説明

組成物、絶縁膜、およびその製造方法

【課題】誘電率やヤング率等の膜特性の観点において優れた絶縁膜を得るための膜形成用組成物を提供する。
【解決手段】一般式(I)で表される化合物および/またはその重合物を含むことを特徴とする膜形成用組成物、それを用いた絶縁膜およびその製造方法。
【化1】


一般式(I)中、R1はそれぞれ独立して、同一でも異なっていてもよく、R1のうち2〜4個が重合可能な基を表し、その他のR1はアルキル基またはシクロアルキル基を表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、膜形成用組成物に関し、さらに詳しくは、半導体素子などにおける層間絶縁膜材料として、適当な均一な厚さを有する塗膜が形成可能な、しかも、誘電率特性などに優れた絶縁膜形成用組成物、絶縁膜の製造方法および絶縁膜に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体素子などにおける層間絶縁膜として、気相成長(CVD)法などの真空プロセスで形成されたシリカ(SiO2)膜が多用されている。そして、近年、より均一な層間絶縁膜を形成することを目的として、SOG(Spin on Glass)膜と呼ばれるテトラアルコキシランの加水分解生成物を主成分とする塗布型の絶縁膜も使用されるようになっている。また、半導体素子などの高集積化に伴い、有機SOGと呼ばれるポリオルガノシロキサンを主成分とする低誘電率の層間絶縁膜が開発されている。
【0003】
しかし、無機材料の膜の中で最も低い誘電率を示すCVD−SiO2膜でも、誘電率は約4程度である。また、低誘電率CVD膜として最近検討されているSiOF膜の誘電率は約3.3〜3.5であるが、この膜は吸湿性が高く、使用しているうちに誘電率が上昇するという問題がある。
【0004】
かかる状況下、誘電性および耐熱性に優れた絶縁膜材料として、水素化オクタシルセスキオキサンとビニル基を2つ以上有する化合物のヒドロシリル化反応による共重合物が開示されている(特許文献1参照)。また、カゴ状構造を有するシロキサン化合物を絶縁膜の製造に用いる試みが知られている(特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、上記のような材料を用いて形成した膜では、さらなる安定性の付与が求められている。
【特許文献1】特開2000−265065号公報
【特許文献2】特開2005−232024号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って本発明は、上記問題点を解決するための組成物、絶縁膜製造方法およびこれを用いて形成された絶縁膜に関し、さらに詳しくは、半導体素子などにおける層間絶縁膜として使用するのに適した、適当な均一な厚さを有するシリコーン系膜が形成可能な、しかも誘電率、ヤング率等の膜特性に優れた組成物、絶縁膜、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上記目的は、下記の手段より達成されることが見出された。
【0008】
<1>
一般式(I)で表される化合物および/またはその重合物を含むことを特徴とする膜形成用組成物。
【化1】


一般式(I)中、
1はそれぞれ独立して、同一でも異なっていてもよく、R1のうち2〜4個が重合可能な基を表し、その他のR1はアルキル基またはシクロアルキル基を表す。
<2>
一般式(I)で表される化合物および/またはその重合物に加えて、沸点85℃以上の有機溶剤を含むことを特徴とする前記<1>に記載の膜形成用組成物。
<3>
一般式(I)で表される化合物の重合物が炭素−炭素結合を生成するラジカル重合反応により得られる重合体であることを特徴とする前記<1>または<2>に記載の膜形成用組成物。
<4>
一般式(I)で表される化合物の重合物がヒドロシリル化反応により得られる重合体であることを特徴とする前記<1>または<2>に記載の膜形成用組成物。
<5>
一般式(I)で表される化合物のR1のうち、2個の重合可能な基が炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を含むことを特徴とする前記<1>〜<4>のいずれかに記載の膜形成用組成物。
<6>
一般式(I)で表される化合物のR1のうち、4個の重合可能な基が炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を含むことを特徴とする前記<1>〜<4>のいずれかに記載の膜形成用組成物。
<7>
一般式(I)で表される化合物および/またはその重合物に加えて、空孔形成剤を含むことを特徴とする前記<1>〜<6>のいずれかに記載の膜形成用組成物。
<8>
前記<1>〜<7>のいずれかに記載の組成物を用いて製造した絶縁膜。
<9>
請求項1〜7のいずれかに記載の組成物を基材上に塗布した後、焼成することを特徴とする絶縁膜の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、半導体素子などにおける層間絶縁膜として使用するのに適した、誘電率、ヤング率等の膜特性に優れた絶縁膜を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明について詳述する。本願明細書において、「数値A〜数値B」という標記は、その下限と上限の数値を含むものとする。
本発明の膜形成用組成物は、一般式(I)で表される化合物および/またはその重合物を含有する。
【0011】
【化2】

【0012】
一般式(I)中、
1はそれぞれ独立して、同一でも異なっていてもよく、R1のうち2〜4個がラジカル反応及び/またはヒドロシリル化反応によって重合可能な基を表し、その他のR1はアルキル基またはシクロアルキル基を表す。
【0013】
1で表される、ラジカル反応及び/またはヒドロシリル化反応によって重合可能な基としては、炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を含む基が好ましい。
炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を含む基としては、炭素数2〜8の基が好ましく、置換基を有していてもよい。例えば、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテン−1−イル基、1−ブテン−4−イル基、1−ヘキセン−6−イル基、エチニル基、プロパルギル基、2−ブチン−1−イル基が挙げられ、好ましくはビニル基、置換基を有するビニル基、エチニル基、または置換基を有するエチニル基等を挙げることができる。
上記における置換基としては、例えば、鎖状、分岐状、あるいは環状の、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル)、アリール基(例えば、フェニル、1−ナフチル)、鎖状、分岐状、あるいは環状の、炭素数2〜6のアルケニル基(ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテン−1−イル基、1−ブテン−4−イル基、1−ヘキセン−6−イル基)、鎖状、分岐状、あるいは環状の、炭素数2〜6のアルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基、2−ブチン−1−イル基)等が挙げられる。
【0014】
炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を含む基は、一般式(I)中のR1が結合しているケイ素原子に、直接または2価の連結基を介して結合することができる。
2価の連結基としては、−[C(R11)(R12)]−(R11およびR12は水素原子、メチル基、またはエチル基を表し、kは1〜6の整数を表す。)、−CO−、−O−、−N(R13)−(R13は水素原子、メチル基、またはエチル基を表す。)、−S−、およびこれらを任意に組み合わせてできる2価の連結基が挙げられ、−[C(R11)(R12)]−、−O−、またはこれらを任意に組み合わせてできる2価の連結基が好ましい。
1で表される、重合可能な基は、好ましくは、ビニル基およびエチニル基であり、さらに好ましくはビニル基である。
【0015】
1で表されるアルキル基およびシクロアルキル基は、炭素数1〜8の直鎖、分岐、環状のアルキル基であって、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、イソアミル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、2−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、またはシクロオクチル基が挙げられ、好ましくは、メチル基またはエチル基であり、より好ましくはメチル基である。
【0016】
一般式(I)で表される化合物は、ラジカル反応またはヒドロシリル化反応による重合により架橋していることが好ましい。
【0017】
炭素-炭素不飽和結合の付加反応は,一般的には以下で表される。ここでX,X’は各々独立して置換基を表す。
【0018】
【化3】

【0019】
ヒドロシリル化反応は、一般的には以下で表される。ここで,X,X,X、Xは各々独立して置換基を表す。
【0020】
【化4】

【0021】
一般式(I)で表される化合物の重合物は、炭素-炭素不飽和結合同士の付加反応またはヒドロシリル化反応による重合物であることが好ましい。さらに3次元架橋していることが好ましく、好ましい架橋度は、組成物が塗布可能な範囲内であればいずれでも構わない。架橋度はゲル化防止に注意して適宜調整され、重合度は塗布が容易な粘度となるよう適宜調整される。
【0022】
式(I)において、R1のうち2つが、置換されてもよいビニル基もしくは置換されてもよいエチニル基であることも好ましい。より好ましくは、R1のうち2つがビニル基またはエチニル基であり、さらに好ましくは、R1のうち2つがビニル基である。
さらに、2つの置換されてもよいビニル基あるいは置換されてもよいエチニル基が、酸素原子を介して結合している2つのケイ素原子に結合していることが好ましい。
以下にそのような一般式(I)の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】
【化5】


【0024】
【化6】

【0025】
【化7】

【0026】
【化8】

【0027】
【化9】

【0028】
【化10】

【0029】
【化11】

【0030】
【化12】

【0031】
【化13】

【0032】
【化14】

【0033】
【化15】

【0034】
【化16】



【0035】
式(I)において、R1のうち4つが、置換されてもよいビニル基もしくは置換されてもよいエチニル基であることも好ましい。より好ましくは、R1のうち4つがビニル基もしくはエチニル基であり、さらに好ましくは、R1のうち4つがビニル基である。
以下にそのような一般式(I)の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0036】
【化17】

【0037】
【化18】

【0038】
【化19】

【0039】
【化20】


【0040】
一般式(I)で表される化合物は、例えばAppl. Organomet. Chem., 12 (1998)p707-713に記載の方法に準じて合成できる。
一般式(I)で表される化合物の分子量は、一般的には400〜3,000、好ましくは550〜1,500である。また重合物の分子量は一般的には,500〜1,000,000、好ましくは1,000〜50,000である。
本発明の組成物中での、一般式(I)で表される化合物、それらの重合物の濃度は、一般的には1.0〜10.0質量%、好ましくは1.0〜5.0質量%である。
【0041】
本発明の式(I)で表される化合物(化合物(I))の重合物は、好ましくはラジカル重合によって得ることができる。ラジカル重合の好ましい開始剤としては、特に有機過酸化物または有機アゾ系化合物が好ましく用いられるが特に有機過酸化物が好ましい。
有機過酸化物としては、日本油脂株式会社より市販されているパーヘキサH等のケトンパーオキサイド類、パーヘキサTMH等のパーオキシケタール類、パーブチルH−69等のハイドロパーオキサイド類、パークミルD、パーブチルC、パーブチルD等のジアルキルパーオキサイド類、ナイパーBW等のジアシルパーオキサイド類、パーブチルZ、パーブチルL等のパーオキシエステル類、パーロイルTCP等のパーオキシジカーボネート、ジイソブチリルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ‐n‐プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ‐sec−ブチルパーオキシジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ジ(4−t−ブチルクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ‐2−エチルヘキサノエート、ジコハク酸パーオキサイド、2,5−ジメチルー2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド、t−ブチルパーオキシ‐2−エチルヘキサノエート、ジ(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ベンゾイル(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(4,4−ジ‐(t−ブチ
ルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ‐3,5,5、−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジ‐メチル‐2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジー(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n-ブチル4,4−ジーt−ブチルパーオキシバレレート、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、シ゛-t−ヘキシルパーオキサイド、2,5−ジメチル-2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーイキサイド、ジ‐t−ブチルパーオキサイド、p−メタンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル-2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン‐3、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,3−ジメチルー2,3−ジフェニルブタン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、o−クロロベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、トリス‐(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、2,4,4−トリメチルペンチルパーオキシネオデカノエート、α‐クミルパーオキシネオデカノエート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジーt−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ‐t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、ジ‐3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ‐イソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,6−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニルオキシ)ヘキサン、ジエチレングリコールビス(t−ブチルパーオキシカーボネート)、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート等が好ましく用いられる。
【0042】
有機アゾ系化合物としては和光純薬工業株式会社で市販されているV−30、V−40、V−59、V−60、V−65、V−70等のアゾニトリル化合物類、VA−080、VA−085、VA−086、VF−096、VAm−110、VAm−111等のアゾアミド化合物類、VA−044、VA−061等の環状アゾアミジン化合物類、V−50、VA−057等のアゾアミジン化合物類、2,2−アゾビス(4−メトキシ-2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルブチロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)、1−〔(1−シアノ-1−メチルエチル)アゾ〕ホルムアミド、2,2−アゾビス{2−メチル-N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2−アゾビス〔2−メチル-N−(2−ヒドロキシブチル)プロピオンアミド〕、2,2−アゾビス〔N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド〕、2,2−アゾビス(N−ブチルー2−メチルプロピオンアミド)、2,2−アゾビス(N−シクロヘキシル-2−メチルプロピオアミド)、2,2−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン-2−イル)プロパン〕ジヒドロクロリド、2,2−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン-2−イル)プロパン〕ジスルフェートジヒドレート、2,2−アゾビス{2−〔1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン‐2−イル〕プロパン}ジヒドロクロリド、2,2−アゾビス〔2−〔2−イミダゾリン‐2−イル〕プロパン〕、2,2−アゾビス(1−イミノー1−ピロリジノ‐2−メチルプロパン)ジヒドロクロリド、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド、2,2−アゾビス〔N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン〕テトラヒドレート、ジメチル2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、2,2−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が好ましく用いられる。
【0043】
本発明において、重合開始剤は1種のみ、または2種以上を混合して用いてもよい。
本発明において、重合開始剤の使用量はモノマー1モルに対して、好ましくは0.001〜2モル、より好ましくは0.01〜1モル、特に好ましくは0.05〜0.5モルである。
【0044】
本発明に用いる化合物(I)の重合はラジカル重合に加え,遷移金属触媒を用いた重合を併用することもできる。例えば、重合可能な炭素−炭素二重結合または炭素−炭素三重結合を有するモノマーを例えばPd(PPh3)4、Pd(OAc)2等のPd系触媒、Ziegler−Natta触媒、ニッケルアセチルアセトネート等のNi系触媒、WCl6等のW系触媒、MoCl5等のMo系触媒、TaCl5等のTa系触媒、NbCl5等のNb系触媒、Rh系触媒、Pt系触媒等を用いて重合することが好ましい。
【0045】
遷移金属触媒は1種のみ、または2種以上を混合して用いてもよい。
遷移金属触媒の使用量はモノマー1モルに対して、好ましくは0.001〜2モル、より好ましくは0.01〜1モル、特に好ましくは0.05〜0.5モルである。
【0046】
本発明の化合物(I)のヒドロシリル化反応による重合は、本発明の一般式(I)で表される化合物とシラン化合物とを、ラジカル発生剤もしくは遷移金属触媒の存在下に行なうことが好ましい。
ラジカル発生剤としては、特に有機過酸化物または有機アゾ系化合物が好ましく用いられるが特に有機過酸化物が好ましい。これらの好ましい具体例は先に例示したものと同じである。
【0047】
本発明に用いるラジカル発生剤は1種のみ、または2種以上を混合して用いてもよい。
本発明に用いるラジカル発生剤の使用量はモノマー1モルに対して、好ましくは0.001〜2モル、より好ましくは0.01〜1モル、特に好ましくは0.05〜0.5モルである。
【0048】
ヒドロシリル化反応の金属触媒としては、白金触媒、ロジウム触媒、ニッケル触媒、コバルト触媒、レニウム触媒、マンガン触媒、クロム触媒、イリジウム触媒が挙げられるが、これらの中で白金触媒が好ましい。
白金触媒としては、塩化白金酸、白金ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロリド、白金テトラキス(トリフェニルホスフィン)が挙げられる。
その他の金属触媒としては、[Rh4(CO)12]、[Rh6(CO)16]、[Co4(CO)12]、[Co6(CO)16]、[Co(CO)4] 4Sn、[Ru3(CO)12]、Et4N[HRu(CO)11]、[Ir4(CO)12]、[Re2(CO)12]、[Mn2(CO)10]、[Cr(CO)6]などが挙げられる。
【0049】
ヒドロシリル化反応により重合を行う場合には、架橋剤を用いることが好ましい。
架橋剤としては、SiH結合を複数有する化合物が好ましく、テトラメチルシクロテトラシロキサンやヒドロ-T8−シルセスキオキサンなどが好ましく用いることができる。
【0050】
【化21】


テトラメチルシクロテトラシロキサン
【0051】
【化22】


ヒドロ-T8-シルセスキオキサン
【0052】
重合反応で使用する溶媒は、原料モノマーが必要な濃度で溶解可能であり、かつ得られる重合体から形成する膜の特性に悪影響を与えないものであればどのようなものを使用しても良い。例えば水やメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、メチルベンゾエート等のエステル系溶剤、ジブチルエーテル、アニソール、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、トルエン、キシレン、メシチレン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、ペンタメチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、1,4−ジ−t−ブチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼン、1,3,5−トリ−t−ブチルベンゼン、4−t−ブチル−オルトキシレン、1−メチルナフタレン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン等のハロゲン系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤などが利用できる。これらの中でより好ましい溶剤はアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、アニソール、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、メシチレン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、1,4−ジ−t−ブチルベンゼン、1,3,5−トリ−t−ブチルベンゼン、4−t−ブチル−オルトキシレン、1−メチルナフタレン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンであり、より好ましくはテトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、アニソール、トルエン、キシレン、メシチレン、イソプロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、1,3,5−トリ−t−ブチルベンゼン、1−メチルナフタレン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンであり、特に好ましくはγ−ブチロラクトン、アニソール、メシチレン、t−ブチルベンゼン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼンである。これらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。
反応液中のモノマーの濃度は好ましくは1〜50重量%、より好ましくは5〜30重量%、特に好ましくは10〜20重量%である。
【0053】
本発明における重合反応の最適な条件は、開始剤もしくは触媒、モノマー、溶媒の種類、濃度等によって異なるが、好ましくは内温0℃〜200℃、より好ましくは50℃〜170℃、特に好ましくは100℃〜150℃で、好ましくは1〜50時間、より好ましくは2〜20時間、特に好ましくは3〜10時間の範囲である。
また、酸素による開始剤あるいは触媒の不活性化を抑制するために不活性ガス雰囲気下(例えば窒素、アルゴン等)で反応させることが好ましい。反応時の酸素濃度は好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下、特に好ましくは20ppm以下である。
重合して得られるポリマーの質量平均分子量の好ましい範囲は1000〜500000、より好ましくは5000〜300000、特に好ましくは10000〜200000である。
【0054】
本発明の組成物は、溶剤を用いて支持体上に塗布することができる。
使用できる溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、ジメチルイミダゾリジノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、イソプロパノール、エチレンカーボネート、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が好ましく、これらの溶剤を単独あるいは混合して使用する。
【0055】
良好な膜厚均一性を達成するために、使用する溶剤の沸点は85℃以上が好ましく、85℃〜250℃であることがより好ましく、90℃〜230℃であることが更に好ましく、95℃〜200℃であることが最も好ましい。
【0056】
これらの観点から、上記の中でも、好ましい溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
【0057】
本発明の組成物は、オニウム塩を含有してもよい。オニウム塩としては、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、スチボニウム塩、オキソニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、スタンノニウム塩、ヨードニウム塩等が挙げられる。これらの中では、組成物の安定性により優れる点でアンモニウム塩が好ましい。
【0058】
アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムオキサイド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムフロライド、テトラブチルアンモニウムオキサイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムフロライド、テトラメチルアンモニウム硝酸塩、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウムプロピオン酸塩、テトラメチルアンモニウムマレイン酸塩、テトラメチルアンモニウム硫酸塩等が挙げられる。
【0059】
これらのアンモニウム塩の中では、シリカ系被膜の電気特性を向上させる観点から、テトラメチルアンモニウム硝酸塩、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウムプロピオン酸塩、テトラメチルアンモニウムマレイン酸塩、テトラメチルアンモニウム硫酸塩等のアンモニウム塩が特に好ましい。
オニウム塩の添加量は、組成物中、一般的には0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜1.0質量%である。
【0060】
本発明の組成物に熱分解性ポリマー、界面活性剤等の空孔形成剤を添加することによって多孔質化することにより、さらに誘電率を低下させることが好ましい。
熱分解性ポリマーとしては、ビニルエーテル系化合物、ポリオキシエチレン単位を有するビニル系化合物、ポリオキシプロピレン単位を有するビニル系化合物等、ビニルピリジン系化合物、スチレン系化合物、アルキルエステルビニル系化合物、(メタ)アクリレート酸系化合物、ポリオキシアルキレン単位を有する重合体、ポリカーボネート重合体等が挙げられる。分解特性及び膜の機械強度の点から、ポリオキシアルキレン単位を有する重合体が好ましい。
界面活性剤の例としてはノニオン型界面活性剤、4級アンモニウム塩型界面活性剤等が挙げられるが、4級アンモニウム塩型界面活性剤が好ましい。
空孔形成剤は、本発明の組成物の全固形物質量の5〜80%が好ましく、10〜70%がより好ましく、15〜60%がもっとも好ましい。
【0061】
このようにして得られる本発明の組成物の全固形分濃度は、好ましくは、2〜30質量%であり、使用目的に応じて適宜調整される。組成物の全固形分濃度が2〜30質量%であると、塗膜の膜厚が適当な範囲となり、塗布液の保存安定性もより優れるものである。
【0062】
このようにして得られる本発明の絶縁膜形成用材料を、シリコンウエハ、SiO2 ウエハ、SiNウエハなどの基材に塗布する際には、スピンコート、浸漬法、ロールコート法、スプレー法などの塗装手段が用いられる。
【0063】
この際の膜厚は、乾燥膜厚として、1回塗りで厚さ0.05〜1.5μm程度、2回塗りでは厚さ0.1〜3μm程度の塗膜を形成することができる。その後、常温で乾燥するか、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用して加熱することによって、ガラス質または巨大高分子、またはその混合物の絶縁膜を形成することができる。
この際の加熱雰囲気としては、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空下、などで行うことができるが、焼成温度の最高値が300℃以上430℃以下の条件で焼成することが好ましい。
【0064】
より具体的には、本発明の絶縁膜形成材料を、例えばスピンコート法により、基板(通常は金属配線を有する基板)上に塗布し、予備熱処理を行うことにより溶媒を乾燥させ、次いで300℃以上430℃以下の温度で最終熱処理(アニール)を行うことにより低誘電率の絶縁膜を形成できる。
【実施例1】
【0065】
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中の部および%は、特記しない限り、それぞれ質量部および質量%であることを示している。
【0066】
〔合成例1〕
(1)トリシラノール体の合成
エチルトリクロロシラン36g、ビニルトリクロロシラン6gをアセトン920mlに溶解する。この溶液に室温下、蒸留水250mlを徐々に加え、その後、室温下で2週間反応させ、得られた析出物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離し、下記トリシラノール体を得た。
【0067】
【化23】

【0068】
〔合成例2〕
上記合成例1の合成で得られたトリシラノール体10gをTHF200mlに溶解し、更にトリエチルアミン10.4gを加える。この溶液に攪拌下、ビニルトリクロロシラン1.5gを滴下する。その後、75℃にて20時間反応させる。反応液を濾過し(トリエチルアンモニウムハイドロクロライドを除去)、減圧下濃縮し、白色固体を得た。これをヘキサン抽出後、再結晶し、<化合物1>8gを得た。
【0069】
【化24】

<化合物1>
【0070】
〔合成例3〕
エチルトリクロロシラン28g、ビニルトリクロロシラン21gをアセトン920mlに溶解する。この溶液に室温下、蒸留水250mlを徐々に加え、その後、室温下で2週間反応させ、得られた析出物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて分離し、下記トリシラノール体を得た。
【0071】
【化25】

【0072】
〔合成例4〕
上記合成例3の合成で得られたトリシラノール体10gをTHF200mlに溶解し、更にトリエチルアミン10.4gを加える。この溶液に攪拌下、ビニルトリクロロシラン1.2gを滴下する。その後、75℃にて24時間反応させる。反応液を濾過し(トリエチルアンモニウムハイドロクロライドを除去)、減圧下濃縮し、白色固体を得た。これをヘキサン抽出後、再結晶し、<化合物2>7gを得た。
【0073】
【化26】

<化合物2>
【0074】
(合成例5)
5gの化合物1を10gの酢酸エチルに溶解し、t−ブチル−パーオキシピバレート100mgを加えて、10時間加熱還流した。冷却後濃縮し、プロピレングリコールモノメチルエーテル50gを加えて、組成物1を得た。
【0075】
(合成例6)
4gの化合物2を用いた以外は合成例5と同様にして、組成物2を得た。
【0076】
(合成例7)
2gの化合物2と1gのヒドロ-T8-シルセスキオキサンを6gのトルエンに溶解し、塩化白金酸50mgを加え、100℃で5時間加熱した。冷却後濃縮し、シクロヘキサノン50mlを加えて組成物3を得た。
【0077】
(比較合成例101)
化合物1の代わりに、以下の化合物aを用いたこと以外は、合成例5と同様にして比較用組成物101を得た。
【0078】
(比較合成例102)
化合物2の代わりに、化合物aを用いたこと以外は、合成例7と同様にして比較用組成物102を得た。
【0079】
(比較用合成例103)
化合物1の代わりに、以下の化合物bを用いたこと以外は、合成例5と同様な操作を行なったところ、加熱還流を実施した時点で系全体が固化した。(ゲル化)
【0080】
【化27】

(化合物a)
【0081】
【化28】

(化合物b)
【0082】
(比較合成例104)
特開2000−265065号の実施例1と同様の操作を行い、重合体を得た。固形分濃度10重量%になるようにシクロヘキサノンに溶解し、比較用組成物104を得た。
【0083】
上記組成物をそれぞれ、0.2μm孔径のポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過後、スピンコート法で4インチシリコンウエハ上に塗布後、ホットプレート上で130℃で1分間ついで230℃で1分間、基板を乾燥し、さらに窒素雰囲気のクリーンオーブン中で400℃で30分間加熱することによって塗膜を作成し、比誘電率(測定温度25℃)を、フォーディメンジョンズ社製水銀プローブおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出した。また、MTS社ナノインデンターSA2を使用してヤング率(測定温度25℃)を測定した。さらに組成物を40℃で10日間の保存を行い、液性状変化を目視した
【0084】
評価結果を表1に示す。
【0085】
【表1】

【0086】
本発明の組成物を用いると、低誘電率で高ヤング率の膜を形成できることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)で表される化合物および/またはその重合物を含むことを特徴とする膜形成用組成物。
【化1】


一般式(I)中、
1はそれぞれ独立して、同一でも異なっていてもよく、R1のうち2〜4個は重合可能な基を表し、その他のR1はアルキル基またはシクロアルキル基を表す。
【請求項2】
一般式(I)で表される化合物および/またはその重合物に加えて、沸点85℃以上の有機溶剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の膜形成用組成物。
【請求項3】
一般式(I)で表される化合物の重合物が炭素−炭素結合を生成するラジカル重合反応により得られる重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の膜形成用組成物。
【請求項4】
一般式(I)で表される化合物の重合物がヒドロシリル化反応により得られる重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の膜形成用組成物。
【請求項5】
一般式(I)で表される化合物のR1のうち2つが置換されてもよいビニル基もしくは置換されてもよいエチニル基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の膜形成用組成物。
【請求項6】
一般式(I)で表される化合物のR1のうち、4個が置換されてもよいビニル基もしくは置換されてもよいエチニル基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の膜形成用組成物。
【請求項7】
一般式(I)で表される化合物および/またはその重合物に加えて、空孔形成剤を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の膜形成用組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の組成物を用いて製造した絶縁膜。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれかに記載の組成物を基材上に塗布した後、焼成することを特徴とする絶縁膜の製造方法。

【公開番号】特開2007−254506(P2007−254506A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−77436(P2006−77436)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】