自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムの製造方法
【課題】粉塵を発生させず、意匠性に優れた装飾面を形成できる、自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムの製造方法を実現する。
【解決手段】自動車用ウェザーストリップ10の外表面の少なくとも一部にスエード調の装飾面4を形成する、自動車用ウェザーストリップ10の製造方法において、自動車用ウェザーストリップ10を形成する本体部3と、本体部3における装飾面4が形成される部位に積層される、EPDMのスポンジゴム材料からなる第1層1と、第1層1に積層される、ゴム材料からなる第2層2とを一体押出成形して中間成形体とする第1工程と、中間成形体を加硫発泡させる第2工程と、第1層1から第2層2を剥離するとともに、第2層2に接着させた状態で第1層1の表層1aを剥離し、第1層1の気泡を表出させて装飾面4を形成する第3工程とを含む。
【解決手段】自動車用ウェザーストリップ10の外表面の少なくとも一部にスエード調の装飾面4を形成する、自動車用ウェザーストリップ10の製造方法において、自動車用ウェザーストリップ10を形成する本体部3と、本体部3における装飾面4が形成される部位に積層される、EPDMのスポンジゴム材料からなる第1層1と、第1層1に積層される、ゴム材料からなる第2層2とを一体押出成形して中間成形体とする第1工程と、中間成形体を加硫発泡させる第2工程と、第1層1から第2層2を剥離するとともに、第2層2に接着させた状態で第1層1の表層1aを剥離し、第1層1の気泡を表出させて装飾面4を形成する第3工程とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外表面の少なくとも一部にスエード調の装飾面を有する自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の車体開口縁には図10に示すようなウェザーストリップ50が取り付けられ、ドアとの間をシールするようになっている。
このウェザーストリップ50は、内側に複数の保持リップ13を備えた取付基部11、取付基部11に一体成形された中空シール部12、及び同じく取付基部11に一体成形されたオープニングシール14から構成されている。そして、車体開口縁に形成されたフランジに取付基部11が嵌着されるようになっている。
【0003】
ここで、自動車用ウェザーストリップ50が車体開口縁に嵌着されると、取付基部11からオープニングシール14にかけての外表面は自動車内の天井と隣接するため、図10に示すように、装飾面5が形成されて、天井の色調や質感に合わせることにより見映えを良くすることが行われている。こうした装飾面は、天井との隣接部分に限らず、自動車用ウェザーストリップや自動車用トリムが、自動車の内装と隣接する様々な部分において形成されている。
そのため、装飾したい部分に天井等に使用されているのと同様の布を貼り付けた製品が採用されているが、布を貼ると大幅なコスト増になってしまうため、布に近い質感を出した安価な製品が求められている。
【0004】
これに対して、装飾面5を形成する方法の一つとして、図11に示すようにウェザーストリップ50における装飾面5を形成しようとするゴム表面に、シボロール500を押し当ててシボ模様を付ける方法がある。
また、特許文献1には、発泡ゴム層の表皮を電動回転式サンドペーパー又はサンダーで研磨して除去する発明が開示されている。
【0005】
さらに、特許文献2や特許文献3には、エチレンプロピレンゴム(EPR)からなる本体と、他のゴム材料からなる剥離ゴム層を一体押出成形して加硫した後、剥離ゴム層を剥離させることにより装飾面をスエード調とする発明が開示されている。
【特許文献1】特開昭58−160134号公報
【特許文献2】特開平1−304923号公報
【特許文献3】特開2001−212865号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図11に示したような、ゴム表面にシボロール500を押し当ててシボ模様を付ける方法では、布に近い質感を出すことが極めて難しい。また、特許文献1に記載された発明によれば、スエード調の装飾面を形成することはできるが、粉塵が大量発生し作業環境を悪化させるという問題点がある。
さらに、特許文献2や特許文献3に記載された発明によれば、本体から剥離ゴム層を剥離させることにより、ある程度は装飾面を形成することができるが、意匠性の点でゴム材料の組み合わせや剥離方法に改善の余地がある。また、装飾面の形状によっては、剥離ゴム層がちぎれて表面に残ってしまうという問題もある。
【0007】
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、粉塵を発生させず、意匠性に優れた装飾面を形成できる、自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムの製造方法を実現するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記従来の課題を解決するために、請求項1に係る発明の自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムの製造方法は、自動車用ウェザーストリップ(10)又は自動車用トリムの外表面の少なくとも一部にスエード調の装飾面(4)を形成する、自動車用ウェザーストリップ(10)又は自動車用トリムの製造方法において、前記自動車用ウェザーストリップ(10)又は自動車用トリムを形成する本体部(3)と、前記本体部(3)における前記装飾面(4)が形成される部位に積層される、EPDMのスポンジゴム材料からなる第1層(1)と、前記第1層(1)に積層される、ゴム材料からなる第2層(2)とを一体押出成形して中間成形体とする第1工程と、前記中間成形体を加硫発泡させる第2工程と、前記第1層(1)から前記第2層(2)を剥離するとともに、前記第2層(2)に接着させた状態で前記第1層(1)の表層(1a)を剥離し、前記第1層(1)の気泡を表出させて前記装飾面(4)を形成する第3工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記第2層(2)のゴム材料は、天然ゴム,スチレンブタジエンゴム,クロロプレンゴム,ニトリルゴム,シリコーンゴム,フッ素ゴム,クロロスルホン化ポリエチレン,ウレタンゴム,アクリルゴム,エピクロロヒドリンゴムのうちいずれか一つであることを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記第2層(2)のゴム材料は、スポンジ材であることを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に係る発明は、請求項3に記載の発明において、前記第2層(2)には発泡剤としてOBSHが添加されることを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記第2層(2)のゴム材料は、ソリッド材であることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に係る発明は、請求項5に記載の発明において、前記第2層(2)には離型剤が添加されることを特徴とする。
【0014】
また、請求項7に係る発明は、請求項1乃至6に記載の発明において、前記第1層(1)には発泡剤としてADCAが添加されることを特徴とする。
【0015】
また、請求項8に係る発明は、請求項1乃至7に記載の発明において、前記第1工程において、前記第2層(2)を分割する切り込み(7)が入った状態で前記中間成形体を一体押出成形し、前記第3工程において、前記第2層(2)を前記切り込み(7)で分割しながら剥離することを特徴とする
【0016】
なお、括弧内の記号は、発明を実施するための最良の形態および図面に記載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、第1工程において、本体部、第1層、及び第2層を、一体押出成形により効率的に成形することができる。
また、第1層は、EPDMのスポンジゴム材料であるので、第2工程において加硫発泡させることにより、第1層の内部に気泡を生じさせることができる。次に、第3工程において第1層から第2層を剥離させて、その際に第2層に接着させた状態で第1層の表層を剥離するので、第1層の内部に生じさせた気泡を表出させることができる。このとき表出する気泡は、布の色調や質感に非常に近いものとなる。
以上により、粉塵を発生させることなく、外表面をスエード調に加工処理し意匠性に優れた装飾面を形成することができる。
【0018】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加えて、第2層のゴム材料が、第1層のゴム材料とは架橋剤の溶解度又は架橋方式が異なる、天然ゴム,スチレンブタジエンゴム,クロロプレンゴム,ニトリルゴム,シリコーンゴム,フッ素ゴム,クロロスルホン化ポリエチレン,ウレタンゴム,アクリルゴム,エピクロロヒドリンゴムのうちいずれか一つであるので、第3工程で第1層から第2層を剥離する際に、第1層の表層を2〜500μmの厚みを持たせて第2層側に移行させて、第1層の表層を確実に剥離することができる。
【0019】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用効果に加えて、EPDMのスポンジゴム材料からなる第1層に対して、第2層のゴム材料をスポンジ材とするので第1層との接着力が弱く、剥離を容易にすることができる。
この際、スポンジゴム材料は、一般にソリッドゴム材料より強度が低く、剥離時まれに第2層がちぎれて第1層の表面に残ったり、剥離後まれに第2層のゴムの破片が第1層の表面に残ることがあるが、請求項4に記載の発明のように、発泡剤にOBSHを選択すれば、著しい強度の低下を防ぎ、第2層のゴムがちぎれたり、第1層に残り難くなる。
【0020】
また、請求項5に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加えて、第2層のゴム材料をソリッド材とするので、ゴム強度が高く、剥離時の第2層のちぎれや剥離後に第2層のゴムが第1層に残り難くなる。この際、第1層との接着力が強く、まれに剥離が困難になる場合があるが、請求項6に記載の発明のように、第2層のゴム材に離型剤を添加すれば、剥離が容易になる。
ここで、請求項6に記載の発明のように、剥離を容易にするために添加する離型剤は、ソリッドゴムへの混練性が良ければ特に指定はないが、不飽和脂肪酸アミドや高級脂肪酸エステル水和物などが有効である。添加部数は0.5〜10重量部が望ましく、さらには2〜6重量部がより望ましい。添加部数は他の配合剤との兼ね合いにより変化するが、0.5重量部よりも低いと剥離を容易とする効果が得難く、10重量部よりも高いとコンパウンドの混練性や押出性において装置内でスリップ等を引き起こすため相応しくない。
【0021】
また、請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6に記載の発明の作用効果に加えて、第1層には発泡剤としてADCAが添加されるので火膨れ現象を防止することができる。
【0022】
また、請求項8に記載の発明によれば、請求項1乃至7に記載の発明の作用効果に加えて、第1工程において、第2層を分割する切り込みが入った状態で中間成形体を一体押出成形し、第3工程において、第2層を切り込みで分割しながら剥離するので、剥離する際に第2層がちぎれて第1層の表面に残ってしまうのを防止することができる。特に、オープニングシールの先端等のように、第1層及び第2層を巻き込むように積層する部分では、第2層がちぎれて第1層の表面に残ってしまいやすいので、この部分に切り込みを形成して、予め第2層を分割しておくことが効果的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に、図1乃至図5を参照して、本発明の実施形態に係る自動車用ウェザーストリップの製造方法について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る自動車用ウェザーストリップの製造工程を示す図であり、図2及び図3は、その製造工程における自動車用ウェザーストリップを示す斜視図である。また、図4及び図5は、装飾面を形成する部位を示す拡大断面図である。
【0024】
図1に示すように、本実施形態に係る自動車用ウェザーストリップの製造方法は、第1工程(押出)、第2工程(加硫発泡)、及び第3工程(剥離)の各工程を含むものである。
なお図中の符号は、それぞれ押出装置100、加硫装置200、引取装置300、剥離装置400を示している。
【0025】
次に、本実施形態に係るウェザーストリップ10の構成について説明する。
図2に示すように、ウェザーストリップ10は、内側に複数の保持リップ13を備えた取付基部11、取付基部11に一体成形された中空シール部12、及び同じく取付基部11に一体成形されたオープニングシール14から構成されている。そして、車体開口縁に形成されたフランジに取付基部11が嵌着されるようになっている。なお、取付基部11、中空シール部12、保持リップ13、及びオープニングシール14をまとめて、本体部3とする。
【0026】
さらに、ウェザーストリップ10の完成時には、取付基部11からオープニングシール14にかけての外表面に、図3に示すようなスエード調に加工処理した装飾面4が形成される。これにより、装飾面4を天井等の色調や質感に合わせて見映えを良くすることができる。
なお、装飾面4は、本実施形態のような取付基部11からオープニングシール14にかけての外表面に限らず、所望の部位に形成するものでよい。
【0027】
次に、第1工程乃至第3工程について詳細に説明する。
【0028】
第1工程では、押出装置100により、本体部3と、第1層1と、第2層2とを一体押出成形して中間成形体を形成する。図2は、このとき一体押出成形されたウェザーストリップ10の状態を示したものである。
第1層1は、本体部3のうちスエード調の装飾面4が形成される部位(取付基部11からオープニングシール14にかけての外表面)に積層されている。また、第1層1の外側には、さらに第2層2が積層されている。
【0029】
ここで、本体部3は、エチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴム(EPDM)のソリッドゴム材料および/又はスポンジゴムで形成されており、また第1層1は、EPDMのスポンジゴム材料で形成されている。
なお、第1層1のゴム材料には、自動車内の天井等の色調に合わせて、顔料を混入してカラー材としておくとよい。
【0030】
また、第1層1を構成するEPDMのスポンジゴム材料に添加する発泡剤は特に指定はないが、EPDMスポンジ材と剥離ゴム層の間に発泡ガスが溜まる、いわゆる火膨れ現象を防止する観点から、分解温度の高いADCA系の発泡剤(1〜4重量部)が望ましい。
【0031】
これに対して、第2層2のゴム材料は、後の第3工程において第1層1の表皮1aとともに剥離可能であれば特に限定されないが、第1層1のゴムとは架橋方式が異なる、又は架橋剤並びに架橋促進剤に対する溶解度が異なる、天然ゴム(NR),スチレンブタジエンゴム(SBR),クロロプレンゴム(CR),ニトリルゴム(NBR),シリコーンゴム(Q),フッ素ゴム(FKM),クロロスルホン化ポリエチレン(CSM),ウレタンゴム(AU),アクリルゴム(ACM),エピクロロヒドリンゴム(ECO)を用いることが好ましい。これらは、EPDMとの相溶性の悪いゴム材料である。特に、価格や加硫方式から、CR,CSM,SBRが好ましい。
【0032】
ここで、第2層2はソリッドゴムとスポンジゴムのいずれであってもよいが、スポンジゴムの方が第1層1を構成するEPDMのスポンジゴム材料との接着力が弱く、剥離が容易である。スポンジゴムとしては、比重が0.4〜1.0、好ましくは、0.5〜0.7のものがよい。比重が0.4より低いと材料が破けて引き剥がせなく、また1.0よりも高いと引き剥がす力が高くなるからである。
第2層2をソリッドゴムとする場合には、ゴム強度が高く、剥離時の第2層2のちぎれや剥離後に第2層2のゴムが第1層1に残り難くなる。この際、第1層1との接着力が強く、まれに剥離が困難になる場合があるが、第2層2のゴム材に離型剤を添加すれば、剥離が容易になる。剥離を容易にするために添加する離型剤としては、ソリッドゴムへの混練性が良ければ特に指定はないが、例えば、スチレンブタジエンゴムに添加する離型剤の場合、不飽和脂肪酸アミドや高級脂肪酸エステル水和物などが有効である。添加部数は0.5〜10重量部が望ましく、さらには2〜6重量部がより望ましい。添加部数は他の配合剤との兼ね合いにより変化するが、0.5重量部よりも低いと剥離を容易とする効果が得難く、10重量部よりも高いとコンパウンドの混練性や押出性において装置内でスリップ等を引き起こすため相応しくない。
【0033】
また、第2層2を構成するゴム材料をスポンジゴムとする場合、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)に添加する発泡剤は特に指定はないが、剥離時に破けを防止する観点から、OBSH系の発泡剤(1.5〜15重量部)が望ましい。この際、スポンジゴム材料は、一般にソリッドゴム材料より強度が低く、剥離時まれに第2層2がちぎれて第1層1の表面に残ったり、剥離後まれに第2層2のゴムの破片が第1層の表面に残ることがあるが、発泡剤にOBSHを選択すれば、著しい強度の低下を防ぎ、第2層2のゴムがちぎれたり、第1層1に残り難くなる。さらには、ソリッドゴムの場合と同様に離型剤を添加してもよい。
また、オイルとしては第1層1の変色などの原因となる汚染の無いもの、例えば、アルキルスルホン酸フェニルエステルを使用することが望ましい。
【0034】
第2工程では、押出装置100により一体押出成形された本体部3、第1層1、及び第2層2からなる中間成形体を、加硫装置200により加硫発泡させる。加硫装置200では、加硫による架橋が生じるとともに、加硫装置200内が高温状態であるため、同時に発泡が生じる。
なお、引取装置300は、一体押出成形されたウェザーストリップ10を、加硫装置200に通すための働きをするものである。
【0035】
第3工程では、加硫装置200により加硫発泡させたウェザーストリップ10を、剥離装置400により加工処理し装飾面4を形成する。
図3に示すように、第1層1から第2層2を剥離することにより、第1層1の表面には装飾面4が形成される。
【0036】
図4及び図5は、装飾面4を形成する部位を示す拡大断面図である。
図4に示すように、第2工程終了時において、ウェザーストリップ10の装飾面4を形成する部位には、下側から順に、本体部3(EPDMソリッド),第1層1(EPDMスポンジ:カラー),及び第2層2が積層されている。また、第1層1の内部には気泡が生じている。
【0037】
次に、第3工程において、第1層1から第2層2を剥離するのであるが、その際に図5に示すように、第2層2に接着させた状態で第1層1の表層1aを合わせて剥離する。そうすると、表層1aが剥離された後に深層1bが表出する。この深層1bには、無数の気泡が存在しており、この気泡が布の色調や質感に非常に近いものとなる。
また、第1工程の押出成形時に第1層1のゴム材料に顔料を混入しておくことにより、天井等の色調に合わせることが可能となる。
【0038】
なお、第2層2とともに表層1aを剥離するためには、第1層1と第2層2の界面が強力に接着されていることが好ましいため、これら両材は共押出しされる。前述のとおり、第2層2の材料として、第1層1のゴムとは架橋方式が異なる、又は架橋剤並びに架橋促進剤に対する溶解度が異なる、天然ゴム(NR),スチレンブタジエンゴム(SBR),クロロプレンゴム(CR),ニトリルゴム(NBR),シリコーンゴム(Q),フッ素ゴム(FKM),クロロスルホン化ポリエチレン(CSM),ウレタンゴム(AU),アクリルゴム(ACM),エピクロロヒドリンゴム(ECO)を用いるため、表層1aの架橋密度は深層1bよりも低くなる。その上、第1層1は発泡するため、表層1aは他の部位と比較して破壊されやすくなる。
【0039】
ここで、第2層2に、第1層1のゴムとは架橋方式が異なる、又は架橋剤並びに架橋促進剤に対する溶解度が異なるゴムを使用することにより、表層1aの架橋密度が深層1bよりも低くなる理由について説明する。
【0040】
2種類の材料が共押出し加硫されると、両材料間において、架橋剤並びに架橋促進剤は拡散される。第2層2にCRを使用する例で説明すると、CRの配合には硫黄は含まれていない。これに対して、第1層1に使用するEPDMには硫黄が含まれており、両材料が共押出しされると強力に接着されると同時に、界面周辺(表面〜100μm)では秒単位で硫黄並びに架橋促進剤がEPDM層からCR層に拡散される。硫黄はEPDMの架橋密度を左右する重要な因子であり、これを失うと架橋密度が低く、従って加硫後には、引っ張り強度が低い材料になってしまう。従って、第1層1の表層1aは深層1bと比較して架橋密度の低い材料となりうる。
加硫後に、第2層2を第1層1から引き剥がすようにすると、EPDMの柔軟なスポンジである第1層1が破壊する。更に第1層1の中でも架橋密度が低い表層1aにてこの破壊は発生する。
【0041】
次に、架橋剤並びに架橋促進剤に対する溶解度が異なるゴムを使用した場合について説明する。一般に2種類の材料が共押出し加硫されると、両材料間において、架橋剤並びに架橋促進剤は拡散されるが、この拡散される量は、種類の異なるゴムに対する薬品の溶解度に左右される。
第1層1に使用したEPDMに使用される硫黄並びに架橋促進剤に対して、EPDMよりも溶解度の高いゴムを第2層2に使用すると、たとえ第2層2が同様な架橋剤並びに架橋促進剤を使用していても、これらEPDM中の架橋剤は第1層1から第2層2へ移動してしまう。従って、界面周辺の第1層1には架橋剤並びに架橋促進剤の濃度の薄い層が発生する。以下は、上記CRの説明と同様な理由により、第1層1のEPDMの表層1aが剥がれる。
【0042】
以上の第1工程乃至第3工程を経て、本発明の実施形態に係るウェザーストリップ10が形成される。
【0043】
本実施形態に係る自動車用ウェザーストリップの製造方法によれば、第1工程において、本体部3、第1層1、及び第2層2を、一体押出成形により効率的且つ、第1層1と第2層2を強力に接着して成形することができる。
また、第1層1は、EPDMのスポンジゴム材料であるので、第2工程において加硫発泡させることにより、第1層1の内部に気泡を生じさせることができる。次に、第3工程において第1層1から第2層2を剥離させて、その際に第2層2に接着させた状態で第1層1の表層1aを剥離するので、第1層1の内部に生じさせた気泡を表出させることができる。このとき表出する気泡は、布の色調や質感に非常に近いものとなる。
以上により、粉塵を発生させることなく、外表面をスエード調に加工処理し意匠性に優れた装飾面4を形成することができる。
【0044】
また、第2層2のゴム材料として、天然ゴム,スチレンブタジエンゴム,クロロプレンゴム,ニトリルゴム,シリコーンゴム,フッ素ゴム,クロロスルホン化ポリエチレン,ウレタンゴム,アクリルゴム,エピクロロヒドリンゴムのうちいずれか一つを用いることにより、第1層1に架橋密度が低い表層1aを形成することができる。従って、第3工程で第1層1から第2層2を剥離する際に、第1層1の表層1aを第2層2側に移行させて、第1層1の表層1aを確実に剥離することができる。
【0045】
図6は、他の実施形態に係る自動車用ウェザーストリップの製造方法における、装飾面を形成する部位を示す拡大断面図である。ここに示す実施形態は、第2層のゴム材料をEPDMのスポンジゴムとするものである。
すなわち、第2層6は、第1層1と同様にEPDMのスポンジゴムにより形成されている。ただし、発泡後に第1層1と第2層6の比重が異なるように、予めそれぞれのゴム材料の発泡剤を調整しておく。
これにより、第2層2を剥離するとともに、第1層1の表層1aを剥離して気泡を表出させることができるので、上記と同様に、外表面をスエード調に加工処理し意匠性に優れた装飾面を形成することができる。
【0046】
図7は、さらに他の実施形態に係る自動車用ウェザーストリップの製造方法における、自動車用ウェザーストリップを示す断面図であり、図8はオープニングシール14の先端部分を示す拡大断面図である。
図7及び図8に示すように、本体部3のうちスエード調の装飾面4が形成される部位(取付基部11からオープニングシール14にかけての外表面)には、第1層1及び第2層2が積層されている。このうち、オープニングシール14の先端部分においては、第1層1及び第2層2が先端部分を巻き込むように積層されている。
【0047】
本実施形態においては、第1工程において、オープニングシール14の先端部分において、第2層2を分割する切り込み7が入った状態で中間成形体を一体押出成形する。
そして、第3工程において第2層を剥離する際には、第2層2を切り込み7で分割しながら、先端側2aと根元側2bの両方向に剥離する。
【0048】
図7及び図8に示す実施形態によれば、第1工程において、第2層2を分割する切り込み7が入った状態で中間成形体を一体押出成形し、第3工程において、第2層2を切り込み7で分割しながら剥離するので、剥離する際に第2層2がちぎれて第1層1の表面に残ってしまうのを防止することができる。特に、オープニングシール14の先端のように、第1層1及び第2層2を巻き込むように積層する部分では、第2層2の先端側2aがちぎれて第1層1の表面に残ってしまいやすいので、この部分に切り込み7を形成して、予め第2層2を分割しておくことが効果的である。
【0049】
また、次のような方法で、ウェザーストリップを自動車に取り付けるようにしてもよい。
まず、図7及び図8に示す製品を形成後、第2層2のうち根元側2bのみを引き剥がし、先端側2aは残した状態で出荷する。
次に、図9(a)に示すように、取付基部11を車体開口縁のフランジ9に嵌着させて、ウェザーストリップを自動車に取り付ける。このとき、オープニングシール14は、車内の内装トリム8の上に被さるように取り付けられるが、オープニングシール14の先端が内装トリム8に沿わず巻き込まれる事態が多々発生する。
そこで、ウェザーストリップ取付け後に、残しておいた第2層の先端側2aを製品沿いに(ウェザーストリップの長手方向に沿って)剥がすことで、オープニングシール14の先端を巻き込まれた状態から容易に修正することができ、図9(b)に示すような、きれいに立て付けた状態とすることができる。
【0050】
以上、本発明の実施形態に係る自動車用ウェザーストリップの製造方法について説明したが、自動車用トリムの製造方法についても、同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施形態に係る自動車用ウェザーストリップの製造工程を示す図である。
【図2】本実施形態の自動車用ウェザーストリップ(剥離前)を示す斜視図である。
【図3】本実施形態の自動車用ウェザーストリップ(剥離時)を示す斜視図である。
【図4】本実施形態に係る装飾面を形成する部位(剥離前)を示す拡大断面図である。
【図5】本実施形態に係る装飾面を形成する部位(剥離時)を示す拡大断面図である。
【図6】他の実施形態に係る装飾面を形成する部位(剥離時)を示す拡大断面図である。
【図7】他の実施形態に係る自動車用ウェザーストリップ(剥離前)を示す断面図である。
【図8】図7に示す自動車用ウェザーストリップのオープニングシールの先端部分を示す拡大断面図である。
【図9】他の実施形態に係る自動車用ウェザーストリップの取付方法を示す断面図であり、(a)修正前、(b)修正後を示す。
【図10】従来例に係る自動車用ウェザーストリップを示す斜視図である。
【図11】従来例に係る装飾面の形成方法を示す断面図である。
【符号の説明】
【0052】
1 第1層
1a 表層
1b 深層
2 第2層
2a 先端側
2b 根元側
3 本体部
4 装飾面
5 装飾面
6 第2層
7 切り込み
8 内装トリム
9 フランジ
10 ウェザーストリップ
11 取付基部
12 中空シール部
13 保持リップ
14 オープニングシール
50 ウェザーストリップ
100 押出装置
200 加硫装置
300 引取装置
400 剥離装置
500 シボロール
【技術分野】
【0001】
本発明は、外表面の少なくとも一部にスエード調の装飾面を有する自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の車体開口縁には図10に示すようなウェザーストリップ50が取り付けられ、ドアとの間をシールするようになっている。
このウェザーストリップ50は、内側に複数の保持リップ13を備えた取付基部11、取付基部11に一体成形された中空シール部12、及び同じく取付基部11に一体成形されたオープニングシール14から構成されている。そして、車体開口縁に形成されたフランジに取付基部11が嵌着されるようになっている。
【0003】
ここで、自動車用ウェザーストリップ50が車体開口縁に嵌着されると、取付基部11からオープニングシール14にかけての外表面は自動車内の天井と隣接するため、図10に示すように、装飾面5が形成されて、天井の色調や質感に合わせることにより見映えを良くすることが行われている。こうした装飾面は、天井との隣接部分に限らず、自動車用ウェザーストリップや自動車用トリムが、自動車の内装と隣接する様々な部分において形成されている。
そのため、装飾したい部分に天井等に使用されているのと同様の布を貼り付けた製品が採用されているが、布を貼ると大幅なコスト増になってしまうため、布に近い質感を出した安価な製品が求められている。
【0004】
これに対して、装飾面5を形成する方法の一つとして、図11に示すようにウェザーストリップ50における装飾面5を形成しようとするゴム表面に、シボロール500を押し当ててシボ模様を付ける方法がある。
また、特許文献1には、発泡ゴム層の表皮を電動回転式サンドペーパー又はサンダーで研磨して除去する発明が開示されている。
【0005】
さらに、特許文献2や特許文献3には、エチレンプロピレンゴム(EPR)からなる本体と、他のゴム材料からなる剥離ゴム層を一体押出成形して加硫した後、剥離ゴム層を剥離させることにより装飾面をスエード調とする発明が開示されている。
【特許文献1】特開昭58−160134号公報
【特許文献2】特開平1−304923号公報
【特許文献3】特開2001−212865号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図11に示したような、ゴム表面にシボロール500を押し当ててシボ模様を付ける方法では、布に近い質感を出すことが極めて難しい。また、特許文献1に記載された発明によれば、スエード調の装飾面を形成することはできるが、粉塵が大量発生し作業環境を悪化させるという問題点がある。
さらに、特許文献2や特許文献3に記載された発明によれば、本体から剥離ゴム層を剥離させることにより、ある程度は装飾面を形成することができるが、意匠性の点でゴム材料の組み合わせや剥離方法に改善の余地がある。また、装飾面の形状によっては、剥離ゴム層がちぎれて表面に残ってしまうという問題もある。
【0007】
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、粉塵を発生させず、意匠性に優れた装飾面を形成できる、自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムの製造方法を実現するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記従来の課題を解決するために、請求項1に係る発明の自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムの製造方法は、自動車用ウェザーストリップ(10)又は自動車用トリムの外表面の少なくとも一部にスエード調の装飾面(4)を形成する、自動車用ウェザーストリップ(10)又は自動車用トリムの製造方法において、前記自動車用ウェザーストリップ(10)又は自動車用トリムを形成する本体部(3)と、前記本体部(3)における前記装飾面(4)が形成される部位に積層される、EPDMのスポンジゴム材料からなる第1層(1)と、前記第1層(1)に積層される、ゴム材料からなる第2層(2)とを一体押出成形して中間成形体とする第1工程と、前記中間成形体を加硫発泡させる第2工程と、前記第1層(1)から前記第2層(2)を剥離するとともに、前記第2層(2)に接着させた状態で前記第1層(1)の表層(1a)を剥離し、前記第1層(1)の気泡を表出させて前記装飾面(4)を形成する第3工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記第2層(2)のゴム材料は、天然ゴム,スチレンブタジエンゴム,クロロプレンゴム,ニトリルゴム,シリコーンゴム,フッ素ゴム,クロロスルホン化ポリエチレン,ウレタンゴム,アクリルゴム,エピクロロヒドリンゴムのうちいずれか一つであることを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記第2層(2)のゴム材料は、スポンジ材であることを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に係る発明は、請求項3に記載の発明において、前記第2層(2)には発泡剤としてOBSHが添加されることを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記第2層(2)のゴム材料は、ソリッド材であることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に係る発明は、請求項5に記載の発明において、前記第2層(2)には離型剤が添加されることを特徴とする。
【0014】
また、請求項7に係る発明は、請求項1乃至6に記載の発明において、前記第1層(1)には発泡剤としてADCAが添加されることを特徴とする。
【0015】
また、請求項8に係る発明は、請求項1乃至7に記載の発明において、前記第1工程において、前記第2層(2)を分割する切り込み(7)が入った状態で前記中間成形体を一体押出成形し、前記第3工程において、前記第2層(2)を前記切り込み(7)で分割しながら剥離することを特徴とする
【0016】
なお、括弧内の記号は、発明を実施するための最良の形態および図面に記載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、第1工程において、本体部、第1層、及び第2層を、一体押出成形により効率的に成形することができる。
また、第1層は、EPDMのスポンジゴム材料であるので、第2工程において加硫発泡させることにより、第1層の内部に気泡を生じさせることができる。次に、第3工程において第1層から第2層を剥離させて、その際に第2層に接着させた状態で第1層の表層を剥離するので、第1層の内部に生じさせた気泡を表出させることができる。このとき表出する気泡は、布の色調や質感に非常に近いものとなる。
以上により、粉塵を発生させることなく、外表面をスエード調に加工処理し意匠性に優れた装飾面を形成することができる。
【0018】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加えて、第2層のゴム材料が、第1層のゴム材料とは架橋剤の溶解度又は架橋方式が異なる、天然ゴム,スチレンブタジエンゴム,クロロプレンゴム,ニトリルゴム,シリコーンゴム,フッ素ゴム,クロロスルホン化ポリエチレン,ウレタンゴム,アクリルゴム,エピクロロヒドリンゴムのうちいずれか一つであるので、第3工程で第1層から第2層を剥離する際に、第1層の表層を2〜500μmの厚みを持たせて第2層側に移行させて、第1層の表層を確実に剥離することができる。
【0019】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の作用効果に加えて、EPDMのスポンジゴム材料からなる第1層に対して、第2層のゴム材料をスポンジ材とするので第1層との接着力が弱く、剥離を容易にすることができる。
この際、スポンジゴム材料は、一般にソリッドゴム材料より強度が低く、剥離時まれに第2層がちぎれて第1層の表面に残ったり、剥離後まれに第2層のゴムの破片が第1層の表面に残ることがあるが、請求項4に記載の発明のように、発泡剤にOBSHを選択すれば、著しい強度の低下を防ぎ、第2層のゴムがちぎれたり、第1層に残り難くなる。
【0020】
また、請求項5に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用効果に加えて、第2層のゴム材料をソリッド材とするので、ゴム強度が高く、剥離時の第2層のちぎれや剥離後に第2層のゴムが第1層に残り難くなる。この際、第1層との接着力が強く、まれに剥離が困難になる場合があるが、請求項6に記載の発明のように、第2層のゴム材に離型剤を添加すれば、剥離が容易になる。
ここで、請求項6に記載の発明のように、剥離を容易にするために添加する離型剤は、ソリッドゴムへの混練性が良ければ特に指定はないが、不飽和脂肪酸アミドや高級脂肪酸エステル水和物などが有効である。添加部数は0.5〜10重量部が望ましく、さらには2〜6重量部がより望ましい。添加部数は他の配合剤との兼ね合いにより変化するが、0.5重量部よりも低いと剥離を容易とする効果が得難く、10重量部よりも高いとコンパウンドの混練性や押出性において装置内でスリップ等を引き起こすため相応しくない。
【0021】
また、請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6に記載の発明の作用効果に加えて、第1層には発泡剤としてADCAが添加されるので火膨れ現象を防止することができる。
【0022】
また、請求項8に記載の発明によれば、請求項1乃至7に記載の発明の作用効果に加えて、第1工程において、第2層を分割する切り込みが入った状態で中間成形体を一体押出成形し、第3工程において、第2層を切り込みで分割しながら剥離するので、剥離する際に第2層がちぎれて第1層の表面に残ってしまうのを防止することができる。特に、オープニングシールの先端等のように、第1層及び第2層を巻き込むように積層する部分では、第2層がちぎれて第1層の表面に残ってしまいやすいので、この部分に切り込みを形成して、予め第2層を分割しておくことが効果的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に、図1乃至図5を参照して、本発明の実施形態に係る自動車用ウェザーストリップの製造方法について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る自動車用ウェザーストリップの製造工程を示す図であり、図2及び図3は、その製造工程における自動車用ウェザーストリップを示す斜視図である。また、図4及び図5は、装飾面を形成する部位を示す拡大断面図である。
【0024】
図1に示すように、本実施形態に係る自動車用ウェザーストリップの製造方法は、第1工程(押出)、第2工程(加硫発泡)、及び第3工程(剥離)の各工程を含むものである。
なお図中の符号は、それぞれ押出装置100、加硫装置200、引取装置300、剥離装置400を示している。
【0025】
次に、本実施形態に係るウェザーストリップ10の構成について説明する。
図2に示すように、ウェザーストリップ10は、内側に複数の保持リップ13を備えた取付基部11、取付基部11に一体成形された中空シール部12、及び同じく取付基部11に一体成形されたオープニングシール14から構成されている。そして、車体開口縁に形成されたフランジに取付基部11が嵌着されるようになっている。なお、取付基部11、中空シール部12、保持リップ13、及びオープニングシール14をまとめて、本体部3とする。
【0026】
さらに、ウェザーストリップ10の完成時には、取付基部11からオープニングシール14にかけての外表面に、図3に示すようなスエード調に加工処理した装飾面4が形成される。これにより、装飾面4を天井等の色調や質感に合わせて見映えを良くすることができる。
なお、装飾面4は、本実施形態のような取付基部11からオープニングシール14にかけての外表面に限らず、所望の部位に形成するものでよい。
【0027】
次に、第1工程乃至第3工程について詳細に説明する。
【0028】
第1工程では、押出装置100により、本体部3と、第1層1と、第2層2とを一体押出成形して中間成形体を形成する。図2は、このとき一体押出成形されたウェザーストリップ10の状態を示したものである。
第1層1は、本体部3のうちスエード調の装飾面4が形成される部位(取付基部11からオープニングシール14にかけての外表面)に積層されている。また、第1層1の外側には、さらに第2層2が積層されている。
【0029】
ここで、本体部3は、エチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴム(EPDM)のソリッドゴム材料および/又はスポンジゴムで形成されており、また第1層1は、EPDMのスポンジゴム材料で形成されている。
なお、第1層1のゴム材料には、自動車内の天井等の色調に合わせて、顔料を混入してカラー材としておくとよい。
【0030】
また、第1層1を構成するEPDMのスポンジゴム材料に添加する発泡剤は特に指定はないが、EPDMスポンジ材と剥離ゴム層の間に発泡ガスが溜まる、いわゆる火膨れ現象を防止する観点から、分解温度の高いADCA系の発泡剤(1〜4重量部)が望ましい。
【0031】
これに対して、第2層2のゴム材料は、後の第3工程において第1層1の表皮1aとともに剥離可能であれば特に限定されないが、第1層1のゴムとは架橋方式が異なる、又は架橋剤並びに架橋促進剤に対する溶解度が異なる、天然ゴム(NR),スチレンブタジエンゴム(SBR),クロロプレンゴム(CR),ニトリルゴム(NBR),シリコーンゴム(Q),フッ素ゴム(FKM),クロロスルホン化ポリエチレン(CSM),ウレタンゴム(AU),アクリルゴム(ACM),エピクロロヒドリンゴム(ECO)を用いることが好ましい。これらは、EPDMとの相溶性の悪いゴム材料である。特に、価格や加硫方式から、CR,CSM,SBRが好ましい。
【0032】
ここで、第2層2はソリッドゴムとスポンジゴムのいずれであってもよいが、スポンジゴムの方が第1層1を構成するEPDMのスポンジゴム材料との接着力が弱く、剥離が容易である。スポンジゴムとしては、比重が0.4〜1.0、好ましくは、0.5〜0.7のものがよい。比重が0.4より低いと材料が破けて引き剥がせなく、また1.0よりも高いと引き剥がす力が高くなるからである。
第2層2をソリッドゴムとする場合には、ゴム強度が高く、剥離時の第2層2のちぎれや剥離後に第2層2のゴムが第1層1に残り難くなる。この際、第1層1との接着力が強く、まれに剥離が困難になる場合があるが、第2層2のゴム材に離型剤を添加すれば、剥離が容易になる。剥離を容易にするために添加する離型剤としては、ソリッドゴムへの混練性が良ければ特に指定はないが、例えば、スチレンブタジエンゴムに添加する離型剤の場合、不飽和脂肪酸アミドや高級脂肪酸エステル水和物などが有効である。添加部数は0.5〜10重量部が望ましく、さらには2〜6重量部がより望ましい。添加部数は他の配合剤との兼ね合いにより変化するが、0.5重量部よりも低いと剥離を容易とする効果が得難く、10重量部よりも高いとコンパウンドの混練性や押出性において装置内でスリップ等を引き起こすため相応しくない。
【0033】
また、第2層2を構成するゴム材料をスポンジゴムとする場合、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)に添加する発泡剤は特に指定はないが、剥離時に破けを防止する観点から、OBSH系の発泡剤(1.5〜15重量部)が望ましい。この際、スポンジゴム材料は、一般にソリッドゴム材料より強度が低く、剥離時まれに第2層2がちぎれて第1層1の表面に残ったり、剥離後まれに第2層2のゴムの破片が第1層の表面に残ることがあるが、発泡剤にOBSHを選択すれば、著しい強度の低下を防ぎ、第2層2のゴムがちぎれたり、第1層1に残り難くなる。さらには、ソリッドゴムの場合と同様に離型剤を添加してもよい。
また、オイルとしては第1層1の変色などの原因となる汚染の無いもの、例えば、アルキルスルホン酸フェニルエステルを使用することが望ましい。
【0034】
第2工程では、押出装置100により一体押出成形された本体部3、第1層1、及び第2層2からなる中間成形体を、加硫装置200により加硫発泡させる。加硫装置200では、加硫による架橋が生じるとともに、加硫装置200内が高温状態であるため、同時に発泡が生じる。
なお、引取装置300は、一体押出成形されたウェザーストリップ10を、加硫装置200に通すための働きをするものである。
【0035】
第3工程では、加硫装置200により加硫発泡させたウェザーストリップ10を、剥離装置400により加工処理し装飾面4を形成する。
図3に示すように、第1層1から第2層2を剥離することにより、第1層1の表面には装飾面4が形成される。
【0036】
図4及び図5は、装飾面4を形成する部位を示す拡大断面図である。
図4に示すように、第2工程終了時において、ウェザーストリップ10の装飾面4を形成する部位には、下側から順に、本体部3(EPDMソリッド),第1層1(EPDMスポンジ:カラー),及び第2層2が積層されている。また、第1層1の内部には気泡が生じている。
【0037】
次に、第3工程において、第1層1から第2層2を剥離するのであるが、その際に図5に示すように、第2層2に接着させた状態で第1層1の表層1aを合わせて剥離する。そうすると、表層1aが剥離された後に深層1bが表出する。この深層1bには、無数の気泡が存在しており、この気泡が布の色調や質感に非常に近いものとなる。
また、第1工程の押出成形時に第1層1のゴム材料に顔料を混入しておくことにより、天井等の色調に合わせることが可能となる。
【0038】
なお、第2層2とともに表層1aを剥離するためには、第1層1と第2層2の界面が強力に接着されていることが好ましいため、これら両材は共押出しされる。前述のとおり、第2層2の材料として、第1層1のゴムとは架橋方式が異なる、又は架橋剤並びに架橋促進剤に対する溶解度が異なる、天然ゴム(NR),スチレンブタジエンゴム(SBR),クロロプレンゴム(CR),ニトリルゴム(NBR),シリコーンゴム(Q),フッ素ゴム(FKM),クロロスルホン化ポリエチレン(CSM),ウレタンゴム(AU),アクリルゴム(ACM),エピクロロヒドリンゴム(ECO)を用いるため、表層1aの架橋密度は深層1bよりも低くなる。その上、第1層1は発泡するため、表層1aは他の部位と比較して破壊されやすくなる。
【0039】
ここで、第2層2に、第1層1のゴムとは架橋方式が異なる、又は架橋剤並びに架橋促進剤に対する溶解度が異なるゴムを使用することにより、表層1aの架橋密度が深層1bよりも低くなる理由について説明する。
【0040】
2種類の材料が共押出し加硫されると、両材料間において、架橋剤並びに架橋促進剤は拡散される。第2層2にCRを使用する例で説明すると、CRの配合には硫黄は含まれていない。これに対して、第1層1に使用するEPDMには硫黄が含まれており、両材料が共押出しされると強力に接着されると同時に、界面周辺(表面〜100μm)では秒単位で硫黄並びに架橋促進剤がEPDM層からCR層に拡散される。硫黄はEPDMの架橋密度を左右する重要な因子であり、これを失うと架橋密度が低く、従って加硫後には、引っ張り強度が低い材料になってしまう。従って、第1層1の表層1aは深層1bと比較して架橋密度の低い材料となりうる。
加硫後に、第2層2を第1層1から引き剥がすようにすると、EPDMの柔軟なスポンジである第1層1が破壊する。更に第1層1の中でも架橋密度が低い表層1aにてこの破壊は発生する。
【0041】
次に、架橋剤並びに架橋促進剤に対する溶解度が異なるゴムを使用した場合について説明する。一般に2種類の材料が共押出し加硫されると、両材料間において、架橋剤並びに架橋促進剤は拡散されるが、この拡散される量は、種類の異なるゴムに対する薬品の溶解度に左右される。
第1層1に使用したEPDMに使用される硫黄並びに架橋促進剤に対して、EPDMよりも溶解度の高いゴムを第2層2に使用すると、たとえ第2層2が同様な架橋剤並びに架橋促進剤を使用していても、これらEPDM中の架橋剤は第1層1から第2層2へ移動してしまう。従って、界面周辺の第1層1には架橋剤並びに架橋促進剤の濃度の薄い層が発生する。以下は、上記CRの説明と同様な理由により、第1層1のEPDMの表層1aが剥がれる。
【0042】
以上の第1工程乃至第3工程を経て、本発明の実施形態に係るウェザーストリップ10が形成される。
【0043】
本実施形態に係る自動車用ウェザーストリップの製造方法によれば、第1工程において、本体部3、第1層1、及び第2層2を、一体押出成形により効率的且つ、第1層1と第2層2を強力に接着して成形することができる。
また、第1層1は、EPDMのスポンジゴム材料であるので、第2工程において加硫発泡させることにより、第1層1の内部に気泡を生じさせることができる。次に、第3工程において第1層1から第2層2を剥離させて、その際に第2層2に接着させた状態で第1層1の表層1aを剥離するので、第1層1の内部に生じさせた気泡を表出させることができる。このとき表出する気泡は、布の色調や質感に非常に近いものとなる。
以上により、粉塵を発生させることなく、外表面をスエード調に加工処理し意匠性に優れた装飾面4を形成することができる。
【0044】
また、第2層2のゴム材料として、天然ゴム,スチレンブタジエンゴム,クロロプレンゴム,ニトリルゴム,シリコーンゴム,フッ素ゴム,クロロスルホン化ポリエチレン,ウレタンゴム,アクリルゴム,エピクロロヒドリンゴムのうちいずれか一つを用いることにより、第1層1に架橋密度が低い表層1aを形成することができる。従って、第3工程で第1層1から第2層2を剥離する際に、第1層1の表層1aを第2層2側に移行させて、第1層1の表層1aを確実に剥離することができる。
【0045】
図6は、他の実施形態に係る自動車用ウェザーストリップの製造方法における、装飾面を形成する部位を示す拡大断面図である。ここに示す実施形態は、第2層のゴム材料をEPDMのスポンジゴムとするものである。
すなわち、第2層6は、第1層1と同様にEPDMのスポンジゴムにより形成されている。ただし、発泡後に第1層1と第2層6の比重が異なるように、予めそれぞれのゴム材料の発泡剤を調整しておく。
これにより、第2層2を剥離するとともに、第1層1の表層1aを剥離して気泡を表出させることができるので、上記と同様に、外表面をスエード調に加工処理し意匠性に優れた装飾面を形成することができる。
【0046】
図7は、さらに他の実施形態に係る自動車用ウェザーストリップの製造方法における、自動車用ウェザーストリップを示す断面図であり、図8はオープニングシール14の先端部分を示す拡大断面図である。
図7及び図8に示すように、本体部3のうちスエード調の装飾面4が形成される部位(取付基部11からオープニングシール14にかけての外表面)には、第1層1及び第2層2が積層されている。このうち、オープニングシール14の先端部分においては、第1層1及び第2層2が先端部分を巻き込むように積層されている。
【0047】
本実施形態においては、第1工程において、オープニングシール14の先端部分において、第2層2を分割する切り込み7が入った状態で中間成形体を一体押出成形する。
そして、第3工程において第2層を剥離する際には、第2層2を切り込み7で分割しながら、先端側2aと根元側2bの両方向に剥離する。
【0048】
図7及び図8に示す実施形態によれば、第1工程において、第2層2を分割する切り込み7が入った状態で中間成形体を一体押出成形し、第3工程において、第2層2を切り込み7で分割しながら剥離するので、剥離する際に第2層2がちぎれて第1層1の表面に残ってしまうのを防止することができる。特に、オープニングシール14の先端のように、第1層1及び第2層2を巻き込むように積層する部分では、第2層2の先端側2aがちぎれて第1層1の表面に残ってしまいやすいので、この部分に切り込み7を形成して、予め第2層2を分割しておくことが効果的である。
【0049】
また、次のような方法で、ウェザーストリップを自動車に取り付けるようにしてもよい。
まず、図7及び図8に示す製品を形成後、第2層2のうち根元側2bのみを引き剥がし、先端側2aは残した状態で出荷する。
次に、図9(a)に示すように、取付基部11を車体開口縁のフランジ9に嵌着させて、ウェザーストリップを自動車に取り付ける。このとき、オープニングシール14は、車内の内装トリム8の上に被さるように取り付けられるが、オープニングシール14の先端が内装トリム8に沿わず巻き込まれる事態が多々発生する。
そこで、ウェザーストリップ取付け後に、残しておいた第2層の先端側2aを製品沿いに(ウェザーストリップの長手方向に沿って)剥がすことで、オープニングシール14の先端を巻き込まれた状態から容易に修正することができ、図9(b)に示すような、きれいに立て付けた状態とすることができる。
【0050】
以上、本発明の実施形態に係る自動車用ウェザーストリップの製造方法について説明したが、自動車用トリムの製造方法についても、同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施形態に係る自動車用ウェザーストリップの製造工程を示す図である。
【図2】本実施形態の自動車用ウェザーストリップ(剥離前)を示す斜視図である。
【図3】本実施形態の自動車用ウェザーストリップ(剥離時)を示す斜視図である。
【図4】本実施形態に係る装飾面を形成する部位(剥離前)を示す拡大断面図である。
【図5】本実施形態に係る装飾面を形成する部位(剥離時)を示す拡大断面図である。
【図6】他の実施形態に係る装飾面を形成する部位(剥離時)を示す拡大断面図である。
【図7】他の実施形態に係る自動車用ウェザーストリップ(剥離前)を示す断面図である。
【図8】図7に示す自動車用ウェザーストリップのオープニングシールの先端部分を示す拡大断面図である。
【図9】他の実施形態に係る自動車用ウェザーストリップの取付方法を示す断面図であり、(a)修正前、(b)修正後を示す。
【図10】従来例に係る自動車用ウェザーストリップを示す斜視図である。
【図11】従来例に係る装飾面の形成方法を示す断面図である。
【符号の説明】
【0052】
1 第1層
1a 表層
1b 深層
2 第2層
2a 先端側
2b 根元側
3 本体部
4 装飾面
5 装飾面
6 第2層
7 切り込み
8 内装トリム
9 フランジ
10 ウェザーストリップ
11 取付基部
12 中空シール部
13 保持リップ
14 オープニングシール
50 ウェザーストリップ
100 押出装置
200 加硫装置
300 引取装置
400 剥離装置
500 シボロール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムの外表面の少なくとも一部にスエード調の装飾面を形成する、自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムの製造方法において、
前記自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムを形成する本体部と、前記本体部における前記装飾面が形成される部位に積層される、EPDMのスポンジゴム材料からなる第1層と、前記第1層に積層される、ゴム材料からなる第2層とを一体押出成形して中間成形体とする第1工程と、
前記中間成形体を加硫発泡させる第2工程と、
前記第1層から前記第2層を剥離するとともに、前記第2層に接着させた状態で前記第1層の表層を剥離し、前記第1層の気泡を表出させて前記装飾面を形成する第3工程と、
を含むことを特徴とする自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムの製造方法。
【請求項2】
前記第2層のゴム材料は、天然ゴム,スチレンブタジエンゴム,クロロプレンゴム,ニトリルゴム,シリコーンゴム,フッ素ゴム,クロロスルホン化ポリエチレン,ウレタンゴム,アクリルゴム,エピクロロヒドリンゴムのうちいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載の自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムの製造方法。
【請求項3】
前記第2層のゴム材料は、スポンジ材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムの製造方法。
【請求項4】
前記第2層には発泡剤としてOBSHが添加されることを特徴とする請求項3に記載の自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムの製造方法。
【請求項5】
前記第2層のゴム材料は、ソリッド材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムの製造方法。
【請求項6】
前記第2層には離型剤が添加されることを特徴とする請求項5に記載の自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムの製造方法。
【請求項7】
前記第1層には発泡剤としてADCAが添加されることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一つに記載の自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムの製造方法。
【請求項8】
前記第1工程において、前記第2層を分割する切り込みが入った状態で前記中間成形体を一体押出成形し、前記第3工程において、前記第2層を前記切り込みで分割しながら剥離することを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一つに記載の自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムの製造方法。
【請求項1】
自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムの外表面の少なくとも一部にスエード調の装飾面を形成する、自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムの製造方法において、
前記自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムを形成する本体部と、前記本体部における前記装飾面が形成される部位に積層される、EPDMのスポンジゴム材料からなる第1層と、前記第1層に積層される、ゴム材料からなる第2層とを一体押出成形して中間成形体とする第1工程と、
前記中間成形体を加硫発泡させる第2工程と、
前記第1層から前記第2層を剥離するとともに、前記第2層に接着させた状態で前記第1層の表層を剥離し、前記第1層の気泡を表出させて前記装飾面を形成する第3工程と、
を含むことを特徴とする自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムの製造方法。
【請求項2】
前記第2層のゴム材料は、天然ゴム,スチレンブタジエンゴム,クロロプレンゴム,ニトリルゴム,シリコーンゴム,フッ素ゴム,クロロスルホン化ポリエチレン,ウレタンゴム,アクリルゴム,エピクロロヒドリンゴムのうちいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載の自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムの製造方法。
【請求項3】
前記第2層のゴム材料は、スポンジ材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムの製造方法。
【請求項4】
前記第2層には発泡剤としてOBSHが添加されることを特徴とする請求項3に記載の自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムの製造方法。
【請求項5】
前記第2層のゴム材料は、ソリッド材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムの製造方法。
【請求項6】
前記第2層には離型剤が添加されることを特徴とする請求項5に記載の自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムの製造方法。
【請求項7】
前記第1層には発泡剤としてADCAが添加されることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一つに記載の自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムの製造方法。
【請求項8】
前記第1工程において、前記第2層を分割する切り込みが入った状態で前記中間成形体を一体押出成形し、前記第3工程において、前記第2層を前記切り込みで分割しながら剥離することを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一つに記載の自動車用ウェザーストリップ又は自動車用トリムの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−269014(P2007−269014A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−52135(P2007−52135)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(000196107)西川ゴム工業株式会社 (454)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(000196107)西川ゴム工業株式会社 (454)
【Fターム(参考)】
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