説明

自動車用運転支援システム

本発明は、少なくとも1つの駆動ユニットと、1つのステアリング装置と、1つのブレーキ装置とを有する、電子制御式駆動伝達系を備えた、自動車、特に多用途車に関する。自動車の運転を簡素化するために、表示装置(7)と、入力装置(8)と、制御システム(9)とを備えた運転支援システム(6)が設けられる。表示装置(7)は、車両の実際の向き及び実際の位置、及び車両の比較的近い周囲状況を、モニタ(10)に表示するよう適合される。入力装置(8)は、車両の所望の向き及び所望の位置を入力するよう適合される。制御システム(9)は、運転アルゴリズム(12)を処理するように適合され、駆動伝達系を作動させて、車両の周囲状況を考慮しつつ、車両をその実際の向き及び実際の位置からその所望の向き及び所望の位置に移動する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段の特徴を有する、自動車、特に多用途車に関する。
【背景技術】
【0002】
このような自動車が、たとえば特許文献1より知られており、車両の、少なくとも1つのステアリング装置と、1つのブレーキ装置と、1つの駆動ユニットとを有する電子制御式駆動伝達系を備える。たとえば、アクセルペダル、ブレーキペダル、及びステアリングハンドル、又はブレーキペダル、アクセルペダル、及び/又はステリングホイールの機能を有するジョイスティック又は操縦桿などの、手動で操作される制御要素が、駆動伝達系を制御するために設けられる。制御要素は、起動されると、駆動伝達系の各構成部品のアクチュエータによって実行される制御コマンドを生成する。コマンドは、電気信号の形態で電子的に転送される。基本的に、駆動伝達系の制御要素と関連構成部品との間の、機械的又は油圧的な結合は不要であり、前記結合とは、たとえば、ステアリングコラム、ブレーキ油圧装置、又はアクセルペダル用ボーデンケーブルである。したがって、このような電子制御式駆動伝達系は、ドライブバイワイヤシステム、又は、エックスバイワイヤシステムと呼ばれる。
【0003】
自動車を運転する時に、特にバックする(逆方向に走行する)時には、衝突の危険性及び事故の危険性を減少させるために、特にトラックの場合では、誘導する人がいると便利である。
【0004】
これは、バックする時に特に複雑な運動学を示す、牽引車両及びトレーラ又はセミトレーラからなる車両の組合せの場合に、特にそうである。自動車に誘導員を使うことは比較的高価であるので、コストのかかる誘導員を使わずに済ませることができる程度に、運転操作を簡素化したいという要望がある。
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第10032179A1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、冒頭で説明した種類の車両について、特に運転が簡素化された、改良実施形態を実現するという課題に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、本発明に従って、独立請求項の主題によって解決される。有利な実施形態が、従属請求項の主題である。
【0008】
本発明は、車両の周囲状況に対して車両の実際の状況がモニタに表示され、車両の要求された所望の状況が予め定義でき、好適な運転アルゴリズムを使用して駆動伝達系を作動させて、車両の周囲状況を考慮しつつ、車両をその実際の状況から要求された所望の状況に自動的に移動する運転支援システムを、自動車に装備するという一般的な考え方に基づくものである。たとえば、本発明に従って構成された乗用車が、脇の駐車スペースに自動的に駐車され得る。同様に、本発明による車両の組合せが、そのトレーラが(狭い)積込ランプの方に自動的にバックで動かされるよう作動される。車両の実際の状況及び車両の現在の周囲状況を表示するための、本発明に従って提案された表示装置により、所望の状況の入力が簡素化される。さらに、モニタにより、運転支援システムが充分に機能していることを視覚的に検査できる。運転アルゴリズムによる車両の自動運転により、特に、車両動力学(横揺れ、傾き)により又は車両運動学(連結車両のジャックナイフ現象)から生じる恐れのある危険な状況を回避することができる。したがって、車両の運転がより安全となる。
【0009】
車両に固定されており、車両の実際の位置、実際の向き、及び周囲用のデータを取得する決定装置が、設けられることが好ましい。車両の実際の状況及び車両の現在の周囲状況をモニタに表示することについて、本発明による車両は、この実施形態においては自律型、つまり外部装置から独立している。したがって、運転支援システムの使いやすさが向上する。
【0010】
追加形態又は代替形態として、車両から遠隔にある決定装置を設けることもでき、前記決定装置はデータ送受信機に接続され、これにより、運転支援システムに接続された車載のデータ受信機に、データを送信することができる。たとえば、荷物の配送センターに、車両から遠隔にあるこのような決定装置を設けることが可能である。これにより、車両の位置及び向きの実測値について、及び、車両の周囲、つまり特に障害物の位置について、より高い精度が得られる。たとえば、配送センター内のローディングステーションの位置が知られており、またこれは固定しているものなので、関連位置データが、比較的正確に取得され得る。さらに、車両から遠隔にある決定装置により、複数の自動車の運転操作の調整が簡素化され得る。
【0011】
1つの発展形態においては、入力装置は表示装置と通信し、表示装置は、さらに、入力装置を用いて入力された車両の所望の状況をモニタに表示する。したがって、車両の運転者は、要求された所望の状況が取得された車両の周囲と一致するかどうかを容易に検査できる。1つの特に好ましい発展形態においては、所望の状況は、それがモニタに表示されている間に、入力要素を用いて入力される。したがって、入力要素は、たとえばカーソルがモニタ上で調整されるよう構成される。この結果、要求された所望の状況は、モニタを用いて、容易に予め定義される。こうして、運転支援システムを容易に取り扱うことができるようになる。
【0012】
車両にはまた、非常ブレーキ装置が車両と障害物との衝突の危険性を検出すると、車両を自動的に制動するよう設計され、距離センサシステムと協動する非常ブレーキ装置が装備される。本発明の1つの特に好ましい発展形態においては、運転支援システムは、運転アルゴリズムが実行されている最中に、車両に衝突の危険性が生じると、車両が自動的に制動されるように非常ブレーキ装置が作動する。たとえば、車両の周囲の条件は、運転中に変わることがあり、この実施形態においては、衝突を回避するために、このことが考慮される。したがって、この発展形態においては、車両の安全が向上する。
【0013】
本発明のさらに重要な特徴及び利点が、従属請求項から、図面から、図面を参照した図についての記述から見出される。
【0014】
勿論、上述し、以下に説明する特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、それぞれ記載されている組合せだけでなく、他の組合せにおいても、又は、単独でも使用され得る。
【0015】
本発明の好ましい例示的実施形態が、図面に表されており、以下の記述においてより詳細に説明する。なお、同一の参照符号は、同一の又は機能的に同一の又は同様の構成部品を示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1によると、本発明による自動車1に、電子制御式の駆動伝達系2が装備される。駆動伝達系2は、少なくとも1つの駆動ユニット3と、ステアリング装置4と、ブレーキ装置5を有する。さらに、駆動伝達系2は、電子シフトトランスミッションと車高制御装置を備えても良い。駆動伝達系2は、従来の制御信号送信機(ここには図示せず)によって操作され又は作動される。この制御信号送信機とは、たとえば、アクセルペダル、ステアリングホイール、ブレーキペダル、及び変速レバーである。車両の運転者は、制御信号送信機により、自分の運転要求を車両1に入力し得る。制御信号送信機は、この運転要求をこれに対応する所望の信号に変換し、移動ベクトルの形態で、駆動伝達系2に送られる。次いで、駆動伝達系2又はその構成部品(駆動ユニット3、ステアリング装置4、及びブレーキ装置5)は、制御信号を処理し、運転要求を実行する。
【0017】
図1によると、自動車1は、例えばトラックである。しかし、自動車1はまた、牽引車両、トレーラ又はセミトレーラからなる車両の組合せによって形成できる。車両1はまた、他の任意の多用途車又は乗用車でも良い。
【0018】
本発明による自動車は、図1に点線で示されている囲みで表された運転支援システム6が装備される。図2によると、運転支援システムは、少なくとも1つの表示装置7と、入力装置8と、制御システム9を有する。表示装置7は、好ましくは車両の運転者が見ることができるよう車両1の運転室11(図1参照)内に配置された、モニタ10と共に動作する。
【0019】
表示装置7は、車両1の実際の向き及び実際の位置、及び車両1の比較的近い周囲状況を、モニタ10に表示し、又は、示すよう設計される。以下、図5及び図6を参照しながら、このような表示の例についてより詳細に説明する。
【0020】
ここで、用語「車両の位置」とは、車両1の地理的な位置であり、用語「車両の向き」とは、たとえば羅針盤の方位によって、定義される基準座標系における車両1の長手軸の方向である。車両の比較的近い周囲とは、所定の距離内にある車両1を囲む少なくとも一領域であり、したがって、周囲状況は、車両の近傍部にある、たとえば、他の車両、ガードレール、ポスト、照明塔、縁石、家壁、壁などの障害物を示す状況である。
【0021】
入力装置8は、車両1の所望の向き及び所望の位置を運転支援システム6に入力するのに使用される。
【0022】
制御システム9は、運転アルゴリズム12へのアクセスを有し、ライン13を介して駆動伝達系2に接続される。制御システム9は、運転アルゴリズム12を処理し得るよう構成される。運転アルゴリズム12が処理されると、制御システム9は駆動伝達系2を作動させて、実際の向き及び実際の位置から所望の向き及び所望の位置へ車両1を移動するが、この移動は、車両の周囲状況を考慮しつつ行われる。つまり、車両1と障害物との衝突が自動的に回避され、障害物を迂回して運転される。
【0023】
運転支援システム6は、車両に搭載されており、車両の実際の位置、実際の向き、及び周囲状況用のデータを取得するのに使用される決定装置14を有する。このため決定装置14は、ここでは制御システム9により、表示装置7と通信する。決定装置14は、車両に固定されており、特に運転支援システム6用に車両1に取り付けられているか、又はいかなる場合においても車両1に存在しており、車両1と障害物との間の距離を取得するための他のシステム(たとえば車間維持システム)に使用される、距離センサシステム15と相互作用する。
【0024】
追加形態又は代替形態として、運転支援システム6は、車両から遠隔にあり、車両の、実際の位置、実際の向き、及び周囲状況用のデータを取得するのに役立つ、決定装置16を備え得る。車両から遠隔にある決定装置16は、特にデータ送信機を有する、第1のデータ送受信装置17に接続される。次いで、運転支援システム6には、車両に固定され、データ受信機を有する第2のデータ送受信装置18が装備される。第2のデータ送受信装置は、ここでも制御システム9を介して、表示装置7と通信する。
【0025】
図3によると、本発明による運転支援システムは、データ送信機及びデータ受信機の両方を備えた第1のデータ送受信装置17が同様に装備された遠隔制御装置19が装備される。したがって、車両に固定された運転支援システム6の構成部品は、遠隔制御装置19と通信でき、運転支援システム6にはまた、この実施形態においては、車両に固定され、データ送信機とデータ受信機とを備えた第2の送受信装置18が装備される。遠隔制御装置19には、追加のモニタ20と追加の入力装置21が装備される。遠隔制御装置19は、任意に、少なくとも1つの制御要素22を備え得る。この制御要素22は、駆動伝達系2を制御するための制御信号を生成するのに使用でき、この信号は、データ送受信装置17、18を介して駆動伝達系2に伝えられる。このようにして、遠隔制御装置19を用いて、車両1を遠隔で操作することができる。制御要素22は、たとえば操縦桿であり、これを用いて、駆動伝達系2の最も重要な構成部品、具体的には駆動ユニット3、ステアリング装置4、及びブレーキ装置5が、起動され得る。データ送受信装置17、18は、無線で通信することが好ましい。
【0026】
追加の入力装置21には、ここでは、車両1の所望の向き及び所望の位置をシステムに手動で入力するのに使用される入力要素23が装備される。この入力要素23は、たとえばトラックボールである。追加の入力装置21は、少なくとも1つのさらなる入力要素を備えることができる。車両に固定された入力装置8にも、これと同様のさらなる入力要素を備えることができるのは自明であるが、ここでは図示を省略する。
【0027】
1つの好ましい発展形態によれば、入力装置、つまり車両に固定された入力装置8、及び/又は車両から遠隔にある追加の入力装置21は、表示装置7とデータのやりとりをする。次いで、表示装置7は、さらに、各入力装置8、21を用いて入力された車両1の所望の向き及び所望の位置を、各モニタ10又は20に表示するよう構成される。この結果、ユーザは、自分の入力結果を直接見て、チェックし、必要ならば補正をすることができる。したがって、運転支援システム6の取り扱いがかなり容易となる。
【0028】
図4によると、車両に固定された距離センサシステム15は、たとえば、車両1の外部形状25の廻りを及びこれに沿って全体に延在するよう配置された、複数の距離センサ24を備える。つまり、距離センサ24は、車両の前部及び車両の後部の両方と車両の両側とに設けられる。ここに示されている実施形態においては、車両1は、牽引車両26とトレーラ27とからなる車両の組合せである。距離センサ24は、車両の組合せ26、27の2つの構成部品の外部形状25の廻りを及びこれに沿って延在するよう配置される。車両1の周囲状況は、これらの距離センサ24を用いて、車両の外部形状25全体に沿ってスキャンされる。距離センサ24は、たとえば超音波センサを用いることができる。
【0029】
追加形態又は代替形態として、距離センサシステム15は、車両1の後部にカメラ28を備える。ここでは車両の組合せ26、27について述べているので、このようなカメラ28は、トレーラ27の後部及び牽引車両26の後部の両方に取り付けられる。このようなカメラ28を用いて、車両1の後部の周囲の画像を得ることができる。
【0030】
追加形態又は代替形態として、距離センサシステム15は、車両1の前部に配置されており、障害物について車両1の前の周囲をスキャンするのに使用される、レーダ装置29を備えることができる。距離センサシステム15の前述の構成部品は、それぞれ、車両1の他の車両システムに既に存在する構成部品である。次いで、説明したように、本発明による運転支援システム6は、車両1に通常存在する距離センサシステム15の要素を用いることが好ましい。したがって、本発明による運転支援システム6の実施費用は、比較的安価である。
【0031】
車両に固定された距離センサシステム15のさらなる構成部品は、たとえば、レーザスキャナ、GPSなどの衛星を使ったナビゲーション装置、及びジャイロユニットである。
【0032】
以下、図5及び図6を参照しながら、本発明による運転支援システム6が機能する方法についてより詳細に説明する。
【0033】
図5による例においては、車両1は、牽引車両26とトレーラ27の組合せである。車両1は、現在の向き及び位置で、モニタ10又は20に表されている。さらに、ここでは、たとえば間に駐車スペース32があり、2台の他のトレーラ31が駐車されている周囲状況30が、モニタ10、20に表示されている。車両1のトレーラ27は、この駐車スペース32内にバックにて駐車される。このため、車両の運転者は、各入力要素、たとえばトラックボール23を操作する。入力要素(23)は、たとえば、モニタ10、20に表されているカーソル33に連動される。次いで、車両の運転者は、入力要素(23)を適切に操作して、トレーラ27にカーソル33を位置決めし、適切な入力コマンドを用いて、たとえばトラックボール23を押し下げて、モニタ10、20上の所望の位置にトレーラ形状27’のコピーの位置を変更し、及び/又は、回転させる。トレーラ形状27’のコピーは、図5に点線で表されており、たとえば、入力要素(23)を用いて矢印34に従って周囲状況30で示されたトレーラ31の間の駐車スペース32の中に動かされる。トレーラ27のための、この要求された位置及び要求された向きは、これに対応する入力コマンドを用いて、所望の向き及び所望の位置として運転支援システム6に入力される。
【0034】
次いで、制御システム9が運転アルゴリズム12を処理する間に、実際の運転プロセスが、特に手動で、開始される。同時に、制御システム9が駆動伝達系2を作動させて、トレーラ27を、その実際の向き及び実際の位置から要求された所望の向き及び所望の位置に自動的に移動させる。
【0035】
既に上述したように、車両の、実際の向き及び実際の位置及び周囲状況30はまた、外部決定装置16を用いて取得され、モニタ10、20に表示される。たとえば、配送センターには、そこに置かれている車両1用の比較的正確な動作位置及び方向検出装置が装備されることがあり、この装置は、配送センターに置かれている車両1の向き及び位置の実測値を比較的正確に決定する。さらに、たとえば、積込用のランプ(傾斜路)、建物、及び他の障害物などの、周囲にある固定条件因子が、比較的正確に測定され、このようなシステムに入力されている。この結果、特に、比較的大きい区域内の車両1の周囲状況が、モニタ10、20に完全に表示される。実際の向き、実際の位置、及び周囲状況用のデータは、データ送受信装置17、18により、運転支援システム6に転送される。
【0036】
車両1にはまた、非常ブレーキ装置(図示せず)が備える。このような非常ブレーキ装置は、車両に固定された距離センサシステム15と通信し、非常ブレーキ装置が車両1と車両1の周囲の障害物との衝突の危険性を検出すると、自動的かつ適切な時間に車両1を制動する。
【0037】
次いで、本発明による運転支援システム6は、このような非常ブレーキ装置と協動でき、特に運転支援システム6が動作している間に非常ブレーキ装置が自動的に起動されることが好ましい。このことにより、たとえ制御システム9が運転アルゴリズムを処理している間に衝突の危険性が生じた場合にも、車両1は適切なタイミングで自動的に確実に制動される。たとえば、運転アルゴリズムによって取得された可動障害物が、車両1の経路内に置かれた又は経路内に入りこむと、衝突危険性が生じる。
【0038】
図6によると、車両1は、乗用車37でも良い。車両に固定された距離センサシステム15は、たとえばこの実施形態においては比較的小さい範囲を有するので、車両の周囲の比較的小さい区域のみが、モニタ10、20に表示され得る。図6による例においては、乗用車37は、駐車されている車両35の隣の側方に置かれ、距離センサシステム15は、この車両の外部形状を検出し、実線で示される部分のみをスクリーン10、20に表示する。一点鎖線によって示されている車両形状の残りの部分、及び一点鎖線によって表されている縁石36は、距離センサシステム15によって検出されず、したがって、モニタ10、20に表示されない。しかし、車両の運転者は、入力要素を使用して、矢印34に従って、再びモニタ上の乗用車37の外部形状37’のコピーの位置を変え、車両1又は37のために要求された所望の位置及び所望の向きをシステムに入力する。運転操作が開始した後に、制御システム9は、運転アルゴリズム15を再び処理することができ、次いで、前記運転アルゴリズム15は、駐車している車両35の後部及びその後ろの側方に車両1又は乗用車37を自動的に駐車する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明による車両を示す、概略化した側面図である。
【図2】本発明による運転支援システムを示す、回路図である。
【図3】本発明による遠隔制御装置を示す概略図である。
【図4】本発明による車両を示す、概略化した平面図である。
【図5】本発明による運転支援システムのモニタに表示された画面を示す図である。
【図6】別の実施形態における、図5と同様の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの駆動ユニット(3)と、1つのステアリング装置(4)と、1つのブレーキ装置(5)を有する電子制御式駆動伝達系(2)を備えた自動車であり、
表示装置(7)と、入力装置(8)と、制御システム(9)を有する運転支援システム(6)を設けられ、前記入力装置(8)が、前記車両(1)用の所望の向き及び所望の位置を入力するよう設計され、前記制御システム(9)が、運転アルゴリズム(12)を処理するように設計され、前記車両の周囲状況(30)を考慮しつつ、前記駆動伝達系(2)を作動させて実際の向き及び位置から所望の向き及び位置に前記車両(1)を移動する自動車において、
−前記車両に固定された距離センサシステム(15)と通信し、前記車両(1)と障害物との衝突の危険性を検出すると、前記車両(1)を自動的に制動する非常ブレーキ装置を設け、
−前記運転支援システム(6)が、前記非常ブレーキ装置と協動して、前記運転アルゴリズムが実行されている時に衝突の危険性が生じた場合に、前記車両(1)を自動的に制動することを特徴とする自動車。
【請求項2】
前記車両の、実際の位置、実際の向き、及び周囲用のデータを取得するための車載された決定装置(14)を有することを特徴とする請求項1に記載の自動車。
【請求項3】
車載された前記決定装置(14)が、固定された前記距離センサシステム(15)と通信するか、又は該距離センサシステム(15)を備えることを特徴とする請求項2に記載の自動車。
【請求項4】
−前記車両から離れたところにあり、データ送受信機(17)を有し、接続前記車両の、実際の位置、実際の向き、及び周囲用のデータを取得する決定装置(16)が設けられ、
−前記運転支援システム(6)に接続され、前記車両に搭載されるデータ送受信機(18)が設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の自動車。
【請求項5】
−追加のモニタ(20)と追加の入力装置(21)とを有する遠隔制御装置(19)が設けられ、
−前記遠隔制御装置(19)が少なくとも前記制御システム(9)と通信するために、データ送受信装置(17、18)を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の自動車。
【請求項6】
前記遠隔制御装置(19)が、前記駆動伝達系(2)を手動で起動するための、少なくとも1つの制御要素(22)を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の自動車。
【請求項7】
前記入力装置(8、21)が、所望の向き及び所望の位置を手動で入力するための、少なくとも1つの入力要素(23)を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の自動車。
【請求項8】
−前記入力装置(8、21)が、前記表示装置(7)とデータのやりとりをし、
−前記表示装置(7)が、さらに、前記入力装置(8、21)を用いて入力された前記車両(1)の所望の向き及び所望の位置を、前記モニタ(10、20)に表示することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の自動車。
【請求項9】
−前記表示装置(7)が、前記車両(1)の実際の向き及び実際の位置、及び前記車両(1)の比較的近い周囲状況(30)を、モニタ(10、20)に表示することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の自動車。
【請求項10】
前記車両に固定された前記距離センサシステム(15)が、前記車両(1)の外部形状(25)の廻りを及び該外部形状に沿って完全に延在するよう配置された複数の距離センサ(24)、特に超音波センサ、前記車両の後部に配置された少なくとも1つのカメラ(28)、レーザスキャナ、レーダ装置、衛星ナビゲーション装置、特にGPS、及び/又は、読み出され得る羅針盤を備えることを特徴とする請求項1又は3に記載の自動車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−503352(P2007−503352A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524296(P2006−524296)
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【国際出願番号】PCT/EP2004/009294
【国際公開番号】WO2005/021344
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(598051819)ダイムラークライスラー・アクチェンゲゼルシャフト (1,147)
【Fターム(参考)】