説明

衛星を利用した測位に関する方法および構成

衛星によって送出された測距信号を利用して、セルラー無線通信システムの第1のセル内で動作している移動局の測位を衛星に基づいて行うための支援データを提供する方法、装置、およびコンピュータプログラム。第1のセル内で動作している移動局の測位を行うための支援データのシーケンスが、少なくとも4個から成る1組の衛星のうちの個々の衛星に関連付けられた支援データを前記シーケンスの中に含むことによって、生成される(306)。前記1組の衛星のうちの少なくとも1個と、個々の衛星に関連付けられた支援データが前記支援データのシーケンスにおいて発生する順序とが、第1のセルに関連付けられた制御データであって、第1のセルにおける前記測距信号の受信に影響する第1のセルの中の現地の障害物あるいはその周辺の環境を反映する制御データを利用して、選択される(305)。また、本発明は、第1のセルにおける移動局の測位から導出された情報を利用して前記制御データを更新する(311)ための、方法、装置、およびコンピュータプログラムを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に移動装置の衛星を利用した測位に関するものである。
【背景技術】
【0002】
物体、装置、あるいは装置を携行する人物の地理的位置の決定は、近年、多くの応用分野において益々関心を集めるようになってきている。測位を解決する一つの方法は、衛星から放出される測距信号を使って位置を判断することである。そのようなシステムの例として良く知られているのは、全地球測位システム(GPS)(例えば[1]を参照)や来るべきガリレオシステムである。衛星から受信した複数の信号に基づく三角測量/三辺測量として、特定の座標系に関して位置が与えられる。
【0003】
スタンドアロン型のGPSレシーバは、公称(nominal)搬送周波数と、信号によって搬送されるデータが変調される規則とを除けば、システムについてのそれ以外の情報を何ら持たなくても、GPS衛星信号への完全な同期を得ることができる。基本的に、位置計算の工程においては、3次元位置、および受信機(レシーバ)のクロックの衛星時刻に対するバイアスを判定する必要がある。
【0004】
アシステッドGPS(AGPS)は、GPSレシーバをセルラー通信システムのユーザ装置、すなわち移動局、と統合するために、GPSを改良したものとして定義されてきた(例えば、第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)の仕様TS 25.331またはTS 44.031を参照)。概してアシステッドGPSは、検出感度、位置推定値の取得に要する時間、精度、バッテリの節電など、さまざまな点でGPSレシーバの性能を高めることを目的としている。これは、移動局の中のGPSレシーバから一部の機能をネットワークに移し、GPSレシーバ自身の中ではGPSタスクのサブセットだけを実行することによって、行われる。より具体的には、GPS参照レシーバが、セルラー通信システムのネットワーク側に設けられる。これらの参照GPSレシーバは、GPS衛星(宇宙船)からの測距信号の送信を受け、各GPS衛星に関連する支援データを収集するが、それらは、移動局に送信された場合、移動局に組み込まれたGPSレシーバの性能を高める。
【0005】
AGPSには、移動局(すなわち、ユーザ装置)ベーストAGPSと移動局(すなわち、ユーザ装置)アシステッドAGPSの2種類がある。移動局ベーストAGPSでは、移動局の位置は、移動局が判断する測距信号の測定結果およびネットワークが提供する支援データを用いて、移動局の中で計算される。移動局アシステッドAGPS(ネットワークベーストAGPSと呼ばれることもある)では、移動局は、宇宙船(すなわち衛星)への疑似距離を反映する受信した測距信号のタイミングを測定して報告するだけである。
【0006】
位置サーバがセルラーネットワークにどのように接続しているかによって、AGPSソリューションを(移動局ベーストも移動局アシステッドも両方共)さらに「AGPSに対する制御プレーン・ソリューション」と「AGPSに対するユーザプレーン・ソリューション」とに分けることができる。「AGPSに対する制御プレーン・ソリューション」において、位置サーバの機能(在圏移動位置センタ(SMLC)またはスタンドアロンSMLC(SAS)と呼ばれることもある別個の位置サーバノードの中に実装されてもよいし、あるいは、無線ネットワーク制御装置のような他のネットワークノードの中で他の機能と一緒に統合されてもよい)は、セルラーネットワークに強固に統合されており、支援データおよび測定結果はいわゆる制御プレーン・シグナリングを用いて通信される。「AGPSに対するユーザプレーン・ソリューション」において、位置サーバの機能とセルラーネットワークとの統合度はそれほど密接ではなく、支援データおよび測定結果はいわゆるユーザプレーン・シグナリングを用いて通信される(すなわち、通常のユーザデータパケットが、この情報をセルラーネットワークに透過的に伝達するのに使用される)。
【0007】
2004年5月のイタリア国ピサにおけるURSI EMP−Sにおいて発表されたA.KangasおよびT.Wigrenによる「A−GPSによる位置範囲と感度」は、従来型GPSレシーバとの比較で、支援データがどれほどAGPSレシーバの感度と衛星を最初に補足するまでの時間(time to a first fix)とを向上させるかについて論じている。この論文は、いろいろな用法のシナリオについて論じており、窓から遠く離れた完全な室内での動作は、非常に精確な時間支援を必要とする傾向があり、他方、都会のビルの谷間での動作やもっと簡単な室内動作では、そのようなマイクロ秒単位の精度がなくてもいいことを実証している。
【0008】
AGPSを用いて移動局の測位をする場合、選択された1組の衛星に関連付けられた支援データが、移動局に提供される。衛星の選択と、選択された衛星に関連付けられた支援データを発生させる順序の選択とは、セルに依存しない固定的なスキームに従って、測位ノードによって行われる。先行技術の一スキームによれば、最高の仰角を有する第1の衛星が選択され、次いで、有効な測定形状を得る目的で十分な方位角の広がりを維持しながら、できるだけ高い衛星がさらに選択されてもよい。別の先行技術のスキームによれば、衛星が45度の仰角にどれほど近いかに基づいて選択される(それによって、測定形状を向上させる方位角の広がりが、自動的に達成される)。
【0009】
公開された国際出願WO 00/69187は、GPS支援データが、ポイント・ツー・ポイントのシグナリング・プロトコルを用いて無線通信ネットワークから個々のGPS対応の移動局へ送信されるシステムと方法とを開示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明によって扱われる問題は、支援データを使う衛星を利用した測位という文脈において、性能を高めることである。特に、本発明は、移動局の測位を成功させる確率を高め、および/または、移動局の測位に要する時間を減らす。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この問題は、請求項1および11の方法、請求項17および24の装置、そして、請求項29のコンピュータ可読媒体上に格納されたコンピュータプログラムを用いて解決される。
【0012】
本発明によって提供される利点は、支援データを使う衛星を利用した測位という文脈において、性能の向上をもたらすということである。
【0013】
これから本発明について、発明の典型的な実施形態および添付の図面を参照しながら、より詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明が適用されてもよい、限定的でないシナリオの一例を図解する図である。このシナリオ例では、移動局アシステッドAGPSを提供するため、基本的な無線通信システムSYS1が全地球測位システム(GPS)と合わせて使用されている。図1に図解された典型的な無線通信システムSYS1は、汎用移動通信システム(UMTS)である。通信システムSYS1は、ネットワーク部分NET1と、移動局(MS)とも呼ばれるユーザ装置(UE)とを有する。ネットワーク部分NET1は、コアネットワークCN1とUMTS地上無線アクセスネットワーク(UTRAN)RAN1とを備えている。コアネットワークCN1は、回路交換方式のサービスを提供する移動通信交換局(MSC)ノードMSC1と、在圏GPRSサポートノード(SGSN)と呼ばれることもあり、パケット交換方式のサービスを提供するように適合されている汎用パケット無線サービス(GPRS)ノードSGSN1とを有している。
【0015】
コアネットワークノードであるMSC1とSGSN1とはそれぞれ、Iuインタフェースと呼ばれる無線アクセスネットワーク・インタフェース上で、無線アクセスネットワークRAN1に接続している。無線アクセスネットワークRAN1は、1つ以上の無線ネットワーク制御装置(RNC)を有している。簡潔にするため、図1の無線アクセスネットワークRAN1では、無線ネットワーク制御装置ノードRNC1を1つだけ示している。各無線ネットワーク制御装置は、複数の無線基地局(RBS)に接続していて、それらを制御している。例えば、この場合もやはり簡潔にするため、図1では、無線ネットワーク制御装置ノードRNC1に接続されている第1の無線基地局ノードRBS1および第2の無線基地局ノードRBS2だけを図解している。無線ネットワーク制御装置ノードRNC1と基地局RBS1およびRBS2との間のインタフェースは、Iubインタフェースと呼ばれる。
【0016】
移動局、例えば図1に示す移動局MS1は、Uuインタフェースと呼ばれる無線インタフェースまたはエアインタフェースで1つ以上の無線基地局RBS1乃至RBS2と通信する。
【0017】
無線インタフェースUu、Iuインタフェース、およびIubインタフェースはそれぞれ、図1に点線で示す。
【0018】
図1において、GPSシステムは、宇宙船、すなわちGPS衛星SV1乃至SV4によって表されている。各GPS衛星SV1乃至SV4は、対応する測距信号RS1乃至RS4を送信する。留意していただきたいが、簡潔にするために、図1では4個のGPS衛星SV1乃至SV4だけを図解している。
【0019】
図1のシナリオ例では、例えば移動局MS1のような、移動局の位置は、移動局アシステッドAGPSを用いて判断される。また、このシナリオ例は、無線ネットワーク制御装置ノード、例えば無線ネットワーク制御装置ノードRNC1、に位置サーバ機能が統合されている、AGPSに対する制御プレーン・ソリューションも図解する。このシナリオ例において、各無線ネットワーク制御装置は、GPS参照サーバ101に接続されている。当業者であれば分るように、他のシナリオにおいて、例えばセルラーネットワーク内にGPS参照レシーバがほんの数個しかない場合や、あるいは、セルラーネットワーク内にGPS参照レシーバがまったく存在せず、代わりにセルラーネットワークの外側の外部ソースから対応する情報を受け取る場合に、GPS参照レシーバをどのように配置できるかについて、いくつか選択肢がある。参照GPSレシーバ101は、検出可能なGPS衛星SV1乃至SV4を継続的に追跡する。参照GPSレシーバ101は、通常は、参照GPSレシーバのアンテナと空との間に障害物が最も少ない、高い位置に取り付けられるであろう。それによって、参照GPSレシーバ101が、所与の時刻点において、参照GPSレシーバ101が見る、水平線より上にあるほとんどのGPS衛星を追跡することが可能となる。
【0020】
GPS衛星SV1乃至SV4によって送信された各測距信号RS1乃至RS4は、50ビット/秒の航法メッセージを使って変調される。この航法メッセージは何秒間にも及ぶ。GPS参照レシーバ101は、別々の測距信号RS1乃至RS4上で送信された航法メッセージを復調することができる。次いで、航法メッセージの内容が、無線ネットワーク制御装置ノードRNC1内で精錬され、その後、情報は、GPS支援データとして移動局へ送信され得る。これは、移動局に組み込まれたGPSレシーバは航法メッセージを復調する必要がない、ということを意味する。結果として、測位時間が減少し、GPSレシーバの感度が向上する([2]を参照)。
【0021】
受信した測距信号RS1乃至RS4の各々について参照GPSレシーバによって復調された航法データは、通常、GPSアルマナック(長期概略GPS衛星位置予測モデル)、GPS衛星の調子、エフェメリス(短期精密GPS衛星位置予測モデル、位置計算に用いられる)、GPS Time Of Week(TOW)、および、電離層モデル(位置エラーの低減に用いられる)を含む。この航法データによって、地球上の任意の点から見た、GPS衛星の仰角および方位角の演算が可能になる。
【0022】
移動局、例えば図1の移動局MS1、に組み込まれたGPSレシーバは、非常に多様な構造と性能を有する可能性がある。しかし、通常は、符号/ドップラを捕捉するステップと、GPS航法ビットの同期のステップと、その後のGPS TOW同期のステップとが、その中に含まれる(詳細は[2]を参照)。ハードウェアの複雑性の理由で、GPSレシーバによっては、同時に1個あるいはごく少数のGPS衛星を追跡する傾向にあることがある。最初にどのGPS衛星の検出を試行するかを決める場合、1つの方法は、最初に無線ネットワーク制御装置RNC1から支援データを受信したGPS衛星(支援データのリストの最初に示されたGPS衛星)から始めることである。ネットワークNET1から移動局へ支援データを搬送するメッセージは大きく、無線ネットワーク制御装置RNC1から移動局へ転送するには相当な時間がかかるため、この方法は有益である。通常、12個のGPS衛星についての支援データの転送は、実際には3秒かかることがあり、従って、支援データリストのうちで最初のGPS衛星についての支援データが受信されるとすぐにGPS衛星捕捉プロセスを開始することによって、測位に要する時間は、状況次第で25乃至30%減少されることがある(5秒以内に位置の確定を行うことができるGPSレシーバもある)。
【0023】
移動局でのGPS衛星捕捉を成功させる重要な要因は、対象となるGPS衛星によって送出された測距信号の(移動局のGPSレシーバによって受信された)受信信号強度である([2]を参照)。移動局から見た測距信号RS1乃至RS4の信号強度は、移動局が位置する地形によって異なる。例えば都会のビルの谷間では、高い仰角、および主要な道路の方向と一致する方位角にあるGPS衛星は、高い信号強度を提供しやすい。広い空間のある場所では、低い仰角のGPS衛星については幾分低めの値が出るであろうが、信号強度の分布は均一であると期待してよい。後者の状況は、山岳地帯では違ってくる。山岳地帯では、方向によっては高い仰角の妨害物があり、従って高い仰角のGPS衛星が有利になる。さらに、室内では別の状況が存在する。室内では、高い仰角のGPS衛星よりも、低い仰角のGPS衛星の方が、窓を通して室内の奥の方まで信号が到達すると期待してもよい。要約すると、移動局のための「最も良い」GPS衛星は、移動局の位置と一般的な環境によって大いに異なる。測位に要する時間を最小化するためには、移動局に組み込まれたGPSレシーバが高い信号強度で受信する可能性が最も高いGPS衛星から、移動局が捕捉を開始すると、有利である。GPSレシーバによっては、捕捉するには低すぎる信号強度でGPS衛星を捕捉しようとする場合、少なくとも充分短い時間ではあっても、実際に位置の確定をし損なうこともある。
【0024】
本発明は、支援データを使う衛星を利用した測位という文脈において、性能を高めるという問題を扱う。特に、本発明は、移動局の測位を成功させる確率を高め、および/または、移動局の測位に要する時間を減らす。
【0025】
本発明は、セルラー無線通信システムにおいて動作している移動局の衛星を利用した測位のための支援データを提供する方法と、そのような衛星を利用した測位に関連する制御データを更新する方法とを提供する。また本発明は、前記方法を実行するための装置とコンピュータプログラムとを提供する。
【0026】
セルラー無線通信システムの第1のセル内で動作している移動局の測位のための支援データを提供する本発明の基本的な方法は、第1のセル内で動作している移動局の測位を行うための支援データのシーケンスを、少なくとも4個の衛星から成る1組の衛星のうちの個々の衛星に関連付けられた支援データを前記シーケンスの中に含むことによって、生成することを含む。前記の1組の衛星と、個々の衛星に関連付けられた支援データが前記支援データのシーケンスにおいて発生する順序とのうち少なくとも一方が、第1のセルに関連付けられた制御データを利用して、かつ、第1のセルの中の現地の障害物あるいは第1のセルにおける前記測距信号の受信に影響するその周辺の環境を反映して、選択される。
【0027】
移動局が動作している第1のセルにおける測距信号の受信に影響する現地の障害物(すなわち地形の問題)に関連付けられ、それを反映する、制御データを利用することによって、関連付けられた支援データを提供する1組のGPS衛星の選択と、および/または、個々のGPS衛星に関連付けられた支援データが、生成された支援データのシーケンスにおいて発生する順序の選択とが、測位の成功の確率を高めるように、および/または、第1のセルにおける移動局の測位に要する平均時間を減らすように、行われ得る。
【0028】
第1のセルに関連付けられた制御データは、1つ以上の設定パラメータ、および/または、本発明に従って制御データを更新する方法を適用することによって生成された、制御データを含んでもよい。
【0029】
制御データを更新する本発明の基本的な方法は、セルラー無線通信システムの第1のセルに関連付けられた制御データを自動的に更新することと、第1のセルにおける前記測距信号の受信に影響する第1のセルの中の現地の障害物あるいはその周辺の環境を反映することとを含み、前記更新することは、第1のセルにおける移動局の測位から導出される情報を利用して行われることを特徴とする。
【0030】
図3A乃至3Bは、支援データを提供する本発明の方法の第1の典型的実施形態と、制御データを更新する本発明の方法の第1の典型的実施形態とを図解するフローチャートである。前記典型的方法は、両方とも、図1の無線ネットワーク制御装置RNC1の中に実装されてもよい。
【0031】
これらの第1の典型的実施形態では、セルに関連付けられた方位角/仰角の分布の形で制御データが、セル毎に存在する。方位角/仰角の分布は、GPS衛星検出成功の確率を、方位角および仰角の関数としてモデル化する。方位角(β)区間[0,360]度および仰角(α)区間[0,90]が、セルについてNM個のビン(bin)に分割される。
【0032】
binnm={β,α| β∈360[(n-1)/N,n/N[, α∈90[(m-1)/M,m/M[} (1)
図3Aのステップ301において、移動局MS1の測位についての測位要求が、3GPP TS 25.413のLOCATION REPORTING CONTROL(位置報告制御)メッセージでコアネットワークCN1から受け取られる。
【0033】
ステップ302において、移動局MS1がどのセル(例えば、図1で概略的に図解されているセルC1)において動作しているのかを判断するため、CELL−ID測位が実行される。ソフトハンドオーバ状況において、すなわち、移動局が2つ以上のセルを含むアクティブセットと関連付けられるだろう場合に、移動局がどのセルにおいて動作していると考えられるかを判断するためのいくつかの選択可能なソリューションがある。これらの選択肢には、例えば、アクティブセットの中のセルのうち、いずれか1つを選択すること、または、例えば経路損失の測定に基づいて、最善のセルを選択することが含まれる。
【0034】
ステップ303において、移動局MS1が位置するセルにおける測位が、チューニング段階(phase)で動作しているかどうか、チェックが行われる。
【0035】
セルにおける測位が、チューニング段階で動作している場合(ステップ303でのYESの選択肢)、ステップ304において、関連付けられた支援データが移動局MS1に提供されるべき1組の宇宙船(すなわち衛星)が選択される。さらにまた、前記関連付けられた支援データが移動局MS1に提供されるべき順序も、ステップ304において、選択される。GPS衛星の選択と、選択されたGPS衛星に関連付けられた支援データが移動局MS1に提供される順序の選択とは、両方とも、固定された、セルに依存しないスキームに従って選択される。より詳細には、この典型的な実施形態において、GPS参照レシーバ101が見た場合にGPSアルマナックデータによれば水平線より上にあると考えられるGPS衛星(0度より仰角が高い)の中から、GPS衛星が無作為に選択される。
【0036】
セル内での測位が、チューニング段階で動作しているのではない場合(ステップ303のNOの選択肢)、ステップ305において、関連付けられた支援データが移動局MS1に提供されるべき1組のGPS衛星が選択される。さらにまた、前記関連付けられた支援データが移動局MS1に提供されるべき順序も、ステップ305において、選択される。GPS衛星の選択と、選択されたGPS衛星に関連付けられた支援データが移動局MS1に提供される順序の選択とは、両方とも、移動局MS1が現在動作しているセルに関連付けられた、確立した方位角/仰角の分布を利用して、選択される。より詳細には、GPS衛星は以下のように選択される。まず、確立された方位角/仰角の分布によれば検出が成功する確率が最も高いGPS衛星が選択され、次いで、検出が成功する確率が2番目に高いGPS衛星が選択され、以下同様である。個々のGPS衛星に関連付けられた支援データが移動局MS1に提供される順序は、GPS衛星が選択された順序と同じであり、すなわち、検出が成功する確率が最も高いGPS衛星に関連付けられたデータから開始される。これによって、セル内で動作している移動局にとっておそらく最も検出しやすいGPS衛星が最初に移動局MS1に届くということが、確実になる。すべての支援データが受信される前に移動局MS1が測位を始める場合、これも測位に要する時間を減らすであろう。ここで留意すべきだが、この特定のソリューションは、GPS衛星を選択する際に最大尤度基準を用いることを意味する。
【0037】
ステップ306において、ステップ304/305で選択されたGPS衛星に関連付けられた支援データを含ませることによって、かつ、選択されたGPS衛星の各々に関連付けられた支援データがステップ304/305で選択された順序で支援データシーケンスにおいて発生するように構成することによって、支援データのシーケンスが生成される。
【0038】
ステップ307において、移動局MS1は、ステップ306で生成された支援データシーケンスを用いて移動局アシステッドAGPSを実行するように命令される。このシナリオ例において、移動局MS1に対する命令は、無線ネットワーク制御装置RNC1から移動局MS1へ、1つ以上の3GPP TS 25.331のMEASUREMENT CONTROL(測定制御)メッセージの中で搬送される。
【0039】
ステップ308において、無線ネットワーク制御装置RNC1は、測定結果を第1の移動局MS1から3GPP TS 25.331のMEASUREMENT REPORT(測定報告)メッセージの中で受け取る。
【0040】
ステップ309において、第1の移動局MS1の位置が、ステップ308で受け取った測定結果を利用して算出され、ステップ310において、算出されたMSの位置が、ステップ301で受け取った測位要求への応答として、3GPP TS 25.413のLOCATION REPORT(位置報告)メッセージの中でコアネットワークCN1へ返信される。
【0041】
ステップ311において、第1の移動局MS1が動作しているセルについての方位角/仰角の分布が、ステップ308で第1の移動局MS1から受け取った測定結果に基づいて、更新される。あるいは、無論、ステップ311が、ステップ309乃至310の前に、またはそれらと並行して、行われてもよい。
【0042】
セルについての方位角/仰角の分布は、以下のように初期設定され、続いて更新される。
【0043】
初めにセルについての測位機能がアクティブにされるとすぐに、binnmでのGPS衛星の検出の確率が、次式のように初期設定される。
【0044】
P(binnm)=1/NM (2)
そして、分布を更新するのに用いられる、検出されたGPS衛星の数を表すカウンタ変数Kが、ゼロに初期設定される。
【0045】
セル内で動作している移動局、例えば移動局MS1、の測位に関して図3Aのステップ311が実行される度に、以下の図3Bによる処理が実行される。
【0046】
GPS衛星#jの検出が移動局によって報告される度に、以下の処理が行われる。
【0047】
ステップ321において、カウンタ変数Kが1だけ増加する。
【0048】
ステップ322において、GPS衛星#jの仰角(α)および方位角(β)が算出される。仰角および方位角の算出は、無線ネットワーク制御装置RNC1において、検出されたGPS衛星の各々について、例えば、エフェメリスと(図1のGPS参照レシーバ101を介して)利用可能なGPS TOWとから、実行される。
【0049】
ステップ323において、GPS衛星#jについて判定された仰角αおよび方位角βの値に対応するbinn0m0の確率は、次式のように更新される。
【0050】

他方、他のすべてのビン、binnm、は次式のように更新される。
【0051】

ステップ324において、(インデックスj+1で表される)追加で検討すべきGPS衛星が少なくとも1つあるかどうか、チェックが行われる。追加で検討すべきGPS衛星がある場合(ステップ324のYESの選択肢)、(ステップ325においてインデックス変数jのインクリメントによって概略的に図解する)次のGPS衛星について、ステップ321乃至324が繰り返される。そうでない場合(ステップ324のNOの選択肢)、検出されたすべてのGPS衛星が評価され、従って、セルに関連付けられた方位角/仰角の分布が、更新されたことになる。
【0052】
本発明の第1の典型的な実施形態において、図3A乃至3Bに図解された処理ステップは、無線ネットワーク制御装置ノードRNC1の中の1つ以上の従来型のプログラマブル・プロセッサCP1の形のデジタルデータ処理回路によって実行され、他方、セルC1に関連付けられた統計的分布と、無線ネットワーク制御装置RNC1によって制御される他のセルに関連付けられた統計的分布とを表すデータ102は、1つ以上のメモリユニット103に格納される。
【0053】
上記で開示した本発明の第1の典型的実施形態以外に、第1の実施形態の再構成、修正、および代替を提供する複数の方法があり、それらは結果的に本発明の追加の実施形態となる。
【0054】
制御データを更新する方法の第1の典型的実施形態は、(例えばスライディング・ウィンドウを用いて)古いデータを忘れる方法を含まないが、これは、確率の更新の利得係数の修正によって得られてもよいだろう。また、確率分布に直接焦点を合わせるのではなく、各ビン(bin)における検出の数を更新することも可能である。
【0055】
また、セルの中では多様なGPS伝搬状態が存在するであろうし、選択/分類は、セルのうち難しい場所ほど重要である。これらの難しい場所において観察されるGPS衛星(というよりむしろ方位角/仰角)を優先させるには、統計的分布を更新するときに、セルの他の部分における移動局のこれまでの測位の結果よりも、これらの難しい場所における移動局の測位の結果に、より重点をおいてもよいであろう。セルの難しい場所で行われた測位であると考えられるものと、セルのそれ以外の部分で行われた測位との区別は、以下のうち少なくとも1つを検討することによって行われてもよいだろう。
【0056】
検出されたGPS衛星の数(少数のGPS衛星しか検出できない場合、難しい場所であることを暗示する)、
測位を実行するのに要する時間(難しい場所では、測位/GPS衛星の検出を実行するのに長い時間がかかる)、
報告された測定の不確実性(移動局が報告した測定結果において不確実性が高い場合、難しい場所であることを暗示する)。
【0057】
従って、例えば、移動局によって報告された測定結果における不確実性の数値に基づいて、重み付けが行われてもよいであろう。
【0058】
図3Cは、図3Aのステップ311を実行するのに用いてもよいであろう制御データを更新するための別の実施形態を図解する。
【0059】
この実施形態には、各ビンbinnmに関連付けられたカウンタ変数Knmが存在する。セルについての測位機能の最初のアクティブ化が行われると、すべてのビンは、非アクティブとマークされ、すべてのカウンタ変数Knmは、ゼロに初期設定される。
【0060】
この別の実施形態によれば、セル内で動作している移動局、例えば移動局MS1、の測位に関して図3Aのステップ311が実行される度に、図3Cに従う下記の処理が実行される。
【0061】
関連付けられた支援データが(図3Aのステップ307において)移動局へ提供されたGPS衛星#iの各々について、以下の処理が行われる。
【0062】
ステップ331において、GPS衛星#iの仰角(α)および方位角(β)が算出される。仰角と方位角との算出は、無線ネットワーク制御装置RNC1において、例えば、エフェメリスと(図1のGPS参照レシーバ101を介して)利用可能なGPS TOWとから、実行される。
【0063】
ステップ332において、GPS衛星#iについて判定された仰角αおよび方位角βの値に対応するbinn0m0がアクティブであるかどうか、チェックが行われる。
【0064】
binn0m0がアクティブでない場合(ステップ332のNOの選択肢)、binn0m0がアクティブにされ、binn0m0の関連付けられた確率が、ステップ333で初期設定される。ビンは、送出しているGPS衛星が問題のビンの中に位置しているという情報の下に決定付けられる、セルにおけるGPS衛星の真の検出可能性を反映する、優先値に初期設定されることが好ましい。そのような優先値は、複数の異なる方法で得られてもよいであろう。例えば、
−セルについての地理的情報、例えば、建物や山の高さを用いて、
−セル内の場所の視認性を演算する目的でセルの地形とGPS衛星軌道とが用いられるような、GPS計画ツールを用いて、
−セルについてのGPS参照レシーバによって生成された、例えばマスクチャートのような、情報を用いて、
得られてもよい。
【0065】
しかし、セルのビンを初期化するのに用いられる正確な値は重要ではなく、従って、セルのすべてのビンは、例えば0.85乃至0.9という共通の値で初期化されてもよいだろう。
【0066】
ステップ334において、binn0m0に関連付けられたカウンタ変数Kn0m0が1だけ増加する。
【0067】
ステップ335において、移動局がGPS衛星#iを検出したかどうか、チェックが行われる。
【0068】
GPS衛星#iが検出された場合(ステップ335のYESの選択肢)、ステップ336においてbinn0m0の確率が次式のように更新される。
【0069】

GPS衛星#iが検出されなかった場合(ステップ335のNOの選択肢)、ステップ337においてbinn0m0の確率が次式のように更新される。
【0070】

ステップ338において、(インデックスi+1で表される)追加で検討すべきGPS衛星が少なくとも1つあるかどうか、チェックが行われる。追加で検討すべきGPS衛星がある場合(ステップ338のYESの選択肢)、(ステップ339においてインデックス変数iのインクリメントによって概略的に図解する)次のGPS衛星について、ステップ331乃至337が繰り返される。そうでない場合(ステップ338のNOの選択肢)、支援データが移動局へ提供されたすべてのGPS衛星が評価され、従って、セルに関連付けられた方位角/仰角の分布が、更新されたことになる。
【0071】
図3Cに従って更新された統計的分布を、図3Aのステップ305での選択に適用する場合、アクティブとマークされたビンだけが検討される。
【0072】
図3Aのステップ305で、GPS衛星と支援データの順序との選択がどのようにして行われうるかについて、いくつかの選択肢がある。
【0073】
例えば、1つの選択肢は、各GPS衛星の検出成功の確率に従ってGPS衛星をソートすることであろう。次いで、検出成功の確率が最も高い1つ以上の(例えば2つの)GPS衛星(すなわち、最も検出しやすいと考えられるGPS衛星)が選択される。残りのGPS衛星は、検出成功の確率に従って選択を検討されるが、測定の幾何学構成が適切であることを確実にするため、実際にGPS衛星を選択する前に、前記GPS衛星の選択が測定の幾何学構成に与える影響(すなわち、幾何学的精度低下率(GDOP))についても、検討される。
【0074】
もう1つの選択肢は、以下に概説するように、選択プロセスにおけるGPS衛星検出について基準の関数を適用することであろう。GPS衛星をSV(j)で表し、j=1,...,NSVとするが、ここでNSVは、評価対象のGPS衛星の数であるものとする。さらに、GPS衛星の検出に対応する確率をPD,SV(j)で示す。次いで、関連付けられた支援データが移動局へ提供される、特定の選択された1組のGPS衛星を表す、下記のような1組の選択されたGPS衛星を導入する。
【0075】

すると、最大尤度設定における検出の確率を評価する、第1の基準は、次式のようになる。
【0076】

次のステップは、この基準と、Aによって与えられる選択されたSVの幾何学的効果を評価する情報とを、結合することである。これは、GPS衛星のコンステレーション(集合)Aの幾何学的精度低下率(GDOP)を評価することによって行われてもよい。
【0077】
GDOPの定義の詳細は、例えば[1]を参照してもよい。要するに、GDOPの導出の開始点は、線形化されたM×4の測定行列である。
【0078】

ここで、方向性のある行ベクトル(αxi αyi αzi)は、(求める位置に近い)線形化ポイントから対象となるGPS衛星を指し示し[1]、次いで、次式の証明へと進む。
【0079】

ここで、左側は、位置共分散行列であり、ここで、σUEREは生の疑似距離測定エラーであるが、詳細は[1]を参照されたい。インデックスx、y、zは、それぞれの座標に対応し、他方、ctは、レシーバクロックのバイアスエラーによって引き起こされるエラーを示すが、詳細は[1]を参照されたい。従って、行列(HH)−1は、GPS衛星のコンステレーションの幾何学的性質による増幅係数を表す。これにより、GDOPの定義は次式のようになる。
【0080】

GDOP(A)が小さければ小さいほど、幾何学的性質は優れている。従って、これもやはり選択されたSVについての検出の確率を評価する、共同の基準の関数に幾何学的効果を結合するためには、下記の基準が適している。
【0081】

一般化するには、ゼロ以外の、単調増加する関数f(.)を導入して次式を得てもよいであろう。
【0082】

GPS衛星の最も良い組み合わせを見つけるため、検出の確率と幾何学的効果とを両方とも評価すると、少なくとも4個のGPS衛星の起こりうるすべての組み合わせAについて、下記の最大化が実行される。
【0083】

図4A乃至4Bは、本発明によって支援データを提供する方法の第2の典型的な実施形態と、本発明によって制御データを更新する方法の第2の典型的な実施形態とを図解するフローチャートである。前記典型的な方法はいずれも、図1の無線ネットワーク制御装置RNC1に実装されてもよい。
【0084】
これらの典型的実施形態において、セルに関連付けられた仰角マスクという形の制御データが、セル毎に存在する。方位角の角度の間隔[0,360]は、N個のビン(bin)に分割される。
【0085】
bin=360[(n−1)/N,n/N[,n=1,...,N, (15)
ここで各ビンの幅は、360/Nである。対応する仰角マスクの値は、α(n)で表される。
【0086】
図4Aのステップ401において、移動局MS1の測位のための測位要求が、3GPP TS 25.413 LOCATION REPORTING CONTROL(位置報告制御)メッセージとしてコアネットワークCN1から、受信される。
【0087】
ステップ402において、移動局MS1がどのセル(例えば、図1で概略的に図解されたセルC1)の中で動作しているのかを判断するため、CELL−ID測位が実行される。起こりうるソフトハンドオーバの状況が、図3Aのステップ302に関して以前に提案されたのと同様に処理されてもよいであろう。
【0088】
ステップ403において、移動局MS1が位置するセルの中での測位が、チューニング段階で動作中しているかどうか、チェックが行われる。
【0089】
セル内の測位が、チューニング段階で動作している場合(ステップ403でのYESの選択肢)、ステップ404において、関連付けられた支援データが移動局MS1に提供されるべき、1組の宇宙船(すなわちGPS衛星)が選択される。さらにまた、前記関連付けられた支援データが移動局MS1に提供されるべき順序も、ステップ404において、選択される。GPS衛星の選択と、選択されたGPS衛星に関連付けられた支援データが移動局MS1に提供される順序の選択とは、両方とも、固定された、セルに依存しないスキームに従って選択される。より詳細には、この典型的な実施形態において、GPS衛星は、GPS参照レシーバ101が見た場合にそのGPSアルマナックデータに従えば水平線より上にあると考えられるGPS衛星(0度より仰角が高い)の中から、無作為に選択される。
【0090】
セル内での測位が、チューニング段階で動作しているのではない場合(ステップ403のNOの選択肢)、ステップ405において、関連付けられた支援データが移動局MS1に提供されるべき、1組のGPS衛星が選択される。さらにまた、前記関連付けられた支援データが移動局MS1に提供されるべき順序も、ステップ405において、選択される。GPS衛星の選択と、選択されたGPS衛星に関連付けられた支援データが移動局MS1に提供される順序の選択とは、両方とも、移動局MS1が現在その中で動作しているセルに関連付けられた、確立した仰角マスクを利用して、選択される。さらに、より詳細には、GPS衛星は以下のように選択される。GPS衛星の方位角の方向に対応する仰角マスクの値を上回る仰角の値を有するすべてのGPS衛星が、関連付けられた支援データが移動局MS1に提供されるべき、選択されたGPS衛星の組の中に含められる。次いで、個々のGPS衛星に関連付けられた支援データが移動局に提供される順序は、各GPS衛星の仰角の値がどれだけ45度に近いかに応じて、選択され得る。従って、45度に最も近い仰角の値を有するGPS衛星に関連付けられた支援データが、最初に移動局に提供され、そして、45度から最も離れた仰角を有するGPS衛星に関連付けられた支援データが、最後に移動局に提供される。
【0091】
ステップ406において、ステップ404/405で選択されたGPS衛星に関連付けられた支援データを含ませることによって、かつ、選択されたGPS衛星の各々に関連付けられた支援データがステップ404/405で選択された順序で支援データシーケンスにおいて発生するように構成することによって、支援データのシーケンスが生成される。
【0092】
ステップ407において、移動局MS1は、ステップ406で生成された支援データのシーケンスを用いて移動局アシステッドAGPSを実行するように命令される。このシナリオ例において、移動局MS1に対する命令は、無線ネットワーク制御装置RNC1から移動局MS1へ、1つ以上の3GPP TS 25.331のMEASUREMENT CONTROL(測定制御)メッセージの中で搬送される。
【0093】
ステップ408において、無線ネットワーク制御装置RNC1は、測定結果を第1の移動局MS1から3GPP TS 25.331のMEASUREMENT REPORT(測定報告)メッセージの中で受け取る。
【0094】
ステップ409において、第1の移動局MS1の位置が、ステップ408で受け取った測定結果を利用して算出され、ステップ410において、算出されたMSの位置が、ステップ401で受け取った測位要求への応答として、3GPP TS 25.413のLOCATION REPORT(位置報告)メッセージの中でコアネットワークCN1へ返信される。
【0095】
ステップ411において、第1の移動局MS1が動作しているセルに関連付けられた仰角マスクが、ステップ408で第1の移動局MS1から受け取った測定結果に基づいて、更新される。あるいは、無論、ステップ411が、ステップ409乃至410の前に、またはそれらと並行して、行われてもよい。
【0096】
セルに関連付けられた仰角マスクは、以下のように初期設定され、続いて更新される。
【0097】
セルについての測位機能が最初にアクティブにされると、セル内の各ビンについて、例えば地形のタイプを評価する設定パラメータに従って、共通の初期仰角マスク値αが、通常、例えば15乃至45度に設定される。GPS衛星を検出した場合に仰角マスク値を図4Bのスキームに従って減らすことができるように、共通の初期仰角マスク値には、十分高い値が選択されるべきである。
【0098】
セル内で動作している移動局、例えば移動局MS1、の測位に関連して図4Aのステップ411が行われる度に、以下の図4Bによる処理が実行される。
【0099】
GPS衛星#jの検出が移動局によって報告される度に、以下の処理が行われる。
【0100】
ステップ421において、GPS衛星#jの仰角(α)および方位角(β)が算出される。仰角および方位角の算出は、無線ネットワーク制御装置RNC1において、検出されたGPS衛星の各々について、例えば、エフェメリスと利用可能なGPS TOWとから、実行される。
【0101】
ステップ422において、GPS衛星#jについて判定された方位角の値βに対応するbin(すなわち、β∈bin)の仰角マスク値α(n)が仰角の値αと比較され、そして、αがα(n)に満たない場合、αと等しくなるようにα(n)が更新される。
【0102】
ステップ423において、(インデックスj+1で表される)追加で検討すべきGPS衛星が少なくとも1つあるかどうか、チェックが行われる。追加で検討すべきGPS衛星がある場合(ステップ423のYESの選択肢)、(ステップ424においてインデックス変数jのインクリメントによって概略的に図解する)次のGPS衛星について、ステップ421乃至423が繰り返される。そうでない場合(ステップ423のNOの選択肢)、検出されたすべてのGPS衛星が評価され、従って、仰角マスクが更新されたことになる。
【0103】
図4AおよびBに図解された方法とは異なる変化形もありうる。セルに関連付けられた仰角マスクは、例えば、大半のユーザにとっては楽観的すぎることがあるが、それは、セル内の全てのユーザおよび位置からの検出を用いて、検出されたGPS衛星の仰角の最小値が、仰角マスクの更新をトリガーするのに用いられるからである。低すぎる角度のGPS衛星がどういうわけか、例えばマルチパス伝搬が原因で、検出される場合があることが判明することもある。これに対する対処法は、マスクの更新処理を、例えば、仰角の(下端の)95%のパーセンタイルにスライドさせることによって、修正することであろう。そうするためには、例えば、各方位角のビンについてのGPS衛星の仰角の直近の50個を記憶するFIFOバッファが使用されてもよく、95%のパーセンタイルはそれに従って演算される。
【0104】
もう1つの修正は、よりソフトな仰角限界を有する仰角マスクを構成することであろう。これは、例えば、1つの仰角値はそのビンについて検出されたあらゆるGPS衛星についての最小仰角値を表し、そして、第2の仰角値は、そのビンについてGPS衛星の検出に成功したすべての検出のうちの50%がそれより上で発生した値を表すような、各ビンに関連付けられた2つの仰角値を有することによって、達成されるであろう。
【0105】
もう1つの修正は、ビンへの分割を適応的にすることであろう。多くの測定が、最後的に特定の方位角のビンになる場合には、分解能を高めるため、そのビンは、例えば、2つのビンに分割されてもよい。受け取る測定値が少なすぎるビンは、反対に、結合されてもよい。そのようなビンへの適応的分割は、もちろん、図3A乃至3Cに図解される実施形態に適用されてもよい。
【0106】
さらに別の選択肢は、セルに関連付けられた制御データが、図3A乃至3Cに関して図解された統計的分布と、図4A乃至4Bに関して図解された仰角マスクとを、両方とも含むように構成することであろう。この選択肢については、統計的分布の更新は、やはり、図3Bもしくは3Cに従って行われてもよいであろうし、他方、仰角マスクの更新は、図4Bに従って行われてもよいであろう。次いで、仰角マスクは、関連付けられた支援データを提供するGPS衛星を選択するのに用いられてもよいであろうし、他方、支援データが移動局へ提供される順序は、統計的分布から判断されてもよいであろう。
【0107】
セルの中の測位がチューニング段階で動作している場合、GPS衛星と、関連付けられた支援データの順序とを、図3Aの304および図4Aのステップ404で選択する際、別の方法もある。例えば、水平線より上にあると考えられるGPS衛星の中からGPS衛星を全く無作為に選択する代わりに、無作為プロセスに従ってこれから選択されようとするGPS衛星が、すでに十分にカバーされているビンに関連付けられている場合には、別のGPS衛星を選択することによって、いろいろなビンを一層均等にカバーすることを試行する試みがあってもよいであろう。
【0108】
また、別の実施形態において、例えば、セルの中で移動局の測位が失敗した割合が、定義された時間について一定の閾値を超えた場合や、周期的に、あるいは保守運用スタッフ(Operation & Maintenance personnel)によってトリガーされた場合に、セルのチューニング段階に再度入ってもよいであろう。さらに別の選択肢は、GPS衛星と、関連付けられた支援データの順序との選択を、「チューニング段階」の後でも、セルの中の移動局の測位のほんの一部分(例えば5%)について、チューニング段階中と同様に、実行してもよいであろう。そうすると、統計値の連続的で低速な更新が保証されるであろう。
【0109】
本発明の支援データを提供する方法の、さらに別の典型的実施形態を、図5に図解する。この典型的実施形態において、各セルは、関連付けられた支援データを提供するGPS衛星の選択と、支援データの生成されたシーケンスにおいて個々のGPS衛星に関連づけられた支援データが発生する順序の選択とを、制御するために用いられる、(保守運用システムを介して設定された)1つ以上の設定パラメータに関連付けられる。
【0110】
セルに関連付けられた設定パラメータは例えば以下のうち1つ以上を含んでもよい。
−最小の衛星仰角閾値パラメータ、
−最大の衛星仰角閾値パラメータ、
−例えば「都会のビルの谷間」を含むエリアの中で街路の方向を評価する、1つ以上の好適な衛星の方位角の方向、
−低い仰角のGPS衛星が好ましいのか、高い仰角のGPS衛星が好ましいのかを示すパラメータ。そのようなパラメータは、例えば都会のビルの谷間や山脈を含むエリアにおいて高い仰角のGPS衛星の好適な選択を可能にするため、また、例えば室内のセルあるいは住宅が大半を占める郊外および/または農村エリアについて、窓からのGPSの放射によって恩恵を受ける目的で低い仰角のGPS衛星の好適な選択を指示するために、用いられ得る。
【0111】
図5のステップ501乃至502および506乃至510で行われる処理は、図3Aの対応するステップ301乃至302および306乃至310で行われる処理に対応するものであり、それについてこれ以上詳しくは述べないであろう。また、この実施形態においては、図3Aのステップ311に相当する更新ステップは存在しない。
【0112】
移動局MS1が動作しているセルが、ステップ502においていったん確立(確定)されたら、関連付けられた支援データが提供されるべき1組のGPS衛星と、前記関連付けられた支援データが移動局MS1に提供されるべき順序とが、ステップ505において選択される。GPS衛星の選択と、選択されたGPS衛星に関連付けられた支援データが移動局MS1に提供される順序との選択とは、両方とも、セルに関連付けられた設定パラメータを利用して選択される。従って、セルに関連付けられた設定パラメータが、低い仰角のGPS衛星が好ましいと示すようなシナリオにおいては、高めの仰角のGPS衛星より前に、低い仰角のGPS衛星(最小の仰角閾値パラメータによって制限されている可能性がある)が選択されるであろうし、また、支援データが個々のGPS衛星に関連付けられる順序は、GPS衛星が選択された順序を反映するであろう。そうではなく、セルに関連付けられた設定パラメータが、高い仰角のGPS衛星が好ましいことを示すようなシナリオにおいては、GPS衛星を選択する順序は逆になるであろう。
【0113】
もちろん、図1の無線ネットワーク制御装置RNC1によってサービス提供される異なるセルについて異なる実施形態が利用されるように、図3A乃至3B、図4A乃至4B、および図5の、異なる実施形態を組み合わせることも可能である。
【0114】
本発明は、移動局アシステッドAGPSおよび移動局ベーストAGPSの両方の文脈において適用可能である。図5に図解された設定パラメータを用いた典型的な実施形態は、(もちろん測定結果をネットワークの送信することに先立って移動局自身によって行われるであろうステップ509を除いて)移動局ベーストAGPSにも直接適用可能である。移動局ベーストAGPSの文脈での使用に対して図3A乃至3Cおよび図4A乃至4Bに図解された典型的実施形態を適用するためには、移動局から送信されるMEASUREMENT REPORT(測定報告)メッセージが拡張されてもよいだろう。図7は、そのような拡張されたMEASUREMENT REPORT(測定報告)メッセージ701を図解するが、この場合、メッセージは、移動局ベーストAGPSを実行中に移動局によって検出されたGPS衛星のGPS衛星識別情報702を含むように拡張されている。加えて、位置算出ステップ309および409は、もちろん、ネットワークによってではなく、移動局によって実行されるであろう。
【0115】
また、制御データの更新については移動局アシステッドAGPSの測位からの測定結果だけを利用し、他方、移動局アシステッドAGPSと移動局ベーストAGPSの両方に関連して、GPS衛星の選択および/または選択されたGPS衛星に関連付けられた支援データが移動局に提供される順序の選択に前記制御データを利用することで、移動局アシステッドAGPSと移動局ベーストAGPSとのセル内での混合を適用することも可能である。
【0116】
また、制御データ更新の目的でセル内で移動局ベーストAGPS測位の結果を利用するために、MEASUREMENT REPORT(測定報告)メッセージの拡張を必要としない、移動局ベーストAGPSの文脈で使用される本発明のさらなる実施形態が提供されてもよい。そのような実施形態は、移動局ベーストAGPSを用いる際に、MEASUREMENT REPORT(測定報告)メッセージに含まれる不確実性楕円/楕円体を利用することによって、提供することができる。報告された不確実性楕円体は、正確な位置を得るために条件が最も好ましい方向(北に対して、短軸方向)と、最も好ましくない方向(北に対して、長軸方向)とを表現する。従って、統計的分布の形式の制御データが、セルについて、短軸の方向に近い方向でより大きい値に達し、長軸に近い方向でより小さい値に達する関数である、GPS衛星検出の重み(確率)を各方位角について割当てることによって、定義されてもよい。そのような統計的分布は、図4A乃至4Bに関して開示されたものと同様の、多数の方位角ビンへと体系化されることが好ましいであろう。
【0117】
上記で開示した本発明の方法の多様な実施形態は、全て第1の典型的実施形態と同様に、すなわち、方法の多様な処理ステップを行う、1つ以上の従来型のプログラム可能なプロセッサの形のデジタルデータ処理回路を利用して実装されてもよい。しかし、例えば、状態機械(ステートマシン)、ASIC、離散論理回路など、前記処理を実行することが可能であれば、いかなるデジタルデータ処理回路を用いてもよいであろう。本発明の第1の典型的実施形態においては、プログラマブル・デバイスを用いる本発明の他の実施形態でも同様だが、制御用のコンピュータプログラム(ソフトウェア)が、何かの種類のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体、例えばRAM、ハードドライブ、電子的リードオンリーメモリ、光学的記憶デバイス(例えば図6で概略的に図解するCD−ROM)上に記憶される、機械可読の命令として実施される。本発明による処理を実行するプログラマブル・デバイスは、このタスク専用であってもよいし、他のタスクに関する処理にも使用されてもよい。
【0118】
本発明は、さらに、AGPSに対する制御プレーンのソリューションおよびユーザプレーンのソリューションという両方の文脈に(ユーザプレーンのソリューションによって、移動局が動作中であるセルが判定されうる限り)適用可能である。
【0119】
本発明は、もちろん、(例えば、GSM、UMTS、CDMA200、IS−95、PDC、DAMPS等)いかなるタイプのセルラー通信システムに関しても用いることができる。
【0120】
本発明は、その第1の典型的実施形態においてアシステッドAGPSの文脈に適用されたけれども、本発明は、もちろん、個々のGPS衛星に関連付けられた支援データがセルラーシステムのセルの中で動作している移動局の測位のために提供されるような、他の衛星に基づく測位システムに関して適用されてもよい。
[参考文献]
[1]E.D.Kaplan、Understanding GPS − Principles and Applications.マサチューセッツ州ノーウッド:Artech House、1996年
[2]A.KangasおよびT.Wigren、“Location coverage and sensitivity with A−GPS”、URSI EMP−S、イタリア国、ピサ、2004年5月。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明が適用される移動局アシステッドAGPSのシナリオの一例の概略図である。
【図3A】本発明の方法の第1の典型的な実施形態を図解するフローチャートである。
【図3B】本発明の方法の第1の典型的な実施形態を図解するフローチャートである。
【図3C】図3Bの代替案を図解するフローチャートである。
【図4A】本発明の方法の第2の典型的な実施形態を図解するフローチャートである。
【図4B】本発明の方法の第2の典型的な実施形態を図解するフローチャートである。
【図5】本発明の方法のさらに別の典型的な実施形態を図解するフローチャートである。
【図6】コンピュータで読み取り可能な媒体の一例を示す図である。
【図7】移動局ベーストAGPSに関して使用される、本発明の拡張された測定報告メッセージを図解するブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルラー無線通信システム(SYS1)内で動作している移動局(MS1)についての、複数の衛星(SV1−SV4)によって送信される測距信号(RS1−RS4)を利用する、衛星を利用した測位に関連する制御データ(102)を更新する方法であって、
前記セルラー無線通信システム(SYS1)の第1のセル(C1)に関連付けられた制御データ(102)であって、前記第1のセル(C1)における前記測距信号(RS1−RS4)の受信に影響を与える、前記第1のセル(C1)における障害物、またはその周辺の環境を反映する制御データ(102)を、自動的に更新するステップ(323,422,336,337)を備え、
前記更新するステップは、前記第1のセル(C1)における移動局(MS1)の測位から導出される情報を利用して実行される
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1のセルに関連付けられた前記制御データは、前記第1のセルにおける移動局の測位によって検出された衛星に対応する方位角及び仰角のうちの少なくとも一方の関数としての統計的分布を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記統計的分布において、測位が難しい場所における移動局の測位の結果には、前記第1のセルの他の場所における移動局の測位の結果よりも、高い重みが割り当てられることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
測位が難しい場所における測位と前記セルの他の場所における測位とを区別することは、
検出された衛星の数と、
前記測位の実行に要した時間と、
報告された測定値の不確実性と、
のうちの少なくとも1つを考慮することによって行われる
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記統計的分布は、有限の数のビンに分割され、
各ビンは方位角値及び仰角値のうちの少なくとも一方の範囲に対応し、
ビンへの分割は、それぞれのビンに関連付けられた衛星の検出の数に基づいて調整される
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記制御データは、前記第1のセルにおける移動局の測位によって検出された衛星の最小の仰角に対応する方位角の関数としての仰角マスクを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記仰角マスクは、有限の数のビンに分割され、
各ビンは方位角値の範囲に対応し、方位角値の前記範囲において検出された衛星の最小の仰角に関連付けられる
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記仰角マスクについてのビンへの前記分割は、それぞれのビンに関連付けられた衛星の検出の数に基づいて調整されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のセルにおける移動局の測位から導出される前記情報は、前記移動局によって検出された衛星の位置を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記移動局によって検出された衛星の前記位置は、前記移動局によって報告された衛星の識別情報と、個々の衛星の移動に関する知識とから、導出されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
セルラー無線通信システム(SYS1)の第1のセル(C1)内で動作している移動局(MS1)についての、複数の衛星(SV1−SV4)によって送信される測距信号(RS1−RS4)を利用する、衛星を利用した測位のための支援データを提供する方法であって、
前記第1のセル(C1)内で動作している移動局(MS1)の測位のための支援データのシーケンスを生成するステップ(306,406,506)であって、少なくとも4つの衛星の組において個々の衛星に関連付けられた支援データを当該シーケンスに含ませることによって当該シーケンスを生成するステップを備え、
前記組の少なくとも4つの衛星のうちの少なくとも1つと、個々の衛星に関連付けられた支援データが支援データの前記シーケンスにおいて発生する順序とは、前記第1のセル(C1)に関連付けられた制御データ(102)であって、前記第1のセル(C1)における前記測距信号(RS1−RS4)の受信に影響を与える、前記第1のセルにおける障害物、またはその周辺の環境を反映する制御データ(102)を利用して選択される(305,405,505)
ことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記制御データは、
最小の衛星仰角閾値パラメータと、
最大の衛星仰角閾値パラメータと、
衛星の方位角についての1以上の好ましい方向と、
のうちの少なくとも1つを示す設定パラメータを1以上含む
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記制御データは、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法によって生成されたデータを含むことを特徴とする請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
最高の検出可能性を有する衛星であると前記制御データに基づいて考えられる少なくとも1つの衛星が、前記少なくとも4つの衛星の前記組に含まれることを特徴とする請求項11乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
最高の検出可能性を有する衛星であると前記制御データに基づいて考えられる衛星に関連付けられた支援データが、支援データの前記シーケンスにおいて最初に配置されることを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
選択される衛星の前記組に含ませるための衛星を選択する際に、検出成功の確率と測定の幾何学的効果との両方が考慮されることを特徴とする請求項11乃至15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
セルラー無線通信システム(SYS1)内で動作している移動局(MS1)についての、複数の衛星(SV1−SV4)によって送信される測距信号(RS1−RS4)を利用する、衛星を利用した測位に関連する制御データ(102)を更新する装置(RNC1)であって、
前記セルラー無線通信システム(SYS1)の第1のセル(C1)に関連付けられた制御データであって、前記第1のセル(C1)における前記測距信号(RS1−RS4)の受信に影響を与える、前記第1のセル(C1)における障害物、またはその周辺の環境を反映する制御データを、自動的に更新するようになされたデジタルデータ処理回路(CP1)を備え、
前記制御データは、前記第1のセル(C1)における移動局(MS1)の測位から導出される情報を利用して更新される
ことを特徴とする装置。
【請求項18】
前記第1のセルに関連付けられた前記制御データは、前記第1のセルにおける移動局の測位によって検出された衛星の方位角及び仰角のうちの少なくとも一方の関数としての統計的分布を含むことを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記統計的分布において、測位が難しい場所における移動局の測位の結果には、前記第1のセルの他の場所における移動局の測位の結果よりも、高い重みが割り当てられることを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記統計的分布は、有限の数のビンに分割され、
各ビンは方位角値及び仰角値のうちの少なくとも一方の範囲に対応し、
前記デジタルデータ処理回路は、それぞれのビンに関連付けられた衛星の検出の数に基づいてビンへの前記分割を調整可能である
ことを特徴とする請求項17乃至19のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
前記制御データは、前記第1のセルにおける移動局の測位によって検出された衛星の最小の仰角に対応する方位角の関数としての仰角マスクを含むことを特徴とする請求項17乃至20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
前記仰角マスクは、有限の数のビンに分割され、
各ビンは方位角値の範囲に対応し、方位角値の前記範囲において検出された衛星の最小の仰角に関連付けられる
ことを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記デジタルデータ処理回路は、それぞれのビンに関連付けられた衛星の検出の数に基づいてビンへの前記分割を調整可能であることを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項24】
セルラー無線通信システム(SYS1)の第1のセル(C1)内で動作している移動局(MS1)についての、複数の衛星(SV1−SV4)によって送信される測距信号(RS1−RS4)を利用する、測位のための支援データを提供する装置(RNC1)であって、
前記第1のセル(C1)内で動作している移動局(MS1)の測位のための支援データのシーケンスを生成するようになされたデジタルデータ処理回路(CP1)であって、少なくとも4つの衛星の組において個々の衛星に関連付けられた支援データを当該シーケンスに含ませることによって当該シーケンスを生成するデジタルデータ処理回路(CP1)を備え、
前記組の少なくとも4つの衛星のうちの少なくとも1つと、個々の衛星に関連付けられた支援データが支援データの前記シーケンスにおいて発生する順序とは、前記第1のセル(C1)に関連付けられた制御データ(102)であって、前記第1のセル(C1)における前記送信される測距信号(RS1−RS4)の受信に影響を与える、前記第1のセルにおける障害物、またはその周辺の環境を反映する制御データ(102)を利用して選択される
ことを特徴とする装置。
【請求項25】
前記制御データは、
最小の衛星仰角閾値パラメータと、
最大の衛星仰角閾値パラメータと、
衛星の方位角についての1以上の好ましい方向と、
のうちの少なくとも1つを示す設定パラメータを1以上含む
ことを特徴とする請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記制御データは、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法によって生成されたデータを含むことを特徴とする請求項24又は25に記載の装置。
【請求項27】
最高の検出可能性を有する衛星であると前記制御データに基づいて考えられる少なくとも1つの衛星が、前記少なくとも4つの衛星の前記組に含まれることを特徴とする請求項24乃至26のいずれか1項に記載の装置。
【請求項28】
最高の検出可能性を有する衛星であると前記制御データに基づいて考えられる衛星に関連付けられた支援データが、支援データの前記シーケンスにおいて最初に配置されることを特徴とする請求項24乃至27のいずれか1項に記載の装置。
【請求項29】
コンピュータ読み取り可能な媒体に格納されたコンピュータプログラムであって、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の方法を実行するためにデジタルデータ処理回路(CP1)が実行可能なコンピュータプログラム。

【図1】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−539420(P2008−539420A)
【公表日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−508787(P2008−508787)
【出願日】平成17年4月29日(2005.4.29)
【国際出願番号】PCT/SE2005/000635
【国際公開番号】WO2006/118494
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】