説明

端末装置、サーバ及びシステム

【課題】不意の待ち行列発生地点における行列の原因を推測し得る端末装置を提供する。
【解決手段】現在地情報を取得する通信部15と、設備情報を記憶する記憶部12と、制御部11と、を備え、制御部11は、待ち行列があると判断した場合、通信部15により現在地情報を取得し、取得された現在地情報と記憶されている設備情報とのマッチングを行い現在地周辺の設備情報により待ち行列の原因を推測し、推測結果により端末を制御する端末装置10とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、サーバ及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ある地点の混雑状況を判別し、判別結果をユーザに提供するシステムについて、下記に示す従来技術がある。
【0003】
特許文献1によれば、1台の定点カメラにより混雑状況(待ち行列)を撮影し、撮影された画像に含まれる人物の数を計測してその状況をユーザに提供するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−201556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の技術によれば、待ち行列が発生している場所に少なくとも1台の定点カメラが必要となる。すなわち、定点カメラのない場所で不意の待ち行列が発生した場合、特許文献1の技術を用いることはできない。また、特許文献1の技術では、待ち行列発生地点における行列の原因を把握することはできない。
【0006】
本発明の課題は、不意の待ち行列発生地点における行列の原因を推測し得る端末装置、サーバ及びシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、現在地情報を取得する通信部と、
位置情報に対応付けられた設備情報を記憶する記憶部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、現在地周辺に待ち行列がある場合、前記通信部により取得された現在地情報と前記記憶部により記憶されている設備情報とのマッチングを行い現在地周辺の設備情報を取得し、取得された設備情報に基づいて、特定された設備に待ち行列が発生しているものと推測し、推測された結果に基づいて端末を制御する端末装置
が提供される。
【0008】
また、本発明によれば、複数の端末装置と通信可能なサーバであって、
複数の端末装置から複数の現在地情報を取得する通信部と、
位置情報に対応付けられた設備情報を記憶する記憶部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記複数の端末装置のうちの一の端末装置から、一の地点での待ち行列に関する情報が要求された場合、前記通信部により取得された複数の端末装置の現在地情報が前記一の地点に一定数以上存在しない場合、前記一の地点で待ち行列がないと推測し、推測された結果を行列情報として前記一の端末装置に通知するサーバ
が提供される。
【0009】
また、複数の端末装置と、複数の端末装置と通信可能なサーバと、を含むシステムであって、
前記複数の端末装置は、現在地情報を一定時間ごとに前記サーバに送信し、
前記複数の端末装置のうちの一の端末装置は、
前記サーバに対してユーザにより要求された一の地点の待ち行列に関する情報を要求し、
前記サーバは、
前記一の端末装置から待ち行列に関する情報を要求された場合、前記複数の端末装置から取得した現在地情報が前記一の地点に一定数以上存在しない場合、前記一の地点で待ち行列がないと推測し、推測された結果を前記一の端末装置に通知するシステム
が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、ユーザが不意の待ち行列に遭遇した場合、その場で待ち行列発生地点における行列の原因を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】端末装置の機能ブロック図である。
【図2】端末装置による行列推測処理を示すフロー図である。
【図3】端末装置による自動行列判別処理を示すフロー図である。
【図4】行列推測処理の概念図である。
【図5】行列推測処理の概念図である。
【図6】他の実施形態のシステム構成を示す図である。
【図7】サーバの機能ブロック図である。
【図8】サーバによる行列推測処理を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態における端末装置の構成及び動作について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではない。
【0013】
図1に、端末装置10の機能ブロック図を示す。
端末装置10は、制御部11、記憶部12、表示部13、操作部14、通信部15、カメラ16、人体センサ17等を備えて構成される。
【0014】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成され、CPUがROM又は記憶部12に格納されている所定のプログラムをRAMに展開し、当該プログラムとの協働により端末装置10の動作を統括的に制御する。
【0015】
記憶部12は、システムプログラムの他、制御部11により実行される制御プログラムを備える。また、記憶部12は、各種プログラムの実行に必要なパラメータや地図DBを記憶する。地図DBは、都道府県、市町村、行政区画、番地等の住所情報や、建物、施設、店舗、公園、鉄道に関する情報、地形情報、道路情報等を含む。地図DBは、これらの情報とGPS(Global Positioning System)により取得される現在地情報とのマッチングを行う際に用いられる。
【0016】
表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)等を備えて構成され、制御部11の表示制御に従って、操作画面や地図等の各種画面を表示する。
【0017】
操作部14は、数字キー、文字キー、機能キー等の各種キーを備えて構成され、各種キーにより入力された操作信号を制御部11に出力する。
【0018】
通信部15は、アンテナ等を備えて構成され、例えば携帯電話網(無線WAN等)により無線通信を行う。また、通信部15は、GPSにより現在地情報を受信して制御部11に出力する。
【0019】
カメラ16は、光学レンズ、CCD(Charge Coupled Diode)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子、A/D変換器等を備えて構成される。カメラ16は、光学レンズを介して入力された画像を撮像素子により電気信号に変換し、更にA/D変換器によりA/D変換してデジタルの画像データを生成する。また、カメラ16は、複数の画像データを連続的に生成して動画データを作成することもできる。カメラ16は、例えば操作部14のシャッターキーが押下されることにより撮影を開始する。
【0020】
人体センサ17は、受発光素子を備えて構成される反射光量検出方式のセンサである。または、人体センサ17は、発光素子として赤外発光ダイオード(LED)を備え、受光素子として位置検出素子(PSD:Position Sensitive Detector)を備えた測距センサでもよい。人体センサ17は、人がいることを検出し、検出結果を制御部11に出力する。
【0021】
図2を参照して、端末装置10による行列推測処理について説明する。
制御部11は、行列情報を通知するよう要求があるか否か判断する(ステップS1)。
行列情報とは、待ち行列発生地点における行列の原因を推測した推測結果をいう。制御部11は、ユーザにより操作部14の所定のキーが押下され、この押下信号を入力した場合、要求があったと判断する。
【0022】
行列情報の通知要求がない場合(ステップS1;N)、制御部11は要求があるまで待機し、要求があった場合にステップS2に移行する。
行列情報の通知要求があった場合(ステップS1;Y)、制御部11は、カメラ16及び人体センサ17を用いて自動行列判別処理を行う(ステップS2)。
【0023】
図3を参照して、自動行列判別処理について説明する。
前提として、カメラ16がユーザの進行方向にセットされているものとする。
【0024】
制御部11は、カメラ16により、ユーザの進行方向の撮影を開始する(ステップS21)。ここで開始した撮影は、本処理が終了するまで継続される。
【0025】
制御部11は、カメラ16及び人体センサ17により、ユーザの進行方向に人物がいるか否かを判断する(ステップS22)。
【0026】
人物がいない場合(ステップS22;N)、制御部11は、待ち行列はないものと判断して(ステップS23)、自動行列判断処理を終了する。
人物がいる場合(ステップS22;Y)、制御部11は、複数の人物が存在するか否か判断する(ステップS24)。
ここでいう「複数」とは、予め定められている一定数の人数以上をいうものとする。
【0027】
複数の人物が存在しない場合(ステップS24;N)、制御部11は、ステップS23に移行して処理を終了する。
複数の人物が存在する場合(ステップS24;Y)、制御部11は、複数の人物は一定時間の間に動いていないか判断する(ステップS25)。
【0028】
一定時間の間に動いた場合(ステップS25;N)、制御部11は、ステップS23に移行して処理を終了する。
一定時間の間に動いていない場合(ステップS25;Y)、制御部11は、待ち行列があるものと判断して(ステップS26)、自動行列判断処理を終了する。
【0029】
図2に戻り、制御部11は、待ち行列があるか否か判断する(ステップS3)。
待ち行列がない場合(ステップS3;N)、制御部11は、行列推測処理を終了する。
待ち行列がある場合(ステップS3;Y)、制御部11は、GPSにより現在地情報を取得する(ステップS4)。
【0030】
制御部11は、現在地から一定範囲内(ここでは、周辺100m以内)の地図情報を記憶部12の地図DBから取得する(ステップS5)。
【0031】
制御部11は、ユーザの進行方向に対して最大で10件分の最寄りの設備情報を取得する(ステップS6)。
【0032】
制御部11は、取得された設備情報に基づいて、待ち行列発生地点における行列の原因を推測する(ステップS7)。
ここでの処理としてはまず、制御部11は取得された10件分の設備情報に対し、設備ごとに予め用意されているポイントを付加してポイントの高い順に設備情報を並び替えて待ち行列のでき易さ(優先度)を決定する。ポイント表は、予め記憶部12にテーブルとして記憶されているものとする。制御部11は、同一ポイントの設備が複数存在する場合、現在地から距離が近い設備の優先度を上げる。制御部11は、最終的な優先度を決定した後、取得された設備情報の設備のうち最も優先度の高い設備に待ち行列が発生しているものと推測する。
【0033】
制御部11は、推測した推測結果を音や光、又は画像等により通知して(ステップS8)、行列推測処理を終了する。
【0034】
図4に、行列推測処理の概念図を示す。
図4に示す概念図は、上記説明してきた図2及び図3の処理の概念図である。
【0035】
端末装置10は、カメラ16及び人体センサ17を用いて自動行列判別処理を行う(t1)。
端末装置10は、GPSにより現在地情報を取得する(t2)。
端末装置10は、記憶部12の地図DBより設備情報を取得する(t3)。
端末装置10は、待ち行列発生地点における行列の原因を推測し、この推測結果を音や光、又は画像等により通知する(t4)。
【0036】
図5に、行列推測処理の概念図を示す。
図5に示す概念図は、上記説明してきた図2の行列推測処理のうち、特にステップS4〜S7までの処理の概念図である。また、図5に示す概念図は、図4の概念図のうち、t3及びt4の処理の概念図である。
【0037】
端末装置10は、GPSにより現在地情報を取得し、地図DBにより設備情報を取得し、待ち行列が発生している現在地Gから周辺100m以内の設備を最大10件分取得する(u1)。
【0038】
端末装置10は、取得された10件分の設備情報に対して、設備ごとに予め用意されているポイントを付加する(u2)。
【0039】
端末装置10は、付加された設備情報をポイントの高い順、つまり待ち行列ができ易い順に並び替えて優先度を決定する。同一ポイントの設備情報に対しては現在地Gから距離が近い設備情報の優先度を上げる(u3)。
【0040】
端末装置10は、最も優先度の高い設備情報に基づいて、待ち行列発生地点における行列の原因を推測する(u4)。
【0041】
以上のように、本実施形態によれば、端末装置10は、カメラ16及び人体センサ17を用いて待ち行列の有無を自動的に判断できる。待ち行列があると判断した場合、端末装置10は、GPSにより現在地情報を取得し、これと地図DBの地図情報とのマッチングにより周辺の設備情報を取得し、取得された設備情報(ここでは、最大10件分)に対し予め定められたポイントに基づいて行列のでき易い順に並び替えることができる。端末装置10は、最も行列のでき易い設備に待ち行列が発生しているものと推測することができ、この推測結果をユーザに通知することができる。
【0042】
また、端末装置10は、上記したように、カメラ16及び人体センサ17を用いて待ち行列の有無を自動的に判断することができる。この際の処理として、端末装置10は、カメラ16による撮影方向に人物がいるか否か判断し、人物がいる場合、撮影対象の人物の数が一定数以上であり、これらの人物が一定時間内に動作していないか判断し、一定数以上であって一定時間内に動作していない場合、撮影対象の人物の集団を待ち行列であると判断する事ができる。
【0043】
また、端末装置10は、上記したように、取得された設備情報(ここでは、最大10件分)に対し予め定められたポイントに基づいて行列のでき易い順に並び替えることができる。この際の処理として、端末装置10は、取得された設備情報に対し、設備の種類ごとに予め定められている行列のでき易さを示すポイント(図5参照)を付加してポイント順、つまり行列のでき易い順に並び替えることができ、同一ポイントの設備情報がある場合は現在地から距離が近い設備を上位として並び替えることができる。
【0044】
また、端末装置10は、待ち行列発生地点における行列の原因を推測した推測結果を一般的な携帯電話であれば当然に備える発話部により音声で通知したり、表示部13により光又は画像で通知したりすることができる。
なお、上記実施形態では、端末装置10に記憶した地図DBを使ってマッチングをするようにしたが、位置情報と対応付けた設備情報を記憶していれば、地図DBを用いなくてもよい。
【0045】
また、上記実施形態では端末装置10は取得された設備情報について予め定められたポイントに基づいて行列のでき易い順に並び替えをし、最も行列のでき易い設備に待ち行列が発生しているものと推測したが、「行列予測点数=(1/現在地からの距離)×設備情報のポイント」で行列予測点数によりソートし、点数の最も高い施設に待ち行列が発生しているものと推測してもよい。ただし、この場合は最寄10件を抽出する段階で、現在地から施設までの距離を計算しなくてはならないため、処理の量が増える。
【0046】
また、上記実施形態では、GPSで現在位置を特定するようにしたが、例えば、無線LANのアクセスポイントや携帯電話の基地局の情報を使って、位置を特定してもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、端末装置10により、推測結果が通知されるようにしたが、推測結果を、推測された待ち行列の種類による端末の動作トリガとしても良い。例えば、行列が「遊園地」であると推定された場合、特定の暇つぶしアプリを起動することも可能である。
【0048】
また、上記実施形態では通信網として、携帯電話網(無線WAN)を用いる例を示したが、通信網はWiMAX、アマチュア無線や業務無線、WiFiなど、既存の様々な通信方式が考えられる。
【0049】
図6に、他の実施形態におけるシステム構成を示す。
システム100は、端末装置10及びサーバ20を含んで構成される。
なお、端末装置10については、上記図1〜図5までの端末装置10と同一の符号が付されているが、必ずしも同一の構成とする必要は無い。ここでの端末装置10は、下記に述べる動作が可能な構成であれば、他の構成(例えば、カメラ16や人体センサ17等)は適宜不要としてもよい。
【0050】
サーバ20は、地点Lの端末装置10の要求に応じて、地点Kの端末装置10の現在地情報が複数あるか否か判断する。なお、ここでいう「複数」とは、予め定められている一定数以上の数をいう。複数ある場合、地点Kに待ち行列があると判断する。サーバ20は、待ち行列がある場合、その待ち行列発生地点における行列の原因を推測する。サーバ20は、推測結果を地点Lの端末装置10に通知する。
なお、地点Kと地点Lは同じ地点であっても良いし、異なる地点であってもよい。この実施形態において、端末装置10は操作部14を操作して、行列ができているか知りたい地点Kを入力する。入力方法は、例えば、行きたいラーメン店をインターネット経由で検索したり、端末装置に地図情報を記憶しておいて、行きたい地点を選択するようにしてもよいし、現在地の行列原因を知りたい場合は、現在地周辺の待ち行列の原因を要求するよう操作部を操作してもよい。
【0051】
図7に、サーバ20の機能ブロック図を示す。
サーバ20は、制御部21、記憶部22、表示部23、操作部24、通信部25を備えて構成される。
【0052】
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成され、CPUがROM又は記憶部22に格納されている所定のプログラムをRAMに展開し、当該プログラムとの協働によりサーバ20の動作を統括的に制御する。
【0053】
記憶部22は、システムプログラムの他、制御部21により実行される制御プログラムを備える。また、記憶部22は、各種プログラムの実行に必要なパラメータや地図DBを記憶する。地図DBは、都道府県、市町村、行政区画、番地等の住所情報や、建物、施設、店舗、公園、鉄道に関する情報、地形情報、道路情報等を含む。地図DBは、これらの情報とGPS(Global Positioning System)により取得される現在地情報とのマッチングを行う際に用いられる。
【0054】
表示部23は、LCD(Liquid Crystal Display)等を備えて構成され、制御部21の表示制御に従って、操作画面や地図等の各種画面を表示する。
【0055】
操作部24は、数字キー、文字キー、機能キー等の各種キーを備えて構成され、各種キーにより入力された操作信号を制御部21に出力する。
【0056】
通信部25は、アンテナ等を備えて構成され、例えば携帯電話網(無線WAN等)により無線通信を行う。
【0057】
なお、端末装置10の機能ブロック図は、図2に示した通りであるため、ここでの説明は省略する。なお、他の実施形態における端末装置10は、カメラ16及び人体センサ17を必ずしも必要とするものではない。
【0058】
図8を参照して、サーバによる行列推測処理について説明する。
図8に示す処理は、他の実施形態においてサーバ20により待ち行列発生地点における行列の原因を推測する処理である。
【0059】
制御部21は、地点Lの端末装置10から行列情報を通知するよう要求があるか否か判断する(ステップS11)。
行列情報とは、図2で説明したように、待ち行列発生地点における行列の原因を推測した推測結果をいう。
【0060】
行列情報の通知要求がない場合(ステップS11;N)、制御部21は、要求があるまで待機し、要求があった場合にステップS12に移行する。
行列情報の通知要求があった場合(ステップS11;Y)、制御部21は、一定時間ごとに各地点に存在する複数の端末装置10から現在地情報を取得する(ステップS12)。
【0061】
制御部21は、地点Lの端末装置10から要求があった地点Kに一定数以上の端末装置10が存在するか否か判断する(ステップS13)。
【0062】
一定数以上の端末装置10が存在しない場合(ステップS13;N)、制御部21は、地点Kに待ち行列はないものと推測する(ステップS14)。
【0063】
一定数以上の端末装置10が存在する場合(ステップS13;Y)、制御部21は、地点Kから一定範囲内(ここでは、周辺100m以内)の地図情報を記憶部22の地図DBから取得する(ステップS15)。
【0064】
制御部21は、地点Kから最寄りの設備のうち、最大で10件分の最寄りの設備情報を取得する(ステップS16)。
【0065】
制御部21は、取得された設備情報に基づいて、地点Kの待ち行列の原因を推測する(ステップS17)。
ここでの処理は、上記説明してきた図5と同様である。すなわち、制御部21は、取得された10件分の設備情報に対して、設備ごとに予め用意されているポイントを付加し、付加された設備情報をポイントの高い順、つまり待ち行列ができ易い順に並び替えて優先度を決定する。また、制御部21は、同一ポイントの設備情報に対しては地点Kから距離が近い設備情報の優先度を上げる。制御部21は、最も優先度の高い設備情報に基づいて、待ち行列の原因を推測する。
【0066】
制御部21は、推測した推測結果を要求のあった地点Lの端末装置10に通知して(ステップS18)、行列推測処理を終了する。
【0067】
以上のように、他の実施形態によれば、サーバ20は、地点Lの端末装置10からの要求に応じて地点Kで待ち行列があるか、又は待ち行列の原因を推測し、推測結果を地点Lの端末装置10に通知することができる。待ち行列があると判断した場合、サーバ20は、GPSにより現在地情報を取得した地点Kの端末装置10から現在地情報を取得し、これと地図DBの地図情報とのマッチングにより地点K周辺の設備情報を取得し、取得された設備情報(ここでは、最大10つ)に対し予め定められたポイントに基づいて行列のでき易い順に並び替えることができる。サーバ20は、最も行列のでき易い設備に待ち行列が発生しているものと推測することができ、この推測結果を地点Lの端末装置10に通知することができる。
【0068】
また、サーバ20は、上記したように、取得された設備情報(ここでは、最大10つ)に対し予め定められたポイントに基づいて行列のでき易い順に並び替えることができる。この際の処理として、サーバ20は、取得された設備情報に対し、設備の種類ごとに予め定められている行列のでき易さを示すポイント(図5参照)を付加してポイント順、つまり行列のでき易い順に並び替えることができ、同一ポイントの設備情報がある場合は地点Kから距離が近い設備を上位として並び替えることができる。
【0069】
また、システム100は、地点Lの端末装置10、地点Kの端末装置10及びサーバ20とを含んで構成され、上記したように、サーバ20は、地点Lの端末装置10からの要求に応じて地点Kで待ち行列があるか、又は待ち行列の原因を推測し、推測結果を地点Lの端末装置10に通知することができる。
【符号の説明】
【0070】
10 端末装置
11 制御部
12 記憶部
13 表示部
14 操作部
15 通信部
16 カメラ
17 人体センサ
20 サーバ
21 制御部
22 記憶部
23 表示部
24 操作部
25 通信部
100 システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在地情報を取得する通信部と、
位置情報に対応付けられた設備情報を記憶する記憶部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、現在地周辺に待ち行列がある場合、前記通信部により取得された現在地情報と前記記憶部により記憶されている設備情報とのマッチングを行い現在地周辺の設備情報を取得し、取得された設備情報に基づいて、特定された設備に待ち行列が発生しているものと推測し、推測された結果に基づいて端末を制御する端末装置。
【請求項2】
複数の人物を撮影して画像データを生成するカメラと、
人物の有無を検出して検出信号を生成する人体センサと、を備え、
前記制御部は、前記カメラにより人物を撮影している間に、前記人体センサにより検出された検出信号に基づいて撮影方向に人物がいるか否か判断し、人物がいる場合、前記カメラにより生成された画像データに基づいて一定数以上の人物が一定時間内に動作しているか否か判断し、一定数以上の人物が一定時間内に動作していない場合、撮影中の人物の集団は待ち行列であると判断し、現在地周辺に待ち行列があると判断する請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記取得された設備情報に対して設備の種類ごとに予め定められている行列のでき易さを示すポイントを付加し、当該ポイントが付加された設備情報をポイントの高い順に並び替え、同一ポイントの設備情報がある場合は前記現在地から距離が近い設備の方をポイントの高い順に並び替えることで、前記取得された設備情報を行列のでき易い順に並び替え、最も行列のでき易い設備に待ち行列が発生しているものと推測する請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記待ち行列が発生しているものと推測した推測結果を音、光又は画像により通知する請求項1〜3の何れか一項に記載の端末装置。
【請求項5】
複数の端末装置と通信可能なサーバであって、
複数の端末装置から複数の現在地情報を取得する通信部と、
位置情報に対応付けられた設備情報を記憶する記憶部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記複数の端末装置のうちの一の端末装置から、一の地点での待ち行列に関する情報が要求された場合、前記通信部により取得された複数の端末装置の現在地情報が前記一の地点に一定数以上存在しない場合、前記一の地点で待ち行列がないと推測し、推測された結果を行列情報として前記一の端末装置に通知するサーバ。
【請求項6】
前記制御部は、前記通信部により取得された複数の端末装置の現在地情報が前記一の地点に一定数以上存在した場合、前記一の地点に待ち行列があると判断し、前記一の地点と前記記憶部により記憶されている設備情報とのマッチングを行い前記一の地点の周辺の設備情報を取得し、取得された設備情報に基づいて特定された設備に待ち行列が発生しているものと推測し、推測された結果を行列情報として前記一の端末装置に通知する請求項5に記載のサーバ。
【請求項7】
前記制御部は、前記取得された設備情報に対して設備の種類ごとに予め定められている行列のでき易さを示すポイントを付加し、当該ポイントが付加された設備情報をポイントの高い順に並び替え、同一ポイントの設備情報がある場合は前記待ち行列があると判断された地点から距離が近い設備の方をポイントの高い順に並び替えることで、前記取得された設備情報を行列のでき易い順に並び替え、最も行列のできやすい設備に待ち行列が発生しているものと推測する請求項6に記載のサーバ。
【請求項8】
複数の端末装置と、複数の端末装置と通信可能なサーバと、を含むシステムであって、
前記複数の端末装置は、現在地情報を一定時間ごとに前記サーバに送信し、
前記複数の端末装置のうちの一の端末装置は、
前記サーバに対してユーザにより要求された一の地点の待ち行列に関する情報を要求し、
前記サーバは、
前記一の端末装置から待ち行列に関する情報を要求された場合、前記複数の端末装置から取得した現在地情報が前記一の地点に一定数以上存在しない場合、前記一の地点で待ち行列がないと推測し、推測された結果を前記一の端末装置に通知するシステム。
【請求項9】
複数の端末装置と、複数の端末装置と通信可能なサーバと、を含むシステムであって、
前記複数の端末装置は、現在地情報を一定時間ごとに前記サーバに送信し、
前記複数の端末装置のうちの一の端末装置は、
前記サーバに対してユーザにより要求された一の地点の待ち行列に関する情報を推測するよう要求し、
前記サーバは、
位置情報と対応付けて設備情報を記憶しており、
前記一の端末装置から前記一の地点の待ち行列に関する情報を要求された場合、前記複数の端末装置から取得した現在地情報が前記一の地点に一定数以上存在する場合に前記一の地点で待ち行列があると推測し、待ち行列があった場合は前記一の地点の現在地情報と前記記憶されている設備情報とのマッチングを行い前記一の地点周辺の設備情報を取得し、取得された設備情報に基づいて特定された設備に待ち行列が発生しているものと推測し、推測された結果を前記一の端末装置に通知するシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−77742(P2011−77742A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−225812(P2009−225812)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(308036402)JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社 (1,152)
【Fターム(参考)】