説明

粒子トラップの再生

この発明は有害な物質(3)を含むガス流(2)を浄化するための排気システム(1)に関し、上記排気システムは、排気システム(1)を通るガス流(2)の流れ(4)の方向に、少なくとも還元剤を供給するための手段と第1の触媒コンバータ(5)と粒子トラップ(8)とを含む。この発明に従うと、少なくとも1つの他の排気浄化構成要素が設けられ、かつ/または、第1の触媒コンバータ(5)と粒子トラップ(8)との間に少なくとも0.5メートルの距離が存在し、ミキサ(6)および第2の触媒コンバータ(7)が粒子トラップ(8)のすぐ上流に位置決めされる。この発明はまた、排気システム(1)に配置された粒子トラップ(8)を再生するための方法に関し、これにより、還元剤(23)が、粒子トラップ(8)の再生プロセスを実行するためにターボチャージャ(6)の上流(のみ)において排気ガスシステム(1)に投入される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、汚染物質のガス流を浄化するための排気システムに関し、当該排気システムは、還元剤を用いて不連続に再生される粒子トラップを含む。さらに、粒子トラップを再生するための方法が説明される。
【背景技術】
【0002】
自動車構造における排気システムに対して益々厳密な要件を課しつつある法による規定のために、排気システムはこれまで、絶え間ないさらなる開発の対象であった。この文脈においては多様な構成要素が用いられており、いずれの場合も排気システム内で異なる機能を果たす。したがって、たとえば始動触媒コンバータまたはプリターボ触媒コンバータが公知であるが、これらは特に小容量であるので、内燃機関のコールドスタート後、触媒変換に必要とされる開始温度に直ちに達する。さらに、電気的に加熱可能な触媒コンバータが公知であるが、これも同様に、排気システムのコールドスタート挙動の向上を可能にする。吸収器は、公知のとおり、内燃機関の排気システムにおいて、ある一定の期間にわたり、排気ガスに含まれる特定の汚染物質を吸収する仕事を有するが、これらの汚染物質は、好ましくは、以下の触媒コンバータがその動作温度に達するまで蓄積される。さらに、特にディーゼルエンジンの排気システムにおいては、粒子トラップまたは粒子フィルタが用いられて、排気ガスに含まれる煤粒子および/または他の固形不純物を遮断する。遮断された粒子の蓄積物は、基本的に、たとえば高い熱エネルギを供給することによって連続的または非連続的に変換され得る。
【0003】
排気ガス中の粒子排出を削減するために、特にディーゼルエンジンに関して言えば、セラミック基板から構成される粒子トラップが公知である。これらは、浄化すべき排気ガスが粒子トラップに流れ込み得るようにダクトを有する。隣接するダクトが交互に閉じられているので、排気ガスは入口側のダクトに流れ込み、少なくとも1つのセラミック壁を通り、出口側にある隣接するダクトを通って排出される。この種類の粒子トラップは、「閉じた」粒子フィルタとして公知である。これらは、発生する粒子の大きさの範囲全体にわたって約95%の有効性を達成する。
【0004】
高い熱負荷容量および著しく低い圧力損失を呈する別の種類の粒子トラップが、未公開のドイツ公報DE 101 53 283から集められ得る。この公報には、「開いた」フィルタシステムとして示される粒子トラップが記載される。このような開いたシステムにおいては、フィルタダクトを構造上相互に閉じる必要がない。ダクト壁は、少なくとも部分的に多孔質または高多孔質の材料を含む。開いたフィルタのフローダクトは偏向または案内構造を有し、これにより、中に粒子を含む排気ガスを多孔質または高多孔質の材料からなる領域に向ける。粒子フィルタは、粒子、特に、フィルタにかけて除去されるべき実際の粒子よりもかなり大きな粒子でさえも、基本的に完全にそこを通り抜ける場合、開いているよう指定される。結果として、このようなフィルタは、粒子の凝集がある場合でも動作中に詰まるおそれはない。粒子フィルタの開放性を測定するのに好適な方法は、たとえば、球状の粒子がなおもこのようなフィルタから少しずつ流れ出得るまでの直径を確かめるテストである。この応用例においては、フィルタは、特に0.1mm以上の直径を有する球体、好ましくは0.2mmよりも大きな直径を有する球体が依然として少しずつ流れ出得る場合、開いている。
【0005】
用いられる粒子トラップの種類にかかわらず、自動車の排気システムにおける粒子フィルタの確実で、そして可能であれば完全な再生が保証されなければならない。粒子トラップのこのような再生が必要とされるのは、スルーフローを有するダクト壁において粒子の
蓄積が増大することにより圧力損失が絶えず上昇し、これがエンジン出力に悪影響を及ぼすからである。再生は、煤粒子がガス状成分に変換されるように、粒子トラップまたはその中に蓄積した粒子の本質的に短い加熱を含む。
【0006】
この種類の粒子トラップは、予め、たとえばオーム抵抗加熱によって直接加熱された。付着した煤粒子を別個のバーナによって変換することも知られている。粒子フィルタを再生するための次の装置は、このような粒子トラップの上流で還元剤が供給され、これにより、最終的に、粒子トラップに付着した煤粒子の化学変換がもたらされる点において識別される。この文脈においては、本質的に2つの異なるシステム、すなわち不連続的および連続的な再生が前面に押出される。
【0007】
フィルタを連続的に再生するためのシステムはCRT(連続再生トラップ(Continuation Regeneration Trap))と称され、たとえばUS 4,902,487に記載される。このようなシステムにおいては、粒子は、二酸化窒素(NO2)と接触させることによって起こる酸化によって200℃を超える温度で変換される。この目的のために必要な二酸化窒素は、しばしば、フィルタの上流に配置される酸化触媒コンバータによって生成される。しかしながら、この場合、ディーゼル燃料を用いる自動車での応用例に関して、所望の二酸化窒素に変換され得る一酸化窒素(NO)の不十分な留分だけが排気ガス中に存在するという問題が生じる。このため、これまで排気システムにおいて粒子トラップの連続的な再生を確実に行なうことが出来なかった。したがって、フィルタの連続的な再生を可能にする尿素または同様の還元剤を排気システムに供給することもしばしば一般的なことである。このようなシステムには、技術的な面において費用が高いといった不利点と、別個の消費機器または動作機器を自動車に搭載しなければならないといった事実とがある。
【0008】
粒子トラップを不連続的に再生する場合、不飽和炭化水素または未燃炭化水素(HC)が供給される酸化触媒コンバータが粒子トラップの前にあることが公知である。不飽和炭化水素が酸化触媒コンバータと接触すると、特に発熱反応を引起し、これにより、排気ガスの温度が著しく上昇することになる。この場合、粒子トラップに蓄積された粒子の凝集物を変換することのできる範囲の温度に到達する。この場合、しばしば、600℃を超える温度に到達する必要がある。この場合、還元剤の供給は別個に行なわれてもよいが、未燃燃料留分が酸化触媒コンバータに当るように内燃機関から直接排気ガスラインに投入されることも公知である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
初めに概略が述べられた、内燃機関のコールドスタート直後でも排気ガスの触媒変換を引起こしたいという要望は、容量が小さい(たとえば、内燃機関の排気量の20%未満である)ことと、当該機関に近接していることとによって識別される始動触媒コンバータを用いて実現され得る。この場合、始動触媒コンバータから著しい間隔をおいて配置された下流の粒子トラップにおいて再生を引起すこととなる不飽和炭化水素の供給がもはや不可能になるといった技術的な問題が生じる。還元剤として作用する燃料が始動触媒コンバータに当り、発熱反応を引起すこととなる。粒子トラップが始動触媒コンバータから非常に遠く離れて配置されるか、または、排気ガス浄化のための付加的な構成要素が始動触媒コンバータと粒子トラップとの間に配置されるので、必要とされる温度上昇が粒子トラップにはもたらされない。
【0010】
したがって、この発明の目的は、概略が述べられた技術的な問題をなくすことであり、特に、始動触媒コンバータと粒子トラップとの間における長い距離が排気ガスによってカバーされなければならないか、または、変換された特定の排気ガス成分を含む温度に敏感な構成要素が始動触媒コンバータと粒子トラップとの間に配置される場合でも、粒子トラ
ップの不連続な再生が確実にされ得るように、粒子トラップを再生するための排気システムおよび方法を特定することである。さらに、排気システムは単純な構造を有するべきであり、再生は単純に実行できなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらの目的は、請求項1の特徴を有する排気システムと、請求項11の特徴を有する、粒子トラップを再生するための方法とによって達成される。さらなる有利な改善例がそれぞれ従属請求項に記載される。そこに示される展開例は、この場合、いかなる適切な方法で互いに組合されてもよい。
【0012】
汚染物質を含むガス流を浄化するための排気システムは、排気システムを通るガス流の流れの方向に、少なくとも還元剤を供給するための手段、第1の触媒コンバータおよび粒子トラップを含み、少なくとも1つのさらなる排気ガス浄化構成要素および/または第1の触媒コンバータと粒子トラップとの間における少なくとも0.5mの距離が設けられている。この発明に従うと、ミキサおよび第2の触媒コンバータは粒子トラップのすぐ前にある。
【0013】
ここで用いられる用語を説明するために、その意味が以下において個々により詳細に説明される。「ガス流の流れの方向」という語はガス流の方向を意味するものと理解されるべきであるが、その流れは内燃機関から排気管または出口に向かい大気中に進むものとする。この文脈においては、流れの主な方向を意味しており、すなわち、特に局所的な流れの乱れなどは無視されたままである。排気システムを通る流れの方向における個々の手段の配置は、ガス流が、最初に、還元剤を供給するための手段に接触し、次に第1の触媒コンバータに接触し、最後に粒子トラップに接触することを意味する。これによって影響を受けないままであるのは、ガス流が、これらの個々の構成要素間において、排気システムのさらなる構成要素、たとえばさらなる吸収器、排気ガスラインなどと接触することである。さらに、「少なくとも」列挙された装置が設けられるという言及はまた、当該装置が直接的または間接的に一列に複合的に配置され得ることを含む。
【0014】
「触媒コンバータ」という語は、触媒的に活性な材料のための多数の公知のキャリア体を意味するものと理解されるべきである。この文脈においては、キャリア体は主に金属および/またはセラミックで構成され得る。金属触媒コンバータキャリア体に関して言えば、公知のとおり、少なくとも部分的に構造化されたシート金属箔が、流体が中を流れ得るダクトが形成されるように互いに巻付けられる。押出によって金属製のキャリア体を作り出すことも公知である。さらに、押出および焼結作業によって同様にハニカム形状を得るセラミックのキャリア体が公知である。このようなハニカム形状は特に有利であることが分かっている。というのも、これにより、ガス流と密に接触することになる特に大きな面が設けられるからである。
【0015】
「粒子トラップ」という語は、交互に閉じられたダクトを備えた典型的なフィルタシステムと、上述の「開いた」フィルタシステムとの両方を意味する。
【0016】
「排気ガス浄化構成要素」という語は、排気ガスを処理するための多数のさまざまな構成要素、特にハニカム体、ウォータートラップ、加熱要素、消音器、吸収器、貯蔵装置などについての一般用語である。
【0017】
第1の触媒コンバータと粒子トラップとの間の「距離」という語は、特に、ガス流の流路に沿った間隔を意味するものと理解されるべきである。これは、この目的のために、最短経路に沿って第1の触媒コンバータと粒子トラップとを接続する排気ガスラインに沿った距離が決定されるべきであることを意味する。
【0018】
この開示の意味の範囲内にある「ミキサ」は、部分ガス流の渦巻きまたは著しい流れの歪みをもたらす装置を説明する。特に、歪められた部分ガス流の留分は50%を上回り、特に80%であり、好ましくは95%を上回る。この場合、部分排気ガス流が歪められずに互いに対して本質的に平行であるが、少なくとも部分的に互いの方に移動し、このため混合されることが特に有利である。DE 199 38 840に記載される種類の混合要素は、ここでは一例として言及され得る。当然、他のすべての公知のミキサがまた、上述の基準を満たす限り用いられてもよい。
【0019】
第2の触媒コンバータに関して、これもまた、第1の触媒コンバータに関して記載されたような種類の排気ガス処理構成要素であることが指摘され得る。しかしながら、この第2の触媒コンバータは始動触媒コンバータとしては設計されず、すなわち、エンジン近傍には配置されない。
【0020】
この発明に従った排気システムにより、当該方法に関して以下により詳細に説明されるように、粒子トラップを再生するための還元剤として燃料を用いることができる。当該燃料は、本質的に完全な発熱反応なしに第1の触媒コンバータを通って流れる。次いで、この燃料/ガス混合物は、所望の発熱反応が第2の触媒コンバータで起こり、粒子トラップの再生に必要な温度の上昇をもたらすように混合によって処理される。この発明の本質的な局面は、排気ガス流の一部または部分体積流量に濃縮された再生に必要な燃料が第1の触媒コンバータを通って誘導され、このため、触媒変換に必要な酸素が、同伴する燃料の著しい留分のために十分に利用できなくなることである。こうして、高い燃料含有量を含む部分ガス流の端部領域でしか、触媒的に促進された反応が起こらないが、付加的に噴射された燃料の大部分が、変換されずに第1の触媒コンバータを通って流れる。
【0021】
次いで、ミキサは、燃料が濃縮されたこの部分ガス流が、正確にはディーゼルエンジンの場合には特に希薄であり、すなわち酸素を豊富に含む残りの排気ガスと混合されるという影響を及ぼす。この混合作用の結果として、高い燃料含有量を有する部分ガス流の溶解が起こり、このため、燃料が、排気ガス流で細かく分散されて下流の粒子トラップの方に流れる。これに関して、混合された排気ガス流が、第2の触媒コンバータに向かう途中で(非酸化作用を有する)さらなる排気ガス浄化構成要素を流れるか否かはあまり重要ではない。混合された排気ガス流は、最終的には、触媒活性面を有する第2の触媒コンバータに当り、排気ガスの変換/燃料分散を引起す。
【0022】
この第2の触媒コンバータが粒子トラップのすぐ前にある(かまたは直前にある、すなわち、その間にさらなる排気ガス浄化構成要素が配置されない)ので、温度上昇が、発熱反応のために粒子トラップに直接伝わる。これにより、粒子トラップの完全な再生が確実となる。この場合、第2の触媒コンバータおよび粒子トラップが、排気ガスが粒子トラップに可能な限り大量のエネルギを排出できるように相対的に配置されることが特に有利である。これは、たとえば、触媒コンバータと粒子トラップとの間にほんのわずかな間隔しかなく、特にこの間隔が10cm未満、特に5cm未満、好ましくは2cm未満になるという点で確実にされ得る。この場合、当該間隔は、排気ガスが第2の触媒コンバータから排出された後、粒子トラップに入るまで覆う距離を表わす。特に、第2の触媒コンバータと粒子トラップとの間の排気ガスラインが熱絶縁されるか、またはフラップ、案内板、プローブなど、もしくは他の湾曲した部分などの付加的な構造部品を備えない場合、有利である。
【0023】
この発明のさらなる改善例に従うと、当該ミキサはターボチャージャである。正確には、直接噴射の原理で動作する最新のディーゼルエンジンに関して言えば、吸気を圧縮するために排気ガスターボチャージャを用いることが適切であることが判明した。吸気のため
のこのような圧縮器は、ターボチャージャを流れる排気ガスによって動作する。排気ガスはターボチャージャを通って流れるとき、ターボチャージャがミキサに関して上記に説明された基準を完全に満たすように顕著な渦巻きを被る。すなわち、たとえば第1の触媒コンバータの後にターボチャージャが1つだけ続き、次に第2の触媒コンバータおよび粒子トラップが続く。正確には排気ガス浄化構成要素またはターボチャージャのこのような構成においては、以下に記載される方法が有利である。というのも、当該方法により、好ましくは始動触媒コンバータとして設計される第1の触媒コンバータが排気ガス中にこのような高温を発生させて、すぐ後に続くターボチャージャに損傷を与えることが防止されるからである。こうして、ターボチャージャに許容性のある温度で排気ガスを誘導することが可能となり、その後、第2の触媒コンバータによって、排気ガスを、粒子トラップの再生が確実となるような温度に加熱することが可能となる。
【0024】
排気システムのさらなる改善例に従うと、還元剤を供給するための手段は、自動車の内燃機関の燃焼空間に燃料を供給するための少なくとも1つの噴射ノズルを含む。これは、特に、内燃機関に燃料を供給するよう意図された唯一または複数の噴射ノズルが、粒子トラップの再生のために還元剤を供給するのに用いられることを意味する。すなわち、少なくとも1つの噴射ノズルが内燃機関のシリンダに燃料を噴射し、本質的には未燃の当該燃料がシリンダから出てきて、第1の触媒コンバータ(および、適切な場合ターボチャージャ)を通り、最終的に、第2の触媒コンバータとの接触によってのみ当該燃料を変換するための発熱反応が起こる。これにより、特に単純な構造をもつ排気システムを備えることが可能となり、最終的に、還元剤を投入するための付加的なラインまたはノズルなどが省かれてもよい。
【0025】
さらに、内燃機関の出口ダクトに燃料を投入できるように噴射ノズルが配置されることが提案される。この場合、この目的のためにさらなる手段が適宜必要であることが当業者には明らかである。こうして、噴射ノズルが、通常、内燃機関のシリンダ中の燃料/空気混合物の特に良好な圧縮または燃焼挙動が確実にされるように方向付けられることが留意されなければならない。燃料が確実に出口ダクトに到達するようにするために、適切な場合、所定の位置にピストンまたはバルブを備えることが必要である。
【0026】
たとえば、シリンダまたは燃焼空間に変更を加える必要のない排気システムの容易に後付け可能な実施例を達成するために、内燃機関および/または排気システムの出口ダクトに、または当該出口ダクト上に少なくとも1つの別個の供給ラインを設けることが提案される。これが意味するのは、たとえば、燃料供給部からエンジンへの付加的なラインが設けられ、燃焼空間またはエンジンシリンダと第1の触媒コンバータとの間の排気ガス流に燃料が供給されることである。この文脈においては、これが、特に高濃度の燃料を含む比較的狭く制限された部分ガス流を生成するように行なわれることに留意しなければならない。これは、発熱反応を実行するのに必要な酸素が置換され、燃料含有量が高い部分ガス流が、さほど化学変換を被らずに第1の触媒コンバータと、適切な場合、次の構成要素との両方を通って流れることを確実にする。
【0027】
さらなる改善例に従うと、還元剤の間欠的な供給が実行できるように、還元剤を供給するための手段を還元剤溜めと制御ユニットとに接続することが提案される。還元剤溜めに関して、別個の容器または貯蔵空間が設けられてもよいが、これをそのまま燃料タンクにすることも可能である。制御ユニットは、必要に応じて、噴射ノズルまたは他のノズルにおける開口時間または行き渡っている圧力を調整または制御する作業を引き受ける。これは、特に、内燃機関内のシリンダのピストン位置または出口バルブ位置の機能として行なわれるべきである。
【0028】
さらに、第1の触媒コンバータが、ガス流に含まれる少なくとも1つの汚染物質の酸化
を促進する第1の接触面を有することが有利である。すなわち、特に不飽和炭化水素は、第1の触媒コンバータによってより害の少ない成分に変換される。この点には常に特定の公共の利益があるので、第2の触媒コンバータも、ガス流に含まれる少なくとも1つの汚染物質の酸化を促進する第2の接触面を有することが提案される。この場合、ある状況下では、第1の触媒コンバータおよび第2の触媒コンバータがともに、接触面上または当該接触面に同じ触媒的に活性な材料を有することが可能である。これは、ここに提案される装置と同じぐらい驚くべきことであるか、または、以下に説明される方法により、還元剤が一方では同じ被膜を通過するが他方では排気ガスの温度の著しい上昇の結果として発熱反応によって変換されることが確実にされる。
【0029】
排気システムのさらなる改善例に従うと、第2の触媒コンバータおよび粒子トラップは構造ユニットを形成する。これは、特に、第2の触媒コンバータと粒子トラップとの接続が、それらを囲む排気ガスラインによってのみなされるわけではないことを意味する。したがって、たとえば、第2の触媒コンバータおよび粒子トラップを、排気ガスラインと接触する共通のケーシングチューブに配置することができる。しかしながら、第2の触媒コンバータおよび粒子トラップを円周にわたって互いに接続するだけでなく、適切な場合、端面、たとえばピン、シート金属箔などによって接触させることも可能である。さらに、たとえば、構造ユニットに関して、第2の触媒コンバータに生成される熱エネルギが粒子トラップにほぼ完全に排出されるように円周方向に作用する断熱をもたらすこともできる。
【0030】
排気システムのさらなる有利な改善例に従うと、第2の触媒コンバータおよび粒子トラップはともに、流体がそこを通って流れることのできる本体を形成し、当該本体は、流れの方向に、まず触媒活性被膜と、次に粒子を付着させるための手段とを含む。すなわち、たとえば、第2の触媒コンバータおよび粒子トラップは同じキャリア体で作り出される。すなわち、たとえば、概してセラミック材料またはシート金属によって形成されるダクト壁は、第2の触媒コンバータおよび粒子トラップの流れの方向に一緒に全長にわたって延在する。キャリア体自体の再分割は必要ではない。しかしながら、クリアランス、変形、材料蓄積などが本体またはダクト壁の部分において部分的に達成される可能性があり、このため、当該本体の部分は、一方では触媒コンバータ、他方では粒子トラップのそれぞれの機能に適合される。しかしながら、基本的に、キャリア体または本体のこれらの部分を異なる被膜によって(のみ、または付加的に)互いから識別することが可能である。この場合、第2の触媒コンバータを構成する部分と、粒子トラップを形成する部分との重なり領域も存在し得る。
【0031】
この発明のさらなる局面に従うと、排気システムに配置される粒子トラップを再生するための方法が提案される。当該排気システムは(ガス流の流れの方向に見られるように)少なくとも1つの第1の触媒コンバータ、1つのターボチャージャ、1つの第2の触媒コンバータおよび粒子トラップを有する。この場合、還元剤は、粒子トラップを再生するプロセスを実行するために、ターボチャージャの下流で排気システムに投入される。この目的のために、還元剤は、部分ガス流が第1の触媒コンバータを通って流れるとき、発熱反応が全く起こらないかまたはごくわずかしか起こらないような濃度で排気システムの部分ガス流に供給される。依然として高い燃料含有量を含むこの部分ガス流が次にターボチャージャに導かれ、内燃機関の他のシリンダからの部分排気ガス流と特に集中的に混合される。他のシリンダからのこれらの部分排気ガス流は本質的に特に希薄な(酸素が豊富な)混合物を構成するので、依然として高い燃料留分を有する部分ガス流には酸素が豊富になる。この結果、その後、部分ガス流が酸化触媒コンバータに当ると、所望の発熱反応が起こることとなる。この場合に開放される熱エネルギは、次の粒子トラップに付着した煤粒子を燃焼させるのに用いられる。これにより、粒子トラップの流れ抵抗の増大につながる(排気ガスが粒子トラップを通る際の)流路の詰まりを防ぐ。粒子トラップにわたる排気
ガス流の結果として生じる圧力低下がエンジン出力に悪影響を及ぼすが、これは、この明細書中に記載される方法においては確実に回避される。
【0032】
この場合、還元剤の供給が間欠的に行なわれることが特に有利である。これは、特に還元剤の供給が少なくとも1つの噴射ノズルによって行なわれ、燃料が自動車の内燃機関の燃焼空間に投入される場合に適用される。この文脈においてはディーゼルエンジンが特に前面に押出される。
【0033】
当該方法のさらに有利な改善例に従うと、燃焼空間への燃料のその後の噴射は、燃料の未燃部分体積流量が内燃機関の出口ダクトに流れ込むように行なわれる。「その後の」という語は、この意味では、噴射ノズルがシリンダにおけるピストンの作業サイクル中に2つの異なる時点で燃料を噴射することを意味する。第1の時点では、自己点火または燃焼に必要な燃料の量がシリンダの燃焼空間に噴射され、圧縮され燃焼される。ピストンの上方運動の間、燃焼中に発生した排気ガスが開いた出口バルブを通って出口ダクトに排出され、さらに、排気ガスラインに排出される。この時点で、すなわち、特に燃焼空間における燃焼の終了後、予め決定可能または計算可能な量の燃料(または別の還元剤)が噴射バルブを介して燃焼空間に投入され、排出された排気ガス部分流とともに、または当該排気ガス部分流の後に出口ダクトまたは排気ガスラインを通って流れる。
【0034】
各々が燃焼空間を備えている複数のシリンダを備えた内燃機関においては、シリンダへの還元剤の噴射が交互に行なわれることが特に有用である。これは、一方では、個々のシリンダが各々連続した還元剤の噴射を行なうという事実を含むが、個々のシリンダがバイパスされ、個々の噴射ノズルが複合的に次々に還元剤の噴射を行ない、かつ/または、シリンダに関する予め厳密に定められた交互の配置が実行されない可能性もある。後者は、それぞれのシリンダへの噴射が、内燃機関または排気システムの動作状態を反映する検出された測定値の関数として行なわれる場合、特にそうである。一方では、これにより、還元剤の噴射後に個々のシリンダに残る可能性のある残りの量の燃料が、確実に、繰返して燃やされる。したがって、すべてのシリンダにおいては燃焼が均一となる。
【0035】
当該方法のさらなる改善例に従うと、還元剤を噴射するためのトリガ時点は、粒子トラップの機能を特徴付ける検出されたおよび/または計算されたパラメータの関数として決定される。これは、粒子トラップの機能を監視する手段(センサ、プローブなど)が設けられることを意味する。好適な測定値は、この場合、粒子トラップにわたる圧力低下、粒子トラップにおける温度、粒子トラップから出てきた後の排気ガス中の少なくとも1つの汚染物質の濃度などである。圧力低下が、たとえば所定の限界値に達すると、これが再生サイクルのトリガの指標として用いられ得る。この場合、ある状況下では、エンジン付近に噴出された燃料の量が粒子トラップに到達するために必要とする期間を考慮に入れることも必要である。これは、粒子トラップにおける温度の上昇が、後者がたとえばエンジン出力に検出可能な悪影響を及ぼす前にもたらされるように行なわれなければならない。
【0036】
当該方法のさらなる改善例に従うと、還元剤の噴射位置は、排気システムの部分領域におけるガス流の温度を特徴付ける検出されたおよび/または計算されたパラメータの関数として選択される。これは、たとえば、複数のシリンダの噴射ノズルが、排気システムおよび/または内燃機関のガス流の特定の温度の関数として選択されることを意味する。たとえば、シリンダ中の残りの量の燃料が、その後、次の燃焼中に熱負荷の増大を招く場合、所定の限界温度に達した時に他の噴射ノズルだけを介して還元剤を噴射することが有利であるだろう。ある状況下では、排気ガスラインにおける流路の構成によって、当該流れは、いずれの場合も、噴射位置の関数としてより広範囲に排気ガス浄化構成要素のさまざまな領域に到達することも可能である。このため、特に、排気ガス流の温度がこれらの領域において熱負荷として表わされる。ここでも、排気ガス処理構成要素の機能を確実にす
るよう適合され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
この発明は、添付の図面に関連して以下により詳細に説明される。この文脈においては、添付の図面が概略的に示された特に好ましい具体的な実施例を示すことが説明され得るが、この発明はそれには限定され得ない。
【0038】
図1は、汚染物質3のガス流2を浄化するための排気システム1を概略的に示す斜視図である。この排気システム1は、当該排気システム1を通るガス流2の流れ4の方向に、少なくとも1つの第1の触媒コンバータ5、1つのミキサ6、1つの第2の触媒コンバータ7および粒子トラップ8を含む。さらに、還元剤を供給するための手段が設けられる。当該手段はミキサ6の上流だけに配置される、この場合、好ましくは乗用車のためのディーゼルエンジンである内燃機関12においては、燃料10は、さまざまなシリンダ24の燃焼空間11に噴射される。この燃料10は極めて圧縮された吸気で燃やされ、その後、排気ガスライン26を介して周囲に排出される。
【0039】
内燃機関12のすぐ近くに、特に70cm未満の間隔で、複数の第1の触媒コンバータ5が設けられるが、いずれの場合も、第1の触媒コンバータ5は排気マニホールドの管に一体化される。図示された実施例においては、還元剤23が、ここではターボチャージャとして設計されるミキサ6の上流で、別個の供給ライン14を介して排気ガス流に供給される。還元剤23はミキサ6またはターボチャージャを通って流れ、その後、第2の触媒コンバータ7に当る。この第2の触媒コンバータ7は円錐形の構成を有し、排気ガスライン26の広がり部に配置される。第2の触媒コンバータのすぐ後ろに、粒子トラップ8が、好ましくは5cm未満の間隔44を空けて位置決めされる。粒子トラップの後に、公知の種類の構造を持つ三方触媒コンバータ27が続く。第1の触媒コンバータ5と粒子トラップ8との間に、少なくとも0.5m、好ましくは1mを超える距離43が存在する。この場合、43で示される矢印は単に概略的なものと理解されるべきであり、実際の距離43は、ガス流2が粒子トラップ8に入るまで、第1の触媒コンバータ5の出口からのガス流2の流路によって決定される。
【0040】
図2は、たとえば直接噴射ディーゼル内燃機関において遭遇するような燃焼空間11を、明らかに縮尺を変えて概略的に示す。シリンダ24はピストン32を含む。当該シリンダ24および当該ピストン32は、排気量とも呼ばれる燃焼空間11の範囲を少なくとも部分的に定める。さらに、内燃機関12のエンジンブロックには噴射ノズル9が配置されており、当該噴射ノズル9は燃料タンク15および制御ユニット16の両方に接続される。噴射ノズル9の仕事は、必要に応じて、予め規定されたかまたは予め定められた量の燃料10を燃焼空間11に噴射することであり、その後、当該燃料10が極めて圧縮された吸気によって点火される。燃料/空気混合物の点火によりガス混合物が膨張することとなり、その結果として、ピストン32が下方に押される。燃焼後、バルブ33が上方に動かされ、燃焼空間11にある排気ガスが、出口ダクト13を通って流れ4の方向に排出される。図示の形態では、出口バルブ33が閉じられ、このため、噴射ノズル9が、実際の燃焼または発電に必要とされる所要の量の燃料10を細かく分散させて噴射する。
【0041】
図3は、還元剤としての燃料の次の噴射を詳細図によって概略的に示す。ここでも、燃焼空間11の範囲を定めるシリンダ24およびピストン32が概略的に示される。ここに示される断片においては、バルブ33は、排気ガス流が燃焼空間11から出口ダクト13に流れ込み得る位置にある。これは、ピストン32が上方に動くという点で引起される。次いで、粒子トラップを低減させるのに必要な所要の量の燃料が噴射ノズル9によって燃焼空間に噴射される。この燃料10は、可能であれば、「油っこいディスク(fatty disk)」のようなものが発生するように排気ガスダクト13に投入される。これは、好ましく
は、特に高濃度の炭化水素を含む部分体積流量25を意味する。酸素の枯渇がこの部分体積流量に広まる。これは、希薄燃焼のためにディーゼル排気ガスには通常発生しない状態である。図3における拡大詳細図は、ガス流2または排気ガス流が、流れ4の方向に出口ダクト13を通って広がる汚染物質3および粒子22を含むことを概略的に示す。汚染物質3および粒子22が蓄積している示された部分領域においては、触媒反応のために比較的高濃度の酸素が供給されるのに対して、部分体積流量25において遭遇するべき酸素分子または留分は、実質的には無いかまたは50%を著しく下回り、好ましくは30%未満となる。これにより、この部分体積流量25が、下流に配置されたターボチャージャに損傷を及ぼす可能性のある既に高い発熱反応を引起さずに第1の触媒コンバータ5を通って流れることを確実にする。
【0042】
図4は、たとえば排気マニホールドの管において用いる場合に遭遇するような第1の触媒コンバータ5の実施例を概略的に示す斜視図である。第1の触媒コンバータ5はハウジング31を含み、このハウジング31においては、ガス流2がそこを流れ得るダクト29が形成されるように複数のシート金属箔28が配置される。こうして、体積が小さいにもかかわらず、比較的大きな第1の接触面17が形成される。シート金属箔28は部分的に構造化され、互いに対して本質的に平行に通うダクトが形成されるように配置される。ハウジング31の内部では、滑らかで波形のシート金属箔28が最初に積重ねられ、次に、S字型(またはインボリュート形)に巻かれ、ハウジング31内に導入されるという点で、ある種のハニカム体が形成される。シート金属箔28をハウジング31に固定するかまたはシート金属箔28を互いに締結するために、はんだ付け技術が主に用いられる。
【0043】
図5は、構造ユニット19をともに形成する第2の触媒コンバータ7および粒子トラップ8の具体的な実施例を概略的に示す斜視図である。構造ユニット19はまた、第2の触媒コンバータ7および粒子トラップ8が共通のケーシングチューブ34に配置されるという点で区別される。図示される変形例においては、第2の触媒コンバータ7および粒子トラップ8は複数のシート金属箔28を含む本体20によって形成される。当該複数のシート金属箔28は、流体がその中を通って流れ得るダクト29が形成されるように少なくとも部分的に構造化されている。これはまた、たとえば、原則として、特別に設計された金属製のハニカム体が、その構造の一般形態が既知であるが、このような構造ユニット19として用いられ得ることを意味する。
【0044】
中でも、金属製のハニカム体の構造をもつ2つの典型的な形状の区別が付けられる。DE 29 02 776 A1において典型的な例が示されている初期の形態の構造は、図5にも示されるように本質的に滑らかで波形のシート金属層(ply)が互いの上に重ねられ、螺旋状に巻かれている螺旋形の構造である。別の形態の構造においては、ハニカム体は、非常に多数の交互に配置された滑らかで波形の、または異なる波形のシート金属層から構成されており、当該シート金属層は、まず、互いに一緒に渦巻状に巻かれた1つ以上の積重ねを形成する。この場合、すべてのシート金属層の端部が外側に位置し、ハウジングまたはケーシングチューブに接続され得、こうして、ハニカム体の耐久力を向上させる多くの接続部をもたらし得る。これらの形態の構造をもつ典型的な例がEP 0 245 737 B1またはWO 90/03220に記載される。流れに影響を及ぼすためおよび/または個々のフローダクト間における相互の混合を達成するために、シート金属層に付加的な構造を備えることも長い間公知であった。このような実施例の典型的な例はWO 91/01178、WO 91/01807およびWO 90/08249である。最終的には、円錐形の構造をしたハニカム体も存在するが、適切な場合、流れに影響を及ぼすためのさらなる付加的な構造を備える。このようなハニカム体が、たとえばWO 97/49905に記載される。さらに、ハニカム体においては、特にラムダプローブに対応するためにセンサのためのクリアランスを無い状態にしておくことも公知である。この例はDE 88 16 154 U1に記載される。
【0045】
図5の左側に示されるガス注入口側では、本体20は触媒活性被膜21を有する。この触媒活性被膜21が、触媒被膜21によって部分的に形成される第2の接触面18とともに、大量の還元剤の有効な変換を確実にし、本体20全体またはその中にある排気ガスをたとえば600℃を超える温度にまで著しく上げる熱エネルギが生成される。ここに示されるシート金属箔28は、0.02〜0.11mmの範囲の厚さ35を持つ。
【0046】
図6は、たとえば、図5に示される構造ユニット19に存在し得るような粒子トラップ8の実施例を示す。シート金属箔はここでは波形層36と称される。というのも、この波形層36は、排気ガス流における固体成分を遮断するための付加的な構造を備えるからである。しかしながら、原則として、シート金属箔29は同時に波形層36であってもよい。図6の矢印は流れ4の方向を表わし、粒子22を含む排気ガスが辿り得る流路を示す。少なくとも、粒子トラップ8を構成する本体20の部分領域においては、繊維層37が波形層36のすぐ近傍に配置され、上記繊維層は粒子22を吸収するための孔38を有する。波形層36は非常に多数のダクト29を形成し、これにより、排気ガスが自由に粒子トラップ20を通って流れることが可能となる(「開いたフィルタ」原理)。流れに影響を及ぼすために、波形層36は、オリフィス39によって少なくとも部分的に範囲が定められた案内面40を有する。隣接するダクト29は、隣接するダクト29における部分ガス流の交換が可能となるように当該オリフィス39によって互いに接続される。案内面40は安定点41および渦巻き点42を形成し、これら安定点41および渦巻き点42により、再生が起こるまで、粒子22が、一方では繊維層37の方向に反らされ、他方では部分領域において集まり得ることが確実となる。
【0047】
ここに記載される装置またはここで説明される方法により、さらなる構造要素または排気ガス浄化構成要素が粒子トラップまたはそのすぐ前に位置決めされた酸化触媒コンバータに向かう燃料の流路に位置決めされた場合でも、簡単な手段によって、燃料による粒子フィルタの確実な再生が可能となる。提案された方法は、排気ガスターボチャージャを有する排気システムと正確に関連付けられると特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】排気システムの構造を概略的に示す図である。
【図2】直接噴射ディーゼル内燃機関の構造を概略的に示す図である。
【図3】還元剤のその後の噴射を概略的に示す図である。
【図4】第1の触媒コンバータの具体的な実施例を示す図である。
【図5】第2の触媒コンバータおよび粒子トラップからなる構造ユニットに関する具体的な実施例を示す図である。
【図6】図5に示されるような粒子トラップの詳細を概略的に示す斜視図である。
【符号の説明】
【0049】
1 排気システム、2 ガス流、3 汚染物質、4 流れの方向、5 第1の触媒コンバータ、6 ミキサ、7 第2の触媒コンバータ、8 粒子トラップ、9 噴射ノズル、10 燃料、11 燃焼空間、12 内燃機関、13 出口ダクト、14 供給ライン、15 還元剤溜め、16 制御ユニット、17 第1の接触面、18 第2の接触面、19 構造ユニット、20 本体、21 被膜、22 粒子、23 還元剤、24 シリンダ、25 部分体積流量、26 排気ガスライン、27 三方触媒コンバータ、28 シート金属箔、29 ダクト、30 カラー、31 ハウジング、32 ピストン、33 バルブ、34 ケーシングチューブ、35 厚さ、36 波形層、37 繊維層、38 孔、39 オリフィス、40 案内面、41 安定点、42 渦巻き点、43 距離、44 間隔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染物質(3)を有するガス流(2)を浄化するための排気システム(1)であって、前記排気システム(1)を通る前記ガス流(2)の流れ(4)の方向に、少なくとも還元剤を供給するための手段、第1の触媒コンバータ(5)および粒子トラップ(8)を含み、少なくとも1つのさらなる排気ガス浄化構成要素および/または前記第1の触媒コンバータ(5)と前記粒子トラップ(8)との間における少なくとも0.5メートルの距離が設けられ、ミキサ(6)および第2の触媒コンバータ(7)が前記粒子トラップ(8)のすぐ前にあることを特徴とする、排気システム(1)。
【請求項2】
前記ミキサ(6)がターボチャージャであることを特徴とする、請求項1に記載の排気システム(1)。
【請求項3】
前記還元剤を供給するための前記手段は、自動車の内燃機関(12)の燃焼空間(11)に燃料(10)を供給するための少なくとも1つの噴射ノズル(9)であることを特徴とする、請求項1または2に記載の排気システム(1)。
【請求項4】
前記噴射ノズル(9)は、前記燃料(10)が前記内燃機関(12)の出口ダクト(13)に投入され得るように配置されることを特徴とする、請求項3に記載の排気システム(1)。
【請求項5】
前記内燃機関(12)および/または前記排気システム(1)の出口ダクト(13)への少なくとも1つの別個の供給ライン(14)が設けられることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の排気システム(1)。
【請求項6】
還元剤を供給するための前記手段は、還元剤の間欠的な供給が実行され得るように、還元剤溜め(15)および制御ユニット(16)に接続されることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の排気システム(1)。
【請求項7】
前記第1の触媒コンバータ(5)は、前記ガス流(2)に含まれる少なくとも1つの汚染物質(3)の酸化を促進する第1の接触面(17)を有することを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の排気システム(1)。
【請求項8】
前記第2の触媒コンバータ(7)は、前記ガス流(2)に含まれる少なくとも1つの汚染物質(3)の酸化を促進する第2の接触面(18)を有することを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の排気システム(1)。
【請求項9】
前記第2の触媒コンバータ(7)および前記粒子トラップ(8)は構造ユニット(9)を構成することを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の排気ガスシステム(1)。
【請求項10】
前記第2の触媒コンバータ(7)および前記粒子トラップ(8)は、流体がそこを通って流れることのできる本体(20)によって形成され、前記本体(20)は、流れ(4)の方向に、まず触媒活性被膜(21)を有し、次に粒子(22)を付着させるための手段を有することを特徴とする、請求項9に記載の排気システム(1)。
【請求項11】
排気システム(1)に配置される粒子トラップ(8)を再生するための方法であって、前記排気システム(1)は、ガス流(2)の流れ(4)の方向に、少なくとも1つの第1の触媒コンバータ(5)、1つのターボチャージャ、1つの第2の触媒コンバータ(7)および前記粒子トラップ(8)を有し、前記方法では、還元剤(23)が、前記粒子トラ
ップ(8)を再生するプロセスを実行するために、前記ターボチャージャの下流で前記排気システム(1)に投入される、方法。
【請求項12】
還元剤の供給は間欠的に行なわれる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記還元剤の供給は少なくとも1つの噴射ノズル(9)によって行なわれ、燃料(10)が自動車の内燃機関(12)の燃焼空間(11)に投入される、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記燃焼空間(11)への前記燃料(10)のその後の噴射は、前記燃料(10)の未燃部分体積流量(25)が前記内燃機関(12)の出口ダクト(13)に入るように行なわれる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記内燃機関(12)は、各々が燃焼空間(23)を備えた複数のシリンダ(24)を有し、前記シリンダ(24)への前記還元剤の噴射は交互に行なわれる、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記還元剤を噴射するためのトリガ時点は、前記粒子トラップ(8)の機能を特徴付ける検出されたおよび/または計算されたパラメータの関数として行なわれる、請求項11から15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記還元剤の噴射の位置は、前記排気システム(1)の部分領域における前記ガス流(2)の温度を特徴付ける検出されたおよび/または計算されたパラメータの関数として選択される、請求項11から16のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−526102(P2006−526102A)
【公表日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505324(P2006−505324)
【出願日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004543
【国際公開番号】WO2004/099578
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(594174493)エミテク・ゲゼルシャフト・フュール・エミシオーンテクノロギー・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (27)
【Fターム(参考)】