説明

被覆された物体を形成するための浸漬、噴霧およびフロー被覆処理

熱可塑性樹脂で被覆された金属、セラミックおよびガラスの物体は、金属、セラミックおよびガラスの物体を提供し、第1の熱可塑性樹脂を被覆されたまたは被覆されていない物体の基材の表面に含む被覆材料の水溶液、懸濁液および/または分散液を浸漬、噴霧またはフロー被覆により塗布し、第1の密着している膜を形成するために物体を浸漬、噴霧、フロー被覆から引き出し、浸漬、噴霧またはフロー被覆に起因した余分の材料を除去し、そして、第1の膜を形成するために第1の膜が実質的に乾燥されるまで硬化および/または乾燥する処理により製造される。第1の熱可塑性樹脂は熱可塑性エポキシ樹脂を含む。同じまたは異なる組成の付加的な被覆は、本発明の処理のステップの連続反復により第1の被覆の上に塗布され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の背景
本発明の技術分野
本発明は、被覆された物体、例えば容器などに関する。具体的には、本発明は被覆された物体を対象にし、その被覆がUV光からの向上した保護および/または減少した表面摩擦係数を提供し、生産ライン上で物体の移動を促進する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の記述
プラスチックの容器は、多くの用途においてガラス、セラミックおよび金属の容器に取って代わったが、それらの材料はまだ幅広く使用されている。ガラス、セラミックおよび金属は容器として使用するための多くの利点を有する。具体的には、ガラス、セラミックおよび金属の容器は、ガスの拡散、例えば容器中で二酸化炭素および酸素に対して実質的に不浸透性のバリアを提供し、その一方、樹脂は実質的なガスの浸透性を代表的に有し、炭酸飲料および酸素に敏感な食物にとっては不利な容器である。ほとんどのガラスはもちろん、特定のセラミックは、少なくとも部分的に可視光を通す。従って、消費者によって中身を見ることが可能であり、そして様々な色もそろえられ、全体的に透明から不透明まで様々である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
光が通る容器において、紫外線は食物および飲料を低下させることが知られているため、スペクトルの紫外線領域中の透過は特定の用途で不都合である。この理由のため、ビールは、少し高いが代表的にカンまたは、緑または茶色のガラスビンに入れて売られ、UV劣化の可能性を減らす。さらに、紫外線は色彩または染めたカン、ジャーおよびビンの表面を漂白する。太陽の放射は環境中でUVの主な源であり、大気によって吸収されることなく地表面まで達する長波長の紫外線は主要な懸念であり、短波長の照射はありそうもない。地表面に達するほとんどの紫外線はUV-Aとして知られている領域中であり、320から400nmの波長を有する。320nm未満の短い波長、すなわち、290から320nmまでのUV−B領域および、290nm未満のUV−C領域は、大気のオゾンおよび酸素により完全に吸収されるとまではいかないが、実質的に吸収される。吸収は大気のオゾンによって約350nmで始まるので、約350nm未満の波長を有する紫外線の照射は、一般的にごくわずかであり、従って、懸念はない。それ故に、照射が最適で、そして容易に適用されるそれらの波長で紫外線を吸収するガラスに対する安価な被覆は魅力がある。
【0004】
ガラスビンおよび容器は、しばしばポリエチレンにより被覆され、ガラス表面の摩擦係数を減らす。しかしながら、ポリエチレンとガラスとは高い親和力を有さないので、表面は代表的に、まず酸、例えばフッ化水素酸(HF)によりエッチングされ、そして、その後ポリエチレンを噴霧される。HFおよび同様の酸は腐食性および毒性が極めて高く、エッチング処理は危険であり、そしてその結果として廃棄物処理問題がある。
【0005】
それ故に、表面を腐食性材料によりエッチングする必要なしで、ガラスおよび金属容器を被覆する単層被覆方法が必要とされる。本発明はそのような方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の要約
本発明は熱可塑性樹脂を被覆された金属、セラミックおよびガラスの物体を製造するための処理を対象にする。本発明の処理は金属、セラミックまたはガラス物体を提供し、第1の熱可塑性樹脂を被覆されたまたは被覆されていない物体の基材の表面、好適には外面の少なくとも一部に含む被覆材料の水溶液、懸濁液および/または分散液を、浸漬(ディップ)、噴霧(スプレー)またはフロー被覆により塗布し、第1の密着膜を形成する速度で物体を浸漬、噴霧、フロー被覆から引き出し、そして浸漬、噴霧またはフロー被覆に起因した余分の材料を、好適には、回転、重力、ワイパー、ブラシ、エアナイフおよび気流により除去することを含む。被覆された物体はその後、第1のフィルムが実質的に乾燥して、第1の被覆を形成するまで、硬化(curing)および/または乾燥させる。本発明の方法により被覆を適用する前に、表面の調製、例えばエッチングなどは必要ない。第1の熱可塑性樹脂は熱可塑性エポキシ樹脂を含み、そして、好適には、物体は容器を含む。少なくとも1つの付加的な被覆は物体に塗布され得り、好適には、必要ではないが、熱可塑性樹脂であり、より好適には、熱可塑性エポキシ樹脂である。付加的な被覆は、第1の熱可塑性樹脂被覆の塗布の前か後に塗布される。いくつかの被覆層は塗布さる。ここで好適な数は1から約3である。好適には少なくとも1つの被覆層は、少なくとも部分的に架橋され、化学的または機械的酷使の少なくとも1つの耐性を提供する。少なくとも1つの添加剤は、少なくとも1つの被覆材料に混合され得り、向上した紫外線保護、スカフ耐性(scuff resistance)、ブラシ耐性(blush resistance)、化学耐性および物体の表面の摩擦係数の減少を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
好ましい実施形態の詳細な説明
本発明は被覆材料の1または複数層を、ガラス、セラミックまたは金属物体の少なくとも一部の表面に塗布するための方法を対象とする。好適には、表面は被覆材料に適合し、少なくとも一部の表面を本発明の方法により被覆させることを可能にする。本発明の利点は、物体の表面の調製が必要ないことである。具体的には、本発明の方法により被覆された物体、特にガラスの表面は、被覆を塗布する前にフッ化水素酸によるエッチングを必要とせず、従来技術の方法を必要とする。好適には、物体は食物および飲料のためのビン、ジャー、カン、チューブ、またはトレイであり、カンおよび、ビンが最も好適である。被覆材料は好適には、1または複数の熱可塑性材料および、選択的に、1または複数の添加剤を含み、層を形成し、少なくとも1つの向上した紫外線(UV)保護、スカフ耐性(scuff resistance) 、ブラシ(blush) 耐性、および化学的耐性を提供する。好適には、被覆材料は選択され、基材または間にあるいかなる層にも十分な接着を提供し、著しい層間剥離の可能性を減らす。結果として生じる被覆材料は、本発明の方法に適用される熱可塑性材料を含む層を少なくとも1つ含みさえすれば、熱可塑性材料以外の材料の層は発明を使用させ得る。
【0008】
本発明の方法は、被覆されていない表面と比較して物体表面の摩擦計数を減らすために使用し得る。ここで使用されているように、用語「UV保護層」は、適用される物体の全体的なUV吸収層を増加する層を指し、そして、好適には、物体の基材より高いUV吸収率を有する。好適には、被覆された物体は、飲料または食物製品を保存するためのガラスジャーまたは金属カンである。
【0009】
代表的な被覆された容器40、すなわち、ビンは本発明に基づいて、図1および断面の図2に図解されている。容器40は、ネック2、ボディ4および外側被覆42を含む。ネック2は、容器40の中身(図示せず)を導入したり取り出したりするための開口18を規定する。図解されているように、ネック2は、容器40を塞ぐ蓋(図示せず)を取り付けるためのねじ山8をさらに含む。しかしながら、従来から知られている他の蓋の意味、例えばキャップを取り付けるためのリップなどは、使用され得る。外側被覆層42は、図解されているように、容器40の全体のボディ4を覆う。しかし、ネックには及ばない。しかしながら、当業者により理解され得るとして、被覆層42はネジにまで及び得り、そして、食物および飲料と容器40の内部50で接触するので、被覆材料はFDAにより承認される。容器40はビンについて図解されているが、被覆された容器は本発明に基づいて、従来から知られるいかなるタイプの容器であり得り、例えば広口のジャーまたはカンなどである。
【0010】
容器40の方法で被覆28により被覆されたカン22は、図3に図解されている。被覆されたカン22は、ボディ24およびトップ(top)26を含み、カン22を開けるための手段を含んでもよいが、含む必要はない。図解されているように、被覆28はカン22の全外面29を覆い、トップ26の外面を含む。しかしながら、トップ26は、全ての適用において被覆される必要はない。
【0011】
図4は、本発明、例えば容器40のボディ4またはカン22のボディ24などに基づいて容器のボディの一部の断面を図解する。図解されたガラス、セラミックまたは金属基材110は、多層被覆112により被覆され、そして内層114、中心層115および外層116を含む。好適には、内層114の材料は基材110と適合し、内層114は、他の目に見える傷を裂き、または成長させずに基材110に接着している。被覆112は、図解されているように、三層、何層も含み、わずかな層を含み、本発明の目的に含まれる。層114、115および116および基材110のいずれかの厚さは変化し得り、容器40またはカン22の最終用途に基づく。層は全て同一または異なる材料から形成され得る。例えば、図4に図解されているように、内層114および外層116は同じで、中心層115は第2の材料により形成され得る。
【0012】
図5は、制限のない流れ図であり、本発明の処理および装置を図解する。図5の処理および装置において、物体は装置内への導入84、その後、浸漬、噴霧、またはフロー被覆86、および余分な材料の除去88である。物体は、その後、乾燥および/または硬化90、冷却92および装置からの取り出し94である。
【0013】
図6は、本発明の更に好適な処理の制限のない流れ図であり、装置は、物体に単一層被覆を形成するための図5タイプの単一被覆ユニットAを含む。物体は、被覆ユニットより前に、84で装置に入り、そして、被覆ユニットを取り去った後、94で装置から出る。
【0014】
図7は、本発明の実施形態の制限のない流れ図であり、装置は、複数のステーション100,101,102を含む単一統合処理ラインを含み、物体が被覆され、乾燥され、硬化され、物体に複数の被覆層を形成する。物体は、第1の被覆ユニット100より前に、84で装置に入り、そして、最後の被覆ユニット102の後、94で装置から出る。図解された処理は3つの被覆ユニットを備える単一統合処理ラインを含む。しかしながら、いくつかの被覆ユニットは、図解されたいくつかのものより優れているかまたは劣っていることが理解されるであろう。
【0015】
図8は、本発明の処理のさらなる実施形態の制限のない流れ図であり、装置は、モジュラー(modular)であり、例えば、各処理ライン107,108,109は他のライン103に物体を渡す能力が内蔵(self-contained)されている。この処理は、接続されたモジュールの数に基づいて単一または複数の被覆を提供し、それ故に最大の柔軟性を提供する。物体は、最初に84または120の装置内のいくつかの点で装置に入る。物体は点84で入ることができ、第1のモジュール107を通して進行することができる。物体は、その後、94で装置を出ることができ、または118でモジュールを出ることができ、そして、周知のタイプの渡し機構103を通じて次のモジュール108に続き得る。物体は、その後、次のモジュール108に120で入る。物体は、その後、次のモジュール109に続き、またはいかなるモジュールにおいても、94で装置を出ることができる。モジュールの数は、必要な製造環境に基づいて変化することができる。さらに、個々の被覆ユニット104,105,106は、特定の製造ラインの必要に基づいて異なる被覆材料および技術を含み得る。異なるモジュールと被覆ユニットの互換性が最大の柔軟性を提供する。本発明に基づく被覆された物体を製造するための好適な方法および装置は、以下でより詳細に説明される。
【0016】
ガラスおよび透明なセラミック基材に対して、被覆材料は、好適には結晶構造よりむしろ非結晶構造であり、基材の透明を保持する。好適な被覆材料は、好適には、十分な引張強度を有し、従って、それらは容器の製造部品として作動し得り、容器を、容器性能を犠牲にしないで容器中のいくつかの基材に置き換えることを可能にする。
【0017】
光学的透明性が重要である適用に対して、好適な被覆材料は基材材料と同様な屈折率を有する。基材と被覆材料の屈折率が同様であるとき、容器は光学的に透明であり、従って、外見的に魅力的であり、飲料または食物の容器として使用するために、ビンの透明性がしばしば望まれる。実質的に異なる屈折率を有する2つの材料が、お互いに接して置かれた場合には、結果として生じる組み合わせは、視覚的歪みを発生させ、容器は曇りあるいは不透明体のように見え、材料の屈折率の差の程度に基づく。
【0018】
ガラスは、約1.5から約1.7の範囲内の可視光に対して屈折率を有し、そのタイプおよび物理的形状に基づく。容器内に形成されるとき、屈折率は好ましくは約1.52から約1.66の範囲内であり、より好ましくは約1.52から約1.6の範囲である。ガラスに対する屈折率を示す称号niと被覆材料に対する屈折率を示すnを用い、値niとnの間の比は好ましくは約0.8から約1.3であり、より好ましくは約1.0から約1.2であり、最も好ましくは約1.0から約1.1である。当業者によって認められるように、比ni/n=1に対しては、屈折率による歪は、除去とまではいかないが最小となる。なぜならば2つの屈折率が等しいからである。比が1から次第に変動するにつれて、歪は増加する傾向にある。
【0019】
好適な実施形態において、被覆材料は熱可塑性エポキシ樹脂(TPES)を含む。さらに好適な実施形態は「フェノキシ」樹脂を含み、熱可塑性エポキシ樹脂の一部である。フェノキシ樹脂は、この用語がここで用いられるときは、幅広い種類の材料を含み、WO99/20462、同様に公開された米国特許番号6,312,641で述べられたたものを含む。さらにフェノキシ樹脂の一部および熱可塑性エポキシ樹脂は、好適には、ヒドロキシフェノキシエーテルポリマーであり、ポリハイドロキシアミノエーテルコポリマー(PHAE)は、極めて好適である。例えば米国特許番号6,011,111;5,834,078;5,814,373;5,464,924;5,275,853;およびPCT出願番号WO99/48962;WO99/12995;WO98/29491;およびWO98/14498を参照されたい。
【0020】
好適には、熱可塑性エポキシ樹脂、より特定的にはフェノキシ樹脂は、本発明で被覆材料として用いられ、次のタイプの1つを含む:
【0021】
(1)式Ia,IbまたはIcのいずれか1つにより表される繰り返しユニットを有するヒドロキシ−機能性ポリ(アミドエーテル):
【0022】
【化1】

【0023】
【化2】

【0024】
または、
【0025】
【化3】

【0026】
(2)式IIa,IIbまたはIIcのいずれか1つにより独立に表される繰り返しユニットを有するポリ(ヒドロキシアミドエーテル):
【0027】
【化4】

【0028】
【化5】

【0029】
または、
【0030】
【化6】

【0031】
(3)式IIIにより表される繰り返しユニットを有するアミド−およびヒドロキシメチルで機能性付与されたポリエーテル:
【0032】
【化7】

【0033】
(4)式IVにより表される繰り返しユニットを有するヒドロキシ−機能性ポリエーテル:
【0034】
【化8】

【0035】
(5)式VaまたはVbにより表される繰り返しユニットを有するヒドロキシ−機能性ポリ(エーテルスルホンアミド):
【0036】
【化9】

【0037】
【化10】

【0038】
(6)式VIにより表される繰り返しユニットを有するポリ(ヒドロキシエステルエーテル):
【0039】
【化11】

【0040】
(7)式VIIにより表される繰り返しユニットを有するヒドロキシ−フェノキシエーテルポリマー:
【0041】
【化12】

【0042】
(8)式VIIIにより表される繰り返しユニットを有するポリ(ヒドロキシアミノエーテル):
【0043】
【化13】

【0044】
上記において、各Arは、それぞれ、二価の芳香属部分、置換された二価の芳香属部分またはヘテロ芳香族部分、あるいは、異なる二価の芳香属部分、置換された二価の芳香属部分またはヘテロ芳香族部分の組み合わせを示し、Rは、それぞれ、水素原子または一価のハイドロカルビル部分であり、各Arは、二価の芳香属部分、またはアミドまたはヒドロキシメチル基を持つ二価の芳香属部分の組み合わせであり、各Arは、それぞれ、Arと同じまたは異なり、二価の芳香属部分、置換された芳香属部分またはヘテロ芳香族部分、あるいは、異なる二価の芳香属部分、置換された芳香属部分またはヘテロ芳香族部分の組み合わせであり、Rは、それぞれ、主要なハイドロカルビレン(predominantly hydrocarbylene)部分であり、例えば、二価の芳香属部分、置換された二価の芳香属部分または二価のヘテロ芳香族部分、二価のアルキレン部分、置換された二価のアルキレン部分または二価のヘテロアルキレン部分、またはそれらの部分の組み合わせなどである。Rは、それぞれ、一価のハイドロカルビル部分であり、Aは、アミン部分または異なるアミン部分の組み合わせであり、Xは、アミン、アリレンジオキシ、アリレンジスルホンアミド、またはアリレンジカルボキシ部分またはそのような部分の組み合わせであり、さらにArは、いずれか1つの式により表されるカード(cardo)部分である:
【0045】
【化14】

【0046】
【化15】

【0047】
ここで、Yは無し、共有結合または架橋基であり、適切な架橋基は、例えば酸素原子、硫黄原子、カルボニル原子、スルホニル基、またはメチレン基あるいは類似の連鎖を含み、nは約10から約1000の整数であり、xは0.01から1.0、そしてyは0から0.5である。
【0048】
用語「主要なハイドロカルビレン(predominantly hydrocarbylene)」は、主要なハイドロカーボンである二価のラジカルを意味し、しかしそれは選択的に、少量のヘテロ原子部分、例えば酸素、硫黄、イミノ、スルホニル、スルホキシルなどを含む。
【0049】
式Iにより表されるヒドロキシ−機能性ポリ(アミドエーテル)は、好適には、N,N'-ビス(ヒドロキシフェニルアミド)アルカンまたはアレンをジグリシジルエーテルと接触させることにより調製され、米国特許番号5,089,588および5,143,998に記載されている。
【0050】
式IIにより表されるポリ(ヒドロキシアミドエーテル)は、ビス(ヒドロキシフェニルアミド)アルカンまたはアレンまたはこれらの化合物の2またはそれ以上の組み合わせ、例えばN,N'-ビス(3-ヒドロキシフェニル)アジポアミドあるいはN,N'-ビス(3-ヒドロキシフェニル)グルタルアミドなどとエピハロヒドリンとを接触させることにより調製され、米国特許番号5,134,218に記載されている。
【0051】
式IIIにより表されるアミド−およびヒドロキシメチルで機能性付与されたポリエーテルは、例えば、ジグリシジルエーテル、例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテルなどを、ペンダントアミド、N置換アミドおよび/またはヒドロキシアルキル部分、例えば2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)アセトアミドおよび3,5−ジヒドロキシベンズアミドなどを有するジヒドリックフェノールと反応させることにより、調製可能である。これらのポリエステルおよびそれらの調製は、米国特許番号5,115,075および5,218,075に記載されている。
【0052】
式IVにより表されるヒドロキシ−機能性ポリエーテルは、例えば、ジグリシジルエーテルまたはジグリシジルエーテルの組み合わせをジヒドリックフェノールまたはジヒドリックフェノールの組み合わせと反応させることにより、米国特許番号5,164,472に記載された処理を用いて、調製可能である。あるいは、ヒドロキシ−機能性ポリエーテルは、Journal of Applied Polymer Science, Vol.7(1963)においてReinking,BarnabeoおよびHaleにより記載された処理により、ジヒドリックフェノールまたはジヒドリックフェノールの組み合わせを、エピハロヒドリンと反応させることにより得ることができる。
【0053】
式Vにより表されるヒドロキシ−機能性ポリ(エーテルスルホンアミド)は、例えば、N,N'-ジアルキルまたはN,N'-ジアリルジスルホンアミドをジグリシジルエーテルと重合することにより、米国特許番号5,149,768号に記載されているように、調製される。
【0054】
式VIにより表されるポリ(ヒドロキシエステルエーテル)は、脂肪族あるいは芳香族二酸のジグリシジルエーテル、例えばジグリシジルテレフタレートなど、あるいはジヒドリックフェノールのジグリシジルエーテルを、アジピン酸あるいはイソフタル酸などの脂肪族あるいは芳香族二酸と反応させることにより調製される。これらのポリエステルは米国特許番号5,171,820号に記載されている。
【0055】
式VIIにより表されるヒドロキシ−フェノキシエーテルポリマーは、例えば、少なくとも1つの二求核性モノマーを少なくとも1つのカード(cardo)ビスフェノールのジグリシジルエーテル、例えば9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、フェノールフタレインまたはフェノールフタルイミジンなど、あるいは置換されたカードビスフェノール、例えば置換されたビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン、置換されたフェノールフタレインまたは置換されたフェノールフタルイミジンなどを十分な条件で接触させることにより調製させ、二求核性モノマーの求核部分をエポキシ部分と反応させ、ペンダントヒドロキシ部分と、エーテル、イミノ、アミノ、スルホンアミドあるいはエステル結合を含むポリマー主鎖を形成する。これらのヒドロキシ−フェノキシエーテルポリマーは米国特許番号5,184,373号に記載されている。
【0056】
式VIIIにより表されるポリ(ヒドロキシアミノエーテル)(PHAEまたはポリエーテルアミン)は、1つまたは複数のジヒドリックフェノールのジグリシジルエーテルを、2つのアミン水素原子を有するアミンと十分な条件で接触させることにより調製し、アミン核部分をエポキシ部分と反応させ、アミン結合、エーテル結合およびペンダントヒドロキシ部分を有するポリマー主鎖を形成する。これらの化合物は米国特許番号5,275,853号に記載されている。例えば、ポリヒドロキシアミノエーテルコポリマーは、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルあるはそれらの混合物から製造され得る。
【0057】
フェノキシアソシエーツ(Phenoxy Associates)株式会社から商業的に入手できるフェノキシ熱可塑性物質は、本発明での使用に適している。これらのヒドロキシ−フェノキシエーテルポリマーはジヒドリック多核フェノール、例えばビスフェノールAなどとエピハロヒドリンの縮合反応生成物であり、式IVにより表される繰り返しユニットを有する。ここで、Arがイソプロピリデンジフェニレン部分である。これらを調製する処理は米国特許番号3,305,528号に記載されており、その全体を参照してここに組み込まれる。
【0058】
フェノキシおよびPHAE材料を含む好適なTPE被覆材料は、一般的に水と接触することにより悪影響を与えず、安定した水溶液、懸濁液および/または分散液を形成する。好適な被覆材料は、約10パーセントの固体から約50パーセントの固体までを変動する。有用な極性溶媒は、限定されず、水、アルコール類およびグリコールエーテル類を含む。
【0059】
好適な熱可塑性エポキシ被覆材料は、ポリヒドロキシアミノエーテルコポリマー(PHAE)であり、式VIIIにより表され、容器に塗布された水溶液、懸濁液、および/または分散液は約10から約30パーセントの固体を含む。PHAE水溶液、懸濁液および/または分散液は、PHAEを有機酸、例えば酢酸、リン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、グリコール酸および/またはそれらの混合物の水溶液中でかき混ぜまたは他の撹拌をすることにより調製され得り、好適な有機酸は酢酸およびリン酸である。PHAE水溶液、懸濁液および/または分散液は、好適には、ポリヒドロアミノエーテルの上記に論じた有機酸との反応により生産される有機酸塩も含む。
【0060】
1つの好適な熱可塑性樹脂エポキシ被覆材料は、分散液またはポリヒドロキシアミノエーテルコポリマー(PHAE)の溶液であり、式VIIIにより表される。分散液または溶液は、物体に塗布するとき、予測可能で周知の方法で容器の壁を通り抜ける様々なガスの浸透速度をとても減少させる。分散剤またはラテックスは、好適にはその10から30パーセントの固体を含む。PHAE水溶液/分散液は、PHAEを酸、例えば酢酸またはリン酸の水溶液中でかき混ぜまたは他の撹拌をすることにより調製され得るが、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、グリコール酸および/またはそれらの混合物も含む。これらのPHAE水溶液/分散液もポリヒドロキシアミノエーテルのこれらの酸との反応により生産される酸塩を含む。
【0061】
以下のPHAEポリマーは、被覆物体、具体的にプリフォームおよび容器のための好適なバリア材料であり、触媒およびIR放射を使用して硬化させることができる:約10から75モルパーセントのレゾルシノールを含むPHAE材料は、ポリマー鎖の中で重合され、リン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酢酸、およびグリコール酸の少なくとも1つを用いて水媒体の中で分散された。レゾルシノールに基づくPHAE樹脂はバリア材料として優れた効果も提供する。ポリヒドロキシアミノエーテルの化学的性質の他のバリエーション(variation)は、ヒドロキノンジグリシジルエーテルに基づく結晶バージョン(version)のように有用であると分かる。部分的に架橋されたPHAE材料は高い化学耐性、低いブラシ(blushing)、そして低い表面張力を示す。これらの材料を溶解するために用いられる溶媒は、限定されないが、極性溶媒、例えば、アルコール類、水、グリコールエーテル類、または、それらの混合物を含む。好適な架橋は、レゾルシノールジグリシジルエーテル(RDGE)およびヘキサメトキシメチルメラミン(HMMM)に基づく。
【0062】
好適なコポリエステル被覆材料とその調製処理の例は、ジャバリン(Jabarin)の米国特許番号4,578,295号に記載されている。それらは、一般的に、イソフタル酸、テレフタル酸およびそれらの1,3ビス(2-ヒドロキシエトキシ)ベンゼンおよびエチレングリコールとのC〜Cアルキルエステルから選択された少なくとも1つの反応物質の混合物を加熱することにより調製される。選択的に、混合物は1または複数のエステルを形成するジヒドロキシハイドロカーボンおよび/またはビス(4-β-ヒドロキシエトキシフェニル)スルホンをさらに含み得る。特に好適なコポリエステル被覆材料は、B−010、B−030およびこの一群の他のものとして、三井石油化学社(日本)から入手できる。
【0063】
好適なポリアミド被覆材料の例は、三菱ガス化学社(日本)からのMXD-6を含む。好適なポリアミド被覆材料は、好適には重量の約1から10パーセントのポリエステルを含み、より好適には、重量の約1から2パーセントのポリエステルであり、ポリエステルは好適にはPETであり、より好適には高IPA PETである。これらの材料はポリエステルをポリアミド縮重合混合物に加えることにより製造される。「ポリアミド」は、ここで使用されるように、PETまたは他のポリエステルを含むそれらのポリアミドを含む。
【0064】
他の好ましい被覆材料はポリエチレンナフタレート(PEN)、PENコポリエステルおよびPET/PEN混合物を含む。PEN材料はシェル化学社から入手できる。
【0065】
好適な方法の利点は、複数の機能的な添加剤の使用を可能にするそれらの柔軟性である。当業者に知られている添加剤は、強化されたUV保護、スカフ耐性(scuff resistance)、ブラシ(blush)耐性、衝撃耐性および/または化学耐性のほかに減少した摩擦係数をも提供する能力のために使用され得る。
【0066】
好適な添加剤は被覆材料の化学的性質により影響されない。さらに、添加剤は、好適には水の状態で安定である。好適な添加剤は、当業者に知られた方法により調製され得る。例えば、その添加剤は、特定の被覆溶液、懸濁液および/または分散液と直接混合され得り、それらは別々に溶解/分散し得り、その後、特定の被覆溶液、懸濁液および/または分散液に加えられ、または、それらは、水溶液、懸濁液および/または懸濁液を形成する溶媒の添加の前に特定の被覆材料と結合され得る。さらに、いくつかの実施形態において、好適な添加剤は、単一の被覆層として単独で使用され得る。
【0067】
好適な実施形態において、被覆の特性は、異なる添加剤の追加により強化され得る。1つの好適な実施形態において、UVを吸収または反射する被覆の能力は、異なる添加剤を追加により強化され得る。好適には、被覆は、物体が照射されそうな波長のUV保護を提供する。すなわち、被覆は、好適には、約350nmから約400nmまでの保護を提供し、より好適には、約320から約400nmまで、そして、最も好適には約400nm未満の全てのUV波長である。UV保護材料は、他の層と共に添加剤として使用され得り、単一被覆として別々に塗布される。好適には、UV保護材料は、水性溶液、懸濁液および/または分散液と適合する形で加えられる。例えば、好適なUV保護材料はミリケン(Milliken)UV390Aクリアシールド(clear shield)である。その材料は油性液体であり、最初に水中で溶け合わされる。結果として得られる水溶液、懸濁液および/または分散液は、その後、PHAEに加えられ、撹拌される。結果として得られる水溶液は10パーセントのUV390Aを含み、PET容器に塗布されたときに400nm以下のUV保護を提供する。前述のように、もう1つの実施形態では、前記UV390A水溶液は単一の被覆として塗布される。
【0068】
もう1つの好適な実施形態では、最上層被覆は塗布され、厳しい化学品に対する化学耐性を提供する。好適には、これらの最上層被覆は、水系ポリエステルあるいはアクリル樹脂であり、それは選択的に部分的あるいは完全に架橋されている。好適な水系ポリエステルはポリエチレンテレフタレートであるが、しかしながら他のポリエステルも用いられ得る。好適な水系アクリル樹脂はICI PXR 14100 Carboxyl Latexである。
【0069】
好適な水系ポリエステル樹脂は、サルスマン(Salsman)の米国特許番号4,977,191号に記載されており、必要な範囲を参照することによりここ組み込まれ、樹脂およびそれを得る方法を記述する。より特定的には、サルスマンの米国特許番号4,977,191号は、水系ポリエステル樹脂を開示しており、廃物のテレフタレートポリマーの重量の20から50%、少なくとも1つのグリコールの重量の10から40%、および少なくとも1つのオキシアルキル化ポリオールの重量の5から25%の反応生成物を含む。
【0070】
もう1つの好適な水系ポリマーは、スルホン化水系ポリエステル樹脂組成物であり、サルスマンの米国特許番号5,281,630号に記載されているように、必要な範囲をここで参照することにより組み込まれ、樹脂の組成物およびそれを得る方法を記述する。特定的に、サルスマンの米国特許番号5,281,630号は、スルホン化水溶性あるいは水分散可能なポリエステル樹脂の水系懸濁液を開示しており、テレフタレートポリマーの重量の20から50%、少なくとも1つのグリコールの重量の10から40%、および少なくとも1つのオキシアルキル化ポリオールの重量の5から25%の反応生成物を含み、ヒドロキシアルキルの機能を有するプレポリマー樹脂を生成し、プレポリマー樹脂は、さらにプレポリマー樹脂100gあたり、約0.10モルから約0.50モルのα,β−不飽和(ethylenicallyunsaturated)ジカルボン酸と反応する。その結果として得られた樹脂は、α,β−不飽和ジカルボン酸の残渣により終了しており、α,β−不飽和ジカルボン酸の残渣1モルあたり約0.5から約1.5モルの亜硫酸塩と反応して、末端がスルホン化した樹脂を生成する。
【0071】
さらに好適な水系ポリマーは、サルスマンの米国特許番号5,726,277号で開示された被覆であり、必要な範囲を参照することによりここに組み込まれ、ポリマーおよびそれを得る方法を記述する。特定的には、サルスマンの米国特許番号5,726,277号は、廃物のテレフタレートポリマーの重量の少なくとも50%と糖分解触媒の存在下でオキシアルキル化ポリオールを含むグリコールの混合物との反応生成物を含む被覆組成物を開示し、ここで反応生成物はさらに二官能性有機酸と反応し、そして、グリコールに対する酸の重量比は6:1〜1:2の範囲である。
【0072】
同様に、デイト(Date)の米国特許番号4,104,222号などは、必要な範囲を参照することによりここに組み込まれ、開示された分散およびそれを得る方法を記述し、直鎖ポリエステル樹脂を高級アルコール/酸化エチレン添加型表面活性剤と混合し、混合物を溶解し、および結果として得られた溶解物をアルカリの水溶液中にかき混ぜながら注ぐことにより分散する処理により得られた直鎖ポリエステル樹脂の分散液を開示する。特定的には、この分散液は、直鎖ポリエステル樹脂を高級アルコール/酸化エチレン添加型表面活性剤と混合し、混合物を溶解し、および結果として得られた溶解物をアルカノールアミンの水溶液中に70から95℃の温度でかき混ぜながら注ぐことにより溶解物を分散する処理により得られる。ここでアルカノールアミンは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノメチルエタノールアミン、モノエチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、ペンタノールアミン、N−フェニルエタノールアミンおよびグリセリンのアルカノールアミンからなるグループから選択され、そして水溶液中に0.2から5重量パーセントの量で存在する。高級アルコール/酸化エチレン添加型表面活性剤は、高級アルコールの酸化エチレン添加生成物であり、少なくとも8個の炭素原子のアルキル基を有し、アルキル置換フェノールまたはモノアシル化ソルビタンである。ここで表面活性剤は少なくとも12のHLB値を有する。
【0073】
アレン(Allen)の米国特許番号4,528,321号は、水溶性あるいは水膨張性ポリマー粒子の水不混和性液体における分散を開示しており、それは水不混和性液体中での逆相重合(reverse phase polymerization)により生成され、C4−12アルキレングリコールモノエーテル、それらのC1−4アルカノアート(alkanoate)、C6−12ポリアルキレングリコールエーテルおよびそれらのC1−4アルカノアートから選択された非イオン化合物を含む。
【0074】
被覆材料は少なくとも部分的に架橋され、熱いものを満たす用途のための被覆の熱安定性を高める。内側の層は低架橋の材料を含むことができ、一方で外側の層は高架橋の材料あるいは他の適した組み合わせを含み得る。例えば、PET表面上の内側の被覆は、非あるいは低架橋材料、BLOX(商標)599−29などを利用し得る。また、外側の被覆は、例えばEXP12468−4Bなどの、架橋できる材料を利用し得り、PETに対する最大の接着を確保する。
【0075】
本発明は、多くの種類の添加剤と被覆を水に基づく装置(aqueous-based system)で処理する能力を提供し、他の装置に比べて本発明を使用しやすくさせ、経済的にさせる。例えば、本発明は水系であるので、他の装置で用いられる揮発性有機化合物(VOCs)、例えば熱硬化性エポキシなどを処理する高価な装置の必要はない。さらに、人の肌に接触して、ほとんどの溶媒が炎症を引き起こさず、製造において使い易さを可能にする。
【0076】
一般的に、ここで使用される好適な物体は、1または複数の被覆層を備える容器である。被覆層は追加機能、例えばUV保護、耐衝撃性、スカフ耐性(scuff resistance)、ブラシ耐性(blush resistance)、化学耐性、表面摩擦係数の減少などを提供する。層は多層として塗布され、各層は1または複数の機能特性を有し、また異なる厚さ有することができ、例えば、被覆材料の各連続層は薄く、または単層は1または複数の機能要素を含む。
【0077】
内側の層は好適なプライマ(primer)、またはガラス、金属またはセラミックおよびUV耐性との接着を強化させるための機能特性を有するベースコート(base coat)であり、また外側の層はスカフ耐性(scuff resistance)および減少した摩擦係数の少なくとも1つを提供する。好適には、外側の層は部分的にあるいは極めて高い架橋材料を含み、硬さを増した架橋被覆を提供する。最後の被覆および容器の乾燥は、容器の表面にスカフ耐性を提供し、溶液、懸濁液、および/または分散液は、好適には、希薄なまたは懸濁したパラフィンまたは他のワックス、スリップ剤、ポリシランあるいは低分子量のポリエチレンを含む。
【0078】
適切な被覆材料が選ばれとすぐに、容器は、2つの材料間の接着力を促進する方法で好適に被覆さる。一般的に、被覆材料と容器基材の間の接着力は、容器の表面温度の増加につれて増加する。それ故に、好適な被覆材料は室温で容器と接着するが、熱した容器に被覆を遂行することは好ましい。
【0079】
容器は静電気を有し、容器にほこりを引き付け、すばやく汚す。好適な実施形態において、容器は生産ラインから直接取られ、まだ暖かい間に被覆させる。容器が生産ラインから移動した後、容器をすばやく被覆することにより、ほこりの問題は減少、または除去され、また暖かい容器は被覆処理を高めると考えられる。しかしながら、容器は被覆より前に、好適には、容器を実質的にきれいに維持する方法で保管される。
【0080】
好適には、被覆処理は自動化装置により遂行され、物体が装置に入り、物体は浸漬、噴霧、またはフロー被覆され、余分な材料が除去され、そして、被覆物体は乾燥および/または硬化され、冷やされ、そして、装置から取り出される。1つの実施形態において、装置は単一統合処理ラインであり、2個またはそれ以上の浸漬、噴霧、またはフロー被覆ユニットおよび2個またはそれ以上の乾燥/硬化(curing)ユニットを含み、多層被覆された容器を製造する。他の実施形態において、装置は1または複数の被覆モジュール(coating modules)を含む。各々の被覆モジュールは1または複数の浸漬、噴霧、またはフロー被覆ユニットおよび1または複数の硬化および/または乾燥ユニットを備える内蔵型の処理ラインを含む。モジュール構成により、容器は1または複数の被覆を受け得る。例えば、1つの構成は3つの被覆モジュールを含み、ここで容器は1つのモジュールから次へと移動する。他の構成では、同様に3つのモジュールは配置され得るが、容器は第1のモジュールから第3のモジュールへ、第2のモジュールをスキップして移動する。異なるモジュール構成間を切り替えるこの能力は最大限の柔軟性を提供する。
【0081】
好適には、本発明の完全に自動化された実施形態は、以下のように動作する。物体、例えば金属、セラミック、または金属容器などは、事前の変更なしで装置に導入される。好適には、物体は約100°Fから約130°F(約37℃から約55℃)の温度であり、より好適には、約120°F(約50℃)であり、そのとき装置に導入され、また少なくとも相対的にきれいであり、クリーニングは必要としない。
【0082】
適切な被覆材料は、浸漬、噴霧、またはフロー被覆のいずれかにより製造および使用され得り、実質的には各々の被覆方法で同じである。被覆材料は、1または複数の溶液中に溶解および/または懸濁され、溶液、懸濁液および/または分散液を形成する。被覆溶液、懸濁液および/または分散液の温度は調節され、塗布(application)および被覆として要求された粘性を提供する。すなわち、もし低い粘性が必要とされたら、代表的に、しかし必ずしもいつもではなく、温度は増加させ、そして、もし高い粘性が必要とされたら、温度は代表的に、しかし必ずしもいつもではなく、低下させる。粘性の増加は、堆積速度を増加し、従って、温度は堆積を制御するために使用することができる。好適には、溶液、懸濁液および/または分散液の温度は約60°Fから約80°F(約15℃から約27℃)を変動する。より好適には、約70°F(約21℃)である。溶液、懸濁液および/または分散液は材料が貯蔵タンク内で硬化する温度以下で維持され、従って、最高温度は好適には、約80°F(27℃)未満である。さらに温度が約50°F(約10℃)以下では、特定の溶液、懸濁液および/または分散液は浸漬、噴霧、またはフロー被覆で用いるには粘性がありすぎる。好適な実施形態において、温度制御装置が使用され、被覆溶液、懸濁液および/または分散液の一定温度を。特定の実施形態において、粘性が増加するにつれ、付加的な水が使用され、溶液、懸濁液および/または分散液の粘性が減少する。他の実施形態は、含水量のモニター(monitor)および/または粘性のモニターも含み得る。
【0083】
好適な実施形態において、溶液、懸濁液および/または分散液は、適切な温度および粘性であり、容器ごとに被覆材料の約0.05から約0.75グラムを堆積させ、また、より好適には、容器ごとに約0.15から約0.5グラムである。しかしながら、役立つおよび/または要求される材料の量が塗布され得る。物体ごとに約0.1、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.55、0.6、0.65および0.7グラムを含む物体は、本発明において意図される。
【0084】
浸漬、噴霧および/またはフロー被覆を用いて被覆された本発明の被覆されたビンは、図1から図3で図解される。被覆22は容器のボディ部4に配置され、ネック部2を被覆しない。被覆容器16の内部は、好適には被覆されないが、しかし食物および飲料と直接接触するFDAにより承認された材料で被覆され得る。好適な実施形態において、このことは、拡張できるコレット(collet)を含む保持メカニズムを用いて達成され、コレットは容器のネック部の外側を取り囲むハウジングと組み合わされて容器内に挿入される。コレットが拡張し、その結果、コレットとハウジング間での容器の保持がなされる。ハウジングはねじ山を含むネックの外側をカバーし、その結果、容器の内側のほかに被覆からネック部も保護する。
【0085】
浸漬、噴霧またはフロー被覆から製造された被覆された容器は、実質的に層間の区別なく完成品を製造する。さらに、容器を完全に被覆するのに必要な被覆材料の量は、各連続層で減少する。
【0086】
浸漬被覆処理において、容器は、被覆材料を含むタンクまたは他の適切な容器内に浸漬さる。これは手動で遂行され、保持棚などを使用し、あるいは、完全な自動工程により遂行され得る。好適には、容器は、被覆材料内に浸漬されたままで回転する。直径1インチの物体に対して、容器は、好適には、約30から80rpmの速度で回転し、より好適には、約40rpmから約70rpmであり、そして、もっとも好適には、約50から約60rpmである。このことは、容器の完全な被覆を可能にする。当業者により理解されるように、回転速度は、好適には、大きい対象物、例えば対象物の外周などに対してはゆっくりであり、従って、溶液、懸濁液および/または分散液を介する表面の速度は、直径に比例する。例えば、直径が2倍の場合には、回転速度は2倍減少するはずである。容器は、好適には、十分な時間浸漬され、物体の完全な被覆が可能となる。用途により長いまた短い時間使用させ得るが、一般的に、たったの約0.25から5秒が必要とされる。長い滞留時間は加えられた被覆の利益を少しも提供しないと考えられる。
【0087】
浸漬時間およびそれゆえに速度を決めるのに、被覆材料の濁りも考慮に入れるべきである。もし容器が早く浸漬されすぎたならば、被覆材料が波打ち、はね散らかり、被覆の欠損を引き起こす。さらに、多くの被覆材料溶液または分散液が、泡および/または気泡を形成し、被覆処理を妨げ得る。泡および/または気泡を減らしまたは除去するために、浸漬速度は好適に調節され、従って被覆材料の過度の攪拌は避けられる。必要であれば、消泡/気泡剤が被覆溶液、懸濁液および/または分散液に加えられ得る。
【0088】
噴霧処理において、物体は、被覆材料の溶液、懸濁液および/または分散液を含むタンクまたは他の適切な容器から提供された被覆材料を噴霧される。浸漬と同様に、被覆材料を備える容器の噴霧は、保持棚などにより手動で遂行させることができ、または完全な自動工程により遂行され得る。同様に、物体は好適には、被覆材料で噴霧されている間回転される。この場合も先と同様に、直径1インチの物体は、好適には、約30から80rpmの速度で回転し、より好適には、約40rpmから約70rpmであり、最も好適には、約50rpmから約60rpmであり、大きい直径に対して回転速度は、比例的ゆっくりとなる。このことは、容器の完全な被覆を可能にする。回転速度は調節されるべきであり、大きい容器の直径を占める。
【0089】
容器は好適には、容器の完全な被覆を可能にするために十分な時間噴霧させる。容器また被覆材料により、長いまたは短い時間要求され得るが、一般的に、約0.25から約5秒で十分である。長い滞留時間は付加的な利益を少しも提供しないと考えられる。
【0090】
被覆材料の特性は、噴霧時間、ノズルの大きさおよび構成などを決定するために考慮されるべきである。もし噴霧速度が速すぎるおよび/またはノズルの大きさが正しくない場合、被覆材料ははね散らかり、被覆の欠損を引き起こす。もし速度が遅すぎるおよび/またはノズルの大きさが正しくない場合、結果として得られる被覆は所望のよりも厚くなり得る。浸漬と同様に、泡および/または気泡の発生は被覆処理も妨げ得るが、しかし、噴霧速度、ノズル、および流体のコネクション(connection)を選択することにより避けられ得り、被覆材料の過度の攪拌を回避する。必要であれば、消泡/気泡剤が被覆溶液、懸濁液および/または分散液に加わえら得る。
【0091】
フロー被覆処理において、落下するシャワーカーテンまたはウォーターフォールと同様な、完全な被覆のために容器が通過する材料のシートは、好適に提供される。好適には、フロー被覆は、被覆材料中の容器の短い滞留時間によって生じる。容器は、容器の表面に被覆するのに十分な時間、シートを通過することのみを必要とする。この場合も先と同様に、長い滞留時間は、被覆について付加的な利益を少しも提供しない。均等な被覆を提供するために、容器が被覆材料のシートを通過して進行する間、容器は好適には回転される。この場合も先と同様に、直径1インチの物体は、好適には、約30から80rpmの速度で回転し、より好適には、約40rpmから約70rpmであり、最も好適には、約50rpmから約60rpmである。大きい直径に対して回転速度は、比例的ゆっくりとなる。より好適には容器が被覆材料のシートを通過して進行する間、容器は回転され、斜めに配置される。このことは、ネック部または容器の内部を被覆しないで、有利に容器の完全な被覆を可能にする。
【0092】
被覆材料は、閉じた装置内の製造ラインと流体伝達(communication)するタンクあるいはその他の適切な容器に含まれており、また、好適にはリサイクルされ、未使用の被覆材料の少しの無駄も防ぐ。このことは、フロー流れを被覆材料タンクに戻すことにより達成され得るが、しかし、被覆処理を妨げることができる泡の発生や気泡の形成を避ける方法でなされるべきである。被覆材料は好適には、タンクの底または中央から取り出され、泡の発生および気泡を妨げまたは減らす。さらに、被覆タンクに戻る前に材料の流れを減速することが好ましく、泡の発生および/または気泡をさらに減らす。これは当業者に知られた手段によってなされ得る。必要であれば、少なくとも1つの消泡剤が被覆溶液、懸濁液および/または分散液に加えられ得る。
【0093】
被覆材料の適切な流速の選択において、いくつかの変数が考慮されるべきであり、適切なシート化を提供し、流量速度、容器の長さおよび直径、ライン速度および容器間隔を含む。流速は材料のシートの正確性を決定する。もし流速が速すぎ、または遅すぎる場合、材料は容器を正確に被覆しない可能性がある。流速が速すぎるときは、材料は跳ね散らかり、製造ラインをオーバーシュート(overshoot)する可能性があり、容器の不完全な被覆、被覆材料の浪費、および増加した泡の発生および/または気泡の問題を引き起こす。もし流速が遅すぎた場合、被覆材料は容器を部分的にだけ被覆し得る。
【0094】
被覆される容器の長さおよび直径も、流速を選択する際に考慮されるべきである。材料のシートは容器全体を完全に被覆するべきであり、それゆえに、容器の長さや直径が変わったときに流速調節が必要とされ得る。
【0095】
もう1つの考慮すべき要因は、ライン上の容器の間隔である。容器が材料のシートを通過するとき、いわゆるウェイク(wake)効果が観察されうる。もし次の容器が前の容器に続いてシートを通過する場合、それは適切な被覆がなされないかもしれない。それゆえ、容器のスピードとセンターラインをモニターすることが重要である。容器のスピードは、使用される特定の装備の処理量に依存する。
【0096】
有利なことに、好適な方法は、十分に効率的な材料の堆積を提供し、実質的に除去が必要な余分な材料はない。しかしながら、特定の用途において、容器は浸漬、噴霧またはフロー方法により被覆された後、余分な被覆材料を取り除くことが必要であり得る。好適には、回転速度および重力は容器上のシートを正態化し、そして、いかなる余分な材料をも除去する。もし被覆材料のための保持タンクが、被覆の後、容器がタンクの上を通過することを可能にする方法で配置されている場合、容器の回転および重力は、いくらかの余分な材料をもたらし、容器から被覆材料タンクへと余分な材料が戻って滴下する。これは、付加的な努力なしに余分な材料がリサイクルされるのを可能にする。もしタンクが、余分な材料がタンクに戻って滴下しないような方法で配置されている場合、余分な材料を捕らえて再使用のために戻す他の適切な手段が採用され得る。
【0097】
製造環境あるいは不適切に起因して上記の方法が非実用的である場合、当業者に知られている様々な方法および装置が使用され、余分な材料を取り除く。例えば、ワイパー、ブラシ、エアナイフあるいは気流が、単独でまたは組み合わせで使用され得る。さらに、これらの方法のいずれも、上述の回転および重力の方法と組み合わせ得る。好適には、これらの方法で除去されたいかなる余分な材料も、さらなる使用のためにリサイクルされる。
【0098】
容器が被覆され、また、いかなる余分な材料も除去された後、被覆容器はその後、乾燥および/または硬化される。乾燥および硬化処理は、好適には、赤外線(IR)加熱によって遂行される。本発明の1つの試験において、1000WゼネラルエレクトリックQ1500T3/CLクオーツライン・タングステン−ハロゲン・クオーツIRランプがIR源として用いられた。等価な源は、いくつかの源、例えばゼネラルエレクトリックおよびフィリップスなどから商業的に購入できる。源は全能力または低減能力で用いられ得り、好適には、最大の力の約50パーセントから約90パーセントであり、より好適には、約65から約75パーセントである。ランプは単独でまたは全部あるいは部分的な力の組み合わせで使用され得る。例えば、6個の赤外線ランプは約70パーセントの能力で使用される。
【0099】
さらに、赤外線加熱の使用は、熱可塑性エポキシ被覆、例えばPHAEを、基材を余分に加熱することなく乾燥することを可能にする。また、IR加熱の使用はブラシを減らし、化学耐性を向上させることが分かった。IR放射吸収添加剤、例えばカーボンブラックなどは被覆組成中に組み込まれ、硬化処理を高め、また向上させる。添加剤は、多量に被覆の組成に組み込まれ、完成品を変色させないでIR放射の吸収を増加させる。
【0100】
硬化および/または乾燥は、付加空気(additional air)なしに遂行させ得るが、IR加熱は好適には、強制空気と組み合わされる。使用される空気は、いかなる実用温度でも可能である。IRと空気硬化の組み合わせは、好適な実施形態の優れた化学、ブラシおよびスカフ耐性という独特の特性を提供する。さらに、いかなる特有の理論に束縛されることを望むことなしに、被覆の化学耐性は架橋と硬化の機能であると考えられる。硬化がより完全なほど、化学およびスカフ耐性がより大きい。
【0101】
被覆を完全に乾燥および硬化するために必要な時間の長さを決めるには、いくつかの要因、例えば被覆材料、堆積の厚み、および容器の基材などを考慮すべきである。異なる被覆材料は異なる速度で硬化する。さらに、固形分の度合いが増加するにつれ、硬化速度は遅くなる。一般的に、約0.05から約0.75グラムの被覆材料を備える容器に対して、容器の大きさ、被覆の厚さ、および硬化/乾燥方法により長いまた短い時間が要求され得るが、硬化時間は約10〜120秒である。
【0102】
IR加熱に加えて気流の使用は、容器の表面温度を調節し、放射熱の浸透の制御に自由度を提供する。もし、特有の実施形態がゆっくりとした硬化速度や深い赤外線の浸透を必要である場合、これは、気流、IR放射の照射時間、IRランプ頻度またはそれらの組み合わせにより制御され得る。
【0103】
好適には、IRヒータを通過して進行する間、容器は回転する。この場合も先と同様に、1インチの容器は、好適には、約30から80rpmの速度で回転し、より好適には、約40rpmから約70rpmであり、最も好適には、約50rpmから約60rpmであり、大きい直径に対して回転速度は、比例的ゆっくりとなる。もし回転速度が速すぎる場合は、被覆がはね散らかり、容器の不均一な被覆を生じさせる。もし回転速度が遅すぎる場合は、容器は不均一に乾燥する。ガスヒータ、紫外線、炎などは、IR加熱に加えて、あるいは代えて、用いられ得る。
【0104】
容器は、その後処理中に冷却され、硬化処理と組み合わされ、高められた化学、ブラシ、スカフ耐性を提供する。このことは1層の被覆の後あるいは連続的被覆の間の溶媒と揮発性物質の除去に起因すると考えられる。1つの実施形態において、冷却処理は大気温度で起こる。他の実施形態において、冷却処理は強制された周囲のあるいは冷たい空気の使用により加速される。
【0105】
冷却時間も、冷却が起こる処理における点により影響を受ける。好ましい実施形態において、複数の被覆が各容器に塗布される。冷却ステップが続いて行われる被覆の前であるときは、冷却時間を減らし、上昇された容器温度が被覆処理を高めると考えられる。冷却時間は変化するが、それらは被覆材料の約0.05から約0.75グラムを備える24グラムの容器に対して、一般的に約5から40秒である。
【0106】
容器が一度冷却されたら、それは装置から取り出されてパッケージの準備または、他の被覆モジュールに引き渡され、さらに、装置から取り出される前に、被覆が塗布される。
【0107】
上述した様々な方法や技術は、本発明を実行するためのいくつかの方法を提供する。もちろん、必ずしも記載された全ての目的または利点が、ここに記載された特有の実施形態に基づいて達成されないことがわかる。
【0108】
さらに、当業者は、異なる実施形態から様々な特徴の互換性を認識し得る。同様に、上述した様々な特徴やステップは、そのような特徴とステップのそれぞれに対して他に知られている等価なものと同様に、当業者により混合され適合されることが可能であり、ここに記載された本質に基づく方法を実施する。
【0109】
本発明は、ある実施形態または実施例の文脈により開示されたが、当業者により本発明は特に開示された実施形態を超えて他の代替の実施形態、および/または使用および明白な変形およびその等価なものに広がることが理解され得る。従って、本発明はここでの好適な実施形態の特定な開示により限定されることを意味しない。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】図1は、本発明に基づいて被覆された容器を図解する。
【図2】図2は、図1の被覆された容器の断面の図解である。
【図3】図3は、本発明に基づいて被覆されたカンの斜視図である。
【図4】図4は、本発明に基づいて被覆された容器のボディ部の断面の拡大図である。
【図5】図5は、本発明に基づく被覆処理の流れ図である。
【図6】図6は、装置が単層被覆ユニットを含む本発明に基づく処理の流れ図である。
【図7】図7は、装置が単一統合装置内に複数被覆ユニットを含む本発明に基づく処理の流れ図である。
【図8】図8は、装置がモジュラー装置内に複数被覆ユニットを含む本発明に基づく処理の流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂で被覆された金属、セラミック又はガラスの物体を製造する処理であって、当該処理が、
基材を有する、金属、セラミックまたはガラスの物体を提供し、
第1の熱可塑性樹脂を含む被覆材料の水溶液、懸濁液および/または分散液を、被覆された、または被覆されていない物体の基材の表面の少なくとも一部に、浸漬、噴霧またはフロー被覆により塗布し、
第1の密着膜を形成するような速度で、物体を浸漬、噴霧またはフロー被覆から引き出し、
浸漬、噴霧またはフロー被覆に起因する余分な材料を取り除き、
および第1の被覆を形成するために、第1の膜が実質的に乾燥するまで、被覆された物体を硬化および/または乾燥する工程を具備し、
前記第1の熱可塑性樹脂が、熱可塑性エポキシ樹脂を含む、
処理。
【請求項2】
前記物体は容器である、
請求項1に記載の処理。
【請求項3】
前記除去ステップは回転、重力、ワイパー、ブラシ、エアナイフおよび気流の少なくとも1つを具備する、
請求項1に記載の処理。
【請求項4】
少なくとも1つの付加的な被覆材料を、被覆されたまたは被覆されていない物体の基材の表面の少なくとも一部に塗布する工程をさらに具備する、
請求項1に記載の処理。
【請求項5】
前記付加的な被覆は熱可塑性樹脂である、
請求項4に記載の処理。
【請求項6】
前記付加的な被覆は熱可塑性エポキシ樹脂である、
請求項4に記載の処理。
【請求項7】
前記第1の熱可塑性樹脂被覆の塗布後に、前記付加的な被覆が加えられる、
請求項4に記載の処理。
【請求項8】
前記第1の熱可塑性樹脂被覆の塗布前に、前記付加的な被覆が加えられる、
請求項4に記載の処理。
【請求項9】
被覆された又は被覆されていない前記物体の基材の表面の少なくとも一部を被覆する第3の被覆を塗布させる工程をさらに具備する、
請求項4に記載の処理。
【請求項10】
最小の被覆層の少なくとも一部に少なくとも部分的に架橋をさらに具備し、化学および機械的酷使の少なくとも1つの耐性を提供する、
請求項4に記載の処理。
【請求項11】
少なくとも1つの添加剤を少なくとも1つの被覆材料と混合する処理をさらに具備し、向上した紫外線保護、スカフ耐性、ブラシ耐性、化学耐性、および物体の表面での減少した摩擦係数の少なくとも1つを提供する、
請求項4に記載の処理。
【請求項12】
少なくとも1つの添加剤を前記熱可塑性樹脂と混合する処理をさらに具備し、向上した紫外線保護、スカフ耐性、ブラシ耐性、化学耐性、および物体の表面の減少した摩擦係数の少なくとも1つを提供する、
請求項1に記載の処理。
【請求項13】
第2の熱可塑性樹脂の水溶液、懸濁液および/または分散液を、被覆されたまたは被覆されていない前記物体の基材の表面の少なくとも一部に浸漬、噴霧またはフロー被覆により塗布し、
第2の密着膜を形成するような速度で、物体を浸漬、噴霧またはフロー被覆から引き出し、
浸漬、噴霧またはフロー被覆に起因する余分な材料を取り除き、
および第2の被覆を形成するために、第2の膜が実質的に乾燥するまで、被覆された物体を硬化および/または乾燥する処理をさらに具備する、
請求項1に記載の処理。
【請求項14】
前記物体は容器である、
請求項13に記載の処理。
【請求項15】
前記第2の除去ステップは回転、重力、ワイパー、ブラシ、エアナイフおよび気流の少なくとも1つを具備する、
請求項13に記載の処理。
【請求項16】
第3の被覆を、被覆された又は被覆されていない前記物体の表面の少なくとも一部に塗布する処理をさらに具備する、
請求項13に記載の処理。
【請求項17】
少なくとも1つの被覆層の少なくとも一部に少なくとも部分的に架橋をさらに具備し、化学および機械的酷使の少なくとも1つの耐性を提供する、
請求項13に記載の処理。
【請求項18】
除去ステップは、約30から約80rpmの速度での物体の回転をさらに具備する、
請求項3に記載の処理。
【請求項19】
前記硬化および/または乾燥するステップは、赤外線加熱、強制空気、フレーム・キュアリング、ガスヒータおよび紫外線放射の少なくとも1つを具備する、
請求項13に記載の処理。
【請求項20】
前記物体の好ましくない加熱を防ぐ処理をさらに具備する、
請求項19に記載の処理。
【請求項21】
前記硬化および/または乾燥するステップは、赤外線加熱および強制空気を具備する、
請求項13に記載の処理。
【請求項22】
赤外線を吸収する添加剤を前記被覆材料に加える処理をさらに具備する、
請求項1に記載の処理。
【請求項23】
被覆および硬化および/または乾燥の少なくとも1つの間、物体を回転する処理をさらに具備する、
請求項1に記載の処理。
【請求項24】
前記熱可塑性樹脂エポキシ樹脂被覆は、少なくとも1つのフェノキシ樹脂を具備する、
請求項1に記載の処理。
【請求項25】
前記フェノキシ樹脂被覆は、少なくとも1つのヒドロキシフェノキシエーテルポリマーを具備する、
請求項24に記載の処理。
【請求項26】
前記ヒドロキシフェノキシエーテルポリマー被覆は、レゾノシノールジグリシジルエーテル、ヒドロキノンジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテルまたはそれらの混合物から製造される少なくとも1つのポリヒドロキシアミノエーテルコポリマーを具備する、
請求項25に記載の処理。
【請求項27】
前記熱可塑性エポキシ樹脂の前記水溶液、懸濁液、および/または分散液は、ポリヒドロキシアミノエーテルと、リン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酢酸およびグリコール酸の少なくとも1つとの反応から形成される少なくとも1つの有機酸塩を具備する、
請求項26に記載の処理。
【請求項28】
前記第3の被覆は、アクリル、フェノキシ、ラテックスまたはエポキシ被覆であり、乾燥処理の間少なくとも部分的に架橋される、
請求項16に記載の処理。
【請求項29】
前記物体は容器である、
請求項13に記載の処理。
【請求項30】
前記物体は透明である、
請求項1に記載の処理。
【請求項31】
請求項1の処理により被覆された物体。
【請求項32】
熱可塑性樹脂で被覆された金属、セラミック又はガラス物体を製造する処理であって、
金属、セラミックまたはガラスの物体を提供し、
第1の熱可塑性樹脂の水溶液、懸濁液および/または分散液を、少なくとも一部の被覆されたまたは被覆されていない物体の基材の表面に、浸漬、噴霧またはフロー被覆により塗布し、
第1の密着膜を形成するような速度で、物体を浸漬、噴霧またはフロー被覆から引き出し、
浸漬、噴霧またはフロー被覆に起因する余分な材料を取り除き、
第1の被覆を形成するために、第1の膜が実質的に乾燥するまで、被覆された物体を硬化および/または乾燥し、
第2の熱可塑性樹脂の水溶液、懸濁液および/または分散液を物体の基材の表面に、浸漬、噴霧またはフロー被覆により塗布し、
第2の密着膜を形成するような速度で、物体を浸漬、噴霧またはフロー被覆から引き出し、
浸漬、噴霧またはフロー被覆に起因する余分な材料を取り除き、
そして、第2の被覆を形成するために、第2の膜が実質的に乾燥するまで、被覆された物体を硬化および/または乾燥する工程を具備し、
前記第1のおよび第2の熱可塑性樹脂の少なくとも1つが、熱可塑性エポキシを含む、
処理。
【請求項33】
ガラス、セラミックおよび金属の少なくとも1つを含む物体のボディと、
少なくとも一部の前記ボディに処理された熱可塑性樹脂被覆材料を含む少なくとも1つの層を具備し、
前記層はUV保護、スカフ耐性、ブラシ耐性、化学耐性、および減少した摩擦係数の少なくとも1つを提供する、
被覆された物体。
【請求項34】
前記物体は容器である、
請求項33に記載の物体。
【請求項35】
前記容器はビン、ジャーおよびカンの1つである、
請求項34に記載の物体。
【請求項36】
前記層の前記被覆材料は、少なくとも部分的に架橋されている、
請求項33に記載の物体。
【請求項37】
複数の層をさらに具備し、被覆材料の各連続層は薄く、最後の層は他の層よりも薄い、
請求項33に記載の物体。
【請求項38】
前記熱可塑性樹脂被覆は熱可塑性エポキシ樹脂である、
請求項33に記載の物体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−518771(P2008−518771A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−540029(P2007−540029)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【国際出願番号】PCT/US2005/039800
【国際公開番号】WO2006/052659
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(506346990)アドバンスド プラスティックス テクノロジーズ ルクセンブルク エスアー (8)
【氏名又は名称原語表記】Advanced Plastics Technologies Luxembourg S.A.
【住所又は居所原語表記】82 Route d’Arlon, L−1150 Luxembourg, Grand−Duchy of Luxembourg
【Fターム(参考)】