説明

脳血流機能障害の予防および処置のための置換オキサゾリジノンの組合せ治療

本発明は、A)式(I)
【化1】


で示されるオキサゾリジノンとB)不整脈治療剤の組合せ、これらの組合せの製造方法、疾患の予防および/または処置のためのこれらの使用、ならびに疾患、とりわけ血栓塞栓性疾患および/または合併症の予防および/または処置のための薬剤の製造のためのこれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、A)式(I)のオキサゾリジノンとB)不整脈治療剤の組合せ、これらの組合せの製造方法、疾患の予防および/または処置のためのそれらの使用、および疾患、とりわけ血栓塞栓性疾患および/または合併症の予防および/または処置のための薬剤の製造のためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
式(I)のオキサゾリジノンは特に凝固因子Xaの選択的阻害剤および抗凝固剤として作用する。
【0003】
不整脈、とりわけ心房細動を有する患者における卒中の危険性が、際だって増加する。心臓血栓塞栓症は血流障害、とりわけ虚血性脳梗塞の主な原因である。心臓血栓塞栓症は心房からの凝固血栓またはその一部の分離を介して生じる。健康な心臓において、左心房および心耳は能動的に洞調律で収縮する。心房細動において、制御された収縮はもはや起こらず、左心房および心耳は拡大し、関連してうっ血が起こる。これらの状態は心房血栓の形成に働き、これが大血管を介して全体または断片として重要な臓器に移動でき、脳梗塞または全身性血栓塞栓性合併症を引き起こす。
【0004】
不整脈治療剤は頻脈性不整脈を予防または終止するために使用される。不整脈治療剤は、通常、Vaughan Williams(Vaughan Williams EM. Classification of antiarrhythmic drugs. In: Arrhythmias. Sandoe E, Flensted-Jensen E, Olesen HK (eds). Soedertaelje: Astra 1970: 449-69)にちなんで名付けられた分類:クラスI、II、IIIおよびIV不整脈治療剤による4つの効果のクラスに分類される。
【0005】
ビタミンKアンタゴニスト(慣用の抗凝固剤)での処置は、心房細動と関連する血栓塞栓性合併症の予防のために一般に認められている標準治療である。しかしながら、ビタミンKアンタゴニストは狭い治療濃度域を有し、そしてそれらの使用において多数の限定がある。ビタミンKアンタゴニストの抗凝血効果は、多数の凝固因子(FII、VII、IX、X、タンパク質Cおよびタンパク質S)が不完全で不活性な前駆物質としてのみ形成される事実から派生する。特に凝固系における広い効果によって、ビタミンKアンタゴニストのもっとも望ましくない副作用は、大きく生命に関わる出血、例えば、尿路出血、胃腸管の出血、頭蓋内出血を含む。ビタミンKアンタゴニストの薬物動態学的および薬力学的特性は、抗凝固において個体間および個体内で大きなばらつきを引き起こす。一方では危険な出血を避けるために、および他方では適当な抗血栓効果を維持するため、したがって、頻繁な凝固の連続監視(INR測定)に基づいてビタミンKアンタゴニストの投与量を個別化する必要がある。
【0006】
式(I)のオキサゾリジノンは選択的因子Xa阻害剤であり、そして特異的にFxaのみを阻害する(これの関連として、WO 01/47919参照、この明細書を出典明示により本明細書に包含させる)。因子Xa阻害剤の抗血栓効果は多数の動物モデル(U. Sinha, P. Ku, J. Malinowski, B. Yan Zhu, RM. Scarborough, C K. Marlowe, PW. Wong, P. Hua Lin, SJ. Hollenbach, Antithrombotic and hemostatic capacity of factor Xa versus thrombin inhibitors in models of venous and arteriovenous thrombosis, European Journal of Pharmacology 2000, 395, 51-59; A. Betz, Recent advances in factor Xa inhibitors, Expert Opin. Ther. Patents 2001, 11, 1007; K. Tsong Tan, A. Makin, G. YH Lip, Factor X inhibitors, Exp. Opin. Investig. Drugs 2003, 12, 799; J. Ruef, HA. Katus, New antithrombotic drugs on the horizon, Expert Opin. Investig. Drugs 2003, 12, 781; MM. Samama, Synthetic direct and indirect factor Xa inhibitors, Thrombosis Research 2002, 106, V267; ML. Quan, JM. Smallheer, The race to an orally active factor Xa inhibitors, Recent advances, J. Current Opinion in Drug Discovery& Development 2004, 7, 460-469参照)および患者における臨床試験(The Ephesus Study, Blood 2000, 96, 490a; The Penthifra Study, Blood 2000, 96, 490a; The Pentmaks Study, Blood 2000, 96, 490a-491a; The Pentthlon 2000 Study, Blood 2000, 96, 491a)で立証されている。したがって、因子Xa阻害剤は好ましくは血栓塞栓性疾患の予防および/または処置のための薬剤において使用できる。選択的FXa阻害剤は広い治療濃度域を示す。FXa阻害剤が、血栓症のモデルにおいて出血時間延長に作用することなく、またはわずかにしか作用せず、抗血栓効果を示すことが、多数の動物実験試験で示された(RJ Leadly, Coagulationfactor Xa inhibition: biological background and rationale, Curr Top Med Chem 2001; 1, 151-159参照)。したがって、選択的FXa阻害剤での抗凝固の場合において個別の投与量は必要ない。
【発明の開示】
【0007】
今回驚くべきことに、式(I)で示されるオキサゾリジノンと抗不整脈活性を有する物質の組合せが改良された抗血栓性特性を有し、不整脈を有する患者における卒中を予防するために適当であることを見いだした。
【0008】
したがって、本発明は、
A)式(I)で示されるオキサゾリジノンと
B)不整脈治療剤
の組合せに関する。
【0009】
“組合せ”は、本発明の目的上、すべての構成要素を含む投与形(いわゆる固定された組合せ)、および互いに分離している構成要素を含む組合せパックだけでなく、構成要素が同じ疾患の予防および/または処置のために使用される限り、同時にまたは連続して投与されることもまた意味する。同様に2種またはそれ以上の活性成分と一緒に組み合わせることも可能であり、したがって、この関連において、組合せは、それぞれの場合に2つまたはそれ以上である。
【0010】
本発明の組合せの適当なオキサゾリジノンは、例えば、式(I)
【化1】

〔式中:
は所望によりベンゾ縮合されていることもあるチオフェン(チエニル)(これは所望により1回またはそれ以上置換されていてもよい)であり;
はなんらかの有機ラジカルであり;
、R、R、R、RおよびRは同じかまたは異なっていて、水素または(C−C)−アルキルである〕
で示される化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物を含む。
【0011】
この関連において、好ましくは、
が、所望によりハロゲン;シアノ;ニトロ;アミノ;アミノメチル;所望によりハロゲンにより置換されていてもよい(C−C)−アルキル;(C−C)−シクロアルキル;(C−C)−アルコキシ;イミダゾリニル;−C(=NH)NH;カルバモイル;ならびにモノ−およびジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニルの群からのラジカルにより1回またはそれ以上置換されていてもよい、所望によりベンゾ縮合されていることもあるチオフェン(チエニル)であり、
が下記基の1つであり:
A−、
A−M−、
D−M−A−、
B−M−A−、
B−、
B−M−、
B−M−B−、
D−M−B−、
ここで:
ラジカル“A”が(C−C14)−アリール、好ましくは(C−C10)−アリール、特にフェニルまたはナフチル、特に好ましくはフェニルであり;
ラジカル“B”がS、N、NO(Nオキシド)およびOのシリーズからの3個までのヘテロ原子および/またはヘテロ鎖員、特に2個までのヘテロ原子および/またはヘテロ鎖員を含む5−または6−員芳香族性ヘテロ環であり;
ラジカル“D”がS、SO、SO、N、NO(N−オキシド)およびOのシリーズからの3個までのヘテロ原子および/またはヘテロ鎖員を含む飽和または部分不飽和、単または二環式、所望によりベンゾ縮合されていることもある4−ないし9−員ヘテロ環であり;
ラジカル“M”が−NH−、−CH−、−CHCH、−O−、−NH−CH−、−CH−NH−、−OCH−、−CHO−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OOC−、−S−、−SO−または共有結合であり;
【0012】
ここで:
上記定義の基“A”、“B”および“D”がそれぞれの場合に所望によりハロゲン;トリフルオロメチル;オキソ;シアノ;ニトロ;カルバモイル;ピリジル;(C−C)−アルカノイル;(C−C)−シクロアルカノイル;(C−C14)−アリールカルボニル;(C−C10)−ヘテロアリールカルボニル;(C−C)−アルカノイルオキシメチルオキシ;(C−C)−ヒドロキシアルキルカルボニル;−COOR27;−SO27;−C(NR2728)=NR29;−CONR2829;−SONR2829;−OR30;−NR3031、(C−C)−アルキルおよび(C−C)−シクロアルキルの群からのラジカルにより1回またはそれ以上置換されていてもよく、
ここで、(C−C)−アルキルおよび(C−C)−シクロアルキルは所望によりシアノ;−OR27;−NR2829;−CO(NH)(NR2728)および−C(NR2728)=NR29の群からのラジカルにより置換されていてもよく、
ここで:
vが0または1であり、そして
27、R28およびR29が同じかまたは異なっていて、互いに独立して、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−アルカノイル、カルバモイル、トリフルオロメチル、フェニルまたはピリジルであり、
そして/または
27およびR28、またはR27およびR29が、それらが結合している窒素原子と一体となって、3個までの、好ましくは2個までの、同じかまたは異なっているN、OおよびSの群からのヘテロ原子を有する飽和または部分不飽和5−ないし7−員ヘテロ環を形成し、そして
30およびR31が同じかまたは異なっていて、互いに独立して、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−アルキルスルホニル、(C−C)−ヒドロキシアルキル、(C−C)−アミノアルキル、ジ−(C−C)−アルキルアミノ−(C−C)−アルキル、−CHC(NR2728)=NR29または−COR33であり、
ここで、
33が(C−C)−アルコキシ、(C−C)−アルコキシ−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシカルボニル−(C−C)−アルキル、(C−C)−アミノアルキル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルカノイル−(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−アルケニル、所望によりフェニルまたはアセチルにより置換されていてもよい(C−C)−アルキルであるか、または(C−C14)−アリール、(C−C10)−ヘテロアリール、トリフルオロメチル、テトラヒドロフラニルまたはブチロラクトンであり、
、R、R、R、RおよびRが同じかまたは異なっていて、水素または(C−C)−アルキルである
式(I)の化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物である。
【0013】
この関連において、好ましくは同様に、
が所望によりハロゲン、好ましくは塩素または臭素、アミノ、アミノメチルまたは(C−C)−アルキル、好ましくはメチル(ここで、(C−C)−アルキルラジカルは所望によりハロゲン、好ましくはフッ素により1回またはそれ以上置換されていてもよい)により1回またはそれ以上置換されていてもよいチオフェン(チエニル)、特に2−チオフェンであり、
が下記基の1つであり:
A−、
A−M−、
D−M−A−、
B−M−A−、
B−、
B−M−、
B−M−B−、
D−M−B−、
ここで:
ラジカル“A”が(C−C14)−アリール、好ましくは(C−C10)−アリール、特にフェニルまたはナフチル、特に好ましくはフェニルであり;
ラジカル“B”がS、N、NO(N−オキシド)およびOのシリーズからの3個までのヘテロ原子および/またはヘテロ鎖員、特に2個までのヘテロ原子および/またはヘテロ鎖員を含む5−または6−員芳香族性ヘテロ環であり;
ラジカル“D”がS、SO、SO、N、NO(N−オキシド)およびOのシリーズからの3個までのヘテロ原子および/またはヘテロ鎖員を含む飽和または部分不飽和、4−ないし9−員ヘテロ環であり;
ラジカル“M”が−NH−、−CH−、−CHCH、−O−、−NH−CH−、−CH−NH−、−OCH−、−CHO−、−CONH−、−NHCO−、−COO−、−OOC−、−S−または共有結合であり;
【0014】
ここで、
上記定義の基“A”、“B”および“D”がそれぞれの場合に所望によりハロゲン;トリフルオロメチル;オキソ;シアノ;ニトロ;カルバモイル;ピリジル;(C−C)−アルカノイル;(C−C)−シクロアルカノイル;(C−C14)−アリールカルボニル;(C−C10)−ヘテロアリールカルボニル;(C−C)−アルカノイルオキシメチルオキシ;−COOR27;−SO27;−C(NR2728)=NR29;−CONR2829;−SONR2829;−OR30;−NR3031、(C−C)−アルキルおよび(C−C)−シクロアルキルの群からのラジカルにより1回またはそれ以上置換されていてもよく、
ここで、(C−C)−アルキルおよび(C−C)−シクロアルキルは所望によりシアノ;−OR27;−NR2829;−CO(NH)(NR2728)および−C(NR2728)=NR29の群からのラジカルにより置換されていてもよく、
ここで:
vが0または1であり、そして
27、R28およびR29が同じかまたは異なっていて、互いに独立して、水素、(C−C)−アルキルまたは(C−C)−シクロアルキルであり、
そして/または
27およびR28、またはR27およびR29が、それらが結合している窒素原子と一体となって、3個までの、好ましくは2個までの、同じかまたは異なっているN、OおよびSの群からのヘテロ原子を有する飽和または部分不飽和5−ないし7−員ヘテロ環を形成し、そして
30およびR31が同じかまたは異なっていて、互いに独立して、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル、(C−C)−アルキルスルホニル、(C−C)−ヒドロキシアルキル、(C−C)−アミノアルキル、ジ−(C−C)−アルキルアミノ−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルカノイル、(C−C14)−アリールカルボニル、(C−C10)−ヘテロアリールカルボニル、(C−C)−アルキルアミノカルボニルまたは−CHC(NR2728)=NR29であり、
、R、R、R、RおよびRが同じかまたは異なっていて、水素または(C−C)−アルキルである、
一般式(I)の化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物である。
【0015】
この関連において、特に好ましくは、
が所望によりハロゲン、好ましくは塩素または臭素、または(C−C)−アルキル、好ましくはメチル(ここで、(C−C)−アルキルラジカルは所望によりハロゲン、好ましくはフッ素により1回またはそれ以上置換されていてもよい)により1回またはそれ以上置換されていてもよいチオフェン(チエニル)、特に2−チオフェンであり、
が下記基の1つであり:
A−、
A−M−、
D−M−A−、
B−M−A−、
B−、
B−M−、
B−M−B−、
D−M−B−、
ここで:
ラジカル“A”がフェニルまたはナフチル、特にフェニルであり;
ラジカル“B”がS、N、NO(N−オキシド)およびOのシリーズからの2個までのヘテロ原子を含む5−または6−員芳香族性ヘテロ環であり;
ラジカル“D”がS、SO、SO、N、NO(N−オキシド)およびOのシリーズからの2個までのヘテロ原子および/またはヘテロ鎖員を含む飽和または部分不飽和、5−または6−員ヘテロ環であり;
ラジカル“M”が−NH−、−O−、−NH−CH−、−CH−NH−、−OCH−、−CHO−、−CONH−、−NHCO−または共有結合であり;
【0016】
ここで、
上記定義の基“A”、“B”および“D”がそれぞれの場合に所望によりハロゲン;トリフルオロメチル;オキソ;シアノ;ピリジル;(C−C)−アルカノイル;(C−C10)−アリールカルボニル;(C−C)−ヘテロアリールカルボニル;(C−C)−アルカノイルオキシメチルオキシ;−C(NR2728)=NR29;−CONR2829;−SONR2829;−OR30;−NR3031、(C−C)−アルキルおよびシクロプロピル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルの群からのラジカルにより1回またはそれ以上置換されていてもよく、
ここで、(C−C)−アルキルおよびシクロプロピル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルは所望によりシアノ;−OH;−OCH;−NR2829;−CO(NH)(NR2728)および−C(NR2728)=NR29の群からのラジカルにより置換されていてもよく、
ここで:
vが0または1、好ましくは0であり、そして
27、R28およびR29が同じかまたは異なっていて、互いに独立して、水素、(C−C)−アルキルまたは他にシクロプロピル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、
そして/または
27およびR28、またはR27およびR29が、それらが結合している窒素原子と一体となって、2個までの、同じかまたは異なっているN、OおよびSの群からのヘテロ原子を有する飽和または部分不飽和5−ないし7−員ヘテロ環を形成し、そして
30およびR31が同じかまたは異なっていて、互いに独立して、水素、(C−C)−アルキル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、(C−C)−アルキルスルホニル、(C−C)−ヒドロキシアルキル、(C−C)−アミノアルキル、ジ−(C−C)−アルキルアミノ−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルカノイルまたはフェニルカルボニルであり、
、R、R、R、RおよびRが同じかまたは異なっていて、水素または(C−C)−アルキルである、
一般式(I)の化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物である。
【0017】
この関連において、とりわけ好ましくは、
が所望により5位で塩素、臭素、メチルまたはトリフルオロメチルの群からのラジカルにより置換されていてもよい2−チオフェンであり、
が下記基の1つであり:
A−、
A−M−、
D−M−A−、
B−M−A−、
B−、
B−M−、
B−M−B−、
D−M−B−、
ここで:
ラジカル“A”がフェニルまたはナフチル、特にフェニルであり;
ラジカル“B”がS、N、NO(N−オキシド)およびOのシリーズからの2個までのヘテロ原子を含む5−または6−員芳香族性ヘテロ環であり;
ラジカル“D”がS、SO、SOおよびOのシリーズからの2個までのヘテロ原子および/またはヘテロ鎖員を含む飽和または部分不飽和、5−または6−員ヘテロ環であり;
ラジカル“M”が−NH−、−O−、−NH−CH−、−CH−NH−、−OCH−、−CHO−、−CONH−、−NHCO−または共有結合であり;
【0018】
ここで、
上記定義の基“A”、“B”および“D”がそれぞれの場合に所望によりハロゲン;トリフルオロメチル;オキソ;シアノ;ピリジル;(C−C)−アルカノイル;(C−C10)−アリールカルボニル;(C−C)−ヘテロアリールカルボニル;(C−C)−アルカノイルオキシメチルオキシ;−CONR2829;−SONR2829;−OH;−NR3031、(C−C)−アルキルおよびシクロプロピル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルの群からのラジカルにより1回またはそれ以上置換されていてもよく、
ここで、(C−C)−アルキルおよびシクロプロピル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルは所望によりシアノ;−OH;−OCH;−NR2829;−CO(NH)(NR2728)および−C(NR2728)=NR29の群からのラジカルにより置換されていてもよく、
ここで:
vが0または1、好ましくは0であり、そして
27、R28およびR29が同じかまたは異なっていて、互いに独立して、水素、(C−C)−アルキルまたは他にシクロプロピル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、
そして/または
27およびR28、またはR27およびR29が、それらが結合している窒素原子と一体となって、2個までの、同じかまたは異なっているN、OおよびSの群からのヘテロ原子を有する飽和または部分不飽和5−ないし7−員ヘテロ環を形成し、そして
30およびR31が同じかまたは異なっていて、互いに独立して、水素、(C−C)−アルキル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、(C−C)−アルキルスルホニル、(C−C)−ヒドロキシアルキル、(C−C)−アミノアルキル、ジ−(C−C)−アルキルアミノ−(C−C)−アルキル、(C−C)−アルカノイルまたはフェニルカルボニルであり、
、R、R、R、RおよびRが同じかまたは異なっていて、水素または(C−C)−アルキルである、
一般式(I)の化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物である。
【0019】
この関連において、より特に好ましくは、
が所望により5位で塩素、臭素、メチルまたはトリフルオロメチルの群からのラジカルにより置換されていてもよい2−チオフェンであり、
がD−A−であり:
ここで:
ラジカル“A”がフェニレンであり;
ラジカル“D”が飽和、5−または6−員ヘテロ環であり;
これは窒素原子を介して“A”に結合しており、
これは結合している窒素原子に直接隣接してカルボニル基を有し、そして
ここで、環炭素員がS、NおよびOのシリーズからのヘテロ原子により置換されていてもよく;
ここで
上記定義の基“A”は、所望によりオキサゾリジノンの結合に対してメタ位で、フッ素、塩素、ニトロ、アミノ、トリフルオロメチル、メチルまたはシアノの群からのラジカルにより1回または2回置換されていてもよく、
、R、R、R、RおよびRは水素である、
一般式(I)の化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物である。
【0020】
この関連において、より特に好ましくは同様に、
【化2】

を有する化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物である。
【0021】
今日まで、オキサゾリジノンは本質的に抗生物質としてのみ、ならびに、わずかな場合において、またMAO阻害剤およびフィブリノーゲンアンタゴニストとして記載されており(Review: Riedl, B., Endermann, R., Exp. Opin. Ther. Patents 1999, 9 (5), 625)、小さな5−[アシルアミノメチル]基(好ましくは5−[アセチルアミノメチル])が抗菌効果のために必須であると思われる。
【0022】
一置換または多置換フェニルラジカルはオキサゾリジノン環のN原子に結合し得、そしてオキサゾリジノン環の5位で非置換N−メチル−2−チオフェンカルボキサミド残基を有し得る、置換アリールおよびヘテロアリールフェニルオキサゾリジノンおよび抗菌活性を有する物質としてのこれらの使用はU.S.特許US 5 929 248、US 5 801 246、US 5 756 732、US 5 654 435、US 5 654 428およびUS 5 565 571に記載されている。
【0023】
加えて、ベンズアミジン含有オキサゾリジノンは因子Xa阻害剤またはフィブリノーゲンアンタゴニストの合成における合成中間体として既知である(WO 99/31092、EP 623615)。
【0024】
本発明の化合物A)は式(I)の化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物、下記の式の式(I)により包含される化合物およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物、ならびに式(I)により包含され典型的な実施態様として後述する化合物、およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物である(後述する式(I)に包含される化合物が、既に塩、溶媒和物および塩の溶媒和物でない場合に)。
【0025】
構造によっては本発明の化合物A)およびB)は立体異性体形(エナンチオマー、ジアステレオマー)で存在し得る。したがって本発明はエナンチオマーまたはジアステレオマーおよびそれらのそれぞれの混合物を含む。立体異性的に純粋な構成物が、エナンチオマーおよび/またはジアステレオマーのこのような混合物から既知の方法で単離できる。
【0026】
本発明の化合物が互変異性体を生じることができるとき、本発明はすべての互変異性体形を包含する。
【0027】
本発明の目的上、好ましいは、本発明の化合物の生理学的に許容される塩である。また、それら自体は医薬的適用に不適当であるが、例えば、本発明の化合物を単離または精製するために使用され得る塩もまた含まれる。
【0028】
本発明の化合物の生理学的に許容される塩は、鉱酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸および安息香酸の塩を含む。
【0029】
本発明の化合物の生理学的に許容される塩は、また、慣用の塩基の塩、例えば、好ましくは、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムおよびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムおよびマグネシウム塩)およびアンモニアまたは1個ないし16個のC原子を含む有機アミン、例えば、好ましくは、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、アルギニン、リシン、エチレンジアミンおよびN−メチルピペリジン由来のアンモニウム塩を含む。
【0030】
溶媒和物は、本発明の目的上、溶媒分子との配位を介して固体または液体状態の錯体を形成している本発明の化合物の形態を意味する。水和物は配位が水とで起こっている溶媒和物の特定の形態である。本発明の目的上好ましい溶媒和物は水和物である。
【0031】
本発明は、さらに本発明の化合物A)およびB)のプロドラッグを包含する。“プロドラッグ”なる用語は、それ自身が生物学的に活性または不活性であってよいが、それらの滞留時間中に体内で本発明の化合物に変換される(例えば、代謝または加水分解による)化合物を包含する。
【0032】
本発明の目的上、置換基は、特に記載のない限り、下記の意味を有する:
ハロゲンはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素である。塩素またはフッ素が好ましい。
【0033】
(C−C)−アルキルは、1個ないし8個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルラジカルである。言及され得る例は:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルである。より少ない炭素原子を有する対応するアルキル基、例えば、(C−C)−アルキルおよび(C−C)−アルキルは、この定義に準じて派生する。一般に、(C−C)−アルキルが好ましいことが真実である。
【0034】
他のさらなる複合の置換基、例えば、それぞれの場合において、アルキルスルホニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルカルボニル、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、アルカノイルアルキル、アミノアルキルまたはアルキルアミノアルキルの対応する要素の意味もこの定義から派生する。
【0035】
(C−C)−シクロアルキルは、3個ないし7個の炭素原子を有する環状アルキルラジカルである。言及され得る例は:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルである。より少ない炭素原子を有する対応するシクロアルキル基、例えば、(C−C)−シクロアルキルは、この定義に準じて派生する。シクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが好ましい。
【0036】
他のさらなる複合の置換基、例えば、シクロアルカノイルの対応する要素の意味もこの定義から派生する。
【0037】
(C−C)−アルケニルは、2個ないし6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルケニルラジカルである。2個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルケニルラジカルが好ましい。言及され得る例は:ビニル、アリル、イソプロペニルおよびn−ブタ−2−エン−1−イルである。
【0038】
(C−C)−アルコキシは、1個ないし8個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルコキシラジカルである。言及され得る例は:メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、n−ヘプトキシおよびn−オクトキシである。より少ない炭素原子を有する対応するアルコキシ基、例えば、(C−C)−アルコキシおよび(C−C)−アルコキシは、この定義に準じて派生する。一般に、(C−C)−アルコキシが好ましいことが真実である。
【0039】
他のさらなる複合の置換基、例えば、アルコキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキルおよびアルコキシカルボニルの対応する要素の意味もこの定義から派生する。
【0040】
モノ−またはジ−(C−C)−アルキルアミノカルボニルは、カルボニル基を介して結合しており、そしてそれぞれ1個ないし4個の炭素原子を有する、1個の直鎖または分岐または2個の同じかまたは異なっていて直鎖または分岐アルキル置換基を有するアミノ基である。言及され得る例は:メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、t−ブチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−n−プロピルアミノ、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノおよびN−t−ブチル−N−メチルアミノである。
【0041】
(C−C)−アルカノイルは、1位に二重結合酸素原子を有し、そして1位を介して結合している1個ないし6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルキルラジカルである。言及され得る例は:ホルミル、アセチル、プロピオニル、n−ブチリル、i−ブチリル、ピバロイル、n−ヘキサノイルである。より少ない炭素原子を有する対応するアルカノイル基、例えば、(C−C)−アルカノイル、(C−C)−アルカノイルおよび(C−C)−アルカノイルは、この定義に準じて派生する。一般に、(C−C)−アルカノイルが好ましいことが真実である。
【0042】
他のさらなる複合の置換基、例えば、シクロアルカノイルおよびアルカノイルアルキルの対応する要素の意味もこの定義から派生する。
【0043】
(C−C)−シクロアルカノイルは、3個ないし7個の炭素原子を有し、そしてカルボニル基を介して結合している上記定義のシクロアルキルラジカルである。
【0044】
(C−C)−アルカノイルオキシメチルオキシは、1個ないし6個の炭素原子を有する直鎖または分岐アルカノイルオキシメチルオキシラジカルである。言及され得る例は:アセトキシメチルオキシ、プロピオンオキシメチルオキシ、n−ブチルオキシメチルオキシ、i−ブチルオキシメチルオキシ、ピバロイルオキシメチルオキシ、n−ヘキサノイルオキシメチルオキシである。より少ない炭素原子を有する対応するアルカノイルオキシメチルオキシ基、例えば、(C−C)−アルカノイルオキシメチルオキシは、この定義に準じて派生する。一般に、(C−C)−アルカノイルオキシメチルオキシが好ましいことが真実である。
【0045】
(C−C14)−アリールは、6個ないし14個の炭素原子を有する芳香族性ラジカルである。言及され得る例は:フェニル、ナフチル、フェナントレニルおよびアントラセニルである。より少ない炭素原子を有する対応するアリール基、例えば、(C−C10)−アリールは、この定義に準じて派生する。一般に、(C−C10)−アリールが好ましいことが真実である。
【0046】
他のさらなる複合の置換基、例えば、アリールカルボニルの対応する要素の意味もこの定義から派生する。
【0047】
S、O、Nおよび/またはNO(N−オキシド)のシリーズからの3個までのヘテロ原子および/またはヘテロ鎖員を有する(C−C10)−ヘテロアリールまたは5−ないし10−員芳香族性ヘテロ環は、ヘテロ芳香族系の環炭素原子を介して、所望により、またヘテロ芳香族系の環窒素原子を介して結合している単または二環式ヘテロ芳香族系である。言及され得る例は:ピリジル、ピリジルN−オキシド、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、チエニル、フリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリルまたはイソオキサゾリル、インドリジニル、インドリル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾ[b]フリル、インダゾリル、キノリル、イソキノリル、ナフチリジニル、キナゾリニルである。対応する小さな環のサイズであるヘテロ環、例えば、5−または6−員芳香族性ヘテロ環は、この定義に準じて派生する。一般に、5−または6−員芳香族性ヘテロ環、例えば、ピリジル、ピリジルN−オキシド、ピリミジル、ピリダジニル、フリルおよびチエニルが好ましいことが真実である。
【0048】
他のさらなる複合の置換基、例えば、(C−C10)−ヘテロアリールカルボニルの対応する要素の意味もこの定義から派生する。
【0049】
S、SO、SO、N、NO(N−オキシド)および/またはOのシリーズからの3個までのヘテロ原子および/またはヘテロ鎖員を有する3−ないし9−員飽和または部分不飽和、単または二環式、所望によりベンゾ−縮合したヘテロ環は、1個またはそれ以上の二重結合を含んでいてよく、単または二環式であってよく、ベンゼン環は2個の隣接した環炭素原子で縮合していてよく、そして環炭素原子または環窒素原子を介して結合しているヘテロ環である。言及され得る例は:テトラヒドロフリル、ピロリジニル、ピロリニル、ピペリジニル、1,2−ジヒドロピリジニル、1,4−ジヒドロピリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、モルホリニルN−オキシド、チオモルホリニル、アゼピニル、1,4−ジアゼピニルおよびシクロヘキシルである。ピペリジニル、モルホリニルおよびピロリジニルが好ましい。
【0050】
小さな環のサイズである対応する環状系、例えば、5−ないし7−員環状系は、この定義に準じて派生する。
【0051】
式(I)の化合物は、選択的な方法[A]
一般式(II)
【化3】

〔式中、
ラジカルR、R、R、R、R、RおよびRは上記意味を有する〕
で示される化合物を、
一般式(III)
【化4】

〔式中、
ラジカルRは上記意味を有する〕のカルボン酸、
あるいは対応するハロゲン化カルボニル、好ましくは塩化カルボニル、あるいは上記定義一般式(III)のカルボン酸の対応する対称または混合カルボン酸無水物と、
不活性溶媒中で、必要に応じて活性化またはカップリング試薬および/または塩基の存在下で反応させ、一般式(I)
【化5】

〔式中、
ラジカルR、R、R、R、R、R、RおよびRは上記意味を有する〕
で示される化合物を得る、
【0052】
あるいは、選択的な方法[B]
一般式(IV)
【化6】

〔式中、
ラジカルR、R、R、R、R、RおよびRは上記意味を有する〕
で示される化合物を、
適当な選択的酸化剤を用いて、不活性溶媒中で一般式(V)
【化7】

〔式中、
ラジカルR、R、R、R、R、RおよびRは上記意味を有する〕
で示される対応するエポキシドに変換し、
そして不活性溶媒中で、必要に応じて触媒の存在下で、一般式(VI)
−NH (VI)
〔式中、
ラジカルRは上記意味を有する〕
で示されるアミンと反応させ、
最初に一般式(VII)
【化8】

〔式中、
ラジカルR、R、R、R、R、R、RおよびRは上記意味を有する〕
で示される化合物を製造し、
そして
次に不活性溶媒中でホスゲンまたはホスゲン相当物、例えば、カルボニルジイミダゾール(CDI)の存在下で一般式(I)
【化9】

〔式中、
ラジカルR、R、R、R、R、R、RおよびRは上記意味を有する〕
で示される化合物に環化する、
により製造でき、
【0053】
ここで、選択的な方法[A]および選択的な方法[B]の両方で、RがNおよびSの群からの1個またはそれ以上の同じかまたは異なるヘテロ原子を有する3−ないし7−員飽和または部分不飽和環状炭化水素ラジカルを有する場合、この後に、選択的酸化剤で対応するスルホン、スルホキシドまたはN−オキシドに酸化することが可能であり、
および/または
ここで、選択的な方法[A]および選択的な方法[B]の両方で、この方法で製造された化合物が分子中にシアノ基を有する場合において、この後に、慣用の方法によりこのシアノ基をアミジン化することが可能であり、
および/または
ここで、選択的な方法[A]および選択的な方法[B]の両方で、この方法で製造された化合物が分子中にBOCアミノ保護基を有する場合において、この後に、慣用の方法によりこのBOCアミノ保護基を除去することが可能であり、
および/または
ここで、選択的な方法[A]および選択的な方法[B]の両方で、この方法で製造された化合物が分子中にアニリンまたはベンジルアミン残基を有する場合において、この後に、このアミノ基を様々な試薬、例えば、カルボン酸、カルボン酸無水物、塩化カルボニル、イソシアネート、塩化スルホニルまたはハロゲン化アルキルと反応させ、対応する誘導体を得ることが可能であり、
および/または
ここで、選択的な方法[A]および選択的な方法[B]の両方で、この方法で製造された化合物が分子中にフェニル環を有する場合において、この後で、クロロスルホン酸と反応させ、続いてアミンと反応させ、対応するスルホンアミドを得ることが可能である。
【0054】
該方法は、一例として下記式の略図により説明できる:
【化10】

【化11】

【0055】
必要に応じて実施する上記酸化工程は、一例として下記式の略図により説明できる:
【化12】

【0056】
上記処理のための適当な溶媒は、これらの場合において、反応条件下で不活性である有機溶媒である。これらはハロ炭化水素、例えば、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、1,2−ジクロロエチレンまたはトリクロロエチレン、エーテル、例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルまたはジエチレングリコールジメチルエーテル、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノール、炭化水素、例えば、ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサンまたはシクロヘキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ピリジン、ヘキサメチルリン酸トリアミドまたは水を含む。
上記溶媒から成る溶媒混合物を使用することが同様に可能である。
【0057】
上記処理のために適当な活性化剤またはカップリング剤は、これらの場合において、通常、これらの目的のために使用される物質、例えば、N'−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド・HCl、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール・HOなどである。
【0058】
適当な塩基は通常の無機または有機塩基である。これらは好ましくは、水酸化アルカリ金属、例えば、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウム、または炭酸アルカリ金属、例えば、炭酸ナトリウムもしくは炭酸カリウムまたはナトリウムメトキシドもしくはカリウムメトキシドまたはナトリウムエトキシドもしくはカリウムエトキシドまたはtert−ブトキシドカリウムまたはアミド、例えば、ナトリウムアミド、リチウムビス−(トリメチルシリル)アミドもしくはリチウムジイソプロピルアミドまたはアミン、例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、4−N,N−ジメチルアミノピリジンもしくはピリジンを含む。
【0059】
塩基は、これらの場合において、1molの一般式(II)の化合物を基準として、1ないし5mol、好ましくは1ないし2molの量で使用することができる。
【0060】
反応は、一般に−78℃ないし還流温度の温度範囲、好ましくは0℃ないし還流温度の範囲で実施する。
【0061】
反応は、大気圧、高圧または減圧下(例えば、0.5ないし5barの範囲)、一般に大気圧下で実施できる。
【0062】
エポキシドを製造するため、および所望によりスルホン、スルホキシドまたはN−オキシドにするために実施される酸化のための適当な選択的酸化剤は、例えば、m−クロロ過安息香酸(MCPBA)、メタ過ヨウ素酸ナトリウム、N−メチルモルホリンN−オキシド(NMO)、モノペルオキシフタル酸または四酸化オスミウムである。
エポキシドを製造するために使用される条件は、これらの製造のための慣用条件である。
【0063】
必要に応じてスルホン、スルホキシドまたはN−オキシドにするために実施される酸化の処理のための詳細な条件のために、下記文献:M. R. Barbachyn et al., J. Med. Chem. 1996, 39, 680およびWO 97/10223を参照できる。
さらに実験の部に記載の実施例14ないし16を参照できる。
【0064】
必要に応じて実施されるアミジン化は通常の条件下で実施される。さらなる詳細のために、実施例31ないし35および140ないし147を参照できる。
【0065】
式(II)、(III)、(IV)および(VI)の化合物はそれ自身当業者に既知であるか、または慣用の方法により製造できる。必要なオキサゾリジノン、特に5−(アミノメチル)−2−オキソオキサゾリジンには、WO 98/01446; WO 93/23384; WO 97/03072; J. A. Tucker et al., J. Med. Chem. 1998, 41, 3727; S. J. Brickner et al., J. Med. Chem. 1996, 39, 673; W. A. Gregory et al., J. Med. Chem. 1989, 32, 1673参照。
【0066】
組合せにおいて使用するための好ましい式(I)の化合物A)は、実施例44の化合物である5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミドである。
【0067】
本発明の組合せは心臓血栓塞栓症の予防または処置および不整脈の予防、減少または終止のために特に適当である。
【0068】
本発明の組合せの適当な不整脈治療剤は、例えば、クラスI、II、IIIおよびIVの不整脈治療剤を含む。クラスI効果を有する不整脈治療剤の適当な組合せ活性成分として挙げうる例は、プロパフェノンである。クラスII効果を有する不整脈治療剤の適当な組合せ活性成分として挙げうる例は、β−アドレナリン受容体アンタゴニスト、例えば、アテノロール、チモロール、メトプロロール、アセブトロール、プロプラノロール、オクスプレノロール、ブプラノロール、カルテオロール、セリプロロール、メピンドロール、ナドロール、ペンブトロール、ピンドロールである。クラスIII効果を有する不整脈治療剤の適当な組合せ活性成分として挙げうる例は、ソタロール、アミオダロン、ドフェテリド、アジミリド、イブタリドである。クラスIV効果を有する不整脈治療剤の適当な組合せ活性成分として挙げうる例は、カルシウムチャネルブロッカー、例えば、ベラパミル、ガロパミル、ジルチアゼムである。
【0069】
組合せ活性成分B)としてさらに適当なものは、不整脈治療剤活性を有するが、この分類に対応しない物質、とりわけアデノシンA1アゴニスト、例えば、アデノシン類似体A1アゴニスト、例えば、テカデノソンおよびセロデノソンである(Trial to Evaluate the Management of Paroxysmal Supraventricular During an Electrophysiology Study With Tecadenoson, K. A. Ellenbogen et al. for the TEMPEST Study Group, Circulation 2005, 111, 3202-3208; L. Yan et al., Adenosine receptor agonists: from basic medicinal chemistry to clinical development, Expert Opinion on Emerging Drugs, November 2003, Vol. 8, No. 2, Pages 537-576)。特に好ましいものは、WO 02/25210、WO 02/070520、WO 02/070484、WO 02/070485、WO 02/079196、WO 02/079195、WO 03/008384およびWO 03/053441に記載の経口的に利用できる非アデノシン類似体物質であり、これらの文献を出典明示により本明細書に包含させる。さらに特に好ましいものは、式
【化13】

で示される2−アミノ−6−({[2−(4−クロロフェニル)−1,3−チアゾル−4−イル]メチル}スルファニル)−4−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−3,5−ピリジンジカルボニトリル(WO 03/053441、実施例6)およびそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物である。
【0070】
個々の組合せ活性成分B)は文献から既知であり、いくつかは購入できる。それらは必要に応じて、式(I)のオキサゾリジノンと同様に、治療量以下の用量で使用できる。
【0071】
本発明の特に好ましい態様において、組合せは、
A)式
【化14】

で示される化合物5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミドまたはその塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物の1つ、および
B)式
【化15】

で示される化合物2−アミノ−6−({[2−(4−クロロフェニル)−1,3−チアゾル−4−イル]メチル}スルファニル)−4−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−3,5−ピリジンジカルボニトリルまたはその塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物の1つを含む。
【0072】
すべての通常の投与形態が本発明の組合せを投与するために適当である。投与は好ましくは、経口で、舌下で、舌に、経口内で、経直腸で、局所的でまたは非経腸的で(すなわち腸管を避ける、すなわち静脈内で、動脈内で、心臓内で、皮内で、皮下で、経皮的で、腹膜内でまたは筋肉内で)実施する。
【0073】
本発明は、非毒性、不活性な薬学的に適当な補助剤および/または担体に加えて、1種またはそれ以上の本発明の組合せを含むか、または本発明の組合せからなる医薬品、およびこれらの製剤を製造するための方法を含む。
【0074】
本発明の組合せは上記医薬品において完全な混合物の約0.1ないし99.5、好ましくは約0.5ないし95重量%の濃度で存在することを意図する。
【0075】
上記医薬品は本発明の組合せに加えて、さらなる活性医薬成分も含み得る。
【0076】
上記医薬品は既知の方法による慣用の方法で、例えば、活性成分または活性成分と担体を混合することにより製造できる。
【0077】
所望の結果を得るために、適当なとき複数の単回投与形で、24時間ごとに全量約0.001ないし100mg/kg、好ましくは約0.01ないし100mg/kg、特に約0.1ないし10mg/kg体重の本発明の組合せを投与することが一般に有利であることが証明された。単回投与形は好ましくは約0.1ないし約80、特に0.1ないし30mg/kg体重の量の本発明の化合物を含む。
【0078】
それにもかかわらず、特に体重、投与形路の性質、疾患の型および重症度、薬剤に対する個々の応答、製剤の性質および投与時間または間隔に応じて、必要に応じて、上記の量からはずれることが必要なことがある。したがって、前記最小量よりも少ない用量で十分である場合があり、一方、記載の上限を超えなければならない場合がある。例えば、多量に投与するとき、これらを1日にわたり、特に複数の個々の用量に、または持続注入として、分散させることが望ましいこともあり得る。
【0079】
したがって、本発明はさらに疾患の予防および/または処置のための上記定義の組合せに関する。
【0080】
本発明は、さらに少なくとも1種の上記定義の組合せおよび、必要に応じて、さらなる活性医薬成分を含む薬剤に関する。
【0081】
本発明はさらに上記疾患、好ましくは血栓塞栓性疾患および/または血栓塞栓性合併症の予防および/または処置のための薬剤の製造のための本発明の組合せの使用に関する。
【0082】
“血栓塞栓性疾患”は、本発明の文脈において、特に疾患、例えば、ST上昇を有する(STEMI)およびST上昇を有さない(非STEMI)心筋梗塞、安定な狭心症、不安定な狭心症、冠状動脈インターベンション、例えば、血管形成術または大動脈冠動脈バイパス手術後の再閉塞および再狭窄、閉塞性末梢動脈疾患、肺塞栓、深部静脈血栓症および腎臓静脈血栓症、短寿命物虚血性発作、ならびに血栓性および血栓閉塞性卒中を含む。
【0083】
したがって、本発明の組合せはまた、急性、間欠性または持続性不整脈、例えば、心房細動を有する患者、および電気的除細動を経験した患者、心臓バルブ疾患または人工心臓バルブを有する患者における、心臓血栓塞栓症、例えば、脳虚血、卒中および血栓性塞栓症および虚血の予防および処置のために適当である。本発明の組合せはさらに播種性血管内凝固(DIC)の処置に対して適当である。
【0084】
血栓塞栓性合併症はまた微小血管症性溶血性貧血、体外循環、例えば、血液透析、および心臓代用弁と関連して起こる。
下記における%データはそれぞれの場合に重量%に基づく;部は重量部である。
【実施例】
【0085】
実施例
生理学的活性の評価
1. 式(I)の化合物の生理学的活性
式(I)の化合物は特に凝固因子Xaの選択的阻害剤として作用し、他のセリンプロテアーゼ、例えば、トロンビン、プラスミンまたはトリプシンを阻害しないか、または際だって高濃度でのみ阻害する。
【0086】
凝固因子Xaの阻害剤は、因子Xa阻害に対するこれらのIC50値が他のセリンプロテアーゼ、特にトロンビン、プラスミンおよびトリプシンの阻害に対するIC50値より100倍、好ましくは500倍、特に1000倍小さいとき“選択的”と称する(選択性の試験方法に関して、下記の実施例A−1)a.1)およびa.2)の試験方法を参照)。
【0087】
式(I)の化合物の特に有利な生物学的特性は下記方法により確認できる。
【0088】
a)試験説明(インビトロ)
a.1)第Xa因子阻害の測定
ヒト第Xa因子(FXa)の酵素活性をFXa−特異的発色基質の変換を介して測定した。この場合において、第Xa因子は発色基質からp−ニトロアニリンを除去する。測定はマイクロタイタープレート上で下記のとおりに実施した。
試験物質をDMSOに様々な濃度で溶解し、ヒトFXa(50mmol/lのトリスバッファー[C,C,C−トリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン]、150mmol/lのNaCl、0.1%のBSA(ウシ血清アルブミン)、pH=8,3に溶解した0.5nmol/l)と共に25℃で10分インキュベートした。純粋なDMSOをコントロールとして用いる。次に発色基質(Pentapharm の150μmol/lのPefachrome(登録商標)FXa)を加えた。25℃で20分インキュベート後、405nmの吸光を測定した。試験物質を有する試験混合物の吸光を試験物質を有さない対照混合物と比較し、IC50値をそれらから計算した。
【0089】
a.2)選択性測定
選択的FXa阻害を他のヒトセリンプロテアーゼ、例えば、トロンビン、トリプシンおよびプラスミンの試験物質による阻害を調査することにより立証した。トロンビン(75mU/ml)、トリプシン(500mU/ml)およびプラスミン(3.2nmol/l)の酵素活性を、トリスバッファー(100mmol/l、20mmol/lのCaCl2、pH=8.0)にこれらの酵素を溶解し、試験物質または溶媒と10分インキュベートすることにより測定した。次に酵素反応を適当な特異的発色基質(Boehringer MannheimのChromozym Thrombin(登録商標)、Boehringer MannheimのChromozym Trypson(登録商標)、Boehringer MannheimのChromozym Plasmin(登録商標))を加えることにより開始し、吸光を405nmで20分後測定した。すべての測定を37℃で実施した。試験物質を有する試験混合物の吸光を試験物質を有さない対照サンプルと比較し、IC50値をそれらから計算した。
【0090】
a.3)抗凝血効果の測定
試験物質の抗凝血効果をインビトロでヒト血漿で測定した。この目的のために、ヒト血液を、0.11モル濃度のクエン酸ナトリウム溶液に、クエン酸ナトリウム/血液混合比1/9で回収した。血液を回収後すぐに完全に混合し、約2000gで10分間遠心した。上清をピペットにより取り出した。プロトロンビン時間(PT、類義語:クイック試験)を市販で入手できる試験キット(Boehringer MannheimのNeoplastin(登録商標))を使用して、様々な濃度の試験物質または適当な溶媒の存在下で測定した。試験化合物を血漿と共に37℃で10分間インキュベートした。次にトロンボプラスチンを加えることにより凝固を誘導し、凝固の発生時間を測定した。プロトロンビン時間の約2倍の増加をもたらす試験物質の濃度を見いだした。
【0091】
b)抗血栓効果(インビボ)の測定
b.1)動静脈シャントモデル(ラット)
200−250gの重量である空腹雄ラット(系統:HSD CPB:WU)をRompun/Ketavet溶液(12mg/kg/50mg/kg)で麻酔した。血栓形成をChristopher N. Berry et al., Br. J. Pharmacol. (1994), 113, 1209-1214による記載に基づく方法により動静脈シャントで誘導した。この目的のために、左頸静脈および右頸動脈を露出させた。体外シャントを10cm長ポリエチレンチューブ(PE60)を使用して2つの管の間に形成させた。このポリエチレンチューブを中間で、ループを形成している粗いナイロン糸を含む3cm長ポリエチレンチューブ(PE160)とさらに連結することにより、血栓形成性表面を確実に産生した。体外循環を15分間維持した。次にシャントを除去し、血栓を有するナイロン糸の重さをすぐに量った。ナイロン糸の空重量を実験の開始前に測定していた。体外循環を始める前に、試験物質を、尾静脈を介して静脈内に、または胃管栄養法により経口的に、意識のある動物に投与した。結果を表1に示す:
【0092】
表1:経口または静脈内投与後の動静脈シャントモデル(ラット)における抗血栓効果
【表1】

【0093】
b.2)動脈血栓症モデル(ラット)
空腹雄ラット(系統:HSD CPB:WU)を上記のとおりに麻酔した。該ラットは約200gの平均重量を有した。左頸動脈を露出させた(約2cm)。動脈血栓の形成をK. Meng et al., Naunyn-Schmiedeberg's Arch. Pharmacol. (1977), 301, 115-119による記載に基づく方法により血管への機械的損傷により誘導した。この目的のために、露出した頸動脈の血流をクランプで留め、−12℃に2分、金属管中で冷却し、血栓サイズを標準化するために、同時に200gの重量で圧縮した。さらに次に血管の損傷部分から遠位の頸動脈の周りに配置したクリップにより血流を減少させた。近位のクランプを除去し、傷を閉じ、4時間後、血管の損傷部分を除去するため再び開いた。血管のその部分を縦に開き、血栓を血管の損傷部分から取り出した。血栓の湿重量をすぐに測定した。実験開始時に、試験物質を、尾静脈を介して静脈内に、または胃管栄養法により経口的に、意識のある動物に投与した。
【0094】
b.3)静脈血栓症モデル(ラット)
空腹雄ラット(系統:HSD CPB:WU)を上記のとおりに麻酔した。該ラットは約200gの平均重量を有した。左頸動脈を露出させた(約2cm)。静脈血栓の形成をK. Meng et al., Naunyn-Schmiedeberg's Arch. Pharmacol. (1977), 301, 115-119による記載に基づく方法により管への機械的損傷により誘導した。この目的のために、露出した頸静脈の血流をクランプで留め、−12℃に2分、金属管中で冷却し、血栓サイズを標準化するために、同時に200gの重量で圧縮した。血流を再び開き、傷を閉じた。4時間後、傷を再び開き、血管の損傷部分から血栓を取り出した。血栓の湿重量をすぐに測定した。実験開始時に、試験物質を尾静脈を介して静脈内に、または胃管栄養法により経口的に意識のある動物に投与した。
【0095】
製造実施例
出発化合物
3−モルホリノンの製造はUS 5 349 045に記載されている。
N−(2,3−エポキシプロピル)フタルイミドの製造はJ.-W. Chern et al. Tetrahedron Lett. 1998,39,8483に記載されている。
置換アニリンは、例えば、4−フルオロニトロベンゼン、2,4−ジフルオロニトロベンゼンまたは4−クロロニトロベンゼンを適当なアミンまたはアミドと塩基の存在下で反応することにより得ることができる。これはまたPd触媒、例えば、Pd(OAc)/DPPF/NaOt−Bu(Tetrahedron Lett. 1999,40,2035)または銅(Renger, Synthesis 1985,856; Aebischer et al., Hetrohedrons 1998,48,2225)の使用で実施できる。ニトロ基を有さないハロ芳香族性化合物は、後に4位でニトロ化するために、正確に同じ方法で対応するアミドに最初に変換できる(US3279880)。
【0096】
I.4−(4−モルホリン−3−オニル)ニトロベンゼン
【化16】

2mol(202g)のモルホリン−3−オン(E. Pfeil, U. Harder, Angew. Chem. 79, 1967, 188)を2lのN−メチルピロリドン(NMP)に溶解する。次に88g(2.2mol)の水素化ナトリウム(パラフィン中で60%)を2hにわたって少しずつ加える。水素発生終了後、282g(2mol)の4−フルオロニトロベンゼンを1hにわたって室温に冷却しながら滴下し、次に反応混合物を一晩撹拌する。次に、1.7lの液体量を12mbarおよび76℃で留去し、残渣を2lの水に注ぎ、この混合物をそれぞれ1lずつの酢酸エチルで2回抽出する。合わせた有機相を水で洗浄し、次に硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を真空留去する。精製をヘキサン/酢酸エチル(1:1)のシリカゲルクロマトグラフィーにより実施し、次に酢酸エチルから結晶化する。生成物を78gの無色ないし褐色がかった固体として理論値の17.6%で得る。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): 3.86 (m, 2 H, CH2CH2), 4.08 (m, 2 H, CH2CH2), 4.49 (s, 2 H, CH2CO), 7.61 (d, 2 H, 3J=8.95 Hz, CHCH), 8.28 (d, 2 H, 3J=8.95 Hz, CHCH)
MS (r.I.%) = 222 (74, M+), 193 (100), 164 (28), 150 (21), 136 (61), 117 (22), 106 (24), 90 (37), 76 (38), 63 (32), 50 (25)
下記化合物を同じように合成した:
3−フルオロ−4−(4−モルホリン−3−オニル)ニトロベンゼン
4−(N−ポペリドニル)ニトロベンゼン
3−フルオロ−4−(N−ポペリドニル)ニトロベンゼン
4−(N−ピロリドニル)ニトロベンゼン
3−フルオロ−4−(N−ピロリドニル)ニトロベンゼン
【0097】
II.4−(4−モルホリン−3−オニル)アニリン
【化17】

63g(0.275mol)の4−(4−モルホリン−3−オニル)ニトロベンゼンをオートクレーブ中で200mlのテトラヒドロフランに溶解し、3.1gのPd/C(5%)を加え、混合物を50barの水素圧下で70℃で8h水素化する。触媒濾過後、溶媒を真空留去し、生成物を酢酸エチルからの結晶化により精製する。生成物を20gの無色ないし青色がかった固体として理論値の37.6%で得る。
精製をヘキサン/酢酸エチルのシリカゲルクロマトグラフィーにより実施できる。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): 3.67 (m, 2 H, CH2CH2), 3.99 (m, 2 H, CH2CH2), 4.27 (s, 2 H, CH2CO), 6.68 (d, 2 H, 3J=8.71 Hz, CHCH), 7.03 (d, 2 H, 3J=8.71 Hz, CHCH)
MS (r.I.%) = 192 (100, M+), 163 (48), 133 (26), 119 (76), 106 (49), 92 (38), 67 (27), 65 (45), 52 (22), 28 (22)
下記化合物を同じように合成した:
3−フルオロ−4−(4−モルホリン−3−オニル)アニリン
4−(N−ポペリドニル)アニリン
3−フルオロ−4−(N−ポペリドニル)アニリン
4−(N−ピロリドニル)アニリン
3−フルオロ−4−(N−ピロリドニル)アニリン
【0098】
1−フルオロ−4−ニトロベンゼンおよび1−クロロ−4−ニトロベンゼンを一級または二級アミンと反応させ、次に還元することによる4−置換アニリンを製造するための一般方法
【化18】

フルオロニトロベンゼンまたはクロロニトロベンゼンおよびアミンの当モル量をジメチルスルホキシドまたはアセトニトリル(0.1Mないし1Mの溶液)に溶解し、100℃で一晩撹拌する。RTに冷却後、反応混合物をエーテルで希釈し、水で洗浄する。有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮する。沈殿を反応混合物中に得るとき、それを濾取し、エーテルまたはアセトニトリルで洗浄する。生成物がまた母液中に見られるとき、これを記載のとおりにエーテルおよび水で後処理する。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/シクロヘキサンおよびジクロロメタン/エタノール混合物)により精製できる。
【0099】
次の還元のため、ニトロ化合物をメタノール、エタノールまたはエタノール/ジクロロメタン混合物(0.01Mないし0.5Mの溶液)に溶解し、パラジウム炭素(10%)と混合し、大気圧の水素下で一晩撹拌する。これを次に濾過し、濃縮する。粗生成物はシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール混合物)または分取逆相HPLC(アセトニトリル/水混合物)により精製できる。
【0100】
あるいは、鉄粉末はまた還元剤として使用できる。この目的のために、ニトロ化合物を酢酸(0.1Mないし0.5M溶液)に溶解し、90℃で、鉄粉末の6当量および水(酢酸の用量の0.3ないし0.5倍)を10−15分にわたって少しずつ加える。さらに90℃で30分後、混合物を濾過し、濾液を濃縮する。残渣を酢酸エチルおよび2Nの水酸化ナトリウム溶液で抽出することにより後処理する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。粗生成物はシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール混合物)または分取逆相HPLC(アセトニトリル/水混合物)により精製できる。
【0101】
下記出発化合物を類似の方法で製造した:
III−1.Tert−ブチル1−(4−アミノフェニル)−L−プロリネート
MS(ESI):m/z(%)=304(M+H+MeCN、100)、263(M+H、20);
HPLC(方法4):rt=2.79分。
III−2.1−(4−アミノフェニル)−3−ピペリジンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=220(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=0.59分。
III−3.1−(4−アミノフェニル)−4−ピペリジンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=220(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=0.57分。
III−4.1−(4−アミノフェニル)−4−ピペリジノン
MS(ESI):m/z(%)=191(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=0.64分。
【0102】
III−5.1−(4−アミノフェニル)−L−プロリンアミド
MS(ESI):m/z(%)=206(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=0.72分。
III−6.[1−(4−アミノフェニル)−3−ピペリジニル]メタノール
MS(ESI):m/z(%)=207(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=0.60分。
III−7.[1−(4−アミノフェニル)−2−ピペリジニル]メタノール
MS(ESI):m/z(%)=207(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=0.59分。
III−8.1−(4−アミノフェニル)−2−ピペリジンカルボン酸エチル
MS(ESI):m/z(%)=249(M+H、35)、175(100);
HPLC(方法4):rt=2.43分。
【0103】
III−9.[1−(4−アミノフェニル)−2−ピロリジニル]メタノール
MS(ESI):m/z(%)=193(M+H、45);
HPLC(方法4):rt=0.79分。
III−10.4−(2−メチルヘキサヒドロ−5H−ピロロ[3,4−d]イソキサゾール−5−イル)フェニルアミン
2−メチルヘキサヒドロ−2H−ピロロ[3,4−d]イソキサゾール(Ziegler, Carl B., et al.; J. Heterocycl. Chem.; 25; 2; 1988; 719-723)から出発する
MS(ESI):m/z(%)=220(M+H、50)、171(100);
HPLC(方法4):rt=0.54分。
III−11.4−(1−ピロリジニル)−3−(トリフルオロメチル)アニリン
MS(ESI):m/z(%)=231(M+H、100);
HPLC(方法7):rt=3.40分。
III−12.3−クロロ−4−(1−ピロリジニル)アニリン
MS(ESI):m/z(%)=197(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=0.78分。
【0104】
III−13.5−アミノ−2−(4−モルホリニル)ベンズアミド
MS(ESI):m/z(%)=222(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=0.77分。
III−14.3−メトキシ−4−(4−モルホリニル)アニリン
MS(ESI):m/z(%)=209(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=0.67分。
III−15.1−[5−アミノ−2−(4−モルホリニル)フェニル]エタノン
MS(ESI):m/z(%)=221(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=0.77分。
【0105】
1−フルオロ−4−ニトロベンゼンをアミドと反応させ、次に還元することにより4−置換アニリンを製造するための一般方法
【化19】

アミドをDMFに溶解し、1.5当量のtert−ブトキシドカリウムを加える。混合物をRTで1h撹拌し、次に1.2当量の1−フルオロ−4−ニトロベンゼンを少しずつ加える。反応混合物をRTで一晩撹拌し、エーテルまたは酢酸エチルで希釈し、飽和水性重炭酸ナトリウム溶液で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール混合物)により精製できる。
【0106】
次の還元のため、ニトロ化合物をメタノール(0.01Mないし0.5Mの溶液)に溶解し、パラジウム炭素(10%)と混合し、大気圧の水素下で一晩撹拌する。これを次に濾過し、濃縮する。粗生成物はシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール混合物)または分取逆相HPLC(アセトニトリル/水混合物)により精製できる。
【0107】
選択的に、鉄粉末はまた還元剤として使用できる。この目的のために、ニトロ化合物を酢酸(0.1Mないし0.5M溶液)に溶解し、90℃で、鉄粉末の6当量および水(酢酸の用量の0.3ないし0.5倍)を10−15分にわたって少しずつ加える。さらに90℃で30分後、混合物を濾過し、濾液を濃縮する。残渣を酢酸エチルおよび2Nの水酸化ナトリウム溶液で抽出することにより後処理する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮する。粗生成物はシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/エタノール混合物)または分取逆相HPLC(アセトニトリル/水混合物)により精製できる。
【0108】
下記出発化合物を類似の方法で製造した:
IV−1.1−[4−アミノ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−ピロリジノン
MS(ESI):m/z(%)=245(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.98分。
IV−2.4−[4−アミノ−2−(トリフルオロメチル)フェニル]−3−モルホリノン
MS(ESI):m/z(%)=261(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.54分。
IV−3.4−(4−アミノ−2−クロロフェニル)−3−モルホリノン
MS(ESI):m/z(%)=227(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=1.96分.
IV−4.4−(4−アミノ−2−メチルフェニル)−3−モルホリノン
MS(ESI):m/z(%)=207(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=0.71分。
【0109】
IV−5.5−アミノ−2−(3−オキソ−4−モルホリニル)ベンゾニトリル
MS(ESI):m/z(%)=218(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=1.85分。
IV−6.1−(4−アミノ−2−クロロフェニル)−2−ピロリジノン
MS(ESI):m/z(%)=211(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.27分。
IV−7.4−(4−アミノ−2,6−ジメチルフェニル)−3−モルホリノン
2−フルオロ−1,3−ジメチル−5−ニトロベンゼン(Bartoli et al., J. Org. Chem. 1975, 40, 872)から出発する:
MS(ESI):m/z(%)=221(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=0.77分。
IV−8.4−(2,4−ジアミノフェニル)−3−モルホリノン
1−フルオロ−2,4−ジニトロベンゼンから出発する:
MS(ESI):m/z(%)=208(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=0.60分。
【0110】
IV−9.4−(4−アミノ−2−クロロフェニル)−2−メチル−3−モルホリノン
2−メチル−3−モルホリノン(Pfeil, E.; Harder, U.; Angew. Chem. 1967, 79, 188)から出発する:
MS(ESI):m/z(%)=241(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.27分。
IV−10.4−(4−アミノ−2−クロロフェニル)−6−メチル−3−モルホリノン
6−メチル−3−モルホリノン(EP 0 350 002)から出発する:
MS(ESI):m/z(%)=241(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.43分。
【0111】
合成実施例
下記実施例1ないし13、17ないし19および36ないし57は変法[A]に関する。
【0112】
実施例1
5−クロロ−N−{[(5S)−3−(3−フルオロ−4−モルホリノフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}−2−チオフェンカルボキサミドの製造
【化20】

(5S)−5−(アミノメチル)−3−(3−フルオロ−4−モルホリノフェニル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン(製造のために、S. J. Brickner et al., J. Med. Chem. 1996, 39, 673参照)(0.45g、1.52mmol)、5−クロロチオフェン−2−カルボン酸(0.25g、1.52mmol)および1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物(HOBT)(0.3g、1.3当量)を9.9mlのDMFに溶解する。0.31g(1.98mmol、1.3当量)のN'−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド(EDCI)を加え、室温で、0.39g(0.53ml、3.05mmol、2当量)のジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を滴下する。混合物を室温で一晩撹拌する。2gのシリカゲルを加え、混合物を蒸発させ、真空乾燥させる。残渣をトルエン/酢酸エチル勾配のシリカゲルクロマトグラフィーに付す。197℃の融点(m.p.)を有する0.412g(理論値の61.5%)の目的化合物を得る。
(SiO、トルエン/酢酸エチル1:1)=0.29(前駆物質=0.0);
MS(DCI)440.2(M+H)、Clパターン;
1H-NMR (d6-DMSO, 300 MHz) 2.95 (m, 4H), 3.6 (t, 2H), 3.72 (m, 4H), 3.8 (dd, 1H), 4.12 (t, 1H), 4.75-4.85 (m, 1H), 7.05 (t, 1H), 7.15-7.2 (m, 3H), 7.45 (dd, 1H), 7.68 (d, 1H), 8.95 (t, 1H)。
【0113】
実施例2
5−クロロ−N−{[(5S)−3−(4−モルホリノフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}−2−チオフェンカルボキサミド
【化21】

を(5S)−5−(アミノメチル)−3−(3−フルオロ−4−モルホリノフェニル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン(実施例1参照)の段階を介してベンジル4−モルホリノフェニルカルバメートから同じように得る。
M.p.:198℃;
IC50=43nM;
(SiO、トルエン/酢酸エチル 1:1)=0.24。
【0114】
実施例3
5−クロロ−N−({(5S)−3−[3−フルオロ−4−(1,4−チアジナン−4−イル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
【化22】

を(5S)−5−(アミノメチル)−3−[3−フルオロ−4−(1,4−チアジナン−4−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−2−オン(製造のために、M. R. Barbachyn et al., J. Med. Chem. 1996, 39, 680参照)から同じように得る。
M.p.:193℃;
収率:82%;
(SiO、トルエン/酢酸エチル 1:1)=0.47(前駆物質=0.0)。
【0115】
実施例4
5−ブロモ−N−({(5S)−3−[3−フルオロ−4−(1,4−チアジナン−4−イル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
【化23】

を5−ブロモチオフェン−2−カルボン酸から同じように得る。
M.p.:200℃。
【0116】
実施例5
N−({(5S)−3−[3−フルオロ−4−(1,4−チアジナン−4−イル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−5−メチル−2−チオフェンカルボキサミド
【化24】

を5−メチルチオフェン−2−カルボン酸から同じように得る。
M.p.:167℃。
【0117】
実施例6
5−クロロ−N−{[(5S)−3−(6−メチルチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}−2−チオフェンカルボキサミド
【化25】

を(5S)−5−(アミノメチル)−3−(6−メチルチエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン(製造のために、EP 0 785 200参照)から同じように得る。
M.p.:247℃。
【0118】
実施例7
5−クロロ−N−{[(5S)−3−(3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾル−6−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}−2−チオフェンカルボキサミド
【化26】

を6−[(5S)−5−(アミノメチル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル]−3−メチル−1,3−ベンゾチアゾル−2(3H)−オン(製造のために、EP 0 738 726参照)から同じように得る。
M.p.:217℃。
【0119】
実施例8
5−クロロ−N−[((5S)−3−{3−フルオロ−4−[4−(4−ピリジニル)ピペラジノ]フェニル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミド
【化27】

を(5S)−5−(アミノメチル)−3−{3−フルオロ−4−[4−(4−ピリジニル)ピペラジノ]フェニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オンから同じように得る(J. A. Tucker et al., J. Med. Chem. 1998, 41, 3727の類似の製造)。
MS(ESI)516(M+H)、Clパターン。
【0120】
実施例9
5−クロロ−N−({(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4−メチルピペラジノ)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
【化28】

を(5S)−5−(アミノメチル)−3−[3−フルオロ−4−(4−メチルピペラジノ)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−2−オンから同じように得る。
【0121】
実施例10
5−クロロ−N−({(5S)−3−[3−フルオロ−4−(4−tert−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
【化29】

を(5S)−5−(アミノメチル)−3−[3−フルオロ−4−(4−tert−ブトキシカルボニルピペラジン−1−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−2−オン(製造のために、WO 0 93/23384参照、これをすでに引用した)から同じように得る。
M.p.:184℃;
(SiO、トルエン/酢酸エチル 1:1)=0.42。
【0122】
実施例11
5−クロロ−N−({(5S)−3−[3−フルオロ−4−(ピペラジン−1−イル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
【化30】

を実施例12を塩化メチレン中のトリフルオロ酢酸と反応させることにより得る。
IC50=140nM;
1H-NMR [d6-DMSO]: 3.01-3.25 (m, 8H), 3.5-3.65 (m, 2H), 3.7-3.9 (m, 1H), 4.05-4.2 (m, 1H), 4.75-4.9 (m, 1H), 7.05-7.25 (m, 3H), 7.5 (dd, 1H), 7.7 (d, 1H), 8.4 (ブロード s, 1H), 9.0 (t, 1H)。
【0123】
実施例12
5−クロロ−N−[((5S)−3−(2,4'−ビピリジニル5−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミド
【化31】

を(5S)−5−アミノメチル−3−(2,4'−ビピリジニル−5−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−2−オン(製造のために、EP 0 789 026参照)から同じように得る。
(SiO、酢酸エチル/エタノール 1:2)=0.6;
MS(ESI)515(M+H)、Clパターン。
【0124】
実施例13
5−クロロ−N−{[(5S)−2−オキソ−3−(4−ピペリジノフェニル)−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}−2−チオフェンカルボキサミド
【化32】

をメシル化、フタルイミドカリウムとの反応、ヒドラジン分解および5−クロロチオフェン−2−カルボン酸との反応後、5−(ヒドロキシメチル)−3−(4−ピペリジノフェニル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン(製造のために、DE 2708236参照)から同じように得る。
(SiO、酢酸エチル/トルエン 1:1)=0.31;
M.p.205℃。
【0125】
実施例17
5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(2−オキソ−1−ピロリジニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
【化33】

5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(2−オキソ−1−ピロリジニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミドを既知の合成スキーム(S.J. Brickner et al., J. Med. Chem. 1996, 39, 673参照)と同じように、塩化ベンジルオキシカルボニルとの反応、酪酸R−グリシジルとの後続反応、メシル化、フタルイミドカリウムとの反応、メタノール中のヒドラジン分解および最後に5−クロロチオフェン−2−カルボン酸との反応後、1−(4−アミノフェニル)ピロリジン−2−オン(製造のために、Reppe et al., Justus Liebigs Ann. Chem.; 596; 1955; 209参照)から得る。この方法で得られる5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(2−オキソ−1−ピロリジニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミドは4nMのIC50を有する(上記“第Xa因子阻害の測定”実施例A−1.a.1)にしたがうIC50の試験法)。
M.p.:229℃;
(SiO、トルエン/酢酸エチル 1:1)=0.05(前駆物質:=0.0);
MS(ESI):442.0(21%、M+Na、Clパターン)、420.0(72%、M+H、Clパターン)、302.3(12%)、215(52%)、145(100%);
1H-NMR (d6-DMSO, 300 MHz): 2.05 (m,2H), 2.45 (m,2H), 3.6 (t,2H), 3.77-3.85 (m,3H), 4.15(t,1H), 4.75-4.85 (m,1H), 7.2 (d,1H), 7.5 (d,2H), 7.65 (d,2H), 7.69 (d,1H), 8.96 (t,1H)。
【0126】
それぞれの前駆物質を有する上記実施例17の合成の個々の段階は、下記のとおりである:
4.27g(25.03mmol)のクロロギ酸ベンジルを107mlのテトラヒドロフラン中の4g(22.7mmol)の1−(4−アミノフェニル)ピロリジン−2−オンおよび3.6ml(28.4mmol)のN,N−ジメチルアニリンに20℃でゆっくり加える。混合物を20℃で30分撹拌し、次に室温にする。0.5lの酢酸エチルを加え、有機相を0.5lの飽和NaCl溶液で洗浄する。除去した有機相をMgSOで乾燥させ、溶媒を真空蒸発させる。残渣をジエチルエーテルでトリチュレートし、吸引で濾取する。5.2g(理論値の73.8%)のベンジル4−(2−オキソ−1−ピロリジニル)フェニルカルバメートを174℃の融点を有する薄いベージュ色結晶として得る。
【0127】
7.27mlの2.5Mのヘキサン中のn−ブチルリチウム(BuLi)の溶液を200mlのテトラヒドロフラン中の1.47g(16.66mmol)のイソアミルアルコールをアルゴン下で−10℃で滴下して加える。加えたN−ベンジリデンベンジルアミン指示薬の色が変化するまでにさらに8mlのBuLi溶液が必要である。混合物を10℃で10分撹拌し、78℃に冷却し、4.7g(15.14mmol)のベンジル4−(2−オキソ−1−ピロリジニル)フェニルカルバメートの溶液をゆっくり加える。次にさらなる4mlのn−BuLi溶液を指示薬の色がピンク色に変化するまで加える。混合物を78℃で10分撹拌し、2.62g(18.17mmol)のR酪酸グリシジルを加え、混合物を78℃で30分撹拌する。
【0128】
混合物を一晩で室温にし、200mlの水を混合物に加え、THF内容物を真空蒸発させる。水性残渣を酢酸エチルで抽出し、有機相をMgSOで乾燥させ、真空濃縮する。残渣を500mlのジエチルエーテルでトリチュレートし、分離した結晶を吸引真空で濾取する。
【0129】
148℃の融点およびR(SiO、トルエン/酢酸エチル 1:1)=0.04(前駆物質=0.3)を有する3.76g(理論値の90%)の(5R)−5−(ヒドロキシメチル)−3−[4−(2−オキソ−1−ピロリジニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−2−オンを得る。
【0130】
3.6g(13.03mmol)の(5R)−5−(ヒドロキシメチル)−3−[4−(2−オキソ−1−ピロリジニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−2−オンおよび2.9g(28.67mmol)のトリエチルアミンを160mlのジクロロメタンに0℃で撹拌しながら導入する。1.79g(15.64mmol)の塩化メタンスルホニルを撹拌しながら加え、混合物を0℃で1.5時間および室温で3h撹拌する。
【0131】
反応混合物を水で洗浄し、水性相をもう一度塩化メチレンで抽出する。合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥させ、蒸発させる。次に残渣(1.67g)を70mlのアセトニトリルに溶解し、2.62g(14.16mmol)のフタルイミドカリウムを加え、混合物を密閉容器で電子レンジ中で180℃で45分撹拌する。
【0132】
混合物を不溶性残渣から濾取し、濾液を真空濃縮し、残渣(1.9g)をメタノールに溶解し、0.47g(9.37mmol)のヒドラジン水和物を加える。混合物を2時間沸騰させ、飽和重炭酸ナトリウム溶液を加え、混合物を全2lの塩化メチレンで6回抽出する。粗(5S)−5−(アミノメチル)−3−[4−(2−オキソ−1−ピロリジニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−2−オンの合わせた有機抽出物をMgSOで乾燥させ、真空濃縮する。
【0133】
最終段階に5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(2−オキソ−1−ピロリジニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミドを、7.6mlのDMFに0.32g(1.16mmol)の上記製造された(5S)−5−(アミノメチル)−3−[4−(2−オキソ−1−ピロリジニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−2−オン、5−クロロチオフェン−2−カルボン酸(0.19g;1.16mmol)および1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール水和物(HOBT)(0.23g、1.51mmol)を溶解することにより製造する。0.29g(1.51mmol)のN'−(3−ジメチルアミノプロピル)−N−エチルカルボジイミド(EDCI)を加え、室温で0.3g(0.4ml;2.32mmol、2当量)のジイソプロピルエチルアミン(DIEA)を滴下する。混合物を室温で一晩撹拌する。
【0134】
混合物を真空蒸発乾燥させ、残渣を3mlのDMSOに溶解し、アセトニトリル/水/0.5%のTFA勾配のRP−MPLCでクロマトグラフィーに付す。アセトニトリル内容物を適当な画分から蒸発させ、沈殿した化合物を吸引で濾取する。0.19g(理論値の39%)の目的化合物を得る。
下記を類似の方法で製造した:
【0135】
実施例18
5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(1−ピロリジニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
化合物5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(1−ピロリジニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミドを実施例17と同じように4−ピロリジン−1−イルアニリンから得る(Reppe et al., Justus Liebigs Ann. Chem.; 596; 1955; 151)。
IC50=40nM;
M.p.:216℃;
(SiO、トルエン/酢酸エチル 1:1)=0.31[前駆物質:=0.0]。
【0136】
実施例19
5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(ジエチルアミノ)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
化合物5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(ジエチルアミノ)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミドをN,N−ジエチルフェニル−1,4−ジアミンから同じように得る(US 2 811 555; 1955)。
IC50=270nM;
M.p.:181℃;
(SiO、トルエン/酢酸エチル 1:1)=0.25[前駆物質:=0.0]。
【0137】
実施例36
5−クロロ−N−({(5S)−3−[2−メチル−4−(4−モルホリニル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
2−メチル−4−(4−モルホリニル)アニリンから出発する(J.E.LuValle et al. J.Am.Chem.Soc. 1948, 70, 2223):
MS(ESI):m/z(%)=436([M+H]、100)、Clパターン;
HPLC(方法1):rt(%)=3.77(98)。
IC50:1.26μM
【0138】
実施例37
5−クロロ−N−{[(5S)−3−(3−クロロ−4−モルホリノフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}−2−チオフェンカルボキサミド
3−クロロ−4−(4−モルホリニル)アニリンから出発する(H.R.Snyder et al. J.Pharm.Sci. 1977, 66, 1204):
MS(ESI):m/z(%)=456([M+H]、100)、Clパターン;
HPLC(方法2):rt(%)=4.31(100)。
IC50:33nM
【0139】
実施例38
5−クロロ−N−({(5S)−3−[4−(4−モルホリニルスルホニル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
4−(4−モルホリニルスルホニル)アニリンから出発する(Adams et al. J.Am.Chem.Soc. 1939, 61, 2342):
MS(ESI):m/z(%)=486([M+H]、100)、Clパターン;
HPLC(方法3):rt(%)=4.07(100)。
IC50:2μM
【0140】
実施例39
5−クロロ−N−({(5S)−3−[4−(1−アゼチジニルスルホニル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
4−(1−アゼチジニルスルホニル)アニリンから出発する:
MS(DCI、NH):m/z(%)=473([M+NH、100)、Clパターン;
HPLC(方法3):rt(%)=4.10(100)。
IC50:0.84μM
【0141】
実施例40
5−クロロ−N−[((5S)−3−{4−[(ジメチルアミノ)スルホニル]フェニル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミド
4−アミノ−N,N−ジメチルベンゼンスルホンアミドから出発する(I.K.Khanna et al. J.Med.Chem. 1997, 40, 1619):
MS(ESI):m/z(%)=444([M+H]、100)、Clパターン;
HPLC(方法3):rt(%)=4.22(100)。
IC50:90nM
【0142】
5−(アミノメチル)−3−[4−(2−オキソ−1−ピロリジニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−2−オンと塩化カルボニルのアシル化の一般方法
【化34】

約0.1molarの無水ジクロロメタン中の5−(アミノメチル)−3−[4−(2−オキソ−1−ピロリジニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−2−オン(実施例45由来)(1.0当量)および無水ピリジン(約6当量)の溶液を適当な酸塩化物(2.5当量)にアルゴン下で室温で滴下する。混合物を室温で約4h撹拌し、約5.5当量のPS−トリスアミン(Argonaut Technologies)を加える。懸濁液をおだやかに2h撹拌し、ジクロロメタン/DMF(3:1)で希釈し、濾過し(樹脂はジクロロメタン/DMFで洗浄する)、濾液を濃縮する。得られた生成物を分取RP−HPLCにより必要に応じて精製する。
下記を同様の方法で製造した:
【0143】
実施例41
N−({2−オキソ−3−[4−(2−オキソ−1−ピロリジニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
LC−MS(方法6):m/z(%)=386(M+H、100);
LC−MS:rt(%)=3.04(100)。
IC50:1.3μM
【0144】
5−(アミノメチル)−3−[4−(2−オキソ−1−ピロリジニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−2−オンおよびカルボン酸から出発するアシル誘導体を製造するための一般方法
【化35】

適当なカルボン酸(約2当量)および無水ジクロロメタン/DMF(約9:1)の混合物を2.9当量の樹脂結合カルボジイミド(PS-Carbodiimide, Argonaut Technologies)に加える。おだやかに室温で約15分振盪後、5−(アミノメチル)−3−[4−(2−オキソ−1−ピロリジニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−2−オン(実施例45由来)(1.0当量)を加え、混合物を一晩振盪し、樹脂を濾取し(ジクロロメタンで洗浄)、濾液を濃縮する。得られた生成物を分取RP−HPLCにより必要に応じて精製する。
下記を同様の方法で製造した:
【0145】
実施例42
5−メチル−N−({2−オキソ−3−[4−(2−オキソ−1−ピロリジニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
LC−MS:m/z(%)=400(M+H、100);
LC−MS(方法6):rt(%)=3.23(100)。
IC50:0.16μM
【0146】
実施例43
5−ブロモ−N−({2−オキソ−3−[4−(2−オキソ−1−ピロリジニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
LC−MS:m/z(%)=466(M+H、100);
LC−MS(方法5):rt(%)=3.48(78)。
IC50:0.014μM
【0147】
実施例44
5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
【化36】

【0148】
a)2−((2R)−2−ヒドロキシ−3−{[4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]アミノ}プロピル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン:
エタノール/水(9:1、140ml)中の2−[(2S)−2−オキシラニルメチル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(A. Gutcait et al. Tetrahedron Asym. 1996, 7, 1641)(5.68g、27.9mmol)および4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノン(5.37g、27.9mmol)の懸濁液を14h還流し(沈殿を溶解し、数時間後、沈殿再形成がある)。沈殿物(所望の生成物)を濾取し、ジエチルエーテルで3回洗浄し、乾燥させる。合わせた母液を真空濃縮し、2−[(2S)−2−オキシラニルメチル]−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(2.84g、14.0mmol)の第2部分を添加後、エタノール/水(9:1、70ml)に懸濁し、13h還流する(沈殿を溶解し、数時間後、沈殿再形成がある)。沈殿物(所望の生成物)を濾取し、ジエチルエーテルで3回洗浄し、乾燥させる。全収量:10.14g、理論値の92%。
MS(ESI):m/z(%)=418([M+Na]、84)、396([M+H]、93);
HPLC(方法3):rt(%)=3.34(100)。
【0149】
b)2−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン:
N,N'−カルボニルジイミダゾール(2.94g、18.1mmol)およびジメチルアミノピリジン(触媒量)をテトラヒドロフラン(90ml)中のアミノアルコール(3.58g、9.05mmol)の懸濁液にアルゴン下で室温で加える。反応懸濁液を60℃で12h撹拌し(沈殿を溶解し、数時間後、沈殿再形成がある)、N,N'−カルボニルジイミダゾール(2.94g、18.1mmol)の第2部分を加え、混合物を60℃でさらに12h撹拌する。沈殿(所望の生成物)を濾取し、テトラヒドロフランで洗浄し、乾燥させる。濾液を真空濃縮し、さらに生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール混合物)により精製する。全収量:3.32g、理論値の87%。
MS(ESI):m/z(%)=422([M+H]、100);
HPLC(方法4):rt(%)=3.37(100)。
【0150】
c)5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド:
メチルアミン(水中で40%強度、10.2ml、0.142mol)をエタノール(102ml)中のオキサゾリジノン(4.45g、10.6mmol)の懸濁液に室温で滴下する。反応混合物を1h還流し、真空濃縮する。粗生成物をさらなる精製なしに次の反応に使用する。
【0151】
塩化5−クロロチオフェン−2−カルボニル(2.29g、12.7mmol)をピリジン(90ml)中のアミンの溶液にアルゴン下で0℃で滴下する。冷却している氷を除去し、反応混合物を室温で1h撹拌し、水を加える。ジクロロメタンを加え、相を分離し、次にジクロロメタンで水性相を抽出する。合わせた有機相を乾燥させ(硫酸ナトリウム)、濾過し、真空濃縮する。所望の生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール混合物)により精製する。全収量:3.92g、理論値の86%。
M.p.:232−233℃;
1H NMR (DMSO-d6, 200 MHz): 9.05-8.90 (t, J = 5.8 Hz, 1H), 7.70 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.41 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.20 (d, J = 4.1 Hz, 1H), 4.93-4.75 (m, 1H), 4.27-4.12 (m, 3H), 4.02-3.91 (m, 2H), 3.91-3.79 (dd, J = 6.1 Hz, 9.2 Hz, 1H), 3.76-3.66 (m, 2H), 3.66-3.54 (m, 2H);
MS(ESI):m/z(%)=436([M+H]、100、Clパターン);
HPLC(方法2):rt(%)=3.60(100);
[α]21=−38°(c 0.2985、DMSO);ee:99%。
IC50:0.7nM
下記を同様の方法で製造した:
【0152】
実施例45
5−メチル−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=831([2M+H]、100)、416([M+H]、66);
HPLC(方法3):rt(%)=3.65(100)。
IC50:4.2nM
【0153】
実施例46
5−ブロモ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=480([M+H]、100、Brパターン);
HPLC(方法3):rt(%)=3.87(100)。
IC50:0.3nM
【0154】
実施例47
5−クロロ−N−{[(5S)−3−(3−イソプロピル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1,3−ベンゾキサゾール−6−イル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}−2−チオフェンカルボキサミド
【化37】

200mg(0.61mmol)の塩酸6−[(5S)−5−(アミノメチル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル]−3−イソプロピル−1,3−ベンゾキサゾール−2(3H)−オン(EP0738726)を5mlのテトラヒドロフランに懸濁し、0.26ml(1.83mmol)のトリエチルアミンおよび132mg(0.73mmol)の塩化5−クロロチオフェン−2−カルボニルを加える。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次に濃縮する。生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン/エタノール=50/1ないし20/1)により単離する。115mg(理論値の43%)の所望の化合物を得る。
MS(ESI):m/z(%)=436(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.78分。
【0155】
下記化合物を同様の方法で製造した:
【表2】

【表3】

【0156】
下記実施例20ないし30および58ないし139は、前駆物質の製造を記載している実施例20および21を有する変法[B]に関する。
実施例20
N−アリル−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミドの製造
【化38】

塩化5−クロロチオフェン−2−カルボニル(7.61g、42mmol)を14.2mlの無水ピリジンおよび14.2mlの無水THF中の2.63ml(35mmol)のアリルアミンの氷冷溶液に滴下する。冷却している氷を除去し、混合物を室温で3h撹拌し、真空濃縮する。水を残渣に加え、固体を濾取する。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン)により精製する。
収量:7.20g(理論値の99%);
MS(DCI、NH):m/z(%)=219(M+NH、100)、202(M+H、32);
HPLC(方法1):rt(%)=3.96分(98.9)。
【0157】
実施例21
5−クロロ−N−(2−オキシラニルメチル)−2−チオフェンカルボキサミドの製造
【化39】

メタ−クロロ過安息香酸(3.83g、約60%純粋)を10mlのジクロロメタン中の2.0g(9.92mmol)のN−アリル−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミドの氷冷溶液に加える。混合物を一晩撹拌し、室温に暖め、次に10%の重硫酸ナトリウム溶液で(3回)洗浄する。有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液で(2回)および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮する。生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル 1:1)により精製する。
収量:837mg(理論値の39%);
MS(DCI、NH):m/z(%)=253(M+NH、100)、218(M+H、80);
HPLC(方法1):rt(%)=3.69分(約80)。
【0158】
5−クロロ−N−(2−オキシラニルメチル)−2−チオフェンカルボキサミドから出発して置換N−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル)−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド誘導体を製造するための一般方法
【化40】

5−クロロ−N−(2−オキシラニルメチル)−2−チオフェンカルボキサミド(1.0当量)を1,4−ジオキサン、1,4−ジオキサン/水混合物またはエタノール、エタノール/水混合物(約0.3ないし1.0mol/l)中の一級アミンまたはアニリン誘導体(1.5ないし2.5当量)の溶液に室温でまたは80℃までの温度で少しずつ加える。混合物を2ないし6時間撹拌し、濃縮する。生成物を反応混合物からシリカゲルクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル混合物、ジクロロメタン/メタノール混合物またはジクロロメタン/メタノール/トリエチルアミン混合物)により単離できる。
【0159】
下記を同様の方法で製造した:
実施例22
N−[3−(ベンジルアミノ)−2−ヒドロキシプロピル]−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=325(M+H、100);
HPLC(方法1):rt(%)=3.87分(97.9)。
実施例23
5−クロロ−N−[3−(3−シアノアニリノ)−2−ヒドロキシプロピル]−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=336(M+H、100);
HPLC(方法2):rt(%)=4.04分(100)。
実施例24
5−クロロ−N−[3−(4−シアノアニリノ)−2−ヒドロキシプロピル]−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=336(M+H、100);
HPLC(方法1):rt(%)=4.12分(100)。
実施例25
5−クロロ−N−{3−[4−(シアノメチル)アニリノ]−2−ヒドロキシプロピル}−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=350(M+H、100);
HPLC(方法4):rt(%)=3.60分(95.4)。
【0160】
実施例26
5−クロロ−N−{3−[3−(シアノメチル)アニリノ]−2−ヒドロキシプロピル}−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=350(M+H、100);
HPLC(方法4):rt(%)=3.76分(94.2)。
実施例58
tert−ブチル4−[(3−{[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]アミノ}−2−ヒドロキシプロピル)アミノ]−ベンジルカルバメート
tert−ブチル4−アミノベンジルカルバメートから出発する(Bioorg. Med. Chem. Lett.;1997;1921-1926):
MS(ES−pos):m/z(%)=440(M+H、100)、(ES−neg):m/z(%)=438(M−H、100);
HPLC(方法1):rt(%)=4.08(100)。
実施例59
tert−ブチル4−[(3−{[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]アミノ}−2−ヒドロキシプロピル)アミノ]フェニルカルバメート
N−tert−ブチルオキシカルボニル−1,4−フェニレンジアミンから出発する:
MS(ESI):m/z(%)=426(M+H、45)、370(100);
HPLC(方法1):rt(%)=4.06(100)。
【0161】
実施例60
tert−ブチル2−ヒドロキシ−3−{[4−(2−オキソ−1−ピロリジニル)フェニル]アミノ}プロピルカルバメート
1−(4−アミノフェニル)−2−ピロリジノンから出発する(Justus Liebigs Ann. Chem.; 1955; 596; 204):
MS(DCI、NH):m/z(%)=350(M+H、100);
HPLC(方法1):rt(%)=3.57(97)。
実施例61
5−クロロ−N−(3−{[3−フルオロ−4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]アミノ}−2−ヒドロキシプロピル)−2−チオフェンカルボキサミド
800mg(3.8mmol)の4−(4−アミノ−2−フルオロフェニル)−3−モルホリノンおよび700mg(3.22mmol)の5−クロロ−N−(2−オキシラニルメチル)−2−チオフェンカルボキサミドを15mlのエタノールおよび1mlの水中で還流下で6時間撹拌する。混合物を真空蒸発させ、酢酸エチルで処理後、分離した結晶を吸引で濾取し、母液をクロマトグラフィーに付し、276mg(理論値の17%)の目的化合物を得る。
(酢酸エチル):0.25。
実施例62
(N−(3−アニリノ−2−ヒドロキシプロピル)−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
アニリンから出発する:
MS(DCI、NH):m/z(%)=311([M+H]、100)、Clパターン;
HPLC(方法3):rt(%)=3.79(100)。
【0162】
実施例63
5−クロロ−N−(2−ヒドロキシ−3−{[4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]アミノ}プロピル)−2−チオフェンカルボキサミド
4−(4−アミノフェニル)−3−モルホリノンから出発する:
MS(ESI):m/z(%)=410([M+H]、50)、Clパターン;
HPLC(方法3):rt(%)=3.58(100)。
実施例64
N−[3−({4−[アセチル(シクロプロピル)アミノ]フェニル}アミノ)−2−ヒドロキシプロピル]−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
N−(4−アミノフェニル)−N−シクロプロピルアセトアミドから出発する:
MS(ESI):m/z(%)=408([M+H]、100)、Clパターン;
HPLC(方法3):rt(%)=3.77(100)。
実施例65
N−[3−({4−[アセチル(メチル)アミノ]フェニル}アミノ)−2−ヒドロキシプロピル]−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
N−(4−アミノフェニル)−N−メチルアセトアミド:
MS(ESI):m/z(%)=382(M+H、100)から出発する;
HPLC(方法4):rt=3.31分。
【0163】
実施例66
5−クロロ−N−(2−ヒドロキシ−3−{[4−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル]アミノ}プロピル)−2−チオフェンカルボキサミド
4−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)アニリンから出発する(Bouchet et al.; J.Chem.Soc.Perkin Trans.2; 1974; 449):
MS(ESI):m/z(%)=378(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.55分。
実施例67
Tert−ブチル1−{4−[(3−{[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]アミノ}−2−ヒドロキシプロピル)アミノ]フェニル}−L−プロリン
MS(ESI):m/z(%)=480(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.40分。
実施例68
1−{4−[(3−{[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]アミノ}−2−ヒドロキシプロピル)アミノ]フェニル}−4−ピペリジンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=437(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.39分。
実施例69
1−{4−[(3−{[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]アミノ}−2−ヒドロキシプロピル)アミノ]フェニル}−3−ピペリジンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=437(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.43分。
【0164】
実施例70
5−クロロ−N−(2−ヒドロキシ−3−{[4−(4−オキソ−1−ピペリジニル)フェニル]アミノ}プロピル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=408(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.43分。
実施例71
1−{4−[(3−{[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]アミノ}−2−ヒドロキシプロピル)アミノ]フェニル}−L−プロリンアミド
MS(ESI):m/z(%)=423(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.51分。
実施例72
5−クロロ−N−[2−ヒドロキシ−3−({4−[3−(ヒドロキシメチル)−1−ピペリジニル]フェニル}アミノ)プロピル]−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=424(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.43分。
実施例73
5−クロロ−N−[2−ヒドロキシ−3−({4−[2−(ヒドロキシメチル)−1−ピペリジニル]フェニル}アミノ)プロピル]−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=424(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.49分。
【0165】
実施例74
1−{4−[(3−{[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]アミノ}−2−ヒドロキシプロピル)アミノ]フェニル}−2−ピペリジンカルボン酸エチル

MS(ESI):m/z(%)=466(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.02分。
実施例75
5−クロロ−N−[2−ヒドロキシ−3−({4−[2−(ヒドロキシメチル)−1−ピロリジニル]フェニル}アミノ)プロピル]−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=410(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.48分。
実施例76
5−クロロ−N−(2−ヒドロキシ−3−{[4−(2−メチルヘキサヒドロ−5H−ピロロ[3,4−d]イソキサゾール−5−イル)フェニル]アミノ}プロピル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=437(M+H、100).
HPLC(方法5):rt=1.74分。
実施例77
5−クロロ−N−(2−ヒドロキシ−3−{[4−(1−ピロリジニル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}プロピル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=448(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.30分。
【0166】
実施例78
5−クロロ−N−(2−ヒドロキシ−3−{[4−(2−オキソ−1−ピロリジニル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}プロピル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=462(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.50分。
実施例79
5−クロロ−N−(3−{[3−クロロ−4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]アミノ}−2−ヒドロキシプロピル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=444(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.26分。
実施例80
5−クロロ−N−(2−ヒドロキシ−3−{[4−(3−オキソ−4−モルホリニル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}プロピル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=478(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.37分。
実施例81
5−クロロ−N−(2−ヒドロキシ−3−{[3−メチル−4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]アミノ}プロピル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=424(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.86分。
【0167】
実施例82
5−クロロ−N−(3−{[3−シアノ−4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]アミノ}−2−ヒドロキシプロピル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=435(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.10分。
実施例83
5−クロロ−N−(3−{[3−クロロ−4−(1−ピロリジニル)フェニル]アミノ}−2−ヒドロキシプロピル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=414(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.49分。
実施例84
5−クロロ−N−(3−{[3−クロロ−4−(2−オキソ−1−ピロリジニル)フェニル]アミノ}−2−ヒドロキシプロピル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=428(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.39分。
実施例85
5−クロロ−N−(3−{[3,5−ジメチル−4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]アミノ}−2−ヒドロキシプロピル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=438(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.84分。
【0168】
実施例86
N−(3−{[3−(アミノカルボニル)−4−(4−モルホリニル)フェニル]アミノ}−2−ヒドロキシプロピル)−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=439(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.32分。
実施例87
5−クロロ−N−(2−ヒドロキシ−3−{[3−メトキシ−4−(4−モルホリニル)フェニル]アミノ}プロピル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=426(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.32分。
実施例88
N−(3−{[3−アセチル−4−(4−モルホリニル)フェニル]アミノ}−2−ヒドロキシプロピル)−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=438(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.46分。
実施例89
N−(3−{[3−アミノ−4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]アミノ}−2−ヒドロキシプロピル)−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=425(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.45分。
【0169】
実施例90
5−クロロ−N−(3−{[3−クロロ−4−(2−メチル−3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]アミノ}−2−ヒドロキシプロピル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=458(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.44分。
実施例91
5−クロロ−N−(3−{[3−クロロ−4−(2−メチル−5−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]アミノ}−2−ヒドロキシプロピル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=458(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.48分。
実施例91a
5−クロロ−N−[2−ヒドロキシ−3−({4−[(3−オキソ−4−モルホリニル)メチル]フェニル}アミノ)プロピル]−2−チオフェンカルボキサミド
4−(4−アミノベンジル)−3−モルホリノンから出発する(Surrey et al.; J. Amer. Chem. Soc.; 77; 1955; 633):
MS(ESI):m/z(%)=424(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.66分。
【0170】
置換N−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル)−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド誘導体から出発して3−置換5−クロロ−N−[(2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミド誘導体を製造するための一般方法
【化41】

カルボジイミダゾール(1.2ないし1.8当量)または同程度のホスゲン相当物を無水THF(約0.1mol/l)中の置換N−(3−アミノ−2−ヒドロキシプロピル)−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド誘導体(1.0当量)の溶液に室温で加える。混合物を室温または、必要に応じて、高温(70℃まで)で2ないし18h撹拌し、真空濃縮する。生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール混合物またはシクロヘキサン/酢酸エチル混合物)により精製する。
【0171】
下記を同様の方法で製造した:
実施例27
N−[(3−ベンジル−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
MS(DCI、NH):m/z(%)=372(M+Na、100)、351(M+H、45);
HPLC(方法1):rt(%)=4.33分(100)。
実施例28
5−クロロ−N−{[3−(3−シアノフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}−2−チオフェンカルボキサミド
MS(DCI、NH):m/z(%)=362(M+H、42)、145(100);
HPLC(方法2):rt(%)=4.13分(100)。
実施例29
5−クロロ−N−({3−[4−(シアノメチル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=376(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=4.12分
実施例30
5−クロロ−N−({3−[3−(シアノメチル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=376(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=4.17分
【0172】
実施例92
tert−ブチル4−[5−({[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]アミノ}メチル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル]ベンジルカルバメート
実施例58から出発する:
MS(ESI):m/z(%)=488(M+Na、23)、349(100);
HPLC(方法1):rt(%)=4.51(98.5)。
実施例93
tert−ブチル4−[5−({[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]アミノ}メチル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル]フェニルカルバメート
実施例59から出発する:
MS(ESI):m/z(%)=493(M+Na、70)、452(M+H、10)、395(100);
HPLC(方法1):rt(%)=4.41(100)。
実施例94
tert−ブチル2−オキソ−3−[4−(2−オキソ−1−ピロリジニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチルカルバメート
実施例60から出発する:
MS(DCI、NH):m/z(%)=393(M+NH、100);
HPLC(方法3):rt(%)=3.97(100)。
【0173】
実施例95
5−クロロ−N−({3−[3−フルオロ−4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
【化42】

260mg(0.608mmol)の5−クロロ−N−(3−{[3−フルオロ−4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]アミノ}−2−ヒドロキシプロピル)−2−チオフェンカルボキサミド(実施例61由来)、197mg(1.22mmol)のカルボニルイミダゾールおよび7mgのジメチルアミノピリジンを20mlのジオキサン中で還流下で5時間沸騰させる。次に20mlのアセトニトリルを加え、混合物を密閉容器中で電子レンジで180℃で30分撹拌する。溶液を回転蒸発で濃縮し、RP−HPLCカラムでクロマトグラフィーに付す。53mg(理論値の19%)の目的化合物を得る。
NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ= 3.6-3.7 (m,4H), 3.85 (dd,1H), 3.95 (m,2H), 4.2 (m,1H), 4.21 (s,2H), 4.85 (m,1H), 4.18 (s,2H), 7.19 (d,1H,チオフェン), 7.35 (dd,1H), 7.45 (t,1H), 7.55 (dd,1H), 7.67 (d,1H,チオフェン), 8.95 (t,1H,CONH)。
【0174】
実施例96
5−クロロ−N−[(2−オキソ−3−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミド
実施例62から出発する:
MS(ESI):m/z(%)=359([M+Na]、71)、337([M+H]、100)、Clパターン;
HPLC(方法3):rt(%)=4。39(100)。
IC50:2μM
実施例97
5−クロロ−N−({2−オキソ−3−[4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
実施例63から出発する:
MS(ESI):m/z(%)=458([M+Na]、66)、436([M+H]、100)、Clパターン;
HPLC(方法3):rt(%)=3。89(100)。
IC50:1。4nM
実施例98
N−[(3−{4−[アセチル(シクロプロピル)アミノ]フェニル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
実施例64から出発する:
MS(ESI):m/z(%)=456([M+Na]、55)、434([M+H]、100)、Clパターン;
HPLC(方法3):rt(%)=4。05(100)。
IC50:50nM
実施例99
N−[(3−{4−[アセチル(メチル)アミノ]フェニル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=408(M+H、30)、449(M+H+MeCN、100);
HPLC(方法4):rt=3。66分。
【0175】
実施例100
5−クロロ−N−({2−オキソ−3−[4−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=404(M+H、45)、445(M+H+MeCN、100);
HPLC(方法4):rt=3。77分。
実施例101
Tert−ブチル1−{4−[5−({[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]アミノ}メチル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル]フェニル}−L−プロリン
MS(ESI):m/z(%)=450(M+H−56、25)、506(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=5。13分。
実施例102
1−{4−[5−({[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]アミノ}メチル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル]フェニル}−4−ピペリジンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=463(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2。51分。
実施例103
1−{4−[5−({[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]アミノ}メチル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル]フェニル}−3−ピペリジンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=463(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2。67分。
【0176】
実施例104
5−クロロ−N−({2−オキソ−3−[4−(4−オキソ−1−ピペリジニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド

MS(ESI):m/z(%)=434(M+H、40)、452(M+H+HO、100)、475(M+H+MeCN、60);
HPLC(方法4):rt=3.44分。
実施例105
1−{4−[5−({[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]アミノ}メチル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル]フェニル}−L−プロリンアミド
MS(ESI):m/z(%)=449(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.54分。
実施例106
5−クロロ−N−[(3−{4−[3−(ヒドロキシメチル)−1−ピペリジニル]フェニル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=450(M+H、100);
HPLC(方法5):rt=2.53分。
実施例107
5−クロロ−N−[(3−{4−[2−(ヒドロキシメチル)−1−ピペリジニル]フェニル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=450(M+H、100);
HPLC(方法5):rt=2.32分。
【0177】
実施例108
1−{4−[5−({[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]アミノ}メチル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル]フェニル}−2−ピペリジンカルボン酸エチル
MS(ESI):m/z(%)=492(M+H、100);
HPLC(方法5):rt=4.35分。
実施例109
5−クロロ−N−[(3−{4−[2−(ヒドロキシメチル)−1−ピロリジニル]フェニル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=436(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.98分。
実施例110
5−クロロ−N−({2−オキソ−3−[4−(1−ピロリジニル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=474(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=4.63分。
実施例111
5−クロロ−N−({3−[4−(2−メチルヘキサヒドロ−5H−ピロロ[3,4−d]イソキサゾール−5−イル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=463(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.56分。
【0178】
実施例112
5−クロロ−N−({2−オキソ−3−[4−(2−オキソ−1−ピロリジニル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=488(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.64分。
実施例113
5−クロロ−N−({3−[3−クロロ−4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=470(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.41分。
実施例114
5−クロロ−N−({2−オキソ−3−[4−(3−オキソ−4−モルホリニル)−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=504(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.55分。
実施例115
5−クロロ−N−({3−[3−メチル−4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=450(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.23分。
【0179】
実施例116
5−クロロ−N−({3−[3−シアノ−4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=461(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.27分。
実施例117
5−クロロ−N−({3−[3−クロロ−4−(1−ピロリジニル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=440(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.72分。
実施例118
5−クロロ−N−({3−[3−クロロ−4−(2−オキソ−1−ピロリジニル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=454(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.49分。
実施例119
5−クロロ−N−({3−[3,5−ジメチル−4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=464(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.39分。
【0180】
実施例120
N−({3−[3−(アミノカルボニル)−4−(4−モルホリニル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=465(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.07分。
実施例121
5−クロロ−N−({3−[3−メトキシ−4−(4−モルホリニル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=452(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.86分。
実施例122
N−({3−[3−アセチル−4−(4−モルホリニル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=464(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.52分。
実施例123
N−({3−[3−アミノ−4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=451(M+H、100);
HPLC(方法6):rt=3.16分。
【0181】
実施例124
5−クロロ−N−({3−[3−クロロ−4−(2−メチル−3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=484(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.59分。
実施例125
5−クロロ−N−({3−[3−クロロ−4−(2−メチル−5−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=484(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.63分。
実施例125a
5−クロロ−N−[(2−オキソ−3−{4−[(3−オキソ−4−モルホリニル)メチル]フェニル}−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=450(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.25分。
【0182】
加えて、下記化合物をアミンで開裂するエポキシドの経路により製造し、次に結晶化し、対応するオキサゾリジノンを得た:
【表4】

【表5】

【表6】

下記実施例14ないし16は、任意の酸化処理工程の例示的態様であり、すなわち必要に応じて実施する。
【0183】
実施例14
5−クロロ−N−({(5S)−3−[3−フルオロ−4−(1−オキソ−1[ラムダ],4−チアジナン−4−イル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
【化43】

メタノール(0.77ml)中の実施例3由来5−クロロ−N−({(5S)−3−[3−フルオロ−4−(1,4−チアジナン−4−イル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド(0.1g、0.22mmol)を0℃で水(0.54ml)中の過ヨウ素酸ナトリウム(0.05g、0.23mmol)の溶液に加え、0℃で3h撹拌する。次に1mlのDMFを加え、混合物をRTで8h撹拌する。さらに50mgの過ヨウ素酸ナトリウムを加え、次にRTでもう一度一晩撹拌する。次に50mlの水を混合物に加え、不溶性生成物を吸引で濾取する。水で洗浄し、乾燥させ、60mg(理論値の58%)の結晶ををもたらす。
M.p.:257℃;
(シリカゲル、トルエン/酢酸エチル 1:1)=0.54(前駆物質=0.46);
IC50=1.1μM;
MS(DCI)489(M+NH)、Clパターン。
【0184】
実施例15
5−クロロ−N−({(5S)−3−[4−(1,1−ジオキソ−1[ラムダ],4−チアジナン−4−イル)−3−フルオロフェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミドの製造
【化44】

80mg(0.66mmol)のN−メチルモルホリンN−オキシド(NMO)および2−メチル−2−プロパノール中の0.1mlの2.5%の強溶液の四酸化オスミウムを3.32mlの1部の水および3部のアセトンの混合物中の実施例3由来5−クロロ−N−({(5S)−3−[3−フルオロ−4−(1,4−チアジナン−4−イル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド(0.1g、0.22mmol)に加える。混合物を室温で一晩撹拌し、さらに40mgのNMOを加える。さらに一晩撹拌後、混合物を50mlの水に加え、酢酸エチルで3回抽出する。23mgで得た有機相を乾燥蒸発させ、水性相から不溶性固体の吸引による濾過をし、19mgの目的化合物を得る(理論値の全39%)。
M.p.:238℃;
(トルエン/酢酸エチル 1:1)=0.14(前駆物質=0.46);
IC50=210nM;
MS(DCI):505(M+NH)、Clパターン。
【0185】
実施例16
5−クロロ−N−{[(5S)−3−(3−フルオロ−4−モルホリノフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}−2−チオフェンカルボキサミドN−オキシドは実施例1由来5−クロロ−N−{[(5S)−3−(3−フルオロ−4−モルホリノフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}−2−チオフェンカルボキサミドをモノペルオキシフタル酸マグネシウム塩を処理することにより得る。
MS(ESI):456(M+H、21%、Clパターン)、439(100%)。
下記実施例31ないし35および140ないし147は任意のアミジン化処理工程に関し、すなわち必要に応じてこれを実施する。
【0186】
シアノメチルフェニル−置換5−クロロ−N−[(2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミド誘導体から出発してアミドおよびアミジン誘導体を性沿するための一般方法
特定のシアノメチルフェニル−置換5−クロロ−N−[(2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミド誘導体(1.0当量)をピリジン中の硫化水素飽和溶液(約0.05−0.1mol/l)中のトリエチルアミン(8.0当量)と一緒にRTで1ないし2日間撹拌する。反応混合物を酢酸エチル(EtOAc)で希釈し、2Nの塩酸で洗浄する。有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、真空蒸発させる。
【0187】
粗生成物をアセトン(0.01−0.1mol/l)に溶解し、ヨウ化メチル(40当量)を加える。反応混合物を室温(RT)で2ないし5h撹拌し、次に真空濃縮する。
【0188】
残渣をメタノール(0.01−0.1mol/l)に溶解し、非置換アミジンを製造し、酢酸アンモニウム(3当量)および塩化アンモニウム(2当量)を加える。置換アミジン誘導体をメタノール溶液に一級または二級アミン(1.5当量)および酢酸(2当量)を加えることにより製造する。5−30h後、溶媒を真空除去し、残渣をRP8シリカゲルカラムクロマトグラフィー(水/アセトニトリル 9/1−1/1+0.1%のトリフルオロ酢酸)により精製する。
【0189】
下記を同様の方法で製造した:
実施例31:
N−({3−[4−(2−アミノ−2−イミノエチル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=393(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.63分
実施例32:
5−クロロ−N−({3−[3−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イルメチル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=419(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.61分
実施例33:
5−クロロ−N−[(3−{3−[2−イミノ−2−(4−モルホリニル)エチル]フェニル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=463(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.70分
実施例34:
5−クロロ−N−[(3−{3−[2−イミノ−2−(1−ピロリジニル)エチル]フェニル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=447(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.82分
【0190】
実施例35:
N−({3−[3−(2−アミノ−2−イミノエチル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=393(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.60分
実施例140
5−クロロ−N−({3−[4−(4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール−2−イルメチル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=419(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.65分
実施例141
5−クロロ−N−[(3−{4−[2−イミノ−2−(4−モルホリニル)エチル]フェニル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=463(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.65分
実施例142
5−クロロ−N−[(3−{4−[2−イミノ−2−(1−ピペリジニル)エチル]フェニル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=461(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.83分
【0191】
実施例143
5−クロロ−N−[(3−{4−[2−イミノ−2−(1−ピロリジニル)エチル]フェニル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=447(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.76分
実施例144
5−クロロ−N−[(3−{4−[2−(シクロペンチルアミノ)−2−イミノエチル]フェニル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=461(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.89分
実施例145
5−クロロ−N−{[3−(4−{2−イミノ−2−[(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]エチル}フェニル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=475(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.79分
実施例146
N−({3−[4−(2−アニリノ−2−イミノエチル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=469(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.83分
【0192】
実施例147
5−クロロ−N−[(3−{4−[2−イミノ−2−(2−ピリジニルアミノ)エチル]フェニル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=470(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=2.84分
下記実施例148ないしto151はBOCアミノ保護基の除去に関する:
【0193】
Boc保護基(tert−ブチルオキシカルボニル)を除去するための一般方法:
【化45】

水性トリフルオロ酢酸(TFA、約90%)をクロロホルムまたはジクロロメタン(約0.1ないし0.3mol/l)中のtert−ブチルオキシカルボニル(Boc)−保護化合物の氷冷溶液に滴下する。約15分後、冷却している氷を除去し、混合物を室温で約2−3h撹拌し、溶液を濃縮し、高真空下で乾燥させる。残渣をジクロロメタンまたはジクロロメタン/メタノールにとり、飽和重炭酸ナトリウム溶液または1Nの水酸化ナトリウム溶液で洗浄する。有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、少量の硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮する。精製を必要に応じてエーテルまたはエーテル/ジクロロメタン混合物から結晶化により実施する。
【0194】
下記を同様の方法で適当なBoc−保護前駆物質から製造した:
実施例148
N−({3−[4−(アミノメチル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
実施例92から出発する:
MS(ESI):m/z(%)=349(M−NH、25)、305(100);
HPLC(方法1):rt(%)=3.68(98)。
IC50:2.2μM
実施例149
N−{[3−(4−アミノフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
実施例93から出発する:
MS(ESI):m/z(%)=352(M+H、25);
HPLC(方法1):rt(%)=3.50(100)。
IC50:2μM
この化合物のエナンチオピュアな選択的な合成は下記スキームに記載されている(Delalande S.A., DE 2836305,1979; Chem.Abstr. 90, 186926も参照):
【化46】

【0195】
実施例150
5−クロロ−N−({3−[4−(グリシルアミノ)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
実施例152から出発する:
MS(ES−pos):m/z(%)=408(100);
HPLC(方法3):rt(%)=3.56(97)。
IC50:2μM
実施例151
5−(アミノメチル)−3−[4−(2−オキソ−1−ピロリジニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−2−オン
実施例60から出発する:
MS(ESI):m/z(%)=276(M+H、100);
HPLC(方法3):rt(%)=2.99(100)。
IC50:2μM
下記実施例152ないし166はアニリン−またはベンジルアミン−置換オキサゾリジノンの様々な試薬でのアミノ基−誘導体化に関する:
【0196】
実施例152
5−クロロ−N−({3−[4−(N−tert−ブチルオキシカルボニルグリシルアミノ)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
【化47】

754mg(2.1mmol)のN−{[3−(4−アミノフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド(実施例149由来)を15mlのDMF/CHCl(1:1)中の751mg(4.3mmol)のBoc−グリシン、870mg(6.4mmol)のHOBT(1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール×HO)、1790mg(4.7mmol)のHBTU[O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸]および1.41ml(12.9mmol)のN−メチルモルホリンの溶液に0℃で加える。混合物を室温で一晩撹拌し、水で希釈する。沈殿した固体を濾取し、乾燥させる。収量:894mg(理論値の79.7%);
MS(DCI、NH):m/z(%)=526(M+NH、100);
HPLC(方法3):rt(%)=4.17(97)。
【0197】
実施例153
N−[(3−{4−[(アセチルアミノ)メチル]フェニル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
【化48】

酢酸無水物(0.015ml、0.164mmol)を1.5mlの無水THFおよび1.0mlの無水ジクロロメタン、0.02mlの無水ピリジン中の30mg(0.082mmol)のN−({3−[4−(アミノメチル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド(実施例148由来)の混合物に0℃で加える。混合物を室温で一晩撹拌する。生成物を得、エーテルを加え、結晶化する。収量:30mg(理論値の87%)。
MS(ESI):m/z(%)=408(M+H、18)、305(85);
HPLC(方法1):rt(%)=3.78(97)。
IC50:0.6μM
【0198】
実施例154
N−{[3−(4−{[(アミノカルボニル)アミノ]メチル}フェニル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
【化49】

0.19ml(0.82mmol)のイソシアン酸トリメチルシリルを1.0mlのジクロロメタン中の30mg(0.082mmol)のN−({3−[4−(アミノメチル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド(実施例148由来)の混合物に室温で加える。混合物を一晩撹拌し、エーテルを加え、生成物を濾過により得る。収量:21.1mg(理論値の52%)。
MS(ESI):m/z(%)=409(M+H、5)、305(72);
HPLC(方法1):rt(%)=3.67(83)。
IC50:1.3μM
【0199】
N−{[3−(4−アミノフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミドの塩化カルボニルでのアシル化のための一般方法:
【化50】

無水ジクロロメタン/ピリジン(19:1)中のN−{[3−(4−アミノフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド(実施例149由来)(1.0当量)の約0.1モルの溶液をアルゴン下で適当な酸塩化物(2.5当量)に滴下する。混合物を一晩撹拌し、約5当量のPS−トリスアミン(Argonaut Technologies)および2mlの無水ジクロロメタンを加える。1hおだやかに撹拌し、次に濾過し、濾液の濃縮をする。生成物を必要に応じて分取RP−HPLCにより精製する。
【0200】
下記を同様の方法で製造した:
実施例155
N−({3−[4−(アセチルアミノ)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
LC−MS:m/z(%)=394(M+H、100);
LC−MS(方法6):rt(%)=3.25(100)。
IC50:1.2μM
実施例156
5−クロロ−N−[(2−オキソ−3−{4−[(2−チエニルカルボニル)アミノ]フェニル}−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミド
LC−MS:m/z(%)=462(M+H、100);
LC−MS(方法6):rt(%)=3.87(100)。
IC50:1.3μM
実施例157
5−クロロ−N−[(3−{4−[(メトキシアセチル)アミノ]フェニル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミド
LC−MS:m/z(%)=424(M+H、100);
LC−MS(方法6):rt(%)=3.39(100)。
IC50:0.73μM
実施例158
N−{4−[5−({[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]アミノ}メチル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル]フェニル}−3,5−ジメチル−4−isオキサゾールカルボキサミド
LC−MS:m/z(%)=475(M+H、100)。
IC50:0.46μM
【0201】
実施例159
5−クロロ−N−{[3−(4−{[(3−クロロプロピル)スルホニル]アミノ}フェニル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}−2−チオフェンカルボキサミド
【化51】

35mg(0.1mmol)のN−{[3−(4−アミノフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド(実施例149由来)を3.5mlの無水ジクロロメタン中の26.4mg(0.15mmol)の塩化3−クロロ−1−プロパンスルホニルおよび0.03ml(0.2mmol)のトリエチルアミンの氷冷溶液に加える。30分後、冷却している氷を除去し、混合物を室温で一晩撹拌し、150mg(約5.5当量)のPS−トリスアミン(Argonaut Technologies)および0.5mlのジクロロメタンを加える。懸濁液を2hおだやかに撹拌し、濾過し(樹脂はジクロロメタン/メタノールで洗浄する)、濾液を濃縮する。生成物を分取RP−HPLCにより精製する。収量:19.6mg(理論値の40%)。
LC−MS:m/z(%)=492(M+H、100);
LC−MS(方法5):rt(%)=3.82(91)。
IC50:1.7μM
【0202】
実施例160
5−クロロ−N−({3−[4−(1,1−ジオキシド−2−イソチアゾリジニル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
【化52】

0.2mlのDMF中の13.5mg(0.027mmol)の5−クロロ−N−{[3−(4−{[(3−クロロプロピル)スルホニル]アミノ}フェニル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}−2−チオフェンカルボキサミド(実施例159由来)および7.6mg(0.055mmol)の炭酸カリウムの混合物を100℃で2h加熱する。冷却し、次にジクロロメタンで希釈し、水で洗浄する。有機相を乾燥させ、濃縮する。残渣を分取薄相クロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール、95:5)により精製する。収量:1.8mg(理論値の14.4%)。
MS(ESI):m/z(%)=456(M+H、15)、412(100);
LC−MS(方法4):rt(%)=3.81(90)。
IC50:0.14μM
【0203】
実施例161
5−クロロ−N−[((5S)−3−{4−[(5−クロロペンタノイル)アミノ]フェニル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミド
【化53】

0.5g(1.29mmol)のN−{[(5S)−3−(4−アミノフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド(実施例149由来)を27mlのテトラヒドロフランに溶解し、0.2g(1.29mmol)の塩化5−クロロバレリルおよび0.395ml(2.83mmol)のトリエチルアミンを加える。混合物を真空蒸発させ、トルエン/酢酸エチル=1:1−>酢酸エチルの勾配のシリカゲルクロマトグラフィーに付す。315mg(理論値の52%)の固体を得る。
M.p.:211℃。
【0204】
実施例162
5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(2−オキソ−1−ピペリジニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
【化54】

流動パラフィン中の30mgの60%のNaHを不活性下で5mlのDMSOに加え、混合物を75℃で30分、ガス発生終了まで加熱する。次に5mlの塩化メチレン中の290mg(0.617mmol)の5−クロロ−N−[((5S)−3−{4−[(5−クロロペンタノイル)アミノ]フェニル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミド(実施例161由来)の溶液を滴下し、混合物を室温で一晩撹拌する。反応を止め、混合物を100mlの水に加え、酢酸エチルで抽出する。蒸発させた有機相をRP−8カラムでクロマトグラフィーに付し、アセトニトリル/水で抽出する。20mg(理論値の7.5%)の目的化合物を得る。
M.p.:205℃;
NMR (300 MHz, d6‐DMSO): δ = 1.85 (m,4H), 2.35 (m,2H), 3.58 (m,4H), 3.85 (m,1H), 4.2 (t,1H), 4.82 (m,1H), 7.18 (d,1H,チオフェン), 7.26 (d,2H), 7.5 (d,2H), 2.68 (d,1H,チオフェン), 9.0 (t,1H,CONH)。
IC50:2.8nM
【0205】
実施例163
5−クロロ−N−[((5S)−3−{4−[(3−ブロモプロピオニル)アミノ]フェニル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミド
【化55】

を実施例149の類似の方法で得る。
【0206】
実施例164
5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(2−オキソ−1−アゼチジニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
【化56】

をNaH/DMSOを使用して開鎖ブロモプロピオニル化合物の環化により実施例163の類似の方法で得る。
MS(ESI):m/z(%)=406([M+H]、100)、Clパターン。
IC50:380nM
【0207】
実施例165
tert−ブチル4−{4−[5−({[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]アミノ}メチル)2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル]フェニル}−3,5−ジオキソ−1−ピペラジンカルボキシレート
【化57】

6mlのDMFおよびジクロロメタン(1:1)の混合物中の300mg(0.85mmol)のN−{[3−(4−アミノフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミドを199mg(0.85mmol)のBoc−イミノ二酢酸、300mg(2.2mmol)のHOBT、0.66ml(6mmol)のN−メチルモルホリンおよび647mg(1.7mmol)のHBTUの溶液に加える。混合物を一晩撹拌し、ジクロロメタンで希釈後、水、飽和塩化アンモニウム溶液、飽和重炭酸ナトリウム溶液、水および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮する。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール 98:2)により精製する。収量:134mg(理論値の29%);
MS(ESI):m/z(%)=571(M+Na、82)、493(100);
HPLC(方法3):rt(%)=4.39(90)。
IC50:2μM
【0208】
実施例166
トリフルオロ酢酸N−[((5S)−3−{4−[(3R)−3−アミノ−2−オキソ−1−ピロリジニル]フェニル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
【化58】

N2−(tert−ブトキシカルボニル)−N1−{4−[(5S)−5−({[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]アミノ}メチル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル]フェニル}−D−メチオニンアミド
429mg(1.72mmol)のN−BOC−D−メチオニン、605mg(1.72mmol)のN−{[(5S)−3−(4−アミノフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル}−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド、および527mg(3.44mmol)のHOBT水和物を35mlのDMFに溶解し、660mg(3.441mmol)の塩酸EDCIを加え、689mg(5.334mmol)のN−エチルジイソプロピルアミンを少しずつ加える。混合物を室温で2日間撹拌する。得られた懸濁液を吸引濾過し、残渣をDMFで洗浄する。合わせた濾液を少量のシリカゲルと混合し、真空蒸発させ、トルエン−>T10EA7勾配のシリカゲルクロマトグラフィーに付す。融点183℃である170mg(理論値の17%)の目的化合物を得る。
(SiO、トルエン/酢酸エチル=1:1):0.2。
1H-NMR (300 MHz, d6−DMSO): δ=1.4 (s,1H,BOC), 1.88-1.95 (m,2H), 2.08 (s,3H,SMe), 2.4-2.5 (m,2H, DMSOにより部分的に覆われている), 3.6 (m,2H), 3.8 (m,1H), 4.15 (m,2H), 4.8 (m,1H), 7.2 (1H, チオフェン), 7.42 (d, AB系の一部, 2H), 7.6 (d, AB系の一部, 2H), 7.7 (d, 1H, チオフェン), 8.95 (t,1H, CH2NHCO), 9.93 (bs,1H,NH)。
【0209】
tert−ブチル(3R)−1−{4−[(5S)−5−({[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]アミノ}メチル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル]フェニル}−2−オキソ−3−ピロリジニルカルバメート
170mg(0.292mmol)のN2−(tert−ブトキシカルボニル)−N1−{4−[(5S)−5−({[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]アミノ}メチル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル]フェニル}−D−メチオニンアミドを2mlのDMSOに溶解し、178.5mg(0.875mmol)のヨウ化トリメチルスルホニウムおよび60.4mg(0.437mmol)の炭酸カリウムを加え、混合物を80℃で3.5時間撹拌する。次に高圧下蒸発させ、残渣をエタノールで洗浄する。99mgの目的化合物が残る。
1H‐NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ =1.4 (s,1H,BOC), 1.88-2.05 (m,1H), 2.3‐2.4 (m,1H), 3.7‐3.8 (m,3H), 3.8-3.9 (m,1H), 4.1-4.25 (m,1H), 4.25-4.45 (m,1H), 4.75-4.95 (m,1H), 7.15 (1H, チオフェン), 7.25 (d,1H), 7.52 (d, AB系の一部, 2H), 7.65 (d, AB系の一部, 2H), 7.65 (d, 1H, チオフェン), 9.0 (ブロード s,1H)。
【0210】
トリフルオロ酢酸N−[((5S)−3−{4−[(3R)−3−アミノ−2−オキソ−1−ピロリジニル]フェニル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
97mg(0.181mmol)のtert−ブチル(3R)−1−{4−[(5S)−5−({[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]アミノ}メチル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル]フェニル}−2−オキソ−3−ピロリジニルカルバメートを4mlの塩化メチレンに懸濁し、1.5mlのトリフルオロ酢酸を加え、室温で1時間撹拌する。次に混合物を真空蒸発させ、RP−HPLC(アセトニトリル/水/0.1%のTFA勾配)で精製する。関連した画分の蒸発で29mg(理論値の37%)の融点241℃(分解)である目的化合物を得る。
(SiO,EtOH/TEA=17:1)0.19。
1H-NMR (300 MHz, d6-DMSO): δ =1.92-2.2 (m,1H), 2.4-2.55 (m,1H, DMSOピークにより部分的に覆われている), 3.55-3.65 (m,2H), 3.75-3.95 (m,3H), 4.1-4.3 (m,2H), 4.75-4.9 (m,1H), 7.2 (1H, チオフェン), 7.58 (d, AB系の一部, 2H), 7.7 (d, AB系の一部, 2H), 7.68 (d, 1H, チオフェン), 8.4 (ブロード s,3H, NH3), 8.9 (t,1H,NHCO)。
【0211】
下記実施例167ないし170はスルホンアミド基のフェニル−置換オキサゾリジノンへの導入に関する:
5−クロロ−N−[(2−オキソ−3−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミドから出発して置換スルホンアミドを製造するための一般方法
【化59】

5−クロロ−N−[(2−オキソ−3−フェニル−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミド(実施例96由来)をクロロスルホン酸(12当量)にアルゴン下で5℃で加える。反応混合物を室温で2h撹拌し、次に氷水を加える。分離する沈殿を濾過し、水で洗浄し、乾燥させる。
次にテトラヒドロフラン(0.1mol/l)にアルゴン下で室温で溶解し、適当なアミン(3当量)、トリエチルアミン(1.1当量)およびジメチルアミノピリジン(0.1当量)を加える。反応混合物を1−2h撹拌し、次に真空濃縮する。所望の生成物をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール混合物)で精製する。
【0212】
下記を同様の方法で製造した:
実施例167
5−クロロ−N−({2−オキソ−3−[4−(1−ピロリジニルスルホニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=492([M+Na]、100)、470([M+H]、68)、Clパターン;
HPLC(方法3):rt(%)=4.34(100)。
IC50:0.5μM
実施例168
5−クロロ−N−[(3−{4−[(4−メチル−1−ピペラジニル)スルホニル]フェニル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=499([M+H]、100)、Clパターン;
HPLC(方法2):rt(%)=3.3(100).
実施例169
5−クロロ−N−({2−オキソ−3−[4−(1−ピペリジニルスルホニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=484([M+H]、100)、Clパターン;
HPLC(方法2):rt(%)=4.4(100)。
実施例170
5−クロロ−N−[(3−{4−[(4−ヒドロキシ−1−ピペリジニル)スルホニル]フェニル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−2−チオフェンカルボキサミド
MS(ESI):m/z(%)=500([M+H]、100)、Clパターン;
HPLC(方法3):rt(%)=3.9(100).
【0213】
実施例171
5−クロロ−N−({2−オキソ−3−[4−(1−ピロリジニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミド
【化60】

780mg(1.54mmol)のtert−ブチル1−{4−[5−({[(5−クロロ−2−チエニル)カルボニル]アミノ}メチル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル]フェニル}プロリネートを6mlのジクロロメタンおよび9mlのトリフルオロ酢酸に溶解し、混合物を40℃で2日間撹拌する。次に反応混合物を濃縮し、エーテルおよび2Nの水酸化ナトリウム溶液と撹拌する。水性相を濃縮し、エーテルおよび2Nの塩酸と撹拌する。この抽出物の有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮する。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(CHCl/EtOH/conc.NH水溶液=100/1/0.1ないし20/1/0.1)に付す。
280mg(理論値の40%)の生成物を得る。
MS(ESI):m/z(%)=406(M+H、100);
HPLC(方法4):rt=3.81分。
【0214】
前記実施例に記載のHPLCおよびLC−MSデータに対するHPLCパラメーターおよびLC−MSパラメーター(反応時間(rt)の単位は分である):
[1]Column:Kromasil C18、L−R温度:30℃、流速=0.75ml分−1、溶離剤:A=0.01MのHClO、B=CHCN、勾配:−>0.5分 98%のA−>4.5分 10%のA−>6.5分 10%のA
[2]Column:Kromasil C18 60*2、L−R温度:30℃、流速=0.75ml分−1、溶離剤:A=0.01MのHPO、B=CHCN、勾配:−>0.5分 90%のA−>4.5分 10%のA−>6.5分 10%のA
[3]Column:Kromasil C18 60*2、L−R温度:30℃、流速=0.75ml分−1、溶離剤:A=0.005MのHClO、B=CHCN、勾配:−>0.5分 98%のA−>4.5分 10%のA>6.5分 10%のA
[4]Column:Symmetry C18 2.1×150mm、カラムオーブン:50℃、流速=0.6ml分−1、溶離剤:A=0.6gの30%の水のHCl/l、B=CHCN、勾配:0.0分 90%A−>4.0分 10%A−>9分 10%A。
【0215】
[5]MHZ−2Q、Instrument Micromass Quattro LCZ
Column Symmetry C18、50mm×2.1mm、3.5μm、温度:40℃、流速=0.5ml分−1、溶離剤A=CHCN+0.1%のギ酸、溶離剤B=水+0.1%のギ酸、勾配:0.0分 10%のA−>4分 90%のA−>6分 90%のA
[6]MHZ−2P、Instrument Micromass Platform LCZ
Column Symmetry C18、50mm×2.1mm、3.5μm、温度:40℃、流速=0.5ml分−1、溶離剤A=CHCN+0.1%のギ酸、溶離剤B=水+0.1%のギ酸、勾配:0.0分 10%のA−>4分 90%のA−>6分 90%のA
[7]MHZ−7Q、Instrument Micromass Quattro LCZ
Column Symmetry C18、50mm×2.1mm、3.5μm、温度:40℃、流速=0.5ml分−1、溶離剤A=CHCN+0.1%のギ酸、溶離剤B=水+0.1%のギ酸、勾配:0.0分 5%のA−>1分 5%のA−>5分 90%のA−>6分 90%のA
【0216】
固相支援(solid phase-assisted)合成により一般式Bのオキサゾリジノンを製造するための一般方法
様々な樹脂結合生成物との反応を別々の反応容器で実施した。
5−(ブロモメチル)−3−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン A(エピブロモヒドリンおよび4−フルオロ−3−ニトロフェニルイソシアネートとキシレン中のLiBr/BuPOでUS 4128654、Ex.2に類似の方法で製造される)(1.20g、3.75mmol)およびエチルジイソプロイルアミン(DIEA、1.91ml、4.13mmol)をDMSO(70ml)に溶解し、二級アミン(1.1当量、アミン構成要素1)と混合し、55℃で5h反応させた。TentaGel SAM樹脂(5.00g、0.25mmol/g)をこの溶液に加え、75℃で48h反応させた。樹脂を濾過し、メタノール(MeOH)、ジメチルホルムアミド(DMF)、MeOH、ジクロロメタン(DCM)およびジエチルエーテルで再度洗浄し、乾燥させた。樹脂(5.00g)をジクロロメタン(80ml)に懸濁し、DIEA(10当量)および塩化5−クロロチオフェン−2−カルボニル[5−クロロチオフェン−2−カルボン酸(5当量)および1−クロロ−1−ジメチルアミノ−2−メチルプロペン(5当量)をDCM(20ml)中で室温で15分反応させることにより製造される]と混合し、室温で5h反応させた。得られた樹脂を濾過し、MeOH、DCMおよびジエチルエーテルで再度洗浄し、乾燥させた。次に樹脂をDMF/水(v/v 9:2、80ml)に懸濁し、SnCl*2HO(5当量)と混合し、室温で18h反応させた。再び樹脂をMeOH、DMF、水、MeOH、DCMおよびジエチルエーテルで再度洗浄し、乾燥させた。この樹脂をDCMに懸濁し、DIEA(10当量)および0℃で酸塩化物(5当量の酸誘導体1)と混合し、室温で一晩反応させた。反応前に、カルボン酸を対応する酸塩化物にDCM中の1−ジメチルアミノ−1−クロロ−2−メチルプロペン(1当量、カルボン酸に基づく)と室温で15分反応させることにより変換させた。樹脂をDMF、水、DMF、MeOH、DCMおよびジエチルエーテルで再度洗浄し、乾燥させた。Fmoc保護アミノ酸を酸誘導体1として使用したとき、Fmoc保護基を最後の反応工程でピペリジン/DMF(v/v、1/4)と室温で15分反応させることにより除去し、樹脂をDMF、MeOH、DCMおよびジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させた。次に生成物をトリフルオロ酢酸(TFA)/DCM(v/v、1/1)で固相から分離し、樹脂を濾取し、反応溶液を蒸発させた。粗生成物をシリカゲル(DCM/MeOH、9:1)を介して濾過し、蒸発させ、生成物Bを得た。
【化61】

【0217】
固相支援合成により製造された化合物:
実施例172
N−({3−[3−アミノ−4−(1−ピロリジニル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
【化62】

5g(1.25mmol)のTentaGel SAM樹脂をアミン誘導体1としてピロリジンと誘導体Bを製造するための一般製造法に類似の方法で反応させた。SnCl*2HOとの反応後得られたアニリンを固相から除去し、さらなるアシル化工程なしで、蒸発させた。粗生成物を酢酸エチルとNaHCO溶液で分配し、有機相をNaClで塩を生成し、デカントし、蒸発乾燥させた。この粗生成物をシリカゲル真空フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/酢酸エチル、3:1−1:2)により精製した。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): 1.95 - 2.08, br, 4 H; 3.15-3.30, br, 4 H; 3.65-3.81, m, 2 H; 3.89, ddd, 1H; 4.05, dd, 1 H; 4.81, dddd, 1 H; 6.46, dd, 1 H; 6.72, dd, 1 H; 6.90, dd, 1 H; 6.99, dd, 1 H; 7.03, dd, 1 H; 7.29, d, 1 H。
【0218】
実施例173
N−[(3−{3−(β−アラニルアミノ)−4−[(3−ヒドロキシプロピル)アミノ]フェニル}−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル)メチル]−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
【化63】

5g(1.25mmol)のTentaGel SAM樹脂をアミン誘導体1としてアゼチジンおよび酸誘導体1としてFmoc−β−アラニンと誘導体Bを製造するための一般製造法に類似の製造法で反応させた。除去後に得られた粗生成物をメタノール中で室温で48h撹拌し、蒸発乾燥させる。この粗生成物を水/TFA/アセトニトリル勾配の逆相HPLCにより精製した。
1H-NMR (400 MHz, CD3OD): 2.31, tt, 2 H; 3.36, t, 2 H; 3.54, t, 2 H; 3.62, t, 2 H; 3.72, dd, 1 H; 3.79, dd, 1 H; 4.01, dd, 1 H; 4.29, dd, 2 H; 4.43, t, 2 H; 4.85-4.95, m, 1 H; 7.01, d, 1 H; 4.48 - 7.55, m, 2 H; 7.61, d, 1 H; 7.84, d, 1 H。
【0219】
実施例174
N−({3−[4−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−3−ニトロフェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
【化64】

130mg(32.5μmol)のTentaGel SAM樹脂をアミン誘導体1としてtert−ブチル3−ピロリジニルカルバメートと誘導体Bを製造するための一般製造法に類似の方法で反応させた。5−クロロチオフェンカルボン酸とのアシル化後に得られたニトロベンゼン誘導体を固相から除去し、蒸発させた。この粗生成物を水/TFA/アセトニトリル勾配の逆相HPLCにより精製した。
1H-NMR (400 MHz, CD3OH): 2.07-2.17, m, 1 H; 2.39-2.49, m, 1 H; 3.21-3.40, m, 2 H; 3.45, dd, 1 H; 3.50-3.60, m, 1 H; 3.67, dd, 1 H; 3.76, dd, 1 H; 3.88-4.00, m, 2 H; 4.14 - 4.21, t, 1 H; 4.85 - 4.95, m, 1 H; 7.01, d, 1 H; 7.11, d, 1 H; 7.52, d, 1 H; 7.66, dd, 1 H; 7.93, d, 1 H。
【0220】
実施例175
N−({3−[3−アミノ−4−(1−ピペリジニル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
【化65】

130mg(32.5μmol)のTentaGel SAM樹脂をアミン誘導体1としてピペリジンと誘導体Bを製造するための一般製造法に類似の方法で反応させた。還元後に得られたアニリンをさらなるアシル化工程なしで固相から除去し、蒸発させた。この粗生成物を水/TFA/アセトニトリル勾配の逆相HPLCにより精製した。
1H-NMR (400 MHz, CD3OH): 1.65-1.75, m, 2 H; 1.84-1.95, m, 4 H; 3.20-3.28, m, 4 H; 3.68, dd, 1 H; 3.73, dd, 1H; 3.90, dd, 1 H; 4.17, dd, 1 H; 4.80-4.90, m, 1 H; 7.00, d, 1 H; 7.05, dd, 1 H; 7.30-7.38, m, 2H; 7.50, d, 1 H。
【0221】
実施例176
N−({3−[3−(アセチルアミノ)−4−(1−ピロリジニル)フェニル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−5−クロロ−2−チオフェンカルボキサミド
【化66】

130mg(32.5μmol)のTentaGel SAM樹脂をアミン誘導体1としてピロリジンおよび酸誘導体1として塩化アセチルと誘導体Bを製造するための一般製造法に類似の方法で反応させた。粗生成物を酢酸エチルとNaHCO溶液で分配し、有機相をNaClで塩を生成し、デカントし、蒸発乾燥させた。この粗生成物をシリカゲル真空フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン/酢酸エチル、1:1−0:1)により精製した。
1H-NMR (400 MHz, CD3OH): 1.93 - 2.03, br, 4 H; 2.16, s, 3 H; 3.20-3.30, br, 4 H; 3.70, d, 2 H; 3.86, dd, 1H; 4.10, dd, 1 H; 4.14, dd, 1 H; 4.80-4.90, m, 1 H; 7.00, d, 1 H; 7.07, d, 1 H; 7.31, dd, 1 H; 7.51, d, 1 H; 7.60, d, 1 H。
【0222】
下記化合物を一般方法と同様に製造した。
【表7】

【0223】
【表8】

【0224】
【表9】

【0225】
【表10】

【0226】
【表11】

【0227】
【表12】

【0228】
【表13】

【0229】
【表14】

【0230】
【表15】

【0231】
【表16】

【0232】
【表17】

【0233】
【表18】

【0234】
【表19】

【0235】
【表20】

【0236】
【表21】

【0237】
固相支援合成のすべての生成物はLC−MSにより特徴付けられた。下記分離系をこのために通常通り使用した:HP 1100 with UV検出器(208−400nm)、40℃オーブン温度、Waters Symmetry C18カラム(50mm×2.1mm、3.5μm)、移動相A:99.9%のアセトニトリル/0.1%のギ酸、移動相B:99.9%の水/0.1%のギ酸;勾配:
【表22】

【0238】
該物質をMicromass Quattro LCZ MS、イオン化:ESI 陽/陰の手法により検出した。
【0239】
上記構造中におけるラジカル
【化67】

または−Oの存在は、いつも
【化68】

または−OH官能基を意味する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)式(I)
【化1】

〔式中、
は塩素、臭素、メチルまたはトリフルオロメチルの群からのラジカルにより5位で置換されている2−チオフェンであり、
はD−A−であり:
ここで:
ラジカル“A”はフェニレンであり;
ラジカル“D”は飽和5−または6−員ヘテロ環であり、
これは窒素原子を介して“A”に結合しており、
これは結合している窒素原子に直接隣接してカルボニル基を有し、そして
ここで、環炭素員はS、NおよびOのシリーズからのヘテロ原子により置換されていてもよく;
ここで
上記定義の基“A”は、所望によりオキサゾリジノンの結合に対してメタ位で1回または2回、フッ素、塩素、ニトロ、アミノ、トリフルオロメチル、メチルまたはシアノの群からのラジカルにより置換されていてもよく、
、R、R、R、RおよびRは水素である〕
で示される化合物またはその塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物の1つ
および
B)不整脈治療剤
を含む組合せ。
【請求項2】
化合物A)が式
【化2】

で示される5−クロロ−N−({(5S)−2−オキソ−3−[4−(3−オキソ−4−モルホリニル)フェニル]−1,3−オキサゾリジン−5−イル}メチル)−2−チオフェンカルボキサミドまたはその塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物の1つであることを特徴とする、請求項1に記載の組合せ。
【請求項3】
化合物B)がアデノシンA1アゴニストであることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の組合せ。
【請求項4】
化合物B)が式
【化3】

で示される2−アミノ−6−({[2−(4−クロロフェニル)−1,3−チアゾル−4−イル]メチル}スルファニル)−4−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−3,5−ピリジンジカルボニトリルまたはその塩、溶媒和物もしくは塩の溶媒和物の1つであることを特徴とする、請求項3に記載の組合せ。
【請求項5】
1種またはそれ以上の式(I)で示されるオキサゾリジノンおよび1種またはそれ以上の不整脈治療剤が何らかの適当な方法で組み合わせられるか、または製造されることを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の組合せの製造方法。
【請求項6】
疾患の処置および/または予防のための請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の組合せ。
【請求項7】
少なくとも1種の請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の組合せ、および必要に応じて、さらなる活性医薬成分を含む薬剤。
【請求項8】
少なくとも1種の請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の組合せ、および1種またはそれ以上の薬理学的に許容される補助剤および/または担体を含む薬剤。
【請求項9】
血栓塞栓性疾患および/または血栓塞栓性合併症の予防および/または処置用の薬剤の製造のための請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の組合せの使用。
【請求項10】
心臓血栓塞栓症の予防または処置および不整脈の予防、減少または終止のための薬剤の製造のための請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の組合せの使用。

【公表番号】特表2009−510141(P2009−510141A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533897(P2008−533897)
【出願日】平成18年9月22日(2006.9.22)
【国際出願番号】PCT/EP2006/009204
【国際公開番号】WO2007/039134
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(503412148)バイエル・ヘルスケア・アクチェンゲゼルシャフト (206)
【氏名又は名称原語表記】Bayer HealthCare AG
【Fターム(参考)】