説明

肥満および糖尿病の治療に特に有用な1,3−ジオキサン誘導体およびそれらの類似体

本発明は、式(I)の新規化合物、およびそれらのPPARリガンドのモジュレーターとして薬学的に有用な組成物を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式(I)の新規化合物、それらの互変異性形態、それらの薬学的に許容される塩、それらの薬学的に許容される溶媒和物、それらを含有する医薬組成物、薬剤中へのこれらの化合物の使用、およびそれらの調製に関与する中間体に関する。
【0002】
【化1】

【0003】
本発明は、式(I)の化合物、それらの互変異性形態、それらの薬学的に許容される塩、それらの薬学的に許容される溶媒和物、およびそれらを含有する医薬組成物を調製する方法にも関する。
【0004】
一般式(I)の化合物は、血中グルコースを減少させ、トリグリセリド濃度および/またはコレステロール濃度および/または低密度リポタンパク質(LDL)を減少または調整し、高密度リポタンパク質(HDL)血漿中濃度を増加させ、そのため、このような減少(および増加)が有益となる種々の症状の抑制に有用となる。したがって、肥満、高脂血症、過コレステリン血症、高血圧、アテローム硬化性疾病事象、血管再狭窄、糖尿病、および多くの他の関連症状の治療および/または予防に使用することができる。
【0005】
一般式(I)の化合物は、動脈硬化性心血管病、脳卒中、冠状動脈性心疾患、脳血管疾患、末梢血管疾患、および関連する傷害などの疾患および傷害原因となるアテローム性動脈硬化症の発症の危険性の予防または軽減に有用である。
【0006】
一般式(I)のこれらの化合物は、シンドロームXとして大まかに定義される代謝障害の治療および/または予防に有用である。シンドロームXの特徴としては、初期のインスリン抵抗性、およびその後の高インスリン血症、異脂肪血症、ならびに耐糖能異常が挙げられる。耐糖能異常によって、インスリン非依存性糖尿病(NIDDM、2型糖尿病)が発生することがあり、これは高血糖を特徴とし、管理を行わなければ、インスリン抵抗性によって発生する糖尿病性合併症または代謝障害の原因となり得る。糖尿病はもはやグルコース代謝のみと関連すると見なされているのではなく、解剖学的および生理学的な要因にも影響を与え、その強さは糖尿病状態の病期/期間および重篤度に応じて変化する。本発明の化合物は、上述の障害とともに、高血糖または高インスリン血症によって生じ得る続発症、例えば、心臓血管疾患、例えば動脈硬化、アテローム性動脈硬化症;糖尿病性網膜症、糖尿病性ニューロパシー、および腎疾患、例えば糖尿病性腎症、糸球体腎炎、糸球体硬化症、ネフローゼ症候群、高血圧性腎硬化症、および末期腎疾患、例えばミクロアルブミン尿症およびアルブミン尿症などの予防、進行の停止または遅延、あるいは危険性の軽減においても有用となる。
【背景技術】
【0007】
本発明は、高脂血症、糖尿病、肥満、およびペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)の調節による類似の疾患の治療に好適な化合物を開示する。その疾患状態、疾患状態の病態生理、それらの効果、ならびに公知および提案されている治療法は、国際公開第9119702号パンフレット、国際公開第9401420号パンフレット、国際公開第9413650号パンフレット、国際公開第9503038号パンフレット、国際公開第9517394号パンフレット、国際公開第9604260号パンフレット、国際公開第9604261号パンフレット、国際公開第9633998号パンフレット、国際公開第9725042号パンフレット、国際公開第9736579号パンフレット、国際公開第9828534号パンフレット、国際公開第9908501号パンフレット、国際公開第9916758号パンフレット、国際公開第9919313号パンフレット、国際公開第9920614号パンフレット、国際公開第0023417号パンフレット、国際公開第0023445号パンフレット、国際公開第0023451号パンフレット、国際公開第0309841号パンフレット、国際公開第0066572号パンフレット、国際公開第0116111号パンフレット、国際公開第0116120号パンフレット、国際公開第0153257号パンフレットなどに詳細に記載されており、これらの記載内容全体が参照として組み入れられる。
【0008】
高脂血症は、アテローム性動脈硬化症による心臓血管疾患を引き起こす主要な危険因子として認識されている[MetS Insights,Sep;4,13−17(2004)]。アテローム性動脈硬化症および他のそのような末梢血管疾患は、世界の多数の人口のクオリティオブライフに影響を与えている。この治療の目的は、心臓血管疾患の発生の危険性の防止または軽減のために、増加した血漿LDLコレステロール、低密度リポタンパク質、および血漿トリグリセリドを低下させることである。アテローム性動脈硬化症および冠動脈疾患の詳細な病因はRossおよびGlomset[New Engl.J.Med.,295,369−377(1976)]によって議論されている。
【0009】
ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)はステロイド/レチノイド/甲状腺ホルモン受容体ファミリーの一員である。PPARのサブタイプとしてPPARα、PPARγ、およびPPARδが同定されている。種々の疾患状態におけるPPARの役割が広く確立されており、PPARγの活性化が、脂肪細胞の分化の開始および調節[Endocrinology 135,798−800,(1994)]ならびにエネルギー恒常性[Cell,83,803−812(1995);Cell,99,239−242(1999)]において中心的な役割を果たしていることが分かった。PPAR□アゴニストは、脂肪細胞前駆体の最終分化を刺激し、より分化し悪性のより低い状態への形態学的および分子的変化を引き起こす。脂肪細胞の分化中、脂質の貯蔵および代謝に関与する数種類の非常に特殊なタンパク質が誘導される。PPARγの活性化によって、CAP遺伝子が発現すると認められている[Cell Biology,95,14751−14756、(1998)]が、PPARγの活性化と、グルコース代謝の変化および筋肉内のインスリン抵抗性の低下との厳密な関連については明らかになっていない。PPARαは、脂肪酸のβ酸化を刺激し[Trends Endocrine.Metabolism,4,291−296(1993)]、その結果血漿を循環する遊離の脂肪酸が減少する[Current Biol.,5,618−621(1995)]。肥満関連のインスリン感受性および炎症の調節[Int J Obes Relat Metab Disord.Dec;27 Suppl 3:S17−21(2003)]、脂質代謝およびインスリン感受性[Diabetes Feb;53 Suppl 1:S43−50(2004)]におけるPPARの役割は、かなり確立されている。PPARは、代謝症候群と関連する疾患においてある役割を果たすとも考えられている[Curr Top Med Chem.,3(14):1649−61(2003)]。PPAR受容体を介し、さらには直接的に血管壁機能を調節することによって、PPARアゴニストが心臓血管系にも影響を与え得るという根拠が増加している[Diabetes Metab.,Feb;30(1):7−12(2004);Drugs Today(Barc),Dec;39(12):949−60(2003)]。
【0010】
PPARアゴニストは、肥満の治療に有用であることが分かっている[国際公開第97/36579号パンフレット;Nat Med.,Apr;10(4):355−61(2004)]。PPARαおよびγデュアルアゴニストは、シンドロームXに有用であると提唱されている(国際公開第97/25042号パンフレット)。PPARγアゴニストおよびHMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、相乗作用を示し、これらの組み合わせがアテローム性動脈硬化症および黄色腫の治療に有用であることが示されている[欧州特許出願公開第0753 298号明細書;Cardiol Rev.May−Jun;12(3):158−70(2004)]。
【0011】
レプチンは、レプチン受容体と結合した場合に、視床下部への満腹信号の送信に関与するタンパク質である。したがって、レプチン抵抗性は、食料摂取量の過剰、エネルギー消費の減少、肥満、耐糖能異常、および糖尿病の原因となる[Science,269,543−46(1995);Recent Prog Horm Res.,59:169−205(2004);Ann N Y Acad Sci,Jun;967:363−78(2002)]。インスリン増感剤が血漿レプチン濃度を低下させることが報告されている[Proc.Natl.Acad.Sci.93,5793−5796(1996);国際公開第98/02159号パンフレット]。
【0012】
以下の一般式を有する選択的PPARαアゴニストである新規な複素環式化合物が、米国特許出願公開第2003/0166697号明細書に報告されており、この記載内容が参照として本明細書に組み入れられる。
【0013】
1−Het−D−E
上式中、
1は、場合により置換されていてもよいアリール、芳香族複素環式基、またはシクロアルキル基であり、
Hetは、場合により置換されていてもよい二価の複素環式基であり、
Dは、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、または式
【化2】

の基であり、
上式中、WはCHまたは窒素であり、
mは1〜10であり、
nは0〜9であり、但し、m+nは1〜10であり、
Eは式
【化3】

の基であり、
上式中、YはOまたはSであり、
3およびR4は、同種または異種であり、それぞれがHまたはアルキルであり、
pは0〜2であり、
Zは、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシメチル、カルバモイルなどである。
代表的な化合物は以下の構造を有する。
【化4】

【0014】
国際公開第2000004011号パンフレットには、異脂肪血症、アテローム性動脈硬化症および糖尿病の治療のための以下の一般式を有する化合物が開示されており、
【化5】

上式中、X、Y=CH2、O、S、NRa(Ra=H、アルキル、アリールなど)であり;R=H、アルキル、シクロアルキルなどであり;R1=H、アルキル、ヒドロキシアルキル、−(CH2t−COORcであり、式中、t=0〜6であり、RcはHまたはアルキル基などを表し;R2およびR3=H、アルキル、シクロアルキル、(C6〜C10)アリール、(C6〜C10)アリール(C1〜C7)アルキル、3〜10員の場合により置換されていてもよい複素環式基などであるか;またはR2およびR3が場合により鎖−(CH2r1(r1=2〜5)などを形成するかであり;R4〜R7=H、アルキル、(未)置換アリールなどである。
【0015】
しかし、疾患を治療するためのこれらの化合物の治療能力は、まだ立証されておらず、そのため、現在の治療計画と同等以上の効果が得られ、より副作用が少なく、およびより少ない用量しか必要としない新しい薬剤の開発がなお必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明の目的は、コレステロール低下剤、脂質低下剤、リポタンパク低下剤、抗肥満剤、および高血糖治療薬として使用され、さらに体重減少作用が得られ、高脂血症によって発生する疾患、シンドロームXおよびアテローム性動脈硬化症と分類される疾患の治療および/または予防に有益な作用が得られる可能性がある、一般式(I)で表される新規化合物を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の主目的は、一般式(I)によって表される新規化合物、それらの互変異性形態、それらの薬学的に許容される塩、それらの薬学的に許容される溶媒和物、およびそれらまたはそれらの混合物を含有する医薬組成物を提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、一般式(I)で表される新規化合物、それらの互変異性形態、それらの薬学的に許容される塩、それらの薬学的に許容される溶媒和物を調製するための方法を提供することである。
【0019】
本発明のさらに別の目的は、一般式(I)の化合物、それらの互変異性形態、それらの薬学的に許容される塩、それらの薬学的に許容される溶媒和物、またはそれらの混合物と、好適な担体、溶媒、希釈剤、およびそのような組成物の調製に通常使用される他の媒体とを含有する医薬組成物を提供することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
したがって、本発明は、一般式(I)の化合物に関し、
【化6】

上式中、「A」は、場合により置換されていてもよい、単環または縮合環のアリール基、シクロアルキル基、または場合により置換されていてもよいヘテロアリール基、または場合により置換されていてもよいヘテロシクリル基を表し;
「m」=0〜2であり;「n」=3〜6であり;
「X」はO、S、−N−(Ra)−、または−CH2を表し;
Raは、水素、直鎖状または分岐、置換または未置換のアルキル基、アシル基、またはアリール基、アラルキル基を表し;
「Y」は、出現する各場合で独立に、OまたはSを表し;R1は、H、直鎖状または分岐で置換または未置換のアルキルを表し;
r=0〜2であり;
Zは、
−(CH2sCOOH、アルコキシカルボニル、ヒドロキシメチル、−CN、置換または未置換のテトラゾール、アルキルカルボニル基を表し、s=0〜4であり;
「A」が置換されている場合、「A」上の好適な置換は、ヒドロキシル、オキソ、ハロ、チオ、ニトロ、アミノ、シアノ、ホルミル、あるいは、置換または未置換の基であって、アミジノ、アルキル、ハロアルキル、パーハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、パーハロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ビシクロアルキル、ビシクロアルケニル、アルコキシ、アルケノキシ、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アラルコキシ、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、一置換または二置換のアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、カルボン酸およびその誘導体、例えばエステルおよびアミド、カルボニルアミノ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アラルコキシアルキル、アルキルチオ、チオアルキル、アリールチオ、アルキルスルホニルアミノ、アルキルスルホニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アラルキルオキシカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニルアミノ、アルコキシアミノ、ヒドロキシルアミノ、スルフェニル誘導体、スルホニル誘導体から選択される置換または未置換の基から選択することができ、
但し、X=CH2となる場合で、
i)「A」が置換複素環式基を表す場合、「A」上の置換が、アリール基、芳香族基、複素環式基、またはシクロアルキル基を表すことはなく;
ii)「A」が置換アリール基を表す場合、「A」上の置換基は、アルキルスルホニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテロアリール基、または複素環式基を表す。
【0021】
「B」上の適切な置換は、ヒドロキシル、オキソ、ハロ、チオ、ニトロ、アミノ、シアノ、ホルミル、あるいは、置換または未置換の基であって、アルキル基、ハロアルキル基、アリール基から選択される置換または未置換の基から選択することができる。
【0022】
「A」および「B」上のいずれかの置換基上の適切な置換は、ヒドロキシル、オキソ、ハロ、チオ、ニトロ、アミノ、シアノ、ホルミル、あるいは、置換または未置換の基であって、アミジノ、アルキル、ハロアルキル、パーハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、パーハロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ビシクロアルキル、ビシクロアルケニル、アルコキシ、アルケノキシ、シクロアルコキシ、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、一置換または二置換のアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、カルボン酸およびその誘導体、例えばエステルおよびアミド、カルボニルアミノ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アラルキルオキシカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニルアミノ、アルコキシアミノ、ヒドロキシルアミノ基から選択される置換または未置換の基から選択することができる。
【0023】
単独または他の基との組み合わせで使用される用語「置換された」は、本明細書におけるいずれかの箇所に記載される置換アルキル、置換アルケニル、置換アルキニル、置換シクロアルキル、置換アリールなどの基の上の好適な置換基を意味する。好適な置換基としては、限定するものではないが、単独または他の基との組み合わせで、ヒドロキシル、オキソ、ハロ、チオ、ニトロ、アミノ、シアノ、ホルミル、アミジノ、アルキル、ハロアルキル、パーハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、パーハロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ビシクロアルキル、ビシクロアルケニル、アルコキシ、アルケノキシ、シクロアルコキシ、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、一置換または二置換のアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、カルボン酸およびその誘導体、例えばエステルおよびアミド、カルボニルアミノ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アラルキルオキシカルボニルアミノ、スルホン酸およびその誘導体などの基が挙げられる。
【0024】
本明細書のいずれかの箇所で使用される種々の基、ラジカル、および置換基について、以下の段落で説明する。
【0025】
単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「アルキル」は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、アミル、t−アミル、n−ペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチルなどの1〜12個の炭素を含有する直鎖状または分岐の基を意味する。
【0026】
単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「アルケニル」は、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、2−ヘプテニル、3−ヘプテニル、4−ヘプテニル、5−ヘプテニル、6−ヘプテニルなどの2〜12個の炭素を含有する直鎖状または分岐の基を意味する。用語「アルケニル」は、直鎖および分岐鎖のジエンおよびトリエンを含んでいる。
【0027】
単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「アルキニル」は、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニルなどの2〜12個の炭素を含有する直鎖状または分岐の基を意味する。用語「アルキニル」はジインおよびトリインを含んでいる。
【0028】
単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどの3〜7個の炭素を含有する基を意味する。
【0029】
単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「シクロアルケニル」は、シクロプロペニル、1−シクロブテニル、2−シクロブテニル、1−シクロペンテニル、2−シクロペンテニル、3−シクロペンテニル、1−シクロヘキセニル、2−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、1−シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニル、シクロヘプタトリエニルなどの3〜7個の炭素を含有する基を意味する。
【0030】
単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「アルコキシ」は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシ、イソブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどの、酸素原子に直接結合した前出の定義のアルキル基を意味する。
【0031】
単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「アルケノキシ」は、ビニルオキシ、アリルオキシ、ブテノキシ、ペンテノキシ、ヘキセノキシなどの、酸素原子に結合した前出の定義のアルケニル基を意味する。
【0032】
単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「シクロアルコキシ」は、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロヘプチルオキシなどの、酸素原子に直接結合した前出の定義のシクロアルキル基を意味する。
【0033】
単独、または「ハロアルキル」、「パーハロアルキル」など他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、またはヨード基を意味する。用語「ハロアルキル」は、1つ以上のハロゲンで置換された前出の定義のアルキル基を意味し、例えばパーハロアルキル基、より好ましくはパーフルオロ(C1〜C6)アルキル基、例えばフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、モノまたはポリハロ置換されたメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、またはヘキシル基を意味する。用語「ハロアルコキシ」は、フルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、フルオロエトキシ基、クロロエトキシ基などの、酸素原子に直接結合した前出の定義のハロアルキルを意味する。用語「パーハロアルコキシ」は、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシなどの、酸素原子に直接結合した前出の定義のパーハロアルキル基を意味する。
【0034】
単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「アリール」または「芳香族」は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダン、ビフェニルなどの、1、2、または3個の環を有する芳香族系を意味し、このような環はペンダント様式として結合してもよいし、縮合していてもよい。用語「アラルキル」は、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチルなどの、アリールに結合した前出の定義のアルキル基を意味する。用語「アリールオキシ」は、フェノキシ、ナフチルオキシなどの、アルコキシ基に結合した前出の定義のアリール基を意味し、これらは置換されていてもよい。用語「アラルコキシ」は、ベンジルオキシ、フェネチルオキシ、ナフチルメチルオキシ、フェニルプロピルオキシなどの、前出の定義のアリールアルキル部分を意味し、これらは置換されていてもよい。
【0035】
単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「ヘテロシクリル」または「複素環」は、ヘテロ原子が窒素、硫黄、および酸素から選択される飽和、部分的飽和、および不飽和の環状基を意味する。飽和複素環式基の例としては、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペリジニル、4−オキソピペリジニル、2−オキソピペラジニル、3−オキソピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、2−オキソモルホリニル、アゼピニル、ジアゼピニル、オキサピニル、チアゼピニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニルなどが挙げられ、部分飽和複素環式基の例としては、ジヒドロチオフェン、ジヒドロピラン、ジヒドロフラン、ジヒドロチアゾールなどが挙げられる。
【0036】
単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「ヘテロアリール」または「複素環式芳香族」は、O、N、またはSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含有する不飽和5〜6員複素環式基を意味し、例えば、ピリジル、チエニル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリニル、インドリル、アザインドリル、アザインドリニル、ベンゾジヒドロフラニル、ベンゾジヒドロチエニル、ピラゾロピリミジニル、ピラゾロピリミドニル、アザキナゾリニル、アザキナゾリノイル、ピリドフラニル、ピリドチエニル、チエノピリミジル、チエノピリミドニル、キノリニル、ピリミジニル、ピラゾリル、キナゾリニル、キナゾロニル、ピリミドニル、ピリダジニル、トリアジニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサジノニル、ベンゾチアジニル、ベンゾチアジノニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、フタラジニル(phthalazynil)、ナフチリジニル、プリニル、カルバゾリル、フェノチアジニル、フェノキサジニルなどを意味する。
【0037】
単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「アシル」は、ホルミル、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、イソブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、ベンゾイルなどの1〜8個の炭素を含有する基を意味し、これらは置換されていてもよい。
【0038】
単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「アシルオキシ」は、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブタノイルオキシ、イソブタノイルオキシ、ベンゾイルオキシなどの、酸素原子に直接結合した前出の定義のアシル基を意味する。
【0039】
単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「アシルアミノ」は、CH3CONH、C25CONH、C37CONH、C49CONH、C65CONHなどであってよい前出の定義のアシル基を意味し、これらは置換されていてもよい。
【0040】
単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「一置換アミノ」は、(C1〜C6)アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、またはアリールアルキル基から選択される1つの基で置換されたアミノ基を意味する。モノアルキルアミノ基の例としては、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミンなどが挙げられる。
【0041】
単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「二置換アミノ」は、(C1〜C6)アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、またはアリールアルキル基から選択される同種でも異種でもよい2つの基で置換されたアミノ基を意味し、例えばジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、フェニルメチルアミノなどを意味する。
【0042】
単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「アリールアミノ」は、窒素原子からの遊離の原子価結合を有するアミノを介して結合した前出の定義のアリール基を意味し、例えばフェニルアミノ、ナフチルアミノ、N−メチルアニリノなどを意味する。
【0043】
単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「アラルキルアミノ」は、窒素原子からの遊離の原子価結合を有するアミノを介して結合した前出の定義のアリールアルキル基を意味し、例えばベンジルアミノ、フェネチルアミノ、3−フェニルプロピルアミノ、1−ナプチルメチルアミノ、2−(1−ナフチル)エチルアミノなどを意味する。
【0044】
単独(−C=O−)、または「アルキルカルボニル」などの他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される「オキソ」または「カルボニル」は、前述のアシルまたはアルカノイルなどのアルキル基で置換されたカルボニル基(−C=O−)を意味する。
【0045】
単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「カルボン酸」は−COOH基を意味し、これはエステルおよびアミドなどのカルボン酸誘導体も含んでいる。単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「エステル」は−COO−基を意味し、これはカルボン酸誘導体を含んでおり、このエステル部分は、置換されていてもよいメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどのアルコキシカルボニル;置換されていてもよいフェノキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニルなどのアリールオキシカルボニル基;置換されていてもよいベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル、ナフチルメトキシカルボニルなどのアラルコキシカルボニル基である。
【0046】
単独または他の基との組み合わせで本発明において使用される用語「アミド」は、メチルアミド、ジメチルアミド、エチルアミド、ジエチルアミドなどのアミノカルボニル基(H2N−C=O−)を意味し、式中のアミノ基は一置換または二置換または未置換である。単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「アミノカルボニル」は、置換または未置換の「アミノカルボニルアルキル」、「n−アルキルアミノカルボニル」、「N−アリールアミノカルボニル」、「N,N−ジアルキルアミノカルボニル」、「N−アルキル−N−アリールアミノカルボニル」、「N−アルキル−N−ヒドロキシアミノカルボニル」、および「N−アルキル−N−ヒドロキシアミノカルボニルアルキル」などの他の用語とともに使用される。用語「N−アルキルアミノカルボニル」および「N,N−ジアルキルアミノカルボニル」は、それぞれ1つのアルキル基および2つのアルキル基で置換された前出の定義のアミノカルボニル基を意味する。アミノカルボニル基に結合した前出の定義の低級アルキル基を有する「低級アルキルアミノカルボニル」が好ましい。用語「N−アリールアミノカルボニル」および「N−アルキル−N−アリールアミノカルボニル」は、1つのアリール基、または1つのアルキル基と1つのアリール基それぞれで置換されたアミノカルボニル基を意味する。用語「アミノカルボニルアルキル」は、アミノカルボニル基で置換されたアルキル基を含む。
【0047】
単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「ヒドロキシアルキル」は、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシヘキシルなどの1つ以上のヒドロキシ基で置換された前出の定義のアルキル基を意味する。
【0048】
単独または他の基との組み合わせで本発明において使用される用語「アミノアルキル」は、前出の定義のアルキル基に結合したアミノ(−NH2)部分を意味し、これは一置換および二置換のアミノアルキルなど置換されていてもよい。単独または他の基との組み合わせで本発明において使用される用語「アルキルアミノ」は、アミノ基に結合した前出の定義のアルキル基を意味し、これは一置換および二置換のアルキルアミノなど置換されていてもよい。
【0049】
単独または他の基との組み合わせで本発明において使用される用語「アルコキシアルキル」は、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチルなどの、アルキル基に結合した前出の定義のアルコキシ基を意味する。単独または他の基との組み合わせで本発明において使用される用語「アリールオキシアルキル」は、フェノキシメチル、ナフチルオキシメチルなどを含んでいる。単独または他の基との組み合わせで本発明において使用される用語「アラルコキシアルキル」はC65CH2OCH2、C65CH2OCH2CH2などを含んでいる。
【0050】
単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「アルキルチオ」は、硫黄原子からの遊離の原子価結合を有する二価の硫黄原子を介して結合した前出の定義の1〜12個の炭素原子のアルキル基を含む線状または分岐または環状の一価の置換基を意味し、例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオなどを意味する。環状アルキルチオの例は、シクロプロピルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオなどであり、これらは置換されていてもよい。
【0051】
単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「チオアルキル」は、式−SR’の基に結合した前出の定義のアルキル基を意味し、式中のR’は、水素、アルキル基、またはアリール基、例えばチオメチル、メチルチオメチル、フェニルチオメチルなどを表し、これらは置換されていてもよい。
【0052】
単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「アリールチオ」は、硫黄原子からの遊離の原子価結合を有する二価の硫黄原子を介して結合した前出の定義のアリール基を意味し、例えばフェニルチオ、ナフチルチオなどを意味する。
【0053】
単独または他の基との組み合わせで本発明において使用される用語「アルコキシカルボニルアミノ」は、アミノ基に結合した前出の定義のアルコキシカルボニル基を意味し、例えばメトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノなどを意味する。単独または他の基との組み合わせで本発明において使用される用語「アリールオキシカルボニルアミノ」は、アミノ基に結合した前出の定義のアリールオキシカルボニル基を意味し、例えばC65OCONH、C65OCONCH3、C65OCONC25、C64(CH3O)CONH、C64(OCH3)OCONHなどを意味する。単独または他の基との組み合わせで本発明において使用される用語「アラルコキシカルボニルアミノ」は、アミノ基に結合した前出の定義のアラルコキシカルボニル基を意味し、C65CH2OCONH、C65CH2CH2CH2OCONH、C65CH2OCONHCH3、C65CH2OCONC25、C64(CH3)CH2OCONH、C64(OCH3)CH2OCONHなどを意味する。
【0054】
単独または他の基との組み合わせで本発明において使用される用語「アミノカルボニルアミノ」、「アルキルアミノカルボニルアミノ」、「ジアルキルアミノカルボニルアミノ」は、それぞれ、アミノ(NH2)、アルキルアミノ基、またはジアルキルアミノ基に結合したカルボニルアミノ(−CONH2)基を意味し、この場合のアルキル基は前出の定義の通りである。
【0055】
単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「アミジノ」は−C(=NH)−NH2基を意味する。用語「アルキルアミジノ」は、アミジノ基に結合した前出の定義のアルキル基を意味する。
【0056】
単独または他の基との組み合わせで本発明において使用される用語「アルコキシアミノ」は、アミノ基に結合した前出の定義のアルコキシ基を意味する。単独または他の基との組み合わせで本発明において使用される用語「ヒドロキシアミノ」は、−NHOH部分を意味し、これは置換されていてもよい。
【0057】
単独または他の基との組み合わせで本発明において使用される用語「スルフェニル」または「スルフェニルおよびその誘導体」は、二価の基−SO−またはRxSOを意味し、式中、Rxは、置換または未置換のアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルなどである。
【0058】
単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用され、アルキルスルホニルなどの他の用語とともに使用される用語「スルホニル」または「スルホンおよびその誘導体」は、二価の基−SO2−、またはRxSO2−を意味し、式中、Rxは、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルなどから選択される置換または未置換の基である。「アルキルスルホニル」は、スルホニル基に結合した前出の定義のアルキル基を意味し、例えばメチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニルなどを意味する。単独または他の基との組み合わせのいずれかで本発明において使用される用語「アリールスルホニル」は、スルホニル基に結合した前出の定義のアリール基を意味し、例えばフェニルスルホニルなどを意味する。
【0059】
好適な基およびその基の上の置換基は、本明細書のいずれかの箇所に記載されているものから選択することができる。
【0060】
特に有用な化合物は、以下のものから選択することができる。
メチル−5−[4−(2−エチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[4−(2−エチル−キナゾリン−4−イルオキシ)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[6−(4−クロロ−フェニル)−5−(4−メチルスルファニル−フェニル)−6−オキソ−ヘキシル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]オキサジン−4−イル)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−2−メチル−5−(4−フェノキサジン−10−イル−ブチル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[4−(6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−5−イル)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−(4−カルバゾール−9−イル−ブチル)−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−2−メチル−5−[4−(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]チアジン−4−イル)−ブチル]−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]チアジン−4−イル)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−2−メチル−5−(4−フェノチアジン−10−イル−ブチル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−(4−インドール−1−イル−ブチル)−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−2−メチル−5−(5−フェニル−5−ピリジン−4−イル−ペンチル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[4−(4−ベンジル−フェノキシ)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−2−メチル−5−[4−(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]オキサジン−4−イル)−ブチル]−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−{4−[2−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]オキサジン−4−イル]−ブチル}−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−2−メチル−5−[4−(4−フェノキシ−フェノキシ)−ブチル]−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−(3−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−プロピル)−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[4−(4−メタンスルホニルオキシ−フェニル)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−2−メチル−5−(3−フェニルスルファニル−プロピル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
エチル−5−[3−(4−ブロモ−フェノキシ)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−2−メチル−5−[3−(4−フェノキシ−フェノキシ)−プロピル]−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[3−(4−イソプロピル−フェノキシ)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−2−メチル−5−(3−p−トリルオキシ−プロピル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[3−(4−ブロモ−フェニルスルファニル)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−2−メチル−5−(3−フェノキシ−プロピル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−2−メチル−5−[3−(ナフタレン−2−イルオキシ)−プロピル]−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[3−(4−ベンジルオキシ−フェノキシ)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[3−(4−メトキシ−フェノキシ)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[3−(4−ベンジル−フェノキシ)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
5−[4−(2−エチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[4−(2−エチル−キナゾリン−4−イルオキシ)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[6−(4−クロロ−フェニル)−5−(4−メチルスルファニル−フェニル)−6−オキソ−ヘキシル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]オキサジン−4−イル)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
2−メチル−5−(4−フェノキサジン−10−イル−ブチル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−(4−カルバゾール−9−イル−ブチル)−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
2−メチル−5−[4−(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]チアジン−4−イル)−ブチル]−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]チアジン−4−イル)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
2−メチル−5−(4−フェノチアジン−10−イル−ブチル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−(4−インドール−1−イル−ブチル)−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
2−メチル−5−(5−フェニル−5−ピリジン−4−イル−ペンチル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[4−(4−ベンジル−フェノキシ)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
2−メチル−5−[4−(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]オキサジン−4−イル)−ブチル]−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−{4−[2−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]オキサジン−4−イル]−ブチル}−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
2−メチル−5−[4−(4−フェノキシ−フェノキシ)−ブチル]−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−(3−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−プロピル)−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[4−(4−メタンスルホニルオキシ−フェニル)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
2−メチル−5−(3−フェニルスルファニル−プロピル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[3−(4−ブロモ−フェノキシ)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
2−メチル−5−[3−(4−フェノキシ−フェノキシ)−プロピル]−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[3−(4−イソプロピル−フェノキシ)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
2−メチル−5−(3−p−トリルオキシ−プロピル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[3−(4−ブロモ−フェニルスルファニル)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
2−メチル−5−(3−フェノキシ−プロピル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
2−メチル−5−[3−(ナフタレン−2−イルオキシ)−プロピル]−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[3−(4−ベンジルオキシ−フェノキシ)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[3−(4−メトキシ−フェノキシ)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[3−(4−ベンジル−フェノキシ)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩。
【0061】
この項に記載される反応および技術を使用することで、本発明の新規化合物を調製することができる。これらの反応は、使用される試薬および材料に適切な溶媒中で実施され、転移が起こる場合に好適である。当業者には理解できるように、記載の合成段階の種類および順序は、本発明の化合物の形成を最適化させるために変更できる。
【0062】
【化7】

【0063】
一般式(I)の化合物(式中の全ての記号は先に定義されている)は、上記スキーム1に概略が示され以下のものを含む経路によって調製することができる。
i)式(II)の化合物を式(III)の化合物と反応させて式(Ia)の化合物を得る(式中、Rはアルキル基を表し、他の全ての記号は先に定義されている)。一般に、この反応は、アセトニトリル、DMFなどの極性溶媒、THF、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンなどのエーテル溶媒、CHCl3またはジクロロメタン、ジクロロエタンなどのハロゲン化溶媒、ベンゼン、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどのエステル溶媒、またはそれらの混合物から選択される適切な溶媒中、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体などのルイス酸の存在下、−22〜120℃において実施することができる。この反応は窒素などの不活性ガスの雰囲気中で実施することができる。反応時間は30分〜24時間で変動させることができる。
ii)式(Ia)の化合物を好適な試薬/溶媒によって式(I)の化合物に加水分解する(式中の全ての記号は先に定義されている)。好適な加水分解溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノールなど、またはそれらの混合物のアルコール溶媒、および−20〜100℃における好適な酸または塩基の存在下の水から選択することができ、−20〜100℃で使用される。好適な酸はHCl、PTSAなどであってよく;好適な塩基はLiOH、NaOH、KOHなどであってよい。
iii)場合により、希望するなら、当分野で公知の技術によって式(I)の化合物をそれらの好適な薬学的に許容される塩に転化させることができる。
【0064】
【化8】

【0065】
あるいは、一般式(I)の化合物(式中の全ての記号は先に定義されている)は、上記スキーム2に概略が示され以下のものを含む経路によって調製することができる。
i)一般式(V)の化合物(式中、Lは、ハロゲン、メシレート、トシレート、トリフレートなどの好適な脱離基を表す)を一般式(IV)の化合物と反応させて一般式(Ia)の化合物を得る。好適な塩基、例えば、金属水素化物、例えばNaHなど、アルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなど、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、有機塩基、例えばトリアルキルアミンなど、有機リチウム試薬、例えばブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジドなどを使用することができる。反応は、使用される塩基の適合性に基づいて、DMF、DMSO、THF、ジオキサン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロエタン、アセトン、ジクロロメタン、トルエンなど、またはそれらの混合物などの好適な溶媒中で実施することができる。反応温度は−78℃から使用される溶媒の還流温度までの範囲とすることができる。場合により、N2、He、またはアルゴンガスを使用して不活性雰囲気を維持することができる。反応時間は1〜72時間の範囲とすることができる。
ii)式(Ia)の化合物を好適な試薬/溶媒によって式(I)の化合物に加水分解する(式中の全ての記号は先に定義されている)。好適な加水分解溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノールなど、またはそれらの混合物のアルコール溶媒、および好適な酸または塩基の存在下の水から選択することができ、−20〜100℃で使用される。好適な酸はHCl、PTSAなどであってよく;好適な塩基はNaOH、KOHなどであってよい。
iii)場合により、希望するなら、当分野で公知の技術によって式(I)の化合物をそれらの好適な薬学的に許容される塩に転化させることができる。
【0066】
上記反応のあらゆる場合で、基質分子中のあらゆる反応性基は、従来の化学的手法により保護できることは理解できるであろう。上記反応のいずれかにおける好適な保護基は当分野において従来使用されている保護基である。このような保護基を形成し除去する方法は、分子の保護に適切な従来方法である。T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts「Protective groups in Organic Synthesis」,John Wiley & Sons,Inc,1999,3rd Ed.、この記載内容は本明細書に組み入れられる。
【0067】
結合可能な複数の異なる部位を置換基が有する場合、そのような異なる部位に結合した置換基も本発明に含まれる。
【0068】
周知の技術および方法および濃度で好適な賦形剤と組み合わせることによって、本発明の新規化合物を好適な薬学的に許容される組成物中に配合することができる。
【0069】
式(I)の化合物またはそれらを含有する医薬組成物は、経口投与、局所投与、または非経口投与のいずれかによって投与することができる。
【0070】
本発明の医薬組成物は、従来技術を使用することによって得られる。好ましくは本発明の組成物は、有効量の有効成分、すなわち本発明による式(I)の化合物を含有する単位投与形態である。
【0071】
有効成分、すなわち本発明による式(I)の化合物の医薬組成物およびその単位投与形態中の量は、個々の適用方法、個々の化合物の効力、および所望の濃度に応じて幅広く変動させたり調整すたりすることができる。一般に、有効成分の量は組成物の0.5重量%〜90重量%の間の範囲である。
【0072】
一般式(I)の化合物またはそれらの組成物は、高脂血症、インスリン抵抗性、レプチン抵抗性、シンドロームX、高血糖、肥満、または炎症などの代謝障害によって発生する疾患の治療および/または予防に有用となる。
【0073】
以下に提供する実施例によって本発明をより詳細に説明するが、これらの実施例は説明のみを目的として提供するものであり、したがって本発明の範囲を限定するために構成したものではない。
【0074】
上記一般スキームで説明した1つ以上の方法を使用して、本発明の化合物を調製することができる。下記の表に示される1H NMRスペクトルデータは、300MHz分光計(ブルカ・アバンス−300(Bruker AVANCE−300))を使用して記録し、δスケールで報告している。他に明記しない限り、NMR使用した溶媒はCDCl3であり、内部標準としてテトラメチルシランを使用している。
【実施例】
【0075】
調製1
メチル−2−メチル−5−(5−フェニル−5−ピリジン−4−イル−ペンチル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート(化合物12)
【化9】

乾燥テトラヒドロフラン(3mL)中の4−ベンジルピリジン(250mg)の溶液を−78℃まで冷却し、2.35mLのリチウムヘキサメチルジシラジドの1Mテトラヒドロフラン溶液を加えた。同じ温度で1時間撹拌した後、テトラヒドロフラン(3mL)中のメチル−5−(4−ヨード−ブチル)−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート(500mg)の溶液をさらに加え、その反応混合物を3時間撹拌しながら温度を30℃まで上昇させた。この反応混合物を氷冷水(25mL)中に注ぎ、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。この有機抽出物を合わせたものを、水(25mL)、ブライン溶液(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。得られた粗生成物について、石油エーテル中10%酢酸エチルを溶出液として使用してシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーを実施して、233mgの生成物を得た。
【0076】
調製2
メチル−5−(4−インドール−1−イル−ブチル)−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート(化合物11)
【化10】

ジメチルスルホキシド(3mL)中のインドール(340mg)の溶液を、ジメチルスルホキシド(3mL)中の水酸化カリウム(326mg)の氷冷懸濁液に加えた。10分間撹拌した後、ジメチルスルホキシド(5mL)中のメチル−5−(4−ヨード−ブチル)−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート(1.0g)の溶液を加え、その反応混合物を30℃で5時間撹拌した。反応混合物を氷冷水(50mL)中に注ぎ、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。その有機抽出物を合わせたものを水(50mL)、ブライン溶液(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗生成物について、石油エーテル中10%酢酸エチルを溶出液として使用してシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーを実施して、400mgの生成物を得た。
【0077】
調製3
メチル−2−メチル−5−[4−(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]オキサジン−4−イル)−ブチル]−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート(化合物14)
【化11】

ジメチルホルムアミド(5mL)中の炭酸セシウム(1.0g)の懸濁液を撹拌しながら、これにジメチルホルムアミド(3mL)中の4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン(250mg)の溶液を加えた。窒素雰囲気中で30分間撹拌した後、ジメチルホルムアミド(3mL)中のメチル−5−(4−ヨード−ブチル)−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート(574mg)の溶液をさらに加え、その反応混合物を周囲温度において2時間撹拌した。反応混合物を氷冷水(50mL)中に注ぎ、酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。有機抽出物を合わせたものを水(50mL)、ブライン溶液(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗生成物について、石油エーテル中15%酢酸エチルを溶出液として使用してシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーを実施して、483mgの生成物を得た。
【0078】
調製4
メチル5−[4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート(化合物18)
【化12】

アセトニトリル(15mL)中の2−[4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−ブチル]−プロパン−1,3−ジオール(1.5g)の溶液にピルビン酸メチル(2.1g)を加え、続いて98%の三フッ化ホウ素−ジエチルエーテル錯体(1.7g)を加え、その反応混合物を周囲温度で18時間撹拌した。この反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和溶液(100mL)中に注ぎ、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機抽出物を合わせたものを、水(100mL)、ブライン溶液(100mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗生成物について、石油エーテル中10%酢酸エチルを溶出液として使用してシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーを実施して、867mgの表題生成物を得た。
【0079】
【表1】

【0080】
【表2】

【0081】
【表3】

【0082】
【表4】

【0083】
【表5】

【0084】
調製5
2−メチル−5−(5−フェニル−5−ピリジン−4−イル−ペンチル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸(化合物37)
【化13】

前出の調製1の通りに調製したメチル−[2−メチル−5−(5−フェニル−5−ピリジン−4−イル−ペンチル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート(化合物12)(233mg)のメタノール溶液(10mL)に、水(5mL)中の水酸化ナトリウム(50mg)溶液を加え、その反応混合物を周囲温度で15時間撹拌した。この溶媒を減圧下で蒸発させ、その残分に水(25mL)を加えた。その混合物を1N塩酸で酸性化し、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。その有機抽出物を合わせたものを水(25mL)、ブライン(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。得られた濃厚なゴム状生成物に石油エーテルを加えて粉砕して、150mgの生成物を得た。
【0085】
調製6
5−[4−(4−メタンスルホニルオキシ−フェニル)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸(化合物50)
【化14】

テトラヒドロフラン(2mL)中のメチル−5−[4−(4−メタンスルホニルオキシ−フェニル)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート(化合物19)(166mg)の溶液に、水(3mL)中の水酸化リチウム(21mg)の溶液を加え、その反応混合物を周囲温度で18時間撹拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、1N塩酸を使用してpH2〜3まで酸性化して、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。有機抽出物を合わせたものを水(20mL)、ブライン溶液(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸発させて、127mgの生成物を得た。
【0086】
【表6】

【0087】
【表7】

【0088】
【表8】

【0089】
【表9】

【0090】
【表10】

【0091】
塩の調製
以下に説明する一般手順に従って、表2の化合物のナトリウム塩およびカリウム塩を調製した。
【0092】
メタノール、エタノールなどのアルコール溶媒中の本発明の新規化合物のカルボン酸誘導体(表2に記載した)の溶液(1mmol)に、アルコール溶媒中のナトリウムアルコキシドまたはカリウムアルコキシド(0.95mmol)の溶液を加え、その反応混合物を25〜30℃で3時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、その残留物に乾燥ジエチルエーテルまたはジイソプロピルエーテルを加えて粉砕し、対応するカルボン酸塩を得た。
【0093】
本発明の化合物は、トリグリセリド、総コレステロール、LDL、VLDLを低下させ、HDLを増加させ、血清グルコース濃度を低下させた。このことは、インビボ動物実験によって実証された。
【0094】
A)化合物のインビボ有効性の実証:
i)スイスアルビノマウスにおける血清トリグリセリドおよび総コレステロール低下活性:
オスのスイスアルビノマウス(SAM)をザイダス・アニマルハウス(Zydus animal house)内で飼育した。これら全ての動物は、25±1℃において12時間明暗サイクル下で維持した。動物には標準実験試料(NIN、インドのハイデラバード(Hyderabad))および水を自由に摂取させた。20〜30gの体重範囲のSAMを使用した。施設動物実験委員会(Institutional Animal Ethics Committee)承認のプロトコルが使用される。
【0095】
スイスアルビノマウスに試験化合物を0.001〜50mg/kg/日の用量で6日間経口投与した。この化合物0.25%CMC中に懸濁させるか、化合物が水溶性の場合には水に溶解させるかの後に投与した。対照群のマウスは賦形剤(0.25%のカルボキシメチルセルロース;用量10ml/kg)で処理した。
【0096】
第0日、および処理の第6日の薬物投与から1時間後の摂食直後に血液試料を採取した。非ヘパリン化キャピラリー中に血液を採取し、その血清のトリグリセリドおよび総コレステロールを分析した(Wieland,O,Methods of Enzymatic analysis,Bergermeyer,H.,O.Ed.、1963.211−214;Trinder,P.Ann.Clin.Biochem.1969.6:24−27)。血清トリグリセリドおよび総コレステロールの測定は市販のキット(ザイダス−キャディラ(Zydus−Cadila),パスライン(Pathline),インドのアーマダバード(Ahmedabad))を使用して行った。
【0097】
計算式:
トリグリセリド/総コレステロールのパーセント減少率は、次式に従って計算した:
【数1】

OC=第0日の対照群値 OT=第0日の処理群値
TC=試験日の対照群 TT=試験日の処理群
【0098】
表1:
スイスアルビノマウスにおけるトリグリセリド低下活性
【0099】
【表11】

【0100】
ii)シリアンゴールデンステイン(Syrian golden stain)のハムスターにおける血清トリグリセリドおよび総コレステロール低下活性:
シリアンゴールデンステインのオスおよびメスのハムスターをザイダス・アニマルハウス内で飼育した。これら全ての動物は、22±3℃において12時間明暗サイクル下で維持した。施設動物実験委員会承認のプロトコルが使用される。2群の動物に、HF−HC(高脂肪および高コレステロール)食を14日間摂取させた。14日間全てHF−HC食を摂取させたのに対し、1群の動物には通常の食餌を2週間摂取させた。
【0101】
HF−HC食の動物の1群を、1日当たり0.001〜50mg/kgの本発明の化合物で15日間(経口)処理し、他の群には賦形剤を与えた。15日後、動物から血液試料を非ヘパリン化キャピラリー中に採取し、総コレステロール(TC)、トリグリセリド(TG)を測定した(Wieland,O,Methods of Enzymatic analysis,Bergermeyer,H.,O.Ed.、1963.211−214;Trinder,P.Ann.Clin.Biochem.1969.6:24−27)。血清トリグリセリドおよび総コレステロールの測定は市販のキット(米国のポアント・サイエンティフィック・インコーポレイテッド(Pointe Scientific.Inc))を使用して行った。
【0102】
計算式:
トリグリセリド/総コレステロールの%減少率は、次式に従って計算した:
【0103】
パーセント減少率(%)=(TT−TC)/TC*×100
TC=試験日の対照群 TT=試験日の処理群。
【0104】
【表12】

【0105】
本発明の記載の化合物のいずれにおいても悪影響は観察されなかった。本発明の化合物は、使用した実験動物において、血清グルコース、脂質、およびコレステロールの良好な低下活性を示した。これらの化合物は、高脂血症、高コレステロール血症、高インスリン血症、高血糖、例えばNIDDM、心臓血管疾患、脳卒中、高血圧、肥満によって生じる疾患の試験/予防に有用であり、なぜならこれらの疾患は互いに相関があるからである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】

(上式中、「A」は、場合により置換されていてもよい、単環または縮合環のアリール基、シクロアルキル基、または場合により置換されていてもよいヘテロアリール基、または場合により置換されていてもよいヘテロシクリル基を表し;「m」=0〜2であり;「n」=3〜6であり;「X」はO、S、−N−(Ra)−、または−CH2−を表し;Raは、H、あるいは、場合により置換されていてもよいアルキル基、アシル基、またはアリール基、アラルキル基から選択される直鎖状または分岐の基を表し;「Y」は、出現する各場合で独立に、OまたはSを表し;R1は、H、直鎖状または分岐で置換または未置換のアルキルを表し;r=0〜2であり;Zは、−(CH2sCOOH、アルコキシカルボニル、ヒドロキシメチル、−CN、置換または未置換のテトラゾール、アルキルカルボニル基を表し、s=0〜4であり;但し、「X」=CH2となる場合で、
i)「A」が置換複素環式基を表す場合、「A」上の置換が、アリール基、芳香族基、複素環式基、またはシクロアルキル基を表すことはなく;そして
ii)「A」が置換アリール基を表す場合、「A」上の置換基は、アルキルスルホニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルコキシ基、シクロアルキル基、ヘテロアリール基、または複素環式基を表す)
それらの互変異性形態、それらの薬学的に許容される塩、それらの薬学的に許容される溶媒和物、それらを含有する医薬組成物。
【請求項2】
「A」が置換されている場合に、「A」上の好適な置換が、ヒドロキシル、オキソ、ハロ、チオ、ニトロ、アミノ、シアノ、ホルミル、あるいは置換または未置換の基であって、アミジノ、アルキル、ハロアルキル、パーハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、パーハロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ビシクロアルキル、ビシクロアルケニル、アルコキシ、アルケノキシ、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アラルコキシ、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、一置換または二置換のアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、カルボン酸およびその誘導体、例えばエステルおよびアミド、カルボニルアミノ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アラルコキシアルキル、アルキルチオ、チオアルキル、アリールチオ、アルキルスルホニルアミノ、アルキルスルホニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アラルキルオキシカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニルアミノ、アルコキシアミノ、ヒドロキシルアミノ、スルフェニル誘導体、スルホニル誘導体から選択される置換または未置換の基から選択することができる請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
「B]上の適切な置換が、ヒドロキシル、オキソ、ハロ、チオ、ニトロ、アミノ、シアノ、ホルミル、あるいは、置換または未置換の基であって、アルキル基、ハロアルキル基、アリール基から選択される置換または未置換の基から選択することができる請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
「A」および「B」上のいずれかの置換基上の置換が、ヒドロキシル、オキソ、ハロ、チオ、ニトロ、アミノ、シアノ、ホルミル、あるいは、置換または未置換の基であって、アミジノ、アルキル、ハロアルキル、パーハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、パーハロアルコキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ビシクロアルキル、ビシクロアルケニル、アルコキシ、アルケノキシ、シクロアルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アラルコキシ、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、一置換または二置換のアミノ、アリールアミノ、アラルキルアミノ、カルボン酸およびその誘導体、例えばエステルおよびアミド、カルボニルアミノ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、アラルコキシアルキル、アルキルチオ、チオアルキル、アリールチオ、アルキルスルホニルアミノ、アルキルスルホニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アラルキルオキシカルボニルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アルキルアミノカルボニルアミノ、アルコキシアミノ、ヒドロキシルアミノ、スルフェニル誘導体、スルホニル誘導体から選択される置換または未置換の基から選択することができる請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
メチル−5−[4−(2−エチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[4−(2−エチル−キナゾリン−4−イルオキシ)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[6−(4−クロロ−フェニル)−5−(4−メチルスルファニル−フェニル)−6−オキソ−ヘキシル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]オキサジン−4−イル)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−2−メチル−5−(4−フェノキサジン−10−イル−ブチル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[4−(6,7−ジヒドロ−4H−チエノ[3,2−c]ピリジン−5−イル)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−(4−カルバゾール−9−イル−ブチル)−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−2−メチル−5−[4−(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]チアジン−4−イル)−ブチル]−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]チアジン−4−イル)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−2−メチル−5−(4−フェノチアジン−10−イル−ブチル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−(4−インドール−1−イル−ブチル)−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−2−メチル−5−(5−フェニル−5−ピリジン−4−イル−ペンチル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[4−(4−ベンジル−フェノキシ)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−2−メチル−5−[4−(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]オキサジン−4−イル)−ブチル]−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−{4−[2−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]オキサジン−4−イル]−ブチル}−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−2−メチル−5−[4−(4−フェノキシ−フェノキシ)−ブチル]−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−(3−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−プロピル)−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[4−(4−メタンスルホニルオキシ−フェニル)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−2−メチル−5−(3−フェニルスルファニル−プロピル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
エチル−5−[3−(4−ブロモ−フェノキシ)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メティル−2−メチル−5−[3−(4−フェノキシ−フェノキシ)−プロピル]−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[3−(4−イソプロピル−フェノキシ)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−2−メチル−5−(3−p−トリルオキシ−プロピル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[3−(4−ブロモ−フェニルスルファニル)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−2−メチル−5−(3−フェノキシ−プロピル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−2−メチル−5−[3−(ナフタレン−2−イルオキシ)−プロピル]−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[3−(4−ベンジルオキシ−フェノキシ)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[3−(4−メトキシ−フェノキシ)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
メチル−5−[3−(4−ベンジル−フェノキシ)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボキシレート;
5−[4−(2−エチル−4−オキソ−4H−キナゾリン−3−イル)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[4−(2−エチル−キナゾリン−4−イルオキシ)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[6−(4−クロロ−フェニル)−5−(4−メチルスルファニル−フェニル)−6−オキソ−ヘキシル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]オキサジン−4−イル)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
2−メチル−5−(4−フェノキサジン−10−イル−ブチル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−(4−カルバゾール−9−イル−ブチル)−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
2−メチル−5−[4−(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]チアジン−4−イル)−ブチル]−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]チアジン−4−イル)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
2−メチル−5−(4−フェノチアジン−10−イル−ブチル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−(4−インドール−1−イル−ブチル)−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
2−メチル−5−(5−フェニル−5−ピリジン−4−イル−ペンチル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[4−(4−ベンジル−フェノキシ)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
2−メチル−5−[4−(3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]オキサジン−4−イル)−ブチル]−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−{4−[2−(2−ヒドロキシ−エチル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]オキサジン−4−イル]−ブチル}−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
2−メチル−5−[4−(4−フェノキシ−フェノキシ)−ブチル]−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−(3−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル−プロピル)−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[4−(4−メタンスルホニルオキシ−フェニル)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[4−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−ブチル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
2−メチル−5−(3−フェニルスルファニル−プロピル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[3−(4−ブロモ−フェノキシ)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
2−メチル−5−[3−(4−フェノキシ−フェノキシ)−プロピル]−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[3−(4−イソプロピル−フェノキシ)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
2−メチル−5−(3−p−トリルオキシ−プロピル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[3−(4−ブロモ−フェニルスルファニル)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
2−メチル−5−(3−フェノキシ−プロピル)−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
2−メチル−5−[3−(ナフタレン−2−イルオキシ)−プロピル]−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[3−(4−ベンジルオキシ−フェノキシ)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[3−(4−メトキシ−フェノキシ)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
5−[3−(4−ベンジル−フェノキシ)−プロピル]−2−メチル−[1,3]ジオキサン−2−カルボン酸およびその薬学的に許容される塩;
から選択される請求項1〜4に記載の化合物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の式(I)の化合物と、薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、または溶媒和物とを含む医薬組成物。
【請求項7】
高脂血症、過コレステリン血症、高血糖、肥満、耐糖能異常、レプチン抵抗性、インスリン抵抗性、糖尿病性合併症によって生じる疾患を予防または治療する方法であって、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式(I)の化合物または適切な医薬組成物の有効で非毒性の量を、それを必要とする患者に投与するステップを含む方法。
【請求項8】
前記疾患が、2型糖尿病、耐糖能異常、異脂肪血症、高血圧、肥満、アテローム性動脈硬化症、高脂血症、冠動脈疾患、心臓血管疾患、およびインスリン抵抗性が内在する病態生理学的機序であるその他の疾患である先行する請求項7に記載の方法。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の式(I)の化合物と、薬学的に許容される担体、希釈剤、賦形剤、または溶媒和物とを、必要とする患者に投与するステップを含む先行する請求項7または8に記載のいずれかの疾患状態を治療または軽減するための医薬。
【請求項10】
請求項1〜6、9のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、それらの医薬組成物、およびそれらを含有する医薬の、上記請求項のいずれかに記載の疾患の治療に好適な医薬品としての使用。
【請求項11】
式(I)の化合物の調製方法であって、
i)式(II)の化合物を式(III)の化合物(下式中、「R」は適切なアルキル基を表し、他の全ての記号は請求項1に記載のように定義される)と反応させて、式(Ia)の化合物を得るステップ、
【化2】

ii)または、式(IV)の化合物を式(V)の化合物(下式中、「L」は適切な脱離基を表し、「R」は好適なアルキル基を表し、そして他の全ての記号は請求項1に記載のように定義される)と反応させて、式(Ia)の化合物(下式中、全ての記号は請求項1に記記載のように定義される)を得るステップと、
【化3】

iii)前記式(Ia)の化合物を式(I)の化合物(下式中、全ての記号は請求項1に記記載のように定義される)に転化させるステップとを含む方法。
【化4】


【公表番号】特表2007−517862(P2007−517862A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−548588(P2006−548588)
【出願日】平成17年1月7日(2005.1.7)
【国際出願番号】PCT/IN2005/000011
【国際公開番号】WO2005/077943
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(304023824)カディラ ヘルスケア リミティド (12)
【Fターム(参考)】