説明

製袋包装機

【課題】連続動作によって袋の底折りを確実に行なうことが可能な製袋包装機を提供することにある。
【解決手段】製袋包装機3は、搬送部6と、横シール機構17と、底部加熱手段21と、を備えている。搬送部6は、筒状の包材を連続的に搬送する。横シール機構17は、筒状の包材を横方向にシールするとともに、シールによって形成された袋を後続の包材から切り離す。底部加熱手段21は、横シール機構17の下方に配置される。底部加熱手段21は、横シール機構17によって包材から切り離されて落下する袋の底部に当接し、袋の底部を加熱する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状の包材を横シールすることにより製袋を行う製袋包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、袋を製造しながら袋の内部に菓子類などの被包装物を充填して製袋包装する装置として、製袋包装機が存在している。
【0003】
ここで、包装業界においては、購買意欲を喚起させる美観性に優れた袋の形態が種々提案されており、例えば、ピローや角底ガセットなどの形態などが実用されている。
【0004】
例えば、平たい底部を有し、直立可能な角底ガセットの袋を製造する場合、特許文献1に記載の包装機では、まず、筒状の包材を横方向にシールしてピロー状の袋を形成した後、筒状の包材に連結されている状態で袋の搬送を一旦停止させ、シール直後の余熱で軟化している袋底部の横シール部分を、L字状の折込み部材を押し当てて折り曲げることにより、袋底部に横シール部分を貼り付けている。
【特許文献1】特許3791741号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の製袋包装機では、角底ガセット形態の袋の平たい底部を成形する時に、袋を一旦停止させて、横シール部分に折込み部材を押し当てる必要があるので、間欠的な製袋動作をとらざるを得ない。
【0006】
したがって、角底ガセット形態の袋の製造において、ある程度美観性を保ちながら製造速度を向上させることは困難である。
【0007】
本発明は、連続動作によって袋の底折りを確実に行なうことが可能な製袋包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る製袋包装機は、搬送部と、横シール機構と、底部加熱手段と、を備えている。搬送部は、筒状の包材を連続的に搬送する。横シール機構は、筒状の包材を横方向にシールするとともに、シールによって形成された袋を後続の包材から切り離す。底部加熱手段は、横シール機構の下方に配置される。底部加熱手段は、横シール機構によって包材から切り離されて落下する袋の底部に当接し、袋の底部を加熱する。
【0009】
ここでは、横シール機構の下方に配置され、横シール機構によって筒状の包材から切り離されて落下する袋の底部に当接し、袋の底部を加熱する底部加熱手段を備えているので、袋底部の下側の横シール部分を袋の底部に容易かつ迅速に熱圧着できる。そして、その結果、既存の包装機の流用による製袋包装機の低コスト化、製袋作業の高速化、製袋包装機の機構の簡素化、および製袋包装機の省スペース化を達成できる。
【0010】
また、横シール機構の下方に配置され、横シール機構によって包材から切り離されて落下する袋を、袋がほぼ直立した状態で、底部加熱手段の上へ案内する案内手段をさらに備えているのが好ましい。
【0011】
ここでは、落下する袋Bを案内手段により案内させながら確実に直立状態で落下できる。
【0012】
また、案内手段が、落下する袋の両側に沿って袋を案内する一対の側面ガイドプレートと、落下する袋の背面側に沿って袋を案内する背面ガイドプレートとを有しているのが好ましい。
【0013】
ここでは、落下する袋を両側面および背面から案内させながら確実に直立状態で落下できる。しかも、案内手段の前方側が開放しているので、袋の底部を熱圧着後に搬送手段によって迅速に搬送できる。
【0014】
また、背面ガイドプレートが、底部加熱手段から垂直上方へ延びる方向に対して後方側へ傾斜しているのが好ましい。
【0015】
ここでは、背面ガイドプレートが、底部加熱手段から垂直上方へ延びる方向に対して後方側へ傾斜しているので、落下する袋の姿勢制御(とくに前倒れ防止)が可能である。
【0016】
また、落下する袋に対して外力を与えることにより、落下する袋の姿勢制御を行う姿勢制御手段をさらに備えているのが好ましい。
【0017】
ここでは、姿勢制御手段により、落下する袋に対して外力を与えることにより、落下する袋の姿勢制御を行うことが可能である。
【0018】
また、姿勢制御手段が、落下する袋に対して前方または前上方から空気を噴射させることにより、落下する袋の姿勢制御を行う空気噴射手段であるのが好ましい。
【0019】
ここでは、空気噴射手段によって、落下する袋に対して前方または前上方から空気を噴射させることにより、落下する袋の姿勢制御を行うので、前倒れ防止とともに、前上方からの噴射による確実な底折れの効果が可能である。
【0020】
また、横シール機構が、筒状の包材を横方向から挟み込むことによって熱圧着および切断する一対のシールジョーを有しており、一対のシールジョーのうち一方のシールジョーがくの字形状に突出した形状をしており、かつ、他方のシールジョーがくの字形状に凹んだ形状をしているのが好ましい。
【0021】
ここでは、一対のシールジョーのうち一方のシールジョーがくの字形状に突出した形状をしており、かつ、他方のシールジョーがくの字形状に凹んだ形状をしているので、袋の底部における横シール部分の折込みを容易にすることが可能であり、連続動作で迅速かつ確実に底折りが実現できる。
【0022】
また、一対のシールジョーのうち一方のシールジョーが、上端面または下端面からそれぞれ110〜120度傾斜した方向に延びるようにくの字形状に突出した形状をしており、かつ、他方のシールジョーが、上端面または下端面からそれぞれ60〜70度度傾斜した方向に延びるように60〜70度傾斜した方向に延びるようにくの字形状に凹んだ形状をしているのが好ましい。
【0023】
ここでは、一方のシールジョーが110〜120度傾斜した方向に延びるようにくの字形状に突出し、それに対応するように、他方のシールジョーが60〜70度傾斜した方向に延びるようにくの字形状に凹んでいるので、下側の横シール部分を袋の落下時に袋底部に迅速かつ確実に熱圧着できる最適な角度に折り曲げることができる。その結果、より迅速かつ確実にきれいな底折りが実現できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の製袋包装機によれば、連続的に包材を搬送しながら製袋処理を行う製袋包装機において、落下する袋の底部を加熱する底部加熱手段を備えているので、袋底部の横シール部分を袋底面に容易かつ迅速に熱圧着できる。その結果、既存の包装機の流用による低コスト化、製袋作業の高速化、製袋包装機の機構の簡素化、および製袋包装機の省スペース化を達成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の一実施形態に係る製袋包装機3を搭載した組合せ計量システム10について、図1〜図9を用いて説明すれば以下の通りである。
【0026】
なお、以下の説明において用いる「上流側」、「下流側」とは、フィルムFが搬送される方向を基準にした方向を意味するものとする。
【0027】
[組合せ計量システム10全体の構成]
本実施形態に係る組合せ計量システム10は、図1に示すように、被包装物となる菓子類等の商品C(図2参照)の計量を行い、計量済の商品Cをフィルムで覆って、筒状となったフィルムを縦横にシールして商品Cを袋詰めする装置であって、主として、組合せ計量装置2と、製袋包装機3と、を備えている。
【0028】
商品Cは、製袋包装機3の上方に設けられた組合せ計量装置2において、所定の重量ずつ計量されて各ホッパ内において貯留されており、回数計量によって所定の合計重量になるように排出される。
【0029】
組合せ計量装置2は、図1に示すように、後述する製袋包装機3の上部に配置されており、商品Cについて計量ホッパにおいて所定重量ずつ計量した後、これらの計量値を所定の合計重量になるように組み合わせて順次排出して所定の合計重量の商品Cとする回数計量を行う。
【0030】
製袋包装機3は、組合せ計量装置2における回数計量の結果、所定の合計重量分排出された商品Cについて、連続的に搬送されるフィルムFを用いて袋詰めする装置である。なお、この製袋包装機3については、後段にて詳述する。
【0031】
[製袋包装機3]
製袋包装機3は、図1に示すように、製袋包装ユニット5と、この製袋包装ユニット5に対して袋となるフィルムFを供給するフィルム供給ユニット6と、を含むように構成されている。
【0032】
フィルム供給ユニット6は、製袋包装ユニット5の成形機構13(図2参照)に対してシート状のフィルムFを供給するユニットであって、製袋包装ユニット5に隣接して設けられている。なお、フィルム供給ユニット6は、本発明の筒状の包材を連続的に搬送する搬送部に相当する。
【0033】
製袋包装ユニット5は、図1〜図3に示すように、シート状で送られてくるフィルムFを角筒状に成形する成形機構13と、角筒状となったフィルムF(以下、角筒状フィルムFmという。)を連続的に搬送するプルダウンベルト機構14と、角筒状フィルムFmの重なり部分を縦にシールする縦シール機構15と、角筒状フィルムFmを横にシールすることで袋Bの上下の端部を封止する横シール機構17と、ガセット形成機構18と、底部加熱機構21とを有している。
【0034】
成形機構13は、図2に示されるように、チューブ13bと、フォーマ13aとを有している。チューブ13bは、角筒形状の部材であり、上下端が開口している。このチューブ13bの上端の開口部には、組合せ計量装置2で計量された被包装物Cが投入される。フォーマ13aは、チューブ13bを取り囲むように配置されている。このフォーマ13aの形状は、フィルムロールから繰り出されてきたシート状のフィルムFがフォーマ13aとチューブ13bとの間を通るときに筒状に成形されるような形状となっている。また、成形機構13のチューブ13bやフォーマ13aは、製造する袋の大きさに応じて取り替えることができる。
【0035】
プルダウンベルト機構14は、図2に示すように、チューブ13bに巻き付いた角筒状フィルムFmを吸着して下方に連続搬送する機構であって、チューブ13bを挟んで左右両側にそれぞれベルト14cが設けられている。プルダウンベルト機構14では、吸着機能を有するベルト14cを駆動ローラ14aおよび従動ローラ14bによって回して角筒状フィルムFmを下方に運ぶ。なお、図2においては、駆動ローラ14a等を回転させるローラ駆動モータの図示を省略している。
【0036】
縦シール機構15は、チューブ13bに巻き付いた角筒状フィルムFmの重なり部分を、一定の圧力でチューブ13bに押しつけながら加熱して縦にシールする機構である。この縦シール機構15は、チューブ13bの正面側に位置しており、ヒータや、そのヒータにより加熱され角筒状フィルムFmの重なり部分に接触するヒータベルトを有している。また、縦シール機構15は、図示しないが、ヒータベルトをチューブ13bに近づけたり遠ざけたりするための駆動装置も備えている。
【0037】
横シール機構17は、成形機構13、プルダウンベルト機構14および縦シール機構15の下方に配置されている。横シール機構17は、図2に示すように、ヒータを内蔵する一対のシールジョー17a,17bを含むように構成されている。
【0038】
一対のシールジョー17a,17bは、互いに押しつけ合うようにして角筒状フィルムFmを挟持し、袋の上下のそれぞれの端部となる角筒状フィルムFmの一部に圧力および熱を加えてシールを施す。
【0039】
ガセット形成機構18は、図3に示すように、プルダウンベルト機構14と横シール機構17との間に配置されており、角筒状フィルムFmを挟み込むように左右に配置された一対の折り込み部材18a,18bを用いて袋Bの側面部分にガセット(折り込み部分)G(図5(a)等参照)を形成する。なお、このガセット形成機構18については、後段にて詳述する。
【0040】
[ガセット形成機構18の構成]
ガセット形成機構18は、図3および図4に示すように、折り込み部材18a,18bと、サーボモータMと、を備えている。
【0041】
折り込み部材18a,18bは、図2および図3に示すように、薄肉の板状部材であって、図4、図5(b)に示すように、サーボモータMの駆動によって略円形の軌道に沿って移動しながら、角筒状フィルムFmの縦シール部分B5を中心として左右の側面を挟み込むようにして、角筒状フィルムFmの一部に当接する。このとき、角筒状フィルムFmの一部には、図5(a)および図5(b)に示すように、内側へと折り込まれた部分(ガセットG)が形成される。
【0042】
[横シール機構17の構成]
横シール機構17は、図2および図6に示すように、成形機構13、プルダウンベルト機構14、および縦シール機構15の下方に配置されている。この横シール機構17は、角筒状フィルムFmを横方向から挟み込むことによって熱圧着および切断する2つのシールジョー17a,17bを有している。シールジョー17a,17bは、それぞれ内蔵するヒータによって加熱された状態で使用される。
【0043】
横シール機構17は、2つのシールジョー17a,17bをD字状に旋回させながら、角筒状フィルムFmを横シールするときに一対のシールジョー17a,17bを互いに押し付け合って熱圧着することにより袋Bの本体B1の上下両側に横シール部分B2、B3を形成し、それと同時に、横シール部分B2、B3の中央をシールジョー17aまたは17bに内蔵されたカッターで切断することにより、横シールによって形成された袋Bを後続の角筒状フィルムFmから切り離す。
【0044】
なお、カッターで切断する代わりに一対のシールジョー17a,17bによって熱溶断してもよい。
【0045】
図7に示されるように、一対のシールジョー17a、17bのうち前方側のシールジョー17aは、くの字形状に突出した形状をしており、かつ、後方側のシールジョー17bは、くの字形状に凹んだ形状をしている。これにより、一対のシールジョー17a、17bを噛み合せ時には圧接面22(すなわち、シールジョー同士の接触面)が「く」の字形状となる。これにより、袋Bの底部におけるの横シール部分B3の折込みを容易にすることが可能である。
【0046】
また、図7に示されるように、一対のシールジョー17a、17bのうち前方側のシールジョー17aは、上端面23または下端面24からそれぞれ角度θ1(110〜120度)傾斜した方向に延びるようにくの字形状に突出した形状をしている。さらに、後方側のシールジョー17bは、上端面25または下端面26からそれぞれ角度θ2(60〜70度)傾斜した方向に延びるようにくの字形状に凹んだ形状をしている。
【0047】
このように、前方側のシールジョー17aが角度θ1(110〜120度)傾斜した方向に延びるようにくの字形状に突出し、それに対応するように、後方側のシールジョー17bが角度θ1(60〜70度)傾斜した方向に延びるようにくの字形状に凹んでいるので、下側の横シール部分B3を袋Bの落下時に袋底部B4(図10〜11参照)に迅速かつ確実に熱圧着できる最適な角度に折り曲げることができる。
【0048】
なお、突出側の角度θ1が110度よりも小さい場合(すなわち、凹んでいる側の角度θ2が70度よりも大きい場合)、下側の横シール部分B3を曲げる角度が小さくなるので、を袋Bの落下時に袋底部B4に確実に熱圧着することが困難になる。一方、突出側の角度θ1が120度よりも大きい場合(すなわち、凹んでいる側の角度θ2が60度よりも小さい場合)、下側の横シール部分B3を曲げる角度が大きくなりすぎ、横シール部分B2、B3自体の熱圧着および切断が困難になる。
【0049】
[底部加熱機構21の構成]
図8および図9に示されるように、底部加熱機構21は、ヒータープレート31と、ガイドシュート32と、空気噴射部33と、押出し部34とを有している。
【0050】
なお、底部加熱機構21は、製袋包装機3の構成に含まれるが、他の構成要素とは別のユニットとして構成することが可能である。
【0051】
ヒータープレート31は、横シール機構17の下方に配置され、横シール機構17によって角筒状フィルムFmから切り離されて落下する袋Bの底部B4に当接し、袋Bの底部B4を加熱する。
【0052】
ヒータープレート31は、伝熱性の高い材料で製造されたプレート本体の底面に棒状のヒータが配置されることにより構成されている。ヒータープレート31は、袋Bがヒータープレート31に落下したときに、袋Bの底部B4を150〜160度に加熱し、袋Bの底部B4の下側の横シール部分B3を袋Bの底部B4に容易かつ迅速に熱圧着できる。
【0053】
ガイドシュート32は、横シール機構17の下方に配置され、横シール機構17によって角筒状フィルムFmから切り離されて落下する袋Bを、袋Bがほぼ直立した状態で、ヒータープレート31の上へ案内する。ガイドシュート32の高さは、袋Bに収納される商品Cによって適宜選定されるが、菓子類などの商品Cの場合、例えば、30cm前後の高さであれば、下側の横シール部分B3を袋Bの底部B4に確実に熱圧着できるとともに菓子類の損傷を抑えることができる。
【0054】
ガイドシュート32は、落下する袋Bの両側に沿って袋Bを案内する一対の側面ガイドプレート32a、32bと、落下する袋Bの背面側に沿って袋Bを案内する背面ガイドプレート32cとを有している。すなわち、ガイドシュート32は、落下する袋Bを三方向から囲む形状であり、袋Bを直立状態で確実に落下させることができる。
【0055】
さらに、背面ガイドプレート32cは、落下する袋Bの姿勢制御(とくに前倒れ防止)のために、背面ガイドプレート32cが後方へ若干寝かせてある。具体的には、背面ガイドプレート32cは、ヒータープレート31から垂直上方へ延びる方向に対して所定の角度だけ後方側へ若干傾斜している。この傾斜角度は、落下中の袋Bが背面ガイドプレート32cに接触し、かつ、落下直後の袋Bの底部B4がヒータープレート31に確実に面接触することができる角度の範囲から選定される。
【0056】
空気噴射部33は、落下する袋Bに対して圧縮空気の空気圧により、前倒れしないように、落下する袋Bの姿勢制御を行う。
【0057】
具体的には、空気噴射部33は、落下する袋Bに対して前方または前上方から空気を噴射させることにより、前倒れしないように、落下する袋Bの姿勢制御を行う。空気噴射部33は、外部の高圧空気の発生源(図示せず)からノズル33aを通して、ヒータープレート31の上に落下直後の袋Bが前に倒れないように、姿勢制御が可能である。しかも、前倒れ防止とともに、前上方からの噴射によって、袋Bに上方から押さえ付ける方向の圧力もかけることができるので、横シール部分B3の確実な底折れの効果も可能である。
【0058】
しかも、袋Bの落下のタイミングに合わせて、ノズル33aからエアージェットを噴射することにより、袋Bの姿勢の安定(前倒れ防止)及び、横シール部分B3の底折れの確実化を図ることが可能である。
【0059】
ノズル33aからエアージェットの噴射角度、噴射圧力および噴射時間は、袋B内部の商品Cや製造速度等の諸条件を考慮して、適宜選定される。
【0060】
押出し部34は、ガイドシュート32の背面ガイドプレート32cに形成された開口32dを通して、ヒータープレート31の上に落下直後の袋Bをヒータープレート31の前方に配置されたコンベアVへ押し出することができ、次の袋Bが落下する前にヒータープレート31の上から袋Bを迅速に排出することが可能である。
【0061】
押出し部34は、袋Bに当接するプッシャープレート34aと、プッシャープレート34aを前後へ往復移動させるプッシュロッド34bとを有する。プッシャープレート34aは、背面ガイドプレート32cと同一平面上に配置された収納位置と、前方へ突出した位置との間を往復する。
【0062】
[製袋包装機3の特徴]
(1)
実施形態の製袋包装機3では、横シール機構17の下方に配置され、横シール機構17によって角筒状フィルムFmから切り離されて落下する袋Bの底部B4に当接し、袋Bの底部B4を加熱する底部加熱機構21を備えているので、図10〜11に示されるように袋Bの底部B4の下側の横シール部分B3を袋Bの底部B4に容易かつ迅速に熱圧着できる。
【0063】
その結果、既存の製袋包装機を利用できるので、製袋包装機3の低コスト化が可能である。例えば、本実施形態では、底部加熱機構21は、製袋包装機3の構成に含まれるが、他の構成要素とは別のユニットとして構成することが可能であり、既存の製袋包装機と組み合わせることも容易に可能である。
【0064】
そして、製袋作業の高速化、製袋包装機3の機構の簡素化、および製袋包装機3の省スペース化を達成できる。
【0065】
とくに、袋Bをヒータープレート31に落下するだけで、袋Bの底部B4の横シール部分B3を袋Bの底面に容易かつ迅速に熱圧着できるので、連続的に製袋動作を行うことができるので、高速化が可能になっている。
【0066】
すなわち、従来の製袋包装機のように底部の横シール部分を折る動作を間欠的に行いながら製造速度を速くして高速性を高めると、袋底部が十分にシールされずに製品不良が生じる可能性があるが、本実施形態の製袋包装機3のように、袋Bをヒータープレート31に落下して熱圧着させる構成であれば、機械動作の連続動作が可能となり、かつ、良好な袋底部を形成することが可能である。
【0067】
(2)
また、実施形態の製袋包装機3では、ガイドシュート32は、落下する袋Bの両側に沿って袋Bを案内する一対の側面ガイドプレート32a、32bと、落下する袋Bの背面側に沿って袋Bを案内する背面ガイドプレート32cとを有している。すなわち、ガイドシュート32は、落下する袋Bを三方向から囲む形状であり、袋Bを直立状態で確実に落下させることができる。
【0068】
これにより、落下する袋Bを両側面および背面から案内させながら確実に直立状態で落下できる。しかも、ガイドシュート32の前方側が開放しているので、袋Bの底部B4を熱圧着後にコンベアV等の搬送手段によって迅速に搬送できる。
【0069】
(3)
また、実施形態の製袋包装機3では、背面ガイドプレート32cは、ヒータープレート31から垂直上方へ延びる方向に対して後方側へ傾斜しているので、落下する袋Bの姿勢制御(とくに前倒れ防止)を達成できる。
【0070】
(4)
また、実施形態の製袋包装機3では、空気噴射部33は、落下する袋Bに対して圧縮空気の空気圧により、落下する袋Bの姿勢制御を行うので、落下する袋Bの姿勢制御(とくに前倒れ防止)を確実に行うことが可能である。
【0071】
(5)
また、実施形態の製袋包装機3では、空気噴射部33が、落下する袋Bに対して前方または前上方から空気を噴射させることにより落下する袋Bの姿勢制御を行う。これにより、前倒れ防止とともに、前上方からの噴射による確実な底折れの効果が可能である。
【0072】
(6)
本実施形態の製袋包装機3では、一対のシールジョー17a、17bのうち前方側のシールジョー17aがくの字形状に突出した形状をしており、かつ、後方側のシールジョー17bがくの字形状に凹んだ形状をしている。これにより、袋Bの底部B4におけるの横シール部分B3の折込みを容易にすることが可能であり、連続動作で迅速かつ確実に底折りが実現できる。
【0073】
いいかえれば、横シール後、自由落下によりシールジョー17a、17b下部のヒータープレート31上に袋Bを落下させ、袋Bの落下エネルギーによって、図10および図11に示されるような、横シール部分B3が折れ曲がった平たい底部B4を有し、美しい角底形状の袋Bを迅速に製造することが可能である。
【0074】
(7)
また、本実施形態の製袋包装機3では、前方側のシールジョー17aが角度θ1(110〜120度)傾斜した方向に延びるようにくの字形状に突出し、それに対応するように、後方側のシールジョー17bが角度θ1(60〜70度)傾斜した方向に延びるようにくの字形状に凹んでいるので、下側の横シール部分B3を袋Bの落下時に袋底部B4に迅速かつ確実に熱圧着できる最適な角度に折り曲げることができる。その結果、より迅速かつ確実にきれいな底折りが実現できる。
【0075】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0076】
(A)
まず、本発明の製袋包装機によって包装される菓子類は、袋がヒータープレートの上に落下したときに、下側の横シール部分B3を確実に折り曲げることができる程度のある程度の重量を有しているのが好ましい。したがって、例えば、比較的重い菓子類として、チョコレートをコーティングしたスナック菓子などが好ましい。
【0077】
(B)
上記の実施形態では、姿勢制御手段は、落下する袋Bに対して前方または前上方から空気を噴射させることにより、前記落下する袋の姿勢制御を行う空気噴射手段を例にあげて説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、真空吸引やプッシャーその他の姿勢制御手段を採用しても良い。
【0078】
(C)
なお、本発明の製袋包装機は、間欠的な製袋動作も可能であるが、この場合も従来よりもより高速な製袋動作が可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の製袋包装機は、連続的に包材を搬送しながら横シールをして製袋処理を行う製袋包装機に対して広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の一実施形態に係る組合せ計量システムの全体構成を示す斜視図。
【図2】図1の組合せ計量システムに含まれる製袋包装機のうち、成形機構、プルダウンベルト機構、縦シール機構、横シール機構、およびガセット形成機構の構成を示す斜視図。
【図3】図1の製袋包装機に含まれる各部材の構成を概略的に示す分解斜視図。
【図4】図1の製袋包装機に含まれるガセット形成機構および横シール機構周辺の構成を示す正面図。
【図5】(a),(b)は、筒状フィルムに対して折り込み部材が押し当てられた状態を示す平面図および正面図。
【図6】図2の横シール機構の熱圧着および切断動作を示す模式図。
【図7】図2の横シール機構の一対のシールジョーを示す拡大図。
【図8】図1の底部加熱機構の斜視図。
【図9】図1の底部加熱機構およびコンベアの正面図。
【図10】図1の製袋包装機によって製造された袋の側面図。
【図11】図1の製袋包装機によって製造された袋の正面図。
【符号の説明】
【0081】
2 組合せ計量装置
3 製袋包装機
5 製袋包装ユニット
6 フィルム供給ユニット
10 組合せ計量システム
13 成形機構
13a フォーマ
13b チューブ
14 プルダウンベルト機構
14a 駆動ローラ
14b 従動ローラ
14c ベルト
15 縦シール機構
17 横シール機構
17a,17b シールジョー
18 ガセット形成機構
18a,18b 折り込み部材
21 底部加熱機構
22 圧接面
31 ヒータープレート
32 ガイドシュート
32a、32b 側面ガイドプレート
32c 背面ガイドプレート
32d 開口
33 空気噴射部
34 押出し部
B 袋
B1 本体
B2 横シール(上)
B3 横シール(下)
B4 底部
B5 縦シール部分
C 商品
F フィルム
Fm 角筒状フィルム
G ガセット
M サーボモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の包材を連続的に搬送する搬送部と、
前記筒状の包材を横方向にシールするとともに、シールによって形成された袋を後続の包材から切り離す横シール機構と、
前記横シール機構の下方に配置され、前記横シール機構によって包材から切り離されて落下する袋の底部に当接し、前記袋の底部を加熱する底部加熱手段と
を備えている、
製袋包装機。
【請求項2】
前記横シール機構の下方に配置され、前記横シール機構によって包材から切り離されて落下する袋を、前記袋がほぼ直立した状態で、前記底部加熱手段の上へ案内する案内手段をさらに備えている、
請求項1に記載の製袋包装機。
【請求項3】
前記案内手段は、
落下する前記袋の両側に沿って前記袋を案内する一対の側面ガイドプレートと、
前記落下する袋の背面側に沿って前記袋を案内する背面ガイドプレートと
を有している、
請求項2に記載の製袋包装機。
【請求項4】
前記背面ガイドプレートは、前記底部加熱手段から垂直上方へ延びる方向に対して後方側へ傾斜している、
を有している、
請求項3に記載の製袋包装機。
【請求項5】
落下する前記袋に対して外力を与えることにより、前記落下する袋の姿勢制御を行う姿勢制御手段をさらに備えている、
請求項1から4のいずれかに記載の製袋包装機。
【請求項6】
前記姿勢制御手段は、落下する前記袋に対して前方または前上方から空気を噴射させることにより、前記落下する袋の姿勢制御を行う空気噴射手段である、
請求項5に記載の製袋包装機。
【請求項7】
前記横シール機構は、前記筒状の包材を横方向から挟み込むことによって熱圧着および切断する一対のシールジョーを有しており、
前記一対のシールジョーのうち一方のシールジョーは、くの字形状に突出した形状をしており、かつ、他方のシールジョーは、くの字形状に凹んだ形状をしている、
請求項1から6のいずれかに記載の製袋包装機。
【請求項8】
前記一対のシールジョーのうち一方のシールジョーは、上端面または下端面からそれぞれ110〜120度傾斜した方向に延びるようにくの字形状に突出した形状をしており、かつ、
他方のシールジョーは、上端面または下端面からそれぞれ60〜70度度傾斜した方向に延びるように60〜70度傾斜した方向に延びるようにくの字形状に凹んだ形状をしている、
請求項7に記載の製袋包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−83563(P2010−83563A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−256278(P2008−256278)
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】