表面検査装置及び表面検査方法
【課題】検査速度の低下を伴うことなく、かつ装置容積に占める信号処理部の比率を増加させることなく、データメモリのオーバーフローを回避し、ウエハ全面の検査データを取得するが可能な表面検査装置を実現する。
【解決手段】後処理手段111のブロック化手段300は前処理手段からのデータを任意のデータ数で1ブロックとし1ブロックで1データを取り出す。ブロック化手段300は状態監視手段302の指示でブロック化数を変更する。閾値処理手段301は設定閾値に従いブロック化手段300からのデータに対し閾値を越えた場合にデータを取得しメモリ303へ送る。状態監視手段302はメモリ303の空容量を監視しメモリ303内の空き容量の減少を検知した場合ブロック化手段300に対し、メモリ303がオーバーフローしないように1ブロックのデータ数を増加させる。
【解決手段】後処理手段111のブロック化手段300は前処理手段からのデータを任意のデータ数で1ブロックとし1ブロックで1データを取り出す。ブロック化手段300は状態監視手段302の指示でブロック化数を変更する。閾値処理手段301は設定閾値に従いブロック化手段300からのデータに対し閾値を越えた場合にデータを取得しメモリ303へ送る。状態監視手段302はメモリ303の空容量を監視しメモリ303内の空き容量の減少を検知した場合ブロック化手段300に対し、メモリ303がオーバーフローしないように1ブロックのデータ数を増加させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査物表面の微小な異物や欠陥を検出する表面検査装置及び表面検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表面検査装置においては、高感度、高スループットの要求が年々高まり、処理すべきデータは増加する一方だが、装置容積、コスト面から小型化が求められている。
【0003】
例えば、ウエハの表面状態を検査する外観検査装置において、画像処理能力を向上させる技術として、特許文献1に記載された技術がある。
【0004】
特許文献1においては、表面検出情報の処理や保存を行うプロセッサエレメントの装置に接続されている数や種類等を監視している。そして、プロセッサエレメントの接続状態に応じて画像の分割・分配制御を行い、プロセッサエレメントに対する耐故障性を向上させている。
【0005】
つまり、プロセッサエレメントが故障した際に、画像分配制御部が、故障したプロセッサエレメントが保存すべき情報を、装置に接続された正常なプロセッサウェレメントが保存するように、再分配し、再設定した速度で検査を続行するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−140961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、特許文献1に開示された技術では、検出した連続画像データを、処理単位画像として分割し、所定の正常なプロセッサエレメントに分配し、プロセッサエレメントの故障など、プロセッサエレメント数が変化した場合のために、プロセッサエレメントの状態を監視し、プロセッサエレメントの状態に応じて、分配画像サイズの再設定や検出速度の再設定を行っている。
【0008】
しかし、特許文献1の技術においては、プロセッサエレメントの故障などにより、接続された正常なプロセッサエレメントの数が減少した場合、表面検出速度は低下してしまう。
【0009】
プロセッサエレメント数や処理基板数を増やすことで、検出速度の低下は補えるが、装置面積に占める信号処理部分の比率が増し、装置構成の拡張やコストが上昇する可能性がある。
【0010】
例えば、ウエハ表面上の汚れが激しい場合においては、処理しなければならないデータ量が多くなる。これに対応するためには、処理能力の高い信号処理装置を備えるか、もしくは、データ量削減処理が必要になる。
【0011】
前者は、コスト面の問題がある。後者は、比較的、処理能力の低い信号処理装置で構成が可能であり、コスト面で有利である。しかしながら、ウエハ表面上の汚れは、不確定であるため、検出精度を保持しながら、データ量削減処理を行っうことが可能であることの保証ができないという問題がある。
【0012】
現状では、保存すべきデータ量がメモリの記憶容量をオーバーフローするウエハにおいては、記憶されたデータのみによる検査処理では正確な検査であると保証できない。そのため、試行錯誤で条件を再度設定し、再検査を行っている。
【0013】
すなわち、データメモリに格納すべきデータがそのメモリに対してオーバフローを発生させた場合、ウエハの表面検査途中において、メモリの記憶内容が更新されてしまうため、それまで記憶されていたデータを喪失してしまうためである。
【0014】
本発明の目的は、検査速度の低下を伴うことなく、かつ装置容積に占める信号処理部の比率を増加させることなく、データメモリのオーバーフローを回避し、ウエハ全面の検査データを取得するが可能な表面検査装置及び表面検査方法を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明は次のように構成される。
【0016】
試料台上の被検査物に照明光を照射し、被検査物からの散乱光を複数の散乱光検出手段により検出し検出信号を出力し、これら複数の散乱光検出手段からの検出信号を合成し、合成した検出信号を示す複数のデータを1単位としてブロック化し、複数のブロックのそれぞれの中の複数のデータのうちの選択したデータをメモリに記憶し、メモリのデータ記憶容量のうちの空き容量に基づいて、上記1ブロックとするデータ数を状態監視手段により変更し、上記メモリに記憶されたデータを処理し、被検査物の表面の欠陥を分類する。
【発明の効果】
【0017】
検査速度の低下を伴うことなく、かつ装置容積に占める信号処理部の比率を増加させることなく、データメモリのオーバーフローを回避し、ウエハ全面の検査データを取得するが可能な表面検査装置及び表面検査方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施例に係る表面検査装置の概略構成図である。
【図2】表面検査方法の説明図である。
【図3】後処理手段の内部構成図である。
【図4】ブロック化手段のデータブロック化の説明図である。
【図5】ブロック化手段のデータブロック化の説明図である。
【図6】データブロック化を行った場合のイメージ図である。
【図7】本発明の一実施例における動作フローチャートである。
【図8】本発明の一実施例における表示手段に表示された解析画面の一例を示す図である。
【図9】欠陥マップとブロック化マップとの合成画面の一例を示す図である。
【図10】表示手段に表示された合成画面の一部の拡大図ある。
【図11】検査データを用いた閾値算出時のシーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【実施例】
【0020】
図1は、本発明の一実施例に係る表面検査装置の概略構成図である。
【0021】
図1において、本発明の表面検査装置は、試料ステージ(試料台)101と、ステージ駆動手段104と、照明手段106と、散乱光検出手段107と、増幅器108と、A/D変換器109と、前処理手段110と、後処理手段111と、統合処理手段112と、表示手段113と、記憶手段114と、ステージ駆動制御手段116と、入力操作手段117とを備えている。
【0022】
試料ステージ101上の試料(例えば、ウエハ)100は、照明手段106により照明光105が照射され、被検査物であるウエハ100からの散乱光115が複数の散乱光検出手段107により検出され、検出信号が出力される。そして、散乱光検出手段107からの検出信号から、前処理手段110により、ノイズが低減され、後処理手段111により欠陥の有無等が判定される。そして、統合処理手段112により、後処理手段111で処理された信号が統合される。
【0023】
(1)試料ステージ101
試料ステージ101について説明する。
【0024】
試料ステージ101は、その上に置かれた被検査物であるウエハ100を支持する。そして、試料ステージ101は、ステージ駆動手段104により回転駆動される。ステージ駆動手段104は、試料ステージ101を回転させる回転ステージ102と、試料ステージ101を径方向に移動させるスライドステージ103とを備えている。
【0025】
(2)照明手段106
次に、照明手段106について説明する。
【0026】
照明手段106は、試料ステージ101の上方に配置されている。照明手段106から発生されたスポット形状の照明光105が試料ステージ101上のウエハ100に照射される。照明光105を試料であるウエハ100に照射しているとき、試料ステージ101を回転ステージ102により回転させつつ、スライドステージ103によって径方向に移動させることで、相対的に照明光105がウエハ100の全面上を螺旋上に走査される。
【0027】
ステージ駆動制御手段116は、回転ステージ102やスライドステージ103等の駆動機構を制御する。また、ステージ駆動制御手段116の試料ステージ101の駆動位置により、検査データのウエハ100上の座標位置を検出することができる。
【0028】
(3)散乱光検出手段107
続いて、散乱光検出手段107について説明する。
【0029】
散乱光検出手段107には、増幅器108、A/D変換器109が接続されており、照明手段106より照射された照明光105が、異物あるいは欠陥に当たって、ウエハ100の表面から散乱してきた散乱光115が、散乱光検出手段107で検出される。
【0030】
散乱光検出手段107からの検出信号は増幅器108を介して増幅され、A/D変換器109を介してディジタル信号化される。本発明の一実施例では、1つの散乱光検出手段107を設けた場合を例示しているが、散乱光検出手段の数に限定はなく2つ以上の散乱光検出器が配置されていれば良い。
【0031】
(4)前処理手段110
次に、前処理手段110について説明する。
【0032】
前処理手段110は、A/D変換器109によりディジタル信号化された信号を、ディジタル処理によりノイズ低減を行っている。
【0033】
(5)後処理手段111
続いて、後処理手段111について説明する。
【0034】
後処理手段111は、ブロック化手段300と、閾値処理手段301とを備え、前処理手段110より出力されたデータ量を減らす処理が行われる。
【0035】
(6)統合処理手段112
統合処理手段112について説明する。
【0036】
複数の散乱光検出器107により検出され、信号処理された信号(データ)は、統合処理手段112で統合され、欠陥の分類処理が行われる。
【0037】
(7)表示手段113
表示手段113について説明する。
【0038】
表示手段113には、ウエハ100上の欠陥データを表すマップ(便宜上「欠陥マップ」と称する)や、例えば、入力操作手段117により指定された条件に従って統合処理手段112によって処理された信号を基に構築された合成データ、ウエハ上のブロック化数の変化を表すマップ(便宜上「ブロック化マップ」と称する)、欠陥密度を示す、欠陥密度マップ(便宜上「欠陥密度マップ」と称する)、検出条件(例えば、レシピ)等を表示する。
【0039】
表示手段113は、表示切換手段により、欠陥マップ、ブロック化マップ、欠陥密度マップを同一画面上において、個別に表示することや、欠陥マップ、ブロック化マップ、欠陥密度マップを重ねて、または単体で表示させることも可能である。
【0040】
(8)記憶手段114
記憶手段114について説明する。
【0041】
記憶手段114は、各種制御・演算処理に必要なプログラム・定数、検査結果(欠陥検査データ、合成データ、ブロック化するデータ数、閾値データ)、入力操作手段117より設定された条件等を格納している。検査結果データのうち、ブロック化するデータ数、閾値データは統合処理手段112により格納、変更、修正が行われ、設定される。
【0042】
次に、本発明の一実施例における検査方法の詳細を図2を用いて説明する。
【0043】
図2において、検査が開始されると、ウエハ100上のデータ取り込み開始点(ウエハ100の中心)200を基点にθ方向に、θ方向回転動作202に示すように回転し、R方向(半径方向)にR方向直線動作201に示すように移動しながら、ウエハ100上のデータを取り込む。ウエハ100の半径分だけ移動することで、ウエハ100全面の検査データを取り込むことができる。ウエハ100全面の検査データを取り込むことにより、検査動作は終了する。
【0044】
続いて、後処理手段111の詳細について、図3を用いて説明する。
【0045】
図3は、後処理手段111の内部構成図である。図3において、ブロック化手段300では、前処理手段110によりディジタル処理されたデータを、任意のデータ数で1つのブロックにまとめ、1ブロックにつき1データを取り出す。また、ブロック化手段300では、状態監視手段302からの指示で、ブロック化数の変更を行う。
【0046】
閾値処理手段301は、欠陥の有無の判定を行う。閾値処理手段301では、予め設定された閾値(例えば、取得したウエハの検査データを基に算出された閾値等)に従い、ブロック化手段300より入ってきたデータに対し、閾値を越えた場合にのみデータを取得しメモリ303へ送る。また、閾値処理手段301では、状態監視手段302からの指示で閾値の変更を行うこともできる。また、入力操作手段117からも、閾値を自由に設定することができる。
【0047】
状態監視手段302では、メモリ303の空き容量を監視し、ブロック化数の増減をブロック化手段300に指示する。また、状態監視手段302は、閾値の変更を閾値処理手段301に指示し、閾値を変更させることも可能である。また、ブロック化手段300と閾値処理手段301の配置は、図3に示した配置と逆の配置も可能である。
【0048】
ここで、ブロック化手段300によってブロック化数を増加する際の動作について、説明する。
【0049】
状態監視手段302において、メモリ303に格納されたデータ量が増加し、メモリ303内の空き容量の減少を検知した場合、ブロック化手段300に対し、1ブロック化するデータ数の増加を指示する。これに対し、ブロック化処理手段300では、1ブロック内のデータ数を増加する。
【0050】
例えば、状態監視手段302は、メモリ303の空き容量が、全容量の30%となったとき、1ブロックのデータ数を増加させる。以降、メモリ303の空き容量の減少に伴い、1ブロックのデータ数をさらに増加し、メモリ303がオーバーフローしないように1ブロックのデータ数を増加させる。
【0051】
また、1ブロック内のデータ数を増加させることを判断する他の方法としては、状態監視手段302は、メモリ303のデータ格納増加量を時間単位で監視し、増加量が一定値となった時点で、1ブロック内のデータ数を増加させる方法もある。1ブロック内のデータ数を増加させた後も、メモリ303のデータ格納増加量を時間単位で監視し、増加量が一定値となった時点で、さらに1ブロック内のデータ数を増加させるように構成することもできる。
【0052】
状態監視手段302は、常時メモリ303の状態を監視しており、1ブロック内のデータ数の増減およびブロック内データ数の維持をブロック化手段300に指示している。状態監視手段302の1ブロック内のデータ数増減指示内容は、メモリ303に記憶させるか、状態監視手段302自身の内部に記憶することもできる。
【0053】
また、図3に例示した後処理手段111の構成において、ブロック化手段300と閾値処理手段301の配置が、逆であった場合に行える処理の一例を以下に示す。
【0054】
前処理手段110より入ってきたデータに対し、閾値処理手段301では、閾値を越えた場合にのみ、データを取得し、ブロック化手段300に出力する。ブロック化手段300では、閾値処理手段301より入ってきたデータに対し、ブロック化処理を行い、他の閾値を基準として取り出したデータをメモリ303へ送る。
【0055】
ブロック化手段300では、1ブロック内にある検査データの中から、上記他の閾値より大の1データのみを取り出すが、1ブロック内には、上記閾値を越えた検査データが複数存在することが考えられる。この場合も、1ブロック内の1データのみ取り出すが、1ブロック内に存在する、閾値を越えた検査データの個数を、1ブロック内の欠陥密度(欠陥の個数)を示す欠陥密度マップとして表示することができる。
【0056】
ブロック化手段300の基本的ブロック化(便宜上「基本ブロック化手段」と称する)を、図4を用いて説明する。
【0057】
データのブロック化とは、複数個の検出データ400から、代表点を一つ選択することである。検出データ400は、単位角度θあたりに検出される散乱光強度のことである。
【0058】
図4は、検出データ400を、あるブロック化数401aでブロック化し、ブロック化したデータの中から、一つの検出データ401bを取り出すことを示す。この時、必ず、一つのブロックの中から一つのデータのみを取り出す。取り出すデータは、1ブロック内にある複数の検査データ400の中で、データ値が一番大きいもの、つまり最大値である。
【0059】
ブロック化すると、複数のデータを一つにまとめるため、検出しなければならないデータが複数存在する場合、一つしか検出できない問題が考えられる。その問題は、ブロック化する範囲を、光学系の分解能よりも小さくすることで回避が可能である。これにより、検出しなければならないデータが複数存在する場合を無くすことができる。ブロック化することで、単位時間当たりに処理するデータ量を削減することができる。
【0060】
次に、本発明の一実施例におけるブロック化手段300の詳細について、図5を用いて説明する。
【0061】
ブロック化の方法は、上記基本ブロック化手段と同じである。
【0062】
図5は、検出データ400を、ブロック化数501a〜504aでブロック化し、ブロック化したデータの中から検出データ501b〜504bを取り出すことの説明図である。ここでは、ブロック化数がウエハ100の表面状態に応じて、変化したときの処理について示す。検出データ400をブロック化数501a〜504aのように異なるブロック化数でブロック化する。
【0063】
ここで、ブロック化数がウエハ100の表面状態に応じて変化した際の動作について、一つの例を示す。
【0064】
図5において、ブロック化数が2個(501a)だった場合、2個の検出データで一つのブロックとみなし、2個の検出データの内、データの値が大きい方の検出データをそのブロックの検出データ501bとする。
【0065】
さらに、ブロック化数が3個(502a)だった場合も同様に、3個の検出データで一つのブロックとみなし、3個の検出データの内、データの値が一番大きい検出データを、そのブロックの検出データ502bとする。ブロック化数が4個(503a)、5個(504a)だった場合も同様である。
【0066】
図6は、ウエハ100を検査した際に、ブロック化手段300によりデータブロック化を行った場合のイメージ図であり、ブロック化数が2個(501a)だった場合に、検出データをそのブロックの検出データ501bとする例と、ブロック化数が3個(502a)だった場合に、検出データをそのブロックの検出データ502bとする例である。
【0067】
1枚のウエハ100を検査する場合、ブロック化数は固定ではなく可変であり、メモリ303の空き状態により随時変更・設定される。
【0068】
例えば、ウエハ100上に異物が多く存在した場合、ブロック化数は増加し、異物が少ない場合ブロック化数は減少する。
【0069】
図7は、本発明の一実施例における動作フローチャートである。
【0070】
図7において、表面検査装置によるウエハ100の検査が開始されると、ステップ600で状態監視手段302は、メモリ303内の空き状態の監視を行い、メモリ303の空き容量が十分あるか否か(例えば空き容量が30%以上あるか否か)を判断する。
【0071】
メモリ303に格納されたデータ量の増加でメモリ303内の空き容量が減少した場合、オーバーフローを起こしやすい状態となる。ステップ600でメモリ303の空き容量が減少し、不十分であると判断した場合、メモリ303のオーバーフローを回避するため、ステップ601に進み、状態監視手段302は、ブロック化数増加の設定を行いブロック化手段300に指示する(または、閾値を増加し、閾値処理手段301に指示する)。
【0072】
ステップ600で、メモリ303の容量に十分に空きがある場合は、ステップ602で現在のブロック化数の維持、または減少の設定を行う(または、閾値を減少、あるいは維持を閾値処理手段301に指示する)。
【0073】
次に、ステップ603において、ウエハ100の全検査領域を走査終了したか否かを判断する。この判断は、状態監視手段302及び統合処理手段112により行われる。ステップ603において、ウエハ100の全検査領域を走査終了していなければ、ステップ600に戻る。
【0074】
ステップ603にて、ウエハ100の全検査領域を走査終了していれば、ステップ604に進み、ウエハ100を走査して判断された各領域のブロック化数又は閾値を統合処理手段112を介して記憶手段114に格納する。
【0075】
そして、ステップ605において、再びウエハ100の検査を開始し、記憶手段114に格納した各領域のブロック化数又は閾値に従って、検査データをメモリ303に記憶する。
【0076】
つまり、本発明の一実施例においては、ウエハ100の初期検査を行い、各領域のブロック化数又は閾値を設定し、設定した各領域のブロック化数又は閾値に基づいて本検査を行う構成となっている。
【0077】
ただし、操作者等の使用者により、初期検査のみで検査を終了することもできる。これは、入力操作手段117を介して統合処理手段112に設定可能である。
【0078】
図8は、本発明の一実施例における表示手段113に表示された解析画面の一例を示す図である。
【0079】
図8に示すように、解析画面700の表示領域705には、ウエハ100上の欠陥データを表示する欠陥マップ701と、ウエハ100上のブロック化数の変化を表示するブロック化マップ702と、ブロック化数を示す表示領域703と、カラーバー704とが表示されている。欠陥マップ701及びブロック化マップ702は、統合処理手段112により作成される。
【0080】
表示領域705内であれば、欠陥マップ701とブロック化マップ702との配置は、互いに逆とすることもできる。ブロック化数を示す表示領域703には、ブロック化マップ702上において、入力操作手段117による操作又は表示領域705へのタッチ操作により、カーソル706で選択されたブロック化マップ702のブロック化数が表示される。
【0081】
また、ブロック化マップ702において、ブロック化数が異なるブロックを色別に分けて、ブロック化マップ702に表示させることもできる。カラーバー704は、ブロック化数と色とを対応させる。
【0082】
図9は、表示手段113に表示された欠陥マップとブロック化マップとの合成画面の一例を示す図である。
【0083】
図9に示した合成画面710は、表示切換操作(例えば、解析画面700に表示切換ボタンを設けておき、その表示切換ボタンへのタッチ操作又は、入力操作手段117による入力操作)により、解析画面700から表示が移行された画面である。
【0084】
上記表示切換操作により、解析画面700に表示を移行することもできる。
【0085】
図9に示すように、合成画面710の表示領域707には、拡大マップ720と、ブロック化数を示す表示領域703と、カラーバー704とが表示されている。
【0086】
図10は、拡大マップ720を拡大した図を示す。
【0087】
拡大マップ720には、欠陥マップ701とブロック化マップ702とを重ねて表示することができる。また、欠陥マップ701とブロック化マップ702とを、拡大マップ701上で、それぞれ個別に表示することもできる。ブロック化数の表示領域703には、拡大マップ720上において、入力操作手段117による操作又は表示領域703へのタッチ操作により、カーソル706で選択されたブロック化マップ702のブロック化数が表示される。ブロック化マップにおいて、ブロック化数が異なるブロックを色別に分けて、ブロック化マップ702に表示させることもできる。カラーバー704は、ブロック化数と色とを対応させる。
【0088】
欠陥マップ701とブロック化マップ702とを重ねて表示させたり、ブロック化マップ702のブロック化数が異なるブロック毎に、色別に分けて表示させたりすることにより、欠陥分布の確認、ブロック化数の変化の確認を同時に行うことができ、さらに、視覚的にも分かりやすくすることができる。
【0089】
表示手段113には、欠陥密度マップ(図示せず)を表示することができ、欠陥マップ701やブロック化マップ702と、同一画面上において、個別に表示することや、重ねて、または単体で表示することができる。
【0090】
また、データ量の増減により、変化した閾値を閾値変化マップ(図示せず)として表示手段113に表示することができる。
【0091】
例えば、ブロック化数を固定したまま、検査を行いたい場合などに、入力操作手段117より記憶手段114に記憶されたブロック化数の増減を手動で設定することができる。また、記憶手段114に記憶されたデータ閾値(1データブロックの中からデータを選択するための閾値)の増減を手動で設定することもできる。
【0092】
また、記憶手段114には、メモリの空き容量に基づいて変更する、1ブロックとするデータ数及び閾値の変更数が記憶されており、これらの値を手動で変更設定することができる。
【0093】
図2に示したように、ウエハ100の表面欠陥検査におけるデータ取り込み開始点200は、ウエハ100の中心点である。そして、1ブロックのデータ数は、検査が進むに従って増加する傾向にあり、閾値も大きくなっていく傾向にある。
【0094】
このため、ウエハ100の中心点から外周に向かうに従って、1ブロックのデータ数が多くなり、又は閾値が大となり、欠陥検出精度がウエハ100の中心近傍に比較して低下する可能性がある。
【0095】
初期検査において使用した各領域のブロック化数又は閾値をそのまま使用して、本検査を行う場合には、初期検査と本検査とで、欠陥検出精度の相違はほとんど生じないと考えられる。
【0096】
しかし、初期検査の結果を考慮して、ウエハ100の周辺近辺の検査にて使用したブロック化数又は閾値を、本検査において使用することも考えられる。
【0097】
この場合、初期検査にて用いた、ウエハ100の中心点近辺のブロック化数より、本検査にて用いたウエハ100の中心点近辺のブロック化数は大となり、中心部付近の欠陥検出精度は、本検査の方が低くなる可能性がある。
【0098】
このため、ウエハ100の中心点近辺は、初期検査の欠陥検査結果を採用し、欠陥検査精度を向上することも可能である。
【0099】
図11は、閾値データを基に閾値を算出する、閾値算出時のフローチャートを示す。閾値の算出を行う場合は、シーケンス801で、閾値データを取得し、取得した閾値データを基に、シーケンス802で閾値(例えば閾値データの平均値、あるいは、閾値データの最大値または最小値)の算出を行う。また、シーケンス802後に、自動、又は手動で、閾値を閾値処理手段301に設定することも可能である。シーケンス803で閾値の算出は終了となる。
【0100】
ウエハ全面の検査データを取得することで、検査データを処理条件の設定等に活用することができる。
【0101】
以上のように、本発明によれば、データメモリ303の記憶容量の空き容量を監視し、空き容量の減少に伴って記憶すべきデータ量を制御して、欠陥検査データ取得前におけるのデータメモリ303のオーバーフローを回避するように構成したので、検査速度の低下を伴うことなく、かつ装置容積に占める信号処理部の比率を増加させることなく、データメモリのオーバーフローを回避し、ウエハ全面の検査データを取得するが可能な表面検査装置及び表面検査方法を実現することができる。
【符号の説明】
【0102】
100・・・試料、101・・・試料ステージ、102・・・回転ステージ、103・・・スライドステージ、104・・・ステージ駆動手段、106・・・照明手段、107・・・散乱光検出手段、108・・・増幅器、109・・・A/D変換器、110・・・前処理手段、111・・・後処理手段、112・・・統合処理手段、113・・・表示手段、114・・・記憶手段、115・・・散乱光、116・・・ステージ駆動制御手段、117・・・入力操作手段、300・・・ブロック化手段、301・・・閾値処理手段、302・・・状態監視手段、303・・・メモリ、700・・・解析画面、701・・・欠陥マップ、702・・・ブロック化マップ、703・・・ブロック化数を示す表示領域、704・・・カラーバー、706・・・カーソル、710・・・合成画面、720・・・拡大マップ
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査物表面の微小な異物や欠陥を検出する表面検査装置及び表面検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表面検査装置においては、高感度、高スループットの要求が年々高まり、処理すべきデータは増加する一方だが、装置容積、コスト面から小型化が求められている。
【0003】
例えば、ウエハの表面状態を検査する外観検査装置において、画像処理能力を向上させる技術として、特許文献1に記載された技術がある。
【0004】
特許文献1においては、表面検出情報の処理や保存を行うプロセッサエレメントの装置に接続されている数や種類等を監視している。そして、プロセッサエレメントの接続状態に応じて画像の分割・分配制御を行い、プロセッサエレメントに対する耐故障性を向上させている。
【0005】
つまり、プロセッサエレメントが故障した際に、画像分配制御部が、故障したプロセッサエレメントが保存すべき情報を、装置に接続された正常なプロセッサウェレメントが保存するように、再分配し、再設定した速度で検査を続行するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−140961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、特許文献1に開示された技術では、検出した連続画像データを、処理単位画像として分割し、所定の正常なプロセッサエレメントに分配し、プロセッサエレメントの故障など、プロセッサエレメント数が変化した場合のために、プロセッサエレメントの状態を監視し、プロセッサエレメントの状態に応じて、分配画像サイズの再設定や検出速度の再設定を行っている。
【0008】
しかし、特許文献1の技術においては、プロセッサエレメントの故障などにより、接続された正常なプロセッサエレメントの数が減少した場合、表面検出速度は低下してしまう。
【0009】
プロセッサエレメント数や処理基板数を増やすことで、検出速度の低下は補えるが、装置面積に占める信号処理部分の比率が増し、装置構成の拡張やコストが上昇する可能性がある。
【0010】
例えば、ウエハ表面上の汚れが激しい場合においては、処理しなければならないデータ量が多くなる。これに対応するためには、処理能力の高い信号処理装置を備えるか、もしくは、データ量削減処理が必要になる。
【0011】
前者は、コスト面の問題がある。後者は、比較的、処理能力の低い信号処理装置で構成が可能であり、コスト面で有利である。しかしながら、ウエハ表面上の汚れは、不確定であるため、検出精度を保持しながら、データ量削減処理を行っうことが可能であることの保証ができないという問題がある。
【0012】
現状では、保存すべきデータ量がメモリの記憶容量をオーバーフローするウエハにおいては、記憶されたデータのみによる検査処理では正確な検査であると保証できない。そのため、試行錯誤で条件を再度設定し、再検査を行っている。
【0013】
すなわち、データメモリに格納すべきデータがそのメモリに対してオーバフローを発生させた場合、ウエハの表面検査途中において、メモリの記憶内容が更新されてしまうため、それまで記憶されていたデータを喪失してしまうためである。
【0014】
本発明の目的は、検査速度の低下を伴うことなく、かつ装置容積に占める信号処理部の比率を増加させることなく、データメモリのオーバーフローを回避し、ウエハ全面の検査データを取得するが可能な表面検査装置及び表面検査方法を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、本発明は次のように構成される。
【0016】
試料台上の被検査物に照明光を照射し、被検査物からの散乱光を複数の散乱光検出手段により検出し検出信号を出力し、これら複数の散乱光検出手段からの検出信号を合成し、合成した検出信号を示す複数のデータを1単位としてブロック化し、複数のブロックのそれぞれの中の複数のデータのうちの選択したデータをメモリに記憶し、メモリのデータ記憶容量のうちの空き容量に基づいて、上記1ブロックとするデータ数を状態監視手段により変更し、上記メモリに記憶されたデータを処理し、被検査物の表面の欠陥を分類する。
【発明の効果】
【0017】
検査速度の低下を伴うことなく、かつ装置容積に占める信号処理部の比率を増加させることなく、データメモリのオーバーフローを回避し、ウエハ全面の検査データを取得するが可能な表面検査装置及び表面検査方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施例に係る表面検査装置の概略構成図である。
【図2】表面検査方法の説明図である。
【図3】後処理手段の内部構成図である。
【図4】ブロック化手段のデータブロック化の説明図である。
【図5】ブロック化手段のデータブロック化の説明図である。
【図6】データブロック化を行った場合のイメージ図である。
【図7】本発明の一実施例における動作フローチャートである。
【図8】本発明の一実施例における表示手段に表示された解析画面の一例を示す図である。
【図9】欠陥マップとブロック化マップとの合成画面の一例を示す図である。
【図10】表示手段に表示された合成画面の一部の拡大図ある。
【図11】検査データを用いた閾値算出時のシーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【実施例】
【0020】
図1は、本発明の一実施例に係る表面検査装置の概略構成図である。
【0021】
図1において、本発明の表面検査装置は、試料ステージ(試料台)101と、ステージ駆動手段104と、照明手段106と、散乱光検出手段107と、増幅器108と、A/D変換器109と、前処理手段110と、後処理手段111と、統合処理手段112と、表示手段113と、記憶手段114と、ステージ駆動制御手段116と、入力操作手段117とを備えている。
【0022】
試料ステージ101上の試料(例えば、ウエハ)100は、照明手段106により照明光105が照射され、被検査物であるウエハ100からの散乱光115が複数の散乱光検出手段107により検出され、検出信号が出力される。そして、散乱光検出手段107からの検出信号から、前処理手段110により、ノイズが低減され、後処理手段111により欠陥の有無等が判定される。そして、統合処理手段112により、後処理手段111で処理された信号が統合される。
【0023】
(1)試料ステージ101
試料ステージ101について説明する。
【0024】
試料ステージ101は、その上に置かれた被検査物であるウエハ100を支持する。そして、試料ステージ101は、ステージ駆動手段104により回転駆動される。ステージ駆動手段104は、試料ステージ101を回転させる回転ステージ102と、試料ステージ101を径方向に移動させるスライドステージ103とを備えている。
【0025】
(2)照明手段106
次に、照明手段106について説明する。
【0026】
照明手段106は、試料ステージ101の上方に配置されている。照明手段106から発生されたスポット形状の照明光105が試料ステージ101上のウエハ100に照射される。照明光105を試料であるウエハ100に照射しているとき、試料ステージ101を回転ステージ102により回転させつつ、スライドステージ103によって径方向に移動させることで、相対的に照明光105がウエハ100の全面上を螺旋上に走査される。
【0027】
ステージ駆動制御手段116は、回転ステージ102やスライドステージ103等の駆動機構を制御する。また、ステージ駆動制御手段116の試料ステージ101の駆動位置により、検査データのウエハ100上の座標位置を検出することができる。
【0028】
(3)散乱光検出手段107
続いて、散乱光検出手段107について説明する。
【0029】
散乱光検出手段107には、増幅器108、A/D変換器109が接続されており、照明手段106より照射された照明光105が、異物あるいは欠陥に当たって、ウエハ100の表面から散乱してきた散乱光115が、散乱光検出手段107で検出される。
【0030】
散乱光検出手段107からの検出信号は増幅器108を介して増幅され、A/D変換器109を介してディジタル信号化される。本発明の一実施例では、1つの散乱光検出手段107を設けた場合を例示しているが、散乱光検出手段の数に限定はなく2つ以上の散乱光検出器が配置されていれば良い。
【0031】
(4)前処理手段110
次に、前処理手段110について説明する。
【0032】
前処理手段110は、A/D変換器109によりディジタル信号化された信号を、ディジタル処理によりノイズ低減を行っている。
【0033】
(5)後処理手段111
続いて、後処理手段111について説明する。
【0034】
後処理手段111は、ブロック化手段300と、閾値処理手段301とを備え、前処理手段110より出力されたデータ量を減らす処理が行われる。
【0035】
(6)統合処理手段112
統合処理手段112について説明する。
【0036】
複数の散乱光検出器107により検出され、信号処理された信号(データ)は、統合処理手段112で統合され、欠陥の分類処理が行われる。
【0037】
(7)表示手段113
表示手段113について説明する。
【0038】
表示手段113には、ウエハ100上の欠陥データを表すマップ(便宜上「欠陥マップ」と称する)や、例えば、入力操作手段117により指定された条件に従って統合処理手段112によって処理された信号を基に構築された合成データ、ウエハ上のブロック化数の変化を表すマップ(便宜上「ブロック化マップ」と称する)、欠陥密度を示す、欠陥密度マップ(便宜上「欠陥密度マップ」と称する)、検出条件(例えば、レシピ)等を表示する。
【0039】
表示手段113は、表示切換手段により、欠陥マップ、ブロック化マップ、欠陥密度マップを同一画面上において、個別に表示することや、欠陥マップ、ブロック化マップ、欠陥密度マップを重ねて、または単体で表示させることも可能である。
【0040】
(8)記憶手段114
記憶手段114について説明する。
【0041】
記憶手段114は、各種制御・演算処理に必要なプログラム・定数、検査結果(欠陥検査データ、合成データ、ブロック化するデータ数、閾値データ)、入力操作手段117より設定された条件等を格納している。検査結果データのうち、ブロック化するデータ数、閾値データは統合処理手段112により格納、変更、修正が行われ、設定される。
【0042】
次に、本発明の一実施例における検査方法の詳細を図2を用いて説明する。
【0043】
図2において、検査が開始されると、ウエハ100上のデータ取り込み開始点(ウエハ100の中心)200を基点にθ方向に、θ方向回転動作202に示すように回転し、R方向(半径方向)にR方向直線動作201に示すように移動しながら、ウエハ100上のデータを取り込む。ウエハ100の半径分だけ移動することで、ウエハ100全面の検査データを取り込むことができる。ウエハ100全面の検査データを取り込むことにより、検査動作は終了する。
【0044】
続いて、後処理手段111の詳細について、図3を用いて説明する。
【0045】
図3は、後処理手段111の内部構成図である。図3において、ブロック化手段300では、前処理手段110によりディジタル処理されたデータを、任意のデータ数で1つのブロックにまとめ、1ブロックにつき1データを取り出す。また、ブロック化手段300では、状態監視手段302からの指示で、ブロック化数の変更を行う。
【0046】
閾値処理手段301は、欠陥の有無の判定を行う。閾値処理手段301では、予め設定された閾値(例えば、取得したウエハの検査データを基に算出された閾値等)に従い、ブロック化手段300より入ってきたデータに対し、閾値を越えた場合にのみデータを取得しメモリ303へ送る。また、閾値処理手段301では、状態監視手段302からの指示で閾値の変更を行うこともできる。また、入力操作手段117からも、閾値を自由に設定することができる。
【0047】
状態監視手段302では、メモリ303の空き容量を監視し、ブロック化数の増減をブロック化手段300に指示する。また、状態監視手段302は、閾値の変更を閾値処理手段301に指示し、閾値を変更させることも可能である。また、ブロック化手段300と閾値処理手段301の配置は、図3に示した配置と逆の配置も可能である。
【0048】
ここで、ブロック化手段300によってブロック化数を増加する際の動作について、説明する。
【0049】
状態監視手段302において、メモリ303に格納されたデータ量が増加し、メモリ303内の空き容量の減少を検知した場合、ブロック化手段300に対し、1ブロック化するデータ数の増加を指示する。これに対し、ブロック化処理手段300では、1ブロック内のデータ数を増加する。
【0050】
例えば、状態監視手段302は、メモリ303の空き容量が、全容量の30%となったとき、1ブロックのデータ数を増加させる。以降、メモリ303の空き容量の減少に伴い、1ブロックのデータ数をさらに増加し、メモリ303がオーバーフローしないように1ブロックのデータ数を増加させる。
【0051】
また、1ブロック内のデータ数を増加させることを判断する他の方法としては、状態監視手段302は、メモリ303のデータ格納増加量を時間単位で監視し、増加量が一定値となった時点で、1ブロック内のデータ数を増加させる方法もある。1ブロック内のデータ数を増加させた後も、メモリ303のデータ格納増加量を時間単位で監視し、増加量が一定値となった時点で、さらに1ブロック内のデータ数を増加させるように構成することもできる。
【0052】
状態監視手段302は、常時メモリ303の状態を監視しており、1ブロック内のデータ数の増減およびブロック内データ数の維持をブロック化手段300に指示している。状態監視手段302の1ブロック内のデータ数増減指示内容は、メモリ303に記憶させるか、状態監視手段302自身の内部に記憶することもできる。
【0053】
また、図3に例示した後処理手段111の構成において、ブロック化手段300と閾値処理手段301の配置が、逆であった場合に行える処理の一例を以下に示す。
【0054】
前処理手段110より入ってきたデータに対し、閾値処理手段301では、閾値を越えた場合にのみ、データを取得し、ブロック化手段300に出力する。ブロック化手段300では、閾値処理手段301より入ってきたデータに対し、ブロック化処理を行い、他の閾値を基準として取り出したデータをメモリ303へ送る。
【0055】
ブロック化手段300では、1ブロック内にある検査データの中から、上記他の閾値より大の1データのみを取り出すが、1ブロック内には、上記閾値を越えた検査データが複数存在することが考えられる。この場合も、1ブロック内の1データのみ取り出すが、1ブロック内に存在する、閾値を越えた検査データの個数を、1ブロック内の欠陥密度(欠陥の個数)を示す欠陥密度マップとして表示することができる。
【0056】
ブロック化手段300の基本的ブロック化(便宜上「基本ブロック化手段」と称する)を、図4を用いて説明する。
【0057】
データのブロック化とは、複数個の検出データ400から、代表点を一つ選択することである。検出データ400は、単位角度θあたりに検出される散乱光強度のことである。
【0058】
図4は、検出データ400を、あるブロック化数401aでブロック化し、ブロック化したデータの中から、一つの検出データ401bを取り出すことを示す。この時、必ず、一つのブロックの中から一つのデータのみを取り出す。取り出すデータは、1ブロック内にある複数の検査データ400の中で、データ値が一番大きいもの、つまり最大値である。
【0059】
ブロック化すると、複数のデータを一つにまとめるため、検出しなければならないデータが複数存在する場合、一つしか検出できない問題が考えられる。その問題は、ブロック化する範囲を、光学系の分解能よりも小さくすることで回避が可能である。これにより、検出しなければならないデータが複数存在する場合を無くすことができる。ブロック化することで、単位時間当たりに処理するデータ量を削減することができる。
【0060】
次に、本発明の一実施例におけるブロック化手段300の詳細について、図5を用いて説明する。
【0061】
ブロック化の方法は、上記基本ブロック化手段と同じである。
【0062】
図5は、検出データ400を、ブロック化数501a〜504aでブロック化し、ブロック化したデータの中から検出データ501b〜504bを取り出すことの説明図である。ここでは、ブロック化数がウエハ100の表面状態に応じて、変化したときの処理について示す。検出データ400をブロック化数501a〜504aのように異なるブロック化数でブロック化する。
【0063】
ここで、ブロック化数がウエハ100の表面状態に応じて変化した際の動作について、一つの例を示す。
【0064】
図5において、ブロック化数が2個(501a)だった場合、2個の検出データで一つのブロックとみなし、2個の検出データの内、データの値が大きい方の検出データをそのブロックの検出データ501bとする。
【0065】
さらに、ブロック化数が3個(502a)だった場合も同様に、3個の検出データで一つのブロックとみなし、3個の検出データの内、データの値が一番大きい検出データを、そのブロックの検出データ502bとする。ブロック化数が4個(503a)、5個(504a)だった場合も同様である。
【0066】
図6は、ウエハ100を検査した際に、ブロック化手段300によりデータブロック化を行った場合のイメージ図であり、ブロック化数が2個(501a)だった場合に、検出データをそのブロックの検出データ501bとする例と、ブロック化数が3個(502a)だった場合に、検出データをそのブロックの検出データ502bとする例である。
【0067】
1枚のウエハ100を検査する場合、ブロック化数は固定ではなく可変であり、メモリ303の空き状態により随時変更・設定される。
【0068】
例えば、ウエハ100上に異物が多く存在した場合、ブロック化数は増加し、異物が少ない場合ブロック化数は減少する。
【0069】
図7は、本発明の一実施例における動作フローチャートである。
【0070】
図7において、表面検査装置によるウエハ100の検査が開始されると、ステップ600で状態監視手段302は、メモリ303内の空き状態の監視を行い、メモリ303の空き容量が十分あるか否か(例えば空き容量が30%以上あるか否か)を判断する。
【0071】
メモリ303に格納されたデータ量の増加でメモリ303内の空き容量が減少した場合、オーバーフローを起こしやすい状態となる。ステップ600でメモリ303の空き容量が減少し、不十分であると判断した場合、メモリ303のオーバーフローを回避するため、ステップ601に進み、状態監視手段302は、ブロック化数増加の設定を行いブロック化手段300に指示する(または、閾値を増加し、閾値処理手段301に指示する)。
【0072】
ステップ600で、メモリ303の容量に十分に空きがある場合は、ステップ602で現在のブロック化数の維持、または減少の設定を行う(または、閾値を減少、あるいは維持を閾値処理手段301に指示する)。
【0073】
次に、ステップ603において、ウエハ100の全検査領域を走査終了したか否かを判断する。この判断は、状態監視手段302及び統合処理手段112により行われる。ステップ603において、ウエハ100の全検査領域を走査終了していなければ、ステップ600に戻る。
【0074】
ステップ603にて、ウエハ100の全検査領域を走査終了していれば、ステップ604に進み、ウエハ100を走査して判断された各領域のブロック化数又は閾値を統合処理手段112を介して記憶手段114に格納する。
【0075】
そして、ステップ605において、再びウエハ100の検査を開始し、記憶手段114に格納した各領域のブロック化数又は閾値に従って、検査データをメモリ303に記憶する。
【0076】
つまり、本発明の一実施例においては、ウエハ100の初期検査を行い、各領域のブロック化数又は閾値を設定し、設定した各領域のブロック化数又は閾値に基づいて本検査を行う構成となっている。
【0077】
ただし、操作者等の使用者により、初期検査のみで検査を終了することもできる。これは、入力操作手段117を介して統合処理手段112に設定可能である。
【0078】
図8は、本発明の一実施例における表示手段113に表示された解析画面の一例を示す図である。
【0079】
図8に示すように、解析画面700の表示領域705には、ウエハ100上の欠陥データを表示する欠陥マップ701と、ウエハ100上のブロック化数の変化を表示するブロック化マップ702と、ブロック化数を示す表示領域703と、カラーバー704とが表示されている。欠陥マップ701及びブロック化マップ702は、統合処理手段112により作成される。
【0080】
表示領域705内であれば、欠陥マップ701とブロック化マップ702との配置は、互いに逆とすることもできる。ブロック化数を示す表示領域703には、ブロック化マップ702上において、入力操作手段117による操作又は表示領域705へのタッチ操作により、カーソル706で選択されたブロック化マップ702のブロック化数が表示される。
【0081】
また、ブロック化マップ702において、ブロック化数が異なるブロックを色別に分けて、ブロック化マップ702に表示させることもできる。カラーバー704は、ブロック化数と色とを対応させる。
【0082】
図9は、表示手段113に表示された欠陥マップとブロック化マップとの合成画面の一例を示す図である。
【0083】
図9に示した合成画面710は、表示切換操作(例えば、解析画面700に表示切換ボタンを設けておき、その表示切換ボタンへのタッチ操作又は、入力操作手段117による入力操作)により、解析画面700から表示が移行された画面である。
【0084】
上記表示切換操作により、解析画面700に表示を移行することもできる。
【0085】
図9に示すように、合成画面710の表示領域707には、拡大マップ720と、ブロック化数を示す表示領域703と、カラーバー704とが表示されている。
【0086】
図10は、拡大マップ720を拡大した図を示す。
【0087】
拡大マップ720には、欠陥マップ701とブロック化マップ702とを重ねて表示することができる。また、欠陥マップ701とブロック化マップ702とを、拡大マップ701上で、それぞれ個別に表示することもできる。ブロック化数の表示領域703には、拡大マップ720上において、入力操作手段117による操作又は表示領域703へのタッチ操作により、カーソル706で選択されたブロック化マップ702のブロック化数が表示される。ブロック化マップにおいて、ブロック化数が異なるブロックを色別に分けて、ブロック化マップ702に表示させることもできる。カラーバー704は、ブロック化数と色とを対応させる。
【0088】
欠陥マップ701とブロック化マップ702とを重ねて表示させたり、ブロック化マップ702のブロック化数が異なるブロック毎に、色別に分けて表示させたりすることにより、欠陥分布の確認、ブロック化数の変化の確認を同時に行うことができ、さらに、視覚的にも分かりやすくすることができる。
【0089】
表示手段113には、欠陥密度マップ(図示せず)を表示することができ、欠陥マップ701やブロック化マップ702と、同一画面上において、個別に表示することや、重ねて、または単体で表示することができる。
【0090】
また、データ量の増減により、変化した閾値を閾値変化マップ(図示せず)として表示手段113に表示することができる。
【0091】
例えば、ブロック化数を固定したまま、検査を行いたい場合などに、入力操作手段117より記憶手段114に記憶されたブロック化数の増減を手動で設定することができる。また、記憶手段114に記憶されたデータ閾値(1データブロックの中からデータを選択するための閾値)の増減を手動で設定することもできる。
【0092】
また、記憶手段114には、メモリの空き容量に基づいて変更する、1ブロックとするデータ数及び閾値の変更数が記憶されており、これらの値を手動で変更設定することができる。
【0093】
図2に示したように、ウエハ100の表面欠陥検査におけるデータ取り込み開始点200は、ウエハ100の中心点である。そして、1ブロックのデータ数は、検査が進むに従って増加する傾向にあり、閾値も大きくなっていく傾向にある。
【0094】
このため、ウエハ100の中心点から外周に向かうに従って、1ブロックのデータ数が多くなり、又は閾値が大となり、欠陥検出精度がウエハ100の中心近傍に比較して低下する可能性がある。
【0095】
初期検査において使用した各領域のブロック化数又は閾値をそのまま使用して、本検査を行う場合には、初期検査と本検査とで、欠陥検出精度の相違はほとんど生じないと考えられる。
【0096】
しかし、初期検査の結果を考慮して、ウエハ100の周辺近辺の検査にて使用したブロック化数又は閾値を、本検査において使用することも考えられる。
【0097】
この場合、初期検査にて用いた、ウエハ100の中心点近辺のブロック化数より、本検査にて用いたウエハ100の中心点近辺のブロック化数は大となり、中心部付近の欠陥検出精度は、本検査の方が低くなる可能性がある。
【0098】
このため、ウエハ100の中心点近辺は、初期検査の欠陥検査結果を採用し、欠陥検査精度を向上することも可能である。
【0099】
図11は、閾値データを基に閾値を算出する、閾値算出時のフローチャートを示す。閾値の算出を行う場合は、シーケンス801で、閾値データを取得し、取得した閾値データを基に、シーケンス802で閾値(例えば閾値データの平均値、あるいは、閾値データの最大値または最小値)の算出を行う。また、シーケンス802後に、自動、又は手動で、閾値を閾値処理手段301に設定することも可能である。シーケンス803で閾値の算出は終了となる。
【0100】
ウエハ全面の検査データを取得することで、検査データを処理条件の設定等に活用することができる。
【0101】
以上のように、本発明によれば、データメモリ303の記憶容量の空き容量を監視し、空き容量の減少に伴って記憶すべきデータ量を制御して、欠陥検査データ取得前におけるのデータメモリ303のオーバーフローを回避するように構成したので、検査速度の低下を伴うことなく、かつ装置容積に占める信号処理部の比率を増加させることなく、データメモリのオーバーフローを回避し、ウエハ全面の検査データを取得するが可能な表面検査装置及び表面検査方法を実現することができる。
【符号の説明】
【0102】
100・・・試料、101・・・試料ステージ、102・・・回転ステージ、103・・・スライドステージ、104・・・ステージ駆動手段、106・・・照明手段、107・・・散乱光検出手段、108・・・増幅器、109・・・A/D変換器、110・・・前処理手段、111・・・後処理手段、112・・・統合処理手段、113・・・表示手段、114・・・記憶手段、115・・・散乱光、116・・・ステージ駆動制御手段、117・・・入力操作手段、300・・・ブロック化手段、301・・・閾値処理手段、302・・・状態監視手段、303・・・メモリ、700・・・解析画面、701・・・欠陥マップ、702・・・ブロック化マップ、703・・・ブロック化数を示す表示領域、704・・・カラーバー、706・・・カーソル、710・・・合成画面、720・・・拡大マップ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査物の表面を検査する表面検査装置において、
被検査物を搭載する試料台と、
上記試料台上の被検査物に照明光を照射する照明手段と、
被検査物からの散乱光を検出し検出信号を出力する複数の散乱光検出手段と、
これら複数の散乱光検出手段からの検出信号を合成する前処理手段と、
上記前処理手段から出力された複数のデータを1単位としてデータをブロック化するブロック化手段と、複数のブロックのそれぞれの中の複数のデータのうちの選択したデータを記憶するメモリと、このメモリのデータ記憶容量のうちのデータ空き容量に基づいて、上記ブロック化手段の1ブロックとするデータ数を変更して設定する状態監視手段とを有する後処理手段と、
上記メモリに記憶されたデータを処理し、被検査物の表面の欠陥を分類する統合処理手段と、
を備えることを特徴とする表面検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表面検査装置において、
上記後処理手段は、1つの上記ブロックのうちの複数のデータの中から設定した閾値以上のデータを選択し、選択したデータを上記メモリに格納する閾値処理手段を有し、上記状態監視手段は、上記メモリのデータ記憶容量のうちのデータ空き容量に基づいて、上記閾値処理手段がデータを選択する閾値を変更して設定することを特徴とする表面検査装置。
【請求項3】
請求項1に記載の表面検査装置において、
上記統合処理手段により分類された被検査物の表面の欠陥データを検査データとして格納する記憶手段と、上記検査データを表示する表示手段と、上記統合処理手段に対して入力操作を行う入力操作部とをさらに備えることを特徴とする表面検査装置。
【請求項4】
請求項3に記載の表面検査装置において、
上記統合処理手段は、上記被検査物上の欠陥の分布を示す欠陥マップと、上記ブロック化したデータに対応する上記被検査物上の領域を示すブロック化マップを作成し、作成したブロック化マップと欠陥マップとを重ねて又はブロック化マップと欠陥マップとの少なくともいずれか一方を上記表示手段に表示することを特徴とする表面検査装置。
【請求項5】
請求項4記載の表面検査装置において、
上記欠陥マップとブロック化マップとを上記表示手段の一つの画面に並べて表示することを特徴とする表面検査装置。
【請求項6】
請求項3に記載の表面検査装置において、
上記統合処理手段は、上記状態監視手段がブロック化手段に設定した1ブロックとするデータ数と、閾値処理手段に設定した閾値とを上記記憶手段に格納することを特徴とする表面検査装置。
【請求項7】
請求項6に記載の表面検査装置において、
上記記憶手段に格納された、1ブロックとするデータ数及び閾値は、上記入力操作部により変更可能であることを特徴とする表面検査装置。
【請求項8】
請求項7に記載の表面検査装置において、
上記状態監視手段が、上記メモリの空き容量に基づいて変更する、1ブロックとするデータ数及び閾値の変更数は、上記入力操作部により設定可能であることを特徴とする表面検査装置。
【請求項9】
請求項3に記載の表面検査装置において、
上記ブロック化手段の1ブロックとするデータ数は上記表示画面に表示されることを特徴とする表面検査装置。
【請求項10】
被検査物の表面を検査する表面検査方法において、
試料台上の被検査物に照明光を照射し、
被検査物からの散乱光を複数の散乱光検出手段により検出し検出信号を出力し、
これら複数の散乱光検出手段からの検出信号を合成し、
上記合成された検出信号を示す複数のデータを1単位としてブロック化し、
複数のブロックのそれぞれの中の複数のデータのうちの選択したデータをメモリに記憶し、
このメモリのデータ記憶容量のうちの空き容量に基づいて、上記1ブロックとするデータ数を状態監視手段により変更し、
上記メモリに記憶されたデータを処理し、被検査物の表面の欠陥を分類することを特徴とする表面検査方法。
【請求項11】
請求項10に記載の表面検査方法において、
1つの上記ブロックのうちの複数のデータの中から設定した閾値以上のデータを選択し、選択したデータを上記メモリに格納し、上記メモリのデータ記憶容量のうちの空き容量に基づいて、データを選択する閾値を変更して設定することを特徴とする表面検査方法。
【請求項12】
請求項10に記載の表面検査方法において、
上記分類された被検査物の表面の欠陥データを検査データとして格納し、上記検査データを表示手段に表示することを特徴とする表面検査方法。
【請求項13】
請求項12に記載の表面検査方法において、
上記被検査物上の欠陥の分布を示す欠陥マップと、上記ブロック化したデータに対応する上記被検査物上の領域を示すブロック化マップを作成し、作成したブロック化マップと欠陥マップとを重ねて又はブロック化マップと欠陥マップとの少なくともいずれか一方を上記表示手段に表示することを特徴とする表面検査方法。
【請求項14】
請求項13に記載の表面検査方法において、
上記欠陥マップとブロック化マップとを上記表示手段の一つの画面に並べて表示することを特徴とする表面検査方法。
【請求項15】
請求項12に記載の表面検査方法において、
上記1ブロックとするデータ数と、設定した閾値とを記憶手段に格納することを特徴とする表面検査方法。
【請求項16】
請求項15に記載の表面検査方法において、
上記記憶手段に格納された、1ブロックとするデータ数及び閾値は変更可能であることを特徴とする表面検査方法。
【請求項17】
請求項16に記載の表面検査方法において、
上記メモリの空き容量に基づいて変更する、1ブロックとするデータ数及び閾値の変更数は任意に設定可能であることを特徴とする表面検査方法。
【請求項18】
請求項12に記載の表面検査方法において、
上記1ブロックとするデータ数は上記表示手段に表示されることを特徴とする表面検査方法。
【請求項1】
被検査物の表面を検査する表面検査装置において、
被検査物を搭載する試料台と、
上記試料台上の被検査物に照明光を照射する照明手段と、
被検査物からの散乱光を検出し検出信号を出力する複数の散乱光検出手段と、
これら複数の散乱光検出手段からの検出信号を合成する前処理手段と、
上記前処理手段から出力された複数のデータを1単位としてデータをブロック化するブロック化手段と、複数のブロックのそれぞれの中の複数のデータのうちの選択したデータを記憶するメモリと、このメモリのデータ記憶容量のうちのデータ空き容量に基づいて、上記ブロック化手段の1ブロックとするデータ数を変更して設定する状態監視手段とを有する後処理手段と、
上記メモリに記憶されたデータを処理し、被検査物の表面の欠陥を分類する統合処理手段と、
を備えることを特徴とする表面検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表面検査装置において、
上記後処理手段は、1つの上記ブロックのうちの複数のデータの中から設定した閾値以上のデータを選択し、選択したデータを上記メモリに格納する閾値処理手段を有し、上記状態監視手段は、上記メモリのデータ記憶容量のうちのデータ空き容量に基づいて、上記閾値処理手段がデータを選択する閾値を変更して設定することを特徴とする表面検査装置。
【請求項3】
請求項1に記載の表面検査装置において、
上記統合処理手段により分類された被検査物の表面の欠陥データを検査データとして格納する記憶手段と、上記検査データを表示する表示手段と、上記統合処理手段に対して入力操作を行う入力操作部とをさらに備えることを特徴とする表面検査装置。
【請求項4】
請求項3に記載の表面検査装置において、
上記統合処理手段は、上記被検査物上の欠陥の分布を示す欠陥マップと、上記ブロック化したデータに対応する上記被検査物上の領域を示すブロック化マップを作成し、作成したブロック化マップと欠陥マップとを重ねて又はブロック化マップと欠陥マップとの少なくともいずれか一方を上記表示手段に表示することを特徴とする表面検査装置。
【請求項5】
請求項4記載の表面検査装置において、
上記欠陥マップとブロック化マップとを上記表示手段の一つの画面に並べて表示することを特徴とする表面検査装置。
【請求項6】
請求項3に記載の表面検査装置において、
上記統合処理手段は、上記状態監視手段がブロック化手段に設定した1ブロックとするデータ数と、閾値処理手段に設定した閾値とを上記記憶手段に格納することを特徴とする表面検査装置。
【請求項7】
請求項6に記載の表面検査装置において、
上記記憶手段に格納された、1ブロックとするデータ数及び閾値は、上記入力操作部により変更可能であることを特徴とする表面検査装置。
【請求項8】
請求項7に記載の表面検査装置において、
上記状態監視手段が、上記メモリの空き容量に基づいて変更する、1ブロックとするデータ数及び閾値の変更数は、上記入力操作部により設定可能であることを特徴とする表面検査装置。
【請求項9】
請求項3に記載の表面検査装置において、
上記ブロック化手段の1ブロックとするデータ数は上記表示画面に表示されることを特徴とする表面検査装置。
【請求項10】
被検査物の表面を検査する表面検査方法において、
試料台上の被検査物に照明光を照射し、
被検査物からの散乱光を複数の散乱光検出手段により検出し検出信号を出力し、
これら複数の散乱光検出手段からの検出信号を合成し、
上記合成された検出信号を示す複数のデータを1単位としてブロック化し、
複数のブロックのそれぞれの中の複数のデータのうちの選択したデータをメモリに記憶し、
このメモリのデータ記憶容量のうちの空き容量に基づいて、上記1ブロックとするデータ数を状態監視手段により変更し、
上記メモリに記憶されたデータを処理し、被検査物の表面の欠陥を分類することを特徴とする表面検査方法。
【請求項11】
請求項10に記載の表面検査方法において、
1つの上記ブロックのうちの複数のデータの中から設定した閾値以上のデータを選択し、選択したデータを上記メモリに格納し、上記メモリのデータ記憶容量のうちの空き容量に基づいて、データを選択する閾値を変更して設定することを特徴とする表面検査方法。
【請求項12】
請求項10に記載の表面検査方法において、
上記分類された被検査物の表面の欠陥データを検査データとして格納し、上記検査データを表示手段に表示することを特徴とする表面検査方法。
【請求項13】
請求項12に記載の表面検査方法において、
上記被検査物上の欠陥の分布を示す欠陥マップと、上記ブロック化したデータに対応する上記被検査物上の領域を示すブロック化マップを作成し、作成したブロック化マップと欠陥マップとを重ねて又はブロック化マップと欠陥マップとの少なくともいずれか一方を上記表示手段に表示することを特徴とする表面検査方法。
【請求項14】
請求項13に記載の表面検査方法において、
上記欠陥マップとブロック化マップとを上記表示手段の一つの画面に並べて表示することを特徴とする表面検査方法。
【請求項15】
請求項12に記載の表面検査方法において、
上記1ブロックとするデータ数と、設定した閾値とを記憶手段に格納することを特徴とする表面検査方法。
【請求項16】
請求項15に記載の表面検査方法において、
上記記憶手段に格納された、1ブロックとするデータ数及び閾値は変更可能であることを特徴とする表面検査方法。
【請求項17】
請求項16に記載の表面検査方法において、
上記メモリの空き容量に基づいて変更する、1ブロックとするデータ数及び閾値の変更数は任意に設定可能であることを特徴とする表面検査方法。
【請求項18】
請求項12に記載の表面検査方法において、
上記1ブロックとするデータ数は上記表示手段に表示されることを特徴とする表面検査方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−7714(P2013−7714A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141952(P2011−141952)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
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