説明

絶縁体からなるマザー基板(絶縁マザー基板)にアラインマークを形成することを含む液晶表示装置の製造方法。

【課題】素子の配列の正確度が向上した液晶表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】絶縁マザー基板を提供し、波長が355nm未満であり、絶縁マザー基板が10%以上の吸光率を有するようなレーザ光を照射して、絶縁マザー基板の内部にアラインマークを形成し、形成したアラインマークを基準に絶縁マザー基板上に多数の素子を形成し、絶縁マザー基板をカットして複数の絶縁単位基板を形成することを含む液晶表示装置の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置の製造方法に関し、より詳しくは多数の素子が基板に正確に配列された液晶表示装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、現在最も広く使われているフラットパネル表示装置の1つであって、電極が形成される2枚の基板と、その間に介在する液晶層とからなり、電極に電圧を印加して液晶層の液晶分子を再配列させることによって透過される光量を調整する表示装置である。
【0003】
液晶表示装置の中でも現在主に使われているのは、電界生成電極が2つの基板にそれぞれ備えられている形態である。これは、一方の基板(薄膜トランジスタ基板)には複数の画素電極などの配線がマトリックス状に配列されており、他方の基板(共通電極基板)には1つの共通電極が基板全面を覆っている。このような液晶表示装置における画像の表示は各画素電極にそれぞれ異なる電圧を印加することによって行われる。画素電極を含む多数の配線などを一方の基板にパターニングして形成し、共通電極を他方の基板にパターニングして形成するためにフォトリソグラフィ工程が用いられてきた。
【0004】
しかし、フォトリソグラフィ工程は、フォトレジスト塗布、フォトマスクを用いた露光、現像、エッチング及びフォトレジストストリップなど多数の工程を含むため、多くの工程時間及び工程設備が要求される。また、フォトレジスト材料は高価であるため、フォトリソグラフィ工程を用いて液晶表示装置を製造する場合、材料費が相当かかってしまう。
【0005】
液晶表示装置の製造コストを低減させるためにインクジェット方法、レーザパターニング方法などを用いて基板に多数の配線を形成する方法が研究されているが、これらの方法はフォトマスクを用いないため多数の配線間の正確な配列を形成し難く、液晶表示装置の画素不良及び開口率不良などの不良が発生し得る。特に、薄膜トランジスタ素子が形成された基板にカラーフィルタパターンのような素子がさらに形成される場合、配線だけでなく、他の素子の配列の正確性まで保証するのは非常に難しく、前記液晶表示装置の不良の発生率がより高まる。
【0006】
したがって、配線などを含む多数の素子を基板上に正確に配列させて高品質の液晶表示装置を製造する必要がある。
【特許文献1】大韓民国公開公報10−2006−0117487号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、配列の正確度が向上した液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0008】
本発明は、前記目的に制限されず、言及していないさらなる目的は下記の記載によって当業者に明確に理解できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明の一実施形態による液晶表示装置の製造方法は、絶縁マザー基板を提供し、波長が355nm未満であり、絶縁マザー基板が10%以上の吸光率を有するようなレーザ光を照射して、絶縁マザー基板の内部にアラインマークを形成し、アラインマークを基準に絶縁マザー基板上に多数の素子を形成し、絶縁マザー基板をカットして複数の絶縁単位基板を形成することを含む。
【0010】
前記目的を達成するために、本発明の他の実施形態による液晶表示装置の製造方法は、絶縁マザー基板を提供し、波長が355nm以上であり、パルス幅が10−15〜10−12秒であるレーザ光を照射して、絶縁マザー基板の内部に1つ以上のアラインマークを形成し、アラインマークを基準に絶縁マザー基板上に多数の素子を形成し、絶縁マザー基板をカットして複数の絶縁単位基板を形成することを含む。
【0011】
その他、実施形態の具体的な事項は詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施形態による液晶表示装置の製造方法によれば、次のような効果が1つあるいはそれ以上ある。
【0013】
第一に、安価のレーザ装置を用いて絶縁マザー基板の内部にアラインマークを安価で高信頼に形成することができる。
【0014】
第二に、アラインマークを用いて絶縁マザー基板上に多数の素子を形成するため、素子間の配列の正確度が向上する。
【0015】
第三に、インクジェット方法またはレーザ投射方法などを用いて素子を形成することによって、液晶表示装置の製造コスト及び工程時間が低減する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の利点及び特徴、及びそれらを達成する方法は、図面とともに詳細に後述する実施形態を参照することにより明確になる。しかし、本発明は以下に開示される実施形態に限定されず、相異なる多様な形態によって実現してもよい。記述される本実施形態は単に本発明の開示を完全なものにし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであって、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。明細書全体にわたって同じ参照符号は同じ構成要素を示す。
【0017】
素子または層が他の素子または層の「上に」と表されるのは他の素子または層の真上だけでなく、中間に他の層または他の素子が介在する場合を全て含む。反面、素子が「直接上に」または「真上に」と表されるのは中間に他の素子または層を介在しないものを意味する。
【0018】
空間的に相対的な用語である「下」、「下部」、「上」、「上部」などは図示されているように、1つの素子または構成要素と他の素子または構成要素との相関関係を容易に記述するために使用することができる。空間的に相対的な用語は図示されている方向に加えて、使用時または動作時における装置の異なる方向を含む用語として理解しなければならない。
【0019】
以下、図1ないし図5を参照して本発明の第1実施形態による液晶表示装置の製造方法について詳細に説明する。図1ないし図4は本発明の第1実施形態による液晶表示装置の製造方法を工程別に示す断面図である。
【0020】
まず、図1を参照すれば、絶縁マザー基板200を基板台(図示せず)に配置する。絶縁マザー基板200は、例えばガラスのような透光性の物質からなる。絶縁マザー基板200は、多数の素子(図3の240参照)が形成される複数のアクティブ領域210と、アラインマーク(図2の230参照)が形成され、アクティブ領域210の間に配置されるダミー領域220とからなる。すなわち多数の素子はアクティブ領域210ごとに形成され、各アクティブ領域210は以後の工程で絶縁単位基板(図4の300参照)になるため、1つの絶縁マザー基板200から複数の絶縁単位基板が形成されてもよい。絶縁マザー基板200は所定の厚さTを有する。所定の厚さTは、例えば約0.7mmであってもよい。
【0021】
次に、図2を参照すれば、レーザ装置100を用いて絶縁マザー基板200の内部にレーザ光を照射してアラインマーク230を形成する。
【0022】
レーザ装置100は、レーザ光源101から加工されずに放出された未処理のレーザ光を減衰器102、ホモゲナイザ103、フィールドレンズ104に通過させてレーザ光のエネルギーを調整し集束させる。
【0023】
本実施形態のレーザ装置100は、絶縁マザー基板200が10%以上の吸光率(absorbance)を有するようなレーザ光を照射することができる。レーザ光の絶縁マザー基板200に対する透過率が大きい場合、レーザ光を絶縁マザー基板200に照射してもほとんどのレーザ光が絶縁マザー基板200を透過するだけで、絶縁マザー基板200に所定の形状をパターニングすることはできない。したがって、目的とするアラインマーク230を絶縁マザー基板200に形成するためには、レーザ光が絶縁マザー基板200を透過する割合を小さくする。すなわちレーザ光が絶縁マザー基板200に吸収される割合を大きくする。このように絶縁マザー基板200にレーザ光が吸収されてアラインマーク230が形成されるには、絶縁マザー基板200のレーザ吸光率が通常10%以上であることが要求される。すなわち絶縁マザー基板200のレーザ光透過率が90%未満であることが要求される。このような透過率を示すレーザ光は355nm未満のUV波長、好ましくは266nm以下のUV波長を有してもよい。
【0024】
以下、図2及び図5を参照して、レーザ光の波長によってレーザ光が本実施形態の絶縁マザー基板200をどの程度透過するかを確認する。図5は本発明の第1実施形態に用いられるレーザ光の波長とマザー基板の透過率との相関関係を示すグラフである。
【0025】
図2及び図5に示すように、絶縁マザー基板200に照射されたレーザ光の波長が355nm未満の場合、絶縁マザー基板200は約90%未満のレーザ光透過率を示す。すなわちレーザ光が355nm以上のUV波長やIR波長を有する場合、ほとんどのレーザ光が絶縁マザー基板200を透過してしまいアラインマーク230を形成することができないが、絶縁マザー基板200は355nm未満の波長を有するレーザ光を約10%以上吸収するため、355nm未満の波長を有するレーザ光を絶縁マザー基板200に照射すれば絶縁マザー基板200にアラインマーク230を形成することができる。特に、266nm以下のUV波長を有するレーザ光に対して絶縁マザー基板200の吸光率は50%以上であるため、絶縁マザー基板200にアラインマーク230を形成しやすい。このように、波長が355nm未満のレーザ光を出射し得る本実施形態のレーザ装置100として、Nd:YAG(Neodymium:Yttrium Aluminum Garnet)レーザ装置、Nd:YLF(Neodymium:Yttrium Lithium Fluoride)レーザ装置、Nd:glassレーザ装置などがある。例えばNd:YAGレーザ装置を使用する場合、レーザ光は1064nmの基本波長を有するため、波長変換によって形成できる266nmの波長を有するレーザ光を絶縁マザー基板200に照射してアラインマーク230を形成することが好ましい。前記レーザ装置はエキシマレーザ装置に比べてより安価であって、アラインマーク230の形成にかかる費用を低減させることができる。
【0026】
しかし、前記波長以上のレーザ光で絶縁マザー基板200にアラインマークを形成してもよい。すなわち波長が355nm以上の場合でも極超短パルスレーザ装置を用いれば、多光子吸収現象によって絶縁マザー基板200にアラインマーク230を形成することができる。極超短パルスレーザ装置から出射されるレーザ光のパルス幅はフェムト秒からピコ秒の範囲でもよい、すなわち10−15〜10−12秒であってもよい。一般に、原子のイオン化エネルギーより大きなエネルギーを有する光子が原子に吸収される場合、原子が基底状態から励起状態に励起されるが、パルス幅が前記のように短い場合は、原子が1回に2つ以上の光子を吸収するので、原子がそのイオン化エネルギーより小さいエネルギーを有する光子を吸収しても基底状態から励起状態に励起し得る。このような現象を多光子吸収現象という。これによって、波長が長いレーザ光が絶縁マザー基板200に照射されても、アラインマーク230が絶縁マザー基板200に形成できる。具体的には、波長が355nm以上であり、パルス幅が10−15〜10−12秒であるレーザ光を照射しても絶縁マザー基板200にアラインマーク230を形成することができる。
【0027】
このような極超短パルスレーザ装置として、例えばTi:Sapphireレーザ装置がある。Ti:Sapphireレーザ装置を用いて800nm以上のIR波長を10−15〜10−12秒のパルス幅で絶縁マザー基板200に照射するのが好ましい。
【0028】
また図2を参照すれば、次いでレーザ光をレーザ用マスク120に通過させて所定形状にパターニングする。レーザ用マスク120には絶縁マザー基板200にパターニングされるアラインマーク230と同一形状のレーザ用マスクパターン130が形成されている。レーザ用マスクパターン130を通じてレーザ光をスキャンして、レーザ用マスクパターン130と同一形状のアラインマーク230を絶縁マザー基板200に形成する。
【0029】
この場合、レーザ光のスキャン速度及びスキャン間隔はアラインマーク230の内部パターンによって適切に調整する。例えばアラインマーク230の内部パターンがハッチパターンの場合は、レーザ光のスキャン間隔を大きくしてもよく、滑らか(slick)で精巧な線のアラインマーク230を生成する必要がある場合はレーザ光のスキャン速度を小さくしてもよい。
【0030】
このように、パターニングされたレーザ光を対物レンズ(オブジェクトレンズ)106に通過させて絶縁マザー基板200内部にアラインマーク230を形成する。この場合、オブジェクトレンズ106はレーザ光を絶縁マザー基板200の内部に集束させる。これによって、アラインマーク230は絶縁マザー基板200の表面でなく、内部に形成される。ここで内部とは、絶縁マザー基板200の上面と下面の間、すなわち厚さT方向の所定位置を意味する。具体的には、アラインマーク230は絶縁マザー基板200の厚さTの1/3〜2/3の位置に形成されることが好ましい。アラインマーク230はレーザ光によって絶縁マザー基板200の一部分が除去されて形成されるが、絶縁マザー基板200の表面でなく、内部に形成されるため、絶縁マザー基板200の表面はレーザ光の照射前と同様に滑らかな状態を維持する。これによって、後続工程で絶縁マザー基板200に形成される多数の素子の特定部位が凹んだり、突出したりせず、均一なパターンに形成できる。また、アラインマーク230を絶縁マザー基板200の内部に形成すれば、絶縁マザー基板200をカットする後続工程で絶縁マザー基板200にガラス欠け、表面傷または異物質が発生するのを防止することができる。
【0031】
アラインマーク230は絶縁マザー基板200のダミー領域(図3の220参照)に形成される。すなわちアラインマーク230はアクティブ領域(図3の210参照)の間に配置される。ダミー領域は後続工程で切断されて除去されるため、アラインマーク230は液晶表示装置の輝度などの性能に悪影響を与えない。
【0032】
一方、アラインマーク230を形成する間、レーザ光の照射後の急激な温度下降によって絶縁マザー基板200にクラックやホールなどの不良が生じないように絶縁マザー基板200は80℃〜400℃の温度に維持されることが好ましい。
【0033】
説明していない部分111、112、113はレーザ光の経路を調整するミラーを示す。
【0034】
前記工程によって形成されるアラインマーク230の形状は十字状、コ字状、円形状など多様な形状であってもよい。後続工程で多数の素子を形成するときに基準になるものであればアラインマーク230の形状に制限はない。
【0035】
次に、図3を参照すれば、アラインマーク230を基準に絶縁マザー基板200上に多数の素子240を形成する。多数の素子240は、各素子240を構成する物質を絶縁マザー基板200上に形成し、アラインキー(align key)(図示せず)を絶縁マザー基板200内部のアラインマーク230を基準にして配列させ、その後各素子240を構成する物質をパターニングして形成される。本発明の一実施形態によれば、多数の素子240をパターニングする方法として、例えばインクジェット方法またはレーザ投射方法が用いられてもよい。これらの方法を用いて液晶表示装置を製造することによって露光、現像、エッチング及びフォトレジストストリップなど多数の工程を含むフォトリソグラフィ工程に比べて工程時間及び工程費用を低減させることができる。
【0036】
本発明の一実施形態による多数の素子240は、絶縁マザー基板200上に順次積層されたゲート配線(図示せず)及びデータ配線(図示せず)などの金属配線を含み、ブラックマトリックス(図示せず)及びカラーフィルタパターン(図示せず)を含んでもよい。
【0037】
アラインマーク230を用いて絶縁マザー基板200上に多数の素子240を形成する工程の一例を具体的に説明する。
【0038】
まず、絶縁マザー基板200上にゲート配線用金属膜(図示せず)を積層した後、例えば、絶縁マザー基板200のダミー領域220上に形成されたアラインマーク230を基準に、レーザ光を照射してゲート配線用金属膜をパターニングする。これによってゲート配線、ゲート電極及び維持電極を含むゲート配線が形成される。
【0039】
次いで、絶縁マザー基板200及びゲート配線の上に窒化シリコン(SiNx)などからなるゲート絶縁膜を、例えば化学気相成長(CVD)などを用いて形成する。そしてゲート絶縁膜上にドープされていない真性のアモルファスシリコン層及びドープされたアモルファスシリコン層を、例えば化学気相成長などを用いて順次蒸着し、その後データ配線用導電膜を、例えばスパッタリングを用いて形成する。
【0040】
次いで、アラインマーク230を基準にデータ配線用導電膜、ドープされたアモルファスシリコン層、及びドープされていない真性のアモルファスシリコン層に本実施形態のレーザ光を照射してデータ線(図示せず)ソース及びドレイン電極(図示せず)を含むデータ配線、オーミックコンタクト層及びアクティブ層パターンを形成する。この場合、ゲート配線と同一のアラインマーク230を用いてデータ配線などを形成することによって、これら配線相互間の配列が正確に維持できる。
【0041】
次いで、アクティブ層パターン及びデータ配線上に保護膜(図示せず)を形成し、アラインマーク230を基準にレーザ光を照射する方法などでパターニングすることによって保護膜上にコンタクトホール(図示せず)を形成する。次いで、例えばITO、IZOのような画素電極用導電物質を保護膜上に形成し、アラインマーク230を基準にこれをパターニングして画素電極(図示せず)を形成する。
【0042】
本実施形態の方法で製造された液晶表示装置は、前記素子240以外にもカラーフィルタパターン及びブラックマトリックスを含むCOA(Color Filter On Array)構造であってもよい。
【0043】
COA構造を形成する工程の場合、上板の基板にブラックマトリックスとITO電極、あるいはITO電極のみ形成される。このとき上板のガラス基板内部にアラインマークを形成させた後にITO電極をレーザあるいはインクジェットを用いて形成させてもよい。
【0044】
次に、図3及び図4を参照すれば、多数の素子240が形成された絶縁マザー基板200をカットして複数の絶縁単位基板300を形成する。絶縁マザー基板200の各アクティブ領域210はそれぞれ1つの絶縁単位基板300になり、ダミー領域220及びダミー領域に形成されたアラインマーク230は除去される。本実施形態の方法で製造された絶縁単位基板300は薄膜トランジスタ基板である。
【0045】
液晶表示装置を完成するためには他の絶縁単位基板(図示せず)が要求される。前記絶縁マザー基板200をカットする前に共通電極(図示せず)が形成された他の絶縁マザー基板(図示せず)を薄膜トランジスタ用絶縁マザー基板200の上部に配置し、これら2つの絶縁マザー基板をシーラント(sealant)を用いてシーリングした後、ともにカットし、互いに対向する薄膜トランジスタ用絶縁単位基板300及び共通電極用絶縁単位基板を形成する。以後、これら2つの絶縁単位基板の間に液晶を注入して液晶パネル(図示せず)を形成する。
【0046】
最後に、液晶パネルの下部にランプ(図示せず)を含むバックライトアセンブリ(図示せず)を配置し、液晶パネルをバックライトアセンブリに固着させて液晶表示装置を完成する。
【0047】
以下、図1、図2及び図6ないし図8を参照して本発明の第2実施形態による液晶表示装置の製造方法について説明する。図6ないし図8は本発明の第2実施形態による液晶表示装置の製造方法を工程別に示す断面図である。第1実施形態と同一機能を有する素子は同じ参照符号で示し、その説明は省略する。
【0048】
まず、図1及び図2に示す工程を経て第1の実施形態と同様に、絶縁マザー基板(図6の201参照)の内部にレーザ光を照射してアラインマーク(図6の231参照)を形成する。本実施形態のアラインマークを形成するためには、第1の実施形態と同様に波長が355nm未満であり、絶縁マザー基板が10%以上の吸光率を有するようなレーザ光または波長が355nm以上であり、パルス幅が10−15〜10−12秒であるレーザ光を絶縁マザー基板に照射する。
【0049】
次に、図6を参照すれば、絶縁マザー基板201のアクティブ領域211上に多数の素子241を形成する。多数の素子241は、各素子241を構成する物質を絶縁マザー基板201上に形成した後、アラインキー(図示せず)を絶縁マザー基板201のダミー領域221に形成されたアラインマーク231を基準に配列させ、各素子241を構成する物質をパターニングして形成される。本実施形態の多数の素子241をパターニングする方法も第1実施形態と同様に、例えばインクジェット方法またはレーザ投射方法が用いられてもよい。
【0050】
本実施形態の多数の素子241は絶縁マザー基板201の上部に形成された共通電極であってもよい。共通電極は絶縁マザー基板201の全面に形成された共通電極用導電物質であってもよく、またこれをパターニングして形成してもよい。共通電極用導電物質をパターニングして形成する共通電極を形成する場合、絶縁マザー基板201上に形成されたアラインマーク231を基準にパターニングを行う。
【0051】
次に、図6及び図7を参照すれば、多数の素子241が形成された絶縁マザー基板201をカットして複数の絶縁単位基板301を形成する。本実施形態の方法で製造された絶縁単位基板301は共通電極基板である。
【0052】
液晶表示装置は2枚の基板から構成されるため、本実施形態の液晶表示装置を製造するためには、共通電極用絶縁単位基板301以外にも薄膜トランジスタ基板(図示せず)が要求される。液晶表示装置を完成するために、共通電極用絶縁マザー基板201をカットする前にその下部に薄膜トランジスタ用絶縁マザー基板201を配置し、これら2つの絶縁マザー基板201をシーリングした後、ともにカットする。このように形成された薄膜トランジスタ用絶縁単位基板と共通電極用絶縁単位基板301との間に液晶を注入して液晶パネルを形成する。
【0053】
このように形成された液晶表示装置を図8に示す。
【0054】
図8を参照すれば、液晶表示装置は、薄膜トランジスタ用絶縁単位基板と共通電極用絶縁単位基板とを含む液晶パネルを含む。
【0055】
薄膜トランジスタ用絶縁単位基板の一例である第1実施形態の絶縁単位基板300上にはスキャン信号を供給するゲート電極326、ゲート電極326上に形成されるゲート絶縁膜330、ゲート絶縁膜330上に形成されるアクティブ層パターン340、アクティブ層340とソース及びドレイン電極365,366の接触特性を向上させるオーミックコンタクト層355,356を含む。またデータ線362とソース及びドレイン電極365,366上には保護膜370が形成される。
【0056】
COA構造の液晶表示装置には、保護膜370上に形成されて光漏れを防止するブラックマトリックス383が形成される。ブラックマトリックス383の間の画素領域には青色、緑色、赤色のカラーフィルタパターン384が各画素ごとに形成される。また、カラーフィルタパターン384及び保護膜370の上部にはコンタクトホールが形成され、液晶500に電界を供給する画素電極382とドレイン電極366とが互いに電気的に接続される。
【0057】
本実施形態の液晶表示装置は、共通電極391が形成された共通電極用絶縁単位基板301を含む。本実施形態の共通電極391は所定の形状にパターニングされてもよい。
【0058】
パターニングが必要な全ての素子はアラインマーク(図6の231参照)を基準にパターニングされて形成されたものであるため、互いに正確に配列(アライン)されて液晶表示装置の画素不良を防止することができる。
【0059】
このように形成された液晶パネルの下部にランプを含むバックライトアセンブリを配置し、液晶パネルをバックライトアセンブリに固着させて本実施形態の液晶表示装置を完成する。
【0060】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は本発明がその技術的思想や必須的な特徴を変更せずに他の具体的な形態によって実施できることを理解することができる。したがって前述した実施形態はすべての面で例示的なものであって、限定的なものではないことを理解しなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の絶縁マザー基板にアラインマークを形成することを含む液晶表示装置の製造方法は、液晶表示装置のようなフラットパネル表示装置に適用し得る。但し、絶縁マザー基板にアラインマークを形成することを含む液晶表示装置の製造方法は例示的なものに過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の第1実施形態による液晶表示装置の製造方法を工程別に示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による液晶表示装置の製造方法を工程別に示す断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による液晶表示装置の製造方法を工程別に示す断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態による液晶表示装置の製造方法を工程別に示す断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に用いられるレーザ光の波長とマザー基板の透過率の相関関係を示すグラフである。
【図6】本発明の第2実施形態による液晶表示装置の製造方法を工程別に示す断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態による液晶表示装置の製造方法を工程別に示す断面図である。
【図8】本発明の第2実施形態による液晶表示装置の製造方法を工程別に示す断面図である。
【符号の説明】
【0063】
100 レーザ装置
120 レーザ用マスク
130 レーザ用マスクパターン
200 絶縁マザー基板
210、211 アクティブ領域
220、221 ダミー領域
230、231 アラインマーク
240、241 素子
300、301 絶縁単位基板
326 ゲート電極
330 ゲート絶縁膜
340 アクティブ層
355、356 オーミックコンタクト層
362 データ線
365 ソース電極
366 ドレイン電極
370 保護膜
382 画素電極
383 ブラックマトリックス
384 カラーフィルタパターン
391 共通電極
500 液晶



【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁マザー基板を提供し、
波長が355nm未満であり、前記絶縁マザー基板が10%以上の吸光率を有するようなレーザ光を照射して、前記絶縁マザー基板の内部にアラインマークを形成し、
前記アラインマークを基準に前記絶縁マザー基板上に多数の素子を形成し、
前記絶縁マザー基板をカットして複数の絶縁単位基板を形成すること、
を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項2】
前記レーザ光はNd:YAGレーザ装置、Nd:YLFレーザ装置、及びNd:glassレーザ装置からなる群から選択されたレーザ装置を用いて照射されることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項3】
前記波長は266nm以下のUV波長であることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項4】
前記アラインマークを形成する間、前記絶縁マザー基板を80℃〜400℃の温度に維持することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項5】
前記アラインマークは前記レーザ光を前記絶縁マザー基板の内部に集束して形成されることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項6】
前記アラインマークは前記絶縁マザー基板の厚さの1/3〜2/3の位置に形成されることを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項7】
前記絶縁マザー基板は、前記多数の素子が形成される複数のアクティブ領域と、前記アラインマークが形成され、前記アクティブ領域の間に配置されたダミー領域とを含むことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項8】
前記素子はインクジェット方法またはレーザ投射方法によって形成されることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項9】
前記素子は前記絶縁マザー基板の上部に順次積層されたゲート配線及びデータ配線、ブラックマトリックス及びカラーフィルタパターンを含むことを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項10】
前記素子は前記絶縁マザー基板の上部に形成された共通電極を含むことを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項11】
絶縁マザー基板を提供し、
波長が355nm以上であり、パルス幅が10−15〜10−12秒であるレーザ光を照射して、前記絶縁マザー基板の内部に1つ以上のアラインマークを形成し、
前記アラインマークを基準に前記絶縁マザー基板上に多数の素子を形成し、
前記絶縁マザー基板をカットして複数の絶縁単位基板を形成すること、
を含むことを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項12】
前記レーザ光はTi:Sapphireレーザ装置を用いて照射されることを特徴とする請求項11に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項13】
前記波長は800nm以上のIR波長であることを特徴とする請求項12に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項14】
前記アラインマークを形成する間、前記絶縁マザー基板を80℃〜400℃の温度に維持することを特徴とする請求項11に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記アラインマークは前記レーザ光を前記絶縁マザー基板の内部に集束して形成されることを特徴とする請求項11に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項16】
前記アラインマークは前記絶縁マザー基板の上面と下面の間の厚さの1/3〜2/3の位置に形成されることを特徴とする請求項15に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項17】
前記絶縁マザー基板は、前記多数の素子が形成される複数のアクティブ領域と、前記アラインマークが形成され、前記アクティブ領域の間に配置されたダミー領域とを含むことを特徴とする請求項11に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項18】
前記素子はインクジェット方法またはレーザ投射方法によって形成されることを特徴とする請求項17に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項19】
前記素子は前記絶縁マザー基板の上部に順次積層されたゲート配線及びデータ配線、ブラックマトリックス及びカラーフィルタパターンを含むことを特徴とする請求項18に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記素子は前記絶縁マザー基板の上部に形成された共通電極を含むことを特徴とする請求項18に記載の液晶表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−216958(P2008−216958A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−174827(P2007−174827)
【出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】