説明

経路案内装置、サーバ、経路案内システム、および携帯用画像表示装置

【課題】外部との通信が可能な携帯機器を利用した経路案内において、中断後の経路案内の再開を容易にすることを目的とする。
【解決手段】ユーザによって携帯されサーバと通信を行う経路案内装置200であって、GPSを利用して現在位置情報を取得する現在位置取得部201と、ユーザから情報を入力される入力部206と、情報を送信する送信部205と、情報を受信する受信部205と、画像と音声を出力する出力部202〜204と、目的地に至る経路を表す経路情報および現在位置情報に基づいて経路案内を行う制御部210と、を備える。制御部210は、目的地を表す目的地情報が入力されず、経路情報を準備すべき旨の第1の指示が入力され、かつ所定の条件が満たされた第1の場合に、経路案内装置の識別情報をサーバに送信し、識別情報に応じた経路情報であって、中断された経路案内の目的地に至る経路を表す経路情報を、受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、外部との通信が可能な携帯機器を利用した経路案内の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、データ通信が可能な携帯電話を利用した経路案内が行われている。そのような技術においては、ユーザは、携帯電話200のボタン等を操作して、経路探索の目的地を入力する。携帯電話200は、GPS201で検出された現在位置と、目的地の情報をサーバ100に送信する。サーバ100は、地図DB106により、現在位置を出発地として、目的地に至るまでの経路を探索し、結果を携帯電話200に送信する。携帯電話200は、この結果に基づいて、地図表示、音声案内、振動によってユーザを誘導する(特許文献1)。なお、携帯電話200の上記の機能は、アプリケーションソフトによって実現される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−257587号公報
【0004】
上記のような技術において、ユーザは、携帯電話上で実行されている経路案内のアプリケーションソフトを目的地に到達する前に強制終了することがある。たとえば、経路の途中にある店舗に長時間、寄り道する場合などである。その後、再び目的地に向かう移動を再開する際には、ユーザは、再度、はじめから経路案内の設定を行う必要がある。すなわち、携帯電話200のボタン等を操作して、経路探索の目的地、経由地、ルート探索の条件等を入力し、それらの情報を、GPS201で検出された現在位置とともにサーバ100に送信する必要がある。多くの携帯電話は、入力手段としてテンキーとカーソルキーしか有さない。このため、以前に行った入力手続きと同じ入力手続きを、再度、携帯電話上で実行することは、ユーザにとって煩雑に感じられる。このような問題は、経路案内の実施態様によらず、外部との通信が可能な携帯機器を利用した経路案内において広く生じうる。
【0005】
一方、従来技術においては、携帯電話のディスプレイにおいて地図が表示される向きは、固定されていた。たとえば、ディスプレイの部分がテンキーを備える本体部分に対して回転できる携帯電話においては、本体部分に対するディスプレイ部分の向きに応じて、ディスプレイ上で画像を表示する向きが変化するものも存在する。しかし、それらの携帯電話においても、画像の向きは、本体部分とディスプレイ部分の相対的な角度に基づいて決められており、ユーザがどのような向きに携帯電話を持つかについては考慮されていなかった。このような問題は、所定の向きで眺めることが好ましい画像を表示する画像表示装置であって、ユーザが任意の角度で保持して画像を眺めることができる画像表示装置において広く存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願に係る発明の少なくとも一部は、外部との通信が可能な携帯機器を利用した経路案内において、中断後の経路案内の再開を容易にすることを目的とする。
【0007】
また、本願に係る発明の少なくとも一部は、所定の向きで眺めることが好ましい画像を表示し、ユーザが任意の角度で保持して画像を眺めることができる画像表示装置において、ユーザが画像表示装置を利用する際の利便性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、その一態様として、以下のような構成を備える経路案内システムを採用する。この経路案内システムは、ユーザが携帯する経路案内装置と、前記経路案内装置との間で通信を行うサーバと、を含む。
【0009】
前記経路案内装置は、
全地球測位システムを利用して現在位置を表す現在位置情報を取得するための現在位置取得部と、
前記ユーザから情報を入力されることができる入力部と、
前記サーバに情報を送信することができる第1の送信部と、
前記サーバから情報を受信することができる第1の受信部と、
画像と音声の少なくとも一方を出力することができる出力部と、
出発地点から目的地に至る経路を表す経路情報および前記現在位置情報に基づいて、前記出力部を使用して経路案内を行う第1の制御部と、を備える。
【0010】
前記第1の制御部は、
目的地を表す目的地情報が前記入力部を介して入力されず、前記経路情報を準備すべき旨の第1の指示が前記入力部を介して入力され、かつ所定の条件が満たされた第1の場合に、
前記経路案内装置に割り当てられた識別情報を、前記第1の送信部を使用して前記サーバに送信し、
前記識別情報に応じた前記経路情報であって、前記経路案内装置によって中断された前記経路案内の目的地に至る経路を表す前記経路情報を、前記第1の受信部を介して受信する。なお、所定の条件としては、たとえば、他の情報が入力されることや、情報を送信すべき旨の指示が入力されること、指示された処理を実行する場合に課金がされることを了承する旨の入力がされること、などの条件を含むことができる。
【0011】
一方、前記サーバは、
前記経路案内装置から情報を受信することができる第2の受信部と、
前記経路案内装置に情報を送信することができる第2の送信部と、
前記経路案内装置から受信した前記情報に基づいて前記経路情報を準備することができる第2の制御部と、
前記目的地情報を含む前記経路情報の少なくとも一部を、前記識別情報と対応づけて格納することができる記憶部と、を備える。
【0012】
前記第2の制御部は、
前記第1の場合に、
前記識別情報を前記第2の受信部を介して前記経路案内装置から受信し、
前記記憶部内において前記受信した識別情報に対応づけて格納されている前記経路情報の少なくとも一部に基づいて、前記経路情報を準備し、
前記第2の送信部を使用して前記経路案内装置に前記経路情報を送信する。
【0013】
上記のような態様によれば、ユーザは、いったん入力した目的地を再度入力しなくても、経路案内を実行させることができる。このため、外部との通信が可能な携帯機器を利用した経路案内において、中断後の経路案内の再開を容易にすることを目的とする。
【0014】
なお、前記第1の制御部は、前記目的地情報が前記入力部を介して入力され、前記第1の指示が前記入力部を介して入力された第2の場合に、
前記識別情報と前記目的地情報とを前記第1の送信部を使用して前記サーバに送信し、
前記目的地情報に応じた前記経路情報を前記第1の受信部を介して受信することが好ましい。
【0015】
そして、前記第2の制御部は、前記第2の場合に、
前記識別情報と前記目的地情報とを前記第2の受信部を介して前記経路案内装置から受信し、
前記目的地情報に基づいて前記経路情報を準備し、
前記第2の送信部を使用して前記経路案内装置に前記経路情報を送信し、
前記目的地情報を含む前記経路情報の少なくとも一部を前記識別情報に対応づけて前記記憶部に記憶することが好ましい。
【0016】
このような態様とすれば、一度入力された目的地情報を有効に活用して、中断後の経路案内の再開を行うことができる。なお、目的地情報は、前記識別情報に直接対応づけられてもよいし、他の情報を介して間接的に関連づけられてもよい。
【0017】
なお、前記経路情報は、前記経路を構成する複数の区間を表す複数組の区間情報であって、それぞれ前記区間の位置を表す区間位置情報を有する複数組の区間情報を含むことができる。そのような態様において、前記第1の制御部は、前記経路案内を実行しつつ、前記現在位置情報と前記区間位置情報とに基づいて、前記複数の区間のうち通過済みの区間を表す通過区間情報を生成することが好ましい。
【0018】
上記の態様においては、前記第2の場合において、経由地を表す経由地情報が前記目的地情報とともに前記入力部を介して入力された場合に、前記第1の制御部は、前記第1の送信部を使用して前記目的地情報とともに前記経由地情報を前記サーバに送信することが好ましい。一方、前記第2の制御部は、前記目的地情報とともに前記経由地情報を前記第2の受信部を介して前記経路案内装置から受信し、前記目的地情報とともに前記経由地情報を前記識別情報に対応づけて前記記憶部に記憶し、前記目的地情報および前記経由地情報に基づいて前記経路情報を準備することが好ましい。
【0019】
一方、前記第1の場合に、前記第1の制御部は、前記識別情報および前記現在位置情報とともに前記通過区間情報を、前記第1の送信部を使用して前記サーバに送信することが好ましい。そして、前記第2の制御部は、前記識別情報および前記現在位置情報とともに前記通過区間情報を、前記第2の受信部を介して前記経路案内装置から受信し、前記識別情報に対応づけられて前記記憶部に記憶されている前記目的地情報および前記経由地情報、前記現在位置情報、ならびに前記通過区間情報に基づいて、前記通過済みの区間に含まれる前記経由地点を経由しない経路を表す前記経路情報を準備することが好ましい。
【0020】
このような態様とすれば、過去に中断された経路案内の目的地情報と経由地情報に基づいて経路情報を準備する際に、以下のような事態を防止することができる。すなわち、すでに通過済みであり、この先、通過する必要がない経由地を再び通るような経路を表す経路情報を準備する事態を防止することができる。
【0021】
なお、所定の条件は、中断された前記経路案内を再開する旨の指示が前記入力部を介して入力されたことを含むことができる。また、前記所定の条件は、前記第1の指示が前記入力部を介して入力され、かつ、中断された前記経路案内を再開せず新たな経路案内を行う旨の第2の指示が、前記第1の指示の後、所定の時間内に前記入力部を介して入力されなかったことを含むこともできる。
【0022】
なお、「条件Xは条件x1を含む」とは、「条件Xが、OR条件である下位の複数の選択肢の一つとして条件x1を含む」態様と、「条件Xが、満たすべき必須の条件として条件x1を含む」という態様と、の両方の態様と含む。
【0023】
このような態様とすれば、サーバは、中断された経路案内を再開する旨の指示をユーザに入力させることなく、記憶部に記憶されている、中断された経路案内の目的地情報と現在位置情報とに基づいて経路情報を準備することができる。
【0024】
また、前記経路案内装置は、さらに、前記経路案内が開始されたことを表す案内開始情報を格納することができる開始情報記憶部を備えることが好ましい。そのような態様において、前記第1の制御部は、前記経路案内を開始する際に、前記開始情報記憶部に前記案内開始情報を記憶させ、前記目的地に到着した際に、前記開始情報記憶部から前記案内開始情報を削除することが好ましい。そして、前記所定の条件は、前記開始情報記憶部に前記案内開始情報が記憶されていることを含むことができる。
【0025】
このような態様とすれば、たとえば、目的地に到着する前にユーザによって経路案内が強制終了された場合に、経路案内装置側に記憶された案内開始情報に基づいて、経路案内再開のために、サーバの記憶部に記憶されている目的地情報に基づく経路情報をサーバに準備させることができる。
【0026】
なお、前記第2の制御部は、上記の第2の場合において、前記経路情報を前記識別情報に対応づけて前記記憶部に記憶することが好ましい。そして、前記第2の制御部は、上記の第1の場合において、前記現在位置情報に基づいて特定される前記現在位置と、前記通過区間情報に基づいて特定される前記通過済みの区間に含まれる地点と、の距離がしきい値より小さい場合には、前記記憶部に記憶されている前記経路情報を、前記経路案内装置に送信すべき前記経路情報として準備することが好ましい。
【0027】
このような態様とすれば、中断された経路案内において使用されていた経路の近傍にユーザがいる場合には、サーバは、現在位置情報等に基づいて新たに経路情報を準備することなく、経路情報を準備することができる。このため、常に現在位置情報等に基づいて新たに経路情報を準備する態様に比べて、サーバの処理の負荷を軽減することができる。また、常に現在位置情報等に基づいて新たに経路情報を準備する態様に比べて、第1の指示が入力されてから経路案内が開始されるまでの時間を短くすることができる。
【0028】
また、前記第1の制御部は、前記経路案内を行っているときに前記経路案内を終了する旨の指示が前記入力部を介して入力された場合には、前記経路案内に関する情報を保存するか否かを示す入力を促す出力を、前記出力部を使用して行い、前記経路案内に関する情報を保存する旨の指示が前記入力部を介して入力された場合に、前記経路案内に関する情報を保存する旨の保存指示情報を、前記識別情報とともに前記サーバに送信することが好ましい。そして、前記第2の制御部は、前記保存指示情報を前記第2の受信部を介して前記経路案内装置から受け取った場合に、前記経路案内の前記終了後も、前記識別情報と対応づけられた前記目的地情報および前記経由地情報を前記記憶部に保持することが好ましい。
【0029】
このような態様とすれば、経路案内を終了させるときに、経路案内に関する情報の保存をユーザが望んだ場合には、後に再利用するために、目的地情報および経由地情報をサーバ側に保存することができる。
【0030】
なお、前記第1の制御部は、前記経路案内を行っているときに前記経路案内を終了する旨の指示が前記入力部を介して入力された場合には、前記経路案内に関する情報を保存するか否かを示す入力を促す出力を、前記出力部を使用して行うことが好ましい。そして、前記第1の制御部は、前記経路案内に関する情報を保存しない旨の指示が前記入力部を介して入力された場合に、前記経路案内に関する情報の保存が不要である旨の非保存指示情報を、前記識別情報とともに前記サーバに送信することが好ましい。そして、前記第2の制御部は、前記非保存指示情報を前記第2の受信部を介して前記経路案内装置から受け取った場合に、前記経路案内の前記終了後、前記記憶部に記憶されている前記目的地情報および前記経由地情報を破棄することが好ましい。
【0031】
このような態様とすれば、経路案内を終了させるときに、経路案内に関する情報をユーザが必要としない場合には、経路案内に関する情報を破棄して、記憶部の容量を有効に活用することができる。
【0032】
前記経路案内装置は、さらに、前記目的地情報および前記経由地情報を格納することができる目的地記憶部を備えることが好ましい。そして、前記第1の制御部は、前記経路案内を行っているときに前記経路案内を終了する旨の指示が前記入力部を介して入力された場合には、前記経路案内に関する情報を保存するか否かを示す入力を促す出力を、前記出力部を使用して行うことが好ましい。そして、前記第1の制御部は、前記経路案内に関する情報を保存する旨の指示が前記入力部を介して入力された場合に、前記経路案内の前記終了後も、前記目的地情報および前記経由地情報を前記目的地記憶部に保持することが好ましい。
【0033】
このような態様とすれば、経路案内を終了させるときに、経路案内に関する情報の保存をユーザが望んだ場合には、後に再利用するために、目的地情報および経由地情報を経路案内装置側に保存することができる。
【0034】
なお、経路案内システムは、地図の画像を表す地図画像データを、位置を表す位置情報と対応づけて格納し、前記経路案内装置との間で通信を行う地図サーバをさらに含む態様とすることができる。そのような態様において、前記第1の制御部は、前記現在位置情報を、前記第1の送信部を使用して前記地図サーバに送信することが好ましい。前記地図サーバは、前記現在位置情報を、前記経路案内装置から受信し、前記現在位置情報と対応づけられている地図画像データを、前記経路案内装置に送信することが好ましい。そして、前記第1の制御部は、前記現在位置情報に応じた地図画像データを、前記第1の受信部を介して受信し、前記経路情報、前記現在位置情報および前記受信した地図データに基づいて、前記出力部を使用して経路案内を行うことが好ましい。
【0035】
このような態様とすれば、地図の画像の上に経路と現在位置とを表示して、経路案内を行うことができる。なお、地図サーバは、経路情報を準備するサーバと同一とすることもでき、異なるサーバとすることもできる。
【0036】
なお、サーバの制御部は、以下のように構成することもできる。すなわち、前記制御部は、前記目的地情報を前記受信部を介して前記経路案内装置から受信せず、前記識別情報を前記受信部を介して前記経路案内装置から受信し、かつ所定の第1の条件が満たされた第1の場合に、
前記識別情報を前記受信部を介して前記経路案内装置から受信し、
前記記憶部内において前記受信した識別情報に対応づけて格納されている前記経路情報の少なくとも一部に基づいて、前記経路情報を準備し、
前記送信部を使用して前記経路案内装置に前記経路情報を送信する。
【0037】
なお、前記制御部は、前記経路案内装置に割り当てられた識別情報と、目的地を表す目的地情報とを前記受信部を介して前記経路案内装置から受信し、所定の第2の条件が満たされた第2の場合に、
前記識別情報と前記目的地情報とを前記受信部を介して前記経路案内装置から受信し、
前記目的地情報に基づいて前記経路情報を準備し、
前記送信部を使用して前記経路案内装置に前記経路情報を送信し、
前記目的地情報を含む前記経路情報の少なくとも一部を前記識別情報に対応づけて前記記憶部に記憶する。
【0038】
一方、本願発明は、以下のような携帯用画像表示装置として構成することもできる。
この携帯用画像表示装置は、
画像を表示することができる表示部と、
ユーザから情報を入力されることができる入力部であって、複数の操作部分をそれぞれ操作されることによって互いに異なる情報を入力されることができる、入力部と、
前記携帯用画像表示装置の向きを感知することができるセンサと、
前記入力部および前記センサからの入力に応じて前記表示部に文字を含む画像を表示することができる制御部であって、鉛直上方に合わせて前記表示部に前記文字を含む画像を表示し、前記各操作部分が操作された場合に、前記画像の少なくとも一部を、鉛直上方に対する前記各操作部分の位置に応じた方向に動かす制御部と、を備える。
【0039】
このような態様においては、鉛直上方に合わせて文字を含む画像を表示するため、ユーザが文字を読みやすいように画像を表示することができる。そして、各操作部分が操作された場合に、鉛直上方に対する各操作部分の位置に応じた方向に画像を動かすため、ユーザは直感的に画像を動かすことができる。よって、上記の態様においては、ユーザが画像表示装置を利用する際の利便性が高い。
【0040】
なお、前記複数の操作部分は、
第1の操作部分と、
前記第1の操作部分とは異なる位置にある第2の操作部分と、
前記入力部に正対し前記第1の操作部分の方向を12時の方向とし前記第2の操作部分の方向を6時の方向としたときに、3時の方向に位置する第3の操作部分と、
前記入力部に正対し前記第1の操作部分の方向を12時の方向とし前記第2の操作部分の方向を6時の方向としたときに、9時の方向に位置する第4の操作部分と、を含むことができる。
そして、前記制御部は、前記表示部上において、少なくとも、互いに90度づつ異なる第1ないし第4の方向に沿って前記画像を動かすことができる態様とすることができる。
【0041】
そのような態様において、前記制御部は、前記第1ないし第4の操作部分のうち鉛直方向に沿って最も上方にある上操作部分が操作された場合に、前記表示部において、前記第1ないし第4の方向のうち鉛直方向の上方に最も近い方向である第1の移動方向に前記画像の少なくとも一部を動かすことが好ましい。そして、前記制御部は、前記第1ないし第4の操作部分のうち鉛直方向に沿って最も下方にある下操作部分が操作された場合に、前記表示部において、前記第1ないし第4の方向のうち鉛直方向の下方に最も近い方向である第2の移動方向に前記画像の少なくとも一部を動かすことが好ましい。
【0042】
このような態様とすれば、ユーザは、直感的に上下の操作部分を操作して、表示部において、画像を上下に動かすことができる。
【0043】
なお、前記制御部は、前記第1ないし第4の操作部分のうち、前記入力部に正対し前記上操作部分の方向を12時の方向とし前記下操作部分の方向を6時の方向としたときに、3時の方向に位置する右操作部分が操作された場合に、前記表示部に正対し前記第1の移動方向を12時の方向とし前記第2の移動方向を6時の方向としたときに、3時の方向である第3の移動方向に前記画像の少なくとも一部を動かすことが好ましい。そして、前記制御部は、前記第1ないし第4の操作部分のうち、前記入力部に正対し前記上操作部分の方向を12時の方向とし前記下操作部分の方向を6時の方向としたときに、9時の方向に位置する左操作部分が操作された場合に、前記表示部に正対し前記第1の移動方向を12時の方向とし前記第2の移動方向を6時の方向としたときに、9時の方向である第4の移動方向に前記画像の少なくとも一部を動かすことが好ましい。
【0044】
このような態様とすれば、ユーザは、直感的に上下左右の操作部分を操作して、表示部において、画像を上下左右に動かすことができる。
【0045】
また、前記複数の操作部分は、前記入力部に正対し前記第1の操作部分の方向を12時の方向とし前記第2の操作部分の方向を6時の方向としたときに、さらに、
1時30分の方向に位置する第5の操作部分と、
4時30分の方向に位置する第6の操作部分と、
7時30分の方向に位置する第7の操作部分と、
10時30分の方向に位置する第8の操作部分と、を含むことが好ましい。
【0046】
そのような態様において、前記制御部は、
前記第1ないし第8の操作部分のうち、前記入力部に正対し前記上操作部分の方向を12時の方向とし前記下操作部分の方向を6時の方向としたときに、1時30分の方向に位置する右上操作部分が操作された場合に、前記表示部に正対し前記第1の移動方向を12時の方向とし前記第2の移動方向を6時の方向としたときに、1時30分の方向である第5の移動方向に前記画像の少なくとも一部を動かし、
前記第1ないし第8の操作部分のうち、前記入力部に正対し前記上操作部分の方向を12時の方向とし前記下操作部分の方向を6時の方向としたときに、4時30分の方向に位置する右下操作部分が操作された場合に、前記表示部に正対し前記第1の移動方向を12時の方向とし前記第2の移動方向を6時の方向としたときに、4時30分の方向である第6の移動方向に前記画像の少なくとも一部を動かし、
前記第1ないし第8の操作部分のうち、前記入力部に正対し前記上操作部分の方向を12時の方向とし前記下操作部分の方向を6時の方向としたときに、7時30分の方向に位置する左下操作部分が操作された場合に、前記表示部に正対し前記第1の移動方向を12時の方向とし前記第2の移動方向を6時の方向としたときに、7時30分の方向である第7の移動方向に前記画像の少なくとも一部を動かし、
前記第1ないし第8の操作部分のうち、前記入力部に正対し前記上操作部分の方向を12時の方向とし前記下操作部分の方向を6時の方向としたときに、10時30分の方向に位置する左上操作部分が操作された場合に、前記表示部に正対し前記第1の移動方向を12時の方向とし前記第2の移動方向を6時の方向としたときに、10時30分の方向である第8の移動方向に前記画像の少なくとも一部を動かすことが好ましい。
【0047】
このような態様とすれば、ユーザは、直感的に操作部分を右上、右下、左下、左上の操作部分を操作して、表示部において、画像を右上、右下、左下、左上に動かすことができる。
【0048】
なお、前記画像の少なくとも一部は、地図を表す画像とすることができる。
【0049】
また、前記画像の少なくとも一部は、操作メニューの複数の選択肢のうちユーザが指定する選択肢を表す画像とすることもできる。
【0050】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、経路案内方法、経路案内装置および経路案内システム、画像表示方法および画像表示装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1実施例である経路案内システムのハードウェア構成を示す図。
【図2】携帯電話200内で動作しているアプリケーションソフトウェア212と、経路探索サーバ100との、経路案内における動作を示すチャート。
【図3】ルート情報および経路データの内容を表す図。
【図4】ガイドが再開される場合の、アプリケーションソフトウェア212と、経路探索サーバ100との動作を示すチャート。
【図5】過去に中断された経路案内(ルートガイド)を再開するか否かを指示する入力を促す表示パネル202の表示。
【図6】ガイドの途中でアプリケーションソフトウェア212を終了させる際に表示される画面を示す図。
【図7】携帯電話200の鉛直上方Uに対する向きと、携帯電話200の表示パネル202に表示される地図画像Mp01の向きとの関係を示す図。
【図8】携帯電話200の鉛直上方Uに対する向きと、携帯電話200の表示パネル202に表示される地図画像Mp02の向きとの関係を示す図。
【図9】携帯電話200の鉛直上方Uに対する向きと、携帯電話200の表示パネル202に表示される地図画像Mp03の向きとの関係を示す図。
【図10】携帯電話200の鉛直上方Uに対する向きと、携帯電話200の表示パネル202に表示される地図画像Mp04の向きとの関係を示す図。
【図11】携帯電話200の鉛直上方Uに対する向きと、携帯電話200の表示パネル202に表示される操作メニューM01,M02の向きとの関係を示す図。
【図12】携帯電話200の鉛直上方Uに対する向きと、携帯電話200の表示パネル202に表示される操作メニューM01,M02の向きとの関係を示す図。
【図13】携帯電話200の鉛直上方Uに対する向きと、携帯電話200の表示パネル202に表示される操作メニューM01,M02の向きとの関係を示す図。
【図14】携帯電話200の鉛直上方Uに対する向きと、携帯電話200の表示パネル202に表示される操作メニューM01,M02の向きとの関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0052】
A.第1実施例:
A1.全体構成:
図1は、本発明の第1実施例である経路案内システムのハードウェア構成を示す図である。第1実施例の経路案内システムは、経路探索サーバ100と、地図サーバ150と、携帯電話200と、を含む。なお、図1においては、経路探索サーバ100、地図サーバ150、および携帯電話200の外観と、そのシステム構成を示すブロック図とを別に示す。
【0053】
携帯電話200は、GPSアンテナ201と、表示パネル202と、音声出力部203と、振動機構204と、通信部205と、コマンド入力部206と、開閉センサ207と、加速度センサ208と、主制御部210と、通話制御部220とを有している。
【0054】
GPSアンテナ201は、GPS(Grobal Positioning System/全地球測位システム)の衛星からの電波を受信するためのアンテナである。GPSアンテナ201が受信する電波に基づいて、携帯電話200の現在位置を表す現在位置情報を取得することができる。
【0055】
表示パネル202は、たとえば、640画素・480画素の画像を表示することができる液晶ディスプレイである。音声出力部203は、スピーカを含む装置であって、経路案内などのユーザへのメッセージやメロディなどを音声で出力できる装置である。振動機構204は、所定のパターンの振動でユーザの注意を促すことができる装置である。本明細書においては、これら画像、音声、振動を出力する装置202〜204を、まとめて「出力部」と呼ぶことがある。
【0056】
通信部205は、インターネットINTを介して経路探索サーバ100および地図サーバ150と通信を行い、情報を送受信することができる。
【0057】
コマンド入力部206は、テンキー206aとカーソルキー206bとを含む。ユーザは、テンキー206aとカーソルキー206bを介して携帯電話200に情報を入力する。
【0058】
携帯電話200は、コマンド入力部206の一部としてのテンキー206aを備える第1部分200aと、コマンド入力部206の他の一部としてのカーソルキー206bおよび表示パネル202としての液晶ディスプレイを備える第2部分200bとを有している。携帯電話200は、第2部分200bを第1部分200aに対してスライドさせることができる。携帯電話200は、そのスライドにより、第1部分200aと第2部分200bが重なっておりテンキー206aが第2部分の下に隠れている第1の状態と、第1部分200aと第2部分200bがずれており第1部分200aのうちのテンキー206aが設けられている部分が第2部分200bと重なっていない第2の状態と、を実現することができる。以下、第1の状態を「閉状態」と言うことがあり、第2の状態を「開状態」と言うことがある。図1の左下においては、開状態の携帯電話200を示す。
【0059】
開閉センサ207は、携帯電話200が開状態にあるか、閉状態にあるかを検知することができるセンサである。加速度センサ208は、x軸、y軸、z軸の3軸についての加速度を検知することができる3次元加速度センサである。鉛直方向には常に1Gの重力加速度がかかっている。このため、加速度センサ208の出力に基づいて1Gの加速度がかかかっている向きを計算することにより、鉛直上方または鉛直下方に対する携帯電話の向きを検知することができる。
【0060】
通話制御部220は、通話のための着信呼出、音声/電気信号の変換などを行う回路である。
【0061】
主制御部210は、携帯電話200の各部を制御するための制御ユニットである。主制御部210は、それらの制御に使用されるCPU、RAM、ROMを備えている。たとえば、主制御部210は、CPUでアプリケーションソフトウェア212を実行することによって携帯電話200の各部を制御し、現在位置から目的地までの経路案内を行うことができる。
【0062】
経路探索サーバ100は、通信部102と、制御部104と、記憶部106とを有している。通信部102は、インターネットINTを介して地図サーバ150および携帯電話200と通信を行うことができる。記憶部106は、経路探索のための経路データ(経路探索データ)を格納している。記憶部106は、さらに、地図サーバ150および携帯電話200から受け取ったデータ、およびそれらに基づいて生成されたデータを格納する。制御部104は、記憶部106を参照しつつ、地図サーバ150および携帯電話200から受け取ったデータに基づいて、出発地点から目的地に至る経路を表す経路情報を生成する。
【0063】
地図サーバ150は、通信部152と、制御部154と、地図データベース156とを有している。通信部102は、インターネットINTを介して経路探索サーバ100および携帯電話200と通信を行うことができる。地図データベース156は、携帯電話200に送信するための画像データとしての地図画像データを格納している。制御部154は、携帯電話200から受け取ったデータに基づいて携帯電話200が要求する地図画像データを特定し、通信部152を介して携帯電話200に送信する。
【0064】
A2.経路案内:
図2は、携帯電話200内で動作しているアプリケーションソフトウェア212と、経路探索サーバ100との、経路案内における動作を示すチャートである。まず、ユーザは、携帯電話200において経路案内のためのアプリケーションソフトウェア212を起動する。そして、図2のステップS210において、コマンド入力部206を介して目的地、経由地、経路探索の条件などを入力する。経由地は複数指定することが可能である。なお、経由地は一つも指定されないこともある。経路探索の条件は、たとえば、「有料道路を使用する/しない」の指定である。
【0065】
ステップS210で、ユーザがそれらの情報を入力し、現在地から目的地に至るルートの検索を行うべき旨の指示を入力すると、アプリケーションソフトウェア212は、目的地を表す目的地情報、経由地を表す経由地情報、経路探索の条件を表す条件情報を、経路探索の要求とともに、通信部205を介して経路探索サーバ100に送信する。
【0066】
また、アプリケーションソフトウェア212は、それらの情報とともに、ユーザIDと、出発地を表す出発地情報も送信する。ユーザIDは、各携帯電話に固有に割り当てられたIDである。出発地情報は、アプリケーションソフトウェア212がGPSアンテナ201を介して入手した現在位置情報である。現在位置情報は、アプリケーションソフトウェア212の起動時に、またはユーザによる指示が出されたときに、取得される。また、現在位置情報は、アプリケーションソフトウェア212が起動している間、定期的に、たとえば1〜3秒に1回、取得される。
【0067】
経路探索サーバ100は、図2のステップS110において、ユーザID、出発地情報(現在位置情報)、目的地情報、経由地情報、および条件情報を、通信部102を介して受け取る。そして、経路探索サーバ100の制御部104は、経路案内のサービスを提供する契約を締結しているユーザに対してシステムへのログインを認め、セッションIDを割り当てる。セッションIDとは、経路探索サーバ100のシステムに正規にログインしたユーザのユーザIDに対して割り当てられるIDである。
【0068】
経路探索サーバ100の制御部104は、また、ユーザID、出発地情報(現在位置情報)、目的地情報、経由地情報、および条件情報を、セッションIDと関連づけて、記憶部106に記憶する。そして、出発地情報、目的地情報、経由地情報、および条件情報に基づいて、出発地点から経由地を経て目的地に至るルート(経路)であって、条件情報が表す条件を満たすルートを探索する。
【0069】
その後、経路探索サーバ100の制御部104は、探索したルートを表すルート情報を携帯電話200に送信する。具体的には、ルート情報は、ルートが含む各地点を表す情報、ルートが含むセクションのセクションID、ルートが含む交差点の属性情報などを含む。
【0070】
図3は、ルート情報および経路データの内容を表す図である。経路探索サーバ100の記憶部106に格納されている経路データは、ノード情報と、交差点の属性情報と、アーク情報とを含む。ノード情報は、交差点や、道路上で車線数が変わる地点、有料道路への進入路が分岐している場所、カーブの開始点および終了点などの地点を表すデータである。図3では、ノードとしてNd01〜Nd11を示している。
【0071】
アーク情報は、ノードとノードの間の道路であるアークに関する情報である。各アークには固有のIDが割り当てられている。図3の例では、説明を簡略にするために各アークに割り当てられたIDとして、01〜10までのIDを示している。各アーク情報は、それぞれのアークに含まれる多数の地点の緯度および経度のデータを含んでいる。すなわち、ルートを設定することができる道路はそれらの地点の点列として表すことができる。各アーク情報は、それらのIDおよび点列の情報に加えて、さらに、それぞれのアークが有料道路であるか否かに関する情報や、車線数の情報を含んでいる。
【0072】
交差点の属性情報は、ユーザがその交差点に進入するときに、そのユーザの携帯電話200の表示パネル202に表示すべき情報である。図3では、一例として、ノードNd03の交差点に進入するユーザの携帯電話200の表示パネル202に表示すべき属性情報Ndp03を示す。属性情報Ndp03は、道路の行き先を示す情報である。
【0073】
経路探索サーバ100の制御部104は、記憶部106に格納されている経路データを参照しつつ、出発地情報(現在位置情報)、目的地情報、経由地情報、および条件情報に基づいて、ルートを探索する。そして、制御部104は、出発地点から目的地に至るルートを表す経路情報を生成し、携帯電話200に送信する。経路情報は、ノード情報と、セクション情報と、交差点の属性情報を含む。
【0074】
図3においては、出発地(ユーザの現在位置)をPsで示す。経由地をPv1,Pv2で示す。目的地をPeで示す。図3の例では、制御部104によって、破線で示すルートR0が探索されたものとする。図3においてルートR0を破線で示す。制御部104は、セクション01〜04のセクション情報(各セクションのセクションIDと、各セクションに含まれる各地点の緯度および経度の情報)、ノードNd03,Nd06,Nd09の情報、各ノードの属性情報などを、携帯電話200に送信する。
【0075】
セクション情報は、探索されたルート内における出発地点と最初のノードの間、ノードとノードの間、および最後のノードと目的地の間の道路であるセクションに関する情報である。各セクションには固有のIDが割り当てられている。図3の例では、各セクションに割り当てられたIDとして、01〜04までのIDを示している。
【0076】
セクションがノードとノードの間の道路である場合には、そのセクションのセクション情報は、対応するアーク情報と同じである(図3のセクション02,03参照)。セクションが出発地点とノードの間の道路である場合には、そのセクションのセクション情報は、対応するアーク情報が有するノード間の各地点の緯度および経度のデータに代えて、出発地点とノードの間の各地点の緯度および経度のデータを有する(図3のセクション01参照)。セクションがノードと目的地の間の道路である場合には、そのセクションのセクション情報は、対応するアーク情報が有するノード間の各地点の緯度および経度のデータに代えて、ノードと目的地の間の各地点の緯度および経度のデータを有する(図3のセクション04参照)。
【0077】
図2のステップS220では、アプリケーションソフトウェア212は、経路探索サーバ100の制御部104から受信した各セクションに含まれる各地点の緯度および経度の情報に基づいて、表示パネル202にルートを表示する。なお、その状態において、カーソルキー206bが操作されると、ルート上において、ルートガイド中に表示すべき属性情報を有するノードに相当する場所が順に選択される。そのようなノード(たとえば、図3のノードNd03)に相当する場所にカーソルが合わされた場合には、その属性情報が表示される。
【0078】
なお、アプリケーションソフトウェア212は、定期的に現在位置を特定し、その現在位置に応じた周辺の地図画像データを地図サーバ150から入手する。図2のステップS220では、地図サーバ150から入手した周辺の地図画像データの上に、経路探索サーバ100から入手したルート上の各地点を重ねて表示することによって、ルートを表示する。
【0079】
また、アプリケーションソフトウェア212は、経路探索サーバ100から経路情報を受け取ると、ルートガイドの処理を開始し経路情報を入手したことを表すSTARTフラグを主制御部210の図示しないRAM内において「1」にする。STARTフラグは、経路探索サーバ100から経路情報を受け取る前は「0」である。
【0080】
その後、コマンド入力部206を介してルートガイドを開始する旨の指示が入力されると、アプリケーションソフトウェア212は、ルートガイドを開始する。ルートガイドは、経路探索サーバ100から受信した経路情報に基づいて行われる。
【0081】
アプリケーションソフトウェア212は、ルートガイドを実行している間、各セクションの情報と現在位置情報とに基づいて、通過セクションデータを作成する。通過セクションデータは、ルートに含まれる各セクションのうち通過済みのセクションを表す。すなわち、通過セクションデータは、通過済みのセクションのIDを含む。たとえば、図3の例でにおいて、ユーザが地点Piまで至っているときには、通過セクションデータは、セクション01のIDを含む。ユーザが目的地に到着すると、ルートに含まれるすべてのセクションが通過済みのセクションとなる。
【0082】
その後、ステップS230で、ユーザすなわち携帯電話200が目的地に到着すると、アプリケーションソフトウェア212は、ルートガイドを終了する。同時に、アプリケーションソフトウェア212は、STARTフラグを主制御部210の図示しないRAM内において「0」にする。
【0083】
一方、経路探索サーバ100の制御部104は、その後、ユーザが所定の時間(たとえば24時間)システムにログインしなかった場合には、ステップS120で、セッションID、ならびにセッションIDに対応づけられたユーザID、出発地情報(現在位置情報)、目的地情報、経由地情報、および条件情報を、記憶部106から削除する。
【0084】
図4は、アプリケーションソフトウェア212が強制終了され、その後、アプリケーションソフトウェア212が再起動されてガイドが再開される場合の、アプリケーションソフトウェア212と、経路探索サーバ100との動作を示すチャートである。
【0085】
図4において、ステップS220までの動作は図2の場合と同じである。その後、ステップS222で、ユーザによってアプリケーションソフトウェア212が強制終了されたものとする。なお、アプリケーションソフトウェアの「強制終了」とは、そのアプリケーションソフトウェアの内部の処理によって終了するのではなく、アプリケーションソフトウェアの外部の処理によってアプリケーションソフトウェアが終了される終了の態様をいう。たとえば、実行中のアプリケーションソフトウェアのメニューを使用してそのアプリケーションソフトウェアを終了させるのではなく、携帯電話の電源ボタンを押すことによって実行中のアプリケーションソフトウェアを終了させる場合である。このような場合には、主制御部210のRAM内のSTARTフラグは「1」のままアプリケーションソフトウェア212は終了する。
【0086】
その後、ステップS224で、ユーザによってアプリケーションソフトウェア212が再び起動される。
【0087】
図5は、過去に中断された経路案内(ルートガイド)を再開するか否かを指示する入力を促す表示パネル202の表示である。図4のステップS226で、アプリケーションソフトウェア212は、主制御部210のRAM内のSTARTフラグが1であることを確認すると、表示パネル202に図5の画面を表示する。すなわち、図5の画面は、過去に携帯電話200が経路情報を取得しており、かつ、その経路情報に基づくルートガイドによって目的地に到着していない場合に、表示される。
【0088】
図5の画面において、ユーザは、過去に中断された経路案内を再開する場合には、「はい」のボタンを選択する。過去に中断された経路案内を再開しない場合には、ユーザは、「いいえ」のボタンを選択する。なお、ボタンの選択は、カーソルキー206bの左または右の部分を押すことによって行われる。オンの入力は、カーソルキー206bの中央部分を押すことで行われる。
【0089】
「いいえ」のボタンが選択されると、目的地、経由地、経路探索の条件などを入力する画面が表示パネル202に表示される。以下の処理は、図2のステップS210で説明したものと同じである。
【0090】
一方、「はい」のボタンが選択されると、アプリケーションソフトウェア212は、ユーザIDと、出発地情報(現在位置情報)と、通過セクションデータを、経路探索の要求とともに、通信部205を介して経路探索サーバ100に送信する。なお、目的地を表す目的地情報、経由地を表す経由地情報、経路探索の条件を表す条件情報は、送信されない。
【0091】
図4のステップS115では、経路探索サーバ100の制御部104は、アプリケーションソフトウェア212から送信されたユーザIDに基づいて、そのユーザIDに関連づけられたセッションID、ならびにそのセッションIDに関連づけられた目的地情報、経由地情報、および条件情報を、記憶部106から取得する。そして、経路探索サーバ100の制御部104は、それらの目的地情報、経由地情報および条件情報、ならびに携帯電話から受信した出発地情報(現在位置情報)、および通過セクションデータに基づいて、ルートを探索する。
【0092】
このような態様とすることにより、ユーザは、過去に入力した目的地、経由地、探索条件などの情報(図2および図4のステップS210参照)を再びコマンド入力部206から入力することなく、ガイドを再開させることができる(図4のステップS226,S228参照)。
【0093】
経路探索サーバ100の制御部104は、通過セクションデータに基づいて、通過済みのセクションに含まれる経由地点を経由しないルートを探索する。たとえば、図3の例において、地点Piでアプリケーションソフトウェア212が強制終了され、その後、地点Prでアプリケーションソフトウェア212が再起動されたものとする。
【0094】
ノードNd03を越えた時点で、アプリケーションソフトウェア212は、セクション01を通過済みのセクションとする通過セクションデータを作成している。このため、経路探索サーバ100の制御部104は、通過済みのセクション01に含まれる経由地Pv1を経由しないルートR1を探索する。そのようにして探索されたルートR1を図3において一点鎖線で示す。ルートR1は、地点Prを出発地とし、経由地Pv2を経由して目的地Peに至るルートである。
【0095】
このような態様とすることで、アプリケーションソフトウェア212を再起動した現在位置(図3において地点Pr)から、すでに設定された経由地(図3において経由地Pv2)を経由して目的地に至るルートを設定することができる。そして、アプリケーションソフトウェア212を再起動した現在位置が前回設定したルート上にない場合でも、現在位置から目的地に直行するルートを設定することがない。
【0096】
さらに、上記のような態様とすることで、すでに通過済みであり、この先、通過する必要がない経由地(図3において経由地Pv1)を再び通るようなルートが設定される事態を防止することができる。
【0097】
その後、経路探索サーバ100の制御部104は、探索したルートの情報を携帯電話200に送信する。送信される情報は、図2のステップS110の後に送信される情報と同じである。
【0098】
ステップS228では、携帯電話200のアプリケーションソフトウェア212は、経路探索サーバ100の制御部104から受信した情報に基づいて、表示パネル202にルートを表示する。その後、コマンド入力部206を介してルートガイドを開始する旨の指示が入力されると、アプリケーションソフトウェア212は、ルートガイドを開始する。以下の処理は、図2のS220以下と同じである。
【0099】
図6は、ガイドの途中でアプリケーションソフトウェア212を終了させる際に表示される画面を示す図である。以上では、ガイドの途中でアプリケーションソフトウェア212が強制終了される場合について説明した(図4のステップS226参照)。一方、ガイドの途中で、アプリケーションソフトウェア212のメニューを使用してアプリケーションソフトウェア212が終了される場合には、図6の画面が表示パネル202に表示される。図6の画面は、経路案内(ルートガイド)に関する情報を保存するか否かを示す入力を促す画面である。
【0100】
図6の画面において「はい」が選択され、ルートガイドを保存する旨の指示がコマンド入力部206を介して入力された場合には、アプリケーションソフトウェア212は、ルートガイドに関する情報を保存する旨の保存指示情報を、ユーザIDとともに経路探索サーバ100に送信する。経路探索サーバ100の制御部104は、保存指示情報を通信部102を介して受け取った場合には、ルートガイドの終了後も、ユーザIDと対応づけられたセッションID、ならびにセッションIDと対応づけられた目的地情報、経由地情報、および条件情報を記憶部106に保持する。また、アプリケーションソフトウェア212は、RAM内のSTARTフラグを「1」のままとする。
【0101】
一方、図6の画面において「いいえ」が選択され、ルートガイドを保存しない旨の指示がコマンド入力部206を介して入力された場合には、アプリケーションソフトウェア212は、ルートガイドに関する情報の保存が不要である旨の非保存指示情報を、ユーザIDとともに経路探索サーバ100に送信する。経路探索サーバ100の制御部104は、非保存指示情報を通信部102を介して受け取った場合には、ルートガイドの終了後、記憶部106に記憶されている、ユーザIDと対応づけられたセッションID、ならびにセッションIDと対応づけられた目的地情報、経由地情報、および条件情報を破棄する。また、アプリケーションソフトウェア212は、RAM内のSTARTフラグを「0」とする。
【0102】
このような態様とすれば、経路案内に関する情報をユーザが必要としない場合には、ルートガイド終了時にルートガイドに関する情報を破棄して、記憶部106の容量を有効に活用することができる。
【0103】
また、経路案内(ルートガイド)に関する情報を保存するか否かのユーザによる指示に応じてSTARTフラグを書き換えるため、その後にアプリケーションソフトウェア212を起動したときに、図5の画面を表示することなく、目的地、経由地、経路探索の条件などの入力を促す画面を表示することができる。
【0104】
A3.画面表示と操作:
図7〜図10は、携帯電話200の鉛直上方に対する向き(姿勢)と、携帯電話200の表示パネル202に表示される地図画像Mp01〜Mp04の向きとの関係を示す図である。図7〜図10において、矢印Uは、鉛直上方を表す。ただし、紙面は2次元であるため、紙面内の矢印Uが表す実際の鉛直上方の向きは、矢印Uを含み紙面に垂直な面内において0より大きく180度より小さい範囲をとりうる。
【0105】
矢印Uの近傍に、矢印Uの向きに対する他の向きを記述するための記号Dcを記す。記号Dcが有する数字3,6,9,12が付された線分は、それぞれ矢印Uの向きを12時の向きとしたときの、3時の向き、6時の向き、9時の向き、12時の向きを表す。また、数字3,6,9,12が付された線分の中間の線分は、それぞれ矢印Uの向きを12時の向きとしたときの、1時30分の向き、4時30分の向き、7時30分の向き、10時30分の向きを表す。各線分は、360度を均等の角度で分割している。
【0106】
また、図7〜図10において、矢印Cuは、「携帯電話200の上方」を表す。なお、「携帯電話200の上方」は、携帯電話200の姿勢を記述するために便宜的に定めた向きである。「携帯電話200の上方」は、ユーザがそちらを上にして携帯電話200を保持する可能性が最も高い向きである。たとえば、「携帯電話200の上方」は、表示パネル202が設けられている面に記されているキャリア名の文字とメーカ名の文字のうちの少なくとも一方の文字の上方と一致する方向である。
【0107】
図7の状態において、携帯電話200の上方Cuは、矢印Uの向きを12時の向きとしたときの12時の方向である。図8の状態において、携帯電話200の上方Cuは、同じく、3時の方向である。図9の状態において、携帯電話200の上方Cuは、同じく、6時の方向である。図10の状態において、携帯電話200の上方Cuは、同じく、9時の方向である。しかし、図7〜図10のいずれの状態においても、地図画像は、表示パネル202において、矢印Uの向きを上方とするように表示される。なお、地図の「上方」は、地図に含まれる文字のうち最も多くの文字の上方と一致する向きであるものとする。
【0108】
カーソルキー206bは、円形のボタンであり、円の外周に沿って均等に8カ所の操作部分を有する。ここでは、8カ所の操作部分のうち、鉛直方向(矢印U参照)に沿って最も上方にある操作部分を、「上操作部分P1」と呼ぶ。8カ所の操作部分のうち、鉛直方向に沿って最も下方にある操作部分を、「下操作部分P2」と呼ぶ。
【0109】
また、カーソルキー206bに正対し上操作部分P1の方向を12時の方向とし下操作部分P2の方向を6時の方向としたときに、3時の方向に位置する操作部分を「右操作部分P3」と呼ぶ。同じく、9時の方向に位置する操作部分を「左操作部分P4」と呼ぶ。なお、本実施例においては、カーソルキー206bに正対し上操作部分P1の方向を12時の方向とし下操作部分P2の方向を6時の方向としたときの各向きは、記号Dcが示す向きと一致する。
【0110】
また、同様に、1時30分の方向に位置する操作部分を「右上操作部分P5」と呼ぶ。4時30分の方向に位置する操作部分を「右下操作部分P6」と呼ぶ。7時30分の方向に位置する操作部分を「左下操作部分P7」と呼ぶ。10時30分の方向に位置する操作部分を「左上操作部分P8」と呼ぶ。各操作部分の呼称は、鉛直上方に対する携帯電話200の姿勢によって変化する相対的な呼称である(図7〜図10参照)。
【0111】
「上操作部分P1」が押されたときには、地図画像Mp01〜Mp04は、携帯電話200の姿勢によらず(図7〜図10参照)、記号Dcに示す12時の方向に動く。「下操作部分P2」が押されたときには、地図画像は、携帯電話200の姿勢によらず、6時の方向に動く。「右操作部分P3」が押されたときには、地図画像は、携帯電話200の姿勢によらず、3時の方向に動く。「左操作部分P4」が押されたときには、地図画像は、携帯電話200の姿勢によらず、9時の方向に動く。
【0112】
「右上操作部分P5」が押されたときには、地図画像Mp01〜Mp04は、携帯電話200の姿勢によらず、記号Dcに示す1時30分の方向に動く。「右下操作部分P6」が押されたときには、地図画像は、携帯電話200の姿勢によらず、4時30分の方向に動く。「左下操作部分P7」が押されたときには、地図画像は、携帯電話200の姿勢によらず、7時30分の方向に動く。「左上操作部分P8」が押されたときには、地図画像は、携帯電話200の姿勢によらず、記号Dcに示す10時30分の方向に動く。
【0113】
また、図7〜図10において、矢印Ar1で示すように、例えば指で、カーソルキー206bの外周部分を押した状態で時計回り方向にスライドさせた場合には、地図は拡大表示される。また、矢印Ar2で示すように、例えば指で、カーソルキー206bの外周部分を押した状態で反時計回り方向にスライドさせた場合には、地図は縮小表示される。
【0114】
すなわち、本実施例においては、画像の拡大と縮小の操作を、回転操作によって行うことができる。このため、携帯電話200の向きによらず、ユーザは同じ操作で地図を拡大または縮小させることができる。
【0115】
図11〜図14は、携帯電話200の鉛直上方に対する向き(姿勢)と、携帯電話200の表示パネル202に表示される操作メニューM01,M02の向きとの関係を示す図である。図11〜図14において、操作メニューM01,M02以外の表記は、図7〜図10と同じである。
【0116】
携帯電話の表示部202およびカーソルキー206aを有する部分200bを、テンキー206bを有する部分200aに対してスライドさせ、テンキー206bを露出させると、図11〜図14に示すメニューM01が自動的に表示される。
【0117】
本実施例の携帯電話200では、開状態ではテンキー206aを操作することができる。一方で、本実施例の携帯電話200では、閉状態ではカーソルキー206bは操作することができるがテンキー206aは操作することができない。このため、ユーザが携帯電話200を開状態にするときは、多くの場合、ユーザが、目的地の検索などの操作のために文字入力を望む場合である。
【0118】
本実施例においては、閉状態から開状態に移行すると、自動的にメニューを表示する。このため、メニューを表示させるための指示をユーザが行う必要がない。よって、文字入力を行おうとするユーザの利便性が高い。
【0119】
図11〜図14においては、操作メニューM01のうち、選択肢「1」が選択されている。その結果、操作メニューM01のうち、選択肢「1」が有するサブメニューである操作メニューM02が表示されている。図11〜図14においては、操作メニューM02のうち、選択肢「1」が選択されている。選択されている選択肢を図11〜図14において二重線で示す。
【0120】
図11〜図14に示すように、図11〜図14のいずれの状態においても、操作メニューM01,M02は、表示パネル202において、矢印Uの向きを上方とするように表示される。なお、メニューの「上方」は、メニューに含まれる文字の上方と一致する向きである。
【0121】
「上操作部分P1」が押されたときには、12時と6時で特定される方向に並ぶ選択肢のうちでユーザによって指定される選択肢は、携帯電話200の姿勢によらず、記号Dcに示す12時の方向に動く。同じく、「下操作部分P2」が押されたときには、指定される選択肢は、携帯電話200の姿勢によらず、6時の方向に動く。図11〜図14の状態においては、上操作部分P1と下操作部分P2を操作することにより、操作メニューM02の1〜3の選択肢を指定することができる。
【0122】
「右操作部分P3」が押されたときには、9時と3時で特定される方向に並ぶ選択肢のうちでユーザによって指定される選択肢は、携帯電話200の姿勢によらず、記号Dcに示す3時の方向に動く。同じく、「左操作部分P4」が押されたときには、指定される選択肢は、携帯電話200の姿勢によらず、9時の方向に動く。
【0123】
図11〜図14の状態においては、右操作部分P3と左操作部分P4を操作することにより、操作メニューM02の1の選択肢と、操作メニューM01の1の選択肢を指定することができる。その結果、上操作部分P1と下操作部分P2により操作メニューM02の1〜3の選択肢を指定することができるモードと、上操作部分P1と下操作部分P2により操作メニューM01の1〜8の選択肢を指定することができるモードと、を指定することができる。
【0124】
このような態様とすることで、地図画像および操作メニューの画像を鉛直上方の向きに合わせて表示することができる。そのような表示方法の改変を行う一方で、カーソルキー206bによる画面の操作は、鉛直上方に対する各操作部分の相対位置に基づいて行われる。
【0125】
また、図11〜図14において、矢印Ar1で示すように、例えば指で、カーソルキー206bの外周部分を押した状態で時計回り方向にスライドさせた場合には、メニュー中の12時と6時で特定される方向に並ぶ選択肢のうちでユーザによって指定されている選択肢を表す画像は、6時の方向に移動する。また、矢印Ar2で示すように、例えば指で、カーソルキー206bの外周部分を押した状態で反時計回り方向にスライドさせた場合には、メニュー中の12時と6時で特定される方向に並ぶ選択肢のうちでユーザによって指定されている選択肢を表す画像は、12時の方向に移動する。
【0126】
すなわち、本実施例においては、指定する選択肢の変更の操作を、回転操作によって行うことができる。このため、携帯電話200の向きによらず、ユーザは同じ操作で指定する選択肢を変更することができる。
【0127】
本実施例の携帯電話200では、開状態ではテンキー206aを操作することができる。一方で、本実施例の携帯電話200では、閉状態ではカーソルキー206bは操作することができるがテンキー206aは操作することができない。このため、ユーザが携帯電話200を開状態にするときは、多くの場合、ユーザが文字入力を望む場合である。
【0128】
本実施例では、携帯電話200が閉状態にあるときには、カーソルキー206bを押しつつスライドさせる回転動作は、地図の拡大および縮小を指定する指示となる。一方で、携帯電話200が開状態にあるときには、カーソルキー206bを押しつつスライドさせる回転動作は、メニュー中の選択肢の変更を指定する指示となる。すなわち、本実施例によれば、開状態と閉状態とにおいてユーザが望む可能性が高い異なる指示内容を、同一の操作に割り当てている。このため、携帯電話200で経路案内を行う際のユーザの利便性が高い。
【0129】
B.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0130】
B1.変形例1:
上記実施例においては、経路探索サーバ100は、ガイドを再開する際にも、保存しておいた目的地情報、経由地情報、および条件情報に基づいて、ルートの探索を行う(図4のステップS115参照)。しかし、ステップS110で探索したルートのすべてのルート情報を、セッションIDと対応づけて記憶部106に格納しておき、ガイドを再開する際には、そのルート情報を携帯電話200に送信することもできる。そのような態様とすれば、ガイドを再開する際のユーザの待ち時間を短縮することができる。
【0131】
なお、ルート情報のすべてを格納するのではなく、ルート情報の一部を格納する態様とすることもできる。たとえば、ルートについては、セクションに含まれる各地点の緯度および経度の情報は格納せず、セクションIDとアークIDを格納する態様とすることもできる。
【0132】
また、上記実施例では、図6の画面において「はい」が選択された場合には、目的地情報、経由地情報、および条件情報は、経路探索サーバ100の記憶部106に格納される。しかし、目的地情報、経由地情報、条件情報や、経路情報、またはそれらの一部は、携帯電話200のRAMなどの記録媒体に格納することもできる。
【0133】
B2.変形例2:
上記実施例では、STARTフラグは、経路探索サーバ100から経路情報を受け取った際に「0」から「1」にされる。しかし、ルートガイドを開始した際にSTARTフラグを「0」から「1」に、すなわち、ONの状態とすることもできる。そのような態様においては、ユーザが実際にルートガイドを使用しなかった場合には、その後のアプリケーションソフト起動時にルートガイドの再開を行うか否かの入力を促す画面(図5参照)は表示されない。
【0134】
このため、直後にガイドを行う予定がない状態で、複数のルートを探索する場合に、いちいちユーザがガイド再開の意思確認の操作を要求されることがく、ユーザの負担が少ない。
【0135】
B3.変形例3:
上記実施例では、カーソルキー206bが時計回りに操作されたときには、地図が拡大表示され、またはメニュー中で指定されている選択した上から下へ移動する。そして、カーソルキー206bが反時計回りに操作されたときには、地図が縮小表示され、またはメニュー中で指定されている選択した下から上へ移動する。この操作は、カーソルキー206bを押した状態で円弧や曲線を描いてスライドさせる場合のほか、多角形の辺のように、直線の組み合わせでスライドさせる場合にも、同様の機能を指示することができる。
【0136】
すなわち、異なる部分を操作されることで異なる情報を入力されることができる入力手段において、第1の部分と、第1の部分を囲む第2の部分とのうち、第2の部分を押して、時計回りに押圧位置を移動させることで、画像に関する第1の処理を行わせることができる。そして、反時計回りに押圧位置を移動させることで、画像に関する第2の処理を行わせることができる。ここで、第2の処理は、画像について第1の所定量だけ第1の処理を行った後、その画像について第2の所定量だけ第2の処理を行うことで、第1の所定量だけ第1の処理を行う前の状態にその画像を戻すことができるような所定の処理である。なお、第1の所定量と第2の所定量は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0137】
なお、「第2の部分が第1の部分を囲む」とは、第1の部分に含まれる任意の点は、第2の部分に含まれる2点の内分点であるような状態をいう。また、時計回りの操作と反時計回りの操作とは、いずれの場所を始点としてもよく、いずれの場所を終点としてもよい。
【0138】
また、「時計回り」および「反時計回り」と記述する場合の、「時計回り」か「反時計回り」かの判断は、「異なる部位を操作されることで異なる情報を入力することができる入力部」の中心を、時計の中心であるとして判断するものとする。
【0139】
B4.変形例4:
上記実施例では、ユーザがいずれかの指示を入力することによって、その指示に応じた処理が行われる(図5および図6参照)。しかし、ユーザに選択肢を示した後、所定の時間、指示が入力されない場合に、選択肢のうちの一つの処理を行う態様とすることもできる。たとえば、図6の画面を表示した後、1分間、「はい」、「いいえ」のいずれの選択肢も選択されなかった場合には、「はい」が選択された場合と同じ処理を実行することが好ましい。
【0140】
B5.変形例5:
上記実施例では、携帯電話200は、表示部を有する部分200bと入力部を有する部分200aとがスライドするスライド型の携帯電話である。しかし、経路案内を行う機器は、スライド型の機器以外に、表示部を有する部分と入力部を有する部分とが折りたたまれる折りたたみ型の機器とすることもできる。また、そのような物理的な変形を行わない機器とすることもできる。
【0141】
なお、折りたたみ型の機器においても、テンキーを操作することができる状態を「開状態」と呼ぶ。そして、テンキーを操作することができずカーソルキーを操作することができる状態を「閉状態」と呼ぶ。すなわち、「開状態」とは、機器においても、主として文字または数字を入力するための入力部を操作することができる状態を広く指す。一方、「閉状態」とは、機器においても、主として文字または数字を入力するための入力部を操作することができず、主として位置を指定するための入力部を操作することができる状態を広く指す。
【0142】
上記実施例では、表示パネル202とコマンド入力部206とは、ほぼ同一面内にある。しかし、経路案内装置は、折りたたみ型の機器のように、表示パネル(画像表示部)とコマンド入力部(入力部)が異なる面内にある態様とすることもできる。また、経路案内装置の異なる面(例えば表面と側面)に画像表示部と入力部が設けられていてもよい。そのような態様において、たとえば、出力部が、画像を表示することができる長方形の画像表示部を有する場合には、以下のような態様とすることが好ましい。
【0143】
すなわち、入力部において最も鉛直上方にある部分が操作されたときには、長方形の辺に平行な上下左右の4方向のうち、最も鉛直上方に近い方向に画像を動かすことが好ましい。入力部において最も鉛直下方にある部分が操作されたときには、長方形の辺に平行な上下左右の4方向のうち、最も鉛直下方に近い方向に画像を動かすことが好ましい。
【0144】
また、入力部において、最も鉛直上方にある部分の方向を12時の方向とし最も鉛直下方にある部分の方向を6時の方向としたときの、それぞれの時刻に相当する方向に位置する操作部分が操作されたときには、表示部において、最も鉛直上方に近い方向を12時の方向とし最も鉛直下方に近い方向を6時の方向としたときの、それぞれの時刻に相当する方向に画像が動くように構成することが好ましい。なお、「それぞれの時刻に相当する方向」とは、それぞれの時刻において短針が指す方向である。
【0145】
B6.変形例6:
上記実施例では、経路案内は、携帯電話200によって行われる。しかし、サーバとの通信を行いつつ実施される経路案内は、携帯電話に限らず、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯機器や、携帯型のルート案内装置によって行うこともできる。
すなわち、経路案内は、ユーザによって携帯され、経路探索を行うサーバとの間で通信を行うことができる任意の装置で行うことができる。
【0146】
B7.変形例7:
上記実施例では、経路探索サーバ100と、地図サーバ150とは、異なる二つのサーバである。しかし、経路の探索を行って端末装置に送信する機能と、現在地の周辺の地図画像を端末装置に送信する機能とは、同一の装置によって実現されることもできる。また、3個以上の装置によって実現されることもできる。
【0147】
B8.変形例8:
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、アプリケーションソフトウェア212(図1)の機能の一部を制御回路が実行するようにすることもできる。
【0148】
このような機能を実現するコンピュータプログラムは、フロッピディスクやCD−ROM等の、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で提供される。ホストコンピュータは、その記録媒体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路を介してプログラム供給装置からホストコンピュータにコンピュータプログラムを供給するようにしてもよい。コンピュータプログラムの機能を実現する時には、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラムがホストコンピュータのマイクロプロセッサによって実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムをホストコンピュータが直接実行するようにしてもよい。
【0149】
この明細書において、ホストコンピュータとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムとを含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下で動作するハードウェア装置を意味している。コンピュータプログラムは、このようなホストコンピュータに、上述の各部の機能を実現させる。なお、上述の機能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペレーションシステムによって実現されていても良い。
【0150】
なお、この発明において、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスクやCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている外部記憶装置も含んでいる。
【符号の説明】
【0151】
100・経路探索サーバ
102・通信部
104・制御部
106・記憶部
150・地図サーバ
152・通信部
154・制御部
156・地図データベース
200・携帯電話
200a・スライド型携帯電話の第1部分
200b・スライド型携帯電話の第2部分
201・GPSアンテナ
202・表示パネル
203・音声出力部
204・振動機構
205・通信部
206・コマンド入力部
206a・テンキー
206b・カーソルキー
207・開閉センサ
208・加速度センサ
210・主制御部
212・アプリケーションソフトウェア
220・通話制御部
Cu・携帯電話の上方を示す矢印
Dc・各方向を示す記号
INT・インターネット
M01・操作メニュー
M02・操作メニュー
Mp01〜Mp04・地図画像
Nd03・ノード
Ndp03・属性情報
P1・カーソルキーの上操作部分
P2・カーソルキーの下操作部分
P3・カーソルキーの右操作部分
P4・カーソルキーの左操作部分
P5・カーソルキーの右上操作部分
P6・カーソルキーの右下操作部分
P7・カーソルキーの左下操作部分
P8・カーソルキーの左上操作部分
Pe・目的地
Pi・アプリケーションソフトウェアを強制終了した地点
Pr・アプリケーションソフトウェアを再起動した地点
Pv1・経由地
Pv2・経由地
R0・ルート
R1・ルート
ArcID・アークID
U・鉛直上方を示す矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって携帯されサーバとの間で通信を行う経路案内装置であって、
全地球測位システムを利用して、現在位置を表す現在位置情報を取得するための現在位置取得部と、
前記ユーザから情報を入力されることができる入力部と、
前記サーバに情報を送信することができる送信部と、
前記サーバから情報を受信することができる受信部と、
画像と音声の少なくとも一方を出力することができる出力部と、
出発地点から目的地に至る経路を表す経路情報および前記現在位置情報に基づいて、前記出力部を使用して経路案内を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、
目的地を表す目的地情報が前記入力部を介して入力されず、前記経路情報を準備すべき旨の第1の指示が前記入力部を介して入力され、かつ所定の条件が満たされた第1の場合に、
前記経路案内装置に割り当てられた識別情報を、前記送信部を使用して前記サーバに送信し、
前記識別情報に応じた前記経路情報であって、前記経路案内装置によって中断された前記経路案内の目的地に至る経路を表す前記経路情報を、前記受信部を介して受信する、経路案内装置。
【請求項2】
請求項1記載の経路案内装置であって、
前記制御部は、
前記目的地情報が前記入力部を介して入力され、前記第1の指示が前記入力部を介して入力された第2の場合に、
前記識別情報と前記目的地情報とを前記送信部を使用して前記サーバに送信し、
前記目的地情報に応じた前記経路情報を前記受信部を介して受信する、経路案内装置。
【請求項3】
請求項2記載の経路案内装置であって、
前記経路情報は、前記経路を構成する複数の区間を表す複数組の区間情報であって、それぞれ前記区間の位置を表す区間位置情報を有する複数組の区間情報を含み、
前記制御部は、前記経路案内を実行しつつ、前記現在位置情報と前記区間位置情報とに基づいて、前記複数の区間のうち通過済みの区間を表す通過区間情報を生成し、
前記制御部は、
前記第2の場合において、経由地を表す経由地情報が前記目的地情報とともに前記入力部を介して入力された場合に、
前記送信部を使用して前記目的地情報とともに前記経由地情報を前記サーバに送信し、
前記目的地情報および前記経由地情報に応じた前記経路情報を前記受信部を介して受信し、
前記第1の場合に、
前記識別情報および前記現在位置情報とともに前記通過区間情報を、前記送信部を使用して前記サーバに送信し、
前記識別情報、前記現在位置情報、および前記通過区間情報に応じた前記経路情報であって、前記通過済みの区間に含まれる前記経由地点を経由しない経路を表す前記経路情報を前記受信部を介して受信する、経路案内装置。
【請求項4】
請求項3記載の経路案内装置であって、
前記所定の条件は、中断された前記経路案内を再開する旨の指示が前記入力部を介して入力されたことを含む、経路案内装置。
【請求項5】
請求項3記載の経路案内装置であって、
前記所定の条件は、前記第1の指示が前記入力部を介して入力され、かつ、中断された前記経路案内を再開せず新たな経路案内を行う旨の第2の指示が、前記第1の指示の後、所定の時間内に前記入力部を介して入力されなかったことを含む、経路案内装置。
【請求項6】
請求項3ないし5のいずれかに記載の経路案内装置であって、さらに、
前記経路案内が開始されたことを表す案内開始情報を格納することができる開始情報記憶部を備え、
前記制御部は、
前記経路案内を開始する際に、前記開始情報記憶部に前記案内開始情報を記憶させ、
前記目的地に到着した際に、前記開始情報記憶部から前記案内開始情報を削除し、
前記所定の条件は、前記開始情報記憶部に前記案内開始情報が記憶されていることを含む、経路案内装置。
【請求項7】
請求項3ないし6のいずれかに記載の経路案内装置であって、
前記制御部は、
前記経路案内を行っているときに前記経路案内を終了する旨の指示が前記入力部を介して入力された場合には、前記経路案内に関する情報を保存するか否かを示す入力を促す出力を、前記出力部を使用して行い、
前記経路案内に関する情報を保存する旨の指示が前記入力部を介して入力された場合に、前記経路案内に関する情報を保存する旨の保存指示情報を、前記識別情報とともに前記サーバに送信する、経路案内装置。
【請求項8】
請求項3ないし6のいずれかに記載の経路案内装置であって、
前記制御部は、
前記経路案内を行っているときに前記経路案内を終了する旨の指示が前記入力部を介して入力された場合には、前記経路案内に関する情報を保存するか否かを示す入力を促す出力を、前記出力部を使用して行い、
前記経路案内に関する情報を保存しない旨の指示が前記入力部を介して入力された場合に、前記経路案内に関する情報の保存が不要である旨の非保存指示情報を、前記識別情報とともに前記サーバに送信する、経路案内装置。
【請求項9】
請求項3ないし6のいずれかに記載の経路案内装置であって、さらに、
前記目的地情報および前記経由地情報を格納することができる目的地記憶部を備え、
前記制御部は、
前記経路案内を行っているときに前記経路案内を終了する旨の指示が前記入力部を介して入力された場合には、前記経路案内に関する情報を保存するか否かを示す入力を促す出力を、前記出力部を使用して行い、
前記経路案内に関する情報を保存する旨の指示が前記入力部を介して入力された場合に、前記経路案内の前記終了後も、前記目的地情報および前記経由地情報を前記目的地記憶部に保持する、経路案内装置。
【請求項10】
ユーザが携帯する経路案内装置との間で通信を行うサーバであって、
前記経路案内装置から情報を受信することができる受信部と、
前記経路案内装置に情報を送信することができる送信部と、
前記経路案内装置から受信した前記情報に基づいて、出発地点から目的地に至る経路を表す経路情報を準備することができる制御部と、
目的地を表す目的地情報を含む前記経路情報の少なくとも一部を、前記経路案内装置に割り当てられた識別情報と対応づけて格納することができる記憶部と、を備え、
前記制御部は、
前記目的地情報を前記受信部を介して前記経路案内装置から受信せず、前記識別情報を前記受信部を介して前記経路案内装置から受信し、かつ所定の第1の条件が満たされた第1の場合に、
前記識別情報を前記受信部を介して前記経路案内装置から受信し、
前記記憶部内において前記受信した識別情報に対応づけて格納されている前記経路情報の少なくとも一部に基づいて、前記経路情報を準備し、
前記送信部を使用して前記経路案内装置に前記経路情報を送信する、サーバ。
【請求項11】
請求項11記載のサーバであって、
前記制御部は、
前記経路案内装置に割り当てられた識別情報と、目的地を表す目的地情報とを前記受信部を介して前記経路案内装置から受信し、所定の第2の条件が満たされた第2の場合に、
前記識別情報と前記目的地情報とを前記受信部を介して前記経路案内装置から受信し、
前記目的地情報に基づいて前記経路情報を準備し、
前記送信部を使用して前記経路案内装置に前記経路情報を送信し、
前記目的地情報を含む前記経路情報の少なくとも一部を前記識別情報に対応づけて前記記憶部に記憶する、サーバ。
【請求項12】
請求項11記載のサーバであって、
前記経路情報は、前記経路を構成する複数の区間を表す複数組の区間情報であって、それぞれ前記区間の位置を表す区間位置情報を有する複数組の区間情報を含み、
前記制御部は、
前記第2の場合において、経由地を表す経由地情報を前記目的地情報とともに前記受信部を介して前記経路案内装置から受信した場合に、
前記目的地情報とともに前記経由地情報を前記識別情報に対応づけて前記記憶部に記憶し、
前記目的地情報および前記経由地情報に基づいて前記経路情報を準備し、
前記第1の場合に、
前記識別情報および前記現在位置情報とともに、前記複数の区間のうち通過済みの区間を表す通過区間情報を、前記受信部を介して前記経路案内装置から受信し、
前記識別情報に対応づけられて前記記憶部に記憶されている前記目的地情報および前記経由地情報、前記現在位置情報、ならびに前記通過区間情報に基づいて、前記通過済みの区間に含まれる前記経由地点を経由しない経路を表す前記経路情報を準備する、サーバ。
【請求項13】
請求項12記載のサーバであって、
前記制御部は、
前記第2の場合において、前記経路情報を前記識別情報に対応づけて前記記憶部に記憶し、
前記第1の場合において、前記現在位置情報に基づいて特定される前記現在位置と、前記通過区間情報に基づいて特定される前記通過済みの区間に含まれる地点と、の距離がしきい値より小さい場合には、前記記憶部に記憶されている前記経路情報を、前記経路案内装置に送信すべき前記経路情報として準備する、サーバ。
【請求項14】
経路案内システムであって、
ユーザが携帯する経路案内装置と、
前記経路案内装置との間で通信を行うサーバと、を含み、
前記経路案内装置は、
全地球測位システムを利用して現在位置を表す現在位置情報を取得するための現在位置取得部と、
前記ユーザから情報を入力されることができる入力部と、
前記サーバに情報を送信することができる第1の送信部と、
前記サーバから情報を受信することができる第1の受信部と、
画像と音声の少なくとも一方を出力することができる出力部と、
出発地点から目的地に至る経路を表す経路情報および前記現在位置情報に基づいて、前記出力部を使用して経路案内を行う第1の制御部と、を備え、
前記第1の制御部は、
目的地を表す目的地情報が前記入力部を介して入力されず、前記経路情報を準備すべき旨の第1の指示が前記入力部を介して入力され、かつ所定の条件が満たされた第1の場合に、
前記経路案内装置に割り当てられた識別情報を、前記第1の送信部を使用して前記サーバに送信し、
前記識別情報に応じた前記経路情報を、前記第1の受信部を介して受信し、
前記サーバは、
前記経路案内装置から情報を受信することができる第2の受信部と、
前記経路案内装置に情報を送信することができる第2の送信部と、
前記経路案内装置から受信した前記情報に基づいて前記経路情報を準備することができる第2の制御部と、
前記目的地情報を含む前記経路情報の少なくとも一部を、前記識別情報と対応づけて格納することができる記憶部と、を備え、
前記第2の制御部は、
前記第1の場合に、
前記識別情報を前記第2の受信部を介して前記経路案内装置から受信し、
前記記憶部内において前記受信した識別情報に対応づけて格納されている前記経路情報の少なくとも一部に基づいて、前記経路情報を準備し、
前記第2の送信部を使用して前記経路案内装置に前記経路情報を送信する、経路案内システム。
【請求項15】
請求項14記載の経路案内システムであって、
前記第1の制御部は、
前記目的地情報が前記入力部を介して入力され、前記第1の指示が前記入力部を介して入力された第2の場合に、
前記識別情報と前記目的地情報とを前記第1の送信部を使用して前記サーバに送信し、
前記目的地情報に応じた前記経路情報を前記第1の受信部を介して受信し、
前記第2の制御部は、
前記第2の場合に、
前記識別情報と前記目的地情報とを前記第2の受信部を介して前記経路案内装置から受信し、
前記目的地情報に基づいて前記経路情報を準備し、
前記第2の送信部を使用して前記経路案内装置に前記経路情報を送信し、
前記目的地情報を含む前記経路情報の少なくとも一部を前記識別情報に対応づけて前記記憶部に記憶する、経路案内システム。
【請求項16】
請求項15記載の経路案内システムであって、
前記経路情報は、前記経路を構成する複数の区間を表す複数組の区間情報であって、それぞれ前記区間の位置を表す区間位置情報を有する複数組の区間情報を含み、
前記第1の制御部は、前記経路案内を実行しつつ、前記現在位置情報と前記区間位置情報とに基づいて、前記複数の区間のうち通過済みの区間を表す通過区間情報を生成し、
前記第2の場合において、経由地を表す経由地情報が前記目的地情報とともに前記入力部を介して入力された場合に、
前記第1の制御部は、前記第1の送信部を使用して前記目的地情報とともに前記経由地情報を前記サーバに送信し、
前記第2の制御部は、
前記目的地情報とともに前記経由地情報を前記第2の受信部を介して前記経路案内装置から受信し、
前記目的地情報とともに前記経由地情報を前記識別情報に対応づけて前記記憶部に記憶し、
前記目的地情報および前記経由地情報に基づいて前記経路情報を準備し、
前記第1の場合に、
前記第1の制御部は、
前記識別情報および前記現在位置情報とともに前記通過区間情報を、前記第1の送信部を使用して前記サーバに送信し、
前記第2の制御部は、
前記識別情報および前記現在位置情報とともに前記通過区間情報を、前記第2の受信部を介して前記経路案内装置から受信し、
前記識別情報に対応づけられて前記記憶部に記憶されている前記目的地情報および前記経由地情報、前記現在位置情報、ならびに前記通過区間情報に基づいて、前記通過済みの区間に含まれる前記経由地点を経由しない経路を表す前記経路情報を準備する、経路案内システム。
【請求項17】
請求項16記載の経路案内システムであって、
前記所定の条件は、中断された前記経路案内を再開する旨の指示が前記入力部を介して入力されたことを含む、経路案内システム。
【請求項18】
請求項16記載の経路案内システムであって、
前記所定の条件は、前記第1の指示が前記入力部を介して入力され、かつ、中断された前記経路案内を再開せず新たな経路案内を行う旨の第2の指示が、前記第1の指示の後、所定の時間内に前記入力部を介して入力されなかったことを含む、経路案内システム。
【請求項19】
請求項16ないし18のいずれかに記載の経路案内システムであって、
前記経路案内装置は、さらに、
前記経路案内が開始されたことを表す案内開始情報を格納することができる開始情報記憶部を備え、
前記第1の制御部は、
前記経路案内を開始する際に、前記開始情報記憶部に前記案内開始情報を記憶させ、
前記目的地に到着した際に、前記開始情報記憶部から前記案内開始情報を削除し、
前記所定の条件は、前記開始情報記憶部に前記案内開始情報が記憶されていることを含む、経路案内システム。
【請求項20】
請求項16ないし19のいずれかに記載の経路案内システムであって、
前記第2の制御部は、
前記第2の場合において、前記経路情報を前記識別情報に対応づけて前記記憶部に記憶し、
前記第1の場合において、前記現在位置情報に基づいて特定される前記現在位置と、前記通過区間情報に基づいて特定される前記通過済みの区間に含まれる地点と、の距離がしきい値より小さい場合には、前記記憶部に記憶されている前記経路情報を、前記経路案内装置に送信すべき前記経路情報として準備する、経路案内システム。
【請求項21】
請求項16ないし20のいずれかに記載の経路案内システムであって、
前記第1の制御部は、
前記経路案内を行っているときに前記経路案内を終了する旨の指示が前記入力部を介して入力された場合には、前記経路案内に関する情報を保存するか否かを示す入力を促す出力を、前記出力部を使用して行い、
前記経路案内に関する情報を保存する旨の指示が前記入力部を介して入力された場合に、前記経路案内に関する情報を保存する旨の保存指示情報を、前記識別情報とともに前記サーバに送信し、
前記第2の制御部は、前記保存指示情報を前記第2の受信部を介して前記経路案内装置から受け取った場合に、前記経路案内の前記終了後も、前記識別情報と対応づけられた前記目的地情報および前記経由地情報を前記記憶部に保持する、経路案内システム。
【請求項22】
請求項16ないし20のいずれかに記載の経路案内システムであって、
前記第1の制御部は、
前記経路案内を行っているときに前記経路案内を終了する旨の指示が前記入力部を介して入力された場合には、前記経路案内に関する情報を保存するか否かを示す入力を促す出力を、前記出力部を使用して行い、
前記経路案内に関する情報を保存しない旨の指示が前記入力部を介して入力された場合に、前記経路案内に関する情報の保存が不要である旨の非保存指示情報を、前記識別情報とともに前記サーバに送信し、
前記第2の制御部は、前記非保存指示情報を前記第2の受信部を介して前記経路案内装置から受け取った場合に、前記経路案内の前記終了後、前記記憶部に記憶されている前記目的地情報および前記経由地情報を破棄する、経路案内システム。
【請求項23】
請求項16記載の経路案内システムであって、
前記経路案内装置は、さらに、
前記目的地情報および前記経由地情報を格納することができる目的地記憶部を備え、
前記第1の制御部は、
前記経路案内を行っているときに前記経路案内を終了する旨の指示が前記入力部を介して入力された場合には、前記経路案内に関する情報を保存するか否かを示す入力を促す出力を、前記出力部を使用して行い、
前記経路案内に関する情報を保存する旨の指示が前記入力部を介して入力された場合に、前記経路案内の前記終了後も、前記目的地情報および前記経由地情報を前記目的地記憶部に保持する、経路案内システム。
【請求項24】
請求項15ないし23のいずれかに記載の経路案内システムであって、さらに、
地図の画像を表す地図画像データを、位置を表す位置情報と対応づけて格納し、前記経路案内装置との間で通信を行う地図サーバを含み、
前記第1の制御部は、
前記現在位置情報を、前記第1の送信部を使用して前記地図サーバに送信し、
前記地図サーバは、
前記現在位置情報を、前記経路案内装置から受信し、
前記現在位置情報と対応づけられている地図画像データを、前記経路案内装置に送信し、
前記第1の制御部は、
前記現在位置情報に応じた地図画像データを、前記第1の受信部を介して受信し、
前記経路情報、前記現在位置情報および前記受信した地図データに基づいて、前記出力部を使用して経路案内を行う、経路案内システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2012−78369(P2012−78369A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−3640(P2012−3640)
【出願日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【分割の表示】特願2007−137997(P2007−137997)の分割
【原出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】