説明

自動ガイドワイヤ操作システム及び方法

患者の体の内腔系を通るカテーテルを、内腔系内の所定位置まで誘導するシステムが、医療用測位システムと、前記カテーテルに結合された移動機構と、前記医療用測位システム及び前記移動機構に結合されたコントローラとを具え、前記医療用測位システムは少なくとも1つの位置検出器を具え、この位置検出器は前記カテーテルの末端部分に強固に取り付けられ、前記医療用測位システムは前記位置検出器の位置を測定し、前記コントローラは、上記位置及び内腔系の少なくとも一部分のトポロジ表現に応じて、前記移動機構の動作を制御して前記カテーテルを前記所定位置まで移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は一般に医療機器に関するものであり、特に患者の体の内腔内でカテーテルを操作する方法及びシステムに関するものである。
【0002】
(発明の背景)
患者の体の内腔、例えば循環系、胃腸管、脳内の管、気管支樹、等に対する種々の診断及び手術が、内腔内にカテーテルを挿入することによって実行される。カテーテルは一般に大がかりな装置であるので、すべて自力で手術部位まで誘導(ガイド)することは困難である。この目的のために、その径がカテーテルの径よりも大幅に小さいガイドワイヤを、カテーテルを挿入する前に手術部位まで挿入し、そしてカテーテルをガイドワイヤ上に通して手術部位まで誘導する。
【0003】
ガイドワイヤを、手術部位まで内腔を通す操作を行う方法及びシステムは現在技術において既知である。一般に、オペレータ(操作員)は、ガイドワイヤの先端(チップ)の画像を見ながら、(例えば、透視検査装置による血管造影図を用いることによる)内腔のリアルタイム(実時間)の二次元画像に対して、ガイドワイヤを手動で押すか引くことによって、あるいはガイドワイヤを回転させることによって、ガイドワイヤの動きを操作する。このようにして、内腔の種々の分岐においてガイドワイヤの先端を操作して、手術部位に到達させる。カテーテルも同じ方法を用いて操作するが、ここではカテーテルの先端にマーカー(例えばX線不透過材料)を配置するに過ぎない。
【0004】
【特許文献1】米国特許番号6,594,517 B1
【0005】
Nevoに対して権利付与された米国特許番号6,594,517 B1、発明の名称”Method and Apparatus for Generating Controlled Torques on Objects Particularly Objects Inside a Living Body”は、被制御のトルクを体内装置に加えて、体内装置の先端を屈曲させるシステム及び方法に指向したものである。このシステムは、入力装置、処理兼制御装置、電子インタフェース、体内装置、トルク発生モジュール、測位兼指向モジュール、及び磁気共鳴画像診断システム(MRI:Magnetic Resonance Imaging)を具えている。MRIは、コンピュータ、画像ディスプレイ、傾斜発生制御ユニット、MRI磁石、及び一組の3つの直交傾斜コイルを具えている。トルク発生モジュールは3つのマイクロコイルを具えている。
【0006】
処理兼制御ユニットは入力装置、電子インタフェース、コンピュータ、及び傾斜発生制御ユニットに接続されている。トルク発生モジュール及び測位兼指向モジュールは、体内装置の先端に配置されている。トルク発生モジュール及び測位兼指向モジュールは電子インタフェースに接続されている。コンピュータは画像ディスプレイ及び傾斜発生制御ユニットに接続されている。傾斜発生制御ユニットは直交傾斜コイルに接続されている。
【0007】
処理兼制御ユニットは、マイクロコイルを通る電流を制御して、トルク発生モジュールに結果的な磁気双極子を発生させて、MRI磁石によって生成される磁界と相互作用させる。この相互作用は、所望の向き及び大きさのトルクを生成させて、体内装置の先端を操縦する。傾斜発生制御ユニットは、3つの直交傾斜コイルが発生する傾斜電磁界、及びこれらのコイルの活性化のタイミング・シーケンスを表現する情報を、処理兼制御ユニットに提供する。画像ディスプレイは、操作視野の実時間画像を提供する。測位兼指向モジュールは、体内装置の先端の位置及び方向または配向を提供する。コンピュータは、処理兼制御ユニットにMRIシステムのイベント(事象)スケジュールを提供して、MRI磁石が撮像のために活性化される際に、トルク発生モジュールの作動による画像アーティファクト(歪み)を防止する。
【0008】
【特許文献2】米国特許番号6,035,856
【0009】
立体定位システムを用いて、内腔を通るカテーテルのガイドワイヤを操縦し、そして、複数の磁石によりガイドワイヤに磁界を加えることによって、ガイドワイヤの先端を屈曲させる。磁界を加えて、ガイドワイヤを異なる方向に曲げる。こうした方法は、米国特許番号6,035,856に記載されている。
【0010】
LaFontaine他に権利付与された米国特許番号6,035,856、発明の名称”Percutaneous Bypass with Branching Vessel”は、大動脈の分枝血管の第1の閉塞上でバイパスを行う方法に指向したものである。第1の閉塞を含む冠状動脈及び分枝血管が大動脈から分岐している。標準的なガイド−カテーテルを、大動脈を通して分枝血管の入口まで進める。このガイド−カテーテルを通して、閉塞形成装置を分枝血管内で進めて、分枝血管内に第2の閉塞を生成する。この閉塞形成装置は、細長い部分及び加熱バルーンを含む。
【0011】
閉塞形成装置を、ガイド−カテーテルを通して大動脈から取り除き、そしてカッティング(切断)装置を、ガイド−カテーテルを通して第2の閉塞の近位まで進める。カッティング装置は、細長い部材、操縦可能なガイドワイヤ、近位閉塞バルーン、遠位バルーン、ステント、カッティング・ブレード(刃)、磁気材料の第1片、及び送信機を具えている。カッティング・ブレードは、遠位バルーンの末端に配置され、磁気材料の第1片はカッティング・ブレードと遠位バルーンとの間に配置され、そして送信機は遠位バルーン内に配置される。遠位バルーンはステント内に配置される。送信機は無線周波数信号を発生する。
【0012】
分枝血管の壁を、カッティング・ブレードを用いることによって切断する。遠位バルーンを膨らませた位置に保持して、切断後の分枝血管を塞ぐ。そして、操縦可能なガイドワイヤを操作することによって、あるいは、磁気材料の第2片により磁気材料の第1片を操作することによって、分枝血管の切断端を、冠状動脈の第1の閉塞の遠位領域に向けて進め、ここで磁気材料の第2片は患者の体外に配置される。
【0013】
送信機の真の位置及び相対位置、従って分枝血管の切断端の位置は、三角測量兼座標マッピング(写像)システムを用いることによって測定される。三角測量兼座標マッピングシステムは3つの基準電極を具え、これらの電極は患者の体外に配置される。基準電極のうちの2つは、心臓をはさんで互いに反対側に配置され、3番目の電極は背中に配置される。これら3つの基準電極を用いて送信機の位置を三角測量する。
【0014】
分枝血管の切断端が適正に位置決めされると、カッティング・ブレードを用いることによって、冠状動脈の、上記第1の閉塞の遠位に開口を形成する。この開口を通して、分枝血管の切断端を冠状動脈内に挿入し、遠位バルーンを膨らませることによってステントを広げ、これにより、分枝血管の切断端を冠状動脈の内腔に取り付ける。
【0015】
(発明の概要)
本発明の目的は、ワイヤ(またはカテーテル)の先端(チップ)上に配置した位置センサからのフィードバックを用いて、血管樹の構造的ロードマップに基づいて、カテーテルの先端を予め定めた指定位置まで自動的に操作して誘導(ガイド)する新規な方法及びシステムを提供することにある。
【0016】
従って、本発明によれば、カテーテルを患者の体の内腔系に通して内腔系内の所定位置まで誘導するシステムが提供される。このシステムは、医療用測位システム、カテーテルに結合された移動機構(メカニズム)、及びこれらの医療用測位システム及び移動機構に結合されたコントローラを具えている。
【0017】
医療用測位システムは、少なくとも1つの位置検出器を具えている。この位置検出器は、カテーテルの末端部分に強固に取り付けられている。医療用測位システムは、前記位置検出器の位置を測定する。前記コントローラは、測定した位置及び内腔系の少なくとも一部分のトポロジ(接続関係図)表現に応じて、前記移動機構の動作を制御してカテーテルを所定位置まで移動させる。
【0018】
従って、本発明の他の態様によれば、カテーテルを患者の体の内腔系内の所定位置まで誘導する方法が提供される。この方法は、カテーテルの末端部分の第1位置を表現する受信した位置信号及び内腔系のトポロジ表現に応じて、カテーテルを移動させるべき新たな位置を決定する手順に従って新たに決定した位置に応じて、前記移動機構を操作してカテーテルを第2位置まで移動させる手順を含む。
【0019】
この方法はさらに、前記第2位置が前記新たに決定した位置とほぼ同一である際に、前記位置信号を受信して操作手順を実行する手順、及び前記第2位置が前記新たに決定した位置と同一でない際に、少なくとも1つの修正移動を決定する手順を含む。この方法はさらに、前記移動機構に指示して、前記決定した修正移動に応じてカテーテルを移動させる手順を具えている。
【0020】
従って、本発明のさらに他の態様によれば、患者の体の内腔系内でカテーテルを誘導する方法が提供される。この方法は、ユーザからの連続的な位置入力を受信して、内腔系内でカテーテルをリアルタイムで誘導する手順、及び受信した位置入力毎に、ユーザが規定したカテーテルの先端の位置を特定する手順を具えている。
【0021】
この方法はさらに、カテーテルの先端のリアルタイム位置を規則的に検出する手順、及びユーザが規定した位置によって規定される軌跡、即ち、前記リアルタイム位置と、これに隣接するユーザが規定した次の位置との間の軌跡に沿って連続する増分的経路を、内腔系のトポロジ表現に応じて決定する手順を具えている。この方法はさらに、前記移動機構に指示して、カテーテルを内腔系で、複数の前記リアルタイム位置の各々から、当該位置に隣接するユーザが規定した次の位置に向かう前記増分経路の各々に沿って移動させる手順を具えている。
【0022】
本発明は、以下の図面を参照した実施例の詳細な説明より一層明らかになる。
【0023】
(実施例の詳細な説明)
本発明は、患者の内腔内の所望位置へのカテーテルの移動を、内腔内の経路、及び内腔内のカテーテル先端の現在位置に応じて自動的に制御し、この現在位置をフィードバックとして用いつつ移動を制御するシステムを提供することによって、従来技術の欠点を克服する。カテーテルの先端が追従する経路は事前計画され、そして操作セッションに先立つ撮像セッションにおいて、動的な画像装置(イメージャ)を用いることによって決定される。あるいはまた、システムは患者の体の循環マップに従って、カテーテルを内腔内で所望位置に向けて操作する。オペレータはシステムの自動動作に優先して操作を行うことができ、即ち、内腔のリアルタイムの二次元画像に対するカテーテルの先端の(画像)表現を観測しながら、随時手動モードに復帰することができる。心電計(ECG:Electrocardiograph)のような、器官の器官タイミング信号を監視する器官モニター(監視装置)をこのシステムと共に用いて、器官(例えば心臓)の拍動によって生じる内腔の動きを考慮に入れることによって、血管樹の二次元画像、並びに三次元構造モデルを表示することができる。
【0024】
以下で「カテーテル」とは、患者の体の内腔に挿入可能な細長い物体を称する。カテーテルは、例えば、医療装置を内腔内の特定位置まで誘導(ガイド)するためのガイドワイヤ、等とすることができる。以下で「トポロジ表現」とは、本発明によるシステムが、カテーテルを起点から目的箇所まで操作するために用いる患者の体の内腔系(例えば循環系、気管支樹、泌尿器系、腎系)のマッピング(地図表現)を称する。このマッピングは二次元にも三次元にもすることができる。なお、代わりに、「トポロジ表現」は、システムが内腔内で追従すべき経路のみを含むこともできる。以下で「位置」とは、三次元座標系における物体の位置または向きのいずれか、あるいは位置及び向きの両方を称する。
【0025】
以下、図1及び2を参照しながら説明する。図1に、本発明の一実施例により構成され動作する、カテーテルを患者の体の内腔内で自動的に操作するシステムを図式的に示し、システム全体を100で参照する。図2に、図1のシステムの撮像(イメージング)が内腔内の経路の三次元座標を決定する方法を図式的に示す。
【0026】
図1を参照すれば、システム100は、ジョイスティック102、コントローラ104、移動機構(メカニズム)106、医療用測位システム(MPS:Medical Positioning System)108、複数の送信機110A、110B及び110C、撮像システム112、位置検出器114、カテーテル116、及びディスプレイ118を具えている。撮像システム112は、放射発生器120及び放射検出器122を具えている。撮像システム112は、X線システム、透視検査装置、C型アーム撮像装置、コンピュータ断層撮影装置(CT:Computed Tomography)、陽電子放射型断層撮影装置(ポジトロン・エミッション・トモグラフィー)(PET:Positron Emission Tomography)、超音波システム、磁気共鳴撮像装置(MRI)、等とすることができる。
【0027】
移動機構106は、一対の角度移動ローラー124A及び124B、一対の線方向移動ローラー126A及び126B、及びそれぞれの移動要素(図示せず)、例えば電気モータ、アクチュエータ、等を具えている。しかし、移動機構106は、カテーテル116に以下で説明する必要な動きを与える限り、これらに代わる、あるいはこれらに加えて他の要素(例えば摩擦によって線状の動きを伝達する圧電モータ)を具えることができる。随意的に、移動機構106は、無菌に保つために使い捨て式にすることができる。コントローラ104は、プロセッサ(図示せず)、カテーテル116が患者の体(図示せず)の内腔130内で追従して移動すべき経路128を表現する情報を記憶するための記憶装置(図示せず)を具えている。
【0028】
移動機構106は、ジョイスティック102及びコントローラ104に結合されている。コントローラ104は撮像システム112に結合されている。MPS108は、コントローラ104、及び送信機110A、110B及び110Cに結合されている。位置検出器114は、導線132(即ち導電結合)によってMPS108に結合されている。ディスプレイ118は、MPS108及び撮像システム112に結合されている。位置検出器114はカテーテル116の末端部分に配置されている。
【0029】
手術中には、患者の体は放射発生器120と放射検出器122との間に配置される。撮像システム112は少なくとも1つの自由度を有し、これにより、患者の体の画像を異なる向きから複数撮像することができる。撮像システム112は、内腔130の二次元画像134を表現する信号をディスプレイ118に供給して、二次元画像134を表示する。
【0030】
経路128は、カテーテル116の先端部分(図示せず)の内腔130に対する起点136と目的箇所138との間の三次元曲線である。起点136及び目的箇所138は共に、撮像システム112の視野内にある。経路128は、手術に先立つ撮像セッション中に決定され、記憶装置に記憶される。
【0031】
コントローラ104は、例えば、C型アーム撮像装置を利用して内腔130から得られた複数の二次元画像により、経路128を計算して構成する。例えばC型アームは、内腔130の、2つの異なる非平行ECGゲート画像平面における2つの二次元ECGゲート画像を得ることができる。ユーザが起点136及び目的箇所138を指示すると、C型アームは三次元の経路128を構成する。なお、コントローラ104は、内腔130の背景に対する規則的な変化に応じて、1つ以上の画像処理アルゴリズムに基づいて経路128を計算する。
【0032】
さらに図2を参照すれば、撮像システム112は、内腔130の、三次元座標系148における画像平面146上の画像144、及び内腔130の、三次元座標系148におおける画像平面152上の他の画像150を捕捉する。撮像システム112は、画像平面146と152との間の配向(即ち、これらの画像平面間の角度)を認知している。撮像システム112は、画像144における内腔130の特徴点、及び画像150中のこれに対応する特徴点156を識別する。撮像システム112は、それぞれ特徴点154及び156からの、それぞれ画像平面146及び152に対する法線158と160との交点162を特定することによって、三次元座標系148における特徴点154(または特徴点156)の三次元座標を特定する。撮像システム112は、内腔130の他の特徴点に対しても上記手順を実行し、これにより、三次元の経路128を構成する。
【0033】
C型アームが患者の体から得る二次元画像は、内腔130に加えて、内腔130の平面とは異なる平面に位置する他の内腔(図示せず)を含むことがあり得る(即ち、これらの追加的な内腔は捕捉した画像中で内腔130と重なる)。この場合には、ユーザが起点136及び目的箇所138を指示した際に、ユーザが内腔130を通る経路に関心があることはC型アームにとっては明らかではなく、C型アームは、二次元画像中では内腔130と重なる他の内腔を通る経路(図示せず)を構成することがあり得る。従って、C型アームは他の画像平面において内腔130の他の二次元画像を取得し、この新たな二次元画像中では内腔130は他のどの内腔とも重ならない。
【0034】
【特許文献3】米国特許出願番号09/949,160
【0035】
手術に先立って、MPS108及び撮像システム112の座標系を共通の二次元座標系に設定し、これにより、ディスプレイ118は、手術中に、位置検出器114の画像表現140を二次元画像134上に重ね表示する。この方法は例えば、米国特許出願番号09/949,160に記載され、この特許出願は参考文献として本明細書に含める。ディスプレイ118によって表示される情報は、医療スタッフが、カテーテル116の末端部分の内腔130に対する位置を観測するために役立つ。この二次元座標系は、例えば次の方法により決定することができる。
【0036】
MPS108の三次元座標系と撮像システム112の三次元座標系との間の第1変換モデルを決定する。撮像システム112の三次元座標系と撮像システム112の二次元座標系との間の第2変換モデルを決定する。MPS108の三次元座標系に第1変換モデルを適用することによって、MPS108の三次元座標系を撮像システム112の三次元座標系に変換する。変換された撮像システム112の三次元座標系に第2変換モデルを適用することによって、撮像システム112の三次元座標系を撮像システム112の二次元座標系に変換する。
【0037】
上記第1変換モデルは、MPS108の三次元座標系における点の集合、及び撮像システム112の三次元座標系における他の点の集合により決定される。上記第2変換モデルは、撮像システム112の外部パラメータ(即ち、撮像システム112の三次元座標系における点の集合)、及び撮像システム112の内部パラメータ(例えば、レンズ角、焦点距離、倍率)により決定される。
【0038】
以下は、患者の頚部領域内の血管に対する手術を実行するための、システム100の動作の説明である。この場合には、経路128は、わきの下の動脈(腋窩動脈)(内腔130で表わす)内の三次元曲線であり、第1肋骨の領域(即ち起点136)から甲状頚動脈(即ち目的箇所138)までの経路を形成する。手術の段階では、医療スタッフはカテーテル116を、右上腕動脈(図示せず)を通して患者の体に挿入し、カテーテル116を手動で操作して起点136に到達させる。
【0039】
この時点では、システム100の動作が優先され、システム100は自動的に、カテーテル116を目的箇所138まで操作する。送信機110A,110B及び110Cによって生成される電磁界に応答して、位置検出器114は、位置検出器114の三次元位置を表現する信号を、導線132経由で送信する。あるいはまた、位置検出器114はMPS108に導線132なしで無線的に結合され、この場合には、位置検出器114はこの位置信号をMPS108に無線送信する。
【0040】
MPS108は、位置検出器114から受信した信号により位置検出器114の座標を特定する。MPS108は、MPS108の三次元座標系における位置検出器114の座標を表現する信号を、コントローラ104に送信する。そして上述したように、MPS108は、撮像システム112の二次元座標系における位置検出器114の座標を表現する信号を、ディスプレイ118に送信する。
【0041】
手術全体を通して、ディスプレイ118は、撮像システム112から受信した信号により、内腔130の手術領域の二次元画像(即ち、起点136と目的箇所138との間の部分)を表示する。ディスプレイ118は、MPS108から受信した信号により、位置検出器114(即ち、カテーテル116の末端部分)の現在位置の表現140も、二次元画像134上に重ねて表示する。あるいはまた、位置検出器114の現在位置は、内腔(例えば冠状動脈樹)の三次元画像上に重ねることができる。
【0042】
経路128の代わりに、コントローラ104は患者の内腔系のトポロジ表現を用いて、移動機構106を制御して、カテーテル116を内腔系に通して、内腔系内の起点136から目的箇所138まで操作することができる。この場合には、コントローラ104は、カテーテル116が目的箇所に到達するための最良の経路を決定する。なお、コントローラ104はこの経路を、ナビゲーション(進路案内)プロセス中の発見(例えば内腔が想定より狭く、通過が阻害されること)に応じてリアルタイムで変化させることができる。コントローラ104は、位置検出器114によってリアルタイムで供給されるフィードバックに応じて、そして実際位置及び位置検出器114の向きを、想定した位置及び向きと比較することによって、経路を変更する。さらに、コントローラ104は、プロセスを計画するための三次元ロードマップとして用いる予め定めた三次元経路を変更する。
【0043】
システム100はさらに、米国特許出願番号09/949,160に記載のように、MPS108及びディスプレイ118に結合されたプロセッサ(図示せず)、及びこのプロセッサに結合されたECGのような器官モニターを具えることができる。この器官モニターは、監視中の器官の器官タイミング信号を監視して、これを表現する信号を上記プロセッサに送信する。上記プロセッサは、器官モニターによって検出された監視中の器官の現在活動状態に対応して、内腔の画像を表現するビデオ信号をディスプレイ118に送信する。ディスプレイ118は、この現在活動状態に応じて、内腔の画像を表示する。従って、ディスプレイ118は、監視中の器官(例えば患者の心拍)のタイミング信号による内腔の動きを考慮に入れて、位置検出器114の表現を、再構成した内腔の画像上に重ねて表示する。ディスプレイ118は、米国特許出願番号09/949,160に記載のように、再構成した内腔の三次元画像を表示することができる。この再構成した三次元画像は、患者の体の座標系に対して表示される。
【0044】
あるいはまた、医療用測位システムは、器官タイミング信号をフィルタ(選別)除去し(即ち、フィルタ処理されたMPS108の読み取り値を生成し)、そして内腔の座標系における位置検出器114の現在位置を、患者の体の座標系における位置検出器114の多数の位置からフィルタ除去することができる。この場合には、コントローラ104は、上記フィルタ処理されたMPS108の読み取り値に応じて、上記トポロジ表現、及びカテーテル116の先端の位置を更新する。コントローラ104は、更新されたトポロジ表現及び更新されたカテーテル116の位置に応じて、移動機構106を制御する。さらに、ディスプレイ118は、更新されたトポロジ表現及び更新されたカテーテル116の末端位置の表現を、ほぼ静止している再構成された内腔の三次元画像上に重ねて表示する。
【0045】
移動機構106は、コントローラ104から受信したコマンドに従って動作して、カテーテル116を経路128に沿って、起点136から目的箇所138まで操作する。この目的のために、一対の角度移動ローラー124A及び124Bは、カテーテル116を、カテーテル116の長軸(図示せず)に対して時計回り及び反時計回りに回転させ、そして一対の線方向移動ローラー126A及び126Bは、カテーテル116を前向き及び後ろ向きに移動させる。コントローラ104は、位置検出器114の三次元座標を表現する信号(即ち、フィードバック)をMPS108から規則的に、随時受信し、これにより移動機構106は、経路128に沿って生じ得る誤差に修正を加えることができる。この修正は次の方法で加える。
【0046】
コントローラ104は、所定の時刻増分毎に移動機構106に信号を送信して、カテーテル116を所定の変位増分だけ進める。コントローラ104は、(MPS108から受信した位置信号により)時間増分毎のカテーテル116の末端部分の進行量を決定し、そしてこの進行量が、カテーテル116が進むものと想定した所定変位とほぼ一致するか否かをチェックする。実際に検出した進行量が所定の進行量と一致しない場合には、コントローラ104は、カテーテル116が、カテーテル116が経路128に従って進むことを妨げる障害物(例えば、カテーテル116の末端部分は分岐142で行き詰まることがあり得る)に接触したものと判定する。
【0047】
この場合には、コントローラ104は移動機構106に信号を送信して、カテーテル116を選択した増分だけ内腔130内で後ろ向きに後退させると共に、カテーテル116の末端部分を選択した量だけ回転させる。この回転後に、コントローラ104は移動機構106に信号を送信して、カテーテル116を所定変位増分だけ進める。従って、移動機構106は、障害物を乗り越えるべくカテーテル116を操作して、所定の分岐(この場合には、分岐142における甲状頚動脈)内にカテーテル116を入れることができる。
【0048】
なお、コントローラ104がMPS108からのリアルタイム・フィードバックとして受信する三次元位置情報により、コントローラ104は移動機構106の動作を制御して、カテーテル116を三次元で操作することができる。従って、システム100は、医療スタッフが二次元のみの表示に従ってカテーテルを操作することができる、という従来技術のシステムに対する利点を提供する。システム100は、フィードバック指向の実時間修正を実行しながらカテーテル116を内腔130内の目的箇所138に到達させる、内腔130内を通るカテーテル116の三次元の自動操作を提供する。
【0049】
撮像システム112(例えばC型アーム)は、内腔130を異なる方向から検出して、ディスプレイ118が二次元画像134を表示するために必要な情報を提供することができる。撮像システム112は、画像平面(図示せず)から経路128までの平均距離を最小にする1つの特定撮像方向を選択する。Xiが、経路128上の点iから画像平面までの法線距離であり、ここにi=1,2,3...Nであるものとすれば、最小平均距離は次式のようになる。
【数1】

経路128が空間内の多数の曲線に追従し、二次元経路から大幅に外れる場合には、撮像システム112は、式(1)を満足しつつ経路128を異なる部分に分割し、各部分用に異なる画像平面を選択することによって、二次元画像134用の情報を用意する。
【0050】
なお、カテーテル116の末端部分には2つ以上の位置検出器114を配置することができる。カテーテル116の末端部分に「カーブバック(反り返り)」機能を設ける場合には、この構成は困難である。「カーブバック」の動きは、例えば電場応答性高分子(EAP:Electro Active Polymer、エレクトロアクティブ・ポリマー)を用いることによって提供することができる。移動機構106にも同様に、カテーテル116の末端部分に適切なトルクを加えて、この末端部分を屈曲させるために必要な要素を設けることができる。さらに、複数の位置検出器114を利用して、ディスプレイ118は上記末端部分の現在の幾何学的形状を表示することができる。
【0051】
さらに、コントローラ104は、カテーテル116が障害物によって阻止された場合に、際に、カテーテル116の末端部分の幾何学的形状を表現するより完全な情報を得て、これにより操作を促進することができる。例えば、カテーテル116の末端部分が不用意に屈曲したことをコントローラ104が検出した場合には、コントローラ104は、カテーテル116の先端が内腔内の障害物に接触したものと判定する。コントローラ104は、例えば、内腔内の所定点において検出した位置検出器114の向きを、内腔内の同じ点における計算した経路128の傾きと比較することによって、この結論に達することができる。検出した向きと計算した傾きとが一致しない場合には、コントローラ104は、カテーテル116が障害物に当たったものと判定し、これにより、カテーテル116を障害物から後退させるよう移動機構106に指示する。
【0052】
医療スタッフが移動機構106の自動動作に不満足である場合には、医療スタッフはコントローラ104に優先して、移動機構106をジョイスティック102によって手動で操作することができる。オペレータはシステム100の動作の任意段階で、ジョイスティック102を用いて介入することができる。これはシステム100の動作の半自動モードであり、コントローラ104は、移動機構106に、経路128の単純な部分を通るカテーテル116を操作することを可能にし、経路128のより入り組んだ部分では、オペレータがシステム100の制御権を得る。手動での介入の場合には、ジョイスティック102の操作があらゆる自動動作に優先する。なお、自動モード及び手動モードの両方において、オペレータは、カテーテル116の先端の視覚表現140をディスプレイ118上で見ることによって、カテーテル116の内腔130内の進行の視覚的フィードバックを受け取る。
【0053】
以下、図3を参照しながら説明し、図3は、本発明の他の実施例により、図1のシステムを動作させる方法を図式的に示す図である。手順170では、患者の体の内腔系内の、カテーテル116の先端の第1位置を表現する信号を受信する。図1を参照すれば、コントローラ104は、内腔130内のカテーテル116の末端部分の位置を表現する信号をMPS108から受信する。
【0054】
手順172では、上記受信した信号及び内腔系のトポロジ表現により、カテーテル116を移動させるべき新たな位置を決定する。図1を参照すれば、コントローラ104は、内腔系内のカテーテル116の新たな位置を、その現在位置及び経路128により決定する。
【0055】
手順174では、上記新たに決定した位置に応じて、カテーテル116を第2位置に移動させるべく移動機構106を動作させる。図1を参照すれば、コントローラ104は、手順172で決定した新たな位置に応じて、移動機構106に信号を送信して、内腔130内でカテーテル116を第2位置まで移動させて、カテーテル116を内腔130内の目的箇所138に向けて進める。
【0056】
手順176では、上記第2位置が上記新たに決定した位置とほぼ一致しているか否かを判定する。この比較の結果が肯定であれば(即ち、両位置がほぼ一致していれば)、この方法は手順170に戻り、さもなければ手順178に進む。
【0057】
図1を参照すれば、コントローラ104は、内腔130内のカテーテル116の先端の位置を表現する信号を規則的に受信して、この先端の現在位置を手順172で決定した位置と比較する。コントローラ104が、上記現在位置が手順172で決定した位置とほぼ同一であるものと判定した場合には、コントローラ104は、移動機構106がカテーテル116を、手順172において元々計画したように進めたものと判定する。この場合には、手順170、172及び174を反復する。
【0058】
図1を参照すれば、コントローラ104は、カテーテル116の先端の現在位置が手順172で決定した位置と同一ではないものと判定することがある。この場合には、コントローラ104は、カテーテル116が、カテーテル116が内腔130内で手順172において計画した通りに進むことを妨げる分岐142のような障害物に達したものと判定する。
【0059】
手順178では、カテーテル116を修正的に移動させるための、少なくとも1つの修正移動を決定する。図1を参照すれば、コントローラ104は例えば、カテーテル116が分岐142を通り越すために、内腔130内でカテーテル116を特定量だけ後退させ、特定量だけ回転させ、そして内腔130内で特定量だけ前進させなければならないことを決定する。
【0060】
手順180では、移動機構106に指示して、上記決定した修正移動に応じてカテーテル116を移動させる。図1を参照すれば、コントローラ104は例えば、移動機構106に信号を送信して、線方向移動ローラー126A及び126Bが内腔130内のカテーテル116を選択した線方向の増分だけ引き、そして角度移動ローラー124A及び124Bがカテーテル116の先端を選択した量だけ回転させる。そしてコントローラ104は、移動機構106に信号を送信して、線方向移動ローラー126A及び126Bがカテーテル116を他の選択した線方向の増分だけ押す。そしてこの方法は、手順170に戻って、内腔130内でカテーテル116を目的箇所138に向けて他の位置まで進めることができる。
【0061】
本発明の他の態様によれば、ディスプレイ118をさらにコントローラ104、及びマウス、タブレットとスタイラス(座標入力盤と入力ペン)、サイバーグローブ(手の動きを検出する手袋)、ジョイスティック、音声入力装置、等のようなポインティング・デバイス(指示装置)に結合する。ユーザはポインティング・デバイスを用いて、内腔系内をカテーテル116が移動する軌跡を規定する。コントローラ104は、内腔系の全体的なトポロジ表現に応じて、移動機構106に指示して、カテーテル116を内腔内で上記規定した軌跡に沿って移動させる。この目的のために、コントローラ104は、カテーテル116の現在位置から、この現在位置のすぐ前方または最寄りにあるユーザが規定した位置までの逐次的な増分的経路を連続して決定する。
【0062】
分岐142では、カテーテル116は、上記軌跡によって規定される内腔とは異なる内腔に入ることがあり得る。この場合には、コントローラ104はこのコース逸脱を、カテーテル116の先端の現在位置とユーザが規定した位置との間の異常に大きい差を検出することによって検出する。そしてコントローラ104は、移動機構106に指示してカテーテル116を後退させ、軌跡によってマークされた内腔に前進させることによってコースを修正する。
【0063】
以下、図4を参照しながら説明し、図4は、本発明のさらに他の実施例により図1のシステムを動作させる方法を図式的に示す図である。手順200では、患者の体の内腔系内でカテーテル116をリアルタイムで誘導するための、ユーザからの連続的な位置入力を受信する。図1を参照すれば、ユーザはポインティング・デバイスによって、ディスプレイ118上のカードルを、内腔130の二次元画像134に沿って移動させ、これにより連続的な位置入力をコントローラ104に送信する。
【0064】
手順202では、受信した位置入力毎に、ユーザが規定したカテーテル116の先端の位置を特定する。図1を参照すれば、ユーザがカーソルを移動させると共に、コントローラ104はポインティング・デバイスから位置入力を受信し、コントローラ104は位置入力毎にカテーテル116の先端の位置(即ち、カーソルの位置)を特定する。複数のこれらの位置が内腔系内の軌跡を規定する。
【0065】
手順204では、カテーテル116の先端のリアルタイムの位置を規則的に検出する。図1を参照すれば、カテーテル116の位置検出器114はカテーテル116の先端の現在位置を規則的に検出する。MPS108は、このリアルタイム位置を測定し、その情報をコントローラ104に送信する。なお、手順200、202及び204は同時に実行される。
【0066】
手順206では、内腔系のトポロジ表現に応じて、ユーザが規定した位置により規定される軌跡に沿った逐次的な増分的経路を連続的に決定し、この増分的経路は、カテーテル116のチップのリアルタイム位置と、その前方に隣接するユーザが規定した位置との間である。コントローラ104は、手順202において特定した、ユーザが規定した位置に応じて、内腔系上の軌跡を決定する。図1を参照すれば、コントローラ104は、位置検出器114によって検出されるカテーテル116のチップの現在位置と、この現在位置のすぐ前方にあるユーザが規定した位置との間の増分的経路を決定する。コントローラ104は、内腔系のトポロジ表現全体を用いて、上記増分的経路の各々を決定することもできる。
【0067】
手順208では、移動機構106に指示して、内腔系内のカテーテル116を、各リアルタイム位置からその前方に隣接するユーザが規定した位置に向かう各増分的経路に沿って増分的に移動させる。図1を参照すれば、コントローラ104は移動機構106に指示して、内腔130内のカテーテル116を、位置検出器114によって検出されたカテーテル116の先端の現在位置から、この現在位置のすぐ前方にあるユーザが規定した位置まで増分的に移動させる。
【0068】
手順208に続いて、この方法は手順204に戻って、新たに検出したカテーテル116の先端の現在位置と、この現在位置のすぐ前方にあるユーザが規定した位置との間の新たな増分的経路を決定する。そしてコントローラ104は移動機構106に指示して、新たな増分的経路に沿ってカテーテル116を進める。このサイクルは、カテーテル116の先端が、上記軌跡におけるユーザが規定した最終位置に達するまで連続的に反復する。
【0069】
内腔系内の分岐142において、カテーテル116が上記軌跡に含まれない隣接した内腔内に入る状況が存在し得る。この場合には、カテーテル116の先端は、ユーザによって規定され、到達するものと想定された位置に到達しない。コントローラ104はこの状況を、例えばカテーテル116の先端が、ユーザが規定した位置を中心とした所定の(半径の)球の外にあることを検出することによって検出することができる。コントローラ104は、図3の手順178及び180を参照して上述したのと同様に、修正移動を決定するが、但しここでは、コントローラ104は、カテーテル116を不適正な内腔から引き戻して、軌跡によって示される内腔内にカテーテル116を入れるように、移動機構106に指示する。
【0070】
本発明は以上で説明及び図示した特定例に限定されないことは、当業者にとって明らかである。本発明の範囲は請求項によってのみ規定される。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施例により構成され動作する、患者の体の内腔内でカテーテルを自動的に操作するシステムを図式的に示す図である。
【図2】図1のシステムの撮像システムが内腔内の経路の三次元座標を特定する方法を図式的に示す図である。
【図3】本発明の他の実施例による図1のシステムの動作方法を図式的に示す図である。
【図4】本発明のさらに他の実施例による図1のシステムの動作方法を図式的に示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体の内腔系を通るカテーテルを該内腔系内の所定位置まで誘導するシステムにおいて、
前記カテーテルの末端部分に強固に取り付けられた少なくとも1つの位置検出器を具え、前記少なくとも1つの位置検出器の位置を測定する医療用測位システムと;
前記カテーテルに結合された移動機構と;
前記医療用測位システム及び前記移動機構に結合され、前記末端部分の位置及び前記内腔系の少なくとも一部分のトポロジ表現に応じて、前記移動機構の動作を制御して、前記カテーテルを前記所定位置まで移動させるコントローラと
を具えていることを特徴とするカテーテルの誘導システム。
【請求項2】
さらに、
前記内腔系の少なくとも一部分の画像を検出する撮像システムと;
前記医療用測位システム及び前記撮像システムに結合された重ね表示プロセッサであって、前記末端部分を前記画像上に重ねて、前記重ね表示プロセッサに結合されたディスプレイ上に表示する重ね表示プロセッサと
を具えていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記重ね表示プロセッサが、前記トポロジ表現を前記画像上に重ねて、前記ディスプレイ上に表示することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ディスプレイが、前記末端部分の位置を表現する座標信号に応じて、前記末端部分の形状を表現する曲線を表示することを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記撮像システムが、
X線テーブル;
透視検査装置;
C型アーム撮像装置;
コンピュータ断層撮影装置;
陽電子放射型断層撮影装置;
超音波システム
から成るリストから選択したものであることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
さらに、前記患者の体の監視される器官、及び前記医療用測位システムに結合された器官モニターを具え、
前記監視される器官は前記内腔系に結合され、前記器官モニターは、前記内腔系の前記監視される器官の器官タイミング信号を監視し、前記コントローラは、前記器官タイミング信号に応じて、前記トポロジ表現及び前記末端部分の位置を更新し、
前記コントローラは、更新された前記トポロジ表現及び更新された前記末端部分の位置の少なくとも一方に応じて、前記移動機構の動作を制御することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
さらに、前記医療用測位システムに結合されたプロセッサを具え、
前記プロセッサは、前記器官タイミング信号に応じて、前記トポロジ表現及び前記末端部分の表現を更新し;
前記プロセッサは、前記器官タイミング信号に応じて、前記内腔系の少なくとも一部分の再構成画像を生成し;
前記プロセッサは、更新された前記トポロジ表現及び更新された前記末端部分の表現の少なくとも一方を、前記再構成画像上に重ねて、前記プロセッサに結合されたディスプレイ上に表示する
ことを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記器官モニターは、
心電計;及び、
フィルタ付きMPS読み取り装置
から成るリストから選択したものであることを特徴とする請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記移動機構が使い捨て式であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記移動機構が、
少なくとも1つの運動要素と;
前記少なくとも1つの運動要素に結合され、前記カテーテルを、当該カテーテルの長軸を中心に選択した量だけ回転させる角度移動ローラーと;
前記少なくとも1つの運動要素に結合され、前記カテーテルを前記長軸に沿って移動させる線方向移動ローラーと
を具えていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
さらに、前記運動要素に結合され、前記移動機構を手動で操作するためのジョイスティックを具えていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記医療用測位システムと前記少なくとも1つの位置検出器との間の結合が、
導線;及び、
無線
から成るリストから選択したものであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記トポロジ表現が、起点と前記所定位置との間に事前計画された経路であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記カテーテルがガイドワイヤで形成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記カテーテルの少なくとも一部分が電場応答性ポリマー製であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
患者の体の内腔系内の所定位置までカテーテルを誘導する方法において、
前記カテーテルの末端部分の第1位置を表現する受信した位置信号及び前記内腔系のトポロジ表現に応じて、前記カテーテルを移動させるべき新たな位置を決定するステップと;
決定した前記新たな位置応じて、移動機構を操作して前記カテーテルを第2位置まで移動させるステップと;
前記第2位置が前記新たな位置とほぼ同一である際に、前記位置信号を受信して前記移動機構を操作するステップを実行し、前記第2位置が前記新たな位置と同一でない際に、少なくとも1つの修正移動を決定するステップと;
前記移動機構に指示して、前記修正移動に応じて前記カテーテルを移動させるステップと
を具えていることを特徴とするカテーテルの誘導方法。
【請求項17】
さらに、前記位置信号を事前に受信するステップを具えていることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
さらに、
前記患者の体の監視される器官に結合された器官タイミング・モニターの器官タイミング信号に応じて、前記トポロジ表現、前記第1位置、及び前記第2位置の少なくとも1つを更新するステップであって、前記監視される器官は前記内腔系に結合されているステップと;
更新された前記トポロジ表現、更新された前記第1位置、及び更新された前記第2位置の少なくとも1つに応じて、前記移動機構を制御するステップと
を具えていることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記器官タイミング信号は、
心電図;及び、
フィルタ付きMPSの読み取り値
から成るリストから選択したものであることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
さらに、前記器官タイミング信号を事前に受信するステップを具えていることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項21】
さらに、前記器官タイミング信号を事前に検出するステップを具えていることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
さらに、
前記更新された第1位置及び前記更新された第2位置の少なくとも一方の表現を、前記内腔系の少なくとも一部分の画像上に重ねるステップと;
前記表現を重ねた画像を表示するステップと
を具えていることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項23】
さらに、
前記更新されたトポロジ表現を前記画像上に重ねるステップと;
前記更新されたトポロジ表現を前記画像上に重ねた画像を表示するステップと
を具えていることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記画像を、前記器官タイミング信号に応じて再構成することを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記画像が、撮像システムによってリアルタイムで生成されることを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記表示するステップが、
前記第1位置及び前記第2位置の少なくとも一方を測定する医療用測位システムの三次元座標系を、前記画像の二次元座標系に変換するサブステップを含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項27】
さらに、前記内腔系の少なくとも一部分の画像上に、前記患者の体を表現する座標系における起点及び目的箇所を示すことによって、前記トポロジ表現を事前に構成するステップを具えていることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項28】
前記画像が、前記内腔系の少なくとも一部分を、少なくとも2つの非平行な画像平面において撮像することによって生成されることを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
さらに、前記内腔系の少なくとも一部分を、複数の画像平面のうち所定の経路に最寄りの少なくとも1つの画像平面において撮像するステップを具えていることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項30】
さらに、前の撮像に用いた少なくとも1つの画像平面において、少なくとも1つの内腔系の少なくとも一部分が前記内腔系と重なる際に、前記内腔系の少なくとも一部分を、少なくとも1つの他の画像平面において撮像するステップを具えていることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項31】
さらに、前記移動機構を操作するステップを実行した後に、前記カテーテルの末端部分に配置された複数の位置検出器の位置を表現する受信した複数の位置信号により、前記カテーテルの末端部分の形状を特定するステップを具えていることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項32】
前記少なくとも1つの修正移動は、
前記カテーテルの長軸に沿った、前記内腔系の少なくとも一部分に対する線方向移動;
前記長軸を中心とした、前記内腔系の少なくとも一部分に対する回転移動
から成るリストから選択したものであることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項33】
前記内腔系内の特定位置における前記カテーテルの末端部分の向きが、前記特定位置における所定三次元経路の少なくとも1つの傾きと異なる際に、前記少なくとも1つの修正移動を決定することを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項34】
患者の体の内腔系内の所定位置までカテーテルを誘導する方法において、
ユーザからの連続的な位置入力を受信して、前記内腔系内の前記カテーテルをリアルタイムで誘導するステップと;
受信した前記連続的な位置入力の各々について、ユーザが規定した前記カテーテルの先端の位置を特定するステップと;
前記カテーテルの先端のリアルタイム位置を規則的に検出するステップと;
前記内腔系のトポロジ表現に応じて、前記ユーザが規定した位置によって規定される軌跡に沿って連続する増分的経路であって、前記リアルタイム位置と、その前方に隣接する前記ユーザが規定した位置との間の経路を連続的に決定するステップと;
移動機構に指示して、前記内腔系内の前記カテーテルを、前記リアルタイム位置の各々から、その前方に隣接する前記ユーザが規定した位置に向かう前記増分的経路の各々に沿って増分的に移動させるステップと
を具えていることを特徴とするカテーテルの誘導方法。
【請求項35】
前記受信するステップが、ポインティング・デバイスの動作によって実行されることを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記ポインティング・デバイスは、
マウス;
タブレットとスタイラス;
サイバーグローブ;及び、
ジョイスティック
から成るリストから選択したものであることを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項37】
さらに、前記カテーテルの先端が、前記前方に隣接するユーザが規定した位置に到達し損なった際に、前記カテーテルの修正移動を実行することを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項38】
実質的に本明細書に記載された、請求項1〜15のいずれかに記載の、患者の体の内腔系にカテーテルを通して誘導するシステム。
【請求項39】
実質的に図面に例示された、請求項1〜15のいずれかに記載の、患者の体の内腔系にカテーテルを通して誘導するシステム。
【請求項40】
実質的に本明細書に記載された、請求項16〜33のいずれかに記載の、患者の体の内腔系内の所定位置までカテーテルを誘導する方法。
【請求項41】
実質的に図面に例示された、請求項16〜33のいずれかに記載の、患者の体の内腔系内の所定位置までカテーテルを誘導する方法。
【請求項42】
実質的に本明細書に記載された、請求項34〜37のいずれかに記載の、患者の体の内腔系内でカテーテルを誘導する方法。
【請求項43】
実質的に図面に例示された、請求項34〜37のいずれかに記載の、患者の体の内腔系内でカテーテルを誘導する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−528256(P2007−528256A)
【公表日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502489(P2007−502489)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【国際出願番号】PCT/IL2005/000227
【国際公開番号】WO2005/084122
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(501448314)メディガイド リミテッド (13)
【Fターム(参考)】