説明

端面実装センサ

【課題】端面実装センサを提供すること。
【解決手段】回路基板上に側面実装するためのセンサデバイス・パッケージを作るセンサパッケージおよび方法。シリコンの機械層(25)中のセンサデバイスは、第1と第2のガラス層(24、26)の間にサンドイッチ状に挟まれてウェーハを作る。シリコンの機械層の予め定められた領域を露出させるために、第1のビア(30)が第1または第2の層に作られる。第2のビア(102)が、第1または第2の層に作られる。少なくとも1つの第2のビアは、第1のビアの深さ寸法よりも小さな深さ寸法を有する。機械層の露出領域と第2のビアの一部の間に金属トレース(70、72)が付けられる。ウェーハは、第2のビアが2つの部分に分けられるようにスライスされ、それによってセンサダイが作られる。次に、センサダイは、スライスされた第2のビアのところで回路基板に電気的かつ機械的に結合される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001]全てのメカニズムが同じである完全三軸の加速度計またはジャイロを形成するためには、少なくとも1つのメカニズムを複雑なカスタムパッケージ中に実装する、またはダイを端面実装しなければならない。
【0002】
[0002]マイクロメカニカル・ジャイロスコープなどの様々なマイクロメカニカル・デバイスは、長期間にわたる精密動作を保証するために、気密封止を必要とする。従来の気密封止は、気密封止ハウジングまたはエンクロージャ中にデバイスを実装することによって実現される。密封されたデバイスへのおよびからの入力および出力電気接続は、エンクロージャの部分を貫通する導体を埋め込んで導電性トレースまたはワイヤをデバイスに接続できるようにすることによって実現される。
【0003】
[0003]しかし、この型の気密封止エンクロージャは、比較的高価になる傾向がある。さらに、デバイスをエンクロージャ中へ実装することに関連した公差が、空間的定位に対して敏感なデバイスの精度に影響を及ぼすことがある。例えば、いくつかの慣性システムは、互いに直角に配列された3個の慣性速度センサを利用する。そのような各センサがそれぞれの気密封止エンクロージャ中に実装されたとき、密封パッケージを互いに直角関係で取り付けることに関連にした公差だけでなくそれぞれのエンクロージャ中に各センサを取り付けることに関連した公差も、システムの精度に悪影響を及ぼすことがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]本発明は、回路基板上に側面実装するためのセンサデバイス・パッケージを作る方法を提供する。例示の方法では、センサデバイスは、第1のガラス層に結合されるシリコンの機械層中に作られる。第2のガラス層が、シリコンの機械層に付着されて、ウェーハが作られる。シリコンの機械層の表面の予め定められた領域を露出させるために、第1のビアが、第1および/または第2のガラス層に作られる。第2のビアが、第1および/または第2のガラス層に作られる。少なくとも1つの第2のビアは、第1のビアの深さ寸法よりも小さな深さ寸法を有する。シリコンの機械層の露出領域と第2のビアの一部との間に金属トレースが付けられる。ウェーハは、第2のビアが2つの部分に分けられるようにスライスされ、それによってセンサダイが作られる。それから、センサダイは、スライスされた第2のビアのところで回路基板に電気的かつ機械的に結合される。
【0005】
[0005]本発明の一態様では、センサデバイスは、第1または第2のガラス層の間に気密封止される。
[0006]本発明の他の態様では、センサデバイスは加速度計である。
【0006】
[0007]本発明のさらに他の態様では、2つの他のセンサダイが、それらの他のセンサダイの感知軸が第1のセンサダイの感知軸に対して垂直であるように回路基板に付着される。
【0007】
[0001]本発明の好ましいおよび代替えの実施形態は、次の図面に関連して以下で詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】[0002]本発明の実施形態に従って回路基板に実装されたダイを示す側面断面図である。
【図2】[0003]図2−1は、図1に示されたようなデバイスを製造するステップを示す側面断面図である。図2−2は、図1に示されたようなデバイスを製造するステップを示す側面断面図である。図2−3は、図1に示されたようなデバイスを製造するステップを示す側面断面図である。
【図3】[0004]本発明の実施形態に従って形成されたダイを示す透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0005]図1は、回路基板22に対して垂直に実装されたダイ20の例を示す。ダイ20は、少なくとも1つの微小電気機械システム(MEMS)デバイス(すなわち、センサ)を備える機械層25を含む。この例では、機械層25は、垂直面内の動き(矢印28)(すなわち、回路基板22に対して垂直な動き)を感知するように構成された加速度計を含む。
【0010】
[0006]従来のやり方では、ダイ20の機械層25中にパッケージされた加速度計と同一の2個の加速度計が、他のダイの中にパッケージされて、ダイ20に対して直角に取り付けられることがある。また、これらの2つの代替え加速度計ダイパッケージの感知軸は互いに直角であり、それによって、3つの直交軸方向の加速度を感知する3個の同一面内加速度計を含むデバイスを実現する。
【0011】
[0007]機械層25(例えば、シリコン)の相対する側面にあるハンドル層24、26(例えば、ガラス)の上面または底面の傾斜部分にあるトレース32に付着する電導性ビーズ34によって、ダイ20は、回路基板22に機械的かつ電気的に付着される。機械層25の部分を露出させるために、それぞれのガラスハンドル層26または24中にビア30が形成される。露出された機械層25の部分は、機械層25の中にある能動部品に接続する電気トレースを含んでいる。トレース32は、露出表面の機械層25上にある電気リード線と電気ビーズ34(例えば、金)を接続する。
【0012】
[0008]図2−1は前に機械加工されたシリコン層52を含むウェーハ50を示し、この機械加工シリコン層52は、加速度計またはジャイロなどの1つまたは複数の能動デバイスを含んでいる。機械加工シリコン層52は、能動デバイスを作る前にガラスのベース層56に付着される。能動デバイスを作った後で、ガラスのカバー層54が機械シリコン層52に結合される。ガラスのカバー層54は、能動デバイスの気密封止を実現する。
【0013】
[0009]図2−2は2つの別々に行われたプロセスの結果を示し、これらのプロセスによって、ビア60および62がガラス層54、56の中にそれぞれ形成されている。ビア60、62は、標準的なガラス・エッチング技術を使用して形成される。シリコン層52内にある能動部品に接続されて能動部品に関連した信号にアクセスできるようにする電気リード線(図示されない)を露出させるために、ビア60、62は、シリコン層52の部分を露出している。ビア60、62は、気密封止を構成していない。
【0014】
[0010]図2−3は、第2のビア66および68がガラス層54、56にエッチングされたことを示している。ビア66、68は、機械加工されたシリコン層52まで入り込まず、予め定められた軸80に沿って並んで、ビア66、68の底がほぼ軸80に位置している。軸80は、ウェーハ50を複数の個々のセンサユニットに分けるために使用される予め定められた切断線を表わしている。ビア66、68は、2つの別々のプロセスによって行われる。次に、同様に2つの別々のプロセスによって行われるのは、ビア66、68の底と機械加工シリコン層52の表面との間に少なくとも付けられる電気トレース70、72の塗布である。一実施形態では、単一トレースが、小さなビアを大きなビアの中のシリコン層につないでいる。
【0015】
[0011]図2−3に示されたステップの後で、ウェーハは、軸80に沿ってスライスされて、複数のセンサユニットが作られる。それから、1つのセンサユニットが、回路基板22(図1)または同等なデバイスに結合される。一実施形態では、分離された個々のセンサユニットは、標準的な機械的処理技術に従って、ビーズ34(図1)などの金ビーズを使用して回路基板に付着される。金ビーズは、軸80に沿って分離が行われたビア66、68の傾斜した壁のトレース70、72に付着する。
【0016】
[0012]図3は、例示の加速度計ダイ90を示し、このダイ90は、第1のガラス層94と第2のガラス層96の間にサンドイッチ状に挟まれたシリコン層92の中にある加速度計を含んでいる。複数のビア100が、第1のガラス層94の露出表面にエッチングされている。ビア100は、シリコン層92の表面までエッチングされて、シリコン層92上にある電気トレース(図示されない)を露出している。小さい方のビア102は、第1および第2のガラス層94、96のベース端面に位置している。小さい方のビア102は、シリコン層92の表面を露出していない。金属化パターン(例えば、電気トレース104)が、ガラス層94、96に、ビア100、102の中に、さらにシリコン層92の表面にあるどの電気リード線にも付けられる。パッケージ90を回路基板または同等なデバイスに付着させるために、金属ビーズ(図示されない)が小さい方のビア102の中へ入れられ、それから、金属ビーズ、回路基板、およびパッケージ90の間に結合を生じさせるために、温度が高くされ、および/またはパッケージ90と回路基板(図示されない)の間に圧力が加えられる。
【符号の説明】
【0017】
20 ダイ
22 回路基板
24、26 ハンドル層
25 機械層
28 垂直面内の動き
30 ビア
32 トレース
34 電導性ビーズ
50 ウェーハ
52 機械加工されたシリコン層
54、56 ガラス層
60、62 ビア
70、72 トレース
66、68 第2のビア
80 軸
90 パッケージ
92 シリコン層
94 第1のガラス層
96 第2のガラス層
100、102 ビア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のガラス層(24)に結合されるシリコンの機械層(25)中に少なくとも1つのセンサデバイスを作るステップと、
第2のガラス層(26)をシリコンの前記機械層に付着させてウェーハを作るステップと、
シリコンの前記機械層の表面の予め定められた領域を露出させるために、前記第1または第2のガラス層の少なくとも1つに少なくとも1つの第1のビア(30)を作るステップと、
前記少なくとも1つの第1のビアの深さ寸法よりも小さな深さ寸法を有する少なくとも1つの第2のビア(30)を、前記第1または第2のガラス層の少なくとも1つに作るステップと、
シリコンの前記機械層の前記露出領域と前記少なくとも1つの第2のビアの少なくとも一部との間に金属トレース(70、72)を付けるステップと、
前記少なくとも1つの第2のビアが2つの部分に分けられるように前記ウェーハをスライスして、第1のセンサダイを作るステップと、
前記スライスされたセンサダイの第1のものを、前記スライスされた第2のビアの壁の残りの一部のところで回路基板に電気的かつ機械的に結合するステップと
を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記センサデバイスが、第1または第2のガラス層の間に気密封止され、前記少なくとも1つのセンサデバイスが加速度計を含み、さらに、1つまたは複数の他のセンサダイを、前記1つまたは複数の他のセンサダイの感知軸が前記第1のセンサダイの感知軸に対して垂直であるように、前記回路基板に付着させるステップをさらに含む方法。
【請求項3】
第1のガラス層(94)に結合された、センサデバイスを含むシリコンの機械層(92)、
シリコンの前記機械層に付着された第2のガラス層(96)、
シリコンの前記機械層の表面の予め定められた領域を露出させるように構成された、前記第1または第2のガラス層の少なくとも1つの中の少なくとも1つの第1のビア(100)、
前記少なくとも1つの第1のビアの深さ寸法よりも小さな深さ寸法を有する、前記第1または第2のガラス層の少なくとも1つ中の少なくとも1つの第2のビア(102)、および
シリコンの前記機械層の前記露出された領域と前記少なくとも1つの第2のビアの少なくとも一部との間に位置する金属トレース(104)
を備える第1のセンサダイと、
回路基板(22)と、
前記第1のセンサダイを作るために使用されたウェーハから形成された、それぞれセンサデバイスを含む第2および第3のセンサダイと、
前記センサデバイスの各々の感知軸が直角を成すように前記第1、第2、および第3のダイを前記回路基板に機械的かつ電気的に結合するように構成された複数の金属ビーズと
を備える加速度計パッケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−160733(P2012−160733A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−18422(P2012−18422)
【出願日】平成24年1月31日(2012.1.31)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】