の位置、鼻の位置、顔の位置を検出してもよい。
【0015】
また本発明の立体視画像表示装置は、前記表示位置制御部が、前記頭部位置検出部により検出された頭部の位置の変化に対応させて前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の位置をそれぞれ移動させるものであるとすることができる。
【0016】
なお本発明において「関心領域」は、視差画像中に存在する特定の被写体領域等のことをいい、観察者が適宜指定することができる。
【0017】
また本発明の立体視画像表示装置は、前記表示位置制御部が、前記頭部位置検出部により検出された頭部の位置の上下方向の変化に対応させて前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の位置をそれぞれ上下に移動させるものであるとすることができる。
【0018】
また本発明の立体視画像表示装置は、前記表示位置制御部が、前記頭部位置検出部により検出された頭部の位置の左右上下方向の変化に対応させて前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の位置をそれぞれ左右上下に移動させるものであるとすることができる。
【0019】
また本発明の立体視画像表示装置は、前記表示位置制御部が、前記頭部位置検出部により検出された頭部の位置が前記2次元画像表示部から離れる方向に変化したときに前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の視差が大きくなるように前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の位置を左右に移動させ、前記頭部位置検出部により検出された頭部の位置が前記2次元画像表示部に近づく方向に変化したときに前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の視差が小さくなるように前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の位置を左右に移動させるものであるとすることができる。
【0020】
なお発明において「頭部の位置が前記2次元画像表示部から離れる方向に変化する」は、光路長が長くなることをいい、「頭部の位置が前記2次元画像表示部に近づく方向に変化する」は、光路長が短くなることをいう。
【0021】
本発明の立体視画像表示方法は、互いに異なる撮影方向から被写体を撮影することにより取得された左目用視差画像と右目用視差画像をそれぞれ表示する2つの2次元画像表示部と、
一方の前記2次元画像表示部からの表示光を透過すると共に他方の前記2次元画像表示部からの表示光を前記透過した表示光と同方向に反射するハーフミラーとを備え、
該ハーフミラーを透過及び反射した前記表示光によって前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の前記被写体を立体視可能にする立体視画像表示装置を使用する立体視画像表示方法において、
観察者の頭部の位置を検出し、
頭部が前記検出された位置に位置する前記観察者が前記被写体を立体視し易くなるように前記2つの2次元画像表示部にそれぞれ表示する前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像の表示位置を制御することを特徴とする。
【0022】
なお本発明において「立体視し易い」とは、クロストークがなく立体視できることをいう。
【0023】
また本発明において、「頭部」は観察者の目、鼻、口、顔を含む首よりも上の部位のことをいい、「頭部の位置の検出」は目の位置、鼻の位置、顔の位置を検出してもよい。
【0024】
また本発明の立体視画像表示方法は、前記検出された頭部の位置の変化に対応させて前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の位置をそれぞれ移動させることができる。
【0025】
なお本発明において「関心領域」は、視差画像中に存在する特定の被写体領域等のことをいい、観察者が適宜指定することができる。
【0026】
また本発明の立体視画像表示方法は、前記検出された頭部の位置の上下方向の変化に対応させて前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の位置をそれぞれ上下に移動させることができる。
【0027】
また本発明の立体視画像表示方法は、前記検出された頭部の位置の左右上下方向の変化に対応させて前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の位置をそれぞれ左右上下に移動させることができる。
【0028】
また本発明の立体視画像表示方法は、前記検出された頭部の位置が前記2次元画像表示部から離れる方向に変化したときに前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の視差が大きくなるように前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の位置を左右に移動させ、前記検出された頭部の位置が前記2次元画像表示部に近づく方向に変化したときに前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の視差が小さくなるように前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の位置を左右に移動させることができる。
【0029】
なお発明において「頭部の位置が前記2次元画像表示部から離れる方向に変化する」は、光路長が長くなることをいい、「頭部の位置が前記2次元画像表示部に近づく方向に変化する」は、光路長が短くなることをいう。
【発明の効果】
【0030】
本発明の立体視画像表示装置および立体視画像表示方法によれば、互いに異なる撮影方向から被写体を撮影することにより取得された左目用視差画像と右目用視差画像をそれぞれ表示する2つの2次元画像表示部と、一方の2次元画像表示部からの表示光を透過すると共に他方の2次元画像表示部からの表示光を透過した表示光と同方向に反射するハーフミラーとを備え、ハーフミラーを透過及び反射した表示光によって左目用視差画像及び右目用視差画像中の被写体を立体視可能にする立体視画像表示装置において、観察者の頭部の位置を検出し、頭部が前記検出された位置に位置する観察者が被写体を立体視し易くなるように2つの2次元画像表示部にそれぞれ表示する左目用視差画像及び右目用視差画像の表示位置を制御するようにしたので、観察者の頭が動くことで視点の位置が変化しても、変化した視点の位置で立体視し易い左目用視差画像及び右目用視差画像が表示されるため、観察者は頭を固定した状態での観察を強いられることがなく楽に立体視画像の観察を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の立体視画像表示装置の一実施形態を適用した乳房画像撮影表示システムの概略構成図
【図2】図1に示す乳房画像撮影表示システムのアーム部を図1の右方向から見た図
【図3】図1に示す乳房画像撮影表示システムのコンピュータ内部の概略構成を示すブロック図
【図4】モニタの構成を示す図
【図5】頭部の位置の検出を説明する図
【図6】本実施形態において行われる処理を示すフローチャート
【図7】モニタの表示状態を示す図
【図8】放射線画像の表示状態を示す図
【図9】放射線画像の他の表示状態を示す図
【図10】モニタの他の構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して本発明の立体視画像表示装置の一実施形態を用いた乳房画像撮影表示システムについて説明する。図1は本実施形態の乳房画像撮影表示システム全体の概略構成を示す図、図2は図1の右方向から見たアーム部13を示す図、図3は図1のコンピュータ内部の概略構成を示すブロック図、図4は図1のモニタ3の構成を示す図、図5は頭部の位置の検出を説明する図、図6はモニタ3の表示状態を示す図である。
【0033】
本実施形態の乳房画像撮影表示システム1は、図1に示すように、乳房画像撮影装置10と、乳房画像撮影装置10に接続されたコンピュータ2と、コンピュータ2に接続されたモニタ3および入力部4とを備えている。
【0034】
そして、乳房画像撮影装置10は、図1に示すように、基台11と、基台11に対し上下方向(Z方向)に移動可能であり、かつ回転可能な回転軸12と、回転軸12により基台11と連結されたアーム部13を備えている。
【0035】
アーム部13はアルファベットのCの形をしており、その一端には撮影台14が、その他端には撮影台14と対向するように放射線照射部16が取り付けられている。アーム部13の回転および上下方向の移動は、基台11に組み込まれたアームコントローラ31により制御される。
【0036】
撮影台14の内部には、フラットパネルディテクタ等の放射線画像検出器15と、放射線画像検出器15からの電荷信号の読み出しなどを制御する検出器コントローラ33が備えられている。
【0037】
また、撮影台14の内部には、放射線画像検出器15から読み出された電荷信号を電圧信号に変換するチャージアンプや、チャージアンプから出力された電圧信号をサンプリングする相関2重サンプリング回路や、電圧信号をデジタル信号に変換するAD変換部などが設けられた回路基板なども設置されている。
【0038】
また、撮影台14はアーム部13に対し回転可能に構成されており、基台11に対してアーム部13が回転したときでも、撮影台14の向きは基台11に対し固定された向きとすることができる。
【0039】
放射線画像検出器15は、放射線画像の記録と読出しを繰り返して行うことができるものであり、放射線の照射を直接受けて電荷を発生する、いわゆる直接型の放射線画像検出器を用いてもよいし、放射線を一旦可視光に変換し、その可視光を電荷信号に変換する、いわゆる間接型の放射線画像検出器を用いるようにしてもよい。また、放射線画像信号の読出方式としては、TFT(thin film transistor)スイッチをオン・オフされることによって放射線画像信号が読み出される、いわゆるTFT読出方式のものや、読取光を照射することによって放射線画像信号が読み出される、いわゆる光読出方式のものを用いることが望ましいが、これに限らずその他のものを用いるようにしてもよい。
【0040】
放射線照射部16の中には放射線源17と、放射線源コントローラ32が収納されている。放射線源コントローラ32は、放射線源17から放射線を照射するタイミングと、放射線源17における放射線発生条件(管電圧、管電圧等)を制御するものである。
【0041】
また、アーム部13の中央部には、撮影台14の上方に配置されて乳房を押さえつけて圧迫する圧迫板18と、その圧迫板18を支持する支持部20と、支持部20を上下方向(Z方向)に移動させる移動機構19が設けられている。圧迫板18の位置、圧迫圧は、圧迫板コントローラ34により制御される。
【0042】
コンピュータ2は、中央処理装置(CPU)および半導体メモリやハードディスクやSSD等のストレージデバイスなどを備えており、これらのハードウェアによって、図3に示すような制御部2a、放射線画像記憶部2b、表示制御部2c、頭部位置検出部2d、および表示位置制御部2eが構成されている。なおこれらの制御部等については後で詳細に説明する。
【0043】
モニタ3は、左目用放射線画像GLと右目用放射線画像GRを表示することにより、左目用放射線画像GLと右目用放射線画像GR中の被写体を立体視可能にするものである。モニタ3は、図4に示すように、前方に傾斜した上側モニタ43と下側モニタ44とを組み合せて構成されている。そして、この上側モニタ43と下側モニタ44の間にハーフミラー45が配置されている。また下側モニタ43には観察者の頭部を撮影するためのカメラ部41が設けられている。
【0044】
上側モニタ43は表示画面43aに右目用放射線画像GR、下側モニタ44は表示画面44aに左目用放射線画像GLをそれぞれ表示するものである。2台のモニタ43,44の表示光は互いに直交するように偏光しており、上側モニタ43からの表示光は図中実線で示すようにハーフミラー45で反射し、下側モニタ44からの表示光は図中破線で示すようにハーフミラー45を透過する。ハーフミラー45は、観察の際に左目用放射線画像GLと右目用放射線画像GRとが重なるような角度で配置されている。
【0045】
観察者は、右目用放射線画像GRを観察するように偏光した右目用偏光レンズ42Rと左目用放射線画像GLを観察するように偏光した左目用偏光レンズ42Lを有する偏光メガネ42(例えば図10参照)を装着することにより、2枚の放射線画像GL,GRを左右の目でそれぞれ観察することができ、放射線画像GL,GR中の被写体を立体視することができる。なお、放射線画像GL,GR中の被写体を立体視するための構成は、上記の構成に限定されるものではなく、シャッタ機能を備えたメガネを装着することにより、交互に表示された左目用放射線画像GLと右目用放射線画像GRを左右の目でそれぞれ観察するシャッタ方式を採用してもよい。
【0046】
入力部4は、観察者による撮影条件や観察条件などの入力や操作指示の入力などを受け付けるものであり、たとえば、キーボードやマウスなどの入力デバイスによって構成されるものである。本実施形態においては、観察者がモニタ3に表示された2枚の放射線画像GL,GRをクロストークがなく立体視できる最適位置を入力する入力手段としても機能する。なお観察者による最適位置の入力は、観察者がモニタ3を観察中に最も快適に立体視できた位置をキーボードやマウスなどの入力デバイスを操作することにより入力可能にする。
【0047】
カメラ部41は、CCDと観察者に向けて撮影の為の光を照射するLEDとを備えており、観察者の頭部を撮影するものである。
【0048】
制御部2aは、各種のコントローラ31〜34に対して所定の制御信号を出力し、システム全体の制御を行うものである。具体的な制御方法については後で詳述する。
【0049】
放射線画像記憶部2bは、互いに異なる2つの撮影方向からの撮影によって放射線画像検出器15によって検出された2枚の放射線画像信号を予め記憶するものである。
【0050】
表示制御部2cは、放射線画像記憶部2bから読み出された左目用放射線画像GLと右目用放射線画像GRの2枚の放射線画像信号に対して所定の処理を施した後、モニタ3に出力して、図6に示すように上側モニタ43の表示画面43aに右目用放射線画像GR、下側モニタ44の表示画面44aに左目用放射線画像GLをそれぞれ表示させるものである。
【0051】
頭部位置検出部2dは、観察者の頭部の位置を検出するものであり、図5に示すように、カメラ部41によって撮影された観察者の頭部の画像Pから頭部の位置を検出する。具体的には、画像P中の観察者の左右の目E,Eを検出し、検出した左右の目E,Eを結ぶ直線S1の中央点C1を通り、直線S1と直交する直線S2を頭部の中心線とする。
【0052】
本実施形態では、頭部の位置として、上記中央点C1を検出するものとする。なお本実施形態では頭部の位置として中央点C1を検出するものとしたが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば目そのものを検出してもよいし、鼻やまゆ毛、頭頂部等を検出するようにしてもよい。
【0053】
表示位置制御部2eは、2枚の放射線画像GL,GRのモニタ3における表示位置を調整するものであり、頭部位置検出部2dによって頭部が検出された位置に位置する観察者が2枚の放射線画像GL,GR中の乳房ML,MRを立体視し易くなるように上側モニタ43の表示画面43aに表示された右目用放射線画像GR及び下側モニタ44の表示画面44aに表示された左目用放射線画像GLの表示位置を制御する。なお表示位置の制御方法については後で詳細に説明する。以上のように本実施形態の乳房画像撮影表示システム1は構成されている。
【0054】
次に、本実施形態の乳房画像撮影表示システム1の作用について、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0055】
図7に示すように、まず、撮影台14の上に患者の乳房Mが設置され、圧迫板18により乳房Mが所定の圧力によって圧迫される(S10)。
【0056】
次に、入力部4おいて、撮影者によって種々の撮影条件が入力された後、撮影開始の指示が入力される(S11)。
【0057】
そして、入力部4において撮影開始の指示があると、乳房Mのステレオ画像を構成する2枚の放射線画像のうちの1枚目の放射線画像の撮影が行われる(S12)。
【0058】
具体的には、まず、制御部2aが、予め設定されたステレオ画像の撮影のための輻輳角θを読み出し、その読み出した輻輳角θの情報をアームコントローラ31に出力する。なお、本実施形態においては、このときの輻輳角θの情報としてθ=±2°が予め記憶されているものとするが、これに限らず、撮影者によって入力部4において任意の輻輳角を設定可能である。
【0059】
そして、アームコントローラ31において、制御部2aから出力された輻輳角θの情報が受け付けられ、アームコントローラ31は、この輻輳角θの情報に基づいて、図2に示すように、アーム部13が撮影台14に垂直な方向に対して+θ°回転するよう制御信号を出力する。すなわち、本実施形態においては、アーム部13を撮影台14に垂直な方向に対して+2°回転するよう制御信号を出力する。
【0060】
そして、このアームコントローラ31から出力された制御信号に応じてアーム部13が、+2°だけ回転した状態において、制御部2aは、放射線源コントローラ32および検出器コントローラ33に対して放射線の照射と放射線画像信号の読出しを行うよう制御信号を出力する。この制御信号に応じて、放射線源17から放射線が射出され、乳房を+2°方向から撮影した放射線画像が放射線画像検出器15によって検出され、検出器コントローラ33によって放射線画像信号が読み出され、その放射線画像信号に対して所定の信号処理が施された後、コンピュータ2の放射線画像記憶部2bに記憶される。
【0061】
次に、乳房Mのステレオ画像を構成する2枚の放射線画像のうちの2枚目の放射線画像の撮影が行われる(S13)。具体的には、アームコントローラ31が、図2に示すように、アーム部13を撮影台14に垂直な方向に対して−θ°回転するよう制御信号を出力する。すなわち、本実施形態においては、アーム部13を撮影台14に垂直な方向に対して−2°回転するよう制御信号を出力する。
【0062】
そして、このアームコントローラ31から出力された制御信号に応じてアーム部13が−2°だけ回転した状態において、制御部2aは、放射線源コントローラ32および検出器コントローラ33に対して放射線の照射と放射線画像信号の読出しを行うよう制御信号を出力する。この制御信号に応じて、放射線源17から放射線が射出され、乳房を−2°方向から撮影した放射線画像が放射線画像検出器15によって検出され、検出器コントローラ33によって放射線画像信号が読み出され、所定の信号処理が施された後、コンピュータ2の放射線画像記憶部2bに記憶される。
【0063】
次に、上述したようにして放射線画像記憶部2bに記憶された2枚の放射線画像信号は表示制御部2cによって読み出され、表示制御部2cが2枚の放射線画像信号に対して所定の処理を施した後、図6に示すように左目用放射線画像GLを下側モニタ44の表示画面44aに、右目用放射線画像GRを上側モニタ43の表示画面43aにそれぞれ表示させる(S14)。
【0064】
次に、頭部位置検出部2dが上述したようにして観察者の頭部の位置すなわち中央点C1の位置を検出する(S15)。そして表示位置制御部2eは検出された頭部の位置すなわち中央点C1の位置の変化に対応させて2枚の放射線画像GL,GR中の乳房ML,MRの位置をそれぞれ制御する(S16)。ここで図8に放射線画像GL,GRの表示状態を示す図、図9に放射線画像GL,GRの他の表示状態を示す図をそれぞれ示す。
【0065】
表示位置制御部2eは、観察者によって入力部4から入力された最適位置を保持するように観察者の頭部の位置の変化に対応させて、図6に示す左目用放射線画像GL及び右目用放射線画像GR中の乳房ML,MRの位置を制御する。
【0066】
具体的には、図6に示すように、下方の表示画面44aに表示された左目用放射線画像GLと上方の表示画面43aに表示された右目用放射線画像GRにおいて、それぞれ観察者によって入力部4から入力された最適位置で頭部位置検出部2dによって検出した観察者の頭部の位置としての中央点C1と、位置胸壁MWL,MWRとニップルMNL,NWRとの中間位置MCL,MCRとの間の距離Kを検出し、観察者の頭部の位置が移動してもこの距離Kが保持されるように左目用放射線画像GL及び右目用放射線画像GR中の乳房ML,MRの位置を移動する。
【0067】
観察者の頭部の位置すなわち中央点C1が左右方向に移動したら、図8中の左右矢印で示すように左目用放射線画像GL及び右目用放射線画像GR中の乳房ML,MRの位置も同様に左右方向に移動させる。
【0068】
また観察者の頭部の位置すなわち中央点C1が上方向に移動したら、図8の左目用放射線画像GL中の上矢印で示すように左目用放射線画像GL中の乳房MLの位置を上方向に移動させると共に、図8中の右目用放射線画像GR中の下矢印で示すように右目用放射線画像GR中の乳房MRの位置を下方向に移動させる。
【0069】
同様にして観察者の頭部の位置すなわち中央点C1が下方向に移動したら、図8の左目用放射線画像GL中の下矢印で示すように左目用放射線画像GL中の乳房MLの位置を下方向に移動させると共に、図8中の右目用放射線画像GR中の上矢印で示すように右目用放射線画像GR中の乳房MRの位置を上方向に移動させる。
【0070】
また観察者の頭部の位置すなわち中央点C1が表示画面44a,43aから離れる方向に変化したとき、すなわち表示画面44a及び表示画面43aから中央点C1までの光路長が長くなったときに、左目用放射線画像GL中の乳房MLと右目用放射線画像GR中の乳房MRとの視差が大きくなるように左目用放射線画像GL中の乳房ML及び右目用放射線画像GR中の乳房MRの位置を移動させる。
【0071】
具体的には、例えば図9の左目用放射線画像GL中の左矢印で示すように左目用放射線画像GL中の乳房MLの位置を左方向に移動させると共に、図9の右目用放射線画像GR中の右矢印で示すように右目用放射線画像GR中の乳房MRの位置を右方向に移動させる。
【0072】
なお本実施形態では乳房ML,MLの位置を上記のように移動させたが、本発明はこれに限られるものではなく、左目用放射線画像GL中の乳房MLと右目用放射線画像GR中の乳房MRとの視差が大きくなれば、例えば左目用放射線画像GL中の乳房MLの位置のみを左方向に移動させてもよいし、右目用放射線画像GR中の乳房MRの位置のみを右方向に移動させてもよい。また左目用放射線画像GL中の乳房MLと右目用放射線画像GR中の乳房MRとの視差が大きくなれば、左目用放射線画像GL中の乳房MLの位置の左方向への移動量と右目用放射線画像GR中の乳房MRの位置の右方向への移動量は同じ移動量であってもよいし、異なる移動量であってもよい。
【0073】
また上記とは逆に観察者の頭部の位置すなわち中央点C1が表示画面44a,43aに近づく方向に変化したとき、すなわち表示画面44a及び表示画面43aから中央点C1までの光路長が短くなったときに、左目用放射線画像GL中の乳房MLと右目用放射線画像GR中の乳房MRとの視差が大きくなるように左目用放射線画像GL中の乳房ML及び右目用放射線画像GR中の乳房MRの位置を移動させる。
【0074】
具体的には、図9に示す図中の矢印方向とは逆に例えば左目用放射線画像GL中の乳房MLの位置を右方向に移動させると共に右目用放射線画像GR中の乳房MRの位置を左方向に移動させる。
【0075】
一般的にクロストークが少ないのは頭部の中心に対応する位置で、特にハーフミラー方式を使用した表示装置では、高さ方向に頭の位置が移動する程クロストークが増して見難い状態になるとされている。本実施形態では上記のように観察者の頭部の位置の変化に対応させて左目用放射線画像GL及び右目用放射線画像GR中の乳房ML,MRの位置を制御することにより、放射線画像GL,GR中の乳房ML,MRの中心(中間位置MCL,MCR)を頭部の中心(中央点C1)に対応させて位置させることができるので、乳房ML,MRの画像が常に頭部の中心に対応する位置に存在することになり、観察者はクロストークが少ない立体視し易い状態を保持することができる。
【0076】
なお本実施形態では乳房ML,MLの位置を上記のように移動させたが、本発明はこれに限られるものではなく、左目用放射線画像GL中の乳房MLと右目用放射線画像GR中の乳房MRとの視差が小さくなれば、例えば左目用放射線画像GL中の乳房MLの位置のみを右方向に移動させてもよいし、右目用放射線画像GR中の乳房MRの位置のみを左方向に移動させてもよい。また左目用放射線画像GL中の乳房MLと右目用放射線画像GR中の乳房MRとの視差が小さくなれば、左目用放射線画像GL中の乳房MLの位置の右方向への移動量と右目用放射線画像GR中の乳房MRの位置の左方向への移動量は同じ移動量であってもよいし、異なる移動量であってもよい。
【0077】
なお頭部の位置すなわち中央点C1の変化量dに対する乳房ML,MRの位置の移動量DL,DRは中央点C1の変化量dに予め設定した定数をかけて求めるようにしてもよい。このとき定数は、観察者によって適宜変更することができる。
【0078】
また頭部の位置すなわち中央点C1の変化に対応する乳房ML,MRの位置の移動は、頭部の位置の少しの変化に対して精度良く行ってしまうと頻繁に画像の移動が行われてしまって観察者にとっては煩わしく、また画像を立体視し難くなってしまう場合があるので、頭の位置の変化すなわち頭の移動が予め定められた所定値よりも遅い場合には乳房ML,MRの位置の移動を行い、頭の移動が予め定められた所定値よりも速い場合や細かい場合には乳房ML,MRの位置の移動を行わないようにしてもよい。
【0079】
なお本実施形態においては、表示位置制御部2eは観察者の頭部の位置の左右方向、上下方向及び前後方向の変化すべてに対応するように左目用放射線画像GL中の乳房ML及び右目用放射線画像GR中の乳房MRの位置を移動させるようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、ハーフミラー方式を使用した表示装置においては、観察者の頭部の位置の上下方向に変化があると、観察者は左目用放射線画像GLと右目用放射線画像GRとが上下にずれて見えてしまうため、表示位置制御部2eは観察者の頭部の位置の上下方向のみに対応するように左目用放射線画像GL中の乳房ML及び右目用放射線画像GR中の乳房MRの位置を移動させるようにしてもよい。このようにすることで、観察者の頭部の位置が上下方向に移動するとクロストークが増すハーフミラー方式において、クロストークを低減し立体視し易くすることができる。
【0080】
また表示位置制御部2eは観察者の頭部の位置の左右方向と上下方向の変化に対応するように左目用放射線画像GL中の乳房ML及び右目用放射線画像GR中の乳房MRの位置を移動させるようにしてもよいし、表示位置制御部2eは観察者の頭部の位置の上下方向及び前後方向の変化に対応するように左目用放射線画像GL中の乳房ML及び右目用放射線画像GR中の乳房MRの位置を移動させるようにしてもよいし、適宜変更することができる。
【0081】
また本実施形態においては2枚の放射線画像GL,GRにおける関心領域を乳房ML,MRとして乳房ML,MRの位置を移動させるようにしたが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば2枚の放射線画像GL,GR中に左右2つの乳房ML,MRが存在する場合には左右2つの乳房ML,MRの位置を移動させてもよいし、関心領域は観察者によって適宜設定することができる。
【0082】
そして次に制御部2aが、モニタ3への表示終了の指示があるか否かを判別し(S17)、表示終了の指示がない場合には(S17;NO)、S15へ処理を移行して、S15以降の処理を繰り返し行い、表示終了の指示がある場合には(S17;YES)、モニタ3の表示を終了させて全ての処理を終了する。以上のようにして本実施形態の乳房画像撮影表示システム1による画像表示処理を行う。
【0083】
このように本実施形態の立体視画像表示装置の一実施形態を用いた乳房画像撮影表示システム1及び乳房画像撮影表示システム1における立体視画像表示方法によれば、観察者の頭部の位置を検出し、頭部が検出された位置に位置する観察者が乳房Mを立体視し易くなるように左目用放射線画像GL及び右目用放射線画像GRの表示位置を制御するようにしたので、観察者の頭が動くことで視点の位置が変化しても、変化した視点の位置で立体視し易い左目用放射線画像GL及び右目用放射線画像GRが表示されるため、観察者は頭を固定した状態での観察を強いられることがなく楽に立体視画像の観察を行うことができる。
【0084】
なお本実施形態においてはモニタ3を図4に示すように上側モニタ43と下側モニタ44とを備えた構成としたが、本発明はこれに限られるものではなく、左側モニタと右側モニタを備えこのモニタの間にハーフミラーを設けた構成であっても構わない。
【0085】
また頭部位置検出部2による頭部の位置の検出は、図5に示すように画像から求めるものでなくても構わない。ここで図10にモニタ3の他の構成を示す図を示す。本実施形態では、図4のカメラ部41を備えずに、下側モニタ44の4隅に受信機を備え、左目用偏光レンズ42L及び右目用偏光レンズ42Rを有する偏光メガネ42の上面中央に位置検出用の電波を発信する発信機46を備えている。
【0086】
そして頭部位置検出部2dは、1つの発信機から発信された電波をそれぞれ時間差を有して受信する4つの受信機からの受信信号に基づいて演算を行って偏光メガネ42の位置を検出し、この偏光メガネ42の位置を頭部の位置とする。このように検出した頭部の位置の変化に対応させて左目用放射線画像GL及び右目用放射線画像GRの表示位置を制御するようにしてもよい。
【0087】
なお上述した実施形態は、本発明の立体視画像表示装置の一実施形態を乳房画像撮影表示システムに適用したものであるが、本発明の被写体としては乳房に限らず、たとえば、胸部や頭部などを撮影する放射線画像撮影表示システムにも本発明を適用することができる。また放射線画像撮影表示システムに限らず通常のステレオ画像撮影表示システムにも適用することができる。
【符号の説明】
【0088】
1 放射線画像撮影装置
2 コンピュータ
2a 制御部
2b 放射線画像記憶部
2c 表示制御部
2d 頭部位置検出部
2e 表示位置制御部
3 モニタ
4 入力部
10 撮影部
13 アーム部
14 撮影台
15 放射線検出器
16 放射線照射部
17 放射線源
18 圧迫板
42 カメラ部
43 上側モニタ
44 下側モニタ
43a,44a 表示画面(2次元画像表示部)
45 ハーフミラー
GL 左目用放射線画像(左目用視差画像)
GR 右目用放射線画像(右目用視差画像)
ML,MR 乳房(関心領域)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる撮影方向から被写体を撮影することにより取得された左目用視差画像と右目用視差画像をそれぞれ表示する2つの2次元画像表示部と、
一方の前記2次元画像表示部からの表示光を透過すると共に他方の前記2次元画像表示部からの表示光を前記透過した表示光と同方向に反射するハーフミラーとを備え、
該ハーフミラーを透過及び反射した前記表示光によって前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の前記被写体を立体視可能にする立体視画像表示装置において、
観察者の頭部の位置を検出する頭部位置検出部と、
頭部が検出された位置に位置する前記観察者が前記被写体を立体視し易くなるように前記2つの2次元画像表示部にそれぞれ表示する前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像の表示位置を制御する表示位置制御部とを備えていることを特徴とする立体視画像表示装置。
【請求項2】
前記表示位置制御部が、前記頭部位置検出部により検出された頭部の位置の変化に対応させて前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の位置をそれぞれ移動させるものであることを特徴とする請求項1記載の立体視画像表示装置。
【請求項3】
前記表示位置制御部が、前記頭部位置検出部により検出された頭部の位置の上下方向の変化に対応させて前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の位置をそれぞれ上下に移動させるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の立体視画像表示装置。
【請求項4】
前記表示位置制御部が、前記頭部位置検出部により検出された頭部の位置の左右上下方向の変化に対応させて前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の位置をそれぞれ左右上下に移動させるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の立体視画像表示装置。
【請求項5】
前記表示位置制御部が、前記頭部位置検出部により検出された頭部の位置が前記2次元画像表示部から離れる方向に変化したときに前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の視差が大きくなるように前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の位置を左右に移動させ、前記頭部位置検出部により検出された頭部の位置が前記2次元画像表示部に近づく方向に変化したときに前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の視差が小さくなるように前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の位置を左右に移動させるものであることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の立体視画像表示装置。
【請求項6】
互いに異なる撮影方向から被写体を撮影することにより取得された左目用視差画像と右目用視差画像をそれぞれ表示する2つの2次元画像表示部と、
一方の前記2次元画像表示部からの表示光を透過すると共に他方の前記2次元画像表示部からの表示光を前記透過した表示光と同方向に反射するハーフミラーとを備え、
該ハーフミラーを透過及び反射した前記表示光によって前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の前記被写体を立体視可能にする立体視画像表示装置を使用する立体視画像表示方法において、
観察者の頭部の位置を検出し、
頭部が前記検出された位置に位置する前記観察者が前記被写体を立体視し易くなるように前記2つの2次元画像表示部にそれぞれ表示する前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像の表示位置を制御することを特徴とする立体視画像表示方法。
【請求項7】
前記検出された頭部の位置の変化に対応させて前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の位置をそれぞれ移動させることを特徴とする請求項6記載の立体視画像表示方法。
【請求項8】
前記検出された頭部の位置の上下方向の変化に対応させて前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の位置をそれぞれ上下に移動させることを特徴とする請求項6又は7記載の立体視画像表示方法。
【請求項9】
前記検出された頭部の位置の左右上下方向の変化に対応させて前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の位置をそれぞれ左右上下に移動させることを特徴とする請求項6又は7記載の立体視画像表示方法。
【請求項10】
前記検出された頭部の位置が前記2次元画像表示部から離れる方向に変化したときに前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の視差が大きくなるように前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の位置を左右に移動させ、前記検出された頭部の位置が前記2次元画像表示部に近づく方向に変化したときに前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の視差が小さくなるように前記左目用視差画像及び前記右目用視差画像中の関心領域の位置を左右に移動させることを特徴とする請求項6〜9いずれか1項記載の立体視画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−110645(P2012−110645A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264670(P2010−264670)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】