説明

自動車用内装部品

【課題】積層構造体を一部に含む自動車用内装部品であって、製品の軽量化を図るとともに、外観見栄えを高める。
【解決手段】ドアトリム10は、軽量でかつ保形性を有する発泡樹脂基材21の裏面に樹脂リブ22が積層一体化され、表面に加飾材23を貼付した積層構造体(ドアトリムアッパー)20と、樹脂単体品(ドアトリムロア)30とから構成され、上記加飾材23の裏面にホットメルトフィルム26がラミネートされ、発泡樹脂基材21の素材である発泡樹脂シートSを高温で加熱軟化処理した状態で成形金型40内に投入し、加飾材23を加熱処理を施さないか、あるいは低温の加熱処理で済ませた状態で発泡樹脂シートSの上面に載置し、発泡樹脂シートSからの余熱で加飾材23を軟化させ、成形金型40の型締めによる低圧のプレス成形で一体化するとともに、ホットメルトフィルム26のフィルム損失を小さく抑える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ドアトリム、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、トランクトリム、リヤサイドトリム、ピラーガーニッシュ、ルーフトリム等の自動車用内装部品に係り、特に、軽量で、かつ外観意匠性、成形性に優れた自動車用内装部品に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車用内装部品の構成について、ドアトリムを例示して図12,図13を基に説明する。ドアトリム1は、保形性及び車体パネルへの取付剛性を備え、製品面のほぼ全体にいきわたっている樹脂芯材2の表面に、表面外観に優れた表皮3を積層一体化して構成されている。尚、符号2aは、インナーシールを取り付けるためのインナーシール取付用フランジを示す。上記樹脂芯材2としては、タルクを混入したポリプロピレン系樹脂を素材としており、また、表皮3は、それ自体保形性を備えておらず、塩ビシート、サーモプラスチックオレフィン(以下TPOという)シート等の合成樹脂シートが通常使用されている。
【0003】
次に、上記ドアトリム1の成形方法における従来例について図14を基に説明する。まず、ドアトリム1を成形する成形金型4は、所定ストローク上下動可能な成形上型5と、成形上型5と対をなす固定側の成形下型6と、成形下型6と接続される射出機7とから大略構成されている。そして、成形上下型5,6を型締めした際、ドアトリム1の製品形状を形造るために成形上型5にはキャビティ部5aが形成され、成形下型6にはコア部6aが設けられている。上記成形上型5を所定ストローク上下動作させるために、昇降シリンダ5bが連結され、成形下型6には射出機7からの溶融樹脂の通路となるマニホールド6b、ゲート6cが設けられている。また、上下動作する成形上型5は、適正姿勢を維持させるために、成形下型6の4隅部にガイドポスト6dが設けられ、このガイドポスト6dに対応して成形上型5にはガイドブッシュ5cが設けられている。
【0004】
従って、成形上下型5,6が型開き状態にある時、表皮3を金型内にセットし、その後、成形上下型5,6を型締めした後、両金型間の製品キャビティ内に射出機7からマニホールド6b、ゲート6cを通じて溶融樹脂Mを射出充填することにより、樹脂芯材2を所要の曲面形状に成形するとともに、樹脂芯材2の表面に表皮3を一体成形している(例えば、特許文献1参照。)。尚、図14では、説明の便宜上、コア部6aの型面にオープン状態で溶融樹脂Mが供給されているが、溶融樹脂Mは成形上下型5,6の型締め後にキャビティ内に射出充填されても良い。
【0005】
【特許文献1】特開平10−138268号公報 (第2頁、図3、図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のドアトリム1においては、樹脂芯材2の投影面積が大きいため、材料コストが高く、かつ製品が重量化するという問題点が指摘されている。また、樹脂芯材2の投影面積が大きいことから、成形時における射出圧を高く設定せざるを得ず、高い射出圧に耐え得る金型構造が必要となり、金型の製作費用も嵩み、しかも、大量の溶融樹脂を冷却固化させるため、成形サイクルが長期化することから、生産性を低下させる大きな要因となっている。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、軽量化を促進でき、かつコストダウンに寄与する自動車用内装部品を提供でき、特に、製品表面の外観見栄え及び手触り感を高めた自動車用内装部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究の結果、従来から表皮として使用していた発泡樹脂シートに保形性を付与することで、芯材としての機能をもたせ、より以上に剛性が必要な箇所、すなわち製品の周縁部分やパネル、あるいは部品取付箇所並びに荷重が加わる部位には、剛性に優れた樹脂リブを配置して、その他の部分は肉抜き形状としたことで、従来の投影面積の広い樹脂芯材に比べ、軽量でかつコストが廉価な内装トリム部品を提供するとともに、特に発泡樹脂シートとその表面に貼付する加飾シートの物性を考慮して、それぞれ成形温度に差異をもたせ、かつ接着媒体としてのホットメルトフィルムの形態を工夫することで、製品表面の外観性能、品質性能を良好に維持することを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明に係る自動車用内装部品は、所要形状に成形され、軽量でかつ保形性を有する発泡樹脂基材と、この発泡樹脂基材の裏面に積層一体化される所定パターン形状の樹脂リブと、上記発泡樹脂基材の表面に貼付される加飾材とからなる積層構造体を全体、あるいは一部分に採用してなる自動車用内装部品において、前記積層構造体における加飾材の裏面にホットメルトフィルムがラミネートされており、発泡樹脂基材の素材である発泡樹脂シートが加熱軟化処理されて成形金型内にセットされ、その上面に加熱処理を施さないか、あるいは低温での加熱処理が施された加飾材が載置され、上記発泡樹脂シートの余熱及び成形金型の型締めによる低圧のプレスで発泡樹脂基材と加飾材とがホットメルトフィルムを介して一体化されていることを特徴とする。
【0010】
ここで、自動車用内装部品としては、積層構造体を少なくとも一部に含む構成であれば、その用途は問わず、例えば、ドアトリム、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、ラゲージトリム、トランクトリム、リヤサイドトリム、ピラーガーニッシュ、ルーフトリム等に適用できる。
【0011】
更に、積層構造体は、所望の曲面形状に成形され、軽量で、かつ保形性を有する発泡樹脂基材と、この発泡樹脂基材の裏面に積層一体化される所定パターン形状の樹脂リブと、発泡樹脂基材の表面に貼着される加飾材とから構成されているが、上記発泡樹脂基材は、発泡樹脂シートを加熱軟化処理した後、成形金型内で所要の曲面形状に成形することで、その形状を保持する。尚、ここでいう「保形性」とは、リブ等の補強材がなくても、成形後、脱型した時、最低限その形状を保持する程度の剛性を備えていることである。また、製品形状が高展開率部分を含む場合には、発泡樹脂シートを加熱軟化処理した後、成形金型に真空吸引機構を配設して成形金型の内面に沿って発泡樹脂シートに真空吸引力を作用させるようにしても良い。
【0012】
上記発泡樹脂シートとしては、熱可塑性樹脂に発泡剤を添加した素材を使用する。尚、熱可塑性樹脂は、1種類の熱可塑性樹脂でも2種類以上の熱可塑性樹脂からなっても良い。好ましくは、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が使用できる。また、発泡剤としては、アゾジカルボンアミド等のアゾ化合物、スルホヒドラジド化合物、ニトロソ化合物、アジド化合物等の有機発泡剤、あるいは重炭酸ナトリウム等の無機発泡剤の使用が可能である。
【0013】
上記発泡樹脂シートを加熱軟化処理後、所要形状に成形して得た発泡樹脂基材は、製品の重量と強度とのバランスを考慮した場合、2〜10倍の発泡倍率が好ましい。その時の発泡樹脂基材のセル径は、0.1μm〜2.0mmの範囲であることが好ましく、厚みは0.5〜30mm、好ましくは1〜10mmのものが良い。
【0014】
一方、樹脂リブとして使用する熱可塑性樹脂材料は、広範な熱可塑性樹脂から適宜選択することができる。通常好ましく使用できるものとして、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が使用できる。また、これら熱可塑性樹脂中に各種充填剤を混入しても良い。使用できる充填剤としては、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維、タルク、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粒子等がある。また、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、難燃剤、低収縮剤等の各種の添加剤が配合されても良い。
【0015】
そして、外観意匠性を高めるために、発泡樹脂基材の表面に加飾材が一体化されている。この加飾材としては、TPO、サーモプラスチックウレタン(以下TPUという)等の熱可塑性樹脂シート、あるいは織布、不織布、編布等の布地シートが使用できる。更に、これら熱可塑性樹脂シート、織布、不織布、編布等の布地シートの裏面にポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム等の発泡樹脂シートをクッション層として積層一体化することもできる。また、クッション層の裏面に裏面不織布層を一体化しても良い。尚、加飾材としてTPOシート、PEフォームを使用するとともに、発泡樹脂基材、樹脂リブの素材もまた、オレフィン系樹脂を使用すれば、全ての材料をオレフィン系樹脂に統一できるため、リサイクル作業上、有利である。
【0016】
更に、この加飾材の裏面には、ホットメルトフィルムが一体にラミネートされている。このホットメルトフィルムとしては、融点100〜160℃の範囲のものが良く、貼り合わせ強度は2〜20N/25mmの範囲のものが好ましい。この時、高温で加熱された発泡樹脂シートの余熱により、加飾材裏面にラミネートされているホットメルトフィルムが溶融して、この溶融状態のホットメルトフィルムが接着媒体として機能して、発泡樹脂基材の表面に加飾材を強固に一体化できる。
【0017】
更に、発泡樹脂シートと加飾材との一体化工法については、まず、使用する成形金型は、一対の分割金型と、一方側の金型に付設される射出機とから構成されている。例えば、上下動可能な成形上型と、成形上型の下方側に位置する固定側である成形下型と、成形下型に連結される射出機とから構成されている。そして、成形上下型を使用した場合、射出機から供給される溶融樹脂は、成形下型に設けられたマニホールド、ゲート等の樹脂通路を通じて成形下型の型面上、すなわち、成形下型の型面に穿設された溝部(樹脂リブ形状に対応する)に溶融樹脂を供給する。
【0018】
また、この成形金型で発泡樹脂基材と加飾材とが一体プレス成形されるが、発泡樹脂基材の素材である発泡樹脂シートは、ヒーター装置により160〜220℃の高温で加熱軟化処理される。一方、加飾材は、加熱工程を廃止するか、あるいは加熱しても120℃以下の低温加熱状態に留めておく。そして、成形金型の型開き時に、加熱軟化処理した発泡樹脂シートと、加熱処理なしか、あるいは低温加熱された加飾材とを重ね合わせて、成形金型の型締めにより製品形状にプレス一体化される。また、この時の成形金型のプレス圧は、0〜40kgf/cm2 であり、従来のモールドプレス成形時のプレス圧80±20kgf/cm2 に比べれば、プレス圧を低く設定できる。
【0019】
そして、本発明に係る自動車用内装部品によれば、積層構造体の構成として、軽量な発泡樹脂基材と、その裏面側に配設される肉抜き形状の樹脂リブと、発泡樹脂基材表面に貼付されている加飾材とから構成されているため、従来の重量の嵩む樹脂芯材を廃止することで軽量化を達成できる。更に、発泡樹脂シートと加飾材の成形温度に温度差が設定されているため、加飾材の表面において熱変形が生じることがない。また、加飾材の裏面にホットメルトフィルムがラミネートされているため、ラミネート時のフィルム損失を小さく抑えることができる。
【0020】
次いで、本発明の好ましい実施の形態においては、前記加飾材は、通気性素材か、あるいは非通気性素材に針孔加工が施された通気性構造が採用されているとともに、加飾材の裏面にラミネートされるホットメルトフィルムは、クモの巣状ホットメルトウエブ等の通気性を有するホットメルトウエブであることを特徴とする。
【0021】
ここで、通気性素材としては、トップ層として織布、不織布、編布等の布地シートが該当するとともに、非通気性素材としてはTPO、TPU等の熱可塑性樹脂シートがこれに該当する。そして、非通気性素材である熱可塑性樹脂シートをトップ層として使用する場合には、針孔加工を施すことにより、加飾材を通気性構造とすることができる。
【0022】
そして、この実施の形態によれば、高温で加熱処理した発泡樹脂シートと、加熱工程を省略、あるいは低温加熱で済ませた加飾材とを別個に成形金型内に投入し、両者を重ね合わせた際、発泡樹脂シートの余熱で加飾材裏面のホットメルトウエブが溶融状態となり、成形金型の型締めにより、発泡樹脂基材と加飾材とが低圧でプレス一体化されるが、この時、加飾材及びホットメルトウエブは共に通気性を備えているため、加飾材と発泡樹脂基材との間にエア溜まりが生じることがなく、表面外観及び手触り感の良好な積層構造体が得られる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明した通り、本発明に係る自動車用内装部品によれば、軽量で、かつ保形性を有する発泡樹脂基材と、この発泡樹脂基材の裏面に積層一体化される樹脂リブと、発泡樹脂基材の表面に貼付される加飾材とから構成される積層構造体により、全体、あるいは少なくとも一部分が構成されているため、従来の重量の嵩む樹脂芯材を廃止できることから、軽量で低コストの自動車用内装部品を提供できるという効果を有する。
【0024】
更に、本発明に係る自動車用内装部品によれば、発泡樹脂基材の素材である発泡樹脂シートは、高温で加熱軟化処理されるが、加飾材は加熱工程を廃止するか、あるいは低温加熱に留めた状態で双方の素材を別個に成形金型内に投入するという工法を採用するとともに、特に、加飾材の裏面側にホットメルトフィルムをラミネート処理することで、加飾材の表面に熱変形が生じることを抑え、良好な製品感触、製品外観が得られ、意匠性を高めることができる。更に、ホットメルトフィルムのフィルム損失を抑えた廉価で膜厚の薄いホットメルトフィルムの使用が可能となり、コストダウンに寄与できるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る自動車用内装部品の好適な実施例について、自動車用ドアトリムを例示して説明する。
【実施例1】
【0026】
図1乃至図8は本発明の一実施例を示し、図1はツートンタイプの自動車用ドアトリムを示す正面図、図2は同自動車用ドアトリムの構成を示す断面図、図3は同自動車用ドアトリムにおけるドアトリムアッパーの樹脂リブとドアトリムロアを示す正面図、図4は同自動車用ドアトリムの製造方法の概要を示す説明図、図5は同自動車用ドアトリムに使用する加飾材の製造工程を示す説明図、図6乃至図8は同自動車用ドアトリムの製造方法の各工程を示す説明図である。
【0027】
図1,図2において、ツートンタイプの自動車用ドアトリム10は、積層構造体からなるドアトリムアッパー20と樹脂単体品からなるドアトリムロア30との上下二分割体から構成されている。上記ドアトリム10に装着される機能部品としては、ドアトリムアッパー20にインサイドハンドルエスカッション11、パワーウインドウスイッチエスカッション12が取り付けられている。一方、ドアトリムロア30には、ドアポケット用開口13が開設され、その背面側には、図2に示すように、ポケットバックカバー(樹脂成形体からなる)14が取り付けられており、ドアトリムロア30のフロント側にスピーカグリル15がドアトリムロア30と一体、あるいは別体に形成されている。
【0028】
ところで、本発明に係る自動車用ドアトリム10は、積層構造体であるドアトリムアッパー20の軽量化を図るとともに、ドアトリムアッパー20の外観性能及び手触り感触を向上させることが特徴である。すなわち、ドアトリムアッパー20は、図2に示すように、所望の曲面形状に成形され、保形性を有する発泡樹脂基材21と、この発泡樹脂基材21の裏面側に積層一体化される補強機能をもつ樹脂リブ22と、発泡樹脂基材21の表面側に積層一体化される加飾機能をもつ加飾材23とから大略構成されている。尚、図中符合16は車体パネルを示す。また、上記発泡樹脂基材21は、保形性を備えるように発泡樹脂シートを加熱軟化処理後、所要形状に熱成形、例えば、所望の型面を有する成形金型でコールドプレス成形されるが、更に高展開率部分については、真空成形により発泡樹脂基材21を賦形しても良い。
【0029】
上記発泡樹脂シートは、汎用の熱可塑性樹脂に発泡剤を添加した構成であり、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂、ポリカーボネート系樹脂等が使用でき、発泡剤としては、アゾジカルボンアミド等のアゾ化合物、スルホヒドラジド化合物、ニトロソ化合物、アジド化合物等の有機発泡剤や重炭酸ナトリウム等の無機発泡剤が使用できる。この実施例では、ポリプロピレン系樹脂に発泡剤として重炭酸ナトリウムを適宜添加した発泡樹脂シートを使用している。また、上記発泡樹脂基材21の発泡倍率は、2〜10倍に設定され、厚みは0.5〜30mm、特に1〜10mmの範囲に設定されている。
【0030】
次いで、樹脂リブ22は、発泡樹脂基材21の裏面側に配設され、特に、図3に示すように、交差状に延びる所定パターンに設定されており、荷重が加わる部位(例えば、クリップ座、ウエスト部上面、アームレスト部上面等)を除いた部分は、肉抜き形状となっている。尚、このパターンは、縦横方向、斜め方向、あるいはその組み合わせ等、交差状であれば任意のパターンが選択されて良い。この樹脂リブ22は、汎用の合成樹脂成形体からなり、通常好ましく使用できる合成樹脂として、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂、ポリカーボネート系樹脂等から適宜選択されて良く、本実施例では、環境面、リサイクル面を考慮してポリプロピレン系樹脂が使用されている。また、この樹脂リブ22には、上記熱可塑性樹脂中に適宜フィラー、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維等の無機繊維や、タルク、クレイ、シリカ、炭酸カルシウム等の無機粒子等の充填剤が混入されていても良い。
【0031】
このように、図1乃至図3に示すドアトリム10は、積層構造体からなるドアトリムアッパー20と、樹脂単体品のドアトリムロア30とから構成され、外観上のアクセント効果により、優れた外観意匠性を備えている。更にドアトリムアッパー20は、保形性を有する発泡樹脂基材21と、発泡樹脂基材21の裏面に積層一体化される樹脂リブ22と、加飾性を有する加飾材23とから構成されているため、従来のように製品の全周に亘り占有していた樹脂芯材を廃止でき、かつ軽量な発泡樹脂基材21を使用する関係で、製品の重量について、従来例に比し軽量化を図ることができるとともに、樹脂材料も節約でき、コストダウンにも貢献できる。更に、発泡樹脂基材21が多孔質構造であるため、ドアトリムアッパー20は吸音性能に優れ、車室内の騒音を低減することができる。
【0032】
また、発泡樹脂基材21の表面に貼付される加飾材23は、トップ層24と、その裏面に積層一体化されたクッション層25との二層積層構造体から構成されており、この実施例では、具体的にはトップ層24としてTPUシートが使用され、クッション層25としてはポリウレタンフォームが使用されている。上記トップ層24としてはTPO等の熱可塑性樹脂シート、織布、不織布、編布等の布地シートを使用することができ、クッション層25としては、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム等の発泡シートを使用することができる。更に、加飾材23の裏面には、ポリエチレン等のホットメルトフィルムが発泡樹脂基材21との接着媒体として加飾材23側にラミネートされている。尚、発泡樹脂基材21及び樹脂リブ22の素材にオレフィン系樹脂を使用し、これと併せて加飾材23のトップ層24をTPOシート、クッション層25をポリエチレンフォーム等のように、オレフィン系樹脂を使用した場合、全てオレフィン系樹脂で統一できるため、リサイクル面で有利である。
【0033】
ところで、上記ドアトリム10は、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30との上下二分割体から構成され、特に、ドアトリムアッパー20における加飾材23は、発泡樹脂基材21と成形温度に温度差を設定することで、加飾材23として良好な手触り感、美麗な製品表面外観が得られるとともに、特に、加飾材23側にホットメルトフィルム26を設定することでコストダウンに寄与できるという利点がある。
【0034】
次いで、ドアトリム10の製造方法の概要について、参考までに、図4を基に説明する。ドアトリム10の成形に使用する成形金型40は、所定ストローク上下動可能な成形上型41と、成形上型41と対をなす固定側の成形下型42と、成形下型42に接続される2基の射出機43a,43bとから大略構成されている。更に詳しくは、成形上型41は、製品形状に合致したキャビティ部411が形成されており、成形上型41の上面に連結された昇降シリンダ412により所定ストローク上下駆動される。また、成形上型41の4隅部には、ガイド機構となるガイドブッシュ413が設けられている。
【0035】
一方、成形下型42には、成形上型41のキャビティ部411に対応するコア部421が設けられている。また、このコア部421の型面に溶融樹脂を供給するために、成形下型42にマニホールド422a,422b、ゲート423a,423bが設けられており、このマニホールド422a,422b、ゲート423a,423bの樹脂通路を経て射出機43a,43bから供給される溶融樹脂M1,M2がコア部421の上面に形成された溝部424内、及びドアトリムロア30を形成するためのキャビティ425内に供給される。また、成形下型42の4隅部には、ガイド機構となるガイドポスト426が突設され、このガイドポスト426は、成形上下型41,42が型締めされる際、ガイドブッシュ413内に案内されることで成形上型41のプレス姿勢を適正に維持できる。
【0036】
そして、この成形上型41と成形下型42が型開き状態にある時、発泡樹脂基材21の素材である発泡樹脂シートSを投入するが、この発泡樹脂シートSは、ヒーター装置50により160〜220℃の高温状態に加熱軟化処理されている。また、この発泡樹脂シートSの上面に加飾材23が載置されるが、この加飾材23は、加熱処理が施されていない。そして、加飾材23の裏面(発泡樹脂シートSと対向する面)にホットメルトフィルム26が前もってラミネートされており、このホットメルトフィルム26が接着媒体として機能して、発泡樹脂基材21と加飾材23とがプレス成形時に一体化される。すなわち、図4に示すように、成形金型40内に加熱軟化処理した発泡樹脂シートSを投入し、その上面に重ね合わされる加飾材23には加熱処理が施されておらず、加飾材23の製品面が過度に軟化していないため、絞流れ等の熱変形を回避することができるとともに、加熱処理された発泡樹脂シートSに重ね合わせれば、発泡樹脂シートSからの余熱により、加飾材23が適度に軟らかくなり、キャビティ形状に沿って良好に追従し、シワ、切れ等の不良が生じることがなく、成形性に優れるという利点がある。尚、加熱を省略する代わりに、120℃以下の低温加熱を施すようにしても良い。このように、低温加熱を施すか、加熱を全く施さないかは製品形状や材料の物性(引っ張り強度、伸び率等)を考慮して決定される。
【0037】
図5は、加飾材23の裏面にホットメルトフィルム26をラミネート処理する工程の概要図を示すもので、図示するように、加飾材23を構成するトップ層24の原反ロール60及びクッション層25の原反ロール61からトップ層24及びクッション層25を給送するとともに、ホットメルトフィルム26の原反ロール62からホットメルトフィルム26を同様に給送し、フレーム63により熱を加え、一対の圧着ロール64で圧着処理することで、加飾材23の裏面にホットメルトフィルム26を簡単にラミネート処理することができる。
【0038】
そして、このフレームラミネート工法で加飾材23の裏面にホットメルトフィルム26をラミネートした場合のフィルム損失については、元厚110μmが圧着工程でホットメルトフィルム26のフィルム残厚が100μmに低減されるが、フィルム損失はそれ程大きいとはいえない。このことは、例えば、発泡樹脂シートSの押し出し時にホットメルトフィルムをラミネートした場合、フィルム厚みが130μmから100μmに低減されることを考慮すれば、はるかにホットメルトフィルム26のフィルム損失が小さい。そして、このホットメルトフィルム26は、融点100〜160℃の範囲のものが良く、加飾材23との間の貼り合わせ強度としては2〜20N/25mm程度が好ましい。尚、図5中、符号60a,62aは、ガイドロールを示す。
【0039】
次いで、図6乃至図8に基づいて、ツートンタイプのドアトリム10の製造方法における各工程について説明する。まず、図6に示すように、赤外線ヒーター等のヒーター装置50により発泡樹脂シートSを加熱軟化処理し、この発泡樹脂シートSを型開き状態にある成形金型40内に投入した後、この発泡樹脂シートSの一方面に加飾材23を載置(ホットメルトフィルム26面を発泡樹脂シートSに対向させる)する。この発泡樹脂シートSとしては、ポリプロピレン製発泡シート(住化プラステック製、商品名:スミセラー発泡PPシート、発泡倍率=3倍、厚み3mm)が使用されている。また、この発泡樹脂シートS及び加飾材23のセット位置は、ドアトリムアッパー20対応箇所における成形上型41のキャビティ部411と成形下型42のコア部421で画成されるキャビティの上半部分にセットする。
【0040】
そして、発泡樹脂シートS並びに加飾材23をセットした後、成形上型41の昇降シリンダ412が動作して、成形上型41が所定ストローク下降して、図7に示すように、成形上下型41,42が型締めされて、発泡樹脂シートSが所望の型面形状に沿って賦形され、発泡樹脂基材21が所要形状に成形されるとともに、発泡樹脂基材21の上面にセットされた加飾材23が一体化される。この時、成形上下型41,42はプレス圧0〜40kgf/cm2 の低圧のプレス圧で成形が行なわれ、従来のモールドプレス成形時のプレス圧80±20kgf/cm2 に比べプレス圧を半減させることができ、成形にかかる負荷を軽減することができるとともに、加飾材23は発泡樹脂シートSからの余熱により、成形上型41の型面形状に沿って良好に追従し、成形性が向上する。また、加飾材23の裏面にラミネートされたホットメルトフィルム26が接着媒体として有効に機能し、発泡樹脂基材21の表面に加飾材23が強固に一体化される。
【0041】
従って、プレス成形時、低圧であるとともに、加飾材23は、トップ層24とクッション層25との二層積層構造体から構成されており、発泡樹脂シートSからの余熱により、加飾材23の成形性が向上する反面、このクッション層25の断熱作用により、トップ層24に熱の悪影響を及ぼすことがないため、加飾材23の製品表面の絞流れ等の熱変形を可及的に防止できる。また、織布、不織布、編布等の布地シートをトップ層24として使用した場合においても、過度の加熱、高圧なプレス圧により毛倒れ等が生じるという不具合を有効に解決でき、手触り感及び見栄え上、良好なドアトリムアッパー20の成形が可能となる。
【0042】
更に、成形上下型41,42の型締めにより、発泡樹脂基材21と加飾材23を一体プレス成形した後、第1の射出機43aからマニホールド422a、ゲート423aを通じてドアトリムアッパー20における樹脂リブ22を形成するために、溶融樹脂M1が溝部424内に射出充填される。この時、従来の投影面積の大きい樹脂芯材に比べ、肉抜き形状の樹脂リブ22を形成するだけの樹脂を射出するので、樹脂の射出圧を低くすることができ、射出圧に打ち勝つために上型に高いプレス圧をかける必要がなく、発泡樹脂基材21と加飾材23が成形できる程度のプレス圧がかかっていれば良いことからも、加飾材23の熱変形や毛倒れ等が生じるという不具合を有効に解決できる。尚、溶融樹脂M1の射出のタイミングは、成形上下型41,42の型締め前に設定することもできる。また、この溶融樹脂M1としては、住友ノーブレンBUE81E6(住友化学工業製ポリプロピレン、メルトインデックス=65g/10分)でタルクが適宜割り合いで混入されているものを使用する。そして、上述したように、発泡樹脂基材21と加飾材23の一体プレス成形後、発泡樹脂基材21の裏面側に樹脂リブ22を一体成形することでドアトリムアッパー20の成形が完了する。
【0043】
次いで、図8に示すように、ドアトリムロア30を成形するために、第2の射出機43bからマニホールド422b、ゲート423bを通じてドアトリムロア30成形用のキャビティ425内に溶融樹脂M2が射出充填され、ドアトリムロア30が所要形状に成形される。尚、ドアトリムロア30の素材としての溶融樹脂M2は、本実施例では、住友ノーブレンBUE81E6(住友化学工業製ポリプロピレン、メルトインデックス=65g/10分)を使用しているが、樹脂リブ22の素材に比べドアトリムロア30は製品表面に現出するため、顔料等を混入して所望の彩色を施すか、あるいは表面に絞模様を刻設することで外観性能を高めるようにしても良い。
【0044】
また、ドアトリムアッパー20とドアトリムロア30とに分岐して供給される溶融樹脂M1,M2を同一素材として、1基の射出機43から供給することもできる。この場合は、射出機43と連通するメインのマニホールドからドアトリムアッパー20側に供給する溶融樹脂M1の通路となる分岐マニホールドと、ドアトリムロア30側に溶融樹脂M2を供給する樹脂通路の分岐マニホールドとを別個に設定し、時間差を設けてそれぞれ溶融樹脂M1,M2を供給すれば良い。尚、上述した工程は、発泡樹脂基材21の成形と樹脂リブ22の一体化とを同一の成形金型40を使用して同時に行なったが、発泡樹脂基材21と樹脂リブ22とを別型で個別に成形しておき、圧着金型で一体化することも可能である。しかし、コスト、作業能率等を考慮すれば、発泡樹脂基材21と樹脂リブ22とを同一の金型で同時成形する工程を採用するのが好ましい。
【実施例2】
【0045】
図9乃至図11は、本発明の第2実施例を示すもので、第1実施例と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。この第2実施例においては、ドアトリムアッパー20における加飾材23及びホットメルトフィルム26の構成が第1実施例と相違している。すなわち、加飾材23におけるトップ層24として、TPOシートが使用されているが、通気性を付与するためにこのトップ層24に針孔24aが多数開設されている。従って、針孔24aを有するトップ層24と、ポリウレタンフォームからなるクッション層25とは共に通気性を備えているため、加飾材23全体として通気性を有している。更に、この加飾材23の裏面にラミネートされているホットメルトフィルム26としては、クモの巣状ホットメルトウエブ26Aが使用されている。
【0046】
次いで、第2実施例におけるドアトリム10の製造方法の概要について、図10を基に説明する。この第2実施例の製造方法についても基本的には第1実施例と同様であり、発泡樹脂シートSは、ヒーター装置50により160〜220℃の高温の加熱処理が施され、加飾材23については、加熱処理を施さないか、あるいは所望により加熱処理を施しても、120℃以下の低温加熱で済ませる。そして、発泡樹脂シートS及び加飾材23を別個に成形金型40内に投入し、発泡樹脂シートSを成形下型42の型面に沿わせてセットした後、加飾材23のクモの巣状ホットメルトウエブ26Aを発泡樹脂シートSに対向させるように加飾材23を載置して成形金型40を型締めすれば、図11に示すように、成形金型40のキャビティ形状に沿って発泡樹脂シートSが追従して、所要形状の発泡樹脂基材21が成形されるとともに、発泡樹脂シートSからの余熱により、加飾材23についても良好な成形性能が得られる。更に、クモの巣状ホットメルトウエブ26Aが接着媒体として機能し、発泡樹脂基材21の表面に加飾材23が強固に一体接合される。この時、加飾材23は、熱の影響をあまり受けないため、絞流れ等の熱変形を回避することができる。
【0047】
更に、この第2実施例においては、トップ層24に針孔24aが開設され、かつホットメルトフィルムとしては、クモの巣状ホットメルトウエブ26Aを採用していることで、加飾材23、ホットメルトウエブ26Aの双方に通気性が備わっているため、加飾材23と発泡樹脂基材21との間にエア溜まりが生じることがなく、製品外観、手触り感がより優れたものとなる。尚、成形金型40の型締めにより、発泡樹脂基材21と加飾材23とがプレス一体化された後、第1実施例同様、第1の射出機43aから溶融樹脂M1が供給され、成形下型42の溝部424内に射出充填されることで発泡樹脂基材21の裏面所定箇所に格子状の樹脂リブ22が一体化されてドアトリムアッパー20の成形が完了する。尚、加飾材23のトップ層24の素材として、TPOシート、TPUシート以外の布地シートを使用する場合には、布地シートが通気性であるため、単にクモの巣状ホットメルトウエブ26Aを適用するだけで適用できる。尚、クモの巣状ホットメルトウエブ26Aに替えて、ホットメルトシートに多数の小孔を開設したホットメルトウエブを使用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上説明した実施例1、実施例2は、上下二分割構造のドアトリム10におけるドアトリムアッパー20に本発明に係る積層構造体を適用したが、ドアトリム10全体を積層構造体で構成しても良く、また、発泡樹脂基材21、樹脂リブ22、加飾材23の積層構造体であれば、リヤパーセルシェルフ、フロアトリム、トランクトリム、リヤサイドトリム、ピラーガーニッシュ、ルーフトリム等、内装部品全般に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明をツートンタイプの自動車用ドアトリムに適用した第1実施例を示す正面図である。
【図2】図1中II−II線断面図である。
【図3】図1に示す自動車用ドアトリムにおけるドアトリムアッパーの樹脂リブとドアトリムロアとを示す正面図である。
【図4】図1に示す自動車用ドアトリムの製造方法の概要を示す全体図である。
【図5】図1に示す自動車用ドアトリムに使用する加飾材にホットメルトフィルムをラミネート処理する工程を示す説明図である。
【図6】図1に示す自動車用ドアトリムの製造方法における加飾材、発泡樹脂シートのセット工程を示す説明図である。
【図7】図1に示す自動車用ドアトリムの製造方法におけるドアトリムアッパーの成形工程を示す説明図である。
【図8】図1に示す自動車用ドアトリムの製造方法におけるドアトリムロアの成形工程を示す説明図である。
【図9】本発明をツートンタイプの自動車用ドアトリムに適用した第2実施例を示す断面図である。
【図10】図9に示す自動車用ドアトリムの製造方法の概要を示す全体図である。
【図11】図9に示す自動車用ドアトリムの製造方法におけるドアトリムアッパーの成形工程を示す説明図である。
【図12】従来のドアトリムを示す正面図である。
【図13】図12中XIII−XIII線断面図である。
【図14】従来のドアトリムの成形方法を示す説明図である。
【符号の説明】
【0050】
10 自動車用ドアトリム
16 車体パネル
20 ドアトリムアッパー(積層構造体)
21 発泡樹脂基材
22 樹脂リブ
23 加飾材
24 トップ層
24a 針孔
25 クッション層
26 ホットメルトフィルム
26A クモの巣状ホットメルトウエブ
30 ドアトリムロア(樹脂単体品)
40 成形金型
41 成形上型
42 成形下型
424 溝部(樹脂リブ成形用)
425 キャビティ(ドアトリムロア成形用)
43a,43b 射出機
50 ヒーター装置
60,61,62 原反ロール
63 フレーム
64 圧着ロール
S 発泡樹脂シート
M1,M2 溶融樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所要形状に成形され、軽量でかつ保形性を有する発泡樹脂基材(21)と、この発泡樹脂基材(21)の裏面に積層一体化される所定パターン形状の樹脂リブ(22)と、上記発泡樹脂基材(21)の表面に貼付される加飾材(23)とからなる積層構造体(20)を全体、あるいは一部分に採用してなる自動車用内装部品(10)において、
前記積層構造体(20)における加飾材(23)の裏面にホットメルトフィルム(26)がラミネートされており、発泡樹脂基材(21)の素材である発泡樹脂シート(S)が加熱軟化処理されて成形金型(41,42)内にセットされ、その上面に加熱処理を施さないか、あるいは低温での加熱処理が施された加飾材(23)が載置され、上記発泡樹脂シート(S)の余熱及び成形金型(41,42)の型締めによる低圧のプレスで発泡樹脂基材(21)と加飾材(23)とがホットメルトフィルム(26)を介して一体化されていることを特徴とする自動車用内装部品。
【請求項2】
前記加飾材(23)は、通気性素材か、あるいは非通気性素材に針孔加工が施された通気性構造が採用されているとともに、加飾材(23)の裏面にラミネートされるホットメルトフィルム(26)は、通気性を有するホットメルトウエブ(26A)であることを特徴とする請求項1に記載の自動車用内装部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−123599(P2006−123599A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−311148(P2004−311148)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(000124454)河西工業株式会社 (593)
【Fターム(参考)】