説明

筒状包装体及びその包装方法と包装装置

【課題】 包装体に大きな内圧が生じた場合であっても、包装体の破裂や包装体を封止している合成樹脂線材の脱離がない包装体を提供する。
【解決手段】 側端部を融着して筒状としたフィルム内に被包装物を充填した筒状体を、所定の間隔で外部より絞り、被包装物を押しのけた領域のフィルムを集束しがフィルム集束部19を、合成樹脂線材16aと16bとで挟み、その両端部に超音波を印加して線材融着部22を形成して封止すると同時に、該合成樹脂線材16a,16bとフィルム集束部19との接触領域において、端部側のみ、該合成樹脂線材16a,16bとフィルムとを融着させた線材・フィルム融着部24を形成し、フィルムを超音波溶断してフィルム同士を融着させたフィルム融着部23を形成して包装体とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状或いは練り状食品、特に、ソーセージ等の包装後に加熱処理を施す食品の包装に適した筒状包装体、及び、その包装方法と該方法を実施する包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
漬け物やチーズ、ソーセージといった液状或いは練り状食品など、流動性を有する物品の包装形態として、長尺の合成樹脂フィルムの側端部同士を重ねて融着した筒状フィルム内に上記物品或いはその原料を充填し、該フィルムの両端部を封止してなる筒状包装体が広く用いられている。図8に筒状包装体の模式図を示す。図中、81は合成樹脂フィルム、82はフィルム側端部を融着してなる融着部、83は封止材である。
【0003】
この様な筒状包装体の包装作業は、通常、筒状フィルムの形成から封止まで連続工程で行われる。具体的には、帯状の合成樹脂フィルムを繰り出しながら側端部同士を融着させて筒状フィルムを形成し、該筒状フィルム内に被包装物を連続的に充填して筒状体を形成し、所定の間隔で外部より該筒状体を絞って内部の被包装物を押しのけ、押しのけた部分のフィルムを集束させて封止材により封止し、フィルムを切断する。
【0004】
従来、筒状包装体の封止材としては、結紮工程において、カシメ易く、塑性変形して戻らないことから、気密性保持の目的でアルミニウム線材が用いられていた。
【0005】
しかしながら、金属線材を用いた場合、包装後に金属製夾雑物が混入しているかどうかを金属探知器により検知することができない。また、包装体の密封性を保つため、アルミニウム線材はフィルムに強固に取り付けられるため、包装体を開封後にフィルムからアルミニウム線材を取り外すことが容易ではなく、フィルムやアルミニウム線材をリサイクルする上で好ましくない。さらに、結紮工程では、潤滑と冷却のために、アルミニウム線材には薄く油が塗布されており、該油の付着が食品衛生上好ましくなく、洗浄工程も必要となっている。さらに、従来のアルミニウム線材を用いた場合の、気密度(エア耐圧)の基準は0.15MPaであり、この基準を維持・管理するのは容易ではなかった。
【0006】
上記のような理由から、アルミニウム線材に代わる封止材が求められていた。
【0007】
特許文献1には、筒状体を所定の間隔で外部より絞って形成したケーシングフィルムの集束部に補強フィルムを配して超音波融着させた封止部を備えた包装体が開示されている。
【0008】
【特許文献1】特開昭63−272637号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、フィルムの集束部において超音波を印加して補強フィルムとケーシングフィルムとを融着させた場合、包装体のケーシングフィルムが溶融し、内部応力によってケーシングフィルムの厚みが薄くなったり、微細な穴が生じてしまい、以後の搬送等において包装体が破裂するなどの問題を生じやすい。特に、包装後に加熱する物品の場合には、加熱槽の中で破裂するという問題を生じてしまう。破裂した包装体の内容物は全て損失となり、また、破裂して他の包装体を汚染した場合には、汚染された包装体の洗浄操作が必要になるため、包装体の破裂は製造コストの削減を阻む一因となっている。
【0010】
そこで本発明者等は、アルミニウム線材に代えて合成樹脂線材を用い、超音波融着などを利用して封止する方法を検討した。その結果、フィルムの集束部と合成樹脂線材とを融着させた場合、上記と同様にフィルムに薄肉部分や微細な穴が生じ易い。そのため、フィルム集束部全体に合成樹脂線材を融着させると、包装体が破裂しやすくなるという問題が発生した。また、フィルムの集束部に合成樹脂線材を全く融着させずに線材同士のみを融着させて封止した場合には、包装後の加熱処理などにおいて生じた内圧により、合成樹脂線材に過大な内部応力がかかって、該合成樹脂線材が包装体から脱離し易くなる、といった問題があった。また、合成樹脂線材が包装体から脱離する際、該線材によってフィルムが摺擦されて微細な穴が生じ、包装体が破裂しやすくなるという問題も生じる。
【0011】
本発明の課題は、上記問題を解決し、合成樹脂線材を用い、包装体に大きな内圧が生じた場合であっても、包装体の破裂や合成樹脂線材の脱離などの包装後の不良品の発生がない包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第一は、被包装物を充填した筒状フィルムの両端部を合成樹脂線材により封止してなる筒状包装体の包装方法であって、
帯状の合成樹脂フィルムを連続して繰り出しながら、該フィルムの側端部同士を重ねて融着して筒状フィルムを連続的に形成し、該筒状フィルム内に被包装物を連続的に充填して筒状体を形成し、該筒状体を所定の間隔で連続的に外部より絞って内部の被包装物を押しのけ、被包装物が押しのけられた領域のフィルムを集束してフィルム集束部を形成し、該フィルム集束部を合成樹脂線材で挟み、該線材の端部同士を融着させて封止すると同時に、該線材とフィルム集束部との接触領域の一部において、該線材とフィルムとを融着させた線材・フィルム融着部を形成し、該線材が包装体の両端部に位置するようにフィルムを切断することを特徴とする筒状包装体の包装方法である。
【0013】
本発明の第二は、長尺の合成樹脂フィルムの側端部同士を重ねて融着した筒状フィルム内に被包装物が充填され、該フィルムの両端部に、該フィルムを集束したフィルム集束部を合成樹脂線材で封止してなる封止部を有し、該封止部において、合成樹脂線材の端部同士が融着された線材融着部、及び該線材とフィルム集束部との接触領域の一部において、該線材とフィルムとが融着された線材・フィルム融着部とを有することを特徴とする筒状包装体である。
【0014】
本発明の第三は、被包装物を充填した筒状フィルムの両端部を合成樹脂線材により封止してなる筒状包装体の包装装置であって、
帯状の合成樹脂フィルムを連続して繰り出す手段と、
該フィルムの側端部同士を重ねて融着して筒状フィルムを連続的に形成する手段と、
該筒状フィルム内に被包装物を連続的に充填して筒状体を形成する手段と、
該筒状体を所定の間隔で連続的に外部より絞って内部の被包装物を押しのける手段と、
被包装物が押しのけられた領域のフィルムを集束してフィルム集束部を形成する手段と、
該フィルム集束部を合成樹脂線材で挟んで、該線材の端部同士を融着させて封止すると同時に、該線材とフィルム集束部との接触領域の一部において、該線材とフィルムとを融着させる封止手段と、
該合成樹脂線材が包装体の両端部に位置するようにフィルムを切断する切断手段と、
を少なくとも備えたことを特徴とする筒状包装体の包装装置である。
【発明の効果】
【0015】
本発明においては、下記の効果が得られる。
【0016】
封止材として合成樹脂線材を用いるため、封止工程が簡易で、また、射出成形品に比較して単価が大幅に低減される。また、金属が用いられないため、包装後の金属探知器による金属製夾雑物の検知が可能であり、食品衛生上も好ましい。特に、合成樹脂線材と合成樹脂フィルムとに同じ素材を用いた場合には、分別せずにリサイクルに供することができる。
【0017】
封止材が線材であるため、一度に多数個分を供給することができ、線材の供給のために頻繁に包装装置を停止する必要が無く、包装効率が高い。
【0018】
本発明においては、フィルム集束部において、合成樹脂線材とフィルムとが融着しているため、包装体の内部応力が大きくなった場合でも、包装体から合成樹脂線材が脱離することがない。また、合成樹脂線材とフィルムとの融着部を、該線材とフィルムとの接触領域の一部に限定しているため、ソーセージのように、包装後に加熱処理により内圧が高くなるような場合にも封止部のフィルムに薄肉部分や微小な穴が生じにくく、よって、十分に密封性を維持することができる。特に、封止に超音波融着を用いた場合には、短時間で局所的に融着させることができ、包装効率が高い。
【0019】
また、本発明において、合成樹脂フィルムの切断手段として超音波印加による溶断を用いた場合、溶断部であるフィルム末端部が互いに融着するため、合成樹脂線材による封止と相俟って高い密封性が得られる。
【0020】
さらに、合成樹脂線材の融着とフィルムの溶断を超音波印加によって行うことにより、両方の操作を備えた超音波印加手段を用いることができ、両作業を同時に且つ簡易に実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に本発明の筒状包装体、包装方法、包装装置について図面を用いて詳細に説明する。
【0022】
本発明の筒状包装体は、先に図8に示した形態と基本的には同じである。即ち、長尺の合成樹脂フィルム81の側端部同士を重ねて融着した筒状フィルム内に被包装物を充填し、該フィルムの両端部を封止材83により封止した形態であり、本発明は、封止材83として合成樹脂線材を用い、合成樹脂フィルム81を集束したフィルム集束部において、該線材83とフィルム81とを融着させることなく、該線材83の端部同士のみを融着させて封止したことに特徴を有する。
【0023】
図1に、本発明の包装方法を実施する包装装置の好ましい形態の一例の概略図を示す。本実施形態は、合成樹脂線材の融着手段として超音波融着を、フィルムの切断手段として超音波印加による溶断を用い、さらに、合成樹脂線材を融着するための超音波印加と、フィルムを溶断するための超音波印加を一組のホーンとアンビルにより実施する形態である。
【0024】
図1中、1はフィードポンプ、2は充填ノズル、3は製筒装置、4はロール、5は合成樹脂フィルム、6は電極、7は被包装物、8は移送ローラー、9は絞りローラー、10は封止・切断手段、11a、11b、12a、12bは集束板、13はホーン、15はアンビル、14a、14b、16a、16bは合成樹脂線材、17は溶断用突起、18は超音波装置である。
【0025】
図1の装置において、充填ノズル2はフィードポンプ1に連結されており、充填ノズル2の中間部に製筒装置3が設けられ、ロール4から繰り出された帯状の合成樹脂フィルム5はこの製筒装置3を通過するときに筒状に丸められる。そして、筒状に丸められて重ねられたフィルム5の側端部同士を電極6により融着し、筒状フィルムを形成する。一方、充填ノズル2から該筒状フィルムに被包装物7を充填し、筒状体を形成する。筒状体は移送ローラー8によって挟持されて紙面下方に移送され、次いで、絞りローラー9が筒状体を所定の間隔で外部より絞って内部の被包装物7を押しのけ、押しのけられた領域のフィルムを、封止手段10において集束してフィルム集束部を形成し、該フィルム集束部においてフィルム5に超音波を印加して溶断すると同時に溶断部を融着一体化し、さらに、溶断部の前後において、フィルム集束部を合成樹脂線材によって封止し、合成樹脂線材により両端を封止した包装体が得られる。上記一連の工程は全て連続的に行われる。
【0026】
図2に、図1の封止・切断手段10の拡大斜視図を示す。尚、図2において、ホーン13が付設されている超音波装置18を便宜上省略する。
【0027】
図2において、集束板11a、11b、12a、12bは、被包装物7を押しのけた領域のフィルムを集束する手段であって、本例では図2に示すように、入口が最も広く、奥になるほど狭い開口部を有し、11aと11b、12aと12bとがそれぞれ開口部を対向させて、上下方向でずれて平行に配置している。従って、フィルムを両側から挟むように互いにフィルムに向かって前進させることにより、図3に示すように、フィルムを絞ってフィルム集束部19を形成することができる。尚、集束手段は、図2に示す形態に限定されるものではなく、同様の作用を有するものであれば、どのような手段であってもかまわない。
【0028】
このように、集束したフィルム集束部19に超音波を印加し、溶断すると同時に溶断部のフィルムを融着一体化し、同時に、該溶断部の前後においてフィルム集束部19を2本一組の直線状の合成樹脂線材14aと14b、及び、16aと16bで挟み込み、端部同士、及びフィルム集束部19と合成樹脂線材14a,14b,16a,16bとを融着させる。
【0029】
図1に示すように、本例の装置は、超音波印加手段として、ホーン13が付設された超音波装置18と、該ホーン13に対向するアンビル15を備えている。また、アンビル15のホーン13との対向面には、フィルム集束部19の進行方向中央部において、フィルム集束部19の進行方向に直交する直線状の溶断用突起17を備えている。また、アンビル15内には、突起17による溶断時の衝撃を吸収するための吸収装置と溶断力を調整するための調節装置が設けられている(いずれも不図示)。溶断時には、ホーン13とアンビル15間に超音波を印加しつつ、突起17をホーン13の対向面に押し当てることにより、フィルム集束部19を溶断し、同時に、溶断部のフィルムを融着一体化する。
【0030】
上記突起17及び吸収装置、調節装置はホーン13側に設けてもかまわない。また、突起17の形状は、特に限定されないが、図1、図2に示すように断面が円形のものが好ましく用いられ、その直径は1.0〜4mm程度が好ましい。
【0031】
また、上記溶断・融着と同時に、突起17の前後において、ホーン13により線材14aと16aを、アンビル15により線材14bと16bとを供給し、線材14aと14b、16aと16bとでそれぞれフィルム31を挟み込み、封止する。図2に示すように、本例では、線材14a、14b、16a、16bを保持しやすいように、ホーン13及びアンビル15は、線材14a、14b、16a、16bに接触する面が上下方向で湾曲している。また、線材両端部において十分に圧力がかかるように、線材14a、14b、16a、16bに平行な方向の中央部が外側に湾曲している。
【0032】
上記実施形態においては、合成樹脂線材14a、14b、16a、16bを超音波融着させて封止する形態を示したが、本発明においては、例えば加熱融着、高周波融着といった超音波融着以外の融着手段を用いることも可能である。
【0033】
さらに、上記実施形態においては、フィルムの切断手段として超音波印加による溶断を用いたが、本発明においては、例えば加熱溶断や、切断刃を用いた物理的な切断手段も用いることができる。
【0034】
本発明の包装体の特徴は、封止部において包装体を封止している合成樹脂線材14a、14b、16a、16bが互いに端部同士で融着され、且つ、該封止部のフィルム集束部19と合成樹脂線材14a、14b、16a、16bとの接触領域の一部において、フィルムと該線材とが互いに融着していることにある。即ち、フィルムと合成樹脂線材14a、14b、16a、16bの融着部分がフィルム集束部19の一部であるため、フィルム集束部19には、包装体の内部応力がかかってもフィルムの薄肉部や微細な穴などの包装体の破裂の原因となる問題は生じにくい。また、合成樹脂線材14a、14b、16a、16bがフィルム集束部19に融着されて固定されているため、包装体に過大な内圧が生じた場合でも、該線材が包装体から脱離することがない。
【0035】
尚、包装体の末端部は、単に切断した状態でも構わないが、図4に示すように溶断によりフィルム同士が融着一体化したフィルム融着部23を形成することが望ましい。
【0036】
本発明において用いられる合成樹脂線材14a、14b、16a、16bは、融着による封止が可能な素材であれば用いることができるが、好ましくは、超音波適性の高い熱可塑性樹脂と、それよりも軟化温度の低い熱可塑性樹脂との混合物或いは共重合物が挙げられる。具体的には、ナイロン、ポリエチレン(PE)、特に高密度ポリエチレン(HDPE)、塩化ビニリデン(VDC)と塩化ビニル(VC)との共重合体(VDC・VC共重合体)やVDCとメチルアクリレート(MA)との共重合体(VDC・MA共重合体)、ブタジエンを加えたハイインパクトポリスチレン(HIPS)が挙げられ、VDC・VC共重合体における好ましい質量組成比は、VDC/VC=70/30〜98/2であり、VDC・MA共重合体における好ましい質量組成比は、85/15〜98/2である。
【0037】
上記超音波適性としては、結晶性よりも非晶性である(溶けやすい)、純度が高い、ヤング率が高い、軟化温度が低い、といった要因が挙げられる。ポリ塩化ビニリデン(PVDC)はヤング率が高いなど超音波適性に優れているものの、結晶性であるため、やや溶けにくい。一方、ポリ塩化ビニル(PVC)は、非晶性で溶けやすく、軟化温度も低い。そのため、VDC・VC共重合体では、VDCが発熱してVCが溶けるという望ましい状態が形成されることになる。また、HIPSについては、ポリスチレン(PS)単独でも上記超音波適性に優れているが、軟化温度の低いブタジエンを加えることでさらに融着効果が高まる。尚、PVDCを用いる場合には、公知の可塑剤、熱安定剤、加工助剤、梨地剤、滑剤、光安定剤、抗酸化剤、界面活性剤等の添加剤を添加して用いることができる。具体的には、ジブチルセバケート(DBS)、アセチルトリブチルサイトレート(ATBC)等の液状の可塑剤、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ポリブタン、エポキシ化ステアリン酸オクチル等のエポキシ化合物の熱安定剤、ビタミンE、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、チオジプロピオン酸アルキルエステル等の抗酸化剤、ピロリン酸ソーダ、トリポリリン酸ソーダ、エチレンジアミン四酢酸塩二ナトリウム(EDTA−2Na)、酸化マグネシウム等の熱安定化剤、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリグリセリンステアリン酸エステル類等の界面活性剤、各種光安定剤、各種滑剤、各種着色剤などが挙げられる。
【0038】
本発明において用いられる合成樹脂フィルム5は、融着が可能で、包装後に良好な密封性を有するものであれば特に素材は限定されないが、具体的には、上記した合成樹脂線材14a、14b、16a、16bに用いられるものと同様のVDC・VC共重合体やVDC・MA共重合体やHIPS、また、PVDC、PVC、ナイロン(Ny)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が用いられ、単層フィルムでも、複層フィルムであっても良い。
【0039】
尚、合成樹脂フィルム5と合成樹脂線材14a、14b、16a、16bに同じ素材を用いた場合には、リサイクルする際に分別する必要が無く、好ましい。
【0040】
本発明において、封止部においてフィルム集束部19と合成樹脂線材14a、14b、16a、16bとを一部で融着させ、同時に該線材の端部同士を融着させて封止する好ましい手段について、先に説明した、上記線材を端部において超音波融着すると同時に、フィルムを超音波溶断して、フィルム融着部23を有する包装体を包装する場合を例に挙げて説明する。
【0041】
図4に、図1〜図3の包装装置により包装された、本発明の包装体の第1の実施形態を示す。尚、図4(b)は(a)のA−A’断面図である。図中、21は包装体の胴部、22は線材融着部、23はフィルム融着部、24は線材・フィルム融着部であり、図1〜図3と同じ部材には同じ符号を付した(図5〜図7も同様)。
【0042】
本実施形態においては、フィルム集束部19と合成樹脂線材16a,16bとの接触領域において、包装体の端部側に線材・フィルム融着部24を形成している。これにより、包装体に生じた内圧による応力は、フィルム集束部19と上記線材との接触領域の胴部21側のフィルムと上記線材とが融着していない部分にかかる。従って、線材・フィルム融着部24にかかる応力は低減されているため、該応力によりフィルムの薄肉化や微細な穴が発生せず、包装体の破裂には至らない。また、線材・フィルム融着部24において上記線材はフィルム集束部19に固定されているため、上記応力が過大になった場合でも、該線材が包装体から脱離する恐れがない。尚、線材・融着部24はフィルム集束部19内において、不連続に形成されていても構わない。
【0043】
次に、図5に本発明第2の実施形態を示す。本実施形態においては、線材・フィルム融着部24がフィルム集束部19の横断面の長さ方向の中央部を中心に位置し、且つ、線材・フィルム融着部24の長さ(Z)が該横断面の長さ(X)の90%以下となるように形成されている。
【0044】
包装体に生じた内圧による応力が最も大きくかかるのは、フィルム集束部19の横断面において長さ方向の両端部であり、図5においては、線材融着部22側である。従って、該線材・フィルム融着部24にかかる応力は小さく、包装体の破裂には至らない。
【0045】
尚、本実施形態において、フィルム集束部19の、包装体の長さ方向においては、線材・フィルム融着部24の形成位置は特に限定されないが、図5に示すように、前記第1の実施形態と組み合わせて、包装体端部側に形成し、胴部21側を非融着部とすることにより、前記第1の実施形態と同様の作用が得られ、線材・フィルム融着部24にかかる包装体の内圧による応力がさらに軽減され、該応力による破裂が良好に防止される。
【0046】
さらに、本発明の第3の実施形態においては、フィルム集束部19の横断面の幅(Y):長さ(X)で示されるアスペクト比が1:1〜1:7となるように、フィルム集束部19を合成樹脂線材16a,16bで挟み、上記横断面の長さ方向に沿って線材・フィルム融着部24を形成する。当該アスペクト比が1:1に近づくほど、包装体に内圧が生じた時に線材・フィルム融着部24にかかる応力が小さくなるため、好ましい。尚、本実施形態は、先に説明した第1及び第2の実施形態と適宜組み合わせることにより、より高い効果を得ることができる。
【0047】
また、上記した実施形態においては、封止部1箇所につき2本の合成樹脂線材14aと14b、或いは、16aと16bを用い、その間にフィルム集束部19を挟持して封止する形態を示したが、本発明においてはこれに限定されるものではなく、図7に示すように、1本の合成樹脂線材71をフィルム集束部19を囲んでO字形に曲げて端部同士を融着させる(22’は線材融着部)ことにより、封止する形態も含むものである。尚、当該形態において、先の第2の実施形態にかかるフィルム集束部19の横断面における長さ(X)は、図7に示すように、線材の端部同士が接触する面に平行な方向の長さとし、該横断面の幅(Y)は上記長さ方向に直交する方向の長さとする。
【0048】
本発明において、合成樹脂線材14a、14b、16a、16bの横断面形状は特に限定されるものではなく、円形、略円形、楕円形、正方形、長方形、だるま型など、適宜用いることができる。図6に具体的な形状例を示す。図6(a)は断面が円形の場合で、封止時の圧力により変形して半楕円形状を呈している。また、(b)は長方形、(c)は正方形の角部を互いに対向させて封止した場合、(d)はだるま型の場合である。本発明においては、常に同じ封止強度を得る上では円形が好ましいが、図4に示したように、フィルム集束部19の、包装体端部側のみに部分的に線材・フィルム融着部24を形成する上では、図6(d)に示されるだるま型のように、合成樹脂線材16a,16bの横断面形状において、フィルム集束部19と接触する側面が、包装体の長さ方向において少なくとも一つの凹部61を有する線材を用い、該凹部61を挟む二つの凸部のうち包装体の端部側の凸部において線材・フィルム融着部24を形成することが好ましい。このような横断面形状の線材を用いて図6(d)の如く封止した場合、包装体の内圧の圧力が凹部61の存在によって、線材・フィルム融着部24により伝わりにくくなるため、線材・フィルム融着部24にかかる応力がさらに低減される。
【0049】
図4〜図6に示したように、集束部19の包装体端部側に線材・フィルム融着部24を形成するための、好ましいホーン・アンビルの構成例を図9に示す。図9は当該ホーン・アンビルによる封止工程を、フィルムの長さ方向の断面で模式的に示す図である。
【0050】
図9の構成において、ホーン13’及びアンビル15’はそれぞれ合成樹脂線材14a,14b,16a,16bを保持するための凹部を有している。ホーン13’の凹部は、合成樹脂線材14aに対して互いに深さの異なる第1底面91aと第2底面92aとを有しており、一方、アンビル15’の凹部も合成樹脂線材14bに対して互いに深さの異なる第1底面91bと第2底面92bとを備えている。よって、フィルム集束部19を合成樹脂線材14a,14bで挟持した状態で、底面の深い第1底面91a,91bと線材14a,14bの上方との間には空隙93a,93bが形成される一方で、底面の浅い第2底面92a,92bと線材14a,14bの下方とは密着し、該線材14a,14bの下方はフィルム集束部19に強く押し当てられる。即ち、線材14a,14bの上方と下方とで異なる面圧でフィルム集束部19を挟持することになり、高い面圧で挟持する下方、即ち包装体端部側において線材・フィルム融着部24が形成される。
【0051】
同様の構成がホーン13’、アンビル15’の下方にも上下逆で形成されており、同様の作用により、フィルム集束部19の包装体の端部側に線材・フィルム融着部24が形成される。また、図9の構成においては、ホーン13’、アンビル15’の中央部に溶断面94a,94bが形成されており、封止と同時に該溶断面94a,94bが互いに押し当てられてフィルム集束部19を強く挟持して溶断すると同時にフィルムを融着一体化してフィルム融着部23を形成する。
【0052】
本発明に用いられる合成樹脂線材14a、14b、16a、16bは、通常の食品の包装体において、直径は1〜5mm程度が好ましく、長さについては6〜24mm程度が好ましい。また、溶断・封止に用いられる超音波の周波数は、15〜40kHz程度であり、印加時間や振幅、印加時に線材同士を接触させる圧力等については、用いる線材の素材や直径、必要とされる封止強度に応じて適宜選択すればよい。
【0053】
また、本発明においては、合成樹脂線材14a,14b,16a,16bに熱収縮性を持たせておくことにより、包装後の加熱工程において熱収縮を利用して該線材の剛性を高めることができる。具体的には、冷間延伸配向させた線材を用い、比較的長い線材を用いて封止を行う。このような包装体をボイル工程やレトルト工程などの加熱工程に供した場合、包装体全体で80〜120℃程度まで加温されるが、線材の熱容量よりも包装体の内容物の熱容量の方が大きいため、線材の熱収縮が先に進行して短くなり、剛性が向上する。その結果、包装体の内容物の膨張による応力が封止部にかかっても、既に剛性が向上した線材が該応力に耐えて包装体の密封性が維持される。本形態に用いうる合成樹脂線材の素材としては、PVDCやPVC、HDPEが好ましく用いられる。
【0054】
尚、合成樹脂線材14a,14b,16a,16bの熱収縮は、加熱工程に先立って実施させても良い。また、熱収縮性が高すぎる場合には、加熱工程で破断してしまうため、加熱工程の温度や時間等を考慮して熱収縮性を調整する必要がある。具体的には、合成樹脂線材を2本一組で用いる図4〜図6のような形態においては、熱収縮度(収縮前後の線材の長さの差/収縮前の線材の長さ)が5〜20%、合成樹脂線材1本で封止する図7の形態においては、10〜45%が望ましい。
【実施例】
【0055】
(実施例1)
図4に示した実施形態の包装体を包装した。合成樹脂フィルムの切断は超音波溶断を用い、各融着は超音波融着によった。合成樹脂フィルムとしては塩化ビニリデン樹脂製のフィルムを用い、被包装物として魚肉を充填し、包装体の長さを230mm、包装体の胴の径については10mm、30mm、60mmとして、該径の大きさにあわせて合成樹脂線材の長さを9mm、12mm、16mmとした。線材の横断面は直径が2.2mmの円形で、素材は塩化ビニリデン樹脂である。また、合成樹脂フィルムと合成樹脂線材との静摩擦係数は0.1であった。静摩擦係数は、合成樹脂線材を二つの滑面ローラー間に通して潰して平たくし、平面に固定したフィルムの上に該線材を置き、その上から100gの力でローラーを押し当て、線材がフィルムの上を動き出すまで引っ張り、その時の最大引っ張り力を測定し、本実施例に係る静摩擦係数とした。
【0056】
上記各胴径につき10000本ずつ包装し、得られた包装体をレトルト工程として120℃の蒸気雰囲気中に1時間置いた。その後、包装体に微細な穴が生じているかどうかを導電テスターを用いて測定した。具体的には、テスターの(+)側を包装体の中央に差し込み、5%塩水の入った容器にテスターの(−)側を浸し、次いで包装体の両端の封止部を該5%塩水に浸し、導通を測定した。封止部に穴が空いていた場合には、明らかな導通が認められる。
【0057】
その結果、本例の包装体はいずれも封止部に微細な穴が生じておらず、また、レトルト加工中の合成樹脂線材の脱離もなく、完全密封の包装体であった。
【0058】
(比較例1)
図4に示した線材・フィルム融着部24を形成しない以外は実施例1と同様に包装体を各胴径につき10000本ずつ包装し、評価した。その結果、レトルト工程前は封止部における穴の発生や合成樹脂線材の脱離など、不良品の発生はなかったが、レトルト工程後、合成樹脂線材の脱離とこれに伴う封止部の微細な穴の発生が生じ、その不良品発生率は、10mm径で3%、30mm径で10%、60mm径で20%であった。
【0059】
(比較例2)
合成樹脂線材の代わりに、厚さ40μmの合成樹脂フィルム(封止用フィルム)をねじらずにそのまま用いてフィルム集束部19の外径が2.2mmになるように、上記封止用フィルムでフィルム集束部19の周囲に巻いて、封止用フィルムの端部同士及び封止用フィルムとフィルム集束部19とを融着させて封止した以外は実施例1と同様に包装体を各胴径につき10000本ずつ包装し、評価した。その結果、封止に用いた合成樹脂フィルムに剛性がないため、該フィルムが包装体の内圧による応力で変形し、該応力が包装体端部のフィルム融着部24にまで達し、該フィルム融着部24に微細な穴が生じた不良品が10mm径で0%、30mm径で10%、60mm径で30%生じていた。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の包装装置の一例の概略図である。
【図2】図1の包装装置の封止・切断手段の拡大斜視図である。
【図3】図1の包装装置の集束手段によりフィルムを集束した状態を示す平面図である。
【図4】本発明の包装体の好ましい一実施形態を示す模式図である。
【図5】本発明の包装体の好ましい他の実施形態を示す模式図である。
【図6】本発明に用いられる合成樹脂線材の横断面形状を示す模式図である。
【図7】本発明の包装体の好ましい他の実施形態を示す模式図である。
【図8】本発明の包装体の基本構成を示す模式図である。
【図9】図4の実施形態の封止工程を示す断面模式図である。
【符号の説明】
【0061】
1 フィードポンプ
2 充填ノズル
3 製筒装置
4 ロール
5 合成樹脂フィルム
6 電極
7 被包装物
8 移送ローラー
9 絞りローラー
10 封止・切断手段
11a,11b,12a,12b 集束板
13,13’ ホーン
15,15’ アンビル
14a,14b,16a,16b 合成樹脂線材
17 溶断用突起
18 超音波装置
19 フィルム集束部
21 胴部
22,22’ 線材融着部
23 フィルム融着部
24 線材・フィルム融着部
71 合成樹脂線材
72 線材融着部
81 合成樹脂フィルム
82 融着部
83 封止材
91a,91b 第1底面
92a,92b 第2底面
93a,93b 空隙
94a,94b 溶断面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物を充填した筒状フィルムの両端部を合成樹脂線材により封止してなる筒状包装体の包装方法であって、
帯状の合成樹脂フィルムを連続して繰り出しながら、該フィルムの側端部同士を重ねて融着して筒状フィルムを連続的に形成し、該筒状フィルム内に被包装物を連続的に充填して筒状体を形成し、該筒状体を所定の間隔で連続的に外部より絞って内部の被包装物を押しのけ、被包装物が押しのけられた領域のフィルムを集束してフィルム集束部を形成し、該フィルム集束部を合成樹脂線材で挟み、該線材の端部同士を融着させて封止すると同時に、該線材とフィルム集束部との接触領域の一部において、該線材とフィルムとを融着させた線材・フィルム融着部を形成し、該線材が包装体の両端部に位置するようにフィルムを切断することを特徴とする筒状包装体の包装方法。
【請求項2】
合成樹脂線材とフィルム集束部との接触領域において、包装体の端部側に部分的に線材・フィルム融着部を形成する請求項1に記載の筒状包装体の包装方法。
【請求項3】
フィルム集束部の横断面の長さ方向の中央部を中心に、該長さの90%以下の範囲で線材・フィルム融着部を形成する請求項1または2に記載の筒状包装体の包装方法。
【請求項4】
フィルム集束部の横断面の幅:長さで示されるアスペクト比が1:1〜1:7となるように、該フィルム集束部を合成樹脂線材で挟み、上記横断面の長さ方向に沿って線材・フィルム融着部を形成する請求項1〜3のいずれかに記載の筒状包装体の包装方法。
【請求項5】
合成樹脂線材の横断面形状において、該線材がフィルム集束部と接触する側面が、包装体の長さ方向において少なくとも一つの凹部を有し、該凹部を挟む二つの凸部のうち包装体の端部側の凸部において線材・フィルム融着部を形成する請求項1〜4のいずれかに記載の筒状包装体の包装方法。
【請求項6】
合成樹脂線材の端部同士の融着及び線材とフィルムとの融着を超音波融着により行う請求項1〜5のいずれかに記載の筒状包装体の包装方法。
【請求項7】
上記フィルムの切断が溶断であり、該溶断によりフィルム末端部を融着一体化したフィルム融着部を形成する請求項1〜6のいずれかに記載の筒状包装体の包装方法。
【請求項8】
溶断が超音波印加による請求項7に記載の筒状包装体の包装方法。
【請求項9】
フィルム集束部を、平行に配置した2本の直線状の合成樹脂線材間の中央部に挟み込み、該線材の両端部同士、及び該線材とフィルム集束部との接触領域の一部において、該線材とフィルムとを融着させる請求項1〜8のいずれかに記載の筒状包装体の包装方法。
【請求項10】
1本の合成樹脂線材によりフィルム集束部をO字形に囲み、該線材の端部同士、及び該線材とフィルム集束部との接触領域の一部において、該線材とフィルムとを融着させる請求項1〜8のいずれかに記載の筒状包装体の包装方法。
【請求項11】
長尺の合成樹脂フィルムの側端部同士を重ねて融着した筒状フィルム内に被包装物が充填され、該フィルムの両端部に、該フィルムを集束したフィルム集束部を合成樹脂線材で封止してなる封止部を有し、該封止部において、合成樹脂線材の端部同士が融着された線材融着部、及び該線材とフィルム集束部との接触領域の一部において、該線材とフィルムとが融着された線材・フィルム融着部とを有することを特徴とする筒状包装体。
【請求項12】
線材・フィルム融着部が、合成樹脂線材とフィルム集束部との接触領域において、包装体の端部側に形成されている請求項11に記載の筒状包装体。
【請求項13】
フィルム集束部の横断面の長さ方向の中央部を中心に、該長さの90%以下の範囲で線材・フィルム融着部が形成されている請求項11または12に記載の筒状包装体。
【請求項14】
封止部のフィルム集束部の横断面の幅:長さで示されるアスペクト比が1:1〜1:7であり、上記横断面の長さ方向に沿って線材・フィルム融着部が形成されている請求項11〜13のいずれかに記載の筒状包装体。
【請求項15】
合成樹脂線材の横断面形状において、該線材がフィルム集束部と接触する側面が、包装体の長さ方向において少なくとも一つの凹部を有し、該凹部を挟む二つの凸部のうち包装体の端部側の凸部において線材・フィルム融着部が形成されている請求項11〜14のいずれかに記載の筒状包装体。
【請求項16】
合成樹脂フィルムの末端部にフィルム同士が融着一体化したフィルム融着部を有する請求項11〜15のいずれかに記載の筒状包装体。
【請求項17】
封止部において、フィルム集束部が、平行に配置した2本の直線状の合成樹脂線材間の中央部に挟み込まれ、該線材の端部同士、及び該線材とフィルム集束部との接触領域の一部において、該線材とフィルムとが融着されている請求項11〜16のいずれかに記載の筒状包装体。
【請求項18】
封止部において、1本の合成樹脂線材がフィルム集束部をO字形に囲み、該線材の端部同士、及び該線材とフィルム集束部との接触領域の一部において、該線材とフィルムとが融着されている請求項11〜16のいずれかに記載の筒状包装体。
【請求項19】
合成樹脂線材が包装直後に熱収縮性を有する請求項11〜16のいずれかに記載の筒状包装体。
【請求項20】
被包装物を充填した筒状フィルムの両端部を合成樹脂線材により封止してなる筒状包装体の包装装置であって、
帯状の合成樹脂フィルムを連続して繰り出す手段と、
該フィルムの側端部同士を重ねて融着して筒状フィルムを連続的に形成する手段と、
該筒状フィルム内に被包装物を連続的に充填して筒状体を形成する手段と、
該筒状体を所定の間隔で連続的に外部より絞って内部の被包装物を押しのける手段と、
被包装物が押しのけられた領域のフィルムを集束してフィルム集束部を形成する手段と、
該フィルム集束部を合成樹脂線材で挟んで、該線材の端部同士を融着させて封止すると同時に、該線材とフィルム集束部との接触領域の一部において、該線材とフィルムとを融着させる封止手段と、
該合成樹脂線材が包装体の両端部に位置するようにフィルムを切断する切断手段と、
を少なくとも備えたことを特徴とする筒状包装体の包装装置。
【請求項21】
上記封止手段が、超音波印加手段である請求項20に記載の筒状包装体の包装装置。
【請求項22】
上記切断する手段が溶断手段であり、該溶断によりフィルム末端部を融着一体化したフィルム融着部を形成する請求項20または21に記載の筒状包装体の包装装置。
【請求項23】
上記溶断手段が超音波印加手段である請求項22に記載の筒状包装体の包装装置。
【請求項24】
上記封止手段が、直線状の2本の合成樹脂線材を、集束したフィルムを中央部に挟み込むように平行に供給する手段と、該線材の両端部同士を接触させて融着させると同時に、該線材とフィルム集束部との接触領域の一部において、該線材とフィルムとを融着させる手段とを有する請求項20〜23のいずれかに記載の筒状包装体の包装装置。
【請求項25】
上記超音波印加手段が、超音波装置に付設されたホーンと該ホーンに対向するアンビルとを有し、ホーン或いはアンビルのいずれか一方の対向面にフィルムの進行方向に直交する直線状の突起を有し、該突起を他方の対向面に押し当ててフィルムを溶断すると同時に溶断部のフィルムを融着一体化する請求項24に記載の筒状包装体の包装装置。
【請求項26】
上記超音波印加手段が、超音波装置に付設されたホーンと該ホーンに対向するアンビルとを有し、ホーン或いはアンビルの対向面にフィルムの進行方向に直交する直線状の溶断面を有し、該溶断面を互いに押し当ててフィルムを溶断すると同時に溶断部のフィルムを融着一体化する請求項24に記載の筒状包装体の包装装置。
【請求項27】
上記ホーン及びアンビルが対向面に合成樹脂線材を保持するための凹部を備え、該凹部の底面がフィルム集束部の長さ方向において包装体端部側が浅く構成されており、該端部側において線材・フィルム集束部が形成される請求項25または26に記載の筒状包装体の包装装置。
【請求項28】
上記封止手段が、1本の合成樹脂線材でフィルム集束部をO字形に囲み、該線材の端部同士、及び該線材とフィルム集束部との接触領域の一部において、該線材とフィルムとを融着させる手段である請求項20〜23のいずれかに記載の筒状包装体の包装方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−111269(P2006−111269A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−297172(P2004−297172)
【出願日】平成16年10月12日(2004.10.12)
【出願人】(303046266)旭化成ライフ&リビング株式会社 (64)
【Fターム(参考)】