表示装置及びその製造方法
【課題】透光性導電膜を配線や電極として備えるものにあって、透光性導電膜の抵抗を低減させることができる表示装置を提供することである。
【解決手段】
複数のゲート線と、前記ゲート線と交差する複数のドレイン線とを有し、画素の領域毎に、前記ゲート線とドレイン線とに接続される薄膜トランジスが形成される表示装置であって、前記ゲート線及び前記ドレイン線、並びに前記ゲート線又は前記ドレイン線から伸延される引き出し配線の少なくとも1つが透光性パターン化導電膜で形成され、前記透光性パターン化導電膜は、少なくとも、第1透光性パターン化導電膜と、前記第1透光性パターン化導電膜上に積層された第2透光性パターン化導電膜とから構成され、前記第2透光性パターン化導電膜は、前記第1透光性パターン化導電膜の側壁面を含む表面のみを被って形成される導電膜からなる表示装置である。
【解決手段】
複数のゲート線と、前記ゲート線と交差する複数のドレイン線とを有し、画素の領域毎に、前記ゲート線とドレイン線とに接続される薄膜トランジスが形成される表示装置であって、前記ゲート線及び前記ドレイン線、並びに前記ゲート線又は前記ドレイン線から伸延される引き出し配線の少なくとも1つが透光性パターン化導電膜で形成され、前記透光性パターン化導電膜は、少なくとも、第1透光性パターン化導電膜と、前記第1透光性パターン化導電膜上に積層された第2透光性パターン化導電膜とから構成され、前記第2透光性パターン化導電膜は、前記第1透光性パターン化導電膜の側壁面を含む表面のみを被って形成される導電膜からなる表示装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及びその製造方法に係わり、特に、透光性導電膜を備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、液晶を挟持して対向配置される一対の基板のうち一方の基板の液晶側の面に、微細加工された電子回路が形成されている。一方の基板の液晶側の面には、複数の画素がマトリックス状に配置された表示領域(表示部)と、この表示部の周辺の一部に周辺回路領域(周辺回路部)を有し、電子回路は、表示部と周辺回路部に形成されるようになっている。
【0003】
表示部における電子回路は、少なくとも、たとえば行方向に配列される画素群を選択するための薄膜トランジスタと、この薄膜トランジスタを通して映像信号が供給される画素電極を備えた回路となっている。周辺回路部における電子回路は、表示部の薄膜トランジスタを駆動させるための信号(走査信号)および前記映像信号を生成するようになっており、多数の薄膜トランジスタを備えた回路となっている。
【0004】
ここで、表示部及び周辺回路部の各電子回路は、パターン化された導電膜、半導体膜、絶縁膜のそれぞれを所定の順序で積層させることによって構成されている。表示部の電子回路は、画素が形成される表示領域内に並設されるドレイン線及びゲート線にそれぞれ接続されている。また、周辺回路部の電子回路は、表示領域のドレイン線及びゲート線から延在される引き出し配線と接続され、この引き出し配線を介してドレイン線及びゲート線に映像信号及び走査信号を出力する構成となっている。また、周辺回路部の電子回路には端子部を介して外部装置から表示用データが入力される構成となっており、端子部と周辺回路も配線(端子配線)で接続され、この端子配線を介して表示用データが電子回路に入力される構成となっている(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−39509号公報
【特許文献2】特開2009−157200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
携帯電話等の携帯情報端末に搭載される液晶表示装置では、筐体の大きさが限られているなかでの表示領域の拡大、高精細化及び高画質が要望されている。このために、従来の液晶表示装置では画像表示に係わらない額縁領域の占める割合を小さくする、すなわち額縁領域を狭くすること(いわゆる挟額縁化)によって、表示領域を拡大させている。特に、額縁領域に周辺回路部の電子回路を構成しない場合、すなわち端子部に半導体チップを搭載し該半導体チップに周辺回路部の電子回路を形成する場合、挟額縁化を達成するためには、額縁領域における引き出し配線を多層化する等の技術を用い、高精細化及び高画質化が進められている(特許文献1、2)。
【0007】
このような額縁領域に形成される引き出し配線や表示領域に形成されるドレイン線及びゲート線等は、配線負荷の増大を抑えるために金属膜(金属薄膜)を用いることが一般的となっている。しかしながら、金属薄膜は腐食に弱いために、腐食され易い箇所における配線層の材料が要望されている。このような、材料としてたとえば耐腐食性を有するITO(Indium Tin Oxide)等のような透光性導電膜を使用することが好適と考えられるが、ITO等の透光性導電膜はシート抵抗が大きいために、配線として用いた場合には配線抵抗が増大してしまい、配線負荷が大きくなってしまうことが懸念されている。
【0008】
シート抵抗の大きいITOを配線として用いる場合、配線幅を大きくすることが考えられるが、挟額縁化が困難となってしまう。一方、ITOの膜厚を厚くすることも考えられるが、ITO等の透光性導電膜の形成では、成膜後にしゅう酸系のエッチング液を用いて所望のパターンに加工することによって形成する。この加工の場合、透光性導電膜の結晶状態は非晶質(アモルファス)となっていることが必要となる。透光性導電膜が結晶化されている場合、前記エッチング液によってエッチングできなくなるからである。しかしながら、透光性導電膜を厚く成膜した場合、その成膜時の反応熱によって結晶化され易くなるため、透光性導電膜の膜厚に制限が付され、所定厚さ以上の膜厚を有する透光性導電膜を形成することは困難であった。このため、透光性導電膜によって形成された配線は、電気抵抗が大きなものとなってしまうことが通常となっていた。
【0009】
本発明の目的は、透光性導電膜を配線や電極として備えるものにあって、透光性導電膜の抵抗を低減させることができる表示装置を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、透光性導電膜を配線や電極として備えるものにあって、工数の増大をもたらすことなく、電気抵抗を低減させた透光性導電膜を得ることができる表示装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)前記課題を解決すべく、基板上に、複数のゲート線と、前記ゲート線と交差する複数のドレイン線とを有し、前記ゲート線とドレイン線とに囲まれる領域を画素の領域とし、前記画素の領域毎に、前記ゲート線とドレイン線とに接続される薄膜トランジスが形成される表示装置であって、前記ゲート線及び前記ドレイン線、並びに前記ゲート線又は前記ドレイン線から伸延される引き出し配線の少なくとも1つが透光性パターン化導電膜で形成され、前記透光性パターン化導電膜は、少なくとも、第1透光性パターン化導電膜と、前記第1透光性パターン化導電膜上に積層された第2透光性パターン化導電膜とから構成され、前記第2透光性パターン化導電膜は、前記第1透光性パターン化導電膜の側壁面を含む表面のみを被って形成される導電膜からなる表示装置である。
【0012】
(2)前記課題を解決すべく、基板上に、マトリクス状に形成される薄膜トランジスタを形成する表示装置の製造方法であって、基板上に、第1透光性導電膜を成膜する第1成膜工程と、前記第1透光性導電膜をフォトリソグラフィ技術による選択エッチングにより、パターン化された結晶性の第1透光性パターン化導電膜を得る第1パターン工程と、前記基板上に、前記第1透光性パターン化導電膜をも被って、第2透光性導電膜を成膜する第2成膜工程と、少なくとも前記第2透光性導電膜をウェットエッチングにより、前記第1透光性パターン化導電膜上に第2透光性パターン化導電膜を自己整合的に形成する第2パターン工程とを有する表示装置の製造方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、工数の増大をもたらすことなく、電気抵抗を低減させた透光性導電膜を得ることができる。
【0014】
本発明のその他の効果については、明細書全体の記載から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態の液晶表示装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】本発明の実施形態の液晶表示装置における画素の構成を示した図である。
【図3】図3は図2のB−B線における断面図である。
【図4】本発明の実施形態の液晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図5】本発明の実施形態の液晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図6】本発明の実施形態の液晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態の液晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図8】本発明の実施形態の液晶表示装置における配線層を透明導電膜で形成した場合の製造方法を説明するための図である。
【図9】本発明の実施形態の液晶表示装置における配線層を透明導電膜で形成した場合の製造方法を説明するための図である。
【図10】本発明の実施形態の液晶表示装置における配線層を透明導電膜で形成した場合の製造方法を説明するための図である。
【図11】本発明の実施形態の液晶表示装置における配線層を透明導電膜で形成した場合の製造方法を説明するための図である。
【図12】本発明の実施形態の液晶表示装置における配線層を透明導電膜で形成した場合の製造方法を説明するための図である。
【図13】本発明の実施形態の液晶表示装置における画素電極と対向電極との間の液晶駆動のための電界の分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明は省略する。
【0017】
〈全体の構成〉
図1は本発明の実施形態の液晶表示装置の概略構成を示す平面図である。ただし、以下の説明では、本願発明を液晶表示装置に適用した場合について説明するが、これに限定されることはなく、有機EL表示装置等の他の表示装置にも適用可能である。また、X、YはそれぞれX軸、Y軸を示す。
【0018】
図1において、液晶(図示せず)を挟持して対向配置される第1基板SUB1、第2基板SUB2を有している。第2基板SUB2は観察者側に配置されるようになっている。第1基板SUB1の背面にはバックライト(図示しない)が配置されるようになっている。第2基板SUB2は、第1基板SUB1よりも若干小さな面積となっており、第1基板SUB1の図中下側の辺部SDを露出させるようになっている。第1基板SUB1の図中下側の辺部SDには半導体装置(チップ)SECが搭載されている。この半導体装置SECは後述の表示領域ARにおける各画素を駆動する制御回路となっている。第2基板SUB2の周辺には、第1基板SUB1と固着するシール材SLが形成され、このシール材SLは液晶を封止させる機能も有している。
【0019】
シール材SLで囲まれた領域は表示領域ARとなっている。第1基板SUB1の前記表示領域ARにおける液晶側の面には、図中X方向に延在しY方向に並設されるゲート線GL、および図中Y方向に延在しX方向に並設されるドレイン線DLが形成されている。隣接する一対のゲート線GLと隣接する一対のドレイン線DLとで囲まれる領域は画素の領域を構成するようになっている。これにより、表示領域ARにはマトリックス状に配置された多数の画素を有するようになる。
【0020】
各画素領域には、図中の点線楕円枠内の等価回路図である図Aに示すように、ゲート線GLからの信号(走査信号)によってオンされる薄膜トランジスタTFTと、この薄膜トランジスタTFTを通してドレイン線DLからの信号(映像信号)が供給される画素電極PXと、この画素電極PXとの間に電界を生じさせる対向電極CTとが形成されている。この電界は第1基板SUB1の面に平行な成分を有し、液晶の分子は第1基板SUB1の面に水平な状態のままで配向状態が変化するようになっている。この種の液晶表示装置はたとえば横電界方式(IPS方式)と称される。なお、対向電極CTはたとえばゲート線GLに平行して走行するコモン線CLを介して映像信号に対して基準となる基準信号が供給されるようになっている。
【0021】
なお、ゲート線GL、ドレイン線DL、およびコモン線CLは、それぞれ図示しない引き出し線によって半導体装置SECに接続され、ゲート線GLには走査信号、ドレイン線DLには映像信号、コモン線CLには基準信号が供給されるようになっている。
【0022】
上述した構成では、横電界方式と称される液晶表示装置を例に挙げて示したものである。しかし、この方式に限らず、たとえば、TN(Twisted Nematic)、VA(Vertical Alignment)等の縦電界方式と称される液晶表示装置にも適用可能である。
【0023】
〈画素の構成〉
図2は本発明の実施形態の液晶表示装置における画素の構成を示した図であり、図1の図中丸Aに相当する部分の平面図を示している。また、図3は図2のB−B線における断面図を示している。
【0024】
図2おいて、第1基板SUB1の液晶側の面すなわち第1基板SUB1(図3参照)の主表面には下地層GRL(図3参照)が形成され、その上面に、図中X方向に延在されY方向に並設されるゲート線GLが形成されている。これらゲート線GLは図中Y方向に延在されX方向に並設されるドレイン線DLとで囲まれる矩形状の領域を画素の領域として構成するようになっている。ここで、ゲート線GLには、当該画素領域側に突出する突出部によって形成されるゲート電極GTが設けられている。このゲート電極GTは、薄膜トランジスタTFTのゲート電極となるものである。
【0025】
図3に示すように、ゲート線GL(ゲート電極GT)が形成された第1基板SUB1の表面には、ゲート信号線GLをも被って絶縁膜GIが形成されている。この絶縁膜GIは薄膜トランジスタTFTの形成領域において、ゲート絶縁膜として機能するようになっている。
【0026】
絶縁膜GIの表面の薄膜トランジスタTFTの形成領域に、ゲート電極GTと重畳するようにして配置されている半導体層(いわゆるi層)PSは、たとえば低温ポリシリコン(poly−Si)で形成されている。この半導体層PSのドレイン電極DT及びソース電極STの側には、半導体層PSを挟むようにして低濃度のn型不純物がドープされた低濃度不純物層(LDD層、n−層)LDDが形成されている。この低濃度不純物層LDDは、半導体層PSとゲート電極GTとの間の電界集中の緩和を図る効果を奏する。また、この低濃度不純物層LDDのドレイン電極DT及びソース電極STの側に、ソース電極ST或いはドレイン電極DTと接続されるコンタクト層CNLを有している。コンタクト層CNLは、高濃度のn型不純物がドープされた高濃度不純物層(n+層)である。コンタクト層CNLは、ソース電極ST又はドレイン電極DTとチャネル領域との接続抵抗を下げる効果を奏する。なお、薄膜トランジスタTFTはコープレーナ型に限定されることはなく、スタガード型であってもよい。また、ゲート電極はボトム型に限定されることはなく、トップゲート型であってもよい。
【0027】
第1基板SUB1の上面には、半導体層PS、低濃度不純物層LDD、及びコンタクト層CNLを被う第1絶縁膜IN1が形成され、この第1絶縁膜IN1の上面には第2絶縁膜IN2が形成されている。この第1絶縁膜IN1及び第2絶縁膜IN2には、半導体層PSを挟むようにして形成されるコンタクト層CNLに達するスルーホール(コンタクトホール)がそれぞれ形成され、このスルーホールにドレイン電極DT及びソース電極STが形成され、薄膜トランジスタTFTを形成している。この第2絶縁膜IN2の上面には例えばアルミニウム薄膜からなる図示しないドレイン線DLが形成されており、該ドレイン線DLはドレイン電極DTに電気的に接続されている。なお、このドレイン線DL及びゲート線GL並びにゲート電極GTを、後述するようにITO膜で形成してもよい。
【0028】
また、第2絶縁膜IN2の上層には、ドレイン電極DT及びソース電極ST並びにドレイン線DLをも被って、第1基板SUB1の表面を平坦化するための保護膜PASが形成されている。この保護膜PASは薄膜トランジスタTFTの液晶との直接の接触を回避し、薄膜トランジスタTFTの特性劣化を防止するようになっている。この保護膜PASは、たとえば二層構造からなり、無機絶縁膜からなる保護膜および有機絶縁膜からなる保護膜(平坦化膜)の積層体によって構成されている。
【0029】
そして、保護膜PASの表面には、周知のフォトリソグラフィ技術の選択エッチングで透光性導電膜をパターンエッチングして形成した第1透光性パターン化導電膜PX1が形成されている。また、この第1透光性パターン化導電膜PX1の液晶側面(上面)及び側面を被う第2透光性パターン化導電膜PX2が形成され、第1透光性パターン化導電膜PX1と第2透光性パターン化導電膜PX2とにより画素電極PXを形成している。すなわち、第2透光性パターン化導電膜PX2は、第1透光性パターン化導電膜PX1の側壁面を含む露出された表面のみを被ってなる構成である。このとき、後述するように、本実施形態の第1透光性パターン化導電膜PX1及び第2透光性パターン化導電膜PX2は結晶性の透光性導電膜からなる。
【0030】
また、本実施形態においては、対向電極CTは、たとえばITO(Indium Tin Oxide)からなる透光性導電膜で形成され、表示領域ARの全域にわたって形成されている。対向電極CTには映像信号に対して基準となる信号(基準信号)が供給され、この信号は各画素において共通に供給されるようになっている。なお、この対向電極CTには、電気抵抗の低い金属からなるコモン信号線CLが直接に重ねられて形成され、このコモン信号線CLを通して対向電極CTへ基準信号が供給されるようになっている。コモン信号線CLは、実質的な画素領域を回避して形成され、ゲート信号線GLに近接しあるいは一部重畳してゲート信号線GLの走行方向に沿って形成されている。また、本願発明は、対向電極CTが第2基板SUB2に形成されるVA方式やTN方式の液晶表示装置にも適用可能である。
【0031】
〈画素の製造方法1〉
次に、図4〜図7に本発明の実施形態の液晶表示装置の製造方法を説明するための図を示し、以下、図4〜図7に基づいて、本願発明の透光性パターン化導電膜で画素電極を形成する場合の製造方法を説明する。ただし、本願発明の適用範囲は画素電極に限定されることはなく、従来の液晶表示装置ではシート抵抗が大きいために金属薄膜を用いて形成していたドレイン線DLやゲート線GL、これらドレイン線DLやゲート線GLと半導体装置SECの出力とを接続する引き出し配線、さらには周辺回路を形成する薄膜トランジスタの電極等にも適用可能である。また、本発明では、透光性パターン化導電膜で形成される画素電極の製造方法を除く他の製造方法は従来の液晶表示装置と同様となるので、以下の説明では、透光性パターン化導電膜で形成される画素電極の製造方法について詳細に説明する。
【0032】
本実施形態の画素電極PXの形成では、まず、画素電極PXを形成するITOを周知のフォトリソグラフィ技術でパターンエッチングし、図4に示すように、第1透光性パターン化導電膜PX1を形成する。この第1透光性パターン化導電膜PX1の形成では、第1基板SUB1の液晶側面すなわち保護膜PASの上層にITO膜ITOを成膜した後に、該ITO膜ITOの上面にエッチングパターンを形成する。次に、例えばしゅう酸系の薬液を用いたウェットエッチングで画素電極PXの形状に沿った第1透光性パターン化導電膜PX1を形成する。このエッチング後の状態では、第1透光性パターン化導電膜PX1は非晶質(非結晶、アモルファス)状態であるので、次に、周知のアニール処理等の熱処理により、エッチング後のされた第1透光性パターン化導電膜PX1を結晶化する。
【0033】
次に、図5に示すように、第1基板SUB1の液晶側面すなわち第1透光性パターン化導電膜PX1の上層を含む保護膜PASの上層に透光性導電膜としてITO膜ITOを成膜する。このとき、ITO膜ITOを所定値以上の膜厚で成膜した場合、図6に示すように、第1透光性パターン化導電膜PX1の表面及びその側面部分、すなわち第1透光性パターン化導電膜PX1の露出面に接するITO膜は反応熱により、結晶化された状態のITO膜ITO1となる。
【0034】
この後に、本実施形態では、再度、しゅう酸系の薬液を用いてITO膜ITOをウェットエッチングする。このとき、しゅう酸系の薬液は非晶質状態のITO膜ITOのみがエッチングされる。その結果、結晶状態のITO膜ITO1の領域はエッチングされずに残ることとなる。このときの状態を示したのが図7である。この図7から明らかなように、第1透光性パターン化導電膜PX1の表面及びその側面部分の形状に沿った第2透光性パターン化導電膜PX2が自己整合的に形成され、画素電極PXが形成される。このとき、画素電極PXは第1透光性パターン化導電膜PX1に第2透光性パターン化導電膜PX2が積層された構成となり、従来の画素電極PXよりも膜厚を厚くすることが可能となる。その結果、画素電極PXを形成する透明導電膜の電気抵抗を低減させることが可能となる。この画素電極PXの電気抵抗の低減により、画素電極PX内の電界分布を均一化でき、これにより、図13に示すように、画素電極PXと対向電極CTとの間における液晶駆動のための電界Eの分布を均一化できる。その結果、同一画素内における明度差を大幅に低減させることが可能となる。この同一画素内における明度差の低減効果は、液晶表示装置の高精細化に伴い電極間ギャップが狭くなった場合に、特に有効である。また、横電界方式に求められる等方性液晶用の電極としても用いることができる。
【0035】
なお、第1透光性パターン化導電膜PX1の上層にITO膜ITOを成膜する際に、所定値以下の膜厚でITO膜ITOを形成した場合には、成膜過程における反応熱による結晶化がされないので、非晶質のITO膜ITO1のままとなる。従って、この場合には、例えばレーザ光を用いたアニール処理等を行うことにより、結晶化されたITO膜ITO1を形成可能である。これにより、次のしゅう酸系の薬液を用いたウェットエッチング処理によって、第1透光性パターン化導電膜PX1に積層される第2透光性パターン化導電膜PX2を形成することができ、前述する効果を得ることができる。
【0036】
〈配線の製造方法〉
図8〜図12は本発明の実施形態の液晶表示装置における透明導電膜を配線層に適用した場合の製造方法を説明するための図であり、以下、図8〜図12に基づいて、本願発明を配線の形成に適用した場合の製造方法及び効果について説明する。ただし、以下の説明では、第1基板SUB1の上面に配線層を形成する場合について説明するが、画素電極PXの形成と同様に、他の絶縁層である第2絶縁膜の上層等に配線層を形成する場合にも適用可能である。また、以下の説明では、配線層の電気抵抗を大幅に低減させるために、3層の透光性パターン化導電膜を形成する場合について説明する。ただし、画素電極PXと同様に、透光性パターン化導電膜は3層に限定されることはなく、2層以上であればよい。
【0037】
まず、第1基板SUB1の上面(液晶側面)にITO膜を成膜した後に、配線のマスクパターンを形成し、しゅう酸系の薬剤を用いてITO膜をウェットエッチングする。このエッチングにより、図8に示すように、非晶質状態のITO膜ITO2が形成される。この後に、熱処理であるアニール処理を行うことにより、非晶質状態のITO膜ITO2から結晶状態のITO膜である第1透光性パターン化導電膜ITO3を形成する。
【0038】
次に、図9に示すように、所定厚さ以上の膜厚となるように、第1基板SUB1表面にITO膜ITOを成膜する。この成膜工程における反応熱により、図10に示すように、結晶状態の第1透光性パターン化導電膜ITO3の周囲のITO膜ITOは、結晶状態のITO膜ITO1となる。
【0039】
次に、しゅう酸系の薬剤を用いてITO膜ITOをウェットエッチングすることにより、非晶質状態のITO膜ITOのみがウェットエッチングされ、結晶状態のITO膜である第2透光性パターン化導電膜ITO4が形成される。この第2透光性導電膜ITO4は、図10に示す結晶性のITO膜ITO1の部分のみがエッチングされずに形成された透光性パターン化導電膜である。従って、第1透光性パターン化導電膜ITO3の表面及びその側面部分の形状に沿った形状、すなわちフォトリソグラフィ工程を用いることなく第2透光性パターン化導電膜ITO4が自己整合的に形成される。
【0040】
次に、第2透光性パターン化導電膜ITO4を含む第1基板SUB1の上面に、再度ITO膜を形成することにより、前述と同様に、第2透光性パターン化導電膜ITO4の表面及びその側面部分が反応熱により結晶化される。次に、しゅう酸系の薬剤を用いてITO膜をウェットエッチングすることにより、非晶質状態のITO膜ITOがエッチングされ、結晶状態のITO膜である第3透光性パターン化導電膜ITO5が自己整合的に形成され、3層の透光性パターン化導電膜ITO3、ITO4、ITO5からなる配線層が形成される。その結果、1層の透光性パターン化導電膜で形成した配線層よりも大幅に電気抵抗を低減させることが可能となる。
【0041】
以上説明したように、本発明の実施形態の液晶表示装置では、第1基板SUB1の液晶面側に、第1透光性パターン化導電膜を成膜し、この第1透光性パターン化導電膜をフォトリソグラフィ技術による選択エッチングにより、パターン化された結晶性の第1透光性パターン化導電膜を形成し、この後に第1透光性パターン化導電膜をも被った第2透光性導電膜を成膜し、少なくとも第2透光性パターン化導電膜をウェットエッチングすることにより、第1透光性パターン化導電膜上に第2透光性パターン化導電膜を自己整合的に形成することができるので、第1透光性パターン化導電膜の形成以降は、フォトリソグラフィ工程を得ることなくすなわち工程を増やすことなく容易に透光性パターン化導電膜を積層することが可能となる。その結果、透光性パターン化導電膜の電気抵抗を大幅に低減させることが可能となり、従来では金属薄膜を用いていた配線層等にも容易に透光性パターン化導電膜を用いることが可能となる。また、透光性パターン化導電膜は、第1透光性パターン化導電膜、第2透光性パターン化導電膜、第3透光性パターン化導電膜と、複数の形成することにより、当該透光性パターン化導電膜のパターン幅も大きくすることができるので、電気抵抗をさらに小さくできる。
【0042】
以上、本発明者によってなされた発明を、前記発明の実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記発明の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0043】
SUB1……第1基板、SUB2……第2基板、SD……辺部、SEC……半導体装置
AR……表示領域、SL……シール材、GL……ゲート線、DL……ドレイン線
TFT……薄膜トランジスタ、PX……画素電極PX、CT……対向電極
CL……コモン線、GRL……下地層、GT……ゲート電極、GI……絶縁膜
PS……半導体層、DT……ドレイン電極、ST……ソース電極
LDD……低濃度不純物層、CNL……コンタクト層、IN1……第1絶縁膜
IN2……第2絶縁膜、PAS……保護膜PAS
PX1……第1透光性パターン化導電膜、PX2……第2透光性パターン化導電膜
ITO、ITO1、ITO2……ITO膜、ITO3……第1透光性パターン化導電膜
ITO4……第2透光性パターン化導電膜、ITO5……第3透光性パターン化導電膜
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及びその製造方法に係わり、特に、透光性導電膜を備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、液晶を挟持して対向配置される一対の基板のうち一方の基板の液晶側の面に、微細加工された電子回路が形成されている。一方の基板の液晶側の面には、複数の画素がマトリックス状に配置された表示領域(表示部)と、この表示部の周辺の一部に周辺回路領域(周辺回路部)を有し、電子回路は、表示部と周辺回路部に形成されるようになっている。
【0003】
表示部における電子回路は、少なくとも、たとえば行方向に配列される画素群を選択するための薄膜トランジスタと、この薄膜トランジスタを通して映像信号が供給される画素電極を備えた回路となっている。周辺回路部における電子回路は、表示部の薄膜トランジスタを駆動させるための信号(走査信号)および前記映像信号を生成するようになっており、多数の薄膜トランジスタを備えた回路となっている。
【0004】
ここで、表示部及び周辺回路部の各電子回路は、パターン化された導電膜、半導体膜、絶縁膜のそれぞれを所定の順序で積層させることによって構成されている。表示部の電子回路は、画素が形成される表示領域内に並設されるドレイン線及びゲート線にそれぞれ接続されている。また、周辺回路部の電子回路は、表示領域のドレイン線及びゲート線から延在される引き出し配線と接続され、この引き出し配線を介してドレイン線及びゲート線に映像信号及び走査信号を出力する構成となっている。また、周辺回路部の電子回路には端子部を介して外部装置から表示用データが入力される構成となっており、端子部と周辺回路も配線(端子配線)で接続され、この端子配線を介して表示用データが電子回路に入力される構成となっている(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−39509号公報
【特許文献2】特開2009−157200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
携帯電話等の携帯情報端末に搭載される液晶表示装置では、筐体の大きさが限られているなかでの表示領域の拡大、高精細化及び高画質が要望されている。このために、従来の液晶表示装置では画像表示に係わらない額縁領域の占める割合を小さくする、すなわち額縁領域を狭くすること(いわゆる挟額縁化)によって、表示領域を拡大させている。特に、額縁領域に周辺回路部の電子回路を構成しない場合、すなわち端子部に半導体チップを搭載し該半導体チップに周辺回路部の電子回路を形成する場合、挟額縁化を達成するためには、額縁領域における引き出し配線を多層化する等の技術を用い、高精細化及び高画質化が進められている(特許文献1、2)。
【0007】
このような額縁領域に形成される引き出し配線や表示領域に形成されるドレイン線及びゲート線等は、配線負荷の増大を抑えるために金属膜(金属薄膜)を用いることが一般的となっている。しかしながら、金属薄膜は腐食に弱いために、腐食され易い箇所における配線層の材料が要望されている。このような、材料としてたとえば耐腐食性を有するITO(Indium Tin Oxide)等のような透光性導電膜を使用することが好適と考えられるが、ITO等の透光性導電膜はシート抵抗が大きいために、配線として用いた場合には配線抵抗が増大してしまい、配線負荷が大きくなってしまうことが懸念されている。
【0008】
シート抵抗の大きいITOを配線として用いる場合、配線幅を大きくすることが考えられるが、挟額縁化が困難となってしまう。一方、ITOの膜厚を厚くすることも考えられるが、ITO等の透光性導電膜の形成では、成膜後にしゅう酸系のエッチング液を用いて所望のパターンに加工することによって形成する。この加工の場合、透光性導電膜の結晶状態は非晶質(アモルファス)となっていることが必要となる。透光性導電膜が結晶化されている場合、前記エッチング液によってエッチングできなくなるからである。しかしながら、透光性導電膜を厚く成膜した場合、その成膜時の反応熱によって結晶化され易くなるため、透光性導電膜の膜厚に制限が付され、所定厚さ以上の膜厚を有する透光性導電膜を形成することは困難であった。このため、透光性導電膜によって形成された配線は、電気抵抗が大きなものとなってしまうことが通常となっていた。
【0009】
本発明の目的は、透光性導電膜を配線や電極として備えるものにあって、透光性導電膜の抵抗を低減させることができる表示装置を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、透光性導電膜を配線や電極として備えるものにあって、工数の増大をもたらすことなく、電気抵抗を低減させた透光性導電膜を得ることができる表示装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)前記課題を解決すべく、基板上に、複数のゲート線と、前記ゲート線と交差する複数のドレイン線とを有し、前記ゲート線とドレイン線とに囲まれる領域を画素の領域とし、前記画素の領域毎に、前記ゲート線とドレイン線とに接続される薄膜トランジスが形成される表示装置であって、前記ゲート線及び前記ドレイン線、並びに前記ゲート線又は前記ドレイン線から伸延される引き出し配線の少なくとも1つが透光性パターン化導電膜で形成され、前記透光性パターン化導電膜は、少なくとも、第1透光性パターン化導電膜と、前記第1透光性パターン化導電膜上に積層された第2透光性パターン化導電膜とから構成され、前記第2透光性パターン化導電膜は、前記第1透光性パターン化導電膜の側壁面を含む表面のみを被って形成される導電膜からなる表示装置である。
【0012】
(2)前記課題を解決すべく、基板上に、マトリクス状に形成される薄膜トランジスタを形成する表示装置の製造方法であって、基板上に、第1透光性導電膜を成膜する第1成膜工程と、前記第1透光性導電膜をフォトリソグラフィ技術による選択エッチングにより、パターン化された結晶性の第1透光性パターン化導電膜を得る第1パターン工程と、前記基板上に、前記第1透光性パターン化導電膜をも被って、第2透光性導電膜を成膜する第2成膜工程と、少なくとも前記第2透光性導電膜をウェットエッチングにより、前記第1透光性パターン化導電膜上に第2透光性パターン化導電膜を自己整合的に形成する第2パターン工程とを有する表示装置の製造方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、工数の増大をもたらすことなく、電気抵抗を低減させた透光性導電膜を得ることができる。
【0014】
本発明のその他の効果については、明細書全体の記載から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態の液晶表示装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】本発明の実施形態の液晶表示装置における画素の構成を示した図である。
【図3】図3は図2のB−B線における断面図である。
【図4】本発明の実施形態の液晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図5】本発明の実施形態の液晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図6】本発明の実施形態の液晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態の液晶表示装置の製造方法を説明するための図である。
【図8】本発明の実施形態の液晶表示装置における配線層を透明導電膜で形成した場合の製造方法を説明するための図である。
【図9】本発明の実施形態の液晶表示装置における配線層を透明導電膜で形成した場合の製造方法を説明するための図である。
【図10】本発明の実施形態の液晶表示装置における配線層を透明導電膜で形成した場合の製造方法を説明するための図である。
【図11】本発明の実施形態の液晶表示装置における配線層を透明導電膜で形成した場合の製造方法を説明するための図である。
【図12】本発明の実施形態の液晶表示装置における配線層を透明導電膜で形成した場合の製造方法を説明するための図である。
【図13】本発明の実施形態の液晶表示装置における画素電極と対向電極との間の液晶駆動のための電界の分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明は省略する。
【0017】
〈全体の構成〉
図1は本発明の実施形態の液晶表示装置の概略構成を示す平面図である。ただし、以下の説明では、本願発明を液晶表示装置に適用した場合について説明するが、これに限定されることはなく、有機EL表示装置等の他の表示装置にも適用可能である。また、X、YはそれぞれX軸、Y軸を示す。
【0018】
図1において、液晶(図示せず)を挟持して対向配置される第1基板SUB1、第2基板SUB2を有している。第2基板SUB2は観察者側に配置されるようになっている。第1基板SUB1の背面にはバックライト(図示しない)が配置されるようになっている。第2基板SUB2は、第1基板SUB1よりも若干小さな面積となっており、第1基板SUB1の図中下側の辺部SDを露出させるようになっている。第1基板SUB1の図中下側の辺部SDには半導体装置(チップ)SECが搭載されている。この半導体装置SECは後述の表示領域ARにおける各画素を駆動する制御回路となっている。第2基板SUB2の周辺には、第1基板SUB1と固着するシール材SLが形成され、このシール材SLは液晶を封止させる機能も有している。
【0019】
シール材SLで囲まれた領域は表示領域ARとなっている。第1基板SUB1の前記表示領域ARにおける液晶側の面には、図中X方向に延在しY方向に並設されるゲート線GL、および図中Y方向に延在しX方向に並設されるドレイン線DLが形成されている。隣接する一対のゲート線GLと隣接する一対のドレイン線DLとで囲まれる領域は画素の領域を構成するようになっている。これにより、表示領域ARにはマトリックス状に配置された多数の画素を有するようになる。
【0020】
各画素領域には、図中の点線楕円枠内の等価回路図である図Aに示すように、ゲート線GLからの信号(走査信号)によってオンされる薄膜トランジスタTFTと、この薄膜トランジスタTFTを通してドレイン線DLからの信号(映像信号)が供給される画素電極PXと、この画素電極PXとの間に電界を生じさせる対向電極CTとが形成されている。この電界は第1基板SUB1の面に平行な成分を有し、液晶の分子は第1基板SUB1の面に水平な状態のままで配向状態が変化するようになっている。この種の液晶表示装置はたとえば横電界方式(IPS方式)と称される。なお、対向電極CTはたとえばゲート線GLに平行して走行するコモン線CLを介して映像信号に対して基準となる基準信号が供給されるようになっている。
【0021】
なお、ゲート線GL、ドレイン線DL、およびコモン線CLは、それぞれ図示しない引き出し線によって半導体装置SECに接続され、ゲート線GLには走査信号、ドレイン線DLには映像信号、コモン線CLには基準信号が供給されるようになっている。
【0022】
上述した構成では、横電界方式と称される液晶表示装置を例に挙げて示したものである。しかし、この方式に限らず、たとえば、TN(Twisted Nematic)、VA(Vertical Alignment)等の縦電界方式と称される液晶表示装置にも適用可能である。
【0023】
〈画素の構成〉
図2は本発明の実施形態の液晶表示装置における画素の構成を示した図であり、図1の図中丸Aに相当する部分の平面図を示している。また、図3は図2のB−B線における断面図を示している。
【0024】
図2おいて、第1基板SUB1の液晶側の面すなわち第1基板SUB1(図3参照)の主表面には下地層GRL(図3参照)が形成され、その上面に、図中X方向に延在されY方向に並設されるゲート線GLが形成されている。これらゲート線GLは図中Y方向に延在されX方向に並設されるドレイン線DLとで囲まれる矩形状の領域を画素の領域として構成するようになっている。ここで、ゲート線GLには、当該画素領域側に突出する突出部によって形成されるゲート電極GTが設けられている。このゲート電極GTは、薄膜トランジスタTFTのゲート電極となるものである。
【0025】
図3に示すように、ゲート線GL(ゲート電極GT)が形成された第1基板SUB1の表面には、ゲート信号線GLをも被って絶縁膜GIが形成されている。この絶縁膜GIは薄膜トランジスタTFTの形成領域において、ゲート絶縁膜として機能するようになっている。
【0026】
絶縁膜GIの表面の薄膜トランジスタTFTの形成領域に、ゲート電極GTと重畳するようにして配置されている半導体層(いわゆるi層)PSは、たとえば低温ポリシリコン(poly−Si)で形成されている。この半導体層PSのドレイン電極DT及びソース電極STの側には、半導体層PSを挟むようにして低濃度のn型不純物がドープされた低濃度不純物層(LDD層、n−層)LDDが形成されている。この低濃度不純物層LDDは、半導体層PSとゲート電極GTとの間の電界集中の緩和を図る効果を奏する。また、この低濃度不純物層LDDのドレイン電極DT及びソース電極STの側に、ソース電極ST或いはドレイン電極DTと接続されるコンタクト層CNLを有している。コンタクト層CNLは、高濃度のn型不純物がドープされた高濃度不純物層(n+層)である。コンタクト層CNLは、ソース電極ST又はドレイン電極DTとチャネル領域との接続抵抗を下げる効果を奏する。なお、薄膜トランジスタTFTはコープレーナ型に限定されることはなく、スタガード型であってもよい。また、ゲート電極はボトム型に限定されることはなく、トップゲート型であってもよい。
【0027】
第1基板SUB1の上面には、半導体層PS、低濃度不純物層LDD、及びコンタクト層CNLを被う第1絶縁膜IN1が形成され、この第1絶縁膜IN1の上面には第2絶縁膜IN2が形成されている。この第1絶縁膜IN1及び第2絶縁膜IN2には、半導体層PSを挟むようにして形成されるコンタクト層CNLに達するスルーホール(コンタクトホール)がそれぞれ形成され、このスルーホールにドレイン電極DT及びソース電極STが形成され、薄膜トランジスタTFTを形成している。この第2絶縁膜IN2の上面には例えばアルミニウム薄膜からなる図示しないドレイン線DLが形成されており、該ドレイン線DLはドレイン電極DTに電気的に接続されている。なお、このドレイン線DL及びゲート線GL並びにゲート電極GTを、後述するようにITO膜で形成してもよい。
【0028】
また、第2絶縁膜IN2の上層には、ドレイン電極DT及びソース電極ST並びにドレイン線DLをも被って、第1基板SUB1の表面を平坦化するための保護膜PASが形成されている。この保護膜PASは薄膜トランジスタTFTの液晶との直接の接触を回避し、薄膜トランジスタTFTの特性劣化を防止するようになっている。この保護膜PASは、たとえば二層構造からなり、無機絶縁膜からなる保護膜および有機絶縁膜からなる保護膜(平坦化膜)の積層体によって構成されている。
【0029】
そして、保護膜PASの表面には、周知のフォトリソグラフィ技術の選択エッチングで透光性導電膜をパターンエッチングして形成した第1透光性パターン化導電膜PX1が形成されている。また、この第1透光性パターン化導電膜PX1の液晶側面(上面)及び側面を被う第2透光性パターン化導電膜PX2が形成され、第1透光性パターン化導電膜PX1と第2透光性パターン化導電膜PX2とにより画素電極PXを形成している。すなわち、第2透光性パターン化導電膜PX2は、第1透光性パターン化導電膜PX1の側壁面を含む露出された表面のみを被ってなる構成である。このとき、後述するように、本実施形態の第1透光性パターン化導電膜PX1及び第2透光性パターン化導電膜PX2は結晶性の透光性導電膜からなる。
【0030】
また、本実施形態においては、対向電極CTは、たとえばITO(Indium Tin Oxide)からなる透光性導電膜で形成され、表示領域ARの全域にわたって形成されている。対向電極CTには映像信号に対して基準となる信号(基準信号)が供給され、この信号は各画素において共通に供給されるようになっている。なお、この対向電極CTには、電気抵抗の低い金属からなるコモン信号線CLが直接に重ねられて形成され、このコモン信号線CLを通して対向電極CTへ基準信号が供給されるようになっている。コモン信号線CLは、実質的な画素領域を回避して形成され、ゲート信号線GLに近接しあるいは一部重畳してゲート信号線GLの走行方向に沿って形成されている。また、本願発明は、対向電極CTが第2基板SUB2に形成されるVA方式やTN方式の液晶表示装置にも適用可能である。
【0031】
〈画素の製造方法1〉
次に、図4〜図7に本発明の実施形態の液晶表示装置の製造方法を説明するための図を示し、以下、図4〜図7に基づいて、本願発明の透光性パターン化導電膜で画素電極を形成する場合の製造方法を説明する。ただし、本願発明の適用範囲は画素電極に限定されることはなく、従来の液晶表示装置ではシート抵抗が大きいために金属薄膜を用いて形成していたドレイン線DLやゲート線GL、これらドレイン線DLやゲート線GLと半導体装置SECの出力とを接続する引き出し配線、さらには周辺回路を形成する薄膜トランジスタの電極等にも適用可能である。また、本発明では、透光性パターン化導電膜で形成される画素電極の製造方法を除く他の製造方法は従来の液晶表示装置と同様となるので、以下の説明では、透光性パターン化導電膜で形成される画素電極の製造方法について詳細に説明する。
【0032】
本実施形態の画素電極PXの形成では、まず、画素電極PXを形成するITOを周知のフォトリソグラフィ技術でパターンエッチングし、図4に示すように、第1透光性パターン化導電膜PX1を形成する。この第1透光性パターン化導電膜PX1の形成では、第1基板SUB1の液晶側面すなわち保護膜PASの上層にITO膜ITOを成膜した後に、該ITO膜ITOの上面にエッチングパターンを形成する。次に、例えばしゅう酸系の薬液を用いたウェットエッチングで画素電極PXの形状に沿った第1透光性パターン化導電膜PX1を形成する。このエッチング後の状態では、第1透光性パターン化導電膜PX1は非晶質(非結晶、アモルファス)状態であるので、次に、周知のアニール処理等の熱処理により、エッチング後のされた第1透光性パターン化導電膜PX1を結晶化する。
【0033】
次に、図5に示すように、第1基板SUB1の液晶側面すなわち第1透光性パターン化導電膜PX1の上層を含む保護膜PASの上層に透光性導電膜としてITO膜ITOを成膜する。このとき、ITO膜ITOを所定値以上の膜厚で成膜した場合、図6に示すように、第1透光性パターン化導電膜PX1の表面及びその側面部分、すなわち第1透光性パターン化導電膜PX1の露出面に接するITO膜は反応熱により、結晶化された状態のITO膜ITO1となる。
【0034】
この後に、本実施形態では、再度、しゅう酸系の薬液を用いてITO膜ITOをウェットエッチングする。このとき、しゅう酸系の薬液は非晶質状態のITO膜ITOのみがエッチングされる。その結果、結晶状態のITO膜ITO1の領域はエッチングされずに残ることとなる。このときの状態を示したのが図7である。この図7から明らかなように、第1透光性パターン化導電膜PX1の表面及びその側面部分の形状に沿った第2透光性パターン化導電膜PX2が自己整合的に形成され、画素電極PXが形成される。このとき、画素電極PXは第1透光性パターン化導電膜PX1に第2透光性パターン化導電膜PX2が積層された構成となり、従来の画素電極PXよりも膜厚を厚くすることが可能となる。その結果、画素電極PXを形成する透明導電膜の電気抵抗を低減させることが可能となる。この画素電極PXの電気抵抗の低減により、画素電極PX内の電界分布を均一化でき、これにより、図13に示すように、画素電極PXと対向電極CTとの間における液晶駆動のための電界Eの分布を均一化できる。その結果、同一画素内における明度差を大幅に低減させることが可能となる。この同一画素内における明度差の低減効果は、液晶表示装置の高精細化に伴い電極間ギャップが狭くなった場合に、特に有効である。また、横電界方式に求められる等方性液晶用の電極としても用いることができる。
【0035】
なお、第1透光性パターン化導電膜PX1の上層にITO膜ITOを成膜する際に、所定値以下の膜厚でITO膜ITOを形成した場合には、成膜過程における反応熱による結晶化がされないので、非晶質のITO膜ITO1のままとなる。従って、この場合には、例えばレーザ光を用いたアニール処理等を行うことにより、結晶化されたITO膜ITO1を形成可能である。これにより、次のしゅう酸系の薬液を用いたウェットエッチング処理によって、第1透光性パターン化導電膜PX1に積層される第2透光性パターン化導電膜PX2を形成することができ、前述する効果を得ることができる。
【0036】
〈配線の製造方法〉
図8〜図12は本発明の実施形態の液晶表示装置における透明導電膜を配線層に適用した場合の製造方法を説明するための図であり、以下、図8〜図12に基づいて、本願発明を配線の形成に適用した場合の製造方法及び効果について説明する。ただし、以下の説明では、第1基板SUB1の上面に配線層を形成する場合について説明するが、画素電極PXの形成と同様に、他の絶縁層である第2絶縁膜の上層等に配線層を形成する場合にも適用可能である。また、以下の説明では、配線層の電気抵抗を大幅に低減させるために、3層の透光性パターン化導電膜を形成する場合について説明する。ただし、画素電極PXと同様に、透光性パターン化導電膜は3層に限定されることはなく、2層以上であればよい。
【0037】
まず、第1基板SUB1の上面(液晶側面)にITO膜を成膜した後に、配線のマスクパターンを形成し、しゅう酸系の薬剤を用いてITO膜をウェットエッチングする。このエッチングにより、図8に示すように、非晶質状態のITO膜ITO2が形成される。この後に、熱処理であるアニール処理を行うことにより、非晶質状態のITO膜ITO2から結晶状態のITO膜である第1透光性パターン化導電膜ITO3を形成する。
【0038】
次に、図9に示すように、所定厚さ以上の膜厚となるように、第1基板SUB1表面にITO膜ITOを成膜する。この成膜工程における反応熱により、図10に示すように、結晶状態の第1透光性パターン化導電膜ITO3の周囲のITO膜ITOは、結晶状態のITO膜ITO1となる。
【0039】
次に、しゅう酸系の薬剤を用いてITO膜ITOをウェットエッチングすることにより、非晶質状態のITO膜ITOのみがウェットエッチングされ、結晶状態のITO膜である第2透光性パターン化導電膜ITO4が形成される。この第2透光性導電膜ITO4は、図10に示す結晶性のITO膜ITO1の部分のみがエッチングされずに形成された透光性パターン化導電膜である。従って、第1透光性パターン化導電膜ITO3の表面及びその側面部分の形状に沿った形状、すなわちフォトリソグラフィ工程を用いることなく第2透光性パターン化導電膜ITO4が自己整合的に形成される。
【0040】
次に、第2透光性パターン化導電膜ITO4を含む第1基板SUB1の上面に、再度ITO膜を形成することにより、前述と同様に、第2透光性パターン化導電膜ITO4の表面及びその側面部分が反応熱により結晶化される。次に、しゅう酸系の薬剤を用いてITO膜をウェットエッチングすることにより、非晶質状態のITO膜ITOがエッチングされ、結晶状態のITO膜である第3透光性パターン化導電膜ITO5が自己整合的に形成され、3層の透光性パターン化導電膜ITO3、ITO4、ITO5からなる配線層が形成される。その結果、1層の透光性パターン化導電膜で形成した配線層よりも大幅に電気抵抗を低減させることが可能となる。
【0041】
以上説明したように、本発明の実施形態の液晶表示装置では、第1基板SUB1の液晶面側に、第1透光性パターン化導電膜を成膜し、この第1透光性パターン化導電膜をフォトリソグラフィ技術による選択エッチングにより、パターン化された結晶性の第1透光性パターン化導電膜を形成し、この後に第1透光性パターン化導電膜をも被った第2透光性導電膜を成膜し、少なくとも第2透光性パターン化導電膜をウェットエッチングすることにより、第1透光性パターン化導電膜上に第2透光性パターン化導電膜を自己整合的に形成することができるので、第1透光性パターン化導電膜の形成以降は、フォトリソグラフィ工程を得ることなくすなわち工程を増やすことなく容易に透光性パターン化導電膜を積層することが可能となる。その結果、透光性パターン化導電膜の電気抵抗を大幅に低減させることが可能となり、従来では金属薄膜を用いていた配線層等にも容易に透光性パターン化導電膜を用いることが可能となる。また、透光性パターン化導電膜は、第1透光性パターン化導電膜、第2透光性パターン化導電膜、第3透光性パターン化導電膜と、複数の形成することにより、当該透光性パターン化導電膜のパターン幅も大きくすることができるので、電気抵抗をさらに小さくできる。
【0042】
以上、本発明者によってなされた発明を、前記発明の実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記発明の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0043】
SUB1……第1基板、SUB2……第2基板、SD……辺部、SEC……半導体装置
AR……表示領域、SL……シール材、GL……ゲート線、DL……ドレイン線
TFT……薄膜トランジスタ、PX……画素電極PX、CT……対向電極
CL……コモン線、GRL……下地層、GT……ゲート電極、GI……絶縁膜
PS……半導体層、DT……ドレイン電極、ST……ソース電極
LDD……低濃度不純物層、CNL……コンタクト層、IN1……第1絶縁膜
IN2……第2絶縁膜、PAS……保護膜PAS
PX1……第1透光性パターン化導電膜、PX2……第2透光性パターン化導電膜
ITO、ITO1、ITO2……ITO膜、ITO3……第1透光性パターン化導電膜
ITO4……第2透光性パターン化導電膜、ITO5……第3透光性パターン化導電膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、複数のゲート線と、前記ゲート線と交差する複数のドレイン線とを有し、前記ゲート線とドレイン線とに囲まれる領域を画素の領域とし、前記画素の領域毎に、前記ゲート線とドレイン線とに接続される薄膜トランジスが形成される表示装置であって、
前記ゲート線及び前記ドレイン線、並びに前記ゲート線又は前記ドレイン線から伸延される引き出し配線の少なくとも1つが透光性パターン化導電膜で形成され、
前記透光性パターン化導電膜は、少なくとも、第1透光性パターン化導電膜と、前記第1透光性パターン化導電膜上に積層された第2透光性パターン化導電膜とから構成され、
前記第2透光性パターン化導電膜は、前記第1透光性パターン化導電膜の側壁面を含む表面のみを被って形成される導電膜からなることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第1透光性パターン化導電膜及び前記第2透光性パターン化導電膜は、結晶性の導電化膜からなることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2透光性パターン化導電膜幅は、伸延方向に直交する断面形状が前記第1透光性パターン化導電膜幅よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
基板上に、マトリクス状に形成される薄膜トランジスタを形成する表示装置の製造方法であって、
基板上に、第1透光性導電膜を成膜する第1成膜工程と、
前記第1透光性導電膜をフォトリソグラフィ技術による選択エッチングにより、パターン化された結晶性の第1透光性パターン化導電膜を得る第1パターン工程と、
前記基板上に、前記第1透光性パターン化導電膜をも被って、第2透光性導電膜を成膜する第2成膜工程と、
少なくとも前記第2透光性導電膜をウェットエッチングにより、前記第1透光性パターン化導電膜上に第2透光性パターン化導電膜を自己整合的に形成する第2パターン工程とを有することを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項5】
第1パターン工程は、前記選択エッチングにより得られた導電膜パターンをアニール処理により、結晶性の第1透光性パターン化導電膜を得る工程を有することを特徴とする請求項4に記載の表示装置の製造方法。
【請求項6】
前記基板上に、前記第2透光性パターン化導電膜をも被って、再度、前記第2透光性導電膜を成膜する第3成膜工程と、
前記第2透光性導電膜を前記ウェットエッチングによって、前記第2透光性パターン化導電膜上に、再度、第2透光性パターン化導電膜を自己整合的に形成する第3パターン工程とを有し、
前記第3成膜工程と第3パターン工程と順次繰り返し、所定膜厚の透光性導電膜を成膜することを特徴とする請求項4又は5に記載の表示装置の製造方法。
【請求項7】
前記ウェットエッチングは、シュウ酸系のエッチング液を用いることを特徴とする請求項4乃至6の内の何れかに記載の表示装置の製造方法。
【請求項1】
基板上に、複数のゲート線と、前記ゲート線と交差する複数のドレイン線とを有し、前記ゲート線とドレイン線とに囲まれる領域を画素の領域とし、前記画素の領域毎に、前記ゲート線とドレイン線とに接続される薄膜トランジスが形成される表示装置であって、
前記ゲート線及び前記ドレイン線、並びに前記ゲート線又は前記ドレイン線から伸延される引き出し配線の少なくとも1つが透光性パターン化導電膜で形成され、
前記透光性パターン化導電膜は、少なくとも、第1透光性パターン化導電膜と、前記第1透光性パターン化導電膜上に積層された第2透光性パターン化導電膜とから構成され、
前記第2透光性パターン化導電膜は、前記第1透光性パターン化導電膜の側壁面を含む表面のみを被って形成される導電膜からなることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第1透光性パターン化導電膜及び前記第2透光性パターン化導電膜は、結晶性の導電化膜からなることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2透光性パターン化導電膜幅は、伸延方向に直交する断面形状が前記第1透光性パターン化導電膜幅よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
基板上に、マトリクス状に形成される薄膜トランジスタを形成する表示装置の製造方法であって、
基板上に、第1透光性導電膜を成膜する第1成膜工程と、
前記第1透光性導電膜をフォトリソグラフィ技術による選択エッチングにより、パターン化された結晶性の第1透光性パターン化導電膜を得る第1パターン工程と、
前記基板上に、前記第1透光性パターン化導電膜をも被って、第2透光性導電膜を成膜する第2成膜工程と、
少なくとも前記第2透光性導電膜をウェットエッチングにより、前記第1透光性パターン化導電膜上に第2透光性パターン化導電膜を自己整合的に形成する第2パターン工程とを有することを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項5】
第1パターン工程は、前記選択エッチングにより得られた導電膜パターンをアニール処理により、結晶性の第1透光性パターン化導電膜を得る工程を有することを特徴とする請求項4に記載の表示装置の製造方法。
【請求項6】
前記基板上に、前記第2透光性パターン化導電膜をも被って、再度、前記第2透光性導電膜を成膜する第3成膜工程と、
前記第2透光性導電膜を前記ウェットエッチングによって、前記第2透光性パターン化導電膜上に、再度、第2透光性パターン化導電膜を自己整合的に形成する第3パターン工程とを有し、
前記第3成膜工程と第3パターン工程と順次繰り返し、所定膜厚の透光性導電膜を成膜することを特徴とする請求項4又は5に記載の表示装置の製造方法。
【請求項7】
前記ウェットエッチングは、シュウ酸系のエッチング液を用いることを特徴とする請求項4乃至6の内の何れかに記載の表示装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−227294(P2011−227294A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−97034(P2010−97034)
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月20日(2010.4.20)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】
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