説明

粉体補給設備及び急結剤補給設備

【課題】備付け、取外し等に重労働が必要にならない急結剤補給設備等の粉体補給設備を提供する。
【解決手段】粉体Fの投入口21を有する補給タンク20と、この補給タンク20内の粉体Fが送り込まれる搬送流路30と、この搬送流路30内に搬送エアA1を吹き込むコンプレッサー40とを備え、搬送流路30内に送り込まれた粉体F1が搬送エアA1によって粉体タンク100内へ搬送される構成とする。また、粉体タンク100に固定される蓋装置50と、この蓋装置50に形成された排気口53と連通する返送流路60と、この返送流路60内を通った排気エアA2が導かれる集塵手段70とを備え、排気エアA2とともに排気口53から排出された排出粉体F2が集塵手段70まで導かれ、この集塵手段70で集塵された排出粉体F2が補給タンク20内に戻される構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、急結剤等の粉体を収容する粉体タンク内に、粉体を補給する設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、NATM工法などの、トンネル掘削等において、地山の崩落を防ぐ目的でモルタルやコンクリートの吹き付けを行う場合、粉体の急結剤を、モルタルやコンクリートに添加する。この急結剤の添加量は、吹き付けたモルタルやコンクリートのリバウンド量等の現場状況から適宜決定される。急結剤は、通常、急結剤タンク内に収容されており、この急結剤タンク内の急結剤は、従来、人力で補給されていたが、近年では、急結剤補給設備を用いた補給が検討されている。
【0003】
現在、この急結剤補給設備としては、急結剤タンクに補給する急結剤を収容する補給タンクと、この補給タンク内に収容された急結剤が送り込まれる急結剤供給管等を構成要素とする搬送流路と、この搬送流路に搬送エアを吹き込むブロワと、が備えられたものが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。この急結剤補給設備においては、フレキシブルコンテナなどから補給タンク内に投入された急結剤が搬送流路内に送り込まれ、この搬送流路内に送り込まれた急結剤がブロワから吹き込まれた搬送エアによって急結剤タンク内へ搬送されて、当該急結剤タンク内に補給される。この急結剤タンクにおいては、急結剤の搬送に利用された搬送エアが、当該急結剤タンクに固定されたエア排気部に備わるフィルターを介して排気され、他方、急結剤はいったん急結剤タンク内に収容された後、例えば、エアによって、吹付け装置などへ搬送される。
【0004】
この既に提案されている急結剤補給設備によると、急結剤タンク内に人力で急結剤を補給する必要がなくなり、大変有用である。しかしながら、この既に提案されている急結剤補給設備は、更なる改良が求められている。
すなわち、急結剤を補給する急結剤タンクは、既存の設備であり、通常3〜4m程度の高さを有する。また、フィルターを有するエア排気部は、通常60〜70kg程度の重さを有し、急結剤タンクの天部に載せられたうえで固定される。したがって、既に提案されている急結剤補給設備によると、60〜70kgもの重さを有するエア排気部を高さ3〜4m程度にまで持ち上げる必要があり、備付け、取外し等に大変な重労働が必要になる。また、粉体が急結剤以外である場合においては、粉体タンクの高さはさまざまであり得るが、60〜70kgもの重さを有するエア排気部を粉体タンクの天部まで持ち上げる必要はあり、備付け、取外し等に大変な重労働が必要になるのは、同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−104826号公報
【特許文献2】特開2006−104827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする主たる課題は、備付け、取外し等に重労働が必要にならない、粉体補給設備及び急結剤補給設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
粉体の補給口を有する粉体タンク内に、粉体を補給する設備であり、
前記粉体の投入口を有する補給タンクと、この補給タンク内の粉体が送り込まれる搬送流路と、この搬送流路内に搬送エアを吹き込むコンプレッサー又はブロワと、が備えられ、
前記搬送流路内に送り込まれた粉体が、前記搬送エアによって前記粉体タンク内へ搬送される構成とされた、粉体補給設備であって、
前記補給口を覆うように前記粉体タンクに固定される蓋装置と、この蓋装置に形成された排気口と連通する返送流路と、この返送流路内を通った排気エアが導かれる集塵手段と、が備えられ、
前記排気エアとともに前記排気口から排出された排出粉体が前記集塵手段まで導かれ、この集塵手段で集塵された排出粉体が前記補給タンク内に戻される、構成とされている、
ことを特徴とする粉体補給設備。
【0008】
〔請求項2記載の発明〕
前記補給タンクの底部に定量フィーダーが備えられ、この定量フィーダーによって前記補給タンク内の粉体が前記搬送流路内に送り込まれる、構成とされている、
請求項1記載の粉体補給設備。
【0009】
〔請求項3記載の発明〕
前記集塵手段は、
前記排気エア及び前記排出粉体を受け入れる捕捉容器と、この捕捉容器内に配置され、前記排気エアは通し、かつ前記排出粉体は通さないフィルターと、を有し、このフィルターを通った排気エアは排気され、他方、このフィルターを通らない前記排出粉体は前記捕捉容器内に留まり、この捕捉容器内に留まった排出粉体は、当該捕捉容器に形成された排出口を通して前記補給タンク内に落下可能な構成とされている、
請求項1又は請求項2記載の粉体補給設備。
【0010】
〔請求項4記載の発明〕
前記排出口は前記補給タンク内に位置し、この補給タンク内には前記排出口を開閉可能な開閉体が備えられ、この開閉体は前記コンプレッサー又は前記ブロワからの押上エアによって押し上げられると前記排出口を閉じる構成とされている、
請求項3記載の粉体補給設備。
【0011】
〔請求項5記載の発明〕
前記コンプレッサー又は前記ブロワからの除塵エアを前記補給タンク内に導く除塵流路が備えられ、
前記投入口から補給タンク内に粉体を投入するにあたり、
前記補給タンク内に除塵エアを吹き込んで、当該補給タンク内のエアとともにこのエア中の粉体が、前記排出口を通して前記捕捉容器内に導かれ、前記補給タンク内から導かれたエアは前記フィルターを通して排気され、他方、このフィルターを通らない前記補給タンク内から導かれた粉体は前記捕捉容器内に留まる、構成とされている、
請求項3又は請求項4記載の粉体補給設備。
【0012】
〔請求項6記載の発明〕
前記蓋装置は、
先端部開口が前記粉体タンク内に位置し、かつ軸心が当該粉体タンクの軸心と平行となるように配置される前記搬送流路と連なる内管と、
この内管と同軸的に配置され、かつ周壁に前記排気口が形成された外管と、を有し、
前記補給タンク内からの粉体及び前記搬送エアが前記内管の先端部開口から前記粉体タンク内に補給され、当該粉体タンク内のエアは前記外管を通して前記排気口から排気される構成とされている、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の粉体補給設備。
【0013】
〔請求項7記載の発明〕
急結剤の補給口を有する急結剤タンク内に、急結剤を補給する設備であり、
前記急結剤の投入口を有する補給タンクと、この補給タンク内の急結剤が送り込まれる搬送流路と、が備えられ、
この搬送流路内に送り込まれた急結剤が、搬送エアによって前記急結剤タンク内へ搬送される構成とされた、急結剤補給設備であって、
前記補給口を覆うように前記急結剤タンクに固定される蓋装置と、この蓋装置に形成された排気口と連通する返送流路と、この返送流路を通った排気エアが導かれる集塵手段と、前記急結剤タンクに併設されたコンプレッサーに前記搬送流路を接続する接続手段と、が備えられ、
前記コンプレッサーによって前記搬送流路内に前記搬送エアが吹き込まれ、
前記排気エアとともに前記排気口から排出された排出急結剤が前記集塵手段まで導かれ、この集塵手段で集塵された排出急結剤が前記補給タンク内に戻される、構成とされている、
ことを特徴とする急結剤補給設備。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、備付け、取外し等に重労働が必要にならない粉体補給設備及び急結剤補給設備となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】粉体補給設備の設備フロー図である。
【図2】図1のII−II線相当部分の模式断面図である。
【図3】粉体除塵構造の別の形態例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、本形態の粉体補給設備10は、急結剤や増粘材、凝集剤、耐火吹付材等の粉体Fを、粉体タンク100内に補給する設備である。この粉体タンク100は、例えばコンクリートやモルタルなどの吹付け材料の吹付け装置に隣接して、あるいは当該吹付け装置の一部としてあらかじめ設置された既存のタンクである。
【0017】
この粉体タンク100内の粉体Fは、この粉体タンク100内から、例えば圧縮エアなどによって送り出された後に、吹付け材料に添加されるなどしたうえで、トンネル内壁面や法面、炉内壁、防火壁、鉄骨等の各種吹付け対象面に吹き付けられるなどする。
【0018】
なお、粉体Fが急結剤である場合、すなわち、粉体タンク100が急結剤タンクである場合は、通常、この急結剤タンク(100)にコンプレッサーが併設されており、このコンプレッサーからの圧縮エアによって、急結剤タンク(100)内の急結剤(F)は、送り出される。
【0019】
粉体タンク100は、その形状が特に限定されるものではなく、例えば、図示例のように、上部側は円筒状で、かつ下部側は下方に行くに従って先細となる略円錐形状の場合などがある。ただし、粉体タンク100は、天面に図示しない蓋材などによって開閉することができる粉体Fの補給口101が備わる。フレキシブルコンテナなどに収容された粉体Fを、この補給口101から投入し、もって粉体タンク100内に粉体Fを補給することもできる。しかしながら、このような手作業(人力)による補給は、投入が重労働であり、また、粉体Fの粉塵が舞うため、作業効率が悪く、安全性が低い。そこで、作業を容易化、安全化、迅速化するなどの目的で、本形態の粉体補給設備10が用いられる。
【0020】
本形態の粉体補給設備10は、粉体Fを収容する補給タンク20と、この補給タンク20内に収容された粉体Fが送り込まれる金属製の管や可撓性のホースなどからなる搬送流路30と、この搬送流路30内に搬送エアA1を吹き込むコンプレッサー又はブロワ、図示例ではコンプレッサー40と、が備えられている。
【0021】
ただし、粉体Fが急結剤である場合、すなわち、粉体タンク100が急結剤タンクである場合において、当該急結剤タンク(100)にコンプレッサーが併設されている場合は、コンプレッサー40は備えずに、併設されているコンプレッサーに搬送流路30を接続するための図示しないホースバンド、カプラ、ヴィクトリックジョイント等の接続手段を備え、当該併設されているコンプレッサーによって搬送流路30内に搬送エアA1が吹き込まれようにするのが好ましい。併設されているコンプレッサーには、圧送する急結剤が吸湿して固まることのないよう、通常、圧縮エアを乾燥するためのドライヤーが備わっており、また、そもそも併設されているコンプレッサーは、急結剤の圧送に既に利用されているものであるため、その信頼性が高い。したがって、併設されているコンプレッサーを利用すると、急結剤補給(搬送)の信頼性・安定性が増し、また、別途、コンプレッサーを備える必要がなく、設備コスト、設備面積等の点で優れる。
【0022】
一方、補給タンク20は、粉体タンク100と同様に、その形状が特に限定されるものではなく、例えば、図示例のように、上部側は円筒状で、かつ下部側は下方に行くに従って先細となる略円錐形状とすることができる。また、この補給タンク20の天面20aには、粉体Fの投入口21が備えられ、この投入口21からフレキシブルコンテナなどに収容された粉体Fを補給タンク20内に投入することができる。投入口21は、補給タンク20内に収容された粉体Fが湿気を帯びるのを防ぎ、あるいは粉体Fが投入口21から粉塵として漏れるのを防ぐために、通常、蓋材21Aなどによって開閉することができるようにする。
【0023】
本形態において、補給タンク20の容量は、特に限定されず、粉体タンク100の容量やコンプレッサー40の性能、設置許容面積などを考慮して、適宜設計することができる。例えば、粉体タンク100の容量が0.2〜0.4m3である場合においては、補給タンク20の容量を1.2〜2.4m3とし、粉体Fを1〜2t(トン)収容できるようにすることができる。
【0024】
本形態においては、補給タンク20の底部に、撹拌翼22が備えられている。この撹拌翼22は、補給タンク20の中心軸C1回りに回転して、補給タンク20の底部に収容された粉体Fを高速撹拌する。この高速撹拌によって、粉体Fが、例えば、急結剤などのように吸湿性が高いものであっても、補給タンク20内においてフロックやブリッジ、クリンカボール(固結ボール)などを形成するおそれがなくなる。この撹拌翼22は、後述するエアレーションなどともに設置することも、エアレーションなどに換えて設置することも、省略することもできる。
【0025】
粉体Fの撹拌は、例えば、エアレーションなどによることもできる。このエアレーションの具体的な方法は特に限定されず、図示例では、コンプレッサー40のエア吹出し口に図示しない逆止弁などを介して接続された搬送基路33から分岐する分岐路35を通して、補給タンク20内に圧縮エアが吹き込まれるようになっている。
【0026】
補給タンク20に対して分岐路35をどのように接続するかは、特に限定されない。本形態では、図1及び図2に示すように、分岐路35の先端部が上下2段に分岐しており、下段の分岐路35Aが、粉体Fの送出し口31Aが形成されている側(図示例では、紙面右側。)とは反対側(図示例では、紙面左側。)において、補給タンク20に接続されている。他方、上段の分岐路は、更に4つの分岐路35B,35C,35D,35Eに分岐しており、これらの分岐路35B〜35Eが、等間隔で4方向から補給タンク20に接続されている。
【0027】
この形態において、補給タンク20内の粉体Fは、上段の分岐路35B〜35Eから吹き込まれた圧縮エアによってブリッジ等を形成するのを防止され、円滑に補給タンク20内を底部に向かって滑り落ちる。
【0028】
また、補給タンク20内の粉体Fは、通常、粉体Fの送出し口31Aが形成されている側とは反対側に偏った堆積をすることになり、この偏った堆積をした粉体Fが押し固められてフロック等を形成するおそれがある。しかしながら、本形態においては、下段の分岐路35Aから吹き込まれる圧縮エアによって、当該堆積した粉体Fは、送出し口31A側に吹かれるため、フロック等を形成するおそれがない。
【0029】
下段の分岐路35A及び上段の分岐路35B〜35Eを、上下方向に関していかなる位置に配置するかは、特に限定されず、例えば、粉体Fの収容量、粉体Fの性質などに基づいて、適宜決定することができる。
【0030】
以上のほか、ブリッジ等を防止するためには、例えば、補給タンク20にハンマリング手段などを備えることもできる。
【0031】
本形態においては、補給タンク20の底部にロータリーフィーダー等の定量フィーダー23が備えられている。この定量フィーダー23によって粉体Fを高速撹拌するとともに、定量切出しすることができる。この定量切出しによって、補給タンク20内の粉体Fは、搬送流路30内に送り込まれる。この搬送流路30内に送り込まれる粉体は、符号F1で示す。
【0032】
ここで、前述した特許文献1や特許文献2で提案されている急結剤補給設備においては、補給タンク(20)内に搬送流路(30)の構成要素である急結剤供給管が備えられており、この急結剤供給管内に補給タンク(20)の底部に収容された粉体(F)が送り込まれる構成となっている。また、当該設備においては、粉体(F)の送込みは、補給タンク(20)の底部から吹き込まれたエア等が、急結剤供給管内に吹き込まれるのにともなって行われる。
【0033】
しかしながら、この既に提案されている形態によると、例えば、粉体(F)のクリンカボール(固結ボール)が形成された場合には、このクリンカボールによって急結剤供給管の粉体(F)が送り込まれる入口(開口)が塞がれてしまう可能性がある。当該入口が塞がれると、補給タンク(20)内の粉体(F)が粉体タンク100内へ搬送されなくなる。
【0034】
これに対して、本形態のように、定量フィーダー23によって補給タンク20内の粉体Fが搬送流路30内に送り込まれるようにした場合、例えば、定量フィーダー23としてロータリーフィーダーを使用した場合は、補給タンク20内の粉体Fは、ロータリーフィーダーの各羽根の間に収容されて、有形的に撹拌(なお、エアレーション等のエアによる撹拌を無形的な撹拌という。)されるため、クリンカボール等による搬送不良が生じるおそれがなく、安定的かつ連続的な送出し、搬送が行われる。
【0035】
以上のようにして搬送流路30内に送り込まれた粉体F1は、コンプレッサー40から吹き込まれた搬送エアA1によって粉体タンク100内へ搬送される。ここで、搬送流路30の構成は、特に限定されず、本形態では、コンプレッサー40に接続された搬送基路33と、この搬送基路33に対して順に連通された搬送連通路36、管体31及びホース32と、で構成されている。
【0036】
搬送基路33には、減圧弁32A及び圧力計32Bが備えられており、この圧力計32Bの後流において前述分岐路35が分岐し、また、この分岐点35の後流において搬送連通路36が連通する。減圧弁32Aは、例えば500〜1000kPaの圧力でコンプレッサー40から吹き出された搬送エアA1の圧力を、例えば40〜50kPaまで減圧する。
【0037】
本形態においては、搬送基路33に対して、分岐路35、搬送連通路36の順に連通されているが、搬送連通路36、分岐路35の順に連通される形態とすることもできる。
【0038】
また、搬送流路30は、粉体F1が送り込まれる部分である管体31を金属製とし、この管体31の先端側(粉体タンク100側)において連通されるホース32を例えばPVC製、ゴム製等の可撓性とし、このホース32の先端部を次に説明する蓋装置50の内管51と連通させると好適である。この形態によると、ホース32を適宜撓ませるなどして補給タンク20から粉体タンク100までの距離を調節することができる。ホース32の長さは、特に限定されず、例えば5〜20mとすることができる。
【0039】
本形態の粉体補給設備10は、補給口101を覆うように粉体タンク100に固定される蓋装置50を有する。この蓋装置50は、前述した補給口101を開閉するための蓋材に換えて、粉体タンク100に固定することができる。
【0040】
この蓋装置50には、排気口53が形成されており、この排気口53と連通する管や可撓性のホースなどからなる返送流路60と、この返送流路60内を通った排気エアA2が導かれる集塵手段70とが、本形態の粉体補給設備10には、備えられている。返送流路60を構成する可撓性のホースとしては、例えば、前述した搬送流路30を構成する可撓性のホース32と同様のものを使用することができ、これにより粉体タンク100から集塵手段70までの距離を調節することができる。
【0041】
本形態において、排気エアA2とともに排気口53から排出された排出粉体F2は、集塵手段70まで導かれ、この集塵手段70で集塵された排出粉体F2は、補給タンク20内に戻される。この形態によると、排気口53から排出された排出粉体F2は集塵手段70によって集塵され、他方、粉体タンク100に固定される蓋装置50にはフィルター等の集塵手段が備えられないため、例えば20〜30kgと軽くなる。したがって、本形態の粉体補給設備10によると、蓋装置50の備付け、取外し等に重労働が必要にならなくなる。
【0042】
この形態においては、粉体タンク100内に収容されている粉体Fの量が多くなると、当該粉体Fの一部が排気口53から排気エアA2とともに排出されてしまう(この排出された粉体Fを排出粉体F2という。)ため、収容された粉体Fが所定の収容量に達したことを知るためのレベルセンサー59などを備えると好適である。
【0043】
一方、排出粉体F2を集塵する集塵手段70の構造や、集塵手段70で集塵された排出粉体F2を補給タンク20に戻すための構造などは、特に限定されないが、図示例のような構造であると、好ましいものとなる。
すなわち、本形態の集塵手段70は、排気エアA2及び排出粉体F2を受け入れる、例えば略立方体状、略直方体状、略円筒状等の捕捉容器71と、この捕捉容器71内に配置された、例えば円筒状のバグフィルターなどからなるフィルター72と、を有する。このフィルター72としては、排気エアA2は通し、かつ排出粉体F2は通さないものが使用される。
【0044】
フィルター72を通った(通り抜けた)排気エアA2は、捕捉容器71の天側部に備えられた金属製の管などからなる排気管73を通して排気される。他方、フィルター72を通らない排出粉体F2は、例えば、捕捉容器71の底部71aに堆積するなどして、捕捉容器71内に留まる。この捕捉容器71内に留まった排出粉体F2は、その後、当該捕捉容器71の、例えば底部71aに形成された排出口74を通して補給タンク20内に自由落下し、もって補給タンク20内に戻る。
【0045】
排出粉体F2を補給タンク20内に戻す構造は、特に限定されず、例えば、本形態のように、排出口74がダンパー等の開閉体80によって開閉され、加えて、補給タンク20の天部周壁に形成された開口20X側が下方に傾斜する傾斜板81が排出口74の下方に設けられた構造とすることができる。本形態の開閉体80は、ヒンジ80Aを軸に機械的に回動し、この回動に応じて排出口74を開閉する。
【0046】
本形態によると、排出粉体F2は、開閉体80によって排出口74が閉じられている間は、捕捉容器71内に留まり、その後、開閉体80が回動して、当該排出口74が開かれたときに、排出口74を通して傾斜板81上に自由落下する。この自由落下した排出粉体F2は、傾斜板81上を補給タンク20に向かって滑り、補給タンク20の天部周壁に形成された開口20Xを通して補給タンク20内に自由落下する。つまり、本形態によると、排出粉体F2を補給タンク20内に戻すについて、開閉体80を作動させるのみで足りる。したがって、排出粉体F2を補給タンク20内に戻すにおいて、製造コストの増加を抑えることができる。
【0047】
この排出粉体F2を補給タンク20内に戻す別の構造としては、図3に示すように、捕捉容器71の底部71aに形成された排出口74が補給タンク20内に位置しており、この補給タンク20内には、当該排出口74を開閉することができるリフトダンパーなどからなる開閉体80が備えられた形態を例示することができる。この形態の開閉体80は、例えばコンプレッサー40からのエア等(以下、単に「押上エア」ともいう。)によって押し上げられると、排出口74を閉じ(塞ぎ)、他方、当該押上エアによる押し上げが停止されると、図3中に拡大して示すように、排出口74から離れ、もって排出口74が開く構成とされている。本形態によると、排出粉体F2は、開閉体80によって排出口74が閉じられている間は捕捉容器71内に留まり、その後、開閉体80が排出口74から離れて当該排出口74が開かれたときに、排出口74を通して補給タンク20内に自由落下する。つまり、本形態によっても、排出粉体F2を補給タンク20内に戻すについて、開閉体80を作動させるのみで足りる。また、特に本形態では、この開閉体80の作動(駆動)に補給する粉体F1の搬送などに用いたコンプレッサー40がそのまま利用されることになる。したがって、本形態によると、排出粉体F2を補給タンク20内に戻すにおいて、製造コストの増加を抑えることができるうえに、設置面積が広がるのをも抑えることもできる。
【0048】
この形態において、押上エアによる押上力をどのように開閉体80に加えるかは、特に限定されない。例えば、図示例のように、コンプレッサー40の吹出し口等に接続された押上エアA3が通る押上流路37を備え、この押上流路37の先端部37aを補給タンク20内に挿入し、当該先端部37aの開口を、例えば上下方向に伸縮可能な開閉体80によって封じた構造とすることができる。この形態によると、開閉体80を効率的に上下に作動(駆動)させることができる。
【0049】
ところで、補給タンク20の投入口21からフレキシブルコンテナなどに収容された粉体Fを投入した場合においては、投入した粉体Fが補給タンク20内のエア中に蔓延し、この蔓延した粉体Fが、例えば、フレキシブルコンテナなどを投入口21から外した際などに粉塵として外部に漏れるおそれがある。この粉塵として外部に漏れた粉体(F)は、例えば急結剤等である場合、強アルカリ性であるため、汗などをかいた人に付着するとやけどするおそれがあり、また、導電性を有するため、配電盤に付着すると装置がショートして故障するおそれがある。しかしながら、本形態においては、以上で利用したコンプレッサー40を更に利用して粉体Fが粉塵として外部に漏れるのを防止することができる。
【0050】
具体的には、まず、コンプレッサー40からのエア(以下、単に「除塵エア」ともいう。)を補給タンク20内に導く図示しない除塵流路を備える。この除塵流路は、例えばコンプレッサー40の吹出し口などに接続され、かつ先端部が補給タンク20内に挿入され、あるいは先端部開口が補給タンク20の周壁において開口した状態とされる。なお、粉体Fの投入量によって、上下方向に関する除塵流路の挿入位置や開口位置を適宜設定することができる。
【0051】
この形態においては、投入口21から補給タンク20内に粉体Fを投入するにあたり、開閉体80を適宜作動させて排出口74を開くととともに、除塵流路を通して補給タンク20内に除塵エアを吹き込む。これにより、補給タンク20内のエアとともにこのエア中の粉体Fが、排出口74を通して捕捉容器71内に導かれる。捕捉容器71内に導かれたエアは、フィルター72を通して排気される。他方、フィルター72を通らない粉体Fは、当該フィルター72に付着して、捕捉容器71内に留まり、あるいは傾斜板81上を滑り落ちて補給タンク20内に戻る。このようにして、補給タンク20内のエア中に蔓延する粉体Fは除塵されるため、その後、開閉体80を作動させて排出口74を閉じ、除塵流路を通した補給タンク20内への除塵エアの吹き込みを停止することにより、例えばフレキシブルコンテナなどを投入口21から外した際などに、粉体Fが粉塵として外部に漏れるのが防止される。
【0052】
なお、補給タンク20に粉体Fを投入するに際しては、フレキシブルコンテナなどを投入口21に密着させ、この部分から周囲に粉体Fの粉塵が漏れないようするのが好ましい。また、粉体Fを投入するにあたっては、除塵流路を通して補給タンク20内に除塵エアを吹き込む形態ではなく、例えば補給タンク20内を負圧に保つ形態を採用することもできる。この補給タンク20内を負圧に保つ方法としては、例えば、排気管73の途中に吸引用のブロワ73Xを備え、このブロワ73Xによって捕捉容器71内及び補給タンク20内を吸引する方法などが考えられる。
【0053】
一方、本形態の蓋装置50は、図1に示すように、先端部開口51aが粉体タンク100内に位置し、かつ軸心の半分以上(長さ基準)が当該粉体タンク100の軸心と平行となるように配置される搬送流路30と連なる(連通する)内管51と、この内管51と同軸的に配置され、かつ周壁に排気口53が設けられた外管52と、を有する。
【0054】
この蓋装置50を使用した場合、補給タンク20内からの粉体F1が内管51の先端部開口51aから粉体タンク100内に補給され、同時に搬送エアA1も粉体タンク100内に流入する(吹き込まれる)。また、粉体タンク100内のエアは、内管51を通して搬送エアA1が流入することにより、外管52を通して排気口53から排気される。したがって、粉体タンク100内においては、主に径方向に広がりつつ、上昇する気流が生じ、また、この上昇気流は、排気口53が外管52の周壁に形成されていることにより、スパイラル状になる。よって、粉体タンク100内に補給された粉体F1は、スパイラル状に渦を描き、粉体タンク100の周壁に衝突して自由落下し、粉体タンク100の底部に堆積することになる。他方、エアは、外管52を通して排気口53から排気されることになり、粉体F1とエアとの分離が効率的に行われる。しかも、この効果を得るについて、粉体タンク100に複雑な改造等を加える必要がなく、粉体タンク100に備えられた図示しない既存の蓋材などに換えて、本形態の蓋装置50をそのまま取り付けるのみで足りるため、設置が極めて容易である。
【0055】
ここで、内管51の先端部開口51aの位置(粉体タンク100の上下方向に関する位置)は、かかる気流を効率的に発生させるという観点から適宜設計することができ、特に限定されない。この点、一般には、先端部開口51aが、あまり下方に位置すると、内管51の先端部開口51aから吹き出す搬送エアA1の影響を受けて、粉体タンク100の底部に堆積した(収容された)粉体Fが舞い上がり、外管52を通して排気口53から排出されてしまうおそれがある。しかしながら、本形態においては、搬送エアA1は、主に径方向に広がりつつ、上昇することになるため、先端部開口51aを、通常よりも下方に位置させることもできる。先端部開口51aを下方に位置させると、内管51から粉体タンク100内に流入した粉体F1が、仮に上昇気流に乗ったとしても、上昇距離が長くなり、その分径方向に広がって粉体タンク100の周壁に衝突し易くなるため、粉体Fとエアとの分離がより効率的に行われる。
【0056】
ただし、搬送エアA1の圧力・流量、粉体タンク100の径・容量等によっては、粉体タンク100内に補給された粉体F1が、粉体タンク100の周壁に衝突する前、つまり搬送エアA1と分離される前に、当該搬送エアA1とともに自由落下してしまう可能性がある。この場合、粉体タンク100の底部に堆積した(収容された)粉体Fが舞い上がってしまうため、排気口53から排出される排出粉体F2の量が多くなり、補給効率が低下する。そこで、かかる場合は、図示例のように、内管51の先端部を屈曲させ、あるいは他の部材を介在させるなどして、内管51の先端部開口51aが粉体タンク100の周壁を向くようにするのが好ましい。
【0057】
また、内管51の先端部を屈曲させない場合は、粉体タンク100内において、粉体Fの堆積量(収容量)が増えてくると、内管51の先端部開口51aと堆積する粉体Fとの距離が近くなり、内管51から吹き出す搬送エアA1によって収容された粉体Fの一部が舞い上がる。この舞い上がった粉体Fは、排気口53から排気される排気エアA2とともに排出されてしまうため、補給効率が低下する。そこで、本形態のように、レベルセンサー59を備え、このレベルセンサー59によって粉体Fの堆積量が所定の堆積量に達したと検知された段階で、定量フィーダー23が停止するようにすると好適である。
【0058】
なお、粉体Fの堆積量の把握は、蓋装置50を取り外し、粉体タンク100の補給口101から粉体タンク100内を覗きこむことによっても可能である。そして、本形態では、蓋装置50が軽量化されており、蓋装置50の取外し、備付けが容易であるため、かかる作業も容易である。しかしながら、設備コスト等の点から問題がないようであれば、レベルセンサー59を備える方が好適である。
【0059】
本形態の粉体補給設備10においては、搬送エアA1の供給にコンプレッサー40を用いているが、ブロワを用いることもできる。コンプレッサーを用いる場合はメンテナンス容易であるとの利点を、ブロワを用いる場合は粉体Fの吸湿防止管理が容易であるとの利点を、それぞれ有する。
【0060】
また、本形態においては、粉体Fの吸湿を排除するために、例えば、搬送流路30と内管51との接続部分や、返送流路60と外管52や集塵手段70との接続部分を液密化(液体を通さない状態に)して完全クローズループ化すると好適である。
【0061】
さらに、本形態の粉体補給設備10は、1台のトラック等に積載して、粉体タンク100が設置されている場所までの移動を容易とする運用を考えることができる。
【0062】
〔粉体補給設備の動作〕
次に、本形態の粉体補給設備10の動作について、図1を参照しながら説明する。
本形態の粉体補給設備10を使用して粉体タンク100内に粉体Fを補給するにあたっては、あらかじめ投入口21から補給タンク20内に粉体Fを投入しておく。この投入に際しては、前述したしたように、コンプレッサー40からの除塵エアを、除塵流路を通して補給タンク20内に導きつつ、あるいはブロワ73Xによる吸引を行いつつ、集塵手段70を利用して補給タンク20内のエア中に蔓延する粉体Fが外部に漏れるのを防止すると好適である。
【0063】
このような粉体Fの投入により、補給タンク20内に粉体Fが収容された状態になっているようであれば、まず、コンプレッサー40を起動し、又は、粉体タンク100に併設されているコンプレッサーに接続手段を利用して搬送流路30を接続し、当該併設されているコンプレッサーを起動する。この際、開閉体80は、排出口74を閉じた状態にしておく。
【0064】
次に、コンプレッサー40等による送風を開始する。この際、分岐路35の途中に備えられたバルブV1、搬送連通路36の途中に備えられたバルブV2及び管体31とホース32との間に介在されたバルブV4は開いておき、他方、搬送基路33とホース32とを繋ぐ直結路34の途中に備えられたバルブV3及び返送流路60の途中から分岐し、補給タンク20の天面20aに接続された圧抜き路38の途中に備えられたバルブV5は閉じておく。これにより、搬送エアA1が搬送流路30内を流れ、排気エアA2が返送流路60内を流れ、エアレーション用の圧縮エアが分岐路35内を流れる。
【0065】
ここで、バルブV1〜V5の種類は特に限定されず、例えば、電磁バルブを使用することができる。ただし、粉体に強いという点でボールバルブを使用するのが好ましく、本形態では、バルブV1〜V5として、ボールバルブを使用している。
【0066】
以上に際しては、例えば、撹拌翼22も作動させて、補給タンク20内に収容された粉体Fの撹拌を開始することもできる。
【0067】
以上のエアの流通が安定したら、例えば7秒程度経過したら、定量フィーダー23の作動を開始し、粉体Fの定量切出しを行う。この切出しにより、搬送流路30内に送り込まれた粉体F1は、搬送エアA1によって粉体タンク100へ搬送され、粉体タンク100内に補給される。
【0068】
この補給を適宜の時間行い、又はレベルセンサー59から満杯検知信号を受けるまで行ったら、バルブV1,V2及びV4を閉じるとともに、定量フィーダー23を停止して、搬送流路30への粉体F1の送り込みを停止する。
【0069】
次いで、バルブV3及びV5を開き、定量フィーダー23の停止後、適宜の時間、例えば5秒程度経過したら、コンプレッサー40による送風も停止する。このように開いているバルブを切り替えるとともに、定量フィーダー23を停止してから送風を停止するまでの時間差を設けることにより、ホース32内に粉体Fが残存しなくなる。この際には、必要に応じて、送風の開始・停止を繰り返すフラッシングを行えば、より効果的である。また、捕捉容器71内に備えられたエアパルス手段75を作動させ、エアの排気側からフィルター72にパルスエアを送ることで、フィルター72に吸着(付着)した排出粉体F2を払い落とすこともできる。これにより、フィルター72の目詰まりが防止され、捕捉容器71を開けて頻繁に清掃する必要がなくなる。このエアパルス手段75の作動は、例えば5〜10秒間行うことができる。
【0070】
もちろん、フィルター72の目詰まり防止は、エアパルスに限定されるものではなく、例えば、フィルター72にハンマリング手段を設け、このハンマリング手段によりフィルター72の目詰まりを防止することもできる。エアパルスやハンマリングによる場合は、例えば粉体Fの補給作業中、つまりエアが流れている状態でも機能させることができる。
【0071】
以上が終了したら、開閉体80を作動させて排出口74を開く。これにより、捕捉容器71内に堆積した粉体Fが排出口74を通して自由落下し、傾斜板81上を滑って、更に補給タンク20内を自由落下する。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、急結剤等の粉体を収容する粉体タンクに、粉体を補給する設備として、適用可能である。
【符号の説明】
【0073】
10…粉体補給設備、20…補給タンク、21…投入口、22…撹拌翼、23…定量フィーダー、30…搬送流路、40…コンプレッサー、50…蓋装置、51…内管、52…外管、53…排気口、60…返送流路、70…集塵手段、71…捕捉容器、72…フィルター、74…排出口、80…開閉体、100…粉体タンク、101…補給口、A1,A2,A3…エア、F,F1,F2…粉体、V1〜V5…バルブ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体の補給口を有する粉体タンク内に、粉体を補給する設備であり、
前記粉体の投入口を有する補給タンクと、この補給タンク内の粉体が送り込まれる搬送流路と、この搬送流路内に搬送エアを吹き込むコンプレッサー又はブロワと、が備えられ、
前記搬送流路内に送り込まれた粉体が、前記搬送エアによって前記粉体タンク内へ搬送される構成とされた、粉体補給設備であって、
前記補給口を覆うように前記粉体タンクに固定される蓋装置と、この蓋装置に形成された排気口と連通する返送流路と、この返送流路内を通った排気エアが導かれる集塵手段と、が備えられ、
前記排気エアとともに前記排気口から排出された排出粉体が前記集塵手段まで導かれ、この集塵手段で集塵された排出粉体が前記補給タンク内に戻される、構成とされている、
ことを特徴とする粉体補給設備。
【請求項2】
前記補給タンクの底部に定量フィーダーが備えられ、この定量フィーダーによって前記補給タンク内の粉体が前記搬送流路内に送り込まれる、構成とされている、
請求項1記載の粉体補給設備。
【請求項3】
前記集塵手段は、
前記排気エア及び前記排出粉体を受け入れる捕捉容器と、この捕捉容器内に配置され、前記排気エアは通し、かつ前記排出粉体は通さないフィルターと、を有し、このフィルターを通った排気エアは排気され、他方、このフィルターを通らない前記排出粉体は前記捕捉容器内に留まり、この捕捉容器内に留まった排出粉体は、当該捕捉容器に形成された排出口を通して前記補給タンク内に落下可能な構成とされている、
請求項1又は請求項2記載の粉体補給設備。
【請求項4】
前記排出口は前記補給タンク内に位置し、この補給タンク内には前記排出口を開閉可能な開閉体が備えられ、この開閉体は前記コンプレッサー又は前記ブロワからの押上エアによって押し上げられると前記排出口を閉じる構成とされている、
請求項3記載の粉体補給設備。
【請求項5】
前記コンプレッサー又は前記ブロワからの除塵エアを前記補給タンク内に導く除塵流路が備えられ、
前記投入口から補給タンク内に粉体を投入するにあたり、
前記補給タンク内に除塵エアを吹き込んで、当該補給タンク内のエアとともにこのエア中の粉体が、前記排出口を通して前記捕捉容器内に導かれ、前記補給タンク内から導かれたエアは前記フィルターを通して排気され、他方、このフィルターを通らない前記補給タンク内から導かれた粉体は前記捕捉容器内に留まる、構成とされている、
請求項3又は請求項4記載の粉体補給設備。
【請求項6】
前記蓋装置は、
先端部開口が前記粉体タンク内に位置し、かつ軸心が当該粉体タンクの軸心と平行となるように配置される前記搬送流路と連なる内管と、
この内管と同軸的に配置され、かつ周壁に前記排気口が形成された外管と、を有し、
前記補給タンク内からの粉体及び前記搬送エアが前記内管の先端部開口から前記粉体タンク内に補給され、当該粉体タンク内のエアは前記外管を通して前記排気口から排気される構成とされている、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の粉体補給設備。
【請求項7】
急結剤の補給口を有する急結剤タンク内に、急結剤を補給する設備であり、
前記急結剤の投入口を有する補給タンクと、この補給タンク内の急結剤が送り込まれる搬送流路と、が備えられ、
この搬送流路内に送り込まれた急結剤が、搬送エアによって前記急結剤タンク内へ搬送される構成とされた、急結剤補給設備であって、
前記補給口を覆うように前記急結剤タンクに固定される蓋装置と、この蓋装置に形成された排気口と連通する返送流路と、この返送流路を通った排気エアが導かれる集塵手段と、前記急結剤タンクに併設されたコンプレッサーに前記搬送流路を接続する接続手段と、が備えられ、
前記コンプレッサーによって前記搬送流路内に前記搬送エアが吹き込まれ、
前記排気エアとともに前記排気口から排出された排出急結剤が前記集塵手段まで導かれ、この集塵手段で集塵された排出急結剤が前記補給タンク内に戻される、構成とされている、
ことを特徴とする急結剤補給設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−174496(P2010−174496A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17717(P2009−17717)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(391061646)株式会社流機エンジニアリング (20)
【Fターム(参考)】