説明

表示機能付き端末

【課題】携帯電話機等の表示機能付き端末において、保存された画像情報の中から所望の画像情報を容易に選び出すことができるようにする。
【解決手段】第1表示状態において、縮小画像M5による一覧画面で1つのファイルが選択された後に、第2表示状態への切替え操作がなされると、表示制御部110は、比較画面モードを実行する。すなわち、表示制御部110は、選択されたファイルとこのファイルの前後のファイルのそれぞれに対応する中間画像M7、M8、M9の画像信号を液晶表示器500に送出し、第2ディスプレイ面21に、これら中間画像M7、M8、M9を表示させる。これら3つの中間画像M7、M8、M9は、第2ディスプレイ面21に収まる範囲内で、できる限り大きく表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示機能付き端末に関し、特に、携帯電話機やPDA(PersonalDigital Assistant)等の携帯端末に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、携帯電話機等の携帯端末においては、液晶表示器が備えられており、この液晶表示器のディスプレイ面上に種々の情報が表示されるようになっている。このディスプレイ面が大きければ、一度に多くの情報(文書など)を表示したり、テレビ映像を大きく映し出したりすることができる。しかし、一方で、ディスプレイ面が大きくなると、機器自身のサイズが大きくなってしまい、携帯する際には邪魔になりやすい。
【0003】
このような事情に鑑み、2つのディスプレイ面を有し、これらディスプレイ面が前後に重なる状態と横方向に並ぶ状態とに切替え可能とした携帯電話機が考えられている。このような携帯電話機は、たとえば、特許文献1に示されている。この携帯電話機によれば、2つのディスプレイ面が重なった状態にされれば、機器本体が小さくなるので、携帯する際に邪魔になりにくい。一方、使用時に、2つのディスプレイ面が並ぶ状態にされれば、大きな画面での画像表示を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−44202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、多くの携帯電話機は、カメラ機能を備えている。カメラ撮影した画像(静止画や動画)は内蔵メモリや機器に装着されたメモリーカードに保存される。また、多くの携帯電話機では、通信回線を介して各種ウェブサイトから画像を取り込むことができ、これら画像も内蔵メモリなどに保存される。
【0006】
メモリに保存された画像からは、サムネイル作成処理により、オリジナル画像の縮小画像(サムネイル)が作成される。そして、所定の機能モードにおいて、この縮小画像の一覧画面がディスプレイ面に表示される。ユーザは、この一覧画面の縮小画像を見ることにより、どのような画像が保存されているかを確認することができる。
【0007】
上記特許文献1の携帯電話機のように、ディスプレイ面を大画面化することができれば、一覧画面全体のサイズを大きくできるので、一度に多くの縮小画像が配置できる。このため、ユーザは、保存された画像の中から所望の画像を選び出す際にも、一覧画面を頻繁にスクロール操作する必要がなく、使い勝手が良くなる。
【0008】
しかしながら、保存された画像の中には、連続写真のように類似した複数の画像が含まれている場合がある。これら類似した画像の中から所望の画像(たとえば、最も映りの良い写真)を選び出すような場合、縮小画像のサイズでは、画像が小さすぎて、これらの画像同士を細かく比較することが難しい。よって、このような場合であっても、所望の画像が容易に選び出せるようにすることが望ましい。
【0009】
本発明は、このような課題を解消するものであり、携帯電話機等の表示機能付き端末において、保存された画像情報の中から所望の画像情報を容易に選び出すことができるよう
にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題に鑑み本発明は、以下の特徴を有する。
【0011】
本発明の第1の態様に係る表示機能付き端末は、第1表示面を有する第1表示部と、第2表示面を有する第2表示部と、前記第1表示部および第2表示部の表示を制御する表示制御部と、複数の画像情報が記憶される記憶部と、前記第1表示面と前記第2表示面のうち前記第1表示面のみが露出する第1表示状態と前記第1表示面および前記第2表示面が露出する第2表示状態に前記第1表示部および第2表示部を切り替える切替部とを備え、前記表示制御部は、前記第1表示状態において、前記第1表示部に対して、前記複数の画像情報を第1サイズで一覧表示させる第1表示制御を行い、前記第2表示状態において、一方の表示部に対して前記第1表示制御を行い、他方の表示部に対して、前記一覧表示のうち選択された画像情報と当該画像情報との間で所定の基準を満たす画像情報とを第1サイズよりも大きい第2サイズで表示させる第2表示制御を行い、さらに、前記表示制御部は、前記第1表示状態にて前記画像情報が選択された後、前記第2表示状態へ移行すると、当該移行に応じて、前記第1表示制御と第2表示制御を実行するとともに、前記第1表示状態にて前記画像情報が選択されていなければ、前記第2表示状態への移行に応じて、前記第1および第2表示部の双方に前記第1表示制御を実行することを特徴とする。
【0012】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様に係る表示機能付き端末において、前記表示制御部は、前記第2表示制御で表示する画像情報に対する拡大指示に応じて、第2サイズより大きい第3サイズの画像情報を表示させることを特徴とする。
【0013】
本発明の第3の態様は、上記第1の態様または第2の態様に係る表示機能付き端末において、前記表示制御部は、前記第2表示制御で表示する画像情報に対するスクロール指示に応じて、表示する画像情報をスクロールさせることを特徴とする。
【0014】
本発明の第4の態様は、上記第1の態様ないし第3の態様のいずれか1つに係る表示機能付き端末において、前記表示制御部は、第2表示状態において、前記第1表示制御で表示する前記一覧表示のうち所望の画像情報が選択されたとき、当該選択に応じて、前記第2表示制御で表示する画像情報を更新することを特徴とする。
【0015】
本発明の第5の態様は、上記第1の態様ないし第4の態様のいずれか1つに係る表示機能付き端末において、前記画像情報は、動画像情報を含み、前記表示制御部は、前記第2表示制御において、表示の対象に含まれる前記動画像情報を再生し表示することを特徴とする。
【0016】
本発明の第6の態様は、上記第1の態様に係る表示機能付き端末において、前記表示制御部は、前記第1および第2表示部の双方に前記第1表示制御を実行した後1つの画像情報が選択されると、当該画像情報を前記第2サイズよりも大きい第3サイズで表示させることを特徴とする。
【0017】
本発明の第7の態様は、上記第1ないし第6の態様のいずれかに係る表示機能付き端末において、前記複数の画像情報の前記一覧表示上での位置が前記所定の基準とされることを特徴とする。この場合、たとえば、前記表示制御部は、前記第2表示状態において、他方の表示部に対して、前記一覧表示のうち選択された画像情報と当該画像情報に前記一覧表示上で隣接する画像情報とを第1サイズよりも大きい第2サイズで表示させる第2表示制御を行う。
【0018】
本発明の第8の態様は、上記第1ないし第6の態様のいずれかに係る表示機能付き端末において、前記複数の画像情報に付加された時間情報が前記所定の基準とされることを特徴とする。この場合、たとえば、前記表示制御部は、前記第2表示状態において、他方の表示部に対して、前記一覧表示のうち選択された画像情報と当該画像情報に時間情報が近い画像情報とを第1サイズよりも大きい第2サイズで表示させる第2表示制御を行う。
【0019】
本発明の第9の態様は、上記第1ないし第6の態様のいずれかに係る表示機能付き端末において、前記複数の画像情報に付加された位置情報が前記所定の基準とされることを特徴とする。この場合、たとえば、前記表示制御部は、前記第2表示状態において、他方の表示部に対して、前記一覧表示のうち選択された画像情報と当該画像情報に位置情報が近い画像情報とを第1サイズよりも大きい第2サイズで表示させる第2表示制御を行う。
【発明の効果】
【0020】
上記第1の態様によれば、他方の表示面上に第2サイズで表示された画像情報を詳細に比較することができるので、複数の画像情報の中から所望の画像情報を容易に選び出すことができる。
【0021】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施の形態に係る携帯電話機の構成を示す図
【図2】実施の形態に係る携帯電話機において、第1ディスプレイ面による第1表示状態から第1ディスプレイ面と第2ディスプレイ面とによる第2表示状態への切替え操作について説明するための図
【図3】実施の形態に係る携帯電話機の回路構成を示すブロック図
【図4】実施の形態に係る携帯電話機において、第1表示状態のときに第1ディスプレイ面に表示される初期画面(モード選択画面)の表示例を示す図
【図5】実施の形態に係る携帯電話機において、データ表示モードにおける画面表示制御を説明するためのフローチャート
【図6】実施の形態に係る携帯電話機において、データ表示モードにおける画面表示制御を行ったときの画面表示例を示す図
【図7】実施の形態に係る携帯電話機において、データ表示モードにおける画面表示制御を行ったときの画面表示例を示す図
【図8】実施の形態に係る携帯電話機において、データ表示モードにおける画面表示制御を行ったときの画面表示例を示す図
【図9】実施の形態に係る携帯電話機において、データ表示モードにおける画面表示制御を行ったときの画面表示例を示す図
【図10】実施の形態に係る携帯電話機において、データ表示モードにおける画面表示制御を行ったときの画面表示例を示す図
【図11】実施の形態に係る携帯電話機において、データ表示モードにおける画面表示制御の変形例を説明するためのフローチャート
【図12】実施の形態に係る携帯電話機において、データ表示モードにおける画面表示制御の変形例を実行したときの、第2表示状態での他の画面表示例を示す図
【図13】実施の形態に係る携帯電話機において、構成例1(変更例)の画面表示制御を行った時の画面表示例を示す図
【図14】実施の形態に係る携帯電話機において、構成例1(変更例)の画面表示制御を行った時の画面表示例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態につき図面を参照して説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態である携帯電話機の構成を示す図(分解斜視図)である。携帯電話機は、第1キャビネット1と、第2キャビネット2と、これら第1、第2キャビネット1、2を保持する保持体3とで構成されている。
【0025】
第1キャビネット1は、上下に薄い横長の直方体形状を有する。第1キャビネット1には、液晶表示器(図示せず)が内蔵され、その上面に、第1ディスプレイ面11が配されている。第1ディスプレイ面11の上には、タッチパネル12が取り付けられる。タッチパネル12は、第1ディスプレイ面11上に表示された各種キーがユーザによって押されたときに、押された位置を検出して、その位置に応じた信号(位置信号)を出力する。
【0026】
第1キャビネット1の内部には、中央やや後ろ位置にカメラモジュール13が配されている。このカメラモジュール13における被写体像を取り込むためのレンズ窓(図示せず)が、第1キャビネット1の下面に設けられている。第1キャビネット1の内部には、また、前面近傍の中央位置に磁石14が配されており、右前角部に磁石15が配されている。さらに、上キャビネット1の右側面および左側面には、それぞれ、突起部16、17が設けられている。
【0027】
第2キャビネット2は、上下に薄い横長の直方体形状を有する。すなわち、第2キャビネット2は、第1キャビネット1とほぼ同じ形状と大きさを有する。第2キャビネット2には、液晶表示器(図示せず)が内蔵され、その上面に、第2ディスプレイ面21が配されている。この第2ディスプレイ面21のサイズは、第1ディスプレイ面11のサイズと同じになっている。第2ディスプレイ面21の上には、タッチパネル22が取り付けられる。タッチパネル22は、第2ディスプレイ面21上に表示された各種キーがユーザによって押されたときに、押された位置を検出して、その位置に応じた信号(位置信号)を出力する。
【0028】
第2キャビネット2の内部には、後面近傍の中央位置に磁石23が配されている。
この磁石23と第1のキャビネット1の磁石14とは、後述の如く大画面を構成する位置に第1キャビネット1と第2キャビネット2が位置づけられた状態(第2表示状態)にあるときに、互いに引き合うよう構成されている。なお、第1キャビネット1および第2キャビネット2において、一方の磁石の磁力が十分大きければ、他方の磁石を磁性体に代えてもよい。
【0029】
第2キャビネット2内部において、右前角部には閉センサ24が配されており、右後角部には開センサ25が配されている。これら閉センサ24およびと開センサ25は、たとえば、ホールICなどで構成され、磁石の磁力に反応して検出信号を出力する。後述するように、第1キャビネット1と第2キャビネット2とが重なった状態になると、第1キャビネット1の磁石15が、閉センサ24に接近するので、閉センサ24からON信号が出力される。一方、第1キャビネット1と第2キャビネット2とが前後に並んだ状態になると、第1キャビネット1の磁石15が、開センサ25に接近するので、開センサ25からON信号が出力される。
【0030】
さらに、第2キャビネット2の右側面には2つの軸部26が設けられており、第2キャビネット2の左側面には2つの軸部27が設けられている。
【0031】
保持体3は、底板部31と、底板部31の右端部に形成された右保持部32と、底板部31の左端部に形成された左保持部33とで構成されている。底板部31、右保持部32
および左保持部33に囲まれた収容領域Rに、第1キャビネット1および第2キャビネット2が上下に重なった状態で収容される。
【0032】
底板部31には、3つのコイルバネ34が左右方向に並ぶように配されている。これらコイルバネ34は、第2キャビネット2が保持体3に取り付けられた状態において、第2キャビネット2の下面に当接し、第2キャビネット2に対して上方に押し上げる力を付与する。
【0033】
右保持部32の上面にはマイク35および電源ボタン36が配されている。また、右保持部32の外側面には、操作ボタン群37が配されている。操作ボタン群37は、マナーモードの設定ボタンなど、複数の操作ボタンからなる。一定の機能については、これら操作ボタンを操作することにより、タッチパネル12、22を操作することなく実行される。左保持部33の上面には、スピーカ38が配されている。ユーザは、左保持部33側が耳元に、右保持部32側が口元にくるように携帯電話機を持って、通話を行う。
【0034】
右保持部32および左保持部33の内側面には、案内溝39(左保持部33側のみ図示)が形成されている。案内溝39は、前後方向に延びる上溝39aおよび下溝39bと、溝の前側に形成され、上溝39aと下溝39bとに繋がるよう上下に延びる2つの縦溝39cとで構成されている。
【0035】
携帯電話機をアセンブルする際には、軸部26、27をガイド溝39の下溝39bに挿入するようにして、第2キャビネット2を保持体3の収容領域R内に配置し、さらに、突起部16、17をガイド溝39の上溝39aに挿入するようにして、第1キャビネット1を保持体3の収容領域R内であって第2キャビネット2の上に配置する。
【0036】
こうして、第1キャビネット1は、上溝39aに案内されて前後にスライド可能となる。また、第2キャビネット2は、下溝39bに案内されて前後にスライド可能となる。また、第2キャビネット2が前方に移動し、軸部26、27が縦溝39cまでくると、第2キャビネット2は、縦溝39cに案内されて上下にスライド可能となる。
【0037】
図2は、本実施の形態に係る携帯電話機において、第1ディスプレイ面11による第1表示状態から第1ディスプレイ面11と第2ディスプレイ面21とによる第2表示状態への切替え操作について説明するための図である。
【0038】
初期の状態においては、同図(a)に示すように、第2キャビネット2が第1キャビネット1の背後に隠れた状態となっている。この状態においては、第1ディスプレイ面11のみが外部に露出している。この状態を「第1表示状態」という。切替えの操作は、ユーザによって手動で行われる。
【0039】
まず、ユーザは、同図(b)に示すように、第1キャビネット1を後方に移動させる。次に、第1キャビネット1の後方への移動が完了すると、同図(c)に示すように、第2キャビネット2を前方へ引き出す。この引出し操作によって、第2キャビネット2が第1キャビネット1に完全に重ならない位置、すなわち第1キャビネット1の前に並ぶ位置まで移動すると、上述のように、軸部26、27が縦溝39cにくるので、第2キャビネット2はコイルバネ34に押されて上昇する。このとき、磁石14と磁石23とが引き合うことによって、さらに大きな上昇力が働く。こうして、同図(d)に示すように、第1キャビネット1と第2キャビネット2とが、前後に密着するように、且つ面一となるように並ぶ。第1ディスプレイ面11と第2ディスプレイ面21とが一体化され、大画面となる。この状態を「第2表示状態」という。
【0040】
図3は、本実施の形態に係る携帯電話機の回路構成を示すブロック図である。携帯電話機は、図1により説明した構成部品の他、CPU100、TVモジュール200、通信処理部300、液晶表示器400、500、メモリ600、バッテリー700、電源部800を備える。
【0041】
TVモジュール200は、TVチューナなどを含み、アンテナ210を介して受信した地上デジタル放送波などの電波を映像信号に変換してCPU100に送る。
【0042】
カメラモジュール13は、撮像レンズ13a、撮像素子13bなどから構成されている。撮像レンズ13aは、被写体の像を撮像素子13b上に結像させる。撮像素子13bは、例えばCCDからなり、取り込んだ画像に応じた撮像信号を生成し、CPU100へ送る。
【0043】
マイク35は、音声信号を電気信号に変換してCPU100へ送る。スピーカ38は、CPU100からの音声信号を音声として再生する。
【0044】
通信制御部300は、CPU100からの音声信号や画像信号、テキスト信号などを無線信号に変換し、アンテナ310を介して基地局へ送信するとともに、アンテナ310を介して受信した無線信号を音声信号や画像信号、テキスト信号などに変換してCPU100へ送る。
【0045】
液晶表示器400は、第1ディスプレイ面11を構成する液晶パネル、バックライト装置などを備え、CPU100(後述の表示制御部110)からの駆動信号によって、第1ディスプレイ面11上に画像を表示する。同じく、液晶表示器500は、第2ディスプレイ面21を構成する液晶パネル、バックライト装置などを備え、CPU100からの駆動信号によって、第2ディスプレイ面21上に画像を表示する。
【0046】
メモリ600には、カメラモジュール13で撮影した画像の画像データ(静止画、動画)や通信処理部300を介して外部から取り込んだ画像データ(静止画、動画)、テキストデータ(メールデータ)などが所定のファイル形式で保存される。
【0047】
バッテリー700は、CPU100やCPU100以外の携帯電話機の各部へ電力を供給するためのものであり、二次電池からなる。バッテリー700は、電源部800に接続されている。
【0048】
電源部800は、バッテリー700の電圧を前記各構成部に必要な大きさの電圧に変換して各構成部に供給する。また、電源部800は、外部電源の入力部(図示せず)を介して供給された電力をバッテリー700に供給して、バッテリー700を充電する。
【0049】
電源部800には、電圧検出部810が設けられている。電圧検出部810は、バッテリー700の電圧を検出して、CPU100へ送る。
【0050】
CPU100は、タッチパネル12、22、操作ボタン群37、マイク35、撮像素子13bなど各部からの入力信号に基づいて、スピーカ300、液晶表示器400、500などの各部に制御信号を出力することにより、各種の機能モード(電話モード、メールモード、インターネットモード、テレビモード、カメラモードなど)の処理を行う。また、CPU100は、電圧検出部810からの電圧信号に基づいて、バッテリー700の残量を判断する。
【0051】
CPU100は表示制御部110を含む。表示制御部110は、CPU100内に用意
された作業エリアとなるメモリ(図示せず)内で、液晶表示器400、500に表示する画像を生成し、生成した画像を表示させるための画像信号(RGB信号)を液晶表示器400、500に出力する。また、表示制御部110は、撮像素子13bから送られてきた画像データ、メモリ600内に保存された画像データ、通信処理部300を介して受信した画像データなどを取り込む。そして、取り込んだ画像データから画像信号(RGB信号)を生成し、生成した画像信号を液晶表示器400、500に出力する。液晶表示器400、500には、画像信号に応じた画像が表示される。
【0052】
さて、第2キャビネット2が閉じられており、第1表示状態にあるときには、第1ディスプレイ面11上に画像が表示される。
【0053】
図4は、本実施の形態に係る携帯電話機において、第1表示状態のときに第1ディスプレイ面11に表示される初期画面(機能モード選択画面)の表示例を示す図である。
【0054】
第1ディスプレイ面11の中央部には、メイン表示として、「テレビ」「メール」「マップ」など11種類のモードキーM1が配されている。ユーザが画面上で、所望のモードキーM1を押すと、そのモードキーM1に応じた機能モードが実行される。第1ディスプレイ面11の上部には、サブ表示として、受信状態を示すアンテナマークM2、メールが受信されたことを示すメールマークM3、電池の残量を示す残量マークM4が配されている。
【0055】
この初期画面において、ユーザにより、たとえば、「データ」のモードキーM1が押されれば、データ表示モードへ移行する。ユーザは、このデータ表示モードにおいて、所定の操作を行うことにより、メモリ600に保存された画像(写真画像など)を確認できる。ユーザは、これら画像を単に眺める目的でこのモードを利用する場合がある。一方、これら画像の中から所望の画像を選び出す目的でこのモードを利用する場合もある。この場合、選び出された画像は、携帯電話機の待受画面の壁紙画像とされたり、パソコンなどの他の機器に移されたり、メールに添付され他人に送られたりされ得る。
【0056】
図5は、本実施の形態に係る携帯電話機において、データ表示モードにおける画面表示制御を説明するためのフローチャートである。また、図6から図10は、本実施の形態に係る携帯電話機において、データ表示モードにおける画面表示制御を行ったときの画面表示例を示す図である。
【0057】
上述のように、「データ」のモードキーM1が押されると、表示制御部110は、メモリ600から縮小画像M5の画像データを読み出し、これら縮小画像M5を表示するための画像信号を液晶表示器400に送出する。これにより、第1ディスプレイ面11に、縮小画像M5が複数配列された一覧画面が表示される(S1:図6参照)。なお、この一覧画面において、縮小画像M5の下方位置には、それぞれの画像のファイル名が表示される。また、画面右端には、一覧画面を送るためのスクロール操作部M6が表示される。
【0058】
縮小画像M5は、メモリ600に保存されたオリジナルの画像(以下、「原画像」という)の見本(インデックス)となるものである。縮小画像M5の画像データは、原画像の画像データをサムネイル処理することにより生成され、メモリ600に格納されている。
【0059】
ユーザは、上述のように、所望の画像を選び出す場合、一覧画面に表示された縮小画像M5を順に見て行くことで、所望の画像を選び出すことができる。しかし、メモリ600に保存された画像の中に、連続写真のように類似した複数の画像が含まれている場合がある。これら類似した画像の中から所望の画像(たとえば、最も映りの良い写真)を選びだすような場合、縮小画像M5のサイズでは、画像が小さすぎて、これらの画像同士を細か
く比較することが難しい。
【0060】
そこで、このような場合に、ユーザは、比較したい複数の縮小画像M5の中から1つを選択し、それを指などでタッチする。1つのファイル(たとえば、「009.jpg」)が選択されると、その縮小画像M5は、画像の枠が太くなるなど、他の縮小画像M5とは異なる表示形態に変更される。このようにして、所望のファイルを選択した後、ユーザは、携帯電話機を第2表示状態にすべく切替え操作を行う。
【0061】
ユーザによって切替え操作がなされ、第2表示状態となると、上述したように、開センサ25からのON信号がCPU100に入力される。表示制御部110は、このON信号により、切替え操作がなされたと判断する(S2:YES)。なお、閉センサ24からの信号がOFFとなることで、切替え操作がなされたと判断する構成としてもよいし、閉センサ24のON信号がなくなり且つ開センサ25のON信号があると、切替え操作がなされたと判断する構成としてもよい。
【0062】
次に、表示制御部110は、第1表示状態にて表示された縮小画像M5のうち一つがタッチされることにより当該縮小画像M5に対応するファイルがユーザにより選択されているか否かを判断する(S3)。そして、ファイルが選択されていると判断すると(S3:YES)、表示制御部110は、以下のステップS4からステップS10の動作による、比較画面モードを実行する。
【0063】
すなわち、表示制御部110は、選択されたファイルの原画像の画像データをメモリ600から読み出して、これに対応する中間画像M7の画像信号を生成する。また、表示制御部110は、選択されたファイルの前後のファイルの原画像の画像データを、それぞれメモリ600から読み出して、中間画像M8および中間画像M9の画像信号を生成する。そして、これら中間画像M7、M8、M9の画像信号を液晶表示器500に送出し、第2ディスプレイ面21に、これら中間画像M7、M8、M9を表示させる(S4:図7参照)。
【0064】
図7に示すように、第2ディスプレイ面21において、選択したファイル(たとえば、「009.jpg」)の中間画像M7は画面中央に表示される。また、その前のファイル(たとえば、「008.jpg」)の中間画像M8は、中間画像M7の左側に表示され、その後のファイル(たとえば、「010.jpg」)の中間画像M9は、中間画像M7の右側に表示される。これら3つの中間画像M7、M8、M9は、第2ディスプレイ面21に収まる範囲内で、できる限り大きく表示される。特に、中央の中間画像M7は、左右の中間画像M8、M9よりも少し大きく表示される。また、中間画像M7、M8、M9の下方位置には、それぞれの画像のファイル名が表示される。
【0065】
こうして、第2ディスプレイ面21には、縮小画像M5に比べて数段サイズが大きい、連続する3つの中間画像M7、M8、M9が表示される。これにより、ユーザは、これら中間画像M7、M8、M9を詳細に比較し、所望の画像を選び出すことができる。
【0066】
さて、第2ディスプレイ面21上の、3つの中間画像M7、M8、M9が表示された画面(以下、「比較用画面」という)において、中央の中間画像M7がユーザによってタッチされると、表示制御部110は、中央のファイルが選択されたと判断し(S5:YES)、選択されたファイルの原画像の画像データをメモリ600から読み出して拡大画像M10の画像信号を生成する。そして、この拡大画像M10の画像信号を液晶表示器500に送出し、第2ディスプレイ面21に拡大画像M10を表示させる(S6:図8参照)。拡大画像M10は、第2ディスプレイ面21に収まる最大限の大きさで表示される。こうして、ユーザは、選択したファイルの画像を、さらに詳細に確認することができる。
【0067】
なお、表示制御部110が、第2ディスプレイ面21ではなく、第1ディスプレイ面11に拡大画像を表示させる構成とされてもよい。また、表示制御部110が、第1ディスプレイ面11と第2ディスプレイ面21とによる大画面に、この大画面に収まる最大限の大きさで、拡大画像を表示させる構成とされてもよい。
【0068】
一方、上記比較用画面において、中央の中間画像M7ではなく、左右の中間画像M8、M9のいずれかがユーザによってタッチされると、表示制御部110は、左または右のファイルが選択されたと判断し(S7:YES)、上記ステップS4と同様の処理を行って、選択されたファイルの中間画像M7´を第2ディスプレイ面21の中央に表示させ、そのファイルの前後のファイルの中間画像M8´、M9´を中間画像M7´の左右に表示させる(S8)。たとえば、図7において、「010.jpg」のファイルが選択された場合には、図9に示すように、このファイルの中間画像M7´が画面中央に表示され、「009.jpg」および「011.jpg」のファイルの中間画像M8´、M9´がその左右に表示される。このようにして、ユーザは、第2ディスプレイ面21上の比較用画面を前後にスクロールすることができ、スクロールによって新たに表示された3つの中間画像M7´、M8´、M9´の間で画像の比較を行うことができる。
【0069】
さらに、上記比較用画面において、現在表示されているファイル(たとえば、「008.jpg」〜「010.jpg」)とは一覧画面上で離れた位置にあるファイル(たとえば、「001.jpg」〜「003.jpg」)の中間画像を表示させたい場合が考えられる。このような場合、上述したスクロール操作により、第2ディスプレイ面21上でそのファイルの中間画像が現れるまで比較用画面をスクロールすることもできるが、これでは時間が長く掛かってしまう。
【0070】
そこで、このような場合、ユーザは、第1ディスプレイ面11上の一覧画面において、所望のファイル(たとえば、「002.jpg」)の縮小画像M5をタッチする。表示制御部110は、一覧画面でファイルが選択されたと判断すると(S9:YES)、上記ステップS4と同様な動作を行う。これにより、選択されたファイルの中間画像とその前後のファイルの中間画像の3つの画像が、第2ディスプレイ面21に表示される(S10)。このようにして、ユーザは、現在表示されているファイルとは離れた位置にあるファイルの中間画像を、迅速に第2ディスプレイ21面に表示させることができる。
【0071】
ところで、連続写真など類似する画像から所望の画像を選び出すようなことがなければ、ユーザは、画像同士を比較するような必要がない。
【0072】
そこで、このような場合、ユーザは、第1表示状態において縮小画像M5の一覧画面が表示されている状態において(図6参照)、ファイルを選択することなく、第2表示状態への切替え操作を行う。このようにすると、先のステップS3において、表示制御部110は、ファイルが選択されていないと判断し(S3:NO)、以下のステップS11からステップS13の動作による、一覧画面モードを実行する。
【0073】
すなわち、表示制御部110は、第1ディスプレイ面11に表示した縮小画像M5に続く縮小画像M5の画像データをメモリ600から読み出し、これら縮小画像M5を表示するための画像信号を液晶表示器500に送出する。これにより、第2ディスプレイ面21には、第1ディスプレイ面11に続く縮小画像M5による一覧画面が表示される(S11:図10参照)。なお、この場合には、第1ディスプレイ面11の一覧画面と第2ディスプレイ面21の一覧画面とが一体的な画面となる。よって、スクロール操作部M6が操作されたときには、一体となった一覧画面がスクロールすることになる。
【0074】
次に、第1ディスプレイ面11および第2ディスプレイ面21の双方の一覧画面において、ユーザによって所望のファイルが選択されると(S12:YES)、表示制御部110は、上記ステップS6と同様の処理を行う。これにより、選択されたファイルの拡大画像M10が第2ディスプレイ面21に表示される(S13)。この場合、図8に示すものと同様の画面形態となる。こうして、ユーザは、所望の画像を、大きなサイズで見ることができる。
【0075】
以上、本実施の形態によれば、第1ディスプレイ面11と第2ディスプレイ面21とが外部に臨む第2表示状態において、比較画面モードが実行される。そして、この比較画面モードにおいて、第1ディスプレイ面11上の縮小画像M5によって選択されたファイルと、そのファイルの前後のファイルとについて、縮小画像M5より大きいサイズの中間画像M7、M8、M9が第2ディスプレイ面21に表示される。これにより、ユーザは、第2ディスプレイ面21上で、これら中間画像を詳細に比較することができる。よって、携帯電話機に保存された画像の中に、連続写真のような類似する画像が含まれていても、これら複数の画像の中から所望の画像を容易に選び出すことができる。
【0076】
また、本実施の形態によれば、ユーザは、中間画像M7、M8、M9が表示された比較用画面においてファイルをさらに選択し、そのファイルの拡大画像M10を表示させることができる。よって、ユーザは、必要に応じて所望の画像をより拡大させることにより、その画像をさらに詳細に確認することができる。
【0077】
さらに、本実施の形態によれば、ユーザによるスクロール操作に応じて、比較用画面が前後にスクロールされ、新たな中間画像が表示される。よって、ユーザは、中間画像を順次送りながら画像を比較していくことができ、使い勝手が良くなる。
【0078】
さらに、本実施の形態によれば、第1ディスプレイ面11上の一覧画面からファイルを新たに選択すると、そのファイルと前後のファイルの中間画像が、新たに第2ディスプレイ面21に表示される。よって、ユーザは、現在表示されているファイルとは離れた位置にあるファイルの中間画像を第2ディスプレイ21面に表示させる場合に、これら中間画像を迅速に表示させることができ、使い勝手が良くなる。
【0079】
さらに、本実施の形態によれば、第2表示状態への切替え操作を行う前にファイルを選択する、という所定の移行操作によって比較画面モードが実行され、所定の移行操作が行われなければ、一覧画面モードが実行される。したがって、ユーザは、類似した画像を比較する必要がないとき、所定の移行操作を行わないようにすれば、一覧画面で縮小画像M5を選択するだけで、その縮小画像M5に対応する拡大画像M10を見ることができる。したがって、所望の画像を、より大きなサイズで、迅速に確認することができる。
【0080】
さらに、本実施の形態によれば、比較画面モードへの所定の移行操作が、第2表示状態への切替え操作を行う前にファイルを選択するという操作とされているので、特別なキーなどを設けることなく、移行操作を行うことができる。
【0081】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、また、本発明の実施形態も、適宜、種々の変更が可能である。たとえば、以下のように変更され得る。
【0082】
図11は、データ表示モードにおける画面表示制御の変形例を説明するためのフローチャートである。同図(a)は変形例1のフローチャートを示し、同図(b)は変形例2のフローチャートを示す。
【0083】
変形例1では、上記実施の形態におけるステップS3の動作に代えて、ステップS14からステップS16の動作が行われる。すなわち、変形例1の構成では、第2表示状態へ移行した際に、第1ディスプレイ面11と第2ディスプレイ面21の両方に、図10に示す一覧画面が表示される。そして、この状態から所望のファイルが選択されると、図9または図10の表示形態に切り替えられる。図9または図10の表示形態の何れに切り替わるかは、予め、ユーザによって設定される。ここでは、図9の表示形態に切り替わるモードを“比較モード”と称し、図10の表示形態に切り替わるモードを“拡大モード”と称する。これらモードの設定は、たとえば、図4に示す初期画面の「設定」のモードキーM1を操作することによって行われる。
【0084】
表示制御部110は、ステップS2において、第2表示状態への切替え操作がされたと判断すると、切り替え後の表示モードが比較モードに設定がされているか否かを判断する(S14)。そして、比較モードに設定されていると判断すると、表示制御部110は、上記ステップS11と同様の処理を行い、第2ディスプレイ面21に、第1ディスプレイ面11に続く縮小画像M5の一覧画面を表示させる(S15)。これにより、図10と同様の画面が表示される。
【0085】
さらに、この状態において、第1ディスプレイ面11および第2ディスプレイ面21の双方の一覧画面からユーザ所望のファイルが選択されると(S16:YES)、表示制御部110は、上記ステップS4の動作を行う。これにより、図7に示すように、選択されたファイルの中間画像M7とその前後のファイルの中間画像M8、M9の3つの画像が、第2ディスプレイ面21に表示される。
【0086】
一方、表示制御部110は、ステップS14において、比較モードが設定されていない(拡大モードが設定されている)と判断すれば、図5のステップS11の処理へと移行する。すなわち、第2ディスプレイ面21に、第1ディスプレイ面11に続く縮小画像M5の一覧画面を表示させる(S11)。これにより、図10と同様の画面が表示される。さらに、この状態において、第1ディスプレイ面11および第2ディスプレイ面21の双方の一覧画面からユーザによって所望のファイルが選択されると(S12:YES)、表示制御部110は、上記ステップS13の動作を行う。これにより、図8に示すように、選択されたファイルの拡大画像M10が表示される。
【0087】
なお、表示制御部110は、ステップS15の動作によって、第2ディスプレイ面21に一覧画面を表示するのではなく、これに代えて、図12に示すように、ファイル選択を促すメッセージ画面を表示するような動作を行うようにしてもよい。
【0088】
次に、変形例2では、上記実施の形態におけるステップS4の動作とステップS5の動作との間にステップS17およびステップS18の動作が付加される。すなわち、上記実施の形態では、静止画のファイルの縮小画像のみが一覧画面に配列される構成としているが、この変形例2の構成では、メモリ600に動画のファイルと静止画のファイルが保存されている場合、一覧画面において、これらファイルの縮小画像が混在して配列される。そして、このような構成において、比較画面モードに移行すると、表示制御部110は、選択されたファイルとその前後のファイルの中に動画が含まれているか否かを判断する(S17)。動画が含まれていれば(S17:YES)、表示制御部110は、動画を再生すべく画像信号を液晶表示器500に送出する。これにより、図7に示す画面形態において、第2ディスプイ面21に表示される比較用画面の3つの中間画像のうち、動画のファイルの中間画像については動画の状態で表示される。このような構成とすれば、ユーザは、中間画像を見たときに、原画像が動画であることを容易に確認することができる。また、動画の中間画像が複数ある場合には、その動画同士を容易に比較することができる。
【0089】
なお、静止画のみの一覧画面とは別に、動画のみの一覧画面を表示できる構成とし、動画の一覧画面から比較画面モードを実行する場合には、中間画像を動画の状態で表示するようにしてもよい。
【0090】
さらに、上記実施の形態では、一覧画面で1つのファイルが選択されると、このファイルの中間画像M7と、これに隣接するファイルの中間画像M8、M9が表示される構成とされている。これは、連続写真など類似した画像は、連続したファイル名で記憶されることが多く、一覧画面で隣接して配置されることが多いと想定されるためである。しかしながら、ファイル名が変えられるなどした場合には、図13に示すように、一覧画面において、類似した画像が離れた位置に配置されることも起こり得る。そこで、このような場合に対処すべく、以下のような構成とすることもできる。
【0091】
<構成例1>
この構成例では、時間情報に関連付けて画像データがメモリ600内に記憶され、画像を拡大表示する際には、時間情報が互いに接近する画像どうしが互いに類似する画像として選択され表示される。ここで、時間情報は、取捨選択の精度を高めるために、秒単位あるいはそれより小さな単位とするのが望ましい。たとえば、時間情報を分単位とすると、同一時間(分)を時間情報として持つ画像が多数存在し、この中に類似しない画像が含まれる可能性が高くなる。これを避けるために、時間情報は、秒単位、あるいは、これより短くするのが望ましい。
【0092】
上記図3の構成例においてカメラモジュール13で撮影がなされる際には、撮影開始時の時間情報が内部時計から取得され、この時間情報に関連付けて画像データがメモリ600に格納される。その際、時間情報は、秒単位、望ましくは、これより短い単位とされる。この場合、時間が接近する画像が選択されると、これらは通常、互いに類似する画像となっている。
【0093】
しかし、メモリ600内には、他の機器から通信にて取得された画像データも含まれ得る。この場合も、通常、画像データに時間情報(撮影時間、等)が関連づけられるが、この時間情報は、他の機器の設定により、秒単位よりも長い単位(たとえば、日付のみ)となっている場合もある。よって、この場合、時間が接近する画像を選択すると、多数の画像が選択され、これらの中には、互いに類似しない画像が含まれ得る。この場合には、たとえば、選択された多数の画像をさらに篩いに掛ける必要がある。その際の選択基準として、たとえば、上記実施形態のように、ファイル名(ファイル番号)等を用いて、ファイル名(ファイル番号)が接近するものを選択することができる。あるいは、各画像にGPS(Global Positioning System)による位置情報が付加されている場合には、この位置情報が接近するものを選択するよう構成することもできる。
【0094】
このように、時間情報をもとに画像を選択する場合、表示制御部110は、図13に示す一覧画面から、所望のファイル、たとえば、「009.jpg」のファイルが選択されると、上記実施の形態で実行される比較画面モードのステップS4の動作に代えて、次のような動作を実行する。
【0095】
すなわち、表示制御部110は、選択されたファイルの撮影日時に近い順に2つのファイルをメモリ600から読み出し、これら2つのファイルの中間画像M8、M9を、選択されたファイルの中間画像M7とともに第2ディスプレイ面21に表示させる。撮影日時が近いファイルが3つ以上存在する場合には、上記のように、ファイル名(ファイル番号)や位置情報をもとに、2つのファイルを選択する。こうして、第2ディスプレイ面21には、図14に示すように、一覧画面での配置に関係なく、選択された画像と、それに類似した画像(たとえば、「008.jpg」、「子供1.jpg」)が表示される。
【0096】
なお、選択したファイルの撮影時間に対してある程度時間が経過しているファイルについては、同時期に撮影されたものではないと考えられ、選択したファイルに類似していないと考えられる。そこで、選択したファイルの撮影時間に近い2つのファイルが抽出されたときに、それらの中で、撮影時間が所定の時間より経過しているものがあれば、そのファイルの中間画像が表示されない構成とすることもできる。
【0097】
<構成例2>
上述のとおり、撮影位置のデータ(撮影位置データ)をもとに類似する画像を選択することもできる。この場合撮影位置データが画像データに関連づけてメモリ600に記憶される。図3に示す構成には、GPS機能が付加される。すなわち、図3に示す構成に、さらに、GPSアンテナとGPS通信処理部が付加される。GPS通信処理部は、GPSアンテナを介して、GPS衛星と通信し、位置情報を取得する。撮影時に取得された位置情報が、撮影位置データとして画像データとともにメモリ600に記憶される。
【0098】
そして、この場合、図13に示す一覧画面から、所望のファイルが選択されると、表示制御部110は、選択されたファイルの撮影位置に近い順に2つのファイルをメモリ600から読み出し、これら2つのファイルの中間画像M8、M9を、選択されたファイルの中間画像M7とともに第2ディスプレイ面21に表示させる(図14参照)。
【0099】
なお、GPS通信処理部の位置検出精度によっては、僅かな位置の違いが判別できない場合もあり、複数のファイルの撮影位置が同じとなる場合も生じ得る。このような場合には、撮影位置の情報に加え撮影時間の情報を加味してファイルが抽出される構成とすることもできる。
【0100】
さらに、上記実施の形態や上記構成例では、一覧画面から所望のファイルを選択すると、動画、静止画などそのファイルのファイル形式に関係なく、そのファイルの画像に類似すると思われるファイルの中間画像が表示される。しかしながら、たとえば、類似する画像の中に動画と静止画が混在している場合に、ユーザが、類似した静止画だけあるいは類似した動画だけを比較したい場合も考えられる。したがって、選択したファイルと同じファイル形式のものの中から、類似すると思われる画像が抽出される構成としてもよい。
【0101】
この他、上記実施の形態では、比較用画面において、中央の中間画像M7がタッチされれば、拡大画像M10が表示され、左右の中間画像M8、M9がタッチされれば、中間画像が前後にスクロールされる構成とされている。しかしこれに限らず、たとえば、3つの中間画像M7、M8、M9の何れがタッチされても、タッチされたファイルの拡大画像が表示される構成としてもよい。また、このような構成とした場合、比較用画面中にスクロール操作部が配され、このスクロール操作部の操作により、中間画像が前後にスクロールされる構成としてもよい。
【0102】
また、上記実施の形態では、比較用画面において、3つの中間画像が表示される構成とされている。しかし、これに限らず、2つあるいは4つ以上の中間画像が表示されてもよい。但し、中間画像の数が多くなれば、その分、サイズが小さくなってしまうので、ディスプレイ面の大きさとの関係で、中間画像が小さくなり過ぎない数とする必要がある。
【0103】
なお、上記実施の形態では、類似すると想定される画像が抽出されることを説明したが、抽出された画像が必ずしも類似である必要はなく、上記実施の形態で説明したファイル名、時間、位置のような、予め設定された類似基準を満たす画像が抽出されればよい。
【0104】
その他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内におい
て、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0105】
11 第1ディスプレイ面(第1表示面)
14 磁石(切替部)
16 突起部(切替部)
17 突起部(切替部)
21 第2ディスプレイ面(第2表示面)
23 磁石(切替部)
26 軸部(切替部)
27 軸部(切替部)
34 コイルバネ(切替部)
39 案内溝(切替部)
400 液晶表示器(第1表示部)
500 液晶表示器(第2表示部)
600 メモリ(記憶部)
110 表示制御部
M5 縮小画像(第1サイズの画像情報)
M7、M8、M9 中間画像(第2サイズの画像情報)
M10 拡大画像(第3サイズの画像情報)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1表示面を有する第1表示部と、
第2表示面を有する第2表示部と、
前記第1表示部および第2表示部の表示を制御する表示制御部と、
複数の画像情報が記憶される記憶部と、
前記第1表示面と前記第2表示面のうち第1表示面のみが露出する第1表示状態と前記第1表示面および前記第2表示面が露出する第2表示状態に前記第1表示部および第2表示部を切り替える切替部とを備え、
前記表示制御部は、前記第1表示状態において、前記第1表示部に対して、前記複数の画像情報を第1サイズで一覧表示させる第1表示制御を行い、前記第2表示状態において、一方の表示部に対して前記第1表示制御を行い、他方の表示部に対して、前記一覧表示のうち選択された画像情報と当該画像情報との間で所定の基準を満たす画像情報とを第1サイズよりも大きい第2サイズで表示させる第2表示制御を行い、
さらに、前記表示制御部は、前記第1表示状態にて前記画像情報が選択された後、前記第2表示状態へ移行すると、当該移行に応じて、前記第1表示制御と第2表示制御を実行するとともに、前記第1表示状態にて前記画像情報が選択されていなければ、前記第2表示状態への移行に応じて、前記第1および第2表示部の双方に前記第1表示制御を実行する、
ことを特徴とする表示機能付き端末。
【請求項2】
請求項1に記載の表示機能付き端末において、
前記表示制御部は、前記第2表示制御で表示する画像情報に対する拡大指示に応じて、第2サイズより大きい第3サイズの画像情報を表示させる、
ことを特徴とする表示機能付き端末。
【請求項3】
請求項1または2に記載の表示機能付き端末において、
前記表示制御部は、前記第2表示制御で表示する画像情報に対するスクロール指示に応じて、表示する画像情報をスクロールさせる、
ことを特徴とする表示機能付き端末。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか一項に記載の表示機能付き端末において、
前記表示制御部は、第2表示状態において、前記第1表示制御で表示する前記一覧表示のうち所望の画像情報が選択されたとき、前記第2表示制御で表示する画像情報を当該選択に応じて更新する、
ことを特徴とする表示機能付き端末。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の表示機能付き端末において、
前記画像情報は、動画像情報を含み、
前記表示制御部は、前記第2表示制御において、表示の対象に含まれる前記動画像情報を再生し表示する、
ことを特徴とする表示機能付き端末。
【請求項6】
請求項1に記載の表示機能付き端末において、
前記表示制御部は、前記第1および第2表示部の双方に前記第1表示制御を実行した後1つの画像情報が選択されると、当該画像情報を前記第2サイズよりも大きい第3サイズで表示させる、
ことを特徴とする表示機能付き端末。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか一項に記載の表示機能付き端末において、
前記複数の画像情報の前記一覧表示上での位置が前記所定の基準とされる、
ことを特徴とする表示機能付き端末。
【請求項8】
請求項1ないし6のいずれか一項に記載の表示機能付き端末において、
前記複数の画像情報に付加された時間情報が前記所定の基準とされる、
ことを特徴とする表示機能付き端末。
【請求項9】
請求項1ないし6のいずれか一項に記載の表示機能付き端末において、
前記複数の画像情報に付加された位置情報が前記所定の基準とされる、
ことを特徴とする表示機能付き端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−151809(P2011−151809A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20719(P2011−20719)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【分割の表示】特願2008−25471(P2008−25471)の分割
【原出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】