説明

自動車用電気油圧式ブレーキシステム

【課題】
車両内室への漏れの危れが出来るだけ減少されるブレーキ−バイ−ワイアモード作動のブレーキ装置を提供すること。
【解決手段】
この発明は、ブレーキ−バイ−ワイア作動モードで作動されることができる自動車用電気油圧式ブレーキ装置であって、車輪ブレーキシリンダが接続されることができるマスターシリンダ(1)、ブレーキペダル(3)に連結されている第一ピストン(2)、マスターシリンダ(1)を作動する第二ピストン(4)、第一ピストン(2)により作動されることができる第三ピストン(5)を備え、第一ピストン(2)と第三ピストン(5)とはシミュレーション力を及ぼす少なくとも一つのブレーキペダル特性シミュレーション装置(6、7)が設けられ、そのシミュレーション装置はバイ−ワイアモード作動で運転者に快適なペダル感度を与えて、すべて三つのピストン(2、4、5)並びに通路シミュレーション装置が一つのハウジング(8)内に配置されており、油圧圧力源(9)並びに第二ピストン(4)が作用できる値に油圧圧力源(9)の圧力を減少させるために第三ピストン(5)によって作動できる弁装置(10)を備えて、第二ピストン(4)と第三ピストン(5)とは中間室(11)によって第三ピストン(5)が第二ピストン(4)に作用する圧力によって第二ピストン(4)の作用方向と反対方向に作用されるように、互いに分離されている自動車用電気油圧式ブレーキ装置に関する。この発明によると、弁装置(10)の弁体(13)は両前面が中間室(11)に支配する圧力の作用を受けるように具体化されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ブレーキ−バイ−ワイア作動モードで作動されることができる自動車用電気油圧式ブレーキ装置であって、車輪ブレーキシリンダが接続されることができるマスターシリンダ、ブレーキペダルに連結されている第一ピストン、マスターシリンダを作動する第二ピストン、第一ピストンにより作動されることができる第三ピストンを備え、第一ピストンと第三ピストンとがシミュレーション力を及ぼす少なくとも一つのブレーキペダル特性シミュレーション装置が設けられ、そのシミュレーション装置はバイ−ワイアモード作動で運転者に快適なペダル感度を与えて、すべて三つのピストン並びに通路シミュレーション装置が一つのハウジング内に配置されており、油圧圧力源並びに第二ピストンが作用できる値に油圧圧力源の圧力を減少させるために第三ピストンによって作動できる弁装置を備えて、第二ピストンと第三ピストンとは中間室によって第三ピストンが第二ピストンに作用する圧力によって第二ピストンの作用方向と反対方向に作用されるように、互いに分離されている自動車用電気油圧式ブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車技術では、ブレーキ−バイ−ワイアブレーキシステムはいつも大きな普及を見出す。このブレーキシステムでは、ブレーキは運転者の活動的助力なしにも電子式信号に基づいて独立的に作動される。この電子式信号は例えば電子式安定プログラムESP或いは間隔調整(衝突回避)システムACCから出力され得る。運転者による作動がこの種の独立的作動を課されると、自動車の運転者はブレーキペダルの反作用を感じる。ブレーキペダルへのこの反作用効果は運転者にとって普段と違って或いは不愉快であるので、運転者が道路交通の臨界状況においてブレーキペダルをこの状況において必要であったほど強力に作動されない、というのは、運転者がブレーキ作動により起因したブレーキペダルへの反作用によって困惑されるからである。
【0003】
欧州特許出願公開第10788331号明細書(特許文献1)は前記種類の電気油圧式ブレーキ装置を記載する。圧力源の圧力を減少させる弁装置は予め知られたブレーキ装置の際に傾斜レバーによって機械的に作動できるスライダ弁として形成され、そのスライダ弁はハウジング内に設けた孔に移動自在に案内されている。スライダ並びにスライダを付勢する圧力ばねを取り付けるために、大気への孔が形成されているので、この領域において車両内室の汚染に起因し得る漏れの危れを生じる。
【特許文献1】欧州特許出願公開第10788331号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それ故に、本発明の課題は、車両内室への前記漏れの危れが出来るだけ減少される前記種類のブレーキ装置を提供することである。その外に、ブレーキ装置は簡単な構成を有し、原価を安く製造できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、この発明によると、弁装置の弁体の両前面が中間室を支配する圧力の作用を受けていることによって、解決される。
【0006】
この発明の好ましい実施態様は従属請求項2乃至36において示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
次に、例えばこの発明の実施態様は添付概略的図面を参照しながら詳細に説明されている。図1は静止状態における第一実施態様によるこの発明のブレーキ装置の構成を示し、図2は運転者要求と無関係に案内された独立的ブレーキ作動の圧力保持相中の図1によるこの発明のブレーキ装置を示し、図3は好ましい”ブレーキ−バイ−ワイアブレーキ作動”の圧力保持相中の図1によるこの発明のブレーキシステムを示し、図4は電気電流供給部の損失中に或いは所謂油圧式下降モードで図1によるこの発明のブレーキ装置を示し、図5は圧力源の損失中に或いは所謂機械的下降モードで図1によるこの発明のブレーキ装置を示し、図6は静止状態におけるブレーキ装置のこの発明の第二実施態様の構成を示し、図7は静止状態におけるブレーキ装置のこの発明の第二実施態様を示し、図8は静止状態におけるブレーキ装置のこの発明の第四実施態様の構成を示す。
【実施例1】
【0008】
図1は静止状態におけるこの発明のブレーキ装置を示す。ブレーキ装置は作動ロッド36を介して第一ピストン2と固定的に連結されている。ブレーキペダル通路は経路センサー17によって検出されることができる。第一ピストン2は第三ピストン5内に配置されており、この際に第一と第三ピストン5の間に油圧室21が配置されて、ブレーキペダル特性シュミレーション装置を形成する弾性要素6、7によって第一ピストン2と第三ピストン5の間に連結が生じる。
【0009】
さらに、マスターシリンダ1に付属されて、そのシリンダ内に圧力発生を可能とする第二ピストン4が設けられている。マスターシリンダ1はアンチロックシステム(ABS)の単に概略的に示された電気油圧式調整或いは制御ユニットを介して車両の示されていない車輪ブレーキに接続されている。
【0010】
第一ピストン2、第二ピストン4と第三ピストン5は一つのハウジング8内に収納されている。第三ピストン5と第二ピストン4との間に圧力媒体で満たされる中間室11がある。中間室11内の圧力の制御は、次の形式に好ましいブレーキ−バイ−ワイア運転モード(図3を参照)で行われる:運転者はブレーキペダル3の作動の際に第一ピストン2を弾性要素6と7のばね力に逆らって移動させる。弾性要素6と7は通例のブレーキペダルと一致するブレーキ感度を運転者に伝えられるように形成されている。これは、僅かなブレーキペダル通路では抵抗がゆっくりと上昇し、大きいブレーキペダル経路では不釣り合いに大きい増加することを意味する。ブレーキペダル3の作動によって第三ピストン5も第二ピストン4の方向に移動されることができ、それにより既に非常に僅かの移行後に第一弁装置10が作動されている。第一弁装置10は図示された例では油圧機械式補強弁として形成されており、その弁はばねによって第二ピストン4への方向に付勢される弁体13を有し且つその役割は次のテキストに説明される第二制御辺を有する。図示される如く、ハウジング8内に形成されるか、或いは交互に図示されていない軸方向貫通孔によって弁体3内に形成される油圧結合部12は、弁体13の中間室11と反対を向いた前面に中間室11内に調整された圧力を作用させるのを可能とする。この際に、弁体13は、図示された実施態様に第三ピストン5に形成された半径方向突出部14として形成されている一つの作動要素と共働する。第三ピストン5は第二ピストン4の方向に僅かに移動するならば、弁体13は中間室11と油圧圧力源9の間の結合部が形成されるまで、非常に長く運動を行う。この結合部は、弁体13の図における右制御辺が圧力源9から案内する油圧圧力導管23或いはこの圧力源9から分岐する導管部分33と中間室11内に連通する圧力媒体通路34との間の流れ通路を開放することによって形成される。油圧圧力源9は好ましくはモータポンプ集合体20によって負荷される高圧アキュムレータ19により形成される。このモータポンプ集合体20は電動モータ26並びに油圧ポンプ27から成り、そのポンプの吸込み側は圧力なしの圧力媒体貯蔵容器22に接続されている一方、そのポンプの圧力側は前記導管23を介して高圧アキュムレータ19と接続されている。導管23では、高圧アキュムレータ19へ開放する逆止弁24が取り付けられ、この際に圧力センサー39が高圧アキュムレータ19の負荷状態の監視を可能とする。高圧アキュムレータ19は、特に例えば迅速な完全ブレーキの際に短時間にポンプ27がその質量慣性に基づいて直ぐに準備できる圧力を形成されなければならない場合にポンプ27を補助する。高圧アキュムレータ19と中間室11の間の結合部によってこの中間室は圧力を作用されて、それにより第二ピストン4がマスターシリンダ1内で圧力を発生させ、第三ピストン5がハウジング8内でストッパ35の方向に押圧されて、そのストッパには第三ピストンがブレーキの作動前に当たる。第二弁装置51は高圧アキュムレータ19に接続された弁15、エネルギー付勢しない状態に接続されている圧力発生弁と圧力媒体通路34内に取り付けられた弁16から成り、図示された実施態様では分離弁16がエネルギー付勢しない状態で開放されるので、ポンプ27或いは高圧アキュムレータ19が前記結合部を介して圧力を作用されることができる。圧力センサー18は中間室11内で調整された圧力を検出できる。分離弁16のエネルギー付勢は、中間室11からの圧力媒体の流出を弁装置10によって阻止され得る一方、圧力発生弁15のエネルギー付勢によって中間室11に圧力媒体が供給され得る。
【0011】
ブレーキペダル3の非作動状態(図1を参照)では、第一ピストン2は弾性要素6と7を介して第三ピストン5内に形成されるストッパ37に対して押圧される。
【0012】
圧力保持相が図2に図示され且つ運転者要求と無関係にブレーキ過程によって特徴としている第一運転モードでは、第二弁装置52の制御によって中間室11内の作動圧が連続した新たに算出された目標圧値に適合される。このために、分離弁16のエネルギー付勢によって、弁装置10への容積流が阻止され得て、第一弁装置10から分離弁16を通して中間室11内の圧力発生までの逆容積流の可能性が保持されたままである。圧力発生弁15によって電子式制御されて、油圧機械式補強弁を弁装置10に与えたより高い作動圧は調整される。電子式制御された圧力降下のために、分離弁16のエネルギー付勢は一時的に行われるので、圧力媒体はこの運転モードでは圧力媒体貯蔵容器22への結合部を創る第一弁装置10へ放出され得る。この結合部は、弁体13の図面における左制御辺が圧力媒体通路34と第一弁装置10から圧力媒体貯蔵容器22まで案内する油圧結合部38との間の流れ通路を開放することにより形成されている。この電子式ブレーキ圧調整は、その伝達挙動が高圧アキュムレータ、圧力発生弁と分離弁の技術データによって与えられた動力学の範囲内で自由に選定できるという利点を有する。それ故に、所謂ジャンプ機能、即ちブレーキペダル3に接触するときに所定ブレーキ圧力値へのジャンプ、ブレーキ補助機能と例えばASR(駆動スリップ制御)、ESP(電子式安定プログラム)とACC(適応行動制御)のために必要とされるような自動ブレーキ作動はソフトウエア措置によって実現される。このために、移行センサー、動力センサー、或いは他のタイプのセンサーによって検出されるブレーキペダル作動の形態の運転者基準値は図示されていない計算ユニットから適当なアルゴリズムの使用によって車輪ブレーキ圧に変換され、この車輪ブレーキ圧は電子式制御可能な弁によって独立的動力ブレーキモジュールと次のABS油圧ユニットに実現される。
【0013】
第二のブレーキ−バイ−ワイア運転モードでは、その圧力保持相は図3に図示されていて、運転者の遅延要望により案内された独立的ブレーキ過程を特徴としており、中間室11内で運転者の要望を検出する移行センサー17の信号に応答して弁15、16の適切な制御によって調整される。図3に図示された圧力保持相では、圧力発生弁15がエネルギー付勢されないままである一方、分離弁16がエネルギー付勢されてその閉鎖位置に保持される。さらに、電気油圧式ブレーキ装置におけるブレーキ−バイ−ワイア運転モードは知られている、それ故に、詳細に論じられる必要はない。
【0014】
電流供給の損失或いは所謂油圧下降モードによって特徴とされる第三運転モードでは(図4参照)、電磁弁15と16はエネルギー付勢されないままである。それにより弁装置10、即ち油圧機械式補強弁は中間室11内の作動圧を制御し、ブレーキ力補強を奏する。その際に、圧力発生が導管部分33と弁体13の図面における右制御辺の共働によって制御される。高圧アキュムレータ19が圧力下にある圧力媒体を供給され得る限り、油圧補強は電気なしに作動する。補強要因が第二ピストン4から第三ピストン5までの横断面の比によっていつも予め与えられる直線的動力補強が存在する。
【0015】
圧力アキュムレータ19内の油圧の欠乏或いは所謂機械式下降モード(図5参照)によって特徴付けられる第四運転モードでは、ブレーキ装置は純機械式に作動でき、第三ピストン5はブレーキペダル3に案内された作動力の作用の下で移動し、機械式動力伝達によって第二ピストン4を移動させるので、マスターシリンダ1の作動は専ら筋肉力によって行われる。油圧室21に接続された導管50の連通がハウジング8内に配置された固定したパッキング41を通過するから、ハウジング8に対する第三ピストン5の起こる相対運動によって前記油圧室21の閉鎖が行われる。閉鎖によってブレーキペダル特性シミュレーション装置6、7の機能が遮断されるので、第一ピストン2から第三ピストン5への直接動力伝動が生じる。
【実施例2】
【0016】
図6には、この発明による第二実施態様が図示されており、前記油圧室21が第一ピストン2により一部を第三ピストン5と一部を第二ピストン4に限定されている。室21の第三ピストン5内に形成された部分42とその第二ピストン4内に形成された部分43との間の油圧結合部は、第一ピストン2内で互いに垂直に形成された孔44、45によって行われ、この際にブレーキペダル特性シミュレーション装置の前記弾性要素6或いは圧縮ばね46は油圧室21(或いは42)の外部に配置されて、それで乾燥したままである。圧縮ばね46の作用を支援する第二圧縮ばね47は一方で第一ピストン2には、他方で第二ピストン4を支持する。第三圧縮ばね48はブレーキ装置の作動方向に反して第三ピストン5を付勢して、ハウジング8内に配置された設置面49に支持される。
【実施例3】
【0017】
この発明によるブレーキ装置の図7に図示された第三実施例の場合には、弁装置10の作動は第三ピストン5と共働するレバー或いは横棒31によって行われる。弁体13と動力伝動的に接続されている横棒31は、ハウジング8内に支承され、静止状態で第三ピストン5内に形成された窪み53を通して特に第三ピストン5の長手軸線に対して垂直に延びており、前記ばね32の作用下で第三ピストン5に形成された突出部54における二アーム状レバーの種類に支持される。
【実施例4】
【0018】
この発明によるブレーキ装置の図8に図示された第三実施例の場合には、モータポンプ集合体20は前記電気油圧式制御調整ユニット28に一体化されている。ポンプ27の吸込み側はハウジング8と制御或いは調整ユニット28の間に配置されて圧力媒体貯蔵容器22へ導く第一油圧結合部50を介して圧力媒体を大気圧下で供給される。ポンプ26から高圧下に与えた圧力媒体は制御或いは調整ユニット28とハウジング8の間に配置された第二油圧結合部51並びにハウジング8の内部に延びて結合部分52を介して圧力アキュムレータ19に供給される。この際に、結合部分52には、電気接続できる弁25、特に2/2通路弁が取り付けられ、その弁は第一接続状態において高圧アキュムレータ19へ開放する逆止弁の機能を満たし、第二接続状態において油圧結合部51を開放する。開放された結合部51では、制御或いは調整ユニットはモータポンプ集合体20が非作動状態或いはなお運転準備されていない際に高圧アキュムレータ19から油圧エネルギーを供給され得る。この特徴を諦めるならば、電気的に接続できる弁25は逆止弁と交換され得る。
【0019】
さらに、電気油圧式制御調整ユニット28は、アンチロック制御作動に生じる余剰な圧力媒体容積をマスターシリンダ1に帰還する装置30を包含する。モータポンプ集合体20から伝達された圧力によって並びに高圧アキュムレータ19に存在する圧力によって駆動できる帰還装置30は少なくとも二つの低圧アキュムレータ30a,30b,40a,40bによって形成され、これら低圧アキュムレータは交互に下降する圧力媒体容積を受けるか、或いは降下する圧力媒体容積は駆動する圧力の作用によって帰還方向においてマスターシリンダ1へ押圧する。示された実施例では、二つのグループの低圧アキュムレータ30a,30bと40a,40bが設けられ、この際に、各ブレーキ回路I、IIでは、一対の低圧アキュムレータ30a,30b;40a,40bはブレーキ回路IとIIの各には一方のグループa並びにグループbに付属する低圧アキュムレータが代用するように付属されている。低圧アキュムレータ30a,30bと40a,40bはその低圧接続部と反対を向いた側面上で前記モータポンプ集合体20から伝達された圧力を作用されるので、その中に含有されたブレーキ回路側圧力媒体容積がマスターシリンダ1へ戻され得る。この際に、両グループ30a,30bと40a,40bはテーマに基づいて周期的に作動する:
・第一グループ30a,40aの帰還、
・帰還しない、
・第二グループ30b,40bの帰還、
・帰還しない。
【0020】
圧力作用はモータポンプ集合体20に付属された弁配置装備29によって、各時点でブレーキ回路当たり少なくとも一つの低圧アキュムレータが電気油圧式制御調整ユニット28に包含された詳細に図示されていない圧力調整弁より放出された圧力媒体を収容する状態にあるように制御されている。その場合に、弁配置装備29は特に四つの弁53、54、55と56から成り、これら弁はHブリッジ接続の形態で、弁対53、54が第一低圧貯蔵器グループ30a,40aに、弁対55と56が第二低圧アキュムレータグループ30b,40bに付属されているように接続されている。弁53、55の切換えによって低圧アキュムレータグループは独立的圧力を作用される一方、弁54、56の切換えによって低圧アキュムレータグループは前記油圧結合部50によって圧力媒体貯蔵容器22、即ち大気圧と接続されている。
【0021】
前記全弁並びに電動モータ26の制御は特に制御或いは調整ユニット28と構成ユニットを形成して図示されていない電子式制御ユニットを用いており、その制御ユニットは入力情報としてセンサー17、18と39の出力信号を供給される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】静止状態における第一実施態様によるこの発明のブレーキ装置の構成を示す。
【図2】運転者要求と無関係に案内された独立的ブレーキ作動の圧力保持相中の図1によるこの発明のブレーキ装置を示す。
【図3】好ましい”ブレーキ−バイ−ワイアブレーキ作動”の圧力保持相中の図1によるこの発明のブレーキシステムを示す。
【図4】電気電流供給部の損失中に或いは所謂油圧式下降モードで図1によるこの発明のブレーキ装置を示す。
【図5】圧力源の損失中に或いは所謂機械的下降モードで図1によるこの発明のブレーキ装置を示す。
【図6】静止状態におけるブレーキ装置のこの発明の第二実施態様の構成を示す。
【図7】静止状態におけるブレーキ装置のこの発明の第二実施態様を示す。
【図8】静止状態におけるブレーキ装置のこの発明の第四実施態様の構成を示す。
【符号の説明】
【0023】
1.....マスターシリンダ
2.....第一ピストン
3.....ブレーキペダル
4.....第二ピストン
5.....第三ピストン
6.....弾性要素
7.....弾性要素
8.....ハウジング
9.....油圧センサー
10....弁装置
11....中間室
12....油圧結合部
13....弁体
14....半径方向突出部
15....電磁弁
16....電磁弁
17....移行センサー
18....圧力センサー
19....高圧アキュムレータ
20....モータポンプ集合体
21....油圧室
22....圧力媒体貯蔵容器
23....導管
26....ポンプ
28....電気油圧式制御調整ユニット
29....弁配置装備
30....低圧アキュムレータ
40....低圧アキュムレータ
46、47、48....圧縮ばね
52−56....弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキ−バイ−ワイア作動モードで作動されることができる自動車用電気油圧式ブレーキ装置であって、車輪ブレーキシリンダが接続されることができるマスターシリンダ(1)、ブレーキペダル(3)に連結されている第一ピストン(2)、マスターシリンダ(1)を作動する第二ピストン(4)、第一ピストン(2)により作動されることができる第三ピストン(5)を備え、第一ピストン(2)と第三ピストン(5)とはシミュレーション力を及ぼす少なくとも一つのブレーキペダル特性シミュレーション装置(6、7)が設けられ、そのシミュレーション装置はバイ−ワイア作動モードで運転者に快適なペダル感度を与えて、すべて三つのピストン(2、4、5)並びに通路シミュレーション装置が一つのハウジング(8)内に配置されており、油圧圧力源(9)並びに第二ピストン(4)が作用できる値に油圧圧力源(9)の圧力を減少させるために第三ピストン(5)によって作動できる弁装置(10)を備えて、第二ピストン(4)と第三ピストン(5)とは中間室(11)によって第三ピストン(5)が第二ピストン(4)に作用する圧力によって第二ピストン(4)の作用方向と反対方向に作用されるように、互いに分離されている自動車用電気油圧式ブレーキ装置において、弁装置(10)の弁体(13)の両前面は中間室(11)に支配する圧力の作用を受けていることを特徴とする自動車用電気油圧式ブレーキ装置。
【請求項2】
弁体(13)の一方の前面がハウジング(8)内に設けた油圧結合部(12)を介して中間室(11)に支配する圧力の作用を受けていることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ装置。
【請求項3】
弁体(13)の両前面は長孔を介して弁体(13)内で互いに連通されていることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ装置。
【請求項4】
弁体(13)と第三ピストン(5)との運動方向は第三ピストン(5)による弁装置(10)の作動の際に等しいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のブレーキ装置。
【請求項5】
弁体(13)は第三ピストン(5)によって直接に作動できることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のブレーキ装置。
【請求項6】
第三ピストン(5)は弁体(13)の中間室(11)に向いた前面と動力伝動的に共働する半径方向突出部(14)を備えていることを特徴とする請求項5に記載のブレーキ装置。
【請求項7】
弁体(13)は第三ピストン(5)と共働して、ハウジング(8)内に支承されて特に第三ピストン(5)の長手軸線と垂直に配置されレバー或いは横棒(31)によって作動できることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のブレーキ装置。
【請求項8】
油圧圧力源(9)はモータポンプ集合体(20)によって負荷できる高圧アキュムレータ(19)によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のブレーキ装置。
【請求項9】
電子式制御ユニットによって電気的に作動できる第二弁装置(15、16)が設けられ、その第二弁装置によって中間室(11)内に供給する圧力が影響され得て、それら第二弁装置がハウジング(8)内に一体化されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のブレーキ装置。
【請求項10】
圧力センサー(39)は、高圧アキュムレータ(19)の負荷状態を監視するために設けられ、その出力信号は電子式制御ユニットに供給され、制御ユニットがハウジング(8)内に一体化されるか、或いは形状一体的にこのハウジングと連結されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のブレーキ装置。
【請求項11】
圧力センサー(18)は、中間室(11)内に支配する圧力を検出するために設けられ、その出力信号は電子式制御ユニットに供給され、制御ユニットがハウジング(8)内に一体化されるか、或いは形状一体的にこのハウジングと連結されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のブレーキ装置。
【請求項12】
高圧アキュムレータ(19)は、直接にハウジング(8)に配置されており、モータポンプ集合体(20)のポンプ(27)の圧力面と高圧アキュムレータ(19)との間の油圧連結部(23)はハウジング(8)内に設けた少なくとも一つの孔によって形成されていることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一項に記載のブレーキ装置。
【請求項13】
油圧連結部(23)には高圧アキュムレータ(19)に対して開放する逆止弁(24)が取り付けられていることを特徴とする請求項12に記載のブレーキ装置。
【請求項14】
マスターシリンダ(1)にはアンチロックシステム(ABS)の電気油圧式制御或いは調整ユニット(28)が接続されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載のブレーキ装置。
【請求項15】
電気油圧式制御或いは調整ユニット(28)が逆送り原理によって作動し、過剰圧力媒体容積からマスターシルンダ(1)へ逆送りする装置(30)を有することを特徴とする請求項14に記載のブレーキ装置。
【請求項16】
モータポンプ集合体(20)は電気油圧式制御或いは調整ユニット(28)内に一体化されていることを特徴とする請求項1乃至7及び9乃至13のいずれか一項に記載のブレーキ装置。
【請求項17】
ポンプ(27)がハウジング(8)と制御或いは調整ユニット(28)の間に配置された第一油圧連結部(50)を介して圧力媒体を大気圧下で供給され、ポンプ(27)から高圧力下で引き渡す圧力媒体が制御或いは調整ユニット(28)とハウジング(8)の間に配置された第二油圧連結部(50)を介して油圧連結部(23)のハウジング(8)内に延びている高圧アキュムレータ(19)に案内する部分(52)まで送られることを特徴とする請求項16に記載のブレーキ装置。
【請求項18】
部分(52)内に高圧アキュムレータ(19)に対して開放する逆止弁(24)が取り付けられていることを特徴とする請求項17に記載のブレーキ装置。
【請求項19】
部分(52)内に電気接続できる弁(25)、特に2/2通路弁が取り付けられ、その弁は第一切り換え位置において高圧アキュムレータ(19)に対して開放する逆止弁の機能を満たし、第二切り換え位置において油圧連結部(51)を開放することを特徴とする請求項17に記載のブレーキ装置。
【請求項20】
過剰圧力媒体容積を逆送りする装置(30)はモータポンプ集合体(9)から発生された圧力によって駆動できることを特徴とする請求項15に記載のブレーキ装置。
【請求項21】
過剰圧力媒体容積を逆送りする装置(30)はモータポンプ集合体(9)から発生された圧力によって並びに高圧アキュムレータ(19)に存在する圧力によって駆動できることを特徴とする請求項15に記載のブレーキ装置。
【請求項22】
装置(30)は少なくとも二つの低圧アキュムレータ(30a,b;40a,b)によって形成され、低圧アキュムレータは交互に生じる圧力媒体容積を受けるか、或いは生じる圧力媒体容積が駆動する圧力の作用によって逆送り方向に排除することを特徴とする請求項20或いは21に記載のブレーキ装置。
【請求項23】
モータポンプ集合体(20)或いは高圧アキュムレータ(19)は電気接続可能弁(25)と接続して弁配置体(29)と共働し、その弁配置体は交互に駆動する圧力或いは大気圧を低圧アキュムレータ(30a,b;40a,b)に準備されていることを特徴とする請求項20乃至22のいずれか一項に記載のブレーキ装置。
【請求項24】
弁配置体(29)は電気油圧式制御或いは調整ユニット(28)に一体化されていることを特徴とする請求項23に記載のブレーキ装置。
【請求項25】
ブレーキペダル特性シュミレーション装置は少なくとも一つの弾性要素(6、7)を包含し、その弾性要素は第一ピストン(2)と第三ピストン(5)の間の相対速度に依存するシュミレータ力の減衰力成分を及ぼすことを特徴とする請求項1乃至24のいずれか一項に記載のブレーキ装置。
【請求項26】
ブレーキペダル特性シュミレーション装置は少なくとも一つの減衰装置を包含し、その減衰装置は第一ピストン(2)と第三ピストン(5)の間の相対速度に依存するシュミレータ力の減衰力成分を及ぼすことを特徴とする請求項25に記載のブレーキ装置。
【請求項27】
ブレーキペダル特性シュミレーション装置(6、7)はシュミレータ力を及ぼす少なくとも一つの成分、”鋼ばね、エラストマー体と摩擦結合部”を包含することを特徴とする請求項25或いは26に記載のブレーキ装置。
【請求項28】
ブレーキペダル特性シュミレーション装置(6、7)は、それが現ピストン位置を越えて出る作動方向における第三ピストン(5)に対する第一ピストン(2)の運動を停止状態で阻止するように停止できることを特徴とする請求項25乃至27のいずれか一項に記載のブレーキ装置。
【請求項29】
ブレーキペダル特性シュミレーション装置(6、7)はハウジング(8)に対する第三ピストン(5)の相対経路に依存して停止されることを特徴とする請求項28に記載のブレーキ装置。
【請求項30】
ブレーキペダル特性シュミレーション装置は第一ピストン(2)により第三ピストン(5)内に限定された油圧室(21)と共働し、その油圧室は別の油圧結合部(50)を介して圧力なし圧力媒体貯蔵容器(22)と接続されていて、ハウジング(8)に対する第三ピストン(5)の相対運動によって閉鎖できることを特徴とする請求項29に記載のブレーキ装置。
【請求項31】
ブレーキペダル特性シュミレーション装置は、それが現ピストン位置を越えて出る作動方向における第二ピストン(4)に対する第一ピストン(2)の運動を停止状態で阻止するように停止できることを特徴とする請求項25乃至27のいずれか一項に記載のブレーキ装置。
【請求項32】
ブレーキペダル特性シュミレーション装置は、第一ピストン(2)により第三ピストン(5)内並びに第二ピストン(4)に限定された油圧室(42、43、44、45)と共働し、その油圧室は圧力なし圧力媒体貯蔵容器(22)と接続されて且つハウジング(8)に対する第三ピストン(5)の相対運動によって閉鎖できることを特徴とする請求項29に記載のブレーキ装置。
【請求項33】
ブレーキペダル特性シュミレーション装置(6、7)の減衰或いは少なくとも一部の減衰は、油圧室(42、43、44、45)と圧力なし圧力媒体貯蔵容器(22)との間の油圧結合部(50)の適切な寸法測定によって達成されることを特徴とする請求項30乃至32のいずれか一項に記載のブレーキ装置。
【請求項34】
ブレーキペダル特性シュミレーション装置(6、7)の減衰は、油圧結合部(50)内に取り付けられた減衰装置によって達成されることを特徴とする請求項33に記載のブレーキ装置。
【請求項35】
減衰装置は油圧オリフィスから成り、還流方向に依存する減衰特性を有することを特徴とする請求項34に記載のブレーキ装置。
【請求項36】
シュミレータ力を及ぼす成分はそれぞれに油圧室(21)の外部(乾式)或いは内部(湿式)に配置されていることを特徴とする請求項27乃至35のいずれか一項に記載のブレーキ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−513411(P2009−513411A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518229(P2006−518229)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【国際出願番号】PCT/EP2004/051446
【国際公開番号】WO2005/005214
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(399023800)コンティネンタル・テーベス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシヤフト (162)
【Fターム(参考)】