説明

薬剤学的組成物

【課題】エンドテリンの受容体への結合を特異的に抑制する化合物を含有する薬剤学的組成物。
【解決手段】式I
【化1】


[式中、R〜R、Y及びZは明細書で記載した意味を有する]のエンドテリン受容体拮抗薬化合物又はその薬剤学的に認容性の塩を含有する薬剤学的組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
エンドテリン(Endothelin)は、21個のアミノ酸から構成され、血管の内皮細胞により合成され、放出されるペプチドである。エンドテリンは、ET−1,ET−2及びET−3の3個のイソ型で存在する。以下のテキストにおいては、"エンドテリン"又は"ET"は、1又は全てのイソ型のエンドテリンを意味する。エンドテリンは強力な血管収縮剤であり、かつ血管の緊張に強力な作用を有する。この血管収縮は、エンドテリンがその受容体に結合することにより生ずることが知られている(Nature,332,(1988)411−415;FEBS Letters,231,(1988)440−444 及び Biochem. Biophys. Res. Commun.,154,(1988)868−875)。
【0003】
増大した又は異常なエンドテリンの放出は、末梢の、腎の及び大脳血管において永続的な血管収縮を生じ、これが疾病につながるかもしれない。エンドテリンの血漿レベルにおける上昇は、高血圧、急性心筋梗塞、肺循環昇圧、レイノー症候群、アテローム性動脈硬化症の患者において、及び喘息の気道において見られることが文献に報告されている(Japan J. Hypertension,12,(1989)79, J. Vascular Med. Biology 2,(1990)207, J. Am Med. Association 264,(1990)2868)。
【非特許文献1】Nature,332,(1988)411−415
【非特許文献2】FEBS Letters,231,(1988)440−444
【非特許文献3】Biochem. Biophys. Res. Commun.,154,(1988)868−875
【非特許文献4】Japan J. Hypertension,12,(1989)79
【非特許文献5】J. Vascular Med. Biology 2,(1990)207
【非特許文献6】J. Am Med. Association 264,(1990)2868
【非特許文献7】J. Org. Chem. 59,1994,4378−4380
【非特許文献8】J. March, Advanced Organic Chemistry,第2版,1983,第862頁及び第750頁
【非特許文献9】Tetrahedron Letters 23,(1982)3755
【非特許文献10】H.Suckeら.:Pharmazeutische Technologie,Thieme−Verlag,シュツトガルト,1991
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、エンドテリンの受容体への結合を特異的に抑制する物質は、上述のエンドテリンの種々の生理学的作用に拮抗するはずであり、それゆえ、価値ある薬物となりうるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
我々は、或る種のカルボン酸誘導体がエンドテリン受容体の良好な抑制剤であることを見い出した。
【0006】
本発明は、次式
【化1】

[式中、Rはホルミル、テトラゾール、ニトリル、COOH基又はCOOHに加水分解され得る基であり、そして他の置換基は以下の意味を有する:
2 水素、水酸基、NH2、NH(C1〜4−アルキル)、N(C1〜4−アルキル)2、ハロゲン、C1〜4−アルキル、C1〜4−ハロアルキル、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−ハロアルコキシ又はC1〜4−アルキルチオ;
X 窒素又はCR14、ここで、R14は水素又はC1〜5−アルキル、又はCR14はCR3と一緒になって、1又は2個のC1〜4−アルキル基で置換されていてもよい5−又は6−員のアルキレン又はアルケニレン環であり、その際、各場合にメチレン基は酸素、イオウ、−NH又は−N・C1〜4−アルキルで置換されていてよい;
3 水素、水酸基、NH2、NH(C1〜4−アルキル)、N(C1〜4−アルキル)2、ハロゲン、C1〜4−アルキル、C1〜4−ハロアルキル、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−ハロアルコキシ、−NH−O−C1〜4−アルキル、C1〜4−アルキルチオを表わすか又はCR3は上記で示したようにCR14に結合して5−又は6−員環を与える;
4及びR5(同一又は異なるものでよい):
1又は複数の以下の基で置換されていてよいフェニル又はナフチル:ハロゲン、ニトロ、シアノ、水酸基、C1〜4−アルキル、C1〜4−ハロアルキル、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−ハロアルコキシ、フェノキシ、C1〜4−アルキルチオ、アミノ、C1〜4−アルキルアミノ又はC1〜4−ジアルキルアミノ;又は
オルト位において、直接結合、メチレン、エチレン又はエテニレン基、酸素又はイオウ原子又はSO2−、NH−又はN−アルキル基を介して互いに結合しているフェニル又はナフチル又はC3〜7−シクロアルキル;
6 水素、C1〜8−アルキル、C3〜6−アルケニル、C3〜6−アルキニル又はC3〜8−シクロアルキル、ここでこれらの基はそれぞれ1又は複数の次のものにより置換されていてよい:ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜4−アルコキシ、C3〜6−アルケニルオキシ、C3〜6−アルキニルオキシ、C1〜4−アルキルチオ、C1〜4−ハロアルコキシ、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルコキシカルボニル、C3〜8−アルキルカルボニルアルキル、C1〜4−アルキルアミノ、ジ−C1〜4−アルキルアミノ、フェニル又は1又は複数個、例えば1〜3個のハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜4−アルキル、C1〜4−ハロアルキル、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−ハロアルコキシ又はC1〜4−アルキルチオで置換されているフェニル又はフェノキシ;
フェニル又はナフチル、ここで各々は1又は複数個の以下の基で置換されていてもよい:ハロゲン、ニトロ、シアノ、水酸基、アミノ、C1〜4−アルキル、C1〜4−ハロアルキル、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−ハロアルコキシ、フェノキシ、C1〜4−アルキルチオ、C1〜4−アルキルアミノ、C1〜4−ジアルキルアミノ、ジオキソメチレン又はジオキソエチレン;
1〜4個のハロゲン原子及び/又は1又は2個の以下の基を有していてよい1〜3個の窒素原子及び/又は1個のイオウ又は酸素原子を含有する5−又は6−員の複素芳香環基:C1〜4−アルキル、C1〜4−ハロアルキル、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−ハロアルコキシ、C1〜4−アルキルチオ、フェニル、フェノキシ又はフェニルカルボニル、さらにフェニル基については1〜5個のハロゲン原子及び/又は1〜3個の以下の基を有していてよく:C1〜4−アルキル、C1〜4−ハロアルキル、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−ハロアルコキシ及び/又はC1〜4−アルキルチオ;
但し、Zが単結合でない場合にのみ、R6は水素となり得るという条件を有する;
Y イオウ又は酸素又は単結合;
Z イオウ又は酸素又は単結合。
【0007】
本発明の化合物、及びこれらを合成するためのIV及びVIのような中間体は、1又は複数の不整に置換された炭素原子を有し得る。これらの化合物は純粋な鏡像異性体又は純粋なジアステレオマー又はこれらの混合物の形態で存在し得る。鏡像異性的に純粋な化合物が活性物質として望ましい。
【0008】
本発明はさらに、上述のカルボン酸誘導体の医薬を製造するための使用、殊にエンドテリン受容体の阻害剤を製造するための上述のカルボン酸誘導体の使用に関する。
【0009】
本発明は、さらに鏡像体的に純粋な形態にある式IVの化合物の製造方法に関する。2個のフェニル置換基を有するオレフィンの鏡像体的に選択的なエポキシ化は既知である(J. Org. Chem. 59,1994,4378−4380)。我々は、今や驚くべきことに、これらの系にエステル基が存在してさえも高い光学的純度でエポキシ化を可能とすることを見い出した。
【0010】
Zがイオウ又は酸素である本発明による化合物の製造は、慣用の方法により、例えばJ. March, Advanced Organic Chemistry,第2版,1983,第862頁及び第750頁に記載されているように、ケトンII又はオレフィンIIIから得られるエポキシドIVから出発する:
【化2】

【0011】
一般式VIのカルボン酸誘導体は、一般式IVのエポキシド(例えば、R=ROOR10を有する)を一般式Vのアルコール又はチオール(式中、R6及びZは請求項1に記載の意味を有する)と反応させることにより製造できる。
【0012】
【化3】

【0013】
これを実施するには、一般式IVの化合物を一般式Vの化合物と一緒に、約1:1〜1:7のモル比、好適には1〜3モル当量で、50〜200℃、好適には80〜150℃に加熱する。
【0014】
反応は、又、希釈剤の存在下で実施できる。使用する反応成分に不活性であるすべての溶媒をこの目的のために使用できる。
【0015】
かかる溶媒又は希釈剤の例は、水、脂肪族、脂環式及び芳香族炭化水素であり、これらは各々塩素化されていてもよく、例えばヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、ナフタ、ベンゼン、トルエン、キシレン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素及びトリクロロエチレンであり、及びジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、プロピレンオキシド、ジオキサン及びテトラヒドロフランのようなエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン及びメチルイソブチルケトンのようなケトン、アセトニトリル及びプロピオニトリルのようなニトリル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール及びエチレングリコールのようなアルコール、酢酸エチル及び酢酸アミルのようなエステル、ジメチルホルムアジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドンのようなアミド、ジメチルスルホキシド及びスルホランのようなスルホキシド及びスルホン、ピリジンのような塩基、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン及び1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノンのような環状ウレアである。
【0016】
この反応は、好適には、0℃から溶媒又は混合溶媒の沸点までの範囲の温度で実施される。
【0017】
触媒の存在が好ましいかもしれない。適当な触媒は有機及び無機の強酸、及びルイス酸である。これらの例は、とりわけ硫酸、塩酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、三弗化硼素エーテル錯化合物及びチタン(IV)アルコラートである。
【0018】
4及びR5がシクロアルキルである式VIの化合物は、R4及びR5がフェニル、ナフチル、又は上述のように置換されたフェニル又はナフチルである式VIの化合物を、核の水素添加をして製造することができる。
【0019】
式VIの化合物は、式IVの鏡像異性的に純粋な化合物から出発して、これに上述の方法で式Vの化合物を反応させることにより、鏡像異性的に純粋な形態で得ることができる。
【0020】
さらに、式VIのラセミ又はジアステレオマー化合物に、ブルシン、ストリキニン、キニン、キニジン、キンコニジン、キンコニン、ヨヒンビン、モルフィン、デヒドロアビエチルアミン、エフェドリン(−),(+)、デオキシエフェドリン(+),(−)、スレオ−2−アミノ−1−(p−ニトロフェニル)−1,3−プロパンジオール(+),(−)、スレオ−2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−(p−ニトロフェニル)−1,3−プロパンジオール(+),(−)、スレオ−2−アミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオール(+),(−)、α−メチルベンジルアミン(+),(−)、α−(1−ナフチル)エチルアミン(+),(−)、α−(2−ナフチル)エチルアミン(+),(−)、アミノメチルピナン、N,N−ジメチル−1−フェニルエチルアミン、N−メチル−1−フェニルエチルアミン、4−ニトロフェニルエチルアミン、プソードエフェドリン、ノルエフェドリン、ノルプソードエフェドリン、アミノ酸誘導体、ペプチド誘導体のような適当な鏡像異性的に純粋な塩基を使用して、古典的なラセミ分割を実施することにより、式VIの鏡像異性的に純粋な化合物を得ることができる。
【0021】
Yが酸素であり、そして残りの基が一般式Iの下で述べた意味を有するものである本発明の化合物は、例えば、置換基が上述の意味を有するものである一般式VIのカルボン酸誘導体を一般式VII(式中R15はハロゲンであるか又はR16−SO2−であり、ここで、R16はC1〜4−アルキル、C1〜4−ハロアルキル又はフェニルであってよい)の化合物を反応させて製造することができる。
【0022】
【化4】

【0023】
この反応は、上述の不活性希釈剤の1つにおいて適当な塩基、即ち、中間体VIを脱プロトン化する塩基を添加して、室温から溶媒の沸点までの温度範囲において実施するのが有利である。
【0024】
式VIIの化合物は、既知であり、これらのいくつかは購入でき、又は一般に既知の方法で製造できる。
【0025】
塩基としては、水素化ナトリウム、水素化カリウム又は水素化カルシウムのようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水素化物、例えば炭酸ナトリウム又はカリウムである炭酸のアルカリ金属塩のような炭酸塩、水酸化ナトリウム又はカリウムのようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、ブチルリチウムのような有機金属化合物、又はリチウムジイソプロピルアミドのようなアルカリ金属アミドを使用することができる。
【0026】
Yがイオウであり、残りの置換基が一般式Iで記載したのと同じ意味を有する本発明の化合物は、例えば、一般式VIの化合物から公知方法で得られ、そして置換基が上述の意味を有するものである、一般式VIIIのカルボン酸誘導体を、R2、R3及びXが一般式Iの下で述べたものと同じ意味を有する、一般式IXの化合物と反応させて製造することができる。
【0027】
【化5】

【0028】
この反応は、好適には、上述の不活性希釈剤の1つ中において、室温から溶媒の沸点までの温度において、適当な塩基、即ち中間体IXを脱プロトン化する塩基を添加して行なう。
【0029】
塩基としては、上述のものに加えて、トリエチルアミン、ピリジン、イミダゾール又はジアザビシクロウンデカンのような有機塩基を使用することができる。
【0030】
式VIaのカルボン酸誘導体(式VIにおいてZは直接結合である)は、式IVのエポキシドと式XIの銅酸塩を反応させて製造することができる。
【0031】
【化6】

【0032】
この銅酸塩は、Tetrahedron Letters 23,(1982)3755に記載されているようにして製造できる。
【0033】
式Iの化合物は、また、相応するカルボン酸、即ちRがCOOHである式Iの化合物から出発して、最初にこれらを慣用の方法でハライド、無水物又はイミダゾリドのような活性型に変換させ、次いで後者を相応する水酸化化合物HOR10と反応させることにより製造することもできる。この反応は慣用の溶媒中で実施でき、しばしば塩基の添加を必要とし、その場合には上述のものが適当である。これらの2工程は、また、例えばカルボジイミドのような脱水剤の存在下でカルボン酸を水酸化化合物と反応させることにより簡略化できる。
【0034】
加えて、式Iの化合物は、相応するカルボン酸の塩から、即ち、RがCOR1であり、R1がOMであり、ここでMがアルカリ金属のカチオン又はそれに当価のアルカリ土類金属カチオンである、式Iの化合物から出発して製造することができる。これらの塩は、式R1−Aの多くの化合物(式中Aは慣用の核放出性(nucleofugic)脱離基、例えば、塩素、臭素、ヨウ素のようなハロゲン又はトルエンスルホニル及びメチルスルホニルのような未置換の又はハロゲン、アルキル又はハロアルキルで置換されたアリール−又はアルキルスルホニル、又は他の均等の脱離しうる基である)と反応させることができる。反応性の置換基Aを有する式R1−Aの化合物は既知であり、一般的な専門知識により容易に得ることができる。この反応は慣用の溶媒中で実施でき、有利には塩基を添加して行なうことができ、その際、上述のものが適当である。
【0035】
式Iの基Rは、広範囲に変化し得る。例えば、Rは
【化7】

の基であり、ここでR1は以下の意味を有する:
a) 水素;
b) スクシニルイミドキシ基;
c) ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル及びトリアゾリルのような、窒素原子により結合する5員の複素芳香族基であり、これらは、1又は2個のハロゲン原子、特にフッ素及び塩素及び/又は1又は2個の以下の基を有していてよい:
メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、2−メチル−2−プロピル、2−メチル−1−プロピル、1−ブチル、2−ブチル;
フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、トリクロロメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−クロロ−2,2−ジフルオロエチル、2,2−ジクロロ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル及びペンタフルオロエチルのようなC1〜4−ハロアルキル、特にC1〜2−ハロアルキル;
ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロジフルオロメトキシ、1−フルオロエトキシ、2−フルオロエトキシ、2,2−ジフルオロエトキシ、1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエトキシ及びペンタフルオロエトキシ、特にトリフルオロメトキシのようなC1〜4−ハロアルコキシ、特にC1〜2−ハロアルコキシ;
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、ブトキシ、1−メチルプロポキシ、2−メチルプロポキシ、1,1−ジメチルエトキシ、特にメトキシ、エトキシ、1−メチルエトキシのようなC1〜4−アルコキシ;
メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、1−メチルエチルチオ、ブチルチオ、1−メチルプロピルチオ、2−メチルプロピルチオ、1,1−ジメチルエチルチオ、特にメチルチオ及びエチルチオのようなC1〜4−アルキルチオ;
d) R1はさらに基
【化8】

式中、mは0又は1であり、そしてR7及びR8は同一又は異なって、以下の意味を有する:
水素、
1〜8−アルキル、特にC1〜4−アルキル;
2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、2−プロテニル、3−プロテニル、4−ペンテニル、1−メチル−2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、3−メチル−3−ブテニル、1,1−ジメチル−2−プロペニル、1,2−ジメチル−2−プロペニル、1−エチル−2−プロペニル、3−ヘキセニル、2−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−メチル−2−ペンテニル、2−メチル−2−ペンテニル、3−メチル−2−ペンテニル、4−メチル−2−ペンテニル、3−メチル−3−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、2−メチル−4−ペンテニル、3−メチル−4−ペンテニル、4−メチル−4−ペンテニル、1,1−ジメチル−2−ブテニル、1,1−ジメチル−3−ブテニル、1,2−ジメチル−2−ブテニル、1,2−ジメチル−3−ブテニル、1,3−ジメチル−2−ブテニル、1,3−ジメチル−3−ブテニル、2,2−ジメチル−3−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−3−ブテニル、1−エチル−2−ブテニル、1−エチル−3−ブテニル、2−エチル−2−ブテニル、2−エチル−3−ブテニル、1,1,2−トリメチル−2−プロペニル、1−エチル−1−メチル−2−プロペニル及び1−エチル−2−メチル−2−プロペニル、特に2−プロペニル、2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル及び3−メチル−2−ペンテニルのようなC3〜6−アルケニル;
2−プロピニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−メチル−2−プロピニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−メチル−3−ブチニル、2−メチル−3−ブチニル、1−メチル−2−ブチニル、1,1−ジメチル−2−プロピニル、1−エチル−2−プロピニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル、1−メチル−2−ペンチニル、1−メチル−2−ペンチニル、1−メチル−3−ペンチニル、1−メチル−4−ペンチニル、2−メチル−3−ペンチニル、2−メチル−4−ペンチニル、3−メチル−4−ペンチニル、4−メチル−2−ペンチニル、1,1−ジメチル−2−ブチニル、1,1−ジメチル−3−ブチニル、1,2−ジメチル−3−ブチニル、2,2−ジメチル−3−ブチニル、1−エチル−2−ブチニル、1−エチル−3−ブチニル、2−エチル−3−ブチニル及び1−エチル−1−メチル−2−プロピニル、好適には2−プロピニル、2−ブチニル、1−メチル−2−プロピニル及び1−メチル−2−ブチニル、特に2−プロピニルのようなC3〜6−アルキニル;
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルのようなC3〜8−シクロアルキル、ここでこれらのアルキル、シクロアルキル、アルケニル及びアルキニル基はそれぞれ1〜5個のハロゲン原子、特にフッ素又は塩素及び/又は1又は2個の以下の基を有していてよい:
1〜4−アルキル、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−アルキルチオ、上述のようなC1〜4−ハロアルコキシ、C3〜6−アルケニルオキシ、C3〜6−アルケニルチオ、C3〜6−アルキニルオキシ、C3〜6−アルキニルチオ、ここでこれらの基中に存在するアルケニル及びアルキニルは好適には上述の意味を有する;
特に、メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、1−メチルエチルカルボニル、ブチルカルボニル、1−メチルプロピルカルボニル、2−メチルプロピルカルボニル、1,1−ジメチルエチルカルボニルのようなC1〜4−アルキルカルボニル;
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロピルオキシカルボニル、1−メチルエトキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、1−メチルプロピルオキシカルボニル、2−メチルプロピルオキシカルボニル、1,1−ジメチルエトキシカルボニルのようなC1〜4−アルコキシカルボニル;
3〜6−アルケニルカルボニル、C3〜6−アルキニルカルボニル、C3〜6−アルケニルオキシカルボニル及びC3〜6−アルキニルオキシカルボニル、ここでアルケニル及びアルキニル基は好適には上記で詳細に定義したとおりである;
フェニル、これは非置換又は1又は複数個、例えば1から3個のハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜4−アルキル、C1〜4−ハロアルキル、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−ハロアルコキシ又はC1〜4−アルキルチオにより置換されたもの、例えば、2−フルオロフェニル、3−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、2−メチルフェニル、3−ニトロフェニル、4−シアノフェニル、2−トリフルオロメチルフェニル、3−メトキシフェニル、4−トリフルオロエトキシフェニル、2−メチルチオフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2−メトキシ−3−メチルフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2−ニトロ−5−シアノフェニル、2,6−ジフルオロフェニル;
特に、ジメチルアミノ、ジプロピルアミノ、N−プロピル−N−メチルアミノ、N−プロピル−N−エチルアミノ、ジイソプロピルアミノ、N−イソプロピル−N−メチルアミノ、N−イソプロピル−N−エチルアミノ、N−イソプロピル−N−プロピルアミノのようなジ−C1〜4−アルキルアミノ;
7及びR8は、さらに、1又は複数の、例えば1〜3個の次の基により置換されていてよいフェニル:ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜4−アルキル、C1〜4−ハロアルキル、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−ハロアルコキシ又は特に上述のようなC1〜4−アルキルチオ;
又はR7及びR8は一緒になって、環を形成するために閉環し、これは非置換又は例えばC−原子数1〜4のアルキルで置換されており、そして酸素、イオウ又は窒素から選ばれる複素原子を含有していてよく、例えば −(CH2)4−、−(CH2)5−、−(CH26−、−(CH2)7−、−(CH2)2−O−(CH22−、−CH2−S−(CH23−、−(CH22−O−(CH23−、−NH−(CH23−、−CH2−NH−(CH22−、−CH2−CH=CH−CH2−、−CH=CH−(CH23−である;
e) R1は、さらに
【化9】

の基であり、ここで、kは0,1及び2であり、pは1,2,3及び4であり、そしてR9はC1〜4−アルキル、C1〜4−ハロアルキル、C3〜6−アルケニル、C3〜6−アルキニル又は非置換の又は特に上記したような置換フェニルである。
【0036】
f) R1はさらに基OR10であり、ここでR10は以下のものである:
水素、リチウム、ナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属カチオン又はカルシウム、マグネシウム及びバリウムのようなアルカリ土類金属又は第三級C1〜4−アルキルアンモニウムのような環境的に許容し得る有機アンモニウムイオン又はアンモニウムイオン;
1〜3個のC1〜4−アルキル基を有していてもよい、上述のようなC3〜8−シクロアルキル;
特に、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1−エチル−2−メチルプロピルのようなC1〜8−アルキルであって、1〜5個のハロゲン原子、特にフッ素及び塩素及び/又は以下の基を1個有してもよいもの:
1〜4−アルコキシ、C1〜4−アルキルチオ、シアノ、C1〜4−アルキルカルボニル、C3〜8−シクロアルキル、C1〜4−アルコキシカルボニル、フェニル、フェノキシ又はフェノキシカルボニル、ここでこの芳香族基はそれぞれ1〜5個のハロゲン原子及び/又は1〜3個の以下の基を有することができる:特に、上述のようにニトロ、シアノ、C1〜4−アルキル、C1〜4−ハロアルキル、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−ハロアルコキシ及び/又はC1〜4−アルキルチオ;
上述のようなC1〜8−アルキル、これは1〜5個のハロゲン原子、特にフッ素及び/又は塩素を有していてよく、次の基の1つを有していてよい:1〜3個の窒素原子を含有する5員の複素芳香基、又は窒素原子及び酸素原子又はイオウ原子を含有する5員の複素芳香基、これらは1〜4個のハロゲン原子及び/又は1又は2個の以下の基を有することができる:
ニトロ、シアノ、C1〜4−アルキル、C1〜4−ハロアルキル、C1〜4−アルコキシ、フェニル、C1〜4−ハロアルコキシ及び/又はC1〜4−アルキルチオ。
【0037】
特に以下のものを言及できる:1−ピラゾリル、3−メチル−1−ピラゾリル、4−メチル−1−ピラゾリル、3,5−ジメチル−1−ピラゾリル、3−フェニル−1−ピラゾリル、4−フェニル−1−ピラゾリル、4−クロロ−1−ピラゾリル、4−ブロモ−1−ピラゾリル、1−イミダゾリル、1−ベンズイミダゾリル、1,2,4−トリアゾール−1−イル、3−メチル−1,2,4−トリアゾール−1−イル、5−メチル−1,2,4−トリアゾール−1−イル、1−ベンゾトリアゾリル、3−イソプロピル−5−イソオキサゾリル、3−メチル−5−イソオキサゾリル、2−オキサゾリル、2−チアゾリル、2−イミダゾリル、3−エチル−5−イソオキサゾリル、3−フェニル−5−イソオキサゾリル、3−t−ブチル−5−イソオキサゾリル;
2の位置に以下の基の1つを有するC2〜6−アルキル基:C1〜4−アルコキシイミノ、C3〜6−アルキニルオキシイミノ、C3〜6−ハロアルケニルオキシイミノ又はベンジルオキシイミノ;
3〜6−アルケニル又はC3〜6−アルキニル基、これらの基は1〜5個のハロゲン原子を有していてよい;
10はさらに1〜5個のハロゲン原子及び/又は1〜3個の以下の基を有していてよいフェニル基:
特に上記したとおりのニトロ、シアノ、C1〜4−アルキル、C1〜4−ハロアルキル、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−ハロアルコキシ及び/又はC1〜4−アルキルチオ;
窒素原子を介して結合し、1〜3個の窒素原子を有し、そして1又は2個のハロゲン及び/又は1又は2個の以下の基を有していてよい5−員の複素芳香族基:C1〜4−アルキル、C1〜4−ハロアルキル、C1〜4−アルコキシ、フェニル、C1〜4−ハロアルコキシ及び/又はC1〜4−アルキルチオ。
【0038】
特に言及しうるものは次のものでありうる:
1−ピラゾリル、3−メチル−1−ピラゾリル、4−メチル−1−ピラゾリル、3,5−ジメチル−1−ピラゾリル、3−フェニル−1−ピラゾリル、4−フェニル−1−ピラゾリル、4−クロロ−1−ピラゾリル、4−ブロモ−1−ピラゾリル、1−イミダゾリル、1−ベンズイミダゾリル、1,2,4−トリアゾール−1−イル、3−メチル−1,2,4−トリアゾール−1−イル、5−メチル−1,2,4−トリアゾール−1−イル、1−ベンゾトリアゾリル、3,4−ジクロロ−1−イミダゾリル;
10はさらに
【化10】

の基、
ここでR11及びR12は、同一又は異なって、次のものである:
1〜8−アルキル、C3〜6−アルケニル、C3〜6−アルキニル、C3〜8−シクロアルキル、この際これらの基はC1〜4−アルコキシ、C1〜4−アルキルチオ及び/又は未置換の又は特に上述のとおりに置換されたフェニル基を有していてよい;
1又は複数の、例えば1〜3個の以下の基で置換されていてよいフェニル:ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1〜4−アルキル、C1〜4−ハロアルキル、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−ハロアルコキシ又はC1〜4−アルキルチオ、ここで、これらの基は、特に上述のものである:
又はR11及びR12は一緒になって、1〜3個のC1〜4−アルキル基を有していてよく、酸素、イオウ及び窒素の群からの1個の複素原子を含有する、特にR7及びR8に対して述べたように、C3〜12−アルキレンを形成する。
【0039】
g) R1はさらに
【化11】

の基、
(式中、R13は次のものである:
特に上記したようなC1〜4−アルキル、C3〜6−アルケニル、C3〜6−アルキニル、C3〜8−シクロアルキルであり、これらの基は上記したとおりのC1〜4−アルコキシ、C1〜4−アルキルチオ及び/又はフェニル基を有していてよい;
特に上記したとおりの、未置換の又は置換されたフェニル)、
h) R1は基
【化12】

であり、
ここでR13は上述の意味を有する。
【0040】
Rはさらに次のものでありうる:
テトラゾール又はニトリル。
【0041】
生物学的効果の観点から、純粋な鏡像異性体及び純粋のジアステレオマー又はこれらの混合物として好ましい一般式Iのカルボン酸誘導体は、置換基が次の意味を有するものである:
2 水素、水酸基、N(C1〜4−アルキル、C1〜4−ハロアルコキシ、C1〜4−アルキルチオ基及びR1に対して詳細に記述したハロゲン原子、特に塩素、メチル、メトキシ、エトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ;
X 窒素又はCR14、ここで、
14 は水素又はアルキルであるか、又はCR14はCR3と一緒になって、−CH2−CH2−O−、−CH=CH−O−、−CH2−CH2−CH2−O−、−CH=CH−CH2O−のような4−又は5員のアルキレン又はアルケニレン環を形成し、それぞれの場合、メチレン基は酸素又はイオウにより置換されていてよく、−CH2−CH2−O−、−CH=CH−O−、−CH2−CH2−CH2−O−、−CH=CH−CH2O−、特には水素、−CH2−CH2−O−、−CH(CH3)−CH(CH3)−O−、−C(CH3)=C(CH3)−O−、−CH=C(CH3)−O−又は−C(CH3)=C(CH3)−Sである;
3 水素、水酸基、N(C1〜4−アルキル)2、C1〜4−アルキル、C1〜4−ハロアルキル、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−ハロアルコキシ、C1〜4−アルキルチオ基及びR1に対して言及したハロゲン原子、特に塩素、メチル、メトキシ、エトキシ、ジフルロメトキシ、トリフルオロメトキシであり、又は上述のようにR14に結合して5−又は6−員環を与える;
4及びR5は1又は複数の、例えば1〜3個の以下の基で置換されていてもよいフェニル又はナフチルである:ハロゲン、ニトロ、シアノ、水酸基、メルカプト、アミノ、C1〜4−アルキル、C1〜4−ハロアルキル、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−ハロアルコキシ、C1〜4−アルキルチオ、C1〜4−アルキルアミノ、ジ−C1〜4−アルキルアミノ、C1〜4−アルキルカルボニル、C1〜4−アルコキシカルボニル;オルト位において直接結合、メチレン、エチレン又はエテニレン基、酸素又はイオウ原子又はSO2、NH又はN−アルキル基により互いに結合しているフェニル又はナフチル、又はC3〜7−シクロアルキル;
6 特に上記したとおりのC1〜8−アルキル、C3〜6−アルケニル、C3〜6−アルキニル又はC3〜8−シクロアルキル、ここで、これらの基はそれぞれ、以下のもの1又は複数個により置換されていてよい:
ハロゲン、水酸基、ニトロ、シアノ、C1〜4−アルコキシ、C3〜6−アルケニルオキシ、C3〜6−アルキニルオキシ、C1〜4−アルキルチオ、C1〜4−ハロアルコキシ、C1〜4−アルキルカルボニル、ヒドロキシカルボニル、C1〜4−アルコキシカルボニル、C1〜4−アルキルアミノ、ジ−C1〜4−アルキルアミノ又は特に上記したとおりの非置換の又は置換されたフェニル又はフェノキシ;
以下の基の1又は複数個により置換されていてよいフェニル又はナフチル:ハロゲン、ニトロ、シアノ、水酸基、特にR7及びR4に対して述べたようなアミノ、C1〜4−アルキル、C1〜4−ハロアルキル、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−ハロアルコキシ、フェノキシ、C1〜4−アルキルチオ、C1〜4−アルキルアミノ又はC1〜4−ジアルキルアミノ;
1〜3個の窒素原子及び/又は1個のイオウ又は酸素原子を有し、そして1〜4個のハロゲン原子及び/又は1又は2個の以下の基を有していてよい5−員又は6−員の複素芳香族基:
1〜4−アルキル、C1〜4−ハロアルキル、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−ハロアルコキシ、C1〜4−アルキルチオ、フェニル、フェノキシ又はフェニルカルボニル、ここでフェニル基はさらに1〜5個のハロゲン原子及び/又は1〜3個の以下の基を有していてよく:特にR4に対して述べたとおりのC1〜4−アルキル、C1〜4−ハロアルキル、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−ハロアルコキシ及び/又はC1〜4−アルキルチオ;
Y イオウ、酸素又は単結合;
Z イオウ、酸素、−SO−、−SO2−又は単結合。
【0042】
純粋な鏡像異性体及び純粋なジアステレオマー又はこれらの混合物としての、特に好適な式Iの化合物は、置換基が次の意味を有するものである。
【0043】
21〜4−アルキル、C1〜4−アルコキシ
X 窒素又はCR14、ここで、
14 水素又はアルキルであり、又はCR14は CR3と一緒になって、−CH2−CH2−CH2−、−CH=CH−CH2−のような4−又は5−員のアルキレン又はアルケニレン環を形成し、この際、メチレン基が酸素又はイオウにより置換されていてよい−CH2−CH2−O−、−CH=CH−O−、−CH2−CH2−CH2−O−、−CH=CH−CH2O−のようなもの、特に水素、−CH2−CH2−O−、−CH(CH3)−CH(CH3)−O−、−C(CH3)=C(CH3)−O−、−CH=C(CH3)−O−又は−C(CH3)=C(CH3)−S;
31に対して言及されたC1〜4−アルキル、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−アルキルチオ基、又は上述のようにR14に結合して5−又は6−員の環を形成するもの;
4及びR5 (同一又は異なるもので)1又は複数の、例えば1〜3個の以下の基で置換していてよいフェニル:ハロゲン、ニトロ、水酸基、C1〜4−アルキル、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−アルキルチオ又は
4及びR5はオルト位において直接結合、メチレン、エチレン又はエテニレン基、酸素又はイオウ原子又はSO2、NH又はN−アルキル基を介して互いに結合しているフェニル基;又は
4及びR5はC3〜7−シクロアルキルである;
61〜8−アルキル、C3〜6−アルケニル又はC3〜8−シクロアルキル、ここでこれらの基はそれぞれ1又は複数個の次のものにより置換されていてもよい:ハロゲン、水酸基、ニトロ、シアノ、C1〜4−アルコキシ、C3〜6−アルケニルオキシ、C1〜4−アルキルチオ;1又は複数の以下の基により置換されていてよいフェニル又はナフチル:ハロゲン、ニトロ、シアノ、水酸基、アミノ、C1〜4−アルキル、C1〜4−ハロアルキル、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−ハロアルコキシ、フェノキシ、C1〜4−アルキルチオ、C1〜4−アルキルアミノ又はC1〜4−ジアルキルアミノ;
窒素原子及び/又はイオウ又は酸素原子を有し、1〜4個のハロゲン原子及び/又は1又は2個の以下の基を有していてよい5−員又は6−員の複素芳香族基:C1〜4−アルキル、C1〜4−ハロアルキル、C1〜4−アルコキシ、C1〜4−アルキルチオ、フェニル、フェノキシ又はフェニルカルボニル、ここでフェニル基はさらに1〜5個のハロゲン原子及び/又は1〜3個の以下の基を有していてよい:C1〜4−アルキル、C1〜4−ハロアルキル、C1〜4−アルコキシ及び/又はC1〜4−アルキルチオ;
Y イオウ、酸素又は単結合;
Z イオウ、酸素、−SO−、−SO2−又は単結合。
【0044】
本発明の化合物は、高血圧、肺循環昇圧、心筋梗塞症、狭心性アンギナ、急性腎障害、腎不全症、大脳血管痙れん、大脳虚血、蜘網膜下出血、片頭痛、喘息、アテローム性動脈硬化症、内毒素ショック、内毒素誘引性の器官不全症、血管内凝固、血管形成術後のレステノーシス(restenosis)、良性前立腺肥大、又は高血圧又は虚血又は中毒により引き起こされる腎臓障害の治療のための新規な治療作用を有する。
【0045】
この化合物の良好な作用は、以下の試験で示すことができる。
受容体結合試験
クローン化されたヒトETA受容体−発現CHO細胞及びETA受容体に比較して>60%ETB受容体を有するモルモットの小脳膜を結合試験のために使用した。
「膜調製」
ETA受容体−発現CHO細胞を、10%の胎児牛血清、1%のグルタミン、100U/mlのペニシリン及び0.2%のストレプトマイシンを含有するF12媒体(Gibco BRL,ガイセルベルグ,MD,米国)中で増殖させた。48時間後に、この細胞をPBSで洗い、0.05%のトリプシン−含有PBSと共に5分間インキュベートした。次いで、F12媒体で中和し、300×gで遠心分離して細胞を集めた。この細胞を溶解させるために、ペレットをすばやく溶解緩衝液(5mMのトリス−塩酸、10%グリセロールでpH7.4にした)で洗い、次いで、107細胞/ml溶解緩衝液の濃度で4℃にて30分間インキュベートした。この膜を20000×gで10分間遠心分離し、このペレットを液体窒素中に保存した。
【0046】
ポッター・エルベージェムホモジナイザー中でモルモットの小脳をホモジナイズし、1000×gで10分間分画遠心分離し、上澄み液を2000×gで10分間遠心分離を繰り返して、ET−受容体を有する膜フラクションを得た。
結合アッセイ
ETA及びETB受容体の結合アッセイのために、この膜をアッセイ混合物当たり50μgのタンパク質濃度でインキュベーション緩衝液(50mMのトリス−HCl、5mMのMnCl2、40μg/mlのバシトラシン及び0.2%BSAを含有し、pH7.4)中に懸濁させ、25pM[125I]−ET1(ETA受容体アッセイ)又は25pM[125I]−RZ3(ETB受容体アッセイ)とともに25℃で試験物質の存在下又は非存在下にインキュベートした。10-7M ET1を使用して、非特異的結合を測定した。30分後に、スカットロン細胞収集器(Skatron,Lier,ノールウェー)上で、GF/Bガラスファイバー(Whatman,英国)を通して、遊離の及び結合した放射性リガンドを濾過により分離させ、このフィルターを0.2%BSAでpH7.4にした氷冷トリス−HCl緩衝液で洗った。フィルター上に集められた放射能を、パッカード2200CA液体シンチレーションカウンターを用いて、定量した。
【0047】
エンドテリン受容体(サブタイプA)拮抗薬を探すための機能的インビトロアッセイシステム
このアッセイシステムは、エンドテリン受容体に関する機能的、細胞ベースのアッセイである。或る種の細胞は、エンドテリン1(ET1)で刺激されると、細胞内カルシウム濃度の上昇を示す。この上昇は、カルシウム感受性の染料を負荷した無傷の細胞内で測定することができる。
【0048】
ラットから分離され、そしてその中に内因性のAサブタイプのエンドテリン受容体が検出されている1−線維芽細胞に、以下のようにして蛍光染料フラ2−アン(Fura 2−an)を添加した:トリプシン処理した後、この細胞を緩衝液A(120mM NaCl、5ml KCl、1.5mM MgCl2、1mM CaCl2、25mM HEPES、10mM グルコース、pH7.4)中に2×106/mlの密度になるまで再懸濁させ、フラ 2−アン(2μM)、プルロニクス F−127(0.04%)及びDMSO(0.2%)とともに37℃で暗所にて30分間インキュベートした。この細胞を、次いで緩衝液Aで2回洗い、2×106/mlで再懸濁させた。
【0049】
1ml当たり2×105細胞からの蛍光シグナルを、30℃でEx/Em 380/510で連続的に記録した。試験物質及び、3分間のインキュベートの後で、ET1を細胞に加えた。これにより蛍光の最大変化を測定した。試験物質を予め添加しないET1への細胞の応答を対照として使用し、100%に等しいと設定した。
ET拮抗薬のインビボでの試験
250〜300gの重量の雄SDラットをアモバルビトールで麻酔し、人工的に呼吸させ、迷走神経を切断し、そして脊髄を切断した。頸動脈及び頸静脈にカテーテルをとり付けた。
【0050】
対照動物において、1μg/kgのET1の静脈内投与は、長時間持続する明白な血圧の上昇をもたらした。
【0051】
試験動物に、ET1を投与する5分前に試験化合物(1ml/kg)を静脈内(i.v.)注射した。ET−拮抗作用を測定するために、試験動物における血圧の上昇を、対照動物のそれと対比した。
マウスにおけるエンドテリン−1−誘引性の突然死
この試験の原理は、エンドテリン受容体拮抗薬を予め投与することによる、恐らくは冠血管の収縮により引き起こされるマウスにおけるエンドテリンによりもたらされる突然の心臓死の抑制である。5ml/体重kgの容量でエンドテリン10nモル/kgを静注すると、2〜3分内に動物を死に至る。
【0052】
エンドテリン−1の致死量を、各場合ごとに少数の動物でチェックする。試験物質が静脈投与する場合、対照群で致死的であったエンドテリン−1の注射を通常その後5分で行う。他の投与方法において、投与前の時間は適当ならば7時間まで延長される。
【0053】
生存割合を記録し、エンドテリン−誘引性の心臓死から24時間以上、50%の動物を保護する有効量を測定する。
【0054】
エンドテリン受容体拮抗薬の血管における機能的試験
ウサギの大動脈の切片を、当初の引っ張り力2gでクレブス−ヘンゼライト溶液中37℃及びpH7.3〜7.4にて1時間弛緩させた後に、初めにK+で収縮をおこさせる。洗った後で、エンドテリンの用量−作用プロットを最大まで作成する。
【0055】
エンドテリンの用量−作用プロットを開始する15分前に、同じ血管の他の調製物に可能性のある(potential)エンドテリン拮抗薬を投与する。エンドテリンの効果をK+−誘導収縮の%として換算する。効果的なエンドテリン拮抗薬は、エンドテリンの用量−作用プロットを右方にシフトさせる。
【0056】
本発明の化合物は、慣用の方法により経口又は非経口的(経皮的、静注、筋肉内投与、腹腔内)に投与されうる。投与は鼻咽腔を通じて蒸気又はスプレーで行うこともできる。
【0057】
投与量は、患者の年令、状態及び体重及び投与方法に依存する。活性物質の1日当たりの投与量は、一般には、経口投与の場合体重kg当たり約0.5〜50mgであり、非経口投与の場合は、体重kg当たり約0.1〜10mg/kgである。
【0058】
新規化合物は、慣用の固体又は液体の医薬剤型、例えばコーティングされていない又は(フィルム−)コーティングされた錠剤、カプセル、粉末、顆粒、座剤、溶液、軟膏、クリーム又はスプレーとして使用できる。これらは慣用の方法で製造できる。この活性物質は、その目的のために、錠剤結合剤、充填剤、保存剤、錠剤崩壊剤、流動性調節剤、可塑剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、溶剤、放出遅延剤、抗酸化剤及び/又は噴射用ガス(H.Suckeら.:Pharmazeutische Technologie,Thieme−Verlag,シュツトガルト,1991を参照)のような慣用の薬剤用助剤を含有することができる。このようにして得られる投与剤形は、通常0.1から90重量%の活性物質を含有する。
【実施例】
【0059】
合成例
実施例1
メチル 2−ヒドロキシ−3−メトキシ−3,3−ジフェニルプロピオネート
メチル 3,3−ジフェニル−2,3−エポキシプロピオネート5g(19.6ミリモル)を無水メタノール50mlに溶解させ、0℃で三弗化硼素エーテレート0.1mlを添加した。この混合物を0℃で2時間、さらに室温で12時間撹拌した。溶媒を留去し、残分を酢酸エチル中に入れ、重炭酸ナトリウム及び水で洗い、そして硫酸マグネシウム上で乾燥させた。蒸留により溶媒を除去した後に、淡黄色の油状物5.5g(88%)が残った。
【0060】
実施例2
メチル 2−ヒドロキシ−3−フェノキシ−3,3−ジフェニルプロピオネート
メチル 3,3−ジフェニル−2,3−エポキシプロピオネート5g(19.6ミリモル)及びフェノール5.6g(60ミリモル)を一緒に100℃で6時間加熱した。高度真空下に蒸留により過剰のフェノールを除去し、残分をシリカゲル上でヘキサン/酢酸エチル混合物でクロマトグラフィーにより精製すると淡黄色の油状物4.9g(77%)が得られた。
【0061】
実施例3
メチル 2−(4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イルオキシ)−3−メトキシ−3,3−ジフェニルプロピオネート
メチル 2−ヒドロキシ−3−メトキシ−3,3−ジフェニルプロピオネート 2.86g(10ミリモル)をジメチルホルムアミド40mlに溶解させ、次に水素化ナトリウム0.3g(12ミリモル)を添加した。この混合物を1時間撹拌し、次に4,6−ジメトキシ−2−メチルスルホニルピリミジン2.2g(10ミリモル)を添加した。室温で24時間撹拌した後に、10mlの水で注意深く加水分解を行い、酢酸でpHを5に調節し、高真空下の蒸留により溶媒を除去した。残留物を酢酸エチル100ml中に入れ、水で洗い、そして硫酸マグネシウム上で乾燥させ、溶媒を留去した。残留物をエーテル10mlと混合し、そして生じた沈澱を吸引濾取した。乾燥後、白色粉末 3.48g(82%)が残留した。融点81℃。
【0062】
実施例4
2−(4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イルオキシ)−3−メトキシ−3,3−ジフェニル−プロピオン酸
メチル 2−(4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イルオキシ)−3−メトキシ−3,3−ジフェニルプロピオネート 2.12g(5ミリモル)をジオキサン50ml中に溶解させ、1N水酸化カリウム溶液10mlを添加し、そしてこの混合物を100℃で3時間撹拌した。この溶液を水300mlで希釈し、未反応のエステルを除去するために酢酸エチルで抽出した。次いで、この水層を希塩酸でpH1〜2に調節し、酢酸エチルで抽出した。硫酸マグネシウム上で乾燥させた後、蒸留して溶媒を除去し、この残分をエーテル/ヘキサン混合物と混合し、そして生じた沈澱を吸引濾過した。乾燥後、白色粉末1.85g(90%)が残留した。融点167℃。
【0063】
実施例5
2−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニルオキシ)−3−メトキシ−3,3−ジフェニルナトリウムプロピオネート
2−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニルオキシ)−3−メトキシ−3,3−ジフェニルプロピオン酸 1.68g(4ミリモル)を1N NaOH 4ml及び水100ml中に溶解させた。この溶液を凍結乾燥させ、そして使用したカルボン酸のナトリウム塩が定量的に得られた。
【0064】
メチル 2−ヒドロキシ−3−メトキシ−3,3−ジフェニルプロピオネート 10g(34.9ミリモル)をメタノール及び氷酢酸それぞれ50ml中に溶解させ、RuO(OH)2のジオキサン液1mlを添加し、そして100℃、100バールでオートクレーブ中、H2にて30時間水素添加を行った。触媒を濾去し、この混合物を濃縮し、エーテルと混合し、NaCl溶液で洗い、有機相を乾燥させ、そして濃縮した。メチル 3,3−ジシクロヘキシル−2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピオネート 10.1gが油状物として得られた。
【0065】
実施例7
メチル 2−[(4,6−ジメトキシ−ピリミジン−2−イル)チオ]−3−メトキシ−3,3−ジフェニルプロピオネート
メチル 2−ヒドロキシ−3−メトキシ−3,3−ジフェニルプロピオネート 7.16g(25ミリモル)をジクロロメタン50ml中に溶解させ、トリエチルアミン3g(30ミリモル)を添加し、そしてメタンスルホニルクロリド3.2g(28ミリモル)を撹拌時滴加した。この混合物を室温で2時間撹拌し、水で洗い、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、そして減圧下に濃縮させた。残分をDMF中に入れ、0℃で4,6−ジメトキシピリミジン−2−チオール12.9g(75ミリモル)及び重炭酸ナトリウム8.4g(100ミリモル)を含むDMF100mlの懸濁液に滴加した。室温で2時間、さらに60℃で2時間撹拌した後、この混合物を1lの氷水中に注ぎ、そして生じた沈澱を吸引濾過した。乾燥させると、白色粉末 3.19g(29%)が残留した。
【0066】
実施例8
メチル 2−ヒドロキシ−3,3−ジフェニルブチレート
無水エーテル10ml中に溶かされたメチル 3,3−ジフェニル−2,3−エポキシプロピオネート1.5g(5.9ミリモル)を無水エーテル溶液10ml中に溶かされた銅(I)シアニド635mg(7ミリモル)及び1.6Nメチルリチウム溶液8.14ml(13ミリモル)から製造され、−78℃に冷却された銅酸塩溶液に滴加した。この溶液を−78℃で1時間撹拌し、室温まで暖めた。続いてエーテル100ml及び水100mlで希釈し、エーテル相を希クエン酸及び重炭酸ナトリウム溶液で洗い、そして硫酸マグネシウム上で乾燥させた。この粗生成物をシリカゲル上、シクロヘキサン/酢酸エチル混合物を用いるクロマトグラフィーで精製すると、淡黄色の油状物250mg(16%)が得られた。
【0067】
実施例9
2−ヒドロキシ−3−メトキシ−3,3−ジフェニルプロピオン酸
ベンゾフェノン91.11g(0.5モル)及びナトリウムメトキシド45.92g(0.85モル)を室温でメチルt−ブチルエーテル(MTB)150ml中に懸濁させた。−10℃に冷却後、メチルクロロアセテート92.24g(0.85モル)を、外部を−10℃の浴中で冷却される間に内部温度が40℃に上昇するようにして、添加した。次に、この混合物を冷却せずに自然発生温度で1時間撹拌した。水250mlを添加し、しばらく撹拌した後、水相を分離した。MTB相を希食塩水溶液250mlで洗った。溶媒をメタノール(250ml)に変えた後で、室温にてメタノール10ml中のp−トルエンスルホン酸1gの溶液を添加した。この混合物を自然発生温度で1時間撹拌し、次いで加熱還流させた。メタノールを留去させながら、10%濃度の水酸化ナトリウム溶液400gを滴加し、最後に水60mlを加えた。このメタノールを、底部温度が97℃になる迄、留出させた。55℃に冷却後、MTB190mlを添加し、濃塩酸約77mlでこの混合物をpH2に酸性化した。室温に冷却後、水相を留去し、有機相をMTB60mlを留出して濃縮させた。この生成物はヘプタン500mlを添加して結晶化させ、徐々に室温まで冷却させた。粗結晶状の固体を吸引濾過して、ヘプタンで洗い、真空オーブン中40℃で一定重量になる迄乾燥させた。
収率:108.9g(80%)、HPLC>99.5%エリア。
【0068】
実施例10
S−2−ヒドロキシ−3−メトキシ−3,3−ジフェニルプロピオン酸(L−プロリンメチルエステルを用いるラセミ体分割)
30%濃度のナトリウムメタノレートのメタノール溶液148.8g(0.826モル)を室温で57%濃度のL−プロリンメチルエステル塩酸のメタノール溶液240g(0.826モル)に滴加し、そして2.4lのMTB及び225g(0.826モル)の2−ヒドロキシ−3−メトキシ−3,3−ジフェニルプロピオン酸を添加した。室温で2.4lのMTBを滴加しながら、同時にMTB/メタノール混合物2680mlを留去させた後、この混合物を室温でゆっくりと冷却し、結晶(R−2−ヒドロキシ−3−メトキシ−3,3−ジフェニルプロピオン酸×L−プロリンメチルエステル)を吸引濾過し、この固体をMTB150mlで洗った。これからMTB1.5l留去させてこの濾液を濃縮し、そして水1.0lを添加した。室温で濃塩酸を添加してpHを1.2に調節し、撹拌及び相分離の後に水相を分離し、MTB0.4lで抽出した。この有機相を合体させたものを水0.4lで抽出した。MTBをストリッピングした後で残分を還流下にトルエン650ml中に溶解させ、そして種を与えて生成物を結晶化させ、ゆっくりと冷却させた。濾液を吸引濾過し、トルエンで洗い、真空オーブンで乾燥させると、S−2−ヒドロキシ−3−メトキシ−3,3−ジフェニルプロピオン酸78.7gが得られた(収率ラセミ体に基づいて35%)。
キラル HPLC:100%純度
HPLC:99.8%。
【0069】
実施例11
S−2−ヒドロキシ−3−メトキシ−3,3−ジフェニルプロピオン酸((S)−1−(4−ニトロフェニル)エチルアミンでラセミ体分割)
還流時に(S)−1−(4−ニトロフェニル)エチルアミン30.5g(0.184モル)をアセトン750mlとMTB750ml中の2−ヒドロキシ−3−メトキシ−3,3−ジフェニルプロピオン酸100g(0.368モル)に添加し、混合物を還流しながら1時間沸騰させ、そしてゆっくりと室温まで冷却して結晶化させた。結晶(S−2−ヒドロキシ−3−メトキシ−3,3−ジフェニルプロピオン酸×(S)−1−(4−ニトロフェニル)エチルアミン)を吸引濾過し、MTBで洗った。この残分を水500ml及びMTB350ml中に懸濁させ、次いで室温で濃塩酸でpHを1.2に調節し、撹拌及び相分離の後に、水相を分離させ、MTB150mlで抽出した。集めた有機相を水100mlで抽出した。MTB370mlを留去させ、次いで、n−ヘプタン390mlを還流下に添加し、そしてこの混合物をゆっくりと室温まで冷却させながら、生成物を結晶化させた。吸引濾過、n−ヘプタンでの洗浄及び真空オーブン中での乾燥により、S−2−ヒドロキシ−3−メトキシ−3,3−ジフェニルプロピオン酸35.0gが得られた(ラセミ体に基づいて35%の収率)。
キラルなHPLC:100%純度
HPLC:99.8%。
【0070】
実施例12
ベンジル 3−メトキシ−2−(4−メトキシ−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタピリミジン−2−イルオキシ)−3,3−ジフェニルプロピオネート
3−メトキシ−3,3−ジフェニル−2−ヒドロキシプロピオン酸 24.48g(90ミリモル)をDMF150ml中に溶解させ、そして炭酸カリウム13.7g(99ミリモル)を添加した。この懸濁物を室温で30分間撹拌した。次に、臭化ベンジル10.7ml(90ミリモル)を5分かけて滴加し、この混合物を1時間撹拌すると、この間に温度は32℃に上昇した。
【0071】
この混合物に引き続き、K2CO3 24.84g(180ミリモル)及び2−メタンスルホニル−4−メトキシ−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタピリジン20.52g(90ミリモル)を添加し、この混合物を80℃で3時間撹拌した。
【0072】
精製のため、フラスコの内容物を約600mlの水で希釈し、そして濃塩酸で注意深く酸性化し、次いで酢酸エチル250mlを添加した。純粋な生成物31.4gが沈澱したので、これを濾取した。
【0073】
酢酸エチル相を母液から分離し、この水相を再び酢酸エチルで抽出し、集めた有機相を濃縮した。油状の残分をクロマトグラフィーにより精製すると(シクロヘキサン/酢酸エチル=9/1)、さらに10.5gの純粋な生成物が得られた。
合計収率:41.9g(82.2ミリモル) 91%
融点 143−147℃
MS: MH+=511。
【0074】
実施例13
3−メトキシ−2−(4−メトキシ−(6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタピリミジン−2−イルオキシ)−3,3−ジフェニルプロピオン酸
ベンジル 3−メトキシ−2−(4−メトキシ−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタピリミジン−2−イルオキシ)−3,3−ジフェニルプロピオネート40g(78.4ミリモル)を400mlの酢酸エチル/メタノール(4:1)中に溶解させ、パラジウム/活性炭(10%)約500mgを添加し、そしてこの混合物をもはや気体がとり込まれなくなる迄水素気体にさらした。触媒を濾過し、溶液を蒸発させ、そして残分をエーテルから結晶化させた。
【0075】
実施例14
エチル 2S−3,3−ジフェニルオキシラン−2−カルボキシレート
エチル 3,3−ジフェニルアクリレート2.57g(10.2ミリモル)及び4−フェニルピリジンN−オキシド464mgを塩化メチレン24ml中に溶解させ、(5,5)−(+)−N,N′−ビス(3,5−ジ−t−ブチルサリチリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノマンガネーズ(III)クロリド432mg(6.5モル%)を添加した。氷で冷却しつつ、12%濃度の次亜塩素酸ナトリウム溶液を添加し、この混合物を氷で冷却しながら30分間、そして室温で1晩撹拌した。この溶液を水で希釈して200mlにし、エーテルで抽出し、乾燥し、そして蒸発させた。無色の油状物2.85gが得られた。NPLC(シクロヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製すると、S−配置に富み、鏡像体比が約8:1の油状物1.12gが得られた。
1H−NMR[CDCl3]、
δ=1.0(t,3H);3.9(m,3H);7.3(m,10H)。
【0076】
実施例15
2−メチルスルホニル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタピリミジン−4−オル
KOH 29.6g(528ミリモル)を含むメタノール396mlに、メチル シクロペンタノン−2−カルボキシレート46.9g(330ミリモル)及び5−メチルイソチオ尿素スルフェート53.5g(192ミリモル)を順次添加し、混合物を室温で1晩撹拌し、1N塩酸で酸性化し、水で希釈した。析出した結晶を吸引濾過し、そして乾燥させた。結晶20gが得られた。
【0077】
実施例16
スルフェニル 4−クロロ−2−メチル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタピリミジン
オキシ塩化リン255mlを2−メチルスルホニル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタピリミジン−4−オール20g(110ミリモル)に添加し、この混合物を80℃で3時間撹拌した。オキシ塩化リンを蒸発して除き、この残分に氷を添加し、そして析出した結晶を吸引濾過した。褐色の固体18.5gが得られた。
【0078】
実施例17
4−メトキシ−2−メチルスルホニル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタピリミジン
4−クロロ−2−メチルスルホニル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタピリミジン 18.05g(90ミリモル)をメタノール200ml中に溶解させた。45℃でナトリウムメトキシド(メタノール中30%濃度の溶液として)16.7gを滴加し、そしてこの混合物を2時間撹拌した。この溶液を蒸発させ、酢酸エチル中に入れ、そして希塩酸で酸性化し、さらに酢酸エチル抽出物を蒸発させた。油状物15.5gが残留した。
1H−NMR[DMSO]、
δ=2.1(クインテット,2H);2.5(s,3H);2.8(dt,4H);3.9(s,3H)ppm。
【0079】
実施例18
2−メチルスルホニル−4−メトキシ−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタピリミジン
4−メトキシ−2−メチルスルホニル−6,7−ジヒドロ−5H−シクロペンタピリミジン 15g(76.2ミリモル)を氷酢酸/塩化メチレン(1:1)160ml中に溶解させ、1.3gのタングステン酸ナトリウム1.3gを添加した。35℃で30%濃度のH22 溶液17.5ml(170ml)を滴下して添加した。この混合物を、次に水500ml及び塩化メチレン100mlで希釈し、この有機相を分離し、乾燥及び蒸発させた。油状物14gが残留し、エーテルから結晶させた。
1H−NMR[CDCl3]、
δ=2.2(クインテット,2H);3.0(dt,4H);3.3(s,3H);4.1(s,3H)ppm。
【0080】
実施例19
1−ベンゼンスルホニル−3−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニルオキシ)−4−メトキシ−4,4−ジフェニル−2−ブタノン
フェニルメタンスルホン0.37g(2.4ミリモル)を乾燥THF10mlに溶解させ、次に、−70℃で2規定のブチルリチウム(2.94ml;1.6モルのヘキサン溶液)を滴加した。−70℃で1時間の後、THF5ml中のメチル 2−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニルオキシ)−3−メトキシ−3,3−ジフェニルプロピノネート1g(2.4ミリモル)を滴加した。次に反応混合物を−70℃で1時間撹拌し、さらに−10℃で1時間撹拌した後、室温に加温した。精製のため、約10mlの飽和NH4Cl溶液を滴加し、酢酸エチルで抽出を行い、集めた有機相を飽和NaCl−溶液で振出し、引続きNa2SO4上で乾燥させた。乾燥及び濃縮後に得られた残分をシリカゲル上クロマトグラフィーにより精製し(n−ヘプタン/酢酸エチル15%→30%)、次いで、RPシリカゲル上でMPLC(アセトニトリル/H2O+TFA)精製を行った;白色の非晶質の粉末0.3gが生成物として得られた。
【0081】
実施例20
3,3−ジフェニルオキシラム−2−カルボニトリル
ナトリウムメトキシド3.1g(54.9ミリモル)を乾燥THF20ml中に懸濁し、次に、−10℃でベンゾフェノン5g(27.4ミリモル)とクロロアセトニトリル4.2g(54.9ミリモル)の混合物を滴加した。
【0082】
反応混合物を−10℃で2時間撹拌し、次に水に注ぎ、酢酸エチルで数回抽出した。集めた有機相をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮させ、この残留物をシリカゲル上でクロマトグラフィーで精製した(n−ヘプタン/酢酸エチル)。
収率:1.2g(20%)
1H−NMR[CDCl3]、
δ=3.9(s,1H);7.4−7.5(m,10H)ppm。
【0083】
実施例21
2−ヒドロキシ−3−メトキシ−3,3−ジフェニルプロピオニトリル
6.5g(29.4ミリモル)の3,3−ジフェニルオキシラン−2−カルボニトリルをメタノール60mlに溶解させ、0℃で三弗化硼素エーテル錯化合物溶液約2mlを添加した。この混合物を0℃で1時間更に撹拌し、次に室温で1晩撹拌した。精製のため、酢酸エチルで希釈し、飽和NaCl溶液で洗い、有機相をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮した。この残留物は白色の無定形の粉末7.3gを含み、これはそのまま次の反応に使用された。
1H−NMR[CDCl3]、
δ=2.95(ブロード s,3H)、3.15(s,3H)、5.3(s,1H)、7.3−7.5(m,10H)ppm。
【0084】
実施例22
2−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニルオキシ)−3−メトキシ−3,3−ジフェニルプロピオニトリル
2−ヒドロキシ−3−メトキシ−3,3−ジフェニルプロピオニトリル7.3g(28.8ミリモル)をDMF90ml中に溶解させ、K2CO3 4g(28.8ミリモル)及び2−メタンスルホニル−4,6−ジメトキシピリミジン6.3g(28ミリモル)を添加した。この混合物を室温で約12時間撹拌し、次に水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。集めた有機相を、再びH2Oで洗い、乾燥させ、そして濃縮させた。こうして得られた残分を、次いで、シリカゲル上(n−ヘプタン/酢酸エチル)クロマトグラフィーにより精製した。
収率:白色の無定形の粉末6.9g
FAB−MS:392(M+H+
1H−NMR[CDCl3]、
δ=3.3(s,3H);4.95(s,6H);5.85(s,1H);6.3(s,1H);7.3−7.5(m,10H)ppm。
【0085】
実施例23
5−[2−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジン−2−イルオキシ)−3−メトキシ−3,3−ジフェニル)−プロピル]−1H−テトラゾール
トルエン10ml中にニトリル0.5g(1.3ミリモル)を溶解させ、順次NaN3 85mg(1.3ミリモル)及びBu3SnCl 460mg(1.4ミリモル)を添加し、次いでこの混合物を40時間還流させた。冷却後、酢酸エチルで希釈し、10%のKF水溶液で洗い、次いでNaCl溶液で洗った。MgSO4上で乾燥した後、濃縮すると、黄色の油状物1.0gが残り、これをシリカゲル上(n−ヘプタン/酢酸エチル)でクロマトグラフィーにより精製した。
【0086】
このフラクションを濃縮させると、1H−テトラゾール60mg及び1−メチルテトラゾール110mg(これらは各々無定形の白色固体であった)が得られた。
【0087】
5−[2−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニルオキシ)−3−メトキシ−3,3−ジフェニル)−プロピル]−1H−テトラゾール
エレクトロスプレーMS:435(M+H+
1H−NMR(CDCl3):
δ(ppm)3.28(s,3H)、3.85(s,6H)、5.75(s,1H)、7.25〜7.40(m,10H)、7.50(s,1H)。
【0088】
5−[2−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニルオキシ)−3−メトキシ−3,3−ジフェニル)−プロピル]−1−メチルテトラゾール
エレクトロスプレーMS;471(M+H+
1H−NMR(CDCl3):
δ(ppm)3.0(s,3H)、3.35(s,3H)、3.80(s,6H)、5.75(s,1H)、7.30−7.40(m,11H)。
【0089】
実施例24
2−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニルオキシ)−3−メチルスルフィニル−3,3−ジフェニルプロピオン酸
2−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニルオキシ)−3−メチルスルホニル−3,3−ジフェニルプロピオン酸1.2g(2.9ミリモル) を0℃で氷酢酸15ml中に導入し、30%濃度のH22 294μlを滴加した。この混合物を室温で1晩撹拌し、水中に注ぎ、CH2Cl2で抽出し、チオ硫酸ナトリウム及び塩水で洗った。乾燥後、1gの物質が白色の泡状物として分離された。
【0090】
実施例25
2−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニルオキシ)−3−メチルスルホニル−3,3−ジフェニルプロピオン酸
2−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニルオキシ)−3−メチルスルホニル−3,3−ジフェニルプロピオン酸0.6g(1.45ミリモル)を室温で氷酢酸15ml中に導入し、30%濃度のH22 294μlを滴加した。この混合物を室温で1晩撹拌し、さらに50℃で3時間加熱し、水中に注ぎ、チオ硫酸ナトリウム溶液及び塩水で洗った。乾燥後、白色固体として400mgが分離された。
【0091】
第1表に記載された化合物が同様にして製造できる。
【0092】
【表1】

【0093】
【表2】

【0094】
【表3】

【0095】
【表4】

【0096】
【表5】

【0097】
【表6】

【0098】
【表7】

【0099】
【表8】

【0100】
【表9】

【0101】
【表10】

【0102】
実施例35
受容体結合データを、以下に記載する化合物について上述の結合アッセイにより測定した。結果を第2表に示す。
【0103】
【表11】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、Yは酸素であり、
Zは酸素であり、
RはCOOHであり、
2はC1〜4−アルキルであり、
3はC1〜4−アルキルであり、
4は置換されていないフェニルであり、
5は置換されていないフェニルであり、
6はC1〜8−アルキルである]のエンドテリン受容体拮抗薬化合物又はその薬剤学的に認容性の塩を含有する、薬剤学的組成物。
【請求項2】
エンドテリン受容体拮抗薬化合物が、
【化2】

又はその薬剤学的に認容性の塩である、請求項1記載の薬剤学的組成物。
【請求項3】
組成物が、エンドテリン受容体へのエンドテリンの結合を抑制することにより媒介される疾患を治療するために使用される、請求項2記載の薬剤学的組成物。
【請求項4】
エンドテリン受容体拮抗薬化合物又はその塩が、エンドテリンタイプA受容体に選択的である、請求項3記載の薬剤学的組成物。
【請求項5】
組成物が、肺循環昇圧を治療するために使用される、請求項4記載の薬剤学的組成物。
【請求項6】
組成物が治療上有効な量で毎日投与される、請求項5記載の薬剤学的組成物。
【請求項7】
組成物が経口投与される、請求項6記載の薬剤学的組成物。
【請求項8】
組成物が、フィルム−コーティングされた錠剤として投与される、請求項7記載の薬剤学的組成物。
【請求項9】
フィルム−コーティングされた錠剤が、少なくとも1つの薬剤用助剤を含有している、請求項8記載の薬剤学的組成物。
【請求項10】
組成物が、フィルム−コーティングされた錠剤の治療上有効な量の毎日の経口投与を通じて肺循環昇圧を治療するために使用され、前記錠剤が、少なくとも1つの薬剤用助剤及びエンドテリン受容体拮抗薬化合物
【化3】

を含有しており、前記化合物はエンドテリンタイプA受容体に選択的である、請求項1記載の薬剤学的組成物。

【公開番号】特開2007−169295(P2007−169295A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−40758(P2007−40758)
【出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【分割の表示】特願平8−512911の分割
【原出願日】平成7年10月7日(1995.10.7)
【出願人】(502159343)アボット ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト (24)
【氏名又は名称原語表記】Abbott GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Max−Planck−Ring 2, D−65205 Wiesbaden, Germany
【Fターム(参考)】