表示装置
【課題】TFT液晶ディスプレイに代表されるホールド型表示装置において、動画像を表示した際の動画ぼやけを改善する。
【解決手段】1フレームを暗フィールドと明フィールドに分割し、暗フィールドにおいて、可能な限り黒表示に近づけた暗輝度階調電圧を生成し、明フィールドにおいて、暗フィールドによって低減した輝度を補償する明輝度階調電圧を生成する。その際に、暗輝度階調電圧又は明輝度階調電圧における低階調電圧(V0P〜V20P)又は高階調電圧(V43P〜V63P)を同一電位とする。
【解決手段】1フレームを暗フィールドと明フィールドに分割し、暗フィールドにおいて、可能な限り黒表示に近づけた暗輝度階調電圧を生成し、明フィールドにおいて、暗フィールドによって低減した輝度を補償する明輝度階調電圧を生成する。その際に、暗輝度階調電圧又は明輝度階調電圧における低階調電圧(V0P〜V20P)又は高階調電圧(V43P〜V63P)を同一電位とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、TFT液晶ディスプレイに代表されるホールド型表示装置に係わり、動画像を表示した際の画質の向上を実現する表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
TFT液晶ディスプレイなどのアクティブマトリクス型表示装置は、薄型、高精細、低消費電力といった特徴から携帯電話機や携帯情報端末などのモバイル機器における表示装置として広く利用されている。特に、携帯電話機では高機能化が進み、ワンセグメント放送や、録画した動画の再生、ゲームを含むアプリケーションなどで動画像を使用する場面が増加した。しかし、TFT液晶は、1フレーム期間に同じ映像を表示し続けるホールド型駆動であり、動画像を表示すると、映像が網膜に残像として残り、表示映像の輪郭がぼやけて見える現象(以下「動画ぼやけ」という。)が発生する。
【0003】
このようなホールド型表示装置にて発生する画質劣化の対策として、下記特許文献1には、1フレーム期間に、黒表示を行う期間を挿入することによって、網膜残像をキャンセルし、動画ぼやけを改善する方式が提案されている。しかし、こうした黒挿入によって、擬似的にCRT(陰極線管)に代表されるようなインパルス型駆動とする方式は、表示映像の最大輝度やコントラストの低下を招く。
【0004】
一方で、下記特許文献2には、1フレームをいくつかのサブフレームに分割し、黒挿入によって低下する輝度を他のサブフレームにて補償することで、擬似インパルス型駆動ではあるが、1フレーム期間でみた場合に、輝度やコントラストの低下が発生しない方式が提案されている。この方式では、システムに入力された1フレームデータから、擬似インパルス型駆動用の低輝度サブフレームデータと輝度補償用の高輝度サブフレームデータを作成する必要があるが、この際のデータ変換処理に、ルックアップテーブル(以下「LUT」という。)を使用している。以下、この方式を「LUT方式」という。このようなLUT方式の実現には、変換処理後のデータを格納しておくLUTとして、容量の大きな記憶装置が必要となるが、LSIなどのハードウェアに実装した際の回路面積が増加するため、コストの増大につながるだけでなく、回路面積に対する制約が厳しいモバイル機器向けに適用することが困難である。
【特許文献1】特開2000−122596号公報
【特許文献2】特開2005−173387号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなLUT方式で、ホールド型表示装置の動画ぼやけを改善するために、擬似インパルス型駆動を行うと、1フレームを複数のサブフレームに時分割する際に、階調数に応じたLUT、例えば、階調数が256階調で階調データが8ビットであれば『256階調×8ビット×2サブフレーム=4096ビット』サイズのLUTが必要となりコストの増大が懸念される。
【0006】
また、LUT方式ではなく、階調電圧生成回路に少なくとも2種類の階調電圧を設定できるようにし、1フレームを複数のフィールドに時分割し、フィールド毎に少なくとも2種類の階調電圧を切り替えて、表示装置に出力する現行方式がある。しかし、この現行方式での階調電圧生成回路は、例えば、基準電圧を抵抗分圧することで、階調電圧を生成するため、抵抗分圧でドロップする電圧をVdとした場合、例えば、V1の階調電圧はV1=V0−Vdの関係となり、その他の階調電圧(V2〜V63)においても同様な関係となる。したがって、各階調電圧(V1〜V63)は全て異なり、いずれかの階調電圧(V1〜V63)を同じにすることができない。
【0007】
図11(a)(b)は、LUT使用時と、LUT未使用時で、擬似インパルス型駆動を行ったときの、階調番号−階調電圧特性である。なお、図11(a)は正極時、図11(b)は負極時の階調番号−階調電圧特性を示している。さらに、図11(a)(b)において、対向電極印加電圧は、正極時が0V、負極時は4Vとした場合、正極時は階調電圧を高くすることで液晶パネルの輝度は高くなり、負極時は階調電圧を高くすることで液晶パネルの輝度は低くなる。
【0008】
図11(a)に示すLUT使用時での階調番号−階調電圧特性は、暗フィールド時には低電位の階調電圧が暫く続くのに対し、LUT未使用の階調電圧生成回路による擬似インパルス型駆動を行う現行方式では、階調電圧は階調番号が上がるにつれて電圧も高くなるが、液晶パネルの輝度は、LUT方式に比べ高くなる。
【0009】
図11(b)においても、図11(a)と同様に、現行方式はLUT方式と比べて液晶パネルの輝度が低くなってしまう。そのため、現行方式はLUT方式程度の動画ぼやけの改善効果は得られなくなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、階調電圧生成回路に少なくとも2種類の階調電圧を設定できるようにし、1フレームを少なくとも2つのフィールドに分割し、フィールド毎に少なくとも2種類の階調電圧を切り替えて表示装置に出力することで、外部システムから要求された階調を擬似的に表示する。
【0011】
ここで、2種類の階調電圧は、可能な限り黒表示に近づけた暗輝度表示フィールド(以下「暗フィールド」という。)となる階調電圧と、暗フィールドによって低減した輝度を高階調表示によって補償する明輝度表示フィールド(以下「明フィールド」という。)となる階調電圧である。この2種類の階調電圧を表示装置に出力する。
【0012】
本発明は、擬似インパルス型駆動時に、階調電圧生成回路にて階調電圧を生成する場合、階調間の抵抗を任意にパスして、抵抗分圧しないことで、同一電圧の階調電圧を生成することによって、LUT方式と同様の輝度特性を得ることができるため、演算用のパラメータを格納するために必要なレジスタ以外には、容量の大きなLUTが不要となることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上、本発明によれば、輝度やコントラストの低下が発生することなく、ホールド型表示装置の動画表示性能を向上させる擬似インパルス型駆動を、LUTを使用しない駆動方式を用いて、低コストの表示装置を実現可能となる。
【0014】
また、本発明は、ホールド型表示装置に対して表示装置のサイズを問わず利用可能であるが、特に、コストや回路面積の制約が厳しい携帯電話機及び携帯情報端末などの表示装置に最適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を用いて、本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0016】
本発明の実施例1によるホールド型表示装置の動画ぼやけを改善する駆動方式について説明する。図1に、本実施例に係る液晶表示装置の構成図を示す。なお、ホールド型表示装置の例として液晶表示装置を挙げるが、他のホールド型駆動の表示装置にも適応可能である。また、本実施例においては、64階調制御を行うものとする。したがって、入力する表示データの情報量はカラー1画素当たり18(6×3)ビットとする。
【0017】
図1において、100はCPU、101は信号線駆動回路、102はシステムインタフェース、103は制御レジスタ、104はタイミングコントローラ、105はγ調整用レジスタ、108は階調電圧生成回路、114はメモリ制御回路、115は表示RAM、116はラッチ回路、117は出力制御回路、118は走査線駆動回路、119は液晶パネルである。
【0018】
ここで、信号線駆動回路101は、いわゆる表示メモリ内蔵型のコントローラ・ドライバであり、本発明の実現手段を含む。以下、信号線駆動回路101の内部ブロックの構成と動作について説明する。
【0019】
システムインタフェース102は、外部システムであるCPU100が出力する表示データ及びインストラクションを受け、制御レジスタ103へ出力する動作を行う。ここで、インストラクションとは、信号線駆動回路101の内部動作を決定するための情報であり、フレーム周波数、駆動ライン数、駆動電圧等の各種パラメータを含む。
【0020】
制御レジスタ103は、インストラクションのデータを格納し、これを各ブロックへ出力するブロックである。例えば、フレーム周波数、駆動ライン数、データ電圧切り換えタイミングに関するインストラクションは、タイミングコントローラ104へ出力され、階調電圧の電位に関するインストラクションはγ調整用レジスタ105へ出力される。なお、表示データも一旦制御レジスタ103に格納され、表示位置を指示するインストラクションとともに、メモリ制御回路114へ出力される。
【0021】
メモリ制御回路114は、表示RAM115のライト及びリード動作を行うブロックである。まず、ライト動作時には、制御レジスタ103から転送される表示位置のインストラクションに基づき、表示RAM115のアドレスを選択する信号を出力する。これと同時に表示データを表示RAM115へ転送する。この動作により、表示RAM115の所定のアドレスに表示データをライトすることができる。一方、リード動作時には、表示RAM115における所定のワード線群を1本ずつ順次に選択する動作を繰り返す。この動作により、選択されたワード線上の表示データを、ビット線を介して一斉にリードすることができる。なお、リードするワード線の範囲、1回の選択期間(1走査期間と等価)、選択動作の繰り返し周期(1フレーム期間と等価)等の設定は、インストラクションにて指示されるものとする。
【0022】
表示RAM115は、液晶パネル119の走査線と信号線に相当するワード線とビット線を有し、表示データのライト動作及びリード動作を行う。なお、リードされた表示データは、ラッチ回路116で一旦保持された後、出力制御部117へ出力される。
【0023】
タイミングコントローラ104は、内蔵の発振器が生成する基準クロックに基づき、1走査期間や1フレーム期間等を指示する信号群を自己生成して出力する。
【0024】
γ調整用レジスタ105は、正極用レジスタ106と負極用レジスタ107にて構成される。制御レジスタ103から入力されたインストラクションを正極用レジスタ106及び負極用レジスタ107に保持し、階調電圧生成回路108へ出力する。
【0025】
階調電圧生成回路108は、基準ラダー回路としての正極用ラダー回路109及び負極用ラダー回路110、選択回路111、バッファ回路112、階調電圧用ラダー回路113にて構成される。まず、γ調整用レジスタ105から入力されたγ調整用信号に基づき、正極用ラダー回路109及び負極用ラダー回路110にて、基準高電圧と基準低電圧との差電圧を抵抗分圧し、12レベルの基準電圧(以下「リファレンス電圧」という。)を生成して、選択回路111へ出力する。
【0026】
選択回路111は、交流化信号に基づき正極用ラダー回路109及び負極用ラダー回路110で生成したリファレンス電圧の一方を選択し、バッファ回路112に出力する。バッファ回路112は入力されたリファレンス電圧をボルテージフォロア回路によりバッファリングし、階調電圧用ラダー回路113へ出力する。
【0027】
階調電圧用ラダー回路113は、入力された12レベルのリファレンス電圧を基に抵抗分圧し、64レベルの階調電圧を生成し、出力制御回路117へ出力する。
【0028】
出力制御回路117は、ラッチ回路116から入力された表示データを基に、階調電圧生成回路108から入力された64レベルの階調電圧のうち1レベルを選択し、液晶パネル119の信号線121へ出力する。
【0029】
走査線駆動回路118は、液晶パネル119の走査線120に対し、1走査期間に同期して選択状態を示す走査電圧(本実施例では“ハイ”レベル)を線順次に出力するためのブロックである。ここで、先頭の走査線に“ハイ”レベルを出力するタイミングは、表示RAM115における先頭のワード線をリードするタイミングに同期している。
【0030】
液晶パネル119は、信号線121と走査線120の交点に位置する各画素部にスイッチング用トランジスタ122が配置された、いわゆるアクティブマトリクス型と呼ばれるフラットパネルである。トランジスタ122のソース端子は、信号線121を介して出力制御回路117の出力に接続され、ゲート端子は、走査線120を介して走査線駆動回路118の出力に接続される。また、トランジスタ122のドレイン端子は、表示素子123に接続される。なお、表示素子123の対向側は、コモン電極が接続され、コモン電極へはVcom電圧が出力される。したがって、選択状態にある走査線120においては、階調電圧とVcom電圧との電圧差が表示素子123への印加電圧となる。
【0031】
また、本実施例では、正極時のVcom電位は0V、負極時のVcom電位を4Vとしているため、正極時は、階調電圧を高くすることで輝度が高く(階調電圧を低くすることで輝度が小さく)なり、負極時は、階調電圧を低くすることで輝度が高く(階調電圧を高くすることで輝度が小さく)なる。なお、表示素子123の種類は、液晶や有機EL等が代表的であるが、電圧によって表示輝度が制御可能であれば、その他の素子を用いてもよい。
【0032】
次に、タイミングコントローラ104の内部ブロック構成及び動作に関し、図2(a)を用いて説明する。図2(a)において、200はレジスタ、201は内部クロック生成回路、202はクロックカウンタ、203は水平同期信号生成回路、204は交流化信号生成回路、205はラインカウンタ、206は垂直同期信号生成回路、207はγ設定値切替信号生成回路、208は奇偶フレーム信号生成回路である。
【0033】
図1に示す制御レジスタ103から入力された1走査期間、1フレーム期間、1フィールド期間などをレジスタ200に保持し、クロックカウンタ202及びラインカウンタ205に出力する。
【0034】
内部クロック生成回路201は、基準動作クロックCLKを生成し各回路へ出力する。各回路は、内部クロック生成回路201にて生成された基準クロックCLKを基に動作する。
【0035】
クロックカウンタ202は、レジスタ200から入力された1走査期間のCLK値まで基準クロックをカウントし、クロックカウント値を水平同期信号生成回路203に出力する。なお、クロックカウンタ202のクロックカウント値は、1走査期間のCLK値を超える、若しくは、入力された水平同期信号Vsync(本実施例では“ロー”アクティブ)の立下りエッジにてクリア(カウント値=“0”)となる。
【0036】
水平同期信号生成回路203は、クロックカウンタ202から入力されたクロックカウント値を基に水平同期信号CL1を生成し出力する。なお、水平同期信号CL1は、クロックカウント値が“0”のとき立ち上がり(本実施例では“ハイ”アクティブ)、レジスタ200から入力された水平同期信号のアクティブ期間まで“ハイ”出力するものとする。
【0037】
ラインカウンタ205は、水平同期信号CL1の立ち上がりに同期して、レジスタ200から入力された1フィールド期間のライン数までカウントし、ラインカウント値を垂直同期信号生成回路206に出力する。なお、ラインカウンタ205のラインカウント値は、1フィールド期間のライン数を超える、若しくは、入力された水平同期信号Vsyncの立下りエッジにてクリア(カウント値=“0”)となる。
【0038】
垂直同期信号生成回路206は、ラインカウンタ205から入力されたカウント値を基に垂直同期信号FLMを生成し出力する。なお、垂直同期信号FLMは、ラインカウント値が“0”のとき立ち上がり(本実施例では“ハイ”アクティブ)、レジスタ200から入力された垂直同期信号のアクティブ期間まで“ハイ”出力するものとする。
【0039】
交流化信号生成回路204は、レジスタ200から入力された交流化信号(本実施例ではフレーム交流駆動時“0”、ライン交流駆動時“1”)により、交流化信号Mを生成し出力する。
【0040】
γ設定値切替信号生成回路207は、垂直同期信号FLMを基に、γ設定値切替信号を生成する。奇偶フレーム信号生成回路208は、入力されたVsyncを基に、奇偶フレーム信号を生成し出力する。
【0041】
次に、タイミングコントローラ104にて生成された信号群の動作タイミングに関し、図2(b)を用いて説明する。擬似インパルス型駆動を行う場合、入力されたVsyncの1フレーム期間中に垂直同期信号FLMを2度アクティブ(1フレーム期間を2つのサブフィールドに分割)させる。これにより、1フレーム期間に2フィールドのフィールド期間を設けることが可能となる。なお、擬似インパルス型駆動を行わない場合は、入力されたVsyncと同様の波形となる。
【0042】
水平同期信号CL1は、レジスタ200に設定されたライン数だけアクティブにする。なお、本実施例においては、1フレームを2つのフィールドに分割するため、擬似インパルス型駆動を行ったときの1走査期間は、擬似インパルス型駆動を行わない場合の1走査期間と比較し半分の時間となる。
【0043】
交流化信号Mは、レジスタ200にて設定された交流化方法に応じて“ハイ”“ロー”を繰り返し出力する。本実施例ではライン交流駆動を設定としているため、1走査期間にて“ハイ”もしくは“ロー”を出力することとなる。
【0044】
γ設定値切替信号は、垂直同期信号FLMに応じて、1フィールド期間“ハイ”若しくは“ロー”を繰り返し出力する。
【0045】
奇偶フレーム信号は、入力されたVsyncに応じて、1フレーム期間“ハイ”若しくは“ロー”を繰り返し出力する。
【0046】
なお、表示RAM115にて保持している表示データは、擬似インパルス型駆動を行う場合は、1フィールド期間にて1フレーム分の表示データをリードし、さらに、奇偶フレーム信号の“ハイ”出力時に奇数フレームの表示データ、奇偶フレーム信号の“ロー”出力時に偶数フレームの表示データを出力する。本実施例では、奇偶フレーム信号が“ハイ”出力時に奇数、“ロー”出力時に偶数を示す。なお、擬似インパルス型駆動を行わない場合は、1フレーム期間にて1フレーム分の表示データをリードし出力する。
【0047】
次に、図1に示す正極用レジスタ106の内部ブロックの構成に関し、図3(a)を用いて説明する。なお、負極用レジスタ107の回路構成及び動作は、正極用レジスタ106と同様である。
【0048】
図3(a)において、300はノーマルγレジスタ、301は明フィールドレジスタ、302は暗フィールドレジスタ、303は振幅レジスタ、304と306と308は傾きレジスタ、305と307と309は微調整レジスタ、310と311は選択回路である。
【0049】
ノーマルγレジスタ300は、擬似インパルス型駆動を使用しない場合のγレジスタ値を保持するレジスタであり、明フィールドγレジスタ301は、擬似インパルス型駆動時の明フィールド用のγレジスタ値を保持するレジスタであり、暗フィールドγレジスタ302は、擬似インパルス型駆動時の暗フィールド用のγレジスタ値を保持するレジスタである。
【0050】
図1に示す制御レジスタ103から入力されるγレジスタ値は、振幅レジスタ値・傾きレジスタ値・微調整レジスタ値に分類され、これらのレジスタ値を階調電圧生成回路108に出力することで、階調電圧生成回路108内の正極用ラダー回路109及び負極用ラダー回路110内の可変抵抗を調整することで、階調電圧の電位を設定することができる。
【0051】
なお、振幅レジスタ値は、階調電圧の振幅を調整する設定値であり、傾き調整レジスタ値は、ダイナミックレンジを大きく変えることなく階調番号−階調電圧特性の中央付近の傾きを調整するための設定値であり、微調整レジスタ値は、階調電圧レベルを微調整するための設定値である。
【0052】
これらの振幅調整レジスタ値、傾きレジスタ値及び微調整レジスタ値は、ノーマルγレジスタ300、明フィールドγレジスタ301及び暗フィールドγレジスタ302内の振幅レジスタ303に、傾きレジスタ304と306と308に、微調整レジスタ305と307と309に、それぞれ保持される。
【0053】
なお、擬似インパルス型駆動の使用・未使用に関わらず、振幅レジスタ値は同値(階調電圧の振幅は一定)のため、振幅レジスタ値は、ノーマルγレジスタ300の振幅レジスタ303にのみ保持され、擬似インパルス型駆動使用時においても振幅レジスタ303に保持した振幅レジスタ値を階調電圧生成回路108に出力することで、回路規模の増加を抑えている。
【0054】
選択回路310は、制御レジスタ103から入力されたFBIオンレジスタデータ(本実施例で“ハイ”時に擬似インパルス型駆動使用、“ロー”時に擬似インパルス型駆動未使用を示す)が“ロー”の場合、ノーマルγレジスタ300の傾きレジスタ304に保持した傾きレジスタ値を選択し、階調電圧生成回路108に出力する。また、FBIオンレジスタデータが“ハイ”さらにγ設定値切替信号(本実施例では、“ハイ”レベル時は明フィールド、“ロー”レベル時は暗フィールドを示す。)が“ハイ”レベル時は明フィールドγレジスタ301の傾きレジスタ306に保持した傾きレジスタ値を選択、FBIオンレジスタデータが“ハイ”さらにγ設定値切替信号が“ロー”レベル時は暗フィールドγレジスタ302の傾きレジスタ308に保持した傾きレジスタ値を選択し、階調電圧生成回路108に出力する。
【0055】
選択回路311は、制御レジスタ103から入力されたFBIオンレジスタデータが“ロー”の場合、ノーマルγレジスタ300の微調整レジスタ305に保持した微調整レジスタ値を選択し、階調電圧生成回路108に出力する。また、FBIオンレジスタデータが“ハイ”、さらに、γ設定値切替信号が“ハイ”レベル時は、明フィールドγレジスタ301の微調整レジスタ307に保持した微調整レジスタ値を選択、FBIオンレジスタデータが“ハイ”、さらに、γ設定値切替信号が“ロー”レベル時は暗フィールドγレジスタ302の微調整レジスタ309に保持した微調整レジスタ値を選択し、階調電圧生成回路108に出力する。
【0056】
次に、ノーマルγレジスタ300内の各レジスタの内部構成について、図3(b)を用いて説明する。振幅レジスタ303は、VRP0〜1の2個のレジスタにて構成され、この2個のレジスタVRP0〜1に保持されるレジスタ値により、階調電圧の振幅値を調整する。傾きレジスタ304は、SRP0〜1の2個のレジスタにて構成され、この2個のレジスタSRP0〜1に保持されるレジスタ値により、階調番号−階調電圧特性の中央付近の傾きを調整する。微調整レジスタ305は、PRP0〜9の10個のレジスタにて構成され、この10個のレジスタPRP0〜9に保持されるレジスタ値により、階調電圧レベルを微調整する。なお、明フィールドγレジスタ301及び暗フィールドγレジスタ302内の内部構成は、傾きレジスタ304及び微調整レジスタ305の内部構成と同様である。
【0057】
次に、正極用ラダー回路109の内部ブロックの構成に関し、図4を用いて説明する。図4において、400〜409はスイッチ(以下「SW」という。)、410〜421は固定抵抗、422〜435は可変抵抗である。可変抵抗422及び可変抵抗435は、γ調整用レジスタ105から入力される振幅レジスタ値に応じて抵抗値を設定する。可変抵抗428及び可変抵抗429は、γ調整用レジスタ105から入力される傾きレジスタ値に応じて抵抗値を設定する。可変抵抗423〜427及び可変抵抗430〜434は、γ調整用レジスタ105から入力される微調整レジスタ値に応じて抵抗値を設定する。
【0058】
なお、可変抵抗422〜435の抵抗の最小値は、抵抗分圧にて階調間の電位差を生じない程度の抵抗値(理想0Ω)とする。また、SW400〜409が“オン”の場合、SW400〜409のオン抵抗は固定抵抗410〜420に対し十分に小さく、SW400〜409が“オフ”の場合、SW400〜409のオフ抵抗は、固定抵抗410〜420に対し十分に大きいものである。
【0059】
FBIオンレジスタデータが“ロー”(擬似インパルス型駆動未使用時)の場合、SW400〜409はオフとなり、固定抵抗410〜414及び固定抵抗416〜420に電流が流れることで、各固定抵抗の抵抗値及び各可変抵抗の抵抗値によって分圧され、12レベルのリファレンス電圧V0P/V1P/V2P/V4P/V8P/V20P/V43P/V55P/V59P/V61P/V62P/V63Pを生成する。
【0060】
なお、V0Pは階調番号0の正極時の電位、V1Pは階調番号1の正極時の電位、V2Pは階調番号2の正極時の電位、V4Pは階調番号4の正極時の電位、V8Pは階調番号8の正極時の電位、V20Pは階調番号20の正極時の電位、V43Pは階調番号43の正極時の電位、V55Pは階調番号55の正極時の電位、V59Pは階調番号59の正極時の電位、V61Pは階調番号61の正極時の電位、V62Pは階調番号62の正極時の電位、V63Pは階調番号63の正極時の電位である。
【0061】
これら12レベルのリファレンス電圧をバッファ回路112にてバッファリングしたのちに階調電圧用ラダー回路113へ出力し、階調電圧用ラダー回路113は、12レベルのリファレンス電圧を基に抵抗分圧し、64階調表示時の場合は、残りの階調番号3、階調番号5〜7、階調番号9〜19、階調番号21〜42、階調番号44〜54、階調番号56〜58及び階調番号60の階調電圧を生成する。このときの階調番号−階調電圧特性は、図6(a)に示すようになる。
【0062】
FBIオンレジスタデータが“ハイ”(擬似インパルス型駆動使用時)及びγ設定値切替信号が“ロー”(暗フィールド時)の場合、SW400〜404は“オン”となるため固定抵抗410〜414には電流は流れず、SW400〜404に電流が流れ、SW405〜409は“オフ”となるため、固定抵抗416〜420に電流が流れる。このとき、暗フィールγレジスタ302の微調整レジスタPRP0〜4のレジスタ値が、可変抵抗423〜427の抵抗値を最小値設定とした場合、抵抗分圧されないからリファレンス電圧V0P〜V20Pの電位は、基準高電圧源(図示せず。)からの高電圧VDHが出力されて同一電位となる。なお、V43P〜V63Pは、固定抵抗416〜420に電流が流れるから抵抗分圧されるため、同一電位にはならない。
【0063】
FBIオンレジスタデータが“ハイ”(擬似インパルス型駆動使用時)及びγ設定値切替信号が“ハイ”(明フィールド時)の場合、SW400〜404は“オフ”となるため固定抵抗410〜414に電流が流れ、SW405〜409は“オン”となるため、SW405〜409に電流が流れ、固定抵抗416〜420には電流が流れない。このとき、明フィールドγレジスタ301の微調整レジスタPRP5〜9のレジスタ値が、可変抵抗430〜434の抵抗値を最小値設定とした場合、抵抗分圧されないからリファレンス電圧V43P〜V63Pの電位は、基準低電圧源(図示せず。)からの低電圧GNDが出力されて同一電位となる。なお、V0P〜V20Pは、固定抵抗410〜414に電流が流れるから抵抗分圧されるため、同一電位にはならない。
【0064】
以上の動作により、図6(b)に示す階調番号−階調電圧特性のように、明フィールドではV43〜V63、暗フィールドではV0〜V20の階調において、同一電圧を出力することが可能となる。
【0065】
次に、負極用ラダー回路110の内部ブロックの構成に関し、図5を用いて説明する。図5において、500〜509はSW、510〜521は固定抵抗、522〜535は可変抵抗である。なお、固定抵抗510〜521及び可変抵抗522〜535の抵抗値は、正極用ラダー回路109の固定抵抗410〜421及び可変抵抗422〜435の抵抗値と同値である。
【0066】
可変抵抗522及び可変抵抗535は、γ調整用レジスタ105から入力される振幅レジスタ値に応じて抵抗値を設定する。可変抵抗528及び可変抵抗529は、γ調整用レジスタ105から入力される傾きレジスタ値に応じて抵抗値を設定する。可変抵抗523〜527及び可変抵抗530〜534は、γ調整用レジスタ105から入力される微調整レジスタ値に応じて抵抗値を設定する。
【0067】
なお、可変抵抗522〜535の抵抗の最小値は、抵抗分圧にて階調間の電位差を生じない程度の抵抗値(理想0Ω)とする。また、SW500〜509が“オン”の場合、SW500〜509のオン抵抗は、固定抵抗510〜520に対し十分に小さく、SW500〜509が“オフ”の場合、SW500〜509のオフ抵抗は、固定抵抗510〜520に対し十分に大きいものである。
【0068】
FBIオンレジスタデータが“ロー”(擬似インパルス型駆動未使用時)の場合、SW500〜509はオフとなり、固定抵抗510〜514及び固定抵抗516〜520に電流が流れることで、各固定抵抗の抵抗値及び各可変抵抗の抵抗値によって分圧され、12レベルのリファレンス電圧V0N/V1N/V2N/V4N/V8N/V20N/V43N/V55N/V59N/V61N/V62N/V63Nを生成する。
【0069】
なお、V0Nは階調番号0の負極時の電位、V1Nは階調番号1の負極時の電位、V2Nは階調番号2の負極時の電位、V4Nは階調番号4の負極時の電位、V8Nは階調番号8の負極時の電位、V20Nは階調番号20の負極時の電位、V43Nは階調番号43の負極時の電位、V55Nは階調番号55の負極時の電位、V59Nは階調番号59の負極時の電位、V61Nは階調番号61の負極時の電位、V62Nは階調番号62の負極時の電位、V63Nは階調番号63の負極時の電位である。
【0070】
これら12レベルのリファレンス電圧をバッファ回路112にてバッファリングしたのちに階調電圧用ラダー回路113へ出力し、階調電圧用ラダー回路113は、12レベルのリファレンス電圧を基に抵抗分圧し、64階調表示時の場合は残りの階調番号3、階調番号5〜7、階調番号9〜19、階調番号21〜42、階調番号44〜54、階調番号56〜58及び階調番号60の階調電圧を生成する。このときの階調番号−階調電圧特性を図6(c)に示す。
【0071】
FBIオンレジスタデータが“ハイ”(擬似インパルス型駆動使用時)及びγ設定値切替信号が“ハイ”(明フィールド時)の場合、SW500〜504は“オン”となるため固定抵抗510〜514には電流は流れず、SW500〜504に電流が流れ、SW505〜509は“オフ”となるため、固定抵抗516〜520に電流が流れる。このとき、負極用レジスタ107内の明フィールγレジスタの微調整レジスタPRP0〜4のレジスタ値が、可変抵抗523〜527の抵抗値を最小値設定とした場合、抵抗分圧されないから6レベルのリファレンス電圧V0N〜V20Nの電位は、基準高電圧源(図示せず。)からの高電圧VDHが出力されて同一電位となる。なお、他の6レベルのリファレンス電圧V43N〜V63Nは固定抵抗516〜520に電流が流れるから抵抗分圧されるため、同一電位にはならない。
【0072】
FBIオンレジスタデータが“ハイ”(擬似インパルス型駆動使用時)及びγ設定値切替信号が“ロー”(暗フィールド時)の場合、SW500〜504は“オフ”となるため固定抵抗510〜514に電流が流れ、SW505〜509は“オン”となるため、SW505〜509に電流が流れ、固定抵抗516〜520には電流が流れない。このとき、負極用レジスタ107内の暗フィールドγレジスタの微調整レジスタPRP5〜9のレジスタ値が、可変抵抗530〜534の抵抗値を最小値設定とした場合、抵抗分圧されなから6レベルのリファレンス電圧V43N〜V63Nの電位は、基準低電圧源(図示せず。)からの低電圧GNDが出力されて同一電位となる。なお、他の6レベルのリファレンス電圧V0N〜V20Nは固定抵抗510〜514に電流が流れるから抵抗分圧されるため、同一電位にはならない。
【0073】
以上の動作により、図6(d)に示す階調番号−階調電圧特性のように、明フィールドではV43〜V63、暗フィールドではV0〜V20の階調において、同一電圧を出力することが可能となる。
【0074】
このように、図6(b)及び図6(d)の階調電圧を図1に示す液晶パネル119に出力することで、図7に示すような、暗フィールド期間時には液晶パネル119は限りなく黒表示に近い低輝度となり、明フィールド期間時には液晶パネル119は高輝度となる。
【0075】
なお、擬似インパルス型駆動を使用しないときの液晶パネル119の表示輝度がγ=2.2の場合、図7に示す暗フィールドと明フィールドにおける液晶パネル119の表示輝度の平均輝度が、γ=2.2となるように設定すれば、液晶パネル119の表示映像の輝度や色合いは変化しない。
【0076】
以上のように、本実施例によって、輝度やコントラストの低下が発生せずに動画ぼやけを改善する駆動方式を、LUTを使用しない低コストの構成によって実現可能となる。
【0077】
なお、本実施例では、表示データの情報量は1画素あたり18ビットとしたが、もちろんこれに限られない。また、本実施例では、対向電極印加電圧Vcomの電位を正極時は0V、負極時は4Vとしたが、これに限られない。
【実施例2】
【0078】
本発明の実施例2によるホールド型表示装置の動画ぼやけを改善する駆動方式について説明する。本実施例における信号線駆動回路101は、実施例1と同様に図1に示す構成である。また、実施例1と同様に図1に示す構成の階調電圧生成回路108を備えているが、正極用ラダー回路109及び負極用ラダー回路110の回路構成が実施例1と異なる。なお、負極用ラダー回路110は、正極用ラダー回路109の回路構成及び動作に関して同じものである。
【0079】
次に、本実施例における正極用ラダー回路109について、図8を用いて説明する。図8において、800〜810はSW、811〜822は固定抵抗、823〜836は可変抵抗である。可変抵抗823及び可変抵抗836は、γ調整用レジスタ105から入力される振幅レジスタ値に応じて抵抗値を設定する。可変抵抗829及び可変抵抗830は、γ調整用レジスタ105から入力される傾きレジスタ値に応じて抵抗値を設定する。可変抵抗824〜828及び可変抵抗831〜835は、γ調整用レジスタ105から入力される微調整レジスタ値に応じて抵抗値を設定する。
【0080】
なお、可変抵抗823〜836の抵抗の最小値は、抵抗分圧にて階調間の電位差を生じない程度の抵抗値(理想0Ω)とする。また、SW800〜810が“オン”の場合、SW800〜810のオン抵抗は、固定抵抗811〜821に対し十分に小さく、SW800〜810が“オフ”の場合、SW800〜810のオフ抵抗は、固定抵抗811〜821に対し十分に大きいものである。
【0081】
FBIオンレジスタデータが“ロー”(擬似インパルス型駆動未使用時)の場合、SW800〜810はオフとなり、固定抵抗811〜821に電流が流れることで、各固定抵抗の抵抗値及び各可変抵抗の抵抗値によって分圧され、12レベルのリファレンス電圧V0P/V1P/V2P/V4P/V8P/V20P/V43P/V55P/V59P/V61P/V62P/V63Pを生成する。
【0082】
なお、V0Pは階調番号0の正極時の電位、V1Pは階調番号1の正極時の電位、V2Pは階調番号2の正極時の電位、V4Pは階調番号4の正極時の電位、V8Pは階調番号8の正極時の電位、V20Pは階調番号20の正極時の電位、V43Pは階調番号43の正極時の電位、V55Pは階調番号55の正極時の電位、V59Pは階調番号59の正極時の電位、V61Pは階調番号61の正極時の電位、V62Pは階調番号62の正極時の電位、V63Pは階調番号63の正極時の電位である。
【0083】
これら12レベルのリファレンス電圧をバッファ回路112にてバッファリングしたのちに階調電圧用ラダー回路113へ出力し、階調電圧用ラダー回路113は、12レベルのリファレンス電圧を基に抵抗分圧し、64階調表示時の場合は、残りの階調番号3、階調番号5〜7、階調番号9〜19、階調番号21〜42、階調番号44〜54、階調番号56〜58及び階調番号60の階調電圧を生成する。このとき、リファレンス電圧V0P〜V63Pの電位は同一電位のものはない。
【0084】
FBIオンレジスタデータが“ハイ”(擬似インパルス型駆動使用時)の場合、SW800〜810は“オン”となるため固定抵抗811〜821には電流は流れず、SW800〜810に電流が流れる。このとき、暗フィールγレジスタ302の微調整レジスタPRP0〜4及び傾きレジスタSRP0〜1のレジスタ値が、可変抵抗823〜830の抵抗値を最小値設定とした場合、抵抗分圧されないから7レベルのリファレンス電圧V0P〜V43Pの電位は同一電位VDHを出力する。なお、他の5レベルのリファレンス電圧V55P〜V63Pは、固定抵抗817〜821に電流が流れないが、微調整レジスタPRP6〜9の設定により可変抵抗832〜835を調整することで、抵抗分圧されるため、同一電位にはならない。
【0085】
このような動作により、図9(a)に示すように、同じ低階調電圧を広い階調番号の範囲で出力することが可能となる。なお、負極用ラダー回路110においても、図9(b)に示すように、本実施例の正極用ラダー回路109と同様に同じ高階調電圧を広い階調番号の範囲で出力することが可能となる。
【0086】
以上のように、暗フィールド期間での液晶パネルの輝度を、実施例1と比較し限りなく黒表示に近づけることができるため、輝度やコントラストの低下が発生せずに動画ぼやけを改善する駆動方式が実現可能となる。
【0087】
なお、本実施例では、V0〜V43の電位を同一電位としたが、これに限られることなく、振幅レジスタVRP0〜1、傾きレジスタSRP0〜1、微調整レジスタPRP0〜9の設定値により、同一電位を出力する階調番号の範囲を任意に設定可能である。
【実施例3】
【0088】
本発明の実施例3によるホールド型表示装置の動画ぼやけを改善する駆動方式について説明する。本実施例における信号線駆動回路101は、実施例1と同様に図1に示す構成である。また、実施例1と同様に図1に示す構成の階調電圧生成回路を備えているが、内部ブロックの構成は異なっている。
【0089】
次に、本実施例における階調電圧生成回路1000について、図10を用いて説明する。図10において、1000は階調電圧生成回路、基準ラダー回路1001〜1004として、1001は正極(1)用ラダー回路、1002は負極(1)用ラダー回路、1003は正極(2)用ラダー回路、1004は負極(2)用ラダー回路、1005は選択回路、1006はバッファ回路、1007は階調電圧用ラダー回路である。
【0090】
擬似インパルス型駆動を行なう場合、γ調整用レジスタ105は、正極用レジスタ106の明フィールドγレジスタに保持しているレジスタ値を正極(1)用ラダー回路1001に、負極用レジスタ107の明フィールドγレジスタに保持しているレジスタ値を負極(1)用ラダー回路1002に、正極用レジスタ106の暗フィールドγレジスタに保持しているレジスタ値を正極(2)用ラダー回路1003に、負極用レジスタ107の暗フィールドγレジスタに保持しているレジスタ値を負極(2)用ラダー回路1004に出力する。
【0091】
なお、擬似インパルス型駆動を行なわない場合は、γ調整用レジスタ105は、正極用レジスタ106のノーマルフィールドγレジスタに保持しているレジスタ値を正極(1)用ラダー回路1001に、負極用レジスタ107のノーマルフィールドγレジスタに保持しているレジスタ値を負極(1)用ラダー回路1002に出力する。
【0092】
これらのラダー回路は、入力されたレジスタ値に応じたリファレンス電圧を生成し、選択回路1005に出力する。選択回路1005は、タイミングコントローラから入力されたγ設定値切替信号及び交流化信号Mに応じて、これらのラダー回路から入力された4種類のリファレンス電圧のうち1種類のリファレンス電圧を選択し、バッファ回路1006に出力する。バッファ回路1006は、入力されたリファレンス電圧をボルテージフォロア回路によりバッファリングし、階調電圧用ラダー回路1007へ出力する。階調電圧用ラダー回路1007は、入力されたリファレンス電圧を抵抗分圧し、64レベルの階調電圧を生成し、出力制御回路117へ出力する。
【0093】
以上のように、擬似インパルス型駆動を行う場合、正負極用ラダー回路を、明暗フィールドに対応して4つ設けることで、明暗フィールド期間に応じてリファレンス電圧を生成する必要がないため、実施例1及び実施例2と比較し、階調電圧の駆動能力(階調電圧変動時間の短縮)を向上することが可能となる。
【0094】
なお、本実施例での正極(1)用ラダー回路1001、負極(1)用ラダー回路1002、正極(2)用ラダー回路1003、負極(2)用ラダー回路1004の回路構成は、実施例1の正極用ラダー回路109及び負極用ラダー回路110、若しくは、実施例2の正極用ラダー回路109及び負極用ラダー回路110の回路構成のどちらでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明における液晶パネル周辺回路の構成図
【図2】本発明におけるタイミングコントローラの構成図及びタイミングチャート
【図3】本発明におけるγ調整用レジスタの構成図
【図4】本発明における実施例1の正極用ラダー回路の構成図
【図5】本発明における実施例1の負極用ラダー回路の構成図
【図6】本発明における実施例1の階調番号−階調電圧特性の関係図
【図7】本発明における実施例1のγ特性の関係図
【図8】本発明における実施例2の正極用ラダー回路の構成図
【図9】本発明における実施例2の階調番号−階調電圧特性の関係図
【図10】本発明における実施例3の階調電圧生成回路の構成図
【図11】LUT方式と現行方式での擬似インパルス型駆動を行ったときの階調番号−階調電圧特性の関係図
【符号の説明】
【0096】
100…CPU、101…信号線駆動回路、102…システムインタフェース、103…制御レジスタ、104…タイミングコントローラ、105…γ調整用レジスタ、106…正極用レジスタ、107…負極用レジスタ、108…階調電圧生成回路、109…正極用ラダー回路、110…負極用ラダー回路、111…選択回路、112…バッファ回路、113…階調電圧用ラダー回路、114…メモリ制御回路、115…表示RAM、116…ラッチ回路、117…出力制御回路、118…走査線駆動回路、119…液晶パネル、120…走査線、121…信号線、122…TFT、123…液晶素子、200…レジスタ、201…内部クロック生成回路、202…クロックカウンタ、203…水平同期信号生成回路、204…交流化信号生成回路、205…ラインカウンタ、206…垂直同期信号生成回路、207…γ設定値切替信号生成回路、208…奇偶フレーム信号生成回路、300…ノーマルγレジスタ、301…明フィールドγレジスタ、302…暗フィールドγレジスタ、303…振幅レジスタ、304、306、308…傾きレジスタ、305、307、309…微調整レジスタ、310、311…選択回路、400〜409…SW、410〜421…固定抵抗、422〜435…可変抵抗、500〜509…SW、510〜521…固定抵抗、522〜535…可変抵抗、800〜810…SW、811〜822…固定抵抗、823〜836…可変抵抗、1000…階調電圧生成回路、1001…正極(1)用ラダー回路、1002…負極(1)用ラダー回路、1003…正極(2)用ラダー回路、1004…負極(2)用ラダー回路、1005…選択回路、1006…バッファ回路、1007…階調電圧用ラダー回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、TFT液晶ディスプレイに代表されるホールド型表示装置に係わり、動画像を表示した際の画質の向上を実現する表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
TFT液晶ディスプレイなどのアクティブマトリクス型表示装置は、薄型、高精細、低消費電力といった特徴から携帯電話機や携帯情報端末などのモバイル機器における表示装置として広く利用されている。特に、携帯電話機では高機能化が進み、ワンセグメント放送や、録画した動画の再生、ゲームを含むアプリケーションなどで動画像を使用する場面が増加した。しかし、TFT液晶は、1フレーム期間に同じ映像を表示し続けるホールド型駆動であり、動画像を表示すると、映像が網膜に残像として残り、表示映像の輪郭がぼやけて見える現象(以下「動画ぼやけ」という。)が発生する。
【0003】
このようなホールド型表示装置にて発生する画質劣化の対策として、下記特許文献1には、1フレーム期間に、黒表示を行う期間を挿入することによって、網膜残像をキャンセルし、動画ぼやけを改善する方式が提案されている。しかし、こうした黒挿入によって、擬似的にCRT(陰極線管)に代表されるようなインパルス型駆動とする方式は、表示映像の最大輝度やコントラストの低下を招く。
【0004】
一方で、下記特許文献2には、1フレームをいくつかのサブフレームに分割し、黒挿入によって低下する輝度を他のサブフレームにて補償することで、擬似インパルス型駆動ではあるが、1フレーム期間でみた場合に、輝度やコントラストの低下が発生しない方式が提案されている。この方式では、システムに入力された1フレームデータから、擬似インパルス型駆動用の低輝度サブフレームデータと輝度補償用の高輝度サブフレームデータを作成する必要があるが、この際のデータ変換処理に、ルックアップテーブル(以下「LUT」という。)を使用している。以下、この方式を「LUT方式」という。このようなLUT方式の実現には、変換処理後のデータを格納しておくLUTとして、容量の大きな記憶装置が必要となるが、LSIなどのハードウェアに実装した際の回路面積が増加するため、コストの増大につながるだけでなく、回路面積に対する制約が厳しいモバイル機器向けに適用することが困難である。
【特許文献1】特開2000−122596号公報
【特許文献2】特開2005−173387号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなLUT方式で、ホールド型表示装置の動画ぼやけを改善するために、擬似インパルス型駆動を行うと、1フレームを複数のサブフレームに時分割する際に、階調数に応じたLUT、例えば、階調数が256階調で階調データが8ビットであれば『256階調×8ビット×2サブフレーム=4096ビット』サイズのLUTが必要となりコストの増大が懸念される。
【0006】
また、LUT方式ではなく、階調電圧生成回路に少なくとも2種類の階調電圧を設定できるようにし、1フレームを複数のフィールドに時分割し、フィールド毎に少なくとも2種類の階調電圧を切り替えて、表示装置に出力する現行方式がある。しかし、この現行方式での階調電圧生成回路は、例えば、基準電圧を抵抗分圧することで、階調電圧を生成するため、抵抗分圧でドロップする電圧をVdとした場合、例えば、V1の階調電圧はV1=V0−Vdの関係となり、その他の階調電圧(V2〜V63)においても同様な関係となる。したがって、各階調電圧(V1〜V63)は全て異なり、いずれかの階調電圧(V1〜V63)を同じにすることができない。
【0007】
図11(a)(b)は、LUT使用時と、LUT未使用時で、擬似インパルス型駆動を行ったときの、階調番号−階調電圧特性である。なお、図11(a)は正極時、図11(b)は負極時の階調番号−階調電圧特性を示している。さらに、図11(a)(b)において、対向電極印加電圧は、正極時が0V、負極時は4Vとした場合、正極時は階調電圧を高くすることで液晶パネルの輝度は高くなり、負極時は階調電圧を高くすることで液晶パネルの輝度は低くなる。
【0008】
図11(a)に示すLUT使用時での階調番号−階調電圧特性は、暗フィールド時には低電位の階調電圧が暫く続くのに対し、LUT未使用の階調電圧生成回路による擬似インパルス型駆動を行う現行方式では、階調電圧は階調番号が上がるにつれて電圧も高くなるが、液晶パネルの輝度は、LUT方式に比べ高くなる。
【0009】
図11(b)においても、図11(a)と同様に、現行方式はLUT方式と比べて液晶パネルの輝度が低くなってしまう。そのため、現行方式はLUT方式程度の動画ぼやけの改善効果は得られなくなってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、階調電圧生成回路に少なくとも2種類の階調電圧を設定できるようにし、1フレームを少なくとも2つのフィールドに分割し、フィールド毎に少なくとも2種類の階調電圧を切り替えて表示装置に出力することで、外部システムから要求された階調を擬似的に表示する。
【0011】
ここで、2種類の階調電圧は、可能な限り黒表示に近づけた暗輝度表示フィールド(以下「暗フィールド」という。)となる階調電圧と、暗フィールドによって低減した輝度を高階調表示によって補償する明輝度表示フィールド(以下「明フィールド」という。)となる階調電圧である。この2種類の階調電圧を表示装置に出力する。
【0012】
本発明は、擬似インパルス型駆動時に、階調電圧生成回路にて階調電圧を生成する場合、階調間の抵抗を任意にパスして、抵抗分圧しないことで、同一電圧の階調電圧を生成することによって、LUT方式と同様の輝度特性を得ることができるため、演算用のパラメータを格納するために必要なレジスタ以外には、容量の大きなLUTが不要となることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上、本発明によれば、輝度やコントラストの低下が発生することなく、ホールド型表示装置の動画表示性能を向上させる擬似インパルス型駆動を、LUTを使用しない駆動方式を用いて、低コストの表示装置を実現可能となる。
【0014】
また、本発明は、ホールド型表示装置に対して表示装置のサイズを問わず利用可能であるが、特に、コストや回路面積の制約が厳しい携帯電話機及び携帯情報端末などの表示装置に最適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を用いて、本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0016】
本発明の実施例1によるホールド型表示装置の動画ぼやけを改善する駆動方式について説明する。図1に、本実施例に係る液晶表示装置の構成図を示す。なお、ホールド型表示装置の例として液晶表示装置を挙げるが、他のホールド型駆動の表示装置にも適応可能である。また、本実施例においては、64階調制御を行うものとする。したがって、入力する表示データの情報量はカラー1画素当たり18(6×3)ビットとする。
【0017】
図1において、100はCPU、101は信号線駆動回路、102はシステムインタフェース、103は制御レジスタ、104はタイミングコントローラ、105はγ調整用レジスタ、108は階調電圧生成回路、114はメモリ制御回路、115は表示RAM、116はラッチ回路、117は出力制御回路、118は走査線駆動回路、119は液晶パネルである。
【0018】
ここで、信号線駆動回路101は、いわゆる表示メモリ内蔵型のコントローラ・ドライバであり、本発明の実現手段を含む。以下、信号線駆動回路101の内部ブロックの構成と動作について説明する。
【0019】
システムインタフェース102は、外部システムであるCPU100が出力する表示データ及びインストラクションを受け、制御レジスタ103へ出力する動作を行う。ここで、インストラクションとは、信号線駆動回路101の内部動作を決定するための情報であり、フレーム周波数、駆動ライン数、駆動電圧等の各種パラメータを含む。
【0020】
制御レジスタ103は、インストラクションのデータを格納し、これを各ブロックへ出力するブロックである。例えば、フレーム周波数、駆動ライン数、データ電圧切り換えタイミングに関するインストラクションは、タイミングコントローラ104へ出力され、階調電圧の電位に関するインストラクションはγ調整用レジスタ105へ出力される。なお、表示データも一旦制御レジスタ103に格納され、表示位置を指示するインストラクションとともに、メモリ制御回路114へ出力される。
【0021】
メモリ制御回路114は、表示RAM115のライト及びリード動作を行うブロックである。まず、ライト動作時には、制御レジスタ103から転送される表示位置のインストラクションに基づき、表示RAM115のアドレスを選択する信号を出力する。これと同時に表示データを表示RAM115へ転送する。この動作により、表示RAM115の所定のアドレスに表示データをライトすることができる。一方、リード動作時には、表示RAM115における所定のワード線群を1本ずつ順次に選択する動作を繰り返す。この動作により、選択されたワード線上の表示データを、ビット線を介して一斉にリードすることができる。なお、リードするワード線の範囲、1回の選択期間(1走査期間と等価)、選択動作の繰り返し周期(1フレーム期間と等価)等の設定は、インストラクションにて指示されるものとする。
【0022】
表示RAM115は、液晶パネル119の走査線と信号線に相当するワード線とビット線を有し、表示データのライト動作及びリード動作を行う。なお、リードされた表示データは、ラッチ回路116で一旦保持された後、出力制御部117へ出力される。
【0023】
タイミングコントローラ104は、内蔵の発振器が生成する基準クロックに基づき、1走査期間や1フレーム期間等を指示する信号群を自己生成して出力する。
【0024】
γ調整用レジスタ105は、正極用レジスタ106と負極用レジスタ107にて構成される。制御レジスタ103から入力されたインストラクションを正極用レジスタ106及び負極用レジスタ107に保持し、階調電圧生成回路108へ出力する。
【0025】
階調電圧生成回路108は、基準ラダー回路としての正極用ラダー回路109及び負極用ラダー回路110、選択回路111、バッファ回路112、階調電圧用ラダー回路113にて構成される。まず、γ調整用レジスタ105から入力されたγ調整用信号に基づき、正極用ラダー回路109及び負極用ラダー回路110にて、基準高電圧と基準低電圧との差電圧を抵抗分圧し、12レベルの基準電圧(以下「リファレンス電圧」という。)を生成して、選択回路111へ出力する。
【0026】
選択回路111は、交流化信号に基づき正極用ラダー回路109及び負極用ラダー回路110で生成したリファレンス電圧の一方を選択し、バッファ回路112に出力する。バッファ回路112は入力されたリファレンス電圧をボルテージフォロア回路によりバッファリングし、階調電圧用ラダー回路113へ出力する。
【0027】
階調電圧用ラダー回路113は、入力された12レベルのリファレンス電圧を基に抵抗分圧し、64レベルの階調電圧を生成し、出力制御回路117へ出力する。
【0028】
出力制御回路117は、ラッチ回路116から入力された表示データを基に、階調電圧生成回路108から入力された64レベルの階調電圧のうち1レベルを選択し、液晶パネル119の信号線121へ出力する。
【0029】
走査線駆動回路118は、液晶パネル119の走査線120に対し、1走査期間に同期して選択状態を示す走査電圧(本実施例では“ハイ”レベル)を線順次に出力するためのブロックである。ここで、先頭の走査線に“ハイ”レベルを出力するタイミングは、表示RAM115における先頭のワード線をリードするタイミングに同期している。
【0030】
液晶パネル119は、信号線121と走査線120の交点に位置する各画素部にスイッチング用トランジスタ122が配置された、いわゆるアクティブマトリクス型と呼ばれるフラットパネルである。トランジスタ122のソース端子は、信号線121を介して出力制御回路117の出力に接続され、ゲート端子は、走査線120を介して走査線駆動回路118の出力に接続される。また、トランジスタ122のドレイン端子は、表示素子123に接続される。なお、表示素子123の対向側は、コモン電極が接続され、コモン電極へはVcom電圧が出力される。したがって、選択状態にある走査線120においては、階調電圧とVcom電圧との電圧差が表示素子123への印加電圧となる。
【0031】
また、本実施例では、正極時のVcom電位は0V、負極時のVcom電位を4Vとしているため、正極時は、階調電圧を高くすることで輝度が高く(階調電圧を低くすることで輝度が小さく)なり、負極時は、階調電圧を低くすることで輝度が高く(階調電圧を高くすることで輝度が小さく)なる。なお、表示素子123の種類は、液晶や有機EL等が代表的であるが、電圧によって表示輝度が制御可能であれば、その他の素子を用いてもよい。
【0032】
次に、タイミングコントローラ104の内部ブロック構成及び動作に関し、図2(a)を用いて説明する。図2(a)において、200はレジスタ、201は内部クロック生成回路、202はクロックカウンタ、203は水平同期信号生成回路、204は交流化信号生成回路、205はラインカウンタ、206は垂直同期信号生成回路、207はγ設定値切替信号生成回路、208は奇偶フレーム信号生成回路である。
【0033】
図1に示す制御レジスタ103から入力された1走査期間、1フレーム期間、1フィールド期間などをレジスタ200に保持し、クロックカウンタ202及びラインカウンタ205に出力する。
【0034】
内部クロック生成回路201は、基準動作クロックCLKを生成し各回路へ出力する。各回路は、内部クロック生成回路201にて生成された基準クロックCLKを基に動作する。
【0035】
クロックカウンタ202は、レジスタ200から入力された1走査期間のCLK値まで基準クロックをカウントし、クロックカウント値を水平同期信号生成回路203に出力する。なお、クロックカウンタ202のクロックカウント値は、1走査期間のCLK値を超える、若しくは、入力された水平同期信号Vsync(本実施例では“ロー”アクティブ)の立下りエッジにてクリア(カウント値=“0”)となる。
【0036】
水平同期信号生成回路203は、クロックカウンタ202から入力されたクロックカウント値を基に水平同期信号CL1を生成し出力する。なお、水平同期信号CL1は、クロックカウント値が“0”のとき立ち上がり(本実施例では“ハイ”アクティブ)、レジスタ200から入力された水平同期信号のアクティブ期間まで“ハイ”出力するものとする。
【0037】
ラインカウンタ205は、水平同期信号CL1の立ち上がりに同期して、レジスタ200から入力された1フィールド期間のライン数までカウントし、ラインカウント値を垂直同期信号生成回路206に出力する。なお、ラインカウンタ205のラインカウント値は、1フィールド期間のライン数を超える、若しくは、入力された水平同期信号Vsyncの立下りエッジにてクリア(カウント値=“0”)となる。
【0038】
垂直同期信号生成回路206は、ラインカウンタ205から入力されたカウント値を基に垂直同期信号FLMを生成し出力する。なお、垂直同期信号FLMは、ラインカウント値が“0”のとき立ち上がり(本実施例では“ハイ”アクティブ)、レジスタ200から入力された垂直同期信号のアクティブ期間まで“ハイ”出力するものとする。
【0039】
交流化信号生成回路204は、レジスタ200から入力された交流化信号(本実施例ではフレーム交流駆動時“0”、ライン交流駆動時“1”)により、交流化信号Mを生成し出力する。
【0040】
γ設定値切替信号生成回路207は、垂直同期信号FLMを基に、γ設定値切替信号を生成する。奇偶フレーム信号生成回路208は、入力されたVsyncを基に、奇偶フレーム信号を生成し出力する。
【0041】
次に、タイミングコントローラ104にて生成された信号群の動作タイミングに関し、図2(b)を用いて説明する。擬似インパルス型駆動を行う場合、入力されたVsyncの1フレーム期間中に垂直同期信号FLMを2度アクティブ(1フレーム期間を2つのサブフィールドに分割)させる。これにより、1フレーム期間に2フィールドのフィールド期間を設けることが可能となる。なお、擬似インパルス型駆動を行わない場合は、入力されたVsyncと同様の波形となる。
【0042】
水平同期信号CL1は、レジスタ200に設定されたライン数だけアクティブにする。なお、本実施例においては、1フレームを2つのフィールドに分割するため、擬似インパルス型駆動を行ったときの1走査期間は、擬似インパルス型駆動を行わない場合の1走査期間と比較し半分の時間となる。
【0043】
交流化信号Mは、レジスタ200にて設定された交流化方法に応じて“ハイ”“ロー”を繰り返し出力する。本実施例ではライン交流駆動を設定としているため、1走査期間にて“ハイ”もしくは“ロー”を出力することとなる。
【0044】
γ設定値切替信号は、垂直同期信号FLMに応じて、1フィールド期間“ハイ”若しくは“ロー”を繰り返し出力する。
【0045】
奇偶フレーム信号は、入力されたVsyncに応じて、1フレーム期間“ハイ”若しくは“ロー”を繰り返し出力する。
【0046】
なお、表示RAM115にて保持している表示データは、擬似インパルス型駆動を行う場合は、1フィールド期間にて1フレーム分の表示データをリードし、さらに、奇偶フレーム信号の“ハイ”出力時に奇数フレームの表示データ、奇偶フレーム信号の“ロー”出力時に偶数フレームの表示データを出力する。本実施例では、奇偶フレーム信号が“ハイ”出力時に奇数、“ロー”出力時に偶数を示す。なお、擬似インパルス型駆動を行わない場合は、1フレーム期間にて1フレーム分の表示データをリードし出力する。
【0047】
次に、図1に示す正極用レジスタ106の内部ブロックの構成に関し、図3(a)を用いて説明する。なお、負極用レジスタ107の回路構成及び動作は、正極用レジスタ106と同様である。
【0048】
図3(a)において、300はノーマルγレジスタ、301は明フィールドレジスタ、302は暗フィールドレジスタ、303は振幅レジスタ、304と306と308は傾きレジスタ、305と307と309は微調整レジスタ、310と311は選択回路である。
【0049】
ノーマルγレジスタ300は、擬似インパルス型駆動を使用しない場合のγレジスタ値を保持するレジスタであり、明フィールドγレジスタ301は、擬似インパルス型駆動時の明フィールド用のγレジスタ値を保持するレジスタであり、暗フィールドγレジスタ302は、擬似インパルス型駆動時の暗フィールド用のγレジスタ値を保持するレジスタである。
【0050】
図1に示す制御レジスタ103から入力されるγレジスタ値は、振幅レジスタ値・傾きレジスタ値・微調整レジスタ値に分類され、これらのレジスタ値を階調電圧生成回路108に出力することで、階調電圧生成回路108内の正極用ラダー回路109及び負極用ラダー回路110内の可変抵抗を調整することで、階調電圧の電位を設定することができる。
【0051】
なお、振幅レジスタ値は、階調電圧の振幅を調整する設定値であり、傾き調整レジスタ値は、ダイナミックレンジを大きく変えることなく階調番号−階調電圧特性の中央付近の傾きを調整するための設定値であり、微調整レジスタ値は、階調電圧レベルを微調整するための設定値である。
【0052】
これらの振幅調整レジスタ値、傾きレジスタ値及び微調整レジスタ値は、ノーマルγレジスタ300、明フィールドγレジスタ301及び暗フィールドγレジスタ302内の振幅レジスタ303に、傾きレジスタ304と306と308に、微調整レジスタ305と307と309に、それぞれ保持される。
【0053】
なお、擬似インパルス型駆動の使用・未使用に関わらず、振幅レジスタ値は同値(階調電圧の振幅は一定)のため、振幅レジスタ値は、ノーマルγレジスタ300の振幅レジスタ303にのみ保持され、擬似インパルス型駆動使用時においても振幅レジスタ303に保持した振幅レジスタ値を階調電圧生成回路108に出力することで、回路規模の増加を抑えている。
【0054】
選択回路310は、制御レジスタ103から入力されたFBIオンレジスタデータ(本実施例で“ハイ”時に擬似インパルス型駆動使用、“ロー”時に擬似インパルス型駆動未使用を示す)が“ロー”の場合、ノーマルγレジスタ300の傾きレジスタ304に保持した傾きレジスタ値を選択し、階調電圧生成回路108に出力する。また、FBIオンレジスタデータが“ハイ”さらにγ設定値切替信号(本実施例では、“ハイ”レベル時は明フィールド、“ロー”レベル時は暗フィールドを示す。)が“ハイ”レベル時は明フィールドγレジスタ301の傾きレジスタ306に保持した傾きレジスタ値を選択、FBIオンレジスタデータが“ハイ”さらにγ設定値切替信号が“ロー”レベル時は暗フィールドγレジスタ302の傾きレジスタ308に保持した傾きレジスタ値を選択し、階調電圧生成回路108に出力する。
【0055】
選択回路311は、制御レジスタ103から入力されたFBIオンレジスタデータが“ロー”の場合、ノーマルγレジスタ300の微調整レジスタ305に保持した微調整レジスタ値を選択し、階調電圧生成回路108に出力する。また、FBIオンレジスタデータが“ハイ”、さらに、γ設定値切替信号が“ハイ”レベル時は、明フィールドγレジスタ301の微調整レジスタ307に保持した微調整レジスタ値を選択、FBIオンレジスタデータが“ハイ”、さらに、γ設定値切替信号が“ロー”レベル時は暗フィールドγレジスタ302の微調整レジスタ309に保持した微調整レジスタ値を選択し、階調電圧生成回路108に出力する。
【0056】
次に、ノーマルγレジスタ300内の各レジスタの内部構成について、図3(b)を用いて説明する。振幅レジスタ303は、VRP0〜1の2個のレジスタにて構成され、この2個のレジスタVRP0〜1に保持されるレジスタ値により、階調電圧の振幅値を調整する。傾きレジスタ304は、SRP0〜1の2個のレジスタにて構成され、この2個のレジスタSRP0〜1に保持されるレジスタ値により、階調番号−階調電圧特性の中央付近の傾きを調整する。微調整レジスタ305は、PRP0〜9の10個のレジスタにて構成され、この10個のレジスタPRP0〜9に保持されるレジスタ値により、階調電圧レベルを微調整する。なお、明フィールドγレジスタ301及び暗フィールドγレジスタ302内の内部構成は、傾きレジスタ304及び微調整レジスタ305の内部構成と同様である。
【0057】
次に、正極用ラダー回路109の内部ブロックの構成に関し、図4を用いて説明する。図4において、400〜409はスイッチ(以下「SW」という。)、410〜421は固定抵抗、422〜435は可変抵抗である。可変抵抗422及び可変抵抗435は、γ調整用レジスタ105から入力される振幅レジスタ値に応じて抵抗値を設定する。可変抵抗428及び可変抵抗429は、γ調整用レジスタ105から入力される傾きレジスタ値に応じて抵抗値を設定する。可変抵抗423〜427及び可変抵抗430〜434は、γ調整用レジスタ105から入力される微調整レジスタ値に応じて抵抗値を設定する。
【0058】
なお、可変抵抗422〜435の抵抗の最小値は、抵抗分圧にて階調間の電位差を生じない程度の抵抗値(理想0Ω)とする。また、SW400〜409が“オン”の場合、SW400〜409のオン抵抗は固定抵抗410〜420に対し十分に小さく、SW400〜409が“オフ”の場合、SW400〜409のオフ抵抗は、固定抵抗410〜420に対し十分に大きいものである。
【0059】
FBIオンレジスタデータが“ロー”(擬似インパルス型駆動未使用時)の場合、SW400〜409はオフとなり、固定抵抗410〜414及び固定抵抗416〜420に電流が流れることで、各固定抵抗の抵抗値及び各可変抵抗の抵抗値によって分圧され、12レベルのリファレンス電圧V0P/V1P/V2P/V4P/V8P/V20P/V43P/V55P/V59P/V61P/V62P/V63Pを生成する。
【0060】
なお、V0Pは階調番号0の正極時の電位、V1Pは階調番号1の正極時の電位、V2Pは階調番号2の正極時の電位、V4Pは階調番号4の正極時の電位、V8Pは階調番号8の正極時の電位、V20Pは階調番号20の正極時の電位、V43Pは階調番号43の正極時の電位、V55Pは階調番号55の正極時の電位、V59Pは階調番号59の正極時の電位、V61Pは階調番号61の正極時の電位、V62Pは階調番号62の正極時の電位、V63Pは階調番号63の正極時の電位である。
【0061】
これら12レベルのリファレンス電圧をバッファ回路112にてバッファリングしたのちに階調電圧用ラダー回路113へ出力し、階調電圧用ラダー回路113は、12レベルのリファレンス電圧を基に抵抗分圧し、64階調表示時の場合は、残りの階調番号3、階調番号5〜7、階調番号9〜19、階調番号21〜42、階調番号44〜54、階調番号56〜58及び階調番号60の階調電圧を生成する。このときの階調番号−階調電圧特性は、図6(a)に示すようになる。
【0062】
FBIオンレジスタデータが“ハイ”(擬似インパルス型駆動使用時)及びγ設定値切替信号が“ロー”(暗フィールド時)の場合、SW400〜404は“オン”となるため固定抵抗410〜414には電流は流れず、SW400〜404に電流が流れ、SW405〜409は“オフ”となるため、固定抵抗416〜420に電流が流れる。このとき、暗フィールγレジスタ302の微調整レジスタPRP0〜4のレジスタ値が、可変抵抗423〜427の抵抗値を最小値設定とした場合、抵抗分圧されないからリファレンス電圧V0P〜V20Pの電位は、基準高電圧源(図示せず。)からの高電圧VDHが出力されて同一電位となる。なお、V43P〜V63Pは、固定抵抗416〜420に電流が流れるから抵抗分圧されるため、同一電位にはならない。
【0063】
FBIオンレジスタデータが“ハイ”(擬似インパルス型駆動使用時)及びγ設定値切替信号が“ハイ”(明フィールド時)の場合、SW400〜404は“オフ”となるため固定抵抗410〜414に電流が流れ、SW405〜409は“オン”となるため、SW405〜409に電流が流れ、固定抵抗416〜420には電流が流れない。このとき、明フィールドγレジスタ301の微調整レジスタPRP5〜9のレジスタ値が、可変抵抗430〜434の抵抗値を最小値設定とした場合、抵抗分圧されないからリファレンス電圧V43P〜V63Pの電位は、基準低電圧源(図示せず。)からの低電圧GNDが出力されて同一電位となる。なお、V0P〜V20Pは、固定抵抗410〜414に電流が流れるから抵抗分圧されるため、同一電位にはならない。
【0064】
以上の動作により、図6(b)に示す階調番号−階調電圧特性のように、明フィールドではV43〜V63、暗フィールドではV0〜V20の階調において、同一電圧を出力することが可能となる。
【0065】
次に、負極用ラダー回路110の内部ブロックの構成に関し、図5を用いて説明する。図5において、500〜509はSW、510〜521は固定抵抗、522〜535は可変抵抗である。なお、固定抵抗510〜521及び可変抵抗522〜535の抵抗値は、正極用ラダー回路109の固定抵抗410〜421及び可変抵抗422〜435の抵抗値と同値である。
【0066】
可変抵抗522及び可変抵抗535は、γ調整用レジスタ105から入力される振幅レジスタ値に応じて抵抗値を設定する。可変抵抗528及び可変抵抗529は、γ調整用レジスタ105から入力される傾きレジスタ値に応じて抵抗値を設定する。可変抵抗523〜527及び可変抵抗530〜534は、γ調整用レジスタ105から入力される微調整レジスタ値に応じて抵抗値を設定する。
【0067】
なお、可変抵抗522〜535の抵抗の最小値は、抵抗分圧にて階調間の電位差を生じない程度の抵抗値(理想0Ω)とする。また、SW500〜509が“オン”の場合、SW500〜509のオン抵抗は、固定抵抗510〜520に対し十分に小さく、SW500〜509が“オフ”の場合、SW500〜509のオフ抵抗は、固定抵抗510〜520に対し十分に大きいものである。
【0068】
FBIオンレジスタデータが“ロー”(擬似インパルス型駆動未使用時)の場合、SW500〜509はオフとなり、固定抵抗510〜514及び固定抵抗516〜520に電流が流れることで、各固定抵抗の抵抗値及び各可変抵抗の抵抗値によって分圧され、12レベルのリファレンス電圧V0N/V1N/V2N/V4N/V8N/V20N/V43N/V55N/V59N/V61N/V62N/V63Nを生成する。
【0069】
なお、V0Nは階調番号0の負極時の電位、V1Nは階調番号1の負極時の電位、V2Nは階調番号2の負極時の電位、V4Nは階調番号4の負極時の電位、V8Nは階調番号8の負極時の電位、V20Nは階調番号20の負極時の電位、V43Nは階調番号43の負極時の電位、V55Nは階調番号55の負極時の電位、V59Nは階調番号59の負極時の電位、V61Nは階調番号61の負極時の電位、V62Nは階調番号62の負極時の電位、V63Nは階調番号63の負極時の電位である。
【0070】
これら12レベルのリファレンス電圧をバッファ回路112にてバッファリングしたのちに階調電圧用ラダー回路113へ出力し、階調電圧用ラダー回路113は、12レベルのリファレンス電圧を基に抵抗分圧し、64階調表示時の場合は残りの階調番号3、階調番号5〜7、階調番号9〜19、階調番号21〜42、階調番号44〜54、階調番号56〜58及び階調番号60の階調電圧を生成する。このときの階調番号−階調電圧特性を図6(c)に示す。
【0071】
FBIオンレジスタデータが“ハイ”(擬似インパルス型駆動使用時)及びγ設定値切替信号が“ハイ”(明フィールド時)の場合、SW500〜504は“オン”となるため固定抵抗510〜514には電流は流れず、SW500〜504に電流が流れ、SW505〜509は“オフ”となるため、固定抵抗516〜520に電流が流れる。このとき、負極用レジスタ107内の明フィールγレジスタの微調整レジスタPRP0〜4のレジスタ値が、可変抵抗523〜527の抵抗値を最小値設定とした場合、抵抗分圧されないから6レベルのリファレンス電圧V0N〜V20Nの電位は、基準高電圧源(図示せず。)からの高電圧VDHが出力されて同一電位となる。なお、他の6レベルのリファレンス電圧V43N〜V63Nは固定抵抗516〜520に電流が流れるから抵抗分圧されるため、同一電位にはならない。
【0072】
FBIオンレジスタデータが“ハイ”(擬似インパルス型駆動使用時)及びγ設定値切替信号が“ロー”(暗フィールド時)の場合、SW500〜504は“オフ”となるため固定抵抗510〜514に電流が流れ、SW505〜509は“オン”となるため、SW505〜509に電流が流れ、固定抵抗516〜520には電流が流れない。このとき、負極用レジスタ107内の暗フィールドγレジスタの微調整レジスタPRP5〜9のレジスタ値が、可変抵抗530〜534の抵抗値を最小値設定とした場合、抵抗分圧されなから6レベルのリファレンス電圧V43N〜V63Nの電位は、基準低電圧源(図示せず。)からの低電圧GNDが出力されて同一電位となる。なお、他の6レベルのリファレンス電圧V0N〜V20Nは固定抵抗510〜514に電流が流れるから抵抗分圧されるため、同一電位にはならない。
【0073】
以上の動作により、図6(d)に示す階調番号−階調電圧特性のように、明フィールドではV43〜V63、暗フィールドではV0〜V20の階調において、同一電圧を出力することが可能となる。
【0074】
このように、図6(b)及び図6(d)の階調電圧を図1に示す液晶パネル119に出力することで、図7に示すような、暗フィールド期間時には液晶パネル119は限りなく黒表示に近い低輝度となり、明フィールド期間時には液晶パネル119は高輝度となる。
【0075】
なお、擬似インパルス型駆動を使用しないときの液晶パネル119の表示輝度がγ=2.2の場合、図7に示す暗フィールドと明フィールドにおける液晶パネル119の表示輝度の平均輝度が、γ=2.2となるように設定すれば、液晶パネル119の表示映像の輝度や色合いは変化しない。
【0076】
以上のように、本実施例によって、輝度やコントラストの低下が発生せずに動画ぼやけを改善する駆動方式を、LUTを使用しない低コストの構成によって実現可能となる。
【0077】
なお、本実施例では、表示データの情報量は1画素あたり18ビットとしたが、もちろんこれに限られない。また、本実施例では、対向電極印加電圧Vcomの電位を正極時は0V、負極時は4Vとしたが、これに限られない。
【実施例2】
【0078】
本発明の実施例2によるホールド型表示装置の動画ぼやけを改善する駆動方式について説明する。本実施例における信号線駆動回路101は、実施例1と同様に図1に示す構成である。また、実施例1と同様に図1に示す構成の階調電圧生成回路108を備えているが、正極用ラダー回路109及び負極用ラダー回路110の回路構成が実施例1と異なる。なお、負極用ラダー回路110は、正極用ラダー回路109の回路構成及び動作に関して同じものである。
【0079】
次に、本実施例における正極用ラダー回路109について、図8を用いて説明する。図8において、800〜810はSW、811〜822は固定抵抗、823〜836は可変抵抗である。可変抵抗823及び可変抵抗836は、γ調整用レジスタ105から入力される振幅レジスタ値に応じて抵抗値を設定する。可変抵抗829及び可変抵抗830は、γ調整用レジスタ105から入力される傾きレジスタ値に応じて抵抗値を設定する。可変抵抗824〜828及び可変抵抗831〜835は、γ調整用レジスタ105から入力される微調整レジスタ値に応じて抵抗値を設定する。
【0080】
なお、可変抵抗823〜836の抵抗の最小値は、抵抗分圧にて階調間の電位差を生じない程度の抵抗値(理想0Ω)とする。また、SW800〜810が“オン”の場合、SW800〜810のオン抵抗は、固定抵抗811〜821に対し十分に小さく、SW800〜810が“オフ”の場合、SW800〜810のオフ抵抗は、固定抵抗811〜821に対し十分に大きいものである。
【0081】
FBIオンレジスタデータが“ロー”(擬似インパルス型駆動未使用時)の場合、SW800〜810はオフとなり、固定抵抗811〜821に電流が流れることで、各固定抵抗の抵抗値及び各可変抵抗の抵抗値によって分圧され、12レベルのリファレンス電圧V0P/V1P/V2P/V4P/V8P/V20P/V43P/V55P/V59P/V61P/V62P/V63Pを生成する。
【0082】
なお、V0Pは階調番号0の正極時の電位、V1Pは階調番号1の正極時の電位、V2Pは階調番号2の正極時の電位、V4Pは階調番号4の正極時の電位、V8Pは階調番号8の正極時の電位、V20Pは階調番号20の正極時の電位、V43Pは階調番号43の正極時の電位、V55Pは階調番号55の正極時の電位、V59Pは階調番号59の正極時の電位、V61Pは階調番号61の正極時の電位、V62Pは階調番号62の正極時の電位、V63Pは階調番号63の正極時の電位である。
【0083】
これら12レベルのリファレンス電圧をバッファ回路112にてバッファリングしたのちに階調電圧用ラダー回路113へ出力し、階調電圧用ラダー回路113は、12レベルのリファレンス電圧を基に抵抗分圧し、64階調表示時の場合は、残りの階調番号3、階調番号5〜7、階調番号9〜19、階調番号21〜42、階調番号44〜54、階調番号56〜58及び階調番号60の階調電圧を生成する。このとき、リファレンス電圧V0P〜V63Pの電位は同一電位のものはない。
【0084】
FBIオンレジスタデータが“ハイ”(擬似インパルス型駆動使用時)の場合、SW800〜810は“オン”となるため固定抵抗811〜821には電流は流れず、SW800〜810に電流が流れる。このとき、暗フィールγレジスタ302の微調整レジスタPRP0〜4及び傾きレジスタSRP0〜1のレジスタ値が、可変抵抗823〜830の抵抗値を最小値設定とした場合、抵抗分圧されないから7レベルのリファレンス電圧V0P〜V43Pの電位は同一電位VDHを出力する。なお、他の5レベルのリファレンス電圧V55P〜V63Pは、固定抵抗817〜821に電流が流れないが、微調整レジスタPRP6〜9の設定により可変抵抗832〜835を調整することで、抵抗分圧されるため、同一電位にはならない。
【0085】
このような動作により、図9(a)に示すように、同じ低階調電圧を広い階調番号の範囲で出力することが可能となる。なお、負極用ラダー回路110においても、図9(b)に示すように、本実施例の正極用ラダー回路109と同様に同じ高階調電圧を広い階調番号の範囲で出力することが可能となる。
【0086】
以上のように、暗フィールド期間での液晶パネルの輝度を、実施例1と比較し限りなく黒表示に近づけることができるため、輝度やコントラストの低下が発生せずに動画ぼやけを改善する駆動方式が実現可能となる。
【0087】
なお、本実施例では、V0〜V43の電位を同一電位としたが、これに限られることなく、振幅レジスタVRP0〜1、傾きレジスタSRP0〜1、微調整レジスタPRP0〜9の設定値により、同一電位を出力する階調番号の範囲を任意に設定可能である。
【実施例3】
【0088】
本発明の実施例3によるホールド型表示装置の動画ぼやけを改善する駆動方式について説明する。本実施例における信号線駆動回路101は、実施例1と同様に図1に示す構成である。また、実施例1と同様に図1に示す構成の階調電圧生成回路を備えているが、内部ブロックの構成は異なっている。
【0089】
次に、本実施例における階調電圧生成回路1000について、図10を用いて説明する。図10において、1000は階調電圧生成回路、基準ラダー回路1001〜1004として、1001は正極(1)用ラダー回路、1002は負極(1)用ラダー回路、1003は正極(2)用ラダー回路、1004は負極(2)用ラダー回路、1005は選択回路、1006はバッファ回路、1007は階調電圧用ラダー回路である。
【0090】
擬似インパルス型駆動を行なう場合、γ調整用レジスタ105は、正極用レジスタ106の明フィールドγレジスタに保持しているレジスタ値を正極(1)用ラダー回路1001に、負極用レジスタ107の明フィールドγレジスタに保持しているレジスタ値を負極(1)用ラダー回路1002に、正極用レジスタ106の暗フィールドγレジスタに保持しているレジスタ値を正極(2)用ラダー回路1003に、負極用レジスタ107の暗フィールドγレジスタに保持しているレジスタ値を負極(2)用ラダー回路1004に出力する。
【0091】
なお、擬似インパルス型駆動を行なわない場合は、γ調整用レジスタ105は、正極用レジスタ106のノーマルフィールドγレジスタに保持しているレジスタ値を正極(1)用ラダー回路1001に、負極用レジスタ107のノーマルフィールドγレジスタに保持しているレジスタ値を負極(1)用ラダー回路1002に出力する。
【0092】
これらのラダー回路は、入力されたレジスタ値に応じたリファレンス電圧を生成し、選択回路1005に出力する。選択回路1005は、タイミングコントローラから入力されたγ設定値切替信号及び交流化信号Mに応じて、これらのラダー回路から入力された4種類のリファレンス電圧のうち1種類のリファレンス電圧を選択し、バッファ回路1006に出力する。バッファ回路1006は、入力されたリファレンス電圧をボルテージフォロア回路によりバッファリングし、階調電圧用ラダー回路1007へ出力する。階調電圧用ラダー回路1007は、入力されたリファレンス電圧を抵抗分圧し、64レベルの階調電圧を生成し、出力制御回路117へ出力する。
【0093】
以上のように、擬似インパルス型駆動を行う場合、正負極用ラダー回路を、明暗フィールドに対応して4つ設けることで、明暗フィールド期間に応じてリファレンス電圧を生成する必要がないため、実施例1及び実施例2と比較し、階調電圧の駆動能力(階調電圧変動時間の短縮)を向上することが可能となる。
【0094】
なお、本実施例での正極(1)用ラダー回路1001、負極(1)用ラダー回路1002、正極(2)用ラダー回路1003、負極(2)用ラダー回路1004の回路構成は、実施例1の正極用ラダー回路109及び負極用ラダー回路110、若しくは、実施例2の正極用ラダー回路109及び負極用ラダー回路110の回路構成のどちらでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明における液晶パネル周辺回路の構成図
【図2】本発明におけるタイミングコントローラの構成図及びタイミングチャート
【図3】本発明におけるγ調整用レジスタの構成図
【図4】本発明における実施例1の正極用ラダー回路の構成図
【図5】本発明における実施例1の負極用ラダー回路の構成図
【図6】本発明における実施例1の階調番号−階調電圧特性の関係図
【図7】本発明における実施例1のγ特性の関係図
【図8】本発明における実施例2の正極用ラダー回路の構成図
【図9】本発明における実施例2の階調番号−階調電圧特性の関係図
【図10】本発明における実施例3の階調電圧生成回路の構成図
【図11】LUT方式と現行方式での擬似インパルス型駆動を行ったときの階調番号−階調電圧特性の関係図
【符号の説明】
【0096】
100…CPU、101…信号線駆動回路、102…システムインタフェース、103…制御レジスタ、104…タイミングコントローラ、105…γ調整用レジスタ、106…正極用レジスタ、107…負極用レジスタ、108…階調電圧生成回路、109…正極用ラダー回路、110…負極用ラダー回路、111…選択回路、112…バッファ回路、113…階調電圧用ラダー回路、114…メモリ制御回路、115…表示RAM、116…ラッチ回路、117…出力制御回路、118…走査線駆動回路、119…液晶パネル、120…走査線、121…信号線、122…TFT、123…液晶素子、200…レジスタ、201…内部クロック生成回路、202…クロックカウンタ、203…水平同期信号生成回路、204…交流化信号生成回路、205…ラインカウンタ、206…垂直同期信号生成回路、207…γ設定値切替信号生成回路、208…奇偶フレーム信号生成回路、300…ノーマルγレジスタ、301…明フィールドγレジスタ、302…暗フィールドγレジスタ、303…振幅レジスタ、304、306、308…傾きレジスタ、305、307、309…微調整レジスタ、310、311…選択回路、400〜409…SW、410〜421…固定抵抗、422〜435…可変抵抗、500〜509…SW、510〜521…固定抵抗、522〜535…可変抵抗、800〜810…SW、811〜822…固定抵抗、823〜836…可変抵抗、1000…階調電圧生成回路、1001…正極(1)用ラダー回路、1002…負極(1)用ラダー回路、1003…正極(2)用ラダー回路、1004…負極(2)用ラダー回路、1005…選択回路、1006…バッファ回路、1007…階調電圧用ラダー回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を有する表示パネルと前記表示パネルを駆動する駆動回路とを備え、
前記駆動回路は、外部システムから入力される表示データに対応する階調電圧を生成して出力するための設定値を記憶するレジスタと、前記設定値に応じて基準電圧を生成する基準ラダー回路と、前記基準電圧をバッファリングして出力するバッファ回路と、前記基準電圧を基に階調電圧を生成する階調電圧用ラダー回路と、前記階調電圧から表示データに対応する階調電圧を選択して出力する出力制御回路とを有する表示装置において、
前記基準ラダー回路は、固定抵抗と前記設定値により抵抗値が制御される可変抵抗とを有し、前記固定抵抗はスイッチを備えていることを特徴とする表示装置
【請求項2】
前記駆動回路は、1フレーム期間で表示データに対応した輝度を表示する第1の場合と、1フレーム期間をフィールドに分割し、分割したフィールドの一方を低輝度表示とする暗フィールドとし、他方を高輝度表示とする明フィールドとして、暗フィールドと明フィールドの平均輝度で表示データに対応した輝度を表示するための第2の場合とが、外部システムから入力される制御信号によって切替えられ、
前記レジスタは、前記第1の場合に対応した階調電圧を生成するための設定値を記憶する第1のレジスタと、前記明フィールドに対応した階調電圧を生成するための設定値を記憶する第2のレジスタと、前記暗フィールドに対応した階調電圧を生成するための設定値を記憶する第3のレジスタとを有し、
前記第1の場合では、前記基準ラダー回路が第1のレジスタにより制御され、
前記第2の場合では、前記基準ラダー回路が明フィールドでは第2のレジスタにより制御され、暗フィールドでは第3のレジスタにより制御されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置
【請求項3】
前記基準ラダー回路は、基準高電圧源と基準低電圧源の間に、順次、直列接続された、
第1の可変抵抗と、並列接続された第1の固定抵抗と第1のスイッチと、
第2の可変抵抗と、並列接続された第2の固定抵抗と第2のスイッチと、
第3の可変抵抗と、並列接続された第3の固定抵抗と第3のスイッチと、
第4の可変抵抗と、並列接続された第4の固定抵抗と第4のスイッチと、
第5の可変抵抗と、並列接続された第5の固定抵抗と第5のスイッチと、
第6,7の可変抵抗と、第6の固定抵抗と、
第8の可変抵抗と、
第9の可変抵抗と、並列接続された第7の固定抵抗と第6のスイッチと、
第10の可変抵抗と、並列接続された第8の固定抵抗と第7のスイッチと、
第11の可変抵抗と、並列接続された第9の固定抵抗と第8のスイッチと、
第12の可変抵抗と、並列接続された第10の固定抵抗と第9のスイッチと、
第13の可変抵抗と、並列接続された第11の固定抵抗と第10のスイッチと、
第14の可変抵抗と、第12の固定抵抗とを有し、
前記第1の可変抵抗と前記第1の固定抵抗との接続点から第1の基準電圧を生成し、
前記第2の可変抵抗と前記第2の固定抵抗との接続点から第2の基準電圧を生成し、
前記第3の可変抵抗と前記第3の固定抵抗との接続点から第3の基準電圧を生成し、
前記第4の可変抵抗と前記第4の固定抵抗との接続点から第4の基準電圧を生成し、
前記第5の可変抵抗と前記第5の固定抵抗との接続点から第5の基準電圧を生成し、
前記第6の可変抵抗と前記第7の可変抵抗との接続点から第6の基準電圧を生成し、
前記第8の可変抵抗と前記第9の可変抵抗との接続点から第7の基準電圧を生成し、
前記第7の固定抵抗と前記第10の可変抵抗の接続点から第8の基準電圧を生成し、
前記第8の固定抵抗と前記第11の可変抵抗の接続点から第9の基準電圧を生成し、
前記第9の固定抵抗と前記第12の可変抵抗の接続点から第10の基準電圧を生成し、
前記第10の固定抵抗と前記第13の可変抵抗の接続点から第11の基準電圧を生成し、
前記第11の固定抵抗と前記第14の可変抵抗の接続点から第12の基準電圧を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置
【請求項4】
前記駆動回路は、
前記暗フィールド(又は明フィールド)において、前記第1から第5のスイッチを短絡状態とし、前記第2から第6の可変抵抗を零にすることで、前記第1から第5までの基準電圧を略等しくし、
前記明フィールド(又は暗フィールド)において、前記第6から第10のスイッチを短絡状態とし、前記第9から第13の可変抵抗を零にすることで、前記第7から第12までの基準電圧を略等しくすることを特徴とする請求項3に記載の表示装置
【請求項5】
前記基準ラダー回路は、基準高電圧源と基準低電圧源の間に、順次、直列接続された、
第1の可変抵抗と、並列接続された第1の固定抵抗と第1のスイッチと、
第2の可変抵抗と、並列接続された第2の固定抵抗と第2のスイッチと、
第3の可変抵抗と、並列接続された第3の固定抵抗と第3のスイッチと、
第4の可変抵抗と、並列接続された第4の固定抵抗と第4のスイッチと、
第5の可変抵抗と、並列接続された第5の固定抵抗と第5のスイッチと、
第6の可変抵抗と、
第7の可変抵抗と、並列接続された第6の固定抵抗と第6のスイッチと、
第8の可変抵抗と、
第9の可変抵抗と、並列接続された第7の固定抵抗と第7のスイッチと、
第10の可変抵抗と、並列接続された第8の固定抵抗と第8のスイッチと、
第11の可変抵抗と、並列接続された第9の固定抵抗と第9のスイッチと、
第12の可変抵抗と、並列接続された第10の固定抵抗と第10のスイッチと、
第13の可変抵抗と、並列接続された第11の固定抵抗と第11のスイッチと、
第14の可変抵抗と、第12の固定抵抗とを有し、
前記第1の可変抵抗と前記第1の固定抵抗との接続点から第1の基準電圧を生成し、
前記第2の可変抵抗と前記第2の固定抵抗との接続点から第2の基準電圧を生成し、
前記第3の可変抵抗と前記第3の固定抵抗との接続点から第3の基準電圧を生成し、
前記第4の可変抵抗と前記第4の固定抵抗との接続点から第4の基準電圧を生成し、
前記第5の可変抵抗と前記第5の固定抵抗との接続点から第5の基準電圧を生成し、
前記第6の可変抵抗と前記第7の可変抵抗との接続点から第6の基準電圧を生成し、
前記第8の可変抵抗と前記第9の可変抵抗との接続点から第7の基準電圧を生成し、
前記第7の固定抵抗と前記第10の可変抵抗の接続点から第8の基準電圧を生成し、
前記第8の固定抵抗と前記第11の可変抵抗の接続点から第9の基準電圧を生成し、
前記第9の固定抵抗と前記第12の可変抵抗の接続点から第10の基準電圧を生成し、
前記第10の固定抵抗と前記第13の可変抵抗の接続点から第11の基準電圧を生成し、
前記第11の固定抵抗と前記第14の可変抵抗の接続点から第12の基準電圧を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置
【請求項6】
前記駆動回路は、前記第1から第11のスイッチを短絡状態として、
前記暗フィールドにおいて、前記第1から第7までの基準電圧を略等しくし、前記第3のレジスタからの設定値に基づいて、前記第10から第13の可変抵抗の抵抗値を制御して、前記第8から第12までの基準電圧を異ならせることを特徴とする請求項5に記載の表示装置
【請求項7】
前記基準ラダー回路は、正極性階調電圧を生成するための正極用ラダー回路と、負極性階調電圧を生成するための負極用ラダー回路とを有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の液晶表示装置
【請求項8】
前記基準ラダー回路は、
明フィールド用の正極性階調電圧を生成するための正極用ラダー回路と、
明フィールド用の負極性階調電圧を生成するための負極用ラダー回路と、
暗フィールド用の正極性階調電圧を生成するための正極用ラダー回路と、
暗フィールド用の負極性階調電圧を生成するための負極用ラダー回路とを有し、
前記第1の場合には、明フィールド用(又は暗フィールド用)の正極用ラダー回路と負極用ラダー回路を用いて、基準電圧を生成し、
前記第2の場合には、明フィールド(又は暗フィールド)において、正極性(又は負極性)に応じて正極用(又は負極用)ラダー回路を用いて、基準電圧を生成することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の液晶表示装置
【請求項9】
複数の画素を有する表示パネルと前記表示パネルを駆動する駆動回路とを備えた表示装置において、
前記駆動回路は、外部システムからの設定値に基づいて基準電圧を生成する基準ラダー回路を有し、前記基準電圧に基づいて階調電圧を生成し、前記階調電圧を外部システムから入力される表示データに対応して選択出力することで、前記表示パネルを駆動することを特徴とする表示装置
【請求項10】
前記基準ラダー回路は、低階調又は高階調に対応する基準電圧を略等しくすることを特徴とする請求項9に記載の表示装置
【請求項11】
前記低階調に対応する基準電圧を暗フィールドにおいて略等しくし、高階調に対応する基準電圧を明フィールドにおいて略等しくすることを特徴とする請求項10に記載の表示装置
【請求項12】
前記基準ラダー回路は、前記設定値に基づいて抵抗値が制御される複数の可変抵抗と、前記各可変抵抗に直列接続された固定抵抗と、前記固定抵抗に並列接続されたスイッチとを有することを特徴とする請求項9に記載の表示装置
【請求項13】
前記スイッチを短絡することによって、低階調又は高階調に対応する基準電圧を略等しくし、前記可変抵抗の抵抗値を制御することによって、低階調又は高階調に対応する基準電圧を異ならせることを特徴とする請求項12に記載の表示装置
【請求項1】
複数の画素を有する表示パネルと前記表示パネルを駆動する駆動回路とを備え、
前記駆動回路は、外部システムから入力される表示データに対応する階調電圧を生成して出力するための設定値を記憶するレジスタと、前記設定値に応じて基準電圧を生成する基準ラダー回路と、前記基準電圧をバッファリングして出力するバッファ回路と、前記基準電圧を基に階調電圧を生成する階調電圧用ラダー回路と、前記階調電圧から表示データに対応する階調電圧を選択して出力する出力制御回路とを有する表示装置において、
前記基準ラダー回路は、固定抵抗と前記設定値により抵抗値が制御される可変抵抗とを有し、前記固定抵抗はスイッチを備えていることを特徴とする表示装置
【請求項2】
前記駆動回路は、1フレーム期間で表示データに対応した輝度を表示する第1の場合と、1フレーム期間をフィールドに分割し、分割したフィールドの一方を低輝度表示とする暗フィールドとし、他方を高輝度表示とする明フィールドとして、暗フィールドと明フィールドの平均輝度で表示データに対応した輝度を表示するための第2の場合とが、外部システムから入力される制御信号によって切替えられ、
前記レジスタは、前記第1の場合に対応した階調電圧を生成するための設定値を記憶する第1のレジスタと、前記明フィールドに対応した階調電圧を生成するための設定値を記憶する第2のレジスタと、前記暗フィールドに対応した階調電圧を生成するための設定値を記憶する第3のレジスタとを有し、
前記第1の場合では、前記基準ラダー回路が第1のレジスタにより制御され、
前記第2の場合では、前記基準ラダー回路が明フィールドでは第2のレジスタにより制御され、暗フィールドでは第3のレジスタにより制御されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置
【請求項3】
前記基準ラダー回路は、基準高電圧源と基準低電圧源の間に、順次、直列接続された、
第1の可変抵抗と、並列接続された第1の固定抵抗と第1のスイッチと、
第2の可変抵抗と、並列接続された第2の固定抵抗と第2のスイッチと、
第3の可変抵抗と、並列接続された第3の固定抵抗と第3のスイッチと、
第4の可変抵抗と、並列接続された第4の固定抵抗と第4のスイッチと、
第5の可変抵抗と、並列接続された第5の固定抵抗と第5のスイッチと、
第6,7の可変抵抗と、第6の固定抵抗と、
第8の可変抵抗と、
第9の可変抵抗と、並列接続された第7の固定抵抗と第6のスイッチと、
第10の可変抵抗と、並列接続された第8の固定抵抗と第7のスイッチと、
第11の可変抵抗と、並列接続された第9の固定抵抗と第8のスイッチと、
第12の可変抵抗と、並列接続された第10の固定抵抗と第9のスイッチと、
第13の可変抵抗と、並列接続された第11の固定抵抗と第10のスイッチと、
第14の可変抵抗と、第12の固定抵抗とを有し、
前記第1の可変抵抗と前記第1の固定抵抗との接続点から第1の基準電圧を生成し、
前記第2の可変抵抗と前記第2の固定抵抗との接続点から第2の基準電圧を生成し、
前記第3の可変抵抗と前記第3の固定抵抗との接続点から第3の基準電圧を生成し、
前記第4の可変抵抗と前記第4の固定抵抗との接続点から第4の基準電圧を生成し、
前記第5の可変抵抗と前記第5の固定抵抗との接続点から第5の基準電圧を生成し、
前記第6の可変抵抗と前記第7の可変抵抗との接続点から第6の基準電圧を生成し、
前記第8の可変抵抗と前記第9の可変抵抗との接続点から第7の基準電圧を生成し、
前記第7の固定抵抗と前記第10の可変抵抗の接続点から第8の基準電圧を生成し、
前記第8の固定抵抗と前記第11の可変抵抗の接続点から第9の基準電圧を生成し、
前記第9の固定抵抗と前記第12の可変抵抗の接続点から第10の基準電圧を生成し、
前記第10の固定抵抗と前記第13の可変抵抗の接続点から第11の基準電圧を生成し、
前記第11の固定抵抗と前記第14の可変抵抗の接続点から第12の基準電圧を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置
【請求項4】
前記駆動回路は、
前記暗フィールド(又は明フィールド)において、前記第1から第5のスイッチを短絡状態とし、前記第2から第6の可変抵抗を零にすることで、前記第1から第5までの基準電圧を略等しくし、
前記明フィールド(又は暗フィールド)において、前記第6から第10のスイッチを短絡状態とし、前記第9から第13の可変抵抗を零にすることで、前記第7から第12までの基準電圧を略等しくすることを特徴とする請求項3に記載の表示装置
【請求項5】
前記基準ラダー回路は、基準高電圧源と基準低電圧源の間に、順次、直列接続された、
第1の可変抵抗と、並列接続された第1の固定抵抗と第1のスイッチと、
第2の可変抵抗と、並列接続された第2の固定抵抗と第2のスイッチと、
第3の可変抵抗と、並列接続された第3の固定抵抗と第3のスイッチと、
第4の可変抵抗と、並列接続された第4の固定抵抗と第4のスイッチと、
第5の可変抵抗と、並列接続された第5の固定抵抗と第5のスイッチと、
第6の可変抵抗と、
第7の可変抵抗と、並列接続された第6の固定抵抗と第6のスイッチと、
第8の可変抵抗と、
第9の可変抵抗と、並列接続された第7の固定抵抗と第7のスイッチと、
第10の可変抵抗と、並列接続された第8の固定抵抗と第8のスイッチと、
第11の可変抵抗と、並列接続された第9の固定抵抗と第9のスイッチと、
第12の可変抵抗と、並列接続された第10の固定抵抗と第10のスイッチと、
第13の可変抵抗と、並列接続された第11の固定抵抗と第11のスイッチと、
第14の可変抵抗と、第12の固定抵抗とを有し、
前記第1の可変抵抗と前記第1の固定抵抗との接続点から第1の基準電圧を生成し、
前記第2の可変抵抗と前記第2の固定抵抗との接続点から第2の基準電圧を生成し、
前記第3の可変抵抗と前記第3の固定抵抗との接続点から第3の基準電圧を生成し、
前記第4の可変抵抗と前記第4の固定抵抗との接続点から第4の基準電圧を生成し、
前記第5の可変抵抗と前記第5の固定抵抗との接続点から第5の基準電圧を生成し、
前記第6の可変抵抗と前記第7の可変抵抗との接続点から第6の基準電圧を生成し、
前記第8の可変抵抗と前記第9の可変抵抗との接続点から第7の基準電圧を生成し、
前記第7の固定抵抗と前記第10の可変抵抗の接続点から第8の基準電圧を生成し、
前記第8の固定抵抗と前記第11の可変抵抗の接続点から第9の基準電圧を生成し、
前記第9の固定抵抗と前記第12の可変抵抗の接続点から第10の基準電圧を生成し、
前記第10の固定抵抗と前記第13の可変抵抗の接続点から第11の基準電圧を生成し、
前記第11の固定抵抗と前記第14の可変抵抗の接続点から第12の基準電圧を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置
【請求項6】
前記駆動回路は、前記第1から第11のスイッチを短絡状態として、
前記暗フィールドにおいて、前記第1から第7までの基準電圧を略等しくし、前記第3のレジスタからの設定値に基づいて、前記第10から第13の可変抵抗の抵抗値を制御して、前記第8から第12までの基準電圧を異ならせることを特徴とする請求項5に記載の表示装置
【請求項7】
前記基準ラダー回路は、正極性階調電圧を生成するための正極用ラダー回路と、負極性階調電圧を生成するための負極用ラダー回路とを有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の液晶表示装置
【請求項8】
前記基準ラダー回路は、
明フィールド用の正極性階調電圧を生成するための正極用ラダー回路と、
明フィールド用の負極性階調電圧を生成するための負極用ラダー回路と、
暗フィールド用の正極性階調電圧を生成するための正極用ラダー回路と、
暗フィールド用の負極性階調電圧を生成するための負極用ラダー回路とを有し、
前記第1の場合には、明フィールド用(又は暗フィールド用)の正極用ラダー回路と負極用ラダー回路を用いて、基準電圧を生成し、
前記第2の場合には、明フィールド(又は暗フィールド)において、正極性(又は負極性)に応じて正極用(又は負極用)ラダー回路を用いて、基準電圧を生成することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の液晶表示装置
【請求項9】
複数の画素を有する表示パネルと前記表示パネルを駆動する駆動回路とを備えた表示装置において、
前記駆動回路は、外部システムからの設定値に基づいて基準電圧を生成する基準ラダー回路を有し、前記基準電圧に基づいて階調電圧を生成し、前記階調電圧を外部システムから入力される表示データに対応して選択出力することで、前記表示パネルを駆動することを特徴とする表示装置
【請求項10】
前記基準ラダー回路は、低階調又は高階調に対応する基準電圧を略等しくすることを特徴とする請求項9に記載の表示装置
【請求項11】
前記低階調に対応する基準電圧を暗フィールドにおいて略等しくし、高階調に対応する基準電圧を明フィールドにおいて略等しくすることを特徴とする請求項10に記載の表示装置
【請求項12】
前記基準ラダー回路は、前記設定値に基づいて抵抗値が制御される複数の可変抵抗と、前記各可変抵抗に直列接続された固定抵抗と、前記固定抵抗に並列接続されたスイッチとを有することを特徴とする請求項9に記載の表示装置
【請求項13】
前記スイッチを短絡することによって、低階調又は高階調に対応する基準電圧を略等しくし、前記可変抵抗の抵抗値を制御することによって、低階調又は高階調に対応する基準電圧を異ならせることを特徴とする請求項12に記載の表示装置
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−96790(P2008−96790A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−279898(P2006−279898)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】
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