説明

自動車用自動減速装置

【課題】実目標位置での目標速度に対する速度誤差を小さくし、運転者に与える違和感の少ない減速パターンを設定可能な自動車用自動減速装置を提供する。
【解決手段】目標位置P0での目標速度vtに向かって初めは大きい減速度a1で減速を行い、目標位置P0に向けて小さい減速度a2とすることにより実目標位置Prでの速度誤差Δvを小さくすることができる。自動ブレーキをかける際には、ナビゲーション装置での位置検出誤差を原因として目標速度vtに達する地点がばらつくことになるので、第2減速度a2に対応する低いGで誤差を感じないようにすることができる。最初は、第1減速度a1に対応する大きなGで、目標地点に近づいたらGを弱くしているので、違和感が低減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、運転者のブレーキペダルの操作に依存しない制動力を自車両に自動的に付与する自動車用自動減速装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両を目標位置に停止させる自動列車制御装置に係る技術が開示されており、その制御の仕方は、最終停止目標位置(例えば2[m])より手前を目標とし、速度が所定値、例えば10[km]以下になったときに目標を前記最終停止目標位置に置き変えるようにする。この制御により、制御指令変更を少なくして、車両の乗心地が悪化するのが抑制されると開示されている(特許文献1の第4頁左下欄8行〜13行)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−117306号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に係る列車の制動技術では、特定地点に固定された地上子から正確な位置情報が得られることを前提としている。
【0005】
これに対し、ナビゲーション装置等の位置情報に基づいて自動減速制御を行う自動車では、前記ナビゲーション装置等に基づいて設定された目標位置自体が、前記ナビゲーション装置等の誤差により実際の目標位置からずれてしまうという課題がある。
【0006】
また、特許文献1に係る列車の制動技術は、基本的には、目標位置に正確に停止することを目的としており、そのために、ノッチを±1増減する補正を許容するので、目標位置近傍で加速度が大きくなる可能性があり、その場合、乗り心地が悪くなる。
【0007】
さらに、特許文献1に係る列車の制動技術は、上述したように、目標位置に正確に停止することを目的としており、自動車のように、目標位置で、例えば、法定速度まで減ずるような制御については考慮されておらず、改良の余地がある。
【0008】
この発明は、このような種々の課題を考慮してなされたものであって、実目標位置(実際の目標位置)での目標速度に対する速度誤差を小さくすることを可能とするとともに、運転者等に与える違和感の少ない減速パターンにすることを可能とする自動車用自動減速装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る自動車用自動減速装置は、
運転者のブレーキペダルの操作に依存しない制動力を自動的に自車両に付与する自動車用自動減速装置において、
前記自車両の位置を検出する位置検出部と、
前記自動的な制動力により前記自車両を到達させる目標位置を設定する目標位置設定部と、
前記目標位置での自車両の目標速度を設定する目標速度設定部と、
設定された前記目標速度より前記自車両の速度が大きい場合、前記自車両を減速させ、前記目標位置で前記目標速度となるように速度を制御する減速制御部と、を有し、
以下の特徴(1)〜(8)を有する。
【0010】
(1)前記減速制御部は、
前記自車両が前記目標位置より手前の第1残距離位置で、定速走行から第1基準減速度で走行するように制御し、前記第1残距離位置より残距離の短い予め定めた第2残距離位置で前記第1基準減速度より減速度の小さい第2基準減速度で走行するように制御するとともに、前記目標位置で前記目標速度となるように制御する。
【0011】
この構成により、目標位置設定部により設定された目標位置が実目標位置(実際の目標位置)に対して誤差があったとしても、目標位置に近づく前の第1基準減速度により減速に要する距離・時間を短くできる一方、目標位置近傍では減速度の小さい第2基準減速度で減速走行するので実目標位置での目標速度に対する誤差を小さくすることができる。
【0012】
また、予め目標位置に近づく前に相対的に減速度の大きい第1減速度で大幅に減速し、目標位置の近傍で相対的に減速度の小さい第2減速度で減速するようにしたので、運転者は減速度の減少から感覚的に目標速度に近づいたことを知ることができる。減速パターンは、運転者に与える違和感が少ない。
【0013】
さらに、全区間を減速度の小さい第2基準減速度で自動減速する制御に比べて、自動減速区間を短くすることができるため、自動減速制御区間迄で運転者の操縦操作の自由度を大きくすることができる。
【0014】
なお、目標位置の設定は、目標位置設定手段が自動で行ってもよく、運転者等の操作者が手動で行ってもよい。
【0015】
(2)前記特徴(1)を有する発明において、
前記減速制御部は、
前記目標位置で前記目標速度となるように制御するために、前記定速走行での速度、前記第1基準減速度、及び前記第1基準減速度より小さい前記第2基準減速度の順の速度パターンで前記自車両を制御する際、
前記速度パターンの設定を、
まず、前記自車両が前記目標位置より手前の予め定めた前記第2残距離位置で、前記第1基準減速度より減速度の小さい前記第2基準減速度に切り換えて走行するように設定し、
次に、前記第2残距離と前記第2基準減速度と前記目標速度とに基づき、前記第2残距離位置での速度を算出し、
さらに、算出した速度と、現在速度と、前記第2残距離と、前記第1基準減速度とに基づき、前記定速走行から前記第1基準減速度走行に切り換える前記第2残距離より残距離の長い第1残距離を決定することを特徴とする。
【0016】
この構成により、前記第1基準減速度より減速度の小さい前記第2基準減速度に切り換える第2残距離位置を予め定め、さらにこの第2の残距離位置での速度を算出することで、減速度制御の設定を具体的に実行することができる。
【0017】
(3)前記の特徴(1)又は(2)を有する発明において、
前記減速制御部は、
前記自車両の位置を検出する前記位置検出部による位置の検出精度が低くなるに応じて、予め定める前記第2残距離をより長く設定する。
【0018】
この構成により、位置の検出精度が低くなるに応じて、予め定める前記第2残距離をより長く設定することで、前記目標位置での前記目標速度の誤差を位置の検出精度が高いときと同等とすることができる。
【0019】
(4)前記特徴(1)又は(2)を有する発明において、
前記減速制御部は、
前記自車両の位置を検出する前記位置検出部による位置の検出精度が低くなるに応じて、前記第2基準減速度を小さくし、前記第1基準減速度を大きく設定する。
【0020】
この構成により、位置の検出精度が低くなるに応じて、前記第2基準減速度を小さくし、前記第1基準減速度を大きく設定することで、前記目標位置での前記目標速度の誤差を、位置検出部による位置の検出精度が高いときと同等とすることができる。
【0021】
(5)前記特徴(3)又は(4)を有する発明において、
前記減速制御部は、
前記自車両の位置を検出する位置検出部が衛星測位装置を利用するものである場合、位置が検出されたときの衛星の数が少ないほど位置の検出精度が低いと判定してもよい。
【0022】
(6)前記特徴(3)又は(4)を有する発明において、
前記減速制御部は、
前記自車両の位置を検出する位置検出手段が衛星測位装置と、所定単位の走行距離毎に前記衛星測位装置による位置と道路地図とを比較して自車両の位置を補正するマップマッチング部と、を利用する場合、前記マップマッチング部により位置が補正されなかったとき、位置の検出精度が低いと判定することを特徴とする。
【0023】
この場合、マップマッチングが行われると、道路地図に対する現在位置のずれが小さくなるため、上記制御により自動減速を行う全体の区間を短くして、運転者の操作性を確保することができる。
【0024】
(7)前記減速制御部は、
前記自車両が前記目標位置より手前の第1残距離位置で、定速走行から第1基準減速度で走行するように制御し、前記第1残距離位置より残距離の短い予め定めた第2残距離位置の前後の区間で前記第1基準減速度を徐々に小さくして第2基準減速度で走行するように制御するとともに、前記目標位置で前記目標速度となるように制御することで、目標位置近傍での減速度の変更によるショックを低減することができる。
【0025】
(8)前記減速制御部は、
前記自車両が前記目標位置より手前の第1残距離位置の前後の区間で、定速走行から減速度を徐々に増加させて第1基準減速度で走行するように制御し、前記第1残距離位置より残距離の短い予め定めた第2残距離位置の前後の区間で前記第1基準減速度を徐々に小さくして第2基準減速度で走行するように制御するとともに、前記目標位置で前記目標速度となるように制御することで、車速が大きい場合にも減速距離を短くすることができ、かつ減速度の変更によるショックを低減することができる。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、実目標位置(実際の目標位置)での目標速度に対する速度誤差を小さくすることができ、かつ運転者に与える違和感の少ない減速パターンを設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の一実施形態に係る自動車用自動減速装置のブロック図である。
【図2】目標位置までの残距離と速度・減速度との対応関係説明である。
【図3】目標位置で目標速度になるように減速制御する自動ブレーキ制御部による処理の説明に供されるフローチャートである。
【図4】実施形態に係る目標位置までの残距離に対する速度と減速度の設定特性を示す説明図である。
【図5】図3中の速度特性の設定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図6】図6Aは、第1実施例に係る目標位置までの残距離と速度・減速度との対応関係の説明図である。図6Bは、第1実施例に係る目標位置までの残距離と速度との対応関係の説明図である。
【図7】図7Aは、第2実施例に係る目標位置までの残距離と速度・減速度との対応関係の説明図である。図7Bは、第2実施例に係る目標位置までの残距離と速度との対応関係の説明図である。
【図8】第3実施例に係る目標位置までの残距離と速度・減速度との対応関係の説明図である。
【図9】第4実施例に係る目標位置までの残距離と速度・減速度との対応関係の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0029】
図1は、この実施形態に係る自動車用自動減速装置10のブロック図である。自動車用自動減速装置10は、四輪乗用車等の車両(自車両ともいう。)11に搭載され、基本的には、アクセルペダル12と、操作量センサ14(アクセルペダル操作量センサ)と、車速センサ16(車速計)と、自動ブレーキ機構18と、ナビゲーション装置20と、ECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)22と、反力付与機構24と、車速制御機構26と、ブレーキペダル28とを備える。
【0030】
アクセルベダル操作量センサ14は、アクセルペダル12の原位置(θ=0[゜])からの操作量(アクセルペダル操作量θ[゜])をポテンショメータ等により検出し、ECU22に出力する。
【0031】
車速センサ16は、車両の車速(現在の速度)v[km/h]を測定し、ECU22に出力する。
【0032】
自動ブレーキ機構18は、油圧制御機構18Aとブレーキアクチュエータ18Bとを含む。ブレーキアクチュエータ18Bは、図示しない4輪の車輪に、それぞれ制動力を発生するディスクブレーキ等により構成され、ブレーキアクチュエータ18Bの各制動力(制動油圧)は、油圧制御機構18A内の4つの圧力調整器(不図示)によりそれぞれ制御される。
【0033】
油圧制御機構18Aは、ブレーキペダル28の踏込量に応じた制動油圧を発生するとともに、ECU22を構成する自動ブレーキ制御部22Bから出力される運転者のブレーキペダル28の操作に依存しない制動力指令値に応じて制動油圧を発生し、ブレーキアクチュエータ18Bに出力する構成とされている。
【0034】
図2に示すように、この実施の形態において、自動ブレーキ制御部22Bは、自車両11が目標位置P0(システム出力目標位置)より手前の第1残距離位置P1(残距離xは、第1残距離x1)で、定速走行(現在速度vc)から第1基準減速度(第1減速度)a1で走行するように制御し、第1残距離位置P1(x=x1)より残距離xの短い予め定めた第2残距離位置P2(残距離xは、第2残距離x2)で第1基準減速度a1より減速度の小さい第2基準減速度(第2減速度)a2(a2<a1)で走行するように制御するとともに、目標位置P0で目標速度vt(vt≧0)となるように自動ブレーキ機構18を通じて自車両11の速度v及び減速度aを制御する。
【0035】
なお、図2において、目標位置P0は、目標速度・位置設定部22Dが設定したシステム出力目標位置P0であり、速度規制標識等の設置された実目標位置Prとは、位置誤差(図2では、残距離x3)に応じてずれた位置に設定されることになる。この実施形態において、位置誤差は、ナビゲーション装置20による誤差が支配的である。
【0036】
ナビゲーション装置20は、衛星測位装置であるGPS(Global Positioning System)を用いて車両の位置を検出可能であると共に、道路地図及び各道路の推奨速度Vs[km/h]の情報等を記憶したメモリ30を備えている。また、ナビゲーション装置20は、道路地図上に自車両11の位置を表示する表示部20Aと、タッチパネル等により構成される入力部20B(目標位置設定部としても機能する。)と、ナビゲーション装置20により検出した位置に対して道路地図とを参照して表示部20A上の自車両11の位置を近傍の道路の中等の位置に修正するマップマッチング部20Cを備える。
【0037】
ここで、推奨速度Vsは、例えば、各道路の状況に応じて燃費を最適化できる速度、いわゆる巡航速度の他、各道路の制限速度を示す。燃費を最適化できる速度は、車両の燃費性能特性、道路の勾配、道路の種類(アスファルト、砂利道等)、カーブの有無等により予め設定しておくことができる。
【0038】
また、推奨速度Vsは、上述した燃費最適化速度あるいは道路の制限速度以外に、図示しないレーダ装置により検出可能な先行車との距離情報、ワイパーの操作や雨滴センサの情報、各道路における過去の事故発生履歴、その道路の実勢走行速度(ナビゲーション装置搭載車両からその道路の走行速度を外部の情報センタで吸い上げ、情報センタが実勢走行速度を計算する。)、道路環境(郊外、市街地、住宅地、又はスクールゾーン等)、道路の幅員・車線数、画像処理によって検出した道路標示、路面のμ等の情報のいずれか又は複数から推奨速度推定部22Cにより推測され決定、すなわち推定される。
【0039】
ECU22の反力制御部22Aは、推奨速度Vsと現在の速度(現在速度)vc等を用いてアクセルペダル12に付与する反力Frを算出して制御信号を生成し、反力付与機構24を通じてアクセルペダル12に反力Frを付与する。
【0040】
反力付与機構24は、アクセルペダル12に連結された図示しないモータ等からなり、ECU22から受領した制御信号に応じた反力Frをアクセルペダル12に付与する。
【0041】
これにより、アクセルペダル12には、ばね等によるアクセルペダル12自体の原位置復帰力(原位置に復帰しようとする力で、アクセルペダル12から足を離したときにアクセルペダル12は、アクセルペダル操作量θがθ=0[゜]の原位置に復帰する。)に加えて反力付与機構24からの反力Frが付加される。
【0042】
車速制御機構26は、アクセルペダル操作量θに基づき、いわゆるドライブ・バイ・ワイヤ制御により開度が制御されるスロットルバルブの他、トランスミッションシステムを含む。
【0043】
ECU22は、CPUが各種入力に基づきROM等のメモリ(記憶部)23に格納されたプログラムを実行することで各種の機能を実現する機能実現部(機能実現手段)として動作する。この実施形態において、ECU22は、反力制御部22A、自動ブレーキ制御部22B、推奨速度推定部22C、及び目標速度・位置設定部22D等として機能する。なお、メモリ23には、ROMの他、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、ハードディスク等が含まれる。
【0044】
この実施形態に係る自動車用自動減速装置10は、基本的には以上のように構成され、かつ動作するものであり、次に、車速制御機構26及び自動ブレーキ機構18により一定速度でクルーズ走行中(定速走行中)の自車両11が、目標位置P0で目標速度vtになるように減速制御する自動ブレーキ制御部22Bによる処理について、図3のフローチャートを参照して詳しく説明する。
【0045】
ステップS1において、自動ブレーキ制御部22Bは、ナビゲーション装置20の出力を監視する推奨速度推定部22Cを通じて、走行路上所定距離範囲内の前方に、車速(現在速度)vcを減速する必要のある推奨速度Vsが推定されているか否かを検出する。
【0046】
推奨速度Vsが推定されていた場合、ステップS2において、目標速度・位置設定部22Dは、その推奨速度Vsとすべき位置を目標位置P0(残距離x=0)に設定するとともに、目標位置P0での推奨速度Vsを目標速度vtに設定する(vt=Vs)。
【0047】
目標位置P0及びこの目標位置P0での目標速度vtは、自動ブレーキ制御部22Bが自動設定しているが、運転者等が入力部20Bを用いて手動で設定することもできる。
【0048】
次いで、ステップS3において、現在速度vcが目標速度vtを上回る速度であるか否かを判定する。
【0049】
現在速度vcが目標速度vtを上回る速度であるとき、言い換えれば、目標速度vtが現在速度vcを下回る速度であるとき、ステップS4において、自動ブレーキ制御部22Bは、車速制御機構26及び自動ブレーキ機構18が参照する速度特性54を設定する。
【0050】
速度特性54の設定の仕方にはついては後述するが、図4は、設定結果の速度特性54を示している。
【0051】
この速度特性54は、現在位置Pc(残距離xp)から第1残距離位置P1(第1残距離x1)までの定速走行区間64、第1残距離位置P1(第1残距離x1)から第2残距離位置P2(第2残距離x2)までの第1基準減速度a1で走行する第1減速区間71、及び第2残距離位置P2(第2残距離x2)からシステム出力目標位置P0(残距離0)までの第2基準減速度a2で走行する第2減速区間72での速度・減速度特性である。
【0052】
この速度特性54は、システム出力目標位置P0が実目標位置Prに対して誤差があったとしても、目標位置P0に近づく前の相対的に大きな第1基準減速度a1により減速に要する距離・時間を短くするとともに、目標位置P0近傍では相対的に減速度の小さい第2基準減速度a2で減速走行させ実目標位置Prでの目標速度vtに対する誤差(速度誤差)Δv(Δvj<Δvk)がなるべく小さくなるように設定する。
【0053】
図5は、ステップS4の速度特性54の設定の詳細フローチャートである。
【0054】
まず、ステップS4aにおいて、第1減速区間71での第1減速度a1から第2減速区間72での第2減速度a2に切り換える第2残距離位置P2(減速度切換位置)の目標位置P0からの第2残距離x2を設定(算出)する。
【0055】
この第2残距離x2は、現在速度vc、現在位置Pcからシステム出力目標位置P0までの距離、路面の状況、天候等の走行状況、及び車種等に対して的確な値に予め定められる(メモリ23に第2残距離設定特性、又は設定マップとして予め記憶されている)、通常100[m]程度以下の値である。
【0056】
次いで、ステップS4bにおいて、第2残距離位置P2での速度vs(減速度切換位置速度)を、次の(1)式の等加速度直線運動の式(公式)から算出する。
vs−vt=2×x2×a2 …(1)
【0057】
(1)式において、目標速度vt、第2残距離x2(目標位置P0での残距離xをx=0としている。)、及び第2減速度a2が既知であるので、減速度切換位置速度vsを算出することができる。
【0058】
次に、ステップS4cにおいて、定速走行区間64から第1減速区間71への切換位置である第1残距離位置P1での第1残距離x1を、次の(2)式の等加速度直線運動の式(公式)から算出する。
vc−vs=2×|x1−x2|×a1 …(2)
【0059】
ここで、現在速度vc、減速度切換位置速度vs、第2残距離x2、及び第1減速度a1が既知であるので、第1残距離x1を算出することができる。
【0060】
このようにして、ステップS4で、図4に示す速度特性54(第1残距離位置P1で定速度である現在速度vcから第1減速度a1に切り換え、第2残距離位置P2で第1減速度a1から第2減速度a2に切り換え、目標位置P0での速度vが目標速度vtとなる特性)が設定される。このとき、同時に、図4に示す減速度特性154が設定される。
【0061】
次いで、ステップS5において、自動ブレーキ制御部22Bは、設定した速度特性54及び減速度特性154に基づき、ナビゲーション装置20からの現在位置と車速センサ16からの車速vを参照(引数と)して、車速制御機構26及び自動ブレーキ機構18を制御することで図4の実線で示す速度特性54に沿った減速制御を行う。
【0062】
すなわち、速度特性54では、残距離xpから第1残距離x1までが現在速度vcでの定速走行区間64とされ、第1残距離位置P1(第1残距離x1)から第2残距離位置P2(第2残距離x2)まで減速度の大きい第1減速度a1での第1減速区間71とされ、第2残距離位置P2(第2残距離x2)からシステム出力目標位置P0(残距離x=0)まで減速度の小さい第2減速度a2での第2減速区間72とされる。
【0063】
以上説明したように、上述した実施形態によれば、運転者のブレーキペダル28の操作に依存しない制動力を自動的に自車両11に付与する自動車用自動減速装置10が、自車両11の位置を検出するナビゲーション装置20(位置検出部)と、前記自動的な制動力により自車両11を到達させる目標位置P0を設定する目標位置設定部としての目標速度・位置設定部22Dと、目標位置P0での自車両11の目標速度vtを設定する目標速度設定部としての目標速度・位置設定部22Dと、設定された目標速度vtより自車両11の現在速度vcが大きい場合、自車両11を減速させ、目標位置P0で目標速度vtとなるように速度vを減速制御する減速制御部としての自動ブレーキ制御部22Bをと、有する。
【0064】
この実施形態においては、自動ブレーキ制御部22Bは、自車両11が目標位置P0より手前の第1残距離位置P1で、定速走行から第1基準減速度a1で走行するように制御し、第1残距離位置P1より残距離xの短い予め定めた第2残距離位置x2で第1基準減速度a1より減速度の小さい第2基準減速度a2で走行するように制御するとともに、目標位置P0で目標速度vtとなるように制御している。
【0065】
この構成によれば、目標速度・位置設定部22Dにより設定された目標位置P0が実目標位置(実際の目標位置)Prに対して誤差があったとしても、目標位置P0に近づく前の相対的に大きな第1基準減速度a1により、減速に要する距離・時間を短くできる一方、目標位置P0近傍では減速度の小さい第2基準減速度a2で減速走行するので実目標位置Prでの目標速度vtに対する誤差を小さくすることができる。
【0066】
効果について比較例と対比して説明すれば、減速区間で減速度特性を一つだけ持つ比較例としての一点鎖線で示す速度特性52では、残距離xpから残距離xaまでが現在速度vcでの定速走行区間62とされ、残距離xaの位置から目標位置P0(残距離x=0)まで減速度の小さい第2減速度a2とされる。また、減速区間で減速度特性を一つだけ持つ他の比較例としての二点鎖線で示す速度特性50では、残距離xpから残距離xbまでが現在速度vcでの定速走行区間60とされ、残距離xbの位置から目標位置P0(残距離x=0)まで減速度の大きい第1減速度a1とされる。
【0067】
実目標位置P0での速度誤差Δvは、実施形態に係る速度特性54による速度誤差Δvjを比較例に係る速度特性50による速度誤差Δvkより小さくすることができる(Δvj<Δvk)。
【0068】
実施形態に係る定速走行区間64は、比較例に係る速度特性52による定速走行区間62より長い。
【0069】
また、この実施形態によれば、予め目標位置P0に近づく前に大幅に減速し、目標位置P0の近傍で減速度を小さくしているので、運転者は目標速度vtに近づいたことを知ることができ、運転者に与える違和感の少ない減速パターンとなっていることが分かる。
【0070】
第1残距離位置P1の手前位置、第2残距離位置P2の手前位置で、ECU22の自動ブレーキ制御部22Bは、ナビゲーション装置20の表示部20A及び/又はスピーカを利用した音声出力を通じて、それぞれ速度vcでの定速走行とすること、減速度aが第1減速度a1になること、減速度aが第2減速度a2になることを通知することが好ましい。
【0071】
上述したように、減速全区間を減速度の小さい第2基準減速度a2で自動減速する比較例での制御に比べて、自動減速区間を短くする(xa〜0をx1〜0にする)ことができるため、運転者のドライバビリティを向上させることができる。実際上、第1残距離x1の第1残距離位置P1での速度が速度vcであれば、残距離xpから残距離x1間の距離は、自由な速度vで走行することができる。第1残距離位置P1の直前で速度vcでの定速走行状態になっていればよい。
【0072】
上述した実施形態では、自動ブレーキ制御部22Bは、目標位置P0で目標速度vtとなるように制御するために、現在速度vcでの定速走行、第1基準減速度a1での減速走行、及び第1基準減速度a1より小さい第2基準減速度a2の順での減速走行の速度パターンを設定し、速度パターンを設定する際、自車両11が目標位置P0より手前の予め定めた第2残距離位置P2で、第1基準減速度a1より減速度の小さい第2基準減速度a2に切り換えて走行するように設定した後、第2残距離x2と第2基準減速度a2と目標速度vtとに基づき、第2残距離位置P2での速度vsを算出し{(1)式参照}、さらに、算出した速度vsと、現在速度vcと、第2残距離x2と、第1基準減速度a1とに基づき、前記定速走行から前記第1基準減速度走行に切り換える、第2残距離x2より残距離xの長い第1残距離x1を決定する{(2)式参照}。
【0073】
この構成によれば、第1基準減速度a1より減速度の小さい第2基準減速度a2に切り換える第2残距離位置Psを予め定め、さらにこの第2残距離位置Psでの速度vsを算出することで、減速度制御の設定を具体的に実行することができる。
【0074】
上述の実施形態の作用効果について簡潔に説明すると、目標位置P0の手前近傍では減速度aを小さい第2減速度a2として、実目標位置Prでの速度誤差Δvを少なくする。その一方、目標位置P0に近づく以前では、減速度aを大きな減速度a1として、減速に要する距離を短くする。すなわち、目標位置P0での目標速度vtに向かって初めは大きい減速度a1で減速を行い、目標位置P0に向けて小さい減速度a2とすることにより実目標位置Prでの速度誤差Δvを小さくすることができる。
【0075】
自動ブレーキをかける際には、ナビゲーション装置20での位置検出誤差を原因として目標速度vtに達する地点がばらつくことになるので、第2減速度a2に対応する低いG(ジー、ここでは減速度の意味。)で誤差を感じないようにすることができる。最初は、第1減速度a1に対応する大きなGで、目標地点に近づいたらGを弱くしているので、違和感が低減される。
【0076】
なお、目標位置P0を停止位置(v=0)に設定していた場合、実目標位置Prの手前又は奥で停止する(自動ブレーキ制御が停止する)ときもあるが、その場合には、距離誤差が少ないので、実用上十分の性能である。
【0077】
[第1実施例]
この第1実施例では、図6A、図6Bに示すように、自動ブレーキ制御部22Bは、自車両11の位置を検出するナビゲーション装置20による位置の検出精度が低くなるのを検出するのに応じて、予め定める第2残距離x2をより長く設定するようにしている。
【0078】
位置の検出精度が低い場合は、図6A中、横方向に伸びる両方向矢印100で模式的に示すように、第2残距離x2を手前側に設定するとともに、これに合わせて(2)式に基づき、横方向に伸びる両方向矢印102で模式的に示すように、第1残距離x1を手前側に設定する。これにより、定速走行区間64がより短い定速走行区間64fに設定されるとともに、速度特性54が速度特性54aに変更される。
【0079】
その一方、位置の検出精度が高い場合は、第2残距離x2を奥側に設定するとともに、これに合わせて(2)式に基づき、第1残距離x1を奥側に設定する(定速走行区間64をより長い定速走行区間64bに設定する。)。定速走行区間64が定速走行区間64bに変更されるとともに、速度特性54が速度特性54bに変更される。
【0080】
ナビゲーション装置20の精度によって、位置の検出精度が低くなることに応じて、予め定める第2残距離x2をより長く設定することで、目標位置P0での目標速度vtの誤差Δvjを位置の検出精度が高いときと同等とすることができる。
【0081】
[第2実施例]
この第2実施例では、図7A、図7Bに示すように、自動ブレーキ制御部22Bは、自車両11の位置を検出するナビゲーション装置20による位置の検出精度が低くなることに応じて、第2基準減速度a2を小さくし、第1基準減速度a1を大きく設定するようにしてもよい。
【0082】
図7A中、縦方向に伸びる両方向矢印104、106で模式的に示すように、位置の検出精度が低い場合は、特性50の第1減速度a1を特性50′の第1減速度a1´側(図7B)に大きくするとともに、特性52の第2減速度a2を特性52´´第2減速度a2´´側(図7B)に小さくする。位置の検出精度が高い場合は、特性50の第1減速度a1を特性50´´の第1減速度a1´´側(図7B)に小さくするとともに、特性52の第2減速度a2を特性52´側の第2減速度a2´(図7B)側(図7B)に大きくする。
【0083】
このように、ナビゲーション装置20で検出される位置の検出精度が低くなるに応じて、第2基準減速度a2を小さくし、第1基準減速度a1を大きく設定することで、目標位置P0での目標速度vtの誤差を、位置の検出精度が高いときと同等とすることができる。
【0084】
なお、位置検出を衛星測位装置で行うナビゲーション装置20を利用して行う場合、位置が算出されたときの衛星の数が少ないほど、検出精度が低いと判定することができる。
【0085】
なお、上述した第1実施例及び第2実施例において、自動ブレーキ制御部22Bは、自車両11の位置を検出するナビゲーション装置20が、衛星測位装置と、所定単位の走行距離毎に衛星測位装置による位置と道路地図とを比較して自車両11の位置を補正するマップマッチング部20Cとを利用するものであるので、マップマッチング処理を採用しているか否かを検出し、マップマッチング処理が行われていれば、現在位置と道路地図とのずれが小さくなるため、上記制御により自動減速を行う全体の区間(x1〜0の区間)をより短くして、運転者の操作性を確保することができる。
【0086】
自車両11の位置を検出する位置検出部が衛星測位装置のみである場合、位置が検出されたときの衛星の数が少ないほど位置の検出精度が低いと判定することができる。
【0087】
[第3実施例]
この第3実施例は、図8に示すように、自動ブレーキ制御部22Bは、自車両11が目標位置P0より手前の第1残距離位置P1で、定速走行(v=vc、a=0)から第1基準減速度a1で走行するように制御し、第1残距離位置P1より残距離xの短い予め定めた第2残距離位置x2の前後の区間(残距離xc〜xdの区間)で第1基準減速度a1を徐々に小さくして第2基準減速度a2で走行するように制御するとともに、目標位置P0で目標速度vtとなるように制御することで、目標位置P0の近傍である第2残距離位置P2近傍での減速度aの変更(第1基準減速度a1から第2基準減速度a2への変更)によるショックを低減することができる。
【0088】
[第4実施例]
この第4実施例は、図9に示すように、自動ブレーキ制御部22Bは、減速制御に入る時点での自車速度vの大きさに応じて、自車速度v=vc′(a=0)の場合、速度特性54c、減速度特性154cに示すように、自車両11が目標位置P0より手前の第1残距離位置x1′から減速度aをa=0から徐々に増加させて第1基準減速度a1′で走行するように制御し、第1残距離位置P1より残距離xの短い予め定めた第2残距離位置Psの手前の残距離xcの位置から第1基準減速度a1′を徐々に小さくして残距離xdから第2基準減速度a2で走行するように制御するとともに、目標位置P0で目標速度vtとなるように制御することで、車速vがv=vc′′と大きい場合にも減速距離を短くすることができ、かつ減速度の変更によるショックを低減することができる。
【0089】
また、自車速度v=vc′′(vc′′<vc′、a=0)の場合、速度特性54b、減速度特性154bに示すように、自車両11が目標位置P0より手前の第1残距離位置x1′′から減速度aをa=0から増加させて第1基準減速度a1′′で走行するように制御し、第1残距離位置P1より残距離xの短い予め定めた第2残距離位置Psの手前の残距離xcの位置から第1基準減速度a1′′を徐々に小さくして残距離xdから第2基準減速度a2で走行するように制御するとともに、目標位置P0で目標速度vtとなるように制御することで、車速vがv=vc′と小さい場合にも減速距離を短くすることができ、かつ減速度の変更によるショックを低減することができる。
【0090】
なお、この発明は、上述の実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0091】
10…自動車用自動減速装置 11…車両(自車両)
16…車速センサ 18…自動ブレーキ機構
20…ナビゲーション装置 22…ECU
a…減速度 a1…第1基準減速度
a2…第2基準減速度
P0…目標位置(システム出力目標位置) P1…第1残距離位置
P2…第2残距離位置 Pc…現在位置
Pr…実目標位置 v…車速(速度)
vc…現在速度 vt…目標速度
x…残距離 x1…第1残距離
x2…第2残距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者のブレーキペダルの操作に依存しない制動力を自動的に自車両に付与する自動車用自動減速装置において、
前記自車両の位置を検出する位置検出部と、
前記自動的な制動力により前記自車両を到達させる目標位置を設定する目標位置設定部と、
前記目標位置での自車両の目標速度を設定する目標速度設定部と、
設定された前記目標速度より前記自車両の速度が大きい場合、前記自車両を減速させ、前記目標位置で前記目標速度となるように速度を制御する減速制御部と、を有し、
前記減速制御部は、
前記自車両が前記目標位置より手前の第1残距離位置で、定速走行から第1基準減速度で走行するように制御し、前記第1残距離位置より残距離の短い予め定めた第2残距離位置で前記第1基準減速度より減速度の小さい第2基準減速度で走行するように制御するとともに、前記目標位置で前記目標速度となるように制御する
ことを特徴とする自動車用自動減速装置。
【請求項2】
請求項1記載の自動車用自動減速装置において、
前記減速制御部は、
前記目標位置で前記目標速度となるように制御するために、前記定速走行での速度、前記第1基準減速度、及び前記第1基準減速度より小さい前記第2基準減速度の順の速度パターンで前記自車両を制御する際、
前記速度パターンの設定を、
まず、前記自車両が前記目標位置より手前の予め定めた前記第2残距離位置で、前記第1基準減速度より減速度の小さい前記第2基準減速度に切り換えて走行するように設定し、
次に、前記第2残距離と前記第2基準減速度と前記目標速度とに基づき、前記第2残距離位置での速度を算出し、
さらに、算出した速度と、現在速度と、前記第2残距離と、前記第1基準減速度とに基づき、前記定速走行から前記第1基準減速度走行に切り換える前記第2残距離より残距離の長い第1残距離を決定する
ことを特徴とする自動車用自動減速装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の自動車用自動減速装置において、
前記減速制御部は、
前記自車両の位置を検出する前記位置検出部による位置の検出精度が低くなるに応じて、予め定める前記第2残距離をより長く設定する
ことを特徴とする自動車用自動減速装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載の自動車用自動減速装置において、
前記減速制御部は、
前記自車両の位置を検出する前記位置検出部による位置の検出精度が低くなるに応じて、前記第2基準減速度を小さくし、前記第1基準減速度を大きく設定する
ことを特徴とする自動車用自動減速装置。
【請求項5】
請求項3又は4記載の自動車用自動減速装置において、
前記減速制御部は、
前記自車両の位置を検出する位置検出部が衛星測位装置を利用するものである場合、位置が検出されたときの衛星の数が少ないほど位置の検出精度が低いと判定する
ことを特徴とする自動車用自動減速装置。
【請求項6】
請求項3又は4記載の自動車用自動減速装置において、
前記減速制御部は、
前記自車両の位置を検出する位置検出部が衛星測位装置と、所定単位の走行距離毎に前記衛星測位装置による位置と道路地図とを比較して自車両の位置を補正するマップマッチング部と、を利用する場合、前記マップマッチング部により位置が補正されなかったとき、位置の検出精度が低いと判定する
ことを特徴とする自動車用自動減速装置。
【請求項7】
運転者のブレーキペダルの操作に依存しない制動力を自動的に自車両に付与する自動車用自動減速装置において、
前記自車両の位置を検出する位置検出部と、
前記自動的な制動力により前記自車両を到達させる目標位置を設定する目標位置設定部と、
前記目標位置での自車両の目標速度を設定する目標速度設定部と、
設定された前記目標速度より前記自車両の速度が大きい場合、前記自車両を減速させ、前記目標位置で前記目標速度となるように速度を制御する減速制御部と、を有し、
前記減速制御部は、
前記自車両が前記目標位置より手前の第1残距離位置で、定速走行から第1基準減速度で走行するように制御し、前記第1残距離位置より残距離の短い予め定めた第2残距離位置の前後の区間で前記第1基準減速度を徐々に小さくして第2基準減速度で走行するように制御するとともに、前記目標位置で前記目標速度となるように制御する
ことを特徴とする自動車用自動減速装置。
【請求項8】
運転者のブレーキペダルの操作に依存しない制動力を自動的に自車両に付与する自動車用自動減速装置において、
前記自車両の位置を検出する位置検出部と、
前記自動的な制動力により前記自車両を到達させる目標位置を設定する目標位置設定部と、
前記目標位置での自車両の目標速度を設定する目標速度設定部と、
設定された前記目標速度より前記自車両の速度が大きい場合、前記自車両を減速させ、前記目標位置で前記目標速度となるように速度を制御する減速制御部と、を有し、
前記減速制御部は、
前記自車両が前記目標位置より手前の第1残距離位置の前後の区間で、定速走行から減速度を徐々に増加させて第1基準減速度で走行するように制御し、前記第1残距離位置より残距離の短い予め定めた第2残距離位置の前後の区間で前記第1基準減速度を徐々に小さくして第2基準減速度で走行するように制御するとともに、前記目標位置で前記目標速度となるように制御する
ことを特徴とする自動車用自動減速装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−148699(P2012−148699A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9694(P2011−9694)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】