説明

紫外光の傷害作用からの高効率皮膚保護を備える組成物

【課題】紫外放射によって誘発される傷害から皮膚を保護するための局所性抗酸化組成物を得る。
【解決手段】本組成物は、上皮細胞の細胞生存率を上げる第1成分(例えば、ベータグルカンやブドウ種子抽出物)、及びそれらの細胞における、炎症媒体、例えば、プロスタグランジンの生産を下げる第2成分とを含む。ある特定実施態様においては、組成物は、ベータグルカンを、パンテノール、ブドウ種子抽出物、ビタミンC、及びスーパーオキシドジスムターゼと併合して含み、これらの物質は、紫外放射の有害作用から皮膚を保護することにおいて共同作用を発揮する。もう一つの実施態様では、同組成物はさらにビタミンAとビタミンEを含む。さらにもう一つの実施態様では、同組成物は1個以上の抗酸化剤と日光遮蔽剤の結合体を乳剤として、例えば、油中水滴(W/O)乳剤として含むが、同乳剤は、紫外放射の有害作用に対して優れた皮膚保護作用を与える。この抗酸化剤組成物は、日光遮蔽製剤、石鹸、保湿ローション、皮膚整調剤、及びその他のスキンケア製剤に含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒト皮膚、特に有害な紫外線に曝露される皮膚の保護及び処置のための局所性抗酸化剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
日光の紫外線(UV)波長は日焼け(発赤)及び水疱(浮腫)を招くことがある。紫外光に対する曝露はさらに、中等度の線量では、皮膚に乾いた及び張った感じを、更に高い線量に曝された場合、皮膚の剥離を引き起こすことがある。これら急性のか、又は短期の作用はすぐに感知することができる。しかし、光誘発性免疫抑制、デオキシリボ核酸(DNA)の架橋反応、日焼け細胞の形成、及びランゲルハンス細胞の消失のように、それほどすぐには認識できない、より一層微妙な急性作用もある。皮膚癌、及び年齢より早い皮膚の老化のように、更に重大な長期の作用が起こることがある。
【0003】
日光遮蔽製剤は、皮膚を、紫外線曝露の有害作用のいくつかから保護することが知られている。これらの製剤は、紫外光の有害波長が皮膚に届く前に、それらを吸収する分子を含む。吸収された光は、熱に変換され、速やかに皮膚と環境に拡散され、それによって、この分子は、低エネルギー状態に復帰し、続いて別の光子を吸収する。このようにして、日光遮蔽剤は、比較的短期間に紫外光の多数の光子を吸収することが可能である。光の有害波長を吸収することによって、日光遮蔽製剤は紫外光により生じる急性及び慢性作用の多くを予防する。
【0004】
しかし、日光遮蔽製剤はその作用様式において完全ではない。どんな単一の日光遮蔽剤でも、皮膚を打つ有害波長の全てを吸収することはできない。高度日光保護係数(SPF)処方は、この問題に、複数の日光遮蔽剤を併用して処方に含ませることによって対処する。しかし、複数の日光遮蔽剤を併用したとしても、これらの製剤は、特に、比較的長い紫外線波長からの完全な保護を与えない。これらの比較的長い波長は、一般に紫外光曝露による急性の傷害作用の多くをすぐには誘導しないが、最近の研究は、これらの波長が皮膚において遊離基を生じさせ得ることを指摘している。これらの遊離基は、一般に紫外光曝露と結び付けられる年齢より早い皮膚の老化の原因かもしれない。
【0005】
皮膚は、ROS(反応性酸素種)の発生に対して防衛機構を持っている。それらの防衛には、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオントランスフェラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ及びグルタチオンレダクダーゼのような酵素、並びにトコフェロール、ユビキノン、ユビキノール、アスコルビン酸およびデヒドロアスコルビン酸のような抗酸化剤が包含される。残念なことに、皮膚に侵入する紫外光はこれらの防衛システムを簡単に圧倒し得るので、皮膚におけるスーパーオキシドジスムターゼ及びグルタチオントランスフェラーゼの量は、日光近似紫外光による照射により著しく減弱する。これらの還元酵素の消失と同時に、皮膚の中で細胞膜に存在するリノール酸塩から形成される共役二重結合の飛躍的な増加がある。さらに、皮膚において存在するチオバルビツル酸反応物質の増加があり、これはROSから形成される分子の集合体を表わす。プロスタグランジンは、皮膚傷害によって生成されると考えられる炎症の媒体であり、またROSは、プロスタグランジン及び日焼け細胞の形成を促進する条件を創成するかもしれない。
【0006】
日光遮蔽剤の効果はSPF値として表わされる。SPF値は、日光シミュレータを用いて、日光遮蔽剤で保護された皮膚上に最小の発赤反応(日焼け)を生じさせるのに必要な放射時間の、保護されていない皮膚における同じ最小の発赤反応(日焼け)を生じさせるのに必要な放射時間に対する比と認められる。この試験は、日光遮蔽剤含有製剤のための提案書(Proposed Monograph for Sunscreen Containing Drug Products、以後、提案書と称する)に記載の手順による臨床条件下に行われ、米国官報(U.S. Federal Register)第43巻、1978年8月25日号、第2部、第38206-38269頁において米国食品薬品局(FDA)によって刊行されており、これを参考として組み込む。本明細書で用いる用語“SPF”すなわち日光保護係数は、提案書の定義に従って規定される。この同じ刊行物はまた、日光遮蔽製剤が、防水性か、耐水性か、及び防汗性かを定めるのに必要な臨床試験手順をも記載する。
【0007】
表示のSPF値は、一般に、2と50の間に存在すると認められる。これは、50を超えるSPF値が従来の処方技術では実現不可能ということを意味するのではない。しかし、このように高いSPF値を実現するのに必要とされる日光遮蔽剤の量は、通常、現在の処方技術の下ではコスト的に許されない。“防水性”の表示を満たすのに必要な日光遮蔽剤の濃度は特に高く、いくつかの薬剤が防水組成物のためにSPFを測定する試験において洗い落とされるからである。
【0008】
防水製剤は、80分間の時間、水泳をシミュレートする条件下で水に曝露した後にその表示のSPF値を示すものである。耐水製剤も同様に定義されるが、この場合は、40分の水曝露に耐えなければならない。防汗性の公称のためには別の試験があるが、提案書は、防水性又は耐水性基準を合格した製剤には、防汗性の公称を帯びることを許している。
【0009】
今日の市場で販売されている最も普通の日光遮蔽製剤は、トリエタノールアミンで中和したステアリン酸を含む水中油型乳剤である。このような乳剤のSPF値は2から50の範囲にあるが、一般に、これらは日光遮蔽剤としてメトキシケイ皮酸エチルヘキシルを含む。これらの処方のSPFが増加するにつれて、それらは、通常、前述のメトキシケイ皮酸エチルヘキシルに加えて、サリチル酸エチルヘキシル、ホモサレート、オクトクリレン及び・又は(及び/又は)オキシベンゾンを含む。或いは又、パヂメートOをメトキシケイ皮酸エチルヘキシルや前述のサリチル酸塩の代わりに用いることもできる。ジオキシベンゾン、アボベンゾン又はメンチルアントラニレートを、オキシベンゾンの代わりに用いることもできる。その製剤が皮膚に対し実効的(即ち、防水性又は耐水性)であると公称しないなら、トロラミンサリチレート又はDEAメトキシシナメートを、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、サリチル酸エチルヘキシル又はホモサレートの代わりに(又は併用して)用いることもできる。さらに、スリソベンゾンを、そのような非実効的処方においてオキシベンゾンの代わりに用いてもよい。提案書は、望ましい製剤SPFを実現するために、個々にか、又は組み合わせて用いることができる21種の活性成分を挙げている。
【0010】
乳剤(ローション及び/又はクリーム)処方に加え、日焼け止め製剤は、油、スティック、ゲル、軟膏及びペーストのようなほとんど任意の形態で見出し得る。これら製剤形態のSPFは、用いる日光遮蔽剤、処方でのそれら遮蔽剤の濃度、及び含量並びに処方中の何らかの揮発性成分(水、アルコール及び揮発性油のようなもの)の種類及び量にも依存する。
【0011】
今日市場で販売される最も人気の高い日光遮蔽製剤は、15以上のSPFを示す、TEAステアレート系の水中油型ローション処方である。SPF15処方の多くは、約7.5%のメトキシケイ皮酸エチルヘキシルと4.0%オキシベンゾンを含む。これらSPF15処方を上手に改良することによって、また、その日光遮蔽混合物に約5.0%のオクチルサリチレートを加えることによって、SPF値を約30の値に増すことが可能である。8.0%のオクトクリレンの添加を含む改良をさらに加えることによって、最大50のSPF値の実現が可能である。
【0012】
Goldschmidt Chemical Company(ゴールドシュミット・ケミカル社)由来の乳化剤技術は、シリコン乳化剤を用いる。この乳化剤は、油中水型ローション製剤を処方するのに用いることが可能である。この乳化剤の一例がAbil(アビル)EM 90である。これは、セチルジメチコンコポリオールを含む非揮発性シリコン油である。この乳化剤のもう一つの例はAbil WE 09である。これは、ポリグレセリル-4-イソステアレート、セチルジメチコンコポリオール及びラウリン酸ヘキシルを含む非揮発性シリコン油である。これら乳化剤の化学構造は、米国特許第5,482,714号に開示されており、この特許を引用することによって本出願に含めるが、同特許は、皮膚保護性乳剤におけるこの乳化剤の使用法を記載している。
【0013】
米国特許第5,447,715号は、揮発性シリコン油を用いて、非水溶液性防水日光遮蔽組成物のSPF値を向上させることが可能であるが、そのような非水溶液性製剤は、水溶液性乳剤を処方するには不適であることを開示している。
ビタミン類が、抗酸化性を持つことが従来から報告されている。抗酸化剤とは、遊離基によって生成される炎症媒介物の生化学的直列連鎖反応をブロックすることのできる物質である。日光遮蔽組成物において、ビタミンA又はE又はその誘導体を含む組成物が、米国特許第4,454,112、5,532,805、及び5,378,461号明細書に開示されている。皮膚保護剤組成物において、ビタミンCをビタミンA、E、B及び他の薬剤と併用する使用法が、米国特許第4,938,960号に記載されている。皮膚を、有害な紫外線に対して保護すると言われる抗酸化剤製剤が、米国特許5,607,921号に開示されているが、これは、ビタミンCを、ビタミンAとE、及び単糖又はアミド前駆物質と併用して含む。パンテノール及び他の薬剤を含む日光遮蔽組成物が、米国特許第RE33,845、5,505,935、5,445,823、及び5,573,754号に開示されている。紫外線の作用から保護するために皮膚に外用塗布される時のスーパーオキシドジスムターゼの抗酸化作用も、米国特許5,601,806号に記載されている。
【特許文献1】特開平8-333219号公報
【特許文献2】特開平8-231364号公報
【特許文献3】特開平7-304644号公報
【特許文献4】特開平7-330538号公報
【特許文献5】特開平6-336419号公報
【特許文献6】特願平10-121574号(特開平11-190号)
【特許文献7】特願平10-524300号(特表2000-504349号)
【特許文献8】特願平10-541656号(特表2002-512604号)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
有害な紫外線からの皮膚の保護における近年の進歩にも拘わらず、この放射作用からの皮膚癌及び皮膚損傷の蔓延は、緩和することなく継続している。環境汚染によるオゾン層の部分の消失が、露出した肌に達する周囲紫外線の増大を招いたと信じられている。日光傷害を予防し得る多くの皮膚保護製剤は、頻繁な使用を控えさせる受け入れ難い匂い又は質感を持っており、また、現在入手可能な皮膚保護剤の多くは、皮膚を、これらの多くの傷害機構から十分に保護していない。したがって、紫外線の有害作用を打ち消すよう、ヒト及び動物の皮膚に局所的に塗布され得る、商業上許容可能な、優れた製剤についての重要な公衆衛生上の需要がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(発明の概要)
本発明は、新規の抗酸化剤、又は皮膚におけるプロスタグランジンの生産を抹消することによって日光の誘発による皮膚傷害及び炎症を低減する薬剤を含む治療上のか、又は化粧上の組成物を与える。この組成物は、優れた治療上のか、又は美容上の効果を持つ。ある実施態様は、保護的処方の中に極端な濃度の日光遮蔽剤を含むことを要せずに、紫外光の有害作用からのより一層の保護を与える。
【0016】
本発明は、紫外線によって誘導される皮膚傷害を抑制するための組成物及び方法を含み、これは、ベータグルカン又はブドウ種子抽出物を紫外線の傷害作用から皮膚を保護するのに十分な量で含有する抗酸化剤組成物を皮膚に局所的に適用することによる。開示する態様では、組成物は、パンテノール、ベータグルカン、ブドウ種子抽出物、ビタミンC(及びリン酸アスコルビルマグネシウム、アスコルビルパルミテート等のような、その類縁体)、及びスーパーオキシドジスムターゼを含み、これらは、協調して、細胞生存率を高め、及び紫外線に曝された皮膚における炎症性のプロスタグランジンPGE2の生産を低下させるように作用する。組成物は更にビタミンA(レチノール及びレチニルパルミテートのようなその類縁体)及びビタミンE(トコフェロール及びトコフェリルアセテートのようなその類縁体)を含み、これらは、協調して、皮膚において抗酸化剤として作用する。さらに、それに加わる態様は、油中水滴(W/O、油中水型)乳剤のような乳剤中の1種以上の抗酸化剤及び日光遮蔽剤の混合物が、紫外線曝露によって引き起こされる有害作用に対する皮膚の予期し得ない優れた保護を発揮するという驚くべき所見を利用する。
【0017】
本発明は以下の技術に関する。
(1)紫外線によって誘発される皮膚傷害を抑制する方法であって、紫外放射に対する曝露によって引き起こされる皮膚傷害を抑制するのに十分な量のベータグルカンを含む組成物を、皮膚に、局所的に塗布する工程を備える方法。
(2)(1)の方法であって、前記組成物は更にパンテノール、ブドウ種子抽出物、ビタミンC及びスーパーオキシドジスムターゼを含む方法。
(3)(1)の方法であって、前記組成物は更にビタミンAとビタミンEを含む方法。
(4)(1)の方法であって、前記組成物は少なくとも約0.005%のベータグルカンを含む方法。
(5)(4)の方法であって、前記組成物は約0.005-5%のベータグルカンを含む方法。
(6)(2)の方法であって、前記組成物は、少なくとも約0.005%のパンテノール、0.00001%のブドウ種子抽出物、0.0001%のビタミンC、及び0.0001%のスーパーオキシドジスムターゼを含む方法。
(7)(6)の方法であって、前記組成物は、約0.005-5%のパンテノール、0.00001-1%のブドウ種子抽出物、0.0001-3%のビタミンC、及び0.0001-1%のスーパーオキシドジスムターゼを含む方法。
(8)(7)の方法であって、前記組成物は更に、少なくとも約0.0005%のビタミンA、及び少なくとも0.05%のビタミンEを含む方法。
(9)(8)の方法であって、前記組成物は約0.0005-0.5000%のビタミンA、及び0.0500-30%のビタミンEを含む方法。
(10)(1)の方法であって、更に、紫外放射に対する曝露の前に皮膚に、1種以上の日光遮蔽剤と1種以上の抗酸化剤から成る混合物を適用する工程を含む方法であって、前記混合物は、更に同混合物のSPF(日光保護係数)を強化するポリオルガノシロキサン乳化剤を含む方法。
(11)(1)の方法であって、前記組成物が同組成物のSPFを強化する乳剤として供給される方法。
(12)(2)の方法であって、前記組成物が同組成物のSPFを強化する乳剤として供給される方法。
(13)(3)の方法であって、前記組成物が同組成物のSPFを強化する乳剤として供給される方法。
(14)上記の方法であって、前記組成物が同組成物のSPFを強化する乳剤として供給されることを特徴とする方法。
(15)(1)の方法であって、前記乳剤はポリオルガノシロキサン乳剤である方法。
(16)紫外線によって引き起こされる皮膚傷害を低減するための局所性組成物であって、ベータグルカンの、局所に適用するときに皮膚傷害を低減するのに十分な量、及び紫外線によって引き起こされる皮膚傷害を低減する少なくとも1種の他の皮膚保護剤の、局所に適用するときに紫外線によって引き起こされる皮膚傷害を低減するのに十分な量を含み、他の皮膚保護剤が、パンテノール、ブドウ種子抽出物、ビタミンC及びスーパーオキシドジスムターゼからなる群より選ばれる、組成物。
(17)組成物が、更にビタミンA及びビタミンEの一方又は双方からなる群より選ばれる抗酸化剤の、局所に適用するときに皮膚における反応性酸素種を低減するのに十分な量を含む、(16)記載の組成物。
(18)組成物が、重量によっておよそ:0.005-5%のベータグルカン、0.005-5%のパンテノール、0.00001-1%のブドウ種子抽出物、0.0001-3%のビタミンC、及び0.0001-1%のスーパーオキシドジスムターゼを含む、(16)記載の組成物。
(19)組成物が、重量によっておよそ:0.0005-0.5000%のビタミンA及び0.0500-30%のビタミンEを含む、(16)記載の組成物。
(20)組成物が、更に重量によって少なくともおよそ0.0005%のビタミンA、及び少なくともおよそ0.01%のビタミンEを含む、(16)記載の組成物。
(21)ビタミンCがリン酸アスコルビルマグネシウムの形態である、(16)記載の組成物。
(22)ビタミンAがビタミンAパルミテートの形態であり、及びビタミンEがビタミンEアセテートの形態である、(19)記載の組成物。
(23)さらに、日焼け止め剤、及び乳化剤の、組成物のSPFを高めるのに十分な量を含む、(17)記載の組成物。
(24)乳化剤が油中水型ポリオルガノシロキサン乳化剤である、(23)記載の組成物。
(25)組成物が、更に脂溶性成分及び水溶性成分を含む抗酸化剤;日焼け止め剤;及び日光保護組成物を与えるのに十分な量の抗酸化剤及び日焼け止め剤を乳化する乳化剤を含む、(16)記載の組成物。
(26)紫外線からの傷害に対して皮膚を保護するための局所性組成物であって:ベータグルカン、パンテノール、ブドウ種子抽出物、ビタミンC及びスーパーオキシドジスムターゼの、組成物が適用され、紫外線に曝される皮膚での細胞生存率を増加させ及びPGE2(プロスタグランジンE2)の生産を減少させるのに十分な量を含む、組成物。
(27)さらに、ビタミンA及びビタミンEの、局所に適用するときに皮膚に抗酸化作用を及ぼすのに十分な量を含む、(26)記載の組成物。
(28)(26)記載の組成物であって、重量によっておよそ:0.005-5%のベータグルカン;0.005-5%のパンテノール;0.00001-1%のブドウ種子抽出物;0.0001-3%のビタミンC;及び0.0001-1%のスーパーオキシドジスムターゼを含む、組成物。
(29)(26)記載の組成物であって、重量によって少なくともおよそ:0.005%のベータグルカン;0.005%のパンテノール;0.00001%のブドウ種子抽出物;0.0001%のビタミンC;及び0.0001%のスーパーオキシドジスムターゼを含む、組成物。
(30)さらに、重量によって、少なくともおよそ0.0005%のビタミンA、及び少なくともおよそ0.05%のビタミンEを含む、(29)記載の組成物。
(31)さらに、重量によっておよそ:0.0005-0.5000%のビタミンA;及び0.0100-30%のビタミンEを含む、(30)記載の組成物。
(32)水性のか又は非水性の溶液、懸濁物、油中水型又は水中油型乳剤としてある、(16)記載の組成物。
(33)皮膚整調組成物、保湿性ローション、日焼け止め剤組成物、皮膚洗浄剤又は他の皮膚処置組成物としてある、(16)記載の組成物。
(34)局所性抗酸化剤組成物であって、上皮細胞の細胞生存率を増加させる第1成分、及びPGE2の生産を減少させる第2成分を含む、組成物。
(35)組成物であって:脂溶性成分及び水溶性成分を含む抗酸化剤;日焼け止め剤;及び日光保護組成物を与えるのに十分な量の抗酸化剤及び日焼け止め剤を乳化させる乳化剤を含む、組成物。
(36)乳化剤が、組成物のSPFを高めるポリオルガノシロキサン乳化剤である、(35)記載の組成物。
(37)組成物が、日焼け止め剤において低レベルの日光遮蔽剤を含み、及び抗酸化剤が、抗酸化剤の混合物を、油中水型ポリオルガノシロキサン乳剤において含む、(35)記載の組成物。
(38)日焼け止め剤が:メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、DEAメトキシシナメート、パヂメートO、サリチル酸エチルヘキシル、ホモサレート、TEAサリチレート、オキシベンゾン、ジオキシベンゾン、スリソベンゾン、アボベンゾン、オクトクリレン、二酸化チタン、酸化亜鉛及びメンチルアントラニレートからなる群より選ばれる1種又はそれよりも多い種類の薬剤を含む、(35)記載の組成物。
(39)日焼け止め剤が、オキシベンゾン、ジオキシベンゾン、スリソベンゾン、アボベンゾン及び酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種のUVA(紫外線A)日光遮蔽剤、及びメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、DEAメトキシシナメート、パヂメートO、サリチル酸エチルヘキシル、ホモサレート、TEAサリチレート、オトクリレン及び二酸化チタンからなる群より選ばれる少なくとも1種のUVB(紫外線B)日光遮蔽剤を含む、(35)記載の組成物。
(40)日焼け止め剤が、少なくともオキシベンゾンと、少なくとも1種のメトキシケイ皮酸エチルヘキシル及びサリチル酸オクチルとを含む、(35)記載の組成物。
(41)抗酸化剤の脂溶性成分が、ビタミンA及びビタミンEの一方又は双方を含む、(35)記載の組成物。
(42)抗酸化剤の水溶性成分が、リン酸アスコルビルマグネシウム、DLパンテノール、ベータグルカン、ブドウ種子抽出物及びスーパーオキシドジスムターゼからなる群より選ばれる1種又はそれよりも多い種類の抗酸化剤を含む、(35)記載の組成物。
(43)抗酸化剤が、ビタミンA及びビタミンE又はそれらのエステル類、リン酸アスコルビルマグネシウム、DLパンテノール、ベータグルカン、ブドウ種子抽出物及びスーパーオキシドジスムターゼの混合物を含む、(35)記載の組成物。
(44)組成物が、少なくとも50重量%水であり、及び乳化剤がセチルジメチコンコポリオールを含有する1-12重量%の乳化系を含み、及び日光遮蔽剤及び抗酸化剤が、組成物のSPFを約15よりも高い値に維持するのに十分な量で存在する、(35)記載の組成物。
(45)別々に試験される抗酸化剤及び日焼け止め剤成分のSPF値の合計が、まとめて試験される日焼け止め剤成分のSPF値の約70%以下である、(35)記載の組成物。
(46)紫外線の有害作用から皮膚を保護する処方のSPF値を改良するにあたり、1種又はそれよりも多い種類の脂溶性抗酸化剤と、1種又はそれよりも多い種類の水溶性抗酸化剤及び1種又はそれよりも多い種類の日光遮蔽剤とを、有機ポリシロキサン乳化剤の存在下に組み合わせる工程を含み、処方が、抗酸化剤及び日光遮蔽剤のそれぞれのSPF値の合計よりも高くなるまで処方のSPF値を高めるのに十分な量で存在する、抗酸化剤、日光遮蔽剤及び乳化剤を持つ、SPF値改良方法。
(47)紫外線保護性組成物であって、重量によって、ビタミンA及びビタミンCを含有する0.0002-4%の脂溶性日焼け止め剤成分;ビタミンC、ベータグルカン、ブドウ種子抽出物、及びスーパーオキシドジスムターゼを含有する0.004-5%の水溶性日焼け止め剤成分;乳化剤;及び実質的に金属酸化物を含まない12%未満の非粒状日光遮蔽剤を含有する日焼け止め剤成分を含む、組成物。
(48)乳化剤がポリアルキルシロキサンを含む、(47)記載の組成物。
(49)乳化剤が、更に脂肪アルコールを含む、(40)記載の組成物。
(50)乳化剤が、ポリグリセリル-4-イソステアレート、セチルジメチコンコポリオール、及びラウリン酸ヘキシルを含む、(47)記載の組成物。
(51)組成物であって、重量によって:
【表1】

を含み、
一次乳化剤がセチルジメチコンコポリオールを含む、組成物。
(52)(51)記載の組成物であって、重量によって、およそ、
【表2】

又は、
【表3】

を含み、
一次乳化剤が、更にポリグリセリル-4-イソステアレート及びラウリン酸ヘキシルを含む、組成物。
(52)(51)記載の組成物であって、一次乳化剤が、ポリグリセリル-4-イソステアレート、セチルジメチコンコポリオール及びラウリン酸ヘキシルを含む、組成物。
(53)組成物であって:
(a)
【表4】

又は(b)
【表5】

又は(c)
【表6】

又は(d)
【表7】

又は(e)
【表8】

又は(f)
【表9】

又は(g)
【表10】

を含む、組成物。
(55)皮膚用日焼け止め製剤であって:
【表11】

を含む、日焼け止め製剤。
(56)(54)記載のいずれかの組成物であって、更に、日光遮蔽剤、及び組成物のSPFを増加させるポリオルガノシロキサンの油中水型乳剤を含む、組成物。
【0018】
特定の態様において、組成物は、少なくとも0.005%のベータグルカン、0.005%のパンテノール、0.00001%のブドウ種子抽出物、0.0001%のビタミンC、及び0.0001%のスーパーオキシドジスムターゼを含む。例えば、組成物は、0.005-5.00%のベータグルカン、0.005-5.00%のパンテノール、0.00001-1.00%のブドウ種子抽出物、0.0001-3.00%のビタミンC、及び0.0001-1.0000%のスーパーオキシドジスムターゼを含んでよい。さらに、組成物は、少なくとも0.0005%のビタミンA、及び少なくとも0.05%のビタミンE、例えば、0.0005-0.50%のビタミンA、及び0.05-30.00%のビタミンEを含んでいてよい。本明細書において、すべての成分割合は重量比で与えられる。
【0019】
さらに具体的な態様では、局所性組成物は、ベータグルカン及び/又はブドウ種子抽出物の、紫外線曝露の前又は後に局所的に適用するとき、皮膚における細胞生存率を改善するのに十分な量、及び紫外光によって引き起こされる皮膚傷害を低減する、少なくとも1種の別の皮膚保護剤を含む。ベータグルカンを選ぶ場合、皮膚保護剤は、1種以上の、パンテノール、ブドウ種子抽出物、ビタミンC、スーパーオキシドジスムターゼ、ビタミンA又はビタミンEから成る群より選ばれ、局所的に適用するときの皮膚で、PGE2の生産を減少させ、細胞生存率を増加させるのに十分な量でよい。ビタミンCは、リン酸アスコルビルマグネシウムの形態であってもよいし、一方、ビタミンAは、ビタミンAパルミテートの形態でよく、及びビタミンEは、ビタミンEアセテートの形態であってよい。
【0020】
本発明は更に、油中水滴(W/O、油中水型)乳剤のような、乳剤中の抗酸化剤及び日焼け止め剤の混合物が、紫外線曝露によって誘発される有害作用に対する皮膚の予期し得ない優れた保護を発揮するという驚くべき所見を利用する。したがって、この抗酸化剤組成物の、もう一つの態様は、抗酸化剤、日焼け止め剤、及び組成物の日光保護係数(SPF)を高めるのに十分な量の不揮発性乳化剤(有機ポリシロキサンのようなもので、例えば、アルキルジメチコン乳化剤のような、ポリシロキサンポリアルキルポリエーテル・コポリマーを含む、アルキルポリシロキサン)を含む(又は実質的にこれらから成る)。組成物は、例えば、低濃度(レベル)の日光遮蔽剤(又は薬剤群)を抗酸化剤の混合物と組み合わせて、油中水型の有機ポリシロキサン及びポリグリセロール脂肪酸エステル乳剤中に含んでいてもよい。
【0021】
特定の態様においては、日焼け止め剤は、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、DEAメトキシシナメート、パヂメートO、サリチル酸エチルヘキシル、ホモサレート、TEAサリチレート、オキシベンゾン、ジオキシベンゾン、スリソベンゾン、アボベンゾン、オクトクリレン、二酸化チタン、酸化亜鉛又はメチルアントラニレートからなる群より選ばれる1種又はそれよりも多い種類の薬剤成分を含む。他の態様では、日焼け止め剤は、オキシベンゾン、ジオキシベンゾン、スリソベンゾン、アボベンゾン又は酸化亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種のUVA日光遮蔽剤、及びメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、DEAメトキシシナメート、パヂメートO、サリチル酸エチルヘキシル、ホモサレート、TEAサリチレート、オクトクリレン又は二酸化チタンからなる群より選ばれる少なくとも1種のUVB日光遮蔽剤を含む。他の具体的な態様では、日焼け止め剤は、少なくともオキシベンゾンと、少なくとも1種のメトキシケイ皮酸エチルヘキシル及びオクチルサリチレートとを含む。組成物中の抗酸化剤は、1種以上の前述の個々の抗酸化剤の混合物を含んでいてよい。
【0022】
特定の態様では、組成物は、乳剤の形態における日光保護調製物であって、組成物は少なくとも50%が水であり、及び乳化剤はセチルジメチコンコポリオールを含む乳化系を1-12%含み、及び日光遮蔽剤及び抗酸化剤が、組成物のSPFを約15、又は30さえも又はそれよりも大きい値よりも高い値で維持するのに十分なほどの量として存在する。特定の態様では、別々に試験する抗酸化剤及び日焼け止め剤成分のSPF値の合計は、一緒に試験する日焼け止め剤成分のSPF値の約70%以下(例えば、50%又は60%以下)である。
【0023】
本発明は更に、ビタミンA及びビタミンCを含む約0.0002-4%の脂溶性抗酸化組成物、ビタミンC、ベータグルカン、ブドウ種子抽出物、及びスーパーオキシドジスムターゼを含む約0.004-5%の水溶性成分、約12%未満の日光遮蔽剤を含む日焼け止め剤成分、及び乳化剤を含有する、紫外線保護組成物を包含する。組成物の特定の態様においては、乳化剤はポリアルキルシロキサンであり、及び更にラウリン酸ヘキシル及びポリグリセリルイソステアレートのような、エステルを含んでいてもよい。
【0024】
本発明は更に、紫外線の有害作用から皮膚を保護する処方のSPF値を改善する方法を包含し、それは、1種以上の抗酸化剤と1種以上の日光遮蔽剤とを、油中水型乳剤、例えば、有機ポリシロキサン乳化剤のような乳化剤の、処方のSPF値を抗酸化剤及び日光遮蔽剤単独のSPF値の合計よりも高くまでに(例えば、少なくとも10%、20%、又は40%さえ超えるまで)高めるのに十分な存在の下で、組み合わせることによる。本発明は更に、紫外線の作用から皮膚を保護するための方法をも包含し、これは、紫外線曝露の前に、皮膚に、1種以上の日光遮蔽剤及び1種以上の抗酸化剤の乳剤を適用することによる。
【0025】
しかし、本発明の組成物は、水性のか、又は非水性の溶液、懸濁物又は乳剤(油中水型又は水中油型)のような、多くの形態において供給されてもよい。組成物は、皮膚整調組成物、保湿ローション、日焼け止め剤組成物、皮膚洗浄剤、又は任意の他の皮膚処置組成物であってもよい。組成物は更に、紫外線の有害な作用に対して皮膚を保護するための方法において用いることができ、これは、皮膚におけるPGE2の生産を低減するか、又は細胞生存率を改善するのに有効な量の組成物を皮膚に局所的に適用することによる。組成物は、日光への曝露の前又は後に塗布してよいが、好ましくは、日光曝露の前に、例えば、日光曝露の直前に塗布する。
本発明の前記及び他の目的、特質、及び利点は、いくつかの態様の下記の詳細な説明によってより一層明白になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(詳細な記載)
本組成物における抗酸化剤の併用は、紫外光曝露の傷害性作用に対し、個々の抗酸化剤から得られるものよりも予想外に優れた保護を提供する。さらに、本発明は、1種以上の抗酸化剤及び日光遮蔽剤の混合物が、油中水型乳剤において相乗的に組み合され、紫外線の有害作用に対して予期し得ない優れた皮膚保護作用を与えるという驚くべき所見を利用する。
【0027】
下記の実施例に開示する態様のいくつかにおいて、抗酸化剤の混合物は、単独で試験される個々の抗酸化剤のいずれのものよりも優れた抗酸化活性を呈することが示される。特定の態様においては、更に、抗酸化剤のこの相乗的組合せは、油中水型乳剤処方にも組み込まれ得、その処方は、処方の中に存在する低濃度の日光遮蔽剤から予想されるSPF値を遥かに超えるSPF値を呈することが示される。この油中水型乳剤系における抗酸化剤、及び低濃度日光遮蔽剤の特定の組合せはSPF値で測定されるように予想外に相乗的である。
【0028】
処方に採用される日光遮蔽剤は、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル及びオキシベンゾンのように、いくつかの従来処方に用いるものと同じ組合せである。しかし、これらの日光遮蔽剤のレベルは、より一層慣習的な水中油型日焼け止め製剤処方のものよりも際立って低い。さらに、本技法によって扱われる処方に用いられる抗酸化剤の組合せは独特である。抗酸化剤の組合せには、ベータグルカン、ビタミンEアセテート、ビタミンAパルミテート及びリン酸アスコルビルマグネシウム(安定化ビタミンC)、パンテノール、ブドウ種子抽出物及びスーパーオキシドジスムターゼの混合物が包含される。この抗酸化剤の組合せが皮膚に対して持つ作用は、その遊離基除去活性、及び日光遮蔽剤と組み合わせるときの乳剤の低いSPFにより測定されるように、新しくて、予想外である。
【0029】
本明細書で用いるように、“抗酸化剤”は、反応性酸素種によって惹起される炎症性生化学的段階反応を低減する化合物である。抗酸化剤には、例えば、ビタミンC及びビタミンE(及び、それらのエステル)、リン酸アスコルビルマグネシウム、パンテノール、ベータグルカン、ブドウ種子抽出物、スーパーオキシドジスムターゼ、及びこれら個々の抗酸化剤薬剤の1種以上の混合物が包含される。
【0030】
“非揮発性”シロキサンには、少なくとも約200°Fの引火点を持つ有機ポリシロキサンが包含される。したがって、ABIL WE09(255°Fの引火点を持つもの)のようなセチルジメチコンポリオールは非揮発性シロキサンである。“シロキサン”は、直鎖の化合物で(パラフィン炭化水素に類似する)、酸素に結合したケイ素原子を含むが、各ケイ素原子が4個の酸素原子と結合するように配置される。
【化1】

【0031】
“シリコン”又は“ポリオルガノシロキサン”は、例えば、Remington(レミントン):「The Science and Practice of Pharmacy(調剤の科学と実技)」、第19版、第867-868頁に記載されるように、及び下記に示すように、酸素及びケイ素原子が交互に繰り返す鎖で、各ケイ素原子に付着する、メチル又はフェニルであることが多い、有機置換基を有する。
【化2】

【0032】
特定の態様においては、乳化剤は非揮発性シリコン油、例えば、ポリシロキサンポリアルキルポリエーテル・コポリマーで、コポリオール類という名でも知られ、10,000から50,000の分子量を持ち、それらは、例えば、参考として本明細書に組み込む、米国特許第5,746,945号、及び次の
【化3】

(式中、R′基は、それぞれ、-H及びC1-18アルキルから選ばれ、R″は、[CH2CH2O]a[CH2(CH2)CHO]bHであって、ここに、aは9から115、bは0から50、xは133-673で、yは0.25から25である。)に開示してある。特定の態様では、aは14、bは13、xは249で、yは1.25である。
【0033】
乳化剤にはまた、米国特許出願第5,659,523号に開示され、これを参考として組み込むもののような、アルキル−及びアルコキシ−ジメチコンコポリオール類から選ばれるジメチコンが包含される。特に好ましいコポリオールは、T.H. GoldschmidtからAbil EM-90、又はAbil WE-90(これも、ポログリセリル-4-イソステアレート及びラウリン酸ヘキシルを含む)として入手し得るセチルジメチコンコポリオールである。
【0034】
“水性”の用語は、組成物が実質的に非含水性ではないことを意味する。乳剤は、少なくとも2種の互いに混じり合わない液相を含む分散系である。水が分散相であり、油が分散媒体である乳剤は“油中水型”乳剤である。“水性乳剤”は水をその相の1種として含む乳剤を指す。
【0035】
“日光遮蔽剤”は、(例えば)提案書に記載する方法で測定されるように、有効量において、紫外線への曝露を阻止することによって皮膚発赤の量を低減させる薬剤である。日光遮蔽剤は、UV-B型紫外放射又はUV-A型紫外線のいずれか、又は双方に対して保護し得る。特に開示する態様では、日光遮蔽剤は、有害な紫外線を効率的に吸収する芳香族化合物(オキシベンゾン及びケイ皮酸誘導体のようなもの)で、ZnO又はTiO2、又は組成物中の抗酸化剤の安定性において有害作用を持つことがある他の金属酸化物のような粒状日焼け止め剤を実質的に含まない。組成物の特定の態様はまた、安定性に有害作用を持ち得る銅又は鉄をも排除する。
【0036】
典型的に好適なUV-B型日光遮蔽剤には、置換パラアミノベンゾエート、例えば、N.J.(ニュージャージー州)07109、Belleville(ベルビル)所在のVan Dyk(バンダイク)& Co. Inc.(社)から、商品名Escalol(エスカロール)507の下で入手可能で、通常、約0から8重量%までの範囲(例えば1.5から8重量%まで)で存在するオクチルジメチルPABA;パラメトキシシナメートのアルキルエステル、例えば、N.J.07104、Clifton(クリフトン)所在のGivaudan Corp.(ギバウダン社)から、商品名Parasol(パラソル) MCXの下で入手可能で、通常、約0から7.5重量%まで(例えば、1.5から7.5重量%まで)の範囲で存在するオクチルパラメトキシシナメート;サリチル酸の一定のエステル、例えば、通常、約0から15重量%まで(例えば、4から15重量%まで)の範囲で存在するホモメンチルサリチレート又は通常、約0から5重量%まで(例えば、3から5重量%まで)の範囲で存在するオクチルサリチレートが包含される。(すべての重量%は総日焼け止め剤組成物の重量割合である。)
【0037】
典型的に適切なUV-A型日光遮蔽剤には、ベンゾフェノン-3で、組成物中に通常、約0から6%までの範囲(例えば、0.5から6%まで)で存在し、及びN.J.07470、Wayne(ウェーン)所在のAmerican Cyanamid Co.(アメリカン・サイアナミッド社)から商品名Spectra-Sorb(スペクトラ・ソルブ)UV-9の下で入手可能なもの;ベンゾフェノン-8で、組成物中に通常、0から3重量%までの範囲(例えば、0.5から3重量%まで)で存在し、及びAmerican Cyanamid Co.から、商品名Spectra-Sorb UV-24の下で入手可能なもの;及びメンチルアントラニレートで、組成物中に通常、約0から5重量%まで(例えば、3.5から5重量%まで)の範囲で存在し、及びHaarmann and Reimer(ハールマン・アンド・ライマー)(N.J.)から商品名Sunarome(サンアロメ) UVAの下で入手可能なものが包含される。
【0038】
本発明の組成物は好ましくは、少なくとも1種のUV-B型日光遮蔽剤及び少なくとも1種のUV-A型日光遮蔽剤を含む。本発明の組成物は更に、香料、防腐剤、染料、軟化剤、物理的反射剤及び他の抗酸化剤、並びにその存在が化粧上又は他にとって望ましい任意の他のクラスの物質をも含んでよい。
【0039】
他の抗酸化剤には、没食子酸のプロピル、オクチル及びドデシルのエステル、ブチル化ヒドロキシアニソール(通常、オルト及びメタ異性体の混合物として)、ブチル化ヒドロキシトルエン及びノルジヒドログアヤレット酸が包含される。典型的に好適な防腐剤には、パラヒドロベンゾエート(パラベン)の低級アルキルエステル、特に、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン及びそれらの混合物、及び安息香酸が包含される。典型的に好適な香料には、すべての油溶性香料又は芳香剤又は当業者に良く知られる香料又は芳香剤の混合物が包含される。典型的に好適な物理的反射剤には、タルク、カオリン、白亜、沈降シリカ、酸化亜鉛、及び二酸化チタンが包含される。
【0040】
本発明の組成物は、液体、ゲル又は半固形の形であってよい。組成物の種類及び量の選定は、組成物の性質、即ちゲルや半固形によって定められるが、化粧品化学者の技量の範囲内にある。例えば、液体組成物物におけるよりもより一層大量のワックスが、本発明にかかる半固形組成物の中に含められる。
【0041】
“少なくとも1種の防水剤の防水有効量”の用語は、ある防水剤を用いる場合に、その防水剤(防水剤群)が組成物中に少なくとも0.3%の濃度で、及び例えば、0.3-3%の範囲で存在することを意味する。典型的に好適な防水剤には、オクダデセン-1及び無水マレイン酸の重合から、例えば、米国特許第3,860,700号に開示されるような方法によって導かれる共重合体が包含される。特定の防水剤は、Chevron Chemicals Co.(シェブロン・ケミカルズ社)から商品名PA-18ポリアンヒドリド樹脂の下で商業上入手可能な共重合体である。他には、PVP/Epicosene(エピコセン)共重合体、PVP/Hexadecene(ヘキサデセン)共重合体、及びPVA/VA共重合体が包含され、いずれも、N.J、WayneのGAFから入手可能である。
【0042】
典型的に好適な化粧ワックスには、オゾケライト、ラノリンアルコール、パラフィンワックス、ベイベリーワックス、ポリエチレンワックス、特に、N.J.、Morristown(モリスタウン)所在のAllied-Signal Corp.(アライドゥ-シグナル社) から入手可能なAC617;Polawax(ポーラワックス)[N.Y.(ニューヨーク州)10016、ニューヨーク所在のCroda, Inc.(クロダ社)から入手可能な高級脂肪アルコール及びエチレンオキシドの反応生成物]、トリヒドロキシステアリン、ラノリンワックス、蜜蝋、カンデリラワックス、微細結晶ワックス、カルナバワックス、セチルアルコール、ステアリルアルコール、鯨蝋、ココアバター、ラノリンの脂肪酸、モノ-、ジ-及びトリ-ベヘネート(ベヘン酸及びグリセリンのトリエステル)及びC18-C36酸トリグリセリド(C18-C36カルボン酸及びグリセリンのトリエステルの混合物)で、Croda, Inc、ニューヨーク、N.Y.から、それぞれ、商品名Syncowax(シンコワックス)HRC及びSyncowax HGL-Cの下で入手可能なもの、25℃で固形の脂肪エステル、メチルオクタデカンオキシポリシロキサン及びポリ(ジメチルシロキシ)ステアロキシシロキサンのようなシリコンワックス、ステアリルモノ-及びジ-エタノールアミン、ロージン、及びグリコール及びグリセロールのアビエテートのようなその誘導体、25℃で固化する水素化油、及びスクログリセリドが包含される。
【0043】
さらに揮発性シリコン油を含む態様には、Dow Corning(ダウ・コーニング)344 Fluid(液)、Dow Corning 345液、Dow Corning 244液、及びDow Corning 245;並びにCT.(コネティカット州)、Danbury(ダンベリー)所在のUnion Carbide Corp.(ユニオン・カーバイド社)の商品名、Volatile Silicone(揮発性シリコン)7207のようなシクロメチコン、低粘度ジメチコン、即ち約50cst未満の粘度を持つジメチコン、特に、Dow Corning 0.5-200cst 液[Midland(ミッドランド)、ミシガン州]のようなジメチコンが包含される。シクロメチコン及びジメチコンは、それぞれ、環状ジメチルポリシロキサン化合物及びトリメチルシロキシ単位で末端ブロックされた完全メチル化直鎖シロキサン重合体に対して、CTFA化粧品成分辞書(Cosmetic Ingredient Dictionary)の第3版が与えた名称である。他の低い蒸発熱を持つ揮発性シリコン油で、General Electric Co.(ジェネラルエレクトリック社)、シリコン製品部、Waterford(ウォーターフォード)、N.Y.、およびMI(ミシガン州)、Adrian(エイドリアン)所在の、Stauffer Chemical Co.(スタウファー・ケミカル社)のSWSシリコン部から入手可能なもののようなものも、本発明の組成物において用いることができる。
【0044】
典型的に好適な化粧用緩和剤には、鉱物油、特に、50から500 SUSの範囲の粘度を持つ鉱物油、ラノリン油、ココナツ油、ココアバター、オリーブ油、アーモンド油、マカデミアナッツ油、アロエ抽出物、ジョジョバ油、サフラワー油、コーン油、液状ラノリン、綿実油、及びピーナツ油が包含される。他の好適な化粧用緩和剤には、プルセリン油、ペルヒドロスクアレン、ヒマシ油、ポリブテン、無臭の鉱物精製油、甘アーモンド油、カロフィラム(テリハボク属)油、リチン油、ビタミンEアセテート、鉱物精製油、麦芽油のような穀粒胚芽油、エステル類で、例えば、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロプル、ミリスチン酸ブチル、ステアリン酸ヘキサデシル、オレイン酸デシル、アセチルグリセリド、(C12-C15)アルコールのオクタノエート及びベンゾエート、アルコール及びポリアルコールのオクタノエート及びデカノエート、例えば、グリコール及びグリセロールのもの、アルコール及びポリアルコールのオレイン酸リシン、例えば、アジピン酸イソプロピル、ラウリル酸ヘキシル及びドデカン酸オクチルのものが包含される。
【0045】
周囲温度で固形又は半固形の化粧用緩和剤は、前述の化粧用緩和剤の1種以上と混ぜる場合、液状局所性組成物を提供するのに十分な量で用いてもよい。そのような固形又は半固形化粧用緩和剤には、水素化ラノリン、水酸化ラノリン、アセチル化ラノリン、ワセリン、ラノリン酸イソプロピル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、乳酸ミリスチル、セチルアルコール、イソステアリルアルコール及びラノリン酸イソセチルが包含される。
【実施例】
【0046】
次の例の技術は、本発明の製造及び使用法のよりよき理解を与えることを意図している。処方技術に熟練したものであれば誰でも、処方に応用が可能な技術の他の可能な変形を容易に認識するであろう。したがって、これら例は、特許される技術を例示するのであって、その範囲の限定を意味しない。次の例示的例に用いる成分の定義及び供給者は、ワシントンD.C.20005の、Cosmetic, Toiletry and Fragrance Association, Inc.(コスメティック,トイレタリー・アンド・フレグランス・アソシエーション社)の出版するCTFA化粧品成分辞書、第3版、1982年に見出すことができる。別に示さない限り、全ての割合は重量%である。
【0047】
[例1]
(細胞生存率定量)
本例は、抗酸化活性が細胞活性定量を用いてどのように測定されるかを説明する。個々の及びそれらの組合せの抗酸化物質の抗酸化活性は、MA.(マサチューセッツ州)Ashland(アシュランド)所在のMattek Corporation(マテック社)からのEpiderm Skin Model(エピダーム・スキン・モデル)(EPI-100)を用いて細胞培養において評価した。新生児包皮の細胞培養体を、製造者の指示に従って培養し、その細胞培養体によって摂取される3-(4,5-ジメチルタゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)染料の量を測定することによってパーセント細胞生存率を定量した。生細胞はこの染料を摂取し、これを、不溶のホルマジン結晶に変え、この結晶は、アルコールで抽出するまでは、細胞のミトコンドリアに留まる。抽出可能なホルマジン結晶に変換されたMTTの量は、細胞培養体の生存率に正比例する。MTTを分光光度法にて測定する。抗酸化剤成分又は混合物の存在下に、太陽光シミュレータ(フィルターを通し、290-400nmの範囲の波長を生成させる)により、1時間当り1平方cm当り1.5の最小発赤用量(MED)の割合でUV光に曝露した細胞を用いて、遊離基(フリーラジカル)の発生から細胞培養体を保護する抗酸化剤の作用を測定した。紫外光の全線量は31.5mJ/cm2だった。
【0048】
実験のこの部分についての対照は、抗酸化剤を添加しない細胞培養体(陽性対照)であった。さらに、全ての細胞培養体を、UV光に曝露せず、及び抗酸化剤又は混合物(ブレンド)を含んでいない培養体と比較し、パーセント細胞生存率(陰性対照)を求めた。この後者の測定値を100%生存率に等しいと仮定した。3通りの細胞培養体を試験した各抗酸化剤成分、混合物又は対照標本について試行した。次に、これらの定量(アッセイ)についての結果を平均した。
【0049】
[例2]
(PGE2生産定量)
この例は、PGE2定量法によってどのようにプロスタグランジンが測定されたかを記述する。細胞培養体について、MA.、ケンブリッジ所在のPerSpective Diagnostics(パースペクティブ・ダイアグノスティック)から入手した定量キットを用いてプロスタグランジンE2(PGE2)の生産を評価した。パーセント細胞生存率定量の場合と同様に、抗酸化剤成分、混合物又は対照の存在下、細胞を太陽光シミュレータにより1時間当り1平方cm当り1.5MEDの割合でUV光に曝露した。紫外光の全線量は31.5mJ/cm2であった。次に、この細胞培養体を正常な培養液中に24時間放置した。この時間の間増殖させた後、細胞培養体について、PerSpective Diagnostics製定量キットを用いて、PGE2の生産を定量した。実験のこの部分についての対照は、同一線量の紫外線には曝露されるが、抗酸化剤は加えられていない培養体(陽性対照)であった。3通りの細胞培養体を、試験する各抗酸化剤成分、混合物又は対照標本について試行した。次に、これらの定量についての結果を平均した。
【0050】
例1及び2からの試験の結果を表12及び表13に示す。表12に示す結果は、全ての抗酸化剤及びこれらの薬剤の混合物が、パーセント細胞生存率で測定するとき、紫外光誘発性遊離基からの有意な保護作用を呈することを示す。この活性は、抗酸化剤効果によるものでなければならない。なぜなら、これらの薬剤のいずれも、この太陽光紫外波長成分(290から400nm)において試験した濃度で何ら顕著な吸収を示さなかったからである。混合物A、B及びCにおける光曝露後のパーセント細胞生存率は、表14に提示したデータの中に見ることができる。個々の抗酸化剤成分間に若干の統計的有意差はあるけれども、主要な統計的差異は、薬剤の混合物及び混合物を構成する個々の薬剤の間に認められる。例えば、混合物Bは、ベータグルカン、DLパンテオール、ブドウ種子抽出物、リン酸アスコルビルマグネシウム及びスーパーオキシドジスムターゼから構成され、DLパンテノール以外のその個々の成分の各々に対し統計的に優れた保護作用を与える(データ示さず)。混合物は、DLパンテノールの標準偏差がもっと小さかったら、この抗酸化剤よりも統計的に優れていたかもしれない。混合物Aは、ビタミンEアセテート及びビタミンAパルミテートから構成され、その構成成分と比較するとき、90%信頼度において、統計的に優れた保護作用を与える。
【0051】
【表12】

【0052】
1. 統計的信頼度は、スチューデントのt-テストによる仮説検定に基づく。
2. これはビタミンCの安定形である(アスコルビン酸)。
3. 混合物AはビタミンAパルミテート及びビタミンEアセテートから構成する。
4. 混合物Bは、ベータグルカン、DLパンテノール、ブドウ種子抽出物、リン酸
アスコルビルマグネシウム及びスーパーオキシドジスムターゼから構成する。
5. この細胞培養体は抗酸化物質の添加なしにUV光に曝露された。
【0053】
PGE2生産定量データを表13に示す。この結果は、混合物A及びBが、PGE2について定量した場合、紫外光からの統計的に有意な保護作用を与えることを示す。混合物A、B及びCにおける紫外光曝露によるPGE2生産を表15に示す。混合物Bは、その構成組成物と比較すると、PGE2生産からの統計的に優れた保護作用を与える。この結論は、混合物Aについても正しい。混合物A又はBほど効果的ではないが、ブドウ種子抽出物及びリン酸アスコルビルマグネシウム単独でも、PGE2生産は低くなることが認められた。
【0054】
【表13】

【0055】
1. 統計的信頼度は、スチューデントのt-テストによる仮説検定に基づく。
2. これはビタミンCの安定形である(アスコルビン酸)。
3. 混合物AはビタミンAパルミテート及びビタミンEアセテートから構成する。
4. 混合物Bは、ベータグルカン、DLパンテノール、ブドウ種子抽出物、リン酸
アスコルビルマグネシウム及びスーパーオキシドジスムターゼから構成する。
5. この細胞培養体は抗酸化物質の添加なしにUV光に曝露された。
【0056】
これらの成分の多くは、従来スキンケア製剤で用いられているものであるが、その併用が独特である。炎症媒介物(PGE2のようなもの)の生産を妨げるか、又は紫外線曝露後に細胞生存率を向上させるベータグルカンの使用も独特だと考えられる。さらに、抗酸化剤のこれらの混合物が、互いに混合されると優れた保護作用を呈するという所見が予想外である。
【0057】
混合物A及びBの組合せ、これは表14では混合物Cと表示されているが、これも、皮膚細胞培養体を用いる紫外光の傷害作用に対し統計的に有意な保護作用を与えることが判明した。抗酸化剤のこの混合物の比較は、その油及び水溶性成分混合物によって得られる保護作用レベルと近似していることが分かった。表12、13に示した結果に基づき、混合物Cがその成分原料よりも大きな保護作用を提供することが立証された。これらの試験から得られる結果を表14から17に示す。
【0058】
【表14】

【0059】
1. 統計的信頼度は、スチューデントのt-テストによる仮説検定に基づく。
2. 混合物AはビタミンAパルミテート及びビタミンEアセテートから構成する。
3. 混合物Bは、ベータグルカン、DLパンテノール、ブドウ種子抽出物、リン酸
アスコルビルマグネシウム及びスーパーオキシドジスムターゼから構成する。
4. 混合物Cは混合物A及びBの混合物である。
【0060】
【表15】

【0061】
1. 統計的信頼度は、スチューデントのt-テストによる仮説検定に基づく。
2. 混合物AはビタミンAパルミテート及びビタミンEアセテートから構成する。
3. 混合物Bは、ベータグルカン、DLパンテノール、ブドウ種子抽出物、リン酸
アスコルビルマグネシウム及びスーパーオキシドジスムターゼから構成する。
4. 混合物Cは混合物A及びBの混合物である。
【0062】
【表16】

【0063】
1. この表に挙げた数値は、スチューデントのt-テストによる仮説検定に基づく
統計的信頼度である。
2. 混合物AはビタミンAパルミテート及びビタミンEアセテートから構成する。
3. 混合物Bは、ベータグルカン、DLパンテノール、ブドウ種子抽出物、リン酸
アスコルビルマグネシウム及びスーパーオキシドジスムターゼから構成する。
4. 混合物Cは混合物A及びBの混合物である。
5. この細胞培養体は抗酸化物質の添加なしにUV光に曝露された。
6. NSDは統計的有意差でないことの略語である。
【0064】
表12及び13で示すように、混合物A及びBは、パーセント細胞生存率及びPGE2生産定量の双方において、紫外光の傷害作用からの統計的に有意な保護を与える。さらに、表14及び15で示すように、混合物C(混合物A及び混合物Bの双方の成分から構成される)も、同じ試験において、抗酸化剤を添加していない細胞培養体と比べると統計的に有意な保護作用を示した。
【0065】
特に、表16に示すパーセント細胞生存率定量法で得られる結果に関しては、混合物Aは、混合物Cよりも統計的に一層良好な保護作用を与えることが見出された。混合物A及びBは、この方法によって統計的に有意な差のレベルの保護を示さず、また、混合物B及びCも、紫外光の傷害作用からの統計的に有意な差のレベルの保護を示さなかった。前の試験法において(表12参照)、同じ関係が、混合物A及びBに関して認められた。
【0066】
特に、PGE2生産定量法から得られた結果を表17に示し、これは、混合物Bが、混合物Aよりも統計的に一層良好な保護を与えることが見出されたことを例証する。これは、前の試験で観察された結果(表13)と同じであり、そこでは、混合物Bは、混合物Aよりも実質的に一層大きなPGE2生産の低減を示した。表15及び17に示すように、混合物Cは、混合物Aよりも統計的に一層良好な保護作用を与えることが認められた。しかし、混合物Bはまた、このPGE2生産定量法によって、混合物Cよりも統計的に一層良好な保護を与えることが判明した。
【0067】
【表17】

【0068】
1. この表に挙げた数値は、スチューデントのt-テストによる仮説検定に基づく
統計的信頼度である。
2. 混合物AはビタミンAパルミテート及びビタミンEアセテートから構成する。
3. 混合物Bは、ベータグルカン、DLパンテノール、ブドウ種子抽出物、リン酸
アスコルビルマグネシウム及びスーパーオキシドジスムターゼから構成する。
4. 混合物Cは混合物A及びBの混合物である。
5. この細胞培養体は抗酸化物質の添加なしにUV光に曝露された。
6. NSDは統計的有意差でないことの略語である。
【0069】
パーセント細胞生存率定量において混合物Aが最良の保護を示す一方で、PGE2生産定量法において混合物Bが最良の保護を示すという事実は一見不統一に見える。しかし、これらの2種の定量法は別物である。紫外光によって生じる、及び各定量法によって検出される傷害を起こす反応性酸素種(ROS)は、恐らく異なる生物学的経路から発生するもので、それが異なる結果を招く。これは、なぜ、混合物B中に存在する水溶性抗酸化剤が、PGE2生産定量法におけるより一層良好な保護を生じさせ、一方で、混合物A中に存在する油溶性抗酸化剤が、パーセント細胞生存率定量法におけるより一層良好な保護を生じさせるかを説明する。
【0070】
混合物Aはまた、パーセント細胞生存率定量法において、混合物Cに比べ、統計的に一層良好な保護を提供することが見出されるが、一方で、混合物CはPGE2生産定量について統計的に優れていることが見出された。同様に、混合物Bは、PGE2生産定量においては混合物Cよりも統計的に一層良好な保護を与えるけれども、パーセント細胞生存率定量において混合物Cと統計的に有意差を持たない。
【0071】
混合物Cと、その油溶性又は水溶性成分の混合物との間にはいくつかの統計的有意差が見られたが、混合物Cは、以前に試験した個々の成分と比べ有意な抗酸化剤活性を示した。
【0072】
処方技術に熟練した者であれば誰でも、抗酸化剤薬剤のこれらの混合物を、どのようにして適切なスキンケア及び着色化粧品又は薬学的製品に簡単に組み込むかを知るであろう。したがって、この情報は、これらの抗酸化剤のすべての可能な組合せを、製品の処方において、種類又はそれらが販売される市場に関係無く包含されることを意図する。
【0073】
(例3-10)
(皮膚保護組成物)
これらの例は、処方を記載し、スキンケア及び一般大衆向け(OTC)薬学的製剤において、本発明の皮膚保護組成物の典型的な使用を例示する。これらの処方は、使用可能な組成物の種類の例としてのみ挙げるもので、スキンケア及びOTC薬学的製剤における技術の可能な使用法のあらゆるものを含むものではない。処方技術に熟練したものであれば、この技術に関して、他の可能な使用を直ぐに見通すであろうし、及び本発明は、下記に挙げた処方の使用には限定されない。下記に挙げた処方の成分のすべては、重量%で示してある(%w/w)。
【0074】
[例3]
(液状処方)
下記の例は組成物の液状調剤物についての一般的な処方である。
【表18】

【0075】
[例4]
下記の例は皮膚用整調剤として開発した処方である。
皮膚整調剤
【表19】

【0076】
[例5]
(水中油型(O/W)乳剤)
下記の例は本発明に従う組成物の水中油型乳剤についての一般的処方である。
【表20】

【0077】
[例6]
(皮膚保湿ローション)
下記の例は皮膚の保湿ローションとして開発した水中油型処方である。
【表21】

【0078】
[例7]
(油中水型(W/O)乳剤)
下記は本発明のいくつかの態様に従う油中水型乳剤の一般的処方である。
【表22】

【0079】
[例8]
(油中水型日光遮蔽処方)
下記の例は皮膚用日焼け止め剤製剤として開発した処方である。
【表23】

【0080】
[例9及び10]
(合成(保湿性)棒石鹸)
下記の例は保湿性石鹸の一般的処方である。
【表24】

【0081】
[例11及び12]
(防水性SPF20日焼け止め剤)
この例は、低レベルの日焼け止め剤及び抗酸化剤混合物を油中水型乳剤中で用いて開発した防水性のSPF20処方を記載する。例11は成分の一般的範囲の例を提供する一方で、例12は具体的処方を提供する。これらの例では、相A及びBは油溶性相を表わすが、相Cは水溶性相である。
【表25】

1. q.s.は十分量(適量)を表わす略語。
【0082】
混合法:A層の成分を容器中で混合し、及びすべての油脂成分(ワックス)が溶解するまで、混ぜながら80から85℃までに加熱した。次に加熱を止め、混合物(ミクスチャ)を50から55℃までに冷却した。B相の成分も、緩徐に渦を形成しないよう混合することによって空気の取り込みを回避しながら、室温で均一になるまで容器中で混ぜた。B相の混合物をA相の混合物に加え、この場合も空気の取り込みを回避しながら、十分混ぜ合わせた。
【0083】
C相の成分を適当な容器中で混ぜ、混合しながら、すべての固体物質が完全に溶解するまで、45から50℃までに加熱した。緩徐ではあるが十分に混ぜながら、AB相を、55から60℃で、45から50℃までのC相に添加した。添加完了後、バッチを、45から50℃までの温度に維持しながら均一にした。均一化後、30℃までの冷却を開始して混合を続行した。一旦室温に達したら、バッチを適当な容器に詰めた。
【0084】
処方は、5名の被験者において17.9を超える防水性SPFを示した。日光遮蔽剤を含まないが、抗酸化剤を含む処方は、同じ5名の被験者において僅か2.8の防水性SPFしか示さなかった。日光遮蔽剤だけのこの組合せについての期待SPFは、正確な値は求めてないが、8未満であろう。日光遮蔽剤単独の期待SPFが抗酸化剤から得られるSPFに加えられる場合、その合計SPF(〜10.8)は、得られる製剤について見出されるものの僅か60%でしかない。
【0085】
[例13]
(防水性SPF30日焼け止め剤)
本例は、低レベルの日焼け止め剤及び抗酸化剤の混合物を油中水型乳剤中で用いて開発した防水性SPF30処方を記載する。すべてのパーセント値は重量によるものである。相A及びBは油溶性相を表わし、相Cは水溶性である。
【表26】

【0086】
組成物は、例11、12に記載したものと同じやり方で混合した。
例13の処方は5名の被験者において32.1を超える防水性SPFを示した。抗酸化剤(ビタミンA、C及びE、ベータグルカン、ブドウ種子抽出物及びスーパーオキシドジスムターゼ)を含まない同じ処方は、5名の同じ被験者において19.6の防水性SPFを示した。日光遮蔽剤を含まないが、抗酸化剤を含む処方は、2.8の防水性SPFを示した。本製剤の個々の成分のSPF値合計(22.4)は、別に試験した完全製剤について観察されたSPF値の僅か約70%に過ぎなかった。この測定したSPF値はまた、期待された22.4SPFよりも40%上回った(32.1-22.4=9.7で、これは期待される22.4SPFの43%である)。
【0087】
本発明は、皮膚を紫外線から保護する2種の皮膚薬剤、細胞生存率を増す保護剤のクラスからの1種の薬剤、及び皮膚においてPGE2生産を減少させるクラスからの他のものを組み合わせるときに、例1の定量法で測定されるように見出される驚くべき優秀性を利用する。加えて、本発明はまた、抗酸化剤及び日光遮蔽剤の混合物が油中水型乳剤において協調的に組み合わされ、紫外線の有害作用に対し皮膚にとって予期し得ない優れた保護を提供するという結果をも利用する。本発明の組成物は、紫外線への曝露の前又は後双方に皮膚に適用でき、保護を提供するが、太陽への曝露前の適用が好ましい。皮膚保護剤は、太陽への曝露が予期されなくとも、毎日の塗布に使用して、皮膚におけるROSの老化作用を減退させることができる。本発明は、明らかなように、油中水型乳剤を伴うか、又は伴わないで、抗酸化剤の混合物を含む。
【0088】
本明細書において用いるように、紫外線への曝露によって引き起こされる傷害の低減は、例1(上皮細胞性生存率の増加)又は例2(上皮細胞によるPGE2生産の低減)の定量法によって測定されるように、傷害の低減を意味する。紫外線は、可視光の波長よりは短く、及びX線のものよりは長い波長を持つ電磁放射を指す。皮膚損傷は、細胞性生存率の減少又はPGE2生産の増加、又は双方によって測定されるような細胞性傷害を指す。抗酸化剤は、除去(捕捉)するか、又はROSの低減か、又はROSの生産を妨げるかのいずれかによって、ROSの作用に対抗する物質である。
【0089】
可能性のある界面活性剤には、脂肪性有機酸(ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸及びミリスチン酸の諸塩のようなもの)のポリオキシエチレンソルビタンエステルで、様々のモル濃度のエチレンオキシド(一般に、ポリソルベート20、21、40、60、65、80、81及び85として挙げてあるもの)並びにこれらの成分の組合せが包含される。
【0090】
可能性のある保湿剤には、糖類(ソルビトール、グルコース等のようなもの)、グリセリン(及びその重合体)、グリコール(プロプレングリコール、ブチレングリコール、及び各種分子量のポリエチレングリコール)、ヒアルロン酸(及びその塩)、ピロリドンカルボン酸(及びその塩)並びにこれらの成分の組合せが包含される。
【0091】
可能性のある防腐剤には、パラベン(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル及びイソブチルのエステルのようなもの)、イミダゾリジニル尿素、ジアゾリジニル尿素、クアテルニウム-15、フェニルエチルアルコール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、クロルフェネシン、クロルヘキシジンジグルコネート並びにこれらの成分の組合せが包含される。
【0092】
可能性のある金属イオン封鎖剤には、エチレンジアミン四酢酸の各種塩(ナトリウム、カリウム、アミン及びアミノ酸の塩)が包含される。
リン酸アスコルビルマグネシウムはビタミンCの安定化形態である。
ビタミンAの安定化形態は、本発明の好適態様において、アルコールレチノール又はそのエステルのように用いることができる。他の形態(レチンAのようなもの)も用いることができるが、安定性はより一層低い。ビタミンEは好ましくは、アルコール形態(トコフェロール)、又は任意のそのエステル、又は他の安定化形態において用いる。
【0093】
可能性のあるO/W型界面活性剤には、脂肪酸の塩(ステアリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、ラウリン酸又はパルミチン酸の、ナトリウム、カリウム、アミン又はアミノ酸の塩のようなもの)、前述のポリソルベートのような非イオン性界面活性剤、脂肪酸のソルビタンエステル(ステアリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、ラルリン酸及びパルミチン酸の諸塩のようなもの)、脂肪酸(ステアリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、ラウリン酸及びパルミチン酸の諸塩)のグリセリルエステル、ラノリン酸のポリオキシエチレンエステル、アルコール及び他のウールワックス成分、脂肪アルコール(ラウリル、セチル、オレイル及びステアリルのようなもの)のポリオキシエチレンエステル、脂肪酸(ラウリン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、及びパルミチン酸の諸塩のようなもの)のポリエチレングリコールエステル、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンのホモポリマー及び混合ブロックポリマー、脂肪酸のポリオキシプロピレンエステル、脂肪アルコールのポリオキシプロピレンエーテル類、脂肪酸の糖エステル(グルコース及びスクロースの脂肪酸エステルのようなもの)及び脂肪酸の4級アミン塩並びに水中油型乳剤をもたらすように選ばれるこれらの原料の組合せが包含される。
【0094】
可能性のある緩和剤には、脂肪酸及び脂肪アルコールのエステル(パルミチン酸オクチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸セテアリルのようなもの)、シリコン化合物(ジメチコン、シクロメチコン、フェニルトリメチコン等)、有機酸及び有機アルコールのエステル(C12-C15アルキルベンゾエート、オクチルドデカノール、乳酸セチル、トリデシルトリメリテート、オクチルドデシルネオペンタノエート等)、脂肪アルコール(セチルアルコール、ステアリルアルコール等)、ヒマシ油及びそれらの水素化誘導体並びにこれらの種類の成分の組合せが包含される。
【0095】
可能性のある増粘剤には、アクリル酸ポリマー及びそれらの架橋ポリマー誘導体、ポリビニールピロリドンポリマー、自然ポリマー(ローカスビーンゴム、キサンタンゴム、アルギン酸及びその塩、デキストラン等のようなもの)、クレイ(ヘクトライト、モントモリロナイト等)並びにこれらの原料の組合せが包含される。
【0096】
可能性のある油中水型(W/O)乳剤には、前述の水中油型乳剤の適切な組合せ、並びにセチルジメチコンコポリオール及び他の様々な他のジメチコンコポリオール、加えてこれらの原料の組合せが包含される。
【0097】
可能性のある緩和剤及び日焼け止め剤には、前述の緩和剤、並びにジオキシベンゾン、ホモメンチルサリチレート、メンチルアントラニレート、オクトリレン、オクチルメトキシシナメート、オクチルパラアミノベンゾエート、オクチルサルチレート、オキシベンゾン、及びトロラミンサルチレートのような、任意の認められる日光遮蔽剤、並びにこれらの原料の組合せが包含される。
【0098】
可能性のある塩には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム及び塩化マグネシウム又はこれらの原料の組合せが包含される。
【0099】
可能性のある洗剤及び洗浄剤には、コシルイセチオネート、イソステアリルラクチレート塩(ナトリウム及びカリウムの塩のようなもの)、タロウ及びタロウ塩(ナトリウム、カリウム及びアンモニウムの塩のようなもの)、ラウリル硫酸及びラウレス硫酸の塩(ナトリウム、カリウム及びアンモニウムの塩のようなもの)、ベタイン及びスルタイン(コカミドプロピルベタイン又はスルタインのようなもの)及び脂肪酸の塩(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、リノリン酸及びリシノール酸のナトリウム又はカリウム塩のようなもの)、並びにこれらの原料の組合せが包含される。
【0100】
可能性のある緩衝剤には、化学で用いられるすべての通常の緩衝系、特に、乳酸の塩(乳酸ナトリウムのようなもの)と、一定pH値を維持するのに適切な割合で組み合わせた乳酸が包含される。
【0101】
可能性のある保湿剤及び皮膚コンディショナー剤には、前述の保湿剤、イソステアロイルラクチレートの塩(ナトリウム又はカリウムのようなもの)、4級化合物(ステアラミドプロピルジメチルアミンのようなもの)及びオート麦副産物(オート麦粉のようなもの)、並びにこれらの原料の組合せが包含される。
【0102】
可能性のある増粘剤及び着色剤には、前述の増粘剤(脚注8参照)、及び二酸化チタン、酸化鉄のような着色剤、FD&C及びD&C着色剤、ウルトラマリンブルー、カルミン、アンナット、クロロフィル及び他の天然又は人工着色剤、並びにこれらの原料の組合せが包含される。
【0103】
本発明者らの原理が適用され得る可能性のある態様が数多くあることに鑑み、例示した態様が本発明の単なる具体的な例に過ぎないことを認識すべきであり、及び本発明の範囲における制限と考えてはならない。むしろ、本発明の範囲は添付する特許請求の範囲によって規定される。したがって、本発明者らは、これらの特許請求の範囲の範囲及び精神内に入るすべてを、本発明者らの発明として求める。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線によって引き起こされる皮膚傷害を低減するための局所性組成物であって、ベータグルカンの、局所に適用するときに皮膚傷害を低減するのに十分な量、及び紫外線によって引き起こされる皮膚傷害を低減する少なくとも1種の他の皮膚保護剤の、局所に適用するときに紫外線によって引き起こされる皮膚傷害を低減するのに十分な量を含み、他の皮膚保護剤が、ブドウ種子抽出物である、組成物。
【請求項2】
組成物が、更にビタミンA及びビタミンEの一方又は双方からなる群より選ばれる抗酸化剤の、局所に適用するときに皮膚における反応性酸素種を低減するのに十分な量を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
組成物が、重量によって:0.005−5%のベータグルカン、0.005−5%のパンテノール、0.00001−1%のブドウ種子抽出物、0.0001−3%のビタミンC、及び0.0001−1%のスーパーオキシドジスムターゼを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
組成物が、重量によって:0.0005−0.5000%のビタミンA及び0.0500−30%のビタミンEを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項5】
組成物が、更に重量によって少なくとも0.0005%のビタミンA、及び少なくとも0.01%のビタミンEを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項6】
ビタミンCを含み、ビタミンCがリン酸アスコルビルマグネシウムの形態である、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
ビタミンAがビタミンAパルミテートの形態であり、及びビタミンEがビタミンEアセテートの形態である、請求項4記載の組成物。
【請求項8】
さらに、日焼け止め剤、及び乳化剤の、組成物のSPF(日光保護係数)を高めるのに十分な量を含む、請求項2記載の組成物。
【請求項9】
乳化剤が油中水型ポリオルガノシロキサン乳化剤である、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
組成物が、更に脂溶性成分及び水溶性成分を含む抗酸化剤;日焼け止め剤;及び日光保護組成物を与えるのに十分な量の抗酸化剤及び日焼け止め剤を乳化する乳化剤を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項11】
水性又は非水性溶液、水性又は非水性懸濁物、油中水型又は水中油型乳剤としてある、請求項1記載の組成物。
【請求項12】
皮膚整調組成物、保湿性ローション、日焼け止め剤組成物、皮膚洗浄剤又は他の皮膚処置組成物において含まれる、請求項1記載の組成物。
【請求項13】
紫外線からの傷害に対して皮膚を保護するための局所性組成物であって:
ベータグルカン、パンテノール、ブドウ種子抽出物、ビタミンC及びスーパーオキシドジスムターゼの、組成物が適用され、紫外線に曝される皮膚での細胞生存率を増加させ及びPGEの生産を減少させるのに十分な量を含む、組成物。
【請求項14】
さらに、ビタミンA及びビタミンEの、局所に適用するときに皮膚に抗酸化作用を及ぼすのに十分な量を含む、請求項13記載の組成物。
【請求項15】
請求項13記載の組成物であって、重量によって:
0.005−5%のベータグルカン;
0.005−5%のパンテノール;
0.00001−1%のブドウ種子抽出物;
0.0001−3%のビタミンC;及び
0.0001−1%のスーパーオキシドジスムターゼ
を含む、組成物。
【請求項16】
請求項13記載の組成物であって、重量によって少なくとも:
0.005%のベータグルカン;
0.005%のパンテノール;
0.00001%のブドウ種子抽出物;
0.0001%のビタミンC;及び
0.0001%のスーパーオキシドジスムターゼ
を含む、組成物。
【請求項17】
さらに、重量によって、少なくとも0.0005%のビタミンA、及び少なくとも0.05%のビタミンEを含む、請求項16記載の組成物。
【請求項18】
さらに、重量によって:
0.0005−0.5000%のビタミンA;及び
0.0100−30%のビタミンE
を含む、請求項17記載の組成物。

【公開番号】特開2008−88188(P2008−88188A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−332328(P2007−332328)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【分割の表示】特願2000−526199(P2000−526199)の分割
【原出願日】平成10年12月22日(1998.12.22)
【出願人】(500491845)シャクリー コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】