説明

細胞増殖および血管新生を特徴とする皮膚疾患の治療用組成物および方法

非制限的に、乾癬およびアトピー性皮膚炎を含む皮膚疾患を予防および/または治療するための組成物および方法、同様に1以上のベンゾ[c]クロメン−6−オン誘導体を使用する異常な血管新生や過形成を含む、皺や老化皮膚の減少した外観、改善された皮膚の色、光損傷皮膚の治療、皮膚の輝きや透明度や仕上がりにおける改善、および皮膚の全体的に健康で若々しい外観をもたらす抗老化効果を提供するための組成物および方法が、本明細書で記述される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞増殖および/または血管新生に伴う皮膚疾患を予防および/または治療する組成物および方法に関する。本発明の一部は、異常な細胞増殖、異常な血管新生またはその組合せを含む病気における治療利益を示す一連のベンゾ(c)クロメン−6−オン誘導体組成物に向けられる。
【0002】
(関連出願)
本特許出願は、2006年4月27日に出願された米国特許出願第11/412,618号の優先権と利益を請求し、前述の出願は2005年4月28日に出願された米国特許仮出願第60/675,707号の優先権と利益を請求する。
【背景技術】
【0003】
循環器系を作る血管は、概して動脈、静脈および毛細血管に分けることができる。動脈は、比較的高い圧力で心臓から血液を運び去る;静脈は低圧で心臓に血液を戻し、その一方で毛細血管は動脈血および静脈血の供給の受け渡しを提供する。胎児の発育過程で、血管は多能性の内皮細胞前駆体を利用する脈管形成により最初に形成される。その後、動脈新生により、より大きな血管が形成され、それは内皮細胞、平滑筋細胞および周皮細胞(中膜)のより複雑な構造を有する。動脈新生は、成人には起こらないと考えられるが、血管は脈管形成および特に血管新生として知られているプロセスにより大人で形成されることもある。通常の状況下では、血管新生性の新生血管形成は、傷の修復、虚血の回復および女性の生殖周期(黄体を形成する子宮内膜を生成し、妊娠期間中には胎盤を形成する)などの状況の過程で起きる。毛細血管(血管新生によって形成される比較的単純な血管)は、内皮細胞とより少ない血管周囲細胞および基底膜から主に成るので発育した膜を欠落している。
【0004】
乾癬およびアトピー性皮膚炎は、それらが角化細胞過形成、血管新生、および単核球細胞(活性化T細胞、肥満細胞および単球を含む)浸潤によって特徴づけられる慢性の炎症状態をともに示すという点で類似性を示す。皮膚は、真皮皮下の境界で、および相互結合型の網状構造を生成する表皮層のすぐ下で血管化される。乾癬とアトピー性皮膚炎では、この血管網状構造は、新しく形成する異常な新生血管系とともに拡大する。血管新生刺激物、特にVEGFや他の血管新生サイトカイン類は、最初に表皮から生じ、拡張された血管化によって侵入する免疫細胞によってさらに支持される。高濃度のVEGFは、乾癬病変の表皮で発見され、それは乾癬の病因で重要な役割を担うと考えられる。早い時期に、乾癬の皮膚およびアトピー性皮膚炎の皮膚は、栄養素と酸素を提供するために近くの正常な血管を利用する。しかしながら、これらの皮膚疾患が進行するとともに、皮膚はさらなる脈管支持を作るために血管新生を誘導する。乾癬プラーク中の毛細血管は、細長くて、曲がりくねっていて、そして広がっており、またアトピー性皮膚炎で見られるのと違わない増加した内皮細胞増殖を示す。通常、血管新生は、血管新生因子に対抗するために生まれつき血管新生阻害剤を生み出す身体によって抑制される。しかしながら、変えられた皮膚組織は、血管新生阻害剤を超えるそのような因子を供給することができる生来の供給源、繊維芽細胞もしくは角化細胞または細胞の浸潤を通じて血管新生成長因子を産生することによりこのバランスを変え、それにより血管成長に有利に働くことになる。血管新生を生じた皮膚疾患は、正常な血管成長過程で観察される血管新生と異なってはいない。血管新生因子は、異常な皮膚または細胞浸潤物から正常な内皮まで通過し、内皮細胞と結合し、それを活性化し、内皮細胞の増殖に至る内皮のシグナル伝達事象を誘導する。内皮管が形成し始め、毛細血管ループを形成しながら異常な皮膚の方へ向かって進む。その後、毛細血管は、ループ構造を安定させるための成熟過程を経る。
【0005】
皮膚疾患、乾癬およびアトピー性皮膚炎は、病理的な新生血管系を伴う1つの状態に過ぎない。光損傷皮膚は、きめが粗いこと、毛細血管拡張症(高められた暗赤色のしみを引き起こす毛細血管の拡張)、しわが寄ること、不連続的な色素過剰および色素不足の領域、萎縮、および最終的に新生物の発生により臨床的に特徴づけられる。光損傷皮膚は、また、増加した血管新生と細胞浸潤の特徴を示す。
【0006】
血管形成は、皮膚疾患および光損傷皮膚の病因の重要な要素と考えてよい。治療の介在によって血管新生を遅らせたり、排除することができるならば、そのときには抗血管新生薬は、皮膚疾患や光損傷皮膚に関連したいろいろな新生血管系を無効にするか、減少することが期待される。抗血管新生治療は、皮膚に血液供給をしないで、それによって炎症と増加した血管形成を引き起こす細胞浸潤を阻害することにより異常な皮膚組織を抑制することにおいて恐らく非常に有効であろう。さらにまた、表皮の角化細胞過形成を阻害する抗増殖活性とともに、2重の抗血管新生活性は、そのような皮膚疾患や光損傷皮膚に起因する傷害を減らすのを促進することもまた期待されるであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、いろいろな皮膚疾患と光損傷老化皮膚の治療のために、ヒト内皮細胞に対して抗増殖効果を示す薬剤を開発する必要性が残っている。病気の皮膚または老化した皮膚内の内皮細胞に加えて、皮膚疾患または老化皮膚の治療のための増殖性角化細胞に、または皮膚疾患と老化皮膚のための血管新生の開始剤として作用する他の細胞に対する直接的な阻害効果は、さらに有益となり得るであろう。本発明は、これらや他の必要性を満足することを希求するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、細胞増殖および/または血管新生に伴う皮膚疾患を治療するための組成物と方法に関する。本発明の対象である皮膚疾患は、限定されるものではないが、乾癬およびアトピー性皮膚炎、ならびに皺の寄った皮膚、小皺の皮膚、乾燥皮膚、剥落皮膚、老化皮膚または光損傷皮膚の状態を改善または予防すべき老化皮膚、および皮膚の厚み、弾力、柔軟性、光り輝く艶およびふくよかさを改善することを含むが、その方法は、前記化合物を正常な健康的皮膚に予防的に適用して劣化的な変化を予防または減少させる、または細胞増殖および/または血管新生を伴う既存の老化皮膚に適用することを含む。本発明の一部は、異常な細胞増殖、異常な血管新生またはその組み合わせを含む病気において治療的な利益を示す一連の化学組成物に向けられている。
【0009】
本発明の一実施形態は、皮膚疾患と関連した異常な細胞増殖を予防および/または治療するために用いられる組成物に向けられる。一態様では、本発明は様々な皮膚疾患および老化皮膚の治療に関して、ヒト内皮細胞に対する増強された抗増殖効果を証明する一連のベンゾ[c]クロメン−6−オン誘導体に向けられる。
【0010】
別の実施形態では、本発明は、それを必要とする被験者に、本明細書で記述された1つ以上のベンゾ[c]クロメン−6−オン誘導体組成物の治療有効量を投与する方法に向けられる。一態様では、目標とされた被験者は、異常な細胞増殖/血管新生(老化皮膚を含む)を伴う1つ以上の皮膚疾患と診断されたか、またはそれに罹患しやすい傾向にある。
【0011】
本発明の他の特徴および利点は、その実施形態についての以下の詳細な記述から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、無用な細胞増殖および/または血管新生に伴う皮膚疾患を予防および/または治療する組成物と方法に関する。本発明の一部は、異常な細胞増殖、異常な血管新生またはその組み合わせを含む病気において治療利益を示す一連の化学組成物に向けられる。特定の態様では、本発明は、異常な増殖、異常な血管新生またはその組み合わせによって特徴づけられる病気に対してそれらの効果を示すベンゾ[c]クロメン−6−オン誘導体に関する。
【0013】
用語「誘導体」は、当業者に理解される。例えば、誘導体は、類似した構造の別の化合物から1つ以上の工程で調製される、ベンゾ[c]クロメン−6−オンに関する表1(下記)で例示されるような化合物として理解することができる。
【0014】
現在開発中の皮膚疾患治療剤は、いろいろな標的戦略に基づく。1つの戦略は、トロンボスポンジンなどの血管新生の天然阻害剤の使用である。別の戦略は、血管新生を刺激するのに必要な受容体をブロックする薬剤(例えばVEGF受容体のアンタゴニスト)の使用である。
【0015】
血管新生は、作用のその選択性により皮膚疾患や老化皮膚に対する魅力的な治療標的である。大部分の通常の組織の血管は休止しているのに対して、成長している皮膚疾患および老化皮膚における血管は、細胞の活性化および急速な増殖を促進する微小環境にある。細胞活性化と急速な増殖を誘導しているこの微小環境は、抗血管新生薬により異常な皮膚での血管を選択的に標的とすることを可能にする生理的な相違であると考えられる。
【0016】
本発明は、無用な細胞増殖および/または血管新生および/または角化細胞増殖の治療に有用な1つ以上の組成物を含む治療製剤に関するものである。
【0017】
本発明によれば、表Iで示される以下の構造を有する、1つ以上のベンゾ[c]クロメン−6−オン誘導体の治療有効量を含む医薬組成物が提供される。
【表I】


【0018】
表Iの化合物は、抗血管新生および/または抗角化細胞活性を示す。当業者は、本発明が、抗細胞増殖活性、および/または抗血管新生活性、および/または抗角化細胞活性を有する他のベンゾ[c]クロメン−6−オン誘導体を含むことを理解するであろう。これらの特徴は、下記に詳述されるアッセイおよび文献中の他の記載を使用して各被験誘導体に対して測定することができる。
【0019】
ベンゾ[c]クロメン−6−オン誘導体が、細胞増殖に影響を与えるプロセスは、まだ十分に研究されてはいないが、ベンゾ[c]クロメン−6−オン誘導体は、細胞周期の進行に関与する様々なタンパク質のレベルおよび活性の変化を誘導する可能性がある。これらは、DNA複製と修復のコファクター、例えば増殖細胞核抗原と細胞分裂周期キナーゼ(および制御因子)を含む。ベンゾ[c]クロメン−6−オンは、また、細胞死受容体5およびカスパーゼ8を上方制御し得る。
【0020】
これらの細胞増殖の作用と阻害のメカニズムに関連するアッセイは、当技術分野において周知である。例えば、チューブリン重合活性に対する効果によって媒介される抗有糸分裂活性は、ベンゾ[c]クロメン−6−オン誘導体のチューブリン重合および微小管重合をインビトロで阻害する能力を試験することにより評価することができる。他のそのようなアッセイは、組織培養プレートでの細胞の計数または代謝アッセイあるいは標識(放射化学的に、例えばH−チミジンまたは蛍光的に標識されて)された、または免疫反応性(BrdU)ヌクレオチドのDNAへの取り込みにより細胞数を評価することを含む。さらに、抗血管新生活性は、内皮細胞遊走、内皮細胞微小管形成またはネズミ大動脈リングのエクスビボモデルでの血管成長により評価することができる。
【0021】
本発明はまた、本明細書に記載された1つ以上の組成物またはそのプロドラッグから成る局所投与、インプラントまたは他のデバイスに関し、そこでは組成物またはプロドラッグが徐放性用に生分解性または非生分解性の剤形に処方される。非生分解性の剤形は、剤形それ自体は分解することなく物理的または機械的プロセスにより薬物を制御された方法で放出する。生分解性の剤形は、体内の自然なプロセスにより徐々に加水分解されるか、または可溶化されるように設計され、混合薬物またはプロドラッグの段階的な放出を可能とする。生分解性および非生分解性の剤形の両方ならびに薬物が制御放出のために剤形に取り込まれるプロセスは、当業者には周知である。これらの局所投与、インプラントまたはデバイスは、送達が望まれる周辺、例えば、異常な皮膚部位または異常な脈管構造の近辺にインプラントすることができる。
【0022】
本発明の組成物は、インプラントまたはデバイスと関係づけることができる。この関係づけは、組成物のインプラントまたはデバイス(内表面および/または外表面で)へのコンジュゲートにより促進することができ、組成物はインプラントまたはデバイスなどの内部に隔離することができる。このコンジュゲーションは、共有結合または非共有結合とすることができる。そのコンジュゲーションは加水分解性である。当業者は、このコンジュゲーションを促進するいろいろな方法を熟知している。
【0023】
本発明はまた、コンジュゲートされたプロドラッグおよびその使用にも関する。より詳しくは、本発明はベンゾ[c]クロメン−6−オン誘導体のコンジュゲートおよび特徴的でない細胞増殖および/または特徴的でない血管新生に関連した病態の予防または治療におけるそのようなコンジュゲートの使用に関する。そのような疾患は、非制限的に、角化細胞、内皮細胞または他の病理学的に関与する細胞の過剰で異常な刺激または増殖を含む。
【0024】
本発明はまた、生物学的活性の変性剤(例えばペプチド、抗体またはその断片)、またはインビボでの加水分解性エステル類(例えばメチルエステル、リン酸エステル基または硫酸エステル基)およびアミド類またはカルバミン酸エステル類にコンジュゲートされたベンゾ[c]クロメン−6−オン誘導体のコンジュゲートされたプロドラッグを提供する。ベンゾ[c]クロメン−6−オン誘導体の病気依存的に活性化されたプロドラッグへの組み込みは、先に言及した1つ以上の病気の状態の治療における効力と選択性について著しい改善を可能にする。
【0025】
本発明の化合物に加えて、本発明の医薬組成物は、先に言及した1つ以上の病状を治療する際に価値がある1つ以上の薬理学的薬剤を含むか、あるいはそれと併用投与(同時にまたは順番に)されてもよい。そのような薬剤は、制限されるものではないが、抗内皮細胞活性または抗角化細胞活性に関して当業者に周知の薬剤、さらに当業者に周知の抗炎症剤を含む。
【0026】
さらにまた、ベンゾ[c]クロメン−6−オン誘導体またはそのプロドラッグは、徐放性を考慮した生分解性または非生分解性の剤形に配合されてもよい。例えば、製剤は送達が希望するところの近くに、つまり皮膚疾患または老化皮膚の部位に、または異常血管路の近傍にインプラントされる。あるいはまた、医薬製剤は、特異性を提供する化学的部分を有する送達ビヒクルに詰めることができる。例えば、その化学的部分は、抗体または有効成分の望ましい部位(皮膚疾患または老化皮膚)への送達を導き、促進するいくつかの他の分子、例えば1つ以上の興味ある受容体と相互作用する、当業者に公知のリガンドなどである。
【0027】
本発明はまた、本発明によるベンゾ[c]クロメン−6−オン誘導体またはそのプロドラッグを、医薬的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と共に含む医薬組成物の提供に関する。
【0028】
本発明はまた、特徴的でない細胞増殖および/または特徴的でない血管新生および/または炎症によって特徴づけられる任意の皮膚疾患または老化皮膚を伴う状態の予防または治療方法に関し、前記方法は、そのような予防または治療を必要とする被験者に、上記した本発明によるベンゾ[c]クロメン−6−オン誘導体またはそのプロドラッグの有効量を投与することを含む。(前記状態の予防または治療は、前記状態の寛解を含むことを理解すべきである。)
「有効量」によって、特定の病気または症候群を伴う徴候を部分的にまたは完全に軽減する治療的有効量を意味する。そのような量は、治療すべき状態、投与経路、および当業者に周知の他の関連する要因を考慮して、適切に熟練した開業医により容易に決定することができる。そのような人は、適切な服用量、投与方法および投与頻度を容易に決定することができるであろう。
【0029】
ベンゾ[c]クロメン−6−オン誘導体またはそのプロドラッグの医薬的に許容される塩は、任意の従来法で調製することが可能である。インビボで加水分解されるエステル類、例えばメチルエステル、リン酸エステル基、または硫酸エステル基、およびアミド類またはカルバミン酸エステル類は、任意の従来法で調製することが可能である。
【0030】
ベンゾ[c]クロメン−6−オン誘導体またはそのプロドラッグは、既知の技術を使用して生理的に許容される製剤として提供することができ、これらの製剤は標準的な経路により投与することができる。組成物は、これらに限定されるものではないが、局所的、経口的、経直腸的、または非経口的(例えば、静脈内、皮下内または筋肉内)経路を含む手段で投与することができる。さらに、組成物は、徐放性を考慮した剤形に取り込むことが可能であり、その製剤は送達が希望されるところの近くに、例えば皮膚疾患または老化皮膚の部位に、または異常血行路の近傍にインプラントされる。組成物の服用量は、治療される状態、使用される特定の誘導体、および他の臨床的要因(例えば被験者の体重や状態、および化合物の投与経路−それらの全ては当業者に理解される)に依存する。例えば、当業者は、Remington’s Pharmaceuticals Sciencesの第17版(それの全ての教示は、参照により本明細書に組み込まれる)などの標準的文献を参照することにより、製剤がどのようにして調製されるか、またこれらがどのようにして投与されるのかを決定することができるであろう。
【0031】
製剤は、制限されるものではないが、経口、経直腸、経鼻、吸入、局所(非制限的に、皮膚、経皮、口腔および舌下を含む)、経膣または非経口(非制限的に、皮下、筋肉内、静脈内、皮内、および吸入投与を含む)投与に適したものを含む。製剤は、単位用量の形態として存在するのが好都合であり、従来の製薬的技法により調製され得る。そのような技法は、有効成分および医薬的担体または賦形剤を配合する工程を包含する。製剤は、有効成分を液体担体または微細固体担体あるいはその両方と均質かつ緊密に配合した後、必要であれば生成物を成形することにより調製される。
【0032】
経口投与に適した本発明の製剤は、それぞれ所定量の有効成分を含有するカプセル剤、カシェ剤または錠剤として、粉剤または顆粒剤として、水溶液または非水性液体中の液剤または懸濁液剤として、または水中油型液体エマルジョンもしくは油中水型エマルジョンなどの個々の単位として存在することができる。
【0033】
錠剤は、場合により1つ以上の補助成分を用いて圧縮または成形することにより作ることが可能である。圧縮錠剤は、適切な機械で、結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、防腐剤、界面活性剤または分散剤と場合により混合された易流動性形態(例えば、粉末または顆粒)の有効成分を圧縮することにより調製され得る。成形錠剤は、適切な機械中、不活性液体希釈剤で湿潤された粉末化合物の混合物を成形することにより作製され得る。錠剤は場合によりコーティングされてもよく、あるいは切り込み線を入れてもよく、その中の有効成分の徐放または制御放出を提供するように製剤化されてもよい。
【0034】
口腔経由の投与に適した製剤としては、通常スクロースおよびアラビアガムまたはトラガカントガムなどの風味付けした基剤中に成分を含むロゼンジ剤;ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアラビアガムなどの不活性基剤中に有効成分を含む芳香錠、ならびに適切な液体担体中に投与すべき成分を含む含嗽剤が挙げられる。
【0035】
皮膚への局所投与に適した製剤は、薬学的に、薬用化粧品的にまたは化粧品的に許容される担体中に投与すべき成分を含む軟膏、クリーム、ゲルおよびペーストとして存在し得る。実行可能な送達系は、投与すべき成分を含有する経皮パッチである。
【0036】
本発明による組成物はまた、組成物が皮膚に塗布されるとき、その分布を促進するために、組成物中のベンゾ[c]クロメン−6−オン誘導体またはそのプロドラッグのために希釈剤、分散剤または担体として作用する薬学的にまたは化粧品的に許容されるビヒクルを含む。
【0037】
水以外のビヒクル、または水に加えてビヒクルは、液体または固体の皮膚軟化剤、溶剤、湿潤剤、増粘剤および粉末を含むことができる。一態様では、非水系担体は、ポリジメチルシロキサンおよび/またはポリジメチルフェニルシロキサンである。本発明のシリコンは、25℃で約10から10,000mm/s(センチストーク)の範囲の粘度を有するものであってよい。特に望ましいのは、低粘度および高粘度シリコンの混合物である。これらのシリコンは、200から550のシリーズで、General Electric Companyから入手可能である。本発明の組成物で使用されることができるシリコンの量は、組成物の5重量%から95重量%、および25重量%から90重量%の範囲である。
【0038】
薬学的にまたは化粧品的に許容されるビヒクルは、通常、5重量%から99.9重量%であり、一態様においては25重量%から80重量%である組成物を形成し、他の化粧品添加物が存在しない場合には、組成物の残りの部分を形成することができる。一態様では、ビヒクルは、ビヒクルの重量比で少なくとも80重量%の水である。別の態様では、水は本発明の組成物の少なくとも50重量%を含み、組成物の重量比で60から80重量%を含む。
【0039】
本発明の一実施形態では、組成物はまた、アルファ−ヒドロキシ酸を含む。ヒドロキシ酸類は、正常な皮膚の落屑を増加させ、より滑らかな、より若々しく見える皮膚をもたらす。ヒドロキシ酸は、アルファ−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸(例えばサリチル酸)、他のヒドロキシカルボン酸(例えばジヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシル−ジカルボン酸、ヒドロキシトリカルボン酸)およびそれらの混合物またはそれらの立体異性体(DL、DまたはL)の組み合わせから選択することができる。
【0040】
ベンゾ[c]クロメン−6−オン誘導体またはそのプロドラッグを含む組成物は、グリコール酸および/または乳酸を含むことができるが、その理由はそれらが当業者により化粧品の利点を送達することに特に効果的であることが証明されたためである。
【0041】
別の態様では、ヒドロキシ酸は、乳酸、2−ヒドロキシオクタン酸、ヒドロキシラウリン酸、グリコール酸およびそれらの混合物から選択される。
【0042】
組成物のpH次第では、ヒドロキシ酸は、例えばアンモニウム塩、カリウム塩またはナトリウム塩などの塩として存在し得ることを理解すべきである。組成物は、2.5から10の一般的な範囲で任意のpHを有してよい。
【0043】
油または油性物質は、乳化剤と一緒に存在してもよく、主に使用する乳化剤の平均親水性−親油性バランスに依存して油中水型エマルションまたは水中油型エマルジョンのどちらかを提供する。
【0044】
組成物は、日焼け防止剤を含むことができる。日焼け防止剤は、紫外線の遮断を目的とする一般的に使用されている物質である。代表的な化合物は、PABA誘導体、シンナマートおよびサリチラートである。例えば、オクチルメトキシシンナマートおよび2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(オキシベンゾンとしても知られる)を使用することができる。オクチルメトキシシンナマートおよび2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンは、それぞれ商標名Parsol MCXおよびBenzophenone−3として市販されている。エマルジョン中で使用される日焼け防止剤の正確な量は、太陽の紫外線照射からの所望の防御度に従って変えることができる。
【0045】
皮膚軟化剤は、しばしば医薬組成物または化粧品組成物に配合される。そのような皮膚軟化剤の量は、組成物全体の0.5重量%から50重量%、または5重量%から30重量%の範囲であってよい。皮膚軟化剤は、一般的な化学的種類に基づき、エステル類、脂肪酸類、アルコール類、ポリオール類および炭化水素類などに分類することができる。
【0046】
エステル類は、モノまたはジエステル類であってよい。脂肪酸ジエステル類の許容される例としては、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジエチル、ダイマー酸ジイソプロピル、およびコハク酸ジオクチルが挙げられる。許容される分岐鎖脂肪酸エステル類としては、ミリスチン酸2−エチル−ヘキシル、ステアリン酸イソプロピルおよびパルミチン酸イソステリルが挙げられる。許容される3塩基酸エステル類としては、トリリノール酸トリイソプロピルおよびクエン酸トリラウリルが挙げられる。許容される直鎖脂肪酸エステル類としては、パルミチン酸ラウリル、乳酸ミリスチル、およびオレイン酸ステアリルが挙げられる。適切なエステル類としては、ココ−カプリル酸エステル/カプリン酸エステル(ココ−カプリル酸エステルとココ−カプリン酸エステルの混合物)、プロピレングリコールミリスチルエーテルアセタート、ジイソプロピルアジマート(diisopropyl adimate)およびオクタン酸セチルが挙げられる。
【0047】
適切な脂肪アルコール類および脂肪酸類としては、10から20個の炭素原子を有する化合物が挙げられ、セチル、ミリスチル、パルミチルおよびステアリルアルコール類および対応する酸などの化合物である。
【0048】
皮膚軟化剤として作用するポリオール類には、直鎖および分岐鎖のアルキルポリヒドロキシル化合物がある。例えば、プロピレングリコール、ソルビトールおよびグリセリンが好ましい。また、ポリ−プロピレングリコールおよびポリエチレングリコールなどの高分子ポリオールも有用である。ブチレングリコールおよびプロピレングリコールも浸透増強剤として特に好ましい。
【0049】
皮膚軟化剤として作用する炭化水素類の例としては、12から30個の炭素原子の炭化水素鎖を有するものが挙げられる。具体例としては、鉱油、ワセリン、スクアレンおよびイソパラフィンが挙げられる。
【0050】
化粧品組成物に含まれる機能性成分の他の種類は、増粘剤である。増粘剤は、通常、組成物の0.1重量%から20重量%、約0.5重量%から10重量%の量で存在する。増粘剤の典型例としては、B.F.Goodrich CompanyからCarbopolの商標名で市販されている架橋ポリアクリレート物質がある。キサンタン、カラギーナン、ゼラチン、カラヤ、ペクチンおよびローカストビーンガムなどのガムも使用できる。ある環境下では、増粘機能は、シリコンまたは皮膚軟化剤としても作用する物質によって達成することができる。例えば、10センチストークを超えるシリコンガムおよびステアリン酸グリコールなどのエステル類は2重の機能性を有する。
【0051】
粉末は、医薬組成物または化粧品用組成物に配合されてもよい。これらの粉末は、チョーク、タルク、カオリン、デンプン、スメクタイト粘土、化学的に変性されたマグネシウムアルミニウムケイ酸塩、有機的に変性されたモンモリロナイト粘土、水和ケイ酸アルミニウム、ヒュームドシリカ、オクテニルコハク酸アルミニウムスターチおよびそれらの混合物を含む。
【0052】
他の補助剤微量成分もまた医薬組成物または化粧品用組成物に配合されてもよい。これらの成分は、着色剤、乳濁剤および芳香剤を含んでもよい。これらの他の補助剤微量成分の量は、組成物の重量の0.001%から20%までの範囲であってよい。
【0053】
医薬組成物または化粧品用組成物は、主としてヒトの皮膚への局所投与製品として、特に皮膚の状態を整え、皮膚に潤いを与え、皮膚を滑らかにするための、そして小皺のある、皺の多い、もしくは老化した皮膚の出現を防止または抑制するための薬剤としての使用が意図される。使用の際には、組成物の少量、例えば1から100mLを皮膚の露出領域に適切な容器またはアプリケータから塗布し、必要に応じて、手もしくは指または適切なデバイスを使用して皮膚に塗り拡げるかおよび/または擦り込まれる。局所用皮膚手入れ用組成物は、ローション、クリームまたはゲルとして製剤化することができる。組成物は、その粘度および消費者向け用途に適合する適切な容器に詰めることができる。例えば、ローションまたはクリームは、壜またはロールボールアプリケータ、または推進薬駆動エアゾールデバイスまたは指操作に適したポンプ付き容器に詰めることができる。組成物がクリームの場合、組成物は非変形性の壜、チューブなどの絞り出し容器または蓋付きの広口瓶に容易に収容することができる。組成物は、また、カプセルに含まれてもよい。
【0054】
直腸投与用の製剤は、例えばココアバターまたはサリチラートを含む適切な基剤を用いた坐剤として存在し得る。
【0055】
経鼻投与に適した製剤(担体は固体である)としては、鼻から吸い込まれる様式で、例えば鼻の近くに保持された粉末の容器から鼻腔を通過する迅速な吸入により投与される、例えば20から500ミクロンの範囲の粒子径を有する粗い粉末が挙げられる。例えば、点鼻スプレーとして、あるいは点鼻薬としての投与に適切な製剤(担体は液体である)としては、有効成分の水溶液または油性溶液が挙げられる。
【0056】
経膣投与に適した製剤は、有効成分のほかに、当技術分野で適切であることが知られている担体成分を含有するペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、発泡体またはスプレー製剤として存在してもよい。
【0057】
吸入に適した製剤は、有効成分のほかに、当技術分野で適切であると知られている担体成分を含有するミスト、粉塵、粉末またはスプレー製剤として存在してもよい。
【0058】
非経口投与に適した製剤としては、酸化防止剤、緩衝剤、静菌薬、および該製剤を投与対象者の血液と等張にする溶質を含有してもよい水性および非水性滅菌注射溶液;ならびに懸濁剤および増粘剤を含んでいてもよい水性および非水性滅菌懸濁液が挙げられる。製剤は、単位用量容器または多用量容器、例えば密封アンプルおよびバイアル中に存在していてもよく、また滅菌液体(例えば、注射用水)を使用直前に添加することのみを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)された状態で保管されてもよい。即席の注射溶液および懸濁液が、上記の種類の滅菌粉末、顆粒および錠剤から調製され得る。
【0059】
許容される単位用量の製剤は、本明細書中で上述するような、投与される成分の1日量または1日の単位量、1日のサブ用量、またはそれを適当に分割した量を含有するものである。
【0060】
上記の成分に加えて、本発明の製剤は、問題としている製剤のタイプに関する分野での通常の他の成分を含んでもよく、例えば、経口投与にふさわしい成分としては風味剤を挙げることができる。
【0061】
本発明は、約100%から約90%純粋の異性体の組成物を含む。別の態様では、本発明は、約90%から約80%純粋の異性体の組成物に関する。さらに別の態様では、本発明は、約80%から約70%純粋の異性体の組成物に関する。なお別の一態様では、本発明は、約70%から約60%純粋の異性体の組成物に関する。なおさらなる一態様では、本発明は、約60%から約50%純粋の異性体の組成物に関する。しかしながら、αまたはβと表示された立体化学異性体は、任意の比率の両方の混合物であってもよく、それは当業者には化学的に可能である。さらに本発明には、古典的および非古典的な生物学的等価性の原子および置換基の置換が含まれるが、当業者には周知である。そのような生物学的等価性の置換は、例えば、=Oに対する=Sまたは=NHの置換を含む。
【0062】
本発明に従って使用される既知化合物および本発明による新規化合物の前駆体は、市販業者(例えば、Sigma−Aldrich)から購入することができる。本発明による他の化合物は、当業者に周知の方法によって合成することができる。
【0063】
ベンゾ[c]クロメン−6−オン誘導体SG00292およびSG00392の合成経路は、下記のスキーム1に要約される。この合成経路は、この一連の誘導体を調製する1つの可能な方法を提示し、そして他の合成経路(合成工程または試薬の順序を変えることを含む)は、当業者にとって可能である。特定のケースでは、保護基の性質や反応の順序は、所望の製品に到達するために変更しなければならないかもしれない。一般的な合成スキームのこうした変更は、当業者には十分に理解される。
【0064】
(実施例)
本発明によるベンゾ[c]クロメン−6−オン誘導体は、以下の反応スキームのスキーム1および合成方法のスキーム2を使用して調製することができる。
【0065】
本発明はまた、スキーム1の出発点から調製されたベンゾ[c]クロメン−6−オン誘導体も含む。これらの類似体の合成は、スキーム3で示される合成方法に記述され、表Iで表されるベンゾ[c]クロメン−6−オン誘導体を例示する。
【化1】

【0066】
スキーム2
5−ベンジルオキシ−2−ブロモ−4−メトキシベンズアルデヒド(2)の合成
2−ブロモ−5−ヒドロキシ−4−メトキシベンズアルデヒド(25g、0.108mol)とKCO3(30g、0.216mol)をアセトニトリル(250mL)に加えて、アルゴンガス(Ar)を通した。臭化ベンジル(20g、0.12mol)を加え、混合物を50℃で20時間、Ar雰囲気下で加熱した。冷却後、混合物を水(200ml)に注ぎ、CHCl(300mL)で抽出した。CHClは水(3×100mL)で洗浄し、乾燥し、濃縮した。イソプロパノール:水(3:1)からの再結晶により、2の28.8g(83%)を淡褐色の固体として得た。H−NMR(400MHz、CDCl3)dH 3.96(3H、s、OCH)、5.16(2H、s、CHPh)、7.07−7.48(7H、m、ArH+CHPh)、10.16(1H、s、CHO)。
【0067】
5−ベンジルオキシ−2−ブロモ−4−メトキシフェノール(3)
5−ベンジルオキシ−2−ブロモ−4−メトキシ−ベンズアルデヒド2(5g、16.0mmol)を、CHCl(40mL)に加え、Arを通し、氷浴中で冷却した。mCPBA(5.2g)のCHCl(50mL)溶液を滴下して加えた。添加が完了したら、反応混合物をAr雰囲気下で14時間還流した。冷却後、混合物を飽和NaHCO(3×50mL)、塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮した。残渣を酢酸エチル/ヘキサンから再結晶して、3の4.1g(85%)を大きな黄褐色の針状晶として得た。H−NMR(400MHz、CDCl)dH 3.88(3H、s、OCH)、5.10(2H、s、CHPh)、6.74(1H、s、ArH)、7.08(1H、s、ArH)、7.34−7.40(5H、m、CHPh)、8.25(1H、s、OH)。
【0068】
1−ベンジルオキシ−4−ブロモ−2,5−ジメトキシベンゼン(4)
5−ベンジルオキシ−2−ブロモ−4−メトキシ−フェノール3(2.76g、89.0mmol)とNaH(0.89g、13.0mmol、油中60%分散液)をフラスコに加え、Arを通した。乾燥THF(50mL)を加え、懸濁液を20分間、氷浴中で攪拌した。CHI(1.7mL、27.0mmol、塩基性アルミナで濾過された)を加え、混合物をAr雰囲気下、室温で18時間攪拌した。反応混合物を氷浴中で冷却後、水をゆっくりと加えた。混合物を酢酸エチルで抽出し、乾燥し、濃縮して真空下で固化した黄色油を得た。この油は、シリカゲル(10%酢酸エチル/ヘキサン)を用いたシリカゲルクロマトグラフィにより精製して4の2.5g(88%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz、CDCl)dH 3.75(3H、s、OCH)、3.84(3H、s、OCH)、5.15(2H、s、CHPh)、6.57(1H、s、ArH)、7.07(1H、s、ArH)、7.32−7.42(5H、m、CHPh)。
【0069】
4−ベンジルオキシ−2,5−ジメトキシフェニルボロン酸(5b)
1−ベンジルオキシ−4−ブロモ−2,5−ジメトキシベンゼン4(7.48g、23.0mmol)を乾燥フラスコに入れ、Arを通した。乾燥THF(75mL)を加え、溶液をドライアイス/アセトン浴中で−78℃に冷却した。nBuLi(11mL、ヘキサン中2.5M)を加え、混合物を−78℃で20分間攪拌した。ホウ酸トリイソプロピル(10.7mL、0.463mol)を加え、反応は−78℃で2時間攪拌し、次いで室温にまで昇温すると白色沈殿が形成し始めた。さらに20時間攪拌した後、反応を飽和NHCl(25mL)でクエンチした。有機層を分離した後に、水層を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥し、濃縮した。残渣をヘキサンで粉末化し、濾過して5bの4.1g(62%)を淡いオフホワイト色のクリーム状固形物として得た。H−NMR(400MHz、DMSO−d6)dH 3.70(3H、s、OCH)、3.79(3H、s、OCH)、5.16(2H、s、CHPh)、6.77(1H、s、ArH)、7.18(1H、s、ArH)、7.33−7.52(5H、m、CHPh)。
【0070】
5−アセチル−2−トリフルオロメタンスルホニルオキシ安息香酸メチルエステル(6)
5−アセチルサリチル酸メチル(25.0g、0.129mol)をAr雰囲気下、CHCl(250mL)とピリジン(60mL)に0℃で溶解した。次いで、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(37.9g、0.133mol)を20分間かけて加えた。反応混合物をさらに30分間攪拌し、次いで水(500mL)でクエンチした。有機層を分離し、5%のHCl(80mL)で3回洗浄した。溶媒を除去した後に、得られた固体を真空乾燥して6の40.3g(96%)得た。H−NMR(400MHz、CDCl)dH 2.56(3H、s、COCH)、3.89(3H、s、OCH)、7.32(1H、d、ArH)、8.12(1H、d、ArH)、8.52(1H、s、ArH)。
【0071】
4−アセチル−4’−ベンジルオキシ−2’−メトキシビフェニル−2−カルボン酸メチルエステル(7b)
4−ベンジルオキシ−2,5−ジメトキシフェニルボロン酸5b(4.15g、14.4mmol)、5−アセチル−2−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−安息香酸メチルエステル6(4.69g,14.4mmol)およびKCO(3.98g、28.8mmol)を加え、フラスコにArを通した。無水エタノール(83mL)とDME(94mL)、次いでPd(PPh(0.87g、0.785mmol)を加え、反応混合物を4時間還流した。冷却後、水(100mL)、酢酸エチル(100mL)と塩水(50mL)を加えた。有機層を塩水(2×50mL)で洗浄し、合わせた水性画分を酢酸エチルで逆抽出した。合わせた有機画分を乾燥し、濃縮し、酢酸エチル/ヘキサンから再結晶して7bの6.5g(99%)を黄色の固体として得た。H−NMR(400MHz、CDCl)dH 2.65(3H、s、COCH)、3.58(3H、s、OCH)、3.68(3H、s、OCH)、3.88(3H、s、OCH)、5.21(21H、s、CHPh)、6.55(1H、s、ArH)、6.86(1H、s、ArH)、7.30−7.48(6H、m、ArH+CHPh)、8.10(1H、d、ArH)、8.37(lH、s、ArH)。
【0072】
4−アセチル−4’−ベンジルオキシ−2’−メトキシビフェニル−2−カルボン酸(8b)
4−アセチル−4’−ベンジルオキシ−2’−メトキシビフェニル−2−カルボン酸メチルエステル7b(4.06g、9.7mmol)とNaOH(0.773g、19.4mmol)に、メタノール(60mL)と水(60mL)を加えた。反応は、Ar雰囲気下7時間還流し、それから室温に冷却した。氷浴中に入れた後、1MのHClを加え、得られた黄色の沈殿物を濾過し、水で洗浄し、THF/ヘキサンから再結晶して8bの2.7g(69%)を黄色結晶として得た。H−NMR(400MHz、CDCl)dH 2.68(3H、s、COCH)、3.62(3H、s、OCH)、5.16(2H、s、CHPh)、6.77(1H、s、ArH)、7.18(1H、s、ArH)、7.33−7.52(5H、m、CHPh)、3.90(3H、s、OCH)、5.22(2H、s、CHPh)、6.58(1H、s、ArH)、6.90(1H、s、ArH)、7.34−7.50(6H、m、ArH+ChPh)、8.17(1H、d、ArH)、8.50(1H、s、ArH)。
【0073】
8−アセチル−3−ベンジルオキシ−2−メトキシベンゾ[c]クロメン−6−オン(9b)
4−アセチル−4’−ベンジルオキシ−2’−メトキシビフェニル−2−カルボン酸8b(1.0g、2.5mmol)を1,2−ジクロロエタン(30mL)に懸濁した。SOCl(200mL、2.7mmol)を加え、反応混合物をAr雰囲気下2時間還流した。室温(いくらかの沈殿物が形成した)に冷却後、AlCl(0.262g、0.002mol)を加えると、混合物は赤くなった。反応は、室温で17時間攪拌し、次いで水(30mL)でクエンチし、CHCl(100mL)で希釈した。有機層を塩水(2×50mL)で洗浄した後、それを乾燥し、濃縮した。残渣を熱CHClに溶解し、それから冷却した。ヘキサンを添加して生成物の沈殿を促進した。2回目の再結晶により、9bの0.3g(32%)を黄色固体として得た。H−NMR(400MHz、CDCl)dH 2.73(3H、s、COCH)、4.05(3H、s、OCH)、5.28(2H、s、CHPh)、6.94(1H、s、ArH)、7.35−7.50(6H、s、ArH+CHPh)、8.07(1H、d、ArH)、8.42(1H、d、ArH)、8.92(1H、s、ArH)。
【0074】
8−アセチル−3−ヒドロキシ−2−メトキシベンゾ[c]クロメン−6−オン(10)
ギ酸ナトリウム(2.18g、32mmol)とギ酸(4.2mL、106.8mmole)を、オーバーヘッド攪拌器と加熱マントルを備えた3Lの3頸フラスコ中、9b(10.0g、26.71mmol)の乾燥THFと無水エタノール1:1混合液(1.5L)の懸濁液に加えた。この混合物に、10%パラジウム/炭素(100mg)を加え、反応はAr雰囲気下7時間還流した。この時点で、出発原料9bの全てが溶解した。溶液を熱いまま濾過して触媒を除き、溶媒をロータリーエバポレータで除去した。(溶液をクールダウンすると、生成物は沈殿し、その固体を6Lの還流メタノールで抽出して触媒から分離することができる)。得られた固体(7.8g)は、下記のようにシリカゲルクロマトグラフィによって精製された。
【0075】
典型的な工程では、粗製の10の3.12gをシリカゲル20gと混合し、メタノール200mLに懸濁し、溶媒をロータリーエバポレータで除去した。この物質をシリカゲルカラム(6cm×36cm、シリカゲル400g)の頂上に置き、1%アセトン/ジクロロメタン、10%アセトン/ジクロロメタンと100%アセトンの濃度の勾配で留出した。全ての純粋な画分を合わせ、蒸発して所望の中間体10の2.4g(80%収率)を得た。H(300MHz)(DMSO−d)d 2.07(3H、s)、2.66(3H、s)、3.92(3H、s)、6.81(1H、s)、7.78(1H、s)、8.33(1H、d、J=8.7Hz)、8.46(1H、d、J=8.7Hz)および8.66(1H、d、J=1.8Hz)。
【0076】
スキーム3
SG00393。SG00392(1.0g、2.67mmol)とNaBH(0.1g、2.67mmol)を、THF(20mL)と無水エタノール(10mL)の2:1混合液に加え、1.5時間攪拌した。反応混合物を氷浴中で冷却し、0.5NのHClを色が黄色から透明に変わるまで添加した。水(20mL)を加え、混合物をCHClで抽出し、乾燥し、濃縮して、残渣をCHCl:アセトン(8/1)を用いてシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製してSG00393の0.71gを得た。
【0077】
SG00394。SG0093(0.1g、0.27mmol)を無水CHCl(6mL)に加え、−78℃に冷却して不均質な混合物を得た。DIBAL(ヘキサン中1M、0.66mL、0.66mmol)を2時間かけて滴下しながら加えた。DIBALの追加量(0.2mL)を加え、合計2.5時間後、メタノール(0.8mL)を加えて反応をクエンチした。反応混合物を室温にまで昇温し、CHCl(100mL)、氷および少量のアセトンを加え、混合物を15分間攪拌した。CHCl層を飽和NaHCO、塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮した。残渣をアセトン(40mL)に再溶解し、シリカゲル(1g)上にプレ吸着した。アセトンを蒸発させた後、残渣をCHCl:アセトン(6/1)を用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィにより精製してSG0094の69mgを得た。
【0078】
SG00395。粗製のSG00394(1.18g、3.12mmol)、トリエチルアミン(1.73mL、12.5mmol)、無水酢酸(1.18mL、12.5mmol)および無水CHCl(50mL)をN雰囲気下、室温で攪拌した。DMAPの結晶を一旦加え、反応混合物を15分間攪拌し、それからCHClで抽出した。CHCl層を飽和NaHCO、塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、CHCl:アセトン(10/1)を用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィにより精製してSG00395の0.89gを得た。
【0079】
SG00396。SG00395(0.83g、0.197mmol)を無水CHCl(25mL)に加え、N雰囲気下でメタノール/ドライアイス浴中で冷却した。EtSiH(0.631mL、3.95mmol)を加え、続いてBFEtO(0.375mL、2.96mmol)を滴下して加え、0.5時間激しく攪拌した。反応混合物を冷却浴から取り出し、45分後に飽和NaHCO(3mL)でクエンチした。反応混合物をCHClで抽出し、飽和NaHCO、塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、酢酸エチル:ヘキサン(1/2)を用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィにより精製してSG00396の0.71gを得た。
【0080】
SG00397。SG00396(0.135g、0.334mmol)、ギ酸(0.525mL、1.34mmol)、ギ酸ナトリウム(27mg、0.4mmol)、10%のPd/C(0.3mol%)、無水THF(4mL)および無水エタノール(4mL)をN雰囲気下で1.5時間、加熱還流した。反応物を冷却し、反応混合物の約半分を蒸発した。シリカゲル残渣を酢酸エチル:ヘキサン(1/2)を用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィにより精製してSG00397の50mgを得た。
【0081】
SG00398。SG00397の調製における反応混合物の残りの半分にさらに10%のPd/Cを加え、0.5時間還流して反応させた。Pd/Cを濾過して除き、メタノールで洗浄し、シリカゲルを濾液に加えた。濃縮後に、シリカゲル残渣を酢酸エチル:ヘキサン(1/2)を用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィにより精製してSG00398の32mgを得た。
【0082】
SG00399。SG00395(0.44g、1.09mmol)とAmberlyst−15樹脂(12−15ビーズ)をメタノール(10mL)中N雰囲気下で2時間攪拌した。Amberlystを濾過し、メタノールで洗浄し、濾液を濃縮した。残渣を酢酸エチル:ヘキサン(1/2)を用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィにより精製してSG00399の0.4gを得た。
【0083】
SG00400。SG00397(95mg、0304mmol)をメタノール(2mL)に加えた。この混合物にKCO(0.126g、0.912mmol)と水(0.1mL)を加え、N雰囲気下で3時間攪拌して反応させた。反応は、1%のHCl(0.1mL)とメタノール(10mL)の添加により止めた。シリカゲルを加え、溶媒を蒸発し、残渣を酢酸エチル:ヘキサン(1/1)を用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィにより精製してSG00400の72mgを得た。
【0084】
SG00477。SG00292(0.18g、0.63mmol)を無水CHCl(7mL)に、N雰囲気下で攪拌しながら加えた。EtN(0.35mL、2.53mmol)、無水酢酸(0.24mL、2.53mmol)およびDMAPの1つの結晶を加えた。15分攪拌後に、CHClを加え、混合物を飽和NaHCO、塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、シリカゲルにプレ吸着させた。酢酸エチル:ヘキサン(2/1)を用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィによりSG00477の80mgを得た。
【0085】
SG00490。SG00396(122mg、0.3mmol)、KCO(125mg、0.9mmol)および水(0.13mL)をメタノール(3.3mL)に加え、N雰囲気下で1.5時間攪拌し、それから1%HSOでクエンチした。反応物をCHClで抽出し、2等分した。1つの部分は、濃縮し、酢酸エチル:ヘキサン(1/1)を用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィにより精製してSG00490の48mgを得た。残りの部分は、SG00491に転換された。
【0086】
SG00491。粗製のSG00490の残りの部分は、Dess−Martin試薬(37.3mg、0.9mmol)を使い1時間にわたって酸化した。反応物をCHClで抽出し、飽和NaHCO、塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、酢酸エチル:ヘキサン(1/1)を用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィにより精製してSG00491の40mgを得た。
【0087】
SG00492。SG00491を用いて出発し、SG00392に対する方法に従って調製された。収量44mg。
【0088】
SG493。SG492(116mg、0.41mmol)、KCO(112mg、0.82mmol)およびCHI(1mL)をアセトン(10mL)に加え、2日間還流した。シリカゲルを反応混合物に加え、濃縮し、CHCl:アセトン(9/1)を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製してSG00493の100mgを得た。
【0089】
SG00494。1−(2−クロロエチル)ピペリジン塩酸塩を使用し、SG00493に対する方法に従って調製された。収量52mg。
【0090】
SG00495。臭化エチルを使用し、SG00493に対する方法に従って調製された。収量20mg。
【0091】
SG00496。SG00393(116mg、0.308mmol)を氷浴中で無水THF(10mL)に加えた。NaH(油中60%分散液、22mg、0.92mmol)を加え、混合物を20分間攪拌した。CHIを滴下して加え、0.5時間攪拌して反応させた。氷浴を取り除き、一晩攪拌して反応させた。追加のCHIを加え、反応混合物を5時間還流した。反応は、水でクエンチし、蒸留して過剰のCHIを除去した。CHClと水を加え、分液後、CHCl層を乾燥し、濃縮し、酢酸エチル:ヘキサン(1/1)を用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製してSG00496を得た。
【0092】
SG00510。SG00493を使用し、SG00393に対する方法に従って調製された。収量48mg。
【0093】
SG00511。2−(ブロモメチル)臭化水素酸塩を使用し、SG00493のための方法に従って調製された。収量170mg。
【0094】
SG00512。臭化エチルを使用し、SG00493に対する方法に従って調製された。収量63mg。
【0095】
SG00513。臭化イソプロピルを使用し、SG00493に対する方法に従って調製された。収量220mg。
【0096】
SG00514。7−ヒドロキシクマリンと臭化ベンジルを使用し、SG00493に対する方法に従って調製された。収量1.3g。
【0097】
SG00519。スコポレチンと臭化ベンジルを使用し、SG00493に対する方法に従って調製された。収量17mg。
【0098】
SG00520。SG00494を使用し、SG00393に対する方法に従って調製された。収量75mg。
【0099】
SG00521。SG00512を使用し、SG00393に対する方法に従って調製された。収量118mg。
【0100】
SG00526。SG00511(50mg、0.133mmol)とNaBH(5.0mg、0.133mmol)をエタノール:THF(全部で10mL)の1:1混合物に加え、48時間攪拌し、次いで2時間還流した。冷却後、反応混合物を1NのHClでpH2の酸性とし、次いで飽和NaHCOでpH8にして酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を水、塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮した。残渣をヘキサン:CHCl(1/1)、CHClおよび3%CHOH/CHClの濃度勾配を用いてシリカゲルクロマトグラフィにより精製してSG00526の40mgを得た。
【0101】
SG00527。SG292(100mg、0.35mmol)をNaH(15.4mg、0.4mmol)のDMF(10mL)中での混合物に加え、反応混合物を2時間還流した。室温に冷却した後に、DMFに溶解された臭化4−メトキシベンジル(0.57mL、0.42mmol)を加え、反応混合物を70℃で9時間加熱した。水(10mL)を加え、反応混合物をCHCl(3×20mL)で抽出し、合わせた有機層を水、塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮した。残渣は、ヘキサン:CHCl(1/2)、次いでCHClで精製してSG00527の85mgを得た。
【0102】
SG00528。SG00530を使用し、SG00526に対する方法に従って調製された。収量20mg。
【0103】
SG00529。SG00527を使用し、SG00526に対する方法に従って調製された。収量40mg。
【0104】
SG00530。臭化3−メトキシベンジルを使用し、SG00527に対する方法に従って調製された。収量110mg。
【0105】
SG00531。SG00495を使用し、SG00393に対する方法に従って調製された。収量36mg。
【0106】
SG00532。SG00513を使用し、SG00393に対する方法に従って調製された。収量71mg。
【0107】
SG00533。SG00273を使用し、SG00393に対する方法に従って調製された。収量8mg。
【0108】
SG00541。塩化2−メトキシベンジルを使用し、SG00527に対する方法に従って調製された。収量80mg。
【0109】
SG00542。2−(クロロメチル)フェニルアセタートを使用し、SG00527に対する方法に従って調製された。収量80mg。
【0110】
SG00543。無水CHCl(8mL)中のSG00392(0.19g、0.51mmol)に、N雰囲気下、室温で攪拌しながらCHMgI(0.2mL、1.6mM)を滴下しながら加えた。25分後に、追加のCHMgI(0.2mL、1.6mM)を加えた。1時間後、さらに追加のCHMgI(0.2mL、1.6mM)を加えた。CHClを分液し、わずかに酸性の水で洗浄し、シリカゲルを加え、CHClを蒸発して粗製の反応物をプレ吸着した。そのジメチルアルコールは、酢酸エチル:ヘキサン(2/1)を用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィにより精製して、次の工程で使用された。このジメチルアルコール(58mg、0.15mmol)は、脱ベンジル化され、SG00292に対する方法に従ってSG00543を得た。収量32mg。
【0111】
SG00544。2−クロロメチルフェニルアセタートを使用し、SG00526に対する方法に従って調製された。収量15mg。
【0112】
SG00545。SG00541を用いて出発し、SG00526に対する方法に従って調製された。収量40mg。
【0113】
SG00546。塩化3,5−ジメトキシベンジルを使用し、SG00527に対する方法に従って調製された。収量80mg。
【0114】
SG00547。SG00546を用いて出発し、SG00526に対する方法に従って調製された。収量30mg。
【0115】
SG00548。SG00543の調製で調製されたジメチルアルコール(56mg、0.14mmol)をAmberlyst−15とMgSOの触媒量を含む無水CHCl(3mL)に加え、6時間攪拌し、次いで冷凍庫に一晩置いた。濾過後に、粗製の脱水生成物を酢酸エチル:ヘキサン(1/2)を用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィにより精製して、次の工程で使用した。精製された脱水生成物を無水エタノール(3mL)に溶解し、10%Pd−C(30mg)の無水エタノール(1.5mL)懸濁液を加え、Hで充填されたバルーンを付けた。7時間攪拌後、触媒を濾去し、粗製の反応物をシリカゲル上にプレ吸着し、酢酸エチル:ヘキサン(1/2)を用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィにより精製してSG00548を得た。
【0116】
SG00549。NaH(0.02g、0.55mmol)の無水DMF(5mL)の懸濁液にSG00391(0.1g、0.37mmol)を加えた。得られた黄色の不透明な混合物を1時間還流した。臭化ベンジル(0.05mL、0.41mmol)を加えると、混合物はオレンジ/黄色の透明な溶液になった。反応混合物を冷却し、水(15mL)に加えて、酢酸エチル(3×12mL)で抽出した。有機層を塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、ヘキサン中15%酢酸エチルを用いたフラッシュシリカゲルクロマトグラフィにより精製してSG00549を定量的収率で得た。
【0117】
SG00550。臭化4−メトキシベンジルを使用し、SG00549に対する方法に従って調製された。収量100mg。
【0118】
SG00551。臭化2−メトキシベンジルを使用し、SG00549に対する方法に従って調製された。収量62mg。
【0119】
SG00552。臭化3−メトキシベンジルを使用し、SG00549に対する方法に従って調製された。収量70mg。
【0120】
SG00553。SG00555を用いて出発し、SG00526に対する方法に従って調製された。収量20mg。
【0121】
SG00554。SG00556を用いて出発し、SG00526に対する方法に従って調製された。収量24mg。
【0122】
SG00555。3−クロロメチルピリジン塩酸塩を使用し、SG00527に対する方法に従って調製された。収量53mg。
【0123】
SG00556。4−クロロメチルピリジン塩酸塩を使用し、SG00527に対する方法に従って調製された。収量45mg。
【0124】
SG00557。4−(クロロメチル)フェニルアセタートを使用し、SG00527に対する方法に従って調製された。収量5mg。
【0125】
SG00558。4−(クロロメチル)フェニルを使用し、SG00527に対する方法に従って調製された。収量45mg。
【0126】
SG00559。臭化4−メチルベンジルを使用し、SG00527に対する方法に従って調製された。収量58mg。
【0127】
SG00560。臭化4−ブロモベンジルを使用し、SG00549に対する方法に従って調製された。収量60mg。
【0128】
SG00561。臭化3−ブロモベンジルを使用し、SG00549に対する方法に従って調製された。収量100mg。
【0129】
SG00562。臭化3−クロロベンジルを使用し、SG00549に対する方法に従って調製された。収量80mg。
【0130】
SG00568。2−ブロモエチルベンゼンを使用し、SG00527に対する方法に従って調製された。収量18mg。
【0131】
SG00569。PhMgBrを使用し、SG00543に対する方法に従って調製された。収量19mg。
【0132】
SG00570。SG00549の調製で生じたジオール副生物を使用し、SG00548の合成における脱水生成物の調製に従って調製された。収量21mg。
【0133】
SG00571。臭化4−クロロベンジルを使用し、SG00549に対する方法に従って調製された。収量90mg。
【0134】
SG00572。臭化4−フルオロベンジルを使用し、SG00549に対する方法に従って調製された。収量110mg。
【0135】
SG00573。メチル4−(ブロモメチル)ベンゾアートを使用し、SG00549に対する方法に従って調製された。収量40mg。
【0136】
SG00574。4−ブロモメチルベンゾフェノンを使用し、SG00549に対する方法に従って調製された。収量30mg。
【0137】
SG00575。SG00559を用いて出発し、SG00526に対する方法に従って調製された。収量25mg。
【0138】
SG00576。臭化3−メチルベンジルを使用し、SG00527に対する方法に従って調製された。収量30mg。
【0139】
SG00577。臭化3,4,5−トリメトキシベンジルを使用し、SG00527に対する方法に従って調製された。収量45mg。
【0140】
SG00592。塩化4−メトキシベンジルと3−(4−ブロモフェニル)−7−ヒドロキシクマリンを使用し、SG00527に対する方法に従って調製された。収量62mg。
【0141】
SG00593。臭化3,5−ジメトキシベンジルを使用し、SG00592に対する方法に従って調製された。収量74mg。
【0142】
SG00594。塩化4−トリフルオロメチルベンジルを使用し、SG00527に対する方法に従って調製された。収量22mg。
【0143】
SG00595。塩化4−フルオロベンジルを使用し、SG00527に対する方法に従って調製された。収量43mg。
【0144】
SG00596。臭化3,5−ジメトキシベンジルを使用し、SG00549に対する方法に従って調製された。収量30mg。
【0145】
SG00597。エチルブロモエチルアセタートを使用し、SG00527に対する方法に従って調製された。収量15mg。
【0146】
SG00598。SG00293(SG00292のケトンがアルコールに還元された)を使用し、SG00527に対する方法に従って調製された。収量16mg。
【0147】
SG00599。SG00569を調製するための反応から、SG00599も単離された。収量3.3mg。
【0148】
SG00609。SG00577を用いて出発し、SG00526に対する方法に従って調製された。収量32mg。
【0149】
SG00612。SG00292(0.1g、0.35mmol)を無水CHCl(10mL)に攪拌しながら加えた。ピリジン(0.05mL)と塩化ベンゾイル(0.1mL)を加え、1時間攪拌して反応させた。反応物を5%HClへ注ぎ、CHClで抽出し、飽和NaHCOで洗浄し、乾燥し、濃縮し、酢酸エチル:ヘキサン(1/1)を用いたフラッシュシリカゲルクロマトグラフィにより精製してSG00612の25mgを得た。
【0150】
SG00613。塩化4−メトキシベンジルを使用し、SG00612に対する方法に従って調製された。収量2.3mg。
【0151】
SG00614。SG00547(50mg、0.114mmol)を無水ジエチルエーテル:CHCl(6mL)の1:1混合液に溶解した。PBr(124mg、0.46mmol)を加え、室温で週末にかけて攪拌し反応させた。飽和NaHCOを加え、反応物をCHClで抽出し、塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮し、ヘキサン、続いてCHCl、続いてCHCl中1%メタノールを用いたフラッシュシリカゲルクロマトグラフィにより精製してSG00614の20mgを得た。
【0152】
SG00615。SG00546とEtMgBrを用いて出発し、SG00543に対する方法に従って調製された。収量55mg。
【0153】
SG00616。SG00546とCHMgIを用いて出発し、SG00543に対する方法に従って調製された。収量74mg。
【0154】
SG00617。SG00293(SG00292のケトンがアルコールに還元された)と4−ブロモメチルベンゾフェノンを使用し、SG00527に対する方法に従って調製された。収量13mg。
【0155】
SG00618。4−ベンジルオキシ安息香酸(1g、4.4mmol)を無水CHCl(11mL)に加えた。DMF(5滴)の触媒量を塩化オキサリル/CHCl(2M、5.75mL)と共に加え、2時間攪拌して反応させた。溶媒を蒸発し、粗製の塩化4−ベンジルオキシベンゾイルを直接使用した。SG00618は、塩化4−ベンジルオキシベンゾイルを使用し、SG00612に対する方法に従って調製された。収量49mg。
【0156】
SG00619。SG00527に対する方法に従って、しかしSG00293(SG00292のメチルケトンがアルコールに還元された)と臭化4−ホルミルベンジル(臭化4−シアノベンジルのDIBAL還元により調製された)を使用して調製された。収量45mg。
【0157】
SG00620。臭化4−ニトロベンジルを使用してSG00527に対する方法に従って調製された。収量20mg。
【0158】
実験データ
以下の実施例は、表Iで示された化合物からの代表的な具体例について言及する。前記の化合物は、後述する抗増殖特性、抗血管新生特性および/または他の有意義な活性を有することが分かる。
【実施例1】
【0159】
内皮細胞増殖の阻害およびエストロゲン受容体αおよびβに対する結合欠損としてインビトロで測定された抗血管新生活性
HUVEC増殖。ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の増殖阻害は、抗血管新生活性の1つの尺度として示される。HUVECと必要な培地補完剤はCascade Biologics(Portland、OR)から購入し、培養物の増殖と維持は、メーカーによって記述された通りに行なった。増殖アッセイは、完全培地中1,000細胞/ウェルの密度で96ウェルプレートにHUVECを播種することによって行われた。24時間のプレーティング期間の後で、細胞は24時間0.5%血清中で飢えさせて、SG(「シグナル遺伝子」、ここでは「パロミド」)血管新生阻害剤で、完全培地中10ng/mlのb−FGFの存在下、またはb−FGFまたはVEGFのどちらかの用量範囲の存在下で処理した。48時間後、細胞数は供給元(Promega Corp.,Madison,WI)により記述された比濁法を使用して測定された。結果は、血管新生阻害剤がない場合の最大b−FGFまたはVEGF応答のパーセンテージとして表された。非増殖性内皮細胞は、96ウェルプレート中でHUVECが休止状態になるまで増殖させ、血管新生阻害剤で48時間処置することによりアッセイされた。最初に、5,000細胞/ウェルを播種し、次の日にコンフルエンスに達した。プレートは、増殖停止を確実にするためにさらに24時間インキュベーションして、その後、血管新生阻害剤で処置した。細胞数は、上で概説したように測定された。
【0160】
ER結合アッセイ。エストロゲン受容体を通して信号と結合し、変換する誘導体は、そのような活性が血管新生を引き起こすのと同様に癌増殖を増強するので、陽性の活性とは考えられなかったであろう。エストロゲン受容体(「ER」)に対して、結合が殆んど無いか、全く無い誘導体は、1つの望ましい活性であろう。あるいはまた、エストロゲン受容体と結合したが、信号を変換しなかった誘導体は、陽性の活性と考えることができるであろう。ERaとERbをコードするヒトcDNAは、インビトロで受容体蛋白を発現するテンプレートとして使用された。タンパク質は、転写と翻訳を1つの反応に連結する、Promega(TNTキット)によって供給されたウサギ網状赤血球溶解物を使用して産生された。各々の反応で使用されるテンプレートの量は経験的に決定され、発現は平行した反応でモニターされ、そこでは[35S]メチオニンが受容体に組み込まれ、その後にゲルの電気泳動とフィルムへの曝露を行った。結合反応は、TEG緩衝剤(10mMトリス、pH7.5、1.5mMのEDTA、10%グリセロール)中、最終容量100mLで実施された。インビトロでの転写−翻訳受容体の5mLは、0.5nM[H]エストラジオール(E)の存在下での各結合反応で使用された。全化合物は10−11Mから10−6Mまで常套的に試験され、エタノールで希釈された。反応は一晩、4℃でインキュベーションして行い、結合Eはデキストラン被膜処理活性炭200mLを加えることによって定量した。4℃で15分の回転後、チューブを10分間遠心分離し、上澄み150mLを液体シンチレーション計測によりcpmを測定するためにシンチレーションカクテル5mLに加えた。バックグラウンドのコントロールは、5mLのプログラム化されていないウサギ網状赤血球溶解物を使用する各実験に含まれた。この値、一般的に最大カウント数の10から15%は、すべての値から差し引かれた。最大結合は、結合Eをエタノールビヒクルのみと競合させることにより測定された。この値は、100%(最大E結合)にセットした。パーセント阻害のための値は、最大E結合に基づいて算出された。データは、プロットされ、Prism Softwareを用いてKi値が計算された。実験は、2通り少なくとも3回、行われた。
【0161】
結果は、表IIと図1に示される。誘導体の活性は、血管新生サイトカイン刺激内皮細胞の増殖阻害による抗血管新生活性を示す。大多数の誘導体は、エストロゲン受容体アルファおよびベータに結合する能力が欠如しているので、これらの受容体、つまり血管新生の潜在的な刺激剤を通して信号を送ることは期待されないであろう。
【表II】

na=非活性;HUVECp=増殖HUVEC;HUVECq=休止HUVEC;hERa=ヒトのエストロゲン受容体アルファ;hERb=ヒトのエストロゲン受容体ベータ
【実施例2】
【0162】
誘導体のアポトーシス活性
アポトーシスアッセイ。アポトーシスアッセイは、誘導体がプログラムされた細胞死を誘導することによって細胞増殖を阻害したかどうかを決定するために実施された。代表的なアポトーシス活性は、角化細胞などの他の増殖細胞に対して必要とされる活性を有する内皮細胞に対して示される。内皮細胞のアポトーシスは、抗血管新生活性を示すさらにもう一つの手段である。細胞死は、細胞に蓄積する細胞質のヒストン関連DNA断片の量を定量することによってモニターされる。ELISA検出とモノクローナル抗ヒストン抗体でのアポトーシスアッセイキットは、Roche(カタログ番号1544675)によって供給された。簡潔に述べると、HUVECまたは角化細胞は、トリプシン処理され、希釈され、微量遠心管に50,000細胞/チューブの濃度で等分された。化合物による処置は、37℃で6時間であり、その後メーカーに従って検出キットを用いて細胞溶解と分析を行った。アポトーシスは、405nmの吸光度において比濁法で定量化された。コントロールは、陰性ビヒクル(ctl)コントロール(1%エタノール)およびエタノール中4mg/mLでの陽性カンプトテシン(CAM)コントロールから成るものであった。角化細胞アッセイに関しては、Paloma Pharmaceuticalsから入手可能な主要な臨床候補パロミド529を100μMで加えた。結果が図2と図3に示される。(パロミド529(Palomid529)は、「SG00529」である。表I参照)。
【実施例3】
【0163】
角化細胞増殖阻害およびアポトーシス誘導阻害としてインビトロで測定された抗角化細胞活性
皮膚疾患の少なくとも一部は、角化細胞の異常な存在および増殖に起因する。前記疾患における前記角化細胞増殖および/または角化細胞のアポトーシス誘導能を阻害する手段は、異常な皮膚病状の改善において助力となることが期待されるであろう。以下は、この推測を支持するための実例となるデータを示す。
【0164】
角化細胞増殖。ベンゾ[c]クロメン−6−オン誘導体であるパロミド529は、以下のプロトコルで検査した。少ない継代のヒト角化細胞(NHEK、新生児プール細胞、p3−5、Cambrex、CC2507)を、完全培地(KBM、Cambrex)中1,000細胞/ウェルで黒色96ウェルプレートに播種し、一晩インキュベーションした。次いで、細胞培養培地を取り除き、パロミド529またはビヒクル(1%DMSO)のいずれかが添加された新鮮な増殖培地と交換した。パロミド529は、9種の濃度(100μMから始めて1:2希釈したもの)で検査した。各実験群およびコントロール群は、6通り調べた。3日間培養し、次いで細胞増殖は、代謝的に活性な細胞を蛍光に基づくアッセイ(Alamar Blue、Invitrogen、増殖培地中、1:20に希釈、5時間インキュベーション後に読み取り、530ex/580em)により測定することにより分析した。
【0165】
角化細胞アポトーシス。パロミド529(Palomid529)は、以下のプロトコルで検査した。少ない継代のヒト角化細胞(NHEK、新生児プール細胞、p3−5、Cambrex、CC2507)を、完全培地(KBM、Cambrex)中3,000細胞/ウェルで黒色96ウェルプレートに播種し、一晩インキュベーションした(細胞生存率アッセイと同じプレート、隣接ウェル)。次いで、細胞培地を取り除き、パロミド529またはビヒクル(1%DMSO)のいずれかが添加された新鮮な増殖培地と交換した。パロミド529は、7種の濃度(100、30、10、1、0.3、0.1および0.03μM)で調べた。各実験群およびコントロール群は、3通り調べた。夜通しインキュベーションした後、培養培地を取り除き、細胞はRoche Cell Death ELISA plus kitで供給される細胞溶解試薬で溶解された。次に、溶解された細胞は、清潔なエッペンドルフ管に移されて、200×gで遠心分離して核と細胞片を除去した。それから、細胞質画分(細胞質のヌクレオソームを含む)を含む上澄みは、ストレプトアビジン被覆プレートに移し、抗−ヒストン(ビオチンコンジュゲートされた)および抗−DNA(PODコンジュゲートされた)抗体で2時間インキュベーションされた。次いで、ウェルを注意深く洗浄した。その後ABTSはウェルに添加され、発色(約30分)させて、ABTS停止溶液を添加して反応を停止させた。次いで、アポトーシスは、490nmの標準バックグラウンド波長を用い405nmでODを読み取ることにより測定された。
【図面の簡単な説明】
【0166】
【図1】本発明の化合物による内皮細胞増殖阻害の有効性を説明するために実施されたアッセイからのデータを示す棒グラフである。
【図2】本発明の化合物のアポトーシス誘導能に関するデータを示す棒グラフである。
【図3】角化細胞におけるアポトーシス誘導活性に関するデータを示す棒グラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベンゾ(c)クロメン−6−オン誘導体を許容される送達ビヒクル中に含む、皮膚疾患の予防または治療用組成物。
【請求項2】
前記皮膚疾患が、無用な細胞増殖によって特徴づけられる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記皮膚疾患が、角化細胞過形成、血管新生、炎症、単核球細胞浸潤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の特徴によって特徴づけられる、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記皮膚疾患が、乾癬、アトピー性皮膚炎、および老化皮膚からなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記皮膚疾患が、光損傷皮膚によって特徴づけられる、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、表Iからなる群から選択される1つ以上の組成物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記表Iが、ベンゾ(c)クロメン−6−オン誘導体である、SG00272、SG00273、SG00373、SG00477、SG00519、SG00526、SG00527、SG00528、SG00529、SG00530、SG00531、SG00532、SG00533、SG00535、SG00536、SG00537、SG00538、SG00539、SG00540、SG00541、SG00542、SG00543、SG00544、SG00545、SG00546、SG00547、SG00548、SG00549、SG00550、SG00551、SG00552、SG00553、SG00554、SG00555、SG00556、SG00557、SG00558、SG00559、SG00560、SG00561、SG00562、SG00563、SG00564、SG00565、SG00566、SG00567、SG00568、SG00569、SG00570、SG00571、SG00572、SG00573、SG00574、SG00575、SG00576、SG00577、SG00579、SG00580、SG00581、SG00582、SG00583、SG00584、SG00585、SG00586、SG00587、SG00588、SG00589、SG00590、SG00591、SG00592、SG00593、SG00594、SG00595、SG00596、SG00597、SG00598、SG00599、SG00600、SG00601、SG00602、SG00603、SG00604、SG00605、SG00606、SG00607、SG00608、SG00609、SG00610、SG00611、SG00612、SG00613、SG00614、SG00615、SG00616、SG00617、SG00618、SG00619、およびSG00620を含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、抗血管新生活性および/または抗角化細胞増殖活性および/または抗炎症活性を示す、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、1つ以上の日焼け防止剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記日焼け防止剤が、パラ−アミノ安息香酸、シンナマートおよびサリチラートからなる群から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記日焼け防止剤が、オクチルメトキシシンナマートまたは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンからなる群から選択される、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、アルファ−ヒドロキシ酸を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記ヒドロキシ酸が、アルファ−ヒドロキシ酸類、ベータ−ヒドロキシ酸類、ヒドロキシカルボン酸類、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記ヒドロキシカルボン酸が、ジヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシル−ジカルボン酸、ヒドロキシル−トリカルボン酸およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物が、徐放性の生分解性または非生分解性の形態である、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が、プロドラッグにコンジュゲートされている、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記プロドラッグが、ペプチド、抗体、抗体断片、加水分解性エステルアミド類およびカルバマート類からなる群から選択される、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記プロドラッグが、グリコール酸、乳酸、2−ヒドロキシオクタン酸、ヒドロキシラウリン酸、グリコール酸、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項16に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物が1つ以上の皮膚軟化剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記皮膚軟化剤が、エステル類、脂肪酸類、アルコール類、多価アルコール類および炭化水素類からなる群から選択される、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
前記エステルが、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジエチル、ダイマー酸ジイソプロピル、コハク酸ジオクチル、ミリスチン酸2−エチル−ヘキシル、ステアリン酸イソプロピルおよびパルミチン酸イソステリル、トリリノール酸トリイソプロピル、クエン酸トリラウリル、パルミチン酸ラウリル、乳酸ミリスチル、オレイン酸ステアリル、ココ−カプリル酸エステル/カプリン酸エステル、プロピレングリコールミリスチルエーテルアセタート、ジイソプロピルアジマート(diisopropyl adimate)ならびにオクタン酸セチルからなる群から選択される、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記脂肪酸類およびアルコール類が、セチル、ミリスチル、パルミチルおよびステアリルのアルコール類ならびに酸類からからなる群から選択される、請求項20に記載の組成物。
【請求項23】
前記多価アルコール類が、プロピレングリコール、ソルビトール、グリセリン、ポリ−プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、およびプロピレングリコールからなる群から選択される、請求項20に記載の組成物。
【請求項24】
前記組成物が、増粘剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
前記増粘剤が、架橋ポリアクリレート系物質またはガムである、請求項24に記載の組成物。
【請求項26】
前記ガムが、キサンタン、カラギーナン、ゼラチン、カラヤ、ペクチン、ローカストビーンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記組成物が、粉末を更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項28】
前記粉末が、チョーク、タルク、デンプン、スメクタイト粘土、化学的に変性されたマグネシウムアルミニウムケイ酸塩、有機的に変性されたモンモリロナイト粘土、水和ケイ酸アルミニウム、ヒュームドシリカ、オクテニルコハク酸アルミニウムスターチ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
前記ベンゾ(c)クロメン−6−オン誘導体組成物が、約100%から約90%純粋である、請求項1に記載の組成物。
【請求項30】
前記ベンゾ(c)クロメン−6−オン誘導体組成物が、約90%から約80%純粋である、請求項1に記載の組成物。
【請求項31】
前記ベンゾ(c)クロメン−6−オン誘導体組成物が、約80%から約70%純粋である、請求項1に記載の組成物。
【請求項32】
前記ベンゾ(c)クロメン−6−オン誘導体組成物が、約70%から約60%純粋である、請求項1に記載の組成物。
【請求項33】
前記ベンゾ(c)クロメン−6−オン誘導体組成物が、約60%から約50%純粋である、請求項1に記載の組成物。
【請求項34】
表Iから選択される1つ以上のベンゾ(c)クロメン−6−オン誘導体組成物の治療有効量を被験者に投与することを含む皮膚疾患を予防および/または治療する方法。
【請求項35】
前記組成物が、許容される送達ビヒクルを更に含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記被験者が、皮膚疾患に対して罹患しやすい傾向にあったか、または罹患しやすい傾向にある、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記皮膚疾患が、無用な細胞増殖によって特徴づけられる、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記皮膚疾患が、角化細胞過形成、血管新生、炎症、単核球細胞浸潤、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の特徴によって特徴づけられる、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記皮膚疾患が、乾癬、アトピー性皮膚炎、および老化皮膚からなる群から選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項40】
前記皮膚疾患が、光損傷皮膚である、請求項34に記載の方法。
【請求項41】
前記被験者に前記ベンゾ(c)クロメン−6−オン誘導体および前記皮膚疾患の治療および/または予防をするための別の治療剤を併用投与することを更に含む、請求項34に記載の方法。
【請求項42】
前記投与が、前記ベンゾ(c)クロメン−6−オン誘導体組成物の局所、経口、経鼻、経直腸、および非経口投与を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項43】
前記投与が、局所的である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記ベンゾ(c)クロメン−6−オン誘導体組成物が、インプラントと関係する、請求項34に記載の方法。
【請求項45】
前記ベンゾ(c)クロメン−6−オン誘導体組成物が、デバイスと関係する、請求項34に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−535331(P2009−535331A)
【公表日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−507662(P2009−507662)
【出願日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際出願番号】PCT/US2006/040242
【国際公開番号】WO2007/133249
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(508257234)パロマ ファーマシューティカルズ,インク. (2)
【Fターム(参考)】