説明

耐腐食性ウェーハプロセス装置およびその作製方法

【課題】 半導体プロセスで使用される腐食性ガスを含む雰囲気に適合した構造部品を備えたウェーハプロセス装置を提供する。
【解決手段】 電気接合部、ガス供給チャンネル、凹部、凸部、メサ(台形突起)、リフトピン穴等の貫通孔、ネジ切り孔、めくら孔等が耐食的に結合されており、結合部が優れた化学的耐性を有する結合剤、充填剤を用いた特殊な構造を有すると共に、最適化された熱膨張係数、すなわち接合部の熱膨張係数がベース基材、電極および被覆層の熱膨張係数に近似的に一致する熱膨張係数を有することを特徴とするウェーハプロセス装置。一つの実施形態における充填剤にはガラスセラミック材料を含む組成物が使用されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には半導体の製造に使用されるウェーハプロセス装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスの製造プロセスには、材料の制御的な蒸着又は成長、あるいは既に蒸着、成長した材料の制御的またしばしば選択的な変更を行う数多くの工程が含まれる。これらの工程の典型的な例として、化学気相蒸着法(CVD:Chemical
Vapor Deposition)、熱化学気相蒸着法(TCVD:Thermal
Chemical Vapor Deposition)、プラズマ化学気相蒸着法(PECVD:Plasma
Enhanced Chemical Vapor Deposition)、高密度プラズマ化学気相蒸着法(HDP CVD:High Density
Plasma Chemical Vapor Deposition)、膨張熱プラズマ化学気相蒸着法(ETP CVD:Expanding
Thermal Plasma Chemical Vapor Deposition)、金属有機化学気相蒸着法(MOCVD:Metal
Organic Chemical Vapor Deposition)などがある。CVDなどのいくつかの工程では、反応槽内の基板(ウェーハ)ホルダ上に設置された半導体ウェーハの表面上に絶縁性又は導電性の固体被膜を形成するため、低圧・高温状態にある一種類以上の反応性ガスが反応槽内で用いられる。
【0003】
CVD工程で用いられる基板ホルダは、ウェーハを加熱するための少なくとも一つの加熱エレメントを含みヒータとして機能するか、ウェーハを静電的に固定するための少なくとも一つの電極を含み静電チャック(ESC:Electrostatic chuck)として機能するか、あるいはヒータとESCを組み合わせ、加熱、固定双方の機能を備えた電極として機能する。基板ホルダアッセンブリには、ウェーハを担持するためのサセプタ、さらにウェーハ加熱用としてサセプタの下部に配列した複数のヒータなどが含まれる。半導体ウェーハは処理槽内の閉塞的環境内で比較的高温に加熱され、そしてしばしば非常に腐食性の雰囲気に曝される。
【0004】
半導体ウェーハ上にある一定の厚さの皮膜が蒸着されると、反応槽内に曝された他の表面にも不要な蒸着がしばしば起る。この不要な蒸着は、後の蒸着において問題を起こす可能性がある。そのためこれらの蒸着物は、例えばある場合にはウェーハを一枚処理する毎に、また他の場合には複数枚のウェーハバッチを処理する毎に、清浄化工程により取り除かれる。清浄化工程の技術として一般的には、原子フッ素を用いる方法、過フッ化炭化水素プラズマ清浄法、六フッ化硫黄プラズマ清浄法、三フッ化窒素プラズマ清浄法、三フッ化塩素プラズマ清浄法などがある。この清浄化工程において、反応槽部材、すなわち内壁、窓、基板ホルダおよびそのアッセンブリなどは、しばしば腐食し、又は化学的に浸食される。この腐食は加熱された表面で特に著しく起るが、典型的なヒータの操業温度範囲は、通常で400〜500°C、場合によっては600〜1000°Cにまで達する。
【0005】
従来技術のウェーハ担持体においては、電気接続部分の耐食性に特に問題があることが知られている。そのため、ヒータ、チャックあるいはサセプタがAlNなどの保護皮膜によって高温腐食雰囲気中で十分な寿命時間を達成したとしても、接続部分については腐食環境への暴露を回避する必要があった。例えば、特許文献1に開示される装置においては、電気接続部分を包み込むシャフトが含まれている。このセンターシャフトを用いた方法は、装置により多くの応力集中点をもたらすことになり、熱応力が掛かった際に亀裂を発生し易くなるため、加熱速度をさらに制限するか、あるいは装置の有効活用寿命が短くなるという結果を招くことになる。
【0006】
特許文献2に開示されるウェーハホルダは、導線をセラミック製の管状チューブに格納し、導線の遮蔽と保護を行っている。同開示によれば、ガラス製の接続部品、又は例えば有機樹脂などの接合材料を用いて、管状チューブをセラミック製基板に接合している。管状チューブを密閉封印するために、Oリングが用いられている。しかしながらOリング、ガラス製接続部品、接合材料などを持ってしても、電極および導線はチャンバー内雰囲気に曝されるものと予期される。このため腐食性ガスの使用は推奨されておらず、当該装置は低誘電率膜のベーキング処理用として推奨されている。
【特許文献1】米国特許第6,066,836号
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/0077284号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って今日なお、半導体プロセスで使用される腐食性ガスを含む全ての雰囲気に適合した構造部品を備えたウェーハプロセス装置に対する必要性がある。本発明の一つの実施形態はこのようなウェーハプロセス装置に関するもので、電気接点および電気接合部分が、半導体デバイス処理環境で一般的に使用される腐食性ガスから遮蔽されるように設計されたものである。さらに本発明の装置は、半導体プロセスにおける過酷な熱応力に対する要求、すなわち加熱速度20°C/分、比較的大きな部分温度差>20°C、に対応したものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一つの観点は、ウェーハプロセス装置において、ウェーハを担持するためのベース基材を有し、前記ベース基材がグラファイト、高融点金属、遷移金属、希土類金属およびそれらの合金の少なくとも一つを含み、また抵抗加熱電極、プラズマ発生電極、静電チャック電極、電子ビーム電極からなる少なくとも一つの電極を含み、また少なくとも一つの電極と外部電源を繋ぐ導線にあって、前記導線が前記ベース基材にある間隙で貫通又は貫入する導線を有し、また前記導線と前記基材の前記間隙を充填又は封止するための充填材を有し、前記電極の熱膨張係数がそれぞれ前記基材の熱膨張係数の0.75から1.25倍であることを特徴とする。
【0009】
本発明のもう一つの観点は、前記装置においてさらに、電極上に少なくとも一つの被覆層が配置されており、前記被覆層がB、Al、Si、Ga、Y、硬質高融点金属、遷移金属、およびこれらの混合物の群から選択される元素の窒化物、炭化物、炭窒化物、酸窒化物の少なくとも一つを含み、前記導線がある間隔で前記被覆層および前記基材を貫通又は貫入し、前記間隔を充填又は封止する充填材が前記被覆層の熱膨張係数の0.75から1.25倍の熱膨張係数を有することを特徴とする。
【0010】
さらに本発明のもう一つの観点は、前記電極が焼結体のベース基材に埋設されており、前記ベース基材が、B、Al、Si、Ga、Yの群から選ばれる元素;硬質高融点金属;遷移金属;の酸化物、窒化物、炭窒化物、酸窒化物、;NaZr(POのNZP構造を有した高熱安定型リン酸ジルコニウム;およびアルミニウムの酸化物、同酸窒化物、およびこれらの混合物からなる群の中から選択され、オプションとして焼結材を含むことを特徴とする。
【0011】
一つの観点において、前記導線は少なくともモリブデン、ニッケル、コバルト、鉄、タングステン、ルテニウムおよびその合金を含む。もう一つの観点では、前記導線はニッケル層、又はジルコニウム、ハフニウム、セリウムおよびこれらの混合物の酸化物又は炭化物の層でさらに被覆されている。
【0012】
一つの観点において、前記装置には、機能部品を装置に固定するためのナット、リベット、ボルト、ネジなどの止め具(ファスナー)が複数具備されており、前記導線および/又は前記止め具は、これら部品の熱膨張係数に適合する延性を有した耐エッチング性の導電性材料で被覆されていることを特徴とする。実施形態1において、前記導線および/又は止め具はニッケル層、又はジルコニウム、ハフニウム、セリウムおよびこれらの混合物の酸化物又は炭化物の少なくとも一つの層で被覆されている。
【0013】
さらにもう一つの観点において、ウェーハプロセス装置の耐食性接点の保護/充填に使用される充填材は、NaZr(POのNZP構造を有した高熱安定型リン酸ジルコニウム;又はランタンアルミノケイ酸塩(LAS)、マグネシウムアルミノケイ酸塩(MAS)、カルシウムアルミノケイ酸塩(CAS)、イットリウムアルミノケイ酸塩(YAS)など周期律表のIIa族、IIIa族、IVa族の元素を含む群から選択された少なくとも一つの元素を含むガラスセラミックス;又はBaO―Al―B―SiO系ガラス;又はSiOとY、Sc、La、Ce、Gd、Eu、Dyなどの酸化物、これら金属のフッ化物、イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)を含む耐プラズマ材料の混合物の群から選択され、前記充填材は、操作温度25〜600°Cの範囲のプロセス環境下で、1000オングストローム毎分(Å/分)未満のエッチング速度を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
ここで使用される近似語は、それが関連する基本的機能に変化を与えない範囲で、定量的な表現を修飾するものとする。従って、「およそ」又は「実質的に」等の言葉で修飾される値は、ある場合にはそれによって規定される正確な値に限定されるものではない。
【0015】
ここで使用される「基板」および「ウェーハ」という用語は互換的に使用される場合があり、本発明の装置により担持され、加熱される半導体ウェーハ基板を示すものとする。またここで使用される「プロセス装置」という用語は、「ハンドリング装置」、「ヒータ」、「加熱装置」、又は「処理装置」と互換的に用いられ、担持されるウェーハを加熱するための少なくとも一つの加熱エレメントを含む装置を示すものとする。
【0016】
ここで使用される「回路」という用語は「電極」と互換的に用いられ、また「抵抗加熱エレメント」は「抵抗器」又は「加熱抵抗器」と互換的に用いられる。「回路」と言う用語は、少なくとも一つ以上の回路ユニットが存在することを意味する。
【0017】
ここで使用される「熱膨張係数が近い部材(例えば層あるいは部品)」とは、その部材の熱膨張係数が、隣接する部材(例えば別の層、基材、別部品)の熱膨張係数の0.75から1.25倍であることを意味する。
【0018】
ここで使用される「ウェーハプロセス装置の機能的部分」には、孔、ヒータ端部の爪、電極への接点、その他ウェーハプロセス装置の機能的要求を満たすための基材挿入部品を含むものとするが、これらに限定されるものではない。
【0019】
ここで用いられる「耐エッチング性」という用語は「耐食性」と互換的に用いられ、厳しい環境下、すなわち操作温度が実施形態1では400°C以上、実施形態2では500°C、実施形態2では800°Cでハロゲン族を含む環境、又はプラズマエッチング、反応性イオンエッチング、プラズマクリーニング、ガスクリーニングに曝される環境下で、耐エッチング性、又は低いエッチング速度を呈する材料に対して用いられる。
【0020】
本発明の実施形態1におけるエッチング速度は、操作温度25〜600°Cの範囲の厳しい環境下で、毎分1000オングストローム未満である。実施形態2におけるエッチング速度は、操作温度25〜600°Cの範囲で、毎分500オングストローム未満である。実施形態3におけるエッチング速度は、操作温度25〜600°Cの範囲で、毎分100オングストローム未満である。実施形態4における速度は、操作温度200〜600°Cの範囲で、毎分1000オングストローム未満である。実施形態5における速度は、操作温度200〜600°Cの範囲で、毎分500オングストローム未満である。
【0021】
本発明の一つの観点おける電極は、モリブデン、ニッケル、鉄、タングステン、ルテニウム、およびこれらの合金の少なくとも一つの金属と、さらに窒化アルミ二ウム、酸化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、又はこれらの混合体の少なくとも一つを含み、熱膨張係数が基材の熱膨張係数の0.75〜1.25倍である保護層から構成されている。
【0022】
以下、本発明のウェーハプロセス装置の実施形態を、図面を参照しながら、用いられる材料について記述し、その作製方法について説明する。
【0023】
ウェーハプロセス装置の一般的形態:
図1に示す実施形態1において、ウェーハプロセス装置とは上面13がウェーハWの支持面となる円盤型のセラミックス基材12を示し、この中にヒータ抵抗16(図示せず)が埋め込まれている。電気端子15はヒータ抵抗に電気を供給するためのもので、セラミックス基材12の底面中央、又は一つの実施形態では、セラミックス基材の側面に取り付けられている。電気端子15に電圧をかけヒータ抵抗に熱を発生させることで、装置上面13に担持されたウェーハを均一に加熱する。
【0024】
本発明のウェーハプロセス装置に関し、図2Aに示される実施形態1では、基材は導電性材料を含む円盤又は基材18、絶縁性保護層19、さらにオプションとして絶縁性保護層19と基材18間の接着を強化するための結合層(図示せず)を具備する。円盤18の導電性材料は、黒鉛、WおよびMoなどの高融点金属、遷移金属、希土類金属および合金、ハフニウム、ジルコニウム、セリウムの酸化物および炭化物、およびこれらの混合物から選択される。
【0025】
導電性円盤18の絶縁性保護層19に関し、絶縁性保護層19はB、Al、Si、Ga、Y、高融点金属、遷移金属のグループから選ばれる元素の酸化物、窒化物、炭窒化物、酸窒化物、アルミニウムの酸化物、酸化物、およびこれらの混合物の少なくとも一つを含む。オプションの結合層は、Al、SiおよびTa、W、Moを含む硬質高融点金属、およびチタン、クロム、鉄を含む遷移金属およびその混合物から選ばれる窒化物、炭化物、炭窒化物、ホウ化物、酸化物、酸窒化物の少なくとも一つを含む。実施形態1ではTiC、TaC、SiC、MoCおよびその混合物の少なくとも一つを含む。
【0026】
図2Bに示す実施形態1の場合、基材18が絶縁性材料(例えば焼結材)からなり、その材料は、B、Al、Si、Ga、Yの群から選ばれる元素;硬質高融点金属;遷移金属;の酸化物、窒化物、炭窒化物、酸窒化物;およびNaZr(PO)のNZP構造を有した高熱安定型リン酸ジルコニウム、アルミニウムの酸化物、同酸化物、およびこれらの混合物の中から選択され、優れ耐摩耗性と耐熱性を有している。実施形態1では基材18はAlNを含み、>50W/mK(時として>100W/mK)という高い熱伝率を有すると共に、フッ素、塩素などの腐食性ガスに対する耐食性と、特に高い耐プラズマ性を有している。実施形態1では、基材は99.7%を越える高純度の窒化アルミ、およびY、Erおよびその混合物から選ばれる焼結材を含んでいる。
【0027】
図2Cに示す実施形態1では、好適な設計をされた加熱エレメント又は電極16がセラミックス基材12に埋め込まれている。この加熱エレメントは、例えばタングステン、モリブデン、レニウム、白金およびこれ等の合金などの高融点金属、周期律表のIVa、VaおよびVIaに属する金属の炭化物、窒化物、ハフニウム、ジルコニウムおよびセリウムの炭化物又は酸化物、およびこれ等の混合物を含む。実施形態1において、加熱エレメント16は熱膨張係数が基材(又はその保護層)の熱膨張係数に近い材料から成っている。
【0028】
図2Aと2Bに示される実施形態1では、加熱エレメント16は1から1000μmの厚さを有する薄膜電極から成っている。実施形態2では、薄膜電極16の厚さは5から500μmである。薄膜電極16は絶縁性基材18(図2B)又は保護膜19(図2A)上に形成され、その形成方法にはスクリーン印刷、スピンコート、プラズマスプレー、スプレー熱分解法、反応性スプレー蒸着法、ゾル・ゲル法、スパッタリング法、レーザ除去法、蒸着法、電解メッキ、レーザ表面合金法を含む公知の方法を使用する事ができる。実施形態1において、薄膜電極16は例えばタングステン、モリブデン、レニウム、白金およびこれ等の合金などの高融点金属を含む。実施形態2において、薄膜電極16は貴金属又は貴金属合金を含む。実施形態3では、薄膜電極16はハフニウム、ジルコニウム、セリウムの炭化物、酸化物およびその混合物の少なくとも一つを含む。
【0029】
実施形態1では電極のシート抵抗が0.001から0.1Ω/sqに調整されており、電極パターンのパス間の幅およびスペースを好適に保ちながら、要求される電気抵抗特性を満たしている。実施形態2では、シート抵抗は0.005から0.05Ω/sqの範囲に調整されている。なお、シート抵抗は電気抵抗率と膜厚の比として定義される。
【0030】
本発明のウェーハプロセス装置には、1つ以上の電極を使用する事ができる。用途に応じ、電極は抵抗加熱エレメント、プラズマ発生電極、静電チャック電極又は電子ビーム電極などとして機能することができる。
【0031】
図2Aおよび図2Bに示す本発明の実施形態1で、ウェーハプロセス装置10は耐エッチング性を有する保護皮膜25でさらに覆われている。
【0032】
実施形態1において、保護膜25はB、Al、Si、Ga、Y、硬質高融点金属、遷移金属から成るグループから選択される元素の窒化物、炭化物、炭窒化物又は酸窒化物およびその混合物の少なくとも1つを含み、熱膨張係数が25°Cから1000°Cの温度領域で2.0x10−6/Kから10x10−6/Kとなっている。
【0033】
実施形態1では、保護層25はNZP構造を有する高熱安定型リン酸ジルコニウムを含んでいる。ここで言うNZPとはNaZr(PO)の他に、同様な結晶構造を有する構造の等しいリン酸塩およびシリカリン酸塩を示す。実施形態1において、これ等の材料はアルカリ金属リン酸塩又は炭酸塩、二水素アンモニアリン酸塩(又はリン酸2アンモニウム)、および四価金属酸化物の混合物を加熱することによって得ることができる。
【0034】
実施形態1において、NZP型保護膜25は下記の一般式で表される。
(L、M1、M2、Zn、Ag、Ga、In、Ln、Y、Sc)(Zr、V、Ta、Nb、Hf、Ti、Al、Cr、Ln)(P、Si、VAl)(O、C、N)12ここでL=アルカリ金属、M1=アルカリ土類金属、M2=遷移金属、Ln=希土類で、1、m、nの値は電荷バランスが維持できるような値を選ぶ。実施形態1において、NZP型保護層25はアルカリ土類酸化物、希土類酸化物およびその混合物から選ばれる安定剤を少なくとも一種類以上含む。例として、イットリア(Y)、カルシア(CaO)が挙げられる。
【0035】
実施形態3において、保護層25は周期律表のIIa族、IIIa族およびIVa族の元素から成るグループから選択される少なくとも1つの元素を含むガラス状セラミックスが含まれている。ここで言うIIa族元素とは、Be、Mg、Ca、SrおよびBaを含むアルカリ土類金属元素を意味する。IIIa族はSc、Yおよびランタノイド元素を意味する。IVa族はTi、Zr又はHfを意味する。保護層25として適当なガラス状セラミックスの組成例として、ランタンアルミノケイ酸塩(LAS)、マグネシウムアルミノケイ酸塩(MAS)、カルシウムアルミノケイ酸塩(CAS)、イットリウムアルミノケイ酸塩(YAS)が挙げられるが、これ等に限定されるものではない。
【0036】
一例には、保護層25としてSiOおよびY、Sc、La、Ce、Gd、Eu、Dy等の酸化物、これ等金属のフッ化物、又はイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)が含まれる。これ等金属酸化物および/又はこれ等金属酸化物と酸化アルミニウムの組合せを使用することもできる。実施形態3において保護層25は、酸素を除く金属原子の原子比率で1から30原子%のIIa族、IIIa族およびIVa族元素と、20から99原子%のSi元素を含む。一例には、保護層25として20から98原子%のSi元素、1から30%のY、La又はCe元素、1から50原子%のAl元素を含むアルミノシリケートガラス、および20から98原子%のSi元素、1から30%のY、La又はCe元素、1から50原子%のZr元素を含むジルコニアシリケートガラスが含まれる。
【0037】
もう一つの実施形態において、保護層25はイットリア含有量25から55重量%、融点1600未満、狭い幅のガラス転移温度884から895°C、さらにオプションとして熱膨張係数を基材のそれに合わせるための微量添加物を含むY―Al―SiO(YAS)に基づいている。微量添加物の例として、ガラスの熱膨張係数を高めるBaO、La又はNiO、熱膨張係数を低下させるZrOがある。さらにもう一つの実施形態において、保護層25はBaO―Al―B―SiOガラスに基づいており、オプションとして熱膨張係数を基材のそれに合わせるためLa、ZrO又はNiOが添加されている。一例として、保護層25は30から40モル%のBaO、5から15モル%のAl;10から25モル%のB、25から40モル%のSiO;0から10モル%のLa;0から10モル%のZrO;0から10モル%のNiOを含み、B/SiOのモル比が0.25から0.75となっている。
【0038】
保護層25は低濃度の窒素、酸素および/又は水素などの非金属元素を耐食性や耐エッチング性に悪影響を及ぼすことなく許容することができる。一つの実施形態において、保護層は20原子%(atom
%)までの水素および/又は酸素を含む。もう一つの実施形態において、保護層25は10原子%までの水素および/又は酸素を含む。
【0039】
保護層25は公知の方法で基材上に形成することが出来、その形成方法には熱/火焔スプレー法、プラズマ放電法、膨張熱プラズマ法(ETP)、イオンプレーティング、化学気相蒸着法(CVD)、プラズマ化学気相蒸着法(PECVD)、金属有機化学気相蒸着法(MOCVD)(別名、有機金属化学気相蒸着法(OMCVD))、金属有機気相成長法(MOVPE)、スパッタリング法などの物理気相蒸着法、イオンプラズマ蒸着法およびプラズマスプレー法が用いられる。実験例には熱スプレー法、ETP、CVDおよびイオンプレーティングが用いられている。
【0040】
保護層25の厚さは用途および、例えばCVD、イオンプレーティング、ETPなど用いられた方法によって異なり、1μmから数百μmで変化する。一般に保護層厚さが厚い程、長い寿命が期待できる。
【0041】
耐食性コネクタとその構造:
腐食性ガスを使用する典型的なウェーハ処理環境では、これらに限られるものではないが例として、接触面や電気接続端子、ガス送入経路、凹部、凸部、メサ(台形突起)、リフトピン穴、ボルト穴、止め穴等を含む機能部分を通じて、フッ素系ガスがウェーハプロセス装置の部品を急速に侵食する。機能部品の例としては、これらに限られるものではないが導線、蓋、挿入部品、貫通穴等が含まれ、これ等は接触面を貫通し、その結果生じる隙間を通じて腐食性ガスが基材などの基本部品を侵食する。
【0042】
本発明の一つの実施形態において、電極への導線や機能部品を取り付けるための機械部品、止め具は、基材の熱膨張に適合するために十分な延性的性質を有する導電性かつ耐エッチング性を有した材料によって被覆されている。もう一つの実施形態では電極そのものが導電性かつ耐エッチング性を有した材料によって被覆されている。好適な耐エッチング性を有した材料の例として、ニッケル、クロム、超合金、その他、被覆層として適用した際に>5%の延性を有する導電性材料が挙げられる。実施形態1において被覆層は、高温の厳しい半導体プロセス環境に曝された際、少なくとも90%に亀裂が生じないように基材の熱膨張係数に適合した、十分な延性を有する材料で、0.000004インチから0.010インチの平均厚さを有している。実施形態2において、被覆層は被覆材料が熱膨張率差/熱膨張率不整合を緩和するに十分な延性を有する材料からなり、少なくとも95%の表面において亀裂が生じない。亀裂が生じないと言うことは、肉眼で亀裂が観察できない、又はSEMによっても観察できないということを意味している。実施形態3において、被覆層は0.00001インチから0.005インチの厚さを有している。また実施形態4において、被覆層は0.00005インチから0.025インチの厚さを有している。
【0043】
実施形態1では、耐エッチング性を付与するため特別製のコネクタが使用されている。実施形態2においては、腐食性環境に曝された電気コネクタを保護するため、耐エッチング性の導電性材料が使用されている。
【0044】
さらにもう一つの実施形態では、充填材、接合材、接着剤又は封止材として耐エッチング性の組成が用いられ、腐食性ガス原子の進入から接続部の接触を保護している。
【0045】
本発明の耐食性接続部の実施形態について、図面を参照しながら以下に詳述する。
【0046】
図3はウェーハプロセス装置10の実施形態1の断面図を示すもので、ベース基材100面上にパターン電極200が形成されており、さらに耐食性被覆材300により全体が覆われている。パターン電極200は用途に応じ、ヒータ電極および/又は静電チャック電極として機能する。
【0047】
コネクタナット220がネジ付コネクタロッド210の固定に使用されている。実施形態1において、ネジ付コネクタロッド210およびコネクタナット220は、基材100と被覆層300の熱膨張係数に適合した熱膨張係数を有する同質の高融点金属から作られている。実施形態2において、これらは熱膨張係数が適合した異なる材料から作られている。実施形態1において、ロッド210および/又はナット220はさらに耐エッチング性を有するニッケルその他の導電性材料でメッキされている。(図示せず。)図示されるように、ロッド210には基材100のネジ孔にネジで締結されている。実施形態1では、ロッド210は基材100のめくら孔に圧入又は接着されている。(図示せず。)
【0048】
蒸着工程では、部分的シャドーイングのため、鋭角部や隙間部に適切な被覆を施すことが難しい場合が時としてあり、これら部分の被覆層が薄くなってウェーハプロセス装置の寿命を制限する結果となる。図4は、図3の異なる形態を示すもので、部分的シャドーイングへの対策を施したものである。この形態において、コネクタナット221はテーパ部を有しており、基材100からナット221にかけての移行部分で十分な被覆形成過程において被覆が形成されるようにしたものである。さらにもう一つの形態(図示せず)では、ナット221の角部が丸型に加工されており、被覆層中の応力を緩和し、被覆層の剥離を抑制している。
【0049】
図5に示されるウェーハプロセス装置10のさらにもう一つの実施形態では、コネクタナット221にさらに充填材が付与されており、基材からナットへの移行部分に耐食性かつ高温使用に耐えるビード状充填材230が施されている。実施形態1において、充填材230は図4に示したテーパナットと同様な機能を有し、蒸着工程における部分的シャドーイングを最小化する。もう一つの形態において、充填材230は被覆層300が腐食物質に対し十分な保護機能を発揮せず、早い時期に消耗してしまった場合の2次的な防御を提供する。
【0050】
図6は図3に示す装置10のもう一つの形態の断面を示すもので、付加的電極202がさらに追加されている。図示するように、電極200はヒータ電極、電極202は静電チャック電極として使用することができる。もう一つの方法として、2つの電極をそれぞれ独立したヒータ電極として使用することもできる。もう一つの実施形態では、これらの電極は独立した静電チャック電極として使用される。
【0051】
図7は、図4に示すテーパ状コネクタナット221を使用したウェーハプロセス装置10のもう一つの実施形態を示す断面図で、付加的電極202が追加されており、この付加的電極はヒータ電極又は静電チャック電極として機能する。
【0052】
図8は、図5に示すウェーハプロセス装置10のヒータに関する一つの実施形態を示す断面図で、第2の電極が基材に追加されている。図示したように、封止材/充填材230が全ての電気接続部に対し、基材からナットへの移行領域を形成している。
【0053】
図9はウェーハプロセス装置10のもう一つの実施形態を示す断面図である。本実施形態においては、被覆層300が形成された後に接点部分を部分的に取り除き、耐食性のコネクタロッド210とナット220を取り付けている。さらに本実施形態では、(部分的に曝された)電極200、コネクタロッド210、ナット210、およびワッシャー、バネなど他の部品(図示せず)は導電性で耐食性を有する材料から成っている。実施形態1においてこれ等の部品は、ニッケル、コバルト、鉄、さらにハフニウム、ジルコニウムおよびセリウムの酸化物、炭化物およびそれらの混合物のグループから選択される耐食性、導電性材料を含み、その熱膨張係数が基材100の熱膨張係数と近似的に適合している。これ等の材料の例として、インバール(Invar)およびコバール(Kovar)の商品名で販売されている超合金があるが、これ等に限定されるものではない。この構造により、例えばアルミニウムおよびその合金、ハフニウムおよびジルコニウムの炭化物、窒化物など被覆層形成工程に耐えることの出来ない、融点のより低い耐食性のコネクタ材料をコネクタ部品として使用する事が可能になる。被覆層300を形成するための被覆層形成工程は、熱スプレー法、高温CVD法その他蒸着法等、時として高温のプロセスが採用される。
【0054】
図10は図9に示す実施形態を変形したものの断面図を示す。この実施形態において、電極200は導電性の皮膜205によりメッキ又は被覆されている。実施形態1における保護皮膜205は、ニッケル、コバルト、鉄、さらにハフニウム、ジルコニウムおよびセリウムの酸化物、炭化物およびそれらの混合物のグループから選択される耐食性、導電性材料を含み、その熱膨張係数が電極200の熱膨張係数と近似的に適合している。保護皮膜205は、これらに限られるものではないが電解メッキ、無電解メッキ、塗装、スプレー法、蒸着法、スパッタリング、CVD等を含む公知の方法を用いて電極200上に形成できる。
【0055】
図11は本発明のもう一つの実施形態を示すもので、電極200に耐食性充填材230が付与されている。耐食性充填材/封止材230を使用することで、(図10に図示された)電極200の耐食性材料又は電極保護皮膜205の使用を回避することができる。実施形態1において、電極200はモリブデンを含み、AlN製基材の熱膨張係数に近似的に適合した熱膨張係数を有しているが、腐食性のフッ素ガスを含むある種のウェーハ製造工程環境に必要な耐食性を有していない。
【0056】
もう一つの実施形態を示す図12では、装置10のセラミックス製芯基材に凹部が加工されており、これらの凹部に機械加工された導電性のネジ付挿入部品240が具備され、凹部のナット220に固定されている。ロッドとナットの周りの空間には耐食性の充填材230が充填されている。本実施形態において、ネジ付挿入部品240、ナット220および充填材230は、電極200および被覆材300を形成する前に組み立てられる。コネクタロッド210(図示せず)は、被覆層形成後に機械加工されたネジ付挿入部品にネジ込むことができる。本実施形態のネジ付挿入部品および充填材の使用は、セラミックス基材へのネジ孔加工が困難な場合に特に有効である。挿入部品は、圧入組み立てでは熱膨張係数の適合する接着剤を使用又は選定することが困難な場合にも使用することができる。
【0057】
図13は図12に示した実施形態の変形で、ネジ付挿入部品の代わりにロッド状部品250が使用されており、さらにナット220が追加されて接続部の強化、保護を行っている。

【0058】
図14は、挿入部品を用いたさらにもう一つの実施形態の断面図である。図示したように、セラミック基材に穿孔された凹部に導電性の挿入部品240が設置されている。この挿入部品はニッケル又は他の導電性、耐エッチング性材料によりメッキされている。(図示せず)この挿入部品はナット220によりネジ固定されている。挿入部品は十分な長さを有しており、基材の表面(ウェーハがウェーハプロセス装置に接触する面と反対の面)から突出している。ナット220の周りの空間は耐食性の充填材230によって満たされている。本実施形態において、挿入部品240、ナット220、充填材230は、電極200の形成後かつ被覆層300の形成前に最終的な組み立てを行う。
【0059】
図15はウェーハプロセス装置のやや異なった実施形態を示す。本実施形態において、被覆層300はウェーハと接触しない面にのみ施されている。ある種の用途では、被覆層300は非理想的な場合がある。すなわち、発塵およびガス層の核生成に起因するノジュール等の欠陥および好ましくない要素の形成、又は被覆層が不均一、ないしは層厚さが不規則になる等である。このような非理想的な表面は、ウェーハの好適な熱的接触および/又は焦点ズレを起こす原因となる。図15に示すこの実施形態においては、ウェーハ接触面に成膜を行わないため、上記の不完全さを緩和することができる。
【0060】
図16は図14に示す実施形態の変形例を示すもので、隆起部および/又は陥没部および/又はメーサ(台形突起)部270を基材に含むものである。実施形態1において、隆起部は基材の全面に形成されている。もう一つの実施形態において、隆起面270は少なくともウェーハと接触する表面部分に設けられている。被覆層300はこれら270を特徴付ける一般的な輪郭に沿って形成される。いくつかの実施形態において、この隆起表面部分はウェーハとの接触面積を減少させるため、非理想性に起因する欠陥や危険性を低減する。
【0061】
図17は図15および図16に示す装置の特徴を兼ね備えた実施形態を示す断面図で、ノジュールや被覆層の不均一、ないしは層厚さの不規則と言った非理想性に起因する、ウェーハの接触不良の問題を最小化することができる。
【0062】
図18はウェーハプロセス装置10のもう一つの実施形態を示すものである。本実施形態において基材100はセラミックス製ではなく、グラファイト、モリブデン等の高融点金属などを例とする導電性材料となっている。図示したように、基材100には(オプションとして)TaC等の結合層、又は接合促進層211がさらに被覆されている。また圧入、接着、ネジ込み等の公知の方法で、絶縁性挿入部品212が基材100に挿入されている。基材はその後、絶縁性の下地層213で被覆される。次いで、電極200が形成され、ロッド210およびナット220の挿入、さらに被覆層300が形成される。絶縁性下地層213は被覆層300と同質又は異なる材料で、いずれの層もこれらに限られるものではないがCVD、熱CVD、ETP、イオンプレーティング等の公知の方法で形成される。
【0063】
図19は図18に示す実施形態の変形を示す。本実施形態において、セラミックス製の挿入部品は被覆された貫通孔219に置き換えられており、被覆層300形成の前に、この貫通孔を電極ロッド210が貫通し、ロッド210のいずれかの端部にナット220が取り付けられる。一つの実施形態において、ナットにはテーパ又はR(角丸)が付けられている。もう一つの実施形態(図示せず)において、充填材230は封入又は接続の保護のために用いられる。
【0064】
図20はウェーハプロセス装置10のさらにもう一つの実施形態を示す断面図である。本実施形態において、基材401はグラファイト等の導電性材料から成り、熱分解窒化ボロン等の絶縁層402により被覆されている。熱分解グラファイトを例とする電極200が絶縁層402上に形成される。図示の実施形態1において、電極200は少なくとも一層の絶縁性被覆層403で覆われる。次の工程で、電極200の一部は剥離され、焼結窒化アルミ二ウムなどで作られた耐食性ワッシャー404が取り付けられる。このアッセンブリ全体は、熱分解グラファイト製の耐エッチング被覆層405によって覆われる。最後に、窒化ハフニウム、コバルト、ニッケル、コバール超合金等を含む材料から成るバネ加圧式接点など、導電性耐食性加圧接点406が取り付けられる。
【0065】
図21は図20に示す実施形態の変形で、耐食性加圧接点の代わりにボルト407が使用されている。本実施形態においては、耐食性絶縁性ライナー408によって内部を覆われた貫通孔にボルト407が貫通している。実施形態1では、内部を覆われた貫通孔に焼結セラミックスの管が使用されている。
【0066】
本発明の耐食性構造は図示した実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の特徴を、耐食性接続部を有するウェーハプロセス装置の概念を逸脱することなく、組み合わせ、あるいは改変したいくつもの変形形態があることを注記する。
【0067】
耐食性充填材/接合材/保護用封入材
耐食性接続部分を有する本発明の各種実施形態には、図示したように、ある種の耐食性充填材230が使用されている。
【0068】
ここで用いる「充填材」と言う用語は、「封止材」、「接着剤」、「接合材」、「保護用封入材」と互換的に用いられ、電極、コネクタ、ロッド、およびナット、リベット等の止め具などウェーはプロセス装置の部品をさらに保護するための材料を示す。この充填材は耐熱性を有し、例えばグラファイト製ヒータや金属製止め具など他の部品と熱的に適合した、各種のセラミックス、ガラス、又はガラス状セラミックスを含むことができる。
【0069】
充填材が熱的に適合すると事は、充填材マトリックスの熱膨張係数が、隣接する基材のそれに近似的に適合すれば、熱サイクルに曝された際の材料の示差熱膨張が小さくなって充填材の剥離や剥がれが起こらないと言うことを示している。実施形態1において、充填材はセラミックス基材および金属製接続部品/止め具の中間の熱膨張係数を有した材料から成っている。ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、石英ガラスおよびこれらの混合ガラスは、充填材として適する例に挙げられる。
【0070】
また、半導体工程環境に化学的に適合する充填材とは、腐食性ガスおよびそのプラズマに対し反応性が低い充填材で、たとえガス中のフッ素との反応が起こったとしても、その反応生成物は高融点の化合物で、プラズマ又は腐食性ガスによる腐食を抑制する効果を有する充填材を意味する。
【0071】
一つの実施形態において、充填材の組成には周期律表のIIa族、IIIa族およびIVa族の元素から成るグループから選択される少なくとも1つの元素が含まれている。ここで言うIIa族元素とは、Be、Mg、Ca、SrおよびBaを含むアルカリ土類金属元素を意味する。IIIa族はSc、Y又はランタノイド元素を意味する。ここで言うIVa族元素とはTi、Zr又はHfを意味する。
【0072】
好適な充填材の組成の例として、ランタンアルミノシリケート(LAS)、マグネシウムアルミノシリケート(MAS)、カルシウムアルミノシリケート(CAS)、イットリウムアルミノシリケート(YAS)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。マトリックス材料は、意図された用途に予期される要求に基づいて選択される。実施形態1では、マトリックス材料は理論的平均熱膨張係数が4.9×10−6/KのAlN被覆層と理論的平均熱膨張係数が5.3×10−6/Kのグラファイト製ヒータエレメントを有するヒータ用途に適合するよう選択される。もう一つの実施形態における充填材は、熱膨張係数が4.9×10−6/KのAlN被覆層と高融点金属製止め具の熱膨張係数の中間になるよう選択されており、これら高融点金属製止め具は、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)又は銅タングステン合金(CuW)、銅モリブデン合金(CuMo;85/15CuMoの熱膨張係数6.9ppm/C)、モリブデンマンガン合金(MoMn)などを含んでいる。
【0073】
一つの実施形態において、充填材の組成はBaO―Al―B―SiOガラスに基づいており、オプションとして熱膨張係数を基材のそれに合わせるためLa、ZrO又はNiOが添加されている。実施態様1において、この組成は30から40モル%のBaO、5から15モル%のいずれか一項;10から25モル%のB、25から40モル%のSiO;0から10モル%のLa;0から10モル%のZrO;0から10モル%のNiOを含み、B/SiOのモル比が0.25から0.75となっている。もう一つの実施形態では、AlN被覆層とグラファイト基層の熱膨張係数に充填材のそれを適合させるため、La、ZrO又はNiOが添加されている。ここでLaとNiOはガラスの熱膨張係数を増大させ、ZrOはガラスの熱膨張係数を減少させる。
【0074】
もう一つの実施形態において、充填材はバリウムランタンケイ酸(BLS)ガラスであり、一般的に30−35モル%BaO、10−15モル%La、および50−60モル%SiOの組成を有しており、熱膨張係数は10−12ppm、軟化点は750°Cから850°Cとなっている。
【0075】
さらにもう一つの実施形態において、充填材の組成はイットリア含有量25から55重量%、融点1600未満、狭い幅のガラス転移温度884から895°CのY―Al―SiO(YAS)ガラスに基づいており、その熱膨張係数はYの増加とともに増大し、またSiOの増加とともに減少する。実施形態1におけるYAS製充填材の組成は、25−55重量%のY、13−35重量%のAlおよび25−55重量%のSiOを含み、熱膨張係数は31から70×10−7/Kとなっている。実施形態2におけるYAS製充填材の組成は、すべてモル%で17Y−19Al−64SiOを含み、非常に優れた化学的耐性を有している。
【0076】
実施形態1においては、隣接する基材との熱膨張係数の適合を図るため、YASガラスに十分な量のドーパント(微量添加物)が添加されている。微量添加物の例として、ガラスの熱膨張係数を高めるBaO、La又はNiO、熱膨張係数を低下させるZrOが挙げられる。
【0077】
実施形態3において充填材の組成は、酸素を除く金属原子の原子比率で1から30原子%のIIa族、IIIa族およびIVa族元素と、20から99原子%のSi元素を含む。実施形態1のアルミノケイ酸ガラスの場合、その組成は20から98原子%のSi元素、1から30原子%のY、La又はCe元素さらに1から50原子%のAl元素を含んでいる。さらにもう一つの実施形態において、アルミノケイ酸ガラスは(Si:Al:IIIa族)の金属元素のそれぞれの比率が(70:20:10)、(50:20:30)、 (30:40:30)、(30:50:20)、(45:50:5)および(70:25:5)の各点を結んだ範囲の中に入るようになっている。実施形態1のジルコニアケイ酸ガラス充填材の場合、その組成は20から98原子%のSi元素、1から30原子%のY、La又はCe元素さらに1から50原子%のZr元素を含んでいる。一例として、ジルコニアケイ酸ガラスは(Si:Zr:IIIa族)の金属元素のそれぞれの比率が(70:25:5)、(70:10:20)、(50:20:30)、(30:40:30)、(30:50:20)および(45:50:5)の各点を結んだ範囲の中に入るようになっている。もう一つの実施形態において、ジルコニアケイ酸ガラス充填材は(Si:Zr:IIIa族)の金属元素のそれぞれの比率が(70:25:5)、(70:10:20)、(50:22:28)、(30:42:28)、(30:50:20)および(45:50:5)の各点を結んだ範囲の中に入るようになっている。IIa族元素を含むジルコニアケイ酸ガラスの場合、(Si:Zr:IIa族)の金属元素のそれぞれの比率が(70:25:5)、(45:25:30)、(30:42:30)、(30:50:20)および(50:45:5)の各点を結んだ範囲の中に入るようになっている。
【0078】
実施形態1における充填材の組成は、SiOとY、Sc、La、Ce、Gd、Eu、Dy等の酸化物、これ等いずれかの金属のフッ化物、又はイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)を含む耐プラズマ材料の混合物である。これ等金属酸化物および/又はこれ等金属酸化物と酸化アルミニウムの組合せを使用することもできる。例えば、Yは少量比率(通常、体積比で20%未満)のAlと組み合わせて使用することが可能で、これにより下に形成されたヒータ基材に、ガラス充填材の熱膨張係数を合わせることができる。
【0079】
充填材の形成方法と適用:
実施形態1における充填材の構成はペースト又は塗料となっており、本発明のウェーハプロセス装置の接合部分の周りに塗布される。実施形態1では、充填材は接合部品又は止め具周辺に広がりを持ったビードを形成している。実施形態2における充填材は塗料の形態で、接合部品又は止め具にスプレー又は塗布され、少なくとも0.1milの保護皮膜を形成し、接合部位を半導体製造工程環境の塩素又はフッ素に対して保護している。実施形態3における保護皮膜は、少なくとも0.5milの厚みを有している。
【0080】
さらにもう一つの実施形態において、充填材はガラスセラミックスを適用する際の公知の方法、すなわち熱/火焔スプレー法、プラズマ放電スプレー法、スパッタリング、化学気相蒸着法などの方法により形成され、少なくとも0.5milの被覆層/封止層として、接点および近接部品間の開口部、亀裂部等を封止し、またヒータの保護層として機能する。実施形態1において、保護被覆封止層の厚さは0.5から約4milとなっている。さらにもう一つの実施形態では、封止する基材の表面をガラスセラミックス組成の層を被覆する前に、予め少なくとも150から200°Cに加熱する。
【0081】
ヒータ又はウェーハホルダ装置における接合材/被覆層又は封止材は、400度を超える半導体製造環境の酸化又は還元雰囲気中で、相当期間(10時間)に渡り保護を提供する。さらに充填材は、各種ヒータ部品が数百回の熱サイクルに曝された際に潜在的に発生しうる熱膨張係数のミスマッチを緩和する。ペースト状充填材の一つの実施形態では、充填材は粉砕されたガラス原料(フリット)で、100メッシュの平均粒径を有している。実施形態1では、ガラスフリットは80メッシュ未満の平均粒系を有している。実施形態2では、平均粒径は60メッシュ未満である。実施形態3では、平均粒径は40メッシュ未満である。
【0082】
実施形態1におけるガラスフリットは、まず(溶液中で)金属酸化物粉末と混合され、その混合比はガラスフリット:金属酸化物比で80:20から95:5の割合である。金属酸化物の例としては、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化イットリウム、酸化亜鉛などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。実施形態1における金属酸化物はAlであり、平均粒子サイズは約0.05μmである。実施形態3において、ガラスフリットは金属酸化物と溶液中、例えばコロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、コロイダルイットリア、コロイダルジルコニアおよびそれらの混合物中で混合される。
【0083】
実施形態1において、混合物はキャリア溶液とともにボールミル等の公知の装置で混合され、10−25重量%キャリア溶液に対し75−90重量%のガラスフリット/金属酸化物混合物の比率で、スラリー又はペーストを形成する。実施形態1におけるキャリア溶液は、1重量%未満の硝酸を含む蒸留水である。実施形態2におけるキャリア溶液はエチルアルコールと蒸留水の混合液である。実施形態3におけるキャリア溶液は水酸化リチウムである。
【0084】
実験例1:本実験例では、試薬級の原材料を用い45重量%のイットリウム酸化物、20重量%のアルミニウム酸化物および35重量%の二酸化ケイ素の均一な粉末を混合し、ガラスを形成した。前記の粉末混合物はプラチナ製坩堝で1400°C、1時間の加熱を行った。溶融したガラスを鋼製の型に注ぎ込み、680°Cから室温まで12時間かけて焼鈍した。このようにして作成したガラスを、Alエレメントの粉砕機によりプロパノール中で粉砕し、平均粒径100μmのガラス粒子を得た。
【0085】
次いで、ガラス粒子を、ガラス粒子75重量%、コロイダルアルミナ25重量%の比率でアルミナ溶液中に加え、ガラス−セラミックス接合塗料/接合材とした。コロイダルアルミナ溶液は、一般に販売されているものでNycaol Nano Technologies社製のNyacol(登録商標) AL20DWを使用した。本製品は20−25重量%のAl、1重量%未満の硝酸と75−79重量%の蒸留水を含んでいる。塗布に際しては、本ペーストを>1000°Cで過熱し下地部品を保護する耐エッチング層を形成した。高温で加熱することにより、ペーストは機能部品、導線、およびナット、ボルト、リベット等の止め具など(限定されるものではない)の被曝面上にシール(封止)を形成する。
【0086】
実験例2:セラミックス基材(AlN)上に、導電性の加熱エレメント(モリブデンマンガン合金)を蒸着した。基材には電気接点部品を装着するための貫通孔が設けられている。次いで、Niメッキしたモリブデンのポストをモリブデン製止め具を用いて装着した。実験例1の接合材を、Niメッキしたモリブデンポスト、モリブデン止め具、AlN基材上の加熱エレメントおよびAlN基材の周りの被曝部分に塗布した。次いで、電気接点を含むアッセンブリ全体上に、CVD法を用いてAlN皮膜を形成した。
【0087】
AlN基材を有するヒータの半導体工程環境におけるシミュレーション試験として、ヒータおよび接続部に対し、温度変化速度45°C/分で400°Cおよび500°C間における100回の熱サイクル試験を実施した。もう一つの実験では、グラファイト芯基材を有するヒータについて、温度変化速度60°C/分で400°Cおよび600°C間における100回の熱サイクル試験を実施した。これらの試験は、前記ガラスセラミックス接合材が熱応力下で十分に機能するか否かを決めるために行われた。100回の熱サイクル試験の後にヒータ被覆材の目視検査を実施したが、熱応力に起因する欠陥は認められず、ヒータ被覆層を保護するガラスセラミック結合材を含むすべての部品の熱膨張係数が、十分に適合していることが確認された。
【0088】
さらにヒータを真空槽内に装着し、およそ1ミリトールの真空下に曝した。その後、電源を供給しヒータ温度が400°Cになるまで加熱を行った。400°Cに達した時点で、ヒータはフッ素/アルゴンプラズマに10時間曝露された。プラズマは400sccm
(標準立方センチメータ:standard cubic centimeters)のNFガスと1200sccmのArガスによって形成された。試験時の槽内真空度は2.8torrであった。
【0089】
いずれのヒータについても10時間のエッチング環境下で、電気抵抗の目立った変化は認められなかった(<0.4%)10時間経過後、ヒータを真空容器から取り外し目視観察を行った。止め具等の周辺のAlNには欠陥が認められなかった。また、電気接点アッセンブリ同士およびこれらとヒータ間の接合部分においても欠陥は認められなかった。ガラスセラミックス接合材は、本発明のヒータ封止材として優れた機能を発揮する。
【0090】
実験例3:試薬級の45重量%のイットリウム酸化物、20重量%のアルミニウム酸化物および35%の二酸化ケイ素を混合した粉末からなる充填材を、公知の他材料であるアルミナ、モリブデン、TaC、AlN、グラファイトおよびニッケルと比較した。試験に当たっては、a)試験前にサンプルの寸法と質量を測定し、b)真空槽内にサンプルを置き、その後槽内圧が1ミリトールになるまで真空引き、c)所定の試験温度にサンプルを加熱、d)フッ素/アルゴンプラズマをサンプル上で所定の時間発生し、e)試験後にサンプルを槽から取り出し、曝露後の質量を測定・記録した。腐食速度は下記の方法で計算した。
腐食速度=質量減少/密度/曝露面積/時間
ここで負の腐食速度は、曝露時に質量の増加があったことを意味し、耐腐食性が優れていることを意味している。
【0091】
実験結果をYAS充填材と他の材料との比較で以下に示す。Moのデータは一般に多くの科学文献からも入手することができる。
【表1】

【0092】
本明細書では最良実施形態を含む実験例を用いて発明を開示し、当業者が本発明を製作、実施できるようにしたものである。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】ウェーハ又は基板プロセス装置の一つの形態を示した斜視図である
【図2】A−Cは、図9に示す基板プロセス装置において、異なる積層構造を有する各種の実施形態を示した断面図である。
【図3】本発明のウェーハプロセス装置の一つの実施形態を示す断面図である。
【図4】ウェーハプロセス装置の接続部分をテーパ状にすることを特徴とする、本発明の第二実施形態の一例を示す断面図である。
【図5】ウェーハプロセス装置に耐食性充填材を採用した、本発明の一つの実施形態を示す断面図である。
【図6】ウェーハプロセス装置の異なる実施形態で、複数の電極を有する形態を示す断面図である。
【図7】図4に示すウェーハプロセス装置の異なる実施形態で、複数の電極を有する形態を示す断面図である。
【図8】図5に示すウェーハプロセス装置の異なる実施形態で、複数の電極を有する形態を示す断面図である。
【図9】図3に示すウェーハプロセス装置の異なる実施形態で、接続部位において部分的に保護膜を除去した形態を示す断面図である。
【図10】図9に示すウェーハプロセス装置の異なる実施形態で、電極が電導性の保護膜によってメッキ又は被覆された形態を示す断面図である。
【図11】図9に示すウェーハプロセス装置の異なる実施形態で、耐食性充填材を採用した形態を示す断面図である。
【図12】図3に示すウェーハプロセス装置の異なる実施形態で、セラミック製芯基材に複数の凹部を追加的に穿孔し、機械加工された導電性挿入部材を用いる形態を示す断面図である。
【図13】図12に示すウェーハプロセス装置の異なる実施形態で、ネジ付き挿入部材がロッドおよびナットに置き換えられた形態を示す断面図である。
【図14】図3に示すウェーハプロセス装置の異なる実施形態で、セラミック製芯基材に複数の凹部を追加的に穿孔し、機械加工された導電性のネジ付き挿入部材を用いる形態を示す断面図である。
【図15】図14に示すウェーハプロセス装置の異なる実施形態で、保護膜がウェーハと接触しない部分のみに付けられた形態を示す断面図である。
【図16】図14に示すウェーハプロセス装置の異なる実施形態で、凹部および/又は、凸部および/又は、メサ(台形状突起)が取り入れられた形態を示す断面図である。
【図17】図15および図16に示すウェーハプロセス装置の異なる実施形態で、両者の特徴を組み合わせた形態を示す断面図である。
【図18】本発明のウェーハプロセス装置のもう一つの実施形態で、導電性の芯基材を採用した形態を示す断面図である。
【図19】図18に示すウェーハプロセス装置の異なる実施形態で、保護膜を施した貫通孔を採用した形態を示す断面図である。
【図20】本発明のウェーハプロセス装置のさらにもう一つの実施形態で、部分的に曝された電極に、耐食性の座金を適用した形態を示す断面図である。
【図21】図20に示すウェーハプロセス装置の異なる実施形態で、保護膜を施した各貫通孔にボルトを使用した形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0094】
10 ウェーハプロセス装置
12 セラミックス製基材
13 上面
15 電気端子
16 ヒータ抵抗、加熱エレメント又は電極
18 基板
19 絶縁性保護層
25 保護層
100 ベース基材
200 パターン電極
202 付加的電極
205 導電性皮膜
210 ネジ付コネクタロッド
211 結合層、又は接合促進層
212 絶縁性挿入部品
213 絶縁性下地層
219 貫通孔
220 コネクタナット
230 充填材
240 ネジ付挿入部品
250 ロッド状部品
270 隆起部および/又は陥没部および/又はメーサ(台形突起)部
300 耐食性被覆材
401 導電性基材
402 絶縁層
403 絶縁性被覆層
404 耐食性ワッシャー
405 耐エッチング被覆層
406 導電性耐食性加圧接点
408 耐食性絶縁ライナー




【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスチャンバー内で使用されるプロセス装置にあって:
ある熱膨張係数を有するウェーハを担持するためのベース基材と:
前記ベース基材の少なくとも一つの表面に埋設又は配置された電極にあって、前記電極が抵抗加熱電極、プラズマ発生電極、静電チャック電極、電子ビーム電極の何れかから選択され、前記電極の熱膨張係数が前記ベース基材の熱膨張係数の0.75から1.25倍である少なくとも一つの電極と:
導線、つまみ(タブ)、挿入部品(インサート)、貫通又は貫入孔の群から選択される少なくとも一つの機能部材において、前記少なくとも一つの機能部材が前記ウェーハプロセス装置にある間隙をおいて貫通又は貫入し隙間を形成する少なくとも一つの機能部材と:
前記ウェーハプロセス装置の前記間隙を封止するための充填材にあって、前記充填材のエッチング速度が、前記装置が25°Cから600°Cの温度範囲の運転環境に曝された際に1000オングストローム毎分(Å/分)未満であり、前記運転環境がハロゲン族を含む環境、プラズマエッチング環境、反応性イオンエッチング環境、プラズマ浄化環境、ガス浄化環境および運転環境の何れか一つの環境である充填材と:
を含むことを特徴とするプロセス装置。
【請求項2】
前記充填材のエッチング速度が1000オングストローム毎分(Å/分)未満であり運転環境の温度範囲が200°Cから600°Cであることを特徴とする、請求項1に記載のプロセス装置。
【請求項3】
前記充填材のエッチング速度が500オングストローム毎分(Å/分)未満であり運転環境の温度範囲が200°Cから600°Cであることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のプロセス装置。
【請求項4】
前記充填材の組成が、NaZr(POのNZP構造を有した高熱安定型リン酸ジルコニウム;周期律表のIIa族、IIIa族およびIVa族の元素から成る群から選択される少なくとも1つの元素を含むガラス状セラミックス;BaO―Al―B―SiO系ガラス;SiOとY、Sc、La、Ce、Gd、Eu、Dy等の酸化物を含む耐プラズマ性材料、又は前記これ等金属のフッ化物、又はイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)との混合物;の群から選択される組成を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のプロセス装置。
【請求項5】
前記充填材が、ランタンアルミノケイ酸塩(LAS)ガラス、マグネシウムアルミノケイ酸塩(MAS)ガラス、カルシウムアルミノケイ酸塩(CAS)ガラス、イットリウムアルミノケイ酸塩(YAS)ガラスおよびこれ等の混合物の群から選択されるガラスセラミックス組成であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のプロセス装置。
【請求項6】
前記充填材の組成が、イットリウムアルミノケイ酸塩(YAS)と酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛の群から選択される金属酸化物粉末の混合物を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のプロセス装置。
【請求項7】
前記充填材がイットリウムアルミノケイ酸塩(YAS)と;
コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、コロイダルイットリア、コロイダルジルコニアおよびそれらの混合物の少なくとも一つと;
の混合物を含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のプロセス装置。
【請求項8】
前記充填材が、25から55重量%のY、13から35重量%のAlおよび25から55重量%のSiOを含む50から80重量%のガラス組成を含み:
さらに20から25重量%のAl、1重量%未満の硝酸および75から79重量%の蒸留水の組成を有する20から50重量%のコロイダルアルミナを含むことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のプロセス装置。
【請求項9】
前記間隙を封止する前記充填材の熱膨張係数が、電極の熱膨張係数の0.75から1.25倍の範囲にあることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のプロセス装置。
【請求項10】
ベース基材がグラファイト、高融点金属、遷移金属、希土類金属およびそれらの合金の群から選択される導電性材料を含むことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のプロセス装置。
【請求項11】
前記プロセス装置において、ベース基材上に配置された少なくとも一つの電気的絶縁被覆層をさらに含み、前記被覆層がB、Al、Si、Ga、Y、硬質高融点金属、遷移金属、およびこれらを組合せた群から選択される元素の窒化物、炭化物、炭窒化物、酸窒化物の少なくとも一つを含み、かつ前記電極が薄膜電極であり、かつ前記薄膜電極が、膨張熱プラズマ法(ETP)、化学気相蒸着法(CVD)、プラズマ化学気相蒸着法、イオンプラズマ蒸着法、金属有機化学気相蒸着法、金属有機気相エピタキシー法、スパッタリング法、電子ビーム法およびプラズマスプレー法の少なくとも一つの方法で形成された電気的絶縁層上に配置されたことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載のプロセス装置。
【請求項12】
前記プロセス装置において、ベース基材がB、Al、Si、Ga、Yの群から選択される元素の酸化物、窒化物、炭窒化物、又は酸窒化物;およびNaZr(POのNZP構造を有した高熱安定型リン酸ジルコニウム;硬質高融点金属、遷移金属;アルミニウム酸化物、アルミニウム酸窒化物、およびこれらを組合せた群から選択される電気的絶縁材料で、前記電極がベース基材に埋設されていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のプロセス装置。
【請求項13】
前記プロセス装置において、少なくとも一つの電極が抵抗加熱電極、又は静電チャック電極であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のプロセス装置。
【請求項14】
半導体のプロセスチャンバーに用いられるウェーハプロセス装置にあって:
ウェーハを担持するためのある熱膨張係数を有するベース基材と:
前記ベース基材の中又は表面下に埋設又は配置された電極にあって、前記電極が抵抗加熱電極、プラズマ発生電極、静電チャック電極、電子ビーム電極の何れかから選択され、前記電極の熱膨張係数が前記ベース基材の熱膨張係数の0.75から1.25倍である少なくとも一つの電極と:
前記ベース基材上に配置された少なくとも一つの被覆層にあって、前記被覆層がB、Al、Si、Ga、Y、硬質高融点金属、遷移金属、およびこれらを組合せた群から選択される元素の窒化物、炭化物、炭窒化物、酸窒化物の少なくとも一つを含む被覆層と:
導線、つまみ(タブ)、挿入部品(インサート)、貫通又は貫入孔の群から選択される少なくとも一つの機能部材において、前記少なくとも一つの機能部材が前記ウェーハプロセス装置にある間隙をおいて貫通又は貫入し隙間を形成する少なくとも一つの機能部材と:
前記ウェーハプロセス装置内の間隙を封止する充填材にあって、前記装置が25°Cから600°Cの温度範囲の運転環境に曝された際に、前記充填材のエッチング速度が1000オングストローム毎分(Å/分)であり、前記運転環境がハロゲン族を含む環境、プラズマエッチング環境、反応性イオンエッチング環境、プラズマ浄化環境、ガス浄化環境および運転環境の何れか一つの環境である充填材と:
を含むことを特徴とするウェーハプロセス装置。
【請求項15】
半導体のプロセスチャンバーに用いられるウェーハプロセス装置にあって:
ウェーハを担持するためのある熱膨張係数を有するベース基材において、前記ベース基材がB、Al、Si、Ga、Y;硬質高融点金属;遷移金属;の群から選ばれる元素の酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物又は酸窒化物;NaZr(POのNZP構造を有した高熱安定型リン酸ジルコニウム;アルミニウム酸化物;アルミニウム酸窒化物;およびこれらの組合せ;からなる群の中から選択された電気的に絶縁性のベース基材と:
前記ベース基材の中又は表面下に埋設又は配置された電極にあって、前記電極が抵抗加熱電極、プラズマ発生電極、静電チャック電極、電子ビーム電極の何れかから選択され、前記電極の熱膨張係数が前記ベース基材の熱膨張係数の0.75から1.25倍である少なくとも一つの電極と:
前記ベース基材上に配置された少なくとも一つの被覆層にあって、前記被覆層がB、Al、Si、Ga、Y、硬質高融点金属、遷移金属、およびこれらを組合せた群から選択される元素の窒化物、炭化物、炭窒化物、酸窒化物の少なくとも一つを含む少なくとも一つの被覆層と:
導線、つまみ(タブ)、挿入部品(インサート)、貫通又は貫入孔の群から選択される少なくとも一つの機能部材において、前記少なくとも一つの機能部材が前記ウェーハプロセス装置にある間隙をおいて貫通又は貫入し隙間を形成する少なくとも一つの機能部材と:
前記ウェーハプロセス装置内の間隙を封止する充填材にあって、前記充填材の組成がNaZr(POのNZP構造を有した高熱安定型リン酸ジルコニウム;周期律表のIIa族、IIIa族およびIVa族の元素から成る群から選択される少なくとも1つの元素を含むガラス状セラミックス;BaO―Al―B―SiO系ガラス;SiOとY、Sc、La、Ce、Gd、Eu、Dy等の酸化物を含む耐プラズマ性材料、又は前記これ等金属のフッ化物との混合物、又はイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)を含む耐プラズマ材料の群から選択される組成を含む充填材で、前記充填材のエッチング速度が、前記装置が25°Cから600°Cの温度範囲の運転環境に曝された際に1000オングストローム毎分(Å/分)であり、前記運転環境がハロゲン族を含む環境、プラズマエッチング環境、反応性イオンエッチング環境、プラズマ浄化環境、ガス浄化環境および運転環境の何れか一つの環境であり、前記機能部材が電気導線であり、外部電源と前記電極を結合する前記導線により前記間隙が形成されている充填材と:
を含むことを特徴とするウェーハプロセス装置。
【請求項16】
プロセスチャンバーに用いられるウェーハプロセス装置にあって:
ウェーハを担持するためのある熱膨張係数を有するベース基材と:
抵抗加熱電極、プラズマ発生電極、静電チャック電極、電子ビーム電極の群から選択される電極にあって、前記電極が前記ベース基材の熱膨張係数の0.75から1.25倍の熱膨張係数を有する少なくとも一つの電極と:
電気導線、接合タブ、挿入部品(インサート)、貫通又は貫入孔、電極を外部電源に接続するためのコネクタの群から選択される少なくとも一つの機能部材において、前記電極および前記コネクタの少なくとも何れか一つの一部分が導電性の耐エッチング材料で被覆されており、被覆厚さが0.000004インチから0.010インチでベース基材の熱膨張係数に適合するに十分な延性を有し、少なくとも被覆層の90%に亀裂が生じていない状態にある機能部材と:を含み、
前記プロセス装置が、600°C以上の温度環境で運転され、前記環境がハロゲン族を含む環境、プラズマエッチング環境、反応性イオンエッチング環境、プラズマ浄化環境、ガス浄化環境および運転環境の何れか一つの環境であることを特徴とするウェーハプロセス装置。
【請求項17】
運転環境に曝される前記コネクタの一部が、ニッケル、クロムおよびこれ等の合金の群から選択され、>5%の延性を有する導電性耐エッチング材料で被覆されていることを特徴とする請求項16に記載のプロセス装置。
【請求項18】
前記コネクタがロッドであり、前記コネクタロッドが前記ウェーハプロセス装置に、R付ナット又はテーパの付いたナットの何れか一つによって取り付けられており、前記ナットがニッケル、クロムおよびこれ等の合金の群から選択され、>5%の延性を有する導電性耐エッチング材料で被覆されていることを特徴とする請求項16又は請求項17に記載のプロセス装置。
【請求項19】
前記ナットがさらに、NaZr(POのNZP構造を有した高熱安定型リン酸ジルコニウム;周期律表のIIa族、IIIa族およびIVa族の元素から成る群から選択される少なくとも1つの元素を含むガラス状セラミックス;BaO―Al―B―SiO系ガラス;SiOとY、Sc、La、Ce、Gd、Eu、Dy等の酸化物を含む耐プラズマ性材料、又は前記これ等金属のフッ化物、又はイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)との混合物;の群から選択される組成を含むことを特徴とする請求項18に記載のプロセス装置。
【請求項20】
ウェーハプロセス装置に電極を取り付けるコネクタがR付ナット又はテーパの付いたナットの何れか一つであって、前記ナットがニッケル、クロムおよびこれ等の合金の群から選択され、>5%の延性を有する導電性耐エッチング材料で被覆されていることを特徴とする請求項16から請求項19のいずれか一項に記載のプロセス装置。
【請求項21】
前記コネクタがさらに、
NaZr(POのNZP構造を有した高熱安定型リン酸ジルコニウム;
周期律表のIIa族、IIIa族およびIVa族の元素から成る群から選択される少なくとも1つの元素を含むガラス状セラミックス;
BaO―Al―B―SiO系ガラス;
SiOとY、Sc、La、Ce、Gd、Eu、Dy等の酸化物を含む耐プラズマ性材料、又は前記これ等金属のフッ化物、又はイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)との混合物;
の群から選択される組成を含むことを特徴とする請求項16から請求項20のいずれか一項に記載のプロセス装置。
【請求項22】
少なくとも一つの機能部材が前記ウェーハプロセス装置にある間隙をおいて貫通又は貫入し隙間を形成し、前記間隙がニッケル、クロムおよびこれ等の合金の群から選択され、>5%の延性を有する導電性耐エッチング材料で被覆されたコネクタにより封止されていることを特徴とする請求項16から請求項21のいずれか一項に記載のプロセス装置。
【請求項23】
コネクタがナット、ボルト、リベット、ロッド、ワッシャー、バネ、チューブのいずれか一つによって前記電極が前記装置に取り付けられており、前記締結部品と前記装置の間には少なくとも一つの隙間があり、前記少なくとも一つの隙間が、NaZr(POのNZP構造を有した高熱安定型リン酸ジルコニウム;
周期律表のIIa族、IIIa族およびIVa族の元素から成る群から選択される少なくとも1つの元素を含むガラス状セラミックス;BaO―Al―B―SiO系ガラス;SiOとY、Sc、La、Ce、Gd、Eu、Dy等の酸化物を含む耐プラズマ性材料、又は前記これ等金属のフッ化物、又はイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)との混合物;
の群から選択される組成により充填されていることを特徴とする請求項16から請求項22のいずれか一項に記載のプロセス装置。
【請求項24】
前記プロセス装置が、B、Al、Si、Ga、Y、硬質高融点金属、遷移金属、およびこれらの組合せからなる群より選択される元素の窒化物、炭化物、炭窒化物、酸窒化物の一つを含む被覆層によって被覆されており、前記電極がハフニウム、ジルコニウム、セリウムおよびこれらの混合物の炭化物および酸化物の群から選択される材料を含むことを特徴とする請求項16から請求項23のいずれか一項に記載のプロセス装置。
【請求項25】
ベース基材がグラファイト、高融点金属、遷移金属、希土類金属およびそれらの合金の群から選択される導電性材料を含むことを特徴とする請求項16から請求項24のいずれか一項に記載のプロセス装置。
【請求項26】
前記ベース基材上に配置された少なくとも一つの電気的絶縁被覆層をさらに含み、前記被覆層がB、Al、Si、Ga、Y、硬質高融点金属、遷移金属、およびこれらを組合せた群から選択される元素の窒化物、炭化物、炭窒化物、酸窒化物の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項16から請求項25のいずれか一項に記載のプロセス装置
【請求項27】
ベース基材がB、Al、Si、Ga、Y;硬質高融点金属;遷移金属;の群から選ばれる元素の酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物又は酸窒化物;NaZr(POのNZP構造を有した高熱安定型リン酸ジルコニウム;アルミニウム酸化物;アルミニウム酸窒化物;およびこれらの組合せ;からなる群の中から選択された電気的絶縁性材料である事を特徴とする請求項16から請求項24のいずれか一項に記載のプロセス装置。
【請求項28】
半導体プロセスチャンバー内で使用されるウェーハプロセス装置にあって:
ある熱膨張係数を有するウェーハを担持するためのベース基材と:
前記ベース基材の中又は表面下に埋設又は配置された電極にあって、前記電極が抵抗加熱電極、プラズマ発生電極、静電チャック電極、電子ビーム電極の何れかから選択され、前記電極の熱膨張係数が前記ベース基材の熱膨張係数の0.75から1.25倍である少なくとも一つの電極と:
前記ベース基材上に配置された少なくとも一つの被覆層にあって、前記被覆層がB、Al、Si、Ga、Y、硬質高融点金属、遷移金属、およびこれらを組合せた群から選択される元素の窒化物、炭化物、炭窒化物、酸窒化物の少なくとも一つを含む被覆層と:
導線、コネクタタブ、挿入部品(インサート)、貫通又は貫入孔の群から選択される少なくとも一つの機能部材において、前記少なくとも一つの機能部材が前記ウェーハプロセス装置にある間隙をおいて貫通又は貫入し隙間を形成する少なくとも一つの機能部材と:
前記電極を外部電源に接続するためのコネクタにあって、前記電極および前記コネクタの少なくとも何れか一つの一部分が導電性の耐エッチング材料で被覆されており、被覆厚さが0.000004インチから0.010インチでベース基材の熱膨張係数に適合するに十分な延性を有し、少なくとも被覆層の90%に亀裂が生じていない状態にあるコネクタと:を含み、
前記プロセス装置が少なくとも温度600°Cの運転環境で使用され、前記運転環境がハロゲン族を含む環境、プラズマエッチング環境、反応性イオンエッチング環境、プラズマ浄化環境、ガス浄化環境および運転環境の何れか一つの環境であることを特徴とするウェーハプロセス装置。
【請求項29】
半導体プロセスチャンバー内で使用されるウェーハプロセス装置にあって:
ウェーハを担持するためのある熱膨張係数を有するベース基材において、前記ベース基材がB、Al、Si、Ga、Y;硬質高融点金属;遷移金属;の群から選ばれる元素の酸化物、窒化物、炭化物、炭窒化物又は酸窒化物;NaZr(POのNZP構造を有した高熱安定型リン酸ジルコニウム;アルミニウム酸化物;アルミニウム酸窒化物;およびこれらの組合せ;からなる群の中から選択された電気的に絶縁性のベース基材と:
前記ベース基材の中又は表面下に埋設又は配置された電極にあって、前記電極が抵抗加熱電極、プラズマ発生電極、静電チャック電極、電子ビーム電極の何れかから選択され、前記電極の熱膨張係数が前記ベース基材の熱膨張係数の0.75から1.25倍である少なくとも一つの電極と:
前記ベース基材上に配置された少なくとも一つの被覆層にあって、前記被覆層がB、Al、Si、Ga、Y、硬質高融点金属、遷移金属、およびこれらを組合せた群から選択される元素の窒化物、炭化物、炭窒化物、酸窒化物の少なくとも一つを含む被覆層と:
導線、コネクタ、タブ、挿入部品(インサート)、貫通又は貫入孔の群から選択される少なくとも一つの機能部材において、前記少なくとも一つの機能部材が前記ウェーハプロセス装置にある間隙をおいて貫通又は貫入し隙間を形成する少なくとも一つの機能部材と:
前記ウェーハプロセス装置において前記導線の貫通又は貫入によって生じた間隙を封止するための充填材と:
を含むことを特徴とするウェーハプロセス装置。
【請求項30】
半導体プロセスチャンバー内で使用されるウェーハプロセス装置にあって:
ウェーハを担持するためのある熱膨張係数を有するベース基材と:
前記ベース基材の中又は表面下に埋設又は配置された電極にあって、前記電極が抵抗加熱電極、プラズマ発生電極、静電チャック電極、電子ビーム電極の何れかから選択され、前記電極の熱膨張係数が前記ベース基材の熱膨張係数の0.75から1.25倍である少なくとも一つの電極と:
前記ベース基材上に配置された少なくとも一つの被覆層にあって、前記被覆層がB、Al、Si、Ga、Y、硬質高融点金属、遷移金属、およびこれらを組合せた群から選択される元素の窒化物、炭化物、炭窒化物、酸窒化物の少なくとも一つを含む被覆層と:
導線、コネクタ、タブ、挿入部品(インサート)、貫通又は貫入孔の群から選択される少なくとも一つの機能部材において、前記少なくとも一つの機能部材が前記ウェーハプロセス装置にある間隙をおいて貫通又は貫入し隙間を形成する少なくとも一つの機能部材と:
前記ウェーハプロセス装置の前記間隙を封止するための充填材と:
前記電極を外部電源に接続するコネクタにおいて、前記プロセス装置が、600°C以上の温度環境で運転され、前記環境がハロゲン族を含む環境、プラズマエッチング環境、反応性イオンエッチング環境、プラズマ浄化環境、ガス浄化環境および運転環境の何れか一つの環境であり、前記電極および前記コネクタの少なくとも何れか一つの一部分が導電性の耐エッチング材料で被覆されており、被覆厚さが0.000004インチから0.010インチの範囲でベース基材の熱膨張係数に適合するに十分な延性を有し、少なくとも被覆層の90%に亀裂が生じていない状態にあるコネクタと:を含み
前記充填材の組成が、NaZr(POのNZP構造を有した高熱安定型リン酸ジルコニウム;周期律表のIIa族、IIIa族およびIVa族の元素から成る群から選択される少なくとも1つの元素を含むガラス状セラミックス;BaO―Al―B―SiO系ガラス;SiOとY、Sc、La、Ce、Gd、Eu、Dy等の酸化物を含む耐プラズマ性材料、又は前記これ等金属のフッ化物、又はイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)との混合物;の群から選択される組成を含み、前記充填材が運転環境に曝された際のエッチング速度が1000オングストローム毎分(Å/分)未満であることを特徴とするウェーハプロセス装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2008−16795(P2008−16795A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−320939(P2006−320939)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(506390498)モーメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・インク (85)
【Fターム(参考)】