表示装置
【課題】 操作者が目的地の電話番号または郵便番号の一部を忘れた場合でも、地図などの情報を表示できる表示装置を提供する。
【解決手段】 操作者は入力部11において電話番号のうちの最上位桁からの第2複数桁の数字を入力する。入力されたら、入力部11の出力に応答し、制御部16は、入力された第2複数桁の数字に対応する地図を地図メモリ14から読出す。読出されたら、制御部16の出力に応答し、表示部12は読出された地図を表示する。地図メモリ14には、入力部11に入力される数字ごとにそれぞれ対応する地図をストアしておく。これによって、電話番号のうちの最上位桁から途中の桁までの数字の入力によって、入力した数字に応じた地図を表示させることができる。
【解決手段】 操作者は入力部11において電話番号のうちの最上位桁からの第2複数桁の数字を入力する。入力されたら、入力部11の出力に応答し、制御部16は、入力された第2複数桁の数字に対応する地図を地図メモリ14から読出す。読出されたら、制御部16の出力に応答し、表示部12は読出された地図を表示する。地図メモリ14には、入力部11に入力される数字ごとにそれぞれ対応する地図をストアしておく。これによって、電話番号のうちの最上位桁から途中の桁までの数字の入力によって、入力した数字に応じた地図を表示させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用ナビゲーションシステムのように、表示画面に地図情報または文字情報などを表示する表示装置に関し、特に、電話番号または郵便番号のように単なる数字の入力操作のみによって、または地名の入力操作のみによって、所望の地図および文字、図形を含むキャラクタを表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されたカーナビゲーションシステムによって、車両の運転手に対して、目的地までの経路案内をさせたいとき、まず目的地を設定しなければならない。目的地の設定の形態は、様々である。
【0003】
一般的には、目的地の名称または住所などを直接文字で入力したり、名称または住所の一覧表から目的地を選択して入力したりする。また、地図画面をスクロールさせて地図中から目的地を探し出し、目的地点をポインティングデバイスで指し示すことによっても、目的地の設定が可能である。
【0004】
さらに、電話番号または郵便番号の入力によって目的地付近の地図を表示させる先行技術が、特許文献1および特許文献2に開示されている。これらの先行技術によれば、数字の入力だけで所望の地図を表示することが可能となっている。
【0005】
【特許文献1】特開平6−236145号公報
【特許文献2】特開平6−309378号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1および特許文献2では、電話番号または郵便番号を全桁とも入力しなければ、この番号に関連した地図を表示させることはできない。これでは、操作者が電話番号または郵便番号を全桁とも覚えていない場合、どのような地図をも表示させることはできない。さらには、カーナビゲーションシステムにおいて、目的地を設定することも不可能である。
【0007】
本発明の目的は、操作者が目的地の電話番号もしくは郵便番号の一部、または地名の一部を忘れた場合でも、地図などの情報を表示できる表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、地図上の地域毎に付された地名を入力する入力手段と、
入力手段に入力される地名、およびその地名が付された地域毎にそれぞれ対応する識別番号をストアしておく地名メモリであって、相互に異なる2地域間の距離が大きいほど、その2地域に対応する2個の識別番号の差も大きい地名メモリと、
入力手段からの出力に応答して、地名メモリにストアされた地名の中から、入力された地名と同名の地名を検索する第1検索手段と、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、
現在位置検出手段からの出力に応答して、地名メモリにストアされた地名の中から、現在位置を含む地域に付された地名を検索する第2検索手段と、
第1検索手段および第2検索手段からの出力に応答して、入力された地名と同名の地域にそれぞれ対応する識別番号、および現在位置を含む地域に対応する識別番号の差を算出する番号差算出手段と、
番号差算出手段からの出力に応答して、算出された番号差同士を比較する比較手段と、
識別番号毎にそれぞれ対応する地図であって、その識別番号に対応する地域を含むこれよりも広い地域の地図を予めストアしておく地図メモリと、
比較手段からの出力に応答して、最小の番号差を与えた識別番号に対応する地域の地図を地図メモリから読出す読出し手段と、
読出し手段からの出力に応答して、読出された地図を表示する表示手段とを備えることを特徴とする表示装置である。
【0009】
また本発明は、地図上で上位地名を付された複数の各地域毎に、その地域をさらに細分化して構成される下位の地域にそれぞれ付された下位地名を入力する入力手段と、
入力手段に入力される下位地名、その下位地名が付された地域を含む上位の地域に付された上位地名、および下位地名が付された地域毎にそれぞれ対応する識別番号をストアしておく地名メモリであって、相互に異なる2地域間の距離が大きいほど、対応する2個の識別番号の差も大きい地名メモリと、
入力手段からの出力に応答して、地名メモリにストアされた下位地名の中から、入力された下位地名と同名の下位地名を検索する第1検索手段と、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、
現在位置検出手段からの出力に応答して、地名メモリにストアされた下位地名の中から、現在位置を含む地域に付された下位地名を検索する第2検索手段と、
第1検索手段および第2検索手段からの出力に応答して、入力された下位地名と同名の地域にそれぞれ対応する識別番号、および現在位置を含む地域に対応する識別番号の差を算出する番号差算出手段と、
番号差算出手段からの出力に応答して、算出された番号差同士を比較する比較手段と、
比較手段からの出力に応答して、最小の番号差を与えた識別番号に対応する地域に付された下位地名、およびその下位地名が付された地域を含む上位の地域に付された上位地名を地名メモリから読出す読出し手段と、
読出し手段からの出力に応答して、読出された上位地名および下位地名を表示する表示手段とを備えることを特徴とする表示装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、操作者が地名を入力することによって、地図を表示することができる。
【0011】
ここでいう地名とは、都道府県名や市町村名などのたとえば「兵庫県」、「神戸市」、「中央区」、「元町通」それぞれのことである。このうち「兵庫県」などは全国に1個しか存在しない地名であるが、「中央区」などは「兵庫県神戸市」内に限らず、全国に幾つも存在する地名である。本発明の表示装置では、後者の「中央区」などの地名のように全国に幾つも存在する地名を入力する場合に、有効である。
【0012】
また識別番号は、相互に異なる2地域間の距離が大きいほど、その2地域に対応する2個の識別番号の差も大きい。たとえば兵庫県神戸市内の「灘区」で識別番号「1」、「中央区」で識別番号「2」、「垂水区」で識別番号「9」とする。実際の「灘区」と「中央区」との距離は、「垂水区」と「中央区」との距離に比べて大きく、それぞれに対応する識別番号の差は、「1」および「7」である。両者を比較すると「7」の方が大きいので、実際の各地域同士の遠近に合致する。
【0013】
本発明の表示装置では、操作者は入力手段において地名を入力する。地名が入力されたら、入力手段の出力に応答し、第1検索手段は入力された地名と同名の地名を地名メモリから検索する。一方、現在位置検出手段は現在位置を検出しており、この現在位置検出手段からの出力に応答し、第2検索手段は現在位置を含む地域に付された地名を地名メモリから検索する。なお、第2検出手段から出力される地名は、必ず1個であるが、第1検出手段から出力される地名は、前記の「中央区」の例でも明らかなように、1個とは限らない。
【0014】
現在位置に対応する識別番号をNpとし、第1検出手段から出力された地名に対応する識別番号をN1,N2,…とすると、番号差算出手段は識別番号Npと識別番号N1,N2,…それぞれとの差を算出する。続いて番号差算出手段からの出力に応答して、番号差比較手段は番号差(Np−N1),(Np−N2),…それぞれの大きさを比較する。次に、比較手段からの出力に応答して、読出し手段は、Npとの番号差のうちで最小値を与えた識別番号、たとえばN3とすると、識別番号N3に対応する地図を地図メモリから読出す。次に、読出し手段からの出力に応答して、表示手段は、読み出された地図を表示する。
【0015】
よって本発明によれば、地名を入力するだけで、入力された地名と同名の地名を検索し、検索された地名の中で現在位置に最も近い地域の地図を表示させることができる。よって、比較的細分化された地域の地図を表示させたい場合、または操作者が上位地名を覚えておらずに下位地名だけを覚えている場合でも、地名のうちで下位の地名を入力するだけで、それより上位の地名を入力する必要がない。たとえば、「兵庫県神戸市中央区」の地図を表示させたいときでも、操作者は「中央区」だけを入力すればよい。このように、操作者の入力作業が支援され、または入力作業が軽減され、操作性が向上される。
【0016】
本発明によれば、操作者が下位地名を入力することによって、下位地名とその上位地名を表示することができる。
【0017】
ここでいう下位地名は、地図上の比較的細分化された地域に付された地名であり、上位地名は、複数の下位地名が付されたそれぞれの地域を含む比較的広い上位の地域に付された地名である。たとえば、「兵庫県神戸市中央区」においては、「神戸市」に含まれる「中央区」を下位地名とすると、「神戸市」はその「中央区」の上位地名である。また「兵庫県」に含まれる「神戸市」を下位地名とすると、「兵庫県」はその「神戸市」の上位地名である。さらに「兵庫県」は、「中央区」の上位地名でもある。このように各地名はツリー状の階層構造を有する。
【0018】
本発明の表示装置では、操作者は入力手段において下位地名を入力する。下位地名が入力されたら、入力手段の出力に応じて、第1検索手段は入力された下位地名と同名の下位地名を地名メモリから検索する。一方、現在位置検出手段は現在位置を検出しており、この現在位置検出手段からの出力に応答して、第2検索手段は現在位置を含む地域に付された下位地名を地名メモリから検索する。
【0019】
現在位置に対応する識別番号をNpとし、第1検出手段から出力された下位地名に対応する識別番号をN1,N2,…とすると、番号差算出手段は識別番号Npと識別番号N1,N2,…それぞれとの差を算出する。続いて番号差算出手段からの出力に応答して、番号差比較手段は番号差(Np−N1),(Np−N2),…それぞれの大きさを比較する。次に、比較手段からの出力に応答して、読出し手段は、Npとの番号差のうちで最小値を与えた識別番号、たとえばN3とすると、識別番号N3に対応する下位地名およびその上位地名を地名メモリから読出す。次に、読出し手段の出力に応答して、表示手段は、読出された下位地名および上位地名を表示する。
【0020】
本発明によれば、下位地名を入力するだけで、入力された下位地名と同名の下位地名を検索し、検索された下位地名の中で現在位置に最も近い地域の下位地名および上位地名を表示させることができる。よって、比較的細分化された地域の地名を表示させたい場合、または操作者が上位地名を覚えておらずに下位地名だけを覚えている場合であっても、地名のうちで下位の地名を入力するだけで、それより上位の地名を入力する必要がない。このように、操作者の入力作業が支援され、または入力作業が軽減され、操作性が向上される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は、本発明の第1実施形態である表示装置10の電気的な構成を示すブロック図である。表示装置10は、車両に搭載され、カーナビゲーションシステムとして使用される表示装置であり、入力部11、表示部12、番号変換メモリ13、地図メモリ14、地名メモリ15および制御部16を備える。
【0022】
まず、図2〜図4を用いて、操作者による典型的な入力部11への入力操作、およびその操作によって表示部12に表示される画像または文字について説明する。
【0023】
図2は、図1の入力部11の一部を示す斜視図である。入力部11は、操作レバー44、テンキー91およびエンタ釦92を備えた入力装置であり、操作者は操作レバー44、テンキー91またはエンタ釦92を操作することで表示装置10への入力を行う。操作レバー44は、台座45を支点として2次元の各方向に付勢して倒し込むことができ、主に方向を指示する入力を担う。テンキー91からは、0〜9の数字を入力することができ、操作者がテンキー91を続けて操作することで、複数桁の数字を入力することができる。また入力部11は、入力操作によって発生した信号を制御部16に無線で送信する、いわゆるリモートコントローラである。
【0024】
表示部12は、液晶表示ディスプレイ(略称:LCD)で構成され、薄型で車両への搭載が容易な表示パネルを実現している。表示部12は、地図などの画像または文字を表示し、特に、走行中に現在位置付近の地図を表示したり、目的地を設定するときに目的地付近の地図を表示したりする。
【0025】
図3は、図1の表示部12が表示した地図画面41を示す図である。地図画面41内の道路43上には、表示装置10を搭載した車両の現在位置を表すカーソル42が表示される。車両の走行に伴って、カーソル42は道路43に沿って移動する。また、目的地を設定するときに、図2の操作レバー44を操作することで、固定して表示された地図画面41内で2次元の各方向にカーソル42を移動させることができる。または、地図画面41内のカーソル42の位置を固定したまま、2次元の各方向に地図画面41をスクロールさせることができる。
【0026】
たとえば、カーソル42を所望の位置まで移動させたときに、入力部11に設けられたエンタ釦92を押下することによって、カーソル42が指示する位置を目的地として設定することができる。
【0027】
図4は、表示文字の選択による目的地の設定画面46を示す図である。設定画面46は、目的地を設定するための画面であり、図3の地図画面41を背景にして表示されてもよい。設定画面46では、都道府県名を表す地名47の選択は終了しており、市町村名を表す地名の一覧表48が表示されている。一覧表48の第1行51に「神戸市」、第2行52に「西宮市」、第3行53に「芦屋市」が表示される。操作レバー44を使用して、一覧表48の中から所望の地名を選択する。選択された第2行52の「西宮市」は、表示色を反転させることで選択されたことを明示している。この状態で入力部11のエンタ釦92を押下すると、市町村名として第2行52の「西宮市」が確定される。
【0028】
市町村名が確定された後、同様に、さらに下位の地名の一覧表が表示されて、次の地名の選択に移行する。以下、同様の選択操作によって、さらに下位の地名まで設定される。また、都道府県名の選択操作も同様な操作によって行われている。
【0029】
次に、図5〜図14を用いて第1形態に特有の構成または動作について説明する。
図5は、電話番号の入力操作を段階的に示す図である。入力部11のテンキー91を続けて操作することで、複数桁の数字を入力することができるので、電話番号の入力も可能である。電話番号は、第1複数桁としてここでは10桁の数字から構成されるものとする。10桁の電話番号のうち、最上位桁から第4複数桁によって構成される数字も、入力することができる。第4複数桁は、第1複数桁未満の桁数であり、ここでは10桁未満である。電話番号またはその一部から構成される第4複数桁の数字を入力する場合、入力部11から入力された数字が、表示部12に表示される。このとき表示画面には、入力された数字だけが表示されてもよいし、地図画面を背景として入力された数字が表示されてもよい。
【0030】
操作者が設定したい目的地の電話番号を「078−67X−XXXX」とする。Xは、0〜9のいずれかの数字である。このうち、まず最上位桁P1に「0」、および最上位桁P1から2番目に位置する第2桁P2に「7」を入力すると、図5(1)に示すように、表示画面54には入力された数字63として「07」が表示される。ここで数字63「07」に対応する地図を数字63「07」の背景として表示してもよいし、入力部11のエンタ釦92を押下することで、数字「07」に対応する地図を表示してもよい。
【0031】
次に、数字63「07」の後に続けて第3桁P3に「8」を入力すると、図5(2)に示すように、表示画面54には数字63「078」が表示される。図5(1)のときと同様に、直ちに数字63「078」に対応する地図を表示してもよいし、エンタ釦92の押下によって、地図を表示してもよい。以下同様に、「−(ハイフン)」および第4桁P4に「6」を追加して入力すると、図5(3)に示すように、表示画面54に数字63「078−6」が表示される。さらに第5桁P5に「7」を追加して入力すると、図5(4)に示すように、表示画面54に数字63「078−67」が表示される。
【0032】
図6は、番号変換メモリ13にストアされた番号変換テーブル55〜58をそれぞれ示す図である。番号変換メモリ13は、番号変換テーブル55〜58に代表される複数の番号変換テーブルをストアしている。番号変換テーブルには、電話番号およびその電話番号ごとにそれぞれ対応する識別番号がストアされている。また番号変換メモリ13は、10桁の電話番号のうち、最上位桁から10桁未満によって構成される数字、およびその数字ごとにそれぞれ対応する識別番号をもストアしている。
【0033】
図6(1)の番号変換テーブル55では、電話番号の一部から成る2桁の数字63、およびその数字63ごとの識別番号64が対応している。同様に、図6(2)の番号変換テーブル56では、3桁の数字63および識別番号64が対応し、図6(3)の番号変換テーブル57では、4桁の数字63および識別番号64が対応し、図6(4)の番号変換テーブル58では、5桁の数字63および識別番号64が対応している。
【0034】
識別番号64は、最上位桁R1、最上位桁R1から2番目の第2桁R2、最上位桁R1から3番目の第3桁R3、および4番目の第4桁R4から構成されている。最上位桁R1には、数字63の第2桁P2の数字を代入し、第2桁P2が存在しない場合は最上位桁P1に「0」を代入する。以下同様に、数字63の第3桁P3を第2桁R2に、数字63の第4桁P4を第3桁R3に、数字63の第5桁P5を第4桁R4に代入する。対応する数字63の桁が存在しない識別番号64の桁については、それぞれ「0」を代入する。
【0035】
このように、番号変換テーブル55〜58は、入力される数字63の桁数ごとに設けらている。入力部11に入力された数字63は、この番号変換テーブル55〜58によって、それぞれ識別番号64に変換される。たとえば、図5に示すように、入力部11から電話番号の一部から成る数字63としての「07」,「078」,「078−6」,「078−67」を入力すると、図6の番号変換テーブル55〜58によって、それぞれ識別番号64としての「7000」,「7800」,「7860」,「7867」に変換される。また図示しないが、数字63「0」は、識別番号64「0000」に変換される。
【0036】
図7〜図10は、地図メモリ14から読出されて表示部12に表示される地図34〜37をそれぞれ示す図である。地図メモリ14は、識別番号64を介して数字63ごとにそれぞれ対応する地図を予めストアしている。図7の地図34は、識別番号64「0000」を介して数字63「0」に対応する地図であり、左上の角部に地図番号64aとして「0000」が付されている。地図番号64aには、対応する識別番号64と同じ数字が付される。地図34は、数字63「0」に対応する地域を含むこれよりも広い地域の地図である。なお、数字63「0」に対応する地域は、最上位桁が数字「0」の電話番号を有する全ての地域から成る。つまり地図34内には、最上位桁P1に「0」が代入され、第2桁P2以降の桁に任意の数字が代入された全ての数字63に対応する地域が全て含まれる。
【0037】
たとえば、図7の地図34には、識別番号64「7000」を介して数字63「07」に対応する地域などが含まれている。数字63「07」に対応する地図は、図34の一部を抜き出して拡大した図8の地図35である。地図35は地図34の縮尺よりも大きく、地図34のうちの識別番号64「7000」を介して数字63「07」に対応する地域を拡大表示したものとなっている。
【0038】
以下同様に、図8の地図35は、電話番号の最上位の2桁が「07」である全ての地域を含む地図であり、識別番号64「7500」,「7800」を介して数字63「075」,「078」にそれぞれ対応する地域を含んでいる。このうち数字63「078」に対応する地図は、図9に示される地図36であり、地図35の一部を拡大表示したものである。図9の地図36は、電話番号の最上位の3桁が「078」である全ての地域を含む地図であり、識別番号64「7850」,「7860」,「7870」などに対応する地域を全て含んでいる。識別番号64「7860」に対応する地図は、図10に示される地図37であり、地図36の一部を拡大表示したものである。図10の地図37は、電話番号の最上位の4桁が「078−6」である全ての地域を含む地図であり、識別番号64「7867」を介して数字63「078−67」に対応する地域などを全て含んでいる。
【0039】
図11〜図13は、地図メモリ14にストアされている仮想的な地図31〜33である。図11の地図31は、縮尺2万5千分の1の仮想的な地図であり、実際に表示部11に地図31の全体が表示されることはない。表示部12には地図31内の矩形領域31aだけが表示される。矩形領域31a内には、入力部12で入力される数字63に対応する地域が含まれ、逆に、地図31内での矩形領域31aの位置は、矩形領域31aが入力された数字63に対応する地域を含むように決定される。同様に、図12の地図32は、縮尺3万分の1の地図であり、表示部12には地図32内の矩形領域32aが表示される。図13の地図33は、縮尺3万5千分の1の地図であり、表示部12には地図33内の矩形領域33aが表示される。矩形領域31a〜33aの形状および大きさは、表示部12の表示画面の形状および大きさに全て一致する。
【0040】
地図メモリ14にストアされた地図では、入力される数字63の桁数が多いほど対応する地図の縮尺は大きい。たとえば、4桁の数字63「078−6」には、比較的縮尺の大きい地図31の矩形領域31aが対応し、3桁の数字63「078」には、地図31よりも縮尺の小さい地図32の矩形領域32aが対応し、2桁の数字63「07」には、地図32よりもさらに縮尺の小さい地図33の矩形領域33aが対応する。
【0041】
以下、図4に戻って地名メモリ15および制御部16を説明する。地名メモリ15にストアされた地名は、識別番号64を介して数字63ごとに対応する地域に、それぞれ付された名称である。地名メモリ15は、たとえば、後述する図16に示すように地名をストアしてもよい。制御部16は、入力部11からの出力に応答して、入力された数字63に対応する識別番号64を番号変換メモリ13から読出し、さらに読出した識別番号64に対応する地図を地図メモリ14から読出す。または、読出した識別番号64に対応する地名を地名メモリ15から読出す。表示部12は、読み出された地図または地名を表示する。
【0042】
図14は、表示装置10による処理を段階的に示すフローチャートである。まずステップa1において、操作者は入力部11から電話番号の一部から成る数字63を最上位桁P1から順に入力する。次にステップa2において、制御部16は入力部11からの出力に応答して、入力された数字63に対応する識別番号64を番号変換メモリ13から読出す。次にステップa3において、制御部16は、番号変換メモリ13から読出された識別番号64に対応する地図を地図メモリ14から読出す。または、識別番号64に対応する地名を地名メモリ15から読出す。次にステップa4において、読出された地図または地名を表示部12に表示する。なお、図14のステップa3は、表示装置10の読出し手段を構成している。
【0043】
このように、表示装置10では、地図メモリ14および地名メモリ15に、識別番号64を介して電話番号の一部から成る数字63に応じた縮尺の地図および地名を予めそれぞれストアしているので、操作者が数字63を入力するだけで、入力された数字63に応じた地図または地名を表示することができる。
【0044】
なお、表示装置10では、電話番号の代わりに郵便番号その他の地域番号を用いてもよい。
【0045】
また、表示装置10では、地名メモリ15の無い構成も可能であり、その場合は地図だけを表示することができる。同様に、地図メモリ14の無い構成も可能であり、その場合は逆に地名だけを表示することができる。
【0046】
図15は、本発明の第2実施形態である表示装置20の電気的な構成を示すブロック図である。表示装置20は、入力部21、表示部22、地名メモリ25、地図メモリ24、GPS(衛星航法システム)受信機27および制御部26を備える。表示部22は、図3の表示画面41のような地図情報、または図4の設定画面46のような文字情報を表示する。入力部21は、図2と同様な構成で、操作レバー44および文字キー92などを備える。文字キー92を用いることで、入力部21から文字を入力することできる。特に、地図上の各地域に付された地名を入力することができる。
【0047】
図16は、地名メモリ25にストアされたデータを示す図である。図16に示すように、地名メモリ25には、上位から下位にかけての地名71が、順にツリー状の階層構造を成すようにストアされており、検索を容易にしている。各地名71下の丸括弧内に示される数字は、地名71それぞれに対応する識別番号72であり、この識別番号72も地名メモリ25にストアされている。最上位階層の地名71aとして「A1県」、「A2県」、「A3県」などがある。その中の「A2県」の下位の第2階層の地名71bとして「B1市」、「B2市」、「B5市」などがある。以下同様に、「B1市」の下位の第3階層の地名71cに「C1区」、「C2区」があり、「C1区」の下位の第4階層の地名71dに「御所通」がある。なお、地名71d「御所通」は「A2県B1市C1区御所通」の他にも全国に存在する。
【0048】
識別番号72は、最上位桁Q1、最上位桁Q1から2番目に位置する第2桁Q2、最上位桁Q1から3番目の第3桁Q3および4番目の第4桁Q4から成る。最上位桁Q1、第2桁Q2、第3桁Q3および第4桁Q4には、それぞれ0〜9のうちのいずれか1桁の数字が代入される。最上位桁Q1には、最上位の階層の地名71aに対応する数字が代入される。たとえば最上位の階層の地名71aが「A2県」ならば「2」が代入され、最上位の階層の地名71aが「A3県」ならば「3」が代入される。続いて第2桁Q2には、最上位の地名71aの下位の地名71b、すなわち第2階層の地名71bに対応する数字が代入される。たとえば第2階層の地名71bが「B1市」ならば「1」が代入され、「B2市」ならば「2」が代入される。以下同様に第3桁Q3には、第3階層の地名71cに対応する数字が代入され、第4桁Q4には、第4階層の地名71dに対応する数字が代入される。
【0049】
このように、第1階層の地名71aに対応する識別番号72aでは、第1桁Q1だけにゼロ以外の数字が代入され、残余の第2桁Q2以降には全てゼロが代入される。第2階層の地名71bに対応する識別番号72bでは、第1桁Q1にその上位の地名に対応するゼロ以外の数字が代入され、第2桁Q2にもゼロ以外の数字が代入され、第3桁Q3以降の各桁にはゼロが代入される。以下同様に、第3階層の地名71cに対応する識別番号72cでは、第4桁Q4だけにゼロが代入され、第4階層の地名71dに対応する識別番号72dでは、どの桁にもゼロ以外の数字が代入される。
【0050】
また識別番号72は、相互に異なる2個の地名が付された2地域間の距離が近いほど、その差が小さくなるような数字である。たとえば、識別番号72「1000」と識別番号72「2000」との差が識別番号72「1000」と識別番号72「6000」との差よりも小さいことは、「A1県」と「A2県」との距離が「A1県」と「A6県」との距離よりも小さいことを示している。
【0051】
図15に戻って、地図メモリ24は、識別番号72ごとにそれぞれ対応する地図を予めストアしている。ストアされた地図は、識別番号72に対応する地域を含むこれより広い地域の地図である。たとえば、地図メモリ24にストアされた地図は、図7〜図10の地図34〜37などである。GPS受信機27は、地球周回軌道を回る測位衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて三角測量を行い、現在位置の緯度、経度を算出して制御部26に出力する。
【0052】
制御部26は、以下に示す様々な処理を行う。第1に、入力部21からの出力に応答して、地名メモリ25にストアされた各地名の中から、入力された地名と同名の地名を検索する。第2に、GPS受信機27からの出力に応答して、地名メモリ25にストアされた各地名の中から、現在位置を含む地域に付された地名を検索する。第3に、前記の検索結果に応答して、入力された地名と同名の地名が付された地域にそれぞれ対応する各識別番号N1,N2,…、および現在位置を含む地域に対応する識別番号Npの差(Np−N1),(Np−N2),…を算出する。第4に、前記の算出結果に応答して、算出された番号差の大きさ同士を比較する。第5に、前記比較結果に応答して、最小の番号差を与えた識別番号に対応する地図を地図メモリ24から読出す。または、最小の番号差を与えた識別番号に対応する地名およびその上記の地名を地名メモリ25から読出す。表示部22は、読出された地図または地名を表示する。
【0053】
図17は、同じ地名を含む地名の検索結果を示す図である。図16に示されるようなデータが地名メモリ25にストアされているので、入力部11に「御所通」を入力して、制御部26が全国の地名の中から「御所通」と同名の地名を検索すると、検索結果として一覧表81が出力される。一覧表81の第1列82の各行84には、識別番号72「2111」,「2121」,「2511」,「6511」が配列する。第2列83の各行85には、各識別番号72にそれぞれ対応した地名71d「御所通」が配列する。なお、一覧表81には、地名71d「御所通」の上位の地名71a〜71cも合わせて出力される。一覧表81は、途中経過として表示部12に表示されてもよい。
【0054】
図18は、表示装置20による処理の流れを段階的に示すフローチャートである。まずステップb1において、操作者は入力部21から地名を入力する。次にステップb2において、GPS受信機27によって現在位置を検出する。次にステップb3において、入力部21からの出力に応答して、地名メモリ25にストアされた各地名の中から、入力された地名を有する地名を検索する。次にステップb4において、GPS受信機27からの出力に応答して、地名メモリ25にストアされた各地名の中から、現在位置を含む地域を表す地名を検索する。
【0055】
次にステップb5において、ステップb3,b4の検索結果に応答して、入力された地名を有する各地名にそれぞれ対応する各識別番号N1,N2,…および現在位置を含む地域を表す地名に対応する識別番号Npの差(Np−N1),(Np−N2),…を算出する。次にステップb6において、ステップb5の算出結果に応答して、算出された番号差(Np−N1),(Np−N2),…の大きさ同士を比較する。次にステップb7において、ステップb6の比較結果に応答して、最小の番号差を与えた識別番号に対応する地図を地図メモリ24から読出す。または、最小の番号差を与えた識別番号に対応する地名およびその上位の地名を地名メモリ25から読出す。次にステップb8において、読出された地図または地名を表示部22に表示させる。
【0056】
図18のフローチャートにおいて、ステップb3は第1検索手段を、ステップb4は第2検索手段を、ステップb5は番号差算出手段を、ステップb6は比較手段を、ステップb7は読出し手段をそれぞれ構成している。
【0057】
このように表示装置20では、地名を入力するだけで、入力された地名と同名の地名を全国から検索し、検索された複数の地名がそれぞれ付された複数の地域の中から、現在位置に最も近い地域の地名を選択し、選択された地名に対応する地図を表示することができる。または、選択された地名およびその上位の地名を表示することができる。
【0058】
なお、表示装置20では地図メモリ24が無い構成も可能であり、その場合は地名だけを表示させることができる。これに対して、地図だけを表示させたい場合でも、地名メモリ25を使用するので、地名メモリ25は必要不可欠な構成要素である。
【0059】
本発明は、次の実施の形態が可能である。
(1)第1複数桁の地域番号のうちの最上位桁から第1複数桁以下である第2複数桁によって構成される数字を入力する入力手段であって、前記地域番号は、地図上の第3複数種類の地域に対応し、第1複数桁から成る第3複数種類の数字であり、その最上位桁から第1複数桁未満である第4複数桁によって構成される数字に対応する地域が、その最上位桁から第4複数桁の数字が共通であって、その数字よりも下位側の桁の数字が異なる全ての地域番号に対応する地域を含む入力手段と、入力手段に入力される第2複数桁の数字ごとにそれぞれ対応する地図をストアする地図メモリであって、前記第2複数桁の数字に対応する地図が、その第2複数桁の数字に対応する地域を含み、第2複数が大きいほど第2複数桁の数字に対応する地図の縮尺が大きい地図メモリと、入力手段からの出力に応答し、入力された第2複数桁の数字に対応する地図を地図メモリから読出す読出し手段と、読出し手段からの出力に応答し、読出された地図を表示する表示手段とを備えることを特徴とする表示装置。
【0060】
操作者が地域番号の一部を入力することによって、地図を表示することができる。
ここでいう地域番号は、電話番号または郵便番号のように、第1複数桁から成る数字である。第1複数とは、地域番号の桁数を表す2以上の自然数であり、その値は対象となる地域番号によって異なる。地域番号を電話番号とすると、電話番号は、主に9桁または10桁から成る数字であるので、第1複数は9または10である。たとえば、電話番号「078−123−4567」については、第1複数は10である。郵便番号については、一般に3桁または5桁から成る数字であり、平成10年から7桁の郵便番号が実施されるので、第1複数は3、5または7である。
【0061】
また地域番号は、地図上の第3複数種類に分けられた地域ごとにそれぞれ定められた同じく第3複数種類の数字である。たとえば電話番号は、家屋または屋外に備え付けられた電話機ごとに設定されるので、ほとんどの電話番号が地図上の微細な地域に定められたものとしてよい。第3複数は電話番号の種類の数であり、すなわち、存在する電話機または電話番号の数である。また郵便番号は、そのほとんどが市町村ごとに定められており、7桁の郵便番号はさらに細分化された地域ごとに定められる。よって、地域番号を郵便番号とすると、電話番号の場合と同様に、第3複数は郵便番号の種類の数である。
【0062】
このような地域番号のうちの最上位桁からの第4複数桁によって構成される数字は、地域番号に対応する地域とは別の地域に対応する。第4複数は、地域番号の桁数である第1複数未満の数である。第4複数桁の数字に対応する地域は、その最上位桁からの第4複数桁の数字が共通であって、第4複数桁の数字の下位側の桁の数字が異なる地域番号に対応する地域を全て含む。たとえば第1複数桁が10桁である電話番号「078−123−4567」に対して、最上位桁から第4複数桁が3桁の数字「078」は、電話番号に対応する地域とは別の地域に対応する。数字「078」に対応する地域は、その数字が共通であって、その数字の下位側の桁の数字が異なる電話番号「078−123−4566」および「078−223−4567」などに対応する全ての地域を含む。
【0063】
上記のことから更に、「078」に対応する地域は、「078」が共通でありかつ「078」の下位側の桁に1桁の数字が異なる全ての数字から構成される数字「078−1」、「078−2」および「078−3」などに対応する全ての地域を含むことが導かれる。さらに、「078−1」に対応する地域は、「078−11」、「078−12」、「078−13」などに対応する地域を全て含む。このように、地域番号およびその一部から成る数字にそれぞれ対応する地域は、階層構造を成している。
【0064】
なお電話番号では、先頭の市外局番と、次に続く市内局番とは、ほぼ上述のように、階層的に構成されている。また、郵便番号でも、一部地域に例外のあるものの、全桁とも階層的に構成されている。
【0065】
地図メモリには、入力手段から入力され得る第2複数桁の数字にそれぞれ対応する地図がストアされている。第2複数桁の数字は、地域番号および第4複数桁の数字を含む最大桁数が第1複数桁の数字である。上記のように、入力される第2複数桁の数字には、それぞれ地図上の大小様々な階層の各地域が対応しており、その第2複数桁の数字に対応する地図は、その第2複数桁の数字に対応する地域を含む。たとえば電話番号「078−123−4567」の一部から構成される数字「078−1」に対応する地図は、「078−1」に対応する地域だけを表示するのではなく、この地域を含む地域を表示する。
【0066】
また、地図メモリにストアされた地図について、入力される数字の桁数が多いほど、すなわち第2複数が大きいほど、その数字に対応する地図の縮尺が大きく、数字の桁数が少ないほど縮尺は小さい。たとえば、電話番号「078−123−4567」に対応する地図は、最大縮尺の地図であり、その一部から構成される数字「078−1」に対応する地図の縮尺は、最大縮尺よりも小さい。「078−1」の一部から構成される「078」に対応する地図の縮尺はさらに小さく、番号「07」に対応する地図の縮尺は、またさらに小さい。
【0067】
操作者は入力手段において地域番号のうちの最上位桁から第2複数桁によって構成される数字を入力する。第2複数桁の数字が入力されたら、入力手段の出力に応答し、読出し手段は、入力された第2複数桁の数字に対応する地図を地図メモリから読出す。地図が読出されたら、読出し手段の出力に応答し、表示手段は読出された地図を表示する。
【0068】
よって、操作者が所望の地域に対応する地域番号を全桁とも覚えていない場合、または全桁とも覚えていても地域番号に対応する地域の周辺部までをも表示させたい場合には、最上位桁から途中の桁までの数字の入力によって、入力した数字の桁数に応じた縮尺の地図を表示させることができる。特に、カーナビゲーションシステムにおいて、目的地を設定する場合に、電話番号の一部を入力することで、比較的広域の地図を表示させ、表示された地図の中から目的地を選ぶことなどができる。
【0069】
操作者が所望の地域に対応する地域番号を全桁とも覚えていない場合、または全桁とも覚えていても地域番号に対応する地域の周辺部までをも表示させたい場合には、最上位桁から途中の桁までの数字の入力によって、入力した数字の桁数に応じた縮尺の地図を表示させることができる。特に、カーナビゲーションシステムにおいて、目的地を設定する場合に、電話番号の一部を入力することで、比較的広域の地図を表示させ、表示された地図の中から目的地を選ぶことなどができる。
【0070】
(2)第1複数桁の地域番号のうちの最上位桁から第1複数桁以下である第2複数桁によって構成される数字を入力する入力手段であって、前記地域番号は、地図上の第3複数種類の地域に対応し、第1複数桁から成る第3複数種類の数字であり、その最上位桁から第1複数桁未満である第4複数桁によって構成される数字に対応する地域が、その最上位桁から第4複数桁の数字が共通であって、その数字よりも下位側の桁の数字が異なる全ての地域番号に対応する地域を含む入力手段と、入力手段に入力される第2複数桁の数字ごとにそれぞれ対応する地名をストアする地名メモリであって、前記第2複数桁の数字に対応する地名が、その第2複数桁の数字に対応する地域を含む地名である地名メモリと、入力手段からの出力に応答し、入力された第2複数桁の数字に対応する地名を地名メモリから読出す読出し手段と、読出し手段からの出力に応答し、読出された地名を表示する表示手段とを備えることを特徴とする表示装置。
【0071】
操作者が前述のような地域番号の一部を入力することによって、地名を表示させることができる。
【0072】
地名メモリには、入力される第2複数桁の数字にそれぞれ対応する地名がストアされている。入力される第2複数桁の数字には、それぞれ前述のような所定の地域が対応しており、ストアされた地名は、その地域に付された名称である。入力される数字の桁数が多いほど、すなわち第2複数が大きいほど、その数字に対応する地名はより細分化された地域に付されたものである。たとえば、地図上の所定の地域に対応する電話番号が「078−123−4567」である場合、最上位桁から第4複数桁によって構成される数字、たとえば2桁の「07」には、比較的広域の地名「兵庫県」が対応する。同じく3桁の数字「078」には「兵庫県」よりも細分化された地名「神戸市」が対応し、4桁の数字「078−6」には、さらに細分化された地名「中央区」が対応し、5桁の数字「078−67」には、またさらに細分化された地名「元町通」が対応する。
【0073】
操作者は地域番号のうちの最上位桁から第2複数桁によって構成される数字を入力する。第2複数桁の数字が入力されたら、入力手段の出力に応じて、読出し手段は入力された数字に対応する地名を地名メモリから読出す。読出し手段からの出力に応じて、表示手段は読み出された地名を表示する。
【0074】
操作者は入力手段において地域番号のうちの最上位桁から第2複数桁によって構成される数字を入力する。第2複数桁の数字が入力されたら、入力手段の出力に応答し、読出し手段は入力された第2複数桁の数字に対応する地名を地名メモリから読出す。地名が読出されたら、読出し手段の出力に応答し、表示手段は読出された地名を表示する。
【0075】
よって、操作者が所望の地域に対応する地域番号を全桁とも覚えていない場合、または表示させたい地名が操作者の覚えている地域番号に対応する地域の近くの地域に付された地名である場合には、最上位桁から途中の桁までの数字の入力によって、入力された数字の桁数に応じた地名を表示させることができる。特に、カーナビゲーションシステムにおいて、目的地を設定する場合に、電話番号の一部分を入力することで、比較的広い地域に付された地名を表示させ、表示された地名の地域に含まれるさらに細分化された地域に付された地名の一覧表の中から目的地を選ぶことなどができる。
【0076】
操作者が所望の地域に対応する地域番号を全桁とも覚えていない場合、または表示させたい地域が操作者の覚えている地域番号に対応する地域の近くである場合には、最上位桁から途中の桁までの数字の入力によって、入力した数字の桁数に応じた地名を表示させることができる。特に、カーナビゲーションシステムにおいて、目的地を設定する場合に、電話番号の一部を入力することで、比較的広い地域に付された地名を表示させ、表示された地名の地域に含まれるさらに細かい地域に付された地名の一覧表の中から目的地を選ぶことなどができる。
【0077】
(3)地図上の地域ごとに付された地名を入力する入力手段と、入力手段に入力される地名、およびその地名が付された地域ごとにそれぞれ対応する識別番号をストアしておく地名メモリであって、相互に異なる2地域間の距離が大きいほど、その2地域に対応する2個の識別番号の差も大きい地名メモリと、入力手段からの出力に応答して、地名メモリにストアされた地名の中から、入力された地名と同名の地名を検索する第1検索手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、現在位置検出手段からの出力に応答して、地名メモリにストアされた地名の中から、現在位置を含む地域に付された地名を検索する第2検索手段と、第1検索手段および第2検索手段からの出力に応答して、入力された地名と同名の地域にそれぞれ対応する識別番号、および現在位置を含む地域に対応する識別番号の差を算出する番号差算出手段と、番号差算出手段からの出力に応答して、算出された番号差同士を比較する比較手段と、識別番号ごとにそれぞれ対応する地図であって、その識別番号に対応する地域を含むこれよりも広い地域の地図を予めストアしておく地図メモリと、比較手段からの出力に応答して、最小の番号差を与えた識別番号に対応する地域の地図を地図メモリから読出す読出し手段と、読出し手段からの出力に応答して、読出された地図を表示する表示手段とを備えることを特徴とする表示装置。
【0078】
操作者が地名を入力することによって、地図を表示することができる。
ここでいう地名とは、都道府県名や市町村名などのたとえば「兵庫県」、「神戸市」、「中央区」、「元町通」それぞれのことである。このうち「兵庫県」などは全国に1個しか存在しない地名であるが、「中央区」などは「兵庫県神戸市」内に限らず、全国に幾つも存在する地名である。本発明の表示装置では、後者の「中央区」などの地名のように全国に幾つも存在する地名を入力する場合に、有効である。
【0079】
また識別番号は、相互に異なる2地域間の距離が大きいほど、その2地域に対応する2個の識別番号の差も大きい。たとえば兵庫県神戸市内の「灘区」で識別番号「1」、「中央区」で識別番号「2」、「垂水区」で識別番号「9」とする。実際の「灘区」と「中央区」との距離は、「垂水区」と「中央区」との距離に比べて大きく、それぞれに対応する識別番号の差は、「1」および「7」である。両者を比較すると「7」の方が大きいので、実際の各地域同士の遠近に合致する。
【0080】
操作者は入力手段において地名を入力する。地名が入力されたら、入力手段の出力に応答し、第1検索手段は入力された地名と同名の地名を地名メモリから検索する。一方、現在位置検出手段は現在位置を検出しており、この現在位置検出手段からの出力に応答し、第2検索手段は現在位置を含む地域に付された地名を地名メモリから検索する。なお、第2検出手段から出力される地名は、必ず1個であるが、第1検出手段から出力される地名は、前記の「中央区」の例でも明らかなように、1個とは限らない。
【0081】
現在位置に対応する識別番号をNpとし、第1検出手段から出力された地名に対応する識別番号をN1,N2,…とすると、番号差算出手段は識別番号Npと識別番号N1,N2,…それぞれとの差を算出する。続いて番号差算出手段からの出力に応答して、番号差比較手段は番号差(Np−N1),(Np−N2),…それぞれの大きさを比較する。次に、比較手段からの出力に応答して、読出し手段は、Npとの番号差のうちで最小値を与えた識別番号、たとえばN3とすると、識別番号N3に対応する地図を地図メモリから読出す。次に、読出し手段からの出力に応答して、表示手段は、読み出された地図を表示する。
【0082】
よって、地名を入力するだけで、入力された地名と同名の地名を検索し、検索された地名の中で現在位置に最も近い地域の地図を表示させることができる。よって、比較的細分化された地域の地図を表示させたい場合、または操作者が上位地名を覚えておらずに下位地名だけを覚えている場合でも、地名のうちで下位の地名を入力するだけで、それより上位の地名を入力する必要がない。たとえば、「兵庫県神戸市中央区」の地図を表示させたいときでも、操作者は「中央区」だけを入力すればよい。このように、操作者の入力作業が支援され、または入力作業が軽減され、操作性が向上される。
【0083】
地名を入力するだけで、入力された地名と同名の地名を検索し、検索された地名の中で現在位置に最も近い地域の地図を表示させることができる。よって、比較的細分化された地域の地図を表示させたい場合でも、地名のうちで下位の地名を入力するだけで、それより上位の地名を入力する必要がない。たとえば、「兵庫県神戸市中央区」の地図を表示させたいときでも、操作者は「中央区」だけを入力すればよい。このように、操作者の入力作業を軽減でき、操作性が向上される。
【0084】
(4)地図上で上位地名を付された複数の各地域ごとに、その地域をさらに細分化して構成される下位の地域にそれぞれ付された下位地名を入力する入力手段と、入力手段に入力される下位地名、その下位地名が付された地域を含む上位の地域に付された上位地名、および下位地名が付された地域ごとにそれぞれ対応する識別番号をストアしておく地名メモリであって、相互に異なる2地域間の距離が大きいほど、対応する2個の識別番号の差も大きい地名メモリと、入力手段からの出力に応答して、地名メモリにストアされた下位地名の中から、入力された下位地名と同名の下位地名を検索する第1検索手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、現在位置検出手段からの出力に応答して、地名メモリにストアされた下位地名の中から、現在位置を含む地域に付された下位地名を検索する第2検索手段と、第1検索手段および第2検索手段からの出力に応答して、入力された下位地名と同名の地域にそれぞれ対応する識別番号、および現在位置を含む地域に対応する識別番号の差を算出する番号差算出手段と、番号差算出手段からの出力に応答して、算出された番号差同士を比較する比較手段と、比較手段からの出力に応答して、最小の番号差を与えた識別番号に対応する地域に付された下位地名、およびその下位地名が付された地域を含む上位の地域に付された上位地名を地名メモリから読出す読出し手段と、読出し手段からの出力に応答して、読出された上位地名および下位地名を表示する表示手段とを備えることを特徴とする表示装置。
【0085】
操作者が下位地名を入力することによって、下位地名とその上位地名を表示することができる。
【0086】
ここでいう下位地名は、地図上の比較的細分化された地域に付された地名であり、上位地名は、複数の下位地名が付されたそれぞれの地域を含む比較的広い上位の地域に付された地名である。たとえば、「兵庫県神戸市中央区」においては、「神戸市」に含まれる「中央区」を下位地名とすると、「神戸市」はその「中央区」の上位地名である。また「兵庫県」に含まれる「神戸市」を下位地名とすると、「兵庫県」はその「神戸市」の上位地名である。さらに「兵庫県」は、「中央区」の上位地名でもある。このように各地名はツリー状の階層構造を有する。
【0087】
操作者は入力手段において下位地名を入力する。下位地名が入力されたら、入力手段の出力に応じて、第1検索手段は入力された下位地名と同名の下位地名を地名メモリから検索する。一方、現在位置検出手段は現在位置を検出しており、この現在位置検出手段からの出力に応答して、第2検索手段は現在位置を含む地域に付された下位地名を地名メモリから検索する。
【0088】
現在位置に対応する識別番号をNpとし、第1検出手段から出力された下位地名に対応する識別番号をN1,N2,…とすると、番号差算出手段は識別番号Npと識別番号N1,N2,…それぞれとの差を算出する。続いて番号差算出手段からの出力に応答して、番号差比較手段は番号差(Np−N1),(Np−N2),…それぞれの大きさを比較する。次に、比較手段からの出力に応答して、読出し手段は、Npとの番号差のうちで最小値を与えた識別番号、たとえばN3とすると、識別番号N3に対応する下位地名およびその上位地名を地名メモリから読出す。次に、読出し手段の出力に応答して、表示手段は、読出された下位地名および上位地名を表示する。
【0089】
下位地名を入力するだけで、入力された下位地名と同名の下位地名を検索し、検索された下位地名の中で現在位置に最も近い地域の下位地名および上位地名を表示させることができる。よって、比較的細分化された地域の地名を表示させたい場合、または操作者が上位地名を覚えておらずに下位地名だけを覚えている場合であっても、地名のうちで下位の地名を入力するだけで、それより上位の地名を入力する必要がない。このように、操作者の入力作業が支援され、または入力作業が軽減され、操作性が向上される。
【0090】
下位地名を入力するだけで、入力された下位地名と同名の下位地名を検索し、検索された下位地名の中で現在位置に最も近い地域の下位地名および上位地名を表示させることができる。よって、比較的細分化された地域の地名を表示させたいときであっても、地名のうちで下位の地名を入力するだけで、それより上位の地名を入力する必要がない。このように、操作者の入力作業を軽減でき、操作性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の第1実施形態である表示装置10の電気的な構成を示すブロック図である。
【図2】図1の入力部11の一部を示す斜視図である。
【図3】図1の表示部12の地図画面41を示す図である。
【図4】図1の表示部12の目的地を設定する設定画面46を示す図である。
【図5】電話番号の入力画面を段階的に示す図である。
【図6】番号変換メモリ13にストアされたテーブルを示す図である。
【図7】地図メモリ14から読出されて表示部12に表示される地図34である。
【図8】地図メモリ14から読出されて表示部12に表示される地図35である。
【図9】地図メモリ14から読出されて表示部12に表示される地図36である。
【図10】地図メモリ14から読出されて表示部12に表示される地図37である。
【図11】地図メモリ14にストアされている仮想的な地図31である。
【図12】地図メモリ14にストアされている仮想的な地図32である。
【図13】地図メモリ14にストアされている仮想的な地図33である。
【図14】表示装置10による処理を段階的に示すフローチャートである。
【図15】本発明の第2実施形態である表示装置20の電気的な構成を示すブロック図である。
【図16】地名メモリ25にストアされたデータを示す図である。
【図17】同名の地名を含む地名の検索結果を示す図である。
【図18】表示装置20による処理の流れを段階的に示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0092】
10,20 表示装置
11,21 入力部
12,22 表示部
13,23 番号変換メモリ
14,24 地図メモリ
15,25 地名メモリ
16,26 制御部
27 GPS受信機
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用ナビゲーションシステムのように、表示画面に地図情報または文字情報などを表示する表示装置に関し、特に、電話番号または郵便番号のように単なる数字の入力操作のみによって、または地名の入力操作のみによって、所望の地図および文字、図形を含むキャラクタを表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されたカーナビゲーションシステムによって、車両の運転手に対して、目的地までの経路案内をさせたいとき、まず目的地を設定しなければならない。目的地の設定の形態は、様々である。
【0003】
一般的には、目的地の名称または住所などを直接文字で入力したり、名称または住所の一覧表から目的地を選択して入力したりする。また、地図画面をスクロールさせて地図中から目的地を探し出し、目的地点をポインティングデバイスで指し示すことによっても、目的地の設定が可能である。
【0004】
さらに、電話番号または郵便番号の入力によって目的地付近の地図を表示させる先行技術が、特許文献1および特許文献2に開示されている。これらの先行技術によれば、数字の入力だけで所望の地図を表示することが可能となっている。
【0005】
【特許文献1】特開平6−236145号公報
【特許文献2】特開平6−309378号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1および特許文献2では、電話番号または郵便番号を全桁とも入力しなければ、この番号に関連した地図を表示させることはできない。これでは、操作者が電話番号または郵便番号を全桁とも覚えていない場合、どのような地図をも表示させることはできない。さらには、カーナビゲーションシステムにおいて、目的地を設定することも不可能である。
【0007】
本発明の目的は、操作者が目的地の電話番号もしくは郵便番号の一部、または地名の一部を忘れた場合でも、地図などの情報を表示できる表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、地図上の地域毎に付された地名を入力する入力手段と、
入力手段に入力される地名、およびその地名が付された地域毎にそれぞれ対応する識別番号をストアしておく地名メモリであって、相互に異なる2地域間の距離が大きいほど、その2地域に対応する2個の識別番号の差も大きい地名メモリと、
入力手段からの出力に応答して、地名メモリにストアされた地名の中から、入力された地名と同名の地名を検索する第1検索手段と、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、
現在位置検出手段からの出力に応答して、地名メモリにストアされた地名の中から、現在位置を含む地域に付された地名を検索する第2検索手段と、
第1検索手段および第2検索手段からの出力に応答して、入力された地名と同名の地域にそれぞれ対応する識別番号、および現在位置を含む地域に対応する識別番号の差を算出する番号差算出手段と、
番号差算出手段からの出力に応答して、算出された番号差同士を比較する比較手段と、
識別番号毎にそれぞれ対応する地図であって、その識別番号に対応する地域を含むこれよりも広い地域の地図を予めストアしておく地図メモリと、
比較手段からの出力に応答して、最小の番号差を与えた識別番号に対応する地域の地図を地図メモリから読出す読出し手段と、
読出し手段からの出力に応答して、読出された地図を表示する表示手段とを備えることを特徴とする表示装置である。
【0009】
また本発明は、地図上で上位地名を付された複数の各地域毎に、その地域をさらに細分化して構成される下位の地域にそれぞれ付された下位地名を入力する入力手段と、
入力手段に入力される下位地名、その下位地名が付された地域を含む上位の地域に付された上位地名、および下位地名が付された地域毎にそれぞれ対応する識別番号をストアしておく地名メモリであって、相互に異なる2地域間の距離が大きいほど、対応する2個の識別番号の差も大きい地名メモリと、
入力手段からの出力に応答して、地名メモリにストアされた下位地名の中から、入力された下位地名と同名の下位地名を検索する第1検索手段と、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、
現在位置検出手段からの出力に応答して、地名メモリにストアされた下位地名の中から、現在位置を含む地域に付された下位地名を検索する第2検索手段と、
第1検索手段および第2検索手段からの出力に応答して、入力された下位地名と同名の地域にそれぞれ対応する識別番号、および現在位置を含む地域に対応する識別番号の差を算出する番号差算出手段と、
番号差算出手段からの出力に応答して、算出された番号差同士を比較する比較手段と、
比較手段からの出力に応答して、最小の番号差を与えた識別番号に対応する地域に付された下位地名、およびその下位地名が付された地域を含む上位の地域に付された上位地名を地名メモリから読出す読出し手段と、
読出し手段からの出力に応答して、読出された上位地名および下位地名を表示する表示手段とを備えることを特徴とする表示装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、操作者が地名を入力することによって、地図を表示することができる。
【0011】
ここでいう地名とは、都道府県名や市町村名などのたとえば「兵庫県」、「神戸市」、「中央区」、「元町通」それぞれのことである。このうち「兵庫県」などは全国に1個しか存在しない地名であるが、「中央区」などは「兵庫県神戸市」内に限らず、全国に幾つも存在する地名である。本発明の表示装置では、後者の「中央区」などの地名のように全国に幾つも存在する地名を入力する場合に、有効である。
【0012】
また識別番号は、相互に異なる2地域間の距離が大きいほど、その2地域に対応する2個の識別番号の差も大きい。たとえば兵庫県神戸市内の「灘区」で識別番号「1」、「中央区」で識別番号「2」、「垂水区」で識別番号「9」とする。実際の「灘区」と「中央区」との距離は、「垂水区」と「中央区」との距離に比べて大きく、それぞれに対応する識別番号の差は、「1」および「7」である。両者を比較すると「7」の方が大きいので、実際の各地域同士の遠近に合致する。
【0013】
本発明の表示装置では、操作者は入力手段において地名を入力する。地名が入力されたら、入力手段の出力に応答し、第1検索手段は入力された地名と同名の地名を地名メモリから検索する。一方、現在位置検出手段は現在位置を検出しており、この現在位置検出手段からの出力に応答し、第2検索手段は現在位置を含む地域に付された地名を地名メモリから検索する。なお、第2検出手段から出力される地名は、必ず1個であるが、第1検出手段から出力される地名は、前記の「中央区」の例でも明らかなように、1個とは限らない。
【0014】
現在位置に対応する識別番号をNpとし、第1検出手段から出力された地名に対応する識別番号をN1,N2,…とすると、番号差算出手段は識別番号Npと識別番号N1,N2,…それぞれとの差を算出する。続いて番号差算出手段からの出力に応答して、番号差比較手段は番号差(Np−N1),(Np−N2),…それぞれの大きさを比較する。次に、比較手段からの出力に応答して、読出し手段は、Npとの番号差のうちで最小値を与えた識別番号、たとえばN3とすると、識別番号N3に対応する地図を地図メモリから読出す。次に、読出し手段からの出力に応答して、表示手段は、読み出された地図を表示する。
【0015】
よって本発明によれば、地名を入力するだけで、入力された地名と同名の地名を検索し、検索された地名の中で現在位置に最も近い地域の地図を表示させることができる。よって、比較的細分化された地域の地図を表示させたい場合、または操作者が上位地名を覚えておらずに下位地名だけを覚えている場合でも、地名のうちで下位の地名を入力するだけで、それより上位の地名を入力する必要がない。たとえば、「兵庫県神戸市中央区」の地図を表示させたいときでも、操作者は「中央区」だけを入力すればよい。このように、操作者の入力作業が支援され、または入力作業が軽減され、操作性が向上される。
【0016】
本発明によれば、操作者が下位地名を入力することによって、下位地名とその上位地名を表示することができる。
【0017】
ここでいう下位地名は、地図上の比較的細分化された地域に付された地名であり、上位地名は、複数の下位地名が付されたそれぞれの地域を含む比較的広い上位の地域に付された地名である。たとえば、「兵庫県神戸市中央区」においては、「神戸市」に含まれる「中央区」を下位地名とすると、「神戸市」はその「中央区」の上位地名である。また「兵庫県」に含まれる「神戸市」を下位地名とすると、「兵庫県」はその「神戸市」の上位地名である。さらに「兵庫県」は、「中央区」の上位地名でもある。このように各地名はツリー状の階層構造を有する。
【0018】
本発明の表示装置では、操作者は入力手段において下位地名を入力する。下位地名が入力されたら、入力手段の出力に応じて、第1検索手段は入力された下位地名と同名の下位地名を地名メモリから検索する。一方、現在位置検出手段は現在位置を検出しており、この現在位置検出手段からの出力に応答して、第2検索手段は現在位置を含む地域に付された下位地名を地名メモリから検索する。
【0019】
現在位置に対応する識別番号をNpとし、第1検出手段から出力された下位地名に対応する識別番号をN1,N2,…とすると、番号差算出手段は識別番号Npと識別番号N1,N2,…それぞれとの差を算出する。続いて番号差算出手段からの出力に応答して、番号差比較手段は番号差(Np−N1),(Np−N2),…それぞれの大きさを比較する。次に、比較手段からの出力に応答して、読出し手段は、Npとの番号差のうちで最小値を与えた識別番号、たとえばN3とすると、識別番号N3に対応する下位地名およびその上位地名を地名メモリから読出す。次に、読出し手段の出力に応答して、表示手段は、読出された下位地名および上位地名を表示する。
【0020】
本発明によれば、下位地名を入力するだけで、入力された下位地名と同名の下位地名を検索し、検索された下位地名の中で現在位置に最も近い地域の下位地名および上位地名を表示させることができる。よって、比較的細分化された地域の地名を表示させたい場合、または操作者が上位地名を覚えておらずに下位地名だけを覚えている場合であっても、地名のうちで下位の地名を入力するだけで、それより上位の地名を入力する必要がない。このように、操作者の入力作業が支援され、または入力作業が軽減され、操作性が向上される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は、本発明の第1実施形態である表示装置10の電気的な構成を示すブロック図である。表示装置10は、車両に搭載され、カーナビゲーションシステムとして使用される表示装置であり、入力部11、表示部12、番号変換メモリ13、地図メモリ14、地名メモリ15および制御部16を備える。
【0022】
まず、図2〜図4を用いて、操作者による典型的な入力部11への入力操作、およびその操作によって表示部12に表示される画像または文字について説明する。
【0023】
図2は、図1の入力部11の一部を示す斜視図である。入力部11は、操作レバー44、テンキー91およびエンタ釦92を備えた入力装置であり、操作者は操作レバー44、テンキー91またはエンタ釦92を操作することで表示装置10への入力を行う。操作レバー44は、台座45を支点として2次元の各方向に付勢して倒し込むことができ、主に方向を指示する入力を担う。テンキー91からは、0〜9の数字を入力することができ、操作者がテンキー91を続けて操作することで、複数桁の数字を入力することができる。また入力部11は、入力操作によって発生した信号を制御部16に無線で送信する、いわゆるリモートコントローラである。
【0024】
表示部12は、液晶表示ディスプレイ(略称:LCD)で構成され、薄型で車両への搭載が容易な表示パネルを実現している。表示部12は、地図などの画像または文字を表示し、特に、走行中に現在位置付近の地図を表示したり、目的地を設定するときに目的地付近の地図を表示したりする。
【0025】
図3は、図1の表示部12が表示した地図画面41を示す図である。地図画面41内の道路43上には、表示装置10を搭載した車両の現在位置を表すカーソル42が表示される。車両の走行に伴って、カーソル42は道路43に沿って移動する。また、目的地を設定するときに、図2の操作レバー44を操作することで、固定して表示された地図画面41内で2次元の各方向にカーソル42を移動させることができる。または、地図画面41内のカーソル42の位置を固定したまま、2次元の各方向に地図画面41をスクロールさせることができる。
【0026】
たとえば、カーソル42を所望の位置まで移動させたときに、入力部11に設けられたエンタ釦92を押下することによって、カーソル42が指示する位置を目的地として設定することができる。
【0027】
図4は、表示文字の選択による目的地の設定画面46を示す図である。設定画面46は、目的地を設定するための画面であり、図3の地図画面41を背景にして表示されてもよい。設定画面46では、都道府県名を表す地名47の選択は終了しており、市町村名を表す地名の一覧表48が表示されている。一覧表48の第1行51に「神戸市」、第2行52に「西宮市」、第3行53に「芦屋市」が表示される。操作レバー44を使用して、一覧表48の中から所望の地名を選択する。選択された第2行52の「西宮市」は、表示色を反転させることで選択されたことを明示している。この状態で入力部11のエンタ釦92を押下すると、市町村名として第2行52の「西宮市」が確定される。
【0028】
市町村名が確定された後、同様に、さらに下位の地名の一覧表が表示されて、次の地名の選択に移行する。以下、同様の選択操作によって、さらに下位の地名まで設定される。また、都道府県名の選択操作も同様な操作によって行われている。
【0029】
次に、図5〜図14を用いて第1形態に特有の構成または動作について説明する。
図5は、電話番号の入力操作を段階的に示す図である。入力部11のテンキー91を続けて操作することで、複数桁の数字を入力することができるので、電話番号の入力も可能である。電話番号は、第1複数桁としてここでは10桁の数字から構成されるものとする。10桁の電話番号のうち、最上位桁から第4複数桁によって構成される数字も、入力することができる。第4複数桁は、第1複数桁未満の桁数であり、ここでは10桁未満である。電話番号またはその一部から構成される第4複数桁の数字を入力する場合、入力部11から入力された数字が、表示部12に表示される。このとき表示画面には、入力された数字だけが表示されてもよいし、地図画面を背景として入力された数字が表示されてもよい。
【0030】
操作者が設定したい目的地の電話番号を「078−67X−XXXX」とする。Xは、0〜9のいずれかの数字である。このうち、まず最上位桁P1に「0」、および最上位桁P1から2番目に位置する第2桁P2に「7」を入力すると、図5(1)に示すように、表示画面54には入力された数字63として「07」が表示される。ここで数字63「07」に対応する地図を数字63「07」の背景として表示してもよいし、入力部11のエンタ釦92を押下することで、数字「07」に対応する地図を表示してもよい。
【0031】
次に、数字63「07」の後に続けて第3桁P3に「8」を入力すると、図5(2)に示すように、表示画面54には数字63「078」が表示される。図5(1)のときと同様に、直ちに数字63「078」に対応する地図を表示してもよいし、エンタ釦92の押下によって、地図を表示してもよい。以下同様に、「−(ハイフン)」および第4桁P4に「6」を追加して入力すると、図5(3)に示すように、表示画面54に数字63「078−6」が表示される。さらに第5桁P5に「7」を追加して入力すると、図5(4)に示すように、表示画面54に数字63「078−67」が表示される。
【0032】
図6は、番号変換メモリ13にストアされた番号変換テーブル55〜58をそれぞれ示す図である。番号変換メモリ13は、番号変換テーブル55〜58に代表される複数の番号変換テーブルをストアしている。番号変換テーブルには、電話番号およびその電話番号ごとにそれぞれ対応する識別番号がストアされている。また番号変換メモリ13は、10桁の電話番号のうち、最上位桁から10桁未満によって構成される数字、およびその数字ごとにそれぞれ対応する識別番号をもストアしている。
【0033】
図6(1)の番号変換テーブル55では、電話番号の一部から成る2桁の数字63、およびその数字63ごとの識別番号64が対応している。同様に、図6(2)の番号変換テーブル56では、3桁の数字63および識別番号64が対応し、図6(3)の番号変換テーブル57では、4桁の数字63および識別番号64が対応し、図6(4)の番号変換テーブル58では、5桁の数字63および識別番号64が対応している。
【0034】
識別番号64は、最上位桁R1、最上位桁R1から2番目の第2桁R2、最上位桁R1から3番目の第3桁R3、および4番目の第4桁R4から構成されている。最上位桁R1には、数字63の第2桁P2の数字を代入し、第2桁P2が存在しない場合は最上位桁P1に「0」を代入する。以下同様に、数字63の第3桁P3を第2桁R2に、数字63の第4桁P4を第3桁R3に、数字63の第5桁P5を第4桁R4に代入する。対応する数字63の桁が存在しない識別番号64の桁については、それぞれ「0」を代入する。
【0035】
このように、番号変換テーブル55〜58は、入力される数字63の桁数ごとに設けらている。入力部11に入力された数字63は、この番号変換テーブル55〜58によって、それぞれ識別番号64に変換される。たとえば、図5に示すように、入力部11から電話番号の一部から成る数字63としての「07」,「078」,「078−6」,「078−67」を入力すると、図6の番号変換テーブル55〜58によって、それぞれ識別番号64としての「7000」,「7800」,「7860」,「7867」に変換される。また図示しないが、数字63「0」は、識別番号64「0000」に変換される。
【0036】
図7〜図10は、地図メモリ14から読出されて表示部12に表示される地図34〜37をそれぞれ示す図である。地図メモリ14は、識別番号64を介して数字63ごとにそれぞれ対応する地図を予めストアしている。図7の地図34は、識別番号64「0000」を介して数字63「0」に対応する地図であり、左上の角部に地図番号64aとして「0000」が付されている。地図番号64aには、対応する識別番号64と同じ数字が付される。地図34は、数字63「0」に対応する地域を含むこれよりも広い地域の地図である。なお、数字63「0」に対応する地域は、最上位桁が数字「0」の電話番号を有する全ての地域から成る。つまり地図34内には、最上位桁P1に「0」が代入され、第2桁P2以降の桁に任意の数字が代入された全ての数字63に対応する地域が全て含まれる。
【0037】
たとえば、図7の地図34には、識別番号64「7000」を介して数字63「07」に対応する地域などが含まれている。数字63「07」に対応する地図は、図34の一部を抜き出して拡大した図8の地図35である。地図35は地図34の縮尺よりも大きく、地図34のうちの識別番号64「7000」を介して数字63「07」に対応する地域を拡大表示したものとなっている。
【0038】
以下同様に、図8の地図35は、電話番号の最上位の2桁が「07」である全ての地域を含む地図であり、識別番号64「7500」,「7800」を介して数字63「075」,「078」にそれぞれ対応する地域を含んでいる。このうち数字63「078」に対応する地図は、図9に示される地図36であり、地図35の一部を拡大表示したものである。図9の地図36は、電話番号の最上位の3桁が「078」である全ての地域を含む地図であり、識別番号64「7850」,「7860」,「7870」などに対応する地域を全て含んでいる。識別番号64「7860」に対応する地図は、図10に示される地図37であり、地図36の一部を拡大表示したものである。図10の地図37は、電話番号の最上位の4桁が「078−6」である全ての地域を含む地図であり、識別番号64「7867」を介して数字63「078−67」に対応する地域などを全て含んでいる。
【0039】
図11〜図13は、地図メモリ14にストアされている仮想的な地図31〜33である。図11の地図31は、縮尺2万5千分の1の仮想的な地図であり、実際に表示部11に地図31の全体が表示されることはない。表示部12には地図31内の矩形領域31aだけが表示される。矩形領域31a内には、入力部12で入力される数字63に対応する地域が含まれ、逆に、地図31内での矩形領域31aの位置は、矩形領域31aが入力された数字63に対応する地域を含むように決定される。同様に、図12の地図32は、縮尺3万分の1の地図であり、表示部12には地図32内の矩形領域32aが表示される。図13の地図33は、縮尺3万5千分の1の地図であり、表示部12には地図33内の矩形領域33aが表示される。矩形領域31a〜33aの形状および大きさは、表示部12の表示画面の形状および大きさに全て一致する。
【0040】
地図メモリ14にストアされた地図では、入力される数字63の桁数が多いほど対応する地図の縮尺は大きい。たとえば、4桁の数字63「078−6」には、比較的縮尺の大きい地図31の矩形領域31aが対応し、3桁の数字63「078」には、地図31よりも縮尺の小さい地図32の矩形領域32aが対応し、2桁の数字63「07」には、地図32よりもさらに縮尺の小さい地図33の矩形領域33aが対応する。
【0041】
以下、図4に戻って地名メモリ15および制御部16を説明する。地名メモリ15にストアされた地名は、識別番号64を介して数字63ごとに対応する地域に、それぞれ付された名称である。地名メモリ15は、たとえば、後述する図16に示すように地名をストアしてもよい。制御部16は、入力部11からの出力に応答して、入力された数字63に対応する識別番号64を番号変換メモリ13から読出し、さらに読出した識別番号64に対応する地図を地図メモリ14から読出す。または、読出した識別番号64に対応する地名を地名メモリ15から読出す。表示部12は、読み出された地図または地名を表示する。
【0042】
図14は、表示装置10による処理を段階的に示すフローチャートである。まずステップa1において、操作者は入力部11から電話番号の一部から成る数字63を最上位桁P1から順に入力する。次にステップa2において、制御部16は入力部11からの出力に応答して、入力された数字63に対応する識別番号64を番号変換メモリ13から読出す。次にステップa3において、制御部16は、番号変換メモリ13から読出された識別番号64に対応する地図を地図メモリ14から読出す。または、識別番号64に対応する地名を地名メモリ15から読出す。次にステップa4において、読出された地図または地名を表示部12に表示する。なお、図14のステップa3は、表示装置10の読出し手段を構成している。
【0043】
このように、表示装置10では、地図メモリ14および地名メモリ15に、識別番号64を介して電話番号の一部から成る数字63に応じた縮尺の地図および地名を予めそれぞれストアしているので、操作者が数字63を入力するだけで、入力された数字63に応じた地図または地名を表示することができる。
【0044】
なお、表示装置10では、電話番号の代わりに郵便番号その他の地域番号を用いてもよい。
【0045】
また、表示装置10では、地名メモリ15の無い構成も可能であり、その場合は地図だけを表示することができる。同様に、地図メモリ14の無い構成も可能であり、その場合は逆に地名だけを表示することができる。
【0046】
図15は、本発明の第2実施形態である表示装置20の電気的な構成を示すブロック図である。表示装置20は、入力部21、表示部22、地名メモリ25、地図メモリ24、GPS(衛星航法システム)受信機27および制御部26を備える。表示部22は、図3の表示画面41のような地図情報、または図4の設定画面46のような文字情報を表示する。入力部21は、図2と同様な構成で、操作レバー44および文字キー92などを備える。文字キー92を用いることで、入力部21から文字を入力することできる。特に、地図上の各地域に付された地名を入力することができる。
【0047】
図16は、地名メモリ25にストアされたデータを示す図である。図16に示すように、地名メモリ25には、上位から下位にかけての地名71が、順にツリー状の階層構造を成すようにストアされており、検索を容易にしている。各地名71下の丸括弧内に示される数字は、地名71それぞれに対応する識別番号72であり、この識別番号72も地名メモリ25にストアされている。最上位階層の地名71aとして「A1県」、「A2県」、「A3県」などがある。その中の「A2県」の下位の第2階層の地名71bとして「B1市」、「B2市」、「B5市」などがある。以下同様に、「B1市」の下位の第3階層の地名71cに「C1区」、「C2区」があり、「C1区」の下位の第4階層の地名71dに「御所通」がある。なお、地名71d「御所通」は「A2県B1市C1区御所通」の他にも全国に存在する。
【0048】
識別番号72は、最上位桁Q1、最上位桁Q1から2番目に位置する第2桁Q2、最上位桁Q1から3番目の第3桁Q3および4番目の第4桁Q4から成る。最上位桁Q1、第2桁Q2、第3桁Q3および第4桁Q4には、それぞれ0〜9のうちのいずれか1桁の数字が代入される。最上位桁Q1には、最上位の階層の地名71aに対応する数字が代入される。たとえば最上位の階層の地名71aが「A2県」ならば「2」が代入され、最上位の階層の地名71aが「A3県」ならば「3」が代入される。続いて第2桁Q2には、最上位の地名71aの下位の地名71b、すなわち第2階層の地名71bに対応する数字が代入される。たとえば第2階層の地名71bが「B1市」ならば「1」が代入され、「B2市」ならば「2」が代入される。以下同様に第3桁Q3には、第3階層の地名71cに対応する数字が代入され、第4桁Q4には、第4階層の地名71dに対応する数字が代入される。
【0049】
このように、第1階層の地名71aに対応する識別番号72aでは、第1桁Q1だけにゼロ以外の数字が代入され、残余の第2桁Q2以降には全てゼロが代入される。第2階層の地名71bに対応する識別番号72bでは、第1桁Q1にその上位の地名に対応するゼロ以外の数字が代入され、第2桁Q2にもゼロ以外の数字が代入され、第3桁Q3以降の各桁にはゼロが代入される。以下同様に、第3階層の地名71cに対応する識別番号72cでは、第4桁Q4だけにゼロが代入され、第4階層の地名71dに対応する識別番号72dでは、どの桁にもゼロ以外の数字が代入される。
【0050】
また識別番号72は、相互に異なる2個の地名が付された2地域間の距離が近いほど、その差が小さくなるような数字である。たとえば、識別番号72「1000」と識別番号72「2000」との差が識別番号72「1000」と識別番号72「6000」との差よりも小さいことは、「A1県」と「A2県」との距離が「A1県」と「A6県」との距離よりも小さいことを示している。
【0051】
図15に戻って、地図メモリ24は、識別番号72ごとにそれぞれ対応する地図を予めストアしている。ストアされた地図は、識別番号72に対応する地域を含むこれより広い地域の地図である。たとえば、地図メモリ24にストアされた地図は、図7〜図10の地図34〜37などである。GPS受信機27は、地球周回軌道を回る測位衛星からの信号を受信し、受信した信号に基づいて三角測量を行い、現在位置の緯度、経度を算出して制御部26に出力する。
【0052】
制御部26は、以下に示す様々な処理を行う。第1に、入力部21からの出力に応答して、地名メモリ25にストアされた各地名の中から、入力された地名と同名の地名を検索する。第2に、GPS受信機27からの出力に応答して、地名メモリ25にストアされた各地名の中から、現在位置を含む地域に付された地名を検索する。第3に、前記の検索結果に応答して、入力された地名と同名の地名が付された地域にそれぞれ対応する各識別番号N1,N2,…、および現在位置を含む地域に対応する識別番号Npの差(Np−N1),(Np−N2),…を算出する。第4に、前記の算出結果に応答して、算出された番号差の大きさ同士を比較する。第5に、前記比較結果に応答して、最小の番号差を与えた識別番号に対応する地図を地図メモリ24から読出す。または、最小の番号差を与えた識別番号に対応する地名およびその上記の地名を地名メモリ25から読出す。表示部22は、読出された地図または地名を表示する。
【0053】
図17は、同じ地名を含む地名の検索結果を示す図である。図16に示されるようなデータが地名メモリ25にストアされているので、入力部11に「御所通」を入力して、制御部26が全国の地名の中から「御所通」と同名の地名を検索すると、検索結果として一覧表81が出力される。一覧表81の第1列82の各行84には、識別番号72「2111」,「2121」,「2511」,「6511」が配列する。第2列83の各行85には、各識別番号72にそれぞれ対応した地名71d「御所通」が配列する。なお、一覧表81には、地名71d「御所通」の上位の地名71a〜71cも合わせて出力される。一覧表81は、途中経過として表示部12に表示されてもよい。
【0054】
図18は、表示装置20による処理の流れを段階的に示すフローチャートである。まずステップb1において、操作者は入力部21から地名を入力する。次にステップb2において、GPS受信機27によって現在位置を検出する。次にステップb3において、入力部21からの出力に応答して、地名メモリ25にストアされた各地名の中から、入力された地名を有する地名を検索する。次にステップb4において、GPS受信機27からの出力に応答して、地名メモリ25にストアされた各地名の中から、現在位置を含む地域を表す地名を検索する。
【0055】
次にステップb5において、ステップb3,b4の検索結果に応答して、入力された地名を有する各地名にそれぞれ対応する各識別番号N1,N2,…および現在位置を含む地域を表す地名に対応する識別番号Npの差(Np−N1),(Np−N2),…を算出する。次にステップb6において、ステップb5の算出結果に応答して、算出された番号差(Np−N1),(Np−N2),…の大きさ同士を比較する。次にステップb7において、ステップb6の比較結果に応答して、最小の番号差を与えた識別番号に対応する地図を地図メモリ24から読出す。または、最小の番号差を与えた識別番号に対応する地名およびその上位の地名を地名メモリ25から読出す。次にステップb8において、読出された地図または地名を表示部22に表示させる。
【0056】
図18のフローチャートにおいて、ステップb3は第1検索手段を、ステップb4は第2検索手段を、ステップb5は番号差算出手段を、ステップb6は比較手段を、ステップb7は読出し手段をそれぞれ構成している。
【0057】
このように表示装置20では、地名を入力するだけで、入力された地名と同名の地名を全国から検索し、検索された複数の地名がそれぞれ付された複数の地域の中から、現在位置に最も近い地域の地名を選択し、選択された地名に対応する地図を表示することができる。または、選択された地名およびその上位の地名を表示することができる。
【0058】
なお、表示装置20では地図メモリ24が無い構成も可能であり、その場合は地名だけを表示させることができる。これに対して、地図だけを表示させたい場合でも、地名メモリ25を使用するので、地名メモリ25は必要不可欠な構成要素である。
【0059】
本発明は、次の実施の形態が可能である。
(1)第1複数桁の地域番号のうちの最上位桁から第1複数桁以下である第2複数桁によって構成される数字を入力する入力手段であって、前記地域番号は、地図上の第3複数種類の地域に対応し、第1複数桁から成る第3複数種類の数字であり、その最上位桁から第1複数桁未満である第4複数桁によって構成される数字に対応する地域が、その最上位桁から第4複数桁の数字が共通であって、その数字よりも下位側の桁の数字が異なる全ての地域番号に対応する地域を含む入力手段と、入力手段に入力される第2複数桁の数字ごとにそれぞれ対応する地図をストアする地図メモリであって、前記第2複数桁の数字に対応する地図が、その第2複数桁の数字に対応する地域を含み、第2複数が大きいほど第2複数桁の数字に対応する地図の縮尺が大きい地図メモリと、入力手段からの出力に応答し、入力された第2複数桁の数字に対応する地図を地図メモリから読出す読出し手段と、読出し手段からの出力に応答し、読出された地図を表示する表示手段とを備えることを特徴とする表示装置。
【0060】
操作者が地域番号の一部を入力することによって、地図を表示することができる。
ここでいう地域番号は、電話番号または郵便番号のように、第1複数桁から成る数字である。第1複数とは、地域番号の桁数を表す2以上の自然数であり、その値は対象となる地域番号によって異なる。地域番号を電話番号とすると、電話番号は、主に9桁または10桁から成る数字であるので、第1複数は9または10である。たとえば、電話番号「078−123−4567」については、第1複数は10である。郵便番号については、一般に3桁または5桁から成る数字であり、平成10年から7桁の郵便番号が実施されるので、第1複数は3、5または7である。
【0061】
また地域番号は、地図上の第3複数種類に分けられた地域ごとにそれぞれ定められた同じく第3複数種類の数字である。たとえば電話番号は、家屋または屋外に備え付けられた電話機ごとに設定されるので、ほとんどの電話番号が地図上の微細な地域に定められたものとしてよい。第3複数は電話番号の種類の数であり、すなわち、存在する電話機または電話番号の数である。また郵便番号は、そのほとんどが市町村ごとに定められており、7桁の郵便番号はさらに細分化された地域ごとに定められる。よって、地域番号を郵便番号とすると、電話番号の場合と同様に、第3複数は郵便番号の種類の数である。
【0062】
このような地域番号のうちの最上位桁からの第4複数桁によって構成される数字は、地域番号に対応する地域とは別の地域に対応する。第4複数は、地域番号の桁数である第1複数未満の数である。第4複数桁の数字に対応する地域は、その最上位桁からの第4複数桁の数字が共通であって、第4複数桁の数字の下位側の桁の数字が異なる地域番号に対応する地域を全て含む。たとえば第1複数桁が10桁である電話番号「078−123−4567」に対して、最上位桁から第4複数桁が3桁の数字「078」は、電話番号に対応する地域とは別の地域に対応する。数字「078」に対応する地域は、その数字が共通であって、その数字の下位側の桁の数字が異なる電話番号「078−123−4566」および「078−223−4567」などに対応する全ての地域を含む。
【0063】
上記のことから更に、「078」に対応する地域は、「078」が共通でありかつ「078」の下位側の桁に1桁の数字が異なる全ての数字から構成される数字「078−1」、「078−2」および「078−3」などに対応する全ての地域を含むことが導かれる。さらに、「078−1」に対応する地域は、「078−11」、「078−12」、「078−13」などに対応する地域を全て含む。このように、地域番号およびその一部から成る数字にそれぞれ対応する地域は、階層構造を成している。
【0064】
なお電話番号では、先頭の市外局番と、次に続く市内局番とは、ほぼ上述のように、階層的に構成されている。また、郵便番号でも、一部地域に例外のあるものの、全桁とも階層的に構成されている。
【0065】
地図メモリには、入力手段から入力され得る第2複数桁の数字にそれぞれ対応する地図がストアされている。第2複数桁の数字は、地域番号および第4複数桁の数字を含む最大桁数が第1複数桁の数字である。上記のように、入力される第2複数桁の数字には、それぞれ地図上の大小様々な階層の各地域が対応しており、その第2複数桁の数字に対応する地図は、その第2複数桁の数字に対応する地域を含む。たとえば電話番号「078−123−4567」の一部から構成される数字「078−1」に対応する地図は、「078−1」に対応する地域だけを表示するのではなく、この地域を含む地域を表示する。
【0066】
また、地図メモリにストアされた地図について、入力される数字の桁数が多いほど、すなわち第2複数が大きいほど、その数字に対応する地図の縮尺が大きく、数字の桁数が少ないほど縮尺は小さい。たとえば、電話番号「078−123−4567」に対応する地図は、最大縮尺の地図であり、その一部から構成される数字「078−1」に対応する地図の縮尺は、最大縮尺よりも小さい。「078−1」の一部から構成される「078」に対応する地図の縮尺はさらに小さく、番号「07」に対応する地図の縮尺は、またさらに小さい。
【0067】
操作者は入力手段において地域番号のうちの最上位桁から第2複数桁によって構成される数字を入力する。第2複数桁の数字が入力されたら、入力手段の出力に応答し、読出し手段は、入力された第2複数桁の数字に対応する地図を地図メモリから読出す。地図が読出されたら、読出し手段の出力に応答し、表示手段は読出された地図を表示する。
【0068】
よって、操作者が所望の地域に対応する地域番号を全桁とも覚えていない場合、または全桁とも覚えていても地域番号に対応する地域の周辺部までをも表示させたい場合には、最上位桁から途中の桁までの数字の入力によって、入力した数字の桁数に応じた縮尺の地図を表示させることができる。特に、カーナビゲーションシステムにおいて、目的地を設定する場合に、電話番号の一部を入力することで、比較的広域の地図を表示させ、表示された地図の中から目的地を選ぶことなどができる。
【0069】
操作者が所望の地域に対応する地域番号を全桁とも覚えていない場合、または全桁とも覚えていても地域番号に対応する地域の周辺部までをも表示させたい場合には、最上位桁から途中の桁までの数字の入力によって、入力した数字の桁数に応じた縮尺の地図を表示させることができる。特に、カーナビゲーションシステムにおいて、目的地を設定する場合に、電話番号の一部を入力することで、比較的広域の地図を表示させ、表示された地図の中から目的地を選ぶことなどができる。
【0070】
(2)第1複数桁の地域番号のうちの最上位桁から第1複数桁以下である第2複数桁によって構成される数字を入力する入力手段であって、前記地域番号は、地図上の第3複数種類の地域に対応し、第1複数桁から成る第3複数種類の数字であり、その最上位桁から第1複数桁未満である第4複数桁によって構成される数字に対応する地域が、その最上位桁から第4複数桁の数字が共通であって、その数字よりも下位側の桁の数字が異なる全ての地域番号に対応する地域を含む入力手段と、入力手段に入力される第2複数桁の数字ごとにそれぞれ対応する地名をストアする地名メモリであって、前記第2複数桁の数字に対応する地名が、その第2複数桁の数字に対応する地域を含む地名である地名メモリと、入力手段からの出力に応答し、入力された第2複数桁の数字に対応する地名を地名メモリから読出す読出し手段と、読出し手段からの出力に応答し、読出された地名を表示する表示手段とを備えることを特徴とする表示装置。
【0071】
操作者が前述のような地域番号の一部を入力することによって、地名を表示させることができる。
【0072】
地名メモリには、入力される第2複数桁の数字にそれぞれ対応する地名がストアされている。入力される第2複数桁の数字には、それぞれ前述のような所定の地域が対応しており、ストアされた地名は、その地域に付された名称である。入力される数字の桁数が多いほど、すなわち第2複数が大きいほど、その数字に対応する地名はより細分化された地域に付されたものである。たとえば、地図上の所定の地域に対応する電話番号が「078−123−4567」である場合、最上位桁から第4複数桁によって構成される数字、たとえば2桁の「07」には、比較的広域の地名「兵庫県」が対応する。同じく3桁の数字「078」には「兵庫県」よりも細分化された地名「神戸市」が対応し、4桁の数字「078−6」には、さらに細分化された地名「中央区」が対応し、5桁の数字「078−67」には、またさらに細分化された地名「元町通」が対応する。
【0073】
操作者は地域番号のうちの最上位桁から第2複数桁によって構成される数字を入力する。第2複数桁の数字が入力されたら、入力手段の出力に応じて、読出し手段は入力された数字に対応する地名を地名メモリから読出す。読出し手段からの出力に応じて、表示手段は読み出された地名を表示する。
【0074】
操作者は入力手段において地域番号のうちの最上位桁から第2複数桁によって構成される数字を入力する。第2複数桁の数字が入力されたら、入力手段の出力に応答し、読出し手段は入力された第2複数桁の数字に対応する地名を地名メモリから読出す。地名が読出されたら、読出し手段の出力に応答し、表示手段は読出された地名を表示する。
【0075】
よって、操作者が所望の地域に対応する地域番号を全桁とも覚えていない場合、または表示させたい地名が操作者の覚えている地域番号に対応する地域の近くの地域に付された地名である場合には、最上位桁から途中の桁までの数字の入力によって、入力された数字の桁数に応じた地名を表示させることができる。特に、カーナビゲーションシステムにおいて、目的地を設定する場合に、電話番号の一部分を入力することで、比較的広い地域に付された地名を表示させ、表示された地名の地域に含まれるさらに細分化された地域に付された地名の一覧表の中から目的地を選ぶことなどができる。
【0076】
操作者が所望の地域に対応する地域番号を全桁とも覚えていない場合、または表示させたい地域が操作者の覚えている地域番号に対応する地域の近くである場合には、最上位桁から途中の桁までの数字の入力によって、入力した数字の桁数に応じた地名を表示させることができる。特に、カーナビゲーションシステムにおいて、目的地を設定する場合に、電話番号の一部を入力することで、比較的広い地域に付された地名を表示させ、表示された地名の地域に含まれるさらに細かい地域に付された地名の一覧表の中から目的地を選ぶことなどができる。
【0077】
(3)地図上の地域ごとに付された地名を入力する入力手段と、入力手段に入力される地名、およびその地名が付された地域ごとにそれぞれ対応する識別番号をストアしておく地名メモリであって、相互に異なる2地域間の距離が大きいほど、その2地域に対応する2個の識別番号の差も大きい地名メモリと、入力手段からの出力に応答して、地名メモリにストアされた地名の中から、入力された地名と同名の地名を検索する第1検索手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、現在位置検出手段からの出力に応答して、地名メモリにストアされた地名の中から、現在位置を含む地域に付された地名を検索する第2検索手段と、第1検索手段および第2検索手段からの出力に応答して、入力された地名と同名の地域にそれぞれ対応する識別番号、および現在位置を含む地域に対応する識別番号の差を算出する番号差算出手段と、番号差算出手段からの出力に応答して、算出された番号差同士を比較する比較手段と、識別番号ごとにそれぞれ対応する地図であって、その識別番号に対応する地域を含むこれよりも広い地域の地図を予めストアしておく地図メモリと、比較手段からの出力に応答して、最小の番号差を与えた識別番号に対応する地域の地図を地図メモリから読出す読出し手段と、読出し手段からの出力に応答して、読出された地図を表示する表示手段とを備えることを特徴とする表示装置。
【0078】
操作者が地名を入力することによって、地図を表示することができる。
ここでいう地名とは、都道府県名や市町村名などのたとえば「兵庫県」、「神戸市」、「中央区」、「元町通」それぞれのことである。このうち「兵庫県」などは全国に1個しか存在しない地名であるが、「中央区」などは「兵庫県神戸市」内に限らず、全国に幾つも存在する地名である。本発明の表示装置では、後者の「中央区」などの地名のように全国に幾つも存在する地名を入力する場合に、有効である。
【0079】
また識別番号は、相互に異なる2地域間の距離が大きいほど、その2地域に対応する2個の識別番号の差も大きい。たとえば兵庫県神戸市内の「灘区」で識別番号「1」、「中央区」で識別番号「2」、「垂水区」で識別番号「9」とする。実際の「灘区」と「中央区」との距離は、「垂水区」と「中央区」との距離に比べて大きく、それぞれに対応する識別番号の差は、「1」および「7」である。両者を比較すると「7」の方が大きいので、実際の各地域同士の遠近に合致する。
【0080】
操作者は入力手段において地名を入力する。地名が入力されたら、入力手段の出力に応答し、第1検索手段は入力された地名と同名の地名を地名メモリから検索する。一方、現在位置検出手段は現在位置を検出しており、この現在位置検出手段からの出力に応答し、第2検索手段は現在位置を含む地域に付された地名を地名メモリから検索する。なお、第2検出手段から出力される地名は、必ず1個であるが、第1検出手段から出力される地名は、前記の「中央区」の例でも明らかなように、1個とは限らない。
【0081】
現在位置に対応する識別番号をNpとし、第1検出手段から出力された地名に対応する識別番号をN1,N2,…とすると、番号差算出手段は識別番号Npと識別番号N1,N2,…それぞれとの差を算出する。続いて番号差算出手段からの出力に応答して、番号差比較手段は番号差(Np−N1),(Np−N2),…それぞれの大きさを比較する。次に、比較手段からの出力に応答して、読出し手段は、Npとの番号差のうちで最小値を与えた識別番号、たとえばN3とすると、識別番号N3に対応する地図を地図メモリから読出す。次に、読出し手段からの出力に応答して、表示手段は、読み出された地図を表示する。
【0082】
よって、地名を入力するだけで、入力された地名と同名の地名を検索し、検索された地名の中で現在位置に最も近い地域の地図を表示させることができる。よって、比較的細分化された地域の地図を表示させたい場合、または操作者が上位地名を覚えておらずに下位地名だけを覚えている場合でも、地名のうちで下位の地名を入力するだけで、それより上位の地名を入力する必要がない。たとえば、「兵庫県神戸市中央区」の地図を表示させたいときでも、操作者は「中央区」だけを入力すればよい。このように、操作者の入力作業が支援され、または入力作業が軽減され、操作性が向上される。
【0083】
地名を入力するだけで、入力された地名と同名の地名を検索し、検索された地名の中で現在位置に最も近い地域の地図を表示させることができる。よって、比較的細分化された地域の地図を表示させたい場合でも、地名のうちで下位の地名を入力するだけで、それより上位の地名を入力する必要がない。たとえば、「兵庫県神戸市中央区」の地図を表示させたいときでも、操作者は「中央区」だけを入力すればよい。このように、操作者の入力作業を軽減でき、操作性が向上される。
【0084】
(4)地図上で上位地名を付された複数の各地域ごとに、その地域をさらに細分化して構成される下位の地域にそれぞれ付された下位地名を入力する入力手段と、入力手段に入力される下位地名、その下位地名が付された地域を含む上位の地域に付された上位地名、および下位地名が付された地域ごとにそれぞれ対応する識別番号をストアしておく地名メモリであって、相互に異なる2地域間の距離が大きいほど、対応する2個の識別番号の差も大きい地名メモリと、入力手段からの出力に応答して、地名メモリにストアされた下位地名の中から、入力された下位地名と同名の下位地名を検索する第1検索手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、現在位置検出手段からの出力に応答して、地名メモリにストアされた下位地名の中から、現在位置を含む地域に付された下位地名を検索する第2検索手段と、第1検索手段および第2検索手段からの出力に応答して、入力された下位地名と同名の地域にそれぞれ対応する識別番号、および現在位置を含む地域に対応する識別番号の差を算出する番号差算出手段と、番号差算出手段からの出力に応答して、算出された番号差同士を比較する比較手段と、比較手段からの出力に応答して、最小の番号差を与えた識別番号に対応する地域に付された下位地名、およびその下位地名が付された地域を含む上位の地域に付された上位地名を地名メモリから読出す読出し手段と、読出し手段からの出力に応答して、読出された上位地名および下位地名を表示する表示手段とを備えることを特徴とする表示装置。
【0085】
操作者が下位地名を入力することによって、下位地名とその上位地名を表示することができる。
【0086】
ここでいう下位地名は、地図上の比較的細分化された地域に付された地名であり、上位地名は、複数の下位地名が付されたそれぞれの地域を含む比較的広い上位の地域に付された地名である。たとえば、「兵庫県神戸市中央区」においては、「神戸市」に含まれる「中央区」を下位地名とすると、「神戸市」はその「中央区」の上位地名である。また「兵庫県」に含まれる「神戸市」を下位地名とすると、「兵庫県」はその「神戸市」の上位地名である。さらに「兵庫県」は、「中央区」の上位地名でもある。このように各地名はツリー状の階層構造を有する。
【0087】
操作者は入力手段において下位地名を入力する。下位地名が入力されたら、入力手段の出力に応じて、第1検索手段は入力された下位地名と同名の下位地名を地名メモリから検索する。一方、現在位置検出手段は現在位置を検出しており、この現在位置検出手段からの出力に応答して、第2検索手段は現在位置を含む地域に付された下位地名を地名メモリから検索する。
【0088】
現在位置に対応する識別番号をNpとし、第1検出手段から出力された下位地名に対応する識別番号をN1,N2,…とすると、番号差算出手段は識別番号Npと識別番号N1,N2,…それぞれとの差を算出する。続いて番号差算出手段からの出力に応答して、番号差比較手段は番号差(Np−N1),(Np−N2),…それぞれの大きさを比較する。次に、比較手段からの出力に応答して、読出し手段は、Npとの番号差のうちで最小値を与えた識別番号、たとえばN3とすると、識別番号N3に対応する下位地名およびその上位地名を地名メモリから読出す。次に、読出し手段の出力に応答して、表示手段は、読出された下位地名および上位地名を表示する。
【0089】
下位地名を入力するだけで、入力された下位地名と同名の下位地名を検索し、検索された下位地名の中で現在位置に最も近い地域の下位地名および上位地名を表示させることができる。よって、比較的細分化された地域の地名を表示させたい場合、または操作者が上位地名を覚えておらずに下位地名だけを覚えている場合であっても、地名のうちで下位の地名を入力するだけで、それより上位の地名を入力する必要がない。このように、操作者の入力作業が支援され、または入力作業が軽減され、操作性が向上される。
【0090】
下位地名を入力するだけで、入力された下位地名と同名の下位地名を検索し、検索された下位地名の中で現在位置に最も近い地域の下位地名および上位地名を表示させることができる。よって、比較的細分化された地域の地名を表示させたいときであっても、地名のうちで下位の地名を入力するだけで、それより上位の地名を入力する必要がない。このように、操作者の入力作業を軽減でき、操作性が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の第1実施形態である表示装置10の電気的な構成を示すブロック図である。
【図2】図1の入力部11の一部を示す斜視図である。
【図3】図1の表示部12の地図画面41を示す図である。
【図4】図1の表示部12の目的地を設定する設定画面46を示す図である。
【図5】電話番号の入力画面を段階的に示す図である。
【図6】番号変換メモリ13にストアされたテーブルを示す図である。
【図7】地図メモリ14から読出されて表示部12に表示される地図34である。
【図8】地図メモリ14から読出されて表示部12に表示される地図35である。
【図9】地図メモリ14から読出されて表示部12に表示される地図36である。
【図10】地図メモリ14から読出されて表示部12に表示される地図37である。
【図11】地図メモリ14にストアされている仮想的な地図31である。
【図12】地図メモリ14にストアされている仮想的な地図32である。
【図13】地図メモリ14にストアされている仮想的な地図33である。
【図14】表示装置10による処理を段階的に示すフローチャートである。
【図15】本発明の第2実施形態である表示装置20の電気的な構成を示すブロック図である。
【図16】地名メモリ25にストアされたデータを示す図である。
【図17】同名の地名を含む地名の検索結果を示す図である。
【図18】表示装置20による処理の流れを段階的に示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0092】
10,20 表示装置
11,21 入力部
12,22 表示部
13,23 番号変換メモリ
14,24 地図メモリ
15,25 地名メモリ
16,26 制御部
27 GPS受信機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図上の地域毎に付された地名を入力する入力手段と、
入力手段に入力される地名、およびその地名が付された地域毎にそれぞれ対応する識別番号をストアしておく地名メモリであって、相互に異なる2地域間の距離が大きいほど、その2地域に対応する2個の識別番号の差も大きい地名メモリと、
入力手段からの出力に応答して、地名メモリにストアされた地名の中から、入力された地名と同名の地名を検索する第1検索手段と、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、
現在位置検出手段からの出力に応答して、地名メモリにストアされた地名の中から、現在位置を含む地域に付された地名を検索する第2検索手段と、
第1検索手段および第2検索手段からの出力に応答して、入力された地名と同名の地域にそれぞれ対応する識別番号、および現在位置を含む地域に対応する識別番号の差を算出する番号差算出手段と、
番号差算出手段からの出力に応答して、算出された番号差同士を比較する比較手段と、
識別番号毎にそれぞれ対応する地図であって、その識別番号に対応する地域を含むこれよりも広い地域の地図を予めストアしておく地図メモリと、
比較手段からの出力に応答して、最小の番号差を与えた識別番号に対応する地域の地図を地図メモリから読出す読出し手段と、
読出し手段からの出力に応答して、読出された地図を表示する表示手段とを備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
地図上で上位地名を付された複数の各地域毎に、その地域をさらに細分化して構成される下位の地域にそれぞれ付された下位地名を入力する入力手段と、
入力手段に入力される下位地名、その下位地名が付された地域を含む上位の地域に付された上位地名、および下位地名が付された地域毎にそれぞれ対応する識別番号をストアしておく地名メモリであって、相互に異なる2地域間の距離が大きいほど、対応する2個の識別番号の差も大きい地名メモリと、
入力手段からの出力に応答して、地名メモリにストアされた下位地名の中から、入力された下位地名と同名の下位地名を検索する第1検索手段と、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、
現在位置検出手段からの出力に応答して、地名メモリにストアされた下位地名の中から、現在位置を含む地域に付された下位地名を検索する第2検索手段と、
第1検索手段および第2検索手段からの出力に応答して、入力された下位地名と同名の地域にそれぞれ対応する識別番号、および現在位置を含む地域に対応する識別番号の差を算出する番号差算出手段と、
番号差算出手段からの出力に応答して、算出された番号差同士を比較する比較手段と、
比較手段からの出力に応答して、最小の番号差を与えた識別番号に対応する地域に付された下位地名、およびその下位地名が付された地域を含む上位の地域に付された上位地名を地名メモリから読出す読出し手段と、
読出し手段からの出力に応答して、読出された上位地名および下位地名を表示する表示手段とを備えることを特徴とする表示装置。
【請求項1】
地図上の地域毎に付された地名を入力する入力手段と、
入力手段に入力される地名、およびその地名が付された地域毎にそれぞれ対応する識別番号をストアしておく地名メモリであって、相互に異なる2地域間の距離が大きいほど、その2地域に対応する2個の識別番号の差も大きい地名メモリと、
入力手段からの出力に応答して、地名メモリにストアされた地名の中から、入力された地名と同名の地名を検索する第1検索手段と、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、
現在位置検出手段からの出力に応答して、地名メモリにストアされた地名の中から、現在位置を含む地域に付された地名を検索する第2検索手段と、
第1検索手段および第2検索手段からの出力に応答して、入力された地名と同名の地域にそれぞれ対応する識別番号、および現在位置を含む地域に対応する識別番号の差を算出する番号差算出手段と、
番号差算出手段からの出力に応答して、算出された番号差同士を比較する比較手段と、
識別番号毎にそれぞれ対応する地図であって、その識別番号に対応する地域を含むこれよりも広い地域の地図を予めストアしておく地図メモリと、
比較手段からの出力に応答して、最小の番号差を与えた識別番号に対応する地域の地図を地図メモリから読出す読出し手段と、
読出し手段からの出力に応答して、読出された地図を表示する表示手段とを備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
地図上で上位地名を付された複数の各地域毎に、その地域をさらに細分化して構成される下位の地域にそれぞれ付された下位地名を入力する入力手段と、
入力手段に入力される下位地名、その下位地名が付された地域を含む上位の地域に付された上位地名、および下位地名が付された地域毎にそれぞれ対応する識別番号をストアしておく地名メモリであって、相互に異なる2地域間の距離が大きいほど、対応する2個の識別番号の差も大きい地名メモリと、
入力手段からの出力に応答して、地名メモリにストアされた下位地名の中から、入力された下位地名と同名の下位地名を検索する第1検索手段と、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、
現在位置検出手段からの出力に応答して、地名メモリにストアされた下位地名の中から、現在位置を含む地域に付された下位地名を検索する第2検索手段と、
第1検索手段および第2検索手段からの出力に応答して、入力された下位地名と同名の地域にそれぞれ対応する識別番号、および現在位置を含む地域に対応する識別番号の差を算出する番号差算出手段と、
番号差算出手段からの出力に応答して、算出された番号差同士を比較する比較手段と、
比較手段からの出力に応答して、最小の番号差を与えた識別番号に対応する地域に付された下位地名、およびその下位地名が付された地域を含む上位の地域に付された上位地名を地名メモリから読出す読出し手段と、
読出し手段からの出力に応答して、読出された上位地名および下位地名を表示する表示手段とを備えることを特徴とする表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−122074(P2007−122074A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−333848(P2006−333848)
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【分割の表示】特願平9−294569の分割
【原出願日】平成9年10月27日(1997.10.27)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【分割の表示】特願平9−294569の分割
【原出願日】平成9年10月27日(1997.10.27)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]