説明

緊急通報システム

【課題】 本発明は、緊急通報システムに関し、車両からセンタへの緊急通報後に車両乗員が急病等に起因してセンタ側と対話することができないときを含めて、センタから緊急通報先への緊急通報を適切に行うことを目的とする。
【解決手段】 車両に、車両乗員の体調を検出させると共に、その検出した体調にスレッシュオーバが生ずる場合はセンタへのその旨の緊急通報を行わせる。この際、その検出した体調に関するモニタデータをセンタへ送信させる。そして、センタに、車両から送信される体調モニタデータが受信された場合に、その体調モニタデータを、そのオペレータが緊急通報先への緊急通報の要否を判断できるように提示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緊急通報システムに係り、特に、車両からセンタを介して所定の緊急通報先へ適切に緊急通報を行ううえで好適な緊急通報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、緊急通報のための操作スイッチが操作された場合等に、車両から無線通信システムを利用してセンタへ緊急通報を行う緊急通報システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このシステムにおいては、車両に予め、センタを介して緊急通報を行うべき警察署や消防署などの緊急通報先が登録されており、緊急通報を実行すべきタイミングに至ると、車両からセンタを介してその登録された緊急通報先に緊急通報がなされることとなっている。
【0003】
ところで、上記従来のシステムにおいて、車両からセンタを介した緊急通報先への緊急通報は、その緊急通報を行うべきタイミングにおいて何ら制限なく無条件に行われるが、しかし、この構成では、操作スイッチの誤操作が行われた際などに緊急通報先への誤った緊急通報が行われることとなってしまう。そこで、かかる不都合を回避するため、車両からセンタへの緊急通報が行われた際に、センタのオペレータと車両乗員とが相互通話を行ったうえで、その通話結果からセンタオペレータが車両や車両乗員の状況を判断してその車両乗員に代わって手動で緊急通報先に緊急通報するシステムが実用化されている。
【特許文献1】特許第3331937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このシステムにおいては、車両乗員が急病などの急激な体調悪化に陥った場合や事故が生じた場合など、車両乗員が自発的にセンタ側と通話することができないと、センタ側が車両や車両乗員の状況を把握することはできないため、その結果として、緊急通報先が適切に選択されず、その後の対応が適切に行われなくなる不都合が生じてしまう。
【0005】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、車両からセンタへの緊急通報後に車両乗員が急病等に起因してセンタ側と対話することができないときを含めて、センタから緊急通報先への緊急通報を適切に行うことが可能な緊急通報システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的は、請求項1に記載する如く、車両からセンタへ緊急通報がなされた場合において必要があるときに、該センタから所定の緊急通報先へ緊急通報を行う緊急通報システムであって、車両が、車両乗員の体調を検出する体調モニタ手段を有し、車両からセンタへ緊急通報がなされる場合に、前記体調モニタ手段により検出される車両乗員の体調情報を車両からセンタへ送信させると共に、センタは、車両から送信される車両乗員の体調情報に基づいて、所定の緊急通報先への緊急通報の要否を判定する緊急通報システムにより達成される。
【0007】
本発明において、車両からセンタへ緊急通報がなされる場合、車両は、その車両に乗車する乗員の体調情報をセンタへ送信する。そして、センタは、車両から送信される車両乗員の体調情報に基づいて、所定の緊急通報先への緊急通報の要否を判定する。従って、車両からセンタへの緊急通報が行われた後に乗員が急病等に起因してセンタ側と対話できないときにも、車両からセンタへ送られる車両乗員の体調によっては、センタから緊急通報先への緊急通報が行われ得る。このため、本発明によれば、車両乗員の体調不良時を含めてセンタから緊急通報先への緊急通報を適切に行うことが可能となる。
【0008】
尚、請求項2に記載する如く、請求項1記載の緊急通報システムにおいて、車両が、車内の状況を撮影するカメラを有し、車両からセンタへ緊急通報がなされる場合に、前記カメラにより撮影される車内の画像情報を車両からセンタへ送信させると共に、センタは、また、車両から送信される車内の画像情報に基づいて、所定の緊急通報先への緊急通報の要否を判定することとすれば、車両からセンタへの緊急通報が行われた後に乗員が急病等に起因してセンタ側と対話できないときにも、車両からセンタへ送られる車内画像によっては、センタから緊急通報先への緊急通報が行われ得るため、車両乗員の体調不良時を含めてセンタから緊急通報先への緊急通報を適切に行うことが可能となる。
【0009】
これらの場合、請求項3に記載する如く、請求項1又は2記載の緊急通報システムにおいて、センタは、車両から送信される車両乗員の体調情報又は車内の画像情報に基づいて、緊急通報すべき所定の緊急通報先を選択することとすれば、例えば急病時には消防署や病院に緊急通報し、車内侵入者との争い時には警察に緊急通報する等の、緊急通報先の選定を行うことができるので、適切な緊急通報を実現することが可能となる。
【0010】
また、上記の目的は、請求項4に記載する如く、車両からセンタへ緊急通報がなされた場合において必要があるときに、該センタから所定の緊急通報先へ緊急通報を行う緊急通報システムであって、車両が、車両乗員の体調を検出する体調モニタ手段を有し、車両からセンタへ緊急通報がなされる場合に、前記体調モニタ手段により検出される車両乗員の体調情報を車両からセンタへ送信させると共に、センタは、車両から送信される車両乗員の体調情報を、オペレータに所定の緊急通報先への緊急通報の要否を判断させるべく提示する緊急通報システムにより達成される。
【0011】
本発明において、車両からセンタへ緊急通報がなされる場合、車両は、その車両に乗車する乗員の体調情報をセンタへ送信する。そして、センタは、車両から送信される車両乗員の体調情報を、オペレータに所定の緊急通報先への緊急通報の要否を判断させるべく提示する。この場合、センタのオペレータは、車両乗員と対話することができなくても、その車両乗員の体調を把握することができ、その結果からその車両乗員のために緊急通報先へ緊急通報を行うべきか否かを判断することができる。このため、本発明によれば、車両乗員の体調不良時を含めてセンタから緊急通報先への緊急通報を適切に行うことが可能となる。
【0012】
尚、請求項5に記載する如く、請求項4記載の緊急通報システムにおいて、車両が、車内の状況を撮影するカメラを有し、車両からセンタへ緊急通報がなされる場合に、前記カメラにより撮影される車内の画像情報を車両からセンタへ送信させると共に、センタは、また、車両から送信される車内の画像情報を、オペレータに所定の緊急通報先への緊急通報の要否を判断させるべく提示することとすれば、センタのオペレータは車両乗員と対話することができなくても、その車内画像を視認することができ、その結果からその車両乗員のために緊急通報先へ緊急通報を行うべきか否かを判断することができるので、車両乗員の体調不良時を含めてセンタから緊急通報先への緊急通報を適切に行うことが可能となる。
【0013】
尚、請求項6に記載する如く、請求項1乃至5の何れか一項記載の緊急通報システムにおいて、センタは、所定の緊急通報先へ緊急通報を行う場合、車両から送信された車両乗員の体調情報を該所定の緊急通報先へ転送することとすれば、センタを介して緊急通報先に車両乗員の体調情報が提供されるので、車両乗員の体調不良に対する緊急通報先による対処を的確かつ迅速に行うことが可能となる。
【0014】
また、請求項7に記載する如く、請求項1乃至6の何れか一項記載の緊急通報システムにおいて、センタは、車両から送信される車両乗員の体調情報を受信した場合に、車内環境の改善を図るための車内環境リモート操作を実行すべきことを車両に対して要求すると共に、車両は、センタからの要求に従って前記車内環境リモート操作を実行することとすれば、車両乗員の体調不良に対して車内環境が改善されるので、車両乗員の更なる体調悪化を防止することが可能となる。
【0015】
また、請求項8に記載する如く、請求項1乃至7の何れか一項記載の緊急通報システムにおいて、センタは、車両から送信される車両乗員の体調情報を受信した場合に、車両周囲への注意喚起を行うための注意喚起リモート操作を実行すべきことを車両に対して要求すると共に、車両は、センタからの要求に従って前記注意喚起リモート操作を実行することとすれば、車両乗員の体調不良後に車両においてハザード点灯やランプパッシング,ホーン吹鳴などの車両周囲への注意喚起が遠隔的に行われるので、体調不良の車両乗員が何ら操作を行うことなく、車両周囲に対して安全確保を促すことができると共に、体調不良の乗員が乗車する車両を外部から発見し易くすることができる。
【0016】
また、請求項9に記載する如く、請求項1乃至8の何れか一項記載の緊急通報システムにおいて、センタは、車両から送信される車両乗員の体調情報を受信した場合に、停車又は減速を行うための走行リモート操作を実行すべきことを車両に対して要求すると共に、車両は、センタからの要求に従って前記走行リモート操作を実行することとすれば、車両乗員の体調不良後に車両が停車又は減速されるので、その車両や車両周囲に対する安全性を確保することが可能となる。
【0017】
これらの場合、請求項10に記載する如く、請求項7乃至9の何れか一項記載の緊急通報システムにおいて、センタは、車両から送信される車両乗員の体調情報を受信した後、所定の緊急通報先へ緊急通報を行う場合にのみ、車両に対するリモート操作要求を行うこととすればよい。
【0018】
尚、請求項11に記載する如く、請求項1乃至10の何れか一項記載の緊急通報システムにおいて、車両は、前記体調モニタ手段により検出される車両乗員の体調が予め記憶している適正値を逸脱する場合に、センタへ緊急通報を行うこととすれば、車両乗員が体調不良を起こした際に車両からセンタへの緊急通報を自動的に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1乃至11記載の発明によれば、車両からセンタへの緊急通報後に車両乗員が急病等に起因してセンタ側と対話することができないときを含めて、センタから緊急通報先への緊急通報を適切に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明の一実施例である緊急通報システムの全体構成図を示す。本実施例のシステムは、車両に搭載される車載機10と、車載機10に通信機として接続可能な、車両乗員や車両所有者などの正規の車両使用者を含む人に携帯・所持される携帯電話等の端末12と、携帯端末12からの緊急通報を受信するヘルプネットオペレーションセンタ(以下、単にセンタと称す)14と、センタ14からの緊急通報を受けてその緊急事態に対処する警察署や消防署,病院,JAFなどの緊急通報先16と、により構成されている。本実施例のシステムは、主に車両すなわち携帯端末12の接続された車載機10からセンタ14へ緊急通報が行われた場合に、センタ14から緊急通報先16へ適切に緊急通報を行うシステムである。
【0021】
車載機10は、コンピュータを主体に構成されたマスタ電子制御ユニット(以下、マスタECUと称す)を備えている。このマスタECUには、GPS受信機が接続されている。マスタECUは、GPS受信機に受信される電波に基づいて自車両の絶対位置を検出する。
【0022】
マスタECUには、また、車両乗員特に運転者の体調を計測するセンサやカメラ等が接続されている。これらのセンサ等としては、乗員の体温を計測するもの、血圧を計測するもの、脈拍を計測するもの、脳波を計測するもの、瞳孔の開き度合いを計測するもの等がある。マスタECUは、接続されたセンサ等の出力信号に基づいて、乗員の体温や血圧,脈拍,脳波,瞳孔の開き度合い等を検出する。
【0023】
マスタECUには、予め乗員の体調の適正値を記憶する記憶装置が内蔵されている。尚、この記憶装置に記憶される適正値は、車両に乗車する乗員個々の特性に応じたものとすべく、入力操作により変更可能とされるのが好ましい。マスタECUは、上記の如く検出した乗員の体調が適正値から逸脱しているか否かすなわち体調のスレッシュオーバが生じているか否かを判別する。
【0024】
車載機10は、自己の通信機として上記した携帯端末12を接続可能であり、携帯端末12を用いて通信ネットワークを通じてセンタ14へ車両の各種情報を送信することができ、また、携帯端末12を用いてセンタ14から通信ネットワークを通じて送信される情報を受信することができる。また、携帯端末12が接続された車載機10は、マイクに入力される車両乗員の発する音声をその携帯端末12を用いてセンタ14へ送ることができ、また、センタ14側のオペレータの発する音声をその携帯端末12を用いて受けスピーカから出力することができる。
【0025】
車載機10は、また、車両乗員特に運転者による操作可能な位置に配設されたヘルプボタンスイッチ、及び、車両衝突時に車両乗員を保護すべくエアバッグを作動展開させるエアバッグ装置を備えている。これらのヘルプボタンスイッチ及びエアバッグ装置は共に、マスタECUに接続されている。マスタECUは、ヘルプボタンスイッチが押下されたか否かを判別すると共に、エアバッグ装置がエアバッグを作動展開させたか否かを判別する。そして、ヘルプボタンスイッチが押下された場合及びエアバッグが作動展開された場合に、その旨を車両位置データ及び識別情報を含む自車両の情報と共に通知すべく、携帯端末12を用いてセンタ14と通信接続し、車載機10からセンタ14への緊急通報を実行する。
【0026】
車載機10は、更に、上記したマスタECUに多重通信線を介して接続する複数のスレーブECUからなる被制御ECU群を備えている。これらのスレーブECUはそれぞれ、車両のエンジンを制御し、ブレーキを制御し、変速シフトポジションを制御し、車内の空調や酸素濃度,マイナスイオン等の環境を制御し、車内を撮影するカメラの撮影を制御し、或いはハザードの点灯やランプの点滅,ワイヤレスブザの吹鳴を制御するユニットである。マスタECUは、被制御ECU群の各スレーブECUに所定の処理(具体的には、各種制御の遠隔的なリモート操作)を実行させることが可能であると共に、各スレーブECUから送信されるリモート操作結果やそのリモート操作結果に付帯する車両データや故障情報を受信することが可能である。
【0027】
また、センタ14は、コンピュータと、センタ14を利用する利用者ごとにその識別情報や携帯端末12の電話番号,性別,年齢,病歴などの顧客情報を格納する大容量のデータベースと、を備えている。センタ14は、通信機を有しており、通信ネットワークを通じて車載機10と無線通信を行うことが可能となっており、自己の情報やオペレータの発する音声を通信ネットワークを通じて車載機10へ送信することができ、また、車載機10側から送信される情報や音声を受信することができる。更に、通信ネットワークを通じて緊急通報先16と無線通信又は有線通信を行うことが可能となっており、自己の情報やオペレータの発する音声を通信ネットワークを通じて緊急通報先16へ送信することができ、また、緊急通報先16側から送信される情報や音声を受信することができる。
【0028】
センタ14は、また、そのオペレータが視認可能な表示モニタを有している。この表示モニタには、通信機に接続するコンピュータが接続されている。センタ14のコンピュータは、車載機10から通信ネットワークを通じて送られてきた場合、データベースの顧客情報からその利用者の情報を読み出し、その読み出した情報と送信されてきた情報とをオペレータに視認可能に表示モニタに表示する。センタ14は、車載機10からの緊急通報を受けた場合において、オペレータの手動操作に従って緊急通報先16への緊急通報を行う。
【0029】
ところで、本実施例のシステムにおいて、車載機10は、上記の如く、ヘルプボタンスイッチが押下されたと判別した場合、携帯端末12を用いてセンタ14と通信接続し、センタ14へ緊急通報を行う。ヘルプボタンの押下は一般に車両乗員により自発的に行われるので、かかる緊急通報が行われた場合は、車両乗員がセンタ14のオペレータと対話可能な状態にあると判断できるので、センタオペレータはその対話により把握される車両乗員の状況が切迫したものであるときは緊急通報先16への緊急通報を行う必要があると判断することができる。
【0030】
また、車載機10は、上記の如く、エアバッグが作動展開されたと判別した場合も、携帯端末12を用いてセンタ14と通信接続し、センタ14へ緊急通報を行う。エアバッグの作動展開は一般に車両に大きな衝撃が加わる衝突が生じた場合に行われるので、かかる緊急通報が行われた場合は、車両乗員がセンタオペレータと対話することができなくても、そのオペレータは車両乗員の状況が車両衝突によって切迫したものであると把握でき、緊急通報先16への緊急通報を行う必要があると判断することができる。
【0031】
従って、これら緊急通報が車両の車載機10からセンタ14へ行われた場合は、センタ14側が車両乗員の状況を的確に把握することができ、その状況から緊急通報先16への緊急通報の要否を判断すると共に、この緊急通報が必要であるときは適切な緊急通報先16の選択を行うことが可能となる。このため、車載機10からセンタ14へ緊急通報がなされたときに、その緊急通報に対するその後の対応を適切に行うことが可能となる。
【0032】
しかし、車両乗員が車両運転中などに急病を患って急激な体調悪化を引き起こした場合や車内侵入者と争った場合は、その乗員はヘルプボタンスイッチを押下することが困難であるので、その後エアバッグが作動展開するまで、車載機10からセンタ14への緊急通報を行うことは不可能となるおそれがある。そこで、本実施例のシステムにおいては、車両乗員の急病等の体調不良が生じたときにも車載機10からセンタ14への緊急通報を行うことができる点、及び、その後センタ14から緊急通報先16への緊急通報を適切に行うことができる点に特徴を有している。以下、図2乃至図4を参照して、本実施例の緊急通報システムの特徴部について説明する。
【0033】
図2は、本実施例の緊急通報システムにおける車載機10の動作を表した図を示す。また、図3は、本実施例の緊急通報システムにおいて車載機10のマスタECUが実行する一例のフローチャートを示す。本実施例において、車載機10は、車両乗員(特に運転者)の体調具体的には体温や血圧,脈拍,脳波,瞳孔の開き度合いなどを検出し(ステップ100)、そして、その検出した体調が予め記憶されているその適正値から逸脱しているか否かすなわち体調のスレッシュオーバが生じているか否かを判別する(ステップ102)。
【0034】
車載機10は、車両乗員の体調に関しスレッシュオーバが生じていないと判別される場合は、ヘルプボタンスイッチが押下され或いはエアバッグが作動展開されたか否かを判別する(ステップ104)。その結果、否定判定がなされる場合は、以後何ら処理を進めることなく今回のルーチンを終了するが、肯定判定がなされた場合は、上記の如く、携帯端末12を用いてセンタ14と通信接続し、車両位置データ及び識別情報を含む自車両の情報と共にセンタ14へ緊急通報を行う(ステップ106)。一方、車載機10は、車両乗員の体調に関しスレッシュオーバが生じていると判別される場合は、ヘルプボタンスイッチの押下およびエアバッグの作動展開に関係なく、携帯端末12を用いてセンタ14と通信接続し、車両位置データ及び識別情報を含む自車両の情報と共にセンタ14へ緊急通報を行う(ステップ106)。
【0035】
上記の如く車載機10からセンタ14への緊急通報が行われるときには、車載機10は、上記ステップ100で検出される車両乗員の体調に関するモニタデータを、GPS受信機を用いて検出される車両位置データと識別情報とを少なくとも含む自車両の情報と共にセンタ14へ送信する(ステップ108)。尚、この際、車載機10の記憶装置に記憶されているその車両乗員個人の適正値の範囲データを含めて車載機10からセンタ14への送信を行うこととしてもよく、また、緊急通報直前の正常な体調モニタデータを含めて送信することとしてもよい。
【0036】
かかる処理によれば、ヘルプボタンスイッチが押下された場合及びエアバッグが作動展開された場合とは別に、車両乗員の体調が不良となった場合に車載機10からセンタ14へ自動的にその旨の緊急通報を行うことができる。このため、本実施例のシステムによれば、車両乗員が体調不良に起因してヘルプボタンスイッチを操作することができなくても、その旨の緊急通報を車両からセンタ14へ行うことができ、センタ14側に車両乗員の体調不良を知らせることが可能となっている。
【0037】
図4は、本実施例の緊急通報システムにおいて実行される系全体のフローチャートを示す。本実施例のシステムにおいて、上記の如く車載機10からセンタ14へ車両乗員の体調モニタデータが送信されると、そのデータはセンタ14に受信されメモリに記憶されると共に、その送信完了後、車載機10側とセンタ14側とは音声通話を行うことが可能となる。
【0038】
センタ14のオペレータは、車両乗員と通話できる場合(ステップ110における肯定判定時)は、車載機10側からの音声説明や車両乗員の声の調子から車両乗員の現状を把握することができ(ステップ114)、その把握した現状からセンタ14から緊急通報先16への緊急通報が必要であるか否かを判断し、その必要があるときには警察署、消防署、又はJAFの出動を要請すべきか或いは病院への搬送を予定しているか否かに従って緊急通報先16の選択を行う(ステップ116)。
【0039】
一方、センタ14は、そのオペレータが車両乗員の声を聞くことができないためにその車両乗員と通話できない場合(ステップ110における否定判定時)は、車両乗員との通話を行えないと判断したそのオペレータの手動操作等に従って、車載機10から送信されてきた車両乗員の体調モニタデータ及び必要に応じてその適正値の範囲データを、そのオペレータの視認可能な表示モニタに表示することでオペレータに提示する(ステップ112)。尚、この体調モニタデータ等の提示は、センタオペレータが車両乗員と通話できない場合に限らず、通話できる場合にも行うこととしてもよい。
【0040】
このように体調モニタデータの提示が行われる場合は、センタオペレータは、車両乗員の声を聞くことができなくても、その表示モニタに表示された車両乗員の体調モニタデータを見ることにより、車両乗員の現状、例えば、興奮状態や体温上昇,血圧低下,脈拍微弱,持病の発症等を把握することができる(ステップ114)。そして、その把握した現状に基づいてセンタ14から緊急通報先16への緊急通報が必要であるか否かを判断し、その必要があるときには警察、救急車、又はJAFの出動を要請すべきか或いは病院への搬送を予定しているかなどに従って緊急通報先16の選択を行う(ステップ116)。例えば、血圧上昇と強脈拍などで車両乗員が興奮状態にあると判断できるときは、その乗員が車両に不正に侵入した者などに襲われている可能性があるので、緊急通報先16としてパトカーを出動させる警察署を選び、また、血圧低下や脈拍微弱,持病の発症等で車両乗員が急病に陥ったと判断できるときは、緊急通報先16として救急車を出動させる消防署を選ぶ。
【0041】
センタ14は、そのオペレータにより上記の如く緊急通報先16が選択された状態でその緊急通報先16へ緊急通報するための操作が行われると、その緊急通報先16へ車両位置データ及び識別情報を含む車両の情報と共に緊急通報を行うと共に、特に緊急通報先16として消防署に救急車の出動要請を行うとき及び病院に車両乗員を搬入させることを知らせるときは、車載機10から送信された車両乗員の体調モニタデータを転送する(ステップ118)。
【0042】
緊急通報先16は、センタ14からの緊急通報を受信すると、その緊急通報先16が警察署であれば車両位置データに基づく車両位置へパトカーを緊急出動させ、また、その緊急通報先16が消防署であればその車両乗員の体調に合わせた装備を準備したうえで車両位置データに基づく車両位置へ救急車を緊急出動させ、その緊急通報先16が病院であれば車両乗員の搬入準備を行う(ステップ120)。
【0043】
このような処理によれば、センタ14の表示モニタに車載機10から送信された体調モニタデータをオペレータが視認できるように表示することができる。この場合、センタオペレータは、その表示モニタに表示された車両乗員の体調モニタデータを、車載機10から同時に送信され或いはセンタ14のデータベースに予め記憶されている適正値の範囲(一般的なもの或いはその車両乗員個々のもの)と比較することにより、その車両乗員の体調(例えば、興奮状態や体温上昇,血圧低下,脈拍微弱,持病の発症等)を把握することができ、その結果、その車両乗員のために緊急通報先16への緊急通報の要否を判断することができると共に、緊急通報先16を選定することができる。
【0044】
従って、本実施例のシステムによれば、センタ14が車載機10からの緊急通報を受けた後、そのオペレータが車両の体調不良等に起因して車両乗員と通話することができなくても、緊急通報先16への緊急通報の要否を判断することができるので、センタ14から緊急通報先16への緊急通報を適切に行うことが可能となっており、また、緊急通報を行う必要のあるときにはその緊急通報先16を適当な箇所に設定することができるので、適切な緊急通報を実現することが可能となっている。そして、その結果として、車載機10からの緊急通報に対してセンタ14に最適な対応をとらせることが可能となっている。
【0045】
また、上記の処理においては、センタ14から緊急通報先16への緊急通報が行われる際には、必要に応じて同時に車載機10から送信された車両乗員の体調モニタデータも転送される。かかる構成によれば、車載機10からセンタ14を介して緊急通報先16へ車両乗員の体調情報が提供されることとなるので、緊急通報先16側でも車両乗員の体調を把握することができる。このため、本実施例のシステムによれば、センタ14から緊急通報先16への緊急通報が行われた後、緊急通報先16での車両乗員の体調に合わせた適切な準備などを行うことができるので、車両乗員の体調不良等に対する緊急通報先16による対処を的確かつ迅速に行うことが可能となっている。
【0046】
また、本実施例において、センタ14は、車載機10からの緊急通報に対応して適当な緊急通報先16への緊急通報を行うと同時に或いはその後、特にオペレータが車両乗員と通話することができない状況で車両乗員の体調に適した車両環境の適正化を図る必要があると判断するときには、そのオペレータの手動操作等に従って、その車載機10に対して各種車内装備のリモート操作を行うべきことを要求する信号を送信する(ステップ122)。車載機10は、センタ14への緊急通報を行った後にそのセンタ14から車内装備のリモート操作を要求されると、その要求に応じて車内装備のリモート操作を実行する(ステップ124)。
【0047】
車両におけるリモート操作としては、例えば、車内環境を改善するため、車内空調により冷却や暖房を行ったり、車内酸素を富化してその濃度を高めたり、マイナスイオンを発生させたり、また、車両外部に車両位置を示し或いは車両周辺に警告を発するため、ハザードやランプを点灯・点滅させたり、ワイヤレスブザを吹鳴させたり、更に、車両の安全を確保するため、エンジン回転を低回転にしたり、車両ブレーキをかけたり、シフトポジションをダウンさせたりすることである。
【0048】
かかる構成によれば、仮に車両乗員が急病等に起因して車両操作を行うことができず或いはその旨を車両周辺に知らせることができなくても、車両からセンタ14へ自動的に緊急通報を行ったうえでセンタ14から適当な緊急通報先16への緊急通報を行いつつ、更に、車両乗員による手動操作に代わって、センタ14から車載機10への指示により車内空調等を制御し、車外への警告を行い、又は車両走行を自動的に操作することが可能である。
【0049】
このため、本実施例のシステムによれば、体調不良に陥った車両乗員が何ら操作を行うことなく、自動的にその体調不良に対して車内環境を改善することができるので、車両乗員の更なる体調悪化を防止することができ、その苦痛を緩和させることができる。また、体調不良に陥った車両乗員が何ら操作を行うことなく、ハザード点灯やランプパッシング,ホーン吹鳴などの車両周囲への注意喚起を行うことができるので、体調不良後に車両周囲に対して安全確保を促すことができると共に、また、緊急通報に伴って出動したパトカーや救急車に対して体調不良の乗員が乗車する車両を発見させ易くすることができる。更に、体調不良に陥った車両乗員が何ら操作を行うことなく、車両を停車又は減速させることができるので、体調不良後に車両や車両周囲に対する安全性を確保することができ、不測の事態が発生するのをできるだけ抑制することが可能となっている。
【0050】
尚、上記の実施例においては、車載機10が各種センサやカメラ等を用いて車両乗員の体調を検出することにより特許請求の範囲に記載した「体調モニタ手段」が実現されている。
【0051】
ところで、上記の実施例においては、車載機10からセンタ14へ緊急通報がなされる場合に、車載機10において検出される車両乗員の体調モニタデータをその車載機10からセンタ14へ送信させると共に、そのデータをセンタオペレータに対して視認可能に提示することとしているが、更に、車両に設けられる車内を撮影するカメラの撮像データをその車載機10からセンタ14へ送信させたうえで、その撮像画像をセンタオペレータに対して視認可能に提示することとしてもよい。かかる構成によれば、センタオペレータは、表示モニタに表示された画像を視認することにより、車内の状況ひいては車両乗員の体調を把握することができ、その結果、上記の実施例よりも更に精度よく、その車両乗員のために緊急通報先16への緊急通報の要否を判断することが可能となり、緊急通報先16を選定することが可能となる。従って、センタ14が車載機10からの緊急通報を受けた後、センタオペレータが車両乗員と対話することができなくても、提示された車内画像に基づいて緊急通報先16への緊急通報の要否を判断でき、その結果、車両乗員の体調不良時を含めてセンタ14から緊急通報先16への緊急通報を適切に行うことが可能となる。
【0052】
尚、この際、カメラの撮像データは、車載機10からセンタ14への緊急通報時に常に送信されるものであってもよいが、その緊急通報後、センタ14から送信要求がなされた場合に限り送信されるものであってもよい。また、車載機10からセンタ14へ送信されるカメラの撮像データは、車載機10からセンタ14への緊急通報を行う時点におけるものであってもよいが、その緊急通報直前のものを含んでもよい。更に、このカメラの撮像データは、緊急通報時に撮影されるものであってもよいが、センタ14から送信されるリモート操作の要求に従って撮影されるものであってもよい。
【0053】
また、上記の実施例においては、センタ14から緊急通報先16への緊急通報を行う場合、センタ14から車載機10に対して車内装備のリモート操作を要求することにより、車載機10において車内装備のリモート操作を行うこととしているが、車内空調などの車内環境を改善するためのリモート操作、ハザード点灯などの車外へ警告するためのリモート操作、及びエンジン低回転化などの車両の安全を確保するためのリモート操作を、それぞれ個別にセンタ14から車載機10に対して要求することとしてもよいし、また、一括してセンタ14から車載機10に対して要求することとしてもよい。
【0054】
また、上記の実施例においては、センタ14から緊急通報先16への緊急通報を適切に実行すべく、センタ14に車載機10から送信される車両乗員の体調モニタデータを表示モニタに表示させることによって、センタオペレータに緊急通報先16への緊急通報の要否を判断させることとしたが、センタ14に、車両乗員の体調が適正値の範囲を逸脱しているか否かすなわち緊急通報先16への緊急通報を行う必要がある程度に悪化しているか否かを示すマップを持たせると共に、車載機10から送信された車両乗員の体調モニタデータをそのマップと比較させて、自動的に緊急通報先16への緊急通報の要否を判定させることとしてもよい。尚、センタ14に記憶されるマップは、緊急通報を行うべき緊急通報先16ごとに異なるものであればよく、センタ14は、緊急通報先16ごとに緊急通報の要否を判定することとすればよい。
【0055】
かかる構成においては、車両乗員の体調悪化に起因して車載機10からセンタ14へ自動的に緊急通報がなされた場合、その際に送信される体調モニタデータに基づいて体調スレッシュオーバが生じていると判断されると、センタ14から適当な緊急通報先16へ自動的に緊急通報がなされることとなる。従って、センタオペレータが車両乗員の体調悪化に起因してその車両乗員と通話できないときにも、その車両乗員の体調によっては自動的にセンタ14から緊急通報先16への緊急通報が行われるので、車両乗員の体調不良時を含めてセンタ14から緊急通報先16への緊急通報を適切に行うことが可能となる。
【0056】
尚、この変形例においても、車載機10からセンタ14へ緊急通報がなされる場合に、車両に設けられる車内を撮影するカメラの撮像データをその車載機10からセンタ14へ送信させたうえで、センタ14に、その撮像データを解析させて自動的に緊急通報先16への緊急通報の要否を判定させることとしてもよい。かかる構成においては、センタオペレータが車両乗員の体調悪化に起因してその車両乗員と通話できないときにおいて、車載機10から送信される体調モニタデータに基づいては緊急通報先16への緊急通報の要否を判定できなくても、撮像画像に基づく車内状況によっては自動的にセンタ14から緊急通報先16への緊急通報が行われるので、車両乗員の体調不良時を含めてセンタ14から緊急通報先16への緊急通報を適切に行うことが可能となる。
【0057】
また、上記の実施例においては、センタ14が、緊急通報先16への緊急通報が必要であると判断する場合にその緊急通報先16への緊急通報と共に車両乗員の体調モニタデータの送信を行い得るが、この際、センタ14のデータベースに格納されているその車両乗員の氏名や年齢,性別,病歴,連絡先等のデータをも送信することとするのが、緊急通報先16に車両乗員への適切な対応をとらせるうえでは好ましい。
【0058】
また、上記の実施例においては、車両乗員の体調モニタデータは車載機10からセンタ14を通じて緊急通報先16へ送信されるが、車載機10は、センタ14への緊急通報後に車両ドアが開けられた状態にあるか否かを判別することとし、車両ドアが開放されていると判別する場合にセンタ14へデータ送信された車両乗員の体調又は現時点で検出される車両乗員の体調を音声でアナウンスし或いはモニタに表示することとしてもよい。かかる構成によれば、車両現場にいる第三者や、センタ14から緊急通報を受けた緊急通報先16のパトカーや救急車が車両の現場に到達した際にその駆けつけた救急隊員等に車両乗員の状況を知らせることが容易となるので、それらの者に迅速な対応をとらせることが可能となる。
【0059】
尚、この変形例においては、車載機10は、車両ドアの開放時に車両乗員の体調についての音声出力等を行うだけでなく、その車両乗員の病歴について音声出力等を行ったり、或いは、単に体調不良が生じている旨について音声出力等を行うこととしてもよい。
【0060】
また、車載機10は、車両ドアの開放時などに、車両乗員の体調について音声出力等を行うだけでなく、その車両乗員の氏名や年齢,性別,病歴,連絡先等についても音声出力等を行うこととしてもよい。
【0061】
更に、上記の実施例においては、車載機10は、緊急通報先16の如何にかかわらず、車両乗員の体調不良が生じたときは常にセンタ14へその旨の緊急通報を行うこととしているが、車両乗員が予め車両でのスイッチ操作等により緊急通報を許可した種類の体調不良が生じたときにのみセンタ14への緊急通報を行うこととし、その後のセンタ14から特定の緊急通報先16への緊急通報のみを許可するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施例である緊急通報システムの全体構成図である。
【図2】本実施例の緊急通報システムにおける車載機の動作を表した図である。
【図3】本実施例の緊急通報システムにおいて車載機が実行するメインルーチンのフローチャートである。
【図4】本実施例の緊急通報システムにおいて実行される系全体のフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
10 車載機
12 携帯端末
14 センタ
16 緊急通報先

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両からセンタへ緊急通報がなされた場合において必要があるときに、該センタから所定の緊急通報先へ緊急通報を行う緊急通報システムであって、
車両が、車両乗員の体調を検出する体調モニタ手段を有し、
車両からセンタへ緊急通報がなされる場合に、前記体調モニタ手段により検出される車両乗員の体調情報を車両からセンタへ送信させると共に、
センタは、車両から送信される車両乗員の体調情報に基づいて、所定の緊急通報先への緊急通報の要否を判定することを特徴とする緊急通報システム。
【請求項2】
車両が、車内の状況を撮影するカメラを有し、
車両からセンタへ緊急通報がなされる場合に、前記カメラにより撮影される車内の画像情報を車両からセンタへ送信させると共に、
センタは、また、車両から送信される車内の画像情報に基づいて、所定の緊急通報先への緊急通報の要否を判定することを特徴とする請求項1記載の緊急通報システム。
【請求項3】
センタは、車両から送信される車両乗員の体調情報又は車内の画像情報に基づいて、緊急通報すべき所定の緊急通報先を選択することを特徴とする請求項1又は2記載の緊急通報システム。
【請求項4】
車両からセンタへ緊急通報がなされた場合において必要があるときに、該センタから所定の緊急通報先へ緊急通報を行う緊急通報システムであって、
車両が、車両乗員の体調を検出する体調モニタ手段を有し、
車両からセンタへ緊急通報がなされる場合に、前記体調モニタ手段により検出される車両乗員の体調情報を車両からセンタへ送信させると共に、
センタは、車両から送信される車両乗員の体調情報を、オペレータに所定の緊急通報先への緊急通報の要否を判断させるべく提示することを特徴とする緊急通報システム。
【請求項5】
車両が、車内の状況を撮影するカメラを有し、
車両からセンタへ緊急通報がなされる場合に、前記カメラにより撮影される車内の画像情報を車両からセンタへ送信させると共に、
センタは、また、車両から送信される車内の画像情報を、オペレータに所定の緊急通報先への緊急通報の要否を判断させるべく提示することを特徴とする請求項4記載の緊急通報システム。
【請求項6】
センタは、所定の緊急通報先へ緊急通報を行う場合、車両から送信された車両乗員の体調情報を該所定の緊急通報先へ転送することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項記載の緊急通報システム。
【請求項7】
センタは、車両から送信される車両乗員の体調情報を受信した場合に、車内環境の改善を図るための車内環境リモート操作を実行すべきことを車両に対して要求すると共に、
車両は、センタからの要求に従って前記車内環境リモート操作を実行することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項記載の緊急通報システム。
【請求項8】
センタは、車両から送信される車両乗員の体調情報を受信した場合に、車両周囲への注意喚起を行うための注意喚起リモート操作を実行すべきことを車両に対して要求すると共に、
車両は、センタからの要求に従って前記注意喚起リモート操作を実行することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項記載の緊急通報システム。
【請求項9】
センタは、車両から送信される車両乗員の体調情報を受信した場合に、停車又は減速を行うための走行リモート操作を実行すべきことを車両に対して要求すると共に、
車両は、センタからの要求に従って前記走行リモート操作を実行することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項記載の緊急通報システム。
【請求項10】
センタは、車両から送信される車両乗員の体調情報を受信した後、所定の緊急通報先へ緊急通報を行う場合にのみ、車両に対するリモート操作要求を行うことを特徴とする請求項7乃至9の何れか一項記載の緊急通報システム。
【請求項11】
車両は、前記体調モニタ手段により検出される車両乗員の体調が予め記憶している適正値を逸脱する場合に、センタへ緊急通報を行うことを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項記載の緊急通報システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−195580(P2006−195580A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−4371(P2005−4371)
【出願日】平成17年1月11日(2005.1.11)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】