蓄電装置および車両
【課題】 複数の蓄電スタックを上下に並べて配置すると、蓄電スタックの間に熱が留まってしまうことがある。
【解決手段】 蓄電装置(1)は、第1蓄電スタック(15)と、第2蓄電スタック(11〜14)と、第1蓄電スタックおよび第2蓄電スタックを収容するケース(20,22)とを有する。第1蓄電スタックおよび第2蓄電スタックは、並んで配置された複数の蓄電素子(111,151)を含んでおり、第2蓄電スタックは、第1蓄電スタックの下方に配置されている。第1蓄電スタックを支持する支持部材(80,82a〜82c)は、第1蓄電スタックおよび第2蓄電スタックの間に配置されているとともに、ケースに固定されている。
【解決手段】 蓄電装置(1)は、第1蓄電スタック(15)と、第2蓄電スタック(11〜14)と、第1蓄電スタックおよび第2蓄電スタックを収容するケース(20,22)とを有する。第1蓄電スタックおよび第2蓄電スタックは、並んで配置された複数の蓄電素子(111,151)を含んでおり、第2蓄電スタックは、第1蓄電スタックの下方に配置されている。第1蓄電スタックを支持する支持部材(80,82a〜82c)は、第1蓄電スタックおよび第2蓄電スタックの間に配置されているとともに、ケースに固定されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の蓄電素子で構成された蓄電スタックを複数備えた蓄電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両等には、複数の電池スタックが搭載されることがある。電池スタックは、複数の単電池を一方向に並べることによって構成されており、車両の走行に用いられるエネルギを出力する。また、複数の電池スタックは、ケース内に並んで配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−181896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の電池スタックを並べて配置するときには、隣り合って配置された2つの電池スタックの間に熱が留まってしまうことがある。熱が留まると、単電池の入出力特性にも悪影響を与えてしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明である蓄電装置は、第1蓄電スタックと、第2蓄電スタックと、第1蓄電スタックおよび第2蓄電スタックを収容するケースとを有する。第1蓄電スタックおよび第2蓄電スタックは、並んで配置された複数の蓄電素子を含んでおり、第2蓄電スタックは、第1蓄電スタックの下方に配置されている。第1蓄電スタックを支持する支持部材は、第1蓄電スタックおよび第2蓄電スタックの間に配置されているとともに、ケースに固定されている。
【0006】
ケースは、絶縁性を有する材料で形成された内壁面と、金属で形成された補強フレームとで構成することができる。そして、支持部材を金属で形成し、支持部材を、内壁面を貫通させて補強フレームに接触させることができる。絶縁性を有する材料としては、例えば、樹脂を用いることができる。ケースの内壁面が樹脂で形成されていると、ケースの内部の熱をケースの外部に逃がしにくくなってしまう。そこで、金属製の支持部材を、ケースの内壁面を貫通させて、金属製の補強フレームに接触させることにより、ケースの内部の熱を、支持部材から補強フレームに伝達させて、ケースの外部に逃がすことができる。
【0007】
シールド線を含むワイヤーハーネスを用いる場合において、支持部材のうち、補強フレームとの接触部分とは異なる部分に、シールド線を接続することができる。これにより、金属製の支持部材や補強フレームを用いて、シールド線を接地することができる。また、支持部材や補強フレームを用いることにより、シールド線を短くすることができる。ここで、ワイヤーハーネスは、第1蓄電スタックおよび第2蓄電スタックの充放電を行うためのケーブルとして用いることができる。
【0008】
複数の第2蓄電スタックを、第1蓄電スタックに沿って並べることができる。ここで、隣り合う2つの第2蓄電スタックの間に、補強フレームを位置させることができる。この構成によれば、補強フレームおよび支持部材の接触部分が、隣り合う2つの第2蓄電スタックの間に位置することになる。隣り合う2つの第2蓄電スタックの間に形成されたスペースは、熱が留まりやすいため、このスペースに、補強フレームおよび支持部材の接触部分を位置させれば、補強フレームに効率良く熱を伝達させることができる。
【0009】
なお、第1蓄電スタックおよび第2蓄電スタックを上方から見たときに、第1蓄電スタックおよび第2蓄電スタックは、互いに直交する方向に沿ってそれぞれ配置することができる。
【0010】
本発明の蓄電装置は、車両に搭載することができる。ここで、蓄電装置の電力をモータ・ジェネレータに供給することにより、車両を走行させるための運動エネルギを生成することができる。また、モータ・ジェネレータは、車両の回生時に発生した運動エネルギを電気エネルギに変換することができ、この電気エネルギは、蓄電装置に蓄えておくことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、第1蓄電スタックを支持する支持部材を、第1蓄電スタックおよび第2蓄電スタックの間に配置するとともに、ケースに固定している。ここで、第1蓄電スタックおよび第2蓄電スタックの間に形成されたスペースに熱が留まるときには、支持部材を介してケースに熱を伝達させることができる。したがって、第1蓄電スタックおよび第2蓄電スタックの間に熱が留まったままとなるのを防止することができ、第1蓄電スタックや第2蓄電スタックの温度上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】電池パックを備えた車両の側面図である。
【図2】電池パックの外観図である。
【図3】電池パックおよびフロアパネルを車両の前方から見たときの概略図である。
【図4】電池パックの分解図である。
【図5】ロアーケースの分解図である。
【図6】電池スタックの分解図である。
【図7】電池スタックの固定構造を示す外観図である。
【図8】電池パックの内部構造を説明する外観図である。
【図9】電池パックの内部構造を説明する外観図である。
【図10】電池パックの内部構造を説明する外観図である。
【図11】台座を固定する構造を示す上面図である。
【図12】電池パックの回路構成を示す図である。
【図13】電池パックの内部構造を示す側面図である。
【図14】電池スタックにおける空気の移動経路を説明する図である。
【図15】電池スタックにおける空気の移動経路を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0014】
本発明の実施例1である電池パック(蓄電装置に相当する)について説明する。まず、本実施例の電池パックを備えた車両について、図1を用いて説明する。図1は、車両の側面図であり、電池パックと、電池パックの温度を調節する機構とを主に示している。図1に示す矢印UPは、車両の上方向を示し、矢印FRは、車両の前進方向を示す。
【0015】
本実施例の車両100は、フロアパネル101を有しており、フロアパネル101の下面には、電池パック1が取り付けられている。フロアパネル101の上面は、車室の一部を形成しているため、電池パック1は、車室の外に配置される。車室とは、乗員が乗車するスペースである。フロアパネル101は、車両100のボディの一部である。
【0016】
電池パック1が搭載される車両100としては、ハイブリッド自動車や電気自動車がある。ハイブリッド自動車は、車両100を走行させる動力源として、電池パック1の他に、内燃機関又は燃料電池を備えた車両である。電気自動車は、車両100の動力源として、電池パック1だけを備えた車両である。
【0017】
電池パック1は、モータ・ジェネレータ(図示せず)に接続されており、モータ・ジェネレータは、電池パック1の出力を受けて、車両100を走行させるための運動エネルギを生成する。モータ・ジェネレータの回転力は、動力伝達機構を介して、車輪に伝達される。
【0018】
電池パック1およびモータ・ジェネレータの間に、昇圧回路やインバータを配置することができる。昇圧回路を配置すれば、電池パック1の出力電圧を昇圧することができる。インバータを用いれば、電池パック1から出力された直流電力を交流電力に変換でき、モータ・ジェネレータとして、三相交流モータを用いることができる。モータ・ジェネレータは、車両100の制動時に発生する運動エネルギを電気エネルギに変換し、電池パック1に出力する。電池パック1は、モータ・ジェネレータからの電力を蓄える。
【0019】
電池パック1には、吸気ダクト102が接続されており、吸気ダクト102は、電池パック1よりも車両100の前方に配置されている。吸気ダクト102の一端には、吸気口102aが設けられており、吸気口102aから空気が取り込まれる。吸気ダクト102の他端102bは、電池パック1に接続されている。
【0020】
ブロワ103は、吸気ダクト102に設けられており、ブロワ103を駆動することにより、吸気ダクト102の吸気口102aから電池パック1に向けて空気が移動する。本実施例では、ブロワ103を吸気ダクト102に設けているが、これに限るものではない。吸気ダクト102の吸気口102aから電池パック1に向けて空気が流れればよく、例えば、後述する排気ダクト106にブロワ103を設けることもできる。
【0021】
エアクリーナ104は、吸気ダクト102に設けられており、吸気ダクト102の吸気口102aから取り込まれた空気を浄化する。具体的には、エアクリーナ104は、フィルタを用いて、空気に含まれる異物を除去する。ブロワ103およびエアクリーナ104は、ダッシュボード105よりも車両100の前方に設けられたスペースに配置されている。このスペースは、車両100がエンジンを備えた自動車であれば、エンジンルームに相当する。
【0022】
吸気ダクト102から電池パック1に導かれた空気は、電池パック1の内部を通過した後に、排気ダクト106に進入する。電池パック1の内部を空気が通過することにより、電池パック1の温度を調節することができる。例えば、空気が電池パック1の熱を奪うことにより、電池パック1を冷却することができる。電池パック1の内部における空気の流れについては、後述する。
【0023】
排気ダクト106の一端106aは、電池パック1に接続されている。排気ダクト106の他端には、排気口106bが形成されている。排気ダクト106の他端側は、リアバンパケース107の内側に配置されている。排気口106bから排出された空気は、リアバンパケース107の内側に形成されたスペースに移動する。
【0024】
次に、電池パック1の構成について説明する。図2は、電池パック1の外観図である。図3は、電池パック1およびフロアパネル101を車両100の前方から見たときの概略図である。図4は、電池パック1の分解図である。図2に示す矢印RHは、車両100の前進方向FRを向いたときの右方向を示し、図4に示す矢印LHは、車両100の前進方向FRを向いたときの左方向を示す。
【0025】
電池パック1は、5つの電池スタック(蓄電スタックに相当する)11〜15と、電池スタック11〜15を収容するパックケース20とを有する。パックケース20の外縁には、複数の締結部20aが設けられており、締結部20aは、電池パック1をフロアパネル101に固定するために用いられる。
【0026】
パックケース20の上面には、突起部20bが形成されている。突起部20bは、上方に向かって突出しているとともに、車両100の前後方向に延びている。図3に示すように、パックケース20の上面は、フロアパネル101に沿って配置される。フロアパネル101は、センタートンネル101aを有している。
【0027】
センタートンネル101aは、上方に向かって突出しているとともに、車両100の前後方向に延びている。センタートンネル101aは、車両100の左右方向において、運転席および助手席の間に設けられている。センタートンネル101aの内側には、パックケース20の突起部20bが位置している。パックケース20の上面には、開口部20cが形成されており、開口部20cは、後述する電流遮断器を通すために設けられている。
【0028】
図4に示すように、電池パック1は、5つの電池スタック11〜15を有しており、電池スタック11〜15は、アッパーケース21およびロアーケース22によって覆われている。アッパーケース21は、複数のボルト23によって、ロアーケース22に固定される。アッパーケース21は、例えば、ガラス繊維を含む樹脂を用いて形成することができる。
【0029】
電池スタック11〜14は、車両100の左右方向に延びており、4つの電池スタック11〜14は、車両100の前後方向に並んでいる。4つの電池スタック11〜14(第2蓄電スタックに相当する)の上方には、電池スタック(第1蓄電スタックに相当する)15が配置されており、電池スタック15は、車両100の前後方向に延びている。電池スタック15は、パックケース20の突起部20bに対応した位置に配置される。すなわち、電池スタック15は、センタートンネル101aの内側に位置している。
【0030】
ロアーケース22は、図5に示すように、ロアキャリア221およびフレーム(補強フレームに相当する)222を有する。電池スタック11〜15は、ロアキャリア221に固定される。ロアキャリア221は、複数のボルト24によってフレーム222に固定される。ロアキャリア221は、例えば、ガラス繊維を含む樹脂を用いて形成することができる。フレーム222は、ロアーケース22の外面に露出しており、鉄といった金属を用いて形成することができる。フレーム222は、ロアーケース22の強度を確保するために用いられ、車両100の左右方向に延びるリンフォースメント222a,222bを有する。フレーム222は、フロアパネル101に固定される。
【0031】
次に、各電池スタック11〜15の構成について説明する。図6は、電池スタック11の分解図である。電池スタック11は、一方向に並んで配置された複数の単電池(蓄電素子に相当する)111を有する。単電池111としては、いわゆる角型の単電池を用いている。本実施例では、各電池スタック11〜15を構成する単電池の数が互いに異なっている。
【0032】
電池スタック11〜15を構成する単電池の数は、適宜設定することができる。本実施例では、ロアーケース22の形状に基づいて、電池スタック11〜15を構成する単電池の数を設定している。また、隣り合う2つの単電池111の間には、仕切り板が配置されている。仕切り板は、絶縁性を有する材料(例えば、樹脂)で形成されており、単電池111の表面に空間を形成するために用いられる。
【0033】
単電池111としては、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池といった二次電池を用いることができる。また、二次電池の代わりに、電気二重層キャパシタ(コンデンサ)を用いることもできる。本実施例の電池スタック11〜15では、複数の単電池を一方向に並べているが、これに限るものではない。具体的には、複数の単電池を用いて1つの電池モジュールを構成し、複数の電池モジュールを一方向に並べることもできる。
【0034】
単電池111の内部には、発電要素が収容されている。発電要素は、充放電を行うことができる要素である。発電要素は、例えば、正極素子と、負極素子と、正極素子および負極素子の間に配置されるセパレータ(電解液を含む)とで構成することができる。正極素子は、集電板の表面に正極活物質層を形成したものである。負極素子は、集電板の表面に負極活物質層を形成したものである。
【0035】
単電池111の上面には、正極端子111aおよび負極端子111bが設けられている。正極端子111aは、発電要素の正極素子と電気的に接続されている。負極端子111bは、発電要素の負極素子と電気的に接続されている。隣り合う2つの単電池111は、バスバーによって電気的に接続される。
【0036】
本実施例では、複数のバスバーが一体的に構成されたバスバーモジュール110を用いている。バスバーモジュール110は、電池スタック11の上面に配置される。バスバーモジュール110は、複数のバスバーと、各バスバーを保持するホルダとを有する。ホルダは、絶縁性を有する材料(例えば、樹脂)で形成されている。各バスバーは、絶縁性を有するカバー(例えば、樹脂製のカバー)で覆うことができ、カバーは、ホルダに取り付けることができる。
【0037】
電池スタック11の両端には、一対のエンドプレート112が配置されている。拘束バンド113は、複数の単電池111の配列方向に延びており、拘束バンド113の両端部が一対のエンドプレート112に固定されている。電池スタック11の上面には、2つの拘束バンド113が配置され、電池スタック11の下面にも、2つの拘束バンド113が配置されている。
【0038】
拘束バンド113をエンドプレート112に固定することにより、一対のエンドプレート112は、互いに近づく方向に変位する。これにより、一対のエンドプレート112によって挟まれた複数の単電池111に対して、拘束力を与えることができる。隣り合う2つの単電池111の間には、スペーサが配置されており、隣り合う2つの単電池111の間には、空気が進入することができる。
【0039】
吸気チャンバ114および排気チャンバ115は、電池スタック11の両側面に配置される。具体的には、吸気チャンバ114および排気チャンバ115は、複数の単電池111の配列方向と直交する方向において、複数の単電池111を挟む位置に配置される。吸気チャンバ114は、接続口114aを有しており、接続口114aには、吸気ダクト102からの空気が進入する。吸気チャンバ114の内側に移動した空気は、隣り合う2つの単電池111の間に形成されたスペースに進入する。空気は、吸気チャンバ114から排気チャンバ115に向かって移動する。
【0040】
空気および単電池111の間で熱交換が行われることにより、単電池111の温度を調節することができる。単電池111が充放電によって発熱しているときには、空気が単電池111の熱を奪うことにより、単電池111の温度上昇を抑制することができる。2つの単電池111の間を通過した空気は、排気チャンバ115に移動する。排気チャンバ115の両端には、排気口115aが設けられており、熱交換後の空気は、排気口115aから排出される。排気口115aから排出された空気は、アッパーケース21およびロアーケース22の間に形成されたスペースに移動する。
【0041】
電池スタック12〜15の構成は、基本的には、電池スタック11の構成と同様である。ただし、電池スタック11〜15を構成する単電池の数は、互いに異なる。ここで、各電池スタック11〜14を構成する複数の単電池は、車両100の左右方向に並んでおり、電池スタック15を構成する複数の単電池は、車両100の前後方向に並んでいる。
【0042】
図7に示すように、電池スタック11のエンドプレート112には、ボルト117によって、ブラケット116が固定される。ブラケット116は、図8に示すように、ボルト118によってロアーケース22に固定される。これにより、電池スタック11は、ロアーケース22に固定される。
【0043】
ブラケット120は、電池スタック12をロアーケース22に固定するために用いられる。具体的には、ブラケット120は、電池スタック12の一対のエンドプレートに固定されるとともに、ロアーケース22に固定される。ブラケット130は、電池スタック13をロアーケース22に固定するために用いられる。
【0044】
具体的には、ブラケット130は、電池スタック13の一対のエンドプレートに固定されるとともに、ロアーケース22に固定される。ブラケット140は、電池スタック14をロアーケース22に固定するために用いられる。具体的には、ブラケット140は、電池スタック14の一対のエンドプレートに固定されるとともに、ロアーケース22に固定される。電池スタック11〜14は、ブラケット116,120,130,140だけでなく、ブラケット30(図10参照)も用いてロアーケース22に固定される。
【0045】
ロアーケース22は、2つのリブ22a,22bを有する。リブ22a,22bは、上方に向かって突出しているとともに、車両100の左右方向に延びている。リブ22a,22bは、図5に示すフレーム222の一部(リンフォースメント222a,222b)によって構成されている。リブ22aよりも車両100の前方に位置する第1領域S1には、電池スタック12が搭載される。リブ22aおよびリブ22bの間に位置する第2領域S2には、電池スタック11が搭載される。リブ22bよりも車両100の後方に位置する第3領域S3には、電池スタック13,14が搭載される。
【0046】
図9に示すように、吸気ダクト102には、4つの分岐ダクト51〜54が接続されている。図9は、分岐ダクト51〜54の配置を示す図である。吸気ダクト102からの空気は、4つの分岐ダクト51〜54に移動する。
【0047】
分岐ダクト51の接続口は、電池スタック11に設けられた吸気チャンバ114の接続口114aと接続している。分岐ダクト51は、電池スタック11のうち、車両100の前方側に位置する側面に接続されている。分岐ダクト51の空気は、電池スタック11の単電池111に供給される。分岐ダクト52の接続口52aは、電池スタック12の吸気チャンバと接続されており、分岐ダクト52の空気は、電池スタック12の単電池に供給される。分岐ダクト52は、電池スタック12のうち、車両100の前方側に位置する側面に接続されている。
【0048】
分岐ダクト53の接続口53aは、電池スタック13の吸気チャンバと接続されており、分岐ダクト53の空気は、電池スタック13の単電池に供給される。分岐ダクト53は、電池スタック13のうち、車両100の前方側に位置する側面に接続されている。分岐ダクト54の接続口54aは、電池スタック14の吸気チャンバと接続されており、分岐ダクト54の空気は、電池スタック14の単電池に供給される。分岐ダクト54は、電池スタック12のうち、車両100の後方側に位置する側面に接続されている。
【0049】
図9に示すように、吸気ダクト102の下方には、電子機器60が配置されている。電子機器60は、ロアーケース22に固定されている。電子機器60は、電池スタック11〜15の充放電を制御するために用いられる機器である。電子機器60としては、例えば、システムメインリレーやレジスタがある。システムメインリレーは、電池スタック11〜15の充放電を許容したり、禁止したりする。システムメインリレーやレジスタは、ジャンクションボックスに取り付けられる。
【0050】
図10に示すように、分岐ダクト51〜54の上面には、鉄などの金属で形成された台座(支持部材の一部に相当する)80が配置される。台座80は、吸気ダクト102の一部の上面にも位置している。上方から見たときに、台座80および分岐ダクト51〜54は、互いに重なっている。台座80は、ブラケット(不図示)によってロアーケース22に固定される。これにより、分岐ダクト51〜54の上面において、台座80を位置決めすることができる。
【0051】
台座80をロアーケース22に固定する構造は、適宜設定することができる。すなわち、台座80が分岐ダクト51〜54の上方で固定されていればよい。本実施例では、台座80およびブラケットを別体で構成しているが、台座80およびブラケットを一体的に構成することもできる。
【0052】
台座80の上面には、複数のスタッドボルト81が設けられている。台座80の上面には、電池スタック15が配置される。電池スタック15は、複数の単電池151を有し、複数の単電池151は、一方向(車両100の前後方向)に並んでいる。
【0053】
電池スタック15の両端には、一対のエンドプレート152が配置されている。拘束バンド153は、車両100の前後方向に延びており、拘束バンド153の両端は、一対のエンドプレート152に固定される。電池スタック15の上面には、2つの拘束バンド153が配置され、電池スタック15の下面には、2つの拘束バンド153が配置されている。拘束バンド153およびエンドプレート152を用いることにより、複数の単電池151に対して拘束力を与えることができる。
【0054】
2つのブラケット156,158は、ボルト159aによって、各エンドプレート152に固定される。台座80のスタッドボルト81は、ブラケット156,158を貫通して、ナット159bと噛み合う。
【0055】
電池スタック15の両側面には、吸気チャンバ154および排気チャンバ155が配置されている。吸気チャンバ154は、複数の単電池151の配列方向に延びており、吸気チャンバ154の一端には、接続口154aが設けられている。吸気チャンバ154の他端は、塞がれている。排気チャンバ155は、複数の単電池151の配列方向に延びており、排気チャンバ155の一端には、排気口155aが設けられている。排気チャンバ155の他端は、塞がれている。接続口154aは、車両100の前後方向における電池スタック15の一端に設けられ、排気口155aは、車両100の前後方向における電池スタック15の他端に設けられている。接続口154aは、吸気ダクト102と接続され、吸気ダクト102からの空気が吸気チャンバ154に進入する。
【0056】
一方、図11に示すように、台座80は、複数のブラケット(支持部材の一部に相当する)82a〜82cを用いて、ロアーケース22に固定される。ブラケット82a〜82cは、鉄などの金属で形成されている。ブラケット82aは、ロアーケース22のロアキャリア221に接触しており、2つのブラケット82aの一方には、電子機器60に含まれるシールド線61(ワイヤーハーネス70に含まれるシールド線)が接続されている。
【0057】
ワイヤーハーネス70は、電池スタック11〜15の充放電に用いられており、ノイズを遮断するためのシールド線61を含んでいる。シールド線61およびブラケット82aは、同一の締結部材を用いてロアーケース22に固定されている。ブラケット82bは、ロアーケース22のリブ22a(図8参照)に固定されており、ブラケット82cは、ロアーケース22のリブ22b(図8参照)に固定されている。
【0058】
ブラケット82bは、ロアーケース22のロアキャリア221を貫通して、フレーム222のリンフォースメント222a(図5参照)と接触している。また、ブラケット82cは、ロアーケース22のロアキャリア221を貫通して、フレーム222のリンフォースメント222b(図5参照)と接触している。
【0059】
ブラケット157は、複数の単電池151の配列方向に延びており、電池スタック15のLH側の面に固定されている。台座80のスタッドボルト81は、ブラケット157を貫通して、ナット159bと噛み合う。図10には示していないが、電池スタック15のRH側の面にも、ブラケット157が固定されている。3種類のブラケット156〜158を用いることにより、電池スタック15が台座80に固定される。電池スタック15の上面には、図6で説明したように、バスバーモジュールが配置される。
【0060】
電池スタック12〜14は、ブラケット30によって、ロアーケース22に押し付けられている。ブラケット30の形状は、電池スタック12〜14に応じて異なっている。5つの電池スタック11〜15は、ワイヤーハーネス70を介して電気的に接続されている。ロアーケース22の側壁には、開口部22cが形成されており、開口部22cは、電池スタック11〜15および負荷を接続するケーブルを通過させるために設けられている。
【0061】
2つの電池監視ユニット40の一方には、電流遮断器71が固定されている。電流遮断器71は、電池スタック11〜15の電流経路を遮断するために用いられる。電流遮断器71は、プラグと、プラグに差し込まれるグリップとで構成されており、グリップをプラグから抜くことにより、電流経路を遮断することができる。
【0062】
電流遮断器71は、パックケース20の開口部20c(図2参照)を貫通するとともに、フロアパネル101に形成された開口部を貫通している。これにより、電流遮断器71は、車室内に突出しており、作業者は車室内で電流遮断器71を操作することができる。電流遮断器71は、シートクッションの下方に形成されたスペースに位置させることができる。また、パックケース20の開口部20cおよびフロアパネル101の間の密閉性を確保するために、シール部材を用いることができる。
【0063】
次に、電池パック1の回路構成について、図12を用いて説明する。
【0064】
本実施例では、5つの電池スタック11〜15を用いて、2つの組電池91,92を構成しており、組電池91,92は、電気的に並列に接続している。組電池91,92を構成する単電池の数は、互いに等しい。組電池91,92は、負荷に接続されている。負荷としては、例えば、モータ・ジェネレータ、昇圧回路、インバータがある。
【0065】
図10に示す2つの電池監視ユニット40の一方は、組電池91の状態を監視するために用いられ、他方の電池監視ユニット40は、組電池92の状態を監視するために用いられる。組電池91,92の状態には、電流、電圧、温度が含まれる。電圧には、各組電池91,92の電圧、単電池の電圧、組電池91,92を構成する複数の単電池を複数のブロックに分けたときの電圧が含まれる。各ブロックには、2つ以上の単電池が含まれる。温度には、各組電池91,92を1箇所又は複数箇所で測定したときの温度が含まれる。
【0066】
電池監視ユニット40で監視される電流、電圧および温度は、電池スタック11〜15の充放電を制御するために用いられる。例えば、電流等は、電池スタック11〜15のSOCを推定するために用いたり、電池スタック11〜15の劣化状態を推定するために用いたりする。また、電圧等は、電池スタック11〜15の過充電や過放電を抑制するために用いられる。
【0067】
組電池91は、2つの電池スタック11,15と、電池スタック13の一部とで構成されており、電池スタック11,15,13の単電池は電気的に直列に接続されている。組電池92は、2つの電池スタック12,14と、電池スタック13の一部とで構成されており、電池スタック12,14,13の単電池は電気的に直列に接続されている。
【0068】
各電池スタック11〜15には、ヒューズ72が設けられている。電池スタック11および電池スタック15の間には、電流遮断器71が設けられており、電池スタック12および電池スタック14の間には、電流遮断器71が設けられている。2つの電流遮断器71は、一体的に構成されており、電流遮断器71のグリップを引き抜くことにより、各組電池91,92の電流経路を同時に遮断することができる。
【0069】
組電池91のプラス端子には、システムメインリレーSMR_B1が接続されており、組電池92のプラス端子には、システムメインリレーSMR_B2が接続されている。組電池91,92のマイナス端子には、システムメインリレーSMR_Gが接続されている。システムメインリレーSMR_Pおよび抵抗73は、システムメインリレーSMR_Gと並列に接続されている。システムメインリレーSMR_B1,B2,G,Pは、上述した電子機器60に含まれる。
【0070】
組電池91,92および負荷を電気的に接続するためには、まず、システムメインリレーSMR_B1,B2およびシステムメインリレーSMR_Pを、オフからオンに切り替える。次に、システムメインリレーSMR_Gをオフからオンに切り替えた後に、システムメインリレーSMR_Pをオンからオフに切り替える。これにより、組電池91,92の充放電を行うことができる。一方、組電池91,92を、直流電源又は交流電源と接続することにより、組電池91,92の充電を行うことができる。
【0071】
次に、電池パック1に供給される空気の流れについて、図13〜図15を用いて説明する。
【0072】
図13に示すように、吸気ダクト102からの空気は、電池スタック15に導かれるとともに、分岐ダクト51〜54を通過して電池スタック11〜14に導かれる。空気が電池スタック15に移動すると、図14の矢印で示すように、空気は、吸気チャンバ154に沿って移動するとともに、隣り合う2つの単電池151の間に形成されたスペースに進入する。空気および単電池151の間で熱交換が行われることにより、単電池151の温度が調節される。
【0073】
電池スタック15に導かれた空気は、吸気チャンバ154から排気チャンバ155に向かって移動する。熱交換後の空気は、排気チャンバ155に移動し、排気チャンバ155の排気口155aから排出される。排気口155aから排出された空気は、アッパーケース21およびロアーケース22で囲まれたスペース(電池スタック11〜15の収容スペース)に移動する。
【0074】
分岐ダクト51を通過する空気は、電池スタック11に導かれる。電池スタック11に導かれた空気は、吸気チャンバ114に沿って移動する。ここで、空気は、電池スタック11の両端に向かって移動する。また、空気は、電池スタック11の配列方向に沿って移動するとともに、隣り合う2つの単電池111の間に形成されたスペースに進入する。空気および単電池111の間で熱交換が行われることにより、単電池111の温度が調節される。熱交換後の空気は、排気チャンバ115に移動し、電池スタック11の両端に設けられた排気口115aから排出される。排気口115aから排出された空気は、アッパーケース21およびロアーケース22で囲まれたスペースに移動する。
【0075】
分岐ダクト52から電池スタック12に導かれた空気は、吸気チャンバ内で電池スタック12の両端に向かって移動するとともに、隣り合う2つの単電池の間に形成されたスペースに移動する。ここで、単電池との間で熱交換が行われた空気は、排気チャンバに移動し、電池スタック12の両端に設けられた排気口から排出される。電池スタック12の排気口から排出された空気は、アッパーケース21およびロアーケース22で囲まれたスペースに移動する。
【0076】
分岐ダクト53から電池スタック13に導かれた空気は、吸気チャンバ内で電池スタック13の両端に向かって移動するとともに、隣り合う2つの単電池の間に形成されたスペースに移動する。ここで、単電池との間で熱交換が行われた空気は、排気チャンバに移動し、電池スタック13の両端に設けられた排気口から排出される。電池スタック13の排気口から排出された空気は、アッパーケース21およびロアーケース22で囲まれたスペースに移動する。
【0077】
分岐ダクト54から電池スタック14に導かれた空気は、吸気チャンバ内で電池スタック14の両端に向かって移動するとともに、隣り合う2つの単電池の間に形成されたスペースに移動する。ここで、単電池との間で熱交換が行われた空気は、排気チャンバに移動し、電池スタック14の両端に設けられた排気口から排出される。電池スタック14の排気口から排出された空気は、アッパーケース21およびロアーケース22で囲まれたスペースに移動する。電池スタック13の排気チャンバと、電池スタック14の排気チャンバとは、車両100の前後方向において向かい合っている。
【0078】
パックケース20の内部に存在する空気(熱交換後の空気)は、排気ダクト106に導かれて、パックケース20の外部に移動する。排気ダクト106に進入した空気は、排気ダクト106に沿って移動し、排気口106b(図1参照)から車両100の外部に排出される。
【0079】
本実施例では、図11を用いて説明したように、ブラケット82aと、台座80と、ブラケット82b,82cとを介して、シールド線61を接地させることができる。ここで、シールド線61をリンフォースメント222a,222bまで延ばすこともできるが、この場合には、シールド線61の配線が複雑になってしまう。本実施例では、ブラケット82a〜82cおよび台座80を用いて、シールド線61の接地経路を形成することにより、シールド線61を短くすることができる。
【0080】
また、台座80は、電池スタック15と、電池スタック11〜14との間に配置されているため、熱を持ちやすくなる。すなわち、台座80が配置されるスペースは、電池スタック15と電池スタック11〜14とによって挟まれたスペースであり、熱が留まりやすいスペースとなる。例えば、各電池スタック11〜14で発生した熱が上昇して、台座80に到達することにより、台座80に熱が留まることがある。また、台座80の下方には、電子機器60が配置されているため、電子機器60で発生した熱が上昇して、台座80に到達することがある。台座80に熱が留まったままでは、台座80の熱によって、電池スタック11〜15が悪影響を受けてしまうおそれがある。
【0081】
本実施例において、台座80は、ブラケット82b,82cを介して、ロアーケース22のフレーム222(リンフォースメント222a,222b)に接続されているため、台座80の熱を、フレーム222に逃がすことができる。フレーム222に伝達した熱は、大気中に放出させることができる。これにより、台座80に熱が留まるのを防止することができる。本実施例では、台座80、ブラケット82b、82cおよびフレーム222によって、放熱経路を形成することができるため、パックケース20の内部に存在する熱をパックケース20の外部に放出させることができる。
【0082】
ここで、図11に示すように、ブラケット82b,82cは、台座80の長手方向(FR方向)における中央部に位置しているとともに、各電池スタック11〜13の長手方向(RH方向)における中央部に位置している。ブラケット82b,82cが配置される位置は、パックケース20内のスペースの中央部に相当し、最も熱が逃げ難い位置となる。この位置にブラケット82b,82cを配置することにより、パックケース20の内部に存在する熱を、ブラケット82b,82cを介して、パックケース20の外部に効率良く放出させることができる。
【0083】
また、図10に示すように、電池スタック11の上方には、電池監視ユニット40が配置されるが、電池スタック11を挟む位置にブラケット82b,82cを配置することにより、電池監視ユニット40の周囲に存在する熱を、ブラケット82b,82cを介してパックケース20の外部に放出させることができる。これにより、電池監視ユニット40の温度上昇を抑制することができる。
【0084】
本実施例では、ブラケット82a〜82cを用いて、台座80をロアーケース22に固定しているが、これに限るものではない。例えば、台座80をアッパーケース21に固定することもできる。この場合には、フレーム222に相当する部材をアッパーケース21に設ける必要がある。
【0085】
一方、本実施例のように、センタートンネル101aの内側に電池スタック15を配置することにより、より多くの数の電池スタック11〜15によって電池パック1を構成することができる。センタートンネル101aは、運転席および助手席の間に位置しているため、センタートンネル101aを設けても、車室内の居住性に悪影響を与えることもない。
【0086】
また、電池スタック15をセンタートンネル101a内に配置するとともに、電子機器60および電池スタック11〜14を、同一面内に配置することにより、フロアパネル101に沿って電池パック1を配置することができる。言い換えれば、電池パック1を車両100の外面に沿って効率良く配置でき、電池パック1が車両100の上下方向において大型化するのを防止することができる。
【0087】
本実施例では、フロアパネル101のセンタートンネル101aに、1つの電池スタック15を配置しているが、これに限るものではない。例えば、複数の電池スタックを、センタートンネル101aに配置することができる。センタートンネル101a内に配置される複数の電池スタックは、車両100の前後方向に並んでいてもよいし、車両100の左右方向に並んでいてもよい。一方、電池スタック15の全体が、センタートンネル101aの内側に位置している必要はなく、電池スタック15の一部だけを、センタートンネル101aの内側に位置させることができる。
【0088】
本実施例では、図12で説明したように、2つの組電池91,92を電気的に並列に接続しているが、これに限るものではない。例えば、組電池91,92を直列に接続することができる。また、電池スタック11〜15を用いて3つ以上の組電池を構成し、これらの組電池を電気的に並列に接続することもできる。一方、本実施例では、車両100の外部に存在する空気を電池パック1に供給しているが、車室内の空気を電池パック1に供給することができる。また、空気の代わりに、他の冷却媒体(気体)を用いることもできる。
【0089】
本実施例では、電池スタック15の下方に、4つの電池スタック11〜14を配置しているが、これに限るものではない。具体的には、電池スタック15の下方に配置される電池スタックの数は、1つ以上とすることができる。また、本実施例では、上方から見たときに(図14参照)、電池スタック15と、各電池スタック11〜14とは、互いに直交するように配置しているが、これに限るものではない。電池スタック15と、各電池スタック11〜14とは、互いに交差するように配置することができる。また、電池スタック15の下方に配置される電池スタックを、電池スタック15と同一方向に並べて配置することもできる。
【0090】
このように、少なくとも2つの電池スタックを上下方向に並べて配置する構成では、隣り合う2つの電池スタックの間に、本実施例で説明した台座80やブラケット82b、82cを配置することができる。これにより、上方に位置する電池スタックを台座80によって支持することができるとともに、台座80等を用いて放熱経路を形成することができる。
【符号の説明】
【0091】
1:電池パック(蓄電装置)
11〜14:電池スタック(第2蓄電スタック)
15:電池スタック(第1蓄電スタック)
110:バスバーモジュール 111,151:単電池(蓄電素子)
111a,131a:正極端子 111b,131b:負極端子
112,152:エンドプレート 113,153:拘束バンド
114,154:吸気チャンバ 115,155:排気チャンバ
116:ブラケット 100:車両
101:フロアパネル 102:吸気ダクト
106:排気ダクト 20:パックケース
21:アッパーケース 22:ロアーケース
221:ロアキャリア 222:フレーム(補強フレーム)
30:ブラケット 40:電池監視ユニット
51〜54:分岐ダクト 60:電子機器
61:シールド線 70:ワイヤーハーネス
71:電流遮断器 80:台座(支持部材)
82a〜82c:ブラケット(支持部材) 91,92:組電池
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の蓄電素子で構成された蓄電スタックを複数備えた蓄電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両等には、複数の電池スタックが搭載されることがある。電池スタックは、複数の単電池を一方向に並べることによって構成されており、車両の走行に用いられるエネルギを出力する。また、複数の電池スタックは、ケース内に並んで配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−181896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の電池スタックを並べて配置するときには、隣り合って配置された2つの電池スタックの間に熱が留まってしまうことがある。熱が留まると、単電池の入出力特性にも悪影響を与えてしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明である蓄電装置は、第1蓄電スタックと、第2蓄電スタックと、第1蓄電スタックおよび第2蓄電スタックを収容するケースとを有する。第1蓄電スタックおよび第2蓄電スタックは、並んで配置された複数の蓄電素子を含んでおり、第2蓄電スタックは、第1蓄電スタックの下方に配置されている。第1蓄電スタックを支持する支持部材は、第1蓄電スタックおよび第2蓄電スタックの間に配置されているとともに、ケースに固定されている。
【0006】
ケースは、絶縁性を有する材料で形成された内壁面と、金属で形成された補強フレームとで構成することができる。そして、支持部材を金属で形成し、支持部材を、内壁面を貫通させて補強フレームに接触させることができる。絶縁性を有する材料としては、例えば、樹脂を用いることができる。ケースの内壁面が樹脂で形成されていると、ケースの内部の熱をケースの外部に逃がしにくくなってしまう。そこで、金属製の支持部材を、ケースの内壁面を貫通させて、金属製の補強フレームに接触させることにより、ケースの内部の熱を、支持部材から補強フレームに伝達させて、ケースの外部に逃がすことができる。
【0007】
シールド線を含むワイヤーハーネスを用いる場合において、支持部材のうち、補強フレームとの接触部分とは異なる部分に、シールド線を接続することができる。これにより、金属製の支持部材や補強フレームを用いて、シールド線を接地することができる。また、支持部材や補強フレームを用いることにより、シールド線を短くすることができる。ここで、ワイヤーハーネスは、第1蓄電スタックおよび第2蓄電スタックの充放電を行うためのケーブルとして用いることができる。
【0008】
複数の第2蓄電スタックを、第1蓄電スタックに沿って並べることができる。ここで、隣り合う2つの第2蓄電スタックの間に、補強フレームを位置させることができる。この構成によれば、補強フレームおよび支持部材の接触部分が、隣り合う2つの第2蓄電スタックの間に位置することになる。隣り合う2つの第2蓄電スタックの間に形成されたスペースは、熱が留まりやすいため、このスペースに、補強フレームおよび支持部材の接触部分を位置させれば、補強フレームに効率良く熱を伝達させることができる。
【0009】
なお、第1蓄電スタックおよび第2蓄電スタックを上方から見たときに、第1蓄電スタックおよび第2蓄電スタックは、互いに直交する方向に沿ってそれぞれ配置することができる。
【0010】
本発明の蓄電装置は、車両に搭載することができる。ここで、蓄電装置の電力をモータ・ジェネレータに供給することにより、車両を走行させるための運動エネルギを生成することができる。また、モータ・ジェネレータは、車両の回生時に発生した運動エネルギを電気エネルギに変換することができ、この電気エネルギは、蓄電装置に蓄えておくことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、第1蓄電スタックを支持する支持部材を、第1蓄電スタックおよび第2蓄電スタックの間に配置するとともに、ケースに固定している。ここで、第1蓄電スタックおよび第2蓄電スタックの間に形成されたスペースに熱が留まるときには、支持部材を介してケースに熱を伝達させることができる。したがって、第1蓄電スタックおよび第2蓄電スタックの間に熱が留まったままとなるのを防止することができ、第1蓄電スタックや第2蓄電スタックの温度上昇を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】電池パックを備えた車両の側面図である。
【図2】電池パックの外観図である。
【図3】電池パックおよびフロアパネルを車両の前方から見たときの概略図である。
【図4】電池パックの分解図である。
【図5】ロアーケースの分解図である。
【図6】電池スタックの分解図である。
【図7】電池スタックの固定構造を示す外観図である。
【図8】電池パックの内部構造を説明する外観図である。
【図9】電池パックの内部構造を説明する外観図である。
【図10】電池パックの内部構造を説明する外観図である。
【図11】台座を固定する構造を示す上面図である。
【図12】電池パックの回路構成を示す図である。
【図13】電池パックの内部構造を示す側面図である。
【図14】電池スタックにおける空気の移動経路を説明する図である。
【図15】電池スタックにおける空気の移動経路を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0014】
本発明の実施例1である電池パック(蓄電装置に相当する)について説明する。まず、本実施例の電池パックを備えた車両について、図1を用いて説明する。図1は、車両の側面図であり、電池パックと、電池パックの温度を調節する機構とを主に示している。図1に示す矢印UPは、車両の上方向を示し、矢印FRは、車両の前進方向を示す。
【0015】
本実施例の車両100は、フロアパネル101を有しており、フロアパネル101の下面には、電池パック1が取り付けられている。フロアパネル101の上面は、車室の一部を形成しているため、電池パック1は、車室の外に配置される。車室とは、乗員が乗車するスペースである。フロアパネル101は、車両100のボディの一部である。
【0016】
電池パック1が搭載される車両100としては、ハイブリッド自動車や電気自動車がある。ハイブリッド自動車は、車両100を走行させる動力源として、電池パック1の他に、内燃機関又は燃料電池を備えた車両である。電気自動車は、車両100の動力源として、電池パック1だけを備えた車両である。
【0017】
電池パック1は、モータ・ジェネレータ(図示せず)に接続されており、モータ・ジェネレータは、電池パック1の出力を受けて、車両100を走行させるための運動エネルギを生成する。モータ・ジェネレータの回転力は、動力伝達機構を介して、車輪に伝達される。
【0018】
電池パック1およびモータ・ジェネレータの間に、昇圧回路やインバータを配置することができる。昇圧回路を配置すれば、電池パック1の出力電圧を昇圧することができる。インバータを用いれば、電池パック1から出力された直流電力を交流電力に変換でき、モータ・ジェネレータとして、三相交流モータを用いることができる。モータ・ジェネレータは、車両100の制動時に発生する運動エネルギを電気エネルギに変換し、電池パック1に出力する。電池パック1は、モータ・ジェネレータからの電力を蓄える。
【0019】
電池パック1には、吸気ダクト102が接続されており、吸気ダクト102は、電池パック1よりも車両100の前方に配置されている。吸気ダクト102の一端には、吸気口102aが設けられており、吸気口102aから空気が取り込まれる。吸気ダクト102の他端102bは、電池パック1に接続されている。
【0020】
ブロワ103は、吸気ダクト102に設けられており、ブロワ103を駆動することにより、吸気ダクト102の吸気口102aから電池パック1に向けて空気が移動する。本実施例では、ブロワ103を吸気ダクト102に設けているが、これに限るものではない。吸気ダクト102の吸気口102aから電池パック1に向けて空気が流れればよく、例えば、後述する排気ダクト106にブロワ103を設けることもできる。
【0021】
エアクリーナ104は、吸気ダクト102に設けられており、吸気ダクト102の吸気口102aから取り込まれた空気を浄化する。具体的には、エアクリーナ104は、フィルタを用いて、空気に含まれる異物を除去する。ブロワ103およびエアクリーナ104は、ダッシュボード105よりも車両100の前方に設けられたスペースに配置されている。このスペースは、車両100がエンジンを備えた自動車であれば、エンジンルームに相当する。
【0022】
吸気ダクト102から電池パック1に導かれた空気は、電池パック1の内部を通過した後に、排気ダクト106に進入する。電池パック1の内部を空気が通過することにより、電池パック1の温度を調節することができる。例えば、空気が電池パック1の熱を奪うことにより、電池パック1を冷却することができる。電池パック1の内部における空気の流れについては、後述する。
【0023】
排気ダクト106の一端106aは、電池パック1に接続されている。排気ダクト106の他端には、排気口106bが形成されている。排気ダクト106の他端側は、リアバンパケース107の内側に配置されている。排気口106bから排出された空気は、リアバンパケース107の内側に形成されたスペースに移動する。
【0024】
次に、電池パック1の構成について説明する。図2は、電池パック1の外観図である。図3は、電池パック1およびフロアパネル101を車両100の前方から見たときの概略図である。図4は、電池パック1の分解図である。図2に示す矢印RHは、車両100の前進方向FRを向いたときの右方向を示し、図4に示す矢印LHは、車両100の前進方向FRを向いたときの左方向を示す。
【0025】
電池パック1は、5つの電池スタック(蓄電スタックに相当する)11〜15と、電池スタック11〜15を収容するパックケース20とを有する。パックケース20の外縁には、複数の締結部20aが設けられており、締結部20aは、電池パック1をフロアパネル101に固定するために用いられる。
【0026】
パックケース20の上面には、突起部20bが形成されている。突起部20bは、上方に向かって突出しているとともに、車両100の前後方向に延びている。図3に示すように、パックケース20の上面は、フロアパネル101に沿って配置される。フロアパネル101は、センタートンネル101aを有している。
【0027】
センタートンネル101aは、上方に向かって突出しているとともに、車両100の前後方向に延びている。センタートンネル101aは、車両100の左右方向において、運転席および助手席の間に設けられている。センタートンネル101aの内側には、パックケース20の突起部20bが位置している。パックケース20の上面には、開口部20cが形成されており、開口部20cは、後述する電流遮断器を通すために設けられている。
【0028】
図4に示すように、電池パック1は、5つの電池スタック11〜15を有しており、電池スタック11〜15は、アッパーケース21およびロアーケース22によって覆われている。アッパーケース21は、複数のボルト23によって、ロアーケース22に固定される。アッパーケース21は、例えば、ガラス繊維を含む樹脂を用いて形成することができる。
【0029】
電池スタック11〜14は、車両100の左右方向に延びており、4つの電池スタック11〜14は、車両100の前後方向に並んでいる。4つの電池スタック11〜14(第2蓄電スタックに相当する)の上方には、電池スタック(第1蓄電スタックに相当する)15が配置されており、電池スタック15は、車両100の前後方向に延びている。電池スタック15は、パックケース20の突起部20bに対応した位置に配置される。すなわち、電池スタック15は、センタートンネル101aの内側に位置している。
【0030】
ロアーケース22は、図5に示すように、ロアキャリア221およびフレーム(補強フレームに相当する)222を有する。電池スタック11〜15は、ロアキャリア221に固定される。ロアキャリア221は、複数のボルト24によってフレーム222に固定される。ロアキャリア221は、例えば、ガラス繊維を含む樹脂を用いて形成することができる。フレーム222は、ロアーケース22の外面に露出しており、鉄といった金属を用いて形成することができる。フレーム222は、ロアーケース22の強度を確保するために用いられ、車両100の左右方向に延びるリンフォースメント222a,222bを有する。フレーム222は、フロアパネル101に固定される。
【0031】
次に、各電池スタック11〜15の構成について説明する。図6は、電池スタック11の分解図である。電池スタック11は、一方向に並んで配置された複数の単電池(蓄電素子に相当する)111を有する。単電池111としては、いわゆる角型の単電池を用いている。本実施例では、各電池スタック11〜15を構成する単電池の数が互いに異なっている。
【0032】
電池スタック11〜15を構成する単電池の数は、適宜設定することができる。本実施例では、ロアーケース22の形状に基づいて、電池スタック11〜15を構成する単電池の数を設定している。また、隣り合う2つの単電池111の間には、仕切り板が配置されている。仕切り板は、絶縁性を有する材料(例えば、樹脂)で形成されており、単電池111の表面に空間を形成するために用いられる。
【0033】
単電池111としては、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池といった二次電池を用いることができる。また、二次電池の代わりに、電気二重層キャパシタ(コンデンサ)を用いることもできる。本実施例の電池スタック11〜15では、複数の単電池を一方向に並べているが、これに限るものではない。具体的には、複数の単電池を用いて1つの電池モジュールを構成し、複数の電池モジュールを一方向に並べることもできる。
【0034】
単電池111の内部には、発電要素が収容されている。発電要素は、充放電を行うことができる要素である。発電要素は、例えば、正極素子と、負極素子と、正極素子および負極素子の間に配置されるセパレータ(電解液を含む)とで構成することができる。正極素子は、集電板の表面に正極活物質層を形成したものである。負極素子は、集電板の表面に負極活物質層を形成したものである。
【0035】
単電池111の上面には、正極端子111aおよび負極端子111bが設けられている。正極端子111aは、発電要素の正極素子と電気的に接続されている。負極端子111bは、発電要素の負極素子と電気的に接続されている。隣り合う2つの単電池111は、バスバーによって電気的に接続される。
【0036】
本実施例では、複数のバスバーが一体的に構成されたバスバーモジュール110を用いている。バスバーモジュール110は、電池スタック11の上面に配置される。バスバーモジュール110は、複数のバスバーと、各バスバーを保持するホルダとを有する。ホルダは、絶縁性を有する材料(例えば、樹脂)で形成されている。各バスバーは、絶縁性を有するカバー(例えば、樹脂製のカバー)で覆うことができ、カバーは、ホルダに取り付けることができる。
【0037】
電池スタック11の両端には、一対のエンドプレート112が配置されている。拘束バンド113は、複数の単電池111の配列方向に延びており、拘束バンド113の両端部が一対のエンドプレート112に固定されている。電池スタック11の上面には、2つの拘束バンド113が配置され、電池スタック11の下面にも、2つの拘束バンド113が配置されている。
【0038】
拘束バンド113をエンドプレート112に固定することにより、一対のエンドプレート112は、互いに近づく方向に変位する。これにより、一対のエンドプレート112によって挟まれた複数の単電池111に対して、拘束力を与えることができる。隣り合う2つの単電池111の間には、スペーサが配置されており、隣り合う2つの単電池111の間には、空気が進入することができる。
【0039】
吸気チャンバ114および排気チャンバ115は、電池スタック11の両側面に配置される。具体的には、吸気チャンバ114および排気チャンバ115は、複数の単電池111の配列方向と直交する方向において、複数の単電池111を挟む位置に配置される。吸気チャンバ114は、接続口114aを有しており、接続口114aには、吸気ダクト102からの空気が進入する。吸気チャンバ114の内側に移動した空気は、隣り合う2つの単電池111の間に形成されたスペースに進入する。空気は、吸気チャンバ114から排気チャンバ115に向かって移動する。
【0040】
空気および単電池111の間で熱交換が行われることにより、単電池111の温度を調節することができる。単電池111が充放電によって発熱しているときには、空気が単電池111の熱を奪うことにより、単電池111の温度上昇を抑制することができる。2つの単電池111の間を通過した空気は、排気チャンバ115に移動する。排気チャンバ115の両端には、排気口115aが設けられており、熱交換後の空気は、排気口115aから排出される。排気口115aから排出された空気は、アッパーケース21およびロアーケース22の間に形成されたスペースに移動する。
【0041】
電池スタック12〜15の構成は、基本的には、電池スタック11の構成と同様である。ただし、電池スタック11〜15を構成する単電池の数は、互いに異なる。ここで、各電池スタック11〜14を構成する複数の単電池は、車両100の左右方向に並んでおり、電池スタック15を構成する複数の単電池は、車両100の前後方向に並んでいる。
【0042】
図7に示すように、電池スタック11のエンドプレート112には、ボルト117によって、ブラケット116が固定される。ブラケット116は、図8に示すように、ボルト118によってロアーケース22に固定される。これにより、電池スタック11は、ロアーケース22に固定される。
【0043】
ブラケット120は、電池スタック12をロアーケース22に固定するために用いられる。具体的には、ブラケット120は、電池スタック12の一対のエンドプレートに固定されるとともに、ロアーケース22に固定される。ブラケット130は、電池スタック13をロアーケース22に固定するために用いられる。
【0044】
具体的には、ブラケット130は、電池スタック13の一対のエンドプレートに固定されるとともに、ロアーケース22に固定される。ブラケット140は、電池スタック14をロアーケース22に固定するために用いられる。具体的には、ブラケット140は、電池スタック14の一対のエンドプレートに固定されるとともに、ロアーケース22に固定される。電池スタック11〜14は、ブラケット116,120,130,140だけでなく、ブラケット30(図10参照)も用いてロアーケース22に固定される。
【0045】
ロアーケース22は、2つのリブ22a,22bを有する。リブ22a,22bは、上方に向かって突出しているとともに、車両100の左右方向に延びている。リブ22a,22bは、図5に示すフレーム222の一部(リンフォースメント222a,222b)によって構成されている。リブ22aよりも車両100の前方に位置する第1領域S1には、電池スタック12が搭載される。リブ22aおよびリブ22bの間に位置する第2領域S2には、電池スタック11が搭載される。リブ22bよりも車両100の後方に位置する第3領域S3には、電池スタック13,14が搭載される。
【0046】
図9に示すように、吸気ダクト102には、4つの分岐ダクト51〜54が接続されている。図9は、分岐ダクト51〜54の配置を示す図である。吸気ダクト102からの空気は、4つの分岐ダクト51〜54に移動する。
【0047】
分岐ダクト51の接続口は、電池スタック11に設けられた吸気チャンバ114の接続口114aと接続している。分岐ダクト51は、電池スタック11のうち、車両100の前方側に位置する側面に接続されている。分岐ダクト51の空気は、電池スタック11の単電池111に供給される。分岐ダクト52の接続口52aは、電池スタック12の吸気チャンバと接続されており、分岐ダクト52の空気は、電池スタック12の単電池に供給される。分岐ダクト52は、電池スタック12のうち、車両100の前方側に位置する側面に接続されている。
【0048】
分岐ダクト53の接続口53aは、電池スタック13の吸気チャンバと接続されており、分岐ダクト53の空気は、電池スタック13の単電池に供給される。分岐ダクト53は、電池スタック13のうち、車両100の前方側に位置する側面に接続されている。分岐ダクト54の接続口54aは、電池スタック14の吸気チャンバと接続されており、分岐ダクト54の空気は、電池スタック14の単電池に供給される。分岐ダクト54は、電池スタック12のうち、車両100の後方側に位置する側面に接続されている。
【0049】
図9に示すように、吸気ダクト102の下方には、電子機器60が配置されている。電子機器60は、ロアーケース22に固定されている。電子機器60は、電池スタック11〜15の充放電を制御するために用いられる機器である。電子機器60としては、例えば、システムメインリレーやレジスタがある。システムメインリレーは、電池スタック11〜15の充放電を許容したり、禁止したりする。システムメインリレーやレジスタは、ジャンクションボックスに取り付けられる。
【0050】
図10に示すように、分岐ダクト51〜54の上面には、鉄などの金属で形成された台座(支持部材の一部に相当する)80が配置される。台座80は、吸気ダクト102の一部の上面にも位置している。上方から見たときに、台座80および分岐ダクト51〜54は、互いに重なっている。台座80は、ブラケット(不図示)によってロアーケース22に固定される。これにより、分岐ダクト51〜54の上面において、台座80を位置決めすることができる。
【0051】
台座80をロアーケース22に固定する構造は、適宜設定することができる。すなわち、台座80が分岐ダクト51〜54の上方で固定されていればよい。本実施例では、台座80およびブラケットを別体で構成しているが、台座80およびブラケットを一体的に構成することもできる。
【0052】
台座80の上面には、複数のスタッドボルト81が設けられている。台座80の上面には、電池スタック15が配置される。電池スタック15は、複数の単電池151を有し、複数の単電池151は、一方向(車両100の前後方向)に並んでいる。
【0053】
電池スタック15の両端には、一対のエンドプレート152が配置されている。拘束バンド153は、車両100の前後方向に延びており、拘束バンド153の両端は、一対のエンドプレート152に固定される。電池スタック15の上面には、2つの拘束バンド153が配置され、電池スタック15の下面には、2つの拘束バンド153が配置されている。拘束バンド153およびエンドプレート152を用いることにより、複数の単電池151に対して拘束力を与えることができる。
【0054】
2つのブラケット156,158は、ボルト159aによって、各エンドプレート152に固定される。台座80のスタッドボルト81は、ブラケット156,158を貫通して、ナット159bと噛み合う。
【0055】
電池スタック15の両側面には、吸気チャンバ154および排気チャンバ155が配置されている。吸気チャンバ154は、複数の単電池151の配列方向に延びており、吸気チャンバ154の一端には、接続口154aが設けられている。吸気チャンバ154の他端は、塞がれている。排気チャンバ155は、複数の単電池151の配列方向に延びており、排気チャンバ155の一端には、排気口155aが設けられている。排気チャンバ155の他端は、塞がれている。接続口154aは、車両100の前後方向における電池スタック15の一端に設けられ、排気口155aは、車両100の前後方向における電池スタック15の他端に設けられている。接続口154aは、吸気ダクト102と接続され、吸気ダクト102からの空気が吸気チャンバ154に進入する。
【0056】
一方、図11に示すように、台座80は、複数のブラケット(支持部材の一部に相当する)82a〜82cを用いて、ロアーケース22に固定される。ブラケット82a〜82cは、鉄などの金属で形成されている。ブラケット82aは、ロアーケース22のロアキャリア221に接触しており、2つのブラケット82aの一方には、電子機器60に含まれるシールド線61(ワイヤーハーネス70に含まれるシールド線)が接続されている。
【0057】
ワイヤーハーネス70は、電池スタック11〜15の充放電に用いられており、ノイズを遮断するためのシールド線61を含んでいる。シールド線61およびブラケット82aは、同一の締結部材を用いてロアーケース22に固定されている。ブラケット82bは、ロアーケース22のリブ22a(図8参照)に固定されており、ブラケット82cは、ロアーケース22のリブ22b(図8参照)に固定されている。
【0058】
ブラケット82bは、ロアーケース22のロアキャリア221を貫通して、フレーム222のリンフォースメント222a(図5参照)と接触している。また、ブラケット82cは、ロアーケース22のロアキャリア221を貫通して、フレーム222のリンフォースメント222b(図5参照)と接触している。
【0059】
ブラケット157は、複数の単電池151の配列方向に延びており、電池スタック15のLH側の面に固定されている。台座80のスタッドボルト81は、ブラケット157を貫通して、ナット159bと噛み合う。図10には示していないが、電池スタック15のRH側の面にも、ブラケット157が固定されている。3種類のブラケット156〜158を用いることにより、電池スタック15が台座80に固定される。電池スタック15の上面には、図6で説明したように、バスバーモジュールが配置される。
【0060】
電池スタック12〜14は、ブラケット30によって、ロアーケース22に押し付けられている。ブラケット30の形状は、電池スタック12〜14に応じて異なっている。5つの電池スタック11〜15は、ワイヤーハーネス70を介して電気的に接続されている。ロアーケース22の側壁には、開口部22cが形成されており、開口部22cは、電池スタック11〜15および負荷を接続するケーブルを通過させるために設けられている。
【0061】
2つの電池監視ユニット40の一方には、電流遮断器71が固定されている。電流遮断器71は、電池スタック11〜15の電流経路を遮断するために用いられる。電流遮断器71は、プラグと、プラグに差し込まれるグリップとで構成されており、グリップをプラグから抜くことにより、電流経路を遮断することができる。
【0062】
電流遮断器71は、パックケース20の開口部20c(図2参照)を貫通するとともに、フロアパネル101に形成された開口部を貫通している。これにより、電流遮断器71は、車室内に突出しており、作業者は車室内で電流遮断器71を操作することができる。電流遮断器71は、シートクッションの下方に形成されたスペースに位置させることができる。また、パックケース20の開口部20cおよびフロアパネル101の間の密閉性を確保するために、シール部材を用いることができる。
【0063】
次に、電池パック1の回路構成について、図12を用いて説明する。
【0064】
本実施例では、5つの電池スタック11〜15を用いて、2つの組電池91,92を構成しており、組電池91,92は、電気的に並列に接続している。組電池91,92を構成する単電池の数は、互いに等しい。組電池91,92は、負荷に接続されている。負荷としては、例えば、モータ・ジェネレータ、昇圧回路、インバータがある。
【0065】
図10に示す2つの電池監視ユニット40の一方は、組電池91の状態を監視するために用いられ、他方の電池監視ユニット40は、組電池92の状態を監視するために用いられる。組電池91,92の状態には、電流、電圧、温度が含まれる。電圧には、各組電池91,92の電圧、単電池の電圧、組電池91,92を構成する複数の単電池を複数のブロックに分けたときの電圧が含まれる。各ブロックには、2つ以上の単電池が含まれる。温度には、各組電池91,92を1箇所又は複数箇所で測定したときの温度が含まれる。
【0066】
電池監視ユニット40で監視される電流、電圧および温度は、電池スタック11〜15の充放電を制御するために用いられる。例えば、電流等は、電池スタック11〜15のSOCを推定するために用いたり、電池スタック11〜15の劣化状態を推定するために用いたりする。また、電圧等は、電池スタック11〜15の過充電や過放電を抑制するために用いられる。
【0067】
組電池91は、2つの電池スタック11,15と、電池スタック13の一部とで構成されており、電池スタック11,15,13の単電池は電気的に直列に接続されている。組電池92は、2つの電池スタック12,14と、電池スタック13の一部とで構成されており、電池スタック12,14,13の単電池は電気的に直列に接続されている。
【0068】
各電池スタック11〜15には、ヒューズ72が設けられている。電池スタック11および電池スタック15の間には、電流遮断器71が設けられており、電池スタック12および電池スタック14の間には、電流遮断器71が設けられている。2つの電流遮断器71は、一体的に構成されており、電流遮断器71のグリップを引き抜くことにより、各組電池91,92の電流経路を同時に遮断することができる。
【0069】
組電池91のプラス端子には、システムメインリレーSMR_B1が接続されており、組電池92のプラス端子には、システムメインリレーSMR_B2が接続されている。組電池91,92のマイナス端子には、システムメインリレーSMR_Gが接続されている。システムメインリレーSMR_Pおよび抵抗73は、システムメインリレーSMR_Gと並列に接続されている。システムメインリレーSMR_B1,B2,G,Pは、上述した電子機器60に含まれる。
【0070】
組電池91,92および負荷を電気的に接続するためには、まず、システムメインリレーSMR_B1,B2およびシステムメインリレーSMR_Pを、オフからオンに切り替える。次に、システムメインリレーSMR_Gをオフからオンに切り替えた後に、システムメインリレーSMR_Pをオンからオフに切り替える。これにより、組電池91,92の充放電を行うことができる。一方、組電池91,92を、直流電源又は交流電源と接続することにより、組電池91,92の充電を行うことができる。
【0071】
次に、電池パック1に供給される空気の流れについて、図13〜図15を用いて説明する。
【0072】
図13に示すように、吸気ダクト102からの空気は、電池スタック15に導かれるとともに、分岐ダクト51〜54を通過して電池スタック11〜14に導かれる。空気が電池スタック15に移動すると、図14の矢印で示すように、空気は、吸気チャンバ154に沿って移動するとともに、隣り合う2つの単電池151の間に形成されたスペースに進入する。空気および単電池151の間で熱交換が行われることにより、単電池151の温度が調節される。
【0073】
電池スタック15に導かれた空気は、吸気チャンバ154から排気チャンバ155に向かって移動する。熱交換後の空気は、排気チャンバ155に移動し、排気チャンバ155の排気口155aから排出される。排気口155aから排出された空気は、アッパーケース21およびロアーケース22で囲まれたスペース(電池スタック11〜15の収容スペース)に移動する。
【0074】
分岐ダクト51を通過する空気は、電池スタック11に導かれる。電池スタック11に導かれた空気は、吸気チャンバ114に沿って移動する。ここで、空気は、電池スタック11の両端に向かって移動する。また、空気は、電池スタック11の配列方向に沿って移動するとともに、隣り合う2つの単電池111の間に形成されたスペースに進入する。空気および単電池111の間で熱交換が行われることにより、単電池111の温度が調節される。熱交換後の空気は、排気チャンバ115に移動し、電池スタック11の両端に設けられた排気口115aから排出される。排気口115aから排出された空気は、アッパーケース21およびロアーケース22で囲まれたスペースに移動する。
【0075】
分岐ダクト52から電池スタック12に導かれた空気は、吸気チャンバ内で電池スタック12の両端に向かって移動するとともに、隣り合う2つの単電池の間に形成されたスペースに移動する。ここで、単電池との間で熱交換が行われた空気は、排気チャンバに移動し、電池スタック12の両端に設けられた排気口から排出される。電池スタック12の排気口から排出された空気は、アッパーケース21およびロアーケース22で囲まれたスペースに移動する。
【0076】
分岐ダクト53から電池スタック13に導かれた空気は、吸気チャンバ内で電池スタック13の両端に向かって移動するとともに、隣り合う2つの単電池の間に形成されたスペースに移動する。ここで、単電池との間で熱交換が行われた空気は、排気チャンバに移動し、電池スタック13の両端に設けられた排気口から排出される。電池スタック13の排気口から排出された空気は、アッパーケース21およびロアーケース22で囲まれたスペースに移動する。
【0077】
分岐ダクト54から電池スタック14に導かれた空気は、吸気チャンバ内で電池スタック14の両端に向かって移動するとともに、隣り合う2つの単電池の間に形成されたスペースに移動する。ここで、単電池との間で熱交換が行われた空気は、排気チャンバに移動し、電池スタック14の両端に設けられた排気口から排出される。電池スタック14の排気口から排出された空気は、アッパーケース21およびロアーケース22で囲まれたスペースに移動する。電池スタック13の排気チャンバと、電池スタック14の排気チャンバとは、車両100の前後方向において向かい合っている。
【0078】
パックケース20の内部に存在する空気(熱交換後の空気)は、排気ダクト106に導かれて、パックケース20の外部に移動する。排気ダクト106に進入した空気は、排気ダクト106に沿って移動し、排気口106b(図1参照)から車両100の外部に排出される。
【0079】
本実施例では、図11を用いて説明したように、ブラケット82aと、台座80と、ブラケット82b,82cとを介して、シールド線61を接地させることができる。ここで、シールド線61をリンフォースメント222a,222bまで延ばすこともできるが、この場合には、シールド線61の配線が複雑になってしまう。本実施例では、ブラケット82a〜82cおよび台座80を用いて、シールド線61の接地経路を形成することにより、シールド線61を短くすることができる。
【0080】
また、台座80は、電池スタック15と、電池スタック11〜14との間に配置されているため、熱を持ちやすくなる。すなわち、台座80が配置されるスペースは、電池スタック15と電池スタック11〜14とによって挟まれたスペースであり、熱が留まりやすいスペースとなる。例えば、各電池スタック11〜14で発生した熱が上昇して、台座80に到達することにより、台座80に熱が留まることがある。また、台座80の下方には、電子機器60が配置されているため、電子機器60で発生した熱が上昇して、台座80に到達することがある。台座80に熱が留まったままでは、台座80の熱によって、電池スタック11〜15が悪影響を受けてしまうおそれがある。
【0081】
本実施例において、台座80は、ブラケット82b,82cを介して、ロアーケース22のフレーム222(リンフォースメント222a,222b)に接続されているため、台座80の熱を、フレーム222に逃がすことができる。フレーム222に伝達した熱は、大気中に放出させることができる。これにより、台座80に熱が留まるのを防止することができる。本実施例では、台座80、ブラケット82b、82cおよびフレーム222によって、放熱経路を形成することができるため、パックケース20の内部に存在する熱をパックケース20の外部に放出させることができる。
【0082】
ここで、図11に示すように、ブラケット82b,82cは、台座80の長手方向(FR方向)における中央部に位置しているとともに、各電池スタック11〜13の長手方向(RH方向)における中央部に位置している。ブラケット82b,82cが配置される位置は、パックケース20内のスペースの中央部に相当し、最も熱が逃げ難い位置となる。この位置にブラケット82b,82cを配置することにより、パックケース20の内部に存在する熱を、ブラケット82b,82cを介して、パックケース20の外部に効率良く放出させることができる。
【0083】
また、図10に示すように、電池スタック11の上方には、電池監視ユニット40が配置されるが、電池スタック11を挟む位置にブラケット82b,82cを配置することにより、電池監視ユニット40の周囲に存在する熱を、ブラケット82b,82cを介してパックケース20の外部に放出させることができる。これにより、電池監視ユニット40の温度上昇を抑制することができる。
【0084】
本実施例では、ブラケット82a〜82cを用いて、台座80をロアーケース22に固定しているが、これに限るものではない。例えば、台座80をアッパーケース21に固定することもできる。この場合には、フレーム222に相当する部材をアッパーケース21に設ける必要がある。
【0085】
一方、本実施例のように、センタートンネル101aの内側に電池スタック15を配置することにより、より多くの数の電池スタック11〜15によって電池パック1を構成することができる。センタートンネル101aは、運転席および助手席の間に位置しているため、センタートンネル101aを設けても、車室内の居住性に悪影響を与えることもない。
【0086】
また、電池スタック15をセンタートンネル101a内に配置するとともに、電子機器60および電池スタック11〜14を、同一面内に配置することにより、フロアパネル101に沿って電池パック1を配置することができる。言い換えれば、電池パック1を車両100の外面に沿って効率良く配置でき、電池パック1が車両100の上下方向において大型化するのを防止することができる。
【0087】
本実施例では、フロアパネル101のセンタートンネル101aに、1つの電池スタック15を配置しているが、これに限るものではない。例えば、複数の電池スタックを、センタートンネル101aに配置することができる。センタートンネル101a内に配置される複数の電池スタックは、車両100の前後方向に並んでいてもよいし、車両100の左右方向に並んでいてもよい。一方、電池スタック15の全体が、センタートンネル101aの内側に位置している必要はなく、電池スタック15の一部だけを、センタートンネル101aの内側に位置させることができる。
【0088】
本実施例では、図12で説明したように、2つの組電池91,92を電気的に並列に接続しているが、これに限るものではない。例えば、組電池91,92を直列に接続することができる。また、電池スタック11〜15を用いて3つ以上の組電池を構成し、これらの組電池を電気的に並列に接続することもできる。一方、本実施例では、車両100の外部に存在する空気を電池パック1に供給しているが、車室内の空気を電池パック1に供給することができる。また、空気の代わりに、他の冷却媒体(気体)を用いることもできる。
【0089】
本実施例では、電池スタック15の下方に、4つの電池スタック11〜14を配置しているが、これに限るものではない。具体的には、電池スタック15の下方に配置される電池スタックの数は、1つ以上とすることができる。また、本実施例では、上方から見たときに(図14参照)、電池スタック15と、各電池スタック11〜14とは、互いに直交するように配置しているが、これに限るものではない。電池スタック15と、各電池スタック11〜14とは、互いに交差するように配置することができる。また、電池スタック15の下方に配置される電池スタックを、電池スタック15と同一方向に並べて配置することもできる。
【0090】
このように、少なくとも2つの電池スタックを上下方向に並べて配置する構成では、隣り合う2つの電池スタックの間に、本実施例で説明した台座80やブラケット82b、82cを配置することができる。これにより、上方に位置する電池スタックを台座80によって支持することができるとともに、台座80等を用いて放熱経路を形成することができる。
【符号の説明】
【0091】
1:電池パック(蓄電装置)
11〜14:電池スタック(第2蓄電スタック)
15:電池スタック(第1蓄電スタック)
110:バスバーモジュール 111,151:単電池(蓄電素子)
111a,131a:正極端子 111b,131b:負極端子
112,152:エンドプレート 113,153:拘束バンド
114,154:吸気チャンバ 115,155:排気チャンバ
116:ブラケット 100:車両
101:フロアパネル 102:吸気ダクト
106:排気ダクト 20:パックケース
21:アッパーケース 22:ロアーケース
221:ロアキャリア 222:フレーム(補強フレーム)
30:ブラケット 40:電池監視ユニット
51〜54:分岐ダクト 60:電子機器
61:シールド線 70:ワイヤーハーネス
71:電流遮断器 80:台座(支持部材)
82a〜82c:ブラケット(支持部材) 91,92:組電池
【特許請求の範囲】
【請求項1】
並んで配置された複数の蓄電素子を含む第1蓄電スタックと、
並んで配置された複数の蓄電素子を含み、前記第1蓄電スタックの下方に配置された第2蓄電スタックと、
前記第1蓄電スタックおよび前記第2蓄電スタックを収容するケースと、
前記第1蓄電スタックおよび前記第2蓄電スタックの間に配置されて前記第1蓄電スタックを支持しており、前記ケースに固定される支持部材と、
を有することを特徴とする蓄電装置。
【請求項2】
前記ケースは、絶縁性を有する材料で形成された内壁面と、前記ケースの外面に露出し、金属で形成された補強フレームとを有しており、
前記支持部材は、金属で形成されており、前記内壁面を貫通して前記補強フレームに接触していることを特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記第1蓄電スタックおよび前記第2蓄電スタックの充放電に用いられ、シールド線を含むワイヤーハーネスを有しており、
前記シールド線は、前記支持部材のうち、前記補強フレームとの接触部分とは異なる部分に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
複数の前記第2蓄電スタックが前記第1蓄電スタックに沿って並んで配置されており、
前記補強フレームは、隣り合う2つの前記第2蓄電スタックの間に位置していることを特徴とする請求項2又は3に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記第1蓄電スタックおよび前記第2蓄電スタックを上方から見たときに、前記第1蓄電スタックおよび前記第2蓄電スタックは、互いに直交する方向に沿ってそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の蓄電装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の蓄電装置と、
前記蓄電装置からの電力を受けて、車両を走行させる運動エネルギを生成するモータ・ジェネレータと、
を有することを特徴とする車両。
【請求項1】
並んで配置された複数の蓄電素子を含む第1蓄電スタックと、
並んで配置された複数の蓄電素子を含み、前記第1蓄電スタックの下方に配置された第2蓄電スタックと、
前記第1蓄電スタックおよび前記第2蓄電スタックを収容するケースと、
前記第1蓄電スタックおよび前記第2蓄電スタックの間に配置されて前記第1蓄電スタックを支持しており、前記ケースに固定される支持部材と、
を有することを特徴とする蓄電装置。
【請求項2】
前記ケースは、絶縁性を有する材料で形成された内壁面と、前記ケースの外面に露出し、金属で形成された補強フレームとを有しており、
前記支持部材は、金属で形成されており、前記内壁面を貫通して前記補強フレームに接触していることを特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記第1蓄電スタックおよび前記第2蓄電スタックの充放電に用いられ、シールド線を含むワイヤーハーネスを有しており、
前記シールド線は、前記支持部材のうち、前記補強フレームとの接触部分とは異なる部分に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
複数の前記第2蓄電スタックが前記第1蓄電スタックに沿って並んで配置されており、
前記補強フレームは、隣り合う2つの前記第2蓄電スタックの間に位置していることを特徴とする請求項2又は3に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記第1蓄電スタックおよび前記第2蓄電スタックを上方から見たときに、前記第1蓄電スタックおよび前記第2蓄電スタックは、互いに直交する方向に沿ってそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の蓄電装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載の蓄電装置と、
前記蓄電装置からの電力を受けて、車両を走行させる運動エネルギを生成するモータ・ジェネレータと、
を有することを特徴とする車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−54054(P2012−54054A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194531(P2010−194531)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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