説明

製薬用軽水、治療用組成物及びその方法

本発明は、製薬産業における最終製品及び中間試薬製剤の製造と、分析工程とのための99.760%から99.999%までの軽アイソトポローグ16Oと、100%とする残りのアイソトポローグ17O、18O、16O、17O、18O、16O、17O及び18Oとを含む製薬用水に関する。さらに本発明は、薬剤、生理活性ペプチド、生理活性タンパク質及び核酸からなる群から選択される生物学的に活性な薬品と、前記製薬用水とを含む医薬品の組成物に関する。さらに本発明は、前記治療用組成物をそれを必要とする哺乳類に投与するステップを含む、前記哺乳類に生物学的に活性な薬品を投与する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒト又は動物の保健衛生に関する。具体的には本発明は、軽水アイソトポローグ(isotopologue)16Oが濃縮された製薬用水と、治療用組成物と、その方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
製薬産業は、最終製品及び中間試薬製剤の製造と、分析工程とに使用される水の品質に高い優先度を置く。製薬用水の品質は、毒性、エンドトキシン、易酸化物質、細胞障害性及び不揮発性残留物の要件を決定するのが典型的な各国の薬局方標準により調節される。米国薬局方(USP第23版)は、製薬用水を純水(PW)及び注射用水(WFI)に分類する。純水は、薬剤の単位投与形態の製造工程で使用される。注射用水は、非経口製剤の調製に使用される水である。製薬用水は、水のタイプに応じた特定の工業的処理方法により調製される。
【0003】
天然水は、(H及びHという)水素及び(16O、17O、18Oという)酸素の安定同位体により形成される(16O、17O、18O、16O、17O、18O、16O、17O及び18Oという)9種類の水のアイソトポローグの組成物であり、ここで軽水アイソトポローグ16Oのレベルは約99.7317%(ウィーン標準平均海水、VSMOW)であり、少なくとも1個の重同位体H、17O及び18Oを含む8種類全ての重アイソトポローグの総レベルは約0.2683%(例えば18O 0.199983%、17O 0.0372%、16O 0.031069%、18O 0.0000623%及び17O 0.0000116%)である(特許文献1及び2)。天然水中の水のアイソトポローグの量は、地球上の地域(Earth regions)と気象条件とによって少しずつ変化し、通常は前記国際VSMOW標準に対する偏差δとして表現される。主要な軽水アイソトポローグ16Oが最高に濃縮された天然水は南極で発見され(Standard Light Antarctic Precipitation、SLAP)、前記天然水中では残りの重同位体のδ値は、99.757%の軽水アイソトポローグ16Oレベルに相当するδH=−415.5‰、δ17O=−28.1‰、及び、δ18O=−53.9‰である(非特許文献3)。したがって軽水アイソトポローグ16Oの量が99.757%を超える水は、自然界には見出されない。
【非特許文献1】Rothman et al.、J.Quant.Spectrosc.Radiat.Transfer,1998,60,665.
【非特許文献2】Rothman et al.,J.Quant.Spectrosc.Radiat.Transfer,2003,82,p.9
【非特許文献3】R.van Trigt,Laser Spectrometry for Stable Isotope Analysis of Water Biomedical and Paleoclimatological Applications,2002,Groningen:University Library Groningen,p.50
【0004】
水中ではこれらのジューテリウムを含むアイソトポローグの総レベルは0.031%に満たないので、天然水からジューテリウムを含むアイソトポローグ(16O、17O、18O、16O、17O及び18O)を完全に除去することは、99.76%を超えないレベルまで軽水アイソトポローグ16Oが濃縮された水を提供するのみである。したがって99.76%を超える軽水アイソトポローグ16Oを含有する水は、重アイソトポローグ17O、18O、16O、17O、18O、16O、17O及び18Oを天然水から除去することを可能にする方法により、工業規模で調製される場合がある。
【0005】
製薬用水は、出発水の同位体含有量を変化させない当業者に周知の方法により天然水から調製される。したがって製薬用水は、約99.731%から99.757%までの軽水アイソトポローグ16Oと、約0.243%から0.269%までの残りの量の重アイソトポローグ17O、18O、16O、17O、18O、16O、17O及び18Oとを含む不均一なアイソトポローグの組成物である。軽水アイソトポローグ16Oのレベルが99.760%より高い製薬用水を製造するために、天然水から重アイソトポローグ17O、18O、16O、17O、18O、16O、17O及び18Oを除去することが必要である。
【0006】
したがって軽水アイソトポローグ16Oの含有量が99.757%を超える製薬用水は、従来技術では知られておらず、重アイソトポローグ17O、18O、16O、17O、18O、16O、17O及び18Oを天然水から除去する段階を提供する方法により工業規模で調製される場合がある。
【0007】
水の軽アイソトポローグ及び重アイソトポローグが相異なる特性を有することと、例えば生化学反応の速度と、タンパク質−炭水化物、小分子−小分子、タンパク質−ペプチド及びタンパク質−核酸を含む複数の結合系の会合のエンタルピーと、リガンド結合の熱力学(自由エネルギー、エンタルピー、エントロピー及び熱容量変化)と、タンパク質のアンフォールディングのエンタルピーと、熱力学的安定性と、核酸の機能構造の形成とのような溶液中の物質の特性に相異なる影響を及ぼすこととは、十分に文献上の裏付けがある(非特許文献4−7)。したがって水の重水及び軽水アイソトポローグが(タンパク質、核酸及び小分子のような)薬剤として通常使用される物質の基礎特性に相異なる影響を及ぼすことは、十分に文献上の裏付けがある。したがって製薬用水の同位体組成の不均一性は望ましくなく、薬剤の用量反応に影響する場合がある。したがってより多くの有利な特性を有する薬剤を製造するために、アイソトポローグが単一の(monoisotopologous)製薬用水の必要性がある。
【非特許文献4】Chervenak et al.JACS,1994,116(23):10533−10539
【非特許文献5】Makhatadze et al.,Nature Struct.Biol,1995,2(10):852−855
【非特許文献6】Connelly et al.,PNAS,1994,91:1964−1968
【非特許文献7】Cupane et al.,Nucleic Acids Res.1980,8(18):4283−4303
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
約99.760%から約99.999%までの軽アイソトポローグ16Oと、100%とする残りのアイソトポローグ17O、18O、16O、17O、18O、16O、17O及び18Oとを含む製薬用水を提供することが、本発明の目的である。
【0009】
原水から重アイソトポローグ17O、18O、16O、17O、18O、16O、17O及び18Oを除去するステップを含む製薬用水の製造方法を提供することが、本発明の目的である。
【0010】
生物学的に活性な薬品の有効量と、約99.760%から約99.999%までの軽アイソトポローグ16O、並びに、100%とする残りのアイソトポローグ17O、18O、16O、17O、18O、16O、17O及び18Oを含む製薬用水とを含む治療用組成物を提供することが、本発明の目的である。
【0011】
生物学的に活性な薬品の有効量と、約99.760%から約99.999%までの軽アイソトポローグ16O、並びに、100%とする残りのアイソトポローグ17O、18O、16O、17O、18O、16O、17O及び18Oを含む製薬用水とを含む治療用組成物をそれを必要とする哺乳類に投与するステップを含む、前記哺乳類を治療する方法を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
発明の開示
本発明は、99.760%から99.999%までの軽アイソトポローグ16Oと、100%とする残りのアイソトポローグ17O、18O、16O、17O、18O、16O、17O及び18Oとを含む製薬用水を提供する。
【0013】
本明細書で用いられるところの「製薬用水」という用語は、バルク薬剤の製造か、(例えば薬剤の単位投与形態のような)最終製品の製造かのために製薬産業で使用される水を指す。本発明の好ましい製薬用水は、純水(PW)及び注射用水(WFI)である。PW及びWFI等級の製薬用水を記載する一般的に認められた抄録は、米国薬局方のモノグラフである。(最新版は第23版である。)
【0014】
本明細書で用いられるところの「アイソトポローグ」という用語は、IUPAC Compendium of Chemical Terminology 2nd Edition(1997)に従い、例えば16O、16O及び18Oのような同位体組成(同位体置換の数)のみが異なる分子を指す。
【0015】
本明細書において「製薬用軽水」という用語は、約99.760%から約99.999%までの軽アイソトポローグ16Oと、100%とする残りのアイソトポローグ17O、18O、16O、17O、18O、16O、17O及び18Oとを含む水を指す。特定の重アイソトポローグの相対量は本発明の水の調製方法によって変化する場合があるが、重同位体により形成される残りの重アイソトポローグの合計は、0.001%ないし0.240%を超えない。したがって本発明の水における重同位体の残量は、Hについては0.01ppmから155ppmまで、17Oについては1ppmないし360ppmと、18Oについては1ppmないし2000ppmと変化する場合があるが、これらの残りの重同位体により形成される重アイソトポローグの合計は、0.001%ないし0.240%を超えない。
【0016】
さらに本発明は、原水から重アイソトポローグ17O、18O、16O、17O、18O、16O、17O及び18Oを除去するステップを含む本発明の製薬用水の製造方法を提供する。
【0017】
原水からの重アイソトポローグ17O、18O、16O、17O、18O、16O、17O及び18Oの除去は、当業者に周知の方法により実施される場合がある。原水から重アイソトポローグを除去するための好ましい方法は、高度に有効な蒸留である。前記除去の産物は、約99.760%から約99.999%までの軽アイソトポローグ16Oと、100%とする残りのアイソトポローグ17O、18O、16O、17O、18O、16O、17O及び18Oとを含む軽水である。前記製薬用軽水は、水試料の(例えば予備的濾過と、凝固及び凝集と、脱塩と、軟化とのような)前処理と、消毒と、逆浸透又は脱イオン化と、蒸留又は超濾過と、化学的及び微生物的試験とのような前記軽水を処理するステップを含む当業者に周知の方法によりこのような軽水から調製される。USPのモノグラフ(USP第23版)に従って純水(PW)は、蒸留か、イオン交換処理か、逆浸透か、他の適切な工程かにより取得され、注射用水(WFI)は、蒸留又は逆浸透により取得される。本発明を実施するときには製薬用軽水の試料は、例えば米国薬局方標準のような各国の薬局方標準の要件を満たさなければならない。
【0018】
さらに本発明は、生物学的に活性な薬品の有効量と、約99.760%から約99.999%までの軽アイソトポローグ16O、並びに、100%とする残りのアイソトポローグ17O、18O、16O、17O、18O、16O、17O及び18Oを含む製薬用水とを含む治療用組成物を提供する。
【0019】
さらに本発明は、生物学的に活性な薬品の有効量と、99.760%から99.999%までの軽アイソトポローグ16O、並びに、100%とする残りのアイソトポローグ17O、18O、16O、17O、18O、16O、17O及び18Oを含む製薬用水とを含む治療用組成物をそれを必要とする哺乳類に投与するステップを含む、前記哺乳類に生物学的に活性な薬品を投与する方法を提供する。
【0020】
図面の簡単な説明
図1は、約99.760%から約99.999%までの軽アイソトポローグ16Oと、100%とする残りのアイソトポローグ17O、18O、16O、17O、18O、16O、17O、18Oとを含む水の製造装置の側面模式図である。
【0021】
本発明の組成物では前記生物学的に活性な薬品は、薬剤、生理活性ペプチド、生理活性タンパク質及び核酸からなる群から選択される。
【0022】
好ましくは前記薬剤は、鎮痛剤と、麻酔剤と、にきび防止剤と、老化防止剤と、抗アレルギー剤と、抗貧血剤と、狭心症治療薬と、抗不安薬と、抗不整脈剤と、抗喘息剤と、抗細菌剤と、抗癌剤と、抗コリン剤と、抗凝固剤と、抗痙攣剤と、抗うつ剤と、糖尿病治療薬と、下痢止め剤と、抗利尿剤と、解毒剤と、運動障害治療薬と、月経困難症治療薬と、制吐剤と、抗線溶剤と、抗線維化剤と、抗真菌剤と、緑内障治療薬と、抗出血剤と、抗ヒスタミン剤と、高カルシウム血症治療薬と、高血糖治療薬と、高脂血症治療薬と、降圧剤と、甲状腺機能亢進症治療薬と、尿酸降下剤と、低カルシウム血症治療薬と、低血糖治療薬と、低血圧治療薬と、抗炎症剤と、川崎病治療薬と、マラリア治療薬と、メトヘモグロビン血症治療薬と、抗菌剤と、抗片頭痛剤と、筋無力症治療薬と、抗腫瘍剤と、抗神経痛剤と、好中球減少症治療薬と、抗パニック剤と、多発性神経障害治療薬と、抗原虫剤と、乾癬治療薬と、統合失調症治療薬と、解熱剤と、抗リウマチ剤と、抗脂漏剤と、鎮痙剤と、抗血栓剤と、抗振戦剤と、潰瘍治療薬と、眩暈治療薬(antivertiligo agents)と、抗ウイルス剤と、しわ防止剤と、食欲増進剤と、食欲抑制剤と、喘息予防剤と、骨吸収抑制剤と、気管支拡張剤と、避妊薬と、副腎皮質ステロイド剤と、脱色剤と、消毒剤と、利尿剤と、透析液の成分と、エストロゲン(eastrogens)と、毛髪増殖促進剤と、毛髪増殖阻害剤と、造血刺激剤(hemapoietic stimulants)と、肝炎治療薬と、ヒスタミンH2受容体アンタゴニストと、ホルモンと、保湿剤と、インシュリン耐性治療薬と、インターフェロン耐性治療薬と、免疫抑制剤と、インポテンス治療薬と、角質溶解剤と、縮瞳薬と、粘液溶解剤と、散瞳薬と、心筋梗塞の治療薬又は予防薬と、神経筋遮断薬と、栄養補助剤と、ビタミンと、骨粗しょう症の予防薬又は治療薬と、鎮静剤と、骨格筋弛緩薬と、皮膚軟化剤及び皮膚保湿剤と、皮膚美白剤と、交感神経作動薬と、血栓溶解剤と、ワクチンと、血管拡張剤と、創傷治癒促進剤と、逆刺激剤と、ビタミンと、栄養素と、アミノ酸及びそれらの誘導体と、ミネラルと、ハーブ抽出物と、レチノイドと、ビオフラボノイドと、酸化防止剤とからなる群から選択される。
【0023】
鎮痛剤の限定的でない実施例は、アセトアミノフェンか、重酒石酸ヒドロコドンか、コデインか、カフェインか、アセチルサリチル酸か、ジクロフェナクか、これらの混合物かを含む。
【0024】
麻酔剤の限定的でない実施例は、リドカイン、テトラカイン及びエピネフリンを含む。
【0025】
にきび防止剤の限定的でない実施例は、エリスロマイシン、テトラサイクリン、過酸化ベンゾイル、ニコチンアミド、レゾルシノール、ドキシサイクリン及びサリチル酸を含む。
【0026】
抗貧血剤の限定的でない実施例は、シアノコバラミン、エポエチン、フマル酸第一鉄、硫酸第一鉄、クエン酸第一鉄及び鉄デキストランを含む。
【0027】
狭心症治療薬の限定的でない実施例は、アテノロール、一硝酸イソソルビド、ニトログリセリン、プロプラノロール、チモロール、メトプロロール及びベラパミルを含む。
【0028】
抗不安薬の限定的でない実施例は、アルプラゾラム、ブロマゼパム、ロラゼパム及びジアゼパムを含む。
【0029】
抗不整脈剤の限定的でない実施例は、アセブトロール、アテノロール、アトロピン及びメトプロロールを含む。
【0030】
抗喘息剤の限定的でない実施例は、デキサメタゾン及びロラタジンを含む。
【0031】
抗細菌剤の限定的でない実施例は、アミノサリチル酸、イソニアジド(isoniazide)、エリスロマイシン、ゲンタマイシン、シプロフロキサシン、アモキシシリン、セファキセリン(cephaxelin)及びストレプトマイシンを含む。
【0032】
抗癌剤の限定的でない実施例はダウノルビシンを含む。
【0033】
抗コリン剤の限定的でない実施例はアトロピンを含む。
【0034】
抗凝固剤の限定的でない実施例は、ヘパリン、ワルファリン及びジクマロールを含む。
【0035】
抗痙攣剤の限定的でない実施例は、クロナゼパム、ジアゼパム及びバルプロ酸を含む。
【0036】
抗うつ剤の限定的でない実施例は、アミトリプチリン及びフルオキセチンを含む。
【0037】
糖尿病治療薬の限定的でない実施例は、インシュリンと、メトホルミンと、コハク酸と、グリブリドのようなスルホニル尿素とを含む。
【0038】
下痢止め剤の限定的でない実施例は、コデイン及び次サリチル酸ビスマスを含む。
【0039】
抗利尿剤の限定的でない実施例はバソプレッシンを含む。
【0040】
解毒剤の限定的でない実施例は、カルシウムチャネル遮断薬に対するグルカゴンと、重金属に対するペニシラミンとを含む。
【0041】
運動障害治療薬の限定的でない実施例はレボドパを含む。
【0042】
月経困難症治療薬の限定的でない実施例はジクロフェナクを含む。
【0043】
制吐剤の限定的でない実施例はクロルプロマジンを含む。
【0044】
抗線溶剤の限定的でない実施例はアミノカプロン酸を含む。
【0045】
抗線維化剤の限定的でない実施例はアミノ安息香酸カリウムを含む。
【0046】
抗真菌剤の限定的でない実施例はケトコナゾールを含む。
【0047】
緑内障治療薬の限定的でない実施例は、カルバコール及びピロカルピンを含む。
【0048】
抗出血剤の限定的でない実施例は、第IX因子及びアミノカプロン酸を含む。
【0049】
抗ヒスタミン剤の限定的でない実施例は、塩酸ラニチジン及びロラタジンを含む。
【0050】
高カルシウム血症治療薬の限定的でない実施例は、カルシトニンと、エチドロン酸と、他のビスホスホン酸(biphosphonates)とを含む。
【0051】
高血糖治療薬の限定的でない実施例はメトホルミンを含む。
【0052】
高脂血症治療薬の限定的でない実施例は、クロフィブラート及びフルバスタチンを含む。
【0053】
降圧剤の限定的でない実施例は、アテノロール、カプトプリル、リシノプリル及びベラパミルを含む。
【0054】
甲状腺機能亢進症治療薬の限定的でない実施例はヨウ化カリウムを含む。
【0055】
尿酸降下剤の限定的でない実施例はアロプリノールを含む。
【0056】
低カルシウム血症治療薬の限定的でない実施例は酢酸カルシウムを含む。
【0057】
低血糖治療薬の限定的でない実施例はグルカゴンを含む。
【0058】
低血圧治療薬の限定的でない実施例はジヒドロエルゴタミンを含む。
【0059】
抗炎症剤の限定的でない実施例は、アセチルサリチル酸、サリチル酸コリン、イブプロフェン、ジクロフェナク、インドメタシン及びデキサメタゾンを含む。
【0060】
川崎病治療薬の限定的でない実施例は免疫グロブリンを含む。
【0061】
マラリア治療薬の限定的でない実施例はキニジンを含む。
【0062】
メトヘモグロビン血症治療薬の限定的でない実施例はメチレンブルーを含む。
【0063】
筋無力症治療薬の限定的でない実施例はネオスチグミン(neostygmine)を含む。
【0064】
抗腫瘍剤の限定的でない実施例は、アスパラギナーゼ、カルボプラチン、ダウノルビシン、インターフェロン、タモキシフェン及びフルオロウラシルを含む。
【0065】
抗神経痛剤の限定的でない実施例はカルバマゼピンを含む。
【0066】
抗パニック剤の限定的でない実施例はクロナゼパムを含む。
【0067】
多発性神経障害治療薬の限定的でない実施例は免疫グロブリンを含む。
【0068】
抗原虫剤の限定的でない実施例は、クロロキン及びフラゾリドンを含む。
【0069】
乾癬治療薬の限定的でない実施例はメトトレキサートを含む。
【0070】
統合失調症治療薬の限定的でない実施例はカルバマゼピンを含む。
【0071】
解熱剤の限定的でない実施例はアセトアミノフェンを含む。
【0072】
抗リウマチ剤の限定的でない実施例はメトトレキサートを含む。
【0073】
抗脂漏剤の限定的でない実施例は、ピリチオン、サリチル酸を含む。
【0074】
鎮痙剤の限定的でない実施例はグルカゴンを含む。
【0075】
抗血栓剤の限定的でない実施例はアセチルサリチル酸を含む。
【0076】
抗振戦剤の限定的でない実施例はジアゼパムを含む。
【0077】
潰瘍治療薬の限定的でない実施例はオメプラゾールを含む。
【0078】
眩暈治療薬の限定的でない実施例はジフェニドール(diphenidol)を含む。
【0079】
抗ウイルス剤の限定的でない実施例は、アシクロビル及びリバビリンを含む。
【0080】
食欲増進剤の限定的でない実施例はドロナビノールを含む。
【0081】
食欲抑制剤の限定的でない実施例はフェンテルミンを含む。
【0082】
喘息予防剤の限定的でない実施例はテオフィリンを含む。
【0083】
骨吸収抑制剤の限定的でない実施例はカルシトニンを含む。
【0084】
気管支拡張剤の限定的でない実施例は、テオフィリン及びアルブテロールを含む。
【0085】
避妊薬の限定的でない実施例はレボノルゲストレルを含む。
【0086】
副腎皮質ステロイド剤の限定的でない実施例はデキサメタゾンを含む。
【0087】
利尿剤の限定的でない実施例は、フロセミド及びヒドロクロロチアジドを含む。
【0088】
エストロゲンの限定的でない実施例はエストラジオールを含む。
【0089】
造血刺激剤の限定的でない実施例はエポエチン(epoietin)を含む。
【0090】
肝炎治療薬の限定的でない実施例はインターフェロンアルファを含む。
【0091】
ヒスタミンH2受容体アンタゴニストの限定的でない実施例はシメチジンを含む。
【0092】
ホルモンの限定的でない実施例は、メラトニン、甲状腺ホルモン、チロキシン、トリヨードチロニン、アドレナリン、ノルアドレナリン、(例えばコルチゾールのような)グルココルチコイド、(例えばアルドステロンのような)ミネラルコルチコイド、(例えばエストラジオールのような)エストロゲン、プロゲステロン、(例えばテストステロンのような)アンドロゲン、カルシトリオール及びカルシフェロールを含む。
【0093】
インシュリン耐性治療薬又はインターフェロン耐性治療薬の限定的でない実施例は、コハク酸又はその塩を含む。
【0094】
免疫抑制剤の限定的でない実施例はシクロスポリンを含む。
【0095】
インポテンス治療薬の限定的でない実施例はパパベリンを含む。
【0096】
角質溶解剤の限定的でない実施例は過酸化ベンゾイルを含む。
【0097】
縮瞳薬の限定的でない実施例はカルバコールを含む。
【0098】
粘液溶解剤の限定的でない実施例はアセチルシステインを含む。
【0099】
散瞳薬の限定的でない実施例はアトロピンを含む。
【0100】
心筋梗塞の治療薬又は予防薬の限定的でない実施例はアセチルサリチル酸を含む。
【0101】
神経筋遮断薬の限定的でない実施例はスクシニルコリンを含む。
【0102】
栄養補助剤の限定的でない実施例は、乳酸カルシウム、グルコン酸銅、フマル酸第一鉄、塩化マグネシウム、亜セレン酸(selenous acid)、アスコルビン酸、ベータ−カロテン、ビオチン、カルシトリオール、パントテン酸カルシウム、シアノコバラミン、エルゴカルシフェロール、葉酸、ナイアシン、ナイアシンアミド、パントテン酸、ピリドキシン、リボフラビン、アスコルビン酸ナトリウム、リポ酸、イノシトール及びチアミンを含む。
【0103】
栄養素の限定的でない実施例はグルコースを含む。
【0104】
ミネラルの限定的でない実施例は、カルシウム、クロム、コバルト、銅、フッ化物(fluoride)、ゲルマニウム、ヨウ素、鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン、モリブデン、リン、カリウム、セレン、ケイ素、ナトリウム、硫黄、バナジウム及び亜鉛を含む。
【0105】
ビタミンの限定的でない実施例は、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、パントテン酸塩、ピリドキシン、葉酸、コバラミン、ビオチン、コリン、イノシトール、アスコルビン酸、リポ酸及びカルニチンを含む。
【0106】
骨粗しょう症の予防薬又は治療薬の限定的でない実施例はエストロゲンを含む。
【0107】
鎮静剤の限定的でない実施例はジアゼパムを含む。
【0108】
骨格筋弛緩薬の限定的でない実施例はフェニトインを含む。
【0109】
血栓溶解剤の限定的でない実施例はウロキナーゼを含む。
【0110】
血管拡張剤の限定的でない実施例はエナラプリルを含む。
【0111】
本発明の薬剤は通常、前記組成物の約0.0005重量%から約50.0重量%までの、好ましくは約0.005重量%から約5.0重量%までのレベルで個々に使用される。
【0112】
好ましくは前記生理活性ペプチド又は生理活性タンパク質は、サイトカインと、ペプチドホルモンと、増殖因子と、心臓循環系に作用する因子と、中枢及び抹消神経系に作用する因子と、体液性電解質に作用する因子と、造血因子と、骨及び骨格に作用する因子と、胃腸系に作用する因子と、免疫系に作用する因子と、生殖器官に作用する因子と、酵素とからなる群から選択される。
【0113】
サイトカインの限定的でない実施例は、(例えばインターフェロン−アルファ、ベータ及びガンマのような)インターフェロンと、(例えばインターロイキン2から12までのような)インターロイキンとを含む。
【0114】
タンパク質ホルモン又はペプチドホルモンの限定的でない実施例は、インシュリン、インシュリン様増殖因子−1、成長ホルモン、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH−RH)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、アミリン、オキシトシン、アクチビン、アミリン、アンジオテンシン、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、カルシトニン、コレシストキニン(CCK)、繊毛様神経栄養因子(CNTF)、コルチコトロピン放出ホルモン(CRH又はCRF)、エリスロポエチン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、ガストリン、ガストリン抑制ペプチド(GIP)、ガストリン放出ペプチド、グレリン、グルカゴン(glucogon)、ゴナドトロピン放出因子(GnRF又はGNRH)、成長ホルモン放出ホルモン(GRF、GRH)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCH)、インヒビンA、インヒビンB、レプチン、リポトロピン(LPH)、黄体形成ホルモン(LH)、モチリン、ニューロペプチドY、オキシトシン、膵臓ポリペプチド、副甲状腺ホルモン(PTH)、胎盤性ラクトゲン、プロラクチン(PRL)、プロラクチン遊離阻害因子(PIF)、プロラクチン放出因子(PRF)、PYY3−36、セクレチン、ソマトスタチン(SIF、成長ホルモン放出抑制因子、GIF)、トロンボポエチン、チロトロピン(甲状腺刺激ホルモン、TSH)、チロトロピン放出因子(TRH又はTRF)、血管作用性小腸ペプチド(VIP)、バソプレッシン(抗利尿ホルモン、ADH)及びこれらの組合せを含む。
【0115】
増殖因子の限定的でない実施例は、神経成長因子(NGF、NGF−2/NT−3)、上皮増殖因子(EGF)、繊維芽細胞増殖因子(FGF)、インシュリン様増殖因子(IGF)、トランスフォーミング増殖因子(TGF)、血小板由来細胞増殖因子(PDGF)、ケラチノサイト増殖因子(TGF)及び肝細胞増殖因子(HGF)を含む。
【0116】
心臓循環系に作用する因子の限定的でない実施例は、例えばエンドセリン、エンドセリン阻害剤、エンドセリンアンタゴニスト、バソプレッシン、レニン、アンジオテンシンI、アンジオテンシンII、アンジオテンシンIII、アンジオテンシンI阻害剤、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)及び抗不整脈ペプチドのような、血圧、動脈硬化等を制御する因子を含む。
【0117】
中枢及び抹消神経系に作用する因子の限定的でない実施例は、(例えばエンケファリン、エンドルフィン、キョートルフィンのような)オピオイドペプチド、神経栄養因子(NTF)、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、甲状腺ホルモン放出ホルモン(TRH)、グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)及び(例えばNT3、NT4のような)ニューロトロフィンを含む。
【0118】
体液性電解質に作用する因子の限定的でない実施例はカルシトニンを含む。
【0119】
造血因子の限定的でない実施例は、エリスロポエチンと、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)と、顆粒球マクロファージ刺激因子(GM−CSF)及びマクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)と、トロンボポエチンとを含む。
【0120】
胃腸系に作用する因子の限定的でない実施例は、セクレチン及びガストリンを含む。
【0121】
免疫系に作用する因子の限定的でない実施例は、(例えばインターフェロン−アルファ及びガンマのような)インターフェロンと、モノクローナル抗体と、自然に発生するか、化学的に合成されるか、組換え体かの、抗原として作用する場合があるペプチド又はタンパク質とを含む。本発明にしたがう処方中でこれらの因子は、ハプテンに結合された状態で、独立に、又は、アジュバントと一緒に投与される。
【0122】
骨及び骨格に作用する因子の限定的でない実施例は、副甲状腺ホルモン及びカルシトニンを含む。
【0123】
生殖器官に作用する因子の限定的でない実施例は、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH−RH)及び黄体形成ホルモンを含む。
【0124】
酵素の限定的でない実施例は、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、ウロキナーゼ、アスパラギナーゼ及びカリクレインを含む。
【0125】
これらのペプチド又はタンパク質は、グリコシル化されたペプチド又はタンパク質と、化学的に修飾されたペプチド又はタンパク質とをさらに含む場合がある。化学的に修飾されたペプチド又はタンパク質の限定的でない実施例は、ポリエチレングリコールのような合成高分子、コンドロイチン、多糖類等のような天然高分子に共有化学結合により連結されたペプチド又はタンパク質と、非ペプチド物質で化学的に修飾されたペプチド又はタンパク質とを含む。上述の非ペプチド物質は、受容体に対するリガンドか、抗体に対する抗原かの場合がある。
【0126】
さらに前記ペプチド又はタンパク質は、化学的手段か、遺伝子工学技術かにより連結された複数のペプチドの場合がある。
【0127】
核酸の限定的でない実施例は、プラスミドDNA、RNA及びオリゴヌクレオチドを含む。
【0128】
本発明のペプチド、タンパク質又は核酸は通常、注射投与形態についての医学文献で詳述されるその通常の用量に近い量と、毎日の投与計画の範囲とで本発明の組成物中に配合される。好ましくは本発明のペプチド又はタンパク質は通常、前記組成物の約0.00001重量%から約5.0重量%までの、好ましくは約0.0001重量%から約1重量%までのレベルで個々に使用される。
【0129】
好ましくは本発明の組成物中の製薬用水の量は、前記組成物の総重量を基準として約1.0%から99.9%までである。より好ましくは前記組成物の総重量を基準として約50.0%から99.9%までである。
【0130】
本発明の組成物は、前記生理活性ペプチド又は生理活性タンパク質の活性に顕著には影響せず、かつ生理学的に許容可能であるpH範囲で提供される。好ましい範囲は約pH2ないしpH10である。より好ましい範囲は約pH3ないしpH9であり、最も望ましい範囲は約pH3.5ないしpH8である。好ましくは本発明の緩衝液は、グリシン、クエン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸又はリン酸緩衝液を含むがこれらに限定されない。
【0131】
本発明の組成物は、周知の成分を使用して周知の方法により調製される。前記組成物の調製においては、前記生物学的に活性な薬品は通常前記軽水と混合され、適当な希釈剤又はキャリアーにより希釈される。加えて本発明の組成物は、保存料、香料、着色料等を含む場合がある。加えて本発明の組成物は、さらに薬理的活性物質の吸収を助ける吸収促進剤が補われる場合がある。前記吸収促進剤は、医薬品として許容可能ないずれかの促進剤の場合がある。したがって(アセチルサリチル酸塩、サリチル酸コリン、サリチルアミド等のような)サリチル酸ナトリウム及びサリチル酸誘導体と、(例えばグリシン、アラニン、フェニルアラニン、プロリン、ヒドロキシプロリン等のようなモノアミノカルボン酸と、セリン等のようなヒドロキシアミノ酸と、アスパラギン酸、グルタミン酸等のような酸性アミノ酸と、リジン等のような塩基性アミノ酸と、それらのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩とのような)アミノ酸及びそれらの塩と、(N−アセチルアラニン、N−アセチルフェニルアラニン、N−アセチルセリン、N−アセチルグリシン、N−アセチルリジン、N−アセチルグルタミン酸、N−アセチルプロリン、N−アセチルヒドロキシプロリン等のような)N−アセチルアミノ酸及び(アルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩のような)それらの塩と、(例えばオレイルリン酸ナトリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル等のような)乳化剤として一般的に使用される物質と、カプロン酸、乳酸、リンゴ酸及びクエン酸並びにそれらのアルカリ金属塩と、ピロリドンカルボン酸、アルキルピロリドンカルボン酸エステル、N−アルキルピロリドン及びプロリンアシルエステル等との場合がある。前記使用される場合がある成分は一般的に、前記組成物の約0.0005重量%から約10.0重量%までの、好ましくは約0.005重量%から約1.0重量%までのレベルで個々に使用される。
【0132】
前記治療用組成物は、さまざまな単位投与形態中で処方される場合がある。前記形態は、ゲル錠剤、スプレー剤、シロップ剤、坐剤、滴下剤及び溶液剤を含むがこれらに限定されない。
【0133】
本発明の方法を実施するために単位投与形態の治療用組成物は、さまざまな投与方法により投与される場合がある。前記投与方法は、経口投与、非経口投与、経皮投与、経粘膜投与、皮内投与、鼻腔内投与、直腸内投与又は局所的投与を含むがこれらに限定されない。
【0134】
(例えばシロップ剤、ゲル錠剤のような)経口投与形態は摂取され、この方法は1日当たり1回から約5回まで、好ましくは1回から3回まで繰り返し適用される場合がある。
【0135】
(例えば舌下スプレー、ゲル錠剤又は溶液剤のような)経粘膜投与形態は前記哺乳類の舌下粘膜に少なくとも10秒間塗布され、この方法は1日当たり1回から約5回まで、好ましくは1回から3回まで繰り返し適用される場合がある。
【0136】
(例えば注射用溶液のような)非経口投与形態は前記哺乳類に(例えば皮下又は筋肉内に)注射され、この方法は繰り返し適用される場合がある。
【0137】
(例えば鼻腔用スプレー又は点鼻剤のような)鼻腔投与形態は前記哺乳類の鼻腔粘膜に適用され、この方法は1日当たり1回から約5回まで、好ましくは1回から3回まで繰り返し適用される場合がある。
【0138】
(例えばゲル剤のような)局所的投与形態は前記哺乳類の皮膚に塗布され、好ましくは少なくとも約15分間、より好ましくは少なくとも約30分間、さらにより好ましくは少なくとも約1時間、最も好ましくは例えば約12時間までのような少なくとも数時間、前記皮膚の表面で静置される。この方法は1日当たり1回から約5回まで、好ましくは1回から3回まで繰り返し適用される場合がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0139】
以下の実施例は、本発明を実証するために提示される。実施例は例示を目的とするものであって、本発明の範囲を限定することは決して意図されない。
【実施例1】
【0140】
本実施例は、本発明の製薬用水の製造方法を示す。
【0141】
99.99%の軽アイソトポローグ16Oと、100%とする残りのアイソトポローグ17O、18O、16O、17O、18O、16O、17O及び18Oとを含む軽原水は、図1に記載の装置を温度60°C及び圧力0.2バール下で使用する、99.73%の軽アイソトポローグ16Oを含む天然原水の高度に有効な蒸留により調製される。前記蒸留工程は、
・水蒸気を製造するための煮沸手段1中で99.73%(C)の軽アイソトポローグ16Oを含む天然水を蒸発させるステップと、
・蒸留塔3の底部2へ前記水蒸気を供給するステップと、
・前記蒸留塔の軸の方向に沿う主な流れの向きに沿って、前記蒸留塔の内側の(例えば構造化又はランダム充填された)接触デバイス4の表面上で下降する液体と上昇する蒸気とが相互に反対向きへ流れるときに、主に前記接触デバイスの表面で前記液体及び前記蒸気の間での気液接触を行うステップと、
・蒸留塔3の最上部に設置されるコンデンサー5で濃度99.99%(C)の軽アイソトポローグ16Oを有する水蒸気を凝結させるステップと、
・製薬用軽水を製造するのに適する99.99%の軽アイソトポローグ16O(C>C)を含む凝結された軽原水として凝結物の一部を収集するステップとを含む。その後前記軽原水は、逆浸透方法により引き続き処理される。その結果として得られる、99.99%の軽アイソトポローグ16Oを含むWFI等級の製薬用水は、各国の薬局方標準の規定に基づき化学的及び微生物的な汚染物質について試験される。
【実施例2】
【0142】
本実施例は、インシュリンを含む代表的な処方を示す。
【0143】
【表1】

【0144】
実施例2に記載の組成物の調製方法は以下の通りであった。前記ヒト組換えインシュリンと、注射用軽水と、他の成分とは混合された。
【実施例3】
【0145】
本実施例は、インターフェロン−アルファを含む代表的な処方を示す。
【0146】
【表2】

【0147】
実施例3に記載の組成物の調製方法は以下の通りであった。前記ヒト組換えインターフェロン−アルファと、注射用軽水と、他の成分とは混合された。
【実施例4】
【0148】
本実施例は、インターフェロン−ベータを含む代表的な処方を示す。
【0149】
【表3】

【0150】
実施例4に記載の組成物の調製方法は以下の通りであった。前記ヒト組換えインターフェロン−ベータと、注射用軽水と、他の成分とは混合された。
【実施例5】
【0151】
本実施例は、エリスロポエチンを含む代表的な処方を示す。
【0152】
【表4】

【0153】
実施例5に記載の組成物の調製方法は以下の通りであった。前記ヒト組換えエリスロポエチンと、注射用軽水と、他の成分とは混合された。
【実施例6】
【0154】
本実施例は、カルシトニンを含む代表的な処方を示す。
【0155】
【表5】

【0156】
実施例6に記載の組成物の調製方法は以下の通りであった。前記サケカルシトニンと、注射用軽水と、他の成分とは混合された。
【実施例7】
【0157】
本実施例は、G−CSFを含む代表的な処方を示す。
【0158】
【表6】

【0159】
実施例7に記載の組成物の調製方法は以下の通りであった。前記ヒト組換えG−CSF
と、注射用軽水と、他の成分とは混合された。
【実施例8】
【0160】
本実施例は、GM−CSFを含む代表的な処方を示す。
【0161】
【表7】

【0162】
実施例8に記載の組成物の調製方法は以下の通りであった。前記ヒト組換えGM−CSFと、注射用軽水と、他の成分とは混合された。
【実施例9】
【0163】
本実施例は、GDNFを含む代表的な処方を示す。
【0164】
【表8】

【0165】
実施例9に記載の組成物の調製方法は以下の通りであった。前記ヒト組換えGDNFと、注射用軽水と、他の成分とは混合された。
【実施例10】
【0166】
本実施例は、成長ホルモンを含む代表的な処方を示す。
【0167】
【表9】

【0168】
実施例10に記載の組成物の調製方法は以下の通りであった。前記ヒト組換え成長ホルモンと、注射用軽水と、他の成分とは混合された。
【実施例11】
【0169】
本実施例は、IL−1受容体アンタゴニストを含む代表的な処方を示す。
【0170】
【表10】

【0171】
実施例11に記載の組成物の調製方法は以下の通りであった。前記ヒト組換えIL−1受容体アンタゴニストと、注射用軽水と、他の成分とは混合された。
【実施例12】
【0172】
本実施例は、抗−VEGFモノクローナル抗体を含む代表的な処方を示す。
【0173】
【表11】

【0174】
実施例12に記載の組成物の調製方法は以下の通りであった。抗−VEGFモノクローナル抗体と、注射用軽水と、他の成分とは混合された。
【実施例13】
【0175】
本実施例は、インフルエンザウイルスワクチンを含む代表的な処方を示す。
【0176】
【表12】

【0177】
実施例13に記載の組成物の調製方法は以下の通りであった。ウイルス抗原(ヘマグルチニン)と、注射用軽水と、他の成分とは混合された。
【実施例14】
【0178】
本実施例は、人工涙液を含む代表的な処方(眼科薬)を示す。
【0179】
【表13】

【0180】
実施例14に記載の組成物の調製方法は以下の通りであった。ポリアクリル酸、ソルビトール、塩化ベンザルコニウム及び注射用軽水とは混合された。
【実施例15】
【0181】
本実施例は、デキストラン70を含む代表的な処方(代用血液)を示す。
【0182】
【表14】

【0183】
実施例15に記載の組成物の調製方法は以下の通りであった。デキストラン70、塩化ナトリウム及び注射用軽水は混合された。
【実施例16】
【0184】
本実施例は、ナロキソンを含む代表的な処方(解毒剤)を示す。
【0185】
【表15】

【0186】
実施例16に記載の組成物の調製方法は以下の通りであった。塩酸ナロキソン及び注射用軽水は混合された。
【実施例17】
【0187】
本実施例は、塩化ナトリウムを含む代表的な処方(電解質バランス修正剤)を示す。
【0188】
【表16】

【0189】
実施例17に記載の組成物の調製方法は以下の通りであった。塩化ナトリウム及び注射用軽水は混合された。
【実施例18】
【0190】
本実施例は、代表的な、皮膚の水和のための皮膚科学的な処方を示す。
【0191】
【表17】

【0192】
実施例18に記載の組成物の調製方法は以下の通りであった。グリセリン、軽純水及びメチルヒドロキシプロピルセルロースは混合された。
【実施例19】
【0193】
本実施例は、インターロイキン−2を含む代表的な処方を示す。
【0194】
【表18】

【0195】
実施例19に記載の組成物の調製方法は以下の通りであった。前記ヒト組換えインターロイキン−2と、注射用軽水と、他の成分とは混合された。
【実施例20】
【0196】
本実施例は、対製薬用水の比較で、製薬用軽水で調製されたインターフェロン組成物の投与によるインターフェロンの送達の有効性の高さを示す。
【0197】
材料。ヒト組換えインターフェロン−アルファ(IFN)が使用された。
【0198】
処理。体重が約20gのオスのC57B1マウスは、クエン酸緩衝液でpH5.4−5.5とした、天然蒸留水(軽アイソトポローグ16O 99.73%、対照)又は製薬用軽水(軽アイソトポローグ16O 99.90%)で調製されたマウス1匹当たり20μLの溶液という形態で、マウス1匹当たり170ngのIFNを口腔粘膜を経由して(oromucosally)投与された。血漿中のIFNレベルは、投与後7分時点で、ヒトIFNに特異的な免疫酵素アッセイにより測定された。データは、血漿中のIFNの平均値±標準偏差(n=6)としてng/mLの単位で下表に表される。
【0199】
【表19】

【実施例21】
【0200】
本実施例は、対製薬用水の比較で、製薬用軽水で調製されたインターフェロン組成物の投与によるインターフェロンの送達の有効性の高さを示す。
【0201】
材料。ヒト組換えインターフェロン−アルファ(IFN)が使用された。
【0202】
処理。体重が約20gのオスのC57B1マウスは、実験の72時間前に脱毛された。コハク酸緩衝液でpH5.1とした、天然蒸留水(軽アイソトポローグ16O 99.73%、対照)又は製薬用軽水(軽アイソトポローグ16O 99.90%)で調製されたマウス1匹当たり100μLの溶液という形態で、マウス1匹当たり100ngのIFNが、皮膚の脱毛された領域約1cmに塗布された。血漿中のIFNレベルは、10分時点で、ヒトIFNに特異的な免疫酵素アッセイにより測定された。データは、血漿中のIFNの平均値±標準偏差(n=5)としてng/mLの単位で下表に表される。
【0203】
【表20】

【実施例22】
【0204】
本実施例は、インターフェロンアルファを含む舌下スプレーのための代表的な処方を示す。
【0205】
【表21】

【0206】
実施例22に記載の組成物の調製方法は以下の通りであった。上述の成分は、インターフェロンアルファを含む舌下スプレーを調製するための従来の方法で混合された。
【実施例23】
【0207】
本実施例は、インシュリンを含む舌下スプレーのための代表的な処方を示す。
【0208】
【表22】

【0209】
実施例23に記載の組成物の調製方法は以下の通りであった。上述の成分は、インシュリンを含む舌下スプレーを調製するための従来の方法で混合された。
【実施例24】
【0210】
本実施例は、エリスロポエチンを含む舌下スプレーのための代表的な処方を示す。
【0211】
【表23】

【0212】
実施例24に記載の組成物の調製方法は以下の通りであった。上述の成分は、エリスロポエチンを含む舌下スプレーを調製するための従来の方法で混合された。
【実施例25】
【0213】
本実施例は、カルシトニンを含む舌下スプレーのための代表的な処方を示す。
【0214】
【表24】

【0215】
実施例25に記載の組成物の調製方法は以下の通りであった。上述の成分は、カルシトニンを含む舌下スプレーを調製するための従来の方法で混合された。
【図面の簡単な説明】
【0216】
【図1】約99.760%から約99.999%までの16Oを含む水の製造装置の側面模式図。
【符号の説明】
【0217】
1 煮沸手段
2 底部
3 蒸留塔
4 接触デバイス
5 コンデンサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
99.760%から99.999%までの軽アイソトポローグ16Oと、100%とする残りのアイソトポローグ17O、18O、16O、17O、18O、16O、17O及び18Oとを含むことを特徴とする製薬用水。
【請求項2】
原水から重アイソトポローグ17O、18O、16O、17O、18O、16O、17O及び18Oを除去するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の製薬用水の製造方法。
【請求項3】
生物学的に活性な薬品の有効量と、99.760%から99.999%までの軽アイソトポローグ16O、並びに、100%とする残りのアイソトポローグ17O、18O、16O、17O、18O、16O、17O及び18Oを含む製薬用水とを含むことを特徴とする治療用組成物。
【請求項4】
前記生物学的に活性な薬品は、薬剤、生理活性ペプチド、生理活性タンパク質及び核酸からなる群から選択されることを特徴とする請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記薬剤は、鎮痛剤と、麻酔剤と、にきび防止剤と、老化防止剤と、抗アレルギー剤と、抗貧血剤と、狭心症治療薬と、抗不安薬と、抗不整脈剤と、抗喘息剤と、抗細菌剤と、抗コリン剤と、抗凝固剤と、抗痙攣剤と、抗うつ剤と、糖尿病治療薬と、下痢止め剤と、抗利尿剤と、解毒剤と、運動障害治療薬と、月経困難症治療薬と、制吐剤と、抗線溶剤と、抗線維化剤と、抗真菌剤と、緑内障治療薬と、抗出血剤と、抗ヒスタミン剤と、高カルシウム血症治療薬と、高血糖治療薬と、高脂血症治療薬と、降圧剤と、甲状腺機能亢進症治療薬と、尿酸降下剤と、低カルシウム血症治療薬と、低血糖治療薬と、低血圧治療薬と、抗炎症剤と、川崎病治療薬と、マラリア治療薬と、メトヘモグロビン血症治療薬と、抗菌剤と、抗片頭痛剤と、筋無力症治療薬と、抗腫瘍剤と、抗神経痛剤と、好中球減少症治療薬と、抗パニック剤と、多発性神経障害治療薬と、抗原虫剤と、乾癬治療薬と、統合失調症治療薬と、解熱剤と、抗リウマチ剤と、抗脂漏剤と、鎮痙剤と、抗血栓剤と、抗振戦剤と、潰瘍治療薬と、眩暈治療薬と、抗ウイルス剤と、しわ防止剤と、食欲増進剤と、食欲抑制剤と、喘息予防剤と、骨吸収抑制剤と、気管支拡張剤と、避妊薬と、副腎皮質ステロイド剤と、脱色剤と、消毒剤と、利尿剤と、透析液の成分と、エストロゲンと、毛髪増殖促進剤と、毛髪増殖阻害剤と、造血刺激剤と、肝炎治療薬と、ヒスタミンH2受容体アンタゴニストと、ホルモンと、保湿剤と、インシュリン耐性治療薬と、インターフェロン耐性治療薬と、免疫抑制剤と、インポテンス治療薬と、角質溶解剤と、縮瞳薬と、粘液溶解剤と、散瞳薬と、心筋梗塞の治療薬又は予防薬と、神経筋遮断薬と、栄養補助剤と、ビタミンと、骨粗しょう症の予防薬又は治療薬と、鎮静剤と、骨格筋弛緩薬と、皮膚軟化剤及び皮膚保湿剤と、皮膚美白剤と、交感神経作動薬と、血栓溶解剤と、ワクチンと、血管拡張剤と、創傷治癒促進剤と、逆刺激剤と、ビタミンと、栄養素と、アミノ酸及びそれらの誘導体と、ミネラルと、ハーブ抽出物と、レチノイドと、ビオフラボノイドと、酸化防止剤とからなる群から選択されることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記生理活性ペプチド又は生理活性タンパク質は、サイトカインと、ペプチドホルモンと、増殖因子と、心臓循環系に作用する因子と、中枢及び抹消神経系に作用する因子と、体液性電解質に作用する因子と、造血因子と、骨及び骨格に作用する因子と、胃腸系に作用する因子と、免疫系に作用する因子と、生殖器官に作用する因子と、酵素とからなる群から選択されることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
前記サイトカインはインターフェロンアルファであることを特徴とする請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記ペプチドホルモンはインシュリンであることを特徴とする請求項6に記載の組成物。
【請求項9】
前記増殖因子はインシュリン様増殖因子であることを特徴とする請求項6に記載の組成物。
【請求項10】
前記ペプチドホルモンはカルシトニンであることを特徴とする請求項6に記載の組成物。
【請求項11】
前記ペプチドホルモンは成長ホルモンであることを特徴とする請求項6に記載の組成物。
【請求項12】
前記造血因子はエリスロポエチンであることを特徴とする請求項6に記載の組成物。
【請求項13】
前記免疫系に作用する因子はワクチンであることを特徴とする請求項6に記載の組成物。
【請求項14】
前記製薬用水の量は、前記組成物の総重量を基準として約1.0%から99.9%までであることを特徴とする請求項3に記載の組成物。
【請求項15】
前記製薬用水の量は、前記組成物の総重量を基準として約50.0%から99.9%までであることを特徴とする請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
請求項3に記載の治療用組成物をそれを必要とする哺乳類に投与するステップを含むことを特徴とする、前記哺乳類に生物学的に活性な薬品を投与する方法。
【請求項17】
前記組成物は、経口的に、非経口的に、経皮的に、経粘膜的に、鼻腔内に、直腸内に、又は、局所的に投与されることを特徴とする請求項16に記載の方法。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2008−533003(P2008−533003A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−500658(P2008−500658)
【出願日】平成17年3月11日(2005.3.11)
【国際出願番号】PCT/RU2005/000105
【国際公開番号】WO2006/098650
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(507302173)ヴァーダ コンサルティング リミテッド (3)
【Fターム(参考)】